2026/27シーズンのマレーシアスーパーリーグが8月21日に開幕しました。ここから2027年5月までの10ヶ月間に渡る長丁場で、ジョホールを止めるチームが出るのかどうか。(望み薄ですが…。)今季もボラセパマレーシアJPでは、毎節の試合結果とハイライト映像を投稿します。(試合のハイライト映像はマレーシアンフットボールリーグの公式YouTubeチャンネルより)
スンバンシーカップはジョホールがクチンを圧倒
マレーシアリーグの開幕戦は謎の カップ戦「スンバンシーカップ」で始まります。日本で言えば現在の「富士フィルムスーパーカップ」にあたるこのカップ戦は、マレーシア独自のルールがあります。それはこの試合がリーグ戦の第1節として行われ、勝者には通常のリーグ戦同様、勝点3が与えられることです。さらにこのカップ戦は中立地ではなく、前年リーグ王者の本拠地で開催されます。なお、マレーシア語のスンバンシーとは「貢献」の意味で、これはこの大会が英国のチャリティーシールド(現FAコミュニティーシールド)を模しているからです。
現在、スーパーリーグ12連覇中のジョホールはマレーシアカップでも4連覇中のため、過去3シーズンのスンバンシーカップでジョホールがホームで前年リーグ2位のチームと対戦する図式になっています。今季もジョホールの対戦相手は昨季2位のクチンシティです。
しかしこの日の試合は、ジョホールにとってはもう一つ重要なことがありました。現在、スーパーリーグで108試合連続無敗と圧倒的な成績を収めるジョホールですが、コートジボアール(アイボリーコースト)リーグのASECミモザというクラブが1989年から1994年にかけて、やはり108試合連続無敗という記録を持っています。ジョホールがこの日のクチンシティ戦で負けなければ、世界記録更新となります。この記録にどれほどの価値があるかはわかりませんが、世界の注目集めたいクラブとしては、この記録更新は悲願でもあり、試合前からSNS上で熱心に告知されていました。
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試合の方は、ブラジル出身で昨季の得点王FWベルグソン・ダ・シルバ、アルゼンチン出身のMFマヌエル・イダルゴ、オーストラリア出身のCBシェーン・ローリーが、今季からマレーシア国籍取得、そしてマレーシア人選手登録となったことで、先発XIは以下のようになっています。ちなみに昨季リーグ最優秀選手賞受賞のMFアフィク・ファザイルはベンチスタートと、国内リーグMVPでもジョホールでは先発の保証がないようです。
マレーシア人選手(国内生まれ、国内育ち)2 GKシーハン・ハズミ MFアリフ・アイマン
ヘリテイジマレーシア人選手(マレーシアにルーツを持つ選手)2 MFナチョ・メンデス(スペイン出身だが祖父がマレーシアのペナン出身とされているも公式発表なし) DFブラッド・タップ(オーストラリア出身だが祖父母がマレーシア出身とされているも公式発表なし、ニューカッスル・ジェッツより加入)
帰化マレーシア人選手(5年以上マレーシアリーグでプレー)1 FWベルグソン・ダ・シルバ(ブラジル出身)
アセアン枠外国籍選手2 DFアントニオ・グラウデル(スペイン出身) DFオスカル・アリバス(スペイン出身) *ともに「フィリピン国籍」を持つとしてアセアン枠で登録。ただし両選手ともフィリピン代表としての試合出場経験ゼロ
無条件外国籍枠4 MFマルコス・ギリェルメ(ブラジル出身) DFケビン・メディナ(コロンビア出身、アゼルバイジャン1部カラバフより加入) MFデヤン・ペトロヴィッチ(クロアチア1部HNKリエカより加入、元スロベニア代表) MFマティアス・ナウエル(スペイン出身、イスラエル1部マッカビ・ハイファより加入)
なお、これと関係があるかどうかはわかりませんが、マレーシアスーパーリーグを運営するマレーシアンフットボールリーグ(MFL)はこの試合の始まる6時間前に公式声明を発表し、今季のスーパーリーグ出場クラブの選手登録人数上限を当初の33名から38名とするとしています。38名の内訳は、外国籍選手15名の上限は変わらず、マレーシア人選手登録が18名から最大23名まで可能となっています。MFLはこの変更について、国内リーグ戦やカップ戦に加えて、ACLエリートやACL2、また東南アジアクラブ選手権「ショピーカップ」に出場するジョホールとクチンシティから出されていた要望に応えたものだと説明しています。
