2月17日のニュース:W杯予選日程は2月19日に発表、ペラFCの新ロゴ候補発表-ファン投票も開始、クアラルンプール・ユナイテッドがティングとモラレスの加入を正式発表、PDRMは練習再開に向けてPCR検査実施

W杯予選日程は2月19日に発表
 アジアサッカー連盟AFCは、現在中断中のFIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選兼AFC選手権アジアカップ2023年大会予選の日程について、当初の予定通り来月3月開催とするかさらに延期して6月開催とするかの判断を予選各組内で協議し、最終日程を2月15日までに決定することを求めていました。
 その期限が過ぎたことからAFCのウインザー・ポール事務局長がマレーシア語紙シナルハリアン電子版の取材に応じ、マレーシアが所属するG組の状況を説明しています。
 予選日程について複数の回答を受け取っていると認めたウインザー事務局長は「『ある国は1試合は自国開催したいが、他の試合は他国で開催したい』といった希望を伝えてきているが、こういった方法は受け入れられない。そこでAFCは理事会を開催して、日程を話し合い、予選各組について来月3月開催か、または6月開催とするかを決定する。(マレーシアが入っている)予選G組はベトナムからは3月開催希望とも6月開催希望とも連絡を受けておらず、AFCが日程を決めることになる。」と話しています。
 なお予選G組はマレーシアとベトナムの他、タイ、アラブ首長国連邦UAE、インドネシアで構成されていますが、この3カ国は6月にアラブ首長国での集中開催に同意しています。

ペラFCの新ロゴ候補発表-ファン投票も開始
 「不透明な」選考を経て発表となったペラFCの新ロゴがファンから不評を買ったものの、運営側がそれを押し切ろうしたところにペラ州スルタンがファンの声を聞くべきとの「助言」を行ったニュースはこのブロでも取り上げましたが、ペラFCの公式Facebookでは、新たにロゴの候補10作品が発表になっています。
 1000以上の応募作品の中がから厳選されたこの10候補について、ファンは自分の好きな2作品を選んで投票が可能となっていますが、投票の締め切りは発表から24時間後の本日2月17日正午というドタバタぶりです。なお、応募者の中から抽選で10名に公式ユニフォームなどが賞品として贈呈されるということです。
 なお投票はこちらから可能ですが、この記事執筆時点では、下の候補の内、6番(下段左端)が28.8%の投票を集めており1位、10番(下段右端)が15.3%、5番(上段右端)が9.3%でそれぞれ2位と3位になっています。(写真はペラFCの公式Facebookより_

クアラルンプール・ユナイテッドがティングとモラレスの加入を正式発表
 今季Mリーグ1部に昇格するクアラルンプール・ユナイテッド(KLユナイテッド)は公式Facebookでアルゼンチン出身の攻撃的MFロメル・モラレスと英国出身の守備的MFダニエル・ティングの加入を発表しています。両選手は既に練習に参加していましたが、加入が正式に発表されました。
 23歳のモラレス選手は昨季は同じ1部のマラッカ・ユナイテッドでプレーし、その前にはPKNSでもプレーし、今季がマレーシアでの4年目とな李、また年齢も若いことから、今後の帰化選手としての有力候補と言われています。
 またJDT IIやPKNSでのプレー経験もある28歳のティング選手は英国出身ですが、父親がマレーシア人であることから、マレーシア人選手として登録されます。
(写真はKLユナイテッドの公式Facebookより)

PDRMは練習再開に向けてPCR検査実施
 Mリーグ2部のPDRMはチームの選手、監督、コーチ及びスタッフ全員に対してPCR検査を実施し、また練習再開に向けて施設などの衝動を行ったことを公式Facebookに投稿しています。なお昨季はトレンガヌFC IIでプレーし、今季からPDRMでプレーする鈴木ブルーノ選手も検査を受けた模様です。
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 鈴木選手のPDRM加入はクラブの公式Facebookにティーザーが投稿されて以降は正式発表がありませんでした。一方で鈴木選手は自身のTwitterでPDRMのユニ姿なども投稿されていましたので、加入されたことはわかっていましたが、今回のPDRMの投稿では鈴木選手の写った写真もあり、やはり無事、加入されたことがわかりました。
(写真はPDRMの公式Facebookより)

1人以上、座っている人、立っている人、室内、、「IUS BALL PDRM FOOTBALL CLUB fc OFFICIALPDRMFC」というテキストの画像のようです

1月8日のニュース:鈴木ブルーノはPDRM FC加入か、昨季TFC得点王はクアラルンプールUとの契約間近か、タイのクラブ退団のスマレはクダFC入り後に期限付き移籍でJDT入りか

今日はソーシャルメディア上の噂を3本集めました。

鈴木ブルーノはPDRM FC加入か
 2017年からMリーグでプレーし、昨季は2部トレンガヌFC IIで主将も務めながら、シーズン終了後に退団となった鈴木ブルーノ選手ですが、その勇姿が今季もMリーグで見られそうです。
 英字紙スターのスポーツ記者でMリーグの移籍情報に詳しいアヴィネシュワラン・タハルマレンガム記者のツイートによれば、鈴木選手は昨季は1部で12位となり今季は2部に降格するPDRM FCとの契約が間近とのことです。
 過去3年間は1部トレンガヌFCのセカンドチームであるトレンガヌFC IIでプレーしながら、シーズン中にはトップチームでプレーすることもあった鈴木選手は、今季も1週間にトップチームとセカンドチームの両方の公式戦に出場するなどタフネスぶりを発揮しただけでなく、トレンガヌFC IIの昨季2位躍進の立役者でもありました。
 昨季は給料未払いを理由に開幕前に勝点3を剥奪されて、短縮されたシーズンとは言え最終的には勝点がマイナス1という屈辱的な成績で降格するPDRM FCは、新たにマット・ザン・マット・アリス新監督の就任を発表していますが、選手の顔ぶれも大きく代わる中、Mリーグ5年目となるブルーノ選手の加入でサンタンの1部復帰が果たせるかどうかに注目が集まります。

昨季TFC得点王はクアラルンプールUとの契約間近か
 昨季2020年シーズンはチーム最多の9ゴール(11試合)を決めながら、トレンガヌFCが契約を延長しなかったドミニク・ダ・シルヴァが今季からMリーグ1部に昇格するクアラルンプール・ユナイテッドFC(旧クアラルンプールFA)との契約間近と、スポーツ専門サイトのスタジアムアストロが報じています。
 トレンガヌFCは2019年シーズンの7位から昨季3位と躍進し、アジアサッカー連盟AFCカップの出場権を獲得しましたが、それに貢献したダ・シルヴァ選手は1年契約終了後に延長オファーを出されることなく退団しています。
 昨季の実績に加え、新型コロナウィルスによる厳格な入国及び出国制限が課せられているマレーシアは国外から外国籍選手獲得が難しいことから、これまでも複数のMリーグクラブが獲得交渉を進めているという噂がありました。
 来季はチリ出身で前東ティモール代表監督を務めたシモン・エリゼッチ氏が就任することが発表になっているクアラルンプール・ユナイテッドFCはクダ・ダルル・アマンFCからハディン・アズマン、PJシティFCからサフィー・サリといった代表経験者を獲得しており、ダ・シルヴァ選手が獲得できれば攻撃陣はほぼ補強完了と言えます。

