2月11日のニュース
今季のスーパーリーグ公式球がORBITA MFL1に決定
FAカップ1回戦および2回戦の組み合わせ発表-JDTは初戦で鈴木ブルーノ選手所属のPDRM FCと対戦
3月4日開幕のM3リーグの今季日程が発表

今季のスーパーリーグ公式球がORBITA MFL1に決定

マレーシアスーパーリーグを運営するマレーシアンフットボールリーグMFLは、今季のリーグ公式球にプーマ社のORBITA MFL1が採用されたことを公式サイトで発表しています。このORBITA MFL1はスーパーリーグ公式戦の他、マレーシアカップやFAカップなど今季MFLが主催するすべての公式戦で使用されるということです。

プーマ社のORBITAは、スペインのラ・リガやイタリアのセリエA、そして英国2部EFLチャンピオンシップなどでも採用されているボールです。なおMFLは一昨季、昨季にもプーマ社のMFL Accelerate 21.1 Proをリーグ公式球に採用しています。

FAカップ1回戦および2回戦の組み合わせ発表-JDTは初戦で鈴木ブルーノ選手所属のPDRM FCと対戦

今季のFAカップの1回戦と2回戦の組み合わせ抽選が行われ、昨季優勝のジョホール・ダルル・タジム(JDT)に加え、スーパーリーグ2位のトレンガヌFC以下、サバFC、ヌグリスンビランFC、スランゴールFC、KLシティFC、そして昨季の2部プレミアリーグで2位のクランタンFCと3位のクチンシティFCの合計8チームはシードされています。

このシードされた8チームは2回戦から登場する一方で、昨季のスーパーリーグの下位3チームのスリ・パハンFC、クダ・ダルル・アマンFC、ペナンFCと、プレミアリーグの会3チームのクランタン・ユナイテッドFC、PDRM FC、ペラFC、そして3部M3リーグの6チームの合計12チームはは1回戦から登場します。しかしなぜか、このうち4チームは1回戦が不戦勝となっており、1回戦から出場するPDRM FCは不戦勝で2回戦に進みJDTとの対戦が決まっており、同様に3部のPIB シャー・アラムFCはヌグリスンビランFCと、3部のマラッカFCはトレンガヌFCと、そしてクランタン・ユナイテッドFCはサバFCと2回戦での対戦が決まっています。

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FAカップは言わば日本の天皇杯にあたる全国規模の大会で、かつては4部リーグのチームにまで門戸が開かれていましたが、新型コロナ禍で2年間中止となり、3年ぶりに再開された昨季は3部リーグ以下ではシーズンそのものが中止されていたため1部と2部のチームのみが出場しました。しかし蓋を開けてみれば1部スーパーリーグの14チームと3部14チーム中6チームという何とも中途半端な大会となっています。しかも1回戦不戦勝の4チームを作るくらいなら、3部からもう4チーム出場させて不戦敗を無しとするとか、或いは3部の全14チームの4チームは予選ラウンドから、残る10チームを1回戦から出場させるなどのフォーマットも考えられたはず。今季は2部が休止されているため入れ替え戦がない3部のチームにとってこのFAカップは、この国のトップリーグのクラブとガチで試合ができる貴重な機会かと思うのですが、MFLも3部以下を統括するAFLもそういった発想はないようです。

3月4日開幕のM3リーグの今季日程が発表

Mリーグ3部にあたるM3リーグ以下を統括するアマチュアフットボールリーグAFLは、今季第3節までの日程を公式Facebookで発表しています。

昨季までの1部スーパーリーグと2部プレミアリーグが今季から統合、改編されて「新」スーパーリーグとなった結果、今季は2部プレミアリーグが中止となり、このM3リーグが実質2部リーグとなっています。またトップリーグであるプレミアリーグの改編に合わせて、これまでここのチームの判断に任されていたプロ選手との契約は、今季からは全チームに最低10名の選手とプロ契約を結ぶことを義務付けるなど、M3リーグもセミプロリーグ化へと舵を切っています。.

プロ選手との契約の義務化は、M3リーグ各クラブがプロクラブとして運営されるための経験を積ませるためだと説明するAFLのユソフ・マハディ会長は、実質国内2部リーグであるM3リーグの各クラブが今後トップリーグへ昇格するための準備として、この規則改変が必要だと説明しています。

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昨季スーパーリーグでプレーしたPJシティFCやプレミアリーグでプレーしたUITM FCが今季のスーパーリーグ参加を取りやめた他、給料未払い問題が未解決を理由にスーパーリーグでプレーするためのクラブライセンスが交付されなかったマラッカ・ユナイテッドFCとサラワク・ユナイテッドFCもスーパーリーグを離脱し、昨季の1部と2部で合わせて4つのプロクラブがスーパーリーグから撤退しています。これにより行き場を失った選手たちにとっても、M3リーグのセミプロリーグ化は朗報となっています。さらに今季のM3リーグには、ノーシャルル・イドラン・タラハやハフィズル・ハキムといった元マレーシア代表を揃え、監督には前述のPJシティFCで昨季の監督を務めたP・マニアム氏を起用するハリニFTなど、積極的な補強を行うチームあり、従来のM3リーグとは全く別物になりそうです。

1月26日のニュース
タイリーグカップベスト16-サファウィ・ラシドとディオン・コールズが揃ってチームの勝利に貢献
サラワク・ユナイテッドFCオーナーが未払い給料を3月までの完済を約束
クランタンFCオーナー所有のインドネシア2部クラブが解散

今季のマレーシアスーパーリーグの日程が発表されました。詳細はこちらから確認できます。注目のカードなどは明日以降に紹介していきたいと思いますが、とりあえず第1節では昨季2部プレミアリーグで優勝を争ったクランタンFC対クチンシティFCがボラセパマレーシアJP的には注目です。

タイリーグカップベスト16-サファウィ・ラシドとディオン・コールズが揃ってチームの勝利に貢献

タイリーグのカップ戦、Revoカップ2023はベスト16が行われ、サファウィ・ラシドが所属するラーチャブリーFCと、ディオン・コールズが所属するブリーラム・ユナイテッドが勝利しています。*試合のハイライト映像は、タイリーグ公式YouTubeチャンネルより)

タイリーグカップ2023 ベスト16
1月25日@ドラゴン・ソーラー・パークスタジアム
ラーチャブリーFC 0-0 ノーンブワ・ピッチャヤFC(PK 5-4)
サファウィ・ラシドは移籍後初となる先発出場し、85分に交代しています。なおリーグ戦に続きこの試合でもイエローカードをもらっています。

1月25日@SCGスタジアム
ムアントン・ユナイテッド 1-2 ブリーラム・ユナイテッド
ディオン・コールズはリーグ戦に続き2戦連続で先発してフル出場しています。

サラワク・ユナイテッドFCオーナーが未払い給料を3月までの完済を約束

昨季の給料未払い問題が未だ解決されてないサラワク・ユナイテッドFCについて、クラブのオーナーで、サラワク州サッカー協会の会長でもあるポサ・マジャイス会長は、今年3月までにこの未払い給料を完済することを「再び」約束したと、東マレーシアのサッカー専門サイト、サラワククロックスが伝えています。

ポサ会長によれば、未払い給料の総額は100万マレーシアリンギ(およそ3000万円)を超えるということですが、サラワク州政府などからクラブに割り当てられた資金から、給料未払いとなっています選手への支払いが認められたと説明しています。

