10月19日のニュース:タイ1部リーグ第9節-マレーシア代表トリオは出場せず、ポルトガル移籍のサファウィ・ラシドはU23の試合に出場、ケダ州FAはアイディル監督の留任交渉開始

タイ1部リーグ-マレーシア人選手は出場せず
 タイ1部リーグ第9節が10月17日に行われましたが、現在、タイ1部リーグのクラブに所属するマレーシア人選手は出場しませんでした。
 リーグ1位を快走するBGパトゥム・ユナイテッドは、日本人の石井正忠監督率いるサムットプラーカーン・シティFCとホームで対戦し、2−2と引き分け、開幕から7勝2分0敗と無敗記録を9と伸ばしています。
 BGパトゥム・ユナイテッドに所属するマレーシア代表のノーシャルル・イドラ・タラハは、前節第8節に続き出場が期待されましたが、この日はベンチ入りしたものの、出場機会がありませんでした。
 またドミニク・タンとモハマドゥ・スマレが所属するポリス・テロFCは、アウェイでPTプラチュワップFCと対戦し、こちらも2-2と引き分け、通算成績を4勝3分2はいとしています。
 ドミニク・タンはこの試合でもベンチ入りしたものの、9月12日のタイ1部リーグ再開後は初めて出場機会がありませんでした。また隔離検疫期間が明けて練習に参加したばかりのムハマドゥ・スマレはベンチ入りしませんでした。
******
 スマレ選手は、別の報道ではMリーグ中断からパハンFA離脱後の7ヶ月間は十分な練習を行ってていないと話しており、チームに合流以降はチーム練習とは別にコンディショニングトレーナーと一緒にトレーニングを行なっていることを明らかにしています。

ポルトガル移籍のサファウィ・ラシドはU23の試合に出場
 タイでプレーする代表トリオも気になりますが、Mリーグ1部のジョホール・ダルル・タジムJDTからポルトガル1部リーグのポルティモネンセSCに移籍した代表のエース、サファウィ・ラシドも先週末に移籍後初の公式戦が控えており、マレーシアの衛星放送が急遽、この試合を生中継することを発表するなど期待が高まっていました。
 このブログでもブルネイ出身の「世界一リッチなサッカー選手」ことファイク・ボルキアとの対戦もあり得るか、という記事を取りあげましたが、残念ながらトップチーム合流、即デビューとはなりませんでした。
 それでもサファウィ選手は前日の10月16日(現地時間)に行われたU23リーグのポルティモネンセSCU23対スポルティングCP U23の試合に先発出場しています。試合はスポルティングCP U23が3-1で勝利しています。
 「ポルトガルのサッカーはマレーシアのサッカーとはかなり違うので、まだ学ばなければならないことがたくさんある。試合のペースやリズムが違っているので、試合中に考えている時間はなく、素早い判断が求められる。自身のパフォーマンスには満足しておらず、ベストなプレーが出来なかった。」とサファウぃ選手は試合後に話しています。
 トップチームのパウロ・セルジオ監督はサファウィ選手の練習を見て高評価をつけた一方で、トップチームデビュー前にポルトガルのサッカーに適応する必要があると話しています。

ポルティモネンセU23対スポルティングCP U23のハイライト映像(スポルティングCPの公式Youtubeチャンネルから)背番号10をつけたサファウィ選手がチラチラと映っています。

ケダ州FAはアイディル監督の留任交渉開始
 マレーシア語紙コスモ電子版は、Mリーグ1部ダルル・アマンFC(来季から。現在はクダFA)を運営するクダ州サッカー協会はアイディル・シャリン・サハク監督との留任交渉にあたり条件を聞く用意があると報じています。
 このブログでも取りあげましたが、アイディル監督にはMリーグの他のクラブ(その後の報道でスランゴールFC、クアラルンプールFA、パハンFA、マラッカ・ユナイテッドFC、ペナンFAの名前が具体的に上がっています。)や母国シンガポール、さらにはインドネシアのクラブも関心を持っていると報じられています。
 クダ州サッカー協会のアブドル・ラーマン・アブドラ副会長は、来季もアイディル監督が続けてダルル・アマンFCの指揮を取ることを望んでいると話しています。
 しかしその一方で、留任が実現するかどうかはアイディル監督が求める給料の額や来季に向けての選手獲得などでクダ州サッカー協会が対応できる範囲内であることが条件であるとしています。
 「アイディル監督のクラブへの貢献は計り知れず、今季2位という良い結果も残している。また選手やサポーターからも広く支持されているので、アイディル監督を手放す理由は全くない。来季の出場が決まっているAFCカップでもクラブの指揮を取ってもらえるよう、残留交渉を既に始めている。」とアブドル・ラーマン副会長は話しています。
******
 記事の書き方もあるのでしょうが、クダ州サッカー協会はアイディル監督を全力で慰留しようという姿勢が伝わってこない報道が多い印象です。いまだ給料未払い問題を抱え、無い袖は振れない、というところなのでしょうが、昨季のFAカップ優勝、マレーシアカップ準優勝、そして今季はリーグ再開後からチームを立て直してリーグ2位としたアイディル監督を獲得したいクラブは多いはず。そんな中、有利な立場にいるはずのクダ州サッカー協会の本気度が伝わってこないのは残念です。

10月16日のニュース:スマレがポリス・テロFCに合流、代表は12月に国外合宿を検討、MFLは条件付き活動制限令期間中の練習許可申請を行う予定

スマレがポリス・テロFCに合流
 マレーシア代表のムマハドゥ・スマレが移籍したタイ1部リーグのポリス・テロFCの練習に合流したことが、ポリス・テロFCの公式Facebookに投稿されています。なお、この前日には自身のインスタグラム上でタイへの渡航者に義務付けられている14日間の隔離措置の最終日であることを投稿していました。
 また明日10月17日に予定されているタイ1部リーグ第9節、アウェイゲームのPTプラチュワップFC戦にランサン・ヴィワチャイチョク監督が帯同を希望しているという報道もあり、さすがにベンチ入りの可能性はないにしても、スマレ選手への期待の大きさがわかります。
(写真左上は同じマレーシア代表のドミニク・タンとポーズを取るムハマド・スマレ。写真はいずれもポリス・テロFCの公式Facebookより。)

