2月11日のニュース
今季のスーパーリーグ公式球がORBITA MFL1に決定
FAカップ1回戦および2回戦の組み合わせ発表-JDTは初戦で鈴木ブルーノ選手所属のPDRM FCと対戦
3月4日開幕のM3リーグの今季日程が発表

今季のスーパーリーグ公式球がORBITA MFL1に決定

マレーシアスーパーリーグを運営するマレーシアンフットボールリーグMFLは、今季のリーグ公式球にプーマ社のORBITA MFL1が採用されたことを公式サイトで発表しています。このORBITA MFL1はスーパーリーグ公式戦の他、マレーシアカップやFAカップなど今季MFLが主催するすべての公式戦で使用されるということです。

プーマ社のORBITAは、スペインのラ・リガやイタリアのセリエA、そして英国2部EFLチャンピオンシップなどでも採用されているボールです。なおMFLは一昨季、昨季にもプーマ社のMFL Accelerate 21.1 Proをリーグ公式球に採用しています。

FAカップ1回戦および2回戦の組み合わせ発表-JDTは初戦で鈴木ブルーノ選手所属のPDRM FCと対戦

今季のFAカップの1回戦と2回戦の組み合わせ抽選が行われ、昨季優勝のジョホール・ダルル・タジム(JDT)に加え、スーパーリーグ2位のトレンガヌFC以下、サバFC、ヌグリスンビランFC、スランゴールFC、KLシティFC、そして昨季の2部プレミアリーグで2位のクランタンFCと3位のクチンシティFCの合計8チームはシードされています。

このシードされた8チームは2回戦から登場する一方で、昨季のスーパーリーグの下位3チームのスリ・パハンFC、クダ・ダルル・アマンFC、ペナンFCと、プレミアリーグの会3チームのクランタン・ユナイテッドFC、PDRM FC、ペラFC、そして3部M3リーグの6チームの合計12チームはは1回戦から登場します。しかしなぜか、このうち4チームは1回戦が不戦勝となっており、1回戦から出場するPDRM FCは不戦勝で2回戦に進みJDTとの対戦が決まっており、同様に3部のPIB シャー・アラムFCはヌグリスンビランFCと、3部のマラッカFCはトレンガヌFCと、そしてクランタン・ユナイテッドFCはサバFCと2回戦での対戦が決まっています。

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FAカップは言わば日本の天皇杯にあたる全国規模の大会で、かつては4部リーグのチームにまで門戸が開かれていましたが、新型コロナ禍で2年間中止となり、3年ぶりに再開された昨季は3部リーグ以下ではシーズンそのものが中止されていたため1部と2部のチームのみが出場しました。しかし蓋を開けてみれば1部スーパーリーグの14チームと3部14チーム中6チームという何とも中途半端な大会となっています。しかも1回戦不戦勝の4チームを作るくらいなら、3部からもう4チーム出場させて不戦敗を無しとするとか、或いは3部の全14チームの4チームは予選ラウンドから、残る10チームを1回戦から出場させるなどのフォーマットも考えられたはず。今季は2部が休止されているため入れ替え戦がない3部のチームにとってこのFAカップは、この国のトップリーグのクラブとガチで試合ができる貴重な機会かと思うのですが、MFLも3部以下を統括するAFLもそういった発想はないようです。

3月4日開幕のM3リーグの今季日程が発表

Mリーグ3部にあたるM3リーグ以下を統括するアマチュアフットボールリーグAFLは、今季第3節までの日程を公式Facebookで発表しています。

昨季までの1部スーパーリーグと2部プレミアリーグが今季から統合、改編されて「新」スーパーリーグとなった結果、今季は2部プレミアリーグが中止となり、このM3リーグが実質2部リーグとなっています。またトップリーグであるプレミアリーグの改編に合わせて、これまでここのチームの判断に任されていたプロ選手との契約は、今季からは全チームに最低10名の選手とプロ契約を結ぶことを義務付けるなど、M3リーグもセミプロリーグ化へと舵を切っています。.

プロ選手との契約の義務化は、M3リーグ各クラブがプロクラブとして運営されるための経験を積ませるためだと説明するAFLのユソフ・マハディ会長は、実質国内2部リーグであるM3リーグの各クラブが今後トップリーグへ昇格するための準備として、この規則改変が必要だと説明しています。

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昨季スーパーリーグでプレーしたPJシティFCやプレミアリーグでプレーしたUITM FCが今季のスーパーリーグ参加を取りやめた他、給料未払い問題が未解決を理由にスーパーリーグでプレーするためのクラブライセンスが交付されなかったマラッカ・ユナイテッドFCとサラワク・ユナイテッドFCもスーパーリーグを離脱し、昨季の1部と2部で合わせて4つのプロクラブがスーパーリーグから撤退しています。これにより行き場を失った選手たちにとっても、M3リーグのセミプロリーグ化は朗報となっています。さらに今季のM3リーグには、ノーシャルル・イドラン・タラハやハフィズル・ハキムといった元マレーシア代表を揃え、監督には前述のPJシティFCで昨季の監督を務めたP・マニアム氏を起用するハリニFTなど、積極的な補強を行うチームあり、従来のM3リーグとは全く別物になりそうです。

1月2日のニュース
ボラセパマレーシアJPが選ぶマレーシアサッカー2022年重大ニュース-国内リーグとクラブ編

本来なら昨年末までにアップしておくべき記事でしたが、2023年につながる話題もあるのであえて新年早々の記事として掲載します。まずは国内リーグとクラブ編からスタートです。

ジョホールの一強時代はいつまで続くのか-ジョホールが国内リーグ9連覇と国内三冠達成に加えセカンドチームも2部で優勝

2022年シーズンも圧倒的な力を見せたジョホール・ダルル・タジム(JDT)が国内リーグ9連覇を達成、さらにFAカップではトレンガヌを、マレーシアカップではスランゴールを下して優勝し、クラブ史上初の国内三冠にも輝いています。

先月発表された2022年マレーシアリーグアウォードでも最優秀DF、最優秀MF、最優秀FW、そして年間MVPがいずれもJDTから選出されていることからもわかるように、JDTの主力選手は各ポジションで国内トップクラスの選手が集まっています。しかも、そのほぼ全員が代表チームでも主力であることから、JDTはいわばマレーシア代表に外国籍選手が加わったチーム編成。そりゃぁ強いに決まっています。しかも外国籍選手もリーグ新記録となる29ゴール、カップ戦なども合わせれば41ゴールと驚異的な数字を記録したベルグソン・ダ・シルヴァを筆頭にこれまた強力な布陣を揃えており、9連覇は順当な結果でもあります。オーナーでジョホール州の皇太子でもあるトゥンク・イスマイル殿下は、国内の有力選手を今後も獲得していくことを明言しており、2022年シーズンの最優秀GKを受賞した代表GKのシーハン・ハズミは今季所属したヌグリスンビランとの契約を更新していないことから、JDT入りが噂されています。
 また2部プレミアリーグではJDTのセカンドチーム、JDT IIが2位に勝点差5をつけて優勝しています。トップチームで出場機会のないマレーシア代表の選手がプレーし、外国籍選手も自国に戻れば代表チームでプレーする、他のクラブならトップチーム入りも可能なレベルの選手が在籍する陣容は、プレミアリーグでも頭ひとつ抜けています。ここから来季はトップチーム入りする若手もおり、JDTの時代はまだまだ続きそうです。

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代表チームのクラブ化(JDTの場合はクラブの代表チーム化ですが)は代表チーム強化の近道ですが、それが諸刃の剣でもあることが露呈したのが、現在開催中の東南アジアサッカー連盟AFF選手権三菱電機カップ2022です。この大会はFIFA国際マッチカレンダー期間外であることから、この大会に出場する代表チームに招集された選手のリリースは各クラブには義務付けられていませんが、これを理由にJDTから代表候補合宿に招集された13名(この数字もすごいですが)中、招集に応じたのはわずか2名で、残る11名が辞退する事態が起こっています。リーグ戦に加えて優勝したFAカップとマレーシアカップ、そして後述しますがACLと国内の他のどのクラブよりも試合をしているJDTの選手にとって、国内日程が全て終了した11月末から、来年2月に開幕する2023年シーズンに向けてトレーニングが始まるまでの期間は、休養やケガの治療などに充てる貴重なオフシーズンです。また、選手は機械ではない、というイスマイル殿下の意見は正論中の正論ですが、その結果、マレーシア代表はベストな布陣を組めずに三菱電機カップに臨まざるを得なくなっています。

