MFL第4節の結果まとめ

マレーシアフットボールリーグMFLは第4節。1部スーパーリーグ6試合、2部プレミアリーグは追放処分を受けたプルリスFA対ケランタンFA戦が延期となり、5試合が行われました。
MFL1部スーパーリーグ
クアラルンプール(KL)FA(0勝0分3敗)0-1トレンガヌFC(1勝2分1敗)
得点者:トレンガヌFC-イゴル・ゾニッチ(69分)
前半は苅部隆太郎からのキラーパスでGKと1対1の大チャンスをザフリ・ヤハヤがはずなどチャンスをモノにできなかったKLFAをトレンガヌFCが攻め続ける展開ながら0-0で終了。後半に入ると、トレンガヌFCの攻撃陣のミスとKLFAのGKファリズアン・カマルディンが連発したスーパーセーブで両チーム無得点が続き、迎えた69分にリー・タックの左からのCKにイゴル・ゾニッチが頭で合わせてゴールし、これが決勝点となりました。KLFAは前節のペラTBG戦が延期となったため3試合を消化していますが、勝点0と苦しい状況が続いています。
 KLFAの苅部隆太郎選手はこの試合も含め、全試合に先発、フル出場しています。

プタリン・ジャヤ(PJ)(1勝1分2敗)シティFC0-2クダFA(3勝1分0敗)
得点者:クダFA-シャルル・アズワリ(7分)、フェルナンド・オルテガ(41分)
プルリスFAからサフィ・サリ、新外国人としてセルジーニョの二人のFWを獲得して攻撃陣を強化したPJシティFCが、今シーズンここまで無敗のクダFAに挑んだ試合は、7分にシャルル・アズワリがフリーでヘディングシュートを決めてクダFAが先制しました。前半終了間際の41分には、自陣ゴール前でPJシティの不用意なパスを奪ったクダFAが一気にカウンターで攻め込み、オルテガが1対1となったGKを交わしてシュートし前半は2-0で終了。後半もクダFAが攻める時間の方が長かったものの両チームとも無得点で終了しました。

ペラTBG(0勝2分1敗)1-1フェルダ・ユナイテッド(0勝3分1敗)
得点者:ペラTBG-ジウマール・ダ・シルヴァ(71分、PK)、フェルダ・ユナイテッド-ハディン・アズマン(44分)
2月19日にアジアサッカー連盟AFCチャンピオンズリーグACLプレーオフで蔚山現代に1-5と大敗したペラTBG。スーパーリーグ昨シーズン2位ながら、今シーズンはまだ勝ち星がありません。ホームにフェルダ・ユナイテッドを迎えた試合は、44分にフェルダ・ユナイテッドのキャプテン、ハディン・アズマンがFKを直接、ゴールし先制します。ペラTBGもゴール前でワンダー・ルイスが倒されて得たPKをジウマール・ダ・シルヴァが決め、同点に追いついたものの、その後は両チームとも得点できず試合終了となりました。
 フェルダ・ユナイテッドの池田圭選手と、この試合直前にフェルダ・ユナイテッドに加入した元プルリスFAの渡辺将基選手はともに先発し、フル出場しました。

JDT(3勝1分0敗)2-1マラッカ・ユナイテッド(3勝0分1敗)
得点者:JDT-ゴンザロ・カブレラ(35分、PK)、サファウィ・ラシド(43分)、マラッカ・ユナイテッド-パトリック・ライヒェルト(74分)
ここまで無敗同士が対戦する今節最も注目のカードは、35分にマラッカ・ユナイテッドのジャン・スクウォンが自陣ゴールエリアでハンドの反則を犯し、そのPKをゴンザロ・カブレラが決めてJDTが先制しました。43分にはジオゴのヒールパスから抜け出したサファウイ・ラシドがDF二人とGKをかわしてゴール。マラッカ・ユナイテッドも74分、JDT守備陣のパスをダルコ・マルコヴィッチがカット、そこからパトリック・ライヒェルトがゴールしますが、反撃はここまで。マラッカ・ユナイテッドは今シーズンの初黒星を喫しました。
 勝点3は満足だが、試合内容には不満が残るとしているJDTのルシアーノ・フィゲロア監督は、3月5日に控えるアウェイの鹿島アントラーズ戦に向け、選手の奮起を促したいとしています。