代表は12月に国外合宿を検討
 マレーシア語紙ハリアン・メトロ電子版によると、マレーシア代表は12月に国外での合宿を検討しているようです。
 代表チームマネージャーを務めるユソフ・マハディ氏は、来年2021年3月に再開が予定されているFIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選、そして4月に予定されている東南アジアサッカー連盟AFF選手権スズキカップに備えて、昨年2019年11月のワールドカップ予選以降は全く活動が行われていない代表を再始動させる必要があると話しています。
 「タン監督やコーチとの話し合いをもとに、12月に代表候補合宿を行い、さらに外国のチームと練習試合を行う予定を立てているが、今後のマレーシア国内の新型コロナウィルスの感染状況次第では、感染が収束している他国での合宿開催の可能性もある。」と話すユソフ・マハディ代表チームマネージャーは、その候補地の一つとしてカタールを挙げています。
 「カタールは現在、多くの国際親善試合が開催されており、AFCチャンピオンズリーグが集中開催が予定されるなど比較的安全な場所と言えるので、マレーシア国内の感染状況や政府からの渡航許可が出るかなどについて今後も検討を続けていく。」とユソフ・マハディ代表チームマネージャーは話し、国外のチームとの対戦を検討している理由については、国内クラブはマレーシアカップ終了後の休養期間に入っていることに加え、その時期には多くの選手の契約期間が終了しておりチーム編成が難しい可能性を挙げています。

MFLは条件付き活動制限令期間中の練習許可申請を行う予定
 Mリーグを運営するマレーシアフットボールリーグMFLは、10月14日からクランバリー(首都圏のスランゴール州、クアラルンプールおよびプトラジャヤ)に施行中の条件付き活動宣言令CMCO期間中のMリーグクラブの練習許可を当局に求めていく考えがあることをマレーシア語紙シナルハリアン電子版が報じています。
 MFLのアブドル・ガニ・ハサンCEOは、クランバリーに本拠地を持つMリーグクラブがCMCO期間中は練習ができず、未消化となっているMリーグの試合や11月に開催されるマレーシアカップに備えた練習ができないという声を受けて、この練習許可の申請を行うとしていますが、申請が認められるかどうかはMFLの支配が及ばない部分であり、その点は理解して欲しいとしっかり言い訳もしています。
 アブドル・ガニCEOは、これまでMリーグは標準作業手順SOPを遵守し、開催された試合で新型コロナウィルスの感染者が一人も出ていないことを今回の申請先となる保健省と国家安全保障委員会が考慮してくれることを期待していると話す一方で、練習許可が下りた場合でも、スタジアムのような外部と遮断された会場で従来の標準作業手順SOPに沿った形で練習が行なわれるべきであるとしています。
 クランバレーに本拠地を持つクラブの内、UITM FCはサバFAと、クアラルンプールFAはクチンFAとそれぞれMリーグ最終節第11節の試合が新型コロナウィルス感染者急増により10月31日に延期されている他、上記の4クラブに加えてマレーシアカップに出場するスランゴールFC、PJシティFCもCMCOにより練習が禁止されており、これらのクラブからMFLに対して当局への働きかけを行う声が上がっていましたが、MFLはその重い腰をやっと上げることにしたようです。

10月15日のニュース:プトラジャヤにMリーグクラブ発足案を述べた大臣がネット上で炎上、ペラTBGのマレーシア人得点王が多くのクラブから関心を集める、JDTのジオゴはタイ1部のBGパトゥムUへ移籍か

プトラジャヤにMリーグクラブ発足案を述べた大臣がネット上で炎上
 マレーシアにはクアラルンプール、プトラジャ、ラブアンと3つの連邦直轄地がありますが、この地域を担当するアヌアル・ムサ連邦直轄地相の発言がネット上で炎上していると、サッカー専門サイトのヴォケットFCが報じています。
 ことの発端は、連邦直轄地の一つであるプトラジャヤにも来季からMリーグに参加するクラブを発足させるとツイッターに投稿したことでした。
 しかしこの内容が投稿されたタイミングは、自身が担当する連邦直轄地のプトラジャヤやクアラルンプール、そしてスランゴール州に対して条件付き活動制限令CMCOが10月14日から施行されることが発表された直後だったことから、多くの批判が集まりました。学校や宗教施設は閉鎖され、地区を跨いだ移動は原則禁止となるなど住民の生活が制約される政策発表後の投稿に対しては、「感染拡大を防ごうというときに内容が不適切」「CMCO発令地域担当大臣として無神経すぎ」「安っぽい売名行為」などと批判され炎上する事態になっています。
******
 アヌアル連邦直轄地相は、2009年から2016年まで出身地であるケランタン州サッカー協会の会長を務め、在任中の2012年にはケランタン州サッカー協会が運営するケランタンFAが1部リーグ、マレーシアカップ、FAカップの国内三冠を達成するなど、ケランタン州のサッカーの黄金時代を支えた人物なので、単なる人気取りで発言したわけではないとは思いますが、条件付き活動令施行が報じられた直後で、不安と不満がいっぱいの地域住民には好意的には受け取られなかったようです。
 ただし批判を別にして考えると、3部リーグにあたるかつてのFAMリーグでは金融庁が母体のMOF FC、公益事業委員会が母体のSPA FCがプレーし、そのFAMが発展解消されてできたM3リーグ(今季は新型コロナのため中止)には入国管理局が母体のイミグレーションFCが現在も在籍するなど、マレーシアの行政の中心地であるプトラジャヤにはMリーグクラブの母体となる可能性があるクラブがあります。
 ただしマレーシアサッカー協会FAMが現在、進めている民営化は、政府機関などが直接、Mリーグのクラブを運営することを禁じており、その辺りとの兼ね合いがどうなるかによりそうです。

