11月5日のニュース:JDT IIのGKが飛び級で代表候補合宿に招集される、トレンガヌFCはバングラディシュの大会で優勝、トレンガヌFCはキプレを含む12名の退団を発表、鈴木ブルーノは来季はトレンガヌFCでプレーか

JDT IIのGKが飛び級で代表候補合宿に招集される
 マレーシアサッカー協会FAMのFacebookでは、マレーシアフットボールリーグMFL2部プレミアリーグ所属のJDT II(1部ジョホール・ダルル・タクジムのBチーム)のGKムハマド・ハジック・ナズリがクダFAのGKイファット・アクマル・チェ・カシムに代わってフル代表候補合宿に招集されることを告知されています。
 
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 MFL2部のクラブから、しかもBチームからの招集と異例づくめですが、21歳のハジック・ナズリ選手は、U22代表には招集されず、言わば飛び級でのフル代表招集となっており、フル代表のタン・チェンホー監督には何か考えがあるのでしょう。
 ところでこのハジック・ナズリ選手は11月1日に、20歳の女優アイラ・ハザリことハジラ・カスディナ・ハザリさんと結婚式を挙げたばかりで、FAMのFacebookのコメント欄には「新婚の二人を引き離すとはかわいそう」「ハネムーンに行けなくなる!」などの書き込みが多くありました、結婚と代表候補合宿招集と文字通り両手に花のハジック・ナズリ選手が代表チームに選ばれるのか注目です。

トレンガヌFCはバングラディシュの大会で優勝
 10月19日からバングラディシュ南東部の都市チッタゴンで開催されていたシーク・カマル国際クラブカップに参加したマレーシアフットボールリーグMFL1部のトレンガヌFCは、決勝で地元のチッタゴン・アバハニ・リミテッドを2ー1で破り、初優勝しています。またスポーツ専門サイトのスタジアムアストロでは、トレンガヌFCで主将を務めるリー・タックはこの大会での若手の活躍を喜んでいると、伝えています。
 タック選手は、9日間で5試合と日程的に厳しかった大会期間中であっても心身両面の強さを維持できた若い選手たちを評価すると同時に、今季2019年は12チーム中7位に終わったチームにとって、来季2020年に向けての展望が開ける大会だったとしています。
 8チームが参加した今回の大会では、トレンガヌFCは、ゴクラム・ケララFC、チェナイ・シティFC(いずれもインドIリーグ所属)、バシュンドハラ・キングズ(バングラディシュプレミアリーグ所属、今季の優勝チーム)と同組となった予選グループを2勝1分の首位で突破、準決勝はモフン・バガンAC(Iリーグ)をタック選手をハットトリックを含む4-2で撃破、決勝ではホストチームのチッタゴン・アバハニ・リミテッド(バングラディシュプレミアリーグ)を2−1で破って優勝賞金5万米ドル(およそ540万円)獲得しています。また,2016年にはバングラディシュリーグでもプレー経験のあるタック選手は大会得点王と最優秀選手賞を獲得しています。
 この優勝についてタック選手は、主力選手を欠くメンバーで優勝できたことでMFLのレベルの高さを証明できたと思うと語っています。
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 後述しますが、トレンガヌFCは今季から大きくメンバーが変わる可能性があり、外国のクラブとの対戦の中で優勝したことで若手選手たちが得た経験は、タック選手だけでなく、監督代行から昇格したモハマド・ナフジ・ザイン新監督にとっても期待が持てるものだったのではないでしょうか。

トレンガヌFCはキプレを含む12名の退団を発表
 バングラディシュの大会で優勝したトレンガヌFCは、今季2019年をもって退団する選手を発表していますが,その中には過去3シーズンで63試合に出場し40ゴールを挙げているコートジボアール出身のFWチェチェ・キプレが含まれていると、スタジアムアストロが伝えています。
 記事の中では、トレンガヌFCはキプレ選手に対して来季の契約をオファーしたもののそれが拒否されたとしています。キプレ選手のほか、東南アジアサッカー連盟AFF枠で契約していたDFチエリー・チャンタ・ビン(カンボジア)も退団となっており、来季の外国籍選手としてはMFリー・タック(英国、ただし祖母がマレーシア人ということで来季中にマレーシア人選手登録になる可能性あり)とMFサンジャル・シャアフメドフ(ウズベキスタン)の2人のみが確定しています。
 またマレーシア人選手では、今季のFAカップでトレンガヌFCと対戦した際にイルファン・バクティ前監督が高く評価し、M3(MFL3部)のアルティメイトFCから引き抜いたFWナビル・アーマド・ラトピやMFマリク・マット・アリフ、MFシャルル・アイザッド・ズルキフリ、MFアハマド・シャミン・ヤヒヤ、MFカイルル・イズアン・ロスリ、MFカイル・アズリン・カザリ、MFカイルル・アンワル・シャールディン、DFアデッブ・アイズディン、DFハスニ・ザイディ・ジャミアンそしてGKワン・モハマド・アズレイ・ワン・テーが退団となっています。
 なおトレンガヌFCを統括するトレンガヌ州サッカー協会PBSNTのヒシャムディン・アブドゥル・カリム副会長は、退団するキプレ選手のトレンガヌFCへのこれまでの貢献を感謝し、チーム史上でもトップのストライカーだと賛辞する一方で、彼の穴を埋めることが急務であるとも述べています。
 一部報道では、現在のベトナムリーグでプレーする選手に関心を示しているという情報もありますが、ヒシャムディン副会長は言及を避け、新たな選手の獲得についてはナフジ・ザイン新監督に一任していると述べるにとどまっています。
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 キプレ選手については、今季MFLやカップ戦合計で21ゴールを挙げたスペイン出身のFWフェルナンド・ロドリゲズの退団が決まったクダFAが関心を示しているという噂もあり、来季もキプレ選手の姿をMFLで見ることができるかも知れません。

鈴木ブルーノは来季はトレンガヌFCでプレーか
 トレンガヌFCのBチームでMFL2部に所属するトレンガヌFC IIでプレーするFW鈴木ブルーノとコートジボアール出身のMFデチ・マーセル・ングエッセンに対して監督が残留希望を持っていることをスタジアムアストロが伝えています。
 トレンガヌFC IIを来季から率いるロシャディ・ワハブ新監督は、Aチームのナフジ・ザイン監督との話し合いの結果次第と前置きしながらも、今季MFL2部で13ゴールを挙げた鈴木選手はチーム得点王であり、必要な選手であるとしています。
 なお上の記事でも取り上げたトレンガヌFCが出場したバングラディシュでの大会には、鈴木選手とングエッセン選手もチームに帯同し、鈴木選手はグループステージでは4ゴールを挙げるなど活躍し、両選手は決勝戦にもスタメンで出場しました。
 トレンガヌFC IIの外国籍選手は全員が今月11月末に契約が切れますが、他の外国籍選手、DFセルヒイ・アンドレイエフ(ウクライナ)とFWアカンニ・サンデイ・ワシウについては、フロントの意向に従いたいとワハブ新監督は述べています。