Mリーグ1部と2部を統合する大改編発表-しかし当初の18チーム編成が結局15チームに

昨年7月に発表されたリーグ改編ではFIFAの指導のもと、国内リーグ戦の試合数増を目的として、現行の1部スーパーリーグ12チームと2部プレミアリーグの6チームを合わせた「新スーパーリーグ」を2023年に18チームで開催し、その一方でプレミアリーグは一時休止となることが発表されました。
 今年2月24日に開幕が予定されている新スーパーリーグでは、各クラブの登録選手は従来の30名から32名に拡大し、外国籍選手枠もトップチーム5名、セカンドチーム4名だったものが、アジア(AFC)枠1名、東南アジア(AFF)枠1名を含めた9名に改定され、試合当日はアジア枠1名、東南アジア枠1名を含めた6名がのベンチ入りが可能になっています。(ただしピッチ上ではこれまで通りアジア枠、東南アジア枠を含めた最大5名)
 また新たにU23リーグに当たる「リザーブリーグ」を新設し、現行のプレミアリーグでプレーしていたJDT、トレンガヌ、JDTのセカンドチームに加え、各クラブはこのリザーブリーグにもチームを出場させることを義務付けることが決まっています。また今季プレミアリーグでプレーしたFAM-MSNプロジェクトはこのリザーブリーグ参加が決まっています。こちらは登録選手の上限は30名ですが、その内、23歳以上の選手は外国籍選手を含めた最大で5名が登録可能、また23歳以上の選手はピッチ上では外国籍選手2名を含めた最大で3名がプレー可能となっています。

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スーパーリーグが拡大することで、2023年シーズンは年間34試合と昨季の22試合から試合数が50%以上増える予定でしたが、この拡大案が発表された後にどんでん返しが待っていました。スーパーリーグ10位のマラッカ・ユナイテッドと11位のサラワク・ユナイテッドの両クラブに対して、国内クラブライセンス交付を司る第一審機関FIBがクラブ経営資金に関する情報が不十分だとして申請を却下、さらに両クラブによる再審査の要請も同様の理由で却下されたことから、両クラブは今季のスーパーリーグ参加資格を失っています。これにより今季のスーパーリーグは当初、予定されていた18チームから16チームへと減少しました。サラワク、マラッカの両チームは昨季中も給料未払いが起こるなど、運営に問題があるクラブだったことから、この両チームへの国内クラブライセンス不交付は、時として身内に甘いマレーシアサッカー界を考えると大英断であり、評価されるべき決定です。
 しかしこれだけではありませんでした。今度は昨季9位のPJシティがリーグ撤退を表明しました。PJシティは成績は9位であったものの、外国籍選手が1人もおらず、他のクラブに比べるとマレーシア人選手が出場機会を多く得られることから、チームからはFWダレン・ロック、MF V・ルヴェンティラン、GKアラムラー・アル=ハフィズといった代表選手が育つなど、マレーシアサッカーへの貢献度は高いクラブでした。しかし、外国籍枠9名となる今季は、マレーシア人選手のみというクラブの運営方針とリーグ改編の内容が合致しないとして、リーグ撤退を発表しています。これによりさらにチーム数が減ったスーパーリーグは全15チーム、試合数は28試合となり、試合数は3割にも満たないわずか6試合増と、当初の目的が十分果たせない改編となっています。

東マレーシアに本拠地を持つクラブに明暗-サバとクチンシティは大躍進もサラワク・ユナイテッドは3部から出直しへ

2021年シーズンの終盤にマレーシアサッカー協会FAMのテクニカルディレクターからサバの監督へと転身したオン・キムスイ監督の実質1年目となった昨季、1部スーパーリーグのサバは2021年の9位から3位へと大躍進し、今季のAFCカップ出場権を獲得しています。残念だったのはリーグ終盤に失速し、最終節の第22節でも敗れて最後の最後にリーグ2位から3位となってしまったこと。それでも今季加入の加賀山泰毅の貢献もあり、来季はアジアの舞台に挑みます。
 また2部プレミアリーグでは、谷川由来選手が所属するクチンシティがクラブ史上最高位となる3位となりました。前述したように今季からスーパーリーグとプレミアリーグが統合されるため、昨季は1部と2部の入れ替えがありませんでしたが、もし実施されていても、クチンシティは堂々の1部昇格を果たしていたところでした。昨季開幕前には2022年シーズンを最後に退任するとしていた名将イルファン・バクティ監督の今季続投も決定、またMリーグ4年目を迎える谷川由来選手の残留も濃厚のようなので、2019年の入れ替え戦で3部から昇格して以来、わずか3年で1部昇格を果たしたクラブがスーパーリーグで果たしてどのようなプレーを見せてくれるのかに注目です。
 サバ州のコタキナバルを本拠地とするサバ、そしてサラワク州のクチンを本拠地とするクチンシティが東マレーシア(サバ州とサラワク州はクアラルンプールがあるマレー半島とは離れたボルネオ島にあるため、こう呼ばれています。)の明の部分だとすれば、暗に当たるのが、国内クラブライセンスが交付されずスーパーリーグへの参観資格を失ったサラワク・ユナイテッドです。昨季中もE・エラヴァラサン前監督が代表チームのコーチに就任したことで、後任となったB・サティアナタン氏への給料未払いが明らかになっていますが、国内クラブライセンス不交付の直接的な原因は2021年シーズンに在籍した際の給料が未払いとなっていた外国籍選手がFIFAの紛争解決室へこの問題を持ち込み、FIFAによる支払い裁定が下されたにもかかわらず、これを支払わなかったことにあります。
 なおこのサラワク・ユナイテッドは来季は2部プレミアリーグが開催されないため、3部のセミプロリーグ、M3リーグに出場することが決まっています。ちなみにこのサラワク・ユナイテッドはサラワク州サッカー協会も運営に関わる州のトップチームである一方で、同じサラワク州のクチン市を本拠地とするクチンシティは位置的にはその下位となるチームです。言い換えれば東京都サッカー協会が運営するクラブが3部に降格し、世田谷区サッカー協会が運営するクラブが1部に昇格するといった状況です。実はこのサラワク・ユナイテッドは、前身のサラワクFAが2019年の2部と3部の入れ替え戦でこのクチンシティに敗れて3部降格となったところを、当時資金難に苦しんでいた2部でスランゴール州に本拠地があったスランゴール・ユナイテッドを買収して、本拠地をサラワク州に移してサラワク・ユナイテッドと改変するという「寝技」を使って2部に生き残った前歴もありクラブなので、今季の3部スタートは順当と言えば、順当かもしれません。

FAカップ2022決勝-トレンガヌを振り切ってJDTがまず今季一冠

2年ぶりの開催となったマレーシアFAカップの決勝が、9月10日にクアラ・ルンプールのブキ・ジャリル国立競技場に公式発表8万4321人を集めて開催され、ジョホール・ダルル・タジム(JDT)がトレンガヌを3-1で破って、2016年以来6年ぶり2度目の優勝を果たしています。

今季途中の7月にJDTの監督に就任したエクトル・ビドリオ監督にとっては、初タイトルがかかるこの試合で、いつもの通り、ベルグソン・ダ・シルヴァ、フェルナンド・フォレスティエリの2トップを中心とした強力な攻撃陣を中心とした布陣を起用しましたが、トレンガヌのナフジ・ザイン監督は、エースのクパー・シャーマンをベンチ外とし、チェチェ・キプレのワントップという中盤以降を厚くした布陣を選択し、カウンター狙いで11年ぶりの優勝を狙いました。

JDTの最初のチャンスは10分。20歳のウィング、アリフ・アイマンに右サイドを突破されて放たれたシュートは、トレンガヌGKラーディアズリ・ラハリムが止められなかったもののゴールポストに救われます。その後も、JDTは右サイドにボールを集めますが、トレンガヌは190cm越えの長身パペ・ディアキテ、シャールル・ニザム、アザム・アズミらDF陣がJDTのエース、ベルグソン・ダ・シルヴァには仕事をする機会を与えず、守って機会を待つ戦術は少なくとも前半は功を奏しました。