ペラTBGのマレーシア人得点王が多くのクラブから関心を集める
 先日終了したばかりのMリーグ1部でマレーシア人選手として最多の10ゴール(11試合)を決めたエキィことシャーレル・フィクリ(ペラTBG)にMリーグの複数のクラブだけでなく、国外のクラブも関心を示していると、マレーシアの通信社ブルナマが報じています。
 25歳のシャーレル選手に関心を示しているクラブの中でもクランバレー(スランゴール州とクアラルンプールが構成する首都圏)に本拠地を持つMリーグ1部のクラブと来季に向けてチーム強化に積極的な2部のクラブが特に強い関心を示している他、インド1部ISL(インドスーパーリーグ)の1クラブもシャーレル選手に注目していることも報じられていますが、本人曰くインドへの移籍には興味がないとのことです。。
 ペラTBGと契約延長の交渉中であることを認めたシャーレル選手ですが、現時点ではまだ何も合意していないことを明かし、他のクラブの話を聞く用意があるとしています。なおシャーレル選手とペラTBGの契約は今年12月31日に切れるということです。

JDTのジオゴはタイ1部のBGパトゥムUへ移籍か
 タイの人気サッカー専門サイトがMリーグ1部ジョホール・ダルル・タジムJDTのジオゴことジオゴ・ルイス・サントスのタイ1部リーグのBGパトゥム・ユナイテッド移籍を報じているということです。
 この記事を掲載したマレーシアのサッカー専門サイトのヴォケットFCによると、ジオゴはタイ1部リーグの後半戦開始に合わせて移籍するということで、メディカルチェックを経てバンコクで契約書にサインする予定であるということです。なお、今季から秋春制に移行しているタイ1部リーグの後半戦は1月9日と10日に予定されている第17節からとなっています。
 2019年に同じタイ1部リーグのブリーラム・ユナイテッドから移籍金500万バーツ(当時のレートでおよそ2200万円)でJDTに移籍したジオゴは、JDT在籍2年間で2019年と2020年のMリーグ1部優勝、2019年のマレーシアカップ優勝に貢献しています。
******
 BGパトゥム・ユナイテッドが積極的にフォワードを補強する中、代表のFWノーシャルル・イドラ・タラハの出場機会はますます少なくなりそうです…。

10月14日のニュース:マレーシアカップの日程が再々変更、ケランタンFCは今季末までの給料を既に支給済み、クダFA監督に少なくとも5クラブが来季監督オファーを用意か

マレーシアカップの日程が再々変更
 マレーシアカップを主催するマレーシアフットボールリーグMFLは公式Facebook上で日程変更の告知を行なっています。
 新型コロナウィルス感染者数急増により、当地では「クランバレー」と呼ばれる首都圏のスランゴール州、クアラルンプールおよびプトラジャヤに本日10月14日から10月27日までの期間、条件付き活動制限令が施行されたことを受けての日程変更です。なお条件付き活動制限令下ではサッカーなどのスポーツ活動を行うことが禁じられています。
 新たな日程は11月1日(土)に組み合わせ抽選、全16チームが出場する1回戦は11月6日(金)から8日(日)、準々決勝は11月12日(木)と13日(金)、準決勝は11月17日(火)、そして決勝は11月22日(日)と2週間強で終了する予定が発表されています。
 この日程についてMFLは、今季Mリーグ1部7連覇を果たした昨季のマレーシアカップチャンピオンJDTが出場するアジアサッカー連盟AFCチャンピオンズリーグが11月19日から12月4日にカタール開催されることを考慮に入れた結果であると説明しています。
 このマレーシアカップは1部11チームと2部5チーム(ただし2部に在籍する1部チームのセカンドチームは除く)が出場しますが、この内、CMCOが施行される首都圏に本拠地を持つクラブはスランゴールFC、PJシティFC、UITM FC、クアラルンプールFAがあります。
 またMFLはこちらも新型コロナウィルスの影響で順延となっていたMリーグ1部のサバFA対UITM FCの試合と2部のクアラルンプールFA対クチンFAの試合をいずれも10月31日に行うことも併せて発表していますが、試合会場については明言されていません。
******
 当初は10月16日開幕予定だった今季のマレーシアカップは、一旦は10月25日開幕に変更されたものの、本日から施行される条件付き活動制限令CMCOにより再度日程が変更されました。また本来は1回戦は4つの予選グループに別れてホームアンドアウェイ形式で行われるグループステージ、準々決勝と準決勝はやはりホームアンドアウェイ形式そして決勝のみが1試合という形式ですが、今季に限っては1回戦から決勝までは一発勝負のいわゆるノックアウト形式で開催されます。

ケランタンFCは今季末までの給料を既に支給済み
 ケランタンFC(民営化によりケランタンFAより変更)のノリザム・トゥキマン新オーナーは選手、監督およびコーチの今季末までの給料を既に支払済みのようです。
 マレーシアの通信社ブルナマは、ケランタンFCの運営会社であるTRW社のジャミルライル・ジャミルディン業務部長の話として、給料の他、従業員積立基金EFPや労災補償制度SOCSOの積立金についても、現在、チームに在籍している全員分が支払われたと報じています。
 ジャミルライル業務部長によると、TRW社の経営者でもあるノリザム新オーナーは、ケランタンFCの選手の福利厚生に責任を持つことがTRW社の役目であり、ケランタンFCを負債のないクラブにするという目的を真剣に果たそうとしていると話しています。
 さらにジャミルライル業務部長はマレーシアカップに臨むチーム全体の士気を上げるために大会前に選手や監督、コーチの給料の不安を解消したかったと述べ、選手たちが試合に集中し、できるだけ上位に進出してほしいと話しています。

