2月9日のニュース
金融コンサルティング企業が1億5000万円超を支払ってKLシティFCのオーナーに
FAM会長-三菱電機カップのFIFA国際マッチデーカレンダー入りは難しい
FAM会長-マレーシア代表の直近の目標はアジア25位以内をキープすること

モロッコで現在開催中のクラブワールドカップで、アジア代表のアル・ヒラルSFC(サウジアラビア)が南米代表のCRフラメンゴ(ブラジル)を3-2で破って決勝進出を決めています。相手が前半終了に退場者を出したとは言え、一度もリードを許すことなく勝ち切ったアル・ヒラルSFCは見事です。昨年のFIFAワールドカップでもアルゼンチンやメキシコを相手にゴールを決めていたサウジアラビア代表FWサーレム・アッ=ドーサリーの2ゴールなどで勝利したこのアル・ヒラルSFC、そしてクリスティアーノ・ロナウド移籍したアル・ナスルFCと注目を集めるサウジアラビアリーグはアジアを牽引するリーグの一つになっていきそうな予感です。アジア勢の決勝進出は鹿島(2016年)、アル・アインFC(アラブ首長国連邦)に続く3チーム目ということですが、2月11日に予定されている決勝ではレアル・マドリード(多分!)にも勝利してアジア勢初優勝を成し遂げて欲しいです。

金融コンサルティング企業が1億5000万円超を支払ってKLシティFCのオーナーに

金融コンサルティング企業のリナニ・グループ社が、マレーシアスーパーリーグのクアラルンプールシティFC(KLシティ)の株式の51%を取得し、クラブのオーナーとなったことを同社の公式サイトで発表しています。

2021年のマレーシアカップで優勝し、翌2022年に出場したAFCカップでは準優勝したKLシティは、FIFAとアジアサッカー連盟AFCの指導のもと、マレーシアサッカー協会FAMとMリーグを運営するマレーシアンフットボールリーグMFLが進めるクラブの民営化方針に従う形で、現在クラブを運営するクアラルンプールサッカー協会(KLFA)がリナニ・グループ社にクラブ株式の過半数を売却しています。

元々は国内各州の対抗戦として始まったマレーシアの国内リーグは、その歴史から各州のサッカー協会(州FA)がそれぞれプロサッカークラブを持ち、そのクラブは州政府による運営資金援助を受けて運営されてきた経緯があります。FAMとMFLはコロナ禍の前から「FAからFCへ」というスローガンのもと、国内各クラブに対して民営化、言い換えれば州政府からの公金に依存せず、企業スポンサーからの資金で運営されるクラブのプロ化を進めており、リナニ・グループ社によるKLシティ買収もこの流れに沿ったものです。

ハンナ・ヨー青年スポーツ相を立会人として出席た経営権途上に関する調印式に参加したKLFAのカリド・アブドル・サマド会長は、クラブの価値を1000万マレーシアリンギ(およそ3億600万円)として、その51%にあたる510万マレーシアリンギを支払うことで合意したリナニ・グループ社による買収を歓迎するとともに、クラブサポーターに対して経営権の譲渡への理解を求めたいと述べた一方で、リナニ・グループ社のノル・アズリ・ノル・アゼライ社長は国内企業が次々とMリーグクラブに投資し始めている中で、自社も参画を決定したと述べ、KLシティを投資先として選んだ理由としてボヤン・ホダック監督とスタンリー・バーナードCEOのクラブでの役割も重要な決定要因だったと話しています。

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連邦直轄地であるクアラルンプールは、マレーシア政府の政権担当政党から連邦直轄地担当大臣が指名され、その大臣が同時にKLFAの会長を務める慣例がありましたが、それを改めたのが現在のカリド・サマドKLFA会長です。
 日本でもその名を知られたマハティール・モハマド元首相が率いる野党連合「希望連盟」(PH)は、英国からの独立以来61年間に渡りマレーシアを統治してきた統一マレー国民組織(UMNO)を核とする与党連合「国民戦線」(BN)を2018年の総選挙で歴史的な勝利で破り、政権交代を果たしました。与党議員であったカリド氏は連邦直轄地大臣に就任し、同時にKLFA会長にも就任しました。
 PHは2020年に起こった政権内の権力争いにより、政権奪取から2年足らずで下野したものの、カリド氏は慣習に反するようにKLFA会長の座に留まりました。新政権関係者からの辞任圧力に耐える一方で、KLFAとクラブは従来のスポンサーから支援を受けられなかったものの、前述のスタンリーCEOとともに他のMFLクラブに先駆けて公的資金への依存度を下げることに尽力し、現場ではホダック監督が限られた予算にもかかわらず32年ぶりとなるマレーシアカップ優勝、そしてAFCカップ準優勝を達成しています。

FAM会長-三菱電機カップのFIFA国際マッチデーカレンダー入りは難しい

昨年末から今年の年始にかけて開催された東南アジアサッカー連盟AFF選手権「三菱電機カップ」は、FIFAの国際マッチデーカレンダー期間(FIFAカレンダー)外となっていたことから、代表選手の所属クラブに選手リリースの義務がなく、マレーシア代表を例に取ると、国内王者ジョホール・ダルル・タジムの選手11名が代表招集を辞退、優勝したタイもJリーグでプレーするチャナティップ・ソングラシン(川崎)、スパチョーク・サラチャット(札幌)といった本来なら代表で主力を務める選手たちもプレーしませんでした。

今回の決勝戦後には、試合を観戦したFIFAのジャンニ・インファンティーの会長がこの三菱電機カップのFIFAカレンダー入りについて検討する価値があると発言していましたが、マレーシアサッカー協会FAMのハミディン・アミン会長は、三菱電機カップの開催期間が長いため、既に過密になっているFIFカレンダーに入るのは難しいとマレーシアの通信社ブルナマの取材に答えています。先日行われたAFC総会ではAFC選出のFIFA委員に選出されたハミディン会長の発言であることを考えると、実際に容易ではないのかもしれません。

「FIFAカレンダーはAFFのためにだけでなく、(FIFAに加盟する)211ヵ国すべてのためにある。代表が多くの試合を行うことをよく思わないFAもあるだろうし、三菱電機カップはその期間が1ヶ月にも及ぶ点も(FIFAカレンダー入りが)難しくなるだろう。」とハミディン会長は自身の見解を述べています。

FAM会長-マレーシア代表の直近の目標はアジア25位以内をキープすること

マレーシアサッカー協会FAMのハミディン・アミン会長は、マレーシア代表の直近の目標は、現在のFIFAランキングであるアジア25位以内を今年いっぱい維持することだと述べています。

FAMの代表チーム委員会の委員長も務めるハミディン会長は、FIFA国際マッチカレンダー期間(3月20日から28日、6月12日から20日、9月4日から12日、11月13日から21日)の代表チームの予定をキム・パンゴン監督が近いうちに公表するだろうと話す一方で、FIFAワールドカップ2026年大会予選兼AFC選手権アジアカップ2017年大会予選では、アジア26位以下のチームは予選出場権を獲得するための予備予選への出場が必要となることから、マレーシア代表はアジア25位以内にとどまらなければならないと話しています。なお現在アジア25位のマレーシアは1066.6ポイント、同26位の香港は1062.39ポイントとなっています。

FIFAワールドカップ2026年大会予選兼AFC選手権アジアカップ2017年大会のための予備予選は10月に、予選1回戦は11月に予定されています。

マレーシアカップ2022
準々決勝2ndレグ結果とハイライト映像

 TMマレーシアカップ2022の準々決勝4試合のセカンドレグが11月12日と13日に行われ・いよいよベスト4が決定しています。準決勝進出を決めたのは、リーグ優勝、FAカップ優勝に続く三冠を目指すジョホール・ダルル・タジムJDT、リーグ2位のトレンガヌ、リーグ3位のサバ、そしてリーグ5位のスランゴールの4チームで、準決勝のカードはJDT対サバ、トレンガヌ対スランゴールと決まりました。なお、マレーシアカップの優勝チームには来季のAFCカップ出場権が与えられますが、スーパーリーグ1位として既にACL出場を決めているJDT、そしてスーパーリーグ2位となったことでAFCカップ出場権を獲得しているトレンガヌが優勝した場合には、スーパーリーグ3位のサバがAFCカップ出場権を獲得することが決まっています。
 なお準決勝ファーストレグは11月20日と21日に予定されています。
*試合のハイライト映像はMFLの公式YouTubeチャンネルより

