10月13日のニュース
来季のスーパーリーグは18ではなく16チームで開催?FIBが2チームの国内クラブライセンスを交付せず
国内総選挙がマレーシアカップの日程に影響も
AFCカップ決勝はブキ・ジャリル国立競技場での開催が決定

来季のスーパーリーグは18ではなく16チームで開催?FIBが2チームの国内クラブライセンスを交付せず

Mリーグを運営するマレーシアンフットボールリーグMFLは、今季Mリーグ1部スーパーリーグ所属の10クラブと2部プレミアリーグ所属の6クラブに対して、来季2023年シーズンの国内クラブライセンスが交付されたことを発表しています。またスーパーリーグ所属のマラッカ・ユナイテッドとサラワク・ユナイテッドの2クラブは、交付条件を満たしていないとして、今回の交付が見送られたことも併せて発表しています。

MFLは、国内リーグ戦の試合数が少ないというFIFAの指導を受け、現在のスーパーリーグとプレミアリーグを統合して、来季は新たにスーパーリーグを再編することを発表しています。今季はスーパーリーグが12チーム、プレミアリーグは10チーム(ただし、統合の対象となるのは6チーム)で編成されており、新スーパーリーグは18チーム編成となる予定でしたが、これでマラッカ・ユナイテッドとサラワク・ユナイテッドを除いた16チーム編成となる可能性がでてきました。

MFLは、マレーシアフットボール協会FAMからマレーシアにおけるクラブライセンス制度の制定および運用の委任を受けており、マレーシアにおけるライセンス交付機関としてMリーグのクラブライセンス制度を運営し、Mリーグのクラブに対して国内クラブライセンスを交付します。なお、国内クラブライセンスの交付判定については、MFLから独立した第三者機関であるクラブライセンス交付第一審機関FIBが行っていますが、このFIBが今回、国内クラブライセンスが交付されなかった2クラブについて、その理由を説明しています。

マラッカ・ユナイテッドについては、選手や監督、コーチに対して未払いとなっている今年8月分の給料支払い証明が提出されておらず、さらにクラブの経営状況を示す複数の書類も未提出になっているということが、今回、FIBが国内クラブライセンスを交付しなかった理由としています。またサラワク・ユナイテッドについては、書類の不備に加え、FIFAの紛争解決室DRCが決定した、旧所属2選手の延滞債務も完済されていないことが理由としています。(なおこの「かつて所属した2選手」とは、このブログでも取り上げたサンドロ・ダ・シルヴァテイラー・リガンの両選手です。)

なお、今回の交付見送りに対して、マラッカ・ユナイテッド、サラワク・ユナイテッドとも、10月19日までに再度の国内クラブライセンス交付申請が可能となっていることも併せて発表されています。

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今回、国内クラブライセンス交付を見送られた2クラブについて、MFLのスチュアート・ラマリンガムCEOは、来季は2部プレミアリーグが開催されないことから、両クラブはアマチュアフットボールリーグAFLが統括する3部リーグのM3リーグでのプレーが可能と述べています。ただし、その場合にはM3リーグがMFLの管轄外であるため、最終決定はAFLが行うということです。

国内総選挙がマレーシアカップの日程に影響も

マレーシアのイスマイル・サブリ・ヤアコブ首相は10月10日付で下院解散を発表しました。これに伴う総選挙は、解散後60日以内に開催することが憲法で定められていますが、11月中旬になると各地で洪水を引き起こす北東モンスーンが到来することから、11月上旬の開催が有力視されています。 そしてこの総選挙日程が、10月25日開幕予定のマレーシアカップの開催日程にも影響を及ぼす可能性があると、マレーシアの通信社ブルナマが報じています。

Mリーグを運営するMFLのスチュアート・ラマリンガムCEOは、Mリーグでのグループステージでは各スタジアムで多くの観衆が足を運ぶと期待されているとして、そのスタジアム警備が総選挙の日程次第では手薄になってしまう懸念があると述べています。

「各スタジアムの警備や安全維持は警察が行っているが、総選挙の開催日程次第では、全国で行われる総選挙の投票会場に多くの警察官が配備されることはもちろん、その前の選挙運動期間中も様々な形で警察が動員される可能性がある。MFLとしては、10月20日に選挙委員会が日程を決定するために行う会議での発表を待ちたい。」と述べています。