10月28日のニュース:AFCカップの決勝はKLで開催、FAMはU21とU19大会廃止の噂を否定、M3リーグはケランタン・ユナイテッドが優勝

AFCカップの決勝はKLで開催
 アジアサッカー連盟AFCが主催するAFCカップは、AFCチャンピオンズリーグACLの出場枠が与えられているAFCクラブチームランキングの上位14カ国以外の国および地域のリーグ戦やカップ戦の優勝チームに出場権が与えられる大会で、2015年には、マレーシアフットボールリーグMFLの優勝チーム、ジョホール・ダルル・タクジムJDTも優勝を経験しています。
 今季2019年の決勝戦は4.25 SC(北朝鮮)対アル・アヘドSC(レバノン)が対戦しますが、その会場が二転三転し、結局、マレーシアの首都クアラルンプールになったことが英字紙マレーメイル電子版で報じられています。
 当初は北朝鮮の平壌で11月2日に予定されていた決勝戦ですが、10月15日にやはり北朝鮮の金日成競技場で行われたFIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選の北朝鮮対韓国の試合が中継なしの無観客試合として行われたことを受け、AFCは試合の中継権やスポンサーへの配慮から、決勝の舞台を平壌から中国の上海へ変更することを10月22日に発表していました。
 しかしAFCは10月25日に新たな告知として、AFCカップ決勝は上海からマレーシアの首都クアラルンプールで、予定よりも2日遅い11月4日に行われることを発表しています。AFCは再度の変更理由を明らかにしていません。
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 AFCの本部があるマレーシアのクアラルンプールでは、これまでも中立地域での試合会場を提供することが度々ありました。またマレーシアの国教であるイスラム教の教徒が人口の半数以上を占めるレバノンのクラブと、マレーシアとも国交のある北朝鮮のクラブの対戦場所として、クアラルンプールは無難な選択かもしれません。

FAMはU21とU19大会廃止の噂を否定
 マレーシアサッカー協会FAMのスチュアート・ラマリンガム事務局長は、マレーシアフットボールリーグMFL所属クラブのU21チームの大会であるプレジデントカップと、U19チームの大会であるユースカップ廃止の噂を否定していると、スポーツ専門サイトのスタジアムアストロが伝えています。
 ラマリンガム事務局長は、両大会の廃止を否定する一方で、フォーマットの変更については、選手、コーチ、審判など関係者全員にメリットがあるような方式を現在検討中だとも述べています。
 FAMは年齢制限のない育成目的のリーグの発足を検討しているという話もあり、そこからU21チームとU19チームに限定されている両大会の廃止という話が出回った可能性がありますが、ラマリンガム事務局長はプレシデントカップとユースカップの有用性を強調した上で、廃止については現在は検討されていないとしています。

M3リーグはケランタン・ユナイテッドが優勝
 マレーシアフットボールリーグMFLの3部にあたるM3リーグでは、マレー半島北東部のケランタン州に本拠地を持つケランタン・ユナイテッドが2節を残して優勝を果たしています。
 14のクラブで構成されているセミプロリーグのM3は、ケランタン・ユナイテッドと鈴木啓太選手が所属する、東マレーシアのサラワク州に本拠地を持つクチンFAに優勝争いが絞られていましたが、10月27日にランカウィ島で開催されたアウェイのグローリー・ユナイテッド戦に5-0で快勝し勝点が65となり、2位のクチンFAに勝点差12をつけて優勝を決めています。
 なおケランタン・ユナイテッドのガンビア出身のFWアルフサイニ・ガッサマはこの日の4得点で27得点となり、やはりこの日、ゴールを決めたチームメイトのマレーシア人FWファクラル・ザマンと共にリーグの得点王レースのトップとなっています。
 ケランタン・ユナイテッドはM3リーグ優勝により来季2020年のMFL2部ブレミアリーグへの自動昇格権を獲得しています。また3位のマレーシア国軍FCに勝点5の差をつけている2位クチンFAはMFL2部11位のサラワクFAと入れ替え戦を行う可能性が高くなってきました。
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 本来ならば、MFL2部の11位、12位がMFL3部の1位、2位とそれぞれ入れ替え戦を行うことになっていますが、今季のMFL2部は開幕直後にプルリスFAが給料未払い問題により助名処分を受けており、M3優勝のケランタン・ユナイテッドには自動昇格権が与えられています。またケランタン・ユナイテッドのMFL2部昇格により、MFL2部にはケランタン州サッカー協会が統括するケランタンFAとケランタン・ユナイテッドの2クラブが同時に在籍することになりました。
 また、クチンFAが対戦する可能性があるサラワクFAはサラワク周サッカー協会が統括するクラブで、いわば上部組織である東京都サッカー協会が統括するクラブチームとその下部組織である新宿区サッカー協会のクラブチームが入れ替え戦を戦うような状況になる可能性があります。
(写真は優勝を決めたケランタン・ユナイテッドのFacebookより。”Kita Juara”は「俺たちはチャンピオンだ」の意味のマレーシア語です。)

マレーシアカップ グループステージ第2節の結果まとめ

8月7日(水)と8日(木)に行われたマレーシアカップグループステージ第2節の結果です。

グループA
ヌグリ・スンビランFA1-2PKNS FC
得点者:ヌグリ・スンビランFA-イゴール・ルイス(90分)、PKNS FC-ガブリエル・ゲラ2(15分、31分)
 マレーシアフットボールリーグMFL1部スーパーリーグのPKNS FCは、2部プレミアリーグのヌグリ・スンビランFAを破り、リーグ戦も含めて8試合ぶりの勝利となりました。
 ヌグリ・スンビランFAの中武駿介選手はスタメンでフル出場しています。

クダFA0-2トレンガヌFC
得点者:チェチェ・キプレ2(66分、87分)
 トレンガヌFCがFAカップ優勝チームのクダFAを敵地で破って2連勝です。

グループA順位試合得点失点得失差勝点
トレンガヌFC22005146
クダFA21o13303
PKNS FC210134-13
ヌグリ・スンビランFA200225-30

