1月23日のニュース:MFLはクアラルンプールFA IIのM3リーグ加盟申請を却下、SAC優勝のバンコク・ユナイテッド監督がタイとマレーシアの違いを語る

MFLはクアラルンプールFA IIのM3リーグ加盟申請を却下
 マレーシアフットボールリーグMFLは、クアラルンプールサッカー協会KLFAから出されていたクアラルンプールFAのBチーム、クアラルンプールFA IIのM3リーグ加盟申請を却下したと、サッカー専門メディアのヴォケットFCが報じています。
 昨年2019年11月にKLFAの会長に就任したカリド・サマド会長は、就任後からクアラルンプールFAのBチームを創設し、MFL3部にあたるM3リーグ参加について言及しており、クアラルンプールFA II自体も既に選手獲得が始まっていたようですが、少なくとも今季のM3リーグ参加は不可能となりました。
 MFLのダト・ガニ・ハサンCEOは、MFL3部にあたるM3リーグに参加するクラブはMFL4部にあたるM4リーグから昇格という形での加盟が認められており、新たなクラブがM3リーグから参加することは、MFLの規定により認められていないとしています。
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 今季2020年シーズンからMFL2部プレミアリーグには、スランゴールFCのBチームであるスランゴールFC IIと、ペラTBGのBチームであるペラTBG IIの2チームが参加しますが、これらはいずれも昨季2019年シーズンにそれぞれPKNS FCとPKNP FCとしてMFL1部スーパーリーグでプレーしていたクラブを吸収合併した作られたチームです。プレミアリーグにはこの他にもジョホール・ダルル・タジムJDT IIとトレンガヌFC IIというBチームがありますが、JDT IIは2014年に、トレンガヌFC IIは2017年にMFLに所属していた既存のクラブ名を変更したものです。

SAC優勝のバンコク・ユナイテッド監督がタイとマレーシアの違いを語る
 先週末に開催された東南アジアの4クラブ対抗戦スランゴールアジアチャレンジでは、バンコク・ユナイテッドFCがホストのスランゴールFCをPK戦で破り優勝しましたが、そのバンコク・ユナイテッドFCのアレシャンドレ・ペルキンク監督は、タイとマレーシアの違いについて、英字紙スター電子版に語っています。
 ベルキンク監督はまず国内リーグの「競争力」について指摘し、現在のようなJDT1強の「ジョホールリーグ」で、JDTに対抗できるクラブがリーグ内に数クラブしかない状況は不健全であると指摘、その上で豊富な資金を毎年投入するJDTに対抗するには、才能のある若い選手に投資し、そういった選手を育ててチーム力を上げていくべきだと提案しています。
 また施設面については、マレーシアではサポーターの数も多く、スタジアムも素晴らしい一方で、ベルキンク監督は、雨が降るとプレーが難しくなるなど近代のサッカーには向いていない「古い」タイプの芝が使われていると話し、ピッチについては改善の余地があるとしています。
 タイリーグは現在、アジアサッカー連盟AFCのクラブコンペティションランキングで東南アジアではトップ(2019年はタイが8位に対してマレーシアは18位)であることから、マレーシア人選手も含めたこの地域の多くの選手がタイリーグでのプレーを望んでいるとする一方で、マレーシアの国内リーグも上記のような点が改善されれば、タイリーグと競争できるとも話しています。
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 先日、このブログでも取り上げた、元クダFA監督で現プルシブ・バンドン(インドネシア)のロバート・アルバーツ監督によるインドネシアとマレーシアのサッカーの違いに続く、隣国との比較記事です。マレーシアで監督経験があり、当地の状況を理解しているアルバーツ監督に比べると、ペルキンク監督のコメントはかなり辛辣ですが、残念ながら反論の余地はありません。
 それでもかつてのマレーシアリーグは、1980年代から90年代にはファンディ・アマドやマレク・アワブ、K・カナン(以上シンガポール)、ピヤポン・ピエオンやキャティサック・セーナームアン(以上タイ)、2000年代にはバンバン・パムンカスやクルニアワン・ドゥイ・ユリアント(以上インドネシア)といずれも自国ではスーパースターの選手たちが集まる東南アジアのトップリーグでした。
 しかし、1993年から1994年にかけては、関係した選手とコーチ合わせて21名が永久追放処分、58名が出場停止、100名を超える選手が警察の捜査対象となった八百長事件が起こり、国内リーグは凋落していきました。しかも2014年にはクアラルンプールFAの5名の選手と3名のスタッフが永久追放処分を受ける別の八百長事件が発覚し、サッカー人気は大打撃を受けました。そうこうしている間に隣国のリーグがマレーシアリーグに取って代わったということでしょう。