タイのクラブ退団のスマレはクダFC入り後に期限付き移籍でJDT入りか
 先月12月いっぱいでタイ1部ポリス・テロFCとの契約が切れた代表選手のモハマドゥ・スマレが既にマレーシアに戻っていることはこのブログでも取り上げましたが、そのスマレ選手がMリーグ1部クダ・ダルル・アマンFC(旧クダFA)と既に契約済みという噂があります。
 新型コロナウィルス感染拡大に伴う昨季のMリーグ中断期間中に給料未払いを理由に所属していたパハンFA(現スリ・パハンFC)を離脱しタイに渡ったスマレ選手ですが、タイで所属した1部ポリス・テロFCでは合計で111分間という出場時間が示すように、出場機会には恵まれませんでした。
 そしてそのスマレ選手は既にクダ・ダルル・アマンFC(KDA FC)と契約済みという噂がソーシャルメディア上にありますが、KDA FCは昨季は同じ1部のUITM FCでプレーしたレバノン代表のMFラビ・アタヤを獲得しており、アタヤ選手がこのスマレ選手と同じ右ウィングであることから、スマレ選手が期限付きでJDTへ移籍可能性も取り沙汰されています。
 またこのスマレ選手のJDT移籍と交代する形でリリドン・クラスニキのKDA FCへの期限付き移籍の可能性も噂されています。FIFAの規定によりマレーシアで5シーズンプレーし昨年2月にマレーシアに帰化したコソボ出身のクラスニキ選手ですが、JDTではトップチームのレギュラーどころかベンチ入りすらできず、昨季はセカンドチームのJDT IIでプレーしました。今年再開するFIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選の切り札とされるクラスニキ選手ですが、リーグ出場機会を求めてKDA FCへスマレ選手と入れ替わりの形でKDA FC入りとなるのではという噂です。そもそもクラブチームであるJDTでレギュラーになれない選手がそもそも代表入りできるのか、という疑問も残りますが、噂とはいえ理に叶っていますので、あながち噂だけで済まないかも知れません。

11月11日のニュース:MFLはマレーシアカップ延期の再検討を政府に求める、PDRM FCはモハマド・イシャク監督との契約を更新せず

MFLはマレーシアカップ延期の再検討を政府に求める
 新型コロナウィルス対策を担当するイスマイル・サブリ・ヤアコブ上級相(兼国防相)がマレー半島の大半に条件付き活動制限令CMCOが施行されている現状を踏まえ、マレーシアカップを延期すると述べた一方で、マレーシアカップを主催するマレーシアフットボールリーグMFLは公式声明を発表していないことは、昨日のこのブログで取り上げました。
 サブリ上級相の発言を受けてMFLは昨日11月10日に臨時役員会を開催し、マレーシアカップ延期の再検討をマレーシア政府の国家安全保障委員会NSCに対して求めることを決定したと、マレーシアの通信社ブルナマが報じています。
 MFLのアブドル・ガニ・ハサンCEOは、NSCによる決定は国内の新型コロナウィルス感染状況を反映したものであることを理解しているとした上で、準決勝以降は、CMCOが施行されていないケランタン州コタバルやパハン州クアンタンを会場とした集中開催で試合を行うなど、より厳格な標準作業手順SOPを採用することで、マレーシアカップを継続したいと話しています。
 「MFLによる再検討の依頼はベスト8に残った全チームからも支持を受けており、この全チームがMFLと国家安全保障委員会が求めるSOPに従ってプレーするつもりである。準々決勝や準決勝で敗退したクラブは試合終了後、直ちに試合が開催されている州を離れる予定である。」と話すアブドル・ガニCEOは、さらに「マレーシアカップの延期によってMFLと各クラブはそのスポンサーに対しての義務を果たすことが難しくなるだけでなく、マレーシアカップ出場クラブと選手との契約は今月11月末に切れることから、延期は国内のサッカー産業全体にとって多大な影響を与えるものである。」と述べています。
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 この状況で問われるのがMFLのこれまでの姿勢です。現在同様、無観客試合で行われるべきであったMリーグの試合でも、JDTが優勝を決めた試合では選手の家族など一部関係者をスタジアムに入れるなどの「寛容な」対応をし、少人数なので問題ないと嘯いた前歴があります。Mリーグはここまで2ヶ月ほどのリーグ戦開催期間中、試合開催によりクラスターなども発生していないのは事実ですが、国家安全保障委員会がMFLをどの程度信用しているのかが問われそうです。
 また実際にマレーシアカップが延期となった場合、CMCOは12月9日まで施行される予定で、そこから再開が実際にできるのかどうかも疑問です。このマレーシアカップは優勝チームに来季2021年のAFCカップ出場権が与えられることにもなっており、もしこのまま中止となれば、今季Mリーグ3位のトレンガヌFCがその権利を与えられる可能性が最も高いチームです。

PDRM FCはモハマド・イシャク監督との契約を更新せず
 マレーシア王立警察が運営するMリーグ1部のPDRM FCは、今季開幕前に選手への給料未払いを理由に勝点3が剥奪されました。今季開幕後は勝星に恵まれず、最終的には勝点がマイナスのまま1部で最下位となり、来季の2部降格が決まってます。
 このPDRM FCで今季の監督を務めたモハマド・イシャク・クンジュ監督に対し、PDRM FCは今月11月末に切れる契約の更新を行わないと、マレーシア語紙ブリタハリアン電子版が報じています。
 先週行われたPDRM FCの経営に関する会合で決定されたということで、既にモハマド・イシャク監督にも伝えらえているということです。
 48歳のモハマド・イシャク監督は来季も続投を希望していることをメディアで公言していましたが、残念ながら実現しませんでした。

10月30日のニュース:Mリーグの複数クラブでライセンス申請に遅れ-来季は3部降格も、マレーシアカップにサバFAは出場できず、今季終了後の1部2部間の昇格と降格は通常通り実施