「選手には未払い給料が支払われることは既に通知済みである。クラブが受け取った資金は未払い給料の全てを完済するの十分であり、2月から段階的に支払いを始める予定で、せんしゅにはもうしばらく待っていてもらいたい。」と話したポサ会長ですが、既に一度は未払い完済を約束していましたが、その約束はこれまで守られていませんでした。その後、サラワク・ユナイテッドの選手は未払い給料問題をメディアを通じて明らかにし、マレーシアプロサッカー選手会(PFAM)も、サラワク・ユナイテッドの選手と面談を行っていました。

クランタンFCオーナー所有のインドネシア2部クラブが解散

今季からスーパーリーグに参戦するクランタンFCのオーナー、ザムサハムことノリザム・トゥキマン氏は様々な事業を手がける実業家としても知られていますが、このノリザム氏が所有するインゴネシア2部リーグのPSPSリアウが、公式にクラブの解散を発表しています。なお、ノリザム氏は、2018年に給料未払い問題が起こっていたPSPSリアウを資金援助する形でオーナーとなっていました。

今季のインドネシア2部リーグは昨年2022年8月に開幕したものの、135名が亡くなった10月1日の「カンジュルハンスタジアムの悲劇」以降は中断されており、各クラブとも5試合から7試合を終了しただけでした。3地区に分かれて開催される2部リーグの西地区に所属しているPSPSリアウは、ここまで0勝1分5敗、得点6失点11と9チーム中の最下位となっており、サポーターから不満の声が上がっていましたが、皮肉なことにインドネシアサッカー協会PSSIによる今回の2部リーグ中止に発表は、PSPSリアウサポーターからは3部への降格がなくなった、と好意的に受け止められていました、

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PSSIは1月12日に今季の2部リーグおよび3部リーグの中止を発表しましたが、その際にPSSIのユヌス・ヌシ事務局長は各クラブオーナーとの話し合いの結果、大多数の2部リーグクラブのオーナーが再開を望んでいないことがその理由と説明していますが、実際には2部リーグを運営する新インドネシアリーグ社と2部リーグクラブの双方が互いに信頼を欠いていることが原因という報道もあります。(28クラブ中20クラブが再開を望まなかった、という現地報道もあります。)

またインドネシアでは今年5月にFIFA U20ワールドカップが5月から6月にかけて開催されることから、それまでに今季は28チームが参加している2部リーグを終えることが困難だという点も考慮されたようです。

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という記事を書きましたが、2部リーグ再開の可能性が出てきたという報道がされています。新インドネシアリーグ社のフェリー・ポーラス社長はバブル形式(集中開催方式)で2月24日からの再開を目指しているというものです。

1月21日のニュース
東南アジア選手権がFIFA国際マッチデーカレンダーに組み込まれる可能性が浮上
プロ選手会がマラッカ・ユナイテッドに未払い給料7000万円の速やかな支払いを要求
ヨルダン出身の女子代表新監督がU20代表候補に43名を選出

東南アジアサッカー連盟AFF選手権三菱電機カップ2022で優勝したタイは、11月末から中断していた1部リーグが今日から再開されますが、マレーシアのサッカーファンの注目は、タイ1部でプレーする新旧4名のマレーシア代表選手です。その4名とは、ジョホール・ダルル・タジム(JDT)からラーチャブリーFCに加入したFWサファウィ・ラシド、同じくJDTから移籍し、タイリーグには2シーズン振りの復帰となるDFジュニオール・エルドストール(PTプラチュワップFC)、ブリーラム・ユナイテッドに加入するDFディオン・コールズ、そして既に今季の開幕からコーンケン・ユナイテッドFCでプレーするMFリリドン・クラスニキ(JDTから期限付き移籍)ですが、このボラセパマレーシアJPでは、この4名が出場する試合もフォローしていきます。

東南アジア選手権がFIFA国際マッチデーカレンダーに組み込まれる可能性が浮上

東南アジアサッカー連盟AFF選手権三菱電機カップ2022はタイの連覇で幕を閉じましたが、この大会がFIFAの国際マッチカレンダーに含まれる可能性があると、マレーシア語紙のブリタハリアンが報じています。ベトナムメディアの記事を引用する形で書かれたこの記事では、AFF選手権2022決勝セカンドレグを観戦に訪れたFIFAのジャンニ・インファンティーノ会長が「東南アジアのワールドカップ」とも呼ばれるこのAFF選手権でのファンの熱狂振りを目の当たりにした上で、「AFF選手権を格上げして、FIFAカレンダーに含まれるようにするべきだ」と発言したということです。

インファンティーの会長はさらに「、AFFとFIFAが協力し、東南アジア諸国にとって重要なこの大会についてFIFAカレンダーに入れることで、AFF選手権はさらに大きな大会へと発展させられる。6億5000万人を超える人口を持つこの地域でのサッカー人気は高く、近年は男子、女子共に東南アジアのチームが良い結果を出している」と述べたということです。

AFF選手権はFIFAの国際マッチカレンダーに含まれていないことから、各国のクラブには選手を代表チームにリリースする義務はなく、今大会でもマレーシアでは国内リーグ9連覇を果たしてジョホール・ダルル・タジムからは11名の選手が代表チームへの参加を辞退した他、優勝したタイも前回2020年大会のMVPチャナティップ・ソングラシン(川崎)、スパチョーク・サラチャート(札幌)のJリーグ勢を欠いていました。

プロ選手会がマラッカ・ユナイテッドに未払い給料7000万円の速やかな支払いを要求

マレーシアプロサッカー選手会(PFAM)は、昨年7月から12月までの選手及び監督、コーチの給料230万マレーシアリンギ(およそ6950万円)が未払いとなっているマラッカ・ユナイテッドに対して、この事実を公表した上で、速やかな完済を求めています。

PFAMは「昨年11月4日にマラーシアサッカー協会FAMの紛争解決室(DRC)は、マラッカ・ユナイテッドに対して、まずは1ヶ月分の未払い給料を1月18日までに支払うことを命じたが、この命令は無視された。また残る5ヶ月分の未払い給料についてはDRCに報告が行われた。」と発表し、今月1月18日が支払い期限だったにもかかわらず、この期限を過ぎても6ヶ月分の未払い給料が支払われておらず、マラッカ・ユナイテッドに所属していた選手たちの生活が困窮しているとしています。

なおマラッカ・ユナイテッドはこの給料未払い問題未解決を理由に、今季のスーパーリーグに出場するための国内クラブライセンスが交付されませんでした。そしてPFAMによると、このマラッカ・ユナイテッドのオーナーシップが問題を複雑化させており、いずれの「関係者」も給料未払い問題解決に積極的に取り組んでいないことが最大の問題となっているということです。

昨季終了後の12月にマラッカ・ユナイテッドのジャスティン・リムCEOは、自身がCEOを務めるケンチーム社がクラブの株式70%を所有し、マラッカ州サッカー協会(MUSA)が残りの30%を所有していることを明らかにした上で、未払い給料に関してはケンチーム社が負担すべき分については既に支払いを終えたとして、残りはMUSAが負担するべきだと主張しています。その一方でMUSAはマラッカ・ユナイテッドとは別のマラッカFCを創設し、このマラッカFCで3部リーグに当たるM3リーグに参戦する方針を発表しています。