PKNS FC(2勝1分1敗)1-0PKNP FC(0勝1分3敗)
得点者:PKNS FC-クパ・シャーマン(2分)
ともに州政府設立の開発公社を母体とするクラブ同士の「公社ダービー」は、前節にスランゴールFAを4-0で破ったPKNS FCがクパ・シャーマンのゴールで先制し、GKザリフ・イルファンの活躍とPKNP FCのシュートが何度もゴールポストに阻まれる幸運のおかげでそのまま逃げ切りました。PKNP FCはシュート数ではPKNS FCを上回ったものの、1点が取れませんでした。
 PKNS FCはここまで4試合で3得点と好調のクパ・シャーマンが、69分にそれまでマンマークされ続けていたPKNP FCのフィリピン人DFアマニ・アギナルドへ肘打ちを食らわせて一発退場となっています。次節は首位クダFAとの対戦が控えており、チームにとっても痛いレッドカードでした。
 3試合で6失点のPKNP FCは、今シーズン初先発のGKカイルル・タキフの中途半端なパスから失点し、PKNS FCが10人となった機会を生かせませんでしたが、上記の新戦力のアマニ・アギナルドが存在感を見せつけ、課題となっていた守備陣の立て直しが期待できる試合でした。

パハンFA(2勝1分1敗)1-1スランゴールFA(0勝3分1敗)
得点者:パハンFA-ワン・ザフルニザム(34分)、スランゴールFA-ルフィノ・セゴヴィア(62分)
この試合前まで3試合で3得点のFWディクソン・ヌワカエメの代わりに、昨年末のアセアンサッカー連盟AFF選手権スズキカップで活躍したFWノーシャルル・イドラン・タラハを起用したパハンFAのドラー・サレー監督の戦略は、34分にムハマドゥ・スマレー、ゼ・ラブとつないだパスをワン・ザフルニザムがゴールし的中したように見えました。しかし、パハンFA攻撃陣が追加点のチャンスを逃していた間に、スランゴールFAが62分にキャプテンのルフィノ・セゴヴィアのゴールで追い付きます。パハンFAにとって誤算だったのはDFエラルド・グロンが2枚めのイエローで73分に退場となったこと。74分にはディクソン・ヌワカエメを投入し、勝点3を取りに行きますが、結局1-1のまま試合終了。上位陣から離されたくないパハンFAでしたが、不調のスランゴールFA相手に手痛い引き分けとなりました。

MFL2部プレミアリーグ
サラワクFA(1勝0分3敗)1-2サバFA(2勝1分1敗)
得点者:サラワクFA-ペドロ・エンリケ(44分)、サバFA- ロドリュブ・ パウノヴィッチ(36分)、サブリ・サハル(39分)
マレーシアはマレー半島部と、東マレーシアと呼ばれるボルネオ島に分かれていますが、そのボルネオ島に本拠地を持つ両チームの「ボルネオダービー」は、両クラブの勢いがそのまま現れた結果になりました。

PDRM FC(0勝1分3敗)0-1スランゴール・ユナイテッド(3勝0分1敗)
得点者:スランゴール・ユナイテッド-ラスラム・カーン(27分)
MFL3部にあたるFAMカップ(現Mリーグ3)から昇格し、初めてプレミアリーグで戦うスランゴール・ユナイテッドは好調を維持、この勝利で単独2位に浮上しています。

トレンガヌFC II(2勝1分1敗)0-0UKM FC(1勝1分2敗)
得点者:なし
トレンガヌFC IIの鈴木ブルーノ選手は、この試合で4試合連続の先発でフル出場していますが、開幕戦以来のゴールはなりませんでした。