Mリーグの複数クラブでライセンス申請に遅れ-来季は3部降格も
 マレーシア サッカー協会FAMは、来季2021年シーズンのMリーグに参加するためのクラブライセンス申請書類の提出期限を今月10月31日と定めていますが、それが完了していないクラブが3つあるようです。
 Mリーグ1部のパハンFAと2部の今季優勝チームであるペナンFA、そして同じく2部のUKM FCがその3クラブで、この内UKM FCは申請書類を全く提出していないと、スポーツ専門サイトのスタジアムアストロが報じています。
 なお、この3クラブの他、提出された書類に不備があるとされていたクチンFA、マラッカ・ユナイテッドFC、ケランタンFCは数日前に申請書類を全て提出済みであるということです。
 「外部から取り寄せる書類については、活動制限令MCOなども考慮し、提出期限を来年までとしてあるが、クラブ運営者自身が用意できる書類については、期限延長は認めない。規模の大きなクラブは必要書類も多いため、迅速に対応して期限を守ってもらいたい。」と話すFAMのスチュアート・ラマリンガム事務局長は、来季のクラブライセンスを発給されないクラブはMリーグ1部あるいは2部でプレーすることは認められないとしており、申請書類の提出が完了していないクラブは3部降格となる可能性があります。

マレーシアカップにサバFAは出場できず
 マレーシアカップを主催するマレーシアフットボールリーグMFLは公式Facebook上で、サバFAが来月11月6日に開幕するマレーシアカップには出場しないことを発表しています。
 サバFAの本拠地があるサバ州は、マレーシア国内全体の新型コロナウィルス新規感染者数の半分以上を記録するなど感染拡大が続いており、州境を超えた移動などを禁じる活動制限令が11月9日までの期限で全州に施行されています。またボルネオ島からマレー半島へ渡航する場合には14日間の隔離期間を取ることが義務付けられています。
 MFLは現在、サバ州内にいるサバFAがマレー半島へ移動してマレーシアカップへ出場できるよう、国家安全保障委員会NSCなどに特例措置を求めてきたということですが、それが認められなかったことから、10月28日に開かれたMFLの取締役会でサバFAのマレーシアカップ不出場が決定されたことが発表されています。
 このため11月1日に予定されているマレーシアカップの組み合わせ抽選でサバFAとの対戦が組まれたチームは、1回戦は不戦勝となります。
 またMリーグ最終節第11節のサバFAのホームゲームとして予定されていたサバFA対UITM FC戦も、やはり新型コロナウィルスの影響で順延となっており、こちらは10月31日にマラッカ州ハンジェバスタジアムでの開催が発表されていましたが、この試合も中止となり、記録上は3-0 でUTIM FCの勝利となるということです。なお、この結果、Mリーグ1部の最終順位は以下のように決定しました。

マレーシア1部スーパーリーグ2020年シーズン最終順位表

順位クラブ試合得点失点得失差勝点
1JDT119203382526
2クダFA117132013722
3トレンガヌFC1161424141019
4ペラTBG115332119218
5スランゴールFC114522619717
6UITM FC115241715217
7PJシティFC113531716114
8パハンFA114251818014
9マラッカU113251316-3*11
10サバFA112361224-129
11フェルダU111461227-157
12PDRM FC11029529-24*-1
1位のJDTはAFCチャンピオンズリーグ本戦に出場、2位のクダFAはAFCカップ本戦に出場します。
11位のフェルダ・ユナイテッドFCと12位のPDRM FCは、来季の2部降格が決まっています。
*9位のマラッカUと12位のPDRM FCはそれぞれ、給料未払い問題により勝点3が剥奪されています。

今季終了後の1部2部間の昇格と降格は通常通り実施
 またMFLは同じ公式Facebook上で、首都圏に出されている活動制限令を遵守しつつ、マレーシアカップは予定通り開催すること、そして今季終了後の1部リーグからの降格と2部リーグからの昇格については、例年同様に行うことも発表しています。
 MFLのアブドル・ガニ・ハサンCEOは、マレーシアカップは11月1日組み合わせ抽選、11月8日開幕の日程に変更はないとし、活動制限令が出ている首都圏に本拠地を持つスランゴールFC、UITM FC、PJシティFC、クアラルンプールFAの各クラブについては、首都圏の外での試合会場の確保をMFLが行うとしています。
 またMリーグ1部のPDRM FCなど複数のクラブから出されていた、新型コロナウィルスによる変則日程を理由とした今季の降格見送りの提案と来季の1部リーグ14クラブ化を受け入れず、当初の予定通り、1部の11位と12位のクラブは2部へ降格、2部の1位と2位のクラブ(但し1部クラブのセカンドチームは除く)の昇格を行うとしています。この結果、1部からはMリーグ撤退を表明した11位のフェルダ・ユナイテッドFCと12位のPRDRM FCが降格、2部からは1位のペナンFAと3位のクアラルンプールFAが来季は1部に昇格します。
 また2部と3部の間の昇格と降格については、今季、3部のM3リーグがやはり新型コロナウィルスの影響で6月8日に中止となったことから、昇格、降格のいずれも見送りとなったことも発表しています。


 
 
 

10月10日のニュース:タイリーグは東南アジアのトップリーグを目指す、Mリーグ1部の10クラブが今季の「2部降格なし」をMFLに提案

タイリーグは東南アジアのトップリーグを目指す
 スポーツ専門サイトのスタジアムアストロは隣国のタイリーグを特集し、タイリーグ のベンジャミン・タン副CEOのインタビューを掲載しています。
 昨季から在籍するドミニク・タン(ポリス・テロFC)、今季移籍したノーシャルル・イドラ・タラハ(PGパトゥム・ユナイテッド)そして、間も無く隔離措置が終わりチームに合流予定のモハマドゥ・スマレ(ポリス・テロFC)の3人のマレーシア代表選手が今季はタイリーグでプレーしますが、タン副CEOはこのような代表クラスの選手がタイリーグでプレーすることでマレーシアのサッカーファンの注目を集めることは、タイリーグを東南アジアのトップリーグにしたいという自身の目標に近づいていると話しています。
 「スマレ選手のタイリーグ加入については、ファンと同じくらい自分も興奮しているが、それはタイリーグを東南アジアのトップ選手が集まるリーグにしたいという自分の戦略にぴったり合った移籍となったからである。」
 東南アジア各国のトップ選手が集まれば、タイリーグの商業価値や放映権収入の増加にもつながると話すタン副CEOは、より多くのマレーシア人選手にタイリーグでプレーしてもらいたいと同時に、タイリーグのクラブに対してマレーシア企業がスポンサーに名乗りを上げることも期待していると話しています。
 「現在、タイリーグは近隣諸国を対象としたビジネス面にも注力したいと考えており、タイリーグの試合を各国の現地の言語で中継することなども視野に入れている。今後、タイリーグ でプレーするマレーシア人選手の数が増えれば、グッズ販売はもちろん、マレーシア企業とのビジネス提携なども期待できる。」とタン副CEOは話しています。
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 この記事のタン副CEOが目指しているタイリーグは、かつてマレーシアリーグで実現していたものです。マレーシアリーグは、古くは1980年代のタイ代表のレジェンドプレーヤーFWピヤポン・ピウオンや同じくシンガポールの英雄ファンディ・アーマド、1990年代はタイの「ジーコ」ことキャティサック・セーナームアン、2000年代にはインドネシアの至宝バンバン・パムンカスや現在はサバFA監督のクルニアワン・ドゥイ・ユリアントなどがプレーし、まさに東南アジア各国代表チームの主力選手が在籍するこの地域のトップリーグでしたとさ。

