FIFAアセアン杯プレミアディビジョンA組は今日が最終節となる第3節。第2節を終えた時点での順位表は以下のとおりです。勝点4で並ぶマレーシアとインドネシアを勝点差1で追うシンガポールの3チームに決勝進出の可能性が残っています。
FIFAアセアン杯2026 プレミアディビジョンA組順位表(第2節終了)
そして第3節のマッチアップはインドネシア対バングラデシュ、そしてマレーシア対シンガポールのコーズウェイダービーが、それぞれジャカルタとバンドンでいずれも19時30分キックオフとなっていました。
A組1位とB組1位が対戦する決勝進出を果たすためには、各チームとも様々な条件がありました。
・シンガポール:マレーシアに勝ち、インドネシアがバングラデシュと引き分け以下ならば決勝進出。
・インドネシア:バングラデシュに勝ち、さらにマレーシアの得失点差を上回る。
・マレーシア:シンガポールに勝ち、インドネシアより1点多い勝点差を維持する。
そんな状況下で、マレーシアのタン・チェンホー監督は前節のインドネシア戦からは左SBのラヴェル・コービン=オング(ジョホール)と左WGファイサル・ハリム(スランゴール)に代えて、ダニエル・ティン(タイ1部ラーチャブリー)とファーガス・ティアニー(キプロス1部PACオモニア29M)を起用しています。以下がこの試合の両チームの先発XIです。


決勝進出を目指す両チームの対戦は、開始8分にいずれもこの大会初先発のダニエル・ティンのパスに抜け出したファーガス・ティアニーがシンガポールのペナルティエリアにボールを持ち込むと、ライハン・スチュアートがティアニーを倒してしまいます。キム・ジョンヒョク主審がVARを確認してから与えたPKをベルグソン・ダ・シウバが落ち着いてど真ん中から決め、マレーシアが先制します。
しかしシンガポールも韓国出身のソン・ウィヨンや仲村京雅ら帰化選手を中心にマレーシアゴールに迫りますが、GKシーハン・ハズミ(ジョホール)が好セーブを連発してこれを耐え凌ぎます。
シンガポール側に流れが傾きかけた26分、マレーシアはアルゼンチン出身の帰化選手マヌエル・イダルゴ(ジョホール)が左サイドからペナルティエリアにドリブルで持ち込むと、シンガポールDF3人を巧みにかわしてゴール前へパス。これをスチュアート・ウィルキン(ジョホール)が押し込み、マレーシアはリードを2点に広げます。
その後は互いにチャンスを作るもシーハン、そしてシンガポールGKイズワン・マーブドが得点を許さず、前半はマレーシアが2-0とリードして終了します。一方、同時刻にスタートしていたA組のもう一試合、インドネシア対バングラデシュは、前半終了時でインドネシアが6−1とリードしていました。この時点で通算成績はマレーシアが得点5失点0で得失差5、インドネシアは得点8失点1で得失差7となり、インドネシアが暫定首位に躍り出ました。
後半開始とともに、マレーシア、シンガポールの両チームとも積極的にゴールを目指しますが、先に交代のカードを切ったのはシンガポールのギャビン・リー監督でした。56分にグレン・クウェと仲村京雅に代えてファルハン・ズルキフリとジェイコブ・ウィリアムを投入して状況打開を図りますが、62分にはアリフ・アイマンからのパスを受けたベルグソンのゴールでマレーシアの3点目を決め、リードを3点に広げます。
マレーシアのタン監督は68分、クエンティン・チェン(スランゴール)とファーガス・ティアニーに代えて、ハリス・ハイカル(スランゴール)とパウロ・ジョズエ(クアラルンプールシティ)を投入すると、76分には左サイドのアリフからパスを受けたジョズエが左足を一閃。これがゴールとなり、マレーシアは4-0とします。
残り10分を切り、攻撃に振り切ったシンガポールに対し、タン監督は次々とカードを切ります。マヌエル・イダルゴとスチュアート・ウィルキンに代えてCBのウバイドゥラー・シャムスル(トレンガヌ)と守備的MFホン・ワン(ジョホール)を投入、CBディオン・クールズ(C大阪)を中盤に上げ、疲れの見え始めたアリフ・アイマンとの交代で、代表戦初出場となるシャヒル・バシャ(スランゴール)も投入します。しかし、試合時間残り3分というところでシャヒル・バシャがオフサイドトラップを抜け出して5点目を挙げ、さらにアディショナルタイムにはベルグソンが自身初となる代表戦ハットトリックとなる3点目を決めて試合が終了します。