UITM FC(2勝0分2敗)1-2JDT II(4勝0分0敗)
得点者:UITM FC-ムハマド・ラフィ・マット・ヤコブ(12分)、JDT II-ブルーノ・ソアレス(20分)、モハマド・ロザイミ・アブドル・ラーマン(45分)
JDT IIは開幕から4連勝で首位をキープ。

ヌグリ・スンビランFA(1勝2分1敗)1-1ペナンFA(1勝1分2敗)
得点者:ヌグリ・スンビランFA-中武駿介(32分)、ペナンFA-ジュリアン・ボッターロ
ここまで全試合先発でフル出場の中武駿介選手は、この試合も先発でフル出場し、今シーズン2点目を決めています。

2月23日のニュース(2):渡辺将基がプルリスFAからフェルダ・ユナイテッドへ移籍、プルリスFAに7日間の不服申立期間が与えられる、PDRM FCは1ヶ月以内の未払い給料支払いを約束

渡辺将基がプルリスFAからフェルダ・ユナイテッドへ移籍
マレーシアフットボールリーグMFL2部プレミアリーグから給料未払い問題により追放処分を受けたプルリスFAでプレーしていたDF渡辺将基(32)が、1部スーパーリーグのフェルダ・ユナイテッドへ移籍しました。開幕3試合で追放となったプルリスFA(正確には7日間の不服申立期間が与えられており、その間は追放は確定してはいませんが)では、3試合ともフル出場し、モチベーションはわかりませんが、コンディションは悪くないはずです
 フェルダ・ユナイテッドには今シーズンからMF池田圭もサガン鳥栖より加入しており、MFLでは初となる(多分)1クラブに渡辺選手と池田選手の日本人2名が在籍することになります。開幕から2分1敗、得点2失点6で8位に低迷しているフェルダ・ユナイテッドのモハマド・ニザム・ジャミル監督は、渡辺選手に対し開幕3試合で不足していた守備陣のリーダーの役割を期待しているとコメントしています。
 またフェルダ・ユナイテッドは、ケガのためバーレーン人FWジェイシー・ジョンとの契約を解除し、昨シーズンはJ3の鹿児島・ユナイテッドに所属し、Jリーグ通算150試合出場で35得点というブラジル人FWチアゴ・キリノ・ダ・シウヴァ(34)も獲得しています。前節ではクダFAに0-4で敗れたフェルダ・ユナイテッド。攻撃陣と守備陣立て直しのため、渡辺、キリノ両選手は今日のペラTBGとの試合から出場予定です。

プルリスFAに7日間の不服申立期間が与えられる
2018年シーズンにプレーした18名に対して48万マレーシアリンギ(日本円で1300万円ほど)の給料未払い問題があり、また今シーズンも開幕から2ヶ月の給料が所属選手に払えておらず、今後の経営計画が不透明なことにより、MFLからの追放処分を受けたプルリスFAに対し、MFLは7日間の不服申立期間を与えることをMFLのケヴィン・ラムリンガンCEOが述べています。2月20日のMFL理事会では全会一致でプルリスFAの追放が議決されましたが、その議決を覆すだけの十分な条件が提示されれば、MFLは再考するとしています。
 またプルリスFAに代わってプレミアリーグ参加を求めていたトレンガヌ・シティFC(TCFC)については、この要求を却下しています。TCFCは昨シーズン、MFL3部にあたるFAM Cup(現Mリーグ3)でスランゴール・ユナイテッドを破って優勝し、自動昇格の権利を得ていましたが、このチームも給料未払い問題があったため、MFLによって権利を剥奪されていました。このためプレミアリーグには代わってスランゴール・ユナイテッドが昇格しています。
 プルリスFAの追放処分については、プルリスFAのダト・アーマド・アミザル・シャフィト・ラフィ会長が、MFLチェアマンでJDTのオーナーでもあるTMJことトゥンク・イスマイル・スルタン・イブラヒム殿下に直接、クラブの現状を説明したいと訴えたり、前プルリスFA会長のダト・スリ・シャヒダン・カシム前プルリス州知事が州政府が責任を持って、プルリスFAのプレミアリーグ復帰を支援するべきとツイートするなど、まだまだ辞退の行方がわかりません。

