9月18日のニュース
AFC U20アジアカップ2023予選-マレーシアはスリランカに勝利し最終節で予選1位を賭けて韓国と対戦
キングズカップ出場の代表合宿開始-25名中24名が参加
セルヒオ・アグエロがマレーシア国籍取得
AFC U17アジアカップ予選出場のU16代表候補25名が発表

AFC U20アジアカップ2023予選-マレーシアはスリランカに勝利し最終節で予選1位を賭けて韓国と対戦

モンゴルのウランバートルで開催中のAFC U20アジアカップ2023年大会予選E組に出場中のマレーシアU19代表は、9月16日の第2節でスリランカと対戦し、3-0で勝利して今予選初勝利を挙げています。

初戦のモンゴル戦では1-1で引き分けていたマレーシアは、53分に退場者が出て10名となったスリランカを相手に、初戦で唯一のゴールを決めていたアリフ・イズワン・ユスラン(スランゴール2)が、この試合でも2ゴールを決め、アダム・ファルハン(JDT III)のゴールと合わせて3-0で勝利しています。この日の勝利でマレーシアは1勝1分となり、最終第3節ではスリランカに6-0、モンゴルに7-0と2連勝中の韓国と予選1位をかけて本日9月18日に対戦します。

今回の予選ではA組からJ組までの1位10チームと各組2位の内、上位5チームの15チームそして、開催国ウズベキスタンの合計16tチームが来年2023年3月の本戦に出場します。

キングズカップ出場の代表合宿開始-25名中24名が参加

タイのチェンマイで今月9月22日より開催される第48回キングズカップに出場するマレーシア代表の合宿が始まり、合宿初日の9月16日には召集された25名中、24名が参加しています。

スランゴール州プタリンジャヤにあるマレーシアサッカー協会FAMのトレーニング施設 には、DFディオン・クールズ(チェコ1部FKヤブロネツ)を除く24名が集合しましたが、その内、DFシャールル・サアド(JDT)は体調不良を理由に、練習には参加していません。また、クールズ選手はマレーシア国内での合宿には参加せず、チェンマイで直接、チームに合流するということです。

キム・パンゴン監督就任後の初の公式戦となった、今年6月のAFC選手権アジアカップ2023年大会最終予選のメンバー23名中、キム監督は17名を再び招集しています。またキム監督就任後、初招集となったのは、GKラーディアズリ・ラハリム(トレンガヌ)、カラムラー・アル=ハフィズ(PJシティ)、DFアザム・アズミ(トレンガヌ)、DFシャルル・ナジーム、MFムカイリ・アジマル、MFブレンダン・ガン(いずれもスランゴール)、MFザフリ・ヤハヤ、DFデクラン・ランバート(いずれもKLシティ)の8名です。

なお、キム監督はタイへ出発する来週月曜日の9月19日まで予定されている合宿に招集した25名全員がタイ入りすると説明し、このキングズカップでのパフォーマンスをもとに、今年末の東南アジアサッカー連盟AFF選手権、三菱電機カップ、そして来年のAFCアジアカップに向けて代表チームのメンバーを絞り込みたいと話しています。

キングズカップでマレーシアは、9月22日にタイ代表と対戦し、9月25日はトリニダード・トバゴまたはタジキスタンと対戦する予定になっています。

セルヒオ・アグエロがマレーシア国籍取得

セルヒオ・アグエロと言っても、マンチェスターシティで活躍したアグエロ選手ではなく、Mリーグでプレーするセルヒオ・アグエロことエセキエル・アグエロのことですが、アルゼンチン出身のこのアグエロ選手がMリーグで通算5年プレーしたことから、FIFAの規定に従ってマレーシア国籍を取得しています。

先日このブログでは英国出身のリー・タックがやはりMリーグで5年連続してプレーしたことでマレーシア国籍を取得したことを紹介しましたが、タック選手同様、アグエロ選手も所属するスリ・パハンやパハン州政府などの支援でマレーシア国籍取得を申請し、これが認められた結果、国籍を取得しています。

自身のインスタグラムで国籍取得を明らかにしたアグエロ選手は、チームのオーナーでもあるパハン州皇室のテンク・アブドゥル・ラーマン・イブニ・スルタン・アフマッド・シャー 殿下(現マレーシア国王の弟君)に感謝の言葉を述べていることから、今回の国籍取得についてはパハン州皇室からの支援なども受けていたことがわかります。

2017年からMリーグでプレーしている28歳のアグエロ選手は、前述のタック選手とともにリーグ戦終了後のマレーシアカップからマレーシア人選手としてのプレーが可能になります。

AFC U17アジアカップ予選出場のU16代表候補25名が発表

マレーシアサッカー協会FAMはAFC U17アジアカップ予選に出場するU16代表候補25名を発表しています。オスメロ・オマロ監督率いるU16代表候補は、国内エリートアカデミーのモクタル・ダハリアカデミーで1合宿を行います。

U16代表は、今年8月にインドネシアで開催された東南アジアサッカー連盟AFF U16選手権に出場し、グループステージを突破できませんでしたが、そのチームのメンバー25名中24名が再び召集されています。詳しいメンバーはこちらから。

10月1日に開幕する今回のAFC U17アジアカップ予選でB組のマレーシアは、開催国インドネシアのほか、アラブ首長国連邦UAE、パレスチナ、グアムと同組になっています。


9月15日のニュース
AFC U20アジアカップ予選-マレーシアの初戦はモンゴルと引き分け
将来の代表候補リチャード・チンが英国3部リーグデビュー

AFC U20アジアカップ予選-マレーシアの初戦はモンゴルと引き分け

モンゴルのウランバートルで開催中のAFC U20アジアカップ2023年大会の予選E組に出場しているマレーシアは、初戦となるモンゴルとの試合に1-1で引き分け、勝点1を獲得してのスタートとなりました。

24分に相手CKからのゴール前の混戦でマレーシアが与えたPKでモンゴルが先制する展開となった試合は、モンゴルGKの度重なる好守などもあり、前半は0-1とモンゴルがリードして終了しました。後半に入ると54分に右サイドを上がったハイカル・ハキーミ(スランゴール2)からのパスをナジムディン・アクマル・カマル(JDT III)がマイナスのクロス。これをアリフ・イズワン・ユスラン(スランゴール2)がシュートし、これが決まってマレーシアは同点に追いつきます。しかし、その後は両チームとも追加点を奪えず、モンゴルの8本に対し、マレーシアは倍近い15本のシュートを放ちながら、試合は引き分けに終わっています。