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前置きが長くなりましたが、試合の方はジョホールが開始からクチンシティを圧倒します。そして11分には前FC東京のマルコス・ギリェルメが左サイドから得意のドリブルで持ち込むと、ベルグソンとのワンツーからシュート。これが決まってジョホールが先制します。
ジョホール1点リードで折り返した後半の55分にはペトロヴィッチからゴール前でフリーとなっていたアリバスへパス。アリバスがこれを蹴り込むと、クチンGKハジク・ナズリは反応するも止めることができず、ジョホールに2点目が入ります。
そして86分には、今季から待望の背番号10をつけるアリフ・アイマンからのパスに抜け出したシャハブ・ザヘディ(アビスパ福岡から加入)が移籍初ゴールを決めて、得点者が全員外国籍というジョホールの完勝に貢献しています。
クチンシティは今季開幕の時点で、ジョホールからのローン移籍選手が6名所属していることから、「ジョホールのセカンドチーム」と揶揄されることもありますが、この試合ではその6名中、ガブリエル・ニステルローイ、ライアン・ランバートが出場しました。その一方で昨季マレーシア人最多ゴールを挙げたサファウィ・ラシド、双子のランバート兄弟のもう一人デクラン・ランバート、アユディン・ムヤギッチ、ナズミ・ファイズはベンチ外でした。
スーパーリーグ2026/27 第1節 2026年8月21日@スルタン・イブラヒム・スタジアム(ジョホール州イスカンダルプテリ)ジョホール 3-0 クチンシティ ⚽️ジョホール:マルコス・ギリェルメ(11分)、オスカル・アリバス(55分)、シャハブ・ザヘディ(86分) MOM:シーハン・ハズミ(ジョホール) クチンシティの谷川由来選手は先発してフル出場した一方で、今季新加入の山崎海舟選手はベンチ外でした。
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マラッカは新加入の浅野崇斗選手デビューもトレンガヌに完敗
昨季目標としたトップ3入りからは勝点差16をつけられて5位に終わったトレンガヌ。U19やU23代表監督を務めたナフジ・ザイン監督が4シーズンぶりに復帰すると、その当時の選手だったハビブ・ハルーン、マヌエル・オット、ジョーダン・ミンターも揃って復帰しています。昨季のリーグ最優秀新人賞を受賞したハジク・クティ・アバがペナンから移籍、またいずれもマレーシア代表選手のロメル・モラエスとダニエル・アミルがジョホールからローン移籍し、上位進出を目指します。
一方のマラッカは昇格初年度となった昨季は4勝7分13敗で11位に終わっています。本来なら積極的な補強も必要ですが、そんな中でのサプライズ加入が浅野崇斗(あさのしゅうと)選手です。トランスファマルクトを見ると、なんと試合当日の8月22日に加入となっています。当初はFC大阪加入 が決まっていたようですが、急遽、マラッカ移籍となったようです。浅野選手はこれまでアンコールタイガー(カンボジア)、ヤンゴン・ユナイテッド(ミャンマー)と東南アジアでのプレー経験もあるので、マレーシアでの活躍も期待できます。
試合はホームのトレンガヌが、キュラソー代表として今年のW杯にも出場した(今季のマレーシアスーパーリーグでは唯一のW杯出場選手)ヘルファネ・カスタネールの2発とクアラルンプールシティから移籍したヴィクトル・ルイスのゴールで快勝しています。
スーパーリーグ2026/27 第1節 2026年8月22日@スルタン・ミザン・ザイナル・アビディン・スタジアム(トレンガヌ州ゴンバダ)トレンガヌ 3-o マラッカ ⚽️トレンガヌ:ヘルファネ・カスタネール2(12分、80分)、ヴィクトル・ルイス(45分) MOM:ヘルファネ・カスタネール(トレンガヌ) 今季新加入のマラッカの浅野崇斗選手は先発してフル出場しています。
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スランゴールは昇格組のクランタンを一蹴
こういう試合だからクリーンシートで勝ちたかった。
昨季途中からスランゴールを率いる元マレーシア代表監督のキム・パンゴン監督にとってはこの試合が初のリーグ開幕戦です。昨季は3シーズンぶりに2位を逃し、ACL2も東南アジアクラブ選手権「ショピーカップ」出場権も失ったチームは、絶対王者ジョホール追撃の一番手となるため、積極的な補強を行なっています。
