2月3日のニュース
マレーシアサッカー協会のハミディン会長がFIFA理事選で当選
アジアカップ2027年大会の開催地がサウジアラビアに決定
U17アジアカップに向けた第1次代表候補合宿のメンバーが発表

マレーシアサッカー協会のハミディン会長がFIFA理事選で当選

アジアサッカー連盟AFCは2月1日にバーレーンのマナマで開いた第33回総会で役員改選を行い、AFC選出のFIFA理事に立候補したマレーシアサッカー協会FAMのハミディン・アミン会長が初当選しています。任期は2023年から2027年までの4年間です。AFCのFIFA理事枠は6名で、その内1枠は女性となっており、ハミディン会長を含めた7名がその5枠を争いました。40票を集めたカタールサッカー協会のハリーファ・ビン・ハマド・アール=サーニー会長がトップ当選を果たし、日本サッカー協会の田島幸三会長が39票を集めて2位となっています。以下、サウジアラビアサッカー協会のヤーセル・ビン・ハサン・アル=ミセハル会長が35票、フィリピンサッカー協会のマリアーノ・アラネタ会長が34票、そしてFAMのハミディン会長が30票でそれぞれ当選しています。なお女性の1枠にはラオスサッカー協会のカーニャ・ケオマニー事務局長が当選した一方で、現職で中国サッカー協会の杜兆才副会長と、2019年に以来の再選を目指した大韓サッカー協会の鄭夢奎会長がそれぞれ18票と19票しか獲得できず、落選しています。

2018年7月からFAM会長を務めるハミディン会長は、FAMの公式Facebookによるとマレーシア人として4人目となるFIFA理事となったということです。過去3名の中には現マレーシア国王のアブドラ国王もおり、パハン州皇太子時代の2015年から2019年までFIFA協議会委員を務めていましたが、国王就任に伴い、その職を辞任しています。

なおFIFA副会長を兼務するAFC会長選は、2013年に2022年ワールドカップのカタール招致における買収疑惑でFIFAから永久活動停止処分を受けたカタール出身のモハメド・ビン・ハマム前会長から任期途中で引き継ぐ形で就任した、現職でバーレーンサッカー協会出身のシャイフ・サルマーン・ビン・イブラーヒーム・アール=ハリーファ会長が2015年、2019年に続く4選を無投票で果たしています。

アジアカップ2027年大会の開催地がサウジアラビアに決定

アジアサッカー連盟AFCは2月1日にバーレーンのマナマで開いた第33回総会で、AFC選手権アジアカップ2027年大会のサウジアラビア開催を承認しています。当初はイラン、ウズベキスタン、中国、カタールの4カ国が開催地に名乗りを上げていましたが、後にその4カ国はいずれも立候補を取り下げていましたた。 それ以降はサウジアラビアと共にインドが新たに立候補していましたが、昨年12月にインドが立候補を取り下げたことで、サウジアラビアが唯一の開催地候補となっていました。なお今回の総会では、 AFC加盟45ヵ国中、43ヵ国がサウジアラビア開催を承認した一方で、トルクメニスタンとパレスティナは投票を棄権しています。

サウジアラビアでのアジアカップ初開催決定に際して、AFCのシャイフ・サルマーン・ビン・イブラーヒーム・アール=ハリーファ会長は、「サウジアラビアがAFCアジアカップ2027の開催地に選ばれたことに祝意を表したい。サウジアラビアで大会が開催されるのは今回が初めてであり、サウジアラビアサッカー協会およびサウジアラビア政府と緊密に協力し、2027年にファンとプレーヤーのために思い出に残るAFCアジアカップを開催できることを楽しみにしています」と、語っています。なお、サウジアラビア代表はAFCアジアカップでは、過去6大会で決勝に進出し、1984年、1988年、1996年の3大会で優勝経験があります。FIFAワールドカップにも6度出場経験があるサウジアラビアですが、アジアで国際大会を開催するのは初めてです。

サウジアラビアは2029年には冬季アジア競技大会の、そして2034年にはアジア競技大会の開催地にも選ばれています。

U17アジアカップに向けた第1次代表候補合宿のメンバーが発表

マレーシアサッカー協会FAMは、今年6月にタイで開催されるAFC U17アジアカップに向けたマレーシアU17代表候補合宿の参加メンバー40名を公式サイトで発表しています。第1次合宿となる今回は2月1日から12日までパハン州のモクタル・ダハリ・アカデミーで行われます。

