1月3日のニュース ボラセパマレーシアJPが選ぶマレーシアサッカー2022年重大ニュース-代表チーム編とAFCクラブコンペティション編

いよいよ今日は東南アジアサッカー連盟AFF選手権三菱電機カップのグループステージB組最終節。首位のベトナムはホームで4位のミャンマーと、また西ヶ谷隆之監督率いる2位のシンガポールはアウェイで3位のマレーシアと対戦します。ベトナムとシンガポールはそれぞれ引き分け以上で準決勝進出が決まり、3位のマレーシアはシンガポール戦に勝利することが準決勝進出の条件となります。この記事の執筆時点では既に3万9000枚近いチケットが売れているようで、今大会ここまでのどの試合よりも多くの多くの観客が集まりそうです。ジョホール水道を挟むマレーシアとシンガポールの対戦は、両国を繋ぐ陸橋にちなんでコーズウェイダービー(Causeway derby)と呼ばれ、熱戦が繰り返されてきましたが、今年初の対戦はどちらに軍配が上がるのでしょうか。。

マレーシア代表はアジアカップ2023年大会出場権獲得-予選を突破しての出場は1980年以来43年振り

2022年の代表チーム関連の最大のニュースはこれでしょう。正確に言えば、マレーシアは16年前の2007年にベトナム、タイ、インドネシアと東南アジア4カ国共同開催の形でアジアカップを開催しており、その際に開催国枠でアジアカップに出場しています。しかし、予選を突破しての出場となると、1980年のクウェート大会以来となります。本戦出場国がわずか10カ国だったこの大会で、マレーシアはアラブ首長国連邦に勝利し、韓国、カタールと引き分け、クウェートに敗れて勝点差1で準決勝進出を逃しています。
 昔話はさており、昨年の6月に行われたアジアカップ最終予選では開催国となった地の利もあり、バーレーンに1-2で敗れたもののトルクメニスタンには3-1、そして5万3000人近い観衆を集めたバングラデシュ戦では4-1で勝利して、バーレーンに次ぐグループ2位となったものの、最終予選各組の2位のうち上位5チームに入り、43年振り4度目の本戦出場を決めています。

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ちなみにこの時の代表チームは、ジョホール・ダルル・タジム(JDT)から12名、PJシティとヌグリスンビランから2名、トレンガヌ、スランゴール、サバ、スリ・パハン、チョンブリー(タイ1部)、SVズルテ・ワレヘム(ベルギー1部)から各1名という構成でした。これを知れば、現在開催中の三菱電機カップ出場中の代表チームにJDTの選手が1人もいないことが、どのくらい尋常ではないかがわかるでしょう。さらに、このアジアカップ最終予選に出場し、今回の三菱電機カップにも出場しているのはFWダレン・ロック(サバ、アジアカップ最終予選時はPJシティ)FWファイサル・ハリム(スランゴール、同トレンガヌ)MF V・ルヴェンティラン(スランゴール、同PJシティ)、DFクザイミ・ピー(スランゴール、同ヌグリスンビラン)、DFドミニク・タン(サバ)、GKシーハン・ハズミ(無所属、同ヌグリスンビラン)のわずか6名です。

タン前代表監督が5年振りに交代-東南アジアの韓流ブームの影響かキム・パンゴン新監督就任

2017年に当時の代表監督だったポルトガル出身のネロ・ヴィンガダ氏が就任7試合を1分6敗としてわずか7ヶ月で辞任したことを受け、コーチから昇格したのがタン・チェンホー前監督でした。2018年のAFF選手権スズキカップ(当時)では決勝でベトナムに敗れたものの、優勝した2014年以来となる決勝進出を果たしただけでなく、FIFAワールドカップ2022年大会アジア2次予選でも、コロナ禍前まではベトナムに次ぐ2位につけるなど、最終予選へ期待が高まり、同時にタン監督の手腕も評価されていました
 しかしコロナ禍が下火になり、中断されていたアジア2次予選が再開されると1勝2敗とそれまでの勢いが衰え、さらに2021年末のスズキカップ2020年大会ではベトナムやインドネシアに敗れるなどして、準決勝進出を果たすことができなかった責任を取り、タン監督が辞任し、その後任となったのが韓国出身のキム・パンゴン監督です。
 香港代表監督の経験もあるキム新監督は、ベトナムのパク・ハンソ、インドネシアのシン・テヨン両監督に続く、東南アジアの代表チーム3人目の韓国出身監督となりました。就任直後に行われたシンガポールでのフィリピン、マレーシアが出場した3カ国対抗でのフィリピン戦では就任初戦で初勝利を挙げると、前述のAFCアジアカップ2023年大会最終予選では43年振りの予選突破、そして27年振りの出場となったタイのキングズカップでは、PK戦にまでもつれこんだタイとの試合に勝利すると、決勝ではタジキスタンにPK戦で敗れたものの、いずれも格上の相手に善戦し、FIFAランキングも2022年1月の154位から12月には145位まで上昇しています。

U23代表は出場した各大会で苦戦し、監督は事実上の更迭

A代表の躍進に比べると残念な結果に終わったのがU23代表でした。2月にカンボジアで開催されたAFF U23選手権ではラオスにまさかの2連敗を喫してグループステージで敗退すると、5月にベトナムで開催された「東南アジアのオリンピック」東南アジア競技大会では準決勝に進出したものの、延長でベトナムに敗れて決勝進出できず、また3位決定戦ではインドネシアにPK戦で敗れ、前回2019年フィリピン大会に続き、2大会連続でメダルを逃しています。
 東南アジアの大会でこの結果であれば、期待するのも酷ですが、翌6月にはウズベキスタンで開催されたAFC U23アジアカップでも散々な成績でした。2大会振り2度目の出場となったマレーシアは、グループステージでは図らずもベトナム、タイの東南アジア組、そして韓国と同組になっています。そしてここでは韓国に1-4、タイに0-3、そしてベトナムには0-2と惨敗し、大会終了後の7月には2019年からはU19代表、そして2021年からはU23代表の指揮を取ってきたオーストラリア出身のブラッド・マロニー監督との契約期間を残しながら、契約を解除しています。なお、その後は代表チームのコーチでもあるE・エラヴァラサン氏がU23代表監督に就任しています。

東南アジアの覇者U19代表はアジアの壁を実感

これに対し、戦前は全く期待されていなかったハサン・サザリ監督率いるU19代表が7月にインドネシアで開催されたAFF U19選手権決勝でラオスを2-0で破り優勝しています。しかし9月に行われたAFC U19アジアカップ2023年大会予選では、韓国に敗れ、モンゴルと引き分けるなど予選3位となり、出場を逃し、アジアの壁の高さを実感させられています。

女子代表は監督を初の外部招聘

また2022年は女子代表にとっては静かな1年でした。マレーシアサッカー協会はなぜか、女子代表を5月の東南アジア競技大会へ派遣せず、貴重な実践経験の機会を無駄にする一方で、同じ東南アジアのライバルと対戦する7月のAFF女子選手権に派遣し、そこでは2分3敗の成績でグループステージ敗退するなど、男子に比べると方針がなんなのかが全く見えませんでした。
 しかしそこで起こったサッカーファンからの非難に応えるように、昨年末にはヨルダンサッカー協会のアシスタントテクニカルディレクターを務めていたソリーン・アル=ズービ氏を招聘し、ジェイコブ・ジョセフ監督に変わる新しい女子代表監督に就任させています。