マレーシアカップ2022準々決勝 2NDレグ
2022年11月11日@リカススタジアム(サバ州コタ・キナバル)
サバ 1-1 クチンシティ(通算スコア:サバ 2-1 クチンシティ)
⚽️サバ:加賀山泰毅(94分)
⚽️クチンシティ:ウマレン・バチョク(83分OG)
🟨サバ(1):イルファン・ファザイル、アルト・リナス、ハナフィ・トウキョウ
🟨クチンシティ(1):アリフ・ハサン
MOM:加賀山泰毅(サバ)
 いずれも東マレーシア(ボルネオ島)に本拠地を持つ両チームの「ボルネオダービー」は、ファーストレグではMリーグ1部スーパーリーグ3位のサバが2部プレミアリーグ3位のクチンシティに1-0で勝利していますが、内容はほぼ互角で、セカンドレグでも接戦が予想されました。サバには加賀山泰毅、クチンシティには1回戦のペナン戦ではMOMにも選ばれている谷川由来選手が在籍しており、日本人選手対決ともなったこの試合は、豪雨で試合開始が30分遅れた上、ピッチに水が浮く最悪のコンディションの中で始まりました。
 試合はアウェイのクチンシティが試合開始からホームのサバを圧倒しましたが、クチンシティのシュートがゴールの枠を捉えることができず、また枠内に飛んだシュートには絶好調のサバGKダミエン・リムが立ちはだかり、得点を挙げることができません。またクチンシティのGKシャイフル・ワジジもこうセーブを見せ、前半は0-0で終了します。
 後半に入っても、クチンシティはサバゴールを破ることができないまま試合が進み、このままサバが逃げ切るかと思われた83分、クチンシティのコーナーキックは直接、シュートにはつながらなかったものの、ゴール前の混戦からサバのウマレン・バチョクに当たったボールがそのままゴールイン!土壇場でクチンシティが通算スコア1-1に追いつきます。
 90分内で決着をつけたいクチンシティはその後も好機を作りますが、またもやGKダミエン・リムの攻守に阻まれ、試合は延長に入ります。そして延長戦開始直後の94分、右サイドからのサディル・ラムダニのクロスに加賀山泰毅が頭で合わせゴール!通算スコア2-1とサバが再び、リードを奪います。クチンシティはその後もジョセフ・カラン・ティー、アイルトン・フェレイラが好機を生かせず、試合はこのまま終了し、加賀山選手の今季通算4ゴール目となるマレーシアカップ初ゴールが決勝点となり、サバが準決勝を決めています。
 クラブ史上初のベスト4進出を逃したクチンシティですが、スーパーリーグ12位のペナンを破り、同3位のサバとも接戦を繰り広げ、来季昇格するスーパーリーグでも堂々と渡り合えることを証明しました。今季限りで退任を発表していたイルファン・バクティ監督は、来季も指揮を取るという報道も出ており、来季のスーパーリーグでのクチンシティの活躍が楽しみです。
  クチンシティの谷川由来選手、サバの加賀山泰毅選手はいずれも先発して、フル出場しています。

マレーシアカップ2022準々決勝 2NDレグ
2022年11月11日@スルタン・イブラヒムスタジアム(ジョホール州イスカンダル・プテリ)
JDT 5-0 クランタン(通算スコア:JDT 8-0 クランタン)
⚽️JDT:ベルグソン・ダ・シルヴァ3(12分、34分、37分)、シャーミ・サファリ(40分)、ナズミ・ファイズ(45+1分)
🟨JDT(1):ナチョ・インサ
🟨クランタン(3):ムハイミン・イズディン・アスリ、シャフィク・アル=ハフィズ、ズルファーミ・アブドル・ハディ
MOM:ベルグソン・ダ・シルヴァ(JDT)
 ファストレグでは、スーパーリーグ覇者のJDTがプレミアリーグ2位のクランタンを3-0で破っており、このセカンドレグではクランタンがホームのJDTを相手に、意地を見せられるかどうかだけが注目でした。
 JDTのエクトル・ビドリオ監督は、マレーシアカップ1回戦のPJシティ戦、そしてクランタンとの準々決勝ファーストレグと1度として同じ先発XIを起用していませんが、この試合でも過去3試合とは異なる先発XIを起用、しかも、この試合も含め4試合全てに先発した選手は1人もいません。しかし誰が先発しても今季のJDTは強い!この試合もJDTのエース、ベルグソン・ダ・シルヴァが前半だけでハットトリックを達成。ちなみにベルグソン選手はリーグ戦で29ゴール、FAカップで4ゴール、また今季のACLで6ゴールを挙げており、マレーシアカップはここまで5ゴールと今季通算44ゴール挙げ、準決2試合、そして決勝まで進めば年間50ゴールも見えてきます。JDTはさらにシャーミ・サファリ、ファイズ・ナズミもゴールを決めており、前半で5-0としたJDTが、後半は今季出場機会が少なかった選手を起用する余裕を見せ、通算スコア8-0でクランタンを粉砕しています。
 クランタンのリザル・ザムベリ・ヤハヤ監督にとっては、屈辱的な結果となりましたが、ノリザム・トゥキマン オーナーは、来季昇格するスーパーリーグに向けて、新監督を起用することを既に明らかにしており、まだ2年契約が残るリザル・ザムベリ監督は来季もコーチとして残るのかは未定です。
 クランタンの原健太選手は後半から出場して、試合終了までプレーしています。

マレーシアカップ2022準々決勝 2NDレグ
2022年11月12日@トゥンク・アブドル・ラーマンスタジアム(ヌグリスンビラン州パロイ)
ヌグリスンビラン 2-2 スランゴール
⚽️ヌグリスンビラン:マテウス・アウヴェス(25分)、ザクアン・アドハ(45+1分)
⚽️スランゴール:カイオン(10分)、ヤザン・アル=アラブ(45分)
🟨ヌグリスンビラン(2):マテウス・アウヴェス、クザイミ・ピー、
🟨スランゴール(1):バハー・アブドッラフマーン
🟥ヌグリスンビラン(1):ズカイリ・ズルキプリ
MOM:シーハン・ハズミ(ヌグリスンビラン)
 スーパーリーグ4位のヌグリスンビランが、同5位のスランゴールをホームに迎えたセカンドレグは2-2の引き分けに終わったものの、ファーストレグで2-0と勝利していたスランゴールが通算スコアを4-2として、準決勝進出を決めています。
 試合はスランゴールがカイオンのゴールで先制するものの、ヌグリスンビランも相手ペナルティエリア内でザムリ・ラムリが倒されていたPKをマテウス・アウヴェスが決めて、すぐさま同点に追いつきます。その後、スランゴールも45分にゴール前の混戦から出たクリアボールをヤザン・アル=アラブが巧みなボレーシュートでゴールを決めて、再びリードを奪います。しかし、ヌグリスンビランも、サクアン・アドハが前半ロスタイムにゴールを決め、前半は2-2で終了します。
 その後は両チームともゴールがなく、試合は2-2で引き分けに終わり、ファーストレグのとの通算成績を4-2としたスランゴールが準決勝進出を決めています。
 ヌグリスンビランにとって痛かったのは、センターバックとしての守備だけでなく、コーナーキックやゴール付近でのセットプレーではその長身を生かした攻撃参加が脅威となるエロルド・グロンが、ファーストレグで出されたレッドカードによりこの試合は出場停止となっていたこと。ヌグリスンビランのK・デヴァン監督は、点を取らなければならなかったこともあり、ファーストレグの5-3-2から、この試合では3-4-3にシステム変更するなど、苦肉の策でこの試合に臨みました。また、試合終盤の81分にズカイリ・ズルキプリがダニアル・アスリを踏みつけて一発レッドで退場なったことも痛かった!10人になったヌグリスンビランにはスランゴール相手にゴールを挙げる力は残っておらず、ベスト8で敗退しています。またスランゴールはタン・チェンホー監督就任以来の無敗記録を8に伸ばしています。