予選E組のもう一つの試合は韓国がスリランカを6-0で破り、E組首位となっています。

将来の代表候補リチャード・チンが英国3部リーグデビュー

英国3部リーグにあたるEFLリーグ1のチャールトン・アスレティックFCに所属する19歳のリチャード・チンがリーグデビューを初先発で飾っています。左サイドバックのチン選手は、9月13日にホームのザ・ヴァリースタジアム(ロンドン)で行われた行われた今季第8節のフォレスト・グリーン・ローヴァーズFCに先発してリーグデビューを果たすと、72分に交代するまでプレーしています。チームは1-1で引き分け、今季通算成績を2勝4分2敗として14位(24チーム中)としています。

英国生まれながらマレーシア出身の父親とセイシェル出身の母親を持つチン選手は、マレーシア、セイシェル、英国代表でプレーする資格がありますが、これまでの報道ではマレーシア代表としてプレーすることを望んでいる旨の発言を何度か繰り返しています。チャールトン・アスレティックU18ではキャプテンも務めたチン選手は、昨年2021年7月にチームをプロ契約を結んでおり、昨年11月にはカップ戦でトップチームデビューを果たしています。今回のリーグ戦デビューでチン選手は、マレーシア代表としてプレー資格がある選手としては、最高位となる英国3部デビューを果たしたことになります。

7月22日のニュース
シンガポールのレジェンド、ファンディ・アフマドがスリ・パハンのテクニカルディレクターに就任
協会が各代表の下半期の予定を発表-A代表は9月に中東や南米の代表チームと対戦も

シンガポールのレジェンド、ファンディ・アフマドがスリ・パハンのテクニカルディレクターに就任

今季ここまで2勝2分7敗と低迷するMリーグ1部スーパーリーグのスリ・パハンはクラブ公式Facebookで、クリストファー・ギャメル監督の退団とドラー・サレー チームマネージャー(TM)の監督代行就任、そして元シンガポール代表監督のファンディ・アフマド氏のテクニカルディレクター(TD)就任を発表しています。ドラーTDは昨季のトマス・ドゥーリー監督解任後の監督代行に続き、2年連続での監督代行就任となりました。

昨季は4勝6分12敗、降格権とは勝点2差の10位という際どいところでスーパーリーグ残留を果たしたスリ・パハンは、昨季、U21チームの監督を務めたギャメル氏を監督に据え、若手の起用とチーム立て直しを期待しました。しかし直近の5試合でも引き分けを挟んで4連敗中と復調の兆しも見えないことから、ギャメル監督更迭の噂はここ数ヶ月間、ソーシャルメディア上で囁かれていました。

そんな中、ファンディ氏が先月6月にシンガポールサッカー協会FASのエリートユースプログラムのトップを辞任したことから、すわギャメル監督の後任にファンディ氏か、と色めき立ちましたが、蓋を開けてみれば、まさかのテクニカルディレクター就任となりました。

シンガポールのレジェンドのファンディ氏は、1992年シーズンには当時のパハンFA、現在のスリ・パハンでリーグ優勝とマレーシアカップの2冠を達成した他、指導者として2012年から2013年にはJDTで、そして2018年にシンガポール代表で、そして今年5月の東南アジア競技大会通称シーゲームズではシンガポールU23代表の監督なども務めています。

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ボラセパマレーシア的には、ファンディ選手はやはりクアラルンプール(当時はKLシティホール)でプレーしていた印象が強いです。同じシンガポール出身のK・カナン、マレク・アワブとともに1987年からマレーシアカップ3連覇を果たしたKLの黄金時代を築いた立役者でした。

協会が各代表の下半期の予定を発表-A代表は9月に中東や南米の代表チームと対戦も

マレーシアサッカー協会FAMは今年5度目となる理事会を開催し、各代表チームの今後の活動について話し合われた内容を公開しています。

U16/17代表は、今月7月31日から8月12日までインドネシアで開催される東南アジアサッカー連盟AFF U16選手権に向けて、今月7月18日から29日まで代表候補合宿を開催、さらに10月の1日から9日まで同じインドネシアでAFF U16選手権予選が開催されることから、9月にも2度の合宿を予定していることが発表されています。

AFF U19選手権優勝が記憶に新しいU19/20代表は、9月14日から18日の日程で開催されるAFC U19選手権予選(モンゴル)に参加するため、今月末から8月にかけてと、9月の2回の合宿を予定しているということです。

U23代表は東南アジア競技大会通称シーゲームズは準決勝敗退、、AFC U23選手権はグループステージで敗退し、その責任をとる形でブラッド・マロニー監督が契約解除となり、現在は監督が不在です。また当初出場予定だった今年9月のアジア競技大会(中国)が来年に延期となり、当面は試合がないことから、新監督決定が最優先課題となりそうです。

AFCアジアカップ出場を決めた代表の次の目標は12月21日開幕のAFF選手権三菱電機カップ2022となりますが、その前には9月22日から25日の日程でタイ南部で開催されるという4ヶ国対抗に出場することが発表されています。中東と南米の代表チームも参加するということの大会は、格上チームとの対戦が少ないマレーシアにとってAFF選手権の前哨戦となりそうです。