逆に24分には、トレンガヌゴール前から出たボールに反応したファイズ・ナズミがカウンターから左サイドを上がり、JDTのラヴェル・コービン=オングがファウルで止めるも、主審が流しそこからチェチェ・キプレがJDTのGKファリザル・マーリアスと一対一になりながら、ゴールを止められるなど、トレンガヌは好機を作り、JDTには徐々にラフプレーが目立ち始めます。

そんな中、JDTに先制ゴールが生まれます。それまでもJDTは、相手スローインには、ボールをすぐに渡さないなど時間をかける一方で、自らのスローインは相手の選手が戻り切る前に素早く行うなどしていましたが、ここでもラインを割ったボールを素早くゴール前へ展開したJDTは、ベルグソン・ダ・シルヴァからレアンドロ・ヴェラスケスを経て出たパスをアリフ・アイマンがゴールし、JDTが1-0とリードします。

ただし、ハイライト映像を見てもわかりますが、このゴールの起点となったスローインがボールがラインを割った地点の遥か先で行われています。スローインをしようとしたラヴェル・コービン=オンがボールの出た地点にいますが、そこから数メートル離れた地点からのスローインが果たして有効なのかどうかには、正直、疑問が残るほどで、これを認めた審判のJDT贔屓(びいき)という声が上がる可能性があります。

ともかくカウンター狙いだったトレンガヌは、先に失点したことでラインを上げざるを得なくなり、その結果、JDTがリードを広げます。トレンガヌDFラインの裏に抜け出したベルグソン・ダ・シルヴァをGKラーディアズリ・ラハリムが倒してPKを与え、ベルグソン自身がこのPKを決めて、63分にJDTが2-0としました。

76分にはチェチェ・キプレのゴールでトレンガヌは1点様で迫ったものの、78分には再びトレンガヌの守備陣の間隙をついてベルグソン・ダ・シルヴァが再びゴールを決めて、再びリードを広げ、試合はこのままJDTが2点のリードを守り切って、今季一冠目となるFAカップを制しました。

2022年9月10日@ブキ・ジャリル国立競技場(クアラ・ルンプール)
トレンガヌ 1-3 JDT
⚽️トレンガヌ:チェチェ・キプレ(76分)
⚽️JDT:アリフ・アイマン(34分)、ベルグソン・ダ・シルヴァ2(63分PK、78分)
🟨トレンガヌ(1):マヌエル・オット
🟨JDT(5):マシュー・デイヴィーズ、シェーン・ローリー、ベルグソン・ダ・シルヴァ、レアンドロ・ヴェラスケス、ラヴェル・コービン=オング
MOM:ベルグソン・ダ・シルヴァ(JDT)

以下は試合のハイライト映像(映像はアストロアリーナのYouTubeチャンネルより

8月17日のニュース
FAカップ決勝は結局ブキ・ジャリル国立競技場開催に落ち着く
U23代表監督候補にエラヴァラサンA代表コーチが浮上

FAカップ決勝は結局ブキ・ジャリル国立競技場開催に落ち着く

FAカップを主催するマレーシアンフットボールリーグMFLは公式サイト上で、9月10日に予定されているマレーシアFAカップの決勝、JDT対トレンガヌの試合を、クアラルンプールにあるブキ・ジャリル国立競技場で開催することを発表しています。

当初はクアラルンプールを含む首都圏であるクランバリー地区以外での開催を検討していると、MFLのスチュアート・ラマリンガムCEOは話していましたが、結局、ブキ・ジャリル国立競技場に落ち着いたようです。

新型コロナの影響で3年ぶりの開催となったFAカップは、当初は決勝戦が8月27日に予定されていましたが、決勝に進出しているJDTが、8月19日に埼玉スタジアムで開催されるAFCチャンピオンズリーグACLのベスト16で浦和レッズと対戦することから、9月10日に変更されています。

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これまで改修を繰り返しながら、雨が降ると「その辺りの空き地よりひどい」と酷評されてきたピッチが難点のブキ・ジャリル国立競技場。その一方で8万人を収容できる巨大スタジアムは国内にはなく、首都圏以外での決勝開催予定が発表されても、その後が続かなかったことから、結局、ブキ・ジャリル国立競技場に落ち着いた、といった感じです。

U23代表監督候補にエラヴァラサンA代表コーチが浮上

現在、空席となっているU23代表の監督にE・エラヴァラサンA代表コーチが就任する可能性があると、マレーシアのスポーツメディア、アストロアリーナが報じています。

今年5月の東南アジア競技大会では準決勝敗退、翌6月のAFC U23アジアカップではベトナムやタイと同組となったグループステージで敗退と、東南アジアの壁が破れていないU23代表。マレーシアサッカー協会FAMはこの結果を受けて、U23代表監督を務めていたブラッド・マロニー監督との契約を延長せず、現在、U23代表は監督不在となっています。

今年からA代表の監督に就任したキム・パンゴン監督が、2007年のアセアン4カ国共催以来16年ぶり、予選突破での出場は1980年以来43年振りにAFCアジアカップ出場へとA代表を導いたことを受け、U23代表監督もキム監督同様、韓国人指導者となるなどの噂もあり、具体的には香港1部リーグのキッチーFC(傑志体育会)のキム・ドンジン(金東進)コーチ、前韓国U23代表監督のキム・ハクブン(金鶴範)氏らの名前が上がっていました。

しかしアストロアリーナは、関係者の話を総合すると、マレーシア人となる可能性が高いと報じており、マレーシアU19代表監督として、東南アジアサッカー連盟AFFU19選手権で下馬評を覆して優勝を果たしたハサン・サザリ・ワラス監督などの名前もこれまでに上がっています。

さらにアストロ・アリーナは関係者の話として、U23代表監督はマレーシア人であることに加えて、キムA代表監督の目指すサッカーを理解する人物という条件が付けられているとしており、その条件に当てはまるのが、キム監督の元でコーチを務めているE・エラヴァラサンA代表コーチとなるということのようです。

この報道が出る前には、マレーシアサッカー協会FAMのハミディン・アミン会長がU23代表監督候補について、人選は8割方終わっていると発言するなど、協会内部では話が進んでいるようですので、その正体が明らかになるのは時間の問題といったところでしょう。

マレーシアFAカップ準決勝-JDTとトレンガヌが決勝へ

新型コロナの影響で2年ぶりの開催となったマレーシアFAカップは、8月5日と6日に準決勝の2試合が開催され、Mリーグ1部スーパーリーグで現在首位を走るJDTと同5位のトレンガヌがそれぞれ勝利し、決勝に進出しています。JDTは優勝した2016年以来6年振り2度目、トレンガヌはやはり優勝した2011年以来11年ぶり4度目の決勝進出となっています。
 決勝の試合会場については、来週8月9日に発表されることになっていますが、FAカップを運営するマレーシアンフットボールリーグMFLは、クランバリーと呼ばれるクアラルンプールやスランゴール州といった首都圏以外での開催を検討しているということで、前回2019年の決勝を含めこれまでで最多の12回の決勝戦が開催されたブキ・ジャリル国立競技場(クアラルンプール)での開催はないようです。ただしJDTのホームであるジョホール州のスルタン・イブラヒムスタジアムは検討対象に含まれていないことは、MFLのアブドル・ガニ・ハサン会長が明らかにしています。(ハイライト映像はMFLの公式YouTubeチャンネルより)

マレーシアFAカップ準決勝
2022年8月5日(金)@スルタン・イブラヒムスタジアム(ジョホール州イスカンダル・プテリ)
JDT 6-1 ペナン
⚽️JDT:ベルグソン・ダ・シルヴァ(20分)、フェルナンド・フォレスティエリ(24分)、アリフ・アイマン3(48分、51分、62分)、シャーミ・サファリ(90+2分)
⚽️ペナン: ルーカス・シルヴァ(56分)
🟨JDT(0)
🟨ペナン(0)
MOM:アリフ・アイマン(JDT)
 スーパーリーグ首位で今季11勝2分と負けなしのJDTが、同最下位のペナンを試合開始から圧倒して、アリフ・アイマンのハットトリックを含む6ゴールを挙げて大勝し、6年ぶりの決勝進出を決めています。ベンヤミン・モラ前監督の退任を受け、スーパーリーグ第14節から指揮を取るエクトル・ビダリオ監督はFAカップ戦初勝利をあげています。
 リーグ戦ではJDTに2敗しているものの、いずれも0-1の最小失点、しかも試合終盤の失点だったことから、この試合では接戦が期待されたペナンですが、司令塔のエンドリックをケガで欠いた布陣は機能せず、キックオフから防戦一方となり、最終的には今季チーム最多の6失点を喫してしまいました。