アジアチャンピオンズリーグACL-ジョホールがマレーシアのクラブとして初のノックアウトステージ進出

リーグ9連覇を果たしジョホール・ダルル・タジムJDTは、今季もマレーシアリーグの覇者としてACLのグループステージに出場しています。新型コロナウィルス感染拡大防止措置から、昨季に続き、今季もグループステージは集中開催となりましたが、JDTが入ったI組はマレーシアが集中開催地に選ばれています。そしてこれを最大限に活かしたJDTは、このグループステージがイスラム教徒にとっては厳しい断食月中の開催であったこともあり、試合は全て午後10時キックオフ、しかも試合会場は国内でも有数の手入れが行き届いたピッチを持つスルタン・イブラヒムスタジアムで行っています。
 川崎フロンターレ、蔚山現代、広州と同じI組で、JDTは前半の3試合で広州に5~0、蔚山現代に2-1、そして川崎とは0-0と2勝1分で折り返すと、ターンオーバーで選手を入れ替えた川崎戦では0-5と敗れたものの、広州とは2-0、蔚山現代とは2-1と連勝し、通算成績を6試合で4勝1分1敗、勝点13とするとI組では川崎や蔚山現代を抑えてグループ1位としてノックアウトステージへ進出しています。
 2019年のACL初出場以来、これまでグループステージの壁を越えられなかったJDTは血糊の最大限に活かし、マレーシアのクラブとしては初めてとなるノックアウトステージに進出しています。
 ノックアウトステージでは、浦和レッズと埼玉スタジアムで対戦し、国内リーグでは見られない0-5というスコアで完膚なきまでに叩きのめされています。しかしこの厳しさを経験できたのもノックアウトステージに出場した結果であり、その苦い経験は今年もACLに出場が決まっているJDTをさらに高みへと連れて行ってくれることでしょう。

KLシティはAFCカップ決勝進出もJDT以来東南アジアクラブ史上2チーム目の優勝を逃す

ACLに出場できない国や枠が少ない国のクラブを対象としているのがAFCカップ。UEFAチャンピオンズリーグに対するUEFAヨーロッパリーグのような位置付けです。マレーシアからは2022年大会には前年の2021年にマレーシアカップで優勝を果たしたKLシティ、そして2021年シーズンに国内リーグ2位のクダ・ダルル・アマンの2チームが出場しました。
 グループステージを突破した両チームは、東南アジア地区プレーオフに進み、クダはPSMマカッサル(インドネシア)に敗れたものの、KLシティはPK戦の末、ベトテルFC(ベトナム)に勝利すると東南アジア地区代表決定戦ではクダを破ったPSMマカッサルを5-2で撃破しています。地区間プレーオフに駒を進めたKLシティは、準決勝ではATKモフン・バガンAC(インド)を3-1、決勝ではPFCソグディアナ・ジザフ(ウズベキスタン)をPK戦5-3といずれもアウェイの厳しい試合で勝利し、2015年にこのAFCカップで優勝したJDT以来となる東南アジアクラブとしては2チーム目のAFCカップの決勝に進出しました。
 10月22日にクアラルンプールのブキ・ジャリル国立競技場で開催された決勝では、オマーンのアル・シーブに0-3で敗れましたが、こちらもマレーシアのクラブがAFCカップでは十分通用することを示してくれました。今季のAFCカップには、リーグ2位のトレンガヌと3位のサバが揃って出場しますが、この両チームにアジアの舞台での活躍を期待したいです。

2月12日のニュース
アセアンU23選手権-マレーシアと同組のインドネシアがケガとコロナの影響で出場辞退
今季2部降格のペラにリーグ出場辞退の可能性が浮上
クランタンFCオーナーがFAMにVARシステム供与を提案もFAM会長は「メディアではなく俺に直接話せ」

アセアンU23選手権-マレーシアと同組のインドネシアがケガとコロナの影響で出場辞退

東南アジアサッカー連盟AFF U23選手権に出場するU23代表は昨日2月11日に開催地であるカンボジアのプノンペン入りしていますが、この大会ではマレーシアと同じB組のインドネシアが出場を辞退したとマレーシア語紙ハリアンメトロが報じています。前回2019年大会の優勝チームでもあるインドネシアですが、インドネシアサッカー協会PSSIが昨日発表したところによると、リーグ戦で怪我をした3選手に加え、選手7名とチーム関係者1名が新型コロナの検査で陽性反応を示し、さらに合宿で彼らと同室だった4名の選手が濃厚接触者となり隔離が必要となったことから、カンボジア出発を前にして大会出場辞退を決定したということです。インドネシアの出場辞退により、B組はマレーシアの他、ミャンマーとラオスの3チームとなりました。この大会はA組からC組までの3グループの1位と各組の2位の内、最も成績の良いチームが準決勝に進出します。

今季2部降格のペラにリーグ出場辞退の可能性が浮上

クラブ創設100周年となる昨季2021年シーズンにMリーグ1部スーパーリーグで11位となり、クラブ史上初の2部降格となったペラは、その理由は給料未払いによる主力選手の大量退団でした。そのペラは、既に退団した複数の選手に対して給料がいまだに支払われていないことが明らかになり、最悪の場合には今季のリーグ辞退もあり得ると、英字紙ニューストレイトタイムズが伝えています。

ペラは昨季在籍したいずれもブラジル出身のレアンドロ・ドス・サントスとカレッカ両選手への給料が未払いとなっている他、両選手の代理人への手数料支払いも滞っているということです。また2020年シーズン開幕前に一旦は契約しながら、その後にケガが発覚したことを理由に契約を解除したジェオン・ヒヨソク(韓国)に対しても同様の未払いがあるとされ、未払い給料と手数料の総額は170万リンギ(およそ4690万円)に上るということです。またこの未払い問題により、現在、ペラはFIFAとマレーシアサッカー協会FAMの両方から、外国籍、マレーシア人にかかわらず新たな選手の獲得を制限されていることも明らかになっています。既にペラは今季に向けてインドラ・プトラ・マハユディン、ザミル・スラマット(いずれもKLシティ)、ワン・ザック・ハイカル(スランゴール)、シャミン・ヤハヤ(マラッカ・ユナイテッド)ら新加入選手を発表していますが、今季1度目のトランスファーウィンドウは2月22日までとなっていることから、この日までに未払い給料問題が解決しなければ、これらの選手加入は無効となるだけでなく、チームそのものが存続できない可能性があります。

なお、この件についてFAMとMリーグを運営するMFLはこの記事作成時までには何も声明を発表していません。

昨季のペラはシーズン開幕からわずか数ヶ月後に給料未払い問題が明らかになり、最終的には開幕戦の先発XI全員が退団、移籍する異常事態となり、チームもシーズンで4勝(22試合)で11位となりMリーグが現在の方式となった1982年以来初の2部プレミアリーグ降格となっています。 

実はさらに深刻なのはペラが降格した2部プレミアリーグで、本来は12クラブで構成されるはずのリーグは、ここ数年で消滅、撤退したクラブもある一方で、新型コロナのため3部リーグのM3リーグが過去2年間行われず、入れ替え戦も実施されていません。このため今季は10クラブのみの参加となっているプレミアリーグですが、ペラが辞退となると9チームとなり、しかもその内の3クラブは1部スーパーリーグのセカンドチームというこれまた、2部リーグなのかリザーブリーグなのかわからない状況になっています。

クランタンFCオーナーがFAMにVARシステム供与を提案もFAM会長は「メディアではなく俺に直接話せ」

Mリーグ2部クランタンFCの「物言う」オーナーとしても知られているノリザム・トゥキマン氏がマレーシアサッカー協会FAMに対してVARの導入を求め、FAMに導入する資金がなければ自身がそのシステムを購入し、FAMに貸し出すことを提案しています。