先日のこのブログではサラワク・ユナイテッドの昨季の未払い給料(こちらは40万マレーシアリンギ-およそ1200万円)が年が明けても支払われていないニュースを取り上げましたが、同じ理由で今季のクラブライセンスが交付されなかったマラッカ・ユナイテッドでも給料未払い問題は解決していませんでした。この状況について、マレーシアサッカー協会FAMノー・アズマン・ラーマン事務局長は、この両チームに対して更なる処分を課す可能性について述べていますが、具体的に何ができるのかは疑問です。

またマラッカFC、そしてサラワク・ユナイテッドFCが今季から参戦するセミプロリーグのM3リーグに所属するクラブからは、給料未払い問題が解決していない両クラブのM3リーグ参戦に疑問の声も上がっています。M3リーグを運営するアマチュアフットボールリーグ(AFL)は、M3リーグに参戦するマラッカFCがマラッカ・ユナイテッドとは別のクラブであることから参戦に問題がないと説明していますが、マラッカFCの運営母体は給料未払い問題の一端を担うMUSAから名称を変更したマラッカ州サッカー協会MAFAであり、実態は何も変わっていないことにAFLが目を瞑っていることがその理由の一つです。さらにマラッカFCには、昨季スーパーリーグでプレーした選手は1人も残っておらず、マラッカ・ユナイテッドとは全く別のチームであるならば、新規参入クラブとしてMリーグ最下位の5部M5リーグからスタートするべきだという意見もあります。

またAFLに対しては、給料未払い問題が解決していない上、昨季まで在籍した選手全員との契約を更新しなかったサラワク・ユナイテッドのM3リーグ参戦を認めたことへの批判もあります。FIFAはサラワク・ユナイテッドに対し、現在開いているマレーシアの第1回トランスファーウィンドウ期間中の新規選手獲得禁止処分を課しており、M3リーグに参戦するための選手をどのように確保するのかが不透明であり、クラブとしての体を成すかどうかも定かでないサラワク・ユナイテッドのM3リーグ参戦を認めているAFLに対して、参戦を認める根拠が説明されていないという批判です。

ヨルダン出身の女子代表新監督がU20代表候補に43名を選出

昨年12月にマレーシア女子代表監督に就任したソリーン・アル=ゾウビ氏は、U20代表候補として総勢43名を招集して合宿を行ったことを、マレーシア語紙ウトゥサン・マレーシアが報じています。ソリーン監督は、2014年からヨルダンサッカー協会の女子部門のトップを務めた他、同協会のアシスタントTD(テクニカルディレクター)も務めていましたが、マレーシアサッカー協会FAMが女子代表監督として招聘しています。

昨日1月20日に終了した4日間のこの合宿がマレーシアサッカー協会FAMでの初仕事となったソリーン監督は、FAMが主催したマレーシア国内各地での女子サッカー大会に参加した選手たちの中から、自身の手で選んだ選手を招集したということです。

女子U20代表は今年3月にU20女子アジアカップ2024年大会の予選が予定されており、今回の候補合宿はこの予選のための準備の一環として行われ、合宿では「速さ」と「強さ」について各選手が測定を受けた後、ピッチでは強度の高い練習が行われたということです。

1月18日のニュース
昨季給料未払いが続くサラワクUの選手らが青年スポーツ相に仲裁を直訴
今年復活のムルデカ大会出場国にシリアとパレスチナが浮上
タイ1部ラーチャブリーFC移籍のサファウィ・ラシドが入団会見

昨季給料未払いが続くサラワクUの選手らが青年スポーツ相に仲裁を直訴

給料未払い問題を理由に今季の国内クラブライセンスが交付されず、Mリーグ1部スーパーリーグに参加できなくなったサラワク・ユナイテッドFCは、今季はMリーグ3部に当たるセミプロリーグのM3リーグで再出発することが発表されていますが、このサラワク・ユナイテッドで昨季プレーした選手や監督、コーチに対し、給料3ヶ月分が未だ未払いになっていると、英字紙スターが報じています。

選手や首脳陣による合同声明によると、クラブは完済を約束したにもかかわらず、3ヶ月分の給料や出場・勝利給を未だ支払っておらず、中には4ヶ月分の給料が未払いとなっていくケースも含まれているということです。なお、クラブは未払い給料を昨年12月末までに完済することを口頭でだけでなく、文書でも確約したにもかかわらず、既に年も明け、未だ何の進展もないことから、この状況を明らかにするとともに、この問題についてハンナ・ヨー青年スポーツ相による仲裁を求めたいとしています。

今年復活のムルデカ大会出場国にシリアとパレスチナが浮上

マレーシアの独立(マレーシア語で「ムルデカ」)を記念して1957年に第1回大会が開催されたムルデカ大会はこれまでに41回開催された、アジアでも最古の国際招待大会の一つで、かつては日本代表も何度も出場しています。今年9月に実に10年ぶりに復活するムルデカ大会について、これを主催するマレーシアサッカー協会FAMは西アジアから1カ国、東南アジアから2カ国を招待し、出場4カ国で開催することを検討していると、マレーシア語紙ブリタハリアンが報じています。

この記事では西アジアの国としてシリア(直近のFIFAランキング90位)とパレスチナ(同93位)、また東南アジアの国としてはベトナム(同96位)とタイ(同111位)が招待国の候補に上がっているとしています。

この記事の中で、FAM競技委員会のフィルダウス・モハメド委員長は、現在FIFAランキング145位のマレーシアは、FIFAの国際マッチデー期間に開催予定のムルデカ大会では格上のチームとの対戦を希望しており、マレーシア代表はこの大会を来年2024年1月にカタールで開催されるAFCアジアカップへ向けての準備の一貫として使用する目的だと述べています。またこのムルデカ大会の試合形式については、4チームによる準決勝の後、準決勝の勝者は決勝を、敗者は3位決定戦を行うことで、各チームが2試合ずつ行える形式になるだろうとも述べています。

タイ1部ラーチャブリーFC移籍のサファウィ・ラシドが入団会見


タイ1部リーグのラーチャブリーFCは、Mリーグ1部スーパーリーグのジョホール・ダルル・タジムJDTからいずれも期限付き移籍したマレーシア代表FWサファウィ・ラシドとマリ代表FWムサ・シディベの入団会見を行っています。

記者会見の席では、15歳で本格的にサッカーを始めた頃からタイリーグでプレーしてみたいと思っていたと話したサファウィ選手はその夢が実現したことを喜んでいると述べています。

ラーチャブリーFCには、いずれも三菱電機カップ2022に出場したミャンマー代表のGKミョー・ミン・ラット、DFハイン・ピョー・ウィン、DFナンダ・チョーが東南アジア(アセアン)枠の選手として在籍しており、サファウィ選手は、まず彼らとの出場権争いに勝利することが目標となります。

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東南アジアサッカー連盟AFF選手権三菱電気カップ2022により11月下旬から中断していたタイ1部リーグは今週末1月21日(土)に再開します、サファウィ選手が加入したラーチャブリーFCは15試合を終えて8勝5分け2敗で、リーグ首位のブリーラム・ユナイテッドFCとは勝点差10の3位につけています。また1月21日の試合で対戦するコーンケン・ユナイテッドFCには、元JDTでマレーシア代表でもプレー経験があるリリドン・クラスニキも在籍しており、サファウィ選手とのマレーシア選手対決がいきなり見られるかもしれません。