マレーシアの試合が終了した時点でインドネシア戦は7−2のスコアライン。しかもアディショナルタイム2分となっていました。この時点ではマレーシアが9得点0失点で得失差9、インドネシアが9得点2失点で得失差7となっており、マレーシアベンチは大盛り上がりでした。
しかし、後述するようにインドネシアがバングラデシュに9-2で大勝したため、勝点と得失差で並んだものの、総得点数で上回った開催国インドネシアがA組首位となり、10月5日に行われるタイとの決勝に進んでいます。一方のマレーシアは、A組2位となり、おそらく相手がベトナムとなる3位決定戦へと回ります。
コーズウェイダービーがまさかこんな大差で終わるとは思っていませんでしたが、それでも決勝に進出できなかったのは残念です。しかしマレーシア代表はやれることは全てやった結果。残る3位決定戦では、エース不在のベトナム相手に快勝して欲しいところです。
FIFAアセアン杯2026 プレミアディビジョンA組第3節
2026年10月1日@シ・ジャラク・ハルパット・スタジアム(バンドン、インドネシア)マレーシア 6-0 シンガポール
⚽️ ベルグソン・ダ・シルバ 3(8分PK、62分、90+3分)、 スチュアート・ウィルキン (26分)、パウロ・ジョズエ(76分)、シャヒル・バシャ(87分)
シンガポールの仲村京雅選手は先発して56分に交代しています。
FIFAアセアン杯2026 プレミアディビジョンA組第2節
2026年10月1日@ゲロラ・ブン・カルノ・スタジアム(ジャカルタ、インドネシア)
インドネシア 9-2 バングラデシュ
⚽️インドネシア:ミッチェル・ベイカー5(11分、20分、37分、42分、90+7分)、リスキ・リド(32分)、ジャスティン・ハブナー(45+1分)、ルーク・ヴィッカリー (90分)、ケヴィン・ディクス(90+6分)
⚽️バングラデシュ:シャーリアル・エモン(36分)、ファルハーン・アリ・ワヒド(90+1分)
FIFAアセアン杯2026 プレミアディビジョンA組最終順位表
試合後のSNSでは、インドネシア対バングラデシュ戦において、アディショナルタイムが「変更」されたことに対し、疑問の声が上がっています。 テレビの生中継によると、この試合のアディショナルタイムは当初2分と表示されていましたが、後に7分へと変更されたと見られています。 このアディショナルタイムの変更は、当初の2分のままなら終わっていた試合が、90+6分と90+7分に立て続けにインドネシアがゴールを決めた結果、得失差でマレーシアを逆転し、A組を首位で通過して決勝進出を果たしています。 試合中には、試合終盤に両チームの選手間で小競り合いが起きるなど、時間を浪費するような場面がいくつかあったようですので、こういったことが、アディショナルタイムが7分に延長された理由の一つかもしれません。でも、正直モヤモヤします。インドネシアが便宜を図られたとか、バングラデシュが試合を売ったなどというつもりはありませんが、あーモヤモヤする!もちろんマレーシアがバングラデシュ戦で大量得点を挙げておけば良かったことはわかってますが…。

しかし、その一方でインドネシアサポーターの間からは、マレーシアとシンガポールの試合こそ、いわゆる出来レースだったのではないかという疑惑も浮上しています。こちらはインドネシア(FIFAランキング118位)が大勝したのは、バングラデシュ(同181位)が単に弱い格下チームだったことが原因だとし、その一方で、FIFAランキングでは136位のマレーシアと同148位のシンガポールは、コーズウェーダービーと称されるほどライバル意識が強い両チームの試合が6-0の大差がつく方がむしろ不自然という指摘です。