マレーシアFAカップ準決勝
2022年8月6日(土)@スルタン・ミザン・ザイナル・アビディンスタジアム(トレンガヌ州ゴン・バダ)
トレンガヌ 1-1 スランゴール(PK4-2)
⚽️トレンガヌ:ファイサル・ハリム(48分)
⚽️スランゴール: ノル・ハキム(24分)
🟨トレンガヌ(1):ズアシュラフ・ズルキフリ
🟨スランゴール(0):シャルル・ナジーム、ブレンダン・ガン
MOM:ファイサル・ハリム(トレンガヌ)
 決勝に駒を進めたJDTは、リーグ優勝も濃厚で、リーグチャンピオンとして来季のACL II出場する可能性が高くなっています。そのためチャンピオンにはAFCカップ出場権が与えられるFAカップでは、たとえ決勝で敗れたも来季のAFCカップ出場権が与えられる可能性が高く、久しくアジアから遠ざかっている両チームにとっては、是が非でも決勝進出を果たしたいところ。
 そんな両チームの熱戦は延長戦でも決着がつきませんでしたが、今季のスルタン・ミザン・ザイナル・アビディンスタジアムでは最多となる3万5000名超の観衆の後押しを受けたトレンガヌが、スランゴールをPK戦で下して決勝進出を果たしています。
 スランゴールは地元トレンガヌ出身のノル・ハキムのゴールで先制したものの、前半終了後にU23代表の司令塔ムカイリ・アジマルが、後半に入るとノル・ハキム、そして中盤の要であるブレンダン・ガンがいずれもケガのために交代するなど、主力選手を欠いたことが後半や延長に大きく影響し、追加点を奪えなかったことが最後まで響きました。

マレーシアFAカップ2022-JDT、スランゴール、トレンガヌ、ペナンがベスト4進出-谷川由来選手のクチンシティは下剋上ならず

7月23日にマレーシアFAカップ2022の準々決勝の4試合が行われています。リーグ戦はJDTの連覇の可能性が高まる中、優勝チームには来季のAFCカップ出場権が与えられるこのカップ戦は、アジアを目指すチームにとっては負けられない大会です。
 ベスト8に残ったはMリーグ1部スーパーリーグの7チームと2部プレミアリーグのクチンシティでしたが、その中からJDT、スランゴール、トレンガヌ、ペナンが4強進出を決めています。
(試合のハイライト映像はMFLの公式YouTubeチャンネルより)

マレーシアFAカップ2022 準々決勝
2022年7月23日(土)@リカススタジアム(サバ州コタ・キナバル
サバ 0-2 スランゴール
⚽️スランゴール:ユーリ(1分)、カイオン(81分)
🟨サバ(2):ラウィルソン・バトゥイル、パク・タエスー
🟨スランゴール(2):ファズリ・マズラン、ミヒャエル・ファイヒテンバイナー監督
MOM:シャルル・ナジーム(スランゴール)
 スーパーリーグ2位のサバは直近の5試合で3勝1分1敗、一方、リーグ5位のスランゴールは直近の5試合が1勝2分2敗、しかもこの試合はサバのホーム、リカススタジアムでの開催とあって、試合前の予想は圧倒的にサバ有利、そして注目は直近の3試合で4ゴールを挙げて「覚醒」したパク・タエスーでした。
 しかし先手を取ったのはスランゴール。開始1分でユーリがサバDF陣を振り切って先制ゴール!ちなみに今季のスランゴールは、今季のFAカップとリーグ戦では先制した試合は6勝4分と負けがありません。
 前半を1-0で終えると、後半は雨が激しくなるコンデションの中、両チームが攻め続け、81分にはサバDFの最終ラインの裏へ出たパスにカイオンが反応し、FAカップでは3試合連続でゴールを守るダミエン・リムをかわしてゴール!注目のパク・タエスーが不発に終わったサバを封じたスランゴールが準優勝した2018年以来のベスト4進出を決めています。
 サバの加賀山泰毅選手は先発してフル出場しています。

マレーシアFAカップ2022 準々決勝
2022年7月23日(土)@ダルル・マクモルスタジアム(パハン州クアンタン)
スリ・パハン 2-5 ペナン
⚽️パハン:スティーヴン・ロドリゲス(12分)、アズワン・アリピン(20分)
⚽️ペナン:T・サラヴァナン(45+2分)、ヒラル・エル=ヘルウェ2(86分、99分)、ルーカス・シルバ(96分)、K・ティヴァンダラン(118分)
🟨パハン(4):ケヴィン・イングレッソ 、スティーヴン・ロドリゲス、ママドゥ・サマサ、マヌエル・イダルゴ
🟨ペナン(3):ファイザット・ガズリ、ラファエル・ヴィトール、カイルル・ロキシャム
🟥パハン(2):アシャル・アル=アフィズ(🟥x1)、マヌエル・イダルゴ(🟨x2)
MOM:ヒラル・エル=ヘルウェ(ペナン)
 スーパーリーグ11位で今季2勝のスリ・パハンと同12位で今季1勝のペナンの対戦となったこのカードは、リーグ戦では上位進出の目を立たれている両チームのプライドをかけた戦いとなりました。
 12分、20分と前半立て続けにゴールを挙げたホームのスリ・パハンが優勢に進めていた試合は、前半終了にペナンのT・サラヴァナンがゴール前の混戦からのこぼれ球を押し込んで、スリ・スリパハンの1点リードで前半を終えます。
 成績不振から契約解除となったクリストフ・ギャメル監督に代わってこの試合から指揮を取るドラー・サレー監督代行、そしてトマス・トルチャ前監督に代わり6月に就任したザイナル・アビディン・ハサン監督ともハーフタイムでの選手交代は行わないまま後半に臨みます。
 両チームが一進一退の攻防を繰り返す中、86分にエンドリックのフリーキックをラファエル・ヴィトールが繋ぎ、これをヒラル・エル=ヘルウェがヘディングシュートで決めて、土壇場でペナンが追いつきます。
 さらスリ・パハンにとって痛かったのはロスタイムでアシャル・アル=アフィズが「飛び蹴り」で一発退場となったこと。スリ・パハンは延長を10人で戦わなければなってしまいました。そしてその影響が延長に入るとすぐに現れ、96分にはルーカス・シルヴァのパスを受けたエンドリックがパハンDFをしっかりと引きつけてから再びルーカス選手にパス。ルーカス選手はこれをゴールし、0-2の劣勢からペナンがついに3-2と逆転します。この後、99分にはカウンターからヒラル・エル=ヘルウェがこの試合2点目のゴールを決めてリードを広げます。この後2枚目のイエローでマヌエル・イダルゴが退場して9名となったスリ・パハンはさらに失点し、結局リーグ最下位のペナンが11位のスリ・パハンを破ってベスト4へ進出しています。