なおサファウィ選手は、2020年にポルトガル1部のポルティモネンセSCにやはり期限付き移籍しながら、トップチームはおろか、セカンドチームでもほとんど出場機会を得られず、1年も経たずに退団、帰国した苦い経験もあります。その後はJDTでもレギュラーの座を昨季2年連続リーグMVPを獲得したアリフ・アイマンに奪われ、出場機会が激減し、先日マレーシア代表として出場した三菱電気カップ2022でも、かつてのような輝きは見ることができませんでした。まずは試合出場、そしてクラブで主力となることで、代表でも再びその勇姿が見られるのではないかとボラセパマレーシアJPは期待を寄せています。

12月8日のニュース
クダ新監督にナフジ・ザイン前トレンガヌ監督が就任
来季スーパーリーグ不参加のサラワク・ユナイテッドが3部リーグ加入を申請
体調不良のファイズ・ナシルに代わってU23代表のアリフ・イズワンがA代表合宿に合流

クダ新監督にナフジ・ザイン前トレンガヌ監督が就任

Mリーグ1部スーパーリーグで今季8位に終わったクダ・ダルル・アマンFCは、クラブ公式SNSでナフジ・ザイン前トレンガヌ監督の就任を発表しています。契約期間は2年ということです。

2020年からトレンガヌFCの指揮を取り、今季はチームをリーグ2位、FAカップ準優勝、マレーシアカップベスト4の好成績に導いたナフジ氏でしたが、クラブ運営陣への不信感からオファーされた1年の契約延長を拒否し、契約満了に伴い退団していました。

シンガポール出身のアイディル・シャリン監督の元、2020年、2021年シーズンはいずれも優勝したジョホール・ダルル・タジムJDTに次ぐ2位となったクダは、今季開幕前にMFバドロル・バクティアル、DFリザル・ガザリ(いずれもサバFCへ移籍)ら代表選手が移籍し、FWクパー・シャーマン、FWチェチェ・キプレ(いずれもトレンガヌFCへ移籍)など外国籍選手を全員入れ替えた結果、8位に低迷、リーグ戦終了と同時にアイディル監督は退団していました。

またクダは、今季終了後にはやはり外国籍選手5名全員が契約満了で退団した他、トップチームの12名の選手と契約を更新せず、さらに来季はトップチームの登録を30名から25名に縮小するなど、2季連続でチームの大幅刷新を図ろうとしています。

2007年から2009年までは選手としてクダでプレーし、2007年の国内三冠(スーパーリーグ優勝、FAカップ優勝、マレーシアカップ優勝)も経験しているナフジ新監督は、かつての栄光を取り戻すことは容易ではないとしながらも、地元のクダ州出身の若い選手を成長させて、より強いチームを作りたいと入団会見で話しています。

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大幅にメンバーが変わるクダには、PJシティの正GKで、現在開催中の代表候補合宿にも招集されているカラムラー・アル=ハフィズの加入が発表された他、今季トレンガヌでナフジ監督の元でプレーしたMFマヌエル・オット(フィリピン)も加わるのではと言う噂も出ています。その一方でクダと契約を更新した選手たちはトップチームの経験が少ない若手が中心で、育成に定評があるナフジ監督の手腕が問われる2年となりそうです。

来季スーパーリーグ不参加のサラワク・ユナイテッドが3部リーグ加入を申請

今季、Mリーグ1部スーパーリーグで11位に終わったサラワク・ユナイテッドFCは、選手に対する給料未払いが理由で、来季のMリーグ1部スーパーリーグ参加のための国内クラブライセンスが交付さなませんでした。このサラワク・ユナイテッドが来季はMリーグ3部でセミプロリーグのM3リーグ参加の申請を行ったと、東マレーシア(サバ・サラワク)のサッカーの話題を中心に取り上げているサッカー専門サイトのサラワク・クロックスが報じています。

サラワク・ユナイテッドは、かつて在籍した外国籍選手への15万マレーシアリンギ(およそ4700万円)の給料未払いが滞り、選手がFIFAの紛争解決室に持ち込んだ結果、今後3回のトランスファーウィンドウ期間中の新規選手獲得禁止処分を受けるなど、運営に多くの問題を抱えてい多クラブでした。

M3リーグを運営するアマチュアフットボールリーグAFLのライミ・フィクリCEOは、サラワク・ユナイテッドからの来季のM3リーグ参加申請を受け取ったことを明らかにする一方で、この申請がM3リーグ参加を確約するものではなく、運営資金などに関する資料の提出を受け、その内容を審査した上で参加の可否を決定するとしています。

またライミCEOはこのサラワク・ユナイテッドの他に、今季スーパーリーグでプレーしながら、やはり給料未払いが理由で国内クラブライセンスが不交付となったマラッカ・ユナイテッドFC、そしてマラッカ州サッカー協会が新たに設立したマラッカFCの3クラブからM3リーグ参加申請が提出されていることを明らかにしています。

サラワク・ユナイテッドを加えると計15チームから出されているM3リーグ参加申請内容の審査は既に80%ほどは終了していると述べたライミCEOは、数週間以内には、来季のM3リーグ参加クラブが決定し、これを発表できるだろうと述べています。

体調不良のファイズ・ナシルに代わってU23代表のアリフ・イズワンがA代表合宿に合流

マレーシアサッカー協会FAMは公式SNSで、A代表候補合宿に参加中のMFファイズ・ナシル(トレンガヌFC)が体調不良のため合宿を離脱し、代わりに12月6日に終了したU23代表合宿に参加していた18歳のFWアリフ・イズワン(スランゴール2)がA代表合宿に参加することを発表しています。

FAMの発表によりと、11月30日と12月1日に行われたA代表とU23代表の合同練習、そして12月2日に行われたA代表対U23代表の練習試合でのアリフ選手のプレーぶりがキム・パンゴンA代表監督の目に止まったと言うことです。またこのアリフ選手については、現在U23代表の監督を務める一方で、A代表でもコーチを務めるE・エラヴァラサン監督からもA代表候補合宿への参加が提案されていたと言うことです。

このアリフ選手は、やはりU23代表合宿にも参加していたGKラーデイアズリ・ラハリム(トレンガヌ)とともにA代表合宿にし、さらにチェコ1部のFKヤブロネツでプレーするDFディオン・コールズが12月16日に合流することで、28名全員が揃うことになります。A代表はAFF選手権前にカンボジア代表戦(12月9日)、モルディブ代表(12月14日)と2試合の練習試合を行い、そこから最終メンバー23名が決定します。

11月3日のニュース
MFLはマラッカとサラワクのクラブライセンス不交付への不服申し立てを却下-来季のスーパーリーグは16クラブでの開催が決定
今月末にジョホールがボルシア・ドルトムントと7年ぶりの親善試合開催
スーパーモクカップ閉幕-U13はブリーラム・ユナイテッドが3年越しの2連覇達成

MFLはマラッカとサラワクのクラブライセンス不交付への不服申し立てを却下-来季のスーパーリーグは16クラブでの開催が決定

Mリーグを運営するマレーシアンフットボールリーグは、今季1部スーパーリーグで8位のマラッカ・ユナイテッドと同11位のサラワク・ユナイテッドから出されていた国内クラブライセンス不交付に対する不服申し立てが却下されたことを、公式サイトで発表しています。これにより、来季から新たに再編成される1部スーパーリーグは16クラブで編成されることが確定しました。