PDRM FCは1ヶ月以内の未払い給料支払いを約束
もはやMFLのあるあるネタと言っても良い給料未払い問題関連で、警察が母体のPDRM FCは未払い給料を1ヶ月以内に支払うことを約束しました。手始めとして、12人のマレーシア人選手と4名のスタッフに対して、合計52万2000マレーシアリンギ(約1400万円)をMFLからの補助金からと、スポンサーとなっているカフェ・レストランチェーンのPappaRichの支援で未払い給料を支払ったとしています。
 しかし4名の外国人選手と2名のスタッフに対しては、まだ約70万マレーシアリンギ(約1900万円)の未払い分があるということです…。



2月23日のニュース:AFF U22はミャンマーに勝利も準決勝進出ならず、PKNS FCとスランゴールFAの間で選手のトレード、その他の移籍情報など

AFF U22はミャンマーに勝利も受験決勝進出ならず
先程終わったアセアンサッカー連盟AFFのU22選手権グループステージ最終戦でマレーシア代表は今大会2得点目となるFWハディ・ファイヤッド(ファジアーノ岡山)のゴールでミャンマー代表に1-0で勝利し、今大会初勝利を挙げました。しかしグループBのもう一つの試合でインドネシアがカンボジアに2-0で勝利したため、カンボジア(2勝1敗で勝点6)、インドネシア(1勝2分で勝点5)、マレーシア(1勝1分1敗で勝点4)、ミャンマー(1分2敗で勝点1)となり、カンボジアとインドネシアが決勝進出となり、マレーシアとミャンマーはグループステージ敗退となりました。
 FIFAカレンダーに含まれない大会ということで、U22代表オン・キムスイ監督が招集した選手の内5人がクラブから招集を拒否されるなど、ベストメンバーで臨むことができなかった大会でしたが、オン監督がこの大会を通じて使えると判断した選手に、今回招集されなかった選手たちが合流して、マレーシア U22代表は3月にクアラルンプールで行われるアジアサッカー連盟AFC U23選手権予選兼東京オリンピック予選を戦います。

スランゴールFAとPKNS FC間でトレード
トランスファーウインドウが閉じ、続々と移籍情報が入ってきています。同じシャー・アラムスタジアムをホームとするスランゴールFAとPKNS FCとの間ではトレード(?)が行われました。スランゴールFAからはDFのカライセルヴァン・カナン(22)が、PKNS FCからはMFモハマド・ファンディ・オスマン(26)がそれぞれ期限付き移籍でクラブを交換しました。カナン選手は今シーズンここまでベンチ入り無し、一方ファンディ選手は開幕戦では先発したものの、第2節ではベンチ入りも出場なし、第3節も後半途中からの出場にとなっていました。

両選手のトレードを伝えるスランゴールFAのFacebookポスト

その他の移籍情報
スランゴールFAの動きが活発です。上記のトレードのほか、2015年から2018年までクダFAでプレーした経験のあるMFサンドロ・ダ・シルヴァを獲得しています。クダFAではFAカップやマレーシアカップ優勝経験のあるサンドロ選手は攻撃陣に取って強力な戦力アップになりそうです。また、サンドロ選手の入団で、開幕戦ではゴールを決めたものの、期待通りの活躍ができていないFWアントニオ・ジャーマン選手は退団になるのではと予想されています。

もう一つスランゴールFA関連の移籍です。2部プレミアリーグを給料未払い問題のために追放されたプルリスFAの選手たちの移籍期間はトランスファーウインドウが閉じた後も30日の猶予が与えられています。そんな中、FWモハマド・キリル・ムヒミーン・ザンブリ(31)はスランゴールFAに移籍しました。代表キャップ数31、代表ゴール5の実績で、低迷するスランゴールFAの浮上に貢献することが期待されています。