退団したW杯出場のヨルダン代表コンビらに代わり、コソボ代表の長身CBアルベニット・ジェマイリ(アルバニア1部KFエグナティアより加入)、MFピーター・マクリロス(ベトナム1部ハノイ公安より加入)、FWケイ・テジャン(オランダ1部テルスターより加入) 、そして日本の桐光学園出身で元J水戸などのフィリピン代表DFタビナス・ジェファーソン(タイ1部ブリーラム・ユナイテッドから加入)が新戦力となっています。
その相手は昨季、実質2部のA1セミプロリーグ4位から昇格したクランタン・レッド・ウォリアー(クランタン)。FIFAによる制裁により、新規選手獲得禁止処分を受けているクランタンは、3部時代からプレーし、昨季は29試合で32ゴールを挙げて3部得点王となったカメルーン出身のエマニュエル・ムバルガと、制裁が一時解除された際に獲得したナイジェリア出身のムサ・フィリップ・ダンダダの両FW以外は全てマレーシア人選手という布陣です。
試合はクリゴール・モラレス、ファイサル・ハリムがそれぞれ2ゴールと決めるべき人が決めた順当な勝利に終わりました。しかし失点の場面は気になりました。試合開始が遅れるほどの豪雨でピッチの状態が悪かった、あるいは3点差開いていたということもあったでしょうが、どんなときも隙は見せず、相手の戦意を喪失させるまで攻める姿勢は見せて欲しかった。スランゴールには勝つことはもちろんですが、2位奪還に向けては勝ち方にも今季はこだわってもらいたいです。
スーパーリーグ2026/27 第1節 2026年8月22日@スルタン・ムハマド4世スタジアム(クランタン州コタバル)クランタン・レッド・ウォリアー 1-4 スランゴール ⚽️クランタン:ムサ・フィリップ・ダンダダ(60分) ⚽️スランゴール:クリゴール・モラレス2(18分、75分)、ファイサル・ハリム2(27分、49分) MOM:ファイサル・ハリム(スランゴール)
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昨季8位のペナンと同10位のDPMMの対戦は、双方に退場者が出る荒れた試合となりましたが、DPMMがミゲル・オリヴェリアのゴールよる1点を守り切って、今季初勝利を挙げています。
ペナンは前半の43分にファズリ・マズランがミゲル・オリヴェリアへのハードタックル。ここでVARが介入し、ファズリ選手は1発レッドで退場となります。
後半に入るとDPMMは数の有利さを活かして優勢となると、ゴール前の混戦からオリヴェリア選手がこぼれ球を押し込んで63分にゴール。しかし、75分にはトミー・マワトがこの試合2枚目のイエローで退場となり、DPMMも10名となってしまいます。
ここからペナンがペースを上げますが、両チームともにゴールがVARにより取り消しになる度、これ以上ゴールは決まらず、DPMMが1点を守り切っています。
スーパーリーグ2026/27 第1節 2026年8月23日@シティ・スタジアム(ペナン州ジョージタウン)ペナン 0-1 DPMM ⚽️DPMM:ミゲル・オリヴェリア(63分) MOM:ミゲル・オリヴェリア(DPMM)
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なお8月22日に予定されていたヌグリスンビラン対クアラルンプールシティ(KLシティ)の試合は、KLシティの選手の半数以上がインフルエンザに感染し、試合を行うだけの選手が用意できないというKLシティ側の要望により延期となりました。ホームのヌグリスンビランは、5000枚以上のチケットが既に購入されていたことや、試合直前の延期要請であったことから、リーグを運営するMFLに対して、KLシティの試合放棄による勝点3が与えられるべきと主張しています。一方MFLは、KLシティから医療機関発行の証明書が提出されており、それを元に延期の判断を行なったと説明する一方で、理事会で議論した上でこの試合の扱いを最終決定したいという方針を発表しています。
2026/27 マレーシアスーパーリーグ順位表(第1節途中)
順位 チーム 試 勝 分 負 得 失 差 勝点 1 スランゴール 1 1 0 0 4 1 3 3 2 ジョホール 1 1 0 0 3 0 3 3 3 トレンガヌ 1 1 0 0 3 0 3 3 4 DPMM 1 1 0 0 1 0 1 3 5 KLシティ 0 0 0 0 0 0 0 0 6 ヌグリスンビラン 0 0 0 0 0 0 0 0 7 サバ 0 0 0 0 0 0 0 0 8 スターシティ 0 0 0 0 0 0 0 0 9 ペナン 1 0 0 1 0 0 -1 0 10 クランタン 1 0 0 1 1 4 -3 0 11 クチンシティ 1 0 0 1 0 3 -3 0 12 マラッカ 1 0 0 1 0 3 -3 0