クダFA監督に少なくとも5クラブが来季監督オファーを用意か
 新型コロナウィルスによるMリーグ中断前の4試合を1勝1分2敗としながら、リーグ再開以降の7試合を6勝1敗としてMリーグ1部の2位となったクダFAですが、アイディル・シャリン・サハク監督の去就が相変わらず注目を集めています。
 マレーシア語紙ブリタハリアン電子版は、このアイディル監督に少なくとも5クラブからの監督オファーがあると報じる記事を掲載しています。この記事によれば、昨季は監督就任1年目でクダFAをFAカップ優勝に導いたアイディル監督に対し、スランゴール州やクアラルンプールなどを含む「クランバレー」の2クラブ、北部の1クラブ、南部の1クラブ、そして東海岸の1クラブの計5クラブが監督就任オファーを用意しているということで、中でも南部のクラブが最も熱心で、既にアイディル監督にオファーを出したとされています。
 クダFAを運営するクダ州サッカー協会(クダ州FA)による選手や監督、コーチへの給料未払い問題を抱えながら、チームを立て直したアイディル監督の手腕への評価は高く、今季末で切れるクダFAとの契約が更新されていないことから、こういった憶測を呼んでいます。シャリン監督はクダ州FAと交渉の席につく用意があるとも話す一方で、他のクラブからのオファーも聞く用意があるとしています。

10月13日のニュース:首都圏に2週間の条件付き活動宣言令施行-今後の日程変更は必至、JDT主将は来季も残留-英国2部リーグ移籍は噂でした

首都圏に2週間の条件付き活動宣言令施行-今後の日程変更は必至
 マレーシア政府のイスマイル・サブリ上級大臣兼国防大臣は、10月14日午前0時から10月27日までスランゴール州、クアラルンプール及びプトラジャヤの全域における条件付き活動宣言令CMCOの施行を決定したことを発表しています。
 CMCOの再施行はスランゴール州のクラン地区やプタリン地区を中心に首都圏で新型コロナウィルスの感染者数が急増している状況を受けたものですが、CMCO期間中は経済活動は通常通り行うことができるものの、多くの人が集まる学校や宗教施設は閉鎖、全てのスポーツ及びレクリエーション活動は禁止となる他、施行地域内の地区(スランゴール州は9つ、クアラルンプールは11の地区に分かれています)をまたいだ移動が原則禁止されます。
 この状況下では10月25日に開幕予定のマレーシアカップは延期となる可能性は高いですが、マレーシアカップの開催者であるマレーシアフットボールリーグMFLからはこの記事の執筆時点では何の発表もありません。なお、マレーシアカップは10月16日開幕の予定が既に一度変更になっている経緯もあります。またこのマレーシアカップ前に予定されていた、Mリーグ第11節の1部リーグのサバFA対UITM FC戦、2部リーグのクアラルンプールFA対クチンFAについても当然、日程変更が必要となりますが、こちらについてもまだMFLからの発表はありません。
******
 マレーシアは今月10月に予定されていたAFCチャンピオンズリーグのグループGとHの集中開催地として立候補しながら、結局は新型コロナウィルス観戦者数が急増したことで開催を断念しています。今回のCMCOも2週間で状況が好転するかどうかも不明で、アジア最古のリーグ戦とされるマレーシアカップは、最悪の場合には太平洋戦争以来となるカップ中止の可能性も出てきました。
 またこのマレーシアカップ優勝クラブにはAFCカップ本戦出場資格が与えられることになっていましたが、中止となった場合にはMリーグ1部で3位のトレンガヌFCにその資格が与られる可能性が高いです。

JDT主将は来季も残留-英国2部リーグ移籍は噂でした
 マレーシアの通信社ブルナマはMリーグ1部で7連覇を達成したジョホール・ダルル・タジムJDTのハリス・ハルン主将が来季もJDTに残留すると報じています。
 昨日のこのブログでも取り上げましたが、ハリス選手は英国2部リーグ移籍の噂がメディアで報じられていました。
 自身のFacebookに契約書にサインしているような写真を投稿し、「サイン完了!いざコヴェントリーへ」というキャプションを添えたことから、メディア上ではハリス選手が英国2部リーグのコヴェントリーシティ移籍が報じられていました。
 しかし実際は海外の大学との連携カリキュラムを持つシンガポールの高等教育期間PSBアカデミーから奨学金を受けてコヴェントリー大学のビジネスおよびマーケティングの学位取得のためのコースを履修するのが事実のようです。ハリス選手はこのPBSアカデミーのブランド大使も務めるということです。
 まだ数年はプレーしたいと話すハリス選手は、同時に引退後の準備を始める必要があることから教育面での重要な決断を下すに至ったと話し、自分の決断が他の運動選手たちにも現役生活を送っている間に将来のことが考えるべきとブランド大使らしく話しています。

10月12日のニュース:クダ州FAが会長の辞職願受領を拒否、タイ1部リーグ-マットヨーは出場なし、JDT主将は英国2部のクラブへ移籍か

 Mリーグ1部のクダFAを運営するクダ州サッカー協会(クダ州FA)はムハマド・サヌシ・ムハマド・ノー会長から提出されていた辞職願の受領を拒否したことが、マレーシアの通信社ブルナマにより報じられています。
 クダ州FAのアブドル・ラーマン・アブドラ副会長は10月10日に開かれた執行部特別委員会で受領拒否が全会一致で決議されたことを明かし、クダ州首相でもあるムハマド・サヌシ会長は就任以来、様々な問題を解決するなどその運営手腕を発揮しているだけでなく、クダ州FAが運営するクダFAは現在、Mリーグ1部で2位となるなど、現時点で辞任する明確な理由がない、というのがクダ州FAによる受領拒否の理由であるということです。
 辞職の意思が固い場合にはせめて今年いっぱいまでの在職を求めるよう説得を続けると話すアブドル・ラーマン副会長ですが、クダ州FAとしては2022年の任期満了まで会長を勤めることを期待していると話しています。
******
 今年2月の政変による与野党逆転の結果、5月にクダ州首相に就任したムハマド・サヌシは従来の州首相と同様にクダ州FA会長に就任したのが7月でした。その後、3月から起こっていたとされるクダFAの選手や監督、コーチへの未払い給料を一部解消するなどそれなりの結果は残しています。それでも5月から8月までの給料は未払いとなっており、副会長が言う「手腕を発揮」と言えるレベルではない気もします。現在運営しているクダFAが来季から民営化され、今後の収入源が不安になるクダ州FAは、現職州首相の「金を引っ張ってくる力」に対する期待を込めて慰留を希望していると考えられますが、「政治」と「サッカー」を切り離す機会を自ら手放そうとしていることまでは頭が回らないのか、それとも背に腹は変えられなのか。いずれにしてもサッカーにとってはプラスにならないような気がします。