1月22日のニュース:クダFAは快勝でACLプレーオフ進出決定、MFL2部昇格クラブの新たなニックネームがサポーターの不評を買う

クダFAは快勝でACLプレーオフ進出決定
 1月21日に行われたアジアサッカー連盟AFCチャンピオンズリーグACLのプレーオフ二次予選で、クダFAは大埔足球会(香港)を5ー1で破り、プレーオフ進出が決定しました。
 今季2020年シーズン開幕前のクダFAと2019/2020シーズン真っ只中の大埔足球会の対戦となったこの試合は、クダFAのホーム、クダ州アロースターのダルル・アマンスタジアムで開催されました。試合は、34分に孫銘謙(スン・ミンヒム)の退場で大埔足球会が10人となる展開の中、トレンガヌFCから加入したチェチェ・キプレが3分、21分、90分にゴールを決めハットトリック、フェルダ・ユナイテッドから加入したハディン・アズマンも47分と66分にそれぞれゴールを決め2得点と新戦力が活躍しました。なお大埔足球会は陳文輝(チャン・マイファイ)が68分にゴールを決め1点を返しましたが、反撃はそこまででした。
 この日の勝利でプレーオフ進出を決めたクダFAは、ACL本選をかけて昨季韓国1部リーグ(Kリーグ)3位のFCソウルと敵地ソウルワールドカップスタジアムで1月28日に対戦します。
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 この日の試合は、クダFAのセンターバックを務めるDFシャキール・ハムザ(シンガポール)が、かつて在籍したシンガポール1部リーグのホーム・ユナイテッドが2018年シーズンのAFCカップに出場した際の累積警告によるAFC公式戦への出場停止処分のためベンチ入りしませんでしたが、それを全く感じさせない快勝でした。
(写真左はハットトリックを決めたキプレ選手、写真右は2ゴールのアズマン選手(左の27番)とクパ・シャーマン選手-クダFAのFacebookより)

MFL2部昇格クラブの新たなニックネームがサポーターの不評を買う
 ケランタン・ユナイテッドFCは、昨季マレーシアフットボールリーグMFL3部にあたるM3リーグで優勝し、今季はMFL2部プレミアリーグに昇格しています。昇格に伴いケランタン・ユナイテッドFCが発表したチームの新たなニックネームがサポーターの不評を買っていると、サッカー専門サイトのセムアニャボラが伝えています。
 ケランタン・ユナイテッドFCは昨季は赤と緑のユニフォームを着用し、マレーシア語でSang Kijang Hijau(Kijangはマレー半島に生息する小型の鹿「ホエジカ」、Hijauは「緑色」、Sangは擬人化を表す語で、あえて日本語にすれば「緑色のホエジカさん」)というニックネームを使っていましたが、先日、Facebook上で発表された新たなニックネームはThe Real Warriors(「真の戦士」とでも訳せば良いでしょうか)でした。ところがこれが同じケランタン州にホームを持ち、しかも同じプレミアリーグに所属するケランタンFAのニックネームThe Red Warriorsに酷似していることからサポーターの不評を買っているようです。
 昨季のユニフォームやニックネームでも使われていた「緑」は、ケランタン州議会与党派を構成し、マレーシアをイスラム国家とする事を党是とする保守系政党の全マレーシア・イスラム党PASのロゴと同じ色で、ケランタン・ユナイテッドFCはケランタン州政府から運営資金援助を受けていることから、緑といういわばアイデンティティーをわざわざ無くす必要はないという意見もサポーターから出ていると、セムアニャボラは報じています。
(下左は全マレーシア・イスラム党PASのロゴ、右はケランタン・ユナイテッドFCのロゴ)

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 マレー半島の中でも特に保守層が多い東海岸北部のケランタン州は、全マレーシア・イスラム党PASが州議会で与党派を構成するマレーシア唯一の州です。(2019/01/23訂正:ケランタン州の隣、同じマレー半島東海岸沿いのトレンガヌ州も州議会はPASが与党です。)国政では野党ながら、州議会では与党となっていることから、時として連邦制のマレーシアでは中央政府との対立がしばしば起こります。また州内にはフドゥド法と呼ばれるイスラム刑法が導入されており、婚前交渉や婚外交渉に対して鞭(むち)打ちの刑が課せられたり、映画館の座席やスーパーのレジなどは男性専用、女性専用に分けられたりするなど、同じマレーシア内でも他の州とやや状況が異なる州です。

1月21日のニュース:スランゴールFCは今季初タイトルを逃す、フェルダUは退場者を出しながらタイトル獲得、M3リーグ改革案が発表される

スランゴールFCは今季初タイトルを逃す
 スランゴール州のシャーアラムスタジアムで開催されていたスランゴールアジアチャレンジSACは、ホストのスランゴールFCとバンコク・ユナイテッド(タイ)がいずれも1勝1分得失差3で並んだ結果、PK戦が行われ、バンコク・ユナイテッドが4−2で勝利し優勝しました。
 スランゴールFCは初戦でプルシブ・バンドン(インドネシア)に3-0、バンコク・ユナイテッドは同じくハノイFC(ベトナム)に3-0と快勝しており、この試合が優勝決定戦でした。なお優勝したバンコク・ユナイテッドは、優勝賞金1万米ドル(およそ110万円)を獲得しています。
 また3位決定戦となったプルシブ・バンドン対ハノイFCの試合は、プルシブ・バンドンが前半2−0とリードしたところで、豪雨のため終了となっています。
(以下はスランゴールFC対バンコク・ユナイテッドの試合のダイジェストです-スランゴール州サッカー協会FASのYouTubeチャンネルより)