マレーシアカップ2022準々決勝 1STレグ
2022年11月12日@スルタン・ミザン・ザイナル・アビディンスタジアム(トレンガヌ州ゴン・バダ)
トレンガヌ 3-1 KLシティ(通算スコア:トレンガヌ 4-1 KLシティ)
⚽️トレンガヌ:マヌエル・オット(22分)、チェチェ・キプレ(63分)、クパー・シャーマン(89分)
⚽️KLシティ:ハキミ・アジム・ロスリ(45+1分)
🟨トレンガヌ(0)
🟨KLシティ(4):ジャンカルロ・ガリフオコ、アクラム・マヒナン、パウロ・ジョズエ
MOM:ファイサル・ハリム(トレンガヌ)
 ファーストレグを1-0で勝利していたスーパーリーグ2位のトレンガヌが、セカンドレグでも同5位で昨季のマレーシアカップ覇者、KLシティを破り、準決勝進出を決めています。
 マヌエル・オットのゴールで先制を許したKLシティは、前半終了間際に体調不良のロメル・モラレスに代わって先発したハキミ・アジム・ロスリのゴールで通算スコアを再び1点差とします。
 しかし、後半に入ると攻撃力の差が明らかになり、エース不在のKLシティに対して、63分にはtyチェ・キプレが、そして89分にはクパー・シャーマンがマレーシアカップ4試合で7ゴール目となるゴールを決めて、KLシティを突き放しています。がホームに迎えた試合は、1回戦2試合で5ゴールを挙げたトレンガヌのクパー・シャーマンがゴールを決め、トレンガヌが1-0で勝利しています。
 準決勝進出を決めたトレンガヌですが、この試合後の記者会見では、今月末に契約が切れるナフジ・ザイン監督が契約延長のオファーレターをクラブの経営陣からではなく、練習の際にキットマン経由で受け取ったことを認めています。クラブが設定した今季のKPI(重要業績評価指標)を達成したにもかかわらず、来季の契約内容についての話し合いの席も持たれなかったことも明らかにし、クラブには契約延長の可否を決める権利も、その伝達方法の選択の権利もあるとしながらも、過去3年間の自身の貢献が評価されているとは感じられないと述べたナフジ監督は、契約延長を受けるかどうかの返答は、近々クラブに対して行うと述べています。なお、ナフジ監督には来季のクダ監督就任の噂も出ており、リーグ2位監督が移籍すれば、スーパーリーグの勢力図が大きく変わる可能性があります。

KLシティの冒険が終わる
AFCカップ決勝
KLシティ0-3アル・シーブ

AFCカップ2022年大会決勝が10月22日にマレーシアのクアラルンプールで開催され、オマーンのアル・シーブクラブがMリーグ1部スーパーリーグのKLシティFCを3-0で破り優勝しています。オマーンのクラブとしてはAFCカップ初優勝となりました。

FIFAランキングでは75位のオマーンで、2021/22シーズンには国内リーグ、国内カップ戦、そしてスーパーカップの三冠を獲得したアル・シーブと、同146位のマレーシアでリーグ戦ではなくマレーシアカップ優勝で出場権を獲得したKLシティの対戦となったこの試合は、主力に6名のオマーン代表選手を擁するアル・シーブに対し、KLシティの代表選手はデクラン・ランバートとザフリ・ヤハヤ(マレーシア)、ケヴィン・メンドーザ(フィリピン)の3名と、試合前の下馬評は、アル・シーブ有利でした。

また、2004年から開催されているAFCカップは、過去17回の大会の歴史を見ても中東のチームが15回優勝している大会です。中東のチーム以外では2011年のナサフ・カルシFC(ウズベキスタン)と2015年のMリーグのジョホール・ダルル・タジムJDTの2チームしか優勝しておらず、KLシティは東南アジアのクラブとしてJDTに続く2チーム目の優勝を目指しました。

またこの試合で注目されたのは、KLシティの外国籍選手の顔ぶれでした。Mリーグの外国籍選手枠はいわゆる3+1+1(無条件の外国籍3名、アジア枠1名、東南アジア枠1名)となっていますが、AFCカップの外国籍枠は3+1(無条件の外国籍3名、アジア枠1名)で、KLシティのボヤン・ホダック監督は、グループステージから地区プレーオフ準決勝までは、FWロメル・モラレス(コロンビア)、FWジョーダン・ミンター(ガーナ)、MFパウロ・ジョズエ(ブラジル)、DFジャンカルロ・ガリフオコ(オーストラリア)の4名を起用しましたが、地区プレーオフ決勝のPFCソグディアナ(ウズベキスタン)との試合では、FWジョーダン・ミンターに代わってGKケヴィン・メンドーザ(フィリピン)を起用しました。準決勝では、このメンドーザ選手が試合中にスーパーセーブを連発、さらに延長戦を経てPK戦に持ち込まれたこの試合では、相手のPKを止めて、チームを勝利に導いています。このため、この決勝戦ではモラレス、ジョズエ、ガリフオコの3選手に加えて、攻撃を重視しジョーダン・ミンターを起用するのか、守備を重視しケヴィン・メンドーザを起用するのかが注目されましたが、ホダック監督は、ケヴィン・メンドーザを起用しています。

この試合はボラセパマレーシアJPも観戦に出かけました。クアラルンプールがあるマレーシア東海岸は雨季に入っており、この日の天気予報も夕方から雨となっていたにも関わらず、試合前にはピッチに水が撒かれるの見て「えっ!」と思いましたが、田んぼのようなピッチでもリーグ戦を行うMリーグのKLシティに有利に、早く短いパス回しを得意とする中東のチームには不利になるようにかと邪推しましたが、その辺りの真相は不明です。

そしていよいよキックオフ。案の定、キックオフ前から激しく雨が降り始めており、ボールが転がりにくいピッチで試合が始まります。慣れないピッチに戸惑うアル・シーブに対して、KLシティはキックオフから一気に相手陣内へ攻め込み、外れてしまったものの開始から1分で早くもパウロ・ジョズエがシュートを放つなど、2万7000人を超える観衆の大半となるKLシティサポーターの期待が高まります。

さらに18分には左サイドのJ・パルティバンからのクロスをパウロ・ジョズエがスルー、これをザフリ・ヤハヤがシュートしますが、アル・シーブのGKアフマド・アル=ラワヒがこのシュートを足で止め、KLシティは先制ゴールを挙げられません。

逆に徐々にピッチに慣れてきたアル・シーブは、22分にCKを得ます。ニアポストに選手が集まる中、右サイドからアリ・アル=ブサイディが蹴ったこのCKは、飛び出したケヴィン・メンドーザの指先を掠めて、誰もいないファーポスト側に直接ゴールインし、アル・シーブが先制します。

これに対しKLシティは34分、再びザフリ・ヤハヤがシュートを放つも、アル・シーブのGKアフマド・アル=ラワヒの正面となり、GKがこれをキャッチします。逆にその直後の37分には、左サイドからのクロスにアブドルアジズ・アル=ムクバリが頭で合わせてゴール!。アル・シーブはリードを2点に拡げます。

この辺りで既に「判断のスピード」、「パスを出すスピード」といった両チームの「スピード」の差が明らかになっていました。Mリーグでは一般的にDFが相手選手に速いプレスをかけることが少なく、攻撃側がパスを受けてから周りを見る時間が十分にありますが、この試合ではアル・シーブの選手の速い寄せに対してKLシティの選手が焦ってとりあえず蹴り出すという場面が何度も見られました。これはACLでJDTが浦和と対戦した時も顕著でしたが、この辺りはMリーグのクラブがアジアの舞台で戦う際の課題になりそうです。

試合に話を戻すと、このまま前半を2-0で折り返しましたが、試合開始直後を除くとKLシティは小劇の決め手を描き、FWジョーダン・ミンターではなくGKケヴィン・メンドーザを選んだことの影響が感じられる前半でした。

後半に入り、点差を詰めたいKLシティに対し。69分にアル・シーブはDFラインの裏へのパスに抜け出したオマーン代表FWムフセン・アリ=アルガッサニが、KLのDFをかわして3点目のゴール。KLシティは72分にペナルティエリアの外で得たFKにロメル・モラレスが頭で合わせるもアル・シーブのGKアフマド・アル=ラワが再び好セーブで防ぎ、KLシティはゴールを破れません。試合はこのまま進み、アル・シーブが3-0のスコア以上に完勝でオマーンのクラブとしてAFCカップ初優勝を飾っています。

試合後の記者会見でKLシティのボヤン・ホダック監督は、この試合のGKケヴィン・メンドーザが触れられずに直接ゴールとなった1点目のコーナーキックがこの試合の分岐点となったと述べています。「試合を通して、相手は決定機が2度しかなかったにもかかわらず、1点目となったGKのミスでこちらは3失点してしまった。アル・シーブのようなアジアのトップクラスのチームは、こう言ったミスを見逃してくれることは決してない。」と述べましています。また、外国籍選手枠でFWジョーダン・ミンターを起用し、GKにはケヴィン・メンドーザの代わりにマレーシア人のアズリ・アブドル・ガニを起用しなかったことを後悔していないかどうかを問われると、ホダック監督は準決勝でのPK戦セーブなどのおかげでチームは決勝に進出できたことから、MリーグのNo. 1GKであるケヴィン・メンドーザは決勝でプレーするのは至極当然なことであり、と答えています。

なお優勝したアル・シーブは優勝賞金として150万米ドル(およそ2億2300万’円)、準優勝のKLシティは75万米ドル(およそ1億1200万円)を獲得しています。またアル・シーブは、来季のACLグループステージの出場権も合わせて獲得しています。