9月29日のニュース:スズキカップの開催国がシンガポールに決定、スランゴールFCがU20代表召集で協会と対立か

スランゴールFCがU20代表召集で協会と対立か
 英字紙ニューストレイトタイムズは、Mリーグ1部スーパーリーグのスランゴールFCが、近々予定されているU20代表合宿へ選手を派遣することに消極的であると報じています。
 スランゴールFCのセカンドチームで2部プレミアリーグのスランゴールFC 2からは多くの選手がU20代表に召集される見通しですが、この中にはトップチームに昇格して現在開催中のマレーシアカップに出場する選手もいることから、クラブがそういった選手の代表召集には応じない可能性があると報じられています。
 マレーシアサッカー協会FAMは10月25日から31日までモンゴルのウランバートルで開催されるアジアサッカー連盟AFC U23アジアカップ予選J組に本来のU23代表ではなく、2024年パリオリンピック出場を目指すための長期強化プログラムの一環としてU20代表を派遣することを決めていますが、その中心選手となるのがスランゴールFC 2の選手たちです。
 今回の件についてスランゴールFCのジョハン・カマル・ハミドンCEOはニューストレイトタイムズの取材に対して多くを語らず、FAMに問い合わせるべきと答えたということですが、このAFC U23アジアカップ予選はFIFA国際マッチーデー期間外で開催されるため、クラブには選手の召集を拒否することが可能であることが問題を複雑にしているようです。
 スランゴールFCとFAMは今回のU20代表合宿での選手召集について既に話し合いを行なっており、FAMのサイフディン・アブ・バカル事務局長は両者間の対立はなく、話し合いは実りあるものだったとしていますが、AFC U23アジアカップ予選まで既に1ヶ月を切った現在もU20代表の第2次合宿召集メンバーの発表はされていません。
 なおスランゴールFC からはシャルル・ナジーム(21)とムカイリ・アジマル(19)が10月1日から行われるフル代表の合宿とヨルダン遠征に召集されていますが、こちらはFIFA国際マッチーデー期間内に行われるため、問題は起きていません。

スズキカップの開催国がシンガポールに決定
 アセアン東南アジアサッカー連盟AFFは公式サイトで今年12月に開催予定のAFF選手権スズキカップ2020年大会をシンガポールで開催することを発表しています。
 12月5日に開幕するスズキカップは、当初は2020年末に予定されていましたが東南アジア各地で新型コロナの感染拡大により今年3月に延期され、その後も感染状況が改善されず、開催地として立候補する国もなかったことからさらに12月に延期されていました。
 またこれまではホーム&アウェー方式で行われたきたスズキカップですが、今大会は出場チームや関係者の安全を考慮し一カ国での集中開催方式となることが発表されており、9月27日にオンラインで行われたAFF理事会で今大会の開催地として立候補したタイとシンガポールからシンガポールが集中開催地と決定しています。
 なおスズキカップ2020年大会の組み合わせ抽選は既に終わっており、マレーシアは前回2018年大会の覇者ベトナム、インドネシア、カンボジア、ラオスと同じB組に入っており、初戦は12月6日のカンボジア戦となることが決まっています。グループステージ終了後にはA、B両組の上位2チームが準決勝に進み、準決勝以降は従来通りのホーム&アウェー形式で行われ、決勝は今年12月29日と2022年1月1日に予定されています。

9月9日のニュース:Mリーグ1部-クダが2位浮上も順位決定は最終節まで持ち越し、U20の練習試合2試合目はFAM-MSNプロジェクトと引き分け、ナフジ監督は来季も続投させるべきとトレンガヌFC前監督が提言

Mリーグ1部スーパーリーグ第16節(7月31日から順延)
2021年9月8日@ダルル・アマンスタジアム(クダ州アロースター)
クダ・ダルル・アマンFC 3-3 UITM FC
得点者:クダ-バドロル・バクティアル(39分)、フィクリ・ズルキフリ(74分)、チェチェ・キプレ(80分)、UITM-デニス・ブシェニング(40分PK)、クォン・ヨンヒュン(46分)、アリフ・アルラシド(64分)
 FIFAワールドカップ2022年大会アフリカ2次予選でリベリア代表に招集されたクパー・シャーマンが中央アフリカ戦で決勝ゴールを決めた朗報が入ってきた一方で、そのシャーマン選手を失って以降のクダ・ダルル・アマンFCは1分1敗と苦しい試合が続き、2位だった順位もペナンFCに抜かれて3位に後退しています。
 それでも最下位のUITM FCをホームに迎え、この試合で再び2位浮上を目論んだクダ・ダルル・アマンFCは39分にバドロル・バクティアルのゴールで先制します。しかしその直後にはUITM FCがPKを決め、前半は1-1 で終了します。後半に入るとUITM FCが立て続けにゴールを決めて逆に2点のリードを奪います。この試合に敗れれば自力での2位奪取が不可能となるクダ・ダルル・アマンFCは、アイディル・シャリン監督が投入したファンディ・オスマンとフィクリ・ズルキフリのコンビで74分に1点、そして80分はチェチェ・キプレのゴールで同点としますが、ここでタイムアップ。勝点ではペナンFCに並んだものの得失差で再びクダ・ダルル・アマンFCが2位に浮上し、今週末の最終第22節ではトレンガヌFCも交えた三つ巴の2位争いが繰り広げられることになりました。
 第22節では3位のペナンFCは4位のトレンガヌFCと、2位のクダ・ダルル・アマンFCは7位のマラッカ・ユナイテッドFCと対戦します。
 一方のUITM FCはこの引き分けにより11位のペラFCとの勝点差が1つ詰まって3となり、最終節の結果次第では最下位脱出とマレーシアカップ出場権獲得の可能性が残りました。
(試合のハイライト映像はMFLの公式YouTubeチャンネルよりお借りしています。)

2021年シーズンMリーグ1部スーパーリーグ順位(第21節終了時)

ClubGWDLGFGAGDP
1#JDT2117314884051
2KDA21124549271340
3PEN2112453528740
4TFC21114631181337
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8PJ2156101427-1321
9SBH2147102036-1619
10PHG2146112336-1318
11@PRK2134141844-2613
12@UITM2124151541-2610
#JDTが2021年シーズンの優勝を果たしAFCチャンピオンズリーグ出場権を獲得しています。
@ペラFCとUITM FCは2022年シーズンの2部降格が決定しています。
*マラッカ・ユナイテッドは給料未払いのため、勝点3剥奪処分を受けています。
項目:G-試合数、W-勝利、D-引き分け、L-敗戦、GF-得点、GA-失点、GD-得失差、P-勝点
ラブ名:KDA-クダ・ダルル・アマン、TFC-トレンガヌ、PRK-ペラ、SEL-スランゴール、PHG-スリ・パハン、PJ-PJシティ、MU-マラッカ・ユナイテッド、SBH-サバ、PEN-ペナン、KL-KLシティ