審判の質が度々問題として取り上げられるMリーグですが、ノリザム オーナーは審判のレベルが向上すれば、クラブの民営化も含めたリーグの改革も上手くだけでなく、リーグ全体のレベルアップにもつながりと話し、VARの導入を強く主張しています。その上でVAR不採用の理由がFAMの資金不足であれば、自身がそのシステムを購入しFAMに貸し出すビジネスも検討していると、マレーシア語紙ハリアンメトロが報じています。

今回のノリザム オーナーのコメントは、クランタンFCが昨季のマレーシアカップで審判の微妙な判定によりノックアウトステージ進出を逃した上、その判定をリザル・ザムブリ監督が批判した結果、FAMの懲罰委員会から罰金処分を受けたことが根底にあります。

VARの導入については、Mリーグ1部スーパーリーグの12の本拠地に導入する場合にはおよそ750万リンギ(およそ2億700万円)の費用がかかるという試算がされており、FAMはVARの導入については検討しているとしながらも、具体的な導入時期は発表していません。

またその続報としてハリアンメトロは、FAMのハミディン・アミン会長がその提案を歓迎する一方で、FAMに直接、提案するべきだと述べている、と報じています。「ノリザムオーナーのコメントは素晴らしいが、FAMを支援する意思があるなら。私やFAMの役員に直接、話をするべきであり、FAMは常に意見に対して聞く用意があり、メディアを通じて提案をする必要はない。」と述べ、ノリザム オーナーの取った方法を暗に批判しています。

1月12日のニュース
・監督不在のA代表に代わりU23代表が国際マッチデーに試合を開催
・有能なマレーシア人指導者がいないことが外国人代表監督が必要な理由-元FAMテクニカルディレクター
・サバFCはインドネシア代表FWへの獲得オファーを拒否

監督不在のA代表に代わりU23代表が国際マッチデーに試合を開催

東南アジアサッカー連盟AFFスズキカップ2020でのグループステージ敗退の責任をとってタン・チェンホー監督が辞任したA代表に代わり、U23代表が今年1回目のFIFA国際マッチデーに試合を行うとマレーシア語紙ブリタハリアンが報じています。。

2022年の第1回のFIFA国際マッチデー(AFC)は1月24日から2月1日に設定されていますが、スズキカップ2020の敗因分析すら終わっていないA代表は未だ新監督が決まっておらず、この時期に試合は組まれていません。そんなA代表に代わりU23代表がこの国際マッチデー期間に試合を行うとFAMのサイフディン・アブ・バカル事務局長が述べています。

来月2月にAFF U23選手権(カンボジア)が控えているU23代表は、他国のU23代表あるいはMリーグクラブとの練習試合を行うということですが、このAFF U23選手権に続き、5月には東南アジア競技大会(ベトナム)、6月にはAFC U23アジアカップ(ウズベキスタン)、さらには9月にはアジア競技大会(中国)と今年のU23代表は大会が目白押しになっています。

有能なマレーシア人指導者がいないことが外国人代表監督が必要な理由-元FAMテクニカルディレクター

タン監督が辞任したA代表は、次期代表監督候補者として様々な名前がメディアを賑わせていますが、そこで取り沙汰されているのはマレーシアカップで優勝したKLシティFCのボヤン・ホダック監督やU23代表のブラッド・マロニー監督らに加え、日本人や韓国人などの外国人ばかりで、マレーシア人の候補者については全く名前が上がっていません。

この状況について、前FAMテクニカルディレクターのピーター・デ・ルー氏は代表チームの質を高められるだけの能力を持つマレーシア人指導者の数が少なすぎるためにFAMは外国人監督を採用せざるを得ない、という発言をマレーシア語紙ブリタハリアンが紹介しています。

マレーシア代表はマレーシア人監督が指導するのが理想的と話すデ・ルー氏は、2017年から2021年まで自身がFAMでテクニカルディレクターを務めた経験に基けば、辞任したタン前監督以上のマレーシア人指導者には遭遇しなかったと述べ、そのタン前監督が辞任した以上、他のマレーシア人指導者を代表監督に据えても代表が今より強化されるとは思えないと話しています。

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自身がテクニカルディレクターを務めていた際に指導者研修などを行なってマレーシア人指導者のレベルアップを図ることは考えなかったのかな、という疑問は置いておくとして、Mリーグでも1部スーパーリーグの昨季上位6チーム中5チームが外国人監督に率いられたチームだったことを見てもわかるように、マレーシア人指導者に有能な人材が不足していることは否めません。選手が年代別代表を経てA代表になるようように、FAMには将来の代表監督を育てるための方針が必要に思えますが、U23代表のマロニー監督がU19代表の監督も兼任している状況を見ると、将来の代表監督育成は目に見える形では行われてはいないようです。

サバFCはインドネシア代表FWへの獲得オファーを拒否

Mリーグ1部スーパーリーグのサパFCは、所属するインドネシア代表FWサディル・ラムダニに対してセルビアのクラブから受けていたオファーを拒否したとマレーシアの通信社ブルナマが報じています。

スズキカップ2020にも出場した4名の代表選手獲得を含め、オフシーズンには積極的な補強を行ったサバFCですが、マルズキ・ナシル チームマネージャーは、このタイミングでラムダニ選手を放出した際に代わりの選手を獲得するにはトランスワーウィンドウの残り期間が短すぎると話しています。なおMリーグの今年1回目のトランスファーウィンドウ期間は昨年2021年12月1日から今年2月20日までとなっています。

マルズキ チームマネージャーは、ラムダニ選手自身も今季のサバFCでのプレーを希望しており、既に本国からマレーシアに戻っているラムダニ選手はマレーシア政府が渡航者全員に求めている検疫隔離期間が終わる明日1月13日にはチームに合流する予定であることも明らかにしています。



マレーシアサッカー2021年の10大ニュース

 今日は大晦日。ということで2021年のマレーシアサッカー界をボラセパマレーシアJP的視点で振り返ります。国内では、昨年同様、新型コロナに翻弄されたMリーグは日程が二転、三転しましたが、それでも2年ぶりに全試合が行われたシーズンになりましたが、その一方で複数のチームで給料未払い問題が明らかになりました。また国外ではU22代表がAFCU23アジアカップ本戦出場を決めた一方で、A代表はW杯予選、東南アジア選手権スズキカップといずれも思うような結果が残せなかった一年でした。

○KLシティFCが32年ぶりにマレーシアカップ制覇

 今季の国内カレンダー最後の大会となったマレーシアカップは今回が100周年記念大会でしたが、KLシティFCが戦前の下馬評を覆してJDTを2-0で破り、前身のクアラルンプールFA時代から数えると32年振りとなる優勝を飾りました。昨季はMリーグ2部プレミアリーグで2位となり、今季1部スーパーリーグに昇格したKLシティFCは、今季、リーグ戦、カップ戦ともホームのKLフットボールスタジアムでは無敗を誇り、来季は更なる活躍が期待されます。

○新型コロナの影響で3部リーグ以下やFAカップや各年代大会が中止

 Mリーグ1部スーパーリーグと2部プレミアリーグは全日程が開催されたものの、新型コロナの感染拡大を受け、日本の天皇杯にあたるFAカップが2年連続で中止となった他、Mリーグ3部に当たるセミプロリーグのM3リーグ以下の各リーグ戦、U21チームのリーグ戦であるプレジデントカップ、U19チームのリーグ戦ユースカップ、さらにはマレーシアプレミアフットサルリーグなどが中止となりました。