AFCカップ2022決勝
2022年10月22日@ブキ・ジャリル国立競技場(クアラルンプール)
KLシティ(マレーシア) 0-3 アル・シーブ(オマーン
⚽️アル・シーブ:アリ・アル=ブサイディ(22分)、アブドルアジズ・アル=ムクバリ(37分)、ムフセン・アリ=アルガッサニ(69分)
🟨KLシティ(3):アクラム・マヒナン、ジャンカルロ・ガリフオコ、アンワル・イブラヒム
🟨アル・シーブ(3):モハメド・アル=ハブシ、アフメド・アル=シヤビ、モハメド・アル=ムサラミ

(以下はこの試合のスタッツ、先発XIとハイライト映像。スタッツと先発XIはAFCのTwitterから、またハイライト映像はアストロアリーナのYouTubeチャンネルから)


10月19日のニュース
AFCがFIFAと共同でマレーシアにスタジアムを建設
AFCカップ決勝-KLシティサポーターからはキックオフ時間変更を求める声が上がる

AFCがFIFAと共同でマレーシアにスタジアムを建設

アジアサッカー連盟AFCは、マレーシアのプトラジャヤにサッカー専用スタジアムとなるAFCスタジアムを建設すること公式サイト上で発表しています。

15.43エーカー(東京ドームおよそ1.3個分)の敷地に建てられるスタジアムは1万人収容の観客席や地下駐車場を持ち、また同じ敷地内にはAFCの事務局も入るということです。なお、このスタジアムの建設はFIFAがその資金を支援し、マレーシアサッカー協会FAMとマレーシア政府もこの建設を資金以外の面から支援するということです。

FIFAのジャンニ・インファンティーノ会長も出席したAFCの執行委員会で発表されたこの計画について、AFCのシャイフ・サルマーン会長は、「これまで技術向上や審判育成のためのコースやワークショップ、セミナーはAFCハウスがその活動の中心だったが、この新たなAFCスタジアムが完成すれば、より多くの活動が行えると期待している」と述べ、今回のスタジアム建設を支援するFIFAとマレーシア政府に感謝の意を表しています。

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このスタジアムが建設されるマレーシアの連邦直轄地プトラジャヤは、各省庁やその関連政府機関が集まる行政の中心地です。現在、AFCの本部であるAFCハウスがあるクアラルンプールからは30kmほど離れており、そこに住んでいるのは政府関係機関の職員とその家族が大半となっている場所です。もともとは何もなかった土地を切り開いて作った人工都市なので、土地は余っているのでしょうし、国外から来る場合にはクアラルンプール国際空港も近く便利なのだと思います。ただこのスタジアムで、マレーシアの標準キックオフ時間の午後9時開始の試合があったら、よほどのことがない限り、見に行く気力はないなぁ。

AFCスタジアムの完成予想シミュレーションなども見られる元記事はこちらです。

AFCカップ決勝-KLシティサポーターからはキックオフ時間変更を求める声が上がる

今週土曜日の10月22日には、マレーシアのクアラ・ルンプールにあるブキ・ジャリル国立競技場で今季のAFCカップ決勝が開催され、Mリーグ1部スーパーリーグのKLシティがオマーンのアル・シーブクラブと対戦します。

2015年のジョホール・ダルル・タジムJDT以来、東南アジアのクラブとしては2チーム目の優勝を狙うKLシティですが、そのサポーターからキックオフ時間の変更を求める声が上がっていると、サッカー専門サイトの ヴォケットFCが伝えています。

10月22日の決勝は、午後7時期キックオフと発表されていますが、実はこの時間、マレーシアの国境でもあるイスラム教の日没後の礼拝時間に近く、国内サッカーファンの大半はイスラム教徒であることから、キックオフ時間の変更を求める声が上がっています。

イスラム教では1日5回の礼拝が義務付けられていますが、その中に日没後の礼拝Maghrib「マグリブ」があります。礼拝の時間は時期や地域によって微妙に変わりますが、ちなみにこの記事を書いている10月19日のクアラ・ルンプールのマグリブの時間は午後7時1分(1日の礼拝時間は、マレーシアで毎日、新聞に掲載されています)

礼拝の時間とあまりに近いキックオフ時間はムスリム(イスラム教徒の別称)の配慮が足りないとして、KLシティのサポーターは、クラブとマレーシアサッカー協会FAMに対し、AFCにキックオフ時間の再考を促すよう求めています。

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実際にSNS上でもこういった投稿は散見され、KLシティのクラブ公式Facebook上でも、8時、いや7時30分で良いのでキックオフ時間を変更して欲しい、といった投稿が複数見られます。

今回の決勝は、VARを導入することを決めたAFCが、VARを使用するには照明の明るさが足りないことを理由に、試合会場をKLシティのホームのKLフットボールスタジアムからブキ・ジャリル国立競技場へと変更しています。従来のホームで試合ができなくなったことで、KLシティサポーターからは不満が出ていたところに今回のキックオフ時間の件が重なり、不満がさらに増幅している印象です。決勝まで後3日ですが、AFCがこれを無視するのか、サポーターの声を聞くのか。なお、決勝のチケットは既に一昨日から販売が始まっています。


10月13日のニュース
来季のスーパーリーグは18ではなく16チームで開催?FIBが2チームの国内クラブライセンスを交付せず
国内総選挙がマレーシアカップの日程に影響も
AFCカップ決勝はブキ・ジャリル国立競技場での開催が決定

来季のスーパーリーグは18ではなく16チームで開催?FIBが2チームの国内クラブライセンスを交付せず

Mリーグを運営するマレーシアンフットボールリーグMFLは、今季Mリーグ1部スーパーリーグ所属の10クラブと2部プレミアリーグ所属の6クラブに対して、来季2023年シーズンの国内クラブライセンスが交付されたことを発表しています。またスーパーリーグ所属のマラッカ・ユナイテッドとサラワク・ユナイテッドの2クラブは、交付条件を満たしていないとして、今回の交付が見送られたことも併せて発表しています。

MFLは、国内リーグ戦の試合数が少ないというFIFAの指導を受け、現在のスーパーリーグとプレミアリーグを統合して、来季は新たにスーパーリーグを再編することを発表しています。今季はスーパーリーグが12チーム、プレミアリーグは10チーム(ただし、統合の対象となるのは6チーム)で編成されており、新スーパーリーグは18チーム編成となる予定でしたが、これでマラッカ・ユナイテッドとサラワク・ユナイテッドを除いた16チーム編成となる可能性がでてきました。

MFLは、マレーシアフットボール協会FAMからマレーシアにおけるクラブライセンス制度の制定および運用の委任を受けており、マレーシアにおけるライセンス交付機関としてMリーグのクラブライセンス制度を運営し、Mリーグのクラブに対して国内クラブライセンスを交付します。なお、国内クラブライセンスの交付判定については、MFLから独立した第三者機関であるクラブライセンス交付第一審機関FIBが行っていますが、このFIBが今回、国内クラブライセンスが交付されなかった2クラブについて、その理由を説明しています。

マラッカ・ユナイテッドについては、選手や監督、コーチに対して未払いとなっている今年8月分の給料支払い証明が提出されておらず、さらにクラブの経営状況を示す複数の書類も未提出になっているということが、今回、FIBが国内クラブライセンスを交付しなかった理由としています。またサラワク・ユナイテッドについては、書類の不備に加え、FIFAの紛争解決室DRCが決定した、旧所属2選手の延滞債務も完済されていないことが理由としています。(なおこの「かつて所属した2選手」とは、このブログでも取り上げたサンドロ・ダ・シルヴァテイラー・リガンの両選手です。)

なお、今回の交付見送りに対して、マラッカ・ユナイテッド、サラワク・ユナイテッドとも、10月19日までに再度の国内クラブライセンス交付申請が可能となっていることも併せて発表されています。

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今回、国内クラブライセンス交付を見送られた2クラブについて、MFLのスチュアート・ラマリンガムCEOは、来季は2部プレミアリーグが開催されないことから、両クラブはアマチュアフットボールリーグAFLが統括する3部リーグのM3リーグでのプレーが可能と述べています。ただし、その場合にはM3リーグがMFLの管轄外であるため、最終決定はAFLが行うということです。

国内総選挙がマレーシアカップの日程に影響も

マレーシアのイスマイル・サブリ・ヤアコブ首相は10月10日付で下院解散を発表しました。これに伴う総選挙は、解散後60日以内に開催することが憲法で定められていますが、11月中旬になると各地で洪水を引き起こす北東モンスーンが到来することから、11月上旬の開催が有力視されています。 そしてこの総選挙日程が、10月25日開幕予定のマレーシアカップの開催日程にも影響を及ぼす可能性があると、マレーシアの通信社ブルナマが報じています。

Mリーグを運営するMFLのスチュアート・ラマリンガムCEOは、Mリーグでのグループステージでは各スタジアムで多くの観衆が足を運ぶと期待されているとして、そのスタジアム警備が総選挙の日程次第では手薄になってしまう懸念があると述べています。