Mリーグ1部の10クラブが今季の「2部降格なし」をMFLに提案
 英字紙ニューストレイトタイムズ電子版によると、Mリーグ1部の10クラブが共同で今季の成績による1部から2部への降格を取りやめるよう、Mリーグを運営するマレーシアフットボールリーグに提案しているということです。
 今季2020年シーズンが2月28日に開幕したMリーグは、新型コロナウィルスの影響により1部、2部とも3月16日から8月28日まで中断となり、最終的に12クラブの1回戦総当たりの全11節で争われています。
 この提案はこの新型コロナウィルスの影響を考慮し、従来は2部降格となる11位と12位のクラブを1部に残留させる一方で、2部から昇格するペナンFAとクアラルンプールFAを加えた14クラブで来季2021年シーズンを行うことも併せて対案しているということです。
 1部12クラブ中、この提案に賛成している10クラブとはどのクラブかは明らかにされていませんが、現在ダントツで最下位のPDRM FCのズルキフリ・ヤハヤ名誉事務局長は自身がこの提案を発案したことを認め、8月のリーグ再開前に関係者の間で話し合われたと明かしています。また最終節を前に降格圏の11位にいるフェルダ・ユナイテッドFCのアフィザル・アブ・オスマン前事務局長も14チームになることでリーグが活性化すると話しています。
 なおMFLはこの提案には未だ返答していないということです。

Mリーグ1部スーパーリーグ2020年シーズン第11節結果

10月10日(土)と10月11日(日)の2日間に、1部スーパーリーグ今季最終節となる第11節の5試合が行われました。以下結果です。(ホームチームが左側です。)なお第11節の残るもう1試合であるサバFA 対 UITM FCは日程が変更になっていますが、詳細は発表になっていません。
*試合のダイジェスト映像は全てMFLの公式Youtubeより。

10月10日(土)
UITMスタジアム(スランゴール州シャーアラム)
スランゴールFC 6-1 フェルダ・ユナイテッドFC
得点者:スランゴール-ブレンダン・ガン(13分)、イフェダヨ・オルセグン3(45分、62分PK、88分)、サンドロ・ダ・シルヴァ2(70分、78分)、フェルダ-ダニアル・アミール(33分)
 前節第10節のPDRM FC戦を7ー0で大勝したスランゴールFCは、後半だけで5ゴールとフェルダ・ユナイテッドFCを一蹴。下位チーム相手の連勝しても、フェダヨ・オルセグンがこの試合でハットトリックを決めて得点王争いのトップに躍り出ても、結局は帳尻合わせなんだよぁ。
 この試合に敗れて今季11位が確定したフェルダ・ユナイテッドFCはMリーグ撤退報道が出ている中での試合でした。選手たちがどのような気持ちでこの試合に臨んだのかはわかりませんが、心中は穏やかではなかったことは想像に難くありません。しかしこの後もマレーシアカップが続くので、そこで最後の意地を見せてくれることを期待したいです。
 フェルダ・ユナイテッドFCの恵龍太郎選手はこの試合はベンチ入りしませんでした。

ハン・ジェバスタジアム(マラッカ州クルボン)
マラッカ・ユナイテッドFC 0-5 ジョホール・ダルル・タジムJDT
得点者:JDT-レアンドロ・ヴァレスケス(分PK)、シャフィク・アーマド(75分)、アイディル・ザフアン(79分)、フェルナンド・ロドリゲス(85分)、ゴンザロ・カブレラ(90+3分)
 今季2020年シーズンの優勝を決めているJDTは今季5度目の完封勝ち。リーグは無敗でシーズンを終えています。

MBPJスタジアム(スランゴール州プタリンジャヤ)
PJシティFC 4-1 PDRM FC
得点者:PJ-ワシントン・ブランダオ2(42分、71分)、サフィ・サリー(55分)、コギレスワン・ラジ(66分)、PDRM-セルダール・ゲルディエフ(81分)
 今季開幕前に給料未払い問題により勝点3を剥奪されたPDRM FCは、前代未聞の勝点がマイナスでシーズンを終えています。

10月11日(日)
スルタン・ミザン・ザイナル・アビディンスタジアム(トレンガヌ州ゴンバダ)
トレンガヌFC 2-1 パハンFA
得点者:トレンガヌ-ドミニク・ダ・シルヴァ(16分PK) 、リー・TAC(82分)、パハン-ニック・シャリフ・ハッセフィ(13分)
 トレンガヌFCが逆転勝ちで今季3位を確定しました。
 パハンFAはニック・シャリフ・ハッセフィの3試合連続ゴールで先制したものの、その後が続かず、昨季2位から大きく順位を下げ、今季の7位以下が確定しました。

ペラスタジアム(ペラ州イポー)
ペラTBG 2-3 クダFA
得点者:ペラ-レアンドロ・ドス・サントス2(42分、45+3分)、クダ-クパ・シャーマン(28分)、ファズルル・ダネル(31分)、レナン・アルヴェス(63分)
 クダFAは追いすがるペラTBGを振り切って勝利を収め、今期の2位を決定させるとともに来季のAFCカップ出場権を獲得しました。
 またペラTBGは得点王を争うシャーレル・フィクリが不発で、今季は4位で終了です。

マレーシアスーパーリーグ2020年シーズン最終順位表

順位クラブ試合得点失点得失差勝点
1JDT119203382526
2クダFA117132013722
3トレンガヌFC1161424141019
4ペラTBG115332119218
5スランゴールFC114522619717
6PJシティFC113531716114
7パハンFA114251818014
8UiTM FC104241415-114
9マラッカU113251316-3*11
10サバFA102351221-99
11フェルダU111461227-157
12PDRM FC11029529-24*-1
*8位のマラッカUと12位のPDRM FCはそれぞれ、給料未払い問題により勝点3が剥奪されています。

マレーシアスーパーリーグ2020年シーズン最終ゴールランキング)

ゴール数選手名所属試合数
12イフェダヨ・オルセグンスランゴールFC11
10シャーレル・フィクリペラTBG10
8ドミニク・ダ・シルヴァトレンガヌFC10
7チェチェ・キプレクダFA10
7サファウィ・ラシドJDT10
7ゴンザロ・カブレラ11

