2月13日のニュース
タイ1部リーグ第19節-ディオン・コールズはフル出場、サファウィ・ラシドは前節に続き途中出場
トレンガヌFCがリリドン・クラスニキの加入を発表

タイ1部リーグ第19節-ディオン・コールズはフル出場、サファウィ・ラシドは前節に続き途中出場

タイ1部リーグ第19節が行われ、マレーシア代表のDFディオン・コールズ(ブリーラム・ユナイテッド)とFWサファウィ・ラシドはいずれも出場し、DFジュニオール・エルドストール(PTプラチュワプFC)はベンチ外でした。(試合のハイライト映像はタイリーグ公式サイトのYouTubeより)

タイ1部リーグ第19節
2023年2月11日@サームアーオスタジアム
PTプラチュワプFC 3-1 チョンブリーFC
昨季はチョンブリーFCに在籍したジュニオール・エルドストールにとっては古巣との対決のはずでしたが、この試合ではベンチ外でした。

2023年2月12日@ブンヤジンダースタジアム
ポリス・テロFC 1-0 ラーチャブリーFC
3試合ぶりの敗戦となったラーチャブリーFCですが、サファウィ・ラシドは前節に先発を外れ、64分に交代出場しています。


2023年2月12日@サンダー・ドームスタジアム
ムアントン・ユナイテッド 4-4 ブリーラム・ユナイテッド
両チーム合わせて8ゴールを挙げた試合は、一時はムアントン・ユナイテッドに3点のリードを許したブリーラム・ユナイテッドが、ロスタイムに追いついて引き分けに持ち込んでいます。
ディオン・コールズは先発して、フル出場しています。

タイ1部リーグ順位表(第18節終了時、上位3チームとマレーシア人選手所属チームのみ)

順位チーム勝点
1ブリーラムU19154050173349
2バンコクU1912433492540
3チョンブリー19113534181636
4ラーチャブリー1996424131133
12プラチュワップ195592639-1320
トレンガヌFCがリリドン・クラスニキの加入を発表

トレンガヌFCはクラブ公式サイトでリリドン・クラスニキの加入を発表しています。コソボ出身ながら、マレーシアサッカー協会FAMによる代表チーム強化のための帰化支援プログラムによってマレーシア国籍を取得しているクラスニキ選手は、ジョホール・ダルル・タジム(JDT)から今季末までの期限付き移籍の形で加入し、マレーシア人選手として登録され、背番号は80となることも発表されています。

東南アジアサッカー連盟AFF選手権三菱電機カップによる中断前までタイ1部のコンケーン・ユナイテッドFCに期限付き移籍していたクラスニキ選手は、昨年末でコンケーン・ユナイテッドFCを退団しており、かつて在籍していたクダ・ダルル・アマンFC(在籍当時はクダFA)や、クダFA在籍時の首脳陣だったタン・チェンホー監督とラモン・マルコートコーチがいるスランゴールFCなどが獲得に動いているという噂がありました。

クラスニキ選手は2015年から2018年までクダFA(当時)、2019年にはマラッカ・ユナイテッドFCでプレーし、FIFAが規定する5年間同一国でプレーすればその国の代表選手としてプレーできる規定に基づき、FAMの支援で2020年3月にマレーシア国籍を取得しています。マレーシア国籍取得直前にJDTに移籍したものの、2020年シーズン途中にローストラリア1部のニューカッスル・ジェッツに期限付き移籍すると、2021年にはオディシャFC(インディアンスーパーリーグ)、2022年には前述のコンケーン・ユナイテッドとチームを転々とする一方で、期待された代表戦では2021年に4試合、そしてキム・パンゴン監督が就任した2022年以降は、キム監督就任直後の昨年3月にシンガポールで行われたシンガポール、フィリピンとの3カ国対抗でシンガポール相手にゴールを決めたものの、それ以降は代表に召集されていません。

2月10日のニュース
タイFAカップ ベスト16-マレーシア人選手対決は実現せず
批判の多いマラッカFCとサラワク・ユナイテッドFCのM3リーグ参加は州内サッカー発展のためとアマチュアリーグ会長は説明
キナバル・ジャガーズFCのM3リーグ不参加はAFLのダブルスタンダードが原因?

昨日のニュースではKLシティFCの株式51%が金融コンサルティング企業のリナニ・グループ社に売却された件を取り上げましたが、KLシティFCを運営しているクアラルンプールサッカー協会(KLFA)のサイド・ヤジド副会長は、先日調印式が行われた株式譲渡について確定したわけではないと発言していると、マレーシア語紙ハリアンメトロが報じています。KLFAのカリド・サマド会長も出席した調印式まで開きながら、こんな話が出てくるのは、KLFA内で権力闘争が起こっている可能性があります。「ポリティッキング」と呼ばれる、スポーツ団体内ではよく見られる派閥争いはマレーシアでは珍しくはありませんが、これがKLシティFCの民営化に支障をきたさないよう、見守りたいです。

タイFAカップ ベスト16-マレーシア人選手対決は実現せず

2月8日にタイFAカップベスト16の8試合が行われ、マレーシア代表DFディオン・コールズが所属するタイ1部のブリーラム・ユナイテッドが、元U19代表のFWザフアン・アゼマンが所属するタイ2部のウタイターニーFCと対戦しました。マレーシア人選手対決が期待された試合でしたが、コールズ選手は94分から途中出場したものの、ザフアン選手はベンチ入りせず、実現はしませんでした。試合は延長戦に入りましたが、119分にロンサナ・ドゥンブヤがPKを決めて、ブリーラム・ユナイテッドが準々決勝進出を決めています。

タイFAカップ ベスト16
2023年2月8日@ウタイターニースタジアム
ウタイターニーFC 1-2 ブリーラム・ユナイテッド
ディオン・コールズは94分に交代出場し、試合終了までプレーしています。

試合のハイライト映像はタイリーグ公式YouTubeチャンネルより
批判の多いマラッカFCとサラワク・ユナイテッドFCのM3リーグ参加は州内サッカー発展のためとアマチュアリーグ会長は説明

昨季のスーパーリーグ10位のマラッカ・ユナイテッドFCと同11位のサラワク・ユナイテッドFCは、いずれも選手や監督、コーチへの給料未払い問題が解消されていないことを理由に今季のクラブライセンスが交付されませんでした。このため両クラブはアマチュアリーグのM3リーグへ参戦しますが、多くのサッカーファンは、この両チームが最下部の5部に当たるM5リーグからではなく、M3リーグに無条件で参加を認められた点を疑問視しています。これについてM3リーグ以下を統括するアマチュアフットボールリーグAFLのユソフ・マハディ会長は、マラッカ、サラワク両州のサッカーの発展のためと説明していると、マレーシア語紙のブリタハリアンが報じています。

「(2019年に)プルリス州サッカー協会(プルリス州FA)が外国籍選手への給料未払いを理由にFIFAから活動停止処分を受けて以降、州内のサッカー活動が停滞した。そして現在に至るまで、スーパーリーグにはプルリス州に本拠地を持つクラブがないことからも分かるように、その影響は計り知れない。

