4月29日のニュース<br>スランゴールがプレシーズン大会優勝+新装MBPJスタジアムの体験レポ

いよいよ今日はU23アジアカップ準決勝、インドネシア対ウズベキスタンの試合が行われます。U23アジアカップ初出場ながら快進撃を続けるインドネシアが、今日の試合に勝って東南アジアからは19オリンピックサッカーへの出場を決めるのことができるのかどうかに注目が集まります。独立前のオランダ領東インドとして1938年大会にアジア初のW杯出場を果たしているインドネシアですが、東南アジアからは1980年のマレーシア以来となるオリンピック出場を果たすことができるのでしょうか。(注:1980年のモスクワオリンピックは、当時のソ連のアフガン侵攻に抗議する形で西側諸国の多くがボイコットし、マレーシアもこれに同調し出場辞退しています。その前の東南アジアからのオリンピック出場は1972年にマレーシアとビルマ(現在のミャンマー)が1972年のミュンヘンオリンピックに出場しています。このとき、マレーシアは西ドイツ、アメリカ、モロッコと同組になり、アメリカには3−0と勝利したものの、西ドイツには0−3、モロッコには0−6で敗れてグループステージ敗退しています。)

スランゴールがプレシーズン大会優勝

4月26日と28日に両日に行われた国際大会で、スランゴールFCが優勝を果たし、賞金1万米ドルを獲得しています。

スランゴールFCのホーム、MBPJスタジアムで行われた国際招待大会「スランゴール・アジア・チャレンジ2024」にはスランゴールFCの他、DPMM FC(ブルネイ)、バレスティア・カルサFC(シンガポール)、ヤング・エレファンツFC(ラオス)が参加し、それぞれが2試合を行いました。

4月26日の第1試合では、バレスティア・カルサFCが田中幸大選手のPKの1点を守り切り、ヤング・エレファンツFCに勝利し、またスランゴールFCは1月のアジアカップにも出場したヨルダン代表MFノー・アル=ラワブデと、今季新加入のカーボベルデ出身FWアルヴィン・フォルテス(タイ1部ラーチャブリーFCから移籍)がそれぞれ2ゴールを挙げてDPMM FCを破っています。

バレスティア・カルサFC対ヤング・エレフェンツFC戦のハイライト映像(アストロ・アリーナのYouTubeチャンネルより)
スランゴールFC対DPMM FC戦のハイライト映像(アストロ・アリーナのYouTubeチャンネルより)

そして昨日4月28日の第1試合ではバレスティア・カルサFCとDPMM FCが対戦しました。ブルネイのクラブながらシンガポール1部のプレミアリーグでプレーするDPMM FCは来月5月に開幕する今季リーグ戦でもこのバレスティア・カルサFCとたいせんします。この試合は連勝して今大会優勝を狙うバレスティア・カルサFCが田中雄大選手の2試合連発となるゴールや杉田将宏選手のゴールでリードしますが、DPMM FCはブルネイ代表でもプレーする21歳のFWハケメ・ヤジドの2ゴールで追いついて前半を終えます。後半に入るとDPMM FCがMFアズワン・アリのゴールで遂に逆転しますが、バレスティア・カルサFCはキャプテン、アレン・コザルのゴールで追いついて、引き分けに持ち込んでいます。

また第2試合では大会ホストのスランゴールFCが、ラオスリーグ2連覇中、しかも2シーズン無敗というヤング・エレファンツFCと対戦しました。かつてクチンシティFCでもプレー経験がある鈴木雄太選手、そして西原拓夢選手と日本人選手2名が在籍するヤング・エレファンツFCを相手に、スランゴールFCはFWアルヴィン・フォルテスの2戦連発となるゴールで先制すると、今季からキャプテンを務めるシンガポール代表のDFサフワン・バハルディンが得意のヘディングシュートを決めて、スランゴールがリードを広げて前半を終了します。後半にはマレーシア代表のエースFWファイサル・ハリム、そして先日のU23アジアカップに出場したものの、良いところがなかったMFシャヒール・バシャーがダメ押しとなる4点目を決めて、スランゴールFCが快勝し、前回大会ではPK戦でバンコク・ユナイテッドに敗れて逃した優勝を果たしています。

*4月28日の試合の映像は後ほどアップロードします。

スランゴールFC対ヤング・エレファンツFC戦の観衆は3,700名とやや寂しかったものの、スランゴールFCにとっては、5月10日に開幕する2024/25シーズンに向けて良い勢いがついた大会となりました。

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今季のACL2にも出場するスランゴールFCは、今季開幕前に本拠地のMBPJスタジアムを改修しています。昨季まで同居していたPDRM FCは、今季の本拠地を同じスランゴール州のスラヤンにあるMBSスタジアム(通称スラヤンスタジアム)に移したため、スランゴールFCのみが使うスタジアムになっています。スタジアム内はチームカラーの赤と黄色を基調に塗り替えられ、座席も一部はコンクリートに直に座る形だったところにも座席が設置されるなど、快適さも増しています。以下の写真はそれぞれ左が改修前、右が改修後です。

スタジアム正面入口はチームカラーの赤に塗られ、表示も変更されています。(ちなみにPetaling Jaya City FCは既にリーグ脱退したクラブです。スランゴールFCは昨季もこのMBPJスタジアムを使って今いたが、Home of Petaling Jaya Cityの看板はそのまま放置されていました。)

スタンド全般は鮮やかな色に塗られ、華やかな雰囲気になっています。

クルヴァに屋根が設置されています。(ただしホームチームのみ)

コンクリート直座りだった席がなくなり、プラスチックの座席が設置されています。

その他に新たな座席も導入されています。これは肘掛けもあって快適でした。

その一方でアジアの大会に出るのであれば改善が必要と考えられる点もあります。まずはマレーシアでは「あるあるネタ」のトイレの汚さ。マレーシアではトイレットペーパーよりも水で洗う方が多く、そのせいからかトイレの床は常に水びたしで衛生感がありません。また、蛇口や便器が破損しているものが放置されたままのものもあり、マレーシア基準では問題なくとも、国際試合を行うのであれば改善して欲しい点でした。

またメインスタンド側では1つしかない売店は常に長蛇の列の上、品揃えが酷く、食べ物はすぐに売り切れ、飲み物はペットボトルを開けてコップに移し替えた炭酸飲料を売るため、炭酸が抜けた砂糖水をつかまされることもあります。同じ首都圏にあるKLフットボールスタジアムはすぐ外にフードトラックが多く出ており、また今季からPDRM FCがホームにするスラヤン・スタジアムも近くにファーストフードやコンビニがあり、持ち込みが可能なのですが、MBPJスタジアムは周りにそういったものがないため、スタジアム内の店が頼りなのでなんとかして欲しいところです。

またこの日は17時キックオフに合わせて16時30分にスタジアムに着きましたが、QRコードのチケットを購入済みでしたが、入り口ではそのチケットを読み込むチケット係がまだ来ていいないと言われて暑い中15分ほど待たされました。しかも結局、時間までに係員が来ず、チケットをスキャンされないまま入場して良いと言われるなど、アジアの大会に出る準備は本当にできてるのだろうか、という思わずにはいられませんでした。

4月26日のニュース<br>マレーシアサッカー協会TDはアジアカップ敗退を「マッチフィットネス」不足が原因と分析<br>トーレスU23代表監督は最終戦の敗因にシーク・イズハンの退場などを挙げる<br>本日開幕のスランゴール・アジア・チャレンジの対戦カード発表

インドネシアの快進撃が止まりません。1月のアジアカップではベスト16進出、そして初出場となったU23アジアカップでは韓国を破ってベスト4に到達しています。その過程ではA代表がアジアカップベスト16で敗れたオーストラリアをU23代表が撃破して、しっかり借りを返すなど両代表監督を兼務するシン・テヨン監督にとっても快心の結果でしょう。FIFAランキングではマレーシアに代わって東南アジア3位となったインドネシアですが、この調子ならまだまだ上には行けそうで、アジアカップではA代表、U23代表ともグループステージを突破できなかったマレーシアとの差はむしろ開くばかりです。

マレーシアサッカー協会TDはアジアカップ敗退を「マッチフィットネス」不足が原因と分析

U23アジアカップでは、0勝3敗、得点1失点6という成績でグループステージで姿を消すことになったマレーシア。この成績に様々なところから様々な意見が出ています。マレーシアの通信社ブルナマによると、マレーシアサッカー協会(FAM)のスコット・オドネルTD(テクニカル・ディレクター)は、今大会のU23代表には「マッチフィットネス」が不足していたことが、今回の結果の主な原因であると分析しているようです。

