10月8日のニュース:サバ州での感染拡大により最終節のサバFAのホームゲームが延期、クダFA監督の去就は最終節後に決定か、民営化後のペラTBGの新名称案について州FA会長が変更を示唆、撤退決定のフェルダU監督に複数のMリーグクラブからオファーの噂

サバ州での感染拡大により最終節のサバFAのホームゲームが延期
 Mリーグを運営するマレーシアフットボールリーグMFLは10月10日にサバ州コタキナバルで予定されていたMリーグ1部第11節のサバFA対UITM FCの延期を発表しています。
 10月7日の時点でマレーシア国内の新たな新型コロナウィルス感染者489名中、サバ州の感染者が282名となっており、サバFAの本拠地リカススタジアムがあるコタキナバルに条件付き活動制限令が発令されたことから、日程だけでなく試合会場の変更も検討されています。
 また第11節は最終節のため全試合が10月10日の午後9時キックオフとなっていましたが、ペラTBG対クダFA、トレンガヌFC対パハンFAの2試合は10月11日の同じ時間に変更になっています。
 MFLはMリーグの試合日程変更により、10月12日に予定されていたマレーシアカップの組み合わせ抽選が10月19日へ、10月16日に予定されていた1回戦の試合が10月25日とそれぞれ変更となったことも告知しています。

クダFA監督の去就は最終節後に決定か
 Mリーグ1部で最終節を残し2位につけているクダFAは、最終船は勝点1差で3位につけるペラTBGと対戦しますが、この試合に引き分け以上の結果なら来季のAFCカップの出場権獲得となることから、この試合には注目が集まっていますが、同じように注目が集まっているのがクダFAのアイディル・シャリン・サハク監督の去就です。
 クダFAは今季2020年シーズン開幕前はJDTの連覇を止める最有力候補と目されながら、新型コロナウィルスによりリーグが中断されるまでの4試合で1勝1分2敗と予想外の不振に苦しみましたが、その後、クラブを運営するクダ州サッカー協会(クダ州FA)が3月から選手や監督、コーチに給料を支払っていなかったことが発覚しました。
 それでも、リーグ再開後は5勝1敗と下馬評通りの戦いで、リーグ2位に与えられるAFCカップ出場資格獲得まであと一歩と迫っています。
 その一方で、クダ州FAによる給料未払いが明らかになった頃から、アイディル監督はクダFAを去り、退任が噂されているメフメト・ドゥラコビッチ監督に代わってペラTBG監督に就任するのではという話がメディアなどでも取り上げられるようになりました。
 この件についてマレーシアの通信社ブルナマのインタビューに答えたアイディル監督は、当然ながら今週末に控える最終節第11節のペラTBG戦に集中するだけで、他のことは何も考えていないというものでした。またクダ州FAについても経営陣が努力していることは理解していること、また少しずつではあるものの組織の変革が行われていることを認めた上で、全てが良い方向へ向かうのであれば、クダFAを去る必要派内とも話しているということです。
 シンガポール出身で43歳のアイディル監督は、クダFAの選手やコーチ陣、チームスタッフらとの関係は良好であるとして、去就の結論は急いでいないと話しています。
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 昨季2019年シーズンはFAカップで優勝し、ACLプレーオフの出場資格を得たものの、KリーグのFCソウルに敗れて本戦出場が果たせなかったクダFA。クダ州FAの会長は、アイディル監督が去りたいなら止めないと話していたこともアイディル監督退任の噂に拍車をかける結果になりましたが、クラブが民営化され、クダ州FA会長がボスではなくなったことで、アイディル監督残留の可能性が高まったように思います。