グループB
ジョホール・ダルル・タクジムJDT4-2プタリン・ジャヤ(PJ)シティFC
得点者:JDT-サファウィ・ラシド(9分)、ジオゴ2(47分、72分)、ゴンザロ・カブレラ(81分)、PJシティFC-ワシントン・ブラダオ(59分)、バラスクマル・ラマルー(70分)

UITM FC0-2PKNP FC
得点者:PKNP FC-アマニ・アギナルド(45分)、ペドロ・サンドヴァル(85分)

グループB順位試合得点失点得失差勝点
JDT22007346
PKNP FC21013213
PJシティFC210145-33
UITM FC200215-40

グループC
ペナンFA2-1サバFA
得点者:ペナンFA-ジュリアン・ボッタロ(9分)、エヴァン・ウェンスレイ(73分OG)、サバFA-ロドリュブ・パウノヴィッチ(48分PK)

パハンFA3-0ペラTBG
得点者:エラルド・グロン(40分)、サディル・ラムダニ(68分)、ラザラス・カイムビ(82分)

グループC順位試合得点失点得失差勝点
パハンFA22006156
ペラTBG21013303
ペナンFA210134-13
サバFA200215-40

グループD
PDRM FC4-3フェルダ・ユナイテッド
得点者:PDRM FC-パトリック・ロナウジーニョ(37分)、ゴピナタン・ラマチャンドラ2(78分、88分)、アズミズ・アズミ(90分)、フェルダU-スピアー・チャントゥル(9分)、カイルル・アムリ2(18分、56分)
 今シーズンMFL1部10位のフェルダUが、54分にDFファリド・ラムリの退場で10人となったMFL2部3位のPDRM FCに逆転負け。フェルダUの渡邉将基選手、池田圭選手はともにベンチ入りしましたが、出場しませんでした。

マラッカ・ユナイテッド0-1スランゴールFA
得点者:スランゴールFA-エンドリック(61分)

グループD順位試合得点失点得失差勝点
スランゴールFA21103214
マラッカ・ユナイテッド21013213
PDRM FC210156-13
フェルダ・ユナイテッド201156-11

マレーシアカップ グループステージ:第1節の結果まとめ

 マレーシアサッカー界2019年シーズン最後のイベント、マレーシアカップが開幕しました。11月2日(土)の決勝へ向けて、マレーシアフットボールリーグMFL1部スーパーリーグの今シーズン上位11チームと2部プレミアリーグの*上位5チームの計16チームが4つのグループに分かれて行うグループステージの第1節が、8月2日(金)から4日(日)にかけて開催されました。
 *MFL2部プレミアリーグで今シーズン2位となったジョホール・ダルル・タクジムIIと4位となったトレンガヌFC IIは、いずれもMFL1部スーパーリーグのJDTとトレンガヌFCのBチームであるため、マレーシアカップへの出場資格がありません。このためプレミアリーグ6位のヌグリ・スンビランFAと7位のペナンFAが両チームの代わりに繰り上がり出場します。

グループA
クダFA(1部スーパーリーグ4位)、トレンガヌFC(同7位)、PKNS FC(同9位)、ヌグリ・スンビランFA(2部プレミアリーグ6位)
(試合は左側がホーム)

ヌグリ・スンビランFA1-3クダFA
得点者:ヌグリ・スンビランFA-フェリス・ダニアル(78分)、クダFA-ジョナサン・ボーマン2(4分、83分PK)、シャキル・ハムザ(72分)
 ヌグリ・スンビランFAの中武駿介選手はスタメンでフル出場しています。

トレンガヌFC3-1PKNS FC
得点者:トレンガヌFC-サンジャル・シャアフメドフ2(6分、90分)、ナスルラ・ハニフ(38分)、PKNS FC-ジャフリ・フィルダウス・チュウ(30分)
 今季後半は完全に失速したPKNS FCは、この試合でも一旦、追いついたものの突き放されてしまい、マレーシアカップに入っても勢いを取り戻せていません。一方のトレンガヌFCは正GKのスフィアン・アブドル・ラーマンが8月1日(木)の練習中に心臓発作を発症し、欠場しています。

グループB
JDT(1部スーパーリーグ1位)、プタリン・ジャヤ(PJ)シティFC(同8位)、PKNP FC(同11位)、UITM FC(2部プレミアリーグ5位)

JDT3-1UITM FC
得点者:JDT-ジオゴ2(16分、85分)、サファウィ・ラシド(65分PK)、UITM FC-ザルコ・コラチ(90分)
 MFL1部優勝チームのJDTがUITM FCをホームで一蹴しましたが、観客は5,860人と今季最小で、JDTのハリス・ハルン主将がFacebookにメッセージを出してファンにスタジアムに足を運ぶよう懇願する事態になりました。

PJシティFC2-1PKNP FC
得点者:PJシティFC-ペドロ・エンリケ(12分)、エリゼウ(82分)、PKNP FC-ペドロ・サンドヴァル(38分)
 MFL1部チーム同士の試合は、今季の順位どおりの結果でした。

グループC
パハンFA(1部スーパーリーグ2位)、ペラFA(同5位)、サバFA(2部プレミアリーグ1位)、ペナンFA(同7位)

パハンFA3-1ペナンFA
得点者:パハンFA-ディクソン・ヌワカエメ(59分)、モハマドゥ・スマレ(66分)、ムスリム・アーマド(84分)、ペナンFA-ジュリアン・ボッタロ(51分)
 今シーズン後半戦で快進撃を続けてきたペナンFAが先制しましたが、パハンFAがそこから逆転勝ち。

ペラFA3-0サバFA
得点者:ペラFA-ブレンダン・ガン(45分)、カレッカ(51分)、レアンドロ・ドス・サントス(90分)
 昨年2018年のマレーシアカップ優勝チームであるペラFAと、今シーズンのMFL2部優勝し来シーズンは1部に昇格するサバFAの対戦は、ペラFAが貫禄勝ちでした。

グループD
スランゴールFA(1部スーパーリーグ3位)、マラッカ・ユナイテッド(同6位)、フェルダ・ユナイテッド(同10位)、PDRM FC(2部プレミアリーグ3位)