昨年12月に昨シーズンが終了したものの、マレーシアの国内リーグが秋春制への移行を行っていることもあり、今季の開幕が5月となりリーグ戦がない期間が5ヶ月に及んでおり、U23代表の選手たちはこの大会前に実際の試合に出場する時間が欠けていたことで良い結果が出せなかったと話しています。さらに「(今回のU23代表選手)の昨季の成績を見ると、所属するクラブ(のトップチーム)で出場時間が1,000分を超えているのはGKシーク・イズハン(2,250分-ヌグリスンビランFC)、ムカイリ・アジマル(1,684分-スランゴールFC)、T・サラヴァナン(1,252分-KLシティFC)、サフワン・マズラン(1,063分-トレンガヌFC)4名しかいない。」と、そもそもトップチームでの出場時間が少ない選手が多かったことは大会前から分かりきっていたことにもかかわらず今更ながらに説明しています。

まるで他人事のように説明を終えたオドネルTDは、FAMとしては年代別大会を再編し、若い選手がより多くの出場時間を得られるようにするべきと考えていと述べ、今後はU23代表がFIFA国際マッチカレンダーでより多くの国際試合を経験できるようにしたいとも述べ、国際試合が実現しない場合には代表合宿を行い、監督やコーチが選手の状況をはくできるような機会を設けたいとしています。

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まるで他人事のように分析されてもなぁ。U23アジアカップの日程がわかっていたにもかかわらず、このタイミングでの秋春制移行を一気に行おうとした時点で、試合のない期間が長期に亘り、その結果としてマッチフィットネス不足の問題が起こることは予測できていたはずですが、それをあえて実行した責任者にその理由を問いただしたいところです。しかもオドネルTDが名前を挙げた4選手のうち、シーク・イズハンとT・サラヴァナンは最終戦でやっと出番がまわってきた一方で、ムカイリ・アジマルは最終戦では先発を外れ、サフワン・マズランは初戦のウズベキスタン戦でのケガで、2戦目、3戦目はベンチ外と、この4選手が一堂に顔を合わせることは一度もありませんでした。

またU23アジアカップの最終戦、クウェートU23対マレーシアU23が放送された際には、コメンテーターとしていずれも元代表選手のザクアン・アドハとP・スブラマニアムの両氏もそろって今回のU23代表は明らかに準備不足だと述べ、ザクアン氏はノックアウトステージ進出という目標に対して、それを本当に実現するための準備がなされていなかったと述べ、スブラマニアム氏は(昨季リーグ終了後から)大会までの4ヶ月間、対外試合を行わないなど大会までの準備のプランそのものが失敗だったと述べている場面もありました。

トーレスU23代表監督は最終戦の敗因にシーク・イズハンの退場などを挙げる

一方、マレーシアU23代表のファン・トーレス監督は、最終戦での敗戦について、前半にシーク・イズハンがレッドカードで1発退場となったことを挙げています。マレーシアU23代表はグループステージ最終戦のクウェートU23代表戦にも敗れて、前回2020年大会に続き、グループステージ3戦全敗で大会を終えています。

グループステージ最終戦についてトーレス監督は「この試合を評価するのは難しい。なぜなら、こちらに得点のチャンスがあったのに、予期せぬ状況(GKシーク・イズハンへのレッドカード)によって我々はさらに困難に陥ったからだ」と話しています。。

「その後は、チームは全力を尽くし、ほぼ同点に持ち込むところまでいったものの。そこから選手たちは疲れ始めてしまった。ハーフタイムでは適切なプランを立てよ、選手たちは要求されたことに素晴らしいパフォーマンスを見せたが、最後の局面でのエネルギーが不足していた。」と説明しています。

スランゴール・アジア・チャレンジの対戦カード発表

本日4月26日(金)と28日(日)の2日間で開催される「スランゴール・アジア・チャレンジ2024」は、スランゴールFCが主催する域内のクラブを招待して行われるプレシーズン大会です。4年ぶり2回目となる今大会には、ヤング・エレファンツFC(ラオス)、DPMM FC(ブルネイ)、バレスティア・カルサFC(シンガポール)の3チームがスランゴールとともに出場しますが、その対戦カードが発表になっています。(出場各チームの簡単な紹介はこちらにまとめました。)

4月26日(金)
バレスティア・カルサFC対ヤング・エレファンツFC(17時キックオフ)
スランゴールFC対DPMM FC(21時キックオフ)

4月28日(日)
DPMM FC対バレスティア・カルサFC(17時キックオフ)
スランゴールFC対ヤング・エレファンツFC(21時キックオフ)

今大会は勝利チームに勝点3、引き分けの場合は両チームに勝点1が与えられる他、1ゴール当たりさらに勝点1が与えられ、各チーム2試合を終えて勝点が最も多いチームが優勝となります。また勝点で並んだ場合には得失差が大きいチームが優勝、さらに得失差でも並んだ場合にはファールの少ないチームが優勝となることも発表されています。

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この大会に向けて今季使用のユニフォームなども発表したスランゴールFCですが、今回の対戦カードを見て気になったのは、スランゴールFCがバレスティア・カルサFCと対戦しないことでした。DPMM FCは、ブルネイリーグではなく、シンガポール1部のプレミアリーグに所属しており、バレスティア・カルサとは5月に開幕する2024/25シーズンでも対戦することから、この2チームが対戦するカードではなく、スランゴールFCが対戦しても良かったのではないかとも思います。ちなみに昨季のシンガポールリーグではバレスティア・カルサのリーグ4位(勝点36)の成績に対し、DPMM FCは7位(同23)だったので、スランゴールFCはあえてバレスティア・カルサFCとの対戦を避けたのでは、という気もします。

4月24日のニュース<br>U23アジアカップ-マレーシアは3戦全敗でグループリーグ敗退

U23アジアカップ2024はグループステージが終了しました。東南アジアから出場した4ヶ国では、ベトナムとインドネシアがいずれもグループ2位でベスト8に進んだ一方で、タイとマレーシアはいずれもグループ最下位で敗退しています。

年始のアジアカップから始まり、2026年W杯予選、そしてこのU23アジアカップまで続いたマレーシア代表の一連の試合はここで一旦終了し、ここから国内サッカーファンの関心は、5月10日に開幕する今季2024/25シーズンのマレーシアスーパーリーグへと移っていきます。

ただし試合後にはマレーシアサッカー協会(FAM)やU23代表を非難する投稿がSNSに散見し、現在の育成方法や外国籍選手枠、さらには帰化選手獲得の是非など、今後のマレーシアサッカーを大きく変える可能性もある様々な意見も飛び交っています。これについては、どこかのタイミングでボラセパマレーシアJPの意見も書いてみたいと思っています。

U23アジアカップ-マレーシアはクウェートにも敗れて3戦全敗でグループステージ敗退

初戦のウズベキスタン戦、2戦目のベトナム戦といずえrも0−2で敗れたマレーシアは、すでにグループステージ敗退が決定しており、第3節はやはここまで2連敗のクウェートとの対戦となりました。

試合前のマレーシアメディアの取材に対して、このクウェート戦ではここまで出場がない選手の起用も考えていると話していたフアン・トーレス監督ですが、ムハマド・カリル(スランゴールFC)は警告累積のため出場停止、サフワン・マズラン(トレンガヌFC)は初戦のウズベキスタン戦でのケガから回復せず、という状況で、この試合では大会初出場となるシーク・イズハン(ペナンFC)をGKに起用するなど5名の選手をベトナム戦から入れ替えています。FWはファーガス・ティエニーと今大会初先発となるダリル・シャムのジョホール・ダルル・タジムFC II(JDT II)コンビが2トップ、中盤は左右のサイドハーフにルクマン・ハキム(J3 Y.S.C.C)とハキミ・アジム(KLシティFC)中央にはシャヒール・バシャーとノーア・レインのスランゴールFCコンビが入っています。DFは左からウマル・ハキーム(JDT II)、ハリス・ハイカル(スランゴールFC)、ウバイドラー・シャムスール(トレンガヌFC)、アイマン・ユスニ(ペラFC)、そしてGKは今大会初先発のシーク・イズハン(ペナンFC)という布陣です。なおファーガス・ティエニー、ノーア・レイン、ハリス・ハイカル、ウバイドラー・シャムスールの4名が3戦連続の先発となっています。

下は試合前に並んだこの日の先発XI
前列左からウマル・ハキーム、アイマン・ユスニ、ダリル・シャム、ルクマン・ハキム、ノーア・レイン
後列左からウバイドラー・シャムスール、シャヒール・バシャー、ハキミ・アジム、ファーガス・ティエニー、シーク・イズハン、ハリス・ハイカル
(写真提供:植田朝日様)