民営化後のペラTBGの新名称案について州FA会長が変更を示唆
 Mリーグ1部のペラTBGはクラブの民営化によって名称がボス・ガウラスFCとなることは先日のこのブログでも伝えましたが、クラブの本拠地がある「ペラ」の名前がなくなることについて多くのサポーターが不満の声を上げていることについて、ペラ州サッカー協会(ペラ州FA)のアーマド・ファイザル・アズム会長は「ボス・ガウラスFC」という名称は、単にFAMへの民営化申請に際して使用したものであると話し、正式な手続きを経てペラFCに変更したいという意向を明らかにしています。
 マレーシアの通信社ブルナマによると、ペラ州首相でもあるアーマド・ファイザル会長は、州名の「ペラFC」という名称を使用する際には州政府内での承認を得る必要があり、民営化申請を迅速に行うために一時的に「ボス・ガウラスFC」を使用したと説明しており、民営化承認を受けたことによって、今後は州政府内で「ペラFC」への名称変更について話し合う予定だとして、ペラ州のサッカーファンに対して心配しないようにと話しているということです。

撤退決定のフェルダU監督に複数のMリーグクラブからオファーの噂
 Mリーグ1部のフェルダ・ユナイテッドFCが今季を最後にMリーグから撤退することが発表されましたが、ニザム・ジャミル監督には既にMリーグの複数のクラブから監督のオファーが来ているようだと、サッカー専門サイトのヴォケットFCが報じています。
 2018年のシーズン終了後、給料未払い問題などにより前任のサティアナタン・バスカラン監督が辞任し、コーチから昇格したニザム監督は、やはり給料未払い問題で外国籍選手を含め主力選手の半数以上が退団したクラブを率い、予算が十分でないクラブながら監督1年目の昨季は10位の成績を残しています。2年目の今季は新型コロナウィルスによるリーグ中断までの4試合は1勝2分1敗としながら、8月28日のリーグ再開後は0勝2分4敗とし、最終節を残して10位まで勝点差2の11位という成績です。
 40歳のニザム監督は、トレンガヌFCのナフジ・ザイン監督(42歳)、ペナンFAのマンズール・アズウィラ監督(43歳)らと共に将来有望な「若手」マレーシア人監督と目されています。
 現役時代の大半をスランゴールFA(現スランゴールFC)でプレーしたことから、スランゴールFCサポーターからは、解雇されたサティアナタン監督の後任として期待をされていますが、スランゴール州サッカー協会は既に次の監督の人選を終えているという噂もあり、来季もMリーグクラブでニザム監督が指揮を取るとすれば、スランゴールFC以外のクラブになりそうです。

10月7日のニュース:タイ1部リーグ第8節-マットヨーが先発もタンは先発落ち、条件付きでクラブライセンスを交付されたクラブの詳細

タイ1部リーグ第8節-ノーシャルルが先発もタンは先発落ち
 隣国タイの1部リーグ第8節が10月2日(土)と3日(日)に行われましたが、マレーシア代表のドミニク・タンとノーシャルル・イドラ・タラハが明暗を分けています。
 ポリス・テロFC所属のドミニク・タンはここ2試合は先発してフル出場していましたが、今節のスコータイFC戦は3試合ぶりのベンチスタートとなり、81分から途中出場しています。なお試合は1−1の引き分けとなり、ポリス・テロFCは4勝2分2敗の7位となっています。
 一方、BGパトゥム・ユナイテッド所属のノーシャルル・イドラ・タラハはここ2試合はベンチ入りするも出場機会が与えられていませんでしたが、今節のラヨーンFC戦では、3試合ぶりの先発出場となり、61分に交代しています。こちらの試合はホームのBGパトゥム・ユナイテッドが2-1と勝利し、新型コロナによる中断を経たリーグ再開から3連勝、開幕からも7試合負けなしと好調を維持して首位を快走しています。
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 「マットヨー」ことノーシャルル選手が久しぶりに先発したのは良いニュースですが、2試合連続でフル出場し、いよいよ監督の信頼を得たかと思えたものの、いずれの試合でも失点に関わるミスを犯し、チームも2連敗となったドミニク・タンの今後の使われかたが気になります。