国内クラブライセンス交付を請け負う第一審期間FIBは、マラッカ・ユナイテッドは未払い給料が完済されたことを証明する書類に不備があるとして、またサラワク・ユナイテッドはかつて在籍した外国籍選手が未払いとなっている給料についてFIFAの紛争解決室DRCの下した裁定が解決されていないとして、申請の出ていた18クラブ中、16クラブにクラブライセンスのは交付したものの、この2クラブについては交付を行いませんでした。

先月10月12日にクラブライセンス不交付となった両クラブに対し、MFLは1週間の不服申し立て期間を設けており、今回の発表はその期間終了後に開催されたMFLのクラブライセンス不服申し立て委員会が両クラブの不服申し立てを却下したと、スチュアート・ラマリンガムCEOは説明していますが、具体的には不交付の理由となった書類不備に対して、今回の不服申し立てでどのような書類が提出されたかどうかについては秘匿が条件であるため、公開はできないとも話しています。またMFLは今回の不服申し立て却下という決定を両クラブに通達したものの、現時点では公式の返事は受け取っていないということです。

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今季のMリーグ1部スーパーリーグ(12クラブ)」と2部プレミアリーグ6クラブを統合した「新スーパーリーグ」が来季から発足することが決まっており、これにより当面はプレミアリーグは開催されず、新スーパーリーグの下はアマチュアフットボールリーグAFLが運営するセミプロリーグのM3リーグとなります。来季の国内クラブライセンスが交付されなかったマラッカとサラワクは新スーパーリーグには参加できないものの、M3リーグへ参加の可能性が残されています。

今月末にジョホールがボルシア・ドルトムントと7年ぶりの親善試合開催

今季のスーパーリーグとFAカップに優勝し、既に二冠を獲得しているジョホール・ダルル・タジムJDTは、クラブ公式Facebookでボルシア・ドルトムントとの国際親善試合を今月11月28日に本拠地のスルタン・イブラヒムスタジアムで開催することを発表しています。

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ボルシア・ドルトムントは、2015年7月9日にもJDTと国際親善試合を行なっています。この2日前の7月7日には等々力陸上競技場で川崎フロンターレを0-6で破っているドルトムントは、JDTがかつて本拠地として使用していたタン・スリ・ダト・ハジ・ハッサン・ユヌススタジアムで行われた試合でも、6-1とJDTに圧勝しています。この試合では、当時ドルトムントに所属していた香川真司選手がチーム4点目となるゴールを74分に挙げている他、当時セレッソ大阪から期限付き移籍していた丸岡満選手も途中出場し、香川選手のゴールをアシストしています。(以下は2015年のJDT対ドルトムントのハイライト映像。ブンデスリーガの公式YouTubeチャンネルより)

ボルシア・ドルトムントは、FIFAワールドカップ2022年大会によるリーグ中断期間を利用して「BVBアジアツアー2022」と銘打ったアジア遠征を開催し、JDT戦はこのツアーの一環です。ドルトムントのクラブ公式サイトによると、11月24日にシンガポールでライオンシティーセイラーズと対戦し、11月30日にはベトナムのハノイでベトナム代表と対戦します。またドルトムントは当初、インドネシアでの国際親善試合も予定していましたが、先月10月1日に125名以上の死者が出た東ジャワ州カンジュルハンスタジアムでの事故「カンジュルハンの悲劇」により、十分な安全対策が決まるまでサッカーの試合が開催できないため、その代わりとして組まれたのが、今回のJDT戦です。

スーパーモクカップ閉幕-U13はブリーラム・ユナイテッドが3年越しの2連覇達成

ユース国際招待大会のスーパーモクカップ2022年大会は10月30日にU12、U13、U14の各年代の決勝戦が行われ、優勝チームが決定しました。2019年以来3年ぶりの開催となった今大会は、前回に続きマレーシアのパハン州ガンバンにあるモクタル・ダハリアカデミーAMDのユースフットボールセンターを開場して開催されました。

U12は、マレーシアサッカー協会FAMと、マレーシア政府のスポーツ青年省傘下の国家スポーツ評議会が共同で運営する国家サッカー選手育成プログラムNFDP参加選手から選ばれたNFDPのBチームがNFDPのCチームを決勝で破り優勝、3位にはNFDPのAチームが入っています。また4位以下はて、キム・ヨンフンアカデミー(韓国)、ライオンシティーセイラーズ(シンガポール)と続きます。なおU12の各試合の詳細はこちらから。

U13は、前回2019年の第5回大会でもこのカテゴリーで優勝しているブリーラム・ユナイテッド(タイ)がAMDのチーム、AMDパンサーズU13を1-0で破って3年越しの大会2連覇を達成しています。また3位にはPVFフットボールアカデミー(ベトナム)、以下、アシアナサッカースクール(インドネシア)、NFDP、華城FC U13(韓国)、AMDクーガーズU13、イブラヒム・フィクリ校(マレーシア)と続いています。U13の各試合の詳細はこちらから。

またヨーロッパ勢同士による決勝となったU14は、NKオシエク(クロアチア)がパリ・サンジェルマン(フランス)を2-1で破って大会初優勝を遂げています。また3位にはAMDパンサーズU14を4-1で破ったセレッソ大阪が入り、敗れたAMDパンサーズU14が4位、以下、ファジアーノ岡山、AMDクーガーズU14、チョンブリーFC(タイ)。MFKルジョムベロク(スロバキア)、華城FC U14(韓国)、RFヤング・チャンプス(インド)となっています。U14の各試合の詳細はこちらから。


10月13日のニュース
来季のスーパーリーグは18ではなく16チームで開催?FIBが2チームの国内クラブライセンスを交付せず
国内総選挙がマレーシアカップの日程に影響も
AFCカップ決勝はブキ・ジャリル国立競技場での開催が決定

来季のスーパーリーグは18ではなく16チームで開催?FIBが2チームの国内クラブライセンスを交付せず

Mリーグを運営するマレーシアンフットボールリーグMFLは、今季Mリーグ1部スーパーリーグ所属の10クラブと2部プレミアリーグ所属の6クラブに対して、来季2023年シーズンの国内クラブライセンスが交付されたことを発表しています。またスーパーリーグ所属のマラッカ・ユナイテッドとサラワク・ユナイテッドの2クラブは、交付条件を満たしていないとして、今回の交付が見送られたことも併せて発表しています。

MFLは、国内リーグ戦の試合数が少ないというFIFAの指導を受け、現在のスーパーリーグとプレミアリーグを統合して、来季は新たにスーパーリーグを再編することを発表しています。今季はスーパーリーグが12チーム、プレミアリーグは10チーム(ただし、統合の対象となるのは6チーム)で編成されており、新スーパーリーグは18チーム編成となる予定でしたが、これでマラッカ・ユナイテッドとサラワク・ユナイテッドを除いた16チーム編成となる可能性がでてきました。

MFLは、マレーシアフットボール協会FAMからマレーシアにおけるクラブライセンス制度の制定および運用の委任を受けており、マレーシアにおけるライセンス交付機関としてMリーグのクラブライセンス制度を運営し、Mリーグのクラブに対して国内クラブライセンスを交付します。なお、国内クラブライセンスの交付判定については、MFLから独立した第三者機関であるクラブライセンス交付第一審機関FIBが行っていますが、このFIBが今回、国内クラブライセンスが交付されなかった2クラブについて、その理由を説明しています。