キリル・ムヒミーン選手入団を知らせるスランゴールFAのFacebookポスト

開幕から負け無しのJDTも新たな外国人を獲得しています。新たな外国人とは言ってもMFレアンドロ・ヴァレスケスは2015年にJDTがアジアサッカー連盟AFCカップで優勝した際に決勝点とあげたヒーローです。アセアンサッカー連盟AFFに所属する国でAFCカップ優勝経験のあるのはJDTだけ、その結果でクラブのランキングが上がりAFCカップから昇格しAFCチャンピオンズリーグACLへ出場できるようになった立役者と言っても良いかも知れません。
 なおレアンドロ選手獲得にともない、今シーズン開幕前に獲得したアロン・ニゲスは契約期間を残したまま退団となりました。

2月22日のニュース:AFFU22選手権はインドネシアと引き分け、マレーシアの新国王はFIFAの役職を辞任、PDRM FCは開幕3試合で新外国人を解雇

AFFU22選手権はインドネシアと引き分け
カンボジアで開催中のアセアンサッカー連盟AFFのU22選手権で、マレーシア代表はインドネシア代表と対戦し2−2の引き分けでした。初戦のカンボジア代表戦を0−1で落としているだけに、準決勝進出に向けては痛い引き分けでした。試合は前半を0−0で折り返した後の54分に、インドネシア代表がFWマリヌス・ ワネワルが自らのシュートのこぼれ球を決めて先制しますが、マレーシア代表も62分にゴールエリアの外で得たFKをケガから復帰したMFニック・アキフ・シャヒラン・ニック・マット(ケランタンFA)が直接ゴールし同点に追いつきます。その後、インドネシアは78分にMFウイタン・スライマンがゴールエリアの外から素晴らしいゴールを決め再びリードを奪いましたが、83分にFWハディ・ファイヤッド(ファジアーノ岡山)がCKを頭で合わせてゴールし、なんとか引き分けに持ち込みました。
 ダイジェスト映像を見ただけの印象ですが、前半はほぼ一方的にインドネシア代表に攻め込まれていた様子で、インドネシア攻撃陣のミスなどもあり無失点で切り抜けたのがむしろ奇跡だったようでした。
 これでマレーシア代表は2試合を終え勝点1、インドネシア代表が勝点2となりました。グループBのもう一つの試合はカンボジア(勝点6)が2−0でミャンマー(勝点1)を破っています。今日2月22日の試合でミャンマー代表に勝ち、インドネシア代表がカンボジア代表に負ければ準決勝進出、引き分けなら得失点差(現在はインドネシア代表±0、マレーシア代表-1)次第となります。
 なおもう一方のグループAは各チーム2試合を終え、ベトナムとタイがそれぞれ勝点6、フィリピンと東ティモールが勝点0となっており、ベトナムとタイが最終戦を待たずに準決勝進出を決めています。

結果を知らせるFAMのFacebookポスト

マレーシアの新国王がFIFAの役職を辞任
FIFA評議会(FIFA Council)のアジアサッカー連盟AFC選出メンバーであったマレーシアの新国王アブドゥラ・スルタン・アフマド・シャー陛下が1月24日付けで辞職したことを、FIFAのジャンニ・インファンティーノ会長が発表しました。FIFA評議会のメンバーを2015年より務められていたアブドゥラ殿下は、それ以前も1994年からFIFAの様々な委員会の役職についており、実際には25年に渡ってFIFAに貢献してきました。
 パハン州の皇太子であったアブドゥラ陛下は、今年1月15日に父であるパハン州スルタン(州王)のスルタン・アーマド・シャー陛下が体調不良により退位により新たなスルタンとなりました。その後、当時のマレーシア国王であったムハンマド5世陛下が1月6日に任期を3年残し、イギリスからの独立後としては初となる任期途中での退位をしたことにより国王の座は空位となっていました。マレーシアは国内にある9州のスルタンが輪番制で国王を務めており、今年1月24日に開催された各州のスルタンによる「統治者会議」でアブドゥラ殿下が新国王に選出され、今年1月31日に即位したばかりでした。