フェルダUは退場者を出しながらタイトル獲得
 インドネシアのメダンで開催された大会に出場したフェルダ・ユナイテッドFCは、最終戦で退場者を出しながらも、ボーウング・ケット・アンコールFC(カンボジア)を1-0で破って優勝しています。
 メダンで開催されていたエディ・ラーマヤディカップには、ホストのPSMSメダン、フェルダ・ユナイテッド、ボーウング・ケット・アンコールFC、そして同じMFL(2部)のペナンFAが出場していました。
 フェルダ・ユナイテッドFCは、初戦のPSMSメダン戦でもファイズ・マズランが退場になりながらも、新外国籍選手のニコラス・ヴェレズとアクマル・ハイカルのゴールで2−1と勝利しています。
 最終戦となったボーウング・ケット・アンコールFCでは、主将のジャサズリン・ジャマルディンが60分に退場となる展開となりましたが、その直後の65分にニコラス・ヴェレズが初戦に続きゴールを決め、1-0と逃げ切って優勝しています。
 フェルダ・ユナイテッドFCのニザム・ジャミル監督は、英字紙スター電子版のインタビューに対し、カウンター主体となるチーム戦術は改善の余地があるものの、両試合とも退場者を出し10名となりながらも、チーム全員が見せた勝利への執念を評価したいと述べています。
 フェルダ・ユナイテッドFCは、今季、外国籍選手を総入れ替えしましたが、今大会で2得点を挙げたFWニコラス・ヴェレズの他、加入後の初の対外試合となったDFニコラ・ラスポポヴィッチ(セルビア)のピッチ上でのリーダーシップ、右サイドでのMF恵龍太郎の動きなど、外国籍選手とマレーシア人選手の連携が改善したとする一方で、FWフレデリック・ビュロ(ガボン)にはもう少し時間が必要だろうと話し、開幕までのおよそ1ヶ月でその点を改善したいとも話しています。
 なお3位/4位決定戦に回ったペナンFCは、PSMSメダンとフルタイムで1-1となった後、PK戦5−4で3位を獲得しています。
(写真左はフェルダ・ユナイテッドFC、右はペナンFAのFacebookより)

M3リーグ改革案が発表される
 マレーシアフットボールリーグMFL3部にあたるM3リーグは、昨季は14クラブが参加し、プロとアマが混在するアマチュアフットボールリーグAFLという扱いでしたが、これを段階的にセミプロリーグとする案をAFLのダト・モハマド・ユソフ・マハディ最高責任者(チェアマン)が発表しています。
 マレー語紙ブリタハリアン電子版によると、今季2020年シーズンのM3リーグは6クラブを新たに加え総勢20クラブでスタートし、今季終了後、成績上位クラブの内、クラブ運営において経済上の問題がないことが認められた12クラブは、そのまま来季2021年シーズンもM3リーグ所属となり、これ以外の残り8クラブはMFL4部にあたるM4リーグの今季上位4クラブとともに来季のM4リーグを構成するということです。
 この改革案についてモハマド・ユソフAFLチェアマンは、MFL2部プレミアリーグとMFL3部M3リーグとの間で入れ替え戦があることから、M3リーグのレベルアップに加え、両リーグ間のレベル差が離れ過ぎないようすることが目的であるとし、2021年シーズンからはM3リーグはセミプロリーグ、M4リーグ以下がアマチュアリーグという位置づけになるとしています。
 なお今季のMFL2部プレミアリーグには、昨季のM3リーグチャンピオンのケランタン・ユナイテッドが自動昇格、また昨季2位となった鈴木裕太選手が所属するクチンFAがプレミアリーグ最下位のサラワクFAとの入れ替え戦に勝利して、昇格を勝ち取っています。
 また、モハマド・ユソフAFLチェアマンは、チャレンジカップ(MFL1部と2部のクラブの内、マレーシアカップに出場しないクラブが出場するカップ戦)へM3リーグ所属クラブにも出場枠を設けるようチャレンジカップを主催するMFLへAFLから働きかけていることも明かしています。
 この他、モハマド・ユソフAFLチェアマンはM3リーグ所属のクラブに対し、そのリーグ所属権を他のクラブへ譲渡しないよう警告し、所属権譲渡の最終決定権はAFLにある事を強調しています。
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 興味深いのはモハマド・ユソフAFLチェアマンが最後に述べたリーグ所属権の譲渡についてです。上でも書きましたが、昨季MFL2部プレミアリーグで最下位だったサラワクFAは、クチンFAとの入れ替え戦に敗れてM3リーグ降格となりましたが、その後、サラワクFAは、プレミアリーグのスランゴール・ユナイテッドの経営権を買い取り、サラワク・ユナイテッドとチーム名を変えてプレミアリーグに残留するという荒技を駆使しています。
 MFL役員でもあるモハマド・ユソフAFLチェアマンは元記事の中で、リーグ所属権の譲渡を「健全でない文化」budaya tidak sehatと呼んで、この行為を糾弾していますが、下位リーグ降格危機を金銭で解決したサラワク・ユナイテッドの件が念頭にあるのは明らかです。