10月7日のニュース:タイ1部リーグ第8節-マットヨーが先発もタンは先発落ち、条件付きでクラブライセンスを交付されたクラブの詳細

タイ1部リーグ第8節-ノーシャルルが先発もタンは先発落ち
 隣国タイの1部リーグ第8節が10月2日(土)と3日(日)に行われましたが、マレーシア代表のドミニク・タンとノーシャルル・イドラ・タラハが明暗を分けています。
 ポリス・テロFC所属のドミニク・タンはここ2試合は先発してフル出場していましたが、今節のスコータイFC戦は3試合ぶりのベンチスタートとなり、81分から途中出場しています。なお試合は1−1の引き分けとなり、ポリス・テロFCは4勝2分2敗の7位となっています。
 一方、BGパトゥム・ユナイテッド所属のノーシャルル・イドラ・タラハはここ2試合はベンチ入りするも出場機会が与えられていませんでしたが、今節のラヨーンFC戦では、3試合ぶりの先発出場となり、61分に交代しています。こちらの試合はホームのBGパトゥム・ユナイテッドが2-1と勝利し、新型コロナによる中断を経たリーグ再開から3連勝、開幕からも7試合負けなしと好調を維持して首位を快走しています。
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 「マットヨー」ことノーシャルル選手が久しぶりに先発したのは良いニュースですが、2試合連続でフル出場し、いよいよ監督の信頼を得たかと思えたものの、いずれの試合でも失点に関わるミスを犯し、チームも2連敗となったドミニク・タンの今後の使われかたが気になります。

BGパトゥム・ユナイテッド対ラヨーンFC野ハイライト映像-マットヨーはチラッと映っています。-BGパトゥム・ユナイテッドの公式Youtubeチャンネルより

条件付きでクラブライセンスを交付されたクラブの詳細
 昨日のこのブログではマレーシア サッカー協会FAMが発表した来季2021年の国内クラブライセンス交付状況について書きましたが、今回のその続きです。
 まず国内クラブライセンスの交付条件として、FAMは1)スポーツ、2)設備、3)運営、4)法務、5)財務、6)事業の6つの評価基準での審査を行いますが、今回、FAMが条件付きで国内クラブライセンスを交付した全てのクラブは5)財務に関してさらなる説明が求められています。
 Mリーグ1部ではパハンFAとマラッカ・ユナイテッドFCが、2部ではクチンFA、ケランタンFA、UKM FC、ペナンFA、サラワク・ユナイテッドFCの5クラブが条件付きで国内クラブライセンスの交付を受け、この7クラブは今月10月31日までにさらなる説明資料の提出を求められており、その期限を過ぎた場合にはFAMのクラブライセンス交付を担当する第一審機関FIBにより罰金、勝点剥奪、下部リーグへの降格、そして国内クラブライセンスの失効などの処分が下される可能性があります。
 しかしこの7クラブの他に1部のクダFAとPDRM FCについても財務面での問題があるようですが、この両クラブは国内クラブライセンスを交付されており、その違いなどについてFAMは以下のように説明しています。

クダFA
 クダFAは5月から8月までの4ヶ月分の給料が未払いとなっているが、選手とクダFAを運営するクダ州サッカー協会との間で交わされた分割払いの同意書を提出しており、FAMはこの内容に基づいて、国内クラブライセンスの交付を決定した。なお、この同意書に示された分割払いの期日などが守られない場合には、クラブライセンスの無効化や勝点剥奪などの措置を取る。

マラッカ・ユナイテッドFC
 マラッカ・ユナイテッドFCを運営するマラッカ州サッカー協会による所得税納税を分割で行う申請に対する内国歳入庁(日本の国税庁に該当)の返信によると、申請は受け取ったことは述べられているが、その納税方法を承認したかどうかが明確になっていないため、条件付きでの国内クラブライセンス交付とする。

<パハンFA>
 パハンFAを運営するパハン州サッカー協会から内国歳入庁への所得税未納、および従業員積立基金(積み立て年金)と社会保障制度(労災補償制度)への積立金未納に関しては担当省庁に連絡をしているとのことだが、その連絡内容がFAMには知らされていないため、条件付きでの国内クラブライセンス交付とする。
<ケランタンFA>
 2020年の初めには2017年以降に発生した合計18件、総額400万リンギ(およそ1億180万円)を超える未払い給料があったが、現時点では完済できていないのは3件となり、その3件も支払い過程にあり、ケランタンFAを運営するケランタン州サッカー協会と選手間の同意書が提出されていることから、条件付きでの国内クラブライセンス交付とする。
<クチンFA>
 会計監査報告の内容に不備があることから、条件付きでの国内クラブライセンス交付とする。
<UKM FC>
 入国歳入庁と従業員積立基金への支払いに関する情報が不十分なため、条件付きでの国内クラブライセンス交付とする。
<ペナンFA>
 会計監査報告の内容に不備があることから、条件付きでの国内クラブライセンス交付とする。
<サラワク・ユナイテッドFC>
 会計監査報告とその中間報告が不完全であり、FAMの第一審期間が求める形式担っていないため、条件付きでの国内クラブライセンス交付とする。

 FAMによると審査の厳格化は、各クラブの今季分の未払い給料を来季まで持ち越させないことが理由としていますが、同じ話は何度も繰り返されながら、後になって未払い給料が発覚するなど、その審査自体に問題があるような気もしますが、クラブ民営化元年となる来季には各クラブは文字通りプロらしい経営で、未払い給料問題を起こさないように、またFAMはそれを見逃さないことを期待したいです。

10月6日のニュース:Mリーグ1部フェルダUがMリーグ撤退を表明、Mリーグ20クラブに民営化承認、2021年シーズンのクラブライセンス発給は13クラブ-他の8クラブは条件付きで発給