オスメロ・オマロ監督率いるマレーシアU17代表は、昨年10月にインドネシアで開催されたAFC U17アジアカップ予選B組では、開催国インドネシアを5-1で破り、アラブ首長国とはロスタイムに挙げた決勝ゴールで3-2と勝利するなど、この組を3勝1分でトップ通過し、4大会連続、通算6度目の本戦出場を決めています。

6月15日から7月2日まで開催されるAFC U17アジアカップに向けた第1次合宿の参加者40名中、FAMと青年・スポーツ省傘下のマレーシアスポーツ評議会MSNが共同で運営する国内トップのエリートサッカーアカデミーのモクタル・ダハリ・アカデミーから26名、マレーシアスーパーリーグのジョホール・ダルル・タジム(JDT)のU17チームから8名、その他トレンガヌFCやマラッカFCなどからもメンバーが選ばれています。40名のリストはこちらです。なおU17代表は、今後は隣国タイ、そして日本遠征なども予定されているということです。

10月11日のニュース
マレーシアが予選を1位突破し来年のAFC U17アジアカップ出場権を獲得
MFLはマレーシアカップ出場権剥奪のマラッカの選手の特例移籍案を拒否

マレーシアが予選を1位突破し来年のAFC U17アジアカップ出場権を獲得

見事なお手並み、お見逸れ致しました。

インドネシアのボゴールで開催されていたAFC U17アジアカップ予選B組は10月9日に最終第5節が行われ、ここまで2勝1分で2位につけていたマレーシアU16代表と、3勝全勝で首位のインドネシアU16代表が激突し、5-1で勝利したマレーシアがB組1位として本戦出場権を獲得しています。

前節第4節にアラブ首長国連邦UAEを相手にロスタイムのゴールで3-2と勝利し、代わってグループ2位となったマレーシアは、B組1位突破をかけて、開催国インドネシアと対戦しました。ここまでの3試合を3勝0敗、得点19失点2のインドネシアに対し、マレーシアのオスメラ・オマロ監督は、前節のUAE戦と全く同じ先発XIを起用しました。

試合は開始からからインドネシアに攻め込まれる展開となりましたが、マレーシアのGKファリシュ・ファルハンが再三、好セーブを見せてピンチを防ぐと、徐々にペースを掴み始めたマレーシアはザイヌルハキミ・ザイン(AMD U16)が今大会2点目となるゴールを17分に決めてマレーシアが先制すると、20分にはアラミ・ワフィ(AMD U16)がパレスチナ戦、UAE戦に続く今大会3点目となるゴールを決めてリードを広げます。さらに23分にはアンジャスミルザ・サフルディン(AMD U16)がやはり今大会3点目となるゴールを、また26分にはアフィク・ダニシュ(AMD U16)が今大会初ゴールを決め、試合開始から26分で4-0と大量リードします。さらに38分には相手パスを奪い、ドリブルでペナルティエリアに持ち込んだアンジャスミルザ・サフルディンが倒されてPKを得ると、アラミ・ワフィがこのPKを決めてさらにリードを広げます。

試合はこのまま進み、後半のロスタイムに失点し完封は逃したものの、マレーシアが5-1でインドネシアを破り、3勝1分で勝点10となりB組1位として、来年のU17アジアカップ本戦出場を決めています。マレーシアは開催国枠で出場した2018年大会に以来、通算6回目の出場、予選を突破しての出場は、アリフ・ハイカル(スランゴール)、アリフ・サフワン(UITM)、イズリーン・イズワンディ(KLシティ)らを擁した2016年以来となります。

また第5節のもう一つの試合は、パレスチナがグアムを4-0で破り、今回の予選で初勝利を挙げ、通算成績を1勝3敗で4位に、またグアムは通算成績を0勝1分3敗として5位で今回の予選を終えています。