いずれもここまで未勝利ということもあってか、試合開始からよく言えば勝ちに貪欲な、悪く言えばなりふり構わないプレーが見られる両チームでした、最初に見せ場を作ったのはマレーシアでした。3分にはダリル・シャムのシュートが惜しくもGK正面となり、15分には自陣でボールを持ったウマル・ハキームが中央をドリブルで上り、クウェートDFの間を通すパス。これを受けたルクマン・ハキムが放ったシュートが相手ゴールネットを揺らしたものオフサイドの判定でした。逆にクウェートもその2分後にゴールラインに近い左サイドからクロスを上げ、これをタラール・アル=カイシがダイレクトで合わせるもゴールポストの上を超えていきます。

誤算だったのは36分にケガのためダリル・シャムが交代、さらに44分にはGKシーク・イズハンが自陣へのロングボールをペナルティエリアの外でクリアしようとしてサルマン・アル=アワディと交錯した結果、1発レッドとなってしまいます。(シーク・イズハンは担架で退場)1人少なくなったマレーシアはここでルクマン・ハキムに代えてGKフィルダウス・イルマン(ペラFC)を起用し、ルクマンのU23アジアカップ挑戦はここで終わってしまいます。

そして前半ロスタイムにはマレーシアのペナルティエリア内でウマル・ハキームがタラール・アル=カイシを倒してしまいます。VARが入り、これがPKとなると、キャプテンのサルマン・アル=アワディが決めて、クウェートが先制します。前半を0−1で折り返した試合は、後半の60分に左サイドのスルタン・アル=ファラジュのクロスにタラール・アル=カイシが頭で合わせて強烈なヘディングシュートを叩き込み、クウェートはリードを2点と広げます。しかしその3分後にはノーア・レインからのロングボールを受けたハキミ・アジムがクウェートDFをかわして今大会チーム第1号となるゴールを決め、マレーシアは1点差に詰め寄ります。

84分にはクウェートのサルマン・アル=アワディがウマル・ハキームへの危険なタックルはVARによる検証の結果、レッドカードとなりクウェートも10人となったものの、マレーシアはこれを生かせずこのまま1−2で敗れています。

この試合の映像(スタジアム・アストロのYouTubeチャンネルより)

AFC U23アジアカップ2024 グループステージD組第3節
2024年4月23日@アル・ジャヌーブ・スタジアム(アル・ワクラ、カタール)
クウェートU23代表 2-1 マレーシアU23代表
⚽️クウェート:サルマン・アル=アワディ(45+14分PK)、タラール・アル=カイシ(60分)⚽️マレーシア:ハキミ・アジム(63分)
🟨クウェート(2):ファイサル・アル=シャティ、カレド・アル=ファドリ
🟨マレーシア(4):ウバイドラー・シャムスル、ムカイリ・アジマル、ハキミ・アジムアイマン・ユスニ、ハリス・ハイカル
🟥クウェート(1):サルマン・アル=アワディ
🟥マレーシア(1):シーク・イズハン

全勝同士の対戦となったグループ1位D組のもう1試合は優勝候補のウズベキスタンがベトナムを3-0で破っています。この結果、D組を1位で突破したウズベキスタンはC組2位のサウジアラビアと、またD組2位となったベトナムはC組1位のイラクと、それぞれベスト8で対戦し、勝利すれば2024年パリオリンピック出場に王手がかかります。

AFC U23アジアカップ2024 グループステージD組第3節
2024年4月23日@カリファ国際スタジアム(アル・ライヤーン、カタール)
ウズベキスタンU23代表 3-0 ベトナムU23代表
⚽️ウズベキスタン:アリシャ・オディロフ2(4分、40分)、ルスランベク・ジヤノフ(36分)
🟨ウズベキスタン(1):サイダザマト・ミルサイドフ
🟨ベトナム(2):グエン・ドゥック・ヴィエット、グエン・ホン・フク

勝点
1ウズベキスタン3300111109
2ベトナム32015416
3クウェート310249-53
4マレーシア300316-50

4月23日のニュース<br>前スランゴール監督のタン氏がタイリーグ移籍後初勝利<br>佐々木匠選手所属のヌグリスンビランがアズミ新監督の就任を発表-これで全クラブの監督が決定

昨日、KLフットボールスタジアムで行われたプレシーズンマッチの連邦直轄地大臣杯KLシティFC対ヌグリスンビランFCは、今季2024/25シーズンからマレーシアスーパーリーグ(MSL)で運用が始まるVARの試験運用も行われました。MSLは今季は4セットの移動式VAR設備を用意して、試合ごとにこの設備を移動してVAR判定を行うことを発表しています。昨日の試合は私も観戦しましたが、テレビなどでは見たことがあっても実際にVARが運用される試合を見たのは初めてでしたので、色々と興味深い点がありました。下はMSLを運営するマレーシアンフットボールリーグ(MFL)のロゴが貼られたトラック。おそらくこれがVAR設備を運ぶトラックと思われます。

KLフットボールスタジアムには一応電光掲示板がありますが、この試合ではそれとは別に仮設のスクリーンが設置され、スコアの他、以下のようなVARによる判定が行われていることが告知されました。(後ろの黒いものが従来の電光掲示板で、その前に仮設スクリーンが設置されています。)

VARが入ると以下のような説明が出ますが、このスクリーンを使ってのリプレイなどは表示されず、観客は最終的な判断が下されるまで、ただただ待たされることになりました。他の国も同じようなものなのでしょうか。

なおこの日の試合では、今季からKLシティFCでプレーする代表MFブレンダン・ガンがマレーシアリーグにおけるVAR判定からのレッドカード退場第1号となりました。またこの試合を見ていた周りの反応ですが、ピッチ上で何かしらの接触プレーがあるたびに「VARで確認しろ!」と声が挙がっていたり、VAR判定を待つ間の時間が長く、「遅いぞ!」という声も聞こえていました。実際、この試合は前半のロスタイムが13分、後半も10分と明らかにVARの影響が見てとれました。試験運用ということで、ピッチ上の審判もVARルームの審判も皆さんが手探りだとは思いますが、今週と来週に行われるプレシーズンマッチでの試験運用を経て、5月10日の開幕戦、ジョホール・ダルル・タジムFC対スランゴールFC戦からVARの正式運用がマレーシアでも始まります。

前スランゴール監督のタン氏がタイリーグ移籍後初勝利

今年2月にスランゴールFC監督を辞任しタン・チェンホー氏は、タイ1部ポリス・テロFCの監督に就任しました。就任時は5勝4分10敗と低迷していたクラブではあったものの、前マレーシア代表監督でもあったタン監督就任以来0勝2分3敗と勝星に恵まれていませんでした。

しかし4月20日に行われた第25節、ホームのウタイターニFCで1-0と勝利し、監督就任以来の初勝利を挙げています。ロスタイムの90+3分にタイ代表でもプレー経験があるベテランMFエッカチャイ・スムレイがこの試合途中出場ながらゴールを決めたポリス・テロFCは今季通算4勝目を挙げ、チームも最下位から1つ順位を上げて15位としています。

今季残り5試合となったタイ1部リーグは次節第26節が今週末に行われますが、現在15位のポリス・テロFCは最下位のトラートFCとの対戦が控えており、4月に入って未勝利のこのトラートFCを破れば、降格圏脱出も見えてきます。

この試合のハイライト映像。タイリーグ公式YouTubeチャンネルより’
佐々木匠選手所属のヌグリスンビランがアズミ新監督の就任を発表-これで全クラブの監督が決定に

今季2024/25シーズンのスーパーリーグに参加する13クラブの内、唯一、監督が決まっていなかったヌグリスンビランFCはアズミ・アジズ新監督の就任をクラブ公式SNSで発表しています。ヌグリスンビランFCは、昨年12月のリーグ終了後、K・デヴァン監督が退任して以来、監督が空席となっていました。

49歳のアズミ新監督は、2017年と2018年にはクダFA(当時、現クダ・ダルル・アマンFC)でコーチを務め、2020年から2022年まではヌグリスンビランFCのプレジデントカップチーム(U21チーム)を率いた経験もあります。2023年はPDRM FCの監督としてシーズンをスタートし、14試合を終えて6勝1分7敗の8位だった8月3日、マレーシアカップ1回戦スランゴールFC戦を前に「休養」が発表されて、話題になりました。クラブが設けていた前半戦で勝点15の条件なども達成しており、アズミ監督自身も「休養」の理由がわからないとメディアに打ち明けるなど、報道を見る限りではなんとも不可解な「休養」でした。なおPDRM FCはアジズ監督の後を継いだエディ・ガピル監督代行、そしてユヌス・アリフ監督が指揮を取った残り12試合は5勝3分4敗の成績を残した結果、昨シーズンは8位に終わっています。

