ニュースというには少し古いですが、来月開幕する2026/27シーズンの情報です。
スーパーリーグ2026/27シーズン参加12クラブが決定
昨季2025/26シーズンは奇数の13クラブが参加したマレーシア1部スーパーリーグですが、8月21日開催の2026/27シーズンの開幕を前に参加12クラブが以下のように決定しています。(*印は、AFC主催大会に出場するためのAFCクラブライセンスも取得しているクラブ)
*ジョホール・ダルル・タジム、*クチンシティ、*スランゴール、クアラルンプールシティ、*トレンガヌ、スターシティ(イミグレセンから改名)、*ヌグリスンビラン、*ペナン、*サバ、DPMM、マラッカ、クランタン・レッド・ウォリアーズ
注:DPMMはブルネイのクラブのため、マレーシアリーグ代表としてAFC大会への出場はできません。
昨季参加の13クラブの内、12位のクランタン・ザ・リアル・ウォリアーズは、リーグ参加に必要な運営資金の保持を証明する書類が用意できなかったことから、スーパーリーグを運営するマレーシアンフットボールリーグ(MFL)の第一審機関(FIB)による審査を通過することができませんでした。この結果、ナショナルクラブライセンスは交付されず、今季のリーグ参加の道が閉ざされました。
残った12クラブの内、マレーシア王立警察(PDRM)を母体とする昨季12位のPDRM FC、入国管理局(イミグレーション)を母体とする同6位のイミグレセン、同4位のクアラルンプールシティ、同11位のマラッカに対して、FIBは書類不備を理由に、追加の書類の提出を求めました。クアラルンプールシティ、イミグレセン、マラッカの3クラブはFIBが設けた期限までに追加書類が提出されたことにより、最終的にクラブライセンスの交付を受けたものの、PDRMは今月に入り、MFLに対してスーパーリーグ参加取りやめを公式に連絡してきたことが報じられています。なお参加取りやめの理由について、MFLは明らかにしていません。
PDRMの参加自体により、今季も再び奇数のクラブ数での試合となることが危ぶまれましたが、昨季3部のA1セミプロリーグで4位に終わったクランタン・レッド・ウォリアーズ、同6位UMダマンサラユナイテッド、同12位ブンガラヤの3クラブもスーパーリーグ入りを目指してナショナルクラブライセンスを申請し、特別クラブライセンスがこの3クラブには交付されていました。そしてこの中から最も運営が安定しているとしてクランタン・レッド・ウォリアーズに1部スーパーリーグ参加資格が与えられたということです。
一般的な昇格システムとマレーシアの特別な事情を説明すると、まず2部に当たるプレミアリーグは現在休止となっており、3部のA1セミプロリーグがマレーシアでは実質2部に当たります。またこのA1セミプロリーグは、スーパーリーグを頂点とするマレーシアサッカーリーグながら、同時にスーパーリーグクラブのU23チームも参加する特殊な構成となっています。昨季のA1セミプロリーグは1位がジョホールII(ジョホールU23)、2位がスランゴールII(スランゴールU23)、3位がクダ州サッカー協会選抜(クダFA)でしたが、ジョホール、スランゴールともトップチームがいるスーパーリーグへの参加は規則上禁じられており、またクダFAはA1セミプロリーグ残留を望んだことから、お鉢が回ってきたのが、クランタン・レッド・ウォリアーズというわけです。
しかし2024年12月に設立されたクランタン・レッド・ウォリアーズは、現在、FIFAから新規選手獲得禁止処分を受けています。これはかつてスーパーリーグに存在していたクランタンFCというクラブが複数の選手や監督、コーチへの給料未払い問題を抱えていたことと関連しています。2023年シーズンには最下位に終わったクランタンFCは、財務上の問題から2024/25シーズンのクラブライセンスの交付を受けられなかったことから、2024年半ばに解散してしまいます。
そのクランタンFCの取締役だったニック・ハフィズ・ナイム・ニック・ハッサン氏が会長となり、2024年12月に設立したのがクランタン・レッド・ウォリアーズでした。しかもそのロゴはクランタンFCと酷似している上、レッド・ウォリアーズという愛称もクランタンFCで使われていたものでした。(ニック・ハフィズ氏はその後、辞任しています。)
その後FIFAは、クランタンFCとクランタン・レッド・ウォリアーズは無関係と主張するニック・ハフィズ氏とクラブに説明を求めました。ニック・ハフィズ氏は、クランタン・レッド・ウォリアーズ設立時には既にクランタンFCの取締役を辞していたこと、レッドウォリアーズという愛称やロゴは「クランタン州のアイデンティティ」を示すものであり、クランタンFC固有のものでない、といった説明を行いましたが、FIFAはこれを不十分だと判断し、一旦は2025年1月に取り消されてた新規選手獲得禁止処分を、あらためてクランタン・レッド・ウォリアーズに科しています。現会長のムハマド・ザキ・ハルン氏は、FIFAの処分解除は近いと楽観視している発言をしていますが、果たしてどうなるのか。
スーパーリーグ2026/27シーズンの日程も発表に
スーパーリーグを運営するマレーシアンフットボールリーグは2026/27シーズンの日程を発表しています。詳しい日程表はこちらから。
前年のリーグ覇者とマレーシアカップ優勝チームが対戦するスンパンシーカップは国内三冠のジョホール・ダルル・タジム(ジョホール)がホームのスルタン・イブラヒム・スタジアムにリーグ2位のクチンシティを迎えて開催されます。スンバンシーカップが変わっているのは、この試合が今季開幕戦も兼ねていて、勝者には勝点3が与えられること。シーズン開幕戦で前年の1位と2位が対戦するリーグが他にあるのかどうかはわかりませんが、この奇妙なカップ戦で、来年5月23日の最終節まで続く今季リーグ戦がスタートします。
スーパーリーグ12クラブと実質2部のA1セミプロリーグの4クラブの合計16クラブが出場するFAカップは8月10日に組み合わせ抽選が行われ、1回戦は9月1日と2日に行われ、そこから来年1月16日に予定されている決勝までリーグ戦の間を縫って行われます。
また今シーズンに第100回大会を迎えるアジア最古のカップ戦の一つ、マレーシアカップは12月31日に組み合わせ抽選が行われた後、来年1月22日に開幕し、5月30日に決勝が予定されています。こちらもFAカップと同じ16クラブによる大会です。
残念なのは、2つのカップ戦がいずれも同じ16クラブのみの大会となっていること。マレーシアカップはいわゆるトップクラブの大会とするとしても、FAカップはその名前からもマレーシアサッカー協会FAM傘下の各州サッカー協会(州FA)に加盟しているクラブに門戸を開いても良いのではと思います。それが無理ならば、A1セミプロリーグを運営するアマチュアフットボールリーグ(AFL)が主催するA1セミプロリーグ、A2アマチュアリーグ辺りまで門戸を開き、彼らもマレーシアサッカーのエコシステムの一員だということを実感させてあげるくらいはできるのではと思ってしまいます。
実際のところ、コロナ禍前の2020年と2019年は59クラブが、2018年には40クラブが、そしてそれ以前も30近くのクラブが出場する大会でした、2024/25シーズンからは16クラブが出場するマレーシアカップとは何の変わり映えもしない大会になってします。