U20の練習試合2試合目はFAM-MSNプロジェクトと引き分け
 アジアサッカー連盟AFC U23アジアカップ予選に向けて合宿中のU20代表は合宿最終日となった9月7日にMリーグ2部プレミアリーグのFAM-MSNプロジェクトと対戦し、0-0と引き分けています。
 U20代表は初の実戦となったヌグリスンビランFCでは1-2と敗れていました。
 今回の相手のFAM-MSNプロジェクトは、マレーシアサッカー協会FAMと青年スポーツ省参加の国家スポーツ評議会MSNが共同で運営する育成目的のチームで、今季はプレミアリーグに参戦しここまでは18試合で1勝3分14敗(得点12、失点52)と言う成績ですが、このチームからはプレミアリーグでマレーシア人選手として最多の8ゴールを挙げているアズハド・ハラズ・アズマンら4名がU20代表に招集されています。
 FAMは2024年パリオリンピック出場の育成プランの一環として、10月27日から31日にモンゴルのウランバートルで開催されるAFC U23アジアカップ予選J組にはU20代表を派遣するとしていますが、このFAM-MSNプロジェクト自体もパリオリンピック出場の育成プランの一環として今季のプレミアリーグに参戦しており、両チームの選手がU20代表のブラッド・マロニー監督にアピールするために激しい試合となったと、マレーシア語紙のハリアンメトロは報じています。
 この練習試合後には、選手のパフォーマンスに満足したと話したマロニー監督は「チーム内での健全な競争によりヌグリスンビランFCからは明らかにチームのパフォーマンスは改善しており、特に練習で行ったことを実践できている選手も多かった。」と話し、今月末から始まる第2次合宿に参加するメンバー選考が難しくなったとも述べています。この第2次合宿には国外組のルクマン・ハキム・シャムすディン(ベルギー1部KVコルトレイク)や、FIFA国際マッチ期間に試合を行った1部スーパーリーグでプレーするアリフ・アイマン(JDT)、ムカイリ・アジマル(スランゴールFC)らの追加招集が予定されています。

ナフジ監督は来季も続投させるべきとトレンガヌFC前監督が提言
 それまでの好調さが嘘のようにシーズン終盤に失速したチームに合わせるように、来季の去就が取り沙汰されるようになったMリーグ1部トレンガヌFCのナフジ・ザイン監督について、前任のトレンガヌFC監督で、現在は2部クチンシティFCを指揮するイルファン・バクリ監督がトレンガヌFCは来季もナフジ監督と契約するべきと提言しています。
 リーグ終盤の重要な時期にチームが3連敗し、第12節から維持してきた2位から第20節には3位、第21節には4位と順位を下げたことから、その能力に一部からは疑問の声が出始めているナフジ監督ですが、イルファン前監督は、トレンガヌFCが今季の1部スーパーリーグで現在の4位という順位に到達していることで、ナフジ監督は指導者としての十分な能力を証明しており、来季も監督を続けさせてトレンガヌFCをトップレベルのチームにできることを証明する機会を与えられるべきだと、マレーシアの通信社ブルナマの取材に答えています。
 自身がトレンガヌFCの監督を務めていた際にはアシスタントコーチを務めていた、いわば愛弟子のナフジ監督についてイルファン前監督は現在も連絡を取り合う仲であり、辛抱強くあること、そしてチームにあく盈虚しか与えないピッチ外での問題をできるだけ減らす努力をすることをアドバイスしていると話しています。
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 昨季まで主将を務めていたリー・タックや、新型コロナの影響で11試合と短縮されたリーグで9ゴールを挙げたドミニク・ダ・シルヴァら外国籍選手を今季は全て入れ替えた上、マレーシア人選手の補強も即戦力というよりも若手中心だったことから、今年ではなく数年後に優勝を目指せるチームとしてボラセパマレーシアJPの今季開幕前の順位予想ではトレンガヌFCを5位としました。新たに獲得したデヴィッド・ダ・シルヴァはここまで7ゴールを期待に応えられず、またシーズン途中には、同じスーパーリーグのスリ・パハンFCに移籍していたリー・タックを期限付き移籍で呼び戻すなど、決して万全とは言えないチーム状態の中でシーズンの大半で2位の座を確保し続けたナフジ監督は、現在、スーパーリーグで指揮を取るマレーシア人監督6名中でトップの成績を収めており、その手腕には疑問の余地はなさそうに見えます。今季最終第22節となる今週末の試合では2位を争うペナンFCとの対戦が控えており、この試合の結果次第でナフジ監督の去就が決まる可能性もあります。

9月7日のニュース:AFCU23アジアカップ出場のU20代表が練習試合で来季1部昇格クラブ相手に惜敗、トレンガヌFC経営陣はナフジ監督の「休養」説を否定、2部降格のペラFCの理事が辞任表明

AFC U23アジアカップ出場のU20代表が来季1部昇格クラブ相手に惜敗
 アジアサッカー連盟AFC U23アジアカップに出場するU20代表は現在第1時合宿中ですが、初の実戦として9月4日にMリーグ2部のヌグリスンビランFCと練習試合を行いました。
 英字紙ニューストレイトタイムズによると、試合は1-2と敗れたもののU20代表のブラッド・マロニー監督は「このチームにとっては初の実戦でとなったこの試合では、ボールを速く動かすにはピッチの状態は悪すぎたが、それでも多くの機会を作り、ゴールを決めることもできた。また個々の選手たちの能力を把握することもできたのでとても良い実戦機会となった。2点を先制された後は、チームとして積極的にゴールを目指す姿勢も見られたので、今後も同じようなパフォーマンスを期待したい。」と述べています。
 一方対戦したヌグリスンビランFCのK・デヴァン監督は「前半は特に1対1となった場面ではボールに向かっている積極性に欠けていたものの、後半に入るとボールコントロールに自信が見て取れるようなり、組織的に攻撃に転じる場面もあった。今回の第1次合宿が8月30日から始まったことを考えるとチームとして活動した期間は1週間ながら良い点が多く見られた。」と述べて、チームとしてプレーする時間が増えれば、それにつれてパフォーマンスも改善するだろうと話しています。
 本日9月7日に第1次合宿を終えるU20代表は、今月末には第2次合宿が予定されています。
 マレーシアサッカー連盟FAMは、2024年パリオリンピック出場を目標とした長期プログラムの一環として、U22代表ではなくU20代表を10月下旬にモンゴルのウランバートルで開催されるAFC U23アジアカップ予選J組に派遣する方針を明らかにしています。