4月21日のニュース<br>U23アジアカップ-マレーシアはベトナムにも敗れてグループステージ敗退決定<br>スランゴールFC主催の「スランゴール・アジア・チャレンジ2024」の出場チーム発表

U23アジアカップ-マレーシアはベトナムにも敗れてグループステージ敗退決定

XIグループステージD組第1節を終えてグループ首位のベトナムと対戦するマレーシアのフアン・トーレス監督は、0-2で敗れたウズベキスタン戦の先発から3名を入れ替えています。ファーガス・ティエニー(ジョホール・ダルル・タジムFC -JDT II)のワントップからムカイリ・アジマル(スランゴールFC)とのツートップとし、その後ろに左からルクマン・ハキム(J3 Y.S.C.C.)、ノーア・レインとムハマド・カリリ(いずれもスランゴールFC)、ナジムディン・アクマル(JDT II)を中盤に配置、そして4バックには左にウマル・ハキーム(JDT II)、センターバックはウバイドラー・シャムスル(トレンガヌFC)とハリス・ハイカル、そして右にはジクリ・カリリ(いずれもスランゴールFC)の2−2−4いう布陣を選択しています。

U23代表同士の対戦では2013年の東南アジア大会を最後にベトナム戦では勝利がないマレーシアですが、6分には左サイドをナジムディン・アクマルからムカイリ・アジマルとつなぎ、ムカイリからゴール前のルクマン・ハキムへクロスを送りますが、これはオフサイドの判定。一方のベトナムも17分に左サイドからクロスに合わせたシュートを放ちますが、これもやはりオフサイドでした。その後もマレーシアは高い位置でのプレスでベトナムからボールを奪う機会を作るものの、精度の低いパスなどのせいでシュートまで持ち込むことができません。

そして39分にはウバイドラー・シャムスルがヴォー・グエン・ホアンを押し倒してペナルティエリアの外やや右サイドでPKを与えてしまいます。これをクアット・ヴァン・カンが見事なカーブを描くシュートを左足から放つと、飛び込んだGKアジム・アル=アミンの指先をかすめてゴールに吸い込まれ、ベトナムが先制します。

前半は共にイエロー3枚をもらったベトナムとマレーシアですが、マレーシアは後半に入っても積極的に仕掛けますが、パスを受ける選手がゴールに背を向けた状態であることが多く、結局、後ろや横へのパスに終始し、そこが起点になかなかななず、さらにパスミスを奪われてカウンターのピンチにも直面します。

そんな中で、前半で得点につながるPKを与えたウバイドラー・シャムスルが、今度はカウンターからの速攻を止めようとして、今度はブイ・ヴィ・ハオを自陣ペナルティーエリア内でを倒してPKを与えてしまいます。これをヴォー・ホアン・ミン・コアゴール左隅に決決めて、ベトナムがリードを2点に広げます。ここからマレーシアのフアン・トーレス監督は、ノーア・レイン以外の中盤3人に交代カードを切りますが、代わって入ったシャヒール・バシャー、ハキミ・アジム、アリフ・イズワンらもこの状況を変えるには至らず、このまま試合終了。2戦連続の完封負けでマレーシアはグループステージ敗退、一方のベトナムはベスト8進出を決めています。

この試合のハイライト映像。スタジアム・アストロのYouTubeチェンネル

AFC U23アジアカップ2024 グループステージD組第2節
2024年4月20日@カリファ国際スタジアム(アル・ライヤーン、カタール)
マレーシアU23代表 0-2 ベトナムU23代表
⚽️ベトナム:クアット・ヴァン・カン(39分)、ヴォー・ホアン・ミン・コア(60分PK)
🟨ベトナム(3):ホー・ヴァン・クン、ヴォー・グエン・ホアン、グエン・マイン・ハング
🟨マレーシア(4):ムハマド・カリル、ウバイドラー・シャムスル、ムカイリ・アジマル、ハキミ・アジム

グループ1位D組のもう1試合は優勝候補のウズベキスタンがクウェートを5-0と一蹴し、グループステージ突破を決めています。4月23日の最終節では同じく全勝のベトナムとグループ1位突破をかけて対戦します。

AFC U23アジアカップ2024 グループステージD組第2節
2024年4月20日@アル・ジャヌーブ・スタジアム(アル・ワクラ、カタール)
クウェートU23代表 0-5 ウズベキスタンU23代表
⚽️ウズベキスタン:アリベク・ダブロノフ(32分)、ムハマドコディル・ハムラリエフ(49分)、ディヨール・ホルマトフ(86分PK)、ホジマト・エルキノフ(55分)、クサイイン・ノルチャエフ(90+6分)
🟨クウェート(4)
🟨ウズベキスタン(1)
🟥クウェート(1)

勝点
1ウズベキスタン22008176
2ベトナム22005146
3マレーシア200204-40
4クウェート200218-70
スランゴールFC主催の「スランゴール・アジア・チャレンジ2024」の出場チーム発表

今季開幕を5月10日に控え、スランゴールFCはプレシーズンマッチの一環として4年ぶりの開催となる「スランゴール・アジア・チャレンジ2024」の開催を発表していましたが、その詳細がクラブ公式サイトで発表されています。

今回の大会は4月26日と28日の2日間に渡り、スランゴールFCのホーム、MBPJスタジアムで開催されますが、今回はスランゴールFC以外の参加3チームが発表されています。

ヤング・エレファンツFC(ラオス)
ラオスのヴィエンチャンを本拠地とする2015年創設のクラブで、2022年にラオス1部リーグを13勝5分0敗で初優勝すると、翌2023年も12勝2分0敗で連覇を果たし、過去2シーズンは国内リーグ無敗を継続中。

バレスティア・カルサFC(シンガポール)
シンガポールプレミアリーグのクラブで、前身のファトゥル・カリブは今から126年前の1898年創設の東南アジア最古のサッカークラブ。 その後名称を変えたバレスティア・セントラルFCとクレメンティ・カルサFCが2002年に合併し、現在のクラブとなった。ホームのトア・パヨー・スタジアムは、かつてバレスティア・セントラルがホームとしていた。監督は2017年から2021年までマレーシアサッカー協会(FAM)のテクニカル・ディレクターを務めていたオランダ出身のピーター・デ・ルー氏で、在籍選手には、FW深代陸、MF杉田将宏の両選手に加え、ライオン・シティー・セイラーズから移籍した2022年のシンガポールリーグ最優秀選手の田中幸大選手の日本人選手3名もいる。昨季2023年シーズンは4位。

ドゥリ・プンギラン・ムダ・マコタFC(ブルネイ・ダルサラーム)
ボルネオ島にある小国ブルネイ・ダルサラームのバンダル・スリ・ブンガワンを本拠地とする2000年創設のクラブ。クラブ名のドゥリ・プンギラン・ムダ・マコタはマレー語で皇太子を意味し、オーナーはハサナル・ボルキア国王の長男で皇太子のアルムタデー・ビラ殿下。2005から2008年まではマレーシアリーグに所属していたクラブで、2009年からはシンガポールリーグに所属しており、直近では2019年にリーグ優勝を果たしている。昨季2023年シーズンはシンガポールプレミアリーグ7位(9チーム中)

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コロナ禍前の2020年1月に開催された前回大会は、ハノイFC(ベトナム)、バンコク・ユナイテッドFC(タイ)、プルシブ・バンドン(インドネシア)の3チームが出場し、決勝ではバンコク・ユナイテッドFCがスランゴールFCをPK戦で破って、優勝賞金1万米ドルを獲得しています。直近のFIFAランキングではタイ、ベトナム、インドネシアが東南アジアトップ3ですが、前回大会と違い、これらの国のクラブが1つも出場しない今大会はやや寂しい気もしますが、秋春制移行のため、この時期がプレシーズンとなってしまっているマレーシアに対して、タイ、ベトナム、インドネシアはいずれも現在リーグ戦真っ盛りということもあり、招待が難しかったのでしょう。

4月20日のニュース<br>クダFCが未払い給料を完済し予定通り今季リーグに参加<br>クランタンDN FCには韓国出身のパク新監督が就任<br>MFLは今季導入のVARのテストをプレシーズンの8試合で実施<br>サッカー協会がプロ審判養成機関を発足