BGパトゥム・ユナイテッド対ラヨーンFC野ハイライト映像-マットヨーはチラッと映っています。-BGパトゥム・ユナイテッドの公式Youtubeチャンネルより

条件付きでクラブライセンスを交付されたクラブの詳細
 昨日のこのブログではマレーシア サッカー協会FAMが発表した来季2021年の国内クラブライセンス交付状況について書きましたが、今回のその続きです。
 まず国内クラブライセンスの交付条件として、FAMは1)スポーツ、2)設備、3)運営、4)法務、5)財務、6)事業の6つの評価基準での審査を行いますが、今回、FAMが条件付きで国内クラブライセンスを交付した全てのクラブは5)財務に関してさらなる説明が求められています。
 Mリーグ1部ではパハンFAとマラッカ・ユナイテッドFCが、2部ではクチンFA、ケランタンFA、UKM FC、ペナンFA、サラワク・ユナイテッドFCの5クラブが条件付きで国内クラブライセンスの交付を受け、この7クラブは今月10月31日までにさらなる説明資料の提出を求められており、その期限を過ぎた場合にはFAMのクラブライセンス交付を担当する第一審機関FIBにより罰金、勝点剥奪、下部リーグへの降格、そして国内クラブライセンスの失効などの処分が下される可能性があります。
 しかしこの7クラブの他に1部のクダFAとPDRM FCについても財務面での問題があるようですが、この両クラブは国内クラブライセンスを交付されており、その違いなどについてFAMは以下のように説明しています。

クダFA
 クダFAは5月から8月までの4ヶ月分の給料が未払いとなっているが、選手とクダFAを運営するクダ州サッカー協会との間で交わされた分割払いの同意書を提出しており、FAMはこの内容に基づいて、国内クラブライセンスの交付を決定した。なお、この同意書に示された分割払いの期日などが守られない場合には、クラブライセンスの無効化や勝点剥奪などの措置を取る。

マラッカ・ユナイテッドFC
 マラッカ・ユナイテッドFCを運営するマラッカ州サッカー協会による所得税納税を分割で行う申請に対する内国歳入庁(日本の国税庁に該当)の返信によると、申請は受け取ったことは述べられているが、その納税方法を承認したかどうかが明確になっていないため、条件付きでの国内クラブライセンス交付とする。

<パハンFA>
 パハンFAを運営するパハン州サッカー協会から内国歳入庁への所得税未納、および従業員積立基金(積み立て年金)と社会保障制度(労災補償制度)への積立金未納に関しては担当省庁に連絡をしているとのことだが、その連絡内容がFAMには知らされていないため、条件付きでの国内クラブライセンス交付とする。
<ケランタンFA>
 2020年の初めには2017年以降に発生した合計18件、総額400万リンギ(およそ1億180万円)を超える未払い給料があったが、現時点では完済できていないのは3件となり、その3件も支払い過程にあり、ケランタンFAを運営するケランタン州サッカー協会と選手間の同意書が提出されていることから、条件付きでの国内クラブライセンス交付とする。
<クチンFA>
 会計監査報告の内容に不備があることから、条件付きでの国内クラブライセンス交付とする。
<UKM FC>
 入国歳入庁と従業員積立基金への支払いに関する情報が不十分なため、条件付きでの国内クラブライセンス交付とする。
<ペナンFA>
 会計監査報告の内容に不備があることから、条件付きでの国内クラブライセンス交付とする。
<サラワク・ユナイテッドFC>
 会計監査報告とその中間報告が不完全であり、FAMの第一審期間が求める形式担っていないため、条件付きでの国内クラブライセンス交付とする。

 FAMによると審査の厳格化は、各クラブの今季分の未払い給料を来季まで持ち越させないことが理由としていますが、同じ話は何度も繰り返されながら、後になって未払い給料が発覚するなど、その審査自体に問題があるような気もしますが、クラブ民営化元年となる来季には各クラブは文字通りプロらしい経営で、未払い給料問題を起こさないように、またFAMはそれを見逃さないことを期待したいです。