2月3日のニュース
マレーシアサッカー協会のハミディン会長がFIFA理事選で当選
アジアカップ2027年大会の開催地がサウジアラビアに決定
U17アジアカップに向けた第1次代表候補合宿のメンバーが発表

マレーシアサッカー協会のハミディン会長がFIFA理事選で当選

アジアサッカー連盟AFCは2月1日にバーレーンのマナマで開いた第33回総会で役員改選を行い、AFC選出のFIFA理事に立候補したマレーシアサッカー協会FAMのハミディン・アミン会長が初当選しています。任期は2023年から2027年までの4年間です。AFCのFIFA理事枠は6名で、その内1枠は女性となっており、ハミディン会長を含めた7名がその5枠を争いました。40票を集めたカタールサッカー協会のハリーファ・ビン・ハマド・アール=サーニー会長がトップ当選を果たし、日本サッカー協会の田島幸三会長が39票を集めて2位となっています。以下、サウジアラビアサッカー協会のヤーセル・ビン・ハサン・アル=ミセハル会長が35票、フィリピンサッカー協会のマリアーノ・アラネタ会長が34票、そしてFAMのハミディン会長が30票でそれぞれ当選しています。なお女性の1枠にはラオスサッカー協会のカーニャ・ケオマニー事務局長が当選した一方で、現職で中国サッカー協会の杜兆才副会長と、2019年に以来の再選を目指した大韓サッカー協会の鄭夢奎会長がそれぞれ18票と19票しか獲得できず、落選しています。

2018年7月からFAM会長を務めるハミディン会長は、FAMの公式Facebookによるとマレーシア人として4人目となるFIFA理事となったということです。過去3名の中には現マレーシア国王のアブドラ国王もおり、パハン州皇太子時代の2015年から2019年までFIFA協議会委員を務めていましたが、国王就任に伴い、その職を辞任しています。

なおFIFA副会長を兼務するAFC会長選は、2013年に2022年ワールドカップのカタール招致における買収疑惑でFIFAから永久活動停止処分を受けたカタール出身のモハメド・ビン・ハマム前会長から任期途中で引き継ぐ形で就任した、現職でバーレーンサッカー協会出身のシャイフ・サルマーン・ビン・イブラーヒーム・アール=ハリーファ会長が2015年、2019年に続く4選を無投票で果たしています。

アジアカップ2027年大会の開催地がサウジアラビアに決定

アジアサッカー連盟AFCは2月1日にバーレーンのマナマで開いた第33回総会で、AFC選手権アジアカップ2027年大会のサウジアラビア開催を承認しています。当初はイラン、ウズベキスタン、中国、カタールの4カ国が開催地に名乗りを上げていましたが、後にその4カ国はいずれも立候補を取り下げていましたた。 それ以降はサウジアラビアと共にインドが新たに立候補していましたが、昨年12月にインドが立候補を取り下げたことで、サウジアラビアが唯一の開催地候補となっていました。なお今回の総会では、 AFC加盟45ヵ国中、43ヵ国がサウジアラビア開催を承認した一方で、トルクメニスタンとパレスティナは投票を棄権しています。

サウジアラビアでのアジアカップ初開催決定に際して、AFCのシャイフ・サルマーン・ビン・イブラーヒーム・アール=ハリーファ会長は、「サウジアラビアがAFCアジアカップ2027の開催地に選ばれたことに祝意を表したい。サウジアラビアで大会が開催されるのは今回が初めてであり、サウジアラビアサッカー協会およびサウジアラビア政府と緊密に協力し、2027年にファンとプレーヤーのために思い出に残るAFCアジアカップを開催できることを楽しみにしています」と、語っています。なお、サウジアラビア代表はAFCアジアカップでは、過去6大会で決勝に進出し、1984年、1988年、1996年の3大会で優勝経験があります。FIFAワールドカップにも6度出場経験があるサウジアラビアですが、アジアで国際大会を開催するのは初めてです。

サウジアラビアは2029年には冬季アジア競技大会の、そして2034年にはアジア競技大会の開催地にも選ばれています。

U17アジアカップに向けた第1次代表候補合宿のメンバーが発表

マレーシアサッカー協会FAMは、今年6月にタイで開催されるAFC U17アジアカップに向けたマレーシアU17代表候補合宿の参加メンバー40名を公式サイトで発表しています。第1次合宿となる今回は2月1日から12日までパハン州のモクタル・ダハリ・アカデミーで行われます。

オスメロ・オマロ監督率いるマレーシアU17代表は、昨年10月にインドネシアで開催されたAFC U17アジアカップ予選B組では、開催国インドネシアを5-1で破り、アラブ首長国とはロスタイムに挙げた決勝ゴールで3-2と勝利するなど、この組を3勝1分でトップ通過し、4大会連続、通算6度目の本戦出場を決めています。

6月15日から7月2日まで開催されるAFC U17アジアカップに向けた第1次合宿の参加者40名中、FAMと青年・スポーツ省傘下のマレーシアスポーツ評議会MSNが共同で運営する国内トップのエリートサッカーアカデミーのモクタル・ダハリ・アカデミーから26名、マレーシアスーパーリーグのジョホール・ダルル・タジム(JDT)のU17チームから8名、その他トレンガヌFCやマラッカFCなどからもメンバーが選ばれています。40名のリストはこちらです。なおU17代表は、今後は隣国タイ、そして日本遠征なども予定されているということです。

1月3日のニュース ボラセパマレーシアJPが選ぶマレーシアサッカー2022年重大ニュース-代表チーム編とAFCクラブコンペティション編

いよいよ今日は東南アジアサッカー連盟AFF選手権三菱電機カップのグループステージB組最終節。首位のベトナムはホームで4位のミャンマーと、また西ヶ谷隆之監督率いる2位のシンガポールはアウェイで3位のマレーシアと対戦します。ベトナムとシンガポールはそれぞれ引き分け以上で準決勝進出が決まり、3位のマレーシアはシンガポール戦に勝利することが準決勝進出の条件となります。この記事の執筆時点では既に3万9000枚近いチケットが売れているようで、今大会ここまでのどの試合よりも多くの多くの観客が集まりそうです。ジョホール水道を挟むマレーシアとシンガポールの対戦は、両国を繋ぐ陸橋にちなんでコーズウェイダービー(Causeway derby)と呼ばれ、熱戦が繰り返されてきましたが、今年初の対戦はどちらに軍配が上がるのでしょうか。。

マレーシア代表はアジアカップ2023年大会出場権獲得-予選を突破しての出場は1980年以来43年振り

2022年の代表チーム関連の最大のニュースはこれでしょう。正確に言えば、マレーシアは16年前の2007年にベトナム、タイ、インドネシアと東南アジア4カ国共同開催の形でアジアカップを開催しており、その際に開催国枠でアジアカップに出場しています。しかし、予選を突破しての出場となると、1980年のクウェート大会以来となります。本戦出場国がわずか10カ国だったこの大会で、マレーシアはアラブ首長国連邦に勝利し、韓国、カタールと引き分け、クウェートに敗れて勝点差1で準決勝進出を逃しています。
 昔話はさており、昨年の6月に行われたアジアカップ最終予選では開催国となった地の利もあり、バーレーンに1-2で敗れたもののトルクメニスタンには3-1、そして5万3000人近い観衆を集めたバングラデシュ戦では4-1で勝利して、バーレーンに次ぐグループ2位となったものの、最終予選各組の2位のうち上位5チームに入り、43年振り4度目の本戦出場を決めています。

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ちなみにこの時の代表チームは、ジョホール・ダルル・タジム(JDT)から12名、PJシティとヌグリスンビランから2名、トレンガヌ、スランゴール、サバ、スリ・パハン、チョンブリー(タイ1部)、SVズルテ・ワレヘム(ベルギー1部)から各1名という構成でした。これを知れば、現在開催中の三菱電機カップ出場中の代表チームにJDTの選手が1人もいないことが、どのくらい尋常ではないかがわかるでしょう。さらに、このアジアカップ最終予選に出場し、今回の三菱電機カップにも出場しているのはFWダレン・ロック(サバ、アジアカップ最終予選時はPJシティ)FWファイサル・ハリム(スランゴール、同トレンガヌ)MF V・ルヴェンティラン(スランゴール、同PJシティ)、DFクザイミ・ピー(スランゴール、同ヌグリスンビラン)、DFドミニク・タン(サバ)、GKシーハン・ハズミ(無所属、同ヌグリスンビラン)のわずか6名です。

タン前代表監督が5年振りに交代-東南アジアの韓流ブームの影響かキム・パンゴン新監督就任

2017年に当時の代表監督だったポルトガル出身のネロ・ヴィンガダ氏が就任7試合を1分6敗としてわずか7ヶ月で辞任したことを受け、コーチから昇格したのがタン・チェンホー前監督でした。2018年のAFF選手権スズキカップ(当時)では決勝でベトナムに敗れたものの、優勝した2014年以来となる決勝進出を果たしただけでなく、FIFAワールドカップ2022年大会アジア2次予選でも、コロナ禍前まではベトナムに次ぐ2位につけるなど、最終予選へ期待が高まり、同時にタン監督の手腕も評価されていました
 しかしコロナ禍が下火になり、中断されていたアジア2次予選が再開されると1勝2敗とそれまでの勢いが衰え、さらに2021年末のスズキカップ2020年大会ではベトナムやインドネシアに敗れるなどして、準決勝進出を果たすことができなかった責任を取り、タン監督が辞任し、その後任となったのが韓国出身のキム・パンゴン監督です。
 香港代表監督の経験もあるキム新監督は、ベトナムのパク・ハンソ、インドネシアのシン・テヨン両監督に続く、東南アジアの代表チーム3人目の韓国出身監督となりました。就任直後に行われたシンガポールでのフィリピン、マレーシアが出場した3カ国対抗でのフィリピン戦では就任初戦で初勝利を挙げると、前述のAFCアジアカップ2023年大会最終予選では43年振りの予選突破、そして27年振りの出場となったタイのキングズカップでは、PK戦にまでもつれこんだタイとの試合に勝利すると、決勝ではタジキスタンにPK戦で敗れたものの、いずれも格上の相手に善戦し、FIFAランキングも2022年1月の154位から12月には145位まで上昇しています。