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マレーシアは、1-1で引き分けたグアム戦以外の3試合はほぼ同じメンバーが先発し、グアム戦で主力を休ませるオスメラ・オマロ監督の戦略が功を奏しました。
 この日の試合でも、14-0と大勝したグアム戦と8名が同じ先発メンバーだったインドネシアに対し、マレーシアは1-1と引き分けたグアム戦の先発メンバーとは9名が異なっています。4試合をほぼ同じメンバーで戦ったインドネシアと、グアム戦を利用して選手を上手くローテーションしたマレーシアの選手マネージメントの差が出たと言っても良いでしょう。
 もちろんグアム戦で引き分けたときには、UAE戦、インドネシア戦が残っている中で、まさかこのまま予選敗退…という不安もよぎり、UAE戦もロスタイムのゴールで薄氷を履む勝利だったところから、この日のインドネシア戦も大丈夫か?という感じでしたが、蓋を開けてみれば堂々のグループ1位突破となりました。

AFC U17アジアカップ予選B組第5節
2022年10月9日@パカンサリスタジアム(インドネシア、ボゴール)
インドネシア 1-5 マレーシア
⚽️インドネシア:アルハン・カカ・プトラ(90+3分)
⚽️マレーシア:ザイヌルハキミ・ザイン(17分)、アラミ・ワフィ2(20分、38分)、アンジャスミルザ・サハルディン(23分)、アフィク・ダニシュ(38分)
🟨インドネシア(2):ナビル・アシュラ、アンドレ・パンゲストゥ
🟨マレーシア(1):アフィク・ダニシュ

AFC U17アジアカップB組 最終順位表

チーム勝点
1MYS4310134910
2IDN4301207139
3UAE420217966
4PSE4103710-33
5GUM4013128-271
UAE-アラブ首長国連邦、IDN-インドネシア、MYS-マレーシア、PSE-パレスチナ、GUM-グアム

AFC U17アジアカップは、昨日までに本戦出場する16チームが決定しています。東南アジアからはB組1位のマレーシアの他、ベトナム、タイ、ラオスの4チームが出場します。本戦が新型コロナ感染拡大のために中止になってしまった2020年大会ではインドネシアが東南アジア唯一の本戦出場、2018年はインドネシア、タイ、ベトナム(マレーシアは開催国として出場)、2016年はマレーシア、ベトナム、タイ、2014年はマレーシア(タイは開催国として出場)が出場と、過去5大会では東南アジアから4チームが予選を突破したことはありません。2023年大会は当初の開催国だったカタールが開催を辞退したため、未だ開催国は決まっていませんが、東南アジアの4チームには是非、その存在感を見せつけて欲しいです。

MFLはマレーシアカップ出場権剥奪のマラッカの選手の特例移籍案を拒否

給料未払い問題が未解決のため、今季のマレーシアカップ出場権剥奪処分を受けたMリーグ1部スーパーリーグのマラッカ・ユナイテッド(以下マラッカ)の選手について、マレーシアプロサッカー選手会PFAMは、Mリーグを運営するMFLに対して、マラッカ所属の選手がマレーシアカップに出場する他のクラブへの期限付き移籍を特例として認めるよう提案していましたが、MFLはこれを拒否したと、英字紙ニューストレイトタイムズが報じています。

あと2節を残す今季のスーパーリーグですが、このリーグ戦終了後の10月25日開幕するのが、国内最大のカップ戦、マレーシアカップです。昨年開催100周年を迎えたこのマレーシアカップは、スーパーリーグ1位から11位までの11チームと、2部プレミアリーグの上位5チームの合計16チームが対戦しますが、もともとカップ戦から始まったマレーシアサッカーの原点とも言える大会です。

この伝統ある大会に出場できなくなったマラッカは、収入面でも痛手を受け、その結果、選手への未払い給料問題がさらに長引く可能性他があることから、マラッカ所属のの選手の救済策として、PFAMはMFLに対して特例としてマレーシアカップ期間中の期限付き移籍を認めるよう提案していました。、

MFLは、現在が移籍が可能となるトランスファーウィンドウ期間でないこと、また1クラブのために特例としてトランスファーウィンドウを開くことはできないことを理由に挙げて、この提案は受け入れられないとしています。さらにマラッカは現在も継続中のスーパーリーグでプレーしており、中断期間でない時期のトランスファーウィンドウは開くことはできないこと、マレーシアカップの規定では大会のための追加登録はできないことなどを、MFLのスチュアート・ラムリンガムCEOは説明しています。

マラッカは、現在のオーナーであるケンチーム社のCEOで、マラッカの運営会社のCEOでもあるジャスティン・リム氏が、未払い給料問題を解決した後にクラブの全株式を売却するつもりであることも明らかにしており、この株式の売却が実現しなければ、マラッカは来季のスーパーリーグから撤退する最悪の可能性もあります。

10月8日のニュース
AFC U17アジアカップ予選B組-マレーシアはUAEに劇的勝利ででグループ1位突破の可能性も
マレーシアカップの暫定組み合わせが決定

AFC U 17アジアカップ予選B組-マレーシアはUAEに劇的勝利でグループ1位突破の可能性も

ロスタイムのゴールで劇的勝利!