Mリーグ1部フェルダUがMリーグ撤退を表明
 Mリーグ1部のフェルダ・ユナイテッドFCがMリーグからの撤退を発表しています。9月30日が期限となっていたMリーグ1部と2部のクラブに義務付けられていた民営化手続きについて、フェルダ・ユナイテッドFCと2部のUKM FCについては、期限までに民営化認可がマレーシアフットボール協会から発表されず、両クラブは提出した民営化申請書類に関してさらなる説明が必要とされ、その詳細は昨日10月5日に改めて発表される予定だったことはこのブログでも取り上げました。そここら急転直下のリーグ撤退発表です。
 「急転直下」と書きましたが、実はこの発表の前、フェルダ・ユナイテッドFCでは様々なことが起こっていたようです。発端はフェルダ・ユナイテッドFCの運営会社のアフィダル・アブ・オスマン事務局長以下の職員16名全員が9月1日付で突然解雇され、フェルダ・ユナイテッドFCの運営権がこの運営会社からクラブの母体であり政府系機関のフェルダ連邦土地開発庁自身に移ったことです。さらにそれまでフェルダ・ユナイテッドFCの運営会社が使用していたフェルダ本社ビル内の事務所は完全立ち入り禁止となりました。そして今度はこの立ち入り禁止となっていた事務所に泥棒が入る事件が起こりました。盗まれたのは2014年から2018年までの資料で、その資料はマレーシア汚職防止委員会MACCが必要としていたものだということです。MACCの職員がその書類を取りに事務所へ来た際にドアが破られ、監視カメラの向きが変えられ、天井に穴が開き、重要資料の入ったフォルダーがなくなっていることを発見しました。別の監視カメラの映像により「内部」の人間と思しき者の犯行であることが発覚し、現在、警察が捜査中という報道もあります。
 そんな「内部抗争」ともいえそうな事態の中で発表されたフェルダ・ユナイテッドFCの撤退ですが、マレーシアの通信社ブルナマの報道では、そもそもフェルダ自身が運営会社に代わってクラブの運営を担うことになった目的はクラブの支出の管理を含めた運営の透明性を確保することだったとされています。この目的でクラブの運営権を手にしたフェルダはクラブの存続を決定する権利も得ており、今回のリーグ撤退には違法性がないということです。
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 新型コロナウィルスによるリーグ中断までは、今季優勝したJDTと引き分けるなど1勝2分1敗の成績だったフェルダ・ユナイテッドFCは、リーグ再開となった第5節以降は0勝2分4敗と失速しましたが、この騒動による影響は少なからずあったのではないでしょうか。
 2007年に発足したフェルダ・ユナイテッドFCは3部リーグのFAMカップ(当時、現M3リーグ)でプレーしたものの、翌年2008年には2部プレミアリーグに昇格し、2010年にはプレミアリーグで優勝して1部スーパーリーグへ昇格しました。2014年には2部降格を経験するも翌年2015年には1年で1部に復帰するなど安定した力を発揮するクラブでした。
 しかしこの状況も近年では様変わりし、2017年にはクラブライセンス更新に必要な書類に不備があったことから1部で3位になりながら2部降格処分を受けています。そして2018年シーズンは2部で優勝し1部復帰を決めながら、シーズン末には選手や当時のサティアナタン・バスカラン監督、コーチに対する給料未払いが発覚し、その結果、外国籍選手全員を含む半数以上の主力選手との契約を解除しました。そして2019年シーズンは新たな外国籍選手に傘下の21歳以下と19歳以下チームから選手を昇格させて戦い、最終戦で1部残留を決めています。
 クラブの母体となっているフェルダ連邦土地開発庁は、当初は地方でジャングルを伐採し、農園を併設した入植地を開発し、土地を持たないマレー系マレーシア人を移住させる、いわば「貧困農民」対策のための政府機関として発足しましたが、現在では財源が政府から独立して運営されており、フェルダ傘下のFGVホールディングは世界第2位のパームオイル生産を誇るマレーシアでもトップ企業です。しかしこちらも近年は問題が多く、その豊かな財政は不正行為の温床ともされ、前会長は海外不動産にへの不当に高額な投資を主導し、その取引で不当な利益を得た疑いでマレーシア汚職防止委員会MACCに逮捕されています。また直近では先月9月30日にアメリカ政府が労働者虐待や児童労働を理由にFGVホールディングからのパーム油輸入禁止を発表するなど、フェルダを取り巻く環境は厳しくなっています。

FAMは21クラブに民営化承認
 上のフェルダ・ユナイテッドFCのMリーグ撤退が発表された一方で、来季からのMリーグ1部と2部でプレーするための条件でもあるクラブの民営化承認を受けたクラブがマレーシアサッカー協会FAMの公式サイトで発表になっています。
 ジョホール・ダルル・タジムJDT、トレンガヌFC、ペラTBG、スランゴールFCが持つBチームはトップチームとセットで承認されており、Mリーグ1部と2部の全24クラブにM3リーグの国軍AF FCを含めた21クラブが民営化承認を受けています。
 なおこの中には上で取り上げたフェルダ・ユナイテッドFCも含まれていますが、このフェルダ・ユナイテッドFCと2部のUKM FCについては、提出された書類の内容についてさらなる説明が必要とされており、スポーツ専門サイトのスタジアムアストロよれば、UKM FCはスライマン・フシン監督をクラブのオーナー兼経営陣の一人としている点の説明が求められ、フェルダ・ユナイテッドFCは現在の「内部抗争」についての説明が求められているとしています。しかしリーグ撤退を表明したフェルダ・ユナイテッドFCはその必要がなくなりました。
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 この民営化については2013年に計画されながら、2017年にアジアサッカー連盟AFCによる「アドバイス」を受けて実現につながったようです。これが実現しないと2021年以降はAFCチャンピオンズリーグやAFCカップなどAFC主催大会に出場できなくなることからFAMの尻に火がついた格好でしょうか。

2021年シーズンのクラブライセンス発給は13クラブ-他の8クラブは条件付きで発給 同じFAMの公式サイトでは、来季2021年シーズンの国内クラブライセンス発給状況についても発表されています。
 これによるとMリーグ1部スーパーリーグで今季2020年シーズンにプレーする12クラブのうち10クラブが来季のクラブライセンスを発給されているということです。なお、これにはフェルダ・ユナイテッドFCも含まれています。
 またパハンFAとマラッカ・ユナイテッドについては条件付きでライセンスが発給されているということです。
 Mリーグ2部プレミアリーグの8クラブ(*)ではケランタン・ユナイテッドFC、クアラルンプールFA、ヌグリスンビランFAがクラブライセンスの発給を受けており、残るクチンFA、ケランタンFA、UKM FC、ペナンFA、サラワク・ユナイテッドFCの5クラブについては、やはり条件付きでライセンスが発給されています。(*2部プレミアリーグのJDT II、トレンガヌFC II、スランゴール2、ペラIIの4クラブは1部クラブのBチームのため、トップチームと込みでライセンスが認められています。)
 なお条件付きでライセンスが発給されたクラブは10月31日までに追加の書類等を提出する必要があり、この期限に間に合わなかった場合には罰金、勝点削減、降格、そしてクラブライセンスの発給中止などの処分が科せられるということです。 またMリーグ1部と2部のクラブの内、9クラブがアジアサッカー連盟AFC主催の大会に出場できるAFCライセンスを合わせて申請し、JDT、クダFA、ペラTBG、トレンガヌFC、スランゴールFC、PJシティFC、フェルダ・ユナイテッドFC、クアラルンプールFAの8クラブがAFCライセンスの発給を受けたことも発表された一方で、マラッカ・ユナイテッドFCはAFCライセンスの発給条件を満たしていないため、発給されなかったということです。
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 FAMの公式サイトには国内クラブライセンスの申請条件と、条件付きでライセンスが発給された各クラブの問題が指摘されています。本日分は文字数も多くなったのでこちらについては次回のブログで紹介します。