「各州のトップクラブがMリーグでプレーすれば、そのトップクラブを頂点とした州内のサッカー活動が停滞する心配がないことから、AFLはサラワク・ユナイテッドFCとマラッカFCにM3リーグへの参戦を許可した。」

さらにユソフAFL会長は、M3リーグに参加するマラッカFCは、昨季のスーパーリーグでプレーしたマラッカ・ユナイテッドFCとは全く別のクラブであると説明した上で、マラッカ・ユナイテッドFCの給料未払い問題は、両クラブのオーナーが異なることから、マラッカFCとは無関係の問題であるとも説明しています。

*****

マラッカFCを運営するマラッカ州サッカー協会は、マラッカ・ユナイテッドFCの主要株主ではなかったものの、一部株式を保有しており、全くの無関係というのは詭弁に聞こえます。またユソフAFL会長はマラッカ州サッカー協会の副会長を務めたこともあり、今回の決定には何の忖度もなかったのかという点には疑問が残ります。さらに言えば、このマラッカFC、そしてサラワク・ユナイテッドFCともに、昨季のスーパーリーグでプレーした選手はだれも残っておらず、果たしてM3リーグで試合ができるレベルのチームなのかどうかも疑問です。なし崩し的に解決しようとするマレーシア的な対応で損をするのは、未払い給料が解決しない昨季のマラッカ・ユナイテッドFCとサラワク・ユナイテッドFCの選手、得をするのはマラッカ州とサラワク州サッカー協会に関わる政治家という図式が透けて見えます。

キナバル・ジャガーズFCのM3リーグ不参加はAFLのダブルスタンダードが原因?

サバ州のコタキナバルを本拠地とするキナバル・ジャガーズFCは、今季のM3リーグに参加予定でしたが、ホームスタジアムが見つからないことを理由に参加を見送っていますが、その実はM3リーグを運営するアマチュアフットボールリーグAFLのダブルスタンダードが理由ではないかと、スポーツ専門サイトのハリマウマラヤが指摘しています。

キナバル・ジャガーズFCは、当初はコタキナバルにあるリカススタジアムをホームスタジアムとして使用する予定でしたが、Mリーグ1部スーパーリーグを運営するマレーシアンフットボールリーグMFLは、各クラブに対してホームスタジアムを共有する場合には最大2チームまでとする、という規則を新たに発表したことで、リカススタジアムの使用ができなくなってしまいました。

リカススタジアムは、スーパーリーグで昨季3位に終わったサバFCのホームスタジアムとして使われていますが、、今季から発足するMFL各クラブのU23チームのためのリザーブリーグに出場するサバFC U23もこのリカススタジアムをホームとすることから、サバFCとサバFC U23の両チームで、MFLが規定する「スタジアム共有は最大2チームまで」の上限に達してしまうため、キナバル・ジャガーズFCはリカススタジアムの使用ができなくなりました。

と、ここまでなら規則なのでやむを得ない、となるところですが、各クラブのU23チームを「1チーム」とカウントすると、今季のMFLで使用される複数のスタジアムでこの「スタジアム共有は最大2チームまで」が守られていないと、ハリマウマラヤが指摘しています。

その一つがクランタン州のスルタン・ムハマド4世スタジアムです。このスタジアムは昨季もクランタンFCとクランタン・ユナイテッドFCが共用していますが、前述のようにそれぞれのクラブのU23チームも加えれば、一気に4チームが共用することになると指摘しています。またクアラルンプールのKLフットボールスタジアムもKLシティFCとPDRM FCが共用しており、やはりそれぞれのU23チームを勘定に加えると4チームとなります。(注:この記事ではPDRM FCのホームスタジアムが、昨季と同様にKLフットボールスタジアムである前提で書かれていますが、先日発表された今季の日程では、PDRM FCのホームゲームはスランゴール州のMBPJスタジアムで開催するとされています。MBPJスタジアムはスランゴールFCのホームスタジアムなので、こちらで4チーム共用が起こることになります。)なおKLフットボールスタジアムは昨季のM3リーグ準優勝チーム、KLローヴァーズFCもホームスタジアムとする予定とされており、そうなると同じM3リーグに参加予定だったキナバル・ジャガーズFCがリカススタジアムを使えないという決定は文字通りダブルスタンダードということになります。

ハリマウマラヤの記事では、国内サッカーではピッチコンディションの悪さがたびたび話題になることから、良いピッチコンディションでプレーができるよう、MFLが同じスタジアムを共有するチーム数を制限すること自体は良いことだとする一方で、スルタン・モハマド4世スタジアムやKLフットボールスタジアムで許可されていることが、理カススタジアムで許可されていないことについてはその理由が不明であるとしています。

2月8日のニュース
タイ1部リーグ第18節-ディオン・コールズはフル出場、前節負傷退場のサファウィ・ラシドは途中出場
トルコでキャンプ中のクダは地震の被害なし
将来のエース候補ルクマンがアイスランド2部クラブへ期限付き移籍

今季のマレーシアスーパーリーグ開幕までおよそ2週間となりました。各チームとも補強が完了しつつある中、マレーシア語紙マジョリティがジョホール・ダルル・タジム(JDT)でプレーする代表FWアキヤ・ラシドの移籍の噂を取り上げています。マレーシア人には少ないドリブルを使って個の力で勝負するタイプの選手で、私も好きな選手なのですが、選手層の厚いJDTではここ数年は十分な出場時間を得られていません。それにもかかわらず代表に呼ばれるレベルの選手ではあるものの、今季のJDTはかつてのチーム得点王のストライカー、ジオゴ(ブラジル、元タイ1部BGパトゥム・ユナイテッド)が復帰し、右ウィングにはオスカル・アリバス(スペイン、スペイン2部FCカルタヘナから加入)もが加入しており、さらに出場時間が少なくなるのでは、と言われていた矢先でしたので、この噂は実現する可能性が高そうです。移籍先としてはトレンガヌFCが上がっており、エースのファイサル・ハリムが昨季オフにスランゴールFCに移籍しており、その後継者としての獲得は十分あり得ます。

タイ1部リーグ第18節-ディオン・コールズはフル出場、前節負傷退場のサファウィ・ラシドは途中出場

タイ1部リーグ第18節が行われ、いずれもマレーシア代表のDFディオン・コールズ(ブリーラム・ユナイテッド)とFWサファウィ・ラシドはいずれも出場しています。

タイ1部リーグ第18節
2023年2月4日@BGスタジアム
BGパトゥム・ユナイテッド 0-2 ブリーラム・ユナイテッド
先月1月のタイ1部リーグ月間ベストXIに選ばれたコールズ選手は、先発してフル出場しています。

2023年2月4日@レオ・チェンマイスタジアム
レオ・チェンライ・ユナイテッド 3-2 PTプラチュワップFC
ジュニオール・エルドストールはベンチ入りしませんでした。

2023年2月5日@ドラゴン・ソーラー・パークスタジアム
ラーチャブリーFC 2-1 ノーンブワ・ピッチャヤFC
前節ではチャージしてきた相手が一発レッドになるほど激しいタックルを受けて途中退場したサファウィ・ラシドでしたが、この試合では先発は外れたものの、74分から途中出場しています。