○複数のクラブで給料未払い問題発覚

 給料未払い問題はMリーグでは長年問題視されていましたが、新型コロナ禍ともあいまって各クラブとも経営が厳しくなった今季は、未払い給料を理由に開幕戦先発XIの内、最終的には何と9名が退団したペラFCの主力大量退団の他、クダ・ダルル・アマンFC、サバFC、サラワク・ユナイテッドFCなどでも同様の給料未払い問題が明らかになっています。これまではマレーシアの各州サッカー協会が運営していたMリーグクラブはAFCの指導により民営化が義務付けられましたが、州政府の予算を頼りに放漫経営されていたクラブは資金調達に失敗し、それによって選手や監督、コーチがとばっちりを受ける形になっています。

○JDTが前人未到のリーグ8連覇

 Mリーグ1部スーパーリーグではジョホール州皇太子がオーナーのJDT(ジョホール・ダルル・タジム)がリーグ8連覇を達成しています。22試合で16勝3分1敗、得点50失点9はいずれもリーグ1位で、2位のクダ・ダルル・アマンFCに勝点差14をつける圧勝でした。帰化選手を集め、他のクラブからも有力選手が集まる布陣はマレーシアA代表の選手でも控えに回ることがある選手層の厚さで国内では敵なしですが、アジアの壁は越えられず、AFCチャンピオンズリーグでは今季もグループステージ突破には至りませんでした。

○元日本代表本山雅志選手がMリーグでプレー

 隣国タイではかつては岩政大樹選手や茂庭照幸選手、ここ数年ではハーフナー・マイク選手や細貝萌選手など「元日本代表」の選手たちがプレーしていた時期がありましたが、ついにマレーシアにもその時が来ました。しかもこの国にやってきたのはあの本山雅志選手です。所属するケランタン・ユナイテッドFCはMリーグ2部プレミアリーグのチームですが、それでもその注目度は非常に高いものでした。
 ケランタン・ユナイテッドFCでは、深井脩平選手、Mリーグでは先輩に当たる谷川由来選手、さらに東山晃監督(現テクニカルディレクター)らとともに今季を戦った本山選手は、自身はケガなどもあり満足なシーズンとはならなかったかも知れませんが、それでもマレーシア人選手たちに対しては圧倒的な存在感は見せたMリーグ1年目でした。

○Mリーグのチケット販売が完全デジタル化

 無観客試合で開幕したMリーグがスタジアムでの観戦を許可したのは4月初旬でしたが、その翌月には再び無観客となり、それが10月下旬まで続きました。スタジアム観戦再開後は新型コロナ対策もありMリーグのチケットはスタジアムでの当日売りがなくなり、オンラインで購入し自身でプリントアウトする完全デジタル化に移行しました。チケット購入時には身分証明書番号、外国人であればパスポート番号の入力が必要になり、スタジアムでの入場の際もチケットとパスポートの提示を求められる徹底振りでした。まぁそこはマレーシアなんで、コロナが落ち着けば元に戻ってしまうかも知れません。

○外国籍選手ゼロのPJシティFCがスーパーリーグ7位

 今季のMリーグ1部スーパーリーグで唯一、登録選手全員がマレーシア人選手のみ、つまり外国籍選手ゼロだったPJシティFCは開幕前の大方の予想に反し、12チーム中7位と大健闘しました。チームからは10月の中東遠征でGKカラムラー・アル=ハフィズが初の代表招集となった他、スズキカップ2020に出場した代表にはこのカラムラー選手とMFコギレスワラン・ラジ、FWダレン・ロック(ただしケガで辞退)の3選手が招集されるなど、マレーシア人選手だけのクラブが外国籍選手を補強した他のMリーグクラブと対等に戦えることを証明しました。

○スーパーリーグ昇格初年度でペナンFCが3位に

昨季のMリーグ2部プレミアリーグで優勝し、KLシティFCとともに今季1部に昇格したペナンFC。昨季の優勝監督でもあるマンズール・アズウィラ監督が1部スーパーリーグで監督を務めるのに必要なAFCプロ指導者ライセンスを保持していなかったことから、マンズール関東はコーチとなり、チェコ出身のトマス・トゥルカ監督が監督に就任しました。するとチームはMリーグの台風の目となり、一時はAFCカップ出場権が与えられるリーグ2位も見えましたが、最後は力尽きて3位に終わりました。それでも昇格初年度の3位は立派ですが、リーグ戦後のマレーシアカップに入るとチームは勝ち星から見放され、グループステージで敗退するとトゥルカ監督退陣を求める一部サポーターも現れるなど、少なくともリーグ戦終了時は順風満帆に見えたペナンFCですが、来季に不安を残してシーズンを終えています。

○スズキカップ2020で代表はベスト4進出を逃す

 隔年で行われる東南アジアサッカー連盟AFF選手権スズキカップの2020年大会がシンガポールで集中開催され、マレーシア代表はグループステージで敗退しています。2020年に予定されていた大会が順延となったことからスズキカップ2020と銘打たれたこの大会に前回2018年大会の準優勝チームとして出場したマレーシア代表でしたが、ラオス、カンボジアに勝利したものの、前回大会の覇者ベトナム、そしてFIFAランキングではマレーシアより順位が低いインドネシアに完敗しています。
 本来は選手30名を登録できるところを24名しかしないなど不可解なことも多く、代表選手選考には「見えない手」の影響があったのではなどとも言われていますが、真相は藪の中です。いずれにしても準決勝に進んだタイ、シンガポール、ベトナム、インドネシアには明らかに見劣りするプレーにタン・チェンホー監督更迭論なども出ましたが、マレーシアサッカー協会FAMはこれを否定しました。

U23代表はAFC U23アジアカップ予選を突破

 愚兄賢弟と言えば言い過ぎ。A代表が思うような結果を出せなかった2021年ですが、U23代表は10月にモンゴルで開催されたAFC U23アジアカップ予選を突破し、来年2022年6月にウズベキスタンで開催される本戦出場を決めています。前回2020年大会予選では中国と同組になるも勝点で並びながら得失差で涙を飲んだU22代表でしたが、今回はタイとの引き分けを含む3試合全てを完封して予選J組を首位で突破しています。このU22代表は2月には東南アジアサッカー連盟AFF U23選手権、5月には東南アジア競技大会通称シーゲームズも控えており、サポーターの信頼を失い気味の兄の分まで頑張って欲しいです。

12月29日のニュース:FAMはマロニーU22代表監督との契約を更新、AFFU23選手権の組み合わせ発表-マレーシアはインドネシアと同組に、女子代表GKはクリーンシートでインドリーグデビュー

FAMはマロニーU23代表監督との契約を更新

マレーシアサッカー協会FAMは、AFCU23アジアカップ予選を突破し、来年の本戦出場を決めたマレーシアU22代表のブラッド・マロニー監督との契約を更新したとスポーツ専門サイトのスタジアムアストロが報じています。なお今回の契約期間は2年間ということです。

スタジアムアストロの取材に対しFAMのサイフディン・アブ・バカル事務局長は、オーストラリア出身のマロニー監督の業績を評価した結果、契約延長を決定したと述べています。「FAMの契約延長オファーをマロニー監督が受け入れたことで、マロニー監督はU22代表監督して指導にあたる。来年2022年は5月に東南アジア競技大会(通称シーゲームズ)がベトナムで、6月にはAFCU23アジアカップ2022年大会がウズベキスタンでそれぞれ開催されるが、シーゲームズでは金メダル獲得を、またU23アジアカップでも好成績が期待できるようなチームを作り上げてくれた。」と話しています。