インドネシアのボゴールで開催中のAFC U17アジアカップ予選B組は10月7日に第4節が行われ、前節第3節にグループ最下位のグアムと引き分けたマレーシアは、グループ2位のアラブ首長国連邦UAEと対戦し、2点のリードを追いつかれたものの、ロスタイムに決勝点を挙げてUAEに勝利し、最終節第5節のインドネシア戦で勝利すればグループ1位で予選を突破できる可能性が復活しています。

初戦のパレスチナ戦から先発7名を入れ替えた第2戦グアム戦から一転して、この試合では初戦の先発XI中10名が戻ったマレーシアは、前半終了間際の45+1分にアラミ・ワフィ(モクタル・ダハリアカデミーU16)のゴールでリードすると、51分にはアンジャスミルザ・サハルディン(モクタル・ダハリアカデミーU16)のゴールでリードを広げます。

しかしUAEも76分にサイード・アメルのゴールで1点差に迫ると、84分にはアブドルアジズ・アルマズーキがゴールを決めて、同点とします。この試合を引き分ければ、本戦出場可能となる各組2位の内の上位6チームに入るのも難しくなるマレーシアは、最後まで攻め続けた結果、90+3分にファリス・ダニシュ(モクタル・ダハリアカデミーU16)が決勝ゴールを決め、UAEに劇的な勝利を収めています。

AFC U17アジアカップ予選B組第4節
2022年10月7日@パカンサリスタジアム(インドネシア、ボゴール)
マレーシア 3-2 UAE
⚽️マレーシア:アラミ・ワフィ(45+1分)、アンジャスミルザ・サハルディン(51分)、ファリス・ダニシュ(90+3分)
⚽️UAE:サイード・アメル(76分)、アブドルアジズ・アルマズーキ(84分)
🟨マレーシア(2):アイマン・ユスフ、ザイヌルハキミ・ザイン
🟨UAE(3):ラシド・サイフ、フサイン・マフムード・イスマイル、スハイリ・カリド・オバイディ

なお第4節のもう1試合は開催国インドネシアがパレスチナを2-0で破り、3連勝を飾っています。この結果、最終節第5節で対戦するインドネシアとマレーシアの内、勝者がこのB組の首位として本戦出場を決めることになります。

AFC U17アジアカップB組 順位表(第2節終了時)

チーム勝点
1IDN3300192179
2MYS32108357
2UAE420217966
4GUM3012124-231
5PSE3003310-70
UAE-アラブ首長国連邦、IDN-インドネシア、MYS-マレーシア、PSE-パレスチナ、GUM-グアム

10月6日のこのブログでは、「或いは戦略?このグアム戦の先発XIは、初戦のパレスチナ戦の先発XIからは7名が変わっており、この試合は最初から重視されていなかったのかも」と書きましたが、マレーシアU17代表のオスメラ・オマロ監督は先発メンバーを初戦のパレスチナ戦とほぼ同様に戻し、パレスチナ戦でゴールを決めた3選手がこのUAE戦でもゴールを決めており、やはり2戦目のグアム戦は主力を温存し、このUAE戦と最終節のインドネシア戦に賭けていたのかもしれません。これで最終節のインドネシア戦であわよくば勝利、最悪引き分けでも、本戦出場が見えてきます。

マレーシアカップの暫定組み合わせが決定

マレーシアサッカーの今シーズン最後を飾るマレーシアカップの組み合わせ抽選が10月6日に行われ、その結果がマレーシアフットボールリーグMFLの公式サイトで発表されています。

日程の事情から、従来のグループステージを行わず、各チームがいきなりトーナメントで対戦する方式となった今季のマレーシアカップですが、出場するのはMリーグ1部スーパーリーグの1位から11位までの11チームと、2部プレミアリーグの上位5チーム(ただし、スーパーリーグ所属クラブのセカンドチームを除く)の16チームです。なお、スーパーリーグのマラッカ・ユナイテッドは給料未払い問題が未解決のため、Mリーグを運営するMFLから今回のマレーシアカップ出場権剥奪の処分を受けていますが、マラッカが11位以内に入った場合の対応については、今回は発表されていません。