インドネシアの北スラウェシ州ルアン島にあるルアン山が17日夜に大規模噴火し、翌18日に東マレーシア(ボルネオ島)の空港を発着するほとんどの航空便が欠航となっています。  ルアン島はマレーシアからはおよそ800km離れていますが、航空機の運行に支障をきたす可能性がある火山灰雲がサバ州のコタ・キナバル飛行情報地域内で観測されたことから、今回の欠航となったということです。  
 また別の報道ではマレー半島と東マレーシア間の航空便の運行が正常化するまでに数週間かかる可能性があるとされており、5月10日に開幕するマレーシアスーパーリーグで東マレーシアに本拠地を持つサバFCとクチンシティFCの試合日程に影響が及ぶことも心配されます。

クダFCが未払い給料を完済し予定通り今季リーグに参加

昨季の給料未払い問題により今季のクラブライセンス取り消しの可能性もあったクダ・ダルル・アマンFC(クダFC)が、支払い期限となっていた4月20日を前に未払い分を完済したとマレーシアの通信社ブルナマが報じています。

未払い給料問題の解決が遅れ、今季2024/25シーズン開幕を前に勝点3剥奪と5万リンギ(およそ160万円)の罰金処分が科されていだクダFCですが、シャールル・サムスディンCEO代行は、トップチームの他、U23のクダFC B、U19のクダFC Cなど全てのチームとスタッフへの未払い給料が支払われたことを明らかにしています。

クランタンDN FCには韓国出身のパク新監督が就任

今季2024/25シーズンに臨むスーパーリーグの13クラブでは、ヌグリスンビランFCとクランタン・ダルル・ナイムFCの監督(クランタンDN FC)が決まっていませんでしたが、4月19日にクランタンDN FCは、韓国出身で元韓国代表のパク・ジェホン監督の就任を発表しています。マレーシアの通信社ブルナマによれば、46歳のパク監督は今年2月にクランタンDN FCとの契約に合意し、イスラム教の断食月ラマダン明けにはチームに合流する予定だったものの、様々な理由から現在まで発表されずにいたということです。なおパク監督は、今月23日にクランタンDN FCの本拠地があるクランタン州コタ・バル入りする予定だということです。

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パク監督のクランタンDN FC監督就任が発表されたことで、スーパーリーグ13チーム中12チームの監督が決定していますが、その出身は、マレーシア6名(スランゴールFC、サバFC、クダ・ダルル・アマンFC、PDRM FC、ペナンFC、ペラFC)、シンガポール2名(スリ・パハンFC、クチン・シティFC)、クロアチア2名(トレンガヌFC、KLシティFC)、アルゼンチン1名(ジョホール・ダルル・タジムFC)、韓国1名(クランタン・ダルル・ナイムFC)となっています。

MFLは今季導入のVARのテストをプレシーズンの8試合で実施

マレーシアスーパーリーグを運営するマレーシアンフットボールリーグ(MFL)は、今季から導入されるビデオアシスタンレフリー(VAR)をプレシーズンとして行われる8試合で試験運用することを発表しています。

MFLのスチュアート・ラマリンガムCEOは、この試験運用期間にVARの問題点を運営上の発見し、5月10日のリーグ開幕までに修正したいと話しています。またスチュアートCEOはMFLが所有するVAR機材は4セットであるとして、今季は1日あたり最大3試合開催とし、その3試合でVAR機材を使用し、1セットは予備の機材として確保する予定であることも明らかにしています。また東マレーシアを本拠地とするサバFCとクチン・シティFCが同時にホームで試合を開催する場合には、VARが運用されるのは1試合となると説明し、VARが採用されないリーグ戦もあると話しています。

またMFLは来季2025/26シーズンに向けて、追加で最低でも6セットのVAR機材を購入する予定があるということですが、今季のVAR機材購入に既に600万リンギ(およそ1億9000万円)を投資している他、その運用にも300万リンギ以上かかると説明しています。

なおMFLが発表しているVAR試験運用が行われる試合は以下の通りです。
1. KLシティFC対ヌグリスンビランFC(4月22日、KLフットボール・スタジアム)
2. クランタン・ダルル・ナイムFC対スリ・パハンFC(4月24日、スルタン・ムハンマド4世スタジアム)
3. ペラFC対クダ・ダルル・アマンFC(4月27日、ペラ・スタジアム)
4. PDRM FC対KLシティFC(4月27日、スラヤン・スタジアム)
5. スリ・パハンFC対トレンガヌFC(4月28日、テメルロー・スタジアム)
6. クダ・ダルル・アマンFC対ペナンFC(4月30日、ダルル・アマン・スタジアム)
7. トレンガヌFC対クランタン・ダルル・ナイムFC(5月3日スルタン・ミザン・ザイナル・アビディン・スタジアム)
8. ペナンFC対ペラFC(5月4日、シティー・スタジアム)


サッカー協会がプロ審判養成機関を発足

マレーシアサッカー協会(FAM)は高い技術を持った審判を養成し、国際試合でも審判を務めることができる人材を育成するためのプロ審判養成期間を発足させたことを、公式サイトで発表しています。

FAMのS・シヴァスンドラム副会長は、女性3名を含む30名が一期生として入学し、2025年まで研修を受けると説明しています。「FAMが厳選した若く、将来性のある20歳から32歳までの一期生たちは、フィットネス、健康状態、審判技術、英語力などを9つのモジュールで学ぶ。またこの30名の中から5名はVARや、アシスタント・ビデオ・アシスタント・レフェリー(AVAR)やリプレイ・オペレーター(RO)となるための研修を受けるということです。

なおマレーシア国内には、既に資格を持つ22名のVARと20名のAVARがいるということです。

4月18日のニュース<br>U23アジアカップ-マレーシアは優勝候補ウズベキスタンに完敗<br>ブキ・ジャリルの張り替え用芝をジョホールオーナーが再び寄贈

今朝のマレーシアの国内スポーツメディアはいずれも、レアル・マドリードが延長でマンチェスター・シティーを破ってチャンピオンズリーグ準決勝を決めた試合を大きく報じています。そしてその次に来ているのはアル・ヒラルがACL準決勝で敗れて連勝記録ストップのニュース。どうも昨夜のU23代表戦の結果は国内ではさほど需要は多くないようです…。

U23アジアカップ-マレーシアは優勝候補ウズベキスタンに完敗

グループステージD組の初戦で対戦するウズベキスタンは、2018年大会優勝、2020年大会ベスト4、そして前回2022年大会準優勝という成績を残し、今大会でも優勝候補の一角です。そんなウズベキスタンとの対戦に、マレーシアのフアン・トーレス監督は、センターフォワードのファーガス・ティエニー(ジョホール・ダルル・タジムFC -JDT II)の後ろに左からルクマン・ハキム(J3 Y.S.C.C.)、ムカイリ・アジマル(スランゴールFC)、アリフ・イズワン(スランゴールFC)を配置、中盤にはノーア・レインとシャヒール・バシャーのスランゴールFCコンビ、そして4バックには左からサフワン・マズラン、センターバックのウバイドラー・シャムスル(いずれもトレンガヌFC)、ハリス・ハイカル、ジクリ・カリリ(いずれもスランゴールFC)という1-3-2-4という布陣を選択しています。なお先発11名中、7名がスランゴールFCという布陣です。

キックオフ直後にチャンスを得たのはマレーシアでした。立ち上がりから前線がプレスをかけると、開始1分にゴール前の混戦から出たこぼれ球をルクマン・ハキムがペナルティーエリアの外からボレーでシュートがしますが、これはバーの上を超えてしまいますが、前半のマレーシアの’シュートはこの1本だけでした。さらに7分には右サイドを上ったジクリ・カリリからパスを受けたムカイリ・アジマルが最高のクロスを出すも、ゴール前に走り込んだルクマンより早くウズベキスタンDFサイダザマト・ミルサイドフがクリアするなど絶好機を逃したことが、後々まで響くことになります。

その直後にはペナルティエリア内でドリブルしようとしたところを味方と交錯してボールを奪われたシャヒール・バシャーがルスランベク・ジヤノフ倒してPKを与えてしまいます。これをキャプテンのジャスルベク・ジャロリディノフが決めてウズベキスタンが先制します。

マレーシアは意図的に引いて守った訳ではなかったものの、縦へパスを通すこともできず、自陣でのボール回しに終始させられてしまいます。前半は押し込まれる場面が多く、ウズベキスタンのDFラインもマレーシア陣内までフリーでボールを持ち込み、高い位置で展開されてしまう場面が少なくありませんでした。

それでも前半を0−1で凌いだマレーシアは、後半開始とともにナジムディン・アクマル(JDT II)、ムハマド・カリル(スランゴールFC)を投入して、状況打開を図ります。しかし83分にそのムハマド・カリルが出した不用意なパスをカットされ、ウルグベク・ホシモフに2点目となるゴールを決められると万事休す。