AFC U23アジアカップ2022出場を決めたU22代表は予選でタイと引き分けてグループ首位で予選を突破するなど、東南アジアサッカー連盟AFF選手権スズキカップ2020ではグループスタージで敗退したA代表とは対照的な2021年となりました。スズキカップ2020出場のA代表には、アリフ・アイマン(JDT)、クエンティン・チェン、ムカイリ・アジマル(いずれもスランゴールFC)、ルクマン・ハキム(ベルギー1部KVコルトレイク)らU22代表組も含まれていますが、AFC U23アジアカップ本戦に出場するU22代表と、同じ6月に予定されているAFCアジアカップ2023大会予選に出場するA代表との間で選手の「奪い合い」が起こる可能性もあります。

AFFU23選手権の組み合わせ発表-マレーシアはインドネシアと同組に

来年2022年2月に開催される東南アジアサッカー連盟AFF U23選手権の組み合わせが発表になり、マレーシアはA代表がスズキカップで惨敗したインドネシアと同組になっています。上の記事でも取り上げたマロニー監督にとっては契約更新後の初の公式戦となります。

2月14日から26日にかけてカンボジアのプノンペンで開催されるこの大会にはAFF加盟11カ国が出場し、FAMのサイフディン事務局長とU22代表のマロニー監督が出席して行われたシンガポールでの組み合わせ中の結果、マレーシアはインドネシア、ミャンマー、ラオスと同じB組となり、開催国のカンボジア、フィリピン、東ティモール、ブルネイが入るA組、タイ、ベトナム、シンガポールのスズキカップ4強中3チームが集まったC組がそれぞれグループステージを戦い、各組の1位と2位チームのうち最も成績の良いチームが準決勝へ進みます。

スズキカップの3強が集まり文字通り「死の組」となったC組に注目が集まりそうですが、マレーシアにとってもスズキカップでインドネシアに敗れたA代表の「仇討ち」となります。ただしインドネシアA代表のシン・テヨン監督はU22代表も兼ねており、マレーシア同様、A代表の選手数名かU22代表に加わるとされており、仇討ちどころか返り討ちにならないように気をつけてもらいたいです。

女子代表GKはクリーンシートでインドリーグデビュー

インドのアマチュアクラブで挑戦中のマレーシア女子代表GKヌルル・アズリン・マズランは、加入したミサカ・ユナイテッドFCの試合に初先発し、クリーンシートデビュー飾っています。またたヌルル・アズリン選手が所属するミサカ・ユナイテッドFCは4ゴールを挙げてバンガロールブレイブズを破り、ヌルル・アズリン選手のデビューに花を添えています。

インドについてこの日で6日目であると話した21歳のヌルル・アズリン選手は、マレーシアの通信社ブルナマの取材に対して、次戦となるキックスタートFC戦でも先発したいと述べています。ヌルル・アズリン選手は来年2022年1月31日までこのミサカ・ユナイテッドFCと契約しています。

2015年と2018年に国内最優秀選手に選ばれているヌルル・アズリン選手はマレーシア国内でのプレートの違いを問われると、練習内容自体は大きく違いはないと話す一方で、時には14度まで下がる寒さには閉口していると述べています。


11月17日のニュース:タイ1部第12・13節-エルドストールはフル出場しタンは5戦連続出場、協会はAFCU23アジアカップ出場権獲得のU22代表監督との契約延長へ、空席の協会テクニカルディレクターは来年1月までに決定、過去2年間中止のU19とU21の国内リーグは来年2月に開幕

タイ1部第12・13節-エルドストールはフル出場しタンは5戦連続出場 
 2021/2022年シーズンのタイ1部リーグ第12節が11月9日から11日まで、第13節が11月13日と14日という過密日程で開催されましあた。マレーシア代表のDFジュニオール・エルドストール(タイでの登録名はプテラ・マデル・アマラン・マデルネル)が所属するチョンプリーFCは首位ブリーラム・ユナイテッド戦の勝利を含む2連勝で4位を堅持、DFドミニク・タンが所属するポリス・テロFCは1勝1敗でこちらも順位は10位と変わっていません。

タイ1部リーグ第12節
2011年11月9日@トゥルースタジアム
バンコク・ユナイテッド 5-0 ポリス・テロFC
 GKのプラシット・ゴルダが2ヶ月分の給料未払いを明らかにしたポリス・テロFCは今季最大の5失点でバンコク・ユナイテッドに大敗しています。前半で3失点を喫したからか、これまでは試合終盤投入されていたドミニク・タンは61分から出場し、今季最長となる29分間プレーしています。

2021年11月10日@サームアーオスタジアム
PTプラチュワップFC 1-2 チョンブリーFC
 滝雅美率いるPTプラチュワップFCと対戦したチョンブリーFCが3連勝で4位を堅持。ジュニオール・エルドストールは先発してフル出場しています。なお翌第13節でも今季1部昇格のノーンブワ・ピッチャヤFCに敗れて5連敗となったPTプラチュワップFCは滝雅美を解任しています。
 (試合のハイライト映像はタイリーグ公式Youtubeチャンネルより)

タイ1部リーグ第13節
2011年11月13日@ブンヤジンダースタジアム
ポリス・テロFC 1-0 スパンブリーFC
 前節の大敗からこの日はフィリピン代表の佐藤大介選手が所属するスパンブリーFCとの対戦となったポリス・テロFCは1-0で勝利し、今季4勝目を挙げています。ドミニク・タンは前節から一転して90+2分からの出場となっています。

2021年11月13日@サームアーオスタジアム
チョンブリーFC 2-0 ブリーラム・ユナイテッド
 チョンブリーFCが首位のブリーラムに勝利し4連勝で4位を堅持。ジュニオール・エルドストールは先発してフル出場しています。
 (試合のハイライト映像はタイリーグ公式Youtubeチャンネルより)

タイ1部リーグ順位表(第13節終了)

順位チーム試合得失差勝点
1バンコク・ユナイテッド139221529
2ブリーラム・ユナイテッド138231126
3BGパトゥム・ユナイテッド12822626
4チョンブリーFC137331124
10ポリス・テロFC11445-316
順位は上位3チームとマレーシア人選手が所属するチョンブリーFC、ポリス・テロFCのみ表示しています。

協会はAFCU23アジアカップ出場権獲得のU22代表監督との契約延長へ
 マレーシアサッカー協会FAMは、来年6月にウズベキスタンで開催されるAFC U23アジアカップ2022年大会予選J組で首位となり本戦出場権を獲得したブラッド・マロニー監督との契約延長に向けた交渉を開始することを発表しています。
 英字紙スターによると、FAMのモハマド・サイフディン・アブ・バカル事務局長はオーストラリア出身のマロニーU22代表監督がFAMの設けた重要業績評価指標KPIを達成したとして、現在の契約が切れる今年12月以降の契約延長とAFC U 23アジアカップへの準備などについての話し合いを行うとしています。なおマロニーU22代表監督とチームは予選J組の試合が開催されたモンゴルから帰国後の検疫隔離期間中に行われた検査で新型コロナの陽性反応を示した者が出たことから、検疫隔離期間が延長されていました。
 U23代表は2022年には6月1日から19日まで開催されるAFCU23アジアカップに加えて、5月12日から23日には東南アジア競技大会通称シーゲームズ(ベトナム)、さらに9月10日から25日にはアジア競技大会(中国)などが控えています。
 FAMの理事会後に記者会見したサイフディン事務局長は、この他、来年2022年10月に予定されているAFC U17選手権予選に向けても早急に首脳陣を決定し、2006年以降に生まれた選手からU17代表を編成するとも述べていますが、これは2023年にバーレーンで開催されるAFC U17選手権が同年にペルーで開催されるFIFA U17ワールドカップの予選も兼ねていることからであると説明し、U17代表は来年4月には大会に向けてサウジアラビアかアラブ首長国連邦での合宿も予定しているということです。