また、既に全日程が終了しているプレミアリーグに対し、スーパーリーグは今週末の第20節を含めあと3節を残しており、最終順位は決定していません。このため、この日の組み合わせ抽選では対戦カードも確定せず、今回の組み合わせは暫定的なものになっています。

この日の組み合わせ抽選は、スーパーリーグ1位から4位までの4チームがポットA、スーパーリーグと5位、6位クダとプレミアリーグの上位2チーム(クランタン、クチンシティ)がポットB、残る8チームがポットCとなり、一回戦ではポットAあるいはポットBのチーム対ポットCのチームが対戦する形になっています。

一回戦は10月25日と26日にポットCのチームのホームゲームでスタートするマレーシアカップは、準々決勝、準決勝ともホームアンドアウェイ形式で開催され、11月26日に予定されている一発勝負の決勝まで熱い戦いが続きます。

10月6日のニュース
AFC U17アジアカップ予選B組-マレーシアはグアム相手にまさかの引き分けで予選突破が遠のく
AFCカップ地区間プレーオフ決勝-PK戦を再び制したKLシティが決勝進出

AFC U17アジアカップ予選B組-マレーシアはグアム相手にまさかの引き分けで予選突破が遠のく

インドネシアのボゴールで開催中のAFC U17アジアカップ予選B組は10月5日に第3節が行われ、前節第2節に試合がなかったマレーシアは、グループ最下位のグアムと対戦しましたが、1-1とまさかの引き分けで、通算成績を1勝1分としています。

初戦のパレスチナ戦に4-0と快勝したマレーシアは、勝点3を目指して既に2敗のグアムと対戦しましたが、前半は両チームとも得点がなく終了。後半に入ってもこう着状態が続いたものの、マレーシアはカヒル・ザキリンのゴールで73分にリードを奪います。

初戦はアラブ首長国連邦UAEに0-9、2戦目はインドネシアに0-14と敗れているグアムを相手に、マレーシアは勝点3はもちろん、大量点を奪って10月7日の次節第4節グループ首位のUAE戦に臨みたいところでしたが、84分にはグアムのリク・メイヤーにまさかの同点ゴールを許してしまいます。

試合はそのまま終了し、大量点も勝点3も手にできなかったマレーシアは、グループステージ突破のためには、UAEとインドネシアの両チームに勝利するしかなくなりましたが、グアムと引き分けているようでは…。

なおこの日の第2試合ではインドネシアがUAEを3-2で破っており、勝点で並んだもののと得失差でインドネシアが1位、UAEが2位となり、以下マレーシア、グアム、パレスチナと続いています。

2022年10月5日@パカンサリスタジアム(インドネシア、ボゴール)
マレーシア 1-1 グアム
⚽️マレーシア:カイル・ザキリン(73分)
⚽️グアム:リク・メイヤー(84分)
🟨マレーシア(3):アダム・ミカエル、カイル・ザキリン、ファリス・ダニシュ
🟨グアム(1):アルバン・アマンテ・テノリオ・ラミレス
🟥マレーシア(1):ナビル・フィトリ

AFC U17アジアカップB組 順位表(第2節終了時)

チーム勝点
1IDN2200172156
2UAE320115696
3MYS21105144
4GUM3012124-231
5PSE200238-50
UAE-アラブ首長国連邦、IDN-インドネシア、MYS-マレーシア、PSE-パレスチナ、GUM-グアム

或いは戦略?このグアム戦の先発XIは、初戦のパレスチナ戦の先発XIからは7名が変わっており、この試合は最初から重視されていなかったのかも知れません。
 というのも、マレーシアの入っている予選B組はマレーシア、インドネシア、UAE、パレスチナ、グアムの5チームで構成されていますが、E組からJ組の6組は4チーム編成となっています。このため、グループを首位で突破できなかった場合に、予選各組の2位チームのうち、本選に進む上位6チーム(開催予定地だったバーレーンの出場辞退により1枠増えています)の決定は、各組上位3チームの対戦成績を元にすることが決まっており、この日のグアム戦と初戦のパレスチナ戦の成績に関係なく、残るUAE戦とインドネシア戦に連勝すれば、2位での本戦出場となります。
 B組で全勝を目指してして首位突破を計るのではなく、最初から2位狙いだとしたら、マレーシアU17代表のオスメラ・オマロ監督はなかなかの策士ですが、果たして残り2試合の結果はどうなるでしょうか。

AFCカップ地区間プレーオフ決勝-PK戦を再び制したKLシティが決勝進出

KLシティの快進撃は止まりません!