スランゴールFA2−2フェルダ・ユナイテッド
得点者:スランゴールFA-シャズワン・ザイノン(34分)、イフェダヨ・オルセグン(40分)、フェルダ・ユナイテッド-クリスティ・ジャヤシレン(42分)、カイルル・アムリ(86分PK)
 第1節では、MFLで順位が上のチームが順当に勝利を収めましたが、唯一の例外がこの引き分けでした。スランゴールはMFL1部でも今季前半にフェルダUに敗戦したことで勢いに乗ることができなかったので、マレーシアカップでも今後が心配です。
 フェルダ・ユナイテッドの渡邉将基選手はベンチ入りしましたが出場せず、池田圭選手はベンチ入りしていません。

マラッカ・ユナイテッド3-1PDRM FC
得点者:マラッカ・ユナイテッド-ナズリン・ナウィ2(21分、62分)、パトリック・ライヒェルト(55分)、PDRM FC-リ・チャンホン(8分)
 MFL2部のPDRM FCが先制しましたが、MFL1部のマラッカUが逆転ガチしています。

8月1日から2日のニュース:FAカップ関連の話題3題、

 今日8月2日から始まるマレーシアカップ。国内が最も盛り上がるカップ戦を前に、各メディアとも話題が乏しいのか、先週末のFAカップ決勝関連の話題を今だに引っ張っています。

FAカップの関連の話題3題
1. 国内カップ戦の決勝戦を今後も外国人審判にする予定はない。
 マレー語紙ウトゥサン・マレーシア電子版によると、マレーシアサッカー協会MFL審判委員会のモハマド・ダリ・ワヒド委員長が今後も国内の試合で外国人審判を使うかどうかについては決まっていなと話しています。
 マレーシアFAカップ決勝で主審を務めた岡部拓人氏、副審を務めた八木あかね氏、野村修氏への評価は注目度の高い試合を適切にコントロールしたとして選手、ファンそしてメディアからも高く評価されており、ダリ委員長自身もそれを認める一方で、もう一つのカップ戦マレーシアカップの決勝も外国人審判に委ねるかどうかについては、審判委員会の議題に挙がっていないとし、マレーシア人審判に機会を与えたいと述べています。
 外国人審判を求める声が出たのは、実は昨年のマレーシアカップの決勝を担当したマレーシア人主審に対して現場、ファン、そしてMFLのチェアマンでもあるジョホール・ダルル・タクジムオーナーのトゥンク・マコタ・ジョホールTMJ(ジョホール皇太子)のトゥンク・イスマイル殿下からも非難が殺到したことによります。外国人審判として岡部氏が仕事を果たしただけに、今年のマレーシアカップの決勝で笛を吹く審判は、重圧がかかりそうです。

2. 評価が高かった岡部主審も過去には出場停止の経験がある。
 上でも書いたように岡部拓人氏の審判ぶりは、マレーシア国内では非常に良い評価でしたが、マレー語紙ブリタ・ハリアン電子版は「岡部氏はかつては論争の的になる審判だった」という見出しの記事を掲載しています。
 この記事の中では、岡部氏は2010年に広島対清水戦で規則適用を誤り、2試合の出場停止と研修を受けたことがある経歴や、2014年に日本サッカー協会JFAとオーストラリアのAリーグとの交流プログラムで主審を担当した試合の監督のコメント、さらに今年2019年の広島対横浜戦での疑惑の判定などをとりあげています。
 しかしこの記事はそれに止まらず、そういった技術的に劣っている部分があった岡部氏がマレーシアFAカップで評価の高い審判を行えるようになったことも取り上げ、そこにはJFAによる審判技術向上のサポートが十分にあったからだろうとしています。そしてFAMもマレーシア人審判に同様のサポートを与えていくことができれば、マレーシア人審判も岡部氏以上の審判になれるだろうととまとめています。

3. U23監督は活躍したクダFAの選手にセカンドチャンスを与えるか。
 FAカップ決勝で途中出場ながらクダFAのゴールを決めたMFファズルル・ダネル・モハマド・ニザムとMFファイアッド・ズルキフリは、東南アジア各国のU23代表同士が優勝を争う東南アジア競技大会SEA Games(シーゲームズ)への出場資格を持っていますが、U23代表のオン・キムスイ監督は、この二人も代表候補に上がる可能性があるとマレー語紙ブリタ・ハリアン電子版の取材に答えています。
 U23代表は、今年3月に行われたアジアサッカー連盟AFC U23選手権2020年大会兼東京オリンピックアジア予選では、勝点で並びながら得失差で中国に敗れ、本戦出場を逃しています。このU23代表の次の目標は、2年に一度開催されるオリンピックの東南アジア版にあたるシーゲームズでメダルを獲得することです。
 ダネル選手とファイアッド選手はいずれもAFC U23選手権予選の候補選手に名を連ねていましたが、ファイアッド選手は最終候補発表の際に落選し、ダネル選手は最終候補に入ったにも関わらず、召集日に代表合宿に無断で欠席したことで、代表から外されています。
 U23のオン監督は、状態の良い選手であればどの選手にも代表候補となる可能性があるとし、この二人のU23代表入りの可能性を示唆したということです。

7月26日のニュース:明日はFAカップ決勝、そこでFAカップ関連のニュースを3つ

 明日7月27日(土)は、クアラ・ルンプールのブキ・ジャリル国立競技場を舞台にケダFA対ペラTBGの顔合わせでマレーシアFAカップの決勝戦が行われます。リーグ戦ではそれぞれ4位と5位ながら、首位のジョホール・ダルル・タクジムに対して、クダFAは19点、ペラTBGは20点の勝点差をつけられ、タイトル争いには絡むことができなかった両チームにとって、今シーズンの初タイトルを目指す重要な試合です。また、このFAカップの勝者にはアジアサッカー連盟AFCのアジアチャンピオンズカップ2次予選の出場資格が与えられます。

ニュース1:担当する日本人審判団が決定
 マレーシアサッカー協会FAMのホームページでは、このFAカップ決勝を担当する日本人審判団の顔ぶれが発表されています。主審は岡部拓人氏(38)、副審は八木あかね氏(45)、野村修氏(31)の3氏です。実はこの3氏は、今年6月11日にやはりブキ・ジャリル国立競技場で行われた国際サッカー連盟FIFAワールドカップ2022年大会アジア一次予選のマレーシア対東ティモール戦でも審判を勤めています。(ただしこの時は、荒木友輔氏が主審を務め、岡部氏と野村氏が副審、八木氏が第四審判という構成でした。)
 マレーシアのサッカー史上で初めて、国内戦の決勝を外国人審判が担当することになった背景には、退場者を2名を出した昨年2018年のマレーシアカップ決勝に代表されるようなマレーシア人審判の試合進行のまずさ、その結果としてのマレーシア人審判への信頼度の低さがあります。なお、第四審判はマレーシア人のロズラン・ジョフリ・アリ氏が務めることになっています。(写真はFAMのホームページより)