U23代表は出場した各大会で苦戦し、監督は事実上の更迭

A代表の躍進に比べると残念な結果に終わったのがU23代表でした。2月にカンボジアで開催されたAFF U23選手権ではラオスにまさかの2連敗を喫してグループステージで敗退すると、5月にベトナムで開催された「東南アジアのオリンピック」東南アジア競技大会では準決勝に進出したものの、延長でベトナムに敗れて決勝進出できず、また3位決定戦ではインドネシアにPK戦で敗れ、前回2019年フィリピン大会に続き、2大会連続でメダルを逃しています。
 東南アジアの大会でこの結果であれば、期待するのも酷ですが、翌6月にはウズベキスタンで開催されたAFC U23アジアカップでも散々な成績でした。2大会振り2度目の出場となったマレーシアは、グループステージでは図らずもベトナム、タイの東南アジア組、そして韓国と同組になっています。そしてここでは韓国に1-4、タイに0-3、そしてベトナムには0-2と惨敗し、大会終了後の7月には2019年からはU19代表、そして2021年からはU23代表の指揮を取ってきたオーストラリア出身のブラッド・マロニー監督との契約期間を残しながら、契約を解除しています。なお、その後は代表チームのコーチでもあるE・エラヴァラサン氏がU23代表監督に就任しています。

東南アジアの覇者U19代表はアジアの壁を実感

これに対し、戦前は全く期待されていなかったハサン・サザリ監督率いるU19代表が7月にインドネシアで開催されたAFF U19選手権決勝でラオスを2-0で破り優勝しています。しかし9月に行われたAFC U19アジアカップ2023年大会予選では、韓国に敗れ、モンゴルと引き分けるなど予選3位となり、出場を逃し、アジアの壁の高さを実感させられています。

女子代表は監督を初の外部招聘

また2022年は女子代表にとっては静かな1年でした。マレーシアサッカー協会はなぜか、女子代表を5月の東南アジア競技大会へ派遣せず、貴重な実践経験の機会を無駄にする一方で、同じ東南アジアのライバルと対戦する7月のAFF女子選手権に派遣し、そこでは2分3敗の成績でグループステージ敗退するなど、男子に比べると方針がなんなのかが全く見えませんでした。
 しかしそこで起こったサッカーファンからの非難に応えるように、昨年末にはヨルダンサッカー協会のアシスタントテクニカルディレクターを務めていたソリーン・アル=ズービ氏を招聘し、ジェイコブ・ジョセフ監督に変わる新しい女子代表監督に就任させています。

アジアチャンピオンズリーグACL-ジョホールがマレーシアのクラブとして初のノックアウトステージ進出

リーグ9連覇を果たしジョホール・ダルル・タジムJDTは、今季もマレーシアリーグの覇者としてACLのグループステージに出場しています。新型コロナウィルス感染拡大防止措置から、昨季に続き、今季もグループステージは集中開催となりましたが、JDTが入ったI組はマレーシアが集中開催地に選ばれています。そしてこれを最大限に活かしたJDTは、このグループステージがイスラム教徒にとっては厳しい断食月中の開催であったこともあり、試合は全て午後10時キックオフ、しかも試合会場は国内でも有数の手入れが行き届いたピッチを持つスルタン・イブラヒムスタジアムで行っています。
 川崎フロンターレ、蔚山現代、広州と同じI組で、JDTは前半の3試合で広州に5~0、蔚山現代に2-1、そして川崎とは0-0と2勝1分で折り返すと、ターンオーバーで選手を入れ替えた川崎戦では0-5と敗れたものの、広州とは2-0、蔚山現代とは2-1と連勝し、通算成績を6試合で4勝1分1敗、勝点13とするとI組では川崎や蔚山現代を抑えてグループ1位としてノックアウトステージへ進出しています。
 2019年のACL初出場以来、これまでグループステージの壁を越えられなかったJDTは血糊の最大限に活かし、マレーシアのクラブとしては初めてとなるノックアウトステージに進出しています。
 ノックアウトステージでは、浦和レッズと埼玉スタジアムで対戦し、国内リーグでは見られない0-5というスコアで完膚なきまでに叩きのめされています。しかしこの厳しさを経験できたのもノックアウトステージに出場した結果であり、その苦い経験は今年もACLに出場が決まっているJDTをさらに高みへと連れて行ってくれることでしょう。

KLシティはAFCカップ決勝進出もJDT以来東南アジアクラブ史上2チーム目の優勝を逃す

ACLに出場できない国や枠が少ない国のクラブを対象としているのがAFCカップ。UEFAチャンピオンズリーグに対するUEFAヨーロッパリーグのような位置付けです。マレーシアからは2022年大会には前年の2021年にマレーシアカップで優勝を果たしたKLシティ、そして2021年シーズンに国内リーグ2位のクダ・ダルル・アマンの2チームが出場しました。
 グループステージを突破した両チームは、東南アジア地区プレーオフに進み、クダはPSMマカッサル(インドネシア)に敗れたものの、KLシティはPK戦の末、ベトテルFC(ベトナム)に勝利すると東南アジア地区代表決定戦ではクダを破ったPSMマカッサルを5-2で撃破しています。地区間プレーオフに駒を進めたKLシティは、準決勝ではATKモフン・バガンAC(インド)を3-1、決勝ではPFCソグディアナ・ジザフ(ウズベキスタン)をPK戦5-3といずれもアウェイの厳しい試合で勝利し、2015年にこのAFCカップで優勝したJDT以来となる東南アジアクラブとしては2チーム目のAFCカップの決勝に進出しました。
 10月22日にクアラルンプールのブキ・ジャリル国立競技場で開催された決勝では、オマーンのアル・シーブに0-3で敗れましたが、こちらもマレーシアのクラブがAFCカップでは十分通用することを示してくれました。今季のAFCカップには、リーグ2位のトレンガヌと3位のサバが揃って出場しますが、この両チームにアジアの舞台での活躍を期待したいです。

6月12日のニュース
AFCアジアカップ最終予選-バーレーンに惜敗で16年ぶりのアジアカップ出場が遠のく

AFCアジアカップ最終予選-バーレーンに惜敗で16年ぶりのアジアカップ出場が遠のく

チャンスはあったが活かせなかった。ミスから失点した。これが今の実力なのか。

初戦のトルクメニスタン戦の勝利、そして土曜日の夜の試合ということもあり勝利の期待が高まったこの試合は、マレーシアサッカー協会の発表では6万1864枚のチケットが売れたとのこと。しかしそんな熱気に文字通り水を差すように、この日の夕方からクアラルンプールを襲った集中豪雨のため、試合開始時にはピッチに水が浮く最悪のコンデションでした。

FIFA154位のマレーシアは、グループ最大の敵である同89位のバーレーン戦に勝てば一気にアジアカップ出場が近づきます。3-1と快勝したトルクメニスタン戦に続く連勝を目指すキム・パンゴン監督は、トルクメニスタン戦から5名の選手を入れ替えてこの試合に臨みました。アリフ・アイマン(JDT)とファイサル・ハリム(トレンガヌ)の両ウィングに代えて、モハマドゥ・スマレとアキヤ・ラシド(いずれもJDT)を、またセカンドストライカーとして起用したサファウィ・ラシド(JDT)に代えてDFを1枚増やしジュニオール・エルドストール(前チョンブリーFC-タイ1部)を起用、またトルクメニスタン戦では得点につながるミスを犯したシャールル・サアド(JDT)に代えてクザイミ・ピー(ヌグリスンビラン)を先発させる5バックを採用しています。また中盤はアザム・アジー(スリ・パハン)に代えてナズミ・ファイズ(JDT)を起用するなど、トルクメニスタン戦に比べるとやや守備的な先発XIとなっています。

GKファリザル・マーリアス(JDT)
DFマシュー・デイヴィーズ(JDT)
DFディオン・クールズ(SVズルテ・ワレヘム-ベルギー1部)
DFジュニオール・エルドストール(前チョンブリーFC-タイ1部)
DFクザイミ・ピー(ヌグリスンビラン)
DFラヴェル・コービン=オン(JDT)
MFナズミ・ファイズ(JDT)
MFシャマー・クッティ・アッバ(JDT)
FWモハマドゥ・スマレ(JDT)
FWダレン・ロック(PJシティ)
FWアキヤ・ラシド(JDT)