タイ1部リーグ-マットヨーは出場なし
 タイ1部リーグは選手に新型コロナ感染者が出たことから順延となっていた第5節の2試合を10月10日(土)に開催しています。
 マレーシア代表FWのノーシャルル・イドラ・タラハが在籍するBGパトゥム・ユナイテッドはブリーラム・ユナイテッドを1−0で破り、今シーズン負けなしの7勝1分と、2位との勝点差を7として首位を快走しています。
 なおこの試合はマットヨーことノーシャルル選手はベンチ入りはしたものの、出場しませんでした。
 またポリス・テロFCに加入したマレーシア代表のFWモハマドゥ・スマレは、クラブの公式Facebookで隔離検疫期間が終了したことを明かし、ジムでのトレーニングを行う映像を投稿しています。1部16チーム中8位のポリス・テロFCのゴール数は、上位8チームの中で最小となっており、スマレ選手への期待は高まっているのではないでしょうか。

JDT主将は英国2部のクラブ移籍か
 Mリーグ1部7連覇を達成したジョホール・ダルル・タジムJDTの主将でシンガポール出身のハリス・ハルンがJDTを退団し、英国のクラブへの移籍を匂わす投稿を自身のFacebookで行っています。
 シンガポール代表でも主将を務めるハリス選手は10月11日に”I have just signed. Coventry here I come.”「(契約書への)サイン完了。いざコヴェントリーへ」というキャプションとともに契約書にサインしている姿の写真を投稿しています。
 ハリス選手は具体的にクラブ名をあげていませんが、この写真をもとにシンガポールのザモニター電子版は、英国2部リーグのコヴェントリーシティへの移籍を予想しています。なおコヴェントリーシティは2部24チーム中、現在1勝1分2敗の18位です。
 なお、シンガポールのメディアによれば、ハリス選手はコヴェントリー大学にも入学したということですが、詳細は伝えられていません。
*****
 今季は膝のケガのために大半のシーズンを棒に振ったハリス選手ですが、2013年にJDTと契約し、期限付き移籍で他のクラブでのプレーを経て、2018年からその強烈なキャプテンシーでJDTの連覇を牽引してきました。
 29歳という年齢は国外でプレーする最後のチャンスかもしれませんが、その活躍には期待したいです。

10月10日のニュース:タイリーグは東南アジアのトップリーグを目指す、Mリーグ1部の10クラブが今季の「2部降格なし」をMFLに提案

タイリーグは東南アジアのトップリーグを目指す
 スポーツ専門サイトのスタジアムアストロは隣国のタイリーグを特集し、タイリーグ のベンジャミン・タン副CEOのインタビューを掲載しています。
 昨季から在籍するドミニク・タン(ポリス・テロFC)、今季移籍したノーシャルル・イドラ・タラハ(PGパトゥム・ユナイテッド)そして、間も無く隔離措置が終わりチームに合流予定のモハマドゥ・スマレ(ポリス・テロFC)の3人のマレーシア代表選手が今季はタイリーグでプレーしますが、タン副CEOはこのような代表クラスの選手がタイリーグでプレーすることでマレーシアのサッカーファンの注目を集めることは、タイリーグを東南アジアのトップリーグにしたいという自身の目標に近づいていると話しています。
 「スマレ選手のタイリーグ加入については、ファンと同じくらい自分も興奮しているが、それはタイリーグを東南アジアのトップ選手が集まるリーグにしたいという自分の戦略にぴったり合った移籍となったからである。」
 東南アジア各国のトップ選手が集まれば、タイリーグの商業価値や放映権収入の増加にもつながると話すタン副CEOは、より多くのマレーシア人選手にタイリーグでプレーしてもらいたいと同時に、タイリーグのクラブに対してマレーシア企業がスポンサーに名乗りを上げることも期待していると話しています。
 「現在、タイリーグは近隣諸国を対象としたビジネス面にも注力したいと考えており、タイリーグの試合を各国の現地の言語で中継することなども視野に入れている。今後、タイリーグ でプレーするマレーシア人選手の数が増えれば、グッズ販売はもちろん、マレーシア企業とのビジネス提携なども期待できる。」とタン副CEOは話しています。
******
 この記事のタン副CEOが目指しているタイリーグは、かつてマレーシアリーグで実現していたものです。マレーシアリーグは、古くは1980年代のタイ代表のレジェンドプレーヤーFWピヤポン・ピウオンや同じくシンガポールの英雄ファンディ・アーマド、1990年代はタイの「ジーコ」ことキャティサック・セーナームアン、2000年代にはインドネシアの至宝バンバン・パムンカスや現在はサバFA監督のクルニアワン・ドゥイ・ユリアントなどがプレーし、まさに東南アジア各国代表チームの主力選手が在籍するこの地域のトップリーグでしたとさ。