ニュース2:クダFAには痛いアウヴェスの出場停止
 ブラジル出身の長身DFレナン・アウヴェスはクダFA守備陣の要ですが、MFL1部スーパーリーグ最終戦のフェルダ・ユナイテッド戦で2枚のイエローカードをもらい退場になりました。その結果、明日のFAカップ決勝は出場停止処分のため試合に出ることができません。クダFAは、FAカップを主催するマレーシアフットボールリーグMFLに出場停止処分の先送りを求めたようですが、MFLは受け入れなかったようです。
 コーナーキックの時には前線に上がり、今シーズン2得点を挙げるなど攻撃でも貴重なアウヴェス選手ですが、英字紙ニューストレイトタイムズ電子版は、同じ試合でケガをしたカイルル・へルミ・ジョハリとともに、センターバックの二人が同時に出場できないことを想定したシンガポール人のアイディル・シャリン・サハク監督は、アミルル・ヒシャム・アワン・ケチックとシャキル・ハムザを大会前練習でテストしていたと伝えています。

FAカップ決勝会場周辺で交通規制
 FAカップ決勝の会場となるクアラ・ルンプール(KL)のブキ・ジャリル国立競技場周辺は、約8万5000名の観衆が集まることが予想されるため、周辺の一部道路を閉鎖し、迂回路を設置すると、KL市警察本部のダト・スリ・マズラン・ラジム長官が語っていると、ニューストレイトタイムズ電子版が報じています。マズラン長官は、当日の午前8時から1300名を超える警官を競技場内とその周辺に配置し、周辺の違法駐車も厳しく取り締まるとし、試合を観戦しない人や車両は混乱を避けるため、この日はブキ・ジャリル競技場周辺を迂回するよう求めています。

以下はFA決勝へ向けて、マレー語紙ブリタ・ハリアンが作成したインフォグラフィックです。

MFL第22節の結果まとめ

マレーシアフットボールリーグMFLは7月19日(金)から21日(日)までに行われた第22節がいよいよ最終節です。
 1部スーパーリーグはジョホール・ダルル・タクジムJDT、2部プレミアリーグはサバFAと優勝チームがすでに決まっており、最終節では、1部からの降格争いと2部からの昇格争いに注目が集まりました。

MFL1部スーパーリーグ
優勝:ジョホール・ダルル・タクジムJDT
2部降格:PKNP FC、クアラ・ルンプール(KL)FA

JDT3-3トレンガヌFC
得点者:JDT-レオナルド・ヴァレズケズ(31分)、サファウィ・ラシド(36分)、ゴンザロ・カブレラ(45分)、トレンガヌFC-サンジャル・シャアフメドフ(24分)、セルヒイ・アンドレイエフ(65分)、リー・タック(79分)
 JDT地は、この試合が行われたタン・スリ・ハジ・ハサン・ユノススタジアム、通称ラーキンスタジアムから、新たに建設されたスルタン・イブラヒムスタジアムへと本拠地を移転します。ホームでの無敗記録が止まった前節、そして引き分けに終わった今節と、JDTはラーキンスタジアムでの最後を飾ることはできませんでした。

PKNS FC2-3スランゴールFA
得点者:PKNS FC-ロメル・モラレス(3分)、タミルラン・コズバエフ(79分)、スランゴールFA-サンドロ・ダ・シルヴァ(40分)、イフェダヨ・オルセグン2(44分、52分)
 ともにシャー・アラムスタジアムを本拠地とする両チームは、MFL第3節で対戦し、その際にはPKNS FCが4点を挙げてスランゴールFAに圧勝。スランゴールFAのファンからはサティアナタン監督更迭を求める声が上がりましたが、終わってみればスランゴールFAはリーグ3位でシーズンを終えました。
 スランゴールFAのBチーム化が噂されるPKNS FCは、その噂が出た6月中旬以降は2分5敗の成績で、あわや2部降格というところまで順位を下げました。もし、PKNS FCがスランゴールFAのBチームとなることが決定すれば、JDT II、トレンガヌFC IIといったBチーム同様、2部プレミアリーグでプレーすることになります。

パハンFA4-1マラッカ・ユナイテッド
得点者:パハンFA-ラザラス・カイムビ2(2分、69分)、モハマドゥ・スマレ(41分)、サディル・ラムダニ(90分)、マラッカU-ルカ・ミルノヴィッチ(58分)

フェルダ・ユナイテッド5-1クダFA
得点者:フェルダU-ジョシネル・シャアド(6分)、ファイズ・マズラン(32分)、カイルル・アムリ(85分)、ジャサズリン・ジャマルディン(90分)、池田圭(90分)、クダFA-ジョナタン・ボーマン(78分PK)
 フェルダ・ユナイテッドがクダFA相手にまさかの勝利で1部スーパーリーグ残留を決めています。第20節から降格争いのライバルKLFAに勝利し、PKNP FCとは引き分けたものの、負ければ2部プレミアリーグ降格が決まるこの試合、上位チームのクダFA相手では苦戦が予想されましたが、蓋を開けてみればフェルダ・ユナイテッドの快勝でした。
 一方のクダFAはこの敗戦で、今シーズンの成績が4位となってしまいました。

プタリン・ジャヤ(PJ)シティFC1-0PKNP FC
得点者:PJシティ-ワシントン・ブランダオ(75分PK)
 この試合に勝てば1部残留の可能性が大きかったPKNP FCでしたが、残念ながら2部降格となっています。

ペラTBG2-1クアラ・ルンプール(KL)FA
得点者:ペラTBG-カレッカ2(32分、68分)、KLFA-ルーク・ウッドランド(77分)
 KLFAは2部プレミアリーグ降格です。

順位チーム勝点勝数分け負数得点失点得失差
1JDT531651491930
2パハンFA431273372116
3スランゴールFA37107541356
4クダFA3497837298
5ペラTBG3389536315
6マラッカ・U3396736342
7トレンガヌFC307963537-2
8PJシティFC2682122229-7
9PKNS FC2156113738-1
10フェルダ・U1947112743-16
11PKNP FC1637122240-19
12KLFA1442162449-25