Mリーグ1部スーパーリーグ2020年シーズン第10節結果

10月2日(金)、10月3日(土)そして10月5日(月)の3日間に、1部スーパーリーグ第10節の6試合が行われました。以下結果です。(ホームチームが左側です。)
*試合のダイジェスト映像は全てMFLの公式Youtubeより。

10月2日(金)
スルタン・イブラヒムスタジアム(ジョホール州イスカンダルプテリ)
ジョホール・ダルル・タジムJDT 4-1 サバFA
得点者:JDT-ジオゴ(38分)、サファウィ・ラシド2(57分、81分)、レアンドロ・ヴァレスケス(84分)、サバ-デニス・ブシェニング(74分)
 この試合前までに優勝まで勝点1と迫っていたJDTがサバFAを破り、Mリーグ1部今季2020年シーズンの優勝とMリーグ1部7連覇を決めています。ポルトガル1部リーグのポルティモネンセSCへの移籍が決まっているエースのサファウィ・ラシドが2ゴールを決めるなど快勝でした。
 一方のサバFAはサバ州内で新型コロナウィルス感染者が急増し、試合前に2度の検査を受けた他、チャーター機でジョホール入りするなど対コロナ対策は十分でしたが、試合の方は今季を象徴するような展開でした。この日の敗戦でサバFAの1部残留は最終節の結果次第となりました。
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 試合後は選手関係者以外は無観客の中、レーザーショーは繰り広げられるわ、花火は上がるわと、相変わらずド派手なイベントで優勝が祝われましたが、個人的にはリーグ再開後はケガでプレーできなかったキャプテンのハリス・ハルンが登場してトロフィーを受け取った場面が一番感動しました。
(以下の写真はJDTの公式Facebookより)

UITMスタジアム(スランゴール州シャーアラム)
UITM FC 2-4 PJシティFC
得点者:UITM-グスタヴォ・アルメイダ2(45+4分PK、75分PK)、PJ-バラトクマール・ラマルー(45分)、アナウィン・ジュジーン(48分)、コギレスワン・ラジ(66分)、ワシントン・ブランダオ(79分)
 今季ここまで1勝の9位PJシティFCが4位のUITM FCを破り、1試合を残して今季1部残留を決めています。
 UITM FCはここ2試合ケガで欠場しているウスマン・ファネに加え、この試合ではマーク・ハートマンもケガで欠場するなど主力となる外国籍選手を欠く苦しい布陣では下位のPJシティFCとはいえ大学生主体のクラブでは太刀打ちできませんでした。

10月3日(土)
クアラルンプールフットボールスタジアム(クアラルンプール)
PDRM FC 0ー7 スランゴールFC
得点者:イフェダヨ・オルセグン2(20分、74分)、シーン・セルヴァラジ2(26分、34分)、ブレンダン・ガン(70分)、サフアン・バハルディン(80分)、ルフィノ・セゴヴィア(83分)
 降格が決定している最下位のチームを相手に何点取ろうと今更という感じですが、解任されたサティアナタン・バスカラン前監督に代わり前節から指揮を取るマイケル・ファイヒテンバイナー監督代行は、自身が監督していたスランゴールFCのBチーム、スランゴール2からFWハリム・サアリの他、18歳のムカイリ・アジマルや20歳のアリフ・ハイカルを昇格させて試合に使うなど、すでに来季に向けての準備を始めているようです。

ダルル・マクムールスタジアム(パハン州クアンタン)
パハンFA 3-3 ペラTBG
得点者:パハン-ディネシュ・ラジャシンガム(8分)、ニック・シャリフ・ハセフィ(27分)、イヴァン・カルロス(41分)、ペラ-パルティバン・ジャナセカラン2(47分、90+2分)、シャーレル・フィクリ(84分)
 フィルダウス・サイヤディを先発で起用し、従来の4-4-2から4-2-3-1とギリェルメ・デ・パウラと好調のシャーレル・フィクリを縦に配置する布陣で臨んだペラTBGでしたが、前半を終わってパハンFAが3ゴールを挙げ、すわ第6節JDT戦の0-7大敗の悪夢再現かと思われた試合は、後半は逆にペラTBGが3ゴールを挙げ引き分けに終わっています。

トゥン・アブドル・ラザクスタジアム(パハン州ジェンカ)
フェルダ・ユナイテッドFC 0-3 トレンガヌFC
得点者:トレンガヌ:ドミニク・ダ・シルヴァ(5分)、サンジャル・シャアフメドフ (38分)、リー・タック(65分)
 フェルダ・ユナイテッドFCはこの日の敗戦で自力での降格権脱出が不可能となり、最終節となる次節第11節でUITM FCに勝利し、9位のサバFAがスランゴールFCと引き分け以下の場合に1部残留が決まります、と事前に書いていたのですが、フェルダ・ユナイテッドFCは今季限りでMリーグ撤退が突然、発表されています。
 フェルダ・ユナイテッドFCの恵龍太郎選手は先発してフル出場しています。

10月5日(月)
クアラルンプールフットボールスタジアム(クアラルンプール)
クダFA 1-0 マラッカ・ユナイテッドFC
得点者:シャキル・ハムザ(19分)
 10月2日にクダFAの本拠地クダ州のダルルアマンスタジアムで予定されていた試合は、新型コロナウィルス感染者が国内最多のサバ州で試合から戻ったマラッカ・ユナイテッドFCの検査と自宅隔離により一度は10月4日に延期され、さらにクダ州での新型コロナウィルス感染者も急増したことから、日程と試合会場までもが変更になる事態となりました。
 前節第9節のパハンFA戦で敗れ、リーグ再開後からの連勝が4でストップしたクダFAでしたが、この試合はマラッカ・ユナイテッドFCの猛攻に耐えて逃げ切りました。クダFAは最終節となる次節第11節ではAFCカップ出場権が与えられる2位の座をかけて勝点差1の3位のペラTBGとの直接対決が控えています。

マレーシアスーパーリーグ順位表(第10節終了時)

順位クラブ試合得点失点得失差勝点
1JDT108202882023
2クダFA106131711619
3ペラTBG105321916318
4トレンガヌFC105142213916
5パハンFA104241716114
6スランゴールFC103522018214
7UiTM FC104241315-214
8マラッカU103241211211
9PJシティFC102531315-211
10サバFA102351221-99
11フェルダU101451120-97
12PDRM FC10028425-21-1
*8位のマラッカUと12位のPDRM FCはそれぞれ、給料未払い問題により勝点3が剥奪されています。

