今日2月17日は旧暦の正月(旧正月)に当たります。この旧正月はマレーシアでは中国正月と呼ばれ、今日17日と18日は国民の祝日に当たります。公立の小中学校は昨日16日から20日までの1週間が休みとなりますが、今年は月曜日に有給を取れば5連休となることもあり、帰省し実家で中国正月を祝う人々の帰省ラッシュで金曜の夜には既に渋滞が報じられています。また今年はイスラム教の断食月(ラマダン)が2月18日か19日に始まることから、中国正月を祝う中華系マレーシア人だけでなく、断食月の初日を実家で迎えようとするマレー系マレーシア人も多くがこの休みを利用して帰省しています。
イスラム暦の9月に当たるラマダン(断食月)入りについて、マレーシアでは本日2月17日から月の観測が開始されることを王室機関の統治者会議が発表しています。 と言うのも、ラマダンは、新月(月が見えない状態)が観測された翌日から始まるからです。17日にマレーシア全土の29地点での目視の観測に基づき最終判断され、新月が観測されれば18日に、されなければ翌19日にラマダン入りとなります。イスラム色の強いクダ州やジョホール州ではラマダンの初日は州の祝日になっている他、今年はマラッカ州もラマダン初日になる可能性が高い19日を公務員の特別祝日にすると発表しています。
*****
閑話休題。2月14日から15日にかけて2025/26マレーシアカップ準々決勝2ndレグの3試合が行われています。(残る1試合のジョホール対マラッカは、ジョホールがACLエリートに出場するため、別日程になっています。)現在、リーグ2位のクチンシティ、3位のスランゴール、4位のKLシティが準決勝進出を果たし、1stレグで大勝したジョホールの準決勝進出も濃厚です。なお準決勝の組み合わせはクチンシティ対スランゴール、ジョホール(おそらく)対KLシティとなっています。
*試合のハイライト映像は、マレーシアンフットボールリーグ(MFL)の公式YouTubeチャンネルより。
スランゴールはヌグリ・スンビランに圧勝でベスト4入り
今季初戦の相手、リーグ11連覇中の王者ジョホール相手に3ゴールを挙げ、続く2戦目では昨季リーグ2位のスランゴールをスーパーサブ常安澪選手の2発で沈めるなど、今季開幕直後の評価が非常に高かったヌグリ・スンビラン。しかし、その一方では下位チーム相手に敗れたり引き分けたりと勝ちきれない試合が続き、不安定なシーズンが続いています。また後半戦に入るとジョホール、スランゴール、クチンシティと上位のチーム相手に僅差であったとはいえ3連敗し、現在は8位になっています。昨季は12位だったことを考えると検討しているともいえますが、期待が高かった分だけ一部サポーターからはニザム・ジャミル監督の交代を求める声も上がり始めるなど、開幕直後の勢いが嘘のようです。
一方のスランゴールは、前述のヌグリ・スンビラン戦を含めた開幕5試合を2勝3敗とスタートダッシュに失敗しました。2位に終わった昨季の途中から指揮をとっていた喜熨斗勝史監督をあっさり解任し、クリストフ・ギャメル監督代行でチームの刷新を図ります。その後のリーグ戦では6勝1分1敗と持ち直したものの、ACL2では1分4敗でグループステージ敗退、FAカップも決勝進出を逃すと、今年1月に前マレーシア代表監督のキム・パンゴン氏を新監督に起用します。するとチームはリーグ戦、マレーシアカップ、そしてアセアンクラブ選手権の合計8試合を6勝2分と立ち直っています。
そんな両チームの対戦は、接戦となった1stレグは違い、双方の勢いの差が如実に現れた試合となりました。トランスファーウィンドウで加入した平野佑一が加入2試合目で初先発したヌグリ・スンビランは、1stレグを0-1で落としていることもあり、アウェイながら試合開始と同時に積極的に攻撃を仕掛けますが、逆にスランゴールがボールを奪うと一気にゴール前まで持ち込み、最後はゴール前で待ち構えていたキャプテンのファイサル・ハリムのゴールで先制します。