マラッカ・ユナイテッドについては、選手や監督、コーチに対して未払いとなっている今年8月分の給料支払い証明が提出されておらず、さらにクラブの経営状況を示す複数の書類も未提出になっているということが、今回、FIBが国内クラブライセンスを交付しなかった理由としています。またサラワク・ユナイテッドについては、書類の不備に加え、FIFAの紛争解決室DRCが決定した、旧所属2選手の延滞債務も完済されていないことが理由としています。(なおこの「かつて所属した2選手」とは、このブログでも取り上げたサンドロ・ダ・シルヴァテイラー・リガンの両選手です。)

なお、今回の交付見送りに対して、マラッカ・ユナイテッド、サラワク・ユナイテッドとも、10月19日までに再度の国内クラブライセンス交付申請が可能となっていることも併せて発表されています。

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今回、国内クラブライセンス交付を見送られた2クラブについて、MFLのスチュアート・ラマリンガムCEOは、来季は2部プレミアリーグが開催されないことから、両クラブはアマチュアフットボールリーグAFLが統括する3部リーグのM3リーグでのプレーが可能と述べています。ただし、その場合にはM3リーグがMFLの管轄外であるため、最終決定はAFLが行うということです。

国内総選挙がマレーシアカップの日程に影響も

マレーシアのイスマイル・サブリ・ヤアコブ首相は10月10日付で下院解散を発表しました。これに伴う総選挙は、解散後60日以内に開催することが憲法で定められていますが、11月中旬になると各地で洪水を引き起こす北東モンスーンが到来することから、11月上旬の開催が有力視されています。 そしてこの総選挙日程が、10月25日開幕予定のマレーシアカップの開催日程にも影響を及ぼす可能性があると、マレーシアの通信社ブルナマが報じています。

Mリーグを運営するMFLのスチュアート・ラマリンガムCEOは、Mリーグでのグループステージでは各スタジアムで多くの観衆が足を運ぶと期待されているとして、そのスタジアム警備が総選挙の日程次第では手薄になってしまう懸念があると述べています。

「各スタジアムの警備や安全維持は警察が行っているが、総選挙の開催日程次第では、全国で行われる総選挙の投票会場に多くの警察官が配備されることはもちろん、その前の選挙運動期間中も様々な形で警察が動員される可能性がある。MFLとしては、10月20日に選挙委員会が日程を決定するために行う会議での発表を待ちたい。」と述べています。

AFCカップ決勝はブキ・ジャリル国立競技場での開催が決定

ACL決勝を新国立競技場開催の話となんだか似ているなぁ。

10月22日に行われるAFCカップ決勝は、Mリーグ1部スーパーリーグのKLシティとオマーンのアル・シーブクラブが対戦しますが、その試合会場が当初予定されていたKL指定の本拠地、KLフットボールスタジアムからブキ・ジャリル国立競技場へ変更されたと、マレーシア語紙のブリタ・ハリアンが報じています。

AFCカップを主催するアジアサッカー連盟からの公式発表は未だないものの、KLシティのボヤン・ホダック監督によると、「技術的な問題」により試合会場が変更されたと説明しています。

「AFCは、決勝戦ではVARを採用するとしており、そのためにはスタジアム内の照明が1800ルクス以上であることが条件となるが、KLフットボールスタジアムの照明はその条件を満たしていないことから、試合会場が変更となった。」と述べる一方で、「選手たちも自分も慣れ親しんだKLフットボールスタジアムでの試合を望んでいたが、技術的な問題ではどうしようもなく、我々はブキ・ジャリルで試合をせざるを得なくなった。」とも話しています。

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レバノンのアル・アヘドFCと北朝鮮の4.25体育団が対戦した2019年のAFCカップ決勝は、やはりこのKLフットボールスタジアムで開催され、アル・アヘドFCが1-0で勝利していますが、この時はまだ、VARはAFCカップには導入されていなかったのかな。

This is the second time KL City has played at Bukit Jalil National Stadium in the final after winning the Malaysia Cup last year.

Previously, the Cheras Football Stadium hosted the AFC Cup final when the Lebanese club, Al-Ahed defeated the North Korean club, April 25 1-0 in 2019.

9月27日のニュース
なかなか一筋縄ではいかない給料未払い問題関連2題
スランゴールのタン監督就任は皇太子からの電話が決め手

マラッカ州サッカー協会が来季のマラッカ・ユナイテッドの運営を発表

マラッカ州サッカー協会MUSAは臨時総会を開き、選手や監督、コーチらへの給料未払い問題を抱えるMリーグ1部スーパーリーグのマラッカ・ユナイテッド(以下マラッカ)の運営を行うことを発表しています。

マレーシアの通信社ブルナマによると、MUSAのヌル・アズミ会長の話として、MUSAがマラッカの運営会社の株式40%を、残る60%を今後発表される4つの会社が保有し、共同でクラブを運営していく計画だということです。

「この計画はマラッカが来季もスーパーリーグでプレーすることを目的としており、現在、クラブが抱えている未払い給料問題の解決に向けてMUSAとして何ができるかを理事会のメンバーと関係者とで模索し、最善方法を見つけたい。」と話したヌル・アズミ会長はこの日の臨時総会で、マラッカ州首相でMUSA会長を兼任していたスライマン・モハマド・アリに代わって会長に任命されています。

また給料未払い問題について問われたヌル・アズミ会長は、問題解決のためにMUSAのジャスティン・リムCEOと話し合いを持つ予定があると述べています。このリムCEOは、現在のマラッカ運営会社のオーナー、ケンチーム社のオーナーでもあります。なお、この話し合いでは未払いとなっている所得税と授業員積立金EPF、総額およそ60万リンギ(およそ1880万円)についても取り上げられると言うことです。

ヌル・アズミ会長は、ケンチーム社は未払いとなっていた6月からの3ヶ月分の給料ではなく、1ヶ月分の給料しか未だ払っておらず、Mリーグを運営するMFLが設けた期限までにこの問題が解決できなかった結果、マラッカはMFLによりマレーシアカップ出場権を剥奪された経緯を説明し。このケンチーム社に代わってMUSAが問題解決に取り組むことを明らかにした上で、そのためには時間がかかることを理解するようサポーターに求めています。

ゴム手袋製造メーカーのケンチーム社は、昨年2021年4月にマラッカの運営会社の株式70%を取得してオーナーとなり、残る30%をMUSAが保持していました。

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FIFAの指導を受けたマレーシアサッカー協会FAMは、これまで各州のサッカー協会(FA)が州政府からの公金を使って運営してきたMリーグクラブの民営化を進める「FAからFCへ」という動きを進めており、2024年までにこれを完了する予定としています。この動きにより多くのMリーグクラブが州FAから独立する形で民営化を進めていますが、今回のマラッカ州サッカー協会MUSAによるマラッカ・ユナイテッドの株式保有率増加は、この動きに逆行する形となっています。州政府が関与する州サッカー協会が運営の比率が高まれば、クラブの公的資金依存の体質は改善せず、FAMの目指すクラブのFC化の実現は遠のいてしまいます。未払い給料問題が年間行事のように発生しているマラッカ・ユナイテッドへのMUSAの関与が一時的なもののなのか、今後も続いていくものなのかはこの記事では明らかになっていませんが、これはマレーシアでのFC化の実現の難しさを示す実例と言えるでしょう。