タイ1部リーグ順位表(第18節終了時、上位3チームとマレーシア人選手所属チームのみ)

順位チーム勝点
1ブリーラムU18153046133348
2バンコクU1811433192237
3チョンブリー18113433151836
4ラーチャブリー1896324121233
12プラチュワップ184592338-1517
トルコでキャンプ中のクダは地震の被害なし

トルコ南東部からシリア北部にかけての一帯で2月6日未明にマグニチュード7.8を記録する強い地震があり、トルコとシリアと合わせた死者は4300人以上と報道されていますが、現在、トルコでプレシーズンキャンプ中のクダ・ダルル・アマンFCには影響が出ていないと、マレーシアの通信社ブルナマが報じています。

クダのカマル・イドリス・アリCEOによると、震源とされるトルコ南部の都市ガジアンテップからキャンプ地のアンタルヤまでは800キロ以上離れており、地震報道で心配する選手や関係者の家族には無事が伝えられたということです。また予定されているウズベキスタンやカザフスタンのクラブとの練習試合4試合も予定通り行われることも発表されています。

将来のエース候補ルクマンがアイスランド2部クラブへ期限付き移籍

スポーツ専門サイトのスタジアムアストロは、ルクマン・ハキム・シャムスディンがベルギー1部KVコルトレイクから、アイスランド2部のUMFニャルズヴィークへ期限付き移籍したと報じています。UMFニャルズヴィークのクラブ公式サイトでの発表を引用する形で報じられている記事では、2023年シーズンいっぱいの期限付き移籍となるということです。

来月3月に21歳となるFWのルクマン選手は、国内のエリートアカデミー、モクタル・ダハリ・アカデミー(AMD)を卒業後、2020年にマレーシア人のビジネスマン、ヴィンセント・タン氏がオーナーのKVコルトレイクに加入していますが、ここまでトップチームでの出場は今季の1試合を含めてわずか2試合にとどまっていました。


1月26日のニュース
タイリーグカップベスト16-サファウィ・ラシドとディオン・コールズが揃ってチームの勝利に貢献
サラワク・ユナイテッドFCオーナーが未払い給料を3月までの完済を約束
クランタンFCオーナー所有のインドネシア2部クラブが解散

今季のマレーシアスーパーリーグの日程が発表されました。詳細はこちらから確認できます。注目のカードなどは明日以降に紹介していきたいと思いますが、とりあえず第1節では昨季2部プレミアリーグで優勝を争ったクランタンFC対クチンシティFCがボラセパマレーシアJP的には注目です。

タイリーグカップベスト16-サファウィ・ラシドとディオン・コールズが揃ってチームの勝利に貢献

タイリーグのカップ戦、Revoカップ2023はベスト16が行われ、サファウィ・ラシドが所属するラーチャブリーFCと、ディオン・コールズが所属するブリーラム・ユナイテッドが勝利しています。*試合のハイライト映像は、タイリーグ公式YouTubeチャンネルより)

タイリーグカップ2023 ベスト16
1月25日@ドラゴン・ソーラー・パークスタジアム
ラーチャブリーFC 0-0 ノーンブワ・ピッチャヤFC(PK 5-4)
サファウィ・ラシドは移籍後初となる先発出場し、85分に交代しています。なおリーグ戦に続きこの試合でもイエローカードをもらっています。

1月25日@SCGスタジアム
ムアントン・ユナイテッド 1-2 ブリーラム・ユナイテッド
ディオン・コールズはリーグ戦に続き2戦連続で先発してフル出場しています。

サラワク・ユナイテッドFCオーナーが未払い給料を3月までの完済を約束

昨季の給料未払い問題が未だ解決されてないサラワク・ユナイテッドFCについて、クラブのオーナーで、サラワク州サッカー協会の会長でもあるポサ・マジャイス会長は、今年3月までにこの未払い給料を完済することを「再び」約束したと、東マレーシアのサッカー専門サイト、サラワククロックスが伝えています。

ポサ会長によれば、未払い給料の総額は100万マレーシアリンギ(およそ3000万円)を超えるということですが、サラワク州政府などからクラブに割り当てられた資金から、給料未払いとなっています選手への支払いが認められたと説明しています。

「選手には未払い給料が支払われることは既に通知済みである。クラブが受け取った資金は未払い給料の全てを完済するの十分であり、2月から段階的に支払いを始める予定で、せんしゅにはもうしばらく待っていてもらいたい。」と話したポサ会長ですが、既に一度は未払い完済を約束していましたが、その約束はこれまで守られていませんでした。その後、サラワク・ユナイテッドの選手は未払い給料問題をメディアを通じて明らかにし、マレーシアプロサッカー選手会(PFAM)も、サラワク・ユナイテッドの選手と面談を行っていました。

クランタンFCオーナー所有のインドネシア2部クラブが解散

今季からスーパーリーグに参戦するクランタンFCのオーナー、ザムサハムことノリザム・トゥキマン氏は様々な事業を手がける実業家としても知られていますが、このノリザム氏が所有するインゴネシア2部リーグのPSPSリアウが、公式にクラブの解散を発表しています。なお、ノリザム氏は、2018年に給料未払い問題が起こっていたPSPSリアウを資金援助する形でオーナーとなっていました。

今季のインドネシア2部リーグは昨年2022年8月に開幕したものの、135名が亡くなった10月1日の「カンジュルハンスタジアムの悲劇」以降は中断されており、各クラブとも5試合から7試合を終了しただけでした。3地区に分かれて開催される2部リーグの西地区に所属しているPSPSリアウは、ここまで0勝1分5敗、得点6失点11と9チーム中の最下位となっており、サポーターから不満の声が上がっていましたが、皮肉なことにインドネシアサッカー協会PSSIによる今回の2部リーグ中止に発表は、PSPSリアウサポーターからは3部への降格がなくなった、と好意的に受け止められていました、

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PSSIは1月12日に今季の2部リーグおよび3部リーグの中止を発表しましたが、その際にPSSIのユヌス・ヌシ事務局長は各クラブオーナーとの話し合いの結果、大多数の2部リーグクラブのオーナーが再開を望んでいないことがその理由と説明していますが、実際には2部リーグを運営する新インドネシアリーグ社と2部リーグクラブの双方が互いに信頼を欠いていることが原因という報道もあります。(28クラブ中20クラブが再開を望まなかった、という現地報道もあります。)

またインドネシアでは今年5月にFIFA U20ワールドカップが5月から6月にかけて開催されることから、それまでに今季は28チームが参加している2部リーグを終えることが困難だという点も考慮されたようです。

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という記事を書きましたが、2部リーグ再開の可能性が出てきたという報道がされています。新インドネシアリーグ社のフェリー・ポーラス社長はバブル形式(集中開催方式)で2月24日からの再開を目指しているというものです。

1月24日のニュース
サファウィ・ラシドとディオン・コールズがタイ1部リーグデビュー!-第16節結果とハイライト映像
国内移籍や復帰が目立つ今季のMリーグ外国籍選手
インドFAがムルデカ大会出場を表明⁉︎