トレンガヌFC経営陣はナフジ・ザイン監督の「休養」説を否定
 Mリーグ1部スーパーリーグは今週末の最終節第22節を残すのみとなりましたが、一時は2位となりながら直近の3試合で3連敗したトレンガヌFCのナフジ・ザイン監督の周辺が騒がしくなっています。先週末の第21節JDT戦までの直近3試合でチームが3連敗するなど、リーグ戦終盤の重要な時期の失速が原因で「休養」あるいは「退団して来季は他のクラブで指揮を取る」などの噂も出ていましたが、トレンガヌFCを運営するTFC社はこれらを全て否定します。
 TFC社のアブドル・ラシド・ジュソCEOは、こういった噂はリーグ2位の座を賭けて現在4位のトレンガヌFCが同2位のペナンFCと対戦する最終節第22節や、リーグ戦の後に控えるマレーシアカップへ向けたチームの士気を低下させ、さらにはスポンサーに対する印象を悪化させるものだとして、このような意図を持った「フェイクニュース」を非難するとともに、クラブはチーム、サポーターそしてスポンサーとの良好な関係を保っていると主張しています。
 また今回の噂を増幅させることにもなったクラブがJDT戦を前にナフジ監督に提出を求めた理由提示命令(Show cause letter)についてアブドル・ラシドCEOは「クラブの運営者として、問題が起こった場合には最善の解決方法を見つけるため、またクラブが設けた目標に向けて正しく進んでいるかを知るためにも、チームのパフォーマンスについてTFC社はクラブの運営者として常に責任を負っている。」と話し、チームの直近の成績に対してクラブが満足していない場合に行う行為としては珍しいことではないと説明しています。
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 リーグ序盤から好調だったトレンガヌFCはJDTに黒星をつけるなど8勝3分2敗の成績で前半戦を終えましたが、W杯予選などによるリーグ中断期間を挟んで後半戦に入ると3勝1分4敗と失速し、さらに前述の理由提示命令書の一件もあり、ナフジ監督の去就に関する噂がソーシャルメディアを中心に囁かれるようになっていました。

2部降格のペラFCの理事が辞任表明
 先週末のMリーグ1部第21節でマラッカ・ユナイテッドFCに敗れ、クラブ史上初の2部降格が決定したペラFCですが、ペラ州政府の青年・スポーツ・コミュニケーション・マルチメディア委員会のカイルル・シャーリル・モハメド委員がクラブを運営する理事会およびペラ州サッカー協会からの辞任を表明しています。
 マレーシア語紙ブリタハリアンによると、カイルル委員の他、理事でペラ州議会シャム・マット・サハット議員もクラブ運営理事会からの辞任を表明しています。なおブリタハリアンの取材に対し、カイルル・シャーリル委員はペラFCの2部降格と自身の辞任の関連を否定したということです。

9月4日のニュース:JDTオーナーは退任に向けて後任を指名か、U20代表は当初のメンバーから6名が変更に、FAMとMFLの会長が新閣僚と会談

 昨日9月3日に行われたMリーグ1部第21節でペラFCはマラッカ・ユナイテッドFCに敗れて来季の2部降格が決まっています。残る1枠も計算上は残留の可能性があるUITM FCが引き分け以下で降格が決まります。

JDTオーナーは退任に向けて後任を指名か
 Mリーグ1部でリーグ8連覇を果たしたJDTのオーナーでジョホール州皇太子のトゥンク・イスマイル殿下は自身のインスタグラム上で、退任の可能性を示唆しましたが、その後任にジョホール州政府系企業の会長が候補に上がっていると、マレーシア語紙ハリアンメトロが報じています。
 サポーターから辞任した場合の後任は誰なのか、という問いに答える形でイスマイル殿下は自身のインスタグラムにジョホール州政府系企業のJコープ社のサイド・モハメド・サイド・イブラヒム会長兼CEOの写真を投稿しています。
 イスマイル殿下はサッカークラブの運営に「飽きてきた」ことを明らかにし、今後は何か新しいことに挑戦したいと話す位方で、自身が本当にJDTを去るか否かについてその可能性は五分五分である述べたことから、その去就、さらにはその後任に注目が集まっています。
 しかしその一方で、自身がクラブを去ればスポンサーの撤退や選手及びスタッフの移籍、退団など、クラブが大きく変わってしまう可能性があることを憂慮しているとも述べており、未だ明確な形での方針は明らかにしていません。

U20代表は当初のメンバーから6名が変更に
 アジアサッカー連盟AFC U23アジアカップ予選に向けて第1次合宿を行っているU20代表は、当初の招集メンバー27名から、ケガなどにより6名が変更になっています。
 先日、Mリーグ1部デビューを果たしたGKシーク・イズハン・ナズレル・アズマン(スランゴールFC 2)やMリーグ2部で9試合に先発したGKナビル・アシラフ・ラムリ(FAM-MSNプロジェクト)の両GKを筆頭にDFヘイリー・ハキム・ママット(トレンガヌFC II)、MFアフマド・アイサル・ハディ・モハマド・シャプリ(JDT II)、FWアイマン・アリフ・モハマド・アフィズル(クダ・ダルル・アマンFC)、MFムハマド・ハズワン・ハサン(FAM-MSNプロジェクト)がケガで合宿への参加を辞退し、この代わりにGKムハマド・アズリ・アブドル・ガニ(ペラFC II)、MFチア・ルオハン、MFムハマド・アリフ・アブドル・ムタリブ(いずれもJDT II)の3名が新たに招集され、現在は24名が合宿に参加しています。
 9月7日まで予定されている第1次合宿ですが、今週末はMリーグ2部は試合がないため、現在2位のヌグリスンビランFC、そして最下位のFAM-MSNプロジェクトの両2部クラブとの練習試合を行う予定であることも報じられています。今回のU20代表は前回の合宿から6ヶ月以上空いているもののの、チームは今回初招集となった選手も含め、満足のいくパフォーマンスを見せているとブラッド・マロニー監督は、今週末の練習試合で第2次合宿へ招集するメンバーの選考を行いたいとハリアンメトロの取材に答えています。
 パリオリンピック出場を目指すマレーシアサッカー協会FAMの長期プロジェクトに伴い、このU20代表は「経験を積む」ために年代が一つ上となるU23アジアカップ予選に出場し、10月27日から31日までモンゴルのウランバートルで開催される予選J組でタイ、ラオス、そして集中開催地となっているモンゴルと対戦します。