MFL2部プレミアリーグ
優勝:サバFA
1部昇格:サバFA、PDRM FC
3部との入替戦出場:サラワクFA

UITM FC1-1ヌグリ・スンビランFA
得点者:UITM FC-パク・ヨンジュン(24分)、ヌグリ・スンビランFA-中武駿介(63分)
 勝点30のPDRM FCがペナンFAに敗れたため、勝点28で並んでいる両チームは、この試合に勝てば1部昇格でした。UITM FCが先制するも中武駿介選手のゴールでヌグリ・スンビランFAが同点に追いつきますが、試合はそのまま終了。UITM FC、ヌグリ・スンビランFAは1部昇格ならず。
 ヌグリ・スンビランFAの中武駿介選手はスタメンでフル出場しています。

PDRM FC1-2ペナンFA
得点者:PDRM FC-パトリック・ロナルジーニョ(30分)、ペナンFA-カサグランデ(6分)、アル・ハフィズ・ハルン(53分)
 UITM FCとヌグリ・スンビランFAが引き分けたおかげで、最終節に大逆転でペナンFAが1部昇格を勝ち取ったかと思いましたが、最後に大どんでん返しが待っていました。

サラワクFA3-1スランゴール・ユナイテッド
得点者:ボビー・ゴンザレス(32分)、クロヴィス・フランクリン(60分OG)、ハドソン・ディアス(75分)、スランゴール・ユナイテッド-ノーシャミル・ガニ(6分)
 最終戦に勝利したものの、サラワクFAはプレミアリーグ最下位の11位。MFL3部に当たるM3リーグの準優勝チームであるケランタン・ユナイテッドと入れ替え戦を行います。M3リーグの優勝チーム、鈴木雄太選手が所属するクチンFAは自動昇格となり、来シーズンはプレミアリーグ入りしますが、クチンはサラワク州の州都です。例えるなら、東京都サッカー協会のチームが3部との入れ替え戦に出場する一方で、新宿区サッカー協会のチームが2部昇格となるような状況です。

トレンガヌFC II2-1サバFA
得点者:ハイディル・スハイニ(45分)、リズアン・ラザリ(55分)、サバFA-アギナルド・ポリカルポ(64分)
 トレンガヌFC IIの鈴木ブルーノ選手はスタメンでフル出場しています。

ケランタンFA2-0UKM FC
得点者:ケランタンFA-ニック・アズリ・ニック・アリアス(59分)、ニック・アキフ・シャヒラン(90分)

順位チーム勝点勝数分け負数得点失点得失差
1サバFA431343331716
2JDT II33965311912
3PDRM FC3093830273
4トレンガヌFC II308662124-3
5UITM FC2985733258
6ヌグリ・スンビランFA2985729254
7ペナンFA24641032275
8UKM FC2264192832-4
9スランゴール・U2163112437-13
10ケランタンFA174882332-9
11サラワクFA1644122544-19

*ペナンFAとケランタンFAは、過去に在籍した選手、スタッフへの給与未払い問題への対応が不十分だったことから、国際サッカー連盟FIFAの裁定により、それぞれ勝点3と勝点6を剥奪(はくだつ)されています。

MFL第21節の結果まとめ

 7月12日(金)から14日(日)にかけて行われたマレーシアフットボールリーグMFL第21節の結果は以下の通りです。(カッコ)内の成績は、第21節終了時のものです。
 次節第22節はいよいよ最終節。1部スーパーリーグはJDT、2部プレミアリーグはサバFAとすでに優勝チームは決まっていますが、1部の降格争いと2部の昇格争いは最終節までもつれており、最後まで目が離せません。

MFL1部スーパーリーグ

トレンガヌFC(7位:7勝8分6敗 勝点29)1-1パハンFA(2位:10勝7分3敗 勝点37)
得点者:トレンガヌFC-シャミン・ヤハヤ(42分)、パハンFA-モハマドゥ・スマレ(51分)

クダFA4(2位:9勝7分5敗 34)-2ペラTBG(6位:7勝9分5敗 勝点30)
得点者:クダFA-タナバラン・ナダラジャ(40分)、レナン・アルヴェス(45分)、フェルナンド・ロドリゲズ2(89分、90分)、ペラTBG-シャルル・サアド(29分)、ロナウド(79分PK)

PKNP FC1(10位:3勝7分11敗 勝点16)1-1フェルダ・ユナイテッド(11位:3勝7分10敗 勝点16)
得点者:PKNP FC-ヤシル・ピント(81分)、フェルダ・ユナイテッド-チャントゥル・スピアー(53分)
 スーパーリーグ10位と11位の対戦は引き分けに終わり、KLFAを含めた降格争いは最終節まで続きます。残り試合は、PKNP FCが現在リーグ9位のPJシティFC戦、フェルダ・ユナイテッドは2位パハンFA戦、3位クダFA戦となっています。
 またこの日の引き分けで、勝点20の8位PKNS FCと9位のプタリン・ジャヤ(PJ)シティFCは1部残留が確定しました。
 フェルダ・ユナイテッドの池田圭選手、渡邉将基選手はどちらもベンチ入りしませんでした。

スランゴールFA(4位:9勝7分5敗 勝点34)3-0プタリン・ジャヤ(PJ)シティFC(10位:6勝2分12敗 勝点20)
得点者:スランゴールFA-エンドリック(43分)、カイリル・ムヒミーン(57分)、イフェダヨ・オルセグン(61分)
 PJシティFCは、スランゴールFAに大敗したものの、10位のPKNP FCと11位のフェルダ・ユナイテッドが引き分けたため、1部スーパーリーグ残留が決まりました。今シーズンからスーパーリーグでプレーするPJシティFCにとっては、最低限の目標は達成できたシーズンだったのではないでしょうか。
 スランゴールFAはこの日の勝利でリーグ3位のクダFAと勝点で並んだものの、得失点差により4位となっています。

クアラ・ルンプール(KL)FA(12位:4勝2分15敗 勝点14)-ジョホール・ダルル・タクジムJDT(1位:16勝4分0敗 勝点52)
得点者:JDT-ゴンザロ・カブレラ(15分)、ジオゴ2(28分、71分)、ナジム・ファイズ(61分)
 スーパーリーグ最下位のKLFAはこの日の敗戦で6連敗。最終節のペラTBG戦を残して11位のフェルダ・ユナイテッドとは勝点差2となり、自力での降格圏脱出は無くなりました。

なおマラッカ・ユナイテッド対PKNS FCの試合は、PKNS FCにインフルエンザ感染者が出たことから7月16日(火)に延期となっています。

MFL2部プレミアリーグ

UKM FC(8位:6勝4分9敗 勝点22)3-2JDT II(2位:9勝6分5敗 勝点33)
得点者:UKM FC-ミラド・ザニドプール(20分)、マテオ・ロスカム2(23分,52分)、JDT II-イザフィック・ルジ(25分)、ロザイミ・ラーマン(90分PK)