マレーシアFAカップ2022 準々決勝
2022年7月23日(土)@スルタン・ミザン・ザイナル・アビデインスタジアム(トレンガヌ州ゴン・バダ)
トレンガヌ 4-1 クチンシティ
⚽️トレンガヌ:ファイズ・ナシル(21分)、チェチェ・キプレ(73分、79分)、ファイサル・ハリム(87分)
⚽️クチンシティ:アミル・アムリ・サレー(43分)
🟨トレンガヌ(2):ファイサル・ハリム、ズアシュラフ・ズルキフリ
🟨クチンシティ(1):アミル・アムリ・サレー
MOM:チェチェ・キプレ(トレンガヌ)
 Mリーグ2部プレミアリーグのチームとして唯一、ベスト8に進出したクチンシティが1部スーパーリーグで6位のトレンガヌに挑みました。今季限りの退任を発表しているクチンシティのイルファン・バクティ監督は、2019年シーズン途中にチームの成績不振を理由に監督を務めていたトレンガヌ(当時はトレンガヌFA)を去り、その後任となったのが当時コーチを務めていたナフジ・ザイン現監督という経緯機もあり、いわば「師弟対決」が実現しました。
 先制したのはトレンガヌでした。その身長(公称156cm)から「トレンガヌのメッシ」と呼ばれるファイズ・ナシルが21分にまさかのヘディングで先制ゴールを決めてトレンガヌがリードします。
 先日発表されたスーパーリーグとプレミアリーグの合併案により、来季はスーパーリーグでトレンガヌとも対戦する可能性が非常に高いクチンシティは、押し込まれながらも防戦一方とはならず、同点ゴールを目指します。
 そして43分にはトレンガヌDFアルグジム・レゾヴィッチのミスからアミル・アムリ・サレーがゴールを決めて同点とし、前半は1-1で折り返します。
 この試合のゲームチェンジャーとなったのは、6月29日以来の試合出場となったチェチェ・キプレでした。開幕からケガで調子が上がらず、リーグ戦では今季わずか1ゴール(しかもPK)のキプレ選手は、今月に入りベンチ外が続いていましたが、この試合は61分に交代出場すると、これまでの不調を忘れさせるような活躍でクチンシティDFを翻弄し、73分に逆転ゴールを決めると、さらに77分にもゴールを決めてトレンガヌを勝利に導いています。この試合に勝利したトレンガヌは準決勝でスランゴールと対戦します。
 クチンシティの谷川由来選手は先発して、フル出場しています。

マレーシアFAカップ2022 準々決勝
2022年7月23日(土)@ハン・ジェバスタジアム(マラッカ州マラッカ)
マラッカ・ユナイテッド 1-2 JDT
⚽️マラッカ:ソニー・ノルデ(85分PK)
⚽️JDT:ハズワン・バクリ(4分)、ベルグソン・ダ・シルヴァ(90+4分)
🟨マラッカ(2):アドリアーノ、ワン・アミルル・アフィク
🟨JDT(5):マシュー・デイヴィーズ、レアンドロ・ヴァレスケス、シェーン・ロウリー、アリフ・アイマン、ベルグソン・ダ・シルヴァ
MOM:ブライアン・シー(マラッカ・ユナイテッド)
 スーパーリーグ1位のJDTがアリフ・アイマンのショートコーナーからズワン・バクリの今季初ゴールをヘディングシュートで決めて開始わずか4分で先制すると、嫌な雰囲気が漂いますが、今季のリーグ戦ではマラッカはJDTと引き分けており、苦手意識はありません。また試合には敗れながらこの試合のMOMにマラッカのGKブライアン・シーが選ばれているように、マラッカは守勢にまわりながらもGKを中心にDF陣がJDTの追加点を阻んで試合が進みます。
 後半に入ると、マラッカはソニー・ノルデを中心にJDTゴールに近づき、85分にはそのソニー・ノルでがレアンドロ・ヴェラスケスにペナルティエリア内で(映像では外にも見えますが)倒されてPKを獲得。これをソニー選手自身が決めて、土壇場でマラッカが同点に追いつきます。
 試合は同点のままロスタイムに入り、延長戦かと思われた90+4分にナズミ・ファイズのコーナーキックをベルグソン・ダ・シルヴァがフリーヘッダーで決めて劇的な逆転勝利を収めています。
 ロスタイムに入ったところでJDTが決勝点を挙げるという既視感のある試合は、マラッカの大健闘の賜物でしたが、そこは王者JDTが貫禄を見せた試合でもありました。この日の2点はいずれもコーナーキックによるものでしたが、コーナーキックやフリーキックでのJDTはほんとに怖い!
 絶対的王者として国内3冠を目指すJDTは、準決勝ではペナンと対戦します。

7月11日のニュース
アセアン女子選手権-タイに敗れグループステージ敗退が決定
マレーシアFAカップ-ベスト8が出揃う

アセアン女子選手権-タイに敗れグループステージ敗退が決定

フィリピンで開催中の東南アジアサッカー連盟AFF女子選手権に出場中のマレーシア女子代表は第4節でタイ女子代表と対戦し、0-4で敗れて通算成績を0勝2分2敗として、グループステージ敗退が決まりました。

この試合でマレーシア女子代表は、前回2019年大会優勝チームでもあるタイ女子代表を相手に前半を0-1で折り返したものの、後半の3失点でグループステージ敗退が決まっています。ここまでの4試合でインドネシア女子代表戦のロスタイムにステフィ・カウルが決めたゴールが唯一の得点で、4試合で1得点9失点と前回大会同様、準決勝進出を逃しています。

この大会の前哨戦とも言えた5月の東南アジア競技大会通称シーゲームズ2021年大会(ベトナム)にマレーシアサッカー協会FAMが女子代表を参加させない決定を下した時点で、この結果は見えていたかと思います。昨年2021年9月の女子アジアカップ以降活動のなかった女子代表は、この大会前にバングラディシュ遠征を行ったものの、そこでも2試合で0得点6失点と得点力不足を露呈していました。

AFF女子選手権2022 グループステージA組第4節
2022年7月10日(月)@ビニャンスタジアム(ラグナ州ビニャン)
マレーシア 0-4 タイ
⚽️タイ:Ploychompoo Somnuek(24分)、Pattaranan Aupachai(54分)、U-Raiporn Yongkul(73分)、Nutwadee Pram-Nak(86分)

下はこの試合の両チームの先発XI

マレーシアFAカップ-ベスト8が出揃う

クダとKLシティのAFCカップグループステージ出場によりいずれも延期されていたマレーシアFAカップの2回戦残り2試合が行われ、Mリーグ1部スーパーリーグのトレンガヌとスランゴールがそれぞれAFCカップ出場組のクダとKLシティを破り、準々決勝進出を決めています。

マレーシアFAカップ2022 2回戦
2022年7月6日(水)@スルタン・ミザン・ザイナル・アビデインスタジアム(トレンガヌ州ゴン・バダ)
トレンガヌ 1-0 クダ
⚽️トレンガヌ:ファイズ・ナシル(7分)
🟨トレンガヌ(1):クパー・シャーマン
🟨クダ(4):アクマル・ザヒル、ロドニー・ケルヴィン、アリフ・ファルハン、デシ・マルセル
🟥トレンガヌ(1):パペ・ディアキテ
 6月には代表戦などによるMリーグ日程の変更などもあり、マレーシア国内での公式戦は5月10日以来となったクダはアンドラ出身のセンターバック、マルク・バレスが膝のケガにより手術を受け、AFCカップ準決勝、そして今季の残りリーグ戦出場が絶望となりましたが、この試合は開始1分にトレンガヌがあわやゴール、というシーンが見られるなどバレス選手不在の影響の大きさが現れた試合でした。
 トレンガヌは9分、身長158センチのファイサル・ハリムのクロスに、走り込んできた身長156センチのファイズ・ナシルが頭で合わせて、「ちびっ子コンビ」(失礼)の活躍でトレンガヌが先制し、1点のリードを守って前半を折り返しました。
 後半に入ると50分にはトレンガヌ守備陣の裏に抜けようとしたロナルド・ンガを止めようとしたパペ・ディアキナがンガ選手を倒して一発レッドで退場となり、トレンガヌは10名となってしまいます。
 しかし、セットプレーでもその長身で貢献してきたバレス選手の不在が響いたクダは、1点も奪えず、試合はこのままトレンガヌが逃げ切っています。勝ったトレンガヌは、準々決勝ではMリーグ2部プレミアリーグ勢として最後のチームとなった谷川由来選手が所属するクチン・シティと対戦が決まっています。
 (試合のハイライト映像はMFLの公式YouTubeチャンネルより)