Mリーグ1部の10クラブが今季の「2部降格なし」をMFLに提案
 英字紙ニューストレイトタイムズ電子版によると、Mリーグ1部の10クラブが共同で今季の成績による1部から2部への降格を取りやめるよう、Mリーグを運営するマレーシアフットボールリーグに提案しているということです。
 今季2020年シーズンが2月28日に開幕したMリーグは、新型コロナウィルスの影響により1部、2部とも3月16日から8月28日まで中断となり、最終的に12クラブの1回戦総当たりの全11節で争われています。
 この提案はこの新型コロナウィルスの影響を考慮し、従来は2部降格となる11位と12位のクラブを1部に残留させる一方で、2部から昇格するペナンFAとクアラルンプールFAを加えた14クラブで来季2021年シーズンを行うことも併せて対案しているということです。
 1部12クラブ中、この提案に賛成している10クラブとはどのクラブかは明らかにされていませんが、現在ダントツで最下位のPDRM FCのズルキフリ・ヤハヤ名誉事務局長は自身がこの提案を発案したことを認め、8月のリーグ再開前に関係者の間で話し合われたと明かしています。また最終節を前に降格圏の11位にいるフェルダ・ユナイテッドFCのアフィザル・アブ・オスマン前事務局長も14チームになることでリーグが活性化すると話しています。
 なおMFLはこの提案には未だ返答していないということです。

Mリーグ1部スーパーリーグ2020年シーズン第11節結果

10月10日(土)と10月11日(日)の2日間に、1部スーパーリーグ今季最終節となる第11節の5試合が行われました。以下結果です。(ホームチームが左側です。)なお第11節の残るもう1試合であるサバFA 対 UITM FCは日程が変更になっていますが、詳細は発表になっていません。
*試合のダイジェスト映像は全てMFLの公式Youtubeより。

10月10日(土)
UITMスタジアム(スランゴール州シャーアラム)
スランゴールFC 6-1 フェルダ・ユナイテッドFC
得点者:スランゴール-ブレンダン・ガン(13分)、イフェダヨ・オルセグン3(45分、62分PK、88分)、サンドロ・ダ・シルヴァ2(70分、78分)、フェルダ-ダニアル・アミール(33分)
 前節第10節のPDRM FC戦を7ー0で大勝したスランゴールFCは、後半だけで5ゴールとフェルダ・ユナイテッドFCを一蹴。下位チーム相手の連勝しても、フェダヨ・オルセグンがこの試合でハットトリックを決めて得点王争いのトップに躍り出ても、結局は帳尻合わせなんだよぁ。
 この試合に敗れて今季11位が確定したフェルダ・ユナイテッドFCはMリーグ撤退報道が出ている中での試合でした。選手たちがどのような気持ちでこの試合に臨んだのかはわかりませんが、心中は穏やかではなかったことは想像に難くありません。しかしこの後もマレーシアカップが続くので、そこで最後の意地を見せてくれることを期待したいです。
 フェルダ・ユナイテッドFCの恵龍太郎選手はこの試合はベンチ入りしませんでした。

ハン・ジェバスタジアム(マラッカ州クルボン)
マラッカ・ユナイテッドFC 0-5 ジョホール・ダルル・タジムJDT
得点者:JDT-レアンドロ・ヴァレスケス(分PK)、シャフィク・アーマド(75分)、アイディル・ザフアン(79分)、フェルナンド・ロドリゲス(85分)、ゴンザロ・カブレラ(90+3分)
 今季2020年シーズンの優勝を決めているJDTは今季5度目の完封勝ち。リーグは無敗でシーズンを終えています。

MBPJスタジアム(スランゴール州プタリンジャヤ)
PJシティFC 4-1 PDRM FC
得点者:PJ-ワシントン・ブランダオ2(42分、71分)、サフィ・サリー(55分)、コギレスワン・ラジ(66分)、PDRM-セルダール・ゲルディエフ(81分)
 今季開幕前に給料未払い問題により勝点3を剥奪されたPDRM FCは、前代未聞の勝点がマイナスでシーズンを終えています。

10月11日(日)
スルタン・ミザン・ザイナル・アビディンスタジアム(トレンガヌ州ゴンバダ)
トレンガヌFC 2-1 パハンFA
得点者:トレンガヌ-ドミニク・ダ・シルヴァ(16分PK) 、リー・TAC(82分)、パハン-ニック・シャリフ・ハッセフィ(13分)
 トレンガヌFCが逆転勝ちで今季3位を確定しました。
 パハンFAはニック・シャリフ・ハッセフィの3試合連続ゴールで先制したものの、その後が続かず、昨季2位から大きく順位を下げ、今季の7位以下が確定しました。

ペラスタジアム(ペラ州イポー)
ペラTBG 2-3 クダFA
得点者:ペラ-レアンドロ・ドス・サントス2(42分、45+3分)、クダ-クパ・シャーマン(28分)、ファズルル・ダネル(31分)、レナン・アルヴェス(63分)
 クダFAは追いすがるペラTBGを振り切って勝利を収め、今期の2位を決定させるとともに来季のAFCカップ出場権を獲得しました。
 またペラTBGは得点王を争うシャーレル・フィクリが不発で、今季は4位で終了です。

マレーシアスーパーリーグ2020年シーズン最終順位表

順位クラブ試合得点失点得失差勝点
1JDT119203382526
2クダFA117132013722
3トレンガヌFC1161424141019
4ペラTBG115332119218
5スランゴールFC114522619717
6PJシティFC113531716114
7パハンFA114251818014
8UiTM FC104241415-114
9マラッカU113251316-3*11
10サバFA102351221-99
11フェルダU111461227-157
12PDRM FC11029529-24*-1
*8位のマラッカUと12位のPDRM FCはそれぞれ、給料未払い問題により勝点3が剥奪されています。

マレーシアスーパーリーグ2020年シーズン最終ゴールランキング)

ゴール数選手名所属試合数
12イフェダヨ・オルセグンスランゴールFC11
10シャーレル・フィクリペラTBG10
8ドミニク・ダ・シルヴァトレンガヌFC10
7チェチェ・キプレクダFA10
7サファウィ・ラシドJDT10
7ゴンザロ・カブレラ11