観戦記:1月18日ハノイFC対バンコク・ユナイテッドFC-セランゴールアジアチャレンジ@シャーアラムスタジアム

18分にはハノイFCがPKを得るも主将のグエン・バン・クエットのシュートはバーの上を超えていきます。
スタジアム内のスタンド下には、この大会を盛り上げるために、SACに参加するクラブの国の食べ物を売る屋台が出ていました。こちらはインドネシア料理を売る屋台です。
こちらはタイ料理の屋台。グリーンカレーなどが売られています。

1月18日のニュース:かつての同僚がSACで対戦、マレーシアとインドネシアのサッカーの違いをプルシブ・バンドンの監督が語る

かつての同僚がSACで対戦
 本日1月18日から2日間の予定でスランゴール州シャーアラムスタジアムで開催されるスランゴールアジアチャレンジSACは、主催するスランゴールFCと東南アジアの3クラブが参加する大会です。
 参加クラブのうちの一つであるプルシブ・バンドン(インドネシア)の監督は、かつてマレーシアでも複数のクラブで監督の経験があるロバート・アルバーツ氏です。アルバーツ氏は1990年代に監督を務めたクダFAでリーグ優勝とマレーシアカップ優勝を経験している他、2000年代と2010年代にはサラワクFAでも監督を務め2部リーグで優勝、この他、インドネシアやシンガポールでもリーグ優勝経験があり、東南アジアサッカー界のカリスマ監督の一人です。
 またアルバーツ氏は、マレーシアサッカー協会FAMのもとで2005年から2008年までテクニカルダイレクターTDやU19代表の監督を務めた経験もあります。そしてそのTD時代に、同じFAMでU23代表の監督をしていたのが今回の大会のホストであるスランゴールFCを率いるサティアナタン・バスカラン監督です。長年の知り合いであるというこの二人はかつてアーセナルがマレーシアで開催するサッカーアカデミーで一緒に指導していた経験もあります。
 今回のプルシブ・バンドンは、経験の浅い若手選手や新外国籍選手候補など、この大会で契約獲得を目指す選手で構成されており、アルバーツ監督が「サティアナタン監督は戦略家だが、ウチのチームの情報はほとんど持っていないだろう」と軽くジャブを放つと、サティアナタン監督は「未契約選手が多いチームは、(契約獲得のために)コーチに好印象を持ってもらおうと全員が全力でプレーしてくるので厄介だ」と切り返し、大会前の公式記者会見でも火花を散らしています。

マレーシアとインドネシアのサッカーの違いをプルシブ・バンドンの監督が語る
 前述したように、マレーシアとインドネシアで指導経験が豊富なアルバーツ氏は、英字紙スター電子版で両国のサッカー界の違いを述べています。
 マレーシア人自身が「設備や施設は一流国並み、精神構造は三流国並み」という言い方を自虐的にすることがありますが、アルバーツ氏はサッカーにもこれが当てはまると指摘し、マレーシアのサッカー組織は一流だが、文化としてのサッカーは貧弱であるとし、以下のようなコメントを出しています。
 「マレーシアではいつからシーズンが始まるか分かっているので、それに合わせて各クラブはプレシーズンの練習を開始するが、インドネシアではいつ開幕かがわからないことがよくある」
 「プロサッカーでは目標を設定し、そこへ向かって努力するためにはそういったこと(スケジュールの確定)が欠かせないので、マレーシアの方が明らかに進んでいる」
 「組織という点では、インドネシアはマレーシアが現在、到達しているレベルを目指している状況である。しかしそのレベルまで達することができれば、サッカーへの情熱、豊かな才能といったことを考えると、インドネシアは東南アジアのサッカーを席巻できる可能性がある」
 「特にサッカーへの情熱という点では、インドネシアはマレーシアを凌駕している。どんな小さな街にでもスタジアムがあり、大半のスタジアムに多くのファンが常に詰め掛け、贔屓(ひいき)のクラブに対して情熱的なサポーターが多い。また、国内リーグという点では、インドネシアでは既にピラミッドが出来上がっており、多くのクラブがトップを目指して激しく競争している」
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 アルバーツ氏が述べているように、国内のクラブ同士の競争の熾烈さ、サポーターの熱狂度合いでは、インドネシアは既にマレーシアを上回っているように感じます。またインドネシアは人口が2億7000万人を超える一方で、マレーシアの人口は3300万人弱、他のアジアの国々と比べても、国の規模そのものが違っており、タレント持った選手が育つ確率が同じだとすれば、東南アジアどころかアジアのサッカー強国になる可能性するあります。