AFCカップ決勝はブキ・ジャリル国立競技場での開催が決定

ACL決勝を新国立競技場開催の話となんだか似ているなぁ。

10月22日に行われるAFCカップ決勝は、Mリーグ1部スーパーリーグのKLシティとオマーンのアル・シーブクラブが対戦しますが、その試合会場が当初予定されていたKL指定の本拠地、KLフットボールスタジアムからブキ・ジャリル国立競技場へ変更されたと、マレーシア語紙のブリタ・ハリアンが報じています。

AFCカップを主催するアジアサッカー連盟からの公式発表は未だないものの、KLシティのボヤン・ホダック監督によると、「技術的な問題」により試合会場が変更されたと説明しています。

「AFCは、決勝戦ではVARを採用するとしており、そのためにはスタジアム内の照明が1800ルクス以上であることが条件となるが、KLフットボールスタジアムの照明はその条件を満たしていないことから、試合会場が変更となった。」と述べる一方で、「選手たちも自分も慣れ親しんだKLフットボールスタジアムでの試合を望んでいたが、技術的な問題ではどうしようもなく、我々はブキ・ジャリルで試合をせざるを得なくなった。」とも話しています。

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レバノンのアル・アヘドFCと北朝鮮の4.25体育団が対戦した2019年のAFCカップ決勝は、やはりこのKLフットボールスタジアムで開催され、アル・アヘドFCが1-0で勝利していますが、この時はまだ、VARはAFCカップには導入されていなかったのかな。

This is the second time KL City has played at Bukit Jalil National Stadium in the final after winning the Malaysia Cup last year.

Previously, the Cheras Football Stadium hosted the AFC Cup final when the Lebanese club, Al-Ahed defeated the North Korean club, April 25 1-0 in 2019.

Mリーグ1部スーパーリーグ
2022年シーズン第21節結果とハイライト

10月11日にMリーグ1部スーパーリーグの第21節が行われています。既にジョホール・ダルル・タジムのリーグ9連覇が決まっているものの、3チームが勝点1差の中にひしめく2位争いは今節でも決着がつかず、最終節第22節に持ち越されています。なお最終節は今週末の10月15日(土)に全試合午後9時キックオフ(マレーシア時間)で開催されます。

2022年10月12日@サラワク州立スタジアム(サラワク州クチン)
サラワク・ユナイテッド 0-1 スランゴール
⚽️スランゴール:ハイン・テット・アウン(71分)
🟨スランゴール(1):ファズリ・マズラン
🟨サラワク(3):アブドル・ラーマン・イスマウィ、チャントゥール・スピア、スチュアート・ウォーク
MOM:ムカイリ・アジマル(スランゴール)
 3連勝で今季初の5位浮上。
 タン・チェンホー監督就任後2連勝のスランゴールが、引き分けを挟んで5連敗中のサラワクと対戦。6月19日の第10節の同じカードでは、サラワクに7-0と圧勝しているスランゴールがこの日も試合を優位に進めるも、サラワクもスランゴールのミスに付け込み好機を作るなど、スランゴールにとってはフラストレーションの溜まる展開が続きます。試合が動いたのは71分、アレクサンダー・アギャルクワがサラワクDFラインの裏に出した絶妙なパスを受けたハイン・テット・アウンが相手GKを交わしてこの試合唯一のゴール!3試合連続完封勝ちのスランゴールが、順位を今季最高位となる5位に上げています。一方のサラワクは、今季11試合目の完封負けで、今季の最終順位が11位に確定しました。