10月8日のニュース:サバ州での感染拡大により最終節のサバFAのホームゲームが延期、クダFA監督の去就は最終節後に決定か、民営化後のペラTBGの新名称案について州FA会長が変更を示唆、撤退決定のフェルダU監督に複数のMリーグクラブからオファーの噂

サバ州での感染拡大により最終節のサバFAのホームゲームが延期
 Mリーグを運営するマレーシアフットボールリーグMFLは10月10日にサバ州コタキナバルで予定されていたMリーグ1部第11節のサバFA対UITM FCの延期を発表しています。
 10月7日の時点でマレーシア国内の新たな新型コロナウィルス感染者489名中、サバ州の感染者が282名となっており、サバFAの本拠地リカススタジアムがあるコタキナバルに条件付き活動制限令が発令されたことから、日程だけでなく試合会場の変更も検討されています。
 また第11節は最終節のため全試合が10月10日の午後9時キックオフとなっていましたが、ペラTBG対クダFA、トレンガヌFC対パハンFAの2試合は10月11日の同じ時間に変更になっています。
 MFLはMリーグの試合日程変更により、10月12日に予定されていたマレーシアカップの組み合わせ抽選が10月19日へ、10月16日に予定されていた1回戦の試合が10月25日とそれぞれ変更となったことも告知しています。

クダFA監督の去就は最終節後に決定か
 Mリーグ1部で最終節を残し2位につけているクダFAは、最終船は勝点1差で3位につけるペラTBGと対戦しますが、この試合に引き分け以上の結果なら来季のAFCカップの出場権獲得となることから、この試合には注目が集まっていますが、同じように注目が集まっているのがクダFAのアイディル・シャリン・サハク監督の去就です。
 クダFAは今季2020年シーズン開幕前はJDTの連覇を止める最有力候補と目されながら、新型コロナウィルスによりリーグが中断されるまでの4試合で1勝1分2敗と予想外の不振に苦しみましたが、その後、クラブを運営するクダ州サッカー協会(クダ州FA)が3月から選手や監督、コーチに給料を支払っていなかったことが発覚しました。
 それでも、リーグ再開後は5勝1敗と下馬評通りの戦いで、リーグ2位に与えられるAFCカップ出場資格獲得まであと一歩と迫っています。
 その一方で、クダ州FAによる給料未払いが明らかになった頃から、アイディル監督はクダFAを去り、退任が噂されているメフメト・ドゥラコビッチ監督に代わってペラTBG監督に就任するのではという話がメディアなどでも取り上げられるようになりました。
 この件についてマレーシアの通信社ブルナマのインタビューに答えたアイディル監督は、当然ながら今週末に控える最終節第11節のペラTBG戦に集中するだけで、他のことは何も考えていないというものでした。またクダ州FAについても経営陣が努力していることは理解していること、また少しずつではあるものの組織の変革が行われていることを認めた上で、全てが良い方向へ向かうのであれば、クダFAを去る必要派内とも話しているということです。
 シンガポール出身で43歳のアイディル監督は、クダFAの選手やコーチ陣、チームスタッフらとの関係は良好であるとして、去就の結論は急いでいないと話しています。
******
 昨季2019年シーズンはFAカップで優勝し、ACLプレーオフの出場資格を得たものの、KリーグのFCソウルに敗れて本戦出場が果たせなかったクダFA。クダ州FAの会長は、アイディル監督が去りたいなら止めないと話していたこともアイディル監督退任の噂に拍車をかける結果になりましたが、クラブが民営化され、クダ州FA会長がボスではなくなったことで、アイディル監督残留の可能性が高まったように思います。

民営化後のペラTBGの新名称案について州FA会長が変更を示唆
 Mリーグ1部のペラTBGはクラブの民営化によって名称がボス・ガウラスFCとなることは先日のこのブログでも伝えましたが、クラブの本拠地がある「ペラ」の名前がなくなることについて多くのサポーターが不満の声を上げていることについて、ペラ州サッカー協会(ペラ州FA)のアーマド・ファイザル・アズム会長は「ボス・ガウラスFC」という名称は、単にFAMへの民営化申請に際して使用したものであると話し、正式な手続きを経てペラFCに変更したいという意向を明らかにしています。
 マレーシアの通信社ブルナマによると、ペラ州首相でもあるアーマド・ファイザル会長は、州名の「ペラFC」という名称を使用する際には州政府内での承認を得る必要があり、民営化申請を迅速に行うために一時的に「ボス・ガウラスFC」を使用したと説明しており、民営化承認を受けたことによって、今後は州政府内で「ペラFC」への名称変更について話し合う予定だとして、ペラ州のサッカーファンに対して心配しないようにと話しているということです。

撤退決定のフェルダU監督に複数のMリーグクラブからオファーの噂
 Mリーグ1部のフェルダ・ユナイテッドFCが今季を最後にMリーグから撤退することが発表されましたが、ニザム・ジャミル監督には既にMリーグの複数のクラブから監督のオファーが来ているようだと、サッカー専門サイトのヴォケットFCが報じています。
 2018年のシーズン終了後、給料未払い問題などにより前任のサティアナタン・バスカラン監督が辞任し、コーチから昇格したニザム監督は、やはり給料未払い問題で外国籍選手を含め主力選手の半数以上が退団したクラブを率い、予算が十分でないクラブながら監督1年目の昨季は10位の成績を残しています。2年目の今季は新型コロナウィルスによるリーグ中断までの4試合は1勝2分1敗としながら、8月28日のリーグ再開後は0勝2分4敗とし、最終節を残して10位まで勝点差2の11位という成績です。
 40歳のニザム監督は、トレンガヌFCのナフジ・ザイン監督(42歳)、ペナンFAのマンズール・アズウィラ監督(43歳)らと共に将来有望な「若手」マレーシア人監督と目されています。
 現役時代の大半をスランゴールFA(現スランゴールFC)でプレーしたことから、スランゴールFCサポーターからは、解雇されたサティアナタン監督の後任として期待をされていますが、スランゴール州サッカー協会は既に次の監督の人選を終えているという噂もあり、来季もMリーグクラブでニザム監督が指揮を取るとすれば、スランゴールFC以外のクラブになりそうです。