スランゴール・ユナイテッド(9位:6勝3分10敗 勝点21)3-1トレンガヌFC II(7位:7勝6分6敗 勝点27)
得点者:ダンコ・コヴァチェヴィッチ(41分)、ファン・シンヨン2(60分、80分)
 スランゴール州内のプロクラブ再編の渦中にいるスランゴール・ユナイテッドは連敗を5でストップさせています。
 トレンガヌFC IIの鈴木ブルーノ選手はスタメンでフル出場しています。

サバFA(1位:13勝4分2敗 勝点43)1-0ケランタンFA(10位:3勝8分8敗 勝点14)
得点者:サバFA-アフメット・アタエフ(58分)
*ケランタンFAは、国際サッカー連盟FIFAの裁定により、勝点3を剥奪されています。

ヌグリ・スンビランFA(5位:8勝4分7敗 勝点28)2-3PDRM FC(4位:9勝3分7敗 勝点30)
得点者:ヌグリ・スンビランFA-ウチェ・アグバ(4分OG)、ズルファミ・ハディ(70分)、PDRM FC-ウチェ・アグバ(36分)、リ・チャンフン2(85分、90分)
 1部スーパーリーグ昇格を争うチーム同士の直接対決は、PDRM FCが勝利し、次節の最終節第21節ペナンFA戦で勝利すれば、自力での1部昇格が決まります。
 一方のヌグリ・スンビランFAはこの日の敗戦で自力昇格がなくなり、最終節で昇格を争うUITM FCに勝利し、PDRM FCが引き分けあるいは敗れた場合に昇格となります。
 ヌグリ・スンビランFAの中武駿介選手はスタメンでフル出場しています。

ペナンFA(6位:7勝6分6敗 勝点27)6-3サラワクFA(11位:3勝4分12敗 勝点13)
得点者:ペナンFA-アル・ハフィズ・ハルン2(5分、32分)、セルジオ・アグエロ(8分)、カサグランデ2(14分、28分)、ジュリアン・ボッタロ(52分)、サラワクFA-ボビー・ゴンザレス2(65分、81分)、アリフ・ハッサン(75分)
 この日の勝利でわずからながら1部昇格の可能性が残ったペナンFA。最終節のPDRM FC戦に勝利し、ヌグリ・スンビランFA対UTIM FCの試合が引き分けになった場合にのみ昇格となります。

MFL第20節の結果まとめ

MFL1部スーパーリーグ

12チームで争われるマレーシアフットボールリーグ1部スーパーリーグは今節を含めて残り3試合。既にジョホール・ダルル・タクジムJDTが6シーズン連続となる優勝を決めていますが、JDT以外の各チームの最終順位はまだ決まりません。また熾烈な2部プレミアリーグへの降格争いも注目です。試合結果の左側がホームチーム、(カッコ)内は第20節終了時点での順位と成績です。

パハンFA(2位:10勝6分3敗 勝点36)3−2PKNS FC(8位:10勝5分5敗 勝点20)
得点者:パハンFA-エラルド・グロン(31分)、ムスリム・アーマド(43分)、マシュー・デイヴイズ(89分)、PKNS FC-クパ・シャーマン(61分)、ガブリエル・ゲラ(67分)
 追いすがるPKNS FCを最後に突き放してパハンFAが勝利。得点は全てコーナーキックからで、ゴールを決めたのは全員がDFでした。
 PKNS FCはリーグ得点王のクパ・シャーマンが今シーズン13個目のゴールを決めたものの、スランゴールFAのBチーム化の可能性が取り沙汰されてから、この日の敗戦で過去10試合で1勝という不調が続いています。

マラッカ・ユナイテッド(3位:9勝5分6敗 勝点32)2-1PKNP FC(10位:3勝6分11敗)
得点者:デイヴィー・クロード・アンガン(42分)、パトリック・ライヒェルト(59分)、PKNP FC-ジャンカルロ(14分)

トレンガヌFC(7位:7勝7分6敗 勝点28)2-2クダFA(4位:8勝7分5敗 勝点31)
得点者:サンジャル・シャアフメドフ(33分)、チェチェ・キプレ(90分)、クダFA-シャキル・ハムザ(5分)、バドロル・バクティアル(45分)

ペラTBG(6位:7勝9分4敗 勝点30)3-2スランゴールFA(5位:8勝7分5敗 勝点31)
得点者:ペラTBG-カレッカ2(43分、63分)、レアンドロ・ドス・サントス(45分PK)、スランゴールFA-テイラー・リガン(29分)、エンドリック(45分)

クアラ・ルンプール(KL)FA(12位:4勝2分14敗 勝点14)0−2フェルダ・ユナイテッド(11位:3勝6分10敗 勝点15)
得点者:フェルダ・ユナイテッド-カイルル・アムリ(41分)、ザハリ・アズリ(64分)
 MFL2部降格を争う11位と12位の直接対決。前節のスランゴールFA戦では、その実力もないにも関わらずバルセロナのようなパスサッカーをしようとして負けた、とニザム・ジャミル監督が選手を批判したフェルダ・ユナイテッドがFAカップ準決勝に続いて土壇場での驚異的な粘りを見せ、最下位を脱出しました。次節は勝点で並んでいる10位のPKNP FCとの対戦です。
 フェルダ・ユナイテッドに代わって最下位となったKLFAは、フェルダ・ユナイテッドよりも消化試合数が1試合多く、残りの試合はJDT(ホーム)とペラTBG(アウェイ)と厳しい相手との試合が残っています。
 フェルダ・ユナイテッドの池田圭選手は71分から途中出場し、渡邉将基選手はベンチ入りしませんでした。

また7月10日(水)に予定されていたジョホール・ダルル・タクジムJDCT対プタリン・ジャヤ(PJ)シティFCの試合は、JDTの選手、コーチ、チームスタッフの多くがインフルエンザに感染したため、7月16日へと延期になっています。以下、その他の試合の結果です。(下はMFLのFacebookに掲載されたJDT対PJシティFCの試合延期の告知)

MFL2部プレミアリーグ

スランゴール・ユナイテッド(9位:5勝3分10敗 勝点18)2−6UKM FC(8位:5勝4分9敗 勝点19 )
得点者:スランゴール・ユナイテッド-ファン・シンヨン(50分)、ノーシャミル・ガニ(67分)、UKM FC-ミラド・ザニドプール3(31分、36分、75分)、サイド・ソブリ(45分)、マテオ・ロスカム2(53分、90分)