ウズベキスタンのジザフで行われたAFCカップ地区間プレーオフ決勝に出場したMリーグ1部スーパーリーグのKLシティFCは、敵地でPFCソグディア(ウズベキスタン)を撃破し、東南アジアのクラブとしては2クラブ目となるAFCカップ決勝進出を果たしています。

このブログでも取り上げた通り、KLシティのボヤン・ホダック監督は、この試合で起用する外国籍選手4名を試合直前まで検討するとしていましたが、蓋を開けてみると、この試合ではFWジョーダン・ミンターの代わりに、グループステージを含め、これまでAFCカップでは出場のなかったGKケヴィン・メンドーザを起用しました。そして、この起用が最後のPK戦も含めてこの試合の重要なポイントとなりました。

本拠地のクアラルンプールからは20度以上も低い気温に加え、時にはボールが奇妙に跳ねる劣悪なピッチに悩まされたKLシティは、試合開始からホームのPFCソグディアに攻め込まれる場面が続きます。GGことジャンカルロ・ガイオフコと、イルファン・ザカリアの両センターバックを中心に耐えるも、最後の砦となったケヴィン・メンドーザでした。ボヤン・ホダック監督の器用に答えてスーパーセーブを連発して失点を防ぎ続けました。

両チームとも無得点のまま、90分間では決着がつかなかったこの試合は、延長に入っても0-0のままで、最後はPK戦にも連れ込みました。先攻のKLシティはパウロ・ジョズエ、ロメル・モラレス、ハディン・アズマン、アクラム・マヒナン、ジャンカルロ・ガリフオコの5名全員が成功したのに対し、後攻のPFCソグディアナは2人目のシャクボツ・ジュラべコフのPKがKLシティのケヴィン・メンドーザに止められた結果、KLシティが5-3で勝利し、東南アジア地区準決勝のベトテルFC(ベトナム)戦に続くPK戦を制したKLシティが決勝進出を決めています。

10月22日に予定されている決勝では、もう一つの準決勝でアル・リファーSC(バーレーン)を4-0で破ったアル・シーブ・クラブ(オマーン)と、KLシティの本拠地、KLフットボールスタジアムで対戦します。中東のクラブが席巻するこのAFCカップですが、KLシティは、2015年に東南アジアのクラブとして初めて優勝した同じスーパーリーグのジョホール・ダルル・タジムJDT以来、Mリーグ2チーム目となる優勝を目指します。

AFCカップ地区間プレーオフ決勝
2022年10月5日@ジザフ総合運動場(ウズベキスタン、ジザフ)
PFCソグディアナ 0-0 KLシティ(PK戦3-5)
🟨PFCソグディアナ(1):サルドル・クルマトフ
🟨KLシティ(1):パウロ・ジョズエ

(下は両チームの先発XIと試合のハイライト映像。ハイライト映像はアストロ・アリーナのYouTubeチャンネルより)

7月22日のニュース
シンガポールのレジェンド、ファンディ・アフマドがスリ・パハンのテクニカルディレクターに就任
協会が各代表の下半期の予定を発表-A代表は9月に中東や南米の代表チームと対戦も

シンガポールのレジェンド、ファンディ・アフマドがスリ・パハンのテクニカルディレクターに就任

今季ここまで2勝2分7敗と低迷するMリーグ1部スーパーリーグのスリ・パハンはクラブ公式Facebookで、クリストファー・ギャメル監督の退団とドラー・サレー チームマネージャー(TM)の監督代行就任、そして元シンガポール代表監督のファンディ・アフマド氏のテクニカルディレクター(TD)就任を発表しています。ドラーTDは昨季のトマス・ドゥーリー監督解任後の監督代行に続き、2年連続での監督代行就任となりました。

昨季は4勝6分12敗、降格権とは勝点2差の10位という際どいところでスーパーリーグ残留を果たしたスリ・パハンは、昨季、U21チームの監督を務めたギャメル氏を監督に据え、若手の起用とチーム立て直しを期待しました。しかし直近の5試合でも引き分けを挟んで4連敗中と復調の兆しも見えないことから、ギャメル監督更迭の噂はここ数ヶ月間、ソーシャルメディア上で囁かれていました。