FAMとMFLの会長が新閣僚と会談
 先月8月に発足したイスマイル・サブリ・ヤアコブ新首相率いる新内閣が発足しましたが、マレーシアサッカー協会FAMのハミディン・アミン会長とMリーグを運営するMFLのアブドル・ガニ・ハサン会長がそれぞれ新閣僚と会談を行っています。
 マレーシア語紙ハリアンメトロはアブドル・ガニMFL会長がカイリー・ジャマルディン保健相をプトラジャヤの保健省に訪ねて会談したことを伝えています。アブドル・ガニ会長はこの会談でサポーターのスタジアムでの観戦実現に向けて、他国同様、厳格な標準作業手順SOPに基づいた上で2度のワクチン接種を終えたサポーターに限りスタジアムへの入場許可を申請したと報じています。またこの会談では保健省、青年スポーツ省、国家安全保障委員会によって設けられたSOPに従って開催されている今季のMリーグの現状について青年スポーツ相も歴任したカイリー・ジャマルディン保健相に説明を行ったことです。今季のMリーグは開幕時の3月にスタジアムでの感染が許可されたものの、新型コロナ観戦拡大により昨季同様、無観客での開催を余儀なくされています。
 一方、アフマド・ファイザル・アズム青年スポーツ相は、スランゴール州プタリンジャヤのFAM本部にハミディン・アミン会長を訪ねています。モハマド・ユソフ・マハディ、S・シヴァサンドラム両会長代理とともにアフマド・ファイザル青年スポーツ相を歓迎したハミディン会長は、2022年に第1期が終了するF:30プログラム(2030年までにマレーシア代表のアジアトップ5入りを目指すプログラム)や、青年スポーツ省傘下の国家スポーツ評議会NSCとFAMが共同して運営する国家サッカー育成プログラムNFDP、さらにプトラジャヤに建設が予定されているナショナルトレーニングセンターなどについて、FAMと青年スポーツ省との間の協力関係や国内サッカー事情について意見を交換したということです。


8月19日のニュース:サッカー協会が方針転換-AFCU23アジアカップ予選にU22代表を派遣、JDTは元コロンビア代表ファルカオ獲得の噂を公式に否定、Mリーグはスタジアムでの観戦許可実現に意欲  

サッカー協会が方針転換-AFC U23アジアカップ予選にU22代表を派遣
 マレーシアサッカー連盟FAMは2024年パリオリンピック出場を目指す長期計画の一環として、今年10月にモンゴルで開催予定のアジアサッカー連盟AFC U23アジアカップ予選にU20代表を派遣することを発表していましたが、その方針が変更になったようです。
 マレーシア語紙ハリアンメトロによると、8月17日に開かれたFAM理事会でU20代表に代わってU22代表をAFC U23アジアカップ予選に派遣する方針へと変更されたということです。
 このU23アジアカップ予選でマレーシアはタイ、ラオス、そして集中開催地のモンゴルとともに予選J組に入っています。
 FAMのハミディン会長はU23アジアカップ出場を目指し、この予選突破のためにベストチームを編成したいと話していますが、その一方で10月27日から31日まで開催となる予選期間がFIFA国際マッチデー期間に指定されていないことから、Mリーグを含め各クラブにはU23代表への選手招集を拒否する権利があり、現実的にはベストチームとはならない懸念も明らかにしています。
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 マレーシア国内では、例年この時期は国内サッカーで最大の盛り上がりを見せるマレーシアカップの準決勝から決勝の時期に当たることに加え、現在、マレーシア政府が全ての渡航者に求めている新型コロナ対策が変更にならない限り、マレーシア入国後から14日間の強制隔離期間もあるため、ハミディン会長が心配する通り、各クラブで主力選手としてプレーする選手の招集は難しそうです。
 これまで頑なにU20代表派遣を主張してきたFAMの大会2ヶ月前のUターンにはその理由も含め首を傾げたくなる点もありますが、ボラセパマレーシアJPとして期待したいのはこのU23アジアカップにはこの年代ながら既に6月のFIFAワールドカップ2022年大会アジア2次予選に出場したルクマン・ハキム・シャムスディン(ベルギー1部FVコルトレイク)、アリフ・アイマン(JDT)をこのU23アジアカップ予選には招集せず、彼ら抜きでU22代表を編成してもらいたい、ということです。さらに言えば、今年末に予定されている東南アジアサッカー連盟AFF選手権スズキカップでフル代表招集の可能性があるハキミ・アブドラ(トレンガヌFC)、ムカイリ・アジマル(スランゴールFC)あたりの選手たちもこのU23アジアカップ予選には招集せず、彼らはむしろスズキカップや来年2月のアジアカップ2023年大会3次予選でフル代表に招集してもらいたいです。人材難のマレーシアとはいえ、既にフル代表でプレーするルクマン選手やアリフ選手を「格下」相手の試合に出場させる意味はなく、彼ら抜きのU22がこの予選を突破できなければ、それこそパリオリンピック予選を含めた今後数年間は東南アジアのライバルであるタイ、さらにその上をいくベトナムなどにも太刀打ちできないことになるので、チーム力底上げのためにも彼ら抜きでのU22代表編成を期待したいです。

JDTは元コロンビア代表ファルカオ獲得の噂を公式に否定 
 ポルトやアトレティコ・マドリードなどで活躍し、トルコ1部のガラタサライを退団したばかりのコロンビア出身FWダメル・ファルカオ獲得の噂について、JDTは公式Facebookでこれを否定するコメントを投稿しています。
 ここ数日、コロンビア代表で最多ゴール記録を持つファルカオ選手をJDTが獲得するという噂がソーシャルメディアだけでなくマレーシア語紙など国内メディアでも報じられていましたが、マーティン・プレスト スポーツダイレクター(SD)名で出された投稿では、この噂を否定すると同時に、新型コロナウィルスの影響によりJDTはファルカオ選手のような人気選手を今後数年間は獲得できるような経営状況にはないとし、施設増強など育成面への投資を優先する方針であるとしています。
 ファルカオ選手が所属していたガラタサライがあるトルコのスポーツメディアが「マレーシアの有力クラブ」が獲得オファーを出しているというツイートを発端に、母国コロンビアのメディアなども獲得に動いたクラブが30以上ある中で、JDTだけが35歳のファルカオ選手に正式獲得オファーを出したことを報じていました。