PDRM FCは開幕3試合で新外国人を解雇
トランスファーウインドウが閉じる前にマレーシアでのプレー経験があるリベリア人FWパトリック・ウレーを獲得したPDRM FCは、開幕から3試合でモンテネグロ出身のMFベンジャミン・レクソヴィクを解雇しています。開幕戦にスタメン出場したものの、その後はベンチ入りすらしていなかったレクソヴィク選手は、3試合で2点しか挙げられていないPDRM FCの攻撃陣強化のために獲得したウレー選手によってはじき出された形になりました。

2月21日のニュース:プルリスFAはMFLより追放、各クラブが新外国人加入を発表、2016年のFIFAプスカシュ賞受賞者は現在所属クラブなし

プルリスFAはMFLより追放
マレーシアフットボールMFLのケヴィン・ラムリンガンCEOは、2019年シーズンのプレーを継続するために十分な経営状況にないとして、プルリスFAのMFLよりの即時追放を発表しました。今シーズン開幕前から、いやMFL2部プレミアリーグ昇格前から懸念されていた給料未払い問題で揺れ続けたプルリスFAは、予想されていたとは言え最も残念な形で退場することなりました。
 昨シーズン終了後の1部スーパーリーグと2部プレミアリーグのチーム入れ替えの際、12チームで構成されるプレミアリーグからは1位のフェルダ・ユナイテッドと2位のフェルクラFCが昇格することになっていましたが、経営状況悪化からフェルクラFCが解散となり、3位のMIFA(現在のプタリン・ジャヤ(PJ)シティFC)が繰り上がりで昇格しました。1部スーパーリーグからはケランタンFAとヌグリ・スンビランFAが降格したものの、合計11チームとなり、3部FAMカップ(現Mリーグ3)から追加で昇格チームを選ぶことになりました。その際に候補に上がったのがATM FC(軍隊のクラブチーム)、クチンFAとプルリスFAの3クラブ。MFLが経営状況やファンの支持などを総合的に評価した結果、プルリスFAが選ばれました。実はこの時点で給料未払い問題が既に発覚しており、それにもかかわらず昇格したため「裏口入学」ならぬ「裏口昇格」とも言われました。MFL側は昇格を決定した時点では問題が見られなかったとしていますが、シーズン途中で11チームになってしまうようなプルリスFAを選んだMFLにも責任がある気がします。
 選手の移籍期間が終了していますが、プルリスFAに所属していた選手に対しては、30日間の猶予を与える特別措置が取られ、この間に選手たちは新たな所属先を探すことになります。

プルリスFAのFacebookより。Singa Utaraはチームの愛称Northern Lionsを、Dalam Kenanganは「故人を偲ぶ」という意味のマレーシア語、1963はプルリスFAが創設された年を表しています。

各クラブが新外国人加入を発表
トランスファーウィンドウは昨日、2月20日に閉じました。この期間中にPDRM FCは新外国人選手としてリベリア出身のFWパトリック・ロナウジーニョ・ウレー(27)と契約しました。ウレー選手は2012年から2018年までPKNS FCやスランゴールFAなどでプレー経験もあります。PDRM FCは開幕から3試合で0勝2分1敗、2得点5失点という成績で、12チームで構成されているマレーシアフットボールリーグMFL2部プレミアリーグで最下位です。ウレー選手の加入でPDRM FCの得点力不足の解消が期待されています。
 またPKNP FCもフィリピン出身のDFアマニ・アギナルド(23)を獲得しています。既にフィットネステストは終えており、国際移籍証明書ITCが届けば、今週末の試合に出場できる状態のようです。PKNP FCは今シーズンここまで、MFトマス・アビー(ガーナ)、FWカリドゥ・イエロ(セネガル)、DFシヨブシュ・アスロロフ(タジキスタン)、FWヤーセル・ピント(パレスチナ)4名の外国員で戦っており、アギナルド選手の加入で外国人枠5が全て埋まったことになります。
 プルリスFAからサフィ・サリー選手が移籍したプタリン・ジャヤ(PJ)シティFCにも、ブラジル人MFセルジーニョ(30)が加盟しています。タイや韓国でのプレー経験があるセルジーニョ選手の加入で、既に5人の外国人枠が埋まっていたPJシティFCは、第3節でゴールを上げているFWジャンカルロ・ロドリゲスをPKNP FCへ期限付き移籍させています。