空席の境界テクニカルディレクターは来年1月までに決定
 9月末にオン・キムスイ氏がMリーグ1部のサバFCの監督に転身したことにより空席となっているマレーシアサッカー協会FAMのテクニカルディレクター職(TD)について、FAMのモハマド・サイフディン・アブ・バカル事務局長は来年1月には決定すると話していると、マレーシアの通信社ブルナマが報じています。
 報道陣から候補者がマレーシア人か外国籍かを問われたサイフディン事務局長は、現時点ではそのような絞り込みはできていないと答え、選考は候補者の経験に基づいて行い、さらにFIFAやAFCなどにも経歴の確認などを行い、最良の人物を選びたいとしています。
 なおオン氏がサバFC監督に就任した後は、後任としてサラワク・ユナイテッドFCのテTDで元代表監督のB・サティアナタン氏や、FAMと青年スポーツ省が共同で運営する国家サッカー選手育成プログラムNFDPのサアド・イシャラレンTDなどの名前も上がっています。

過去2年間中止のU19とU21の国内リーグは来年2月に開幕
 新型コロナウィルスの感染拡大に伴い2020年と2021年の2年連続で中止となっていたU19国内リーグのユースカップとU21国内リーグのプレジデントカップについて、この両大会を主催するマレーシアサッカー協会FAMは来年2022年2月に開幕を予定していることを発表しています。
 ブルナマの報道によるとFAMの協議委員会の委員長も務めるモハマド・フィルダウス・モハメド会長代行は2月の中旬あるいは下旬からの開幕に向けて、国内の新型コロナ対策を担う国家安全保障委員会NSCに対して、ユースカップとプレジデントカップの開催申請を行った結果、承認を受けたことを明らかにしています。
 20から22チームが参加するユースカップとプレジデントカップは、従来は参加全チームをそれぞれ2グループに分けてホームアンドアウェイ方式でグループステージを行い、そこから勝ち上がった各グループの上位4チームが準々決勝に進み、そこからはトーナメント方式で優勝チームを決定していましたが、新型コロナ禍の中で開催を模索した昨年2020年と今年は、移動距離を減らすために国内を3つの地域に分けるなど方式を変更して開催を試みたものの、結局は中止に追い込まれています。




11月6日のニュース:AFCU23アジアカップ出場権獲得のU22代表監督は続投に意欲、サバFCのインドネシア代表選手が旧所属クラブの所得税未納で出国できず、MFLはSOP違反に厳格に対処-スチュアートCEO、JDTオーナーはガンによる給料半減の話は真実と改めて主張

AFC U23アジアカップ出場権獲得のU22代表監督は続投に意欲
 先日行われたアジアサッカー連盟AFC U23アジアカップ2022年大会予選を突破したマレーシアU22代表のブラッド・マロニー監督は、来年6月にウズベキスタンで開催されるAFC U23アジアカップ本選で指揮をとることに意欲を見せていると、スポーツ専門サイトのスタジアムアストロが報じています。
 マロニー監督が率いたU22代表はモンゴルのウランバートルで開催された予選J組では宿敵タイと引き分けるなど2勝1分でグループ首位となり、2018年の中国大会に次ぐ2度目の本選出場権を獲得しています。なおこの2018年大会では現在はサバFCの監督を務めるオン・キムスイ氏が監督を務め、マロニー氏はアシスタントコーチでした。
 マロニー監督とFAMの契約は今年末までとなっており、マロニー監督は最終決定権はFAMにあるとしながらも
 来年2022年の本大会出場のU23代表候補には、今回の予選でクラブの召集拒否にあったフル代表でもプレーするFWアリフ・アイマン(JDT)やMFワン・クズリ・ワン・カマル(米国アクロン大学)、負傷により今回の代表召集を辞退したシャールル・ナジーム(スランゴールFC)、いずれも膝前十字靭帯損傷から復帰途中のFWハディ・ファイヤッド(J2岡山からJ3沼津に期限付き移籍中)やGKラハディアズリ・ラハリム(トレンガヌFC)、さらには現在開催中のマレーシアカップで活躍するダニアル・アスリ(スランゴールFC)など、今回の予選に出場できなかったタレント軍団も控えており、アストロ・アリーナの取材に対してマロニー監督は「最終的にはFAMが決定することだが、このチームに対する私の信頼はとても大きく、また選手達を誇りに思っており、可能であるならばこのチームとともにできる限り長く戦いたい。」と従来の発言を繰り返しています。
 マロニー監督はウズベキスタンでの本選に向けては現在、50名以上の候補選手をリストアップしていることも明かす一方で、出場資格のある全ての選手に(本大会に)出場するチャンスがあるとも述べ、この50名のリストから選手を選ぶことには固執していないとも話しています。

サバFCのインドネシア代表選手が旧所属クラブの所得税未納で出国できず
 サバFCでプレーするFWサディル・ラムダニはインドネシアU22代表とフル代表でプレーする選手ですが、リーグ戦終盤のケガでベンチを外れ、アジアサッカー連盟AFC U23アジアカップに出場するインドネシアU22代表に招集された際にはクラブがケガからの回復を理由に招集を拒否させるほどでした。
 そこで自国インドネシアへ戻って治療を受けようとしたラムダニ選手ですが、出国時の審査でおよそ4万3000リンギ(およそ117万円)の所得税未払いが発覚し、これを理由に出入国管理局に拘留されたことをインドネシアの全国紙、コンパスが報じました。この報道で明らかになったのは、所得税が未払いなのは現在、所属するサバFCではなく、2019年に在籍したパハンFA(現スリ・パハンFC)であることが報じられると驚きが広がりました。
 ラムダニ選手は全ての責任はかつて所属したクラブにあるとして、速やかな解決と即時の出国を求める事態になりましたが、スリ・パハンFCはこの報道が出ると直ちに対応したようで、クラブの公式Facebookでは内国歳入庁(日本の国税庁にあたる)と出入国管理局と交渉の結果、ラムダニ選手の出国が可能になったことを明らかにしています。
 この件についてはインドネシアのザイヌディン・アマリ青年スポーツ相がインドネシアサッカー協会PSSIとともにクアラルンプールのインドネシア大使館にラムダニ選手と接触するように求めるなどインドネシア側も巻き込んだ一騒動になっています。
 報道通りであれば、既にインドネシアに戻っているラムダニ選手ですが、これまではケガによりインドネシアU22代表とフル代表の監督を兼ねるシン・テヨン監督の招集に応じることができませんでしたが、12月にシンガポールで開催される東南アジアサッカー連盟AFF選手権スズキカップへの出場には意欲を見せているということです。