トルクメニスタン戦同様、試合開始から積極的に攻めたマレーシアでしたが、15分を過ぎた辺りから試合は落ち着き、双方ががっぷり四つに組んだ試合となりました。しかしいかんせんピッチの状態が悪く、両チームともパスが繋がらず、見ていて楽しい試合ではありませんでした。それでも30分には代表の司令塔に定着しつつあるシャマー・クッティ・アッバからのパスに抜け出したアキヤ・ラシドが相手GKと一対一になる場面を作ったものの、GKサイード・アバッスが素晴らしい反応でアキヤ選手のシュートをはじかれ、得点には至らず、0-0のまま前半を終了します。

後半はゆっくりしたスタートだったものの、ペースが上がり始めて54分には、カウンターからオーバーラップしてきたクザイミ・ピーがアキヤ選手から受けたボールを絶妙のクロスをゴール前へ送ります。この試合では再三、好機を作っていたハマドゥ・スマレがこのクロスに合わせてゴール!マレーシアが先制しました。クザイミ選手の速いクロスは、マレーシア代表のサイドバックやウイングの選手があまり使わないだけに非常に効果的でした。しかし1-0とリードし、スタジアムが一気に盛り上がったそのわずか3分後には、DF陣がいわゆる「ボールウォッチング」状態からあっという間に失点し、試合は振り出しに戻ります。

残り時間10分ほどになり、このまま双方が勝点1で終了の雰囲気が漂い始めた81分、バーレーンのマハディ・フマイディンの左からのクロスをGKファリザル・マーリアスとクザイミ選手、バーレーンのアブドゥラ・ユスフ・ヘラルが交錯し、ボールはペナルティーエリア内に転がり、その捕球できなかったボールに寄せたアリ・マダンをファリザル選手が倒してPKを与えてしまいます。これをバーレーンのユスフ選手が決め、バーレーンが勝ち越します。

マレーシアのキム監督は、その後DFのマシュー・デイヴィーズに代えて、トルクメニスタン戦で先制ゴールを決めたサファウィ・ラシドを投入しますが、得点を奪えず試合終了となりました。この結果、6月14日(火)の最終第3節でトルクメニスタンと対戦するバーレーンが引き分け以上なら、マレーシア対バングラデシュ戦の結果に関わらず、このE組のトップはバーレーンとなり、アジアカップへの出場権を獲得します。

AFC選手権アジアカップ2023年大会第3次予選E組
6月11日(土)@ブキ・ジャリル国立競技場(クアラルンプール)
マレーシア 1-2 バーレーン
⚽️マレーシア:モハマドゥ・スマレ(54分)
⚽️バーレーン:アリ・ハラム(57分)、アブドゥラ・ユスフ・ヘラル(81分PK)
🟨マレーシア(0)
🟨バーレーン(3):アリ・マダン、アブドゥラ・ユスフ・ヘラル、サイード・リザ・イサ

(下はマレーシアの先発XIと試合のハイライト映像。映像はアストロアリーナのYouTubeチャンネルより)

AFC選手権アジアカップ2023年大会第3次予選E組
6月11日(土)@ブキ・ジャリル国立競技場(クアラルンプール)
トルクメニスタン 2-0 バングラデシュ
⚽️トルクメニスタン:アルティムラト・アンナドゥルディエフ(7分)、アルスランミラト・アマノフ(42分)
⚽️バングラデシュ:ムハマド・イブラヒム(12分)
🟨トルクメニスタン(1):アルスランミラト・アマノフ
🟨バングラディシュ(0)

AFC選手権アジアカップ2023年大会第3次予選E組順位(第2節終了時)

順位チーム得失差勝点
1バーレーン22003036
2マレーシア21013213
3トルクメニスタン21013303
4バングラデシュ200214-30

6月10日のニュース:
両代表に明暗 A代表はトルクメニスタンに勝利もU23代表は勝点0でアジアカップ敗退

A代表は格上トルクメニスタン相手に快勝

昨日6月8日にAFC選手権アジアカップ2023年大会最終第3次予選E組がクアラ・ルンプールで開幕し、FIFAランキング154位のマレーシアが同134位のトルクメニスタンを相手に3-1と快勝し、幸先の良いスタートを切っています。

マレーシアはこの予選前のウォームアップとなったブルネイ、香港と国際親善試合に連勝しており、共同開催となった2007年以来となるアジアカップ出場へ期待が高まる中、地元開催ということもあり、公式発表2万1951名の観衆がブキ・ジャリル国立競技場を埋めました。

ブルネイ、香港と試行錯誤しながら選手を起用したキム監督は、マレーシア監督代表就任後初の公式戦となったこの試合で以下の先発XIを起用しました。

GKファリザル・マーリアス(JDT)
DFマシュー・デイヴィーズ(JDT)
DFディオン・クールズ(ベルギー1部SVズルテ・ワレヘム)
DFシャールル・サアド(JDT)
DFラヴェル・コービン=オン
MFアザム・アジー(スリ・パハン)
MFシャマー・クッティ・アバ(JDT)
MFサファウィ・ラシド(JDT)
FWアリフ・アイマン(JDT)
FWダレン・ロック(PJシティ)
FWファイサル・ハリム(トレンガヌ)

所属するJDTでは、今をときめく右ウイングのアリフ・アイマンとポジションが被ることが以前ほどの出場機会を得られていないサファウィ・ラシドですが、キム監督はこの試合で、ダレン・ロックの後ろに控えるセカンドストライカーとして起用しましたが、マレーシアの1点目はまさにこの起用がが功を奏しました。11分には相手バスをカットしたサファウィ選手が右サイドを上がり、そこからアリフ・アイマンに預けると自身はゴール前へ。アリフ選手のクロスに走り込んだダレン・ロックには合わなかったものの、相手GKが弾いたボールを詰めていたサファウィ選手がゴール!代表チーム歴代最多タイとなる12ヵ国目を相手のゴールでマレーシアが先制します。

このゴールで押せ押せとなったマレーシアはさらに16分、相手ゴール前でDFの緩慢な動きからボールを奪ったアリフ選手が流したボールにファイサル・ハリムが反応、これを落ち着いて蹴り込んでマレーシアが2-0とリードを広げます。

しかしその直後からなぜか明らかにペースダウンしたマレーシアに対し、トルクメニスタンはDFシャルル・サアドの不用意なミスからボールを奪い、アルティムラト・アンナドゥルディエフが37分にゴールし1点差に迫ります。

このまま前半終了かと思われた45+2分には、自陣ペナルティーエリアの外でボールを奪ったラヴェル・コービン=オンが中央を長躯ドリブルで持ち上がりし、そのままペナルティエリアまで持ち込みシュート!これがDFが死角になった相手GKの反応が遅れ、そのままゴールイン。コービン=オン選手にとっては、2019年6月の東ティモール戦以来となる代表2ゴール目で再びリードを広げで前半を折り返します。

後半はDFラインの裏を撮られる場面が何度かあったものの、トルクメニスタンを無失点に抑えたマレーシアが勝点3を獲得しています。次戦の6月11日のバーレーン戦に向けて好発進となったマレーシアですが、前半途中からのペースダウンやチャンスを決めきれなかったダレン・ロックなど、課題も見えたマレーシア。ここまでの盛り上がりもバーレーンに敗れれば萎んでしまいかねませんが、そこは選手の奮起とキム監督の手腕に期待です。

AFC選手権アジアカップ2023年大会第3次予選E組@ブキ・ジャリル国立競技場
マレーシア 3-1 トルクメニスタン
⚽️マレーシア:サファウィ・ラシド(11分)、ファイサル・ハリム(16分)、ラヴェル・コービン=オン(45+2分)
⚽️トルクメニスタン:アルティムラト・アンナドゥルディエフ(37分)
🟨マレーシア(2):ダレン・ロック、モハマドゥ・スマレ
🟨トルクメニスタン(4):レスル ・ホジャエフ、アルティムラト・アンナドゥルディエフ、アブディ・バシモフ、グイチミラト・アンナグリエフ
🟥トルクメニスタン(1):アブディ・バシモフ(イエロー2枚目)

(下はマレーシアの先発XIと試合のハイライト映像。映像はアストロアリーナのYouTubeチャンネルより)

最終第3次予選E組のもう1試合は、FIFAランキング89位とこのE組で最も高いランキングを持つバーレーンが同188位のバングラデシュを下しています。

AFC選手権アジアカップ2023年大会第3次予選E組@ブキ・ジャリル国立競技場
バーレーン 2-0 バングラデシュ
⚽️バーレーン:アリ・ハラム(34分)、カーミル・アル・アスワド(42分)
🟨バーレーン(2):アミーヌ・ベナディ、マハディ・アブドルラティフ
🟨バングラディシュ(2):ラキブ・ホサイン、ビシュワナス・ゴーシュ

AFC選手権アジアカップ2023年大会第3次予選E組順位(第1節終了時)

順位チーム得失差勝点
1マレーシア11003123
2バーレーン11002023
3トルクメニスタン100113-20
4バングラデシュ100102-20
U23代表は不可解な選手起用でグループステージ3連敗し敗退

韓国、タイに連敗し、すでにグループステージ敗退が決まっているマレーシアU23代表は最終戦となるベトナムU23代表との試合望み、0-2で敗れています。

ここまで2引分けで勝点2のベトナムは、勝点4の1位韓国、2位タイを上回るには、この試合で勝利あるのみでした、そんなベトナムに対してブラッド・マロニー監督は、今大会初スタメンとなるGKフィルダウス・イルマン(PDRM)を起用、さらに今大会初出場となるアイマン・アフィフ(クダ)とシャフィ・アズスワド(JDT II)を含めた7名をタイ戦から入れ替える大幅な選手変更を行なっています。