この日のヌグリ・スンビランはDF陣とFW陣の間の連携が明らかに悪く、24分には右サイドで全くフリーで走り込んできたアルヴィン・フォルテスに2点目を許します。さらに30分にはペナルティエリアの外からノーア・ライネに落ち着いて狙い澄ましたゴールを決められ、開始30分であっと言う前に3失点してしまいます。さらに前半終了間際にはゴール前でフリーになっていたクエンティン・チェンにヘディングシュートを決められ、まさかの4失点で前半を折り返します。
後半に入ってもスランゴールはクリゴール・モラエスのゴールで追加点を奪うと、ヌグリ・スンビランの反撃をヨヴァン・モティカのPKによる1点に抑えて快勝。クチンシティとの準決勝に駒を進めています。
ヌグリ・スンビランは平野佑一選手が初先発しましたが、これにより佐々木匠選手が中盤よりも前目にポジションを取ることになりましたが、これがあまりうまく機能していないように見えました。また1stレグで正GKのアズリ・ガニがイエローカードをもらい、この試合は警告累積のため出場停止となっていたこともヌグリ・スンビランにとっては痛かった。代わりに出場したGKアキル・アブドル・ラザクは昨季までの正GKとはいえ、アズリ選手が加入した今季はこの試合が2度目の先発と、奮闘はしたもののDF人との連携など安定感不足が否めませんでした。
2025/26マレーシアカップ準々決勝2ndレグ
2026年2月14日@MBPJスタジアム
スランゴール 5-1 ヌグリ・スンビラン(通算成績6−1)
⚽️スランゴール:ファイサル・ハリム(2分)、アルヴィン・フォルテス(24分)、ノーア・ライネ(30分)、クエンティン・チェン(45+2分)、クリゴール・モラエス(66分)
⚽️ヌグリ・スンビラン:ヨヴァン・モティカ(74分PK)
ヌグリ・スンビランの佐々木匠、平野佑一、大城蛍選手は揃って先発し、佐々木選手は前半で交代、平野、大城両選手はフル出場しています。また常安澪選手はベンチ入りしましたが、出場はありませんでした。
国籍偽装が疑われるパルメロの加入後初ゴールなどでクチンシティがDPMMに圧勝
1stレグで既に3−1と勝利していたクチンシティが、新加入したガブリエル・パルメロのマレーシアでの初ゴールなどでブルネイのDPMMに圧勝しています。
前半だけで2点を挙げ、通算成績を5−1としたクチンシティは、今季はリーグ戦15試合で8失点と首位のジョホール(16試合で6失点)に次いで失点が少なく、残る45分で大量失点しない限り準決勝進出が決まります。ガンビア出身の帰化選手ジョーダン・ミンターを先発起用するなど1stレグとはメンバーを変えてこの試合に臨んだアイディル・シャリン監督は、64分には新加入のガブリエル・パルメロを投入します。国籍偽装疑惑によりFIFAから1年間の出場停止処分を受け、所属していたスペイン3部のCDテネリフェから契約解除され、無所属だったマレーシア代表DFパルメロ選手は、スポーツ仲裁裁判所CASが最終決定を下すまでの間の処分の一時停止を受け、試合出場可能になっています。そのパルメロ選手は出場からわずか5分でその期待に答えるようにマレーシアでの初ゴールを決めて、クチンの準決勝進出を決定づけました。
2025/26マレーシアカップ準々決勝2ndレグ
2026年2月14日@サラワク州立スタジアム
クチンシティ 3-1 DPMM(通算成績6−2)
⚽️クチンシティ:ロナルド・ンガ(28分)、ジェイムズ・オクウォサ(43分)、ガブリエル・パルメロ(69分)
⚽️DPMM:ハケメ・ヤジド(52分)
クチンシティの谷川由来選手は先発して、フル出場しています。
2021年以来の優勝を目指すKLシティが辛勝も2年ぶりの準決勝進出
やはり頼りになるのはこの人だった。