MFLはSOP違反に厳格に対処-スチュアートCEO
 現在開催中のマレーシアカップは10月29日の第4節から人数制限があるものの、スタジアムでの観戦が可能になっていますが、その一方で観戦者に対してはスタジアム内での常時マスク着用の義務や飲食の禁止などの標準作業手順SOPの遵守が求められています。
 そんな中、第4節のマラッカ・ユナイテッドFC対ケランタン・ユナイテッドFC戦が開催されたハン・ジェバスタジアムの一室で会食が行われている写真がネット上に流失し、マレーシアカップを主催するMFLがマラッカ・ユナイテッドFCを優遇しているとの批判が出ていると、マレーシア語紙シナルハリアンが伝えています。
 これに対してMFLのスチュアート・ラマリンガムCEOはこの批判に反論し、あらゆるSOP違反に対しては厳格に対応すると述べ、マラッカ・ユナイテッドFCに対する調査を開始していると述べています。「MFLは既に事実確認のためにマラッカ・ユナイテッドFCに問い合わせを行なった。またこの件はMFL理事会で議論されることになる。」と述べたスチュアートCEOに対し、マラッカ・ユナイテッドFCのモハマド・サイフル・マット・サペリ理事はMFLの調査を受けたことを認め、現在はMFLに判断を委ねていると述べ、今後はスタジアム内での会食は行わないと述べています。
*****
 この第4節直前にはチーム内で20名以上の新型コロナ陽性者が見つかったヌグリスンビランFCがクラスター化したことからマレーシアカップグループステージを途中辞退しており、MFLとしてもスタジアムでの観戦解禁に合わせて感染予防と対策に特に力を入れていた際に起こったこのSOP違反疑惑ですが、結局は毎度お馴染みのお咎めなしといったマレーシア特有の誰も悪者にしない灰色決着に落ち着くんだろうなぁ。

JDTオーナーはガンによる給料半減の話は真実と改めて主張
 JDTオーナーでジョホール州皇太子のトゥンク・イスマイル殿下が、ガン治療により試合に出場できない選手の給料を半減したクラブを批判し、これに該当すると思われるブレンダン・ガンと所属するスランゴールFCの双方がその事実を否定しているという記事をこのブログでも昨日取り上げましたが、スランゴールFCとガン選手が否定したことで、イスマイル殿下の情報が誤っている、さらにイスマイル殿下の発言はスランゴールFCへの当て擦りだという逆に批判的な声がネット上で上がる事態になっています。
 マレーシア語紙ハリアンメトロは、そういった声に対しイスマイル殿下は改めて自身の発言を事実であると述べていると報じ、この事実は該当する選手のチームメートから直接聞いたと話しているということです。(昨日のブログでは「イスマイル殿下は本人から直接聞いたと話している」と書きましたが、私が読み間違えていたようです。お詫びして訂正します。)
 「この選手はチームメートに対して、クラブが来季の給料を半減したがっていると話し、このチームメートがそのことを私に知らせてくれた。」と述べたイスマイル殿下は、さらにクラブが給料の半減をしたがっているのは今季ではなく来季2022年の給料であることも述べています。(ここも私が誤解していました。お詫びして訂正します。)
 さらに「この選手はクラブに大変な貢献をしてきたにも関わらず、ガンになったという理由だけで給料を半減されようとしていることから私が声を上げた。このようなクラブの対応をこの選手も公にしたいのではないか。」と述べたイスマイル殿下ですが、改めて自身の発言を肯定したことで、この騒動はまだまだ沈静化しそうにありません。

11月3日のニュース:J3沼津のハディ・ファイヤッドによる連載記事フットボーリスタ10月31日版「ヤクルトはマレーシアサッカーの育成を支援」

 J2ファジアーノ岡山から3のアスルクラロ沼津に期限付き移籍しているU22代表のFWハディ・ファイヤッドがマレーシア語紙ハリアンメトロ日曜版に連載している「フットボーリスタ」の最新版です。沼津移籍直後の今年3月の練習で負った膝前十字靭帯損傷で今季の大半は治療と回復に専念したハディ選手ですが、現在はシュート練習ができるまで回復しているようです。
 日本ではすでに3年目となるハディ選手ですが、今回は「ヤクルトはマレーシアサッカーの育成を支援」と題した記事をハリアンメトロ日曜版に寄稿していますので、拙訳ではありますが日本語にしてみました。

フットボーリスタ:ヤクルトはマレーシアサッカーの育成を支援  
 メトロ日曜版の読者の皆さん、こんにちは。お元気でお過ごしのことと思います。
 前回のフットボーリスタでは、日本で3年間を過ごして私が気づいたマレーシアのサッカーと日本のサッカーの違い、そして日本のサッカーにおける育成について触れました。
 今週のフットボーリスタでは、私がヤクルトマレーシア社とともに参加したサッカー選手育成のプログラムについてお伝えしたいと思います。2019年に私とヤクルトマレーシア社はクアラルンプールの国家スポーツ評議会NSCグラウンド、マラッカ州のハン・ジェバスタジアム、そしてペナン州の州立スタジアムの3カ所でファジアーノ岡山サッカークリニックを開催しました。このプログラムはマレーシアサッカー協会FAMと国家スポーツ評議会NSCが共同で運営する国家サッカー育成プログラムNFDPの支援も受けています。
 このクリニックの他にもヤクルトマレーシア社は2019年にヤクルトグローバルカップ大会を主催しており、この大会の優勝チームであるクダ州のコタ・スターアカデミー(7歳から12歳対象)はマレーシア代表として大阪で開催されたU12チームの大会であるJグリーン堺グローバルカップに出場しています。セレッソ大阪やヴィッセル神戸、ファジアーノ岡山、徳島ヴォルテスの各U12、そしてタイのブリーラム・ユナイテッドU12なども出場したこの大会で、コタ・スターアカデミーは決勝戦に進出し、ヴァンフォーレ甲府U12を破って見事優勝を果たしています。私も日本にやってきたコタ・スターアカデミーの選手たちに会い、大会期間中は選手たちを応援しました。
 またこの年には、マレーシアから選抜された5名の選手が同様に選抜されたタイ、ミャンマーの選手たちとセレッソ大阪の練習に参加する「アセアンドリームプロジェクト」も開催され、私は大阪にやってきた選手たちに会って、アドバイスを送る機会もありました。
 ヤクルトマレーシア社によって行われたこれらの育成プログラムのおかげで、マレーシアにいる才能を持った若い選手たちに光が当てられることになりました。
 残念ながら、新型コロナの影響で2020年と2021年はこれらのプログラムは行われませんでしたが、来年2020年にはヤクルトマレーシア社がこのプログラムを再開してくれることを期待しています。そして最後に、読者の皆さんには是非、マレーシア国内でのサッカーにおける選手育成への支援を今後もお願いしたいと思います。マレーシアのサッカーが今後も進歩していくための原動力として、育成プログラムを通じて成長する選手たちの力が必要だからです。
 今週はここまでです。読者の皆さんのご健康をお祈りします。では、また次回お会いしましょう。

11月1日のニュース:U22代表がAFCU23アジアカップ予選を首位で通過し本選出場決定

U22代表がAFCU23アジアカップ予選を首位で通過し本選出場決定
 アジアサッカー連盟AFC U23アジアカップ(旧U23選手権)予選J組の最終第3節が行われ、第2節を終えて首位のマレーシアと同2位のタイが対戦し0-0で引き分けています。この結果、マレーシアが予選J組の首位が確定するとともに、来年2022年6月にウズベキスタンで開催されるAFC U23アジアカップ本選への出場を決めています。
 この試合で勝つか引き分けで本選出場が決まるマレーシアU22代表のブラッド・マロニー監督は、この予選初出場となるFWアズハド・ハラズ・アルマンを先発に起用、また中盤にはMFアザム・アズミ・ムラドを先発起用とモンゴル戦からは2選手を入れ替えた布陣で臨みました。試合開始時の気温は2度と東南アジアのチームにとっては過酷な状況の中、タイ、マレーシアとも試合開始から積極的に攻め込むも得点機をものにできず前半は0-0で終了しました。
後半に入っても拮抗したまま試合は進み、引き分けでもこの予選J組を首位突破となるマレーシアに対し、どうしても勝利が必要なタイはギアを上げ、マレーシアゴールに迫ります。一方、前掛かり気味になったタイに対してマレーシアもカウンターで対抗するもののシュートがゴールポストにあたるなど無得点のまま試合はのロスタイムに入ります。このまま引き分けかという雰囲気の中、マレーシア守備陣のマークをかわしてタイのエース、タナワット・スエンチッタウォンがシュートを放つもこれをGKアズリ・アブドル・ガニがスーパーセーブで防ぎ、両チーム無得点のまま試合は引き分けに終わっています。