サラワク・ユナイテッドの前監督はMFLに給料未払い問題の調査を依頼

マラッカ・ユナイテッド同様、給料未払い問題を抱えていたMリーグ1部スーパーリーグのサラワク・ユナイテッド(以下サラワク)は、Mリーグを運営するMFLの設定した期限までに未払い給料の分割払いについて選手や監督、コーチらとの合意に達したことを発表、MFLもこれを承認し、マレーシアカップ出場権の剥奪処分を逃れています。

しかし、今年6月にガン治療を理由に監督を辞任していたB・サティアナタン氏は、クラブの主張とは異なり、未払い給料支払い方法などについて合意に達しておらず、MFLに対して詳細の調査を求めていると、マレーシアの通信社ブルナマが報じています

サラワクのテクニカル・ディレクターだったサティアナタン氏は、E・エラヴァラサン監督がマレーシア代表のコーチに就任したことから、今季開幕前にサラワクの監督に就任しましたが、クラブと合意の上で今季途中の6月12日に健康上の理由から監督を自信していました。

「6月の辞任後、未払いとなっていた2021年の給料と今年2022年の2月から6月までの給料の支払いをクラブに求めたが、未だにを受け取っていない。さらに辞任の理由となったガン治療のために検査を受けた際には、クラブとの契約条件に含まれていた医療保険の保険料が支払われていないことも判明し、治療費の負担を強いられた。」と説明しています。さらにサティアナタン氏は、クラブがサティアナタン氏の支払い要求に応じていないことから、現在は弁護士を通じて訴訟を起こす準備をしていることも説明しています。

マレーシアサッカーコーチ協会の会長も務めるサティアナタン氏は「自分はクラブとの間で未払い給料の分割払いに合意する書類に署名しておらず、MFLには、クラブが提出した未払い給料に関する報告の内容の詳細を調査してもらいたい。クラブは未払い給料問題の解決を主張しているが、現時点では解決していない。」とのべて、MFLに調査を求めています。

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このサティアナタン氏の主張に対し、MFLは「選手らへの未払い給料の問題と(既にクラブを退団している)サティアナタン氏の未払い給料問題は『別の問題』である」という声明を発表しています。さらにMFLはクラブとサティアナタン氏の間の問題については審査の権限を持たないと説明し、両者による話し合いで解決しない場合には、サティアナタン氏はFAMのステータス委員会に審査を求めべきとしています。そしてステータス委員会での審査結果が出た段階で、MFLはその結果に基づいてサティアナタン氏の支援を行うことができると説明しています。

スランゴールのタン監督就任は皇太子からの電話が決め手

Mリーグ1部スーパーリーグのスランゴールFC(以下スランゴール)に前代表監督のタン・チェンホー氏が就任したことは、このブログでも取り上げましたが、監督就任の決め手となったのはスランゴール州サッカー協会会長でもあるスランゴール州皇太子のトゥンク・アミル殿下からの一本の電話だったことを、英字紙ニューストレイトタイムズとのインタビューで明らかにしています。

トゥンク・アミル殿下からの電話では、クラブが目指す方向性だけでなく、監督就任の際の契約条件などの説明も受けたと話したタン氏は、その電話で就任オファーを受けることを受諾したと話しています。

「トゥンク・アミル殿下は、スランゴールを次のレベルへと高める仕事を自分に託したいと述べてくれた。国内では最大クラブの一つであるスランゴールで仕事をすることは大きなプレッシャーもかかるが、名誉なことでもある。そして最も重要なことは、自分はその準備ができていると思っていることである。多くのコーチがスランゴールの監督になることを望んでいる中で。監督に就任したことは素直に嬉しい。」と述べたタン新監督は、代表監督辞任後もMリーグの試合を見続けており、スランゴールには質の高い選手が多いものの、安定感がないと言う問題を指摘し、まずはその問題を修正することから取り組みたいとしています。

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スランゴールの今季のリーグ戦は残り4試合で、リーグ戦後に開幕するマレーシアカップがタン監督の手腕を披露する場となりそうです。マレーシアカップ最多優勝33回を誇るかつての強豪も、マレーシアカップは2015年を最後に、リーグ戦は2010年を最後に優勝していません。近年は低迷が続き、特に今季はここまで18試合で5勝5分8敗、得点31失点32の8位と、首位のJDTからは勝点で23も離されてます。


9月24日のニュース
M3リーグはKLローヴァーズとPIB FCが本日の決勝で激突
プロ選手会がマラッカへの早急な処分をFAMに求める

M3リーグはKLローヴァーズとPIB FCが本日の決勝で激突

Mリーグ3部に当たるM3リーグは、今季は全20チームがA、B組2組に分かてリーグ戦を行い、各組の上位4チームがノックアウト形式の決勝トーナメントに進出する方式で開催されました。ホームアンドアウェイ形式で行われたこの決勝トーナメントを勝ち上がり、今日9月24日の決勝戦に駒を進めたのはいずれもB組3位のPIB FCと4位のKLローヴァーズFCですが、スポーツ専門サイトのスタジアム・アストロは今日のM3リーグ決勝戦前の記者会見の様子を報じています。

KLローヴァーズでプレーするDFヒシャムディン・シャアリは、かつてはMリーグ1部スーパーリーグのペラやKLシティでのプレー経験があるだけでなく、試合数は少ないものの年代別代表やA代表でもプレーしている選手です。プロ12年目を迎えたこのヒシャムディン選手ですが、これまで「決勝戦」と名のつく試合には出場したことがなく、今日の決勝戦を心待ちにしていると話しています。

記者会見での質疑応答で、ペラ在籍時代に準決勝進出が自身の最高記録だと話したヒシャムディン選手は、KLフットボールスタジアムで開催される決勝では対戦するPIB FCを破って優勝したいと抱負を述べています。

またKLローヴァーズのザムリ・ハサン監督は、2月の開幕当初から苦しんでいたチームは、13試合を終了した時点では(決勝トーナメント出場権のある)4位から勝点差5をつけられて7位だったものの、5月の断食月明けの時期辺りからは、問題点を改善し、新戦力が加わったことで何とか目標としていた決勝トーナメントに出場できた、と話し、不調の時も目標を見失わなかった選手たちに感謝したいと話しています。

一方、PIB FCのK・ラマチャンドラン監督は、KLローヴァーズのキャプテン、フィルダウス・ファウジら主力2選手が累積警告により決勝は出場停止になっている点を問われると、それが有利に働くとは考えておらず、決勝戦はより準備ができているチームが勝利するだろうと話すにとどめています。

なおグループステージとなるリーグ戦では同じB組だったこともあり、今季は2度対戦している両チームですが、いずれの試合も2-2と同じスコアで引き分けていることから、ラマチャンドラン監督は決勝ではリーグ戦とは異なる戦術で臨みたいとも話しています。

プロ選手会がマラッカへの早急な処分をFAMに求める

給料未払い問題が期限までに解決できなかったMリーグ1部スーパーリーグのマラッカ・ユナイテッド(以下マラッカ)に対し、Mリーグを運営するマレーシアンフットボールリーグMFLは、リーグ終了後に開幕するマレーシアカップの出場権剥奪の処分を下したことは、このブログでも取り上げました。