UITM FC(3位:8勝4分7敗 勝点28)1-2サバFA(1位:12勝4分2敗 勝点40)
得点者:UITM FC-ザルコ・コラチ(32分)、サバFA-ロドリュブ・パウノヴィッチ(58分PK)、アギナルド(67分)
 昇格を争うUITM FCにサバFAが快勝。この日の勝利でサバFAの勝点は40となりました。2位のJDT IIがこの日敗れて勝点33となり、残る1試合に勝利してもサバFAの勝点には追いつかないため、サバFAの優勝が決まりました。(下はMFL2部プレミアリーグ優勝を決めたサバFAの選手たち-サバFAのFacebookより)
 またこの試合はプレミアリーグの得点王を争うUITM FCのザルコ・コラチとサバFAのロドリュブ・パウノヴィッチの争いでもありましたが、両選手がそれぞれ今シーズン13個目と11個目のゴールを決めています。

ヌグリ・スンビランFA(4位:8勝4分6敗 勝点28)3-1ジョホール・ダルル・タクジムJDT II(2位:9勝6分4敗 勝点33)
得点者:ヌグリ・スンビランFA-アルミール(2分)、マテウス・フェルナンデス(63分)、イゴール・ルイズ(87分)、JDT II-ロザイミ・ラーマン(29分PK)
 この日の勝利で1部スーパーリーグ入りを争うUITM FCと勝点では並んだヌグリ・スンビランFA。消化試合はUITM FCより1試合少なく、次節第21節は勝点差1の5位PDRM FCとの対戦が、そして最終節第22節ではそのUITM FCのホームでの直接対決が控えています。
 ヌグリ・スンビランFAの中武駿介選手はスタメンでフル出場しています。
 中武選手といえば、当地の日本語ミニコミ誌Senyum7月号にインタビューが掲載されました。

サラワクFA(11位:3勝4分11敗 勝点13)1-0トレンガヌFC II(6位:7勝6分5敗 勝点27)
得点者:サラワクFA-ハドソン・ディアス(24分)
 トレンガヌFC IIの鈴木ブルーノ選手はスタメンでフル出場しています。

PDRM FC(5位:8勝3分7敗 勝点27)3-1ケランタンFA(10位:3勝8分7敗 勝点14)
得点者:ウチェ・アグバ2(51分、90分)、ファクリ・アイマン(57分)、ケランタンFA-ダニアル・ハキム(86分)
 ケランタンFAは国際サッカー連盟FIFAの裁定により、今シーズンの勝点3を剥奪(はくだつ)されています。

観戦記:7月10日MFL1部スーパーリーグ第20節クアラ・ルンプールFA対フェルダ・ユナイテッド@クアラ・ルンプールフットボールスタジアム

マレーシアフットボールリーグMFL1部スーパーリーグは、ジョホール・ダルル・タクジムJDTが早々と優勝を決めた一方で、2部プレミアリーグへの降格争いは熾烈を極めています。そんな中、現在11位で勝点14のクアラ・ルンプール(KL)FA対12位で勝点12のフェルダ・ユナイテッドの試合をKLFAのホーム、KLフットボールスタジアムで観戦してきました。

KL市内から少し離れたKLフットボールスタジアムに着いたのは試合開始30分ほど前でした。

スタジアムに横付けするようにフェルダ・ユナイテッドのバスが停まっていました。

早速チケット売り場でチケットを購入。「大人1枚」と頼むと、何も聞かずにオープンスタンド席のチケットをくれました。大人は15リンギ(約400円)です。

このスタジアムでの前回の観戦はKLFA対隣接する州に本拠地を持つスランゴールFAのクランバリーダービーだったので、少々観客はいましたが、今日はその時よりも観客ははるかに少なかったです。そして試合途中でこの日の入場者数アナウンスを聞いてびっくり。なんと253人でした…。

試合前の選手整列。フェルダ・ユナイテッドはマレーシア政府の官庁の一つである連邦土地開発庁が所有するクラブチーム。試合前にはフェルダの社歌(?)、クアラルンプール連邦直轄市の歌、そしてマレーシア国歌が演奏されました。整列する選手たちの後ろにはMFLの旗と、マレーシアサッカー協会FAMが最近力を入れている「人種差別にレッドカードを!」のスローガンが書かれた旗があります。

いよいよ試合開始。フェルダ・ユナイテッドには2名の日本人選手が在籍していますが、DFの渡邉将基選手、FWの池田圭選手は共にベンチスタートです。今シーズン前半までは、KLFAにもDFの苅部隆太郎選手が在籍していましたが、5月のトランスファーウィンドウが開いた際に日本にいるご家族の事情で退団し、現在は以前も在籍していたタイ1部リーグのチャイナートFCでプレーしています。
 試合の出だしはKLFAが一方的にフェルダ・ユナイテッドを攻めていましたが、徐々にフェルダ・ユナイテッドもコーナーキックやフリーキックを獲得してKLFAのゴールに迫ります。そして試合が動いたのは41分。ゴール前の混戦からフェルダ・ユナイテッドのシンガポール代表FWカイルル・アムリのゴールで均衡が破れました。写真右はカイルル選手に駆け寄るフェルダ・ユナイテッドの選手たち。

前半はこの1点で終了し、フェルダ・ユナイテッドがリードして後半に入ります。

ハーフタイムには、スタジアム前にあるフードトラックパークでたこ焼きを買って腹ごしらえ。お味の方は…微妙でした。

後半の71分にはフェルダ・ユナイテッドの20歳のMFザハリ・アズリがスーパーリーグ初ゴールを決め、リードが2点に広がりました。ゴール後、KLFAの選手たちは呆然としていました。

フェルダ・ユナイテッドの10番、池田圭選手は最初のゴールを挙げたカイルル・アムリ選手と交代で途中出場です。

2点目を取られてからのKLFAは、ゴール前にロングボールを蹴り込む戦術を続けましたが、シュートまで結びつかないボールが多く、素人目に見てもあまり効果はあげられていませんでした。またKLFAは前線と中盤の間が徐々に開き始め、ロングボールをクリアしたフェルダ・ユナイテッドがKLFAの中盤をかわし、あわや3ゴール目かという場面が度々ありました。
 結局、フェルダ・ユナイテッドがこのまま逃げ切って勝点15となり11位に浮上、代わってKLFAが勝点14のまま最下位12位へ沈んだ、という試合でした。