「各スタジアムの警備や安全維持は警察が行っているが、総選挙の開催日程次第では、全国で行われる総選挙の投票会場に多くの警察官が配備されることはもちろん、その前の選挙運動期間中も様々な形で警察が動員される可能性がある。MFLとしては、10月20日に選挙委員会が日程を決定するために行う会議での発表を待ちたい。」と述べています。

AFCカップ決勝はブキ・ジャリル国立競技場での開催が決定

ACL決勝を新国立競技場開催の話となんだか似ているなぁ。

10月22日に行われるAFCカップ決勝は、Mリーグ1部スーパーリーグのKLシティとオマーンのアル・シーブクラブが対戦しますが、その試合会場が当初予定されていたKL指定の本拠地、KLフットボールスタジアムからブキ・ジャリル国立競技場へ変更されたと、マレーシア語紙のブリタ・ハリアンが報じています。

AFCカップを主催するアジアサッカー連盟からの公式発表は未だないものの、KLシティのボヤン・ホダック監督によると、「技術的な問題」により試合会場が変更されたと説明しています。

「AFCは、決勝戦ではVARを採用するとしており、そのためにはスタジアム内の照明が1800ルクス以上であることが条件となるが、KLフットボールスタジアムの照明はその条件を満たしていないことから、試合会場が変更となった。」と述べる一方で、「選手たちも自分も慣れ親しんだKLフットボールスタジアムでの試合を望んでいたが、技術的な問題ではどうしようもなく、我々はブキ・ジャリルで試合をせざるを得なくなった。」とも話しています。

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レバノンのアル・アヘドFCと北朝鮮の4.25体育団が対戦した2019年のAFCカップ決勝は、やはりこのKLフットボールスタジアムで開催され、アル・アヘドFCが1-0で勝利していますが、この時はまだ、VARはAFCカップには導入されていなかったのかな。

This is the second time KL City has played at Bukit Jalil National Stadium in the final after winning the Malaysia Cup last year.

Previously, the Cheras Football Stadium hosted the AFC Cup final when the Lebanese club, Al-Ahed defeated the North Korean club, April 25 1-0 in 2019.

10月12日のニュース
AFCカップ決勝進出のKLシティを支えるガリフオッコはMリーグでプレーした12番目のWC出場選手となるか
U17アジアカップ出場権獲得のU16代表監督は中東や日本への遠征を希望

AFCカップ決勝進出のKLシティを支えるガリフオッコはMリーグでプレーした12番目のWC出場選手となるか

10月22日にKLフットボールスタジアムで開催される今季AFCカップ決勝に出場するMリーグ1部スーパーリーグのKLシティは、2度のPK戦勝利を含む5試合に勝利して決勝に進出しています。ここまでの8試合で4失点(12得点)の強固な守備陣の中心となっているのがオーストラリア出身のセンターバック、ジャンカルロ・ガリフオッコです。28歳のガリフオッコ選手は187cmの長身センターバックで、今季はKLシティで2シーズン目となりますが、昨季のマレーシアカップ優勝などにも大きく貢献し、KLシティ守備陣のまさに大黒柱です。

そんなガリフオッコ選手については、サッカーファンのSNS上では、KLシティでの活躍によって、来月にカタールで開催されるFIFAワールドカップのオーストラリア代表にガリフオッコ選手が招集されるのでは、と言った話題が上がっています。ガリフオッコ選手はオーストラリアのU17、U20、U23など年代別代表でのプレー経験はあるものの、まだA代表に招集されたことはありません。

英字紙ニューストレイトタイムズは、このガリフオッコ選手のオーストラリア代表選出について、KLシティのボヤン・ホダック監督にインタビューしていますが、ホダック監督は、ガリフオッコ選手の招集は、かつてJリーグの広島でもプレーしたグラハム・アーノルド監督次第としながらも、オーストラリア代表のトップ選手は欧州など東南アジアより厳しい環境でプレーしており、またセンターバックには多くの有力選手がいることから、代表入りは容易ではないと話す一方で、代表でプレーするだけの技量は備え持っていると話し、可能性が全く無いとは言えないとも話しています。

また同じニューストレイトタイムズの記事では、Mリーグでプレーしたワールドカップ出場選手を紹介しています。これまでMリーグではワールドカップ出場経験のある11名の選手がプレーしているということです。

  1. カレル・ストロムシック(GK、チェコスロバキア)
    プレーしたのがチェコスロバキアという国名からして時代を感じますが、1982年のワールドカップスペイン大会ではイングランド戦とフランス戦に出場しています。Mリーグでは1989年から1991年までスランゴールFA(現スランゴールFC)でプレーしています。
    *ボラセパマレーシアJP:この選手はよく覚えています。外国籍選手のGKは当時は、珍しかったですが、当時のMリーグではダントツNo.1のGKでした。ストロムシック選手が在籍した3年間は、リーグ優勝2回、カップ戦優勝1回、準優勝2回と今は見る影もないスランゴールがとてつもなく強かった時の守護神でした。
  2. エミール・ムボウ(MF、カメルーン)
    ロジャー・ミラを筆頭にIndomitable Lions「不屈のライオン」として有名になったカメルーン代表で1990年イタリアと1994年アメリカと2大会で合計6試合に出場しているムボウ選手は、1996年にプルリスFA、1997年にはクアラルンプールFA(現KLシティ)、そして1999年から2001年まではサバFA(現サバFC)でプレーしています。
    *ボラセパマレーシアJP:Mリーグでプレーするニュースを聞いて、そんな輝かしい経歴の選手がマレーシアでプレーするんだ!と驚いた記憶があります。Mリーグでプレーした選手の中ではWC最多試合出場を誇るムボウ選手はサバでのプレーを終えて引退しています。
  3. ステファン・ケシ(DF、ナイジェリア)
    1994年のワールドカップアメリカ大会では1試合出場ながら、グループステージのギリシャ戦に先発フル出場しているケシ選手は、長身のセンターバックとして1998年にプルリスFAでプレーしましたが、シーズン終了とともに引退し、その後はトーゴ代表監督としてチームを2006年ドイツ大会でWC初出場に導いた後、ナイジェリア代表の監督として2014年ブラジル大会に出場しています。
  4. ペリツァ・オグニェノヴィッチ(FW、ユーゴスラビア)
    こちらも既に存在しないユーゴスラビアという国名も時代を感じさせますが、1998年のワールドカップフランス大会ではイラン、ドイツ、アメリカとのグループステージ3試合にいずれも途中出場しましたが、ノックアウトステージのオランダ戦ではベンチ入りしたものの、出場はありませんでした。このオグニェノヴィッチ選手は、現在は解散したMPPJ FCに2006年のシーズン途中に加入しています。豊富な資金力から当時は「マレーシアのチェルシー」と呼ばれたMPPJ FCは、レアル・マドリードやレッドスター・ベルグラードなどでもプレーしたこのオグニェノヴィッチ選手を獲得しましたが、チームは給料未払い問題などが明るみに出て、オグニェノヴィッチ選手も半年でチームを去っています。
  5. ジョエル・エパル(MF、カメルーン)
    2002年ワールドカップ日韓共催大会に出場したカメルーン代表入りしたエパル選手は、試合には出場する機会がありませんでした。MリーグではサラワクFA(現サラワクFC)に2012年に加入し、出場5試合で2ゴールという記録が残っています。
  6. エル=ハッジ・ディウフ(FW、セネガル)
    2001年と2002年の2年連続アフリカ年間最優秀選手を受賞したディウフ選手は、2002年の日韓共催大会でセネガルをベスト8に立役者。その後はリバプール、ボルトン、サンダーランドなどを経て、2015年にサバFAに加入しています。その実績から、早速キャプテンとなったディウフ選手でしたが、当時のMリーグで存在感を増していたJDTのアカデミーを母国セネガルに開設する希望や、無給でJDTでプレーしたいなど、「問題発言」を繰り返し、シーズン途中の7月にはキャプテンを解任されています。
  7. ボシュコ・バラバン(FW、クロアチア)
    2002年の日韓共催大会、そして2006年のドイツ大会の2大会でいずれもクロアチア代表チームのメンバーだったバラバン選手は、WC予選では13試合で7ゴールを挙げているものの、2大会とも本戦では全く出場がありませんでした。ディナモ・ザグレブ、アストン・ヴィラなどでプレーしたこのバラバン選手は2012年にスランゴールに加入するとデビュー戦でゴールを決め、シーズン通算でも20試合で12得点と活躍したものの、契約を延長せず1シーズンで退団しています。
  8. パブロ・アイマール(MF、アルゼンチン)
    2002年日韓共催大会、2006年ドイツ大会の2大会で合計6試合に出場したアイマール選手は、リバー・プレート(アルゼンチン)、バレンシア(スペイン)などでプレーした後、2014年にベンフィカからジョホール・ダルル・タジムJDTへ加入しています。公表はされなかったもののMリーグ史上最高額と言われた給料で2年契約を結んだアイマール選手でしたが、リーグ開幕から3ヶ月で度重なるケガのため、退団しています。出場8試合で2ゴールという成績でしたが、2022年まで続く9連覇の1年目の優勝メンバーとして、優勝メダルを受け取っています。なお、アイマール氏は現在はアルゼンチンU17代表の監督を務めています。
  9. キム・ドゥヒュン(MF、韓国)
    2006年ドイツ大会でメンバーに選ばれたものの、試合出場がなかったキム選手は、35歳となった2018年にヌグリスンビランFA(現ヌグリスンビランFC)に加入し、キャプテンを勤めるなどして、1シーズンプレーしています。
  10. ジェリー・パラシオス(FW、ホンジュラス)
    2010年南アフリカ大会では、スペイン戦とスイス戦の2試合に出場したパラシオス選手は、2014年ブラジル大会でもメンバー入りしたものの、出場はありませんでした。アジアでは中国や香港のリーグなどでプレーした後、2016年に当時Mリーグ1部にいた国軍FC(ATM)に加入したものの、WC出場選手という期待に応えられず、出場2試合のみにとどまり、ATMはこのシーズンで1部から降格しています。
  11. アンドリュー・ナバウト(FW、オーストラリア)
    2018年ロシア大会でフランス戦とデンマーク戦の2試合に出場したナバウト選手は、ここまでの10名の選手とは異なり、Mリーグでプレーした後にWCに出場した選手です。2016年にヌグリスンビランFAに加入すると、リーグ前半戦の12試合でチーム最多の8ゴールを量産しました。しかし前半戦終了後にシーズン2度目のトランスファーウィンドウが開くと、何を思ったかヌグリスンビランはナバウト選手との契約を解除してしまいます。その後、母国のニューカッスル・ジェッツに加入し、再びチームトップの得点を挙げると、2018年にはJリーグ浦和へ移籍し、またオーストラリア代表としてW杯出場を果たしています。
U17アジアカップ出場権獲得のU16代表監督は中東や日本への遠征を希望