全力で勝ちにくるベトナムを相手に、一見するとまるで勝ちを放棄するかのような、全く意味不明な先発XIです。しかし17分には早くも選手交代を行いながら、結局、選手交代を3回しか行わなかったところを見ると、今大会中タイやベトナムも悩まされたという報道があった食中毒でベストメンバーを組めなかったのかも知れません

いずれにせよ、ベストメンバーでないマレーシアにとってはベトナムの壁は厚く、28分に先制を許したものの、採算のピンチをフィルダウス選手が好セーブで凌ぎました。しかし、前半終了間際には17分に交代出場したハイリー・ハキム(トレンガヌ)がペナルティーエリア内でハンドを取られて退場。10人となったマレーシアは何もできず、0-2で敗れています。

この結果、マレーシアは0勝3敗、得点1失点9勝点0の成績で2度目となったU23アジアカップを終えています。コロナ前の2019年のAFC U19選手権では、マレーシアはグループステージを0勝1分2敗で敗退、また自国開催となった2018年のAFC U16選手権もグループステージで1勝0分2敗と敗れておいます。この年代の主力はマレーシアサッカー協会FAMが共同運営する国内エリートアカデミー出身ですが、国内トップの選手で構成されるチームがここまでアジアどころか東南アジアの壁に跳ね返され続けており、A代表の強化を帰化選手頼りにしてきたFAMの責任が問われそうです。

AFC U23アジアカップ2022年大会
グループステージC組@ロコモティフ・スタジアム 
ベトナム 2-0 マレーシア
⚽️ベトナム:マン・ドゥン・ニャム(28分)、ブイ・ホアン・ヴィエット・アイン(45+8分)
🟨ベトナム(0)
🟨マレーシア(0)
🟥マレーシア(1):ハイリー・ハキム

C組のもう1試合は、韓国が接戦をものにして、タイを1−0で破りグループ首位で突破。敗れたタイはグループステージ敗退となっています。

AFC U23アジアカップ2022年大会
グループステージC組@ロコモティフ・スタジアム 
韓国 1-0 タイ
⚽️韓国:マン・ドゥン・ニャム(28分)
🟨韓国(1):ゴ・ヨンジュン
🟨タイ(0)

U23アジアカップ2022 グループステージC組最終順位表

順位チーム得点失点得失差勝点
*1韓国32106247
*2ベトナム31205325
2タイ31105324
4マレーシア300319-80
1位韓国と2位ベトナムがベスト8に進出

6月5日のニュース
アジアカップ予選出場の代表23名が発表
アセアンU19選手権出場のU19代表候補合宿参加者26名が発表
6月19日のMリーグ1部クダ対JDT戦が延期に 

AFC U23アジアカップに出場中のマレーシアU23代表は、本日タイU23代表と対戦します。初戦の韓国戦に1-4と破れているマレーシアは、グループステージ突破のためにはこの試合に勝つことが必須です。先月の東南アジア競技大会通称シーゲームズで対戦した両チームは、タイに退場者が出たこともありマレーシアが辛勝していますが、果たして今日の試合はどうなるのでしょうか。

アジアカップ予選出場の代表23名が発表

マレーシアサッカー協会FAMは公式サイト上で、6月8日に開幕するAFC選手権アジアカップ2023年大会最終第3次予選に出場するマレーシア代表23名を発表しています。その内訳はリーグ首位のJDTの13名を筆頭に、PJシティとヌグリスンビランから各2名、トレンガヌ、スランゴール、サバから各1名、さらに海外組2名となっています。(ただしこの発表後、ジュニオール・エルドストールがタイ1部チョンブリーFCを退団することが発表されています。)

直近のFIFAランキングで154位のマレーシアは、クアラ・ルンプールのブキ・ジャリル国立競技場で開催されるアジアカップ最終第3次予選E組で、同134位のトルクメニスタン(6月8日)、同89位のバーレーン(6月11日)、同188位のバングラディシュ(6月14日)と対戦します。

アジアカップ最終第3次予選出場メンバー

ポジション氏名年齢所属
GKファリザル・マーリアス36JDT
DFシャールル・サアド29JDT
DFラベル・コービン=オン31JDT
MFシャマー・クッティ・アバ25JDT
MFナズミ・ファイズ28JDT
MFサフィク・ラヒム35JDT
FW アリフ・アイマン20JDT
FW サファウィ・ラシド25JDT
FW アキヤ・ラシド23JDT
FW モハマドゥ・スマレ28JDT
DF マシュー・デイヴィーズ27JDT
FWギリェルメ・デ・パウラ36JDT
FWシャフィク・アフマド27JDT
FW ダレン・ロック32PJシティ
FW V・ルーヴェンティラン21PJシティ
DF クザイミ・ピー29ヌグリスンビラン
GKシャイハン・ハズミ26ヌグリスンビラン
FW ファイサル・ハリム24トレンガヌ
GK カイルルアズハン・カリド33スランゴール
DF ドミニク・タン25サバ
MFアザム・アジー27スリ・パハン
DF ディオン・クールズ26SVズルテ・ワレヘム
DFジュニオール・エルドストール31チョンブリーFC
SVズルテ・ワレヘムはベルギー1部、チョンブリーFCはタイ1部、それ以外はマレーシア1部スーパーリーグのクラブ

なお、5月20日から行われていた代表候補合宿には全員で29名が召集されていましたが、副鼻腔炎の手術のため既に5月30日に合宿を離れているシャーミ・サファリ(JDT)を除く以下5名は、予備登録メンバーとして発表されています。

ポジション氏名年齢所属
GKカラムラー・アル=ハフィズ36PJシティ
FWコギレスワラン・ラジ29PJシティ
MFアフィク・ファザイル21JDT
DF シャールル・ニザム24トレンガヌ
FWノーシャルル・イドラン・タラハ27マラッカU
MFリリドン・クラスニキ31オディシャFC
オディシャFCはインドスーパーリーグ、それ以外はマレーシア1部スーパーリーグのクラブ
アセアンU19選手権出場のU19代表候補合宿参加者26名が発表

マレーシアサッカー協会FAMは公式サイト上で、7月2日に開幕する東南アジアサッカー連盟AFF U19選手権に出場するマレーシアU19代表26名を発表しています。ハサン・サザリ監督率いるU19代表候補は、既に6月4日に国家スポーツ評議会NSCの施設に集合しており、本日、ジョホール・バルに移動して複数の練習試合を含めた合宿を行った後、6月12日に合宿を打ち上げる予定になっています。

このU19代表は7月2日から15日までインドネシアで開催されるAFF U19選手権出場後は、今年9月にモンゴルのウランバートルで開催されるAFC U20アジアカップ予選にも出場します。なおアジアカップ予選でマレーシアはE組に入り、韓国、モンゴル、スリランカと同組になっています。

U19代表候補合宿参加メンバー

ポジション氏名年齢所属
FWカイリ・スフィアン19SEL2
GKシャーミ・アディブ・ハイカル19SEL2
DFファクルル・ファリーズ19SEL2
MFハイカル・ハキーム・ハイリ19SEL2
MFアザニス・アズリ19SEL2
MFアリフ・イズワン・ユスラン18SEL2
FWアブドル・ラーマン・ダウド18SEL2
DFアリフ・ファルハン・ファウジ18SEL2
MFイズリン・イブラヒム18SEL2
MFアイサル・ハディ19JDT II
MFアダム・ファルハン18JDT II
GKズルヒルミ・シャラニ18JDT III
DFアダム・ダニエル18JDT III
MFジアド・エル=バシール19JDT III
FWナジムディン・アクマル19JDT III
DFアフマド・シャフィク・イクワン19TRE III
DFムハマド・シャフィク・イクワン19TRE III
FWダニエル・シャフィク19TRE III
MFアドリ・アフマド19FAM
FWハイカル・サハル19FAM
MFハリス・ナジワン18FAM
FWアズハド・ハラズ19SAB
FWハキミ・アジム19KLC
GKハジック・ムクリズ19PEN U21
DF ファルハン・ラヒム19UITM U21
DFズリハキム・ザフラン17AMD U17
所属は、SEL2はスランゴール2、JDT III、TRE IIIはそれぞれ、JDTとトレンガヌのU21チーム、FAMはFAM-MSNプロジェクト、SABはサバ、KLCはKLシティ、PENはペナン、AMDはFAMと国家スポーツ評議会MSNが共同運営するエリートアカデミー、モクタル・ダハリアカデミーのチーム
6月19日のMリーグ1部クダ対JDT戦が延期に

Mリーグを運営するMFLは公式サイト上で、6月19日に予定されているMリーグ1部スーパーリーグ第10節のクダ対JDTの試合を延期することを発表しています。なお新たな日程については発表されていませんが、クダが出場するAFCカップのグループステージ終了後となるということです。。

クダは6月24日から30日までインドネシアのバリ島で集中開催されるAFCカップのグループステージに出場することから、この試合に向けての準備のため、MFLに試合日程の延期を求め、対戦相手のJDTもこれに同意したことが、MFLのサイトでは説明されています。

MFLのスチュアート・ラマリンガムCEOはAFC主催大会に出場するMリーグクラブに対しては協力を惜しまないと述べ、クダの他、やはりAFCカップに出場するKLシティ、そしてACLのベスト16に進出しているJDTに対しても同様の対応をしていくことを表明しています。