Mリーグはスタジアムでの観戦許可実現に意欲
 Mリーグを運営するMFLの新会長に就任したアブドル・ガニ・ハサン会長は現在、無観客で開催されているMリーグの試合を観衆を入れて行うことに意欲を見せています。
 マレーシア語紙ブリタハリアンによれば、アブドル・ガニ会長は国内の新型コロナウィルス対策を担う国家安全保障委員会NSCに対し、入場者のワクチン接種完了を条件に有観客試合の許可を申請する予定であることを明らかにしています。
 「2度のワクチン接種を終えた個人については、(国内で利用されている感染対策アプリの)MySejahteraによるデジタルワクチン接種済み証明書を提示した上で、スタジアムでの観戦が認められるよう申請も行う予定でいる。なおスタジアムでの観戦者数については収容人数に対する一定の割合とし、大観衆の入場を求めることはしない。スタジアムに観衆が入ることでMリーグの試合は活気付き、その入場料収入は各クラブへ支援にもなる。NSCはこういった点を理解し、MFLの申請内容を認めてくれるよう期待したい。」とオンラインで行われた記者会見の席上でアブドラ・ガニ会長は話しています。
 さらにアブドル・ガニ会長は、Mリーグのクラブ内に新型コロナ陽性者が出た場合、陽性者のみを隔離し、陰性者には練習参加や試合出場を求める申請を改めてもう一度行う予定であるともしています。同様の申請は既に一度提出されていますが、却下されています。
 アブドル・ガニ会長はMリーグでプレーする選手の大半が2度のワクチン接種を終えていることを強調し、チーム内で1名でも陽性者がいればチーム全体に14日間の隔離が義務付けられるだけでなく、試合に向けた準備期間として7日間の練習期間が与えられ、合計21日間は該当チームの試合が延期になる現状でのリーグ運営の困難さを説明して理解を求めたいとしています。
 7月24日から始まったMリーグ後半戦では、後半戦初戦の前に行われた新型コロナ感染検査で1部のクダ・ダルル・アマンFCと2部のサラワク・ユナイテッドFC、クチンシティFCに陽性者が見つかり、陰性者も含めてチーム全体が14日間の隔離期間に入った結果、合計9試合が延期となり、リーグ日程も大幅に変更されています。これにより当初は1部スーパーリーグは8月4日に、2部プレミアリーグは8月1日にそれぞれ最終節が予定されていましたが、数回の日程変更を経て現在はスーパーリーが9月12日、プレミアリーグは9月18日といずれも1ヶ月以上遅れて閉幕の予定となっています。

8月16日のニュース:Mリーグ2部-サラワクUが首位浮上、リーグ終盤を迎え給料未払い問題の懸念が浮上、ベルギーでプレーするルクマンはU23アジアカップ出場に意欲

 第13節に予定されながら、新型コロナ陽性者がチーム内で見つかり試合が延期されていたサラワク・ユナイテッドFCが本拠地のサラワク州クチンのサラワク州立スタジアムではなくクアラルンプールのKLフットボールスタジアムでペラFC IIと対戦し、後半戦2勝目を挙げるとともにリーグ首位に浮上しています。

2021年8月15日@KLフットボールスタジアム(クアラルンプール)
サラワク・ユナイテッドFC 4-1 ペラFC II
得点者:サラワク-ノーシャルル・イドラン・タラハ(35分)、シャフィク・イズディン(53分OG)、ウチェ・アグバ(67分)、アブドル・ラヒム(88分)、ペラ-ロイイザット・ダウド(2分)

2021年シーズンMリーグ2部プレミアリーグ順位(第18節終了時)

TeamGWDLGFGAGDP
1SU1594229111831
2TFC1678129131629
3NS1585223111229
4JDT1575329141526
5SEL165742318522
6PDRM166461718-122
7KEL166371820-221
8KU166282124-320
9PRK173591232-2014
10KCH10244912-310
11FAM1603131148-373
項目:G-試合数、W-勝利、D-引き分け、L-敗戦、GF-得点、GA-失点、GD-得失差、P-勝点
クラブ名:NS-ヌグリスンビランFC、SU-サラワク・ユナイテッドFC、TFC-トレンガヌFC II、PRK-ペラFC II、SEL-スランゴールFC 2、KEL-ケランタンFC、KU-ケランタン・ユナイテッドFC、KCH-クチンシティFC、FAM-FAM MSNプロジェクト
*今季の2部プレミアリーグは11チームが参加のため、各節で1チームだけ試合がありません。第18節はヌグリスンビランFCの試合がありませんでした。

2021年シーズンMリーグ2部プレミアリーグ得点ランキング(第18節終了時)

選手名(クラブ)ゴール数
1ジョーダン・ミンター(TFC)14
2フェルナンド・ロドリゲス(JDT)12
ウチェ・アグバ(SU)12
4ガッサマ・アルフセイネイ(KU)10
5ジョージ・アトラム(SEL)8
アライン・アコノ(NS)8
クラブ名:NS-ヌグリスンビランFC、SU-サラワク・ユナイテッドFC、TFC-トレンガヌFC II、PRK-ペラFC II、SEL-スランゴールFC 2、KEL-ケランタンFC、KU-ケランタン・ユナイテッドFC、KCH-クチンシティFC、FAM-FAM MSNプロジェクト