トレンガヌのホームで行われた1stレグでは、試合終了間際にニコラオ・ドゥミトリのゴールで1−1に持ち込んだクアラルンプールシティ(KLシティ)。昨季の監督やコーチの給料未払いから今季2度目のトランスファーウィンドウでの新規選手獲得をFIFAに禁止され、開幕からの現有戦力で戦ってきたチームは、なんとかリーグ4位に止まってはいるものの、直近の10試合ではわずか2勝と満身創痍。迎えたこの2ndレグでも、共にチーム2位の4ゴールを挙げているキャプテンで36歳のFWパウロ・ジョズエ、そして34歳のFWクパー・シャーマンは1stレグに続き、ベンチスタートとなりました。
先制したのはトレンガヌでした。20分にペナルティエリアの外からアキヤ・ラシドが放ったミドルシュートは、美しいカーブを描いてゴールイン。虚をつかれたKLシティGKクインシー・カメラードが反応できないほどの素晴らしいゴールでした。
トレンガヌがリードして前半を折り返しますが、追加点が奪えない中、KLシティもトレンガヌGKラーディアズリ・ラハリムが好守を見せて失点を防ぎます。試合がこう着状態となる中、KLシティのリスト・ヴィダコヴィッチ監督が56分にパウロ・ジョズエ、70分にはクパー・シャーマンを投入すると、徐々に流れがKLシティへと動き始め、78分にはそのシャーマン選手からのボールを右サイドのカマル・アジジがゴール前へ送ると、トレンガヌDFアザム・アズミのマークをかわしてゴール。KLシティが試合を振り出しに戻します。
カップ戦のため同点のままならPK戦の可能性が高まった89分、クラブの顔、ミスターKLシティがこの試合に決着をつけました。1点目を挙げたヴィクトル・ルイスが左サイドから切り込み、DFを集めると、ゴール前へ絶妙のパス。これをパウロ・ジョズエが躊躇なく蹴り込むと、これが決まったKLシティがトレンガヌを破り、2年ぶりの準決勝進出を決めています。
2025/26マレーシアカップ準々決勝2ndレグ
2026年2月15日@KLフットボールスタジアム
クアラルンプールシティ 2-1 トレンガヌ
⚽️クアラルンプールシティ:ヴィクトル・ルイス(78分)、パウロ・ジョズエ(89分)
⚽️トレンガヌ:アキヤ・ラシド(21分)
移籍後初先発のムヤギッチのハットトリックでジョホールがマラッカに快勝
他の準々決勝の1stレグが2月6日から8日にかけて行われたのに対し、ACLエリートに出場中のジョホールは2月10日にアウェイでのサンフレッチェ広島戦があったことから、2月13日にマレーシアカップの準々決勝1stレグに臨んでいます。
この試合でジョホールでのデビューを果たしたボスニア出身のFWアイディン・ムヤギッチは今季の前半戦はサバでプレーし、そのサバが決勝でジョホールに敗れたFAカップでは6試合で9ゴールを量産、リーグ戦やマレーシアカップ1回戦なども合わせると、今季は22試合で18ゴールと活躍しました。そのムヤギッチ選手は、今季2度目のトランスファーウィンドウでジョホールへ移籍。そしてこの試合の相手は、マレーシアカップ1回戦でサバが敗れたマラッカでした。
そのムヤギッチ選手は試合開始からわずか5分に先制ゴールを決めると、その2分後には2点目を、そして後半の61分には3点目を挙げて、クラブ史上初となるデビュー戦でのハットトリックを決めています。その後も2点を追加したジョホールはマラッカに5−0と快勝しています。マラッカのホームでの2ndレグは、今日2月17日のACLエリート、ヴィッセル神戸戦後の2月25日に予定されています。
2025/26マレーシアカップ準々決勝1stレグ
2026年2月13日@スルタン・イブラヒム・スタジアム(ジョホール州イスカンダル・プテリ
ジョホール 5-0 マラッカ
⚽️ジョホール:アイディン・ムヤギッチ3(5分、7分、61分)、マヌエル・イダルゴ(73分)、マルコス・ギリェルメ(75分)