シュート数は前半がウズベキスタン9(枠内4)、マレーシアが1(同0)、後半はウズベキスタン10(同2)、マレーシア1(同0)と、マレーシアにほぼチャンスを与えなかったウズベキスタンが勝点3を獲得しています。マレーシアの次戦はクウェートを破ったベトナムとの対戦(4月20日)ですが、その試合で敗れれば、マレーシアは早くもグループステージ敗退が決まります。

この試合のハイライト映像。アストロ・アリーナのYouTubeチャンネルより

AFC U23アジアカップ2024 グループステージD組第1節
2024年4月17日@カリファ国際スタジアム(アル・ライヤーン、カタール)
ウズベキスタンU23 2-0 マレーシアU23
⚽️ウズベキスタン:ジャスルベク・ジャロリディノフ(11分PK)、ウルグベク・ホシモフ(83分)
🟨ウズベキスタン(0)
🟨マレーシア(2):シャヒール・バシャール、サフワン・マズラン、ムハマド・カリル、アリフ・ジクリ

勝点
1ベトナム11003123
2ウズベキスタン11002023
3クウェート100113-20
4マレーシア100102-20

D組のもう1試合はベトナムがクウェートに逆転して勝点3を挙げています。レッドカードが目立つ今大会ですが、この試合でも両チームにレッドカードが出ています。

AFC U23アジアカップ2024 グループステージD組第1節
2024年4月17日@アル・ジャヌーブ・スタジアム(アル・ワクラ、カタール)
ベトナムU23 3-1 クウェートU23
⚽️ベトナム:グエン・ヴァン・トゥン(45+1分)、ブイ・ヴィ・ハオ2(47分、76分)
⚽️クウェート:サルマン・アル=アワディ(45+9分PK)
🟨ベトナム(2):ホウ・ヴァン・クオン、グエン・ミン・クアン
🟨クウェート(3):アブドルラーマン・カラム、ユスフ・アル=ハカン、タラール・アル=カイシ
🟥ベトナム(1):グエン・ノック・タング
🟥クウェート(1):イブラヒム・カミール

ブキ・ジャリルの張り替え用芝をジョホールオーナーが再び寄贈

半年を超える改修工事を経て開場したブキ・ジャリル国立競技場は、大型コンサートの会場となったことで、改修工事の際に張り替えた芝が禿げるなどピッチの状態が悪く、各方面から非難を受けています。

先月行われた2026年W杯アジア2次予選のオマーン戦でも土がむき出しになっている部分も見られたことから、ジョホール・ダルル・タジムFC(JDT)のオーナーで、ジョホール州摂政のトゥンク・イスマイル殿下は、マレーシア政府青年スポーツ省のハンナ・ヨー大臣、AFCのウインザー・ジョン事務局長との話し合いの結果、現在JDTのU23チーム、JDT IIの本拠地、タン・スリ・ダト・ハジ・ハサン・ユノス・スタジアム(通称ラーキン・スタジアム) で養生中のハイブリッド芝をブキ・ジャリル国立競技場に寄贈することをJDTの公式SNSで明らかにしています。

「W杯予選後のブキ・ジャリル国立競技場のピッチの状況を精査した結果、(現在使用している高麗芝の一種のゼオン・ゾイシア芝ではなく)ハイブリッド芝を使う方が、(スポーツだけでなくスポーツ以外の)多目的で使用されるピッチではより耐久性が高いと考えられる。そこでイスマイル殿下はラーキン・スタジアムで養生中のハイブリッド芝を寄贈することにした。」というJDTの公式SNSに投稿に続き、現在、ブキ・ジャリル国立競技場で使われているゼオン・ゾイシア芝は、隣接する国立スポーツ評議会(NSC)のグラウンドに移設されることも明らかにしています。

なお、今回移設されるゼオン・ゾイシア芝も元は、従来のカウグラス(アカツメクサ)のピッチでは、国内サッカーのレベルが上がらないと憂慮したイスマイル殿下が寄贈したものでした。

またこのハイブリッド芝の敷設が行われる場合、芝が根付くまでに時間がかかれば、2016年W杯アジア2次予選最終戦となる6月の台湾戦がブキ・ジャリル国立競技場で開催されない可能性も浮上しています。マレーシアサッカー協会(FAM)のフィルダウス・モハメド副会長は、代替会場としてJDTのホーム、スルタン・イブラヒム・スタジアムとトレンガヌFCのホーム、スルタン・ミザン・ザイナル・アビディン・スタジアムを挙げていますが、6月の台湾戦はリーグ期間中で、しかも代表チームの半数近くがJDTの選手となる可能性が高いことから、スルタン・イブラヒム・スタジアムが有力だとボラセパマレーシアJP的には考えますが、果たしてどうなるでしょうか。

4月17日のニュース<br>リーグ覇者ジョホールは2週間のスペインキャンプへ出発<br>KLシティにモンテネグロ出身DFアドリアン・ルトヴィッチが加入<br>クダにはブラジル出身の長身CBクレイトンが加入<br>KDN FCは上限の9名の外国籍選手を獲得も監督は未定<br>スランゴールは4年振りに「アジアチャレンジ」開催

4月15日に開幕したU23アジアカップでは、東南アジア勢では既にインドネシア、タイが試合を行い、インドネシアはカタールに0-2で敗れた一方で、タイはイラクを2−0で破る好発進を果たしています。そして本日は同じ予選D組に入っているマレーシア、ベトナムの両チームが登場し、それぞれウズベキスタン、クウェートと対戦します。マレーシアはこのD組ではアンダードッグ的な位置付けですので、まずは優勝候補の一角、ウズベキスタンに大敗しないことだけを期待したいです。

また国内に目を向けると、今季開幕まで1ヶ月を切ったこともあり、各クラブが最後の戦力補強に忙しく、プレシーズンマッチも増えてきました。

リーグ覇者ジョホールは2週間のスペインキャンプへ出発

5月10日の今季スーパーリーグ開幕まで1ヶ月を切りましたが、リーグ10連覇中の王者ジョホール・ダルル・タジムFC(JDT)は、スペインでのプレシーズンキャンプに出発しています。過去数年間はアラブ首長国連邦(UAE)でプレシーズンキャンプを行ってきたJDTですが、今年は新たなキャンプにスペインを選び、地中海に面したリゾート地バレンシア州ベニドルムにあるメリア・ヴィライタナ・フットボール・センターの施設を使い、2週間のプレシーズンキャンプを行うとともに、7試合の練習試合を予定しているということです。

2年振りの復帰となったエクトル・ビドリオ監督はトップチームの他、U23チームであるJDT IIからも数名を今回のキャンプに参加させていますが、その中で注目を集めているのがDFフィルダウス・ラムリとFWガブリエル・ニールストロイです。22歳のフィルダウス選手は、JDTとマレーシア代表で不動の左サイドバックを務めるラヴェル・コービン=オングの後継者と目され、サラワク州出身で23歳のニールストロイ選手は昨季のU23リーグ、MFLカップ19試合で13ゴールを挙げています。

JDTは、今季は国内リーグ11連覇がかかる他、今季から新たなフォーマットとなったACLエリート(ACLE)もあり、上記の若い選手はもちろん、MFジャリル・エリアス(シリア、アルゼンチン1部サン・ロレンソから加入)、MFフランシスコ・ジェラウデス(ポルトガル、UAE1部バニーヤースSCから加入)、FWニコラオ・ドゥミトル(イタリア、タイ1部ブリーラム・ユナイテッドから加入)ら新戦力と現有戦力との融合などが今回のキャンプの目的となります。

KLシティにモンテネグロ出身DFアドリアン・ルトヴィッチが加入

給料未払い問題が解決し、FIFAによる新規選手獲得禁止処分が解けたKLシティFCは、モンテネグロ出身のDFアドリアン・ルドヴィッチの加入をクラブ公式SNSで発表しています。

28歳のルドヴィッチ選手は身長187cmのCBで、モンテネグロ1部のFKスティエスカ・ニクシチからの加入し、これまではモンテネグロの他、ギリシャ1部のパンセライコスでプレー経験があるものの、アジアでのプレーは今回が初めてです。このFKスティエスカ・ニクシッチでは、直近では22試合中14試合に先発、3試合に途中出場という成績がトランスファーマルクトに掲載されています。

KLシティは、昨季途中に加入したクロアチア出身の長身CBマトコ・ジルダムが退団しており、リーグとカップ戦合わせて出場した22試合中、18試合に先発フル出場したジルダム選手の穴を埋めることが急務でした。