AFC U17アジアカップ2023年大会予選を突破したマレーシアU16代表の監督は、大会前により強い相手との対戦経験を積むために中東あるいは日本への遠征を希望していると、マレーシアの通信社ブルナマが報じています。

予選が行われたインドネシアから帰国した直後の空港で行われた記者会見の席上、U16代表のオスメラ・オマロ監督は、予選突破は果たしたものの、チームはまだ多くの点で改善の余地があるとして、大会前に中東の国々や日本といった強豪と対戦して、さらに経験を積む必要があると話しています。

オスメラ監督は、来年開催される本戦ではベスト4進出を目指したいと話す一方で、チームマネージャーのクリストファー・ラジ氏は、予大会前にはイラン、日本、韓国などへ遠征して試合を行いたいと述べています。

開催地枠での出場も含め、マレーシアはAFC U17アジアカップ(旧AFC U16選手権)にはこれまで6度出場しており、2014年にコギレスラワン・ラジ(PJシティ)、ハジック・ナズリ(JDT)らを擁してベスト8に進出したのが、マレーシアの最高成績です。

10月11日のニュース
マレーシアが予選を1位突破し来年のAFC U17アジアカップ出場権を獲得
MFLはマレーシアカップ出場権剥奪のマラッカの選手の特例移籍案を拒否

マレーシアが予選を1位突破し来年のAFC U17アジアカップ出場権を獲得

見事なお手並み、お見逸れ致しました。

インドネシアのボゴールで開催されていたAFC U17アジアカップ予選B組は10月9日に最終第5節が行われ、ここまで2勝1分で2位につけていたマレーシアU16代表と、3勝全勝で首位のインドネシアU16代表が激突し、5-1で勝利したマレーシアがB組1位として本戦出場権を獲得しています。

前節第4節にアラブ首長国連邦UAEを相手にロスタイムのゴールで3-2と勝利し、代わってグループ2位となったマレーシアは、B組1位突破をかけて、開催国インドネシアと対戦しました。ここまでの3試合を3勝0敗、得点19失点2のインドネシアに対し、マレーシアのオスメラ・オマロ監督は、前節のUAE戦と全く同じ先発XIを起用しました。

試合は開始からからインドネシアに攻め込まれる展開となりましたが、マレーシアのGKファリシュ・ファルハンが再三、好セーブを見せてピンチを防ぐと、徐々にペースを掴み始めたマレーシアはザイヌルハキミ・ザイン(AMD U16)が今大会2点目となるゴールを17分に決めてマレーシアが先制すると、20分にはアラミ・ワフィ(AMD U16)がパレスチナ戦、UAE戦に続く今大会3点目となるゴールを決めてリードを広げます。さらに23分にはアンジャスミルザ・サフルディン(AMD U16)がやはり今大会3点目となるゴールを、また26分にはアフィク・ダニシュ(AMD U16)が今大会初ゴールを決め、試合開始から26分で4-0と大量リードします。さらに38分には相手パスを奪い、ドリブルでペナルティエリアに持ち込んだアンジャスミルザ・サフルディンが倒されてPKを得ると、アラミ・ワフィがこのPKを決めてさらにリードを広げます。

試合はこのまま進み、後半のロスタイムに失点し完封は逃したものの、マレーシアが5-1でインドネシアを破り、3勝1分で勝点10となりB組1位として、来年のU17アジアカップ本戦出場を決めています。マレーシアは開催国枠で出場した2018年大会に以来、通算6回目の出場、予選を突破しての出場は、アリフ・ハイカル(スランゴール)、アリフ・サフワン(UITM)、イズリーン・イズワンディ(KLシティ)らを擁した2016年以来となります。

また第5節のもう一つの試合は、パレスチナがグアムを4-0で破り、今回の予選で初勝利を挙げ、通算成績を1勝3敗で4位に、またグアムは通算成績を0勝1分3敗として5位で今回の予選を終えています。

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マレーシアは、1-1で引き分けたグアム戦以外の3試合はほぼ同じメンバーが先発し、グアム戦で主力を休ませるオスメラ・オマロ監督の戦略が功を奏しました。
 この日の試合でも、14-0と大勝したグアム戦と8名が同じ先発メンバーだったインドネシアに対し、マレーシアは1-1と引き分けたグアム戦の先発メンバーとは9名が異なっています。4試合をほぼ同じメンバーで戦ったインドネシアと、グアム戦を利用して選手を上手くローテーションしたマレーシアの選手マネージメントの差が出たと言っても良いでしょう。
 もちろんグアム戦で引き分けたときには、UAE戦、インドネシア戦が残っている中で、まさかこのまま予選敗退…という不安もよぎり、UAE戦もロスタイムのゴールで薄氷を履む勝利だったところから、この日のインドネシア戦も大丈夫か?という感じでしたが、蓋を開けてみれば堂々のグループ1位突破となりました。

AFC U17アジアカップ予選B組第5節
2022年10月9日@パカンサリスタジアム(インドネシア、ボゴール)
インドネシア 1-5 マレーシア
⚽️インドネシア:アルハン・カカ・プトラ(90+3分)
⚽️マレーシア:ザイヌルハキミ・ザイン(17分)、アラミ・ワフィ2(20分、38分)、アンジャスミルザ・サハルディン(23分)、アフィク・ダニシュ(38分)
🟨インドネシア(2):ナビル・アシュラ、アンドレ・パンゲストゥ
🟨マレーシア(1):アフィク・ダニシュ

AFC U17アジアカップB組 最終順位表

チーム勝点
1MYS4310134910
2IDN4301207139
3UAE420217966
4PSE4103710-33
5GUM4013128-271
UAE-アラブ首長国連邦、IDN-インドネシア、MYS-マレーシア、PSE-パレスチナ、GUM-グアム

AFC U17アジアカップは、昨日までに本戦出場する16チームが決定しています。東南アジアからはB組1位のマレーシアの他、ベトナム、タイ、ラオスの4チームが出場します。本戦が新型コロナ感染拡大のために中止になってしまった2020年大会ではインドネシアが東南アジア唯一の本戦出場、2018年はインドネシア、タイ、ベトナム(マレーシアは開催国として出場)、2016年はマレーシア、ベトナム、タイ、2014年はマレーシア(タイは開催国として出場)が出場と、過去5大会では東南アジアから4チームが予選を突破したことはありません。2023年大会は当初の開催国だったカタールが開催を辞退したため、未だ開催国は決まっていませんが、東南アジアの4チームには是非、その存在感を見せつけて欲しいです。