そんな中、ファンディ氏が先月6月にシンガポールサッカー協会FASのエリートユースプログラムのトップを辞任したことから、すわギャメル監督の後任にファンディ氏か、と色めき立ちましたが、蓋を開けてみれば、まさかのテクニカルディレクター就任となりました。

シンガポールのレジェンドのファンディ氏は、1992年シーズンには当時のパハンFA、現在のスリ・パハンでリーグ優勝とマレーシアカップの2冠を達成した他、指導者として2012年から2013年にはJDTで、そして2018年にシンガポール代表で、そして今年5月の東南アジア競技大会通称シーゲームズではシンガポールU23代表の監督なども務めています。

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ボラセパマレーシア的には、ファンディ選手はやはりクアラルンプール(当時はKLシティホール)でプレーしていた印象が強いです。同じシンガポール出身のK・カナン、マレク・アワブとともに1987年からマレーシアカップ3連覇を果たしたKLの黄金時代を築いた立役者でした。

協会が各代表の下半期の予定を発表-A代表は9月に中東や南米の代表チームと対戦も

マレーシアサッカー協会FAMは今年5度目となる理事会を開催し、各代表チームの今後の活動について話し合われた内容を公開しています。

U16/17代表は、今月7月31日から8月12日までインドネシアで開催される東南アジアサッカー連盟AFF U16選手権に向けて、今月7月18日から29日まで代表候補合宿を開催、さらに10月の1日から9日まで同じインドネシアでAFF U16選手権予選が開催されることから、9月にも2度の合宿を予定していることが発表されています。

AFF U19選手権優勝が記憶に新しいU19/20代表は、9月14日から18日の日程で開催されるAFC U19選手権予選(モンゴル)に参加するため、今月末から8月にかけてと、9月の2回の合宿を予定しているということです。

U23代表は東南アジア競技大会通称シーゲームズは準決勝敗退、、AFC U23選手権はグループステージで敗退し、その責任をとる形でブラッド・マロニー監督が契約解除となり、現在は監督が不在です。また当初出場予定だった今年9月のアジア競技大会(中国)が来年に延期となり、当面は試合がないことから、新監督決定が最優先課題となりそうです。

AFCアジアカップ出場を決めた代表の次の目標は12月21日開幕のAFF選手権三菱電機カップ2022となりますが、その前には9月22日から25日の日程でタイ南部で開催されるという4ヶ国対抗に出場することが発表されています。中東と南米の代表チームも参加するということの大会は、格上チームとの対戦が少ないマレーシアにとってAFF選手権の前哨戦となりそうです。

6月11日のニュース
U17代表首脳陣と代表候補合宿参加者が発表-MLSクラブのアカデミー所属の選手も
キム監督がJDTオーナーのイスマイル殿下に職務縮小を再考を求める意見に疑問の声
クダは元タイ代表MFの加入を発表

U17代表首脳陣と代表候補合宿参加者が発表-MLSクラブのアカデミー所属の選手も

マレーシアサッカー協会FAMは東南アジアサッカー連盟AFF U16選手権2022年大会とAFC U17アジアカップ2023年大会予選に出場するU17代表の監督およびコーチを発表しています。AFF U16選手権2022年大会は7月31日から8月13日まで、AFC U17アジアカップ予選は10月1日から9日まで、いずれもインドネシアで開催されます。

FAMとスポーツ青年省傘下の国家スポーツ評議会NSCが共同で運営するエリートアカデミーのモクタル・ダハルアカデミーAMDの前ヘッドコーチを務めたオスメラ・アマロ氏がU17代表の監督に就任したことも併せて発表され、オスメラ監督と6名のコーチからなる首脳陣は、パハン州ガムバンにあるモクタル・ダハリアカデミーで今月13日から26日まで行われる代表候補合宿から指導にあたるということです。

スランゴール州プタリンジャヤにあるFAM本部で行われた発表では、U17代表候補合宿に参加する37名も併せて発表されています。この37名は代表候補合宿を経て最終メンバー23名まで絞り込まれます。