KLシティは同じCBのジャンカルロ・ガリフオコ(オーストラリア)、DMFセバスチャン・アヴァンジニ(イタリア)、AMFパトリック・ライヒェルト(フィリピン)の外国籍選手3名が昨季から残留しています。

クダにはブラジル出身の長身CBクレイトンが加入

今月初めの段階では、ともに給料未払い問題を抱えていたKLシティFCとクダ・ダルル・アマンFC(クダFC)ですが、KLシティは既にこの問題が解決しています。一方、クダFCは今月20日までに未払い給料の完済あるいは完済までの明確な方針を表す書類の提出を求められており、この期限を過ぎた場合には、クラブライセンスを交付する第一審機関(FIB)はクダFCの今季のクラブライセンスを取り消す可能性を示唆しています。そんな中で、クダFCは今季開幕に向けて積極的な補強を進めていますが、さらに190cmの長身CBホセ・クレイトン・ドス・サントスの加入を発表しています。

ブラジルのイパチンガFCから加入した31歳のクレイトン選手は、ポルトガル、カタール、アラブ首長国連邦でもプレー経験ありますが、昨季のクダFCでチーム最多の25試合に出場(全て先発)したセルビア出身のCBボヤン・シーゲル(ウズベキスタン1部ネフチに移籍)の退団による穴を埋めることが期待されています。なおカタールで在籍したアル・カルディーヤSCでは、今季同じクダFCでプレーするハビブ・ハルーン(バーレーン)ともチームメートだったようです。

クダFCは今日からトレンガヌFCがU23チームのトレンガヌIIとともに主催するプレシーズン大会の「アガルボム・パフォーマンス・カップ」にペナンFCとともに出場しますが、クレイトン選手はこの大会でお披露目となりそうです。

KDN FCは上限の9名の外国籍選手を獲得も監督は未定

クランタン・ユナイテッドFCから改名したクランタン・ダルル・ナイムFC(KDN FC)は、新たに3名の新外国籍選手加入を発表しています。1人目は西アフリカにあるギニア・ビサウ出身のFWPヴァルドゥ・テで、2022年にはJ3の今治FCでもプレー経験もあります。26歳のテ選手はポルトガルや日本でプレーした後、中国に渡り、中国2部の延辺竜井FCから加入し、トランスファーマルクトによると昨季は25試合で3ゴールとセンターフォワードとしてはやや寂しい成績を残しています。

2人目は主に左ウィングでプレーするコンゴ民主共和国出身のチャドラック・ルコンベで、モロッコ1部のRSベルカンヌか加入し、昨季は24試合で4ゴール2アシストという記録が残っています。また同じ左ウィングではボリビア出身の23歳デヴィッド・リべラもボリビア1部のロイヤル・パリFCから加入しています。リベラ選手の直近の成績は25試合(先発7試合)で得点なしという記録です。

KDN FCはパレスチナ代表MFオデイ・ハロウブやチェコ出身の長身CBミハル・イエジャーベックの他、20代前半の若い韓国出身選手4名の加入を発表しており、この3選手の加入で、外国籍選手が登録上限の9名となったKDN FCですが、その一方で今季指揮を取る監督が未だ発表されていません。

スランゴールは4年振りに「アジアチャレンジ」開催

今季のACL2への出場を決めているスランゴールFCは、4年振りとなるミニ大会「アジアチャレンジ」を開催するようだとスポーツ専門サイトのスタジアム・アストロが報じています。

改装が終わったMBPJスタジアムのお披露目も兼ねて行われる今大会は東南アジア各国の優勝チームを招いて行われるプレシーズンマッチとなっています。既に1次キャンプをバンコクで終えているスランゴールFCが主催するこの大会は、4月26日と28日の両日に行われるということです。

前回大会は2020年にシャー・アラム・スタジアムを会場にハノイFC(ベトナム)、プルシブ・バンドン(インドネシア)、バンコク・ユナイテッドFC(タイ)をマネ艇行われ、この時は当時は細貝萌選手が在籍していたバンコク・ユナイテッドFCとスランゴールFCが決勝で対戦し、PK戦でバンコク・ユナイテッドが勝利し、優勝賞金1万米ドルを獲得しています。

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今回の大会には昨季のラオス1部リーグ優勝チーム、ヤング・エレファンツFCが出場するという話もあり、近いうちに他の出場チームも発表になりそうです。

4月13日のニュース<br>15日開幕のアジアカップに出場するマレーシアU23代表メンバー決定

15日開幕のアジアカップに出場するマレーシアU23代表メンバー決定

マレーシアサッカー協会(FAM)は、来週4月15日に開幕するAFC U23アジアカップ2024に出場するマレーシアU23代表の最終メンバー23名を発表しています。GK3名、DF7名、MF7名、FW6名という編成で、スランゴールFCからの8名を筆頭にペラFCとジョホール・ダルル・タジムFC U23(JDT II)からそれぞれ3名 、スリ・パハンFC、トレンガヌFC、からそれぞれ2名、そしてジョホール・ダルル・タジムFC、KLシティFC、ペナンFC、ヌグリスンビランFCからそれぞれ1名で、国外組はJ3のY.S.C.C.でプレーするルクマン・ハキムのみとなっています。

なおAFCの大会公式サイトでは出場各チームの選手リストが公開されており、まれーしあU23代表のページにはクダ・ダルル・アマンFCのアイマン・アフィフが背番号20で掲載されていますが、アイマン選手は先日のカタールU23代表との練習試合でケガを負ったということで、代わってヌグリスンビランFCのDFアズリン・アフィクの名前がFAM発表のリストには含まれています。またこのアズレン選手が急遽、カタールに向けて出発したことを、スポーツ専門サイトのスタジアム・アストロが報じています。

2024年4月 AFC U23アジアカップ2024 マレーシアU23代表メンバー
*背番号はAFC公式サイトを参考にしています。

No.P氏名年齢所属
1GKフィルダウス・イルマン23PRK
16GKアジム・アル=アミン23SEL
23シーク・イズハン22PEN
2DFアイマン・カイルル・ユスニ22PRK
3DFウバイドラー・シャムスル21TRE
5DFハリス・ハイカル22SEL
14DFジクリ・カリリ22SEL
19DFサフアン・マズラン22TRE
20アズリン・アフィク22NSE
21DFサイフル・ジャマルディン22SRP
4MFムハマド・アブ・カリル19SEL
6MFナジムディン・アクマル21JDT II
7MFムカイリ・アジマル23SEL
12MFノーア・レイン22SEL
13MFウマル・ハキーム22SEL
17MFシャヒル・バシャー23SEL
18MFダリル・シャム22JDT
8FWT・サラヴァナン23SRP
9FWアリフ・イズワン20SEL
10FWルクマン・ハキム22YSCC
11FWアリフ・ジクリ22PRK
15FWファーガス・ティアニー21JDT II
22FWハキミ・アジム21KLC
チーム名:JDT-ジョホール・ダルル・タジム、JDT II-ジョホール・ダルル・タジムII(U23)、TRE-トレンガヌFC、PRK-ペラFC、SEL-スランゴールFC、SRP-スリ・パハンFC、PEN-ペナンFC、NSE-ヌグリスンビランFC、YSCC-J3 Y.S.C.C.

なお4月1日にカタール入りしたマレーシアU23は、現地での練習試合では中国U23に1-2で、カタールU23には0-1で敗れています。なお今回のアジアカップ2024でマレーシアはウズベキスタン、ベトナム、クウェートと同じD組に入っていますが、初戦となる4月17日の試合で対戦するウズベキスタンU23は、マレーシアU23が敗れた中国U23を2−0で破り、カタールU23とは1-1の引き分け後、2-1と破っており、初戦から厳しい試合となりそうです。

初戦のウズベキスタンU23戦は4月17日21時から、2戦目のベトナムU23戦は4月20日21時からいずれもカリファ国際スタジアムで、3戦目のクウェートU23戦は4月23日23時30分からアル・ジャヌーブ・スタジアムで開催されます。(時間は全てマレーシア時間)

4月10日のニュース<br>今季のマレーシアスーパーリーグ前半戦の日程がついに発表<br>3部のM3リーグも今季参加の16チームを発表-あわやスーパーリーグ入りだったプルリス・ユナイテッドがまさかの出場辞退<br>ジョホールが今季のサードユニフォームを発表<br>アジアカップ出場のU23代表は大会前最後の練習試合でカタールに惜敗

今日はイスラム教の断食月ラマダンが明けた祝日ハリ・ラヤ・アイディルフィトリ(ハリ・ラヤ・プアサ)です。月の満ち欠けを基準にしているヒジュラ暦(イスラム暦)の1日は日没で始まり、日没で終わりますが、昨日の日没後に三日月が目視されたことでヒジュラ暦で9番目の月に当たるラマダンが終わり、本日4月10日がハリ・ラヤとなることが国王の代理人である統治者の印章の管理人より全国向けのテレビ放送で発表されています。