2月24日の今季の開幕までおよそ1ヶ月と迫ったマレーシアスーパーリーグ。各チームの戦力も揃いつつある一方で、プレシーズンキャンプも始まっています。国外キャンプ組の筆頭はジョホール・ダルル・タジムJDTは昨年に続き今年もアラブ首長国連邦のドバイでキャンプを行い、いずれもロシア1部のFCロストフ、FCロコモティフ・モスクワ、FCゼニト・サンクトペテルブルク、ブルガリア1部のPFCレフスキ・ソフィアといった強豪との対戦も組まれています。一方、クダ・ダルル・アマンFCはトルコキャンプで地元のクラブやウズベキスタンのクラブと、またスランゴールFCやサバFC、トレンガヌFCとスリ・パハンFCは隣国タイのキャンプを行います。

サファウィ・ラシドとディオン・コールズがタイ1部リーグデビュー!-第16節結果とハイライト映像

タイ1部リーグ 第16節
1月21日(土)@80周年スタジアム(ナコーンラーチャシーマー)
ナコーンラーチャシーマーFC 1-2 プラチュワップFC
プラチュワップFCのジュニオール・エルドストールはベンチ入りしませんでした。

1月21日(土)@ドラゴン・ソーラーパーク(ラーチャブリー)
ラーチャブリーFC 0-2 コーンケン・ユナイテッド
ラーチャブリーFCのサファウィ・ラシドは46分に交代出場し、ロスタイムにはあわやデビュー戦初ゴール!という場面がありましたが、VARによる判定で取り消しとなっています。
またサファウィ・ラシドとともにとともにラーチャブリーFCに期限付き移籍しているムサ・シディベは先発して、フル出場しています。
*これまでリリドン・クラスニキがコーンケン・ユナイテッド所属としてきましたが、Transfermarktによると昨年末で期限付き移籍期間が終了していました。

試合のハイライト映像はタイリーグの公式YouTubeチャンネルより

1月22日(日)@タレールアンスタジアム(スコータイ)
スコータイFC 0-3 ブリーラム・ユナイテッド
ディオン・コールズは先発してフル出場しています。

試合のハイライト映像はタイリーグの公式YouTubeチャンネルより
国内移籍や復帰が目立つ今季のMリーグ外国籍選手

2月24日の今季の開幕までおよそ1ヶ月と迫ったマレーシアスーパーリーグ。各チームの戦力も揃いつつありますが、その中で目立つのが、外国籍選手の国内移籍と復帰です。スーパーリーグの外国籍選手枠が昨季の5名から今季は一気に9名と爆増したことで、各チームが国内リーグで実績のある選手の確保に動いたのがその大きな理由だと考えられますが、昨季所属選手の契約延長も含め、今季は見慣れた顔が多いシーズンとなりそうです。

昨季チャンピオンのJDTはトップチームでプレーしたFWベルグソン・ダ・シルヴァ、FWフェルナンド・フォレスティエリ、MFレアンドロ・ヴァレスケス、DFシェーン・ローリー、DFカルリ・デ・ムルガの5名は残留する一方で、2019年・2020年にJDTでプレーしたFWジオゴ(前タイ1部BGパトゥム・ユナイテッド)と、昨季はペナンFCでプレーしたMFエンドリックを獲得しています。なお今季Mリーグ6年目で27歳のエンドリックは、同一国で5年間プレーすることで帰化選手として登録が可能となるFIFAの帰化選手規定を満たしていることから、マレーシア国籍を取得させて、マレーシア人選手登録を視野に入れての獲得です。

トミスラフ・スタインブリュックナー新監督が就任した昨季2位のトレンガヌFCは、MFハビブ・ハルーンや、セカンドチームでプレーしていたDFアルグジム・レゾヴィッチ、KLシティFCに期限付き移籍していたFWジョーダン・ミンターが残留する一方で、昨季まで3季に渡ってマラッカ・ユナイテッドでプレーしたFWソニー・ノルデを獲得しています。

退団した加賀山泰毅選手ら以外の3名が残留した昨季3位のサバFCは、Mリーグ2部プレミアリーグのクランタン・ユナイテッドFCでプレーしたFWジェイコブ・ンジョクを、また6位のKLシティは昨季スランゴールFCでプレーしたFWカイオンとトレンガヌFCプレーしたチェチェ・キプレ、さらに2019年にマラッカ・ユナイテッドでプレーしたパトリック・ライヒェルトを獲得しています。

また7位のスリ・パハンFCはクパー・シャーマン(トレンガヌFCから移籍)、ルーカス・シルヴァ(ペナンFCから移籍)の両FWを、8位のクダ・ダルル・アマンFCはマヌエル・イダルゴ(スリ・パハンから移籍)とマヌエル・オット(トレンガヌFCから移籍)の両MFを獲得、また12位のペナンFCはFWアドリアーノ(マラッカFCから移籍)と2021年にやはりマラッカ・ユナイテッドでプレーしたFWジオバネ・ゴメス、そして2020年にUITM FCでプレーしたMFウスマン・ファネを獲得しています。さらに昨季2部のPDRM FCには昨年前半までプレーした鈴木ブルーノ選手が復帰しています。

インドFAがムルデカ大会出場を表明⁉︎

先日のこのブログでは今年9月に開催予定のムルデカ大会について、マレーシアサッカー協会FAMが10年ぶりに開催するこの招待大会にはマレーシアよりFIFAランクが上位の3チームを招く予定があるという記事を取り上げました。第42回大会となる今年の大会は4チームによる準決勝と決勝、3位決定戦という形式で行われる予定で、FAMは東南アジアのタイやベトナム、中東のシリアやパレスチナを候補に招待交渉を行う予定のようです。そんな中、インドサッカー協会の事務局長がこのムルデカ大会参加を表明しています。。

インドサッカー協会AIFFのシャジ・プラバカラン事務局長は自身のツイッターで、マレーシアサッカー協会のハミディン・アミン会長と「実りのある」話し合いを既に行なったとして、インド代表のムルデカ大会出場を表明しています。なおこの記事の執筆時点では、マレーシアサッカー協会FAMからの正式発表はありませんが、FIFAランキング104位のインドは、FAMが予定しているマレーシアのFIFAランキング154位より上の国を招待したい、という条件を満たしています。

しかしなぜ、インドがこれほどムルデカ大会参加に積極的なのかには疑問が残りますが、実はこの話には伏線があるようです。サッカー専門サイトのスムアニャボラによると、インドサッカー協会AIFFは予定されていた役員選挙が協会内の混乱で延期され、これを受けたインド最高裁が昨年5月にAIFFの解散と、国内サッカーの統括などを行う特別委員会の設置を命令しましたが、FIFAはこれが「第三者による過度の介入」でありFIFAの規約に抵触するとして、8月にAIFFの資格を停止するという処分を下しました。その後、インド最高裁は日常業務の管理を特別委員会からAIFFに戻されると発表し、AIFFの新会長にカリヤーン・チョーベー氏が就任しました。