リーグ終盤を迎え給料未払い問題の懸念が浮上
 Mリーグ1部、2部とも第18節まで終了し、9月半ばに予定されている最終節第22節まで残り試合も少なくなってきました。そんなシーズン終盤を迎えたこの時期ですが、Mリーグの複数のクラブで給料未払い問題が再び浮上するのではという記事をマレーシア語紙ハリアンメトロが掲載しています。
 この記事の中では、マレーシア国内で代理人業務を含めたサッカー関連のコンサルティングを行なっているアクションフットボールアジア社のエフェンディ・ジャガン・アブドラ氏が運営資金、特にスポンサーによる支援が不足していることにより、小規模のクラブだけでなく、大規模のクラブにも給料未払いが発生し、選手が犠牲になる可能性があるという発言を紹介しています。
 「Mリーグは数試合を残すのみだが、その一方で選手への給料支払いが遅れているという話が聞こえてきている。現時点では非常に深刻な状況ではないように見えるが、ここから大規模な給料未払い問題に発展する可能性もあり、この状況はMリーグの大半のクラブに当てはまる。選手の立場は弱く、この状況に異議を唱えれば出場機会を失うことから、耐えることしかできない。」とアフェンディ氏はハリアンメトロの取材に答えています。
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 今季はここまで1部スーパーリーグでは主力選手が大量退団したペラFCの他、クダ・ダルル・アマンFC、サバFC、2部プレミアリーグではサラワク・ユナイテッドFCなどでも給料の未払いや遅配についての報道がありましたが、この記事の内容があれば、今後は他のクラブからも同様の報道が出る可能性がありそうです。

ベルギーでプレーするルクマンはU23アジアカップ出場に意欲
 10月に予定されているアジアサッカー連盟AFC U23アジアカップ予選に向けて、6月のW杯アジア2次予選にも出場した19歳のルクマン・ハキムは予選に向けて召集されればその期待に応えて全力を尽くしたいと話しています。
 モンゴルで集中開催されるこの予選にはマレーシアサッカー協会FAMは2024年のパリオリンピック出場を目指すU20代表を派遣する意向を表明しています。
 スポーツ専門サイトのスタジアムアストロの取材に答えたルクマン選手は、U23アジアカップ予選組み合わせ抽選後に(U20代表監督の)ブラッド・マロニー監督から連絡を受けたことを明らかにする一方で、来年2月に予定されているフル代表が出場するAFC選手権アジアカップ2023年大会3次予選についてはFAMからは何も連絡を受けていないと話しています。
 ベルギー1部のKVコルトレイクでプレーするルクマン選手は「予選期間は1週間と短く、FIFAマッチデー期間でクラブの試合はないので、マローニー監督に(U20代表に)招集されれば、喜んでチームに加わ、信用に応えたい。」と話しています。
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 このU23アジアカップ予選には、ルクマン選手の他、やはりW杯予選にも出場しJDTでプレーするアリフ・アイマンやアメリカ生まれで前回のU23代表候補合宿にも参加したワン・クズリ・ワン・カマルに加えて、ドイツ5部のSGVフライブルグでプレーするV・アニル、セルビア1部FK IMTのU19チームでプレーするアダム・ハミドら「国外組」を初招集する予定であることをU20代表のマローニー監督は言及しています。

8月12日のニュース:U23アジアカップ予選再抽選-マレーシアはJ組で変わらず、MFLはMリーグ各クラブにSOP違反に対する厳罰処分を警告、MFL会長の退任意思は変わらず、MFLはMリーグ各クラブへの分配金額決定は10月

U23アジアカップ予選再抽選-マレーシアはJ組で変わらず
 アジアサッカー連盟AFCは公式サイトでAFC U23アジアカップ2022年大会予選の組み合わせ再抽選の結果、香港が予選K組に振り分けられたことを発表しています。
 今回のU23アジアカップ予選は、北朝鮮が予選出場を辞退したため、北朝鮮が所属していた予選K組が日本とカンボジアの2チーム編成になってしまった一方で、他の組は3チームあるいは4チームで編成されていることから、東地区予選各組のシード国と集中開催地となる予選開催国を除いた国のチームを対象に、K組に振り分ける1チームを選ぶ再抽選を行うことをAFCが発表していました。
 昨日8月11日にクアラルンプールにあるAFC本部、AFCハウスでオンライン形式で行われた再抽選では、7月9日に行われた組み合わせ抽選で予選I組に所属していた香港がJ組に振り分けられています。また、この結果予選I組はベトナム、ミャンマー、台湾の3チーム編成となりました。
 なおマレーシアはタイ、ラオス、モンゴルと同じ予選J組と変わらず、10月27日から31日まで集中開催地となるモンゴルでの試合に臨みますが、ロンドンオリンピック出場を目指すマレーシアサッカー協会FAMはこの予選にU20代表を派遣することを発表しています。
 なお組み合わせ再抽選後の日程はこちらです。

MFLはMリーグ各クラブにSOP違反に対する厳罰処分を警告
 Mリーグを運営するMFLは標準作業手順SOPの遵守を再度求め、これに違反したクラブに対しては厳罰を課す用意があることを明言しています。
 マレーシア語紙ブリタハリアンはMFLのハミディン・アミン会長はSOP違反のクラブへの処分については理事会でその内容が決定しており、Mリーグ各クラブには近々文書で通達される予定である話しています。
 Mリーグでは1部スーパーリーグのクダ・ダルル・アマンFC、そして2部プレミアリーグのクチンシティFCとサラワク・ユナイテッドFCがそれぞれ試合前に行った新型コロナウィルス検査で陽性者がいたことから、いずれも2週間の検疫隔離となり、両チームの試合計12試合が延期されたほか、リーグ自体の日程も変更されるなど混乱が生じています。

MFL会長の退任意思は変わらず
 同じブリタハリアンでは、ハミディン・アミンMFL会長が退任の意思を変えておらず、その後任は近いうちに発表されると話していることを報じています。
 FAMの会長でもあるハミディンMFL会長は、FAM会長職に専念するためにMFL会長を辞任する意思があることを今年3月に行われたマレーシアサッカー協会FAM理事会で明らかにしていましたが、今回オンラインで行われた定例会見では、その意思が変わっていないと話し、規約に則り、理事会の承認を経て後任を決定したいと話しています。。

MFL-Mリーグ各クラブへの分配金は10月に支給予定
 MFLはMリーグの放映権収入による分配金は各クラブへ10月に支給される予定であると発表しています。
 ブリタハリアンはMFLのハミディン会長がこれを確約したと報じています。
 「各クラブに支給される最終的な金額については、MFL理事会によって決定される。各クラブに対しては既に支給は段階的に行われており、今後の増減についての決定権は理事会にあ利、マレーシアカップが終了する10月には最終的な金額がわかるだろう。」とハミディン会長は述べています。
 MFLは昨季2020年シーズンの放映権収入をもとに1部スーパーリーグのクラブには100万リンギ(およそ2600万円)、2部プレミアリーグのクラブには50万リンギ(およそ1300万円)を支給しています。