2016年のFIFAプスカシュ賞受賞者は現在所属クラブなし
FIFAが制定するFIFAプスカシュ賞はその年の最も優れたゴールをした選手を対象とした賞ですが、2016年には当時ペナンFAに所属していたモハマド・ファイズ・サブリが、まるで物理の法則に逆らうかのような軌道の素晴らしいフリーキックが、オンライン投票で60%近い票を集め受賞しています。ところがこのサブリ選手は現在、所属クラブがない状態になっています。2018年シーズン終了後にペナンFAとの契約を満了し、その後はペナンFAからセレクション参加を求められるもこれを拒否、家庭の事情で他クラブへの移籍もできず、現在に至っているようです。しかしサブリ選手自身はサッカーを諦めておらず、次のトランスファーウインドウが開く5月にMFL復帰を目指しているようです。

2月20日のニュース:サフィ・サリーはPJシティFCへ移籍か、サティアナタン監督は続投へ、ペラTBGはACLプレイオフで敗退

サフィ・サリーはPJシティFCへ移籍か
給料未払い問題の解決が進まないプルリスFAの元代表FWサフィ・サリーが移籍を決めたようです。現在の練習場となっているクアラルンプールのマラヤ大学グラウンドで、プルリスFAとの契約が解除されていないため移籍先のクラブ名はまだ明かせないものの、クランバリー(クアラルンプールとスランゴール州一体の総称)に本拠地を持つクラブへの移籍を決意したと述べています。
 この日がプルリスFAとの最後の練習となるだろうと述べたサフィ選手は、これまで既に5つのクラブからオファーを受けていることを認め、それらはかつて所属したスランゴールFAの他、プタリン・ジャヤ(PJ)シティFC、ケランタンFA、UITM FCなどであると述べています。複数のメディアがPJシティFC入りの可能性が高いとしていますが、果たしてどのチームが2010年のアセアンサッカー連盟AFF選手権スズキカップの得点王を獲得するのでしょうか。

サフィ選手の移籍先と噂されるPJシティFCのFacebookにはこんなティザー告知が…。

サティアナタン監督は続投へ
開幕からの3試合で0勝2分1敗と苦戦が続くスランゴールFA。第3節は同じシャー・アラムスタジアムをホームにするPKNS FCとの対戦でしたが0−4と大敗しました。この試合の後、サティアナタン監督は今後の進退については、スランゴール州サッカー協会に一任するとしていました。これについて州サッカー協会のジョハン・カマル・ハミドン事務局長は、サティアナタン監督と州サッカー協会会長でスランゴール州皇太子のテンク・アミル・シャー・スルタン・シャラフディン・イドリス・シャー殿下が話し合いを持ったことを認め、その席では進退についての議論はなく、協会としてはサティアナタン監督を支え、クラブが抱えている問題をどう解決するかに時間を割いたことも述べています。
 また3試合で1得点と期待通りの働きができていないという非難が集まっているアントニオ・ジャーマンについては、トランスファーウインドウが閉じるまでに代わりを務める選手が見つからない限りは、契約解除の予定はないとしています。

ペラTBGはACLプレイオフで敗退
2月19日にアジアサッカー連盟AFCチャンピオンズリーグACL出場権を賭けたプレーオフを韓国の蔚山現代と戦ったペラTBGは5−1で敗れ、ACL本戦出場はなりませんでした。
 ペラTBGは23分にアミルル・アザン・アズナンのOGで失点したものの、前半は最小失点の0−1で折り返します。しかし後半に入ると蔚山現代のMFミックス・ディスケルドが56分、58分と立て続けにゴールを決められ突き放されます。その後もMFリ・ドンキョンが70分に、FWジュニオール・ネグラオが87分にそれぞれゴールし、ペラTBGもDFナジール・ナイム・ビン・チェ・ハシムのゴールで90分に1点を返しましたが焼け石に水。ペラTBGのACL本選出場は来年以降に持ち越しとなりました。