このハリ・ラヤを出身地に戻って祝うイスラム教徒も多く、またこういった人々のために一昨日と昨日は政府が国内の有料道路を無料にしたこともあり、地方出身者が少なくないクアラ・ルンプールは人も交通量も激減しています。国民の祝日となるのは今日と明日ですが、今週末までは国内が祝日気分となります。

今季のマレーシアスーパーリーグ前半戦の日程がついに発表

マレーシアスーパーリーグを運営するマレーシアンフットボールリーグ(MFL)が5月10日に開幕する今季2024/25シーズンの前半戦となる第13節までの日程を公式サイトで発表しています。

5月10日の開幕戦は昨季王者でリーグ10連覇中のジョホール・ダルル・タジムFC(JDT)対昨季2位のスランゴールFCが対戦します。この試合は英国のチャリティーシールド、現在のFAコミュニティーシールドを模したスンバンシーカップとして行われますが、 本家とは異なりリーグ戦の一環として行われ、試合会場も本家は1974年以降はウェンブリースタジアムなど中立地で行われていますが、スンバンシーカップは、前年のリーグ王者の本拠地で開催される点が異なり、今回はJDTのホーム、スルタン・イブラヒム・スタジアムで開催されます。

翌5月11日と12日には第1節の残り5試合が行われ、そのカードは11日が鈴木ブルーノ選手が所属するPDRM FC対クダ・ダルル・アマンFC、スリ・パハンFC対クランタン・ダルル・ナイムFC、トレンガヌFC対ペラFC、サバFC対ペナンFC、そして12日にはKLシティFC対谷川由来選手が所属するクチンシティFCとなっています。なお今季のスーパーリーグは13チーム編成で、毎節1チームは試合がありませんが、第1節は佐々木匠選手が所属するヌグリスンビランFCの試合がありません。

ただし13チームの中で、昨季の給料未払い問題が解決していないクダ・ダルル・アマンFCは今月20日までに未払い給料を完済するか、完済までの予定を選手とクラブとで合意することを求めており、これが実現しない場合にはスーパーリーグ出場に必要なクラブライセンスの取り消し処分を科すとしており、その結果12チーム編成となったには全日程の見直しを行うことも併せて発表しています。

また第13節が開催されるのが10月18日から20日までと、5ヶ月間かけて各チームが12試合を行うという緩やかな日程について、MFLは6月に予定されている2026年W杯アジア2次予選の他、JDTが出場するACLエリートやスランゴールが出場するACL2(いずれも9月開幕)、トレンガヌFCとKLシティFCが出場する新設の東南アジアアサッカー連盟AFFクラブ選手権ショッピーカップ(7月開幕)などで、出場チームに負担がかからないような日程としていることを説明しています。

また今季からスーパーリーグにも導入されるVARについても、MFLは常設ではなく、試合ごとに機材を移設する方法で行うことを発表しており、その機材も4会場分しか用意していないことを明らかにしており、その移動も考えた上で過密日程を避けているようです。

なお現時点で発表されているスーパーリーグの日程はこちらです。

3部リーグ参加の16チームをAFLが発表-あわやスーパーリーグ入りだったプルリス・ユナイテッドがまさかの出場取り止め

国内3部以下のセミプロリーグを運営するアマチュアフットボールリーグ(AFL)は今季の3部リーグに出場する16チームを公式サイトで発表しています。昨季に続きMBSB銀行が冠スポンサーとなる3部リーグはMBSB銀行チャンピオンシップ2024/25(MBC2024/25)の名称で開催され、昨季の13チーム編成から16チーム編成へと拡大し、開幕が6月1日となることも発表されています。

今季参加する16チームは昨季のトップ3であるイミグレセン(入国管理局)FC、KLローヴァーズFC、ハリニ・スランゴールFTを筆頭に、ブキット・タンブンFC、マレーシア大学、マンジュンシティFC、PIBシャー・アラムFC、マラッカFC、国軍FCの9チームが昨季に引き続き参加します。

なお昨季5位のサインスFC、8位のプルリス・ユナイテッドFC、12位のサラワク・ユナイテッドFC、13位のナガ・アルティメットKSFCの4チームは運営資金不足などの問題から今季の出場を辞退しています。

また昨季は4部のアル・イクサン・カップに参戦した、ブンガ・ラヤFC(本拠地はヌグリスンビラン州スンダヤン)YPM FC(同パハン州クアンタン)、UITMユナイテッド(同スランゴール州シャー・アラム)、マチャンFC(同サラワク州シブ)の4チームの他、プトラジャヤ・アスレチックFC(同プトラジャヤ)、ゴンバックFA(同スランゴール州ゴンバック)、そして昨季は1部スーパーリーグ所属ながら、給料未払い問題が未解決なことから今季のクラブライセンスを交付されず、スーパーリーグに出場できなくなったクランタンFCが新たに今季のMBC2024/25に参加します。

またAFLは今季より3部リーグの正式名称がM3リーグからA1セミプロリーグ、4部のM4リーグはA2リーグ、そして5部のM5リーグはA3コミュニティリーグと変更されることも発表しています。

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一時は1部スーパーリーグ入りも検討されたプルリス・ユナイテッドFCは資金上の問題から3部リーグ出場を取りやめています。当初は資金的に問題なしというプルリス・ユナイテッドFCの説明を信じ、1部入りの可能性を検討したMFLの見識が疑われますが、そこはマレーシア。誰も気にしないでしょう。2023年の1部スーパーリーグと2部プレミアリーグの合併により、現在は2部プレミアリーグが休止している国内リーグでは、A1セミプロリーグとリブランディングされた3部リーグが実質的には2部リーグとなります。コロナ禍による資金面の格差をなくすため2020年シーズンからは外国籍選手の出場が認められていなかった3部リーグですが、今季はその制限も撤廃されることが発表されており、各クラブがどんな選手を獲得するかで昨季とは全く違った形のリーグとなりそうです。

ジョホールが今季のサードユニフォームを発表

国内リーグ10連覇中で、しかも2年連続で国内タイトル総なめと国内では向かう所敵なしのジョホール・ダルル・タジムFC(JDT)が、今季のサードユニフォームを発表し、早速、シンガポールのライオンシティセイラーズFCとの練習試合でも着用しています。

マレーシアでは唯一、ナイキ社製のユニフォームを採用しているJDTですが、今回のサードユニフォームは蛍光色のような緑と黄色の中間の色で、胸スポンサーは昨季同様、クラブ独自の通貨ファントークンの発行と販売ができるプラットフォームを運営するSocios.comと提携しているJDTファントークンとなっています。

このサードユニフォームは本拠地のスルタン・イブラヒム・スタジアム内に新たに開店したグッズショップのJDTダイレクトメガストアーで既に販売されおり、価格は189リンギ(およそ6000円)といことです。

2020年からアラブ首長国連邦(UAE)のドバイでプレシーズンキャンプを行ってきたJDTですが、今季はキャンプ地にスペインを選択しており、このサードユニフォームは、来週4月14日から30日までJDTがスペインで行う練習試合で着用されることになっています。また例年だとホームとアウェイのユニフォームはプレシーズンキャンプから戻ってから発表されていることから、今季のユニフォームも4月30日以降に発表となりそうです。

アジアカップ出場のU23代表は大会前最後の練習試合でカタールに惜敗

今月15日にカタールのドーハで開幕するAFC U23アジアカップに出場するマレーシアU23代表は、4月7日に大会前の最後の練習試合となるカタールU23代表線に臨み、0-1で敗れています。

マレーシアは、1-2で敗れた4月4日の中国U23代表戦と同様に、この試合でも前半ロスタイムにPKを与えた結果、これをFWアフメド・アル=ラウィ(カタール1部アル・ラーヤンFC)に決められた失点で敗れてています。

マレーシアサッカー協会(FAM)が映像を公開した試合後の会見で、マレーシアU23代表のフアン・トーレス監督は、カタールU23代表の早い試合運びとフィジカルの両面で前半は圧倒されたと説明した一方で、後半は相手のペースに反応できていたと述べ、初戦となる4月17日のウズベキスタンU23代表戦までの時間でチームを仕上げたいとしています。

U23アジアカップではD組に入っているマレーシアは、4月17日のウズベキスタン戦の後は、20日にベトナムと、23日にクウェートと対戦します。グループステージを突破してベスト8入りを今大会の目標としているマレーシアは、グループステージで2位以内になる必要があります。