なおクダはAFCカップのグループステージG組でバリ・ユナイテッド(インドネシア)、カヤ-イロイロFC(フィリピン)、ビサカFC(カンボジア)と同組、KLシティはH組でタンピネス・ローヴァーズ(シンガポール)、PSMマカッサル(インドネシア)と同組となっています。なおH組はクアラルンプールで集中開催の予定です。(*H組はミャンマーのシャン・ユナイテッドが出場辞退したため、3クラブのみとなっています。)ACLのベスト16に進出しているJDTは8月18日に、浦和レッズ戦が控えています。

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6月2日のニュース
国際親善試合-マレーシアは香港に勝利
シャーミ・サファリが手術のため代表離脱
ペナンの新監督にザイナル前マラッカ・ユナイテッド監督が就任

6月8日から始まるAFC選手権アジアカップ2023年大会最終第3次予選のE組は、マレーシア、バーレーン、トルクメニスタン、バングラディシュの4カ国が出場してクアラルンプールで開催されますが、その先陣を切って昨日6月1日にトルクメニスタンとバーレーンがクアラルンプール入りしています。

トルクメニスタンはマレーシア入り前の5月27日にタイと試合を行い0-1で敗れています。またバーレーンは5月27日にミャンマーに2-0、一昨日5月31日にはタイに2-1と東南アジアのチームに連勝しています。のこうもう一つのチームであるバングラディシュは昨日、インドネシアにスコアレスドローと、各国とも最終第3次予選に向けた準備を進める中、FIFAランキング154位のマレーシアも先日のブルネイ戦に続き、昨日はキム・パンゴン監督がかつて指揮を取った同147位の香港代表との試合に臨みました。

国際親善試合-マレーシアは香港に勝利も士気高揚以外に見所なし

この試合でキム・パンゴン監督は、先週のブルネイ戦からDFディオン・クールズとMFシャマー・クッティ・アッバ以外の8名を入れ替えた先発XIを選択しています。
GKファリザル・マーリアス(JDT)
DFマシュー・デイヴィーズ(JDT)
DFシャールル・サアド(JDT)
DFディオン・クールズ(ベルギー1部SVズルテ・ワレヘム)
DFラヴェル・コービン=オン(JDT)
MFシャマー・クティ・アッバ(JDT)
MFアザム・アジー(スリ・パハン)
FWサファウィ・ラシド(JDT)
FWアリフ・アイマン(JDT)
FWダレン・ロック(PJシティ)
FWアキヤ・ラシド(JDT)

先発11名中8名がJDT、しかも元JDTのダレン・ロックとトランスファーウインドウ期間中にJDT移籍が噂されるアザム・アジーという布陣に対し、マレーシア同様、アジアカップ予選を控えるにもかかわらず、国内リーグの中断が長かった香港は明らかに動きが悪く、ブルネイ戦に続き、この試合もマレーシアが終始圧倒する試合になりました。

個人的には推しのダレン・ロックに両サイドのアキヤ・ラシドとアリフ・アイマンがボールを供給し、サファウィ・ラシドはダレン・ロックをサポートしながらも自由に動き回れるこのFW陣は良く機能し、この日の香港が相手ならもっと得点を挙げても良かったはずですが、前半はアキヤ・ラシドが倒されて得たPKをサファウィ・ラシドが決めた1点のみでした。

後半に入ると、キム監督はギリェルメ・デ・パウラ、モハマドゥ・スマレ、サフィク・ラヒム(いずれもJDT)、ファイサル・ハリム(トレンガヌ)を投入してさらにゴールを目指すも、この抗体では何も起こらず、後半もやはりファイサル・ハリムが倒されて得たFKが相手DFに当たってゴールとなっただけで、流れの中でのゴールは奪えませんでした。ちなみにこのFKを蹴ったサフィク・ラヒムは2014年のタイ戦以来となる8年ぶりの代表ゴール(通算16点目)でした。

ブルネイ、香港に連勝したものの両チームとも明らかに動きが悪く、そんな相手に2点しか挙げられなかったことが逆に不安です。この試合と並行しながら、同時刻に行われていたインドネシア対バングラディシュ戦もネット観戦しましたが、バングラディシュはブルネイや香港とは比べ物にならないほど当たりが激しく、アジアカップ予選は今回の国際親善試合のようにいかないことは明らかです。

そしてこの試合、最も強く感じたのはアキヤ・ラシドやサファウィ・ラシド、シャマー・クティ・アッバに所属するJDTでもっとプレー時間が与えられれば…ということでした。代表選手ながらJDTでは控えとなっている彼らがもっとプレー時間を与えられればもっと良い選手になるのではないかという思いでいっぱいでした。見ているこちらが楽しくなるようなアキヤ・ラシドのドリブル、サファウィ・ラシドの左足からの強烈なシュート、シャマー・クティ・アッバの試合を冷静に読む力は、今のJDTでの使われ方は文字通り宝の持ち腐れです。

6月1日(水)国際親善試合@ブキ・ジャリル国立競技場(クアラルンプール)
マレーシア 2-0 香港
⚽️マレーシア:サファウィ・ラシド(31分PK)、サフィク・ラヒム(90分)

(下はマレーシアと香港の先発XIと試合のハイライト映像。映像はスタジアムアストロのYouTubeより。

シャーミ・サファリが手術のため代表離脱

アジアカップ最終第3次予選に向けて最後の調整に余念がないマレーシア代表にとっては痛いニュースです。先日のブルネイ戦にも先発したシャーミ・サファリ(JDT)が代表チームから離れることを、マレーシアサッカー協会FAMが公式Facebookで告知しています。

これによると、健康状態が良くないシャーミ選手に健康診断を受けさせたところ、頭痛や蓄膿(ちくのう)を引き起こす副鼻腔炎(ふくびくうえん)の疑いがあると言う診断結果が出たと言うことです。なお治療が必要ということで代表を離脱することが発表されたシャーミ選手ですが、所属するJDTはその後、シャーミ選手が本日、副鼻腔炎の手術を受けることを発表しています。

シャーミ選手の離脱により、アジアカップ予選に向けた代表候補は29名となりました。

ペナンの新監督にザイナル前マラッカ・ユナイテッド監督が就任

Mリーグ1部スーパーリーグで唯一、まだ今季勝ち星がないペナンは、トマス・トルチャ監督との契約解除し、マンズール・アズウィラ コーチを監督代行としたものの、マンズール代行監督も0勝2敗と状況は改善していません。

そのペナンが、ザイナル・アビディン・ハサン監督の就任をクラブ公式Facebookで発表しています。なおザイナル監督は今季終了まで指揮を取るということです。ザイナル監督はt2017年と2018年シーズンに前身のペナンFAの監督を務めたこともあり、今回が再登板となりますが、2017年は1部スーパーリーグで最下位12位となり2部降格、翌2018年は2部プレミアリーグで10位と前回は結果を残せませんでした。

*****

ペナン監督退任後、2019年シーズンから3季連続で監督を務めたマラッカ・ユナイテッドでは6位、9位、8位と満足のいく結果は残せなかったものの、給料未払い問題により勝点剥奪処分を3季連続で受け、シーズン途中で選手が退団するなど、ザイナル監督自身では何もできない環境の中、選手から支持され、選手のモチベーションを高く維持したことで、クラブの2部プレミアリーグ降格を防いだ功績は評価されるべきものです。モチベーションという点ではおそらく最低の段階にいるペナンにとっては、ザイナル新監督という人選はうってつけではないでしょうか。


5月29日のニュース
2年半振りの国内代表戦はブルネイに快勝
U23アジアカップのU23代表最終メンバー23名発表

2年半振りの国内代表戦はブルネイに快勝

昨日5月27日にブキ・ジャリル国立競技場でマレーシア代表対ブルネイ代表の試合が行われ、FIFAランキング154位のマレーシアが同191位のブルネイを4ー0で破っています。

2019年11月19日のFIFAワールドカップ2022年大会アジア2次予選のインドネシア戦以来、およそ2年半振りに開催されたマレーシア国内での代表は、今年2月に就任したキム・パンゴン監督の国内初試合でもありました。(マレーシア代表は3月にフィリピン、シンガポールの両代表と対戦していますが、試合はシンガポールで開催されています。)

来月6月8日から始まるAFC選手権アジアカップ2023年大会の最終3次予選に先立つこの日の試合の相手は、当初はFIFAランキング152位のミャンマーと発表されていましたが、いつの間にかブルネイに変更されていました。(ちなみにミャンマーはこの日、マレーシアがアジアカップ3次予選で対戦するバーレーンと試合を行い、0-2で敗れています。)

キム監督の国内デビューということで、先発XIの顔ぶれに注目が集まりましたが、この日の先発メンバーは以下の通りでした。

GKカイルルアズハン・カリド(スランゴール)
DFディオン・クールズ(SVズルテ・ワレヘム-ベルギー1部)
DFジュニオール・エルドストール(チョンブリーFC-タイ1部)
DFクザイミ・ピー(ヌグリスンビラン)
MFシャーミ・サファリ(JDT)
MFシャマー・クティ・アバ(JDT)
MFサフィク・ラヒム(JDT)
MF V・ルヴェンティラン(PJシティ)
FWモハマドゥ・スマレ(JDT)
FWシャフィク・アフマド(クダ)
FWファイサル・ハリム(トレンガヌ)

今回、代表合宿初参加となった20歳のV・ルヴェンティランがいきなり先発した他、ケガから復帰したジュニオール・エルドストール、そしてディオン・クールズの海外組もキム監督となって初先発を果たしています。またキム監督就任以来、代表に復帰しているサフィク・ラヒムが2018年以来となる主将を務めました。