2022年10月12日@ダルル・マクモルスタジアム(パハン州クアンタン)
スリ・パハン 1-2 サバ
⚽️スリ・パハン:スティーヴン・ロドリゲス(85分)
⚽️サバ:ドミニク・タン(89分)、パク・タエス(90+2分)
🟨スリ・パハン(5):ムスリム・アフマド、アズワン・アリピン、シェルゾド・ファイジェフ、スティーヴン・ロドリゲス、ズハイル・アイザット
🟨サバ(4):N・タナバラン、パク・タエスー、ゲイリー・スティーヴン・ロバト、ラウィルソン・バトゥイル
MOM:カイルル・ファーミ(サバ)
 土壇場の決勝ゴールで2位死守。
 現在2位のサバは、トレンガヌとヌグリスンビランの猛追を受け、勝点差1まで迫られています。しかも、10月15日の最終節では既に今季のリーグ優勝を決めているJDTとの対戦が残っており、2位死守のためには下位のチーム相手の試合では勝点3を積み上げたいところです。そのサバは敵地で8位のスリ・パハンと対戦しています。
 8位とは言えタレント揃いのスリ・パハンは、守備では197cmの長身GKママドゥ・サマサが立ちはだかり、攻撃ではリーグNo.1の攻撃的MFマヌエル・イダルゴ、そして今季途中加入ながら8ゴールを挙げているFWスティーヴン・ロドリゲスらをサバDFがかろうじて防ぐ展開で試合が進みます。
 そしてこのまま引き分けかと思われた85分、ホームのスリ・パハンがスティーヴン・ロドリゲスが2試合連続となる今季9ゴール目を決めて、リードを奪います。負ければ一気に4位転落の可能性もあるサバは、ここから反撃に出て、89分には右サイドのサディル・ラムダニからのクロスをゴール左で加賀山泰毅選手が折り返したところを、ドミニク・タンが押し込んで同点とします。
 この試合では引き分けではなく勝利が必要なサバは、さらにゴールを目指し、ロスタイムとなった90+3分には、加賀山泰毅選手の左サイドからのクロスをゴール前でドミニク・タンが後ろへ流し、そのボールをパク・タエスーがゴール右隅に蹴り込んで逆転し、そのまま逃げ切っています。
 サバの加賀山泰毅選手は62分に交代出場し、試合終了までプレーしています。

2022年10月12日@MBPJスタジアム(スランゴール州プタリンジャヤ)
PJシティ 2-0 ペナン
⚽️PJシティ:フィレモン・スタンドリ(18分)、マハリ・ジュスリ(86分)
🟨PJシティ(0)
🟨ペナン(3):カイルル・アクマル、アディプ・ラオプ、スクリ・ハミド
MOM:マハリ・ジュスリ(PJシティ)
 ペナンは今季の最下位が確定。
 PJシティがマハリ・ジュスリの活躍で最下位のペナンに勝利しています。18分にこの試合1点目となるフィレモン・スタンドリのゴールをアシストしたマハリ・ジュスリは、試合終了間際の86分には、ゴール前の混戦からのこぼれ球を押し込んで、今季2点目を挙げています。
 エンドリックら主力の外国籍選手をケガで欠いたペナンは、ヒラル・アルヘルウェが一人気を吐いたものの、サポートが得られず無得点で敗れ、今季の最下位が確定しています。

2022年10月12日@KLフットボールスタジアム(クアラ・ルンプール)
KLシティ 1-2 トレンガヌ
⚽️KLシティ:ロメル・モラレス(64分)
⚽️トレンガヌ:マヌエル・オット(39分)、チェチェ・キプレ(45+2分)
🟨KLシティ(4):ライアン・ランバート、ハディン・アズマン、イルファン・ザカリア、アリフ・シャキラン
🟨トレンガヌ(2):ニック・シャリフ・ハセフィ、ズアシュラフ・ズルキフリ
MOM:ケヴィン・メンドーザ(KLシティ)
 2位争いに猛追。
 およそ10日後にAFCカップ決勝を控えるKLシティが、2位のサバを勝点差1で追うトレンガヌをホームに迎えての一戦は、この試合前まで7連勝と2位のサバを猛追するトレンガヌが前半で挙げたリードを守りきって勝利しています。
 39分にマヌエル・オットのゴールで先制したトレンガヌは、前半終了間際の45+2分にチェチェ・キプレがヘディングシュートを決めてリードを広げます。KLシティも得意のセットプレーからトレンガヌゴールを狙いますが、ここまでの20試合で18失点のトレンガヌDF陣がことごとくクリア、またゴールポストに嫌われる場面もあり、64分にロメル・モラレスのゴールで1点を返すのが精一杯でした。