MFLはマレーシアカップ出場権剥奪のマラッカの選手の特例移籍案を拒否

給料未払い問題が未解決のため、今季のマレーシアカップ出場権剥奪処分を受けたMリーグ1部スーパーリーグのマラッカ・ユナイテッド(以下マラッカ)の選手について、マレーシアプロサッカー選手会PFAMは、Mリーグを運営するMFLに対して、マラッカ所属の選手がマレーシアカップに出場する他のクラブへの期限付き移籍を特例として認めるよう提案していましたが、MFLはこれを拒否したと、英字紙ニューストレイトタイムズが報じています。

あと2節を残す今季のスーパーリーグですが、このリーグ戦終了後の10月25日開幕するのが、国内最大のカップ戦、マレーシアカップです。昨年開催100周年を迎えたこのマレーシアカップは、スーパーリーグ1位から11位までの11チームと、2部プレミアリーグの上位5チームの合計16チームが対戦しますが、もともとカップ戦から始まったマレーシアサッカーの原点とも言える大会です。

この伝統ある大会に出場できなくなったマラッカは、収入面でも痛手を受け、その結果、選手への未払い給料問題がさらに長引く可能性他があることから、マラッカ所属のの選手の救済策として、PFAMはMFLに対して特例としてマレーシアカップ期間中の期限付き移籍を認めるよう提案していました。、

MFLは、現在が移籍が可能となるトランスファーウィンドウ期間でないこと、また1クラブのために特例としてトランスファーウィンドウを開くことはできないことを理由に挙げて、この提案は受け入れられないとしています。さらにマラッカは現在も継続中のスーパーリーグでプレーしており、中断期間でない時期のトランスファーウィンドウは開くことはできないこと、マレーシアカップの規定では大会のための追加登録はできないことなどを、MFLのスチュアート・ラムリンガムCEOは説明しています。

マラッカは、現在のオーナーであるケンチーム社のCEOで、マラッカの運営会社のCEOでもあるジャスティン・リム氏が、未払い給料問題を解決した後にクラブの全株式を売却するつもりであることも明らかにしており、この株式の売却が実現しなければ、マラッカは来季のスーパーリーグから撤退する最悪の可能性もあります。

10月6日のニュース
AFC U17アジアカップ予選B組-マレーシアはグアム相手にまさかの引き分けで予選突破が遠のく
AFCカップ地区間プレーオフ決勝-PK戦を再び制したKLシティが決勝進出

AFC U17アジアカップ予選B組-マレーシアはグアム相手にまさかの引き分けで予選突破が遠のく

インドネシアのボゴールで開催中のAFC U17アジアカップ予選B組は10月5日に第3節が行われ、前節第2節に試合がなかったマレーシアは、グループ最下位のグアムと対戦しましたが、1-1とまさかの引き分けで、通算成績を1勝1分としています。

初戦のパレスチナ戦に4-0と快勝したマレーシアは、勝点3を目指して既に2敗のグアムと対戦しましたが、前半は両チームとも得点がなく終了。後半に入ってもこう着状態が続いたものの、マレーシアはカヒル・ザキリンのゴールで73分にリードを奪います。

初戦はアラブ首長国連邦UAEに0-9、2戦目はインドネシアに0-14と敗れているグアムを相手に、マレーシアは勝点3はもちろん、大量点を奪って10月7日の次節第4節グループ首位のUAE戦に臨みたいところでしたが、84分にはグアムのリク・メイヤーにまさかの同点ゴールを許してしまいます。

試合はそのまま終了し、大量点も勝点3も手にできなかったマレーシアは、グループステージ突破のためには、UAEとインドネシアの両チームに勝利するしかなくなりましたが、グアムと引き分けているようでは…。

なおこの日の第2試合ではインドネシアがUAEを3-2で破っており、勝点で並んだもののと得失差でインドネシアが1位、UAEが2位となり、以下マレーシア、グアム、パレスチナと続いています。

2022年10月5日@パカンサリスタジアム(インドネシア、ボゴール)
マレーシア 1-1 グアム
⚽️マレーシア:カイル・ザキリン(73分)
⚽️グアム:リク・メイヤー(84分)
🟨マレーシア(3):アダム・ミカエル、カイル・ザキリン、ファリス・ダニシュ
🟨グアム(1):アルバン・アマンテ・テノリオ・ラミレス
🟥マレーシア(1):ナビル・フィトリ

AFC U17アジアカップB組 順位表(第2節終了時)

チーム勝点
1IDN2200172156
2UAE320115696
3MYS21105144
4GUM3012124-231
5PSE200238-50
UAE-アラブ首長国連邦、IDN-インドネシア、MYS-マレーシア、PSE-パレスチナ、GUM-グアム

或いは戦略?このグアム戦の先発XIは、初戦のパレスチナ戦の先発XIからは7名が変わっており、この試合は最初から重視されていなかったのかも知れません。
 というのも、マレーシアの入っている予選B組はマレーシア、インドネシア、UAE、パレスチナ、グアムの5チームで構成されていますが、E組からJ組の6組は4チーム編成となっています。このため、グループを首位で突破できなかった場合に、予選各組の2位チームのうち、本選に進む上位6チーム(開催予定地だったバーレーンの出場辞退により1枠増えています)の決定は、各組上位3チームの対戦成績を元にすることが決まっており、この日のグアム戦と初戦のパレスチナ戦の成績に関係なく、残るUAE戦とインドネシア戦に連勝すれば、2位での本戦出場となります。
 B組で全勝を目指してして首位突破を計るのではなく、最初から2位狙いだとしたら、マレーシアU17代表のオスメラ・オマロ監督はなかなかの策士ですが、果たして残り2試合の結果はどうなるでしょうか。

AFCカップ地区間プレーオフ決勝-PK戦を再び制したKLシティが決勝進出

KLシティの快進撃は止まりません!

ウズベキスタンのジザフで行われたAFCカップ地区間プレーオフ決勝に出場したMリーグ1部スーパーリーグのKLシティFCは、敵地でPFCソグディア(ウズベキスタン)を撃破し、東南アジアのクラブとしては2クラブ目となるAFCカップ決勝進出を果たしています。

このブログでも取り上げた通り、KLシティのボヤン・ホダック監督は、この試合で起用する外国籍選手4名を試合直前まで検討するとしていましたが、蓋を開けてみると、この試合ではFWジョーダン・ミンターの代わりに、グループステージを含め、これまでAFCカップでは出場のなかったGKケヴィン・メンドーザを起用しました。そして、この起用が最後のPK戦も含めてこの試合の重要なポイントとなりました。

本拠地のクアラルンプールからは20度以上も低い気温に加え、時にはボールが奇妙に跳ねる劣悪なピッチに悩まされたKLシティは、試合開始からホームのPFCソグディアに攻め込まれる場面が続きます。GGことジャンカルロ・ガイオフコと、イルファン・ザカリアの両センターバックを中心に耐えるも、最後の砦となったケヴィン・メンドーザでした。ボヤン・ホダック監督の器用に答えてスーパーセーブを連発して失点を防ぎ続けました。

両チームとも無得点のまま、90分間では決着がつかなかったこの試合は、延長に入っても0-0のままで、最後はPK戦にも連れ込みました。先攻のKLシティはパウロ・ジョズエ、ロメル・モラレス、ハディン・アズマン、アクラム・マヒナン、ジャンカルロ・ガリフオコの5名全員が成功したのに対し、後攻のPFCソグディアナは2人目のシャクボツ・ジュラべコフのPKがKLシティのケヴィン・メンドーザに止められた結果、KLシティが5-3で勝利し、東南アジア地区準決勝のベトテルFC(ベトナム)戦に続くPK戦を制したKLシティが決勝進出を決めています。

10月22日に予定されている決勝では、もう一つの準決勝でアル・リファーSC(バーレーン)を4-0で破ったアル・シーブ・クラブ(オマーン)と、KLシティの本拠地、KLフットボールスタジアムで対戦します。中東のクラブが席巻するこのAFCカップですが、KLシティは、2015年に東南アジアのクラブとして初めて優勝した同じスーパーリーグのジョホール・ダルル・タジムJDT以来、Mリーグ2チーム目となる優勝を目指します。

AFCカップ地区間プレーオフ決勝
2022年10月5日@ジザフ総合運動場(ウズベキスタン、ジザフ)
PFCソグディアナ 0-0 KLシティ(PK戦3-5)
🟨PFCソグディアナ(1):サルドル・クルマトフ
🟨KLシティ(1):パウロ・ジョズエ

(下は両チームの先発XIと試合のハイライト映像。ハイライト映像はアストロ・アリーナのYouTubeチャンネルより)