 
 

1月17日のニュース:フル代表の中東遠征は予定通り実施、マット・ヨーがタイ1部リーグのクラブに正式加入、ケランタンFAとケランタンUが今季のクラブライセンス取得

フル代表の中東遠征は予定通り実施
 フル代表は3月にFIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選のアラブ首長国連邦UAE戦を控えていますが、アメリカとイランの対立により中東情勢が緊迫したことによりその実施があやぶまれていました。これについてFAMのダト・ハミディン・・モハマド・アミン会長は、マレーシア内務省やアジアサッカー連盟AFC、またUAEサッカー協会によって安全が保障されたことにより、フル代表の遠征は予定通り実施すると英字紙スター電子版に語っています。
 フル代表はUAE遠征前にバーレーン代表とブキジャリル国立競技場で国際親善試合を行ったのち、3月26日に予定されているFIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選でアラブ首長国連邦UAEと対戦する予定になっています。
 なおUAE戦後のフル代表は、3月31日にホームでのベトナム戦、6月9日のアウェイでのタイ戦という日程が残っています。なお、6月のタイ戦の前にはクウェート代表との国際親善試合も予定されています。

マット・ヨーがタイ1部リーグのクラブに正式加入
 フル代表でもプレーする33歳のベテランFWノーシャルル・イドラ・タラハの正式加入が新たな所属先となるBGパトゥム・ユナイテッドFCのFacebookで発表されています。既にタイ入りし、健康診断を残すだけという話はこのブログでも一昨日、取り上げましたが、ついに入団が正式に決まったようです。
 昨季タイ2部リーグで優勝し、今季は1部に昇格するBGパトゥム・ユナイテッドFCには、大分から期限付き移籍を終えてタイリーグに復帰するMFティティパン・プアンチャンもおり、ティティパン選手からのパスを受けてノーシャルル選手がゴール!といった場面も見られるかも知れません。
(写真はBGパトゥム・ユナイテッドFCのFacebookより)

ケランタンFAとケランタンUが今季のクラブライセンス取得
 MFL2部のケランタンFAとケランタン・ユナイテッドFCがマレーシアフットボールリーグMFL参加に必要なクラブライセンスを取得したことをマレーシアの通信社ベルナマが報じています。
 ケランタンFAを運営するケランタン州サッカー協会のフシン・デラマン事務局長によると、マレーシアサッカー協会FAMとアジアサッカー協会AFCが規定したライセンス取得のための6条件の内の5つを満たしていることから、ケランタンFAに条件付きではあるもののライセンスが発行されたとのことです。
 また昨季はMFL3部にあたるM3リーグで優勝し、今季からMFL2部でプレーするケランタン・ユナイテッドFCのワン・モハマド・ズル・イクマン事務局長は、ライセンス取得により新たな選手との契約が可能となったことから、戦力を強化してリーグ戦に臨みたいとベルナマに語っています。
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 クラブライセンスを獲得したとはいえ、ケランタンFAはFAMから最後通帳を受けた3クラブの1つです。クラブライセンス取得条件の残る1つの条件は財政面ということで、給料未払い問題と関連している可能性もあります。2018年シーズン終了後、自動昇格となる条件を満たさないまま3部からMFL2部に参加したものの、リーグ開幕後に出場停止処分を受けたプルリスFAのようなことにならないよう、FAMとMFLには厳格な審査をお願いしたいです。

1月16日のニュース:FAMが最後通牒を与えた3クラブはマラッカU、PDRM FC、ケランタンFAと判明、MFLにVAR導入は時期尚早-MFL会長、MFLは今季の放映権について複数のメディアと協議中、ポドルスキーがJDT訪問

FAMが最後通牒を与えた3クラブはマラッカU、PDRM FC、ケランタンFAと判明
 マレーシアサッカー協会FAMが未払い給料問題解決の遅れから最後通牒を与えた3クラブは、昨日のこのブログではまだ明かされていないと書きましたが、今日付のFAM公式サイトにてマラッカU、PDRM FC、ケランタンFAが該当クラブであることが発表されています。
 昨日も書きましたが、この3クラブは1月31日までに未払い給料完済、あるいは選手との間で支払い方法に関する合意に達しなければ勝点3が剥奪(はくだつ)され、それが2月28日(マレーシアフットボールリーグMFL第1節試合日)までなら勝点6が、3月30日まで解決されなければ今季のリーグ出場停止処分となります。
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 開幕を例年より遅らせて2月末にしたにもかかわらず、開幕後まで問題解決の猶予を与えるFAMの姿勢は正直疑問です。昨季はMFL2部のプルリスFAに対する出場処分後が開幕後に決まったため、MFL2部の試合日程が途中で変更を強いられたように、今季もドタバタが起こるのかも知れません。
(最後痛料を出された3クラブを公表する告知。FAMのFacebookより。)