試合自体は開始からマレーシアがブルネイを圧倒し、4~0のスコア以上にマレーシアの圧勝で、むしろ4点しか取れなかったことが課題として浮き彫りになった感があります。さらに言えば、終始選手の顔から笑顔が絶えないような試合をしても勝てるブルネイを相手にしかマッチメイクできなかったマレーシアサッカー協会FAMに非難の声が上がっても良さそうなところですが、そう言った声は聞こえてきません。

アジアカップ予選前の最後の練習試合として来週5月30日には香港代表との試合も組まれています。キム監督がかつて指揮を取った香港はFIFAランキング147位とマレーシアとほぼ同じランキングのチームですが、そう言った相手に今日と同じような余裕を持った試合運びができるのかどうかに注目が集まりそうです。

5月27日(金)
国際親善試合@ブキ・ジャリル国立競技場(クアラルンプール)
マレーシア4-0 ブルネイ
⚽️マレーシア:シャフィク・アフマド(18分)、シャマー・クティ・アバ(45分)、ファイサル・ハリム(58分)、ギリェルメ・デ・パウラ(83分PK)
(以下はこの試合の先発メンバーと試合のハイライト映像。映像はアストロアリーナの公式YouTubeより)

U23アジアカップのU23代表最終メンバー23名発表

マレーシアサッカー協会FAMは公式サイト上で、来月6月1日にウズベキスタンで開幕するAFC U23アジアカップに出場するU23代表の最終メンバーを発表しています。

マレーシアU23代表は先日、ベトナムで開催された東南アジア競技大会通称シーゲームズに出場し、準決勝でベトナムに敗れ、3位決定戦ではインドネシアにも敗れて4位となっています。U23代表のブラッド・マロニー監督は、シーゲームズから帰国後のU23代表候補合宿では、A・セルヴァン(ヌグリスンビラン)ら複数の選手を合宿に参加させていましたが、最終的にはシーゲームズに出場した20名と大会で新型コロナ感染者が出た場合に備えて予備登録だった3名を最終メンバーとして発表し、新たな選手は招集しませんでした。

メンバー発表後には、ラマダン・サイフラー、ナサニエル・シオ・ホンワン(いずれもJDT)を推す声なども上がりましたが、マロニー監督は、これまで数年に渡って一緒にプレーしてきた現有戦力で大会に臨むことが最善と考えているとコメントしています。

マレーシアはこの大会ではグループステージC組で前回2020年大会優勝の韓国、先日終了した東南アジア競技大会通称シーゲームズ優勝のベトナム、準優勝のタイと同組となっています。試合日程は初戦となる6月2日に韓国(キックオフ午後9時-マレーシア時間)、6月5日にタイ(同午後11時)、6月8日にベトナム(同午後9時)となっています。なおこの大会では、各組の上位2チームがノックアウトステージとなる準々決勝(6月11日および12日)に進みます。また準決勝は6月15日、決勝は6月19日に予定されています。

*****

オーバーエイジ選手3名の出場が認められているシーゲームズでは各国がその枠を活用して勝利を挙げた一方で、あえて、U23の選手だけで大会に臨んだマレーシア。東南アジア各国が必死にメダルを取りに行く中で、シーゲームズはあくまでもU23アジアカップへの過程として臨んだ結果は4位でして。U23アジアカップのグループステージでは、シーゲームズでも対戦したタイ、ベトナムと同組となっていますが、グループステージ突破を目標とするマレーシアは、まずこの両国との対戦で、特にベトナムに対してシーゲームズの借りを返せるかどうかにかかっていると言えそうです。

以下が今回発表されたU23代表23名です。

ポジション氏名年齢所属
MF#ムカイリ・アジマル21スランゴール
DF#*ジクリ・カリリ20スランゴール
DF#アズリン・アフィク20スランゴール
DF#クエンティン・チェン23スランゴール
DF#*ハリス・ハイカル20スランゴール
FWダニアル・アスリ22スランゴール
FWシャヒル・バシャー21スランゴール
DF#*ファイズ・アメル19スランゴール2
MF#ニック・アキフ23トレンガヌ
DF#アザム・アズミ21トレンガヌ
MF#シャフィク・イスマイル22トレンガヌ
DF#ハイリー・ハキム22トレンガヌ
GKラーディアズリ・ラハリム21トレンガヌ
MF*ヌル・アズファル22トレンガヌII
FWサフアン・マズラン20トレンガヌII
MF#ウマル・ハキーム20JDT II
MF#*シャフィ・アズスワド21JDT III
GK#アズリ・アブドル・ガニ23KLシティ
FW#ルクマン・ハキム20KVコルトレイク(ベルギー1部)
FW#アイマン・アフィフ21クダ
DF*ウバイドラー・シャムスル19FAM-MSNプロジェクト
FWハディ・ファイヤッド22アスルクラロ沼津
GK*フィルダウス・イルマン21PDRM
#は昨年10月のAFC U23アジアカップ予選の出場メンバー、*は今年2月のアセアンサッカー連盟AFF U23選手権の出場メンバー

5月18日のニュース
アジアカップ最終予選に向けた代表候補29名が発表-そのうち14名はJDTから
トランスファーウィンドウ期間に退団しそうな選手をMリーグが名指し

アジアカップ最終予選に向けた代表候補29名が発表-その内14名はJDTから

マレーシアサッカー協会FAMは公式サイトなどで、AFC選手権アジアカップ2023年大会最終予選に向けた代表候補合宿参加選手29名と予備候補選手11名を発表しています。

今週金曜日5月19日から始まる合宿は、6月8日から始まるアジアカップ最終予選、そしてその前哨戦として予定されている、キム・パンゴン監督国内デビューとなる5月27日のブルネイ戦(注:ミャンマー戦から変更されたようです)、そして6月1日の香港戦に向けて開催されます。

開幕まで1年に迫りながら、新型コロナ蔓延を理由に中国が開催権を返上し、現時点ではどこで行われるのかが決まっていないアジアカップですが、このアジアカップ最終予選でE組に入っているマレーシアは、6月8日にトルクメニスタン、6月11日にバーレーン、そして6月14日にはバングラディシュと対戦し、このE組1位がアジアカップ本戦に出場します。

今年3月にシンガポールで開催された3カ国対抗で初めてマレーシア代表の指揮を取ったキム監督ですが、今回発表された代表候補は、その時のメンバー25名中20名が招集されています。外れた5名はDFアイディル・ザフアン(JDT)、FWラマダン・サイフラー(JDT)、FWザフリ・ヤハヤ(KLシティ)と、現在、ベトナムで開催中の東南アジア競技大会通称シーゲームズに出場中のFWルクマン・ハキム(KVコルトレイク- ベルギー1部)とDFクェンティン・チェン(スランゴール)です。

なおアイディル、ラマダン、ザフリの3選手は今回、同時に発表された予備候補選手11名のリストに含まれています。またルクマンとチェン両選手は、6月1日に開幕するAFC U23アジアカップに出場が予想されることから、今回のメンバーから外れていると思われます。

また、今回キム監督が就任後に初めて招集した9名は、DFマシュー・デイヴィーズ、MFアフィク・ファザイル、FWギリェルメ・デ・パウラ、MFナズミ・ファイズ(以上JDT)、GKシャイハン・ハズミ(ヌグリスンビラン)、DFジュニオール・エルドストール(チョンブリーFC-タイ1部)、FWノーシャルル・イドラン・タラハ(マラッカ・ユナイテッド)の他、3カ国対抗出場の代表候補に選ばれながら、新型コロナ感染で辞退したダレン・ロック(PJシティ)、妻の出産で辞退したシャーミ・サファリ(JDT)となっています。

なお今回の代表候補合宿参加の29名はブルネイ、香港との国際親善試合後に、アジアカップ最終予選出場の23名に絞り込まれる予定になっています。

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今回のメンバーは、昨年末のスズキカップグループステージ敗退の責任を取って辞任したタン・チェンホー前監督時代の顔ぶれと大きく変わらず、キム監督のカラーが見えない顔ぶれで、新戦力を期待するサポーターの中からは失望の声も一部では上がりました。特に所属するJDTではほとんど出番がないギリェルメ・デ・パウラや、そのJDTでも出番がないことから期限付き移籍を続けるリリドン・クラスニキの両帰化選手(マレーシア国内リーグで5年連続してプレーしたことでマレーシア国籍を取得した選手)を選んでいる点については、このメンバーが発表になった際には疑問の声もネット上で散見されました。

U23代表のクェンティン・チェンやMFムカイリ・アジマル(スランゴール)、FWルクマン・ハキムらは、アジアカップ最終予選が、U23アジアカップの開催時期と重なっていなければ、キム監督が代表に呼びたかった選手かも知れません。いずれにせよ、アジアカップ本戦出場は期待は高まっているものの、容易ではないことはサポーターも理解しているのでこの最終予選を突破できなくとも、直ちにキム監督解任の声は上がらないでしょう。それでもベトナム、タイに大きく差をつけられた現状の中、今後に希望を持たせるような戦いぶりは見せてもらいたいものです。