記者会見の席上で、AFF U16選手権は準決勝、AFC U17アジアカップは本戦出場という目標を挙げたオスメラ監督はを挙げていますが、AFF U16選手権ではグループステージC組でオーストラリア、ミャンマー、カンボジアと同じC組に、AFC U17アジアカップ予選では開催国インドネシア、アラブ首長国連邦、パレスチナ、グアムと同じB組に入っており、いずれも厳しい戦いになりそうです。

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今回発表になったU17代表候補は大半がエリートアカデミーのAMD所属、それ以外はJDTのU16所属の選手が数名という構成ですが、その中に所属がアメリカMLSのニューヨーク・レッドブルズとなっているオン・ワイリーという選手がいました。検索してみるとアメリカ生まれでニューヨーク・レッドブルズのU15に所属するミッドフィルダーのようです。名前からすると父親がマレーシア人なのかも知れませんが、この年代でも帰化選手を積極的に獲得する動きが出ているのかもしれません。

キム監督がJDTオーナーのイスマイル殿下に職務縮小を再考を求める意見に疑問の声

JDTオーナーでジョホール州皇太子トゥンク・イスマイル殿下がクラブの日常業務から手を引き、自身の職務を縮小することを発表したことは、昨日のこのブログでも取り上げましたが、これについてマレーシア代表のキム・パンゴン監督が再考を求めるよう発言しています。

マレーシアサッカー協会FAMの公式Facebookに掲載されたコメントの中でキム監督は「イスマイル殿下には決断内容を再考することを求めたい。もし殿下が国内サッカーから手を引くのであれば、マレーシアのサッカーにとって大きな損失となる。イスマイル殿下は止まるところを知らぬ愛情で、(JDTに関わってから)10年もかからない内にクラブを遥かな高みに押し上げた。現時点ではマラーシアのサッカー界はイスマイル殿下が必要である。」と述べています。

マレーシアにやってくる以前から、イスマイル殿下がマレーシアのサッカーに及ぼした大きな影響については十分理解していたとするキム監督は「イスマイル殿下のおかげで、JDTはアジア中で賞賛を得ただけでなく、Mリーグの水準を引き上げた。」と、この投稿はキム監督の口からイスマイル殿下への礼賛で溢れています。

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イスマイル殿下の功績は素晴らしく、現在のJDTは殿下がいなければ存在していないのも事実です。しかし代表チームの監督が、言わば1クラブのオーナーについてこれほど言及するしていることについては、多くのサッカーファンが違和感を感じているようです。これがFAMの公式Facebookに投稿されると、「イスマイル殿下の決断を尊重すべき」といったものから、「アジアカップ予選中の代表監督は試合以外のことに気を散らすべきではない。」と、トルクメニスタンに勝って勢いづいているチームに水を差すものだと言った指摘もあります。また「キム監督の個人的意見がなぜFAMの公式Facebookに投稿されるのか」、さらには「FAMがキム監督の口を借りて発言しているのではないか。」といったものから、「キム監督は正論を述べている。」と擁護するものまで、FAMの投稿には2000件を超えるコメントがついています。

現在開催中のアジアカップ2023年大会最終第3次予選に出場しているマレーシア代表のメンバー23名中13名がJDTの選手であり、もし今後JDTが弱体化すればキム監督自身の首筋が寒くなりかねないことからの発言かと邪推もできますが、実際には記者会見で尋ねられたことに対する回答をFAMがそれらしくまとめたもののようであり、キム監督自身が積極的に意見を述べたわけではない、というのがことの真相のようです。

クダは元タイ代表MFの加入を発表

Mリーグ1部スーパーリーグのクダは、クラブ公式Facebookで元タイ代表MFサンワット・デーミットがタイ1部バンコク・ユナイテッドから今季末までの期限付き移籍での加入を発表しています。

32歳のサンワット選手は、アキレス腱を痛めて今季の残り試合の出場が絶望となっているFWデニス・ブシェニングに代わって、アセアン東南アジア枠で登録されます。

サンワット選手は2018年の東南アジアサッカー連盟AFF選手権スズキカップで大会のベストXIに選ばれた他、シンガポール1部のタンピネス・ローヴァーズなどでもプレー経験があり、昨季はラーチャブリーFCへ期限付き移籍し、リーグ戦とカップ戦合わせて18試合に先発しています。またサンワット選手は2018年のスズキカップでは大会XIに選ばれています。

なおサンワット選手はすでにチームに合流しており、昨日6月10日に行われたMリーグ2部ペラとの練習試合にも出場しています。