そしてチョーベーAIFF会長が昨年10月ごろに提案したのが、1950年代から60年代にかけてインド代表が出場していたこのムルデカ大会の復活だったようです。しかしながら、FAMがAIFFからそういった提案を受けていたにもかかわらず、ムルでか大会再開が決まり、その招待国の候補にインドが上がらなかったことから、インド国内のサッカーファンからは不満や批判の声が上がっていたようです。このため、そういった声を鎮静化するため、そしてAIFFの本気度を示すためのプラバカラン事務局長のツイートとなったようです。

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ムルデカ大会の招待国の候補が明らかになった際には、隣国インドネシアからも失望の声が上がっているようです。サッカー専門サイトのハリマウマラヤによると、ベトナムやタイと同様にAFC選手権アジアカップ2023本戦の出場を決めているインドネシアがムルデカ大会が招待国の候補に入っていないことが国内メディアで取り上げられており、1961年、1962年、1969年と3度の優勝を誇るインドネシアは、マレーシアにとっては「強豪」と見なされていないのか、という失望のようです。
 そしてこういった各国の反応を見ると、この歴史ある大会の重みを理解していないのは、実はマレーシアサッカー協会FAMそのものだったのかもしれません。

1月18日のニュース
昨季給料未払いが続くサラワクUの選手らが青年スポーツ相に仲裁を直訴
今年復活のムルデカ大会出場国にシリアとパレスチナが浮上
タイ1部ラーチャブリーFC移籍のサファウィ・ラシドが入団会見

昨季給料未払いが続くサラワクUの選手らが青年スポーツ相に仲裁を直訴

給料未払い問題を理由に今季の国内クラブライセンスが交付されず、Mリーグ1部スーパーリーグに参加できなくなったサラワク・ユナイテッドFCは、今季はMリーグ3部に当たるセミプロリーグのM3リーグで再出発することが発表されていますが、このサラワク・ユナイテッドで昨季プレーした選手や監督、コーチに対し、給料3ヶ月分が未だ未払いになっていると、英字紙スターが報じています。

選手や首脳陣による合同声明によると、クラブは完済を約束したにもかかわらず、3ヶ月分の給料や出場・勝利給を未だ支払っておらず、中には4ヶ月分の給料が未払いとなっていくケースも含まれているということです。なお、クラブは未払い給料を昨年12月末までに完済することを口頭でだけでなく、文書でも確約したにもかかわらず、既に年も明け、未だ何の進展もないことから、この状況を明らかにするとともに、この問題についてハンナ・ヨー青年スポーツ相による仲裁を求めたいとしています。

今年復活のムルデカ大会出場国にシリアとパレスチナが浮上

マレーシアの独立(マレーシア語で「ムルデカ」)を記念して1957年に第1回大会が開催されたムルデカ大会はこれまでに41回開催された、アジアでも最古の国際招待大会の一つで、かつては日本代表も何度も出場しています。今年9月に実に10年ぶりに復活するムルデカ大会について、これを主催するマレーシアサッカー協会FAMは西アジアから1カ国、東南アジアから2カ国を招待し、出場4カ国で開催することを検討していると、マレーシア語紙ブリタハリアンが報じています。

この記事では西アジアの国としてシリア(直近のFIFAランキング90位)とパレスチナ(同93位)、また東南アジアの国としてはベトナム(同96位)とタイ(同111位)が招待国の候補に上がっているとしています。

この記事の中で、FAM競技委員会のフィルダウス・モハメド委員長は、現在FIFAランキング145位のマレーシアは、FIFAの国際マッチデー期間に開催予定のムルデカ大会では格上のチームとの対戦を希望しており、マレーシア代表はこの大会を来年2024年1月にカタールで開催されるAFCアジアカップへ向けての準備の一貫として使用する目的だと述べています。またこのムルデカ大会の試合形式については、4チームによる準決勝の後、準決勝の勝者は決勝を、敗者は3位決定戦を行うことで、各チームが2試合ずつ行える形式になるだろうとも述べています。

タイ1部ラーチャブリーFC移籍のサファウィ・ラシドが入団会見


タイ1部リーグのラーチャブリーFCは、Mリーグ1部スーパーリーグのジョホール・ダルル・タジムJDTからいずれも期限付き移籍したマレーシア代表FWサファウィ・ラシドとマリ代表FWムサ・シディベの入団会見を行っています。

記者会見の席では、15歳で本格的にサッカーを始めた頃からタイリーグでプレーしてみたいと思っていたと話したサファウィ選手はその夢が実現したことを喜んでいると述べています。

ラーチャブリーFCには、いずれも三菱電機カップ2022に出場したミャンマー代表のGKミョー・ミン・ラット、DFハイン・ピョー・ウィン、DFナンダ・チョーが東南アジア(アセアン)枠の選手として在籍しており、サファウィ選手は、まず彼らとの出場権争いに勝利することが目標となります。

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東南アジアサッカー連盟AFF選手権三菱電気カップ2022により11月下旬から中断していたタイ1部リーグは今週末1月21日(土)に再開します、サファウィ選手が加入したラーチャブリーFCは15試合を終えて8勝5分け2敗で、リーグ首位のブリーラム・ユナイテッドFCとは勝点差10の3位につけています。また1月21日の試合で対戦するコーンケン・ユナイテッドFCには、元JDTでマレーシア代表でもプレー経験があるリリドン・クラスニキも在籍しており、サファウィ選手とのマレーシア選手対決がいきなり見られるかもしれません。

なおサファウィ選手は、2020年にポルトガル1部のポルティモネンセSCにやはり期限付き移籍しながら、トップチームはおろか、セカンドチームでもほとんど出場機会を得られず、1年も経たずに退団、帰国した苦い経験もあります。その後はJDTでもレギュラーの座を昨季2年連続リーグMVPを獲得したアリフ・アイマンに奪われ、出場機会が激減し、先日マレーシア代表として出場した三菱電気カップ2022でも、かつてのような輝きは見ることができませんでした。まずは試合出場、そしてクラブで主力となることで、代表でも再びその勇姿が見られるのではないかとボラセパマレーシアJPは期待を寄せています。

1月17日のニュース
大山鳴動して…18チームで開幕予定だった今季のMリーグは結局14チームに
アセアンチャリティーシールド-タイ王者ブリーラム・ユナイテッドがクランタンを一蹴、さらに新加入の代表DFコールズを初披露

東南アジアサッカー連盟AFF選手権は、今回から大会スポンサーがスズキ自動車から三菱電機に変わったことで、大会名称もスズキカップから三菱電機カップとなりました。その第1回(選手権通算では14回目)の優勝を飾ったのはタイでした。FIFA国際マッチデー期間外ということで、Jリーグでプレーするチャナティップ・ソングラシン(川崎)やスパチョーク・サラチャート(札幌)は参加しませんでしたが、それ以上に今回のタイが素晴らしかったのは、準決勝までで6ゴールとチーム最多ゴールを挙げていたティーラシン・デーンダーを決勝2試合とも欠きながら優勝したこと。今大会MVPに輝いたティーラトン・ブンマタンの強烈なキャプテンシーもさることながら、試合終了後のインタビューでも述べていたように今回の優勝はまさにチーム力の勝利でした。
 一方のベトナムは、東南アジアNo. 1に育て上げたパク・ハンソ監督の最終戦でしたが、花道を飾れませんでしたが、タイとともに東南アジアでは図抜けた存在であることを示しました。今大会を最後にパク監督が去り、またインドネシア代表のソン・テヨン監督も去就に注目が集まっており、東南アジアを席巻した「韓流ブーム」も、マレーシア代表のキム・パンゴン監督1人となってしまう可能性もあります。