マレーシアFAカップ2022 2回戦
2022年7月8日(金)@MBPJスタジアム(スランゴール州プタリンジャヤ)
スランゴール 1-0 KLシティ
⚽️スランゴール:アリフ・ハイカル(53分)
🟨スランゴール(6):クエンティン・チェン、ヤザン・アル=アラブ、ブレンダン・ガン、ユーリ、ムカイリ・アジマル、サミュエル・サマーヴィル
🟨クダ(1):アクラム・マヒラン
 いずれも首都圏を本拠地とするスランゴール対KLシティの対戦は、首都圏の通称からクランバリーダービーと呼ばれていますが、今季のスーパーリーグ開幕戦で激突した両チームは3-3で引き分けており、この試合でも接戦が予想されました。
 先制したのはスランゴールでした。U23代表候補合宿には参加しながら、その後の東南アジア競技大会通称シーゲームズや、AFC U23アジアカップに出場したU23代表には選ばれなかったアリフ・ハイカルが、ムカイリ・アジマル、クエンティン・チェンらチームメートのU23代表組を抑えて、決勝ゴールを挙げてスランゴールを準決勝進出に導いています。
 KLシティは、昨季のMリーグ2部プレミアリーグ得点王で、トレンガヌから期限付き移籍で加入したジョーダン・ミンターが移籍後初先発しましたが、ゴールを挙げることはできませんでした。

なお、準々決勝の組み合わせは7月4日に抽選が行われ、以下のようなカードとなっています。

マレーシアFAカップ2022 準々決勝組み合わせ
(試合は全て7月23日に開催予定)
マラッカ対JDT@ハン・ジェバスタジアム(マラッカ州マラッカ)
サバ対スランゴール@リカススタジアム(サバ州コタ・キナバル)
スリ・パハン対ペナン@ダルル・マクムルスタジアム(パハン州クアンタン)
トレンガヌ対クチンシティ@スルタン・ミザン・ザイナル・アビデインスタジアム(トレンガヌ州ゴン・バダ)


 
 

マレーシアFAカップ2022年シーズン
1回戦結果とハイライト映像および2回戦組み合わせ

やっと1回戦終了。3年ぶりの開催となったマレーシアFAカップの1回戦が4月29日に終了し、2回戦進出の16チームが全て決定しました。

2022年のFAカップは規模を縮小して、Mリーグ1部スーパーリーグの12チーム、2部プレミアリーグの7チーム、そして3部M3リーグの15チームの合計34チームが出場し、M3リーグクラブ同士のプレーオフを2試合を経て、1回戦は16試合からのスタートとなっています。

FAカップ1回戦は、当初は3月11日から13日にかけて開催が予定されていましたが、新型コロナの影響で中止となった過去2シーズン同様、今季も試合前の検査で陽性反応を示す選手や監督、コーチが続出し、1回戦16試合中、7試合が全てMリーグ1部および2部チームから出た陽性反応者が理由に延期されていましたが、昨日のトレンガヌ対ヌグリスンビラン戦で1回戦が全て終了ました。

2022年3月11日(金)@スルタン・イスマイル・ナシルディン・シャースタジアム(トレンガヌ州クアラトレンガヌ)
クランタン・ユナイテッドFC 4-0 キナバル・ジャガーズ
⚽️クランタン:ハジック・サブリ(35分)、アシラフ・アリフディン・ヤシン(43分)、アミドゥ・サリフ(53分)、ンジョク・ジェイコブ(59分)
🟨クランタン(1):エバン・ウェンズリー
🟨キナバル(1):アイディル・サフィー
MOM:ンジョク・ジェイコブ(クランタン・ユナイテッド)
 クランタン・ユナイテッドの深井脩平選手は先発して、フル出場しましたが、本山雅志選手はベンチ入りしませんでした。

2022年3月11日(金)@MBPJスタジアム(スランゴール州プタリンジャヤ)
スランゴールFC 6-0 ハリニFT
⚽️スランゴール:カイオン3(17分、63分、67分)、ユーリ(29分)、サフアン・バハルディン(42分)、シャヒル・バシャー(47分)
🟨スランゴール(1):サフアン・バハルディン
🟨ハリニ(2):アフィク・アズアン、ティヴァガル・ラジェンドラン
MOM:カイオン(スランゴール)

2022年3月11日(金)@シティスタジアム(ペナン州ジョージタウン)
ペナンFC 4-0 ブキット・タンブンFC
⚽️ペナン:ラファエル・ヴィトール(17分PK)、アリフ・ロムリ(21分)、ラフィウディン・ロディン(64分)、ダニアル・アシュラフ(90+2分)
🟨ペナン(1):ファイルズ・ザカリア
🟨ブキット・タンブン(3):コリブ・マット・ジャイー、ハスヌル・アムラン、ロクマン・リザル
MOM:ハフィズ・ロムリ(ブキット・タンブン_

2022年3月12日(土)@リカススタジアム(サバ州コタキナバル)
サバFC 2-0 レスペクトFC
⚽️サバ:ウマレン・バチョク(50分)、ナジルル・ナイム(87分)
🟨サバ(2):ラウィルソン・バトゥイル、ウマレン・バチョク
🟨レスペクト(2):ユソフ・アブドラ、B・サンジェフ・ディネシュ
MOM:ウマレン・バチョク(サバ)
 サバの加賀山泰毅選手はベンチ入りしましたが、出場はありませんでした。

2022年3月12日(金)@ダルル・アマンスタジアム(クダ州アロースター)
クダ・ダルル・アマンFC 4-0 サインスFC
⚽️クダ:ファイヤド・ズルキフリ2(18分、47分)、アメル・アズハ2(50分、60分)
🟨クダ(0)
🟨サインス(1):イスカンダル・ノーリザム
MOM:ファイヤド・ズルキフリ(クダ)

2022年3月13日(金)@スルタン・イブラヒムスタジアム(ジョホール州州イスカンダルプテリ)
JDT 10-0 BRM FC
⚽️JDT:フェルナンド・フォレスティエリ3(2分、24分、42分PK)、サフィク・ラヒム(7分)、サファウィ・ラシド(20分)、マウリシオ(56分)、ムサ・シディベ(69分PK)、ダリル・シャム(82分)、モハマドゥ・スマレ(89分)、ダニアル・アミル(90+3分)
🟨JDT(0)
🟨BRM(2):ムザイミール・アブドル・ハディ、ハイカル・アフェンディ
🟥BRM(1):ハイカル・アフェンディ(イエロー2枚)
MOM:フェルナンド・フォレスティエリ(JDT)

2022年3月13日(金)@MBPJスタジアム(スランゴール州プタリンジャヤ)
PJシティFC 2-1 クランタンFC
⚽️PJ:ダレン・ロック(24分)、ラジェス・プルマル(79分)
⚽️クランタン:ファデル・アンター(18分)
🟨PJ(3):D・クガン、カラムラー・アル=ハフィズ、マハリ・ジャスリ
🟨クランタン(0)
MOM:ダレン・ロック(PJシティ)

2022年3月13日(金)@KLフットボールスタジアム(クアラルンプール)
KLシティFC 8-0 ランカウィシティFC
⚽️KL:ファクルル・アイマン2(13分、29分)、J・パルティバン(15分)、ザフリ・ヤハヤ(45分)、ジャンカルロ・ガリフオッコ(73分)、ハディン・アズマン(76分)、パウロ・ジョズエ(86分)、ケヴィン・クベンバ(89分)
🟨KL(0)
🟨ランカウィ(1):カイルディン・サレー
MOM:ザフリ・ヤハヤ(KLシティ)

2022年3月23日@KLフットボールスタジアム(クアラルンプール)
サラワク・ユナイテッド FC 7-0 アルティメットFC
⚽️サラワク:ボリス・コック(9分)、ウチェ・アグバ2(51分、71分PK)、ヌル・シャミ(58分)、カイリル・アヌアル(73分)、ザールメイン・アシュラフ(81分)、フランシス・コネ(85分)
🟨サラワク(1):ボリス・コック
🟨アルティメット(0)
MOM:ウチェ・アグバ(サラワク・ユナイテッド)

2022年3月15日@KLフットボールスタジアム(クアラルンプール)
FAM-MSNプロジェクト 5-1トク・ジャングット・ウォリアーズFC
⚽️FAM:ハイカル・サハル3(32分、51分、62分)、シャミル・スライマン(67分)、ウバイドラー・シャムスル(90+1分)
⚽️トク・ジャングット:カイルル・イズアン・ロスリ(18分)
🟨FAM(1):アイクマル・ロスラン
🟨トク・ジャングット(4):ファドヒラー・パウジ、フィクラム・モハマド、ニザド・アユブ、リドワン・デラマン
🟥トク・ジャングット(1):リドワン・デラマン(イエロー2枚)
MOM:ハイカル・サハル(FAM-MSNプロジェクト)