マレーシアスーパーリーグ ゴールランキング(第10節終了時)

ゴール数選手名所属試合数
10シャーレル・フィクリペラTBG10
9イフェダヨ・オルセグンスランゴールFC10
8ドミニク・ダ・シルヴァトレンガヌFC10
7チェチェ・キプレクダFA10
7サファウィ・ラシドJDT10

9月29日のニュース:サバから戻ったマラッカUはチーム全員が自宅隔離、期限まで1日を残し未だに民営化に着手していないクラブ、サバ州議会選挙の結果を受けサバ州FA会長が辞任

サバから戻ったマラッカUはチーム全員が自宅隔離
 新型コロナウィルスの新規感染者数がマレーシア国内では突出して増えているサバ州は、過去2週間で900名近い新規感染者が確認されており、9月28日の時点でもマレーシア国内の新規感染者115名中98名が同州内での感染者であるだけでなく、他の州で感染が確認された11名もサバ州への渡航歴が判明するなど、いわゆるホットスポットになっています。マレーシア政府は9月27日からサバ州から隣接するサラワク州、さらにマレー半島への渡航者全員に対し、空港などで新型コロナウィルス検査の義務化とその検査結果が出るまでの自宅隔離措置を発表しています。
 マレーシアの通信社ブルナマによると、9月27日(日)にMリーグ1部第9節の試合をサバFAの本拠地であるサバ州コタキナバルのリカス・スタジアムで戦ったマラッカ・ユナイテッドFCの選手や関係者も、マレーシア政府によるサバ州からの感染拡大防止措置により自宅隔離となっているようです。
 この自宅隔離は新型コロナウィルス検査の結果が出るまで続くことになっており、万が一呼吸困難などの症状が14日以内に発生して場合には再度の検査も必要になります。
 新型コロナウィルスによる中断からのリーグ再開後の4試合で2勝2分と順位をあげてきたマラッカ・ユナイテッドFCでしたが、コタキナバルでの試合ではサバFAに2-3で敗れ、サバFAに今季2020年シーズン初勝利をプレゼントするなど残念な結果となっています。それに加え試合前日の9月26日に発表されたこの自宅隔離措置により、マラッカ・ユナイテッドFCにとってはまさに踏んだり蹴ったりの東マレーシア遠征となってしまったようです。
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 新型コロナウィルス感染拡大を防ぐため、リーグ再開後は無観客で試合を行なっているMリーグですが、今節第10節にはサバFAは今週末にアウェイのジョホール・ダルル・タジムJDT戦が控えています。クラスターが発生した州内の複数の地域でロックダウンが実施されているサバ州から渡航するサバFAの選手や監督、コーチおよび関係者もジョホール州があるマレー半島へ入る際には検査が必要で、その後はホテルでの隔離も必要となります。ここまで無観客が功を奏して進められてきたMリーグに新規感染者が発生しないことを祈りたいと思います。

未だに民営化に着手していないクラブ
 マレーシアサッカー協会FAMは、9月23日に民営化手続きが完了したMリーグ1部と2部に所属する12クラブを発表しましたが、その際に明日9月30日が期限となっている民営化手続きが遅れているクラブとして1部のUITM FCとPDRM FC、2部のUKM FCの3クラブの名も挙げられました。
 明日9月30日までに民営化手続きが完了しないクラブは、来季2021年シーズンはMリーグ3部にあたるセミプロリーグのM3リーグでプレーすることになっていますが、マレーシア語紙ハリアンメトロ電子版によると、その3クラブのうち1クラブは未だ民営化手続きに着手していないということです。
 FAMのプロサッカー委員会のモハマド・フィルダウス・モハマド委員長は、上記の3クラブの内の2クラブは手続きが進んでおり、期限までに民営化手続きが完了するだろうと話す一方で、残る1クラブについては手続きが進んでおらず、FAMとして支援することができないと話し、期限となる9月30日まで静観するとしています。
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 国立大学を運営母体とするUITM FCとUKM FC、そしてマレーシア王立警察が運営するPDRM FCの中で、UITM FCは大学運営のクラブとしては初めてMリーグ1部でぷれーしていますが、今季のリーグの台風の目になっています。またMリーグ2部のUKM FCも今季2勝を挙げるなど検討しています。となると民営化手続きに遅れが出ているのは給料未払いで今季開幕前に勝点剥奪を受けたPDRM FCの可能性が高そうです。

サバ州議会選挙の結果を受けサバ州FA会長が辞任
 東マレーシア(ボルネオ島)にあるサバ州は上でも取り上げた新型コロナウィルス感染者の急増だけでなく、先週末に投開票が行われた州議会選挙でも国内の関心が集まっていました。これは今回の州議会選挙が今年3月に成立したムヒディン・ヤシン首相率いる政権にとって初の大型選挙であり、総選挙を経ずして成立した現政権の信任選挙とも見られていたことが理由です。
 9 月26日に行われた投開票の結果、ムヒディン首相率いるプリブミ統一党を含む7 党で構成された野党連合の「サバ人民連盟」が、サバ遺産党(ワリサン)を中心とした与党連合「ワリサンプラス」を破り勝利し、いわゆる「ねじれ」が起きていたサバ州議会でも政権交代が実現しました。
 そしてこの州議会選挙の結果を受け、選挙で敗れたサバ遺産党の副党首でサバ州議会議員でもあるサバ州サッカー協会(サバ州FA)のアンソニー・ピーター会長が9月28日辞任しています。また今回の政権交代に伴いサバ州政府関係者が参加しているサバ州FAの経営陣の交代も行われる見通しです。
 辞任前日の9月27日にサバFAの今季2020年シーズン初勝利を見届け、サバ州FA会長在任時代には自身ができる限りのことを行ったとし、サバFAの新たな経営陣がさらに良い結果をもたらしてくれることを望んでいると話しています。
 2018年末に会長に就任したピーター氏の在任中にサバ州FAは、過去数年間で蓄積した数百万リンギ(1リンギはおよそ25.3円)とされる負債を返済した一方、ピッチ上ではサバFAは2019年シーズンにはMリーグ2部で23年ぶりに優勝し、7年ぶりのMリーグ1部昇格を果たしています。
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 これまでこのブログでも取り上げてきたクダ州FAやマラッカ州FA同様、州議会や州政府との関係が密接なサバ州FAも政権交代の直接的な影響を受けました。マレーシアサッカー協会FAMは積極的に州FAと、州FAが運営するMリーグのプロクラブとを切り離して民営化しようとしているのは、今回のような経営陣の突然交代や、州政府に依存した資金による無秩序な運営など、サッカーとは関係のない政治によって州FAが影響を受ける現状を打破する目的もあります。