MFLにVAR導入は時期尚早-MFL会長
 昨日1月15日に開催されたMFL開幕イベントで、MFLのダト・スリ・ハミディン・アミン会長は、MFLへのVAR導入は時期尚早だと述べたことが英字紙ニューストレイトタイムズで報じられています。
 FAMの会長でもあるハミディン会長は、VARの導入はMFLの経営が安定してから導入されるべきという見解を述べた上で、MFLの最優先事項はマレーシア代表チーム強化につながるようなリーグ自体の向上であるとして、そのためにはまずリーグの商業価値を高め、その上でVAR導入に関する協議を行いたいと話しています。

MFLは今季の放映権について複数のメディアと協議中
 MFLは1部スーパーリーグ、2部プレミアリーグ、マレーシアFAカップ、マレーシアカップ、チャレンジカップの公式戦の放映権について、複数のメディアと協議の最終段階に入っていると英字紙スター電子版が報じています。
 MFLは今季の公式戦を配信元を1社に限らず、複数のメディアを通じて有料チャンネルだけでなく、無料の地上波やネット配信でも希望しているとされ、特にMFL1部スーパーリーグについては全試合の放映を求めているとしています。
 記事の中でMFLのハミディン会長は、2月中には詳細が確定し発表できるだろうとも述べています。

ポドルスキーがJDT訪問
 今季在籍したJリーグのヴィッセル神戸との新たな契約を結んでいないルーカス・ポドルスキが、MFL1部のジョホール・ダルル・タジムJDTのホーム、スルタン・イブラヒムスタジアムを訪問したと、スポーツ専門サイトのフォックススポーツが報じています。
 JDTでプレーすることに関心がある、と本人から連絡があったことをJDTのオーナーTMJことジョホール州皇太子トゥンク・イスマイル殿下が公表したことから、すわJDT移籍かと日本のメディアも報じる中、JDTの新本拠地スルタン・イブラヒムスタジアムを訪れている様子が、JDTのFacebookで伝えられています。
 JDTのFacebookには、トゥンク・イスマイル殿下とポドルスキー選手のツーショットや話し合いを行なっている写真が掲載されています。(写真はJDTのFacebookより)

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 個人的に確定していない選手の移籍の噂には興味はないのですが、日本でも関心が高いようなので、簡単に触れることにしました。
 今季のACLでは、JDTがヴィッセル神戸と予選グループに入ったことから、ポドルスキー選手がJDTに移籍して古巣と対決、のようなストーリーができている節もあるようですが、今季のJDTでプレーする5名の外国籍選手(ただし5名枠にはAFC枠1、ASEAN東南アジア枠1が含まれています)を考えるとあまり現実的ではない気がします。ポドルスキー選手が入団すれば、FWジオゴ、MFレアンドロ・ヴァレスケス、DFマウリシオのうちの一人が弾き出されることになりますが、JDTの今季の目標がACLで好成績を収めることだとすれば、いずれの選手も欠かせない選手ですので、ポドルスキー選手は今のチーム状況に適した選手には思えません。

1月15日のニュース:代表FWがタイ1部リーグのクラブへ移籍、MFLから未払い給料問題を抱える3クラブに対して最後通牒が出される、クダFAはカンボジア遠征を勝利で終える

代表FWがタイ2部リーグのクラブへ移籍
 昨年2019年のFIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選でもプレーしたフル代表のFWノーシャルル・イドラ・タラハが、隣国タイの2部リーグで昨季優勝し、今季は1部に昇格するBGパトゥム・ユナイテッドFCへ加入すると英字紙ニューストレイトタイムズで報じられています。
 マット・ヨーの愛称でも知られるノーシャルル選手は、昨季はマレーシアフットボールリーグ1部で2位となったパハンFAに在籍していましたが、シーズン終了後に契約満了が伝えられていたものの、移籍先が決まっていませんでした。今年の6月に34歳となるノーシャルル選手は健康診断を経て、問題がなければ今週中には契約となるようです。なお契約期間は1年となっています。
 ノーシャルル選手が加入するBGパトゥム・ユナイテッドFCとともに今季タイ1部リーグに昇格するポリス・テロFCには前JDTでU22代表の主将も務めたドミニク・タンもいますので、今季のタイ1部リーグではマレーシア人選手が二人もプレーすることになります。
 タイ1部リーグは2月15日に開幕しますが、ノーシャルル選手が所属予定のBGパトゥム・ユナイテッドFCは昨季5位のムアントン・ユナイテッドFCと、タン選手が所属するポリス・テロFCは、昨季2位となったものの2017年、2018年とリーグ2連覇を果たしている強豪ブリーラム・ユナイテッドFCと対戦します。

MFLから未払い給料問題を抱える3クラブに対して最後通牒が出される
  サッカー専門サイトヴォケットFCによると、本日1月15日に開催された今季のMFL開幕イベント後のメディアとの会見の席で、MFLのスチュアート・ラマリンガム事務局長はMFLの3クラブが最後通牒を出されており、期限までに未払い給料問題の解決方法が明示されない場合、今季のMFL出場停止処分もありうるとしています。ラマリンガム事務局長は具体的に以下の日程を挙げています。