大山鳴動して…18チームで開幕予定だった今季のMリーグは結局14チームに

Mリーグを運営するマレーシアンフットボールリーグMFLのスチュアート・ラマリンガムCEOは、今季2023年シーズンのMリーグ1部スーパーリーグの参加チームは14となることを発表しています。

MFLは昨年、国内トップリーグの試合数が少ないというFIFAの指摘を受け、Mリーグ1部スーパーリーグと2部プレミアリーグを統合して「真」スーパーリーグとする大規模な改革案を発表しました。スーパーリーグ12チームにプレミアリーグの6チームを加えた18チーム編成とし、リーグ戦での各チームの試合数は現行の年間22試合から34試合へと増える予定でした。

しかし、昨季終了後に次々と問題が明らかになりました。まずは国内のクラブライセンス交付を担う第一審機関FIBが2つのクラブにクラブライセンス不交付を決定しました。昨季スーパーリーグ10位のマラッカ・ユナイテッドFCに対しては、給料未払い問題を抱えており、来季のクラブ運営資金調達に関する書類に不備があるとして不交付を決定、また同11位のサラワク・ユナイテッドFCに対しては、かつてが在籍した外国籍選手への給料未払いに関して、FIFAの紛争解決室の支払い処分に応じていないことを理由に不交付を決定し、両クラブには不服申し立ての期間が与えられましたが、結局、りょうくらぶともFIBの判断を受けいれた結果、今季のスーパーリーグ参加資格を失いました。(その後、両クラブはセミプロリーグのMリーグ3部、M3リーグからの出直しを発表しています。)

マラッカ・ユナイテッド、サラワク・ユナイテッドの両クラブが不参加となったことで今季の参加チームが16になったスーパーリーグですが、問題はこれで終わりませんでした。

昨季スーパーリーグ9位のPJシティFCは、今季の国内クラブライセンス交付を受けた後、リーグからの撤退を表明しました。2021年、2022年シーズンに渡り、外国籍選手抜きのマレーシア人選手のみでチームを編成してきたPJシティは、その方針が功を奏し、東南アジアサッカー連盟AFF選手権三菱電機カップ2022に出場したマレーシア代表にGKカラムラー・アル=ハフィズ、MF V・ルヴェンティラン、FWダレン・ロックが選出されています。しかし「新」スーパーリーグ発足に伴い、各クラブの外国籍選手枠が9名(ただし試合に出場できるのはこれまで通り5名)となることから、外国籍選手0名という現在のクラブ方針では他のクラブと対等に戦うのは難しいとして、スーパーリーグからの撤退を表明しました。その後の一部報道では、新たなオーナー候補が見つかったといったものもありましたが、結局、徹底の方針は変わりませんでした。

また昨季プレミアリーグ7位のUITM FCも、PJシティ同様に、クラブライセンス交付を受けた後に撤退を決めています。大学が母体のクラブとして初のスーパーリーグクラブとなり、2020年シーズンにはリーグ6位となる躍進を遂げたUITM FCですが、2021年にプレミアリーグへ降格すると、母体となるマラ工科大学(UITM)がクラブ運営資金を削減し、選手の多くは大学生、外国籍選手もシーズン後半になって1名(スランゴールFCからジョージ・アトラム)が期限付き移籍するなど、苦しいメンバーでの戦いを迫られました。また「新」スーパーリーグでは参加クラブに対して、U23、U21、U19といった年代別チームを所有することを義務付けており、複数の年代別チームを持つことによる負担増がクラブ経営を圧迫するとして、リーグ参加表明を先延ばしにしてきましたが、MFLがこれ以上有用は与えないという形で、リーグ参加の道が断たれています。

これにより結局、今季のマレーシア1部スーパーリーグは、ジョホール・ダルル・タジム(JDT)、トレンガヌ、サバ、ヌグリスンビラン、スランゴール、KLシティ、スリ・パハン、クダ・ダルル・アマン、ペナン、クランタン、クチンシティ、クランタン・ユナイテッド、PDRM、ペラの14チーム編成、試合数は各チーム年鑑26試合と試合数は4試合増えるだけとなっています。

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東南アジア諸国のトップリーグのチーム数は、人口2億7000万人越えのインドネシアが18チーム、人口9000万人越えのベトナムは14チーム、人口7000万人越えのタイは16チームといった数字を見ると、人口3500万人にも満たないマレーシアの市場規模から考えてもスーパーリーグの18チームというのはそもそも無理があるように感じ、むしろ14チームに落ち着いて良かったのでは、という印象すらあります。
 さらに言えば、給料未払い問題を抱えるチームはトップリーグではプレーできないというメッセージも明確に伝わり、今後は身の丈にあった運営をするクラブも増えてきそうです。しかし、その反面、2部プレミアリーグが今季と来季は一時的に中止になったことにより、少なくとも2シーズンは下部リーグへの降格や入れ替え戦がありません。全チームが今季どんなに成績が悪くともスーパーリーグに残留が可能になったことで、シーズン終盤になったときに下位のチームがどこまで真剣なプレーを見せてファンを楽しませてくれるのかどうかについて疑問が残ります。

アセアンシールド2023-タイ王者ブリーラム・ユナイテッドがクランタンを一蹴、さらに新加入の代表DFコールズを初披露

昨季はMリーグ2部プレミアリーグ2位に終わったクランタンFCと2020/2021年シーズンのタイ1部リーグチャンピオンのブリーラム・ユナイテッドFCが対戦するアセアンチャリティーシールドがタイ南部のソンクラー県にあるティンスラーノンスタジアムで行われ、石井正忠監督率いるブリーラム・ユナイテッドがクランタンに7-0で圧勝、大会2連勝を果たしています。

マレーシアとも国境を接するソンクラー県で行われたこの試合は、昨年に続く2回目の開催でした。なお昨年は6月にブリーラム・ユナイテッドの本拠地、チャーン・アリーナで開催され、ブリーラム・ユナイテッドがMリーグ1部スーパーリーグのヌグリスンビランを2-1で破っています。この時はブリーラム・ユナイテッドにとってはプレシーズン、ヌグリスンビランにとってはシーズン真っ只中、という時期でしたが、今回はクランタンがプレーシーズン、ブリーラム・ユナイテッドにとっては東南アジアサッカー連盟AFF選手権三菱電機カップ2022開催によるリーグ中断期間中に開催されています。