10月7日のニュース:タイ1部リーグ第8節-マットヨーが先発もタンは先発落ち、条件付きでクラブライセンスを交付されたクラブの詳細

タイ1部リーグ第8節-ノーシャルルが先発もタンは先発落ち
 隣国タイの1部リーグ第8節が10月2日(土)と3日(日)に行われましたが、マレーシア代表のドミニク・タンとノーシャルル・イドラ・タラハが明暗を分けています。
 ポリス・テロFC所属のドミニク・タンはここ2試合は先発してフル出場していましたが、今節のスコータイFC戦は3試合ぶりのベンチスタートとなり、81分から途中出場しています。なお試合は1−1の引き分けとなり、ポリス・テロFCは4勝2分2敗の7位となっています。
 一方、BGパトゥム・ユナイテッド所属のノーシャルル・イドラ・タラハはここ2試合はベンチ入りするも出場機会が与えられていませんでしたが、今節のラヨーンFC戦では、3試合ぶりの先発出場となり、61分に交代しています。こちらの試合はホームのBGパトゥム・ユナイテッドが2-1と勝利し、新型コロナによる中断を経たリーグ再開から3連勝、開幕からも7試合負けなしと好調を維持して首位を快走しています。
******
 「マットヨー」ことノーシャルル選手が久しぶりに先発したのは良いニュースですが、2試合連続でフル出場し、いよいよ監督の信頼を得たかと思えたものの、いずれの試合でも失点に関わるミスを犯し、チームも2連敗となったドミニク・タンの今後の使われかたが気になります。

BGパトゥム・ユナイテッド対ラヨーンFC野ハイライト映像-マットヨーはチラッと映っています。-BGパトゥム・ユナイテッドの公式Youtubeチャンネルより

条件付きでクラブライセンスを交付されたクラブの詳細
 昨日のこのブログではマレーシア サッカー協会FAMが発表した来季2021年の国内クラブライセンス交付状況について書きましたが、今回のその続きです。
 まず国内クラブライセンスの交付条件として、FAMは1)スポーツ、2)設備、3)運営、4)法務、5)財務、6)事業の6つの評価基準での審査を行いますが、今回、FAMが条件付きで国内クラブライセンスを交付した全てのクラブは5)財務に関してさらなる説明が求められています。
 Mリーグ1部ではパハンFAとマラッカ・ユナイテッドFCが、2部ではクチンFA、ケランタンFA、UKM FC、ペナンFA、サラワク・ユナイテッドFCの5クラブが条件付きで国内クラブライセンスの交付を受け、この7クラブは今月10月31日までにさらなる説明資料の提出を求められており、その期限を過ぎた場合にはFAMのクラブライセンス交付を担当する第一審機関FIBにより罰金、勝点剥奪、下部リーグへの降格、そして国内クラブライセンスの失効などの処分が下される可能性があります。
 しかしこの7クラブの他に1部のクダFAとPDRM FCについても財務面での問題があるようですが、この両クラブは国内クラブライセンスを交付されており、その違いなどについてFAMは以下のように説明しています。

クダFA
 クダFAは5月から8月までの4ヶ月分の給料が未払いとなっているが、選手とクダFAを運営するクダ州サッカー協会との間で交わされた分割払いの同意書を提出しており、FAMはこの内容に基づいて、国内クラブライセンスの交付を決定した。なお、この同意書に示された分割払いの期日などが守られない場合には、クラブライセンスの無効化や勝点剥奪などの措置を取る。

マラッカ・ユナイテッドFC
 マラッカ・ユナイテッドFCを運営するマラッカ州サッカー協会による所得税納税を分割で行う申請に対する内国歳入庁(日本の国税庁に該当)の返信によると、申請は受け取ったことは述べられているが、その納税方法を承認したかどうかが明確になっていないため、条件付きでの国内クラブライセンス交付とする。

<パハンFA>
 パハンFAを運営するパハン州サッカー協会から内国歳入庁への所得税未納、および従業員積立基金(積み立て年金)と社会保障制度(労災補償制度)への積立金未納に関しては担当省庁に連絡をしているとのことだが、その連絡内容がFAMには知らされていないため、条件付きでの国内クラブライセンス交付とする。
<ケランタンFA>
 2020年の初めには2017年以降に発生した合計18件、総額400万リンギ(およそ1億180万円)を超える未払い給料があったが、現時点では完済できていないのは3件となり、その3件も支払い過程にあり、ケランタンFAを運営するケランタン州サッカー協会と選手間の同意書が提出されていることから、条件付きでの国内クラブライセンス交付とする。
<クチンFA>
 会計監査報告の内容に不備があることから、条件付きでの国内クラブライセンス交付とする。
<UKM FC>
 入国歳入庁と従業員積立基金への支払いに関する情報が不十分なため、条件付きでの国内クラブライセンス交付とする。
<ペナンFA>
 会計監査報告の内容に不備があることから、条件付きでの国内クラブライセンス交付とする。
<サラワク・ユナイテッドFC>
 会計監査報告とその中間報告が不完全であり、FAMの第一審期間が求める形式担っていないため、条件付きでの国内クラブライセンス交付とする。

 FAMによると審査の厳格化は、各クラブの今季分の未払い給料を来季まで持ち越させないことが理由としていますが、同じ話は何度も繰り返されながら、後になって未払い給料が発覚するなど、その審査自体に問題があるような気もしますが、クラブ民営化元年となる来季には各クラブは文字通りプロらしい経営で、未払い給料問題を起こさないように、またFAMはそれを見逃さないことを期待したいです。