1月30日
 この日までに未払い給料の完済、あるいは選手との間で未払い給料支払い方法についての合意が得られない場合、勝点3を剥奪する。
2月28日
 この日までに未払い給料の完済あるいは選手との間で合意した支払い方法が守られない場合、勝点6を剥奪する。
3月30日
 この日までに未払い給料の完済あるいは選手との間で合意した支払い方法が守られない場合、今季のリーグ戦およびカップ戦全てに出場停止処分を科す。
 
 また、リーグ出場停止処分を科されたクラブは、未払い給料を完済するまでリーグへの復帰は認められず、また復帰が認められた場合も下部リーグからの出場となるとしています。
 なお、ラマリンガム事務局長は最後通牒を出されたクラブ名をこの日は公表せず、まずは該当クラブに通告し、その後、FAMから公式に発表するとしています。

クダFAはカンボジア遠征を勝利で終える
 カンボジア遠征中のクダFAは、出場したスマートRSNカップ最終戦で地元のプノンペン・クラウンFCを2−1で破りで優勝したと、公式Facebookで伝えています。
 1月21日にアジアサッカー連盟AFCチャンピオンズリーグACLの予選プレーオフ、和富大埔(Tai Po FC – 香港)戦を控え、他のMFLクラブに比べると早めの始動となったクダFAですが、この日の決勝戦は新戦力のチェチェ・キプレ(トレンガヌFCより加入)とハディン・アズマン(フェルダ・ユナイテッドFCより加入)がゴールスなど、大型補強の効果が出ているようです。
 13日間で5試合の強行軍でしたが、カンボジアのクラブとは4勝1敗、その間に行ったトレーニングにも満足しているというアイディル・シャリン監督は、試合の結果以上にACL予選プレーオフに向けて勢いがついたと語っています。
(優勝を祝うクダFA。写真はクダFAのFacebookより)

1月14日のニュース:前PKNS FC監督は国外のクラブでの指導を視野に、カンボジアリーグ王者がマレーシアでのプレシーズンマッチツアーを終了

前PKNS FC監督は国外のクラブでの指導を視野に
 スランゴールFA(現スランゴールFC)に吸収合併され、スランゴールFCのBチームとなったPKNS FC前監督のラヤゴパル・クリシュナサミ氏は、マレーシア国外での監督に興味を持っているとマレー語氏シナルハリアン電子版が伝えています。
 現役時代にもプレーしたPKNS FCの他、ケランタンFA、スランゴールFA、サラワクFAでも監督経験のあるラヤゴパル氏は、昨年2019年10月に開幕したインドスーパーリーグISLで、12試合を経過した時点で8位に低迷するチェンナイインFCの監督就任が噂されていました。しかしジョン・グレゴリー監督が解任され空席となった監督のポストにはオーウェン・コイル氏が就任したことから、この話は立ち消えになってしまいました。
 ラヤゴパル氏自身はシナルハリアンの取材に対し、現在も東南アジアのクラブでの監督就任を希望している一方で、新たなシーズンに向けて多くのクラブで監督がすでに決まっていることを認めています。
 ラヤゴパル監督は、フル代表の監督として2010年の東南アジアサッカー連盟AFF選手権スズキカップで優勝している他、その前年2009年にはU22代表監督として東南アジア競技大会通称シーゲームズでも金メダルを獲得するなど現役監督しての実績はトップクラスです。フル代表監督を退いた2014年にはベトナム代表監督候補という報道もでるなど、その評価は国外でも高いようなので、近いうちにどこかの国のクラブの監督に就任する可能性は大有りです。
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 国外で監督を務めたマレーシア人指導者としては、前トレンガヌFC監督のイルファン・バクティ(2007年にインドネシア1部リーグのプルシプラ・ジャヤプラで監督)やそのイルファン氏のコーチングスタッフとしてインドネシアに渡り、イルファン氏が帰国後もインドネシアに残り、現在はマレーシアよりもインドネシアで名前が知られているラジャ・イサ氏(現インドネシア2部リーグのPSPSリアウ監督)がいます。

カンボジアリーグ王者がマレーシアでのプレシーズンマッチツアーを終了
 マレーシアに遠征していた昨季2019年カンボジアリーグ王者のプレア・カン・リーチ・スヴァイ・リエンFC(PKRSR FC)が3試合のプレシーズンマッチを終えたとスポーツ専門サイトのフォックススポーツが伝えています。
 PKRSR FCはスランゴールFC、フェルダ・ユナイテッド、そして昨日のトレンガヌFCとMFL1部の3クラブと対戦し、それぞれ4−0、2-1、4-3と3戦全勝でツアーを終えています。
 このPKRSR FCは、昨季のカンボジアリーグでは20勝5分1敗(しかも1敗はリーグ最終戦)と国内リーグではダントツの強さを誇り、アイルランド出身のコナー・ネストー監督がアイルランドサッカー協会の育成コーチや国内リーグのリムリックFCのU19監督などを歴任後、カンボジアでの監督就任2年目で優勝チームを作り上げています。
 なお、PKRSR FCは1月22日と29日に行われるアジアサッカー連盟AFCカップの予選ラウンドではラオスのマスター7FCと対戦し、この試合に勝つとAFCカップ本選に出場します。