2022年3月23日@KLフットボールスタジアム(クアラルンプール)
PDRM FC 0-2 プルリス・ユナイテッドFC
⚽️プルリス:アズリザン・アフマド(26分)、ファイザル・カディル(90+6分)
🟨PDRM(3):アミル・サイフル、サフワン・ハズマン、アスリ・ムハマド
🟨プルリス(1):ズルヒルミ・ムスタファ
MOM:ハイロル・ファズリーン(プルリス・ユナイテッド)

2022年3月23日@ダルル・マクムルスタジアム(パハン州クアンタン)
スリ・パハン FC 0-0 マンジュンシティFC(PK5-4)
🟨スリ・パハン(1):アシャル・アル=アフィズ
🟨マンジュンシティ(1):ソブリ・ハスリ
MOM:ママドゥ・サマサ(スリ・パハン)

2022年3月31日(木)@サラワク州立スタジアム(サラワク州クチン)
クチンシティFC 2-0 UITM FC
⚽️クチンシティ:シャフィジ・イクマル(56分)、アリフ・ハサン(62分)
🟨クチンシティ(0)
🟨UITM(1):イザック・イズハン
MOM:マズワンディ・ゼケリア(クチンシティ)
 クチンシティの谷川由来選手は先発して、フル出場しています。

2022年3月31日(木)@ペラスタジアム(ペラ州イポー)
ペラFC 1-0 キジャン・レンジャーズFC
⚽️ペラ:ハキミ・マット・イサ(101分)
🟨ペラ(5):イドリス・アフマド。アイマン・カイルル・ユスニ、ナズミ・アフマド、ハキミ・マット・イサ、ロイザット・ダウド
🟨キジャン・レンジャーズ:ズルヒルミ・アワン
MOM:アキル・ヒルマン(ペラ)

2022年3月31日(木)@ハンジェバスタジアム(マラッカ州マラッカ)
マラッカ・ユナイテッドFC 4-0 PIB FC
⚽️マラッカ:エマヌエル・オティ(11分)、アドリアーノ(56分PK)、ノーシャルル・イドラ・タラハ2(60分、76分)
🟨マラッカ・ユナイテッド(0)
🟨PIB(1):イムラン・アリミ
🟥PIB(1):シュクリ・アズマン
MOM:ノーシャルル・イドラ・タラハ(マラッカ・ユナイテッド)

2022年4月29日(金)スルタン・ミザン・ザイナル・アビディンスタジアム(トレンガヌ州ゴンバダ)
トレンガヌFC 2-1 ヌグリスンビランFC
⚽️トレンガヌ:エラルド・グロン(28分OG)、ファイサル・ハリム(38分)
⚽️ヌグリスンビラン:オミド・ナザリ(35分)
🟨トレンガヌ(2):シャールル・ニザム、パペ・ディアキテ
🟨ヌグリスンビラン(1):サイフル・リズワン
MOM:クパー・シャーマン(トレンガヌ)

なお、FAカップ2回戦の組み合わせ抽選は4月27日に既に行われており、対戦カードも以下のように決まっています。

マレーシアFAカップ2回戦日程

5月13日(金)
サバ対クランタン・ユナイテッド@リカススタジアム(サバ州コタキナバル)
5月14日(土)
JDT対サラワク・ユナイテッド@スルタン・イブラヒムスタジアム(ジョホール州イスカンダル・プテリ)
スリ・パハン対FAM-MSNプロジェクト@ダルル・マクムルスタジアム(パハン州クアンタン)
マラッカ・ユナイテッド対PJシティ@ハン・ジェバスタジアム(マラッカ州マラッカ)
ペラ対ペナン@ペラスタジアム(ペラ州イポー)
5月17日(火)
プルリス・ユナイテッド対クチンシティ@トゥンク・サイド・プトラスタジアム(プルリス州カンガー)
7月2日(土)
スランゴール対KLシティ@MBPJスタジアム(スランゴール州プタリンジャヤ)

なお2回戦のもう一つのカード、トレンガヌ対クダは日程が発表になっていません。

4月22日のニュース(2)
J3沼津のハディ・ファイヤッドがマレーシア人選手初のJリーグデビュー
FIBはペラから出されていた時間的猶予を求める申請を承認
シーゲームズ出場の男子フットサル代表候補合宿参加メンバー発表
マレーシアFAカップ2回戦組み合わせ決定

J3沼津のハディ・ファイヤッドがマレーシア人選手初のJリーグデビュー

マレーシアサッカーに新たな歴史が刻まれました。J3のアスルクラロ沼津に所属するマレーシア人FWハディ・ファイヤッドが、マレーシア人選手として初めてJリーグ公式戦に出場しています。

昨日4月21日のJ3リーグ第4節、ヴァンラーレ八戸 vs アスルクラロ沼津の試合が青森県八戸市のプライフーズスタジアムで行われ、背番号27のハディ選手は84分、渡邉りょう選手と交代でこの試合に出場し、マレーシア人選手初のJリーグデビューを飾っています。試合は2-0で沼津が勝利しています。

ハディ選手は2018年12月にMリーグのJDT IIからJ2のファジアーノ岡山に加入し、昨年2020年12月には出場機会を求めて、J3の沼津に期限付き移籍していました。移籍直後の練習中に右膝前十字靭帯を損傷した昨季は治療と回復でシーズンを棒に振ることなりましたが、昨日の試合で待望のJデビューを果たしています。

*****

マレーシアにはいないタイプの大型ストライカーとして期待されるハディ選手は、来月5月にベトナムで開催される東南アジア競技大会通称シーゲームズに出場するU23代表候補にも選ばれています。マレーシアU23代表は6月のAFC U23アジアカップ出場も決めており、一気にアジアの舞台まで駆け上がって欲しいです。

2012年には、マレーシアU22代表でプレーしていたワン・ザック・ハイカルとナジルル・ナイムが、日本と対戦したロンドン五輪最終予選でのプレーを見た当時JFLに所属していたFC琉球と契約しましたが、ワン・ザック選手は佐川印刷SC戦の1試合に出場したのみ、ナジルル選手は怪我のため1試合も出場せずに退団した記録が残っています。

下のハディ選手デビュー戦の映像はJ league InternationalのYouTubeより

FIBはペラから出されていた時間的猶予を求める申請を承認

国内クラブのライセンスなどを交付する第一審機関は、Mリーグ2部プレミアリーグペラから出されていた、新たなオーナー候補との交渉に必要な時間の猶予を求める申請を認めたことを、MFLの公式サイト上で発表しています。

FIBのシーク・モハマド・ナシル委員長は、4月18日にペラから提出されていた期限延長の申請の内容を精査した結果、4月29日まで時間を与えることにしたと説明しています。

この交渉が成立すれば、給料未払いで苦しんでいる選手や監督、コーチにとっても問題解決につながることが期待できることから承認した、とその理由を説明したシーク・モハマド委員長は、4月29日の期限までに交渉が成立しなかった場合には、当初の予定通りより厳格な処分を科すことは変わらないと話しています。

シーゲームズ出場の男子フットサル代表候補合宿参加メンバー発表

マレーシアサッカー協会FAMは公式サイトで、来月5月にベトナムで開催される東南アジア競技大会通称シーゲームズ2021年大会に出場する男子フットサル代表の合宿参加メンバー20名を発表しています。

4月29日から5月2日までFAM本部内のFAMフットサルアリーナで行われる合宿の参加メンバーは、今月タイで行われたアジアサッカー連盟AFFフットサル選手権に出場したメンバー16名に加え、チュー・チャンヨン監督はファリク・カビボル(パハンレンジャーズ)、ヒクマル・フィルダウス(ペナン)、アキル・カリス(クランタン)、ヌル・ハジム・スライマン(PDRM)の4選手を新たに招集しています。

男子フットサル代表は、この合宿で選手が16名まで絞り込まれた後、5月3日にベトナムのホーチミンへ向けて出発します。ホーチミンでは複数の親善試合を行い、5月8日にはシーゲームズが行われるハノイ入りする予定になっています。

シーゲームズの男子フットサルは5月11日から20日にかけて行われ、タイ(5月11日)開催国ベトナム(5月14日)、インドネシア(5月16日)、ミャンマー(5月20日)と1回戦総当たりで対戦します。