この処分に対してマレーシアプロサッカー選手会PFAMは、MFLに対して特例を設け、マラッカの選手がマレーシアカップ終了までの期間に、他のMリーグクラブへの期限付き移籍を認めるよう提案しています。

「現在も、マラッカの選手は未払い給料が完済されておらず、PFAMはこの状況を非常に憂慮している。この状況においてPFAMは、マラッカの選手がマレーシアカップに出場する他のチームへの期限付き移籍を許可するよう提言したい。」という声明を発表し、MFLの理事会に特別措置の検討を求めています。

またPFAMはマレーシアサッカー協会FAMに対して、「PFAMはマラッカの選手に代わり、マレーシアサッカー協会FAMに未払い給料についての報告を既に行っており、これをもとにFAMにはマラッカの経営陣に対して事情聴取をして欲しい。」とも述べ、事情聴取を行うFAM内の紛争解決委員会NDRCの早急な開催を求めています。

9月22日のニュース
キングズカップ初戦-キム監督はタイと初対戦
前代未聞!給料未払い問題未解決のマラッカにマレーシアカップ出場権剥奪処分
ベンヤミン・モラ監督辞任の真相が明らかに

キングズカップ初戦-キム監督はタイと初対戦

本日9月22日の午後9時30分(マレーシア時間)にタイのチェンマイでキックオフとなるキングズカップのタイ戦。直近のFIFAランキングでは、タイの111位に対してマレーシアは147位と大きく離されていますが、両チームの直接対決では、2014年12月17日のAFF選手権スズキカップ(現三菱電機カップ)決勝初戦で0-2とタイに敗れて以降は、マレーシアが3勝2分0敗と5戦負けなしとなっています。

2021年6月15日 FIFAワールドカップ2022アジア二次予選
 @アール・マクトゥーム・スタジアム(アラブ首長国連邦、ドバイ)
 タイ 0-1 マレーシア
2019年11月14日 FIFAワールドカップ2022アジア二次予選
 @ブキ・ジャリル国立競技場(マレーシア、クアラ・ルンプール)
 マレーシア 2-1 タイ
2018年12月5日 AFF選手権スズキカップ
 @ラジャマンガラ国立競技場 (タイ、バンコク)
 タイ 2-2 マレーシア
2018年12月1日 AFF選手権スズキカップ
 @ブキ・ジャリル国立競技場(マレーシア、クアラ・ルンプール)
 マレーシア 0-0 タイ
2017年12月20日 AFF選手権スズキカップ
 @ブキ・ジャリル国立競技場(マレーシア、クアラ・ルンプール)
 マレーシア 3-2 タイ
2017年12月17日 AFF選手権スズキカップ
 @ラジャマンガラ国立競技場 (タイ、バンコク)
 タイ 2-0 マレーシア

ちなみに両チームのこれまでの通算対戦成績は、マレーシアの40勝34分37敗とほぼ互角です。

今日の対戦はキム・パンゴン監督にとってタイとは初の対戦で、東南アジアのチームとは今年3月にシンガポールで行われた3カ国対抗でシンガポール、フィリピンと対戦して以来となります。6月のAFC選手権アジアカップ最終予選を突破し、自国開催を除くと43年ぶりに本戦出場を決めているマレーシアのキム監督は、今回のキングズカップ、そして年末のAFF選手権三菱電機カップをその準備としてさまざまなテストをしたいと話しています。

前代未聞!給料未払い問題未解決のマラッカにマレーシアカップ出場権剥奪処分

Mリーグを運営するマレーシアンフットボールリーグMFLは、給料未払い問題が期限までに解決しなかったMリーグ1部スーパーリーグのマラッカ・ユナイテッド(以下マラッカ)に対して、今季のマレーシアカップ出場権の剥奪処分を公式サイト上で発表しています。

給料未払いが発生していたマラッカに対し、MFLは今月9月20日を期限として未払い給料の完済、または分割払いの予定について選手や監督、コーチから合意を得るよう求めていましたが、期限までにMFLに提出されたのは6月分までの給料支払い証明までで、それ以降の給料については支払いも、支払い計画に関する合意も得られていないことから、MFLは昨日9月21日に理事会を開いた上で、今回の処分を決定したということです。

また、同様の給料未払い問題を抱えていた同じスーパーリーグのサラワク・ユナイテッド(以下サラワク)は、選手に対しては8月分まで、監督、コーチには7月分までの支払いが行われ、未払い分の8月分については監督、コーチとチームとの間で分割払いの予定について合意に達したことから、マレーシアカップ出場権剥奪は免れています。

MFLはマラッカ、サラワク両チームに対して、今後同様の問題が起これば、来季のクラブライセンスが発給されない可能性についても言及し、問題解決に真剣に取り組むことを求めています。

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1921年に第1回大会が開催されたマレーシアカップは、今年96回大会を迎える国内最大のサッカー大会です。リーグ戦が開催される遥か前から州対抗の大会として始まったこの大会は、その決勝では8万5000人を収容するブキ・ジャリル国立競技場が満員になる、リーグ戦以上にサポーターの関心も高く、この大会への出場権剥奪は非常に重い処分と言えます。

本来ならば、リーグ戦での勝点剥奪、さらには下部リーグ降格といった処分が課せられるところですが、来季のMリーグは1部スーパーリーグと2部プレミアリーグが合併して新たに18チームでスーパーリーグが再編成されることが発表されており、従来の処分では十分な罰則とならないことから、今回のマレーシアカップ出場権剥奪となりました。多くのサポーターを集めるマレーシアカップに出場できないことは収入面でもチームにとっては痛手で、給料未払い問題解決がさらに長引く可能性もあります。

ベンヤミン・モラ監督辞任の真相が明らかに

Mリーグ1部スーパーリーグのジョホール・ダルル・タジム(以下JDT)のオーナーで、ジョホール州皇太子のトゥンク・イスマイル殿下がサポーターとの交歓会を開催し、その際にベンヤミン・モラ前監督の今年7月の突如辞任の真相を明らかにしています。

スーパーリーグ8連覇中で今季もほぼ優勝間違いなしのJDTとモラ前監督が袂を分かったニュースは、あまりも唐突だったことから様々な憶測を呼び、その一つがチームのレジェンドプレーヤーでもあるサフィク・ラヒムとの確執でした。これについてイスマイル殿下はこれを否定する一方で、ロッカールームでのチーム内の調和を取るためだったと説明しています。

現在でもモラ前監督とは連絡を取り合う中であることを述べた上で、イスマイル殿下は就任以来リーグ4連覇中、しかもチーム史上初となるACLグループステージ突破を達成したモラ監督に対して、今季は選手たちの反応がこれまでとは異なってきたことから、監督交代の好機と判断したと説明しています。また、モラ監督も他のチームでキャリアアップを図りたいと申し出たということです。

「JDTの選手は正確な指示を出し、尊敬に値する監督を求めている。また自分自身もチームの安定性を維持できる監督が必要と考えており、その結果、モラ監督が同意した上で、辞任に至った。」と説明しています。

またイスマイル殿下は、モラ前監督の後任として就任したエクトル・ビダリオ監督について、今季がビダリオ監督にとってMリーグの初シーズンであることを理解した上、新たに環境に慣れる時間が必要であることを理解するようサポーターに求めています。