2022年10月12日@トゥンク・アブドル・ラーマンスタジアム(ヌグリスンビラン州パロイ)
ヌグリスンビラン 2-0 マラッカ・ユナイテッド
⚽️ヌグリスンビラン:ナスルラー・ハニフ(28分)、グスタヴォ(84分)
🟨ヌグリスンビラン(0)
🟨マラッカ(3):ファウザン・ファウジ
MOM:グスタヴォ(ヌグリスンビラン)
 こちらも負けじと2位争いに残る。
 2位のサバとは勝点差1、また3位のトレンガヌと勝点差なし、得失差で4位となっているヌグリスンビランは、給料未払い問題未解決のため、リーグ戦後のマレーシアカップ出場権を剥奪されているマラッカを本拠地に迎えた試合は、終始優位を保ったヌグリスンビランが危なげなく勝利し、2位争いに残っています。

2022年10月12日@スルタン・イブラヒムスタジアム(ジョホール州イスカンダル・プテリ)
JDT 4-1 クダ
⚽️JDT:ベグルソン・ダ・シルヴァ2(50PK分、89分)、シャフィク・アフマド2(63分、67分)
⚽️クダ:ロナルド・ンガ(45分)
🟨JDT(1):ベルグソン・ダ・シルヴァ
🟨クダ(4):へシャムディン・アフマド、マフムード・アル=マルディ、カイル・アズリン、ロナルド・ンガ
MOM:シャフィク・アフマド(JDT)
 再生映像を見ているよう。
 1週間前の10月4日にクダの本拠地で行われたこのカードは、クダがロナルド・ンガのゴールで先制するも、JDTがベルグソン・ダ・シルヴァのゴールで追いつと、さらに追加点を挙げてクダに勝利しています。
 JDTの本拠地に舞台を移して行われたこのカードは既視感のあるような展開でした。前半終了間際の45分にマフムード・アル=マルディのパスに抜け出したエースのロナルド・ンガが技ありのチップキックでゴールを決め、でクダが先制し、前半を折り返します。しかし50分に自陣ペナルティエリア内でクダのロクマン・ハキムが痛恨のハンド。これで得たPKをエース、ペルグソン・ダ・シルヴァが決め、JDTが後半早々に同点に追いつきます。あれ?ここまでの展開は先週と同じ?
 前回の対戦では、同点に追いつかれたクダがプレッシャーに押しつぶされるようにミスを繰り返しましたが、この試合では、63分にはFKを得たJDTが素早いリスタートで、クダDF陣の反応が遅れる中、シャフィク・アフマドが逆転ゴールを決め、さらにその3分後にもシャフィク・アフマドがいわゆるボールウォッチング状態のクダDFのマークを外して連続ゴールを決め、クダを突き放します。さらに試合終了前の89分にはベルグソン・ダ・シルヴァがヘディングシュートが決まり、JDTが4-1で勝利しています。

2022年シーズン スーパーリーグ順位表(第21節終了時)

チーム勝点
1JDT21165058124653
2SAB21133536231342
3TRE21132636191741
4NSE2112543424941
5SEL218583832629
6KLC218583030029
7KDA2183103138-727
8SRP2174103131025
9PJC215882130-923
10MEL2146112242-2018
11SWU2142151850-3214
12PEN2124152144-2310
KDA-クダ・ダルル・アマン、NSE-ヌグリスンビラン、PJC-PJシティ、SEL-スランゴール、KLC-KLシティ、TRE-トレンガヌ、SRP-スリ・パハン、PEN-ペナン、SWU-サラワク・ユナイテッド、SAB-サバ、MEL-マラッカ・ユナイテッド

2022年シーズン スーパーリーグ 得点ランキング(第21節終了時)

ゴール数選手名所属
127ベルグソン・ダ・シルヴァJDT
214カイオンSEL
313フェルナンド・フォレスティエリJDT
13ロナルド・ンガKDA
511チェチェ・キプレPJC
11グスタヴォNSE
KDA-クダ・ダルル・アマン、NSE-ヌグリスンビラン、PJC-PJシティ、SEL-スランゴール、KLC-KLシティ、TRE-トレンガヌ、SRP-スリ・パハン、PEN-ペナン、SWU-サラワク・ユナイテッド、SAB-サバ、MEL-マラッカ・ユナイテッド