AFC U23アジアカップ予選J組
2021年10月31日@MFFスタジアム(モンゴル、ウランバートル)
マレーシア 0-0 タイ
得点者:なし
 この結果、マレーシアは3試合で2勝1分0敗で勝点7、タイは1勝2分0敗で勝点5となり、マレーシアが予選J組の首位となり、中国で開催された2018年大会以来となる2度目のAFC U23アジアカップ出場を決めています。(下はタイ戦の先発XI。FAMの公式Facebookより。)


 マレーシアU22代表は、大会前にはモンゴルの気温に適応するため中央アジアでの合宿と競合との練習試合を予定するも新型コロナの影響から実現せず、直前まで国内合宿を行ってこの予選に臨むなど、準備不足が不安視される声もありましたが、いずれもこの予選にフル出場したGKアズリ・アブドル・ガニ(ペラFC)とDFハリス・ハイカル、DFジクリ・カリリ、DFアズリン・アフィクのスランゴールFCトリオで構成した守備陣が3試合全てで相手を完封するなど予選突破に大いに貢献した一方で、FWルクマン・ハキム・シャムスディン(ベルギー1部KVコルトレイク)が牽引した攻撃陣はルクマン自身が相手の厳しいマークにあう中、予選開始のわずか2週間前に追加召集となったMFアズファル・フィクリ(トレンガヌFC II)がラオス、モンゴル相手に貴重なゴールを挙げるラッキーボーイとなる幸運もありました。
 予選J組では首位突破とはいえ、イラク、ヨルダン、サウジアラビアと同組ながらこの組を2位で突破したものの、ベスト16で韓国に1-2と敗れた2018年大会以上の結果を出すためにはフル代表同様、攻撃陣の底上げが必要です。今回は所属クラブの召集拒否によって出場できなかったFWアリフ・アイマン(JDT)などもおそらく本選に出場するでしょうが、既存選手のレベルアップと新たな選手の発掘のいずれもが急務です。

 なお予選J組のもう1試合ではラオスがモンゴルを破って3位、開催国となったモンゴルは4位を確定させています。
AFC U23アジアカップ予選J組
2021年10月31日@MFFスタジアム(モンゴル、ウランバートル)
モンゴル 2-4 ラオス
得点者:モンゴル-フォーサヴォン・サンヴィライ(22分OG)、オユンボルド・オユントゥヤ(23分)、ラオス-ブウンファチャン・ブウンコン2(6分PK、74分)、バトオルギル・ゲレルトオド(46分OG)
(下は予選J組の最終順位)

10月29日のニュース:AFCU23アジアカップ予選-タイがラオスに快勝、マレーシアカップ-グループ首位のサラワク・ユナイテッドは主将がケガで戦線離脱、マレーシアプロサッカー選手会CEOが国際プロサッカー選手会FIFPRO国際理事会の理事に就任

AFCU23アジアカップ予選-タイがラオスに快勝
 AFC U23アジアカップ(旧U23選手権)予選J組の第2節が行われ、マレーシアは2連勝、タイは予選初勝利を挙げ、この両チームが対戦する第3節でこの組を突破するチームが決定することになりました。
 この日の第1試合でマレーシアがモンゴルに1-0で勝利した後、所詮はモンゴルと引き分けたタイとマレーシアに敗れたラオスが対戦し、39分には英国1部のレスターシティに所属するタナワット・スンジッターウォンが予選初ゴールをPKで決め、さらに59分にはモンゴル戦でもゴールを決めているジャキット・パラポンが今予選2得点目となるゴールを、そしてロスタイムには個人技でDFをかわしたコラウィット・ターサーがゴール決めてラオスに快勝しています。
 10月31日の最終第3節では首位のマレーシアと2位のタイが対戦し、勝点差2をつけているマレーシアが勝つか引き分ければマレーシアが首位を堅持して予選突破、マレーシアが敗れれば入れ替わりでタイが首位となり予選を突破します。

2021年10月28日@MFFスタジアム(モンゴル、ウランバートル)
タイ 3-0 ラオス
得点者:タイ-タナワット・スンジッターウォン(39分PK)、ジャキット・パラポン(59分)、コラウィット・ターサー(90+2分)

AFC U23アジアカップ予選J組 順位表(第2節終了時)

順位チーム試合得点失点得失差勝点
1マレーシア22002026
2タイ21104134
2モンゴル201112-11
4ラオス100203-30

グループ首位のサラワク・ユナイテッドは主将がケガで戦線離脱
 代表のヨルダン遠征などで中断していたマレーシアカップグループステージは今日10月29日から再開しますが、Mリーグ1部の3クラブを抑えて首位に立つサラワク・ユナイテッドFCは残る4異彩を主将を欠いて臨むことになると、東マレーシア(サバ、サラワク)のサッカー専門サイト、サラワククロックスが伝えています。
 サラワク・ユナイテッドFC主将のDFテイラー・リガンは、先日のスランゴールFCとの練習試合でケガを負い、完治まで1ヶ月という診断が出ていることから、E・エラヴァラサン監督は今季の出場は絶望だと話しています。
 今季のMリーグ2部プレミアリーグでは準優勝を果たし来季の1部スーパーリーグ昇格を決めているサラワク・ユナイテッドFCは、マレーシアリーググループステージ第2節を終えてスーパーリーグで今季3位のペナンFCと10位のスリ・パハンFCに2連勝するジャイキリでA組の首位となっています。

マレーシアプロサッカー選手会CEOが国際プロサッカー選手会FIFPRO国際理事会の理事に就任
 マレーシアプロサッカー選手会PFAMは公式サイト上で、PFAMのイズハム・イスマイルCEOが国際プロサッカー選手会FIFPROの理事に任命されたことを発表しています。イズハムCEOはアジア・オセアニア地区を代表する理事として、元オーストラリア代表選手でもあるキャサリン・ギル氏とともにFIFPRO国際理事会に加わるということです。
 2014年からPFAMのCEOを務めるイズハムCEOは、2015年からはFIFPROアジア・オセアニア理事会の理事にも就任しており、契約や雇用に関する問題についてマレーシア人選手や外国籍選手がマレーシアサッカー協会FAMの選手ステータス委員会やFIFAの紛争解決室に訴え出た際の代理人などを務めてきました。また2017年にはPFAMとFAMの間での了解覚書MOU締結、2018年にはマレーシア国内でプレーする選手を対象とした統一契約書の内容の改善なども行なっています。
 このブログでもたびたび(というか頻繁に)取り上げているマレーシアサッカー界での契約に関する様々な問題を解決するため、現在はFAMの間でマレーシア版紛争解決室設立に向けて交渉中であることも明かしたイズハムCEOは今回の国際理事会の理事就任について、様々な背景を持つアジアの選手の声を国際理事会に伝える役割を担いたいと抱負を述べています。