2019年大会では男子フットサルは開催されなかったことから、2大会ぶりの開催となるシーゲームズ男子フットサル。マレーシアのクアラルンプールで開催された2017年大会では現メダルを獲得したマレーシア代表ですが、今月初旬に行われたAFFフットサル選手権では、優勝したタイに4-2、準優勝したインドネシアには5-1といずれも敗れ、準決勝進出を逃しています。このAFFフットサル選手権ではベトナム、ミャンマーとも準決勝に進出していることから、シーゲームズでのメダル獲得にはチーム力の大幅なアップが必要です。

代表候補メンバー発表後、チュウ監督はパワープレーの質を上げることが課題である、とマレーシアの通信社ブルナマの取材に答えています。シーゲームズでは追う立場の試合展開となることはAFFフットサル選手権の試合を見ても明らかです。AFFフットサル選手権でも、マレーシアは何度かこのパワープレーを使いましたが、結果として失敗し、逆に失点してしまう場面もあり、今回のシーゲームズで目標とする銅メダル獲得は、このパワープレーの出来次第ということになりそうでうs。

シーゲームズ2021年大会男子フットサル代表候補合宿参加メンバーはこちらです。

マレーシアFAカップ2回戦の組み合わせ決定

マレーシアFAカップの2回戦組み合わせ抽選が行われ、16チーム、8試合のカードが決定しています。

規模を縮小して開催されている今年のマレーシアFAカップには、プレーオフ出場チームを含めて34チームが出場し、チーム内に新型コロナ感染者が出た影響で、今月4月29日に順延されているトレンガヌ対ヌグリスンビランの試合を除き、1回戦が全て終了しています。

1回戦では、Mリーグ3部M3リーグのプルリス・ユナイテッドが2部プレミアリーグのPDRMを破った以外はいわゆるジャイアントキリングはなく、プレミアリーグの4チームと1部スーパーリーグの12チーム(1回戦のトレンガヌとヌグリスンビランを含む)が順当に残っています。

今回行われた2回戦の組み合わせで注目されるのは、1回戦唯一のスーパーリーグクラブ同士の対戦となるトレンガヌ対ヌグリスンビランの勝者対クダのカードでしょう。チーム内に新型コロナ感染者が出たこともあり1勝2敗と開幕ダッシュに失敗した現在10位トレンガヌに対し、1部昇格初年度ながら2勝2分と開幕から無敗の4位ヌグリスンビランの勝者は、現在4勝1敗の2位クダと対戦します。

またスーパーリーグ開幕戦以来となるクランバリーダービーとなったスランゴール対KLシティも盛り上がりそうです。いずれも首都圏クランバリーを本拠地とする両チームの対戦は、2−2と引き分けに終わった開幕戦では、試合後に起きたサポーター同士の小競り合いなどピッチ外での注目も浴びましたが、それだけサポーターも熱くなるカードだということです。

日本人選手がいるチームでは、加賀山泰毅選手が所属するスーパーリーグのサバは、深井脩平、本山雅志両選手が所属するプレミアリーグのクランタン・ユナイテッドと対戦します。また谷川由来選手が所属するクチンシティは、M3リーグで勝ち残った唯一のクラブ、プルリス・ユナイテッドとのマッチアップが決まっています。

FAカップ2回戦は5月13日と14日に開催が予定されています。詳しい日程はこちらです。

3月2日のニュース
マレーシアFAカップのプレーオフと1回戦の日程発表
JDTオーナーはアリフ・アイマンの移籍を容認
Mリーグがキックオフ時間変更後の日程を発表

マレーシアFAカップのプレーオフと1回戦の日程発表

Mリーグを運営するマレーシアンフットボールリーグMFLは公式サイトで今季2022年シーズンのマレーシアFAカップの日程を発表しています。

新型コロナ禍により2020年、2021年は開催されなかったFAカップですが、今季は規模を縮小して開催されます。従来はMリーグ4部に当たるM4リーグのクラブも参加したFAカップですが、今季はMリーグ1部スーパーリーグの12チーム、2部プレミアリーグの7チーム(JDT II、トレンガヌII、スランゴール2はスーパーリーグチームのセカンドチームのため出場権なし)、そしてMリーグ3部に当たるM3リーグの15チームの合計34チームが出場します。

3月6日のプレーオフで開幕する今季のFAカップは、ブキット・タンブンFC対イミグレーションFC、BRM FC対トゥン・ラザクシティFCのM3クラブ同士の対戦で始まり、この2試合の勝者が加わる1回戦は3月11日から15日に開催されます。

マレーシアFAカップのプレーオフと1回戦の日程はこちらです。

JDTオーナーはアリフ・アイマンの移籍を容認

Mリーグ1部スーパーリーグのJDTでプレーするアリフ・アイマンは、現在、国内で最も注目されているマレーシア人選手です。昨季2021年シーズンのリーグMVPを史上最年少の19歳で受賞したアリフ選手は、昨年6月のFIFAワールドカップ2022年大会アジア2次予選や昨年12月の東南アジアサッカー連盟AFF選手権スズキカップ2020にも出場するなど代表キャップ数も7となり、国内サポーターの期待を一身に背負う選手でもあります。

そのアリフ選手について、JDTのオーナーでジョホール州皇太子のトゥンク・イスマイル殿下は選手の成長につながるのであれば、海外移籍を容認する自身のインスタグラムに投稿しています。

「(海外移籍する場合に)どの国のリーグでプレーするかは重要ではなく、選手を成長させてくれるシステムを持つクラブでプレーすることがより重要だ。海外でプレーすること自体に意味があるわけではない。(J3の沼津に所属する)ハディ・ファイアッドや(ベルギー1部KVコルトレイクに所属する)ルクマン・ハキムはどうなっている?」と投稿したイスマイル殿下は、海外移籍を容認しながらも慎重に移籍先のクラブを選ぶ方針を明らかにしています。

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イスマイル殿下が海外移籍を容認しながらも、手放しでそれを認めないのは、一昨年にポルトガル1部のポルティモネンセSCへ期限付き移籍しながら、U23で数試合に出場したもののトップチームでは出場機会に恵まれず帰国したサファウィ・ラシドの二の舞を避けたいということがあるかも知れません。JDTどころかマレーシア代表のエースとして嘱望され、2018年、2019年とリーグMVPを2年連続で獲得したサファウィ選手は、アリフ選手に抜かれるまでは最年少リーグMVP記録を持っていました。しかし昨季は不動の右ウィングのポジションをアリフ選手に奪われたサファウィ選手は、先発出場機会も激減しており、ポルティモネンセSC移籍は明らかに失敗でした。

Mリーグがキックオフ時間変更後の日程を発表

これまでマレー半島部で開催されるMリーグの試合は全て9時キックオフで統一されていましたが、Mリーグを運営するMFLは今季から新たにキックオフの時間を主催クラブが決定できる仕組みを導入しています。これにより、複数の試合が午後8時15分キックオフになることが発表されています。

従来はマレー半島部での試合は午後9時キックオフ(ただし照明施設が不十分なスタジアムは午後4時45分キックオフ)、東マレーシア(ボルネオ島)での試合は午後8時15分キックオフ(ただし照明施設が不十分なスタジアムは午後4時15分キックオフ)で統一されていましたが、3月4日に開幕する今季Mリーグでは、スリ・パハンFC対トレンガヌFC(パハン州クアンタン)が午後8時15分キックオフ、サバFC対ヌグリスンビランFC(サバ州コタキナバル)が午後7時30分キックオフとなることが発表されています。

MFLは今回のキックオフ時間変更について、Mリーグの試合の商業価値を高めることと、新型コロナ禍によって客足が遠のいたスタジアムに再び観客を呼び戻すことが目的としています。

今季の1部スーパーリーグの日程はこちらから、また2部プレミアリーグの日程はこちらからどうぞ。

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午後9時キックオフは平日に試合観戦する場合、帰宅が真夜中近くなることもあり、開始時間が早まることは大歓迎ですが、ボラセパマレーシアが観戦可能なKLシティ、PJシティ、スランゴールはいずれも主催試合11試合中、8時15分キックオフは1から2試合程度しかない上、今年は4月初旬から始まるイスラム教の断食月期間は、さらに時間が変更となり午後10時キックオフと深夜12時過ぎての帰宅が必死のスケジュールは変わっていません。