代表候補合宿参加者リスト

ポジション氏名年齢所属
GKファリザル・マーリアス36JDT
DFシャーミ・サファリ24JDT
DFシャールル・サアド29JDT
DFラヴェル・コービン=オン31JDT
MFシャマー・クティ・アバ 25JDT
MFナズミ・ファイズ28JDT
MFサフィク・ラヒム35JDT
FWアリフ・アイマン20JDT
FWサファウィ・ラシド25JDT
FWアキヤ・ラシド23JDT
FWモハマドゥ・スマレ28JDT
DFマシュー・デイヴィーズ27JDT
MF アフィク・ファザイル28JDT
FWギリェルメ・デ・パウラ36JDT
GKカラムラー・アル=ハフィズ27PJC
FWコギレスワラン・ラジ24PJC
FWダレン・ロック32PJC
DFカイル・ジョーンズ33NSE
DF クザイミ・ピー29NSE
GKシャイハン・ハズミ26NSE
FWファイサル・ハリム24TER
GK.カイルルアズハン・カリド33SEL
FWシャフィク・アフマド27KDA
DFドミニク・タン25SAB
MFアザム・アジー27SRP
DFディオン・クールズ26ズルテ・ワレヘム
MF リリドン・クラスニキ30オディシャ
DFジュニオール・エルドストール31チョンブリー
FW. ノーシャルル・36MEL
KDA-クダ・ダルル・アマン、NSE-ヌグリスンビラン、PJC-PJシティ、SEL-スランゴール、KLC-KLシティ、TER-トレンガヌ、SRP-スリ・パハン、PEN-ペナン、SWU-サラワク・ユナイテッド、SAB-サバ、MEL-マラッカ・ユナイテッド またズルテ・ワレヘムはベルギー1部、オディシャはインドスーパーリーグ、チョンブリーはタイ1部のクラブ

予備候補選手リスト

ポジション氏名年齢所属
DFアイディル・ザフアン35JDT
FWラマダン・サイフラー22JDT
MFナチョ・インサ36JDT
DF シャルル・ナジーム23SEL
FWシャーレル・フィクリ28SEL
FWザフリ・ヤハヤ28KUALA LUMPUR CITY FC
MFセルヴァン・アンブアラガン22NSE
GKカトゥル・アヌアル25PEN
DF リザル・ガザリ30SAB
FWシャミー・イスズハン27SWU
DFアリフ・ファジラー26TER
KDA-クダ・ダルル・アマン、NSE-ヌグリスンビラン、PJC-PJシティ、SEL-スランゴール、KLC-KLシティ、TER-トレンガヌ、SRP-スリ・パハン、PEN-ペナン、SWU-サラワク・ユナイテッド、SAB-サバ、MEL-マラッカ・ユナイテッド
トランスファーウィンドウ期間に退団しそうな選手をMリーグが名指し

アジアカップ予選やU23アジアカップなどがあることから、Mリーグ1部スーパーリーグは5月17日と18日の第9節が終わるとおよそ1ヶ月ほどの中断期間に入ります。これに合わせてMリーグの今年2度目の移籍期間トランスファーウィンドウも今月5月28日から6月24日まで設定されています。リーグ前半は不調であったクラブの中には、新戦力を獲得して後半の巻き返しを図るチームもあるでしょう。そんなとき、手っ取り早いのは外国籍選手の入れ替えです。現在、在籍している外国籍選手が期待通りの働きをしない、あるいはチームの戦術に合わない、あるいはチーム不振の原因を外国籍選手に責任転嫁、など理由は色々あるでしょうが、このトランスファーウィンドウ期間中にMリーグを去る選手も1人、2人ではないはず。

そんな中、Mリーグを運営するマレーシアンフットボールリーグMFLの公式アプリであるShoot!が「トランスファーウィンドウで退団しそうな外国籍選手5名」という見出しの記事を掲載しています。こんな記事をリーグ運営者が公式アプリに掲載するのはどうなの?とは思いますが、分析は至って客観的に行われているので、その記事の内容をかいつまんで紹介します。

「トランスファーウィンドウで退団しそうな外国籍選手5名」
1. コッシ・アデトゥ(ヌグリスンビラン)-26歳/FW/ガーナ
 この選手は今季ここまでわずか1ゴールしか挙げておらず、快進撃を続けるヌグリスンビランは、アタッカーのこの選手ではなく、ディフェンダーながらチームの得点王エラルド・グロンを中心とするチームになっている。
 チームサポーターからこの選手の名が挙げることも少なくなっている。さらに、直近のJDT戦でも、キーパーと1対1となった得点機を逃すなど、この選手がチームに必要かどうかの議論は止まらない。
*ボラセパマレーシアJP評
JDT戦では0-0で試合終盤まで粘ったヌグリスンビランが、このコッシ選手が試合終了間際に訪れた絶好の得点機を逃した後、ロスタイムに失点してJDTに敗れています。王者JDTとの引き分けていれば、無敗記録が続くだけでなく、リーグ上位も狙える可能性が高くなっただけにその失望も大きかったといえます。開幕前は北キプロスリーグでは28試合で26ゴールを挙げたストライカーという触れ込みでしたが、その片鱗を見せることなく、チームを去る可能性があります)

2. デニス・ブシェニング(クダ)-31歳/FW/タイ
 この選手は開幕から2試合出場した後、アキレス腱負傷による手術を受け、完治6ヶ月の診断を受けている。現在の苦しいチーム事情を考えると、この選手をクダが契約し続ける利点はない。さらに昨季はMリーグ2部プレミアリーグのサラワク・ユナイテッドでプレーし、かつてはクダでもプレー経験があるたサンドロ・ダ・シルヴァの獲得が噂され、またアイディル・シャリン監督もこのブシェニングの処遇について経営陣と話し合う予定があることを明らかにしていることから、2季連続リーグ2位のチームにこの選手が戻ることはなさそうだ。
*ボラセパマレーシアJP評
 Mリーグ3季目のブシェニング選手は、クパー・シャーマン、チェチェ・キプレの両FWが同じMリーグ1部スーパーリーグのトレンガヌに移籍した穴を埋める期待がされていましたが、完治6ヶ月ではリーグも終わってしまいますので、残留は難しそうです。

3. ケヴィン・クベンバ(KLシティ)-29歳/FW/コンゴ共和国
 外国籍FWの獲得に関して言えば、近年のKLシティは最も失敗しているクラブと言える。ボヤン・ホダック監督はこの選手に何度も機会を与え続けているが、それに応えることはできておらず、また今季は未だ1ゴールしか挙げられておらず、チームが他のフォワードに頼らなければならない状況を考えると、今後の残留はKLシティの財政状況次第となるだろう。
*ボラセパマレーシアJP評
 昨季は前年トレンガヌでプレーしたドミニク・ダ・シルヴァを獲得したものの、6試合で3ゴールしか挙げられなかったことからシーズン半ばで契約解除したKLシティでしたが、代わりに獲得したキリアン・ヌワブエズが1試合出場しただけで膝前十字靱帯ACL損傷、その後のシーズンを棒に振るなどフォワード獲得がことごとく失敗しています。また給料遅配が明らかになっているクラブに、クベンバ選手に代わる選手を獲得する資金があるかどうかも不明です。

4. マフムード・ザアタラ(スリ・パハン)-31歳/FW/レバノン
 FAカップのFAM-MSNプロジェクト戦では2ゴールを挙げているものの、リーグ戦はここまでわずか1ゴール、しかもそれがPKでは残留が難しいだろう。
*ボラセパマレーシアJP評
 スーパーリーグは外国籍選手5名(内アジア枠1名、アセアン東南アジア枠1名)の登録が可能な中、GKママドゥ・サマサ(マリ)が在籍するスリ・パハンは、残る4名のフィールドプレーヤーに求められるものは大きく、元ヨルダン代表とは言え、2勝1分4敗という今季のチーム成績を考えると、その期待に応えられていないザアタラ選手は厳しい立場にいます。

5. フランシス・コネ(サラワク・ユナイテッド)-31歳/FW/トーゴ
 外国籍フォワードとしては期待外れに終わっているこの選手は、FAカップも含めると今季は10試合で3ゴールを挙げているものの、その内2ゴールはPKであり、それにはFAカップで3部のクラブを相手にあげたものも含まれている。
 今季Mリーグ3季目ながら、KL、ヌグリスンビランといずれも1シーズンで退団しているだけに、サラワク・ユナイテッドでのプレー期間も残り少なくなっている可能性がある。
*ボラセパマレーシアJP評
 当時2部プレミアリーグにいたKLで2020年シーズンにプレーした際にはチーム最多の7ゴールを挙げ、クラブの1部昇格に貢献し、昨季プレーしたヌグリスンビランでも出場8試合で5ゴールを挙げ、やはりプレミアリーグから1部スーパーリーグへの昇格に貢献しているコネ選手。プレミアリーグの実績は悪くないものの、そこから読み取れるのは、コネ選手はプレミアリーグでは通用しても、スーパーリーグでは通用しない選手ということかも知れません。

5月10日のニュース
来月6月のアジアカップ予選のチケット販売の詳細が発表-3000円で6試合の観戦が可能に
東南アジア競技大会グループステージ第2節-タイとカンボジアが快勝でB組は混戦に

来月6月のアジアカップ予選のチケット販売の詳細が発表-3000円で6試合の観戦が可能に

マレーシアサッカー協会FAMは、来月6月にクアラルンプールで開催される、AFC選手権アジアカップ2023年大会最終予選のチケットについての詳細を発表しています。

マレーシア代表は、クアラルンプールのブキ・ジャリル国立競技場で6月19日から26日まで開催されるAFC選手権アジアカップ2023年大会最終予選E組でバーレーン、トルクメニスタン、バングラディシュと対戦し、来年2023年6月に中国で開催される本大会の出場を目指します。