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 昨日のトレンガヌFCとの試合は、私も後半だけ観戦しました。主将のリー・タックらが出場していなかったせいもあるかも知れませんが、私が観戦した時間帯はほぼトレンガヌFCのハーフ内で試合が行われている印象で、トレンガヌFCは前線にボールが渡ることがあっても結局シュートまで結びつかず、私が観戦する前までにどうやって3点も取ったのだろうという印象でした。

12月13日のニュース:プルリスFAのMFL復帰への道は険しい、ケランタン州サッカー協会に再びFIFAによる制裁の可能性が浮上

プルリスFAのMFL復帰への道は険しい
 昨季2019年シーズンにマレーシアフットボールリーグMFL2部で給料未払い問題と運営資金不足が明らかになり、開幕後わずか3試合でMFLよりリーグ出場停止処分となったプルリスFAのリーグ復帰の道のりはまだ険しいと、英字紙ニューストレイトタイムズ電子版が伝えています。
 プルリスFAはリーグ出場停止処分の他、昨季在籍したブラジル人FWバルチ・テイシェイラ・ジュニオールへの給料未払い問題が未解決のため、国際サッカー連盟FIFAによる選手獲得禁止処分も受けています。
 ニューストレイトタイムズによると、プルリスFAを運営するプルリス州サッカー協会PFAは、リーグ復帰に必要となるクラブの経済状況に関する書類をMFLに提出できていないということですが、上記のジュニオール選手の他、サフィ・サリー(PJシティFC)、カイリル・ムヒミーン(スランゴールFC)らマレーシア人選手に対しても未払い給料を抱えており、その総額は500万リンギ(およそ1億3500万円)とも言われ、これを完済することもリーグ復帰の条件です。
 PFAでは昨日1月12日に臨時総会と会長選が行われ、ザムリ・イブラヒム氏が新会長に選出されていますが、ザムリ会長は就任直後のインタビューで、マレーシアサッカー協会FAMを通じてFIFAに抗告の申し立てを行い、できるだけ早くチームを再建したいとしています。
 「サッカーに関するあらゆる活動が禁止されている現状では、チーム再建どころか未払い給料を支払うための資金を集めることもできないので、活動の余地が欲しい」と述べるザムリ会長は未払い給料完済を最優先事項とすると述べています。
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 MF再加盟が認められても、MFL3部にあたるM3リーグからのスタートとなるプルリスFAの道はまだまだ険しそうです。

ケランタン州サッカー協会に再びFIFAによる制裁の可能性が浮上
 MFL2部のケランタンFAを運営するケランタン州サッカー協会KAFAは、再びFIFAによる制裁処分を受ける可能性が浮上していると英字紙スター電子版が伝えています。
 給料未払い問題を抱えることが明らかになっているMFL1部のマラッカ・ユナイテッド、PDRM FCとともにケランタンFAも、FAMに対して今季2020年シーズン開幕までに未払い給料を完済すると保証したとされていますが、かつてケランタンFAに在籍した複数の外国籍選手が給料未払いについての苦情申し立てをFIFAに行ったことが明らかになり、シーズン開幕前にもかかわらず勝点剥奪(はくだつ)という制裁を受ける可能性が浮上したということです。
 なおケランタンFAは昨季2019年シーズンには、2017年にテクニカル・ダイレクターを務めたウルグアイ出身のアルフレッド・ゴンザレス氏に対し、FIFAの懲罰委員会が設定した期限までに未払い給料を完済しなかったことにより、勝点3を剥奪される処分を受けています。
 FAMのスチュアート・ラマリンガム事務局長は、MFLの大半のクラブは今季開幕前に未払い給料完済が可能であるとしながらも、複数のクラブは数年前までさか上る未払い給料があることを認めています。ケランタンFAに関して言えば、先日取り上げた、カイルル・ファミ・チェ・マットやモハマド・バドリ・モハマド・ラジのように分割払いでの支払いに応じる選手がいる一方で、一括払いも求める選手もおり、KAFAと選手の間の協議が成立しなければ、KAFAは再度、FIFAの制裁対象となるとラマリンガム事務局長はスター電番の取材に答えています。
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 FIFAによる処分では、昨季2019年はMFL2部のペナンFAもFIFAから勝点6の剥奪処分を受け、MFL1部昇格を逃している他、2015年にはMFL1部のパハンFAもモロッコ出身のモハメド・ボルジがFIFAに2013年シーズン分の未払い給料の苦情申し立てを行い勝点6を剥奪されています。