この試合はクランタンチェ・ムンシク新監督にとって初采配となっただけでなく、新外国籍選手のアンドレアス・エッスヴァイン(フィリピン)のデビュー戦となりました。一方のブリーラム・ユナイテッドは1月3日に加入したばかりのマレーシア代表DFディオン・コールズを披露しています。

試合はスパチャイ・ジャイディードとスファナット・ムエンタの両代表FWを擁し、実力で勝るブリーラム・ユナイテッドが、そのスファナット・ムエンタのゴールで8分に先制すると、13分にはジョナサン・ボリンギ、17分にはスパチャイ・ジャイディード、さらに41分にはスファナット・ムエンタがこの試合2点目となるゴールを決めて、前半はブリーラム・ユナイテッドが4-0とリードして終了します。

後半に入っても49分には元スロベニア代表のFWハリス・ヴチキッチ、54分にはMFゴラン・チャウシッチがそれぞれゴールを決めて6-0とすると、終了間際の90分にはディオン・コールズのコーナーキックからタイ代表DFのナルバディン・ウェーラワトノドムが頭で合わせて7点目を挙げたブリーラム・ユナイテッドがクランタンを一蹴しています。

試合のハイライト映像はブリーラム・ユナイテッドの公式YouTubeチャンネルより

3月8日のニュース
フットサルリーグはスランゴールMACが3年越しの連覇達成
FAカッププレーオフ-M3リーグのBRM FCとブキット・タンブンFCが1回戦進出
タイ1部リーグ第23節-エルドストールは2戦連続ベンチ外でチョンブリーは2戦連続引分け

フットサルリーグはスランゴールMACが3年越しの連覇達成

国内フットサルリーグのマレーシアプレミアフットサルリーグMPFLは3月4日から6日にかけて第8節が行われ、最終節第9節を残して、スランゴールMACが2季連続となる優勝を決めています。

第1節の試合会場となったスランゴール州が大雨に見舞われ、一部地域では洪水となったことから当初の予定より1週間遅れて今年1月14日に開幕したMPFLは、開幕直前にサバとマラッカが出場を取りやめたことから15チームが優勝を争いました。

第8節でスランゴールMACは、いずれも同じスランゴール州を本拠地とするシャーアラム・シティを1-0、スランゴールTOTを3-2で破り、勝点を36としています。ジェラール・カサス監督(スペイン)率いる2位のパハン・レンジャーズも今節はマレーシア国軍を相手に7-1と大勝したものの、勝点は32となり、最終節第9節にスランゴールMACとの直接対決が控えていましたが、その試合に勝ってもスランゴールMACには勝点で及ばないことが決定し、2019年シーズンに続き、2季連続の2位が確定しています。

FAカッププレーオフ-M3リーグのBRM FCとブキット・タンブンFCが1回戦進出

2年ぶりの開催となったマレーシアFAカッププレーオフの2試合が行われ、BRM FCとブキット・タンブンFCが勝利し、1回戦選出を決めています。ペラ州クアラカンサーに本拠地を持つBRM FCはクアラルンプールに本拠地を持つトゥン・ラザク・シティFCに2-1と逆転勝ちで、またペナン州ブキット・タンブンに本拠地を持つブキット・タンブンFCはプトラジャヤに本拠地を持つイミグレーションFCを延長の末、同じ2-1のスコアで破っています。

1回戦進出を決めた両チームですが、BRM FCはMリーグ1部スーパーリーグ8連覇中のJDTと3月13日に、ブキット・タンブンFCは同じペナン州に本拠地を持つスーパーリーグのペナンFCと3月11日にそれぞれ1回戦で対戦します。

新型コロナの影響で2020年、2021年と開催されなかったFAカップですが、今年は規模を縮小して、スーパーリーグの12クラブ、Mリーグ2部プレミアリーグの7クラブ、そしてM3リーグの15クラブによる34チームで開催されています。プレーオフ2試合はいずれもM3クラブの対戦でしたが、残る11クラブは1回戦から登場します。

タイ1部リーグ第23節-エルドストールは2戦連続ベンチ外でチョンブリーは2戦連続引分け

タイ1部リーグ第23節が3月4日から6日にかけて開催され、マレーシア代表のDFジュニオール・エルドストール(タイでの登録名はプテラ・マデル・アマラン・マデルネル)が所属するチョンプリーFCはチェンマイ・ユナイテッドFCに1-1で引き分けて、前節より順位を一つ下げて6位に後退しています。

2022年3月4日@700周年記念スタジアム
チェンマイ・ユナイテッド 1-1 チョンブリーFC
ジュニオール・エルドストールは前節第22節に続き、今節もベンチ外でした。試合は47分にユ・ビョンスが同点ゴールを決めて、2試合連続で引き分けています。
(試合のハイライト映像はタイリーグの公式YouTubeチャンネルより)

タイ1部リーグ順位表(第23節終了時)

順位チーム得失差勝点
1ブリーラムU2317342754
2BGパトゥムU231194942
3バンコクU2311761440
6チョンブリーFC2410771337
順位は上位3チームとマレーシア人選手が所属するチョンブリーFCのみ表示しています。

3月1日のニュース
AFCカップアセアン地区の最終組み合わせが決定
タイ1部リーグ第22節-エルドストールはベンチ外もチョンブリーは連敗ストップ

AFCカップアセアン地区の最終組み合わせが決定

アジアサッカー連盟AFCは公式サイト上で今季2022年シーズンのAFCカップアセアン地区の最終組み合わせを発表しています。

いずれもミャンマーのシャン・ユナイテッドFCとハンタワディ・ユナイテッドFCが、1月19日に今季のAFCカップ出場を辞退を表明したことから、確定していなかったAFCカップアセアン地区のグループステージのG、H、I組について、AFCは当初はプレーオフで対戦予定だったビサカFC(カンボジア)とヤングエレファンツFC(ラオス)にそれぞれグループステージ出場権を与え、新たな組み合わせを発表しています。

4月19日開幕するグループステージから、ビサカFCは本来はプレーオフの勝者が参加する予定だったG組に入り、一方のヤングエレファンツFCは、出場辞退したハンタワディ・ユナイテッドFCに代わってI組に入っています。なお、シャン・ユナイテッドFCが出場予定だったH組についてはこのシャン・ユナイテッドFC以外の3クラブのままでグループステージが行われることも併せて発表されています。

なおAFCカップアセアン地区のG組はビサカFCの他、バリ・ユナイテッドFC(インドネシア)、クダ・ダルル・アマンFC(マレーシア)、堀越大蔵、藤井亮の両選手が在籍するカヤFCイロイロ(フィリピン)で構成され、インドネシアのバリ島にあるデンパサールで集中開催されます。

またH組はマレーシアのクアラルンプールが集中開催地となり、KLシティFC(マレーシア)、仲村京雅、山下柊哉の両選手が所属するタンピネスローヴァーズ(シンガポール)、PSMマカッサル(インドネシア)の3クラブが対戦します。一方、集中開催地が未定のI組は川上典洋選手が所属するヤングエレファンツFC、ベトテルFC(ベトナム)、山崎海秀選手が所属するホウガンユナイテッド(シンガポール)、小川雄大、小林大介、大瀬貴己選手が所属するプノンペンクラウンFC(カンボジア)で構成されています。