FAMが今回発表したのは、このアジアカップ予選の全6試合をオープンスタンドで観戦できる「100リンギコンボチケット」で、この100リンギ(およそ3000円)のチケットです。販売は今月5月16日から29日までの2週間限定で、購入はMリーグのチケットなども販売しているオンラインチケットサイトのtickethotline.com.myで可能となっています。

この「100リンギコンボチケット」では、6月8日(水)のバーレーン対バングラディシュ戦とトルクメニスタン対マレーシア戦、6月11日(土)のバングラディシュ対トルクメニスタン戦とマレーシア対バーレーン戦、そして6月14日(火)のバーレーン対トルクメニスタン戦とマレーシア対バングラディシュ戦の全6試合が観戦可能となります。

各日ごとのチケットの購入も可能で、1日2試合のチケットが40リンギ(およそ1200円)ということですので、「100リンギコンボチケット」を購入すると20%安くなっています。

なお「100リンギコンボチケット」ではバックスタンドでの観戦になりますが、メインスタンドのチケットは1日2試合が60リンギ(およそ1800円)に設定されており、こちらはコンボチケットは発売しないということです。バックスタンドとメインスタンドの1日チケットも5月16日からオンラインで購入可能となります。

新型コロナウィルスの国内新規感染者数が1000名から2000名の間で推移しているマレーシアでは、スポーツ施設などの入場者数制限が撤廃されて、このコンボチケット効果でブキジャリルが収容者数いっぱいの8万7000名になる可能性もありそうです。

またこのアジアカップ予選前哨戦とも言える国際親善試合が5月27日のミャンマー戦、6月1日の香港戦と2試合、いずれもブキ・ジャリル国立競技場で予定されています。この国際親善試合はキム・パンゴン監督就任以来、初の国内試合となりますが、こちらについてはバックスタンド、メインスタンドの区別なくチケットは一律で大人30リンギ(およそ900円)、子供7リンギ(およそ210円)となることも発表されています。

東南アジア競技大会グループステージ第2節-タイとカンボジアが快勝でB組は混戦に

東南アジア競技大会2021年大会
グループステージB組 第2節
5月9日(月)
ティエンチュオン・スタジアム(ナムディン-ベトナム)
ラオス 1-4 カンボジア
シンガポール 0-5 タイ

東南アジア競技大会2021年大会 グループステージB組 順位表(第2節終了時)

チーム得失差勝点
1タイ21016243
2カンボジア11004133
3マレーシア11002113
4ラオス201136-31
5シンガポール201125-51

東南アジア競技大会2021年大会 グループステージA組 順位表(第2節終了時)

チーム得失差勝点
1フィリピン21104044
2ベトナム21103034
3ミャンマー11003213
4インドネシア100103-30
5東ティモール200227-50

東南アジア競技大会2021年大会 グループステージ日程と結果

5月6日(金)
フィリピン 4-0 東ティモール、ベトナム 3-0 インドネシア
5月7日(土)
ラオス 2-2 シンガポール、タイ 1-2 マレーシア
5月8日(日)
東ティモール 2-3ミャンマー、ベトナム 0-0 フィリピン
5月9日(月)
ラオス 1-4 カンボジア、シンガポール 0-5 タイ
5月10日(火)
ミャンマー対フィリピン、インドネシア対東ティモール
5月11日(水)
カンボジア対シンガポール、マレーシア対ラオス
5月13日(金)
フィリピン対インドネシア、ミャンマー対ベトナム
5月14日(土)
シンガポール対マレーシア、タイ対カンボジア
5月15日(日)
インドネシア対ミャンマー、東ティモール対ベトナム
5月16日(月)
マレーシア対カンボジア、ラオス対タイ

2月25日のニュース
キム代表監督はヌグリスンビラン監督をアシスタントコーチに指名
アジアカップ2023最終予選の組み合わせ決定-マレーシアはバーレーンと同組
クアラルンプールがAFCカップの集中開催地に-KLシティは地の利を活かせるか

キム代表監督はヌグリスンビラン監督をアシスタントコーチに指名

マレーシアサッカー協会FAMは、Mリーグ1部サラワク・ユナイテッドFC(以下SUFC)のE・エラヴァラサン監督がキム・パンゴン代表監督のコーチングスタッフに入閣することを発表しています。先週、就任会見を終えたばかりのキム監督は、自身が求めたマレーシア人コーチ候補と面談した結果、マレーシア人選手について熟知し、国内リーグでは豊富な経験のあるエラヴァラサン氏を7名の候補者の中から指名したということです。

60歳のエラヴァラサンSUFC監督を指名したことについてキム代表監督は「FAMのスコット・オドネル テクニカルディレクターから候補者との面談について話を聞いた後、直接、エラヴァラサン氏に会って話を聞いたが、代表チームについての意見や正確な情報を提供して私を助けてくれる最も適切な候補者だと確信した。エラヴァラサン氏は非常に熱心な指導者であり、マレーシア代表チームをより高いレベルに到達させるために自分に全面的に協力をしてくれる人物だと理解している。」と絶賛しています。

これまでは年代別代表も含め、マレーシア代表チームには全く関わったことがないエラヴァラサン氏は、代表チームに自分が関われることは名誉だと話し、このような機会が与えられたことを新たな挑戦だと捉え、キム監督の考えや方針をできるだけ早く理解して今後の大会に臨みたい。」と話し、またリーグ開幕まで10日を切ったこの状況で、契約を解除してくれたクラブ、そして理解を示してくれた選手やサポーターに感謝したいとも述べています。

エラヴァラサン氏は1962年生まれの60歳でAFCプロライセンスを保持し、2020年からサラワク・ユナイテッドの監督を務めていました。それ以前も2006年と2018年にはマラッカ、2009年から12年まではフェルダ・ユナイテッド、2015年から17年まではPKNS FC(いずれも既に解散)、2019年にはPDRM FCと様々なMリーグクラブで監督の経験があります。なおエラヴァラサン新コーチの初仕事は、3月に予定されているキム監督の初戦となるフィリピン戦、シンガポール戦(いずれもシンガポール)に向けての選手選考の支援となりそうです。

アジアカップ2023最終予選の組み合わせ決定-マレーシアはバーレーンと同組

来年2023年に中国で開催されるAFC選手権アジアカップ2023の最終予選組み合わせ抽選が昨日行われ、既に集中開催地に決まっているマレーシアはE組となり、バーレーン、トルクメニスタン、バングラディシュと同組となりました。

クアラルンプールにあるAFCの本部「AFCハウス」からオンラインで行われた組み合わせ抽選では、集中開催地に決まっているクウェート、モンゴル、ウズベキスタン、インド、マレーシア、キルギスがまずAからFまでの6組に振り分けられた後、各組に加わるチームが決定しました。

E組4カ国は直近のFIFAランキングでは、マレーシアが154位、バーレーンが89位、トルクメニスタンが134位、バングラディシュが186位となっています。今回の最終予選は各組1位6チームと2位チームの内、成績上位の5チームが本戦への出場権を獲得しますが、キム代表監督は初戦となる6月8日のトルクメニスタン戦、そして最終戦となるバングラディシュ戦でそれぞれ勝点3を挙げることが不可欠だと話し、最終的には勝点7を目指すとしています。

アジアカップ2023最終予選組み合わせ
A組:ヨルダン、クウェート(開催国)、インドネシア、ネパール
B組:パレスチナ、フィリピン、イエメン、モンゴル(開催国)
C組:ウズベキスタン(開催国)、タイ、モルディヴ、スリランカ
D組:インド(開催国)、香港、アフガニスタン、カンボジア
E組:バーレーン、トルクメニスタン、マレーシア(開催国)、バングラディシュ
F組:キルギス(開催国)、タジキスタン、ミャンマー、シンガポール

クアラルンプールがAFCカップの集中開催地に-KLシティは地の利を活かせるか

AFCチャンピオンズリーグACLの下部リーグにあたるAFCカップのグループステージの集中開催地が発表され、I組を除く残り9組の集中開催地が決定しています。このAFCカップには昨季のMリーグ1部スーパーリーグ2位のクダ・ダルル・アマンFC(以下クダ)と、38年振りのマレーシアカップ優勝を果たしたKLシティFC(以下KL)が出場しますが、東南アジア地区でKLが入るH組はKLの本拠地クアラルンプールでの開催となりました。またクダが入るG組はインドネシアのバリ島にあるデンパサールでの開催となっています。

6月24日から30日までの予定で開催されるAFCカップのグループステージで、KLはタンピネス・ローヴァーズ(シンガポール)、PSMマカッサル(インドネシア)、そしてプレーオフで決定するもう1チームと同組に、またクダはバリ・ユナイテッド(インドネシア)、カヤFCイロイロ(フィリピン)そしてプレーオフで決定するもう1チームと同組です。

その他の地区では西アジア地区のA組はマスカット(オマーン)、B組はクウェートシティー(クウェート)、C組はマナマ(バーレーン)、南アジア地区のD組はコルカタ(インド)、中央アジア地区のE組はドゥシャンベ(タジキスタン)、F組はビシュケク(キルギス)、そして東アジア地区のJ組は台南(台湾)が集中開催地となっています。なお東南アジア地区でベトテルFC(ベトナム)、ホウガン・ユナイテッド(シンガポール)、プノンペンクラウンFC(カンボジア)が入るI組の手中開催地は後日発表されるということです。