10月2日のニュース AFC U17アジアカップ予選-マレーシアは初戦でパレスチナに快勝
AFFビーチサッカー選手権-マレーシアはタイに敗れて2位に
噂関連2題-PJシティはリーグ撤退、JDTはトレンガヌ選手獲得オファーの噂を否定

AFC U17アジアカップ予選-マレーシアは初戦でパレスチナに快勝

インドネシアのボゴールで開催中のAFC U17アジアカップ予選B組に出場中のマレーシアU 17代表は、10月1日(土)に行われた初戦でパレスチナと対戦し、前半は0-0だったものの、後半に4ゴールを決めて快勝しています。

AFC U17アジアカップ予選B組第1節
2022年10月1日@パカンサリスタジアム(インドネシア、ボゴール)
パレスチナ 0-4 マレーシア
⚽️マレーシア:アンジャスミルザ・サハルディン(51分)、ファリス・ダニシュ(69分)、アラミ・ワフィ(75分)、ザイヌルハキミ・ザイン(87分)
🟨パレスチナ(1):レダ・サバー
🟨マレーシア(1):アフィク・ダニシュ

このB組第1節のもう1試合、アラブ首長国連邦UAE対グアムは9-0で、UAEが圧勝しています。

明日10月3日(月)に開催されるB組第2節ではマレーシアは試合がなく、UAE対パレスチナ、グアム対インドネシアの2試合が組まれています。

AFFビーチサッカー選手権-マレーシアはタイに敗れて2位に

東南アジアサッカー連盟AFFビーチサッカー選手権2022年大会がタイのチョンブリで開催されていましたが、マレーシアは最終戦となったタイとの試合に1-3で敗れ、2位に終わっています。

2019年以来3年ぶりの開催となった今大会には、前々回2018年大会の覇者ベトナムは出場せず、開催国タイ、マレーシア、インドネシアと3カ国のみが出場しました。マレーシアは初戦のインドネシアに9−2と勝利しており、同じインドネシアを相手に5−2で勝利したタイと最終戦で対戦しました。

得失差もあり、この試合で引き分け以上なら、自国開催だった2014年大会以来2度目の優勝となるマレーシアでしたが、結局、タイに敗れて2位となっています。一方のタイは前回2019年大会に続く2連覇となりました。

PJシティのCEOはクラブのスーパーリーグ撤退の噂を否定

今季のMリーグ1部スーパーリーグで10位と低迷するPJシティが今季をもってMリーグを撤退するのでは、といった噂がSNS上などで出ていることを受け、PJシティのCEOがこの噂を否定する事態になっていると、英字紙スターが報じています。

リ現在のチームオーナーであるQI社がクラブを売却する用意があるとも噂されていることに対して、PJシティのS・ガネシュCEOは、クラブは売りには出されてないと噂を否定する一方で、来季に向けてさまざまな構造改革がクラブ内で行われていることを明らかにしています。

その改革の具体的な内容に関しては、まだそれを明らかにする時期ではない、と話したガネシュCEOは、来季2023年シーズンに向けてMリーグのクラブライセンス、そしてAFCのガイドラインに従ったクラブライセンスの申請を既に行なったことも説明した上で、オーナーのQI社の負担を減らすよう、商業的に自立したクラブになるための改革であるとしています。

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前身のインド系マレーシア人サッカー協会MISC-MIFAから転じたPJシティは、スーパーリーグデビューとなた2019年には8位、さらに2020年と2021年には7位の成績を収め、今季は外国籍選手を1人も獲得せず、”Yakini Lokal”(「マレーシア人選手を信じろ」とでも訳せるでしょうか)をスローガンに今季はここまで18試合で3勝8分7敗、得点18失点29の勝ち点17の10位という成績ですが。その一方で、外国籍選手がいないことによってマレーシア人選手が出場機会をより多く得られることで、今季チームからはダレン・ロック、V・ルヴェンティラン、カラムラー・アル=ハフィズ、R・コギレスワランが代表に召集されています。

国体で活躍のトレンガヌ若手選手への獲得オファーの噂をJDTが否定

Mリーグ1部スーパーリーグのジョホール・ダルル・タジムJDTは、クラブ公式Facebookなどで、同じスーパーリーグのトレンガヌのセカンドチームに所属するムスリフディン・アティクに対して獲得オファーを出したという噂を否定しています。

先月9月に開催されたマレーシアの国体、マレーシアゲームズのサッカーで12年ぶりの優勝を果たしたトレンガヌの主力選手として3ゴールを挙げるなど、時の人となったムスリフディン選手ですが、トレンガヌ州政府の青年スポーツ委員会のワン・スカイリ・ワン・アブドラ委員長のもとに、このムスリフディン選手獲得について所属するトレンガヌとJDTの間で獲得交渉が行われていると発言していました。

しかしJDTはアリスター・エドワーズ テクニカル・ディレクターTD名でFacebookに投稿し、元U19代表ストライカーでもあったムスリフディン選手について、JDTのクラブ関係者は誰1人としては獲得交渉を行っておらず、むしろ交渉中という話自体に驚いたとしています。

9月8日のニュース
AFCカップ-KLシティが地区間プレーオフ決勝進出、優勝まであと2勝

AFCカップ-KLシティが地区間プレーオフ決勝進出、優勝まであと2勝

昨日9月7日にAFCカップ地区間プレーオフ準決勝が行われ、Mリーグ1部スーパーリーグのKLシティがATKモフン・バガン(インド)を3-1で破り、地区間プレーオフ決勝進出を決めています。

相手ホームのソルトレイク・スタジアム(西ベンガル州コルカタ)での対戦となったこの試合は、試合開始前から一筋縄では行きませんでした。インドサッカー協会(AIFF)に対するFIFAの処分により、一時はこの試合を不戦勝で勝ち抜ける可能性があったKLシティは、8月26日に処分が解除され試合開催が決まると、 一旦はホームのKLフットボールスタジアムでの開催をAFCに求めるも、会場変更に伴う手続きを行うには時間がないとして却下されました。

コルカタでの試合が決まると、今度はビザ取得でも問題が起こります。直行便ならクアラ・ルンプールから5時間で到着するところが、ビザ発給の遅れにより直行便に乗れなかったチームは乗り継ぎを含む12時間の長旅を経て、コルカタに到着したのは試合前日の夜でした。

そうした状況を経て行われた試合は、フランス代表MFポール・ポグバの兄フロランタン・ポグバが主将を務めるATKモフン・バガンに対し、KLシティのボジャン・ホダック監督は、自陣に引いて守備に数をかける戦術を選択すると、相手はそれに対応できず前半0-0で終了します。しかし、先制点を挙げたのはKLシティでした。60分に主将のパウロ・ジョズエがペナルティエリアの外から自身今大会の5得点目(今大会最多)となるゴールを決めて、KLシティが1~0と先行します。

このゴールでATKモフン・バガンは積極的にゴールを狙い始めますが、KL守備陣の好守もあり時計は90分に近づき、6分のアディショナルタイムが告げられます。このままKLシティが逃げ切るかと思われましたが、90分にATKモフン・バガンは途中出場のファルディン・アリ・モラがKLシティGKアズリ・アブドル・ガニが防いだシュートのこぼれ球を押し込んで土壇場で同点に追いつきます。

スタンドを埋め尽くしたATKモフン・バガンが熱狂しますが、それも長続きはしませんでした。その2分後。途中出場のファクルル・アイマンがパウロ・ジョズエの右サイドからのフリーキックに頭で合わせてゴール!KLシティが再びリード!。さらにその3分後には、全員を挙げて攻撃に転じるATKモフン・バガンサイドに飛んだゴールキックの処理に相手DFがもたつく間に、やはり途中出場のロメル・モラレスがそのルースボールをカットするとそのままペナルティエリアに持ち込みシュート。決定的な3点目を挙げたKLシティが2点差を守ったまま試合が終了しました。

大会初出場ながらここまで勝ち上がってきたKLシティは、もう一つの地区間プレーオフ準決勝でイースタンFC(香港)を破ったPFCソグディアナ・ジザフ(ウズベキスタン)と相手ホームのソグディアナスタジアムで10月5日に決勝進出をかけて対戦します。

AFCカップ2022 地区間プレーオフ準決勝
ATKモフン・バガン 1-3 KLシティ
⚽️ATKモフン・バガン:ファルディン・アリ・モラ(90分)
⚽️KLシティ:パウロ・ジョズエ(60分)、ファクルル・アイマン(90+2分)、ロメル・モラレス(90+5分)
🟨ATKモフン・バガン(2):スバシシュ・ボーズ、フロランタン・ポグバ
🟨KLシティ(3):カマル・アジジ・ザブリ、ジャンカルロ・ガリフオッコ、ジョーダン・ミンター

以下は、この試合の両チームの先発XIとハイライト映像。(ハイライト映像はアストロアリーナのYouTubeチャンネルより)