タイ1部リーグ第22節-エルドストールはベンチ外もチョンブリーは連敗ストップ

タイ1部リーグ第22節が2月26日と27日に開催され、マレーシア代表のDFジュニオール・エルドストール(タイでの登録名はプテラ・マデル・アマラン・マデルネル)が所属するチョンプリーFCは、2位のバンコク・ユナイテッドFCに1-1で引き分け、リーグ戦連敗を3で止めています。なお順位は5位のままです。

2022年2月26日@チョンブリースタジアム
チョンブリーFC 1-1 バンコク・ユナイテッド
第20節では、後半途中から出場、前節21節は先発しながら33分に交代したとなったジュニオール・エルドストールがですが、今節ではベンチ外でした。試合は78分にバンコク・ユナイテッドのヘベルチ・フェルナンデス・デ・アンドラーデが今季11点目となるPKを決めて先制しましたが、90+3分にチョンブリーFCのユ・ビョンスが放ったシュートがブロックに入ったバンコク・ユナイテッドのプッティナン・ワンナスリにあたりオウンゴールとなり、土壇場でチョンブリーFCが引き分けに持ち込んでいます。
(試合のハイライト映像はタイリーグの公式YouTubeチャンネルより)

タイ1部リーグ順位表(第22節終了時)

順位チーム得失差勝点
1ブリーラムU2316342551
2BGパトゥムU231184941
3バンコクU2311661439
5チョンブリーFC2310671336
順位は上位3チームとマレーシア人選手が所属するチョンブリーFCのみ表示しています。

2月22日のニュース
アセアンU23選手権-16名のU23代表はラオスに敗れてグループステージ敗退
MFL-UITM FCは今日中に選手登録を終えればリーグ出場に問題なし
タイ1部リーグ第21節-チョンブリーは連敗で5位降格、エルドストールは前半途中で交代

アセアンU23選手権-16名のU23代表はラオスに敗れてグループステージ敗退

カンボジアのプノンペンで開催中の東南アジアサッカー連盟AFF U23選手権に出場中のマレーシアU23代表は、昨日行われたラオスU23代表との第2回戦に0-2で敗れ、2試合の通算スコアが1-4となり、グループステージ敗退が決まりました。

初戦を1-2で敗れていたマレーシアは、この第2回戦では2点差以上をつけての勝利が準決勝進出の条件でしたが、この日の朝に行われた新型コロナ検査で複数の陽性反応者が出たことから、ラオス戦出場可能なのは16名となる逆風の中、試合に臨みました。

先制点が欲しいマレーシアは試合開始から積極性を見せ、ボールを保持する時間はラオスに勝るものの、ペナルティエリア付近では肝心のパスがことごとく繋がらず、ゴールを奪えません。そんな中、前半終了間際の43分に、第1回戦でもゴールを決めているブウンファチャン・ブウンコンのフリーキックが決まり、ラオスが先制。そのまま1-0とラオスのリードで前半を終えます。後半に入ると、まずは同点に追いつきたいマレーシアですが、機会らしい機会も作れない中、逆に86分にはディフェンダーのミスコミュニケーションからさらに失点を許し万事休す。ラオスに2連敗したマレーシアはグループステージ敗退、ラオスは準決勝出場が決定しました。

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5月の東南アジア競技大会シーゲームズ(ベトナム)、そして6月のAFC U23アジアカップ(ウズベキスタン)、そして9月のアジア競技大会(中国)に向けたチームの底上げを目指して、マレーシアは今大会には昨年10月のAFC U23アジアカップ予選出場メンバー以外が中心のチーム編成で臨みました。昨年末のスズキカップに続いて、東南アジアの大会でベスト4に進めなかったことで、SNS上でそれなりの騒ぎになっていますが、目的を持って臨んだ大会なので、結果に一喜一憂する必要はないでしょう。ただしメンバーを落としたチームでは、この年代では東南アジアであっても勝つことができないという現実を突きつけられた格好になりました。

MFL-UITM FCは今日中に選手登録を終えればリーグ出場に問題なし

今日2月22日は、Mリーグ今季1度目のトランスファーウィンドウ最終日ですが、昨季1部スーパーリーグで最下位の12位となり、今季は2部プレミアリーグに降格するUITMは、選手の大半が退団し、コーチングスタッフの多くも他のクラブへ移籍していることから今季リーグ出場辞退の可能性が噂されています。これについてMリーグを運営するMFLのスチュアート・ラマリンガムCEOは、既にクラブからは今季のリーグ出場に必要な書類は全て提出されており、今日までに選手を登録すれば、UITM FCのリーグ出場については何も問題がないと述べていると、マレーシア語紙ハリアンメトロが報じています。

クラブを運営するマラ工科大学UITMからの予算が50%以上削減されたことにより、新たな選手の獲得ができていないUITM FCは、開幕前に経営権譲渡が実現しなかったにより、プレシーズンの活動がほとんど行われていません。これに端を発するリーグ不参加の噂についてラマリンガムCEOは、UITM FCとは頻繁に連絡をとっていると話し、少なくとも現時点でのリーグ不参加の意思表示はされていないと話しています。「プレシーズンマッチをほとんど行っていないことは知っているが、それだけでUITM FCがリーグ出場を辞退するということにはならない。もし、今日中に選手登録を終えなければ、その時点でMFLはUITM FCは出場辞退したと判断する。」と述べたスチュアートCEOはSNS上でささやかれている出場辞退の噂を否定しています。

タイ1部リーグ第21節-チョンブリーは連敗で5位降格、エルドストールは前半途中で交代

タイ1部リーグ第21節が2月19日と20日に開催され、マレーシア代表のDFジュニオール・エルドストール(タイでの登録名はプテラ・マデル・アマラン・マデルネル)が所属するチョンプリーFCは、スパンブリーFCに1-2で敗れ、リーグ戦3連敗となり、順位も4位から5位に転落しています。

2022年2月13日@スパンブリー県立スタジアム
スパンブリーFC 2-1 チョンブリーFC
前節第20節では、後半途中から出場となったジュニオール・エルドストールですが、今節では33分に交代しています。試合は開始5分チョンブリーFCのGKチャニン・サエイアがペナルティエリア外のハンドで一発退場となり、スパンブリーFCが終始リードする展開となったものの前半は0-0で折り返しました。後半に入るとダニーロ・アルメイダ・アウヴェスが先制ゴールをヘディングで決めるなど2-0としてスパンブリーFCは、ダニーロ選手がオウンゴールでチョンブリーに1点を与えたものの、そのまま2−1で逃げ切っています。
(試合のハイライト映像はタイリーグの公式YouTubeチャンネルより)

タイ1部リーグ順位表(第21節終了時)

順位チーム得失差勝点
1ブリーラムU2215342248
2バンコクU2111561438
3BGパトゥムU221084738
5チョンブリーFC2210571335
順位は上位3チームとマレーシア人選手が所属するチョンブリーFCのみ表示しています。