2月19日のニュース:U22代表はカンボジアに敗戦でスタート、KLFAがフィリピン代表獲得を発表

U22代表はカンボジアに敗戦でスタート
カンボジアで開催中のアジアサッカー連盟AFFのU22選手権で、マレーシア代表は初戦のカンボジア戦に0−1で敗れました。前半はカンボジアの攻撃をしのいでなんとか0−0で折り返したものの、60分にムハマド・ダニアル・ハキム・ドラマン(ケランタンFA)が2枚めのイエローで退場となり、マレーシア代表は10人となってしまいました。その後64分にはゴールエリアの外で得たフリーキックをMFサス・ロシブがループシュートで直接、決めて1-0となり、試合はこのまま終了しました。
 予選グループBに属するマレーシア代表は、カンボジアの他、インドネシア、ミャンマーと同組になっており、この日インドネシアとミャンマーは1-1で引き分けています。痛い黒星スタートとなったマレーシア代表は、各グループの上位2チームに出場する準決勝進出を賭けて2月20日にインドネシアと、22日にミャンマーと対戦します。
 この試合のハイライト映像はこちらです。

AFF U22選手権に出場するマレーシア代表メンバー(FAMのホームページより)

KLFAがフィリピン代表獲得を発表
先日、インドネシア人DFアクマド・ジュフリヤントとの契約を解除したクアラルンプール(KL)FAが、アセアン枠の外国人選手としてフィリピン代表のDFルーク・ウッドランドと契約しました。上記のジュフリヤント選手以外にも、ハイル・ジョーンズ選手もケガで出場できていない他、今シーズン開幕直前に代表でもプレーするシャズワン・アンディックがJDTに移籍しており、その結果が開幕からの2試合で7失点とKLFAは守備陣が完全に崩壊中。今後、このウッドランド選手中心にどの様に立て直せるかに注目が集まります。

新入団のルーク・ウッドランド選手(KL HawksのFacebookより)

MFL第3節の結果まとめ

1部スーパーリーグ
トレンガヌFC(0勝2分1敗)2-2JDT(2勝1分0敗)

得点者:トレンガヌFC-カイルル・イズアン(7分)、カマル・アジジ(90分)、JDT-サファウイ・ラシド(63分)、ジオゴ(68分)
JDTは2018年シーズンから続く連勝が12でストップ。

クダFA(2勝1分0敗)4-0フェルダ・ユナイテッドFC(0勝2分1敗)
得点者:クダFA-ザクアン・アドハ(17分)、アンマル・アルムバラキ(42分)、シャキル・ハムザ(54分)、ファズル・ダネル(74分)
クダFAはパハンFA、JDT、マラッカ・ユナイテッドと勝点7で並ぶものの、得失点差でリーグ首位に躍り出ました。

PKNP FC(0勝1分2敗)2-3プタリン・ジャヤ(PJ)シティFC(1勝1分1敗)
得点者:PKNP FC-カリドウ・イェロ(29分)、ハフィズ・ラムダン(52分)、PJシティFC-ペドロ・エンリケ(45分)、ジャンカルロ(74分)、R・バラトクマル(82分)
PKNP FCは勝点1のまま、PJシティFCは今シーズン初勝利です。

マラッカ・ユナイテッド(2勝1分0敗)1-1パハンFA(2勝1分0敗)
得点者:マラッカ・ユナイテッド-サフィク・ラヒム(90分、PK)、パハンFA-エラルド・グロン(5分)
開幕から2連勝したクラブ同士の試合は、試合終了間近にPKで引き分けに。

スランゴールFA(0勝2分1敗)0-4PKNS FC(1勝1分1敗)
得点者:PKNS FC-ニコラス・スイラッド(29分)、クパ・シャーマン(50分)、チャン・ワタナカ(80分)、ロメル・モラレス(90分)
ともにシャー・アラム・スタジアムをホームとする両クラブは、この試合ホームとなったスランゴールが屈辱的な大敗を喫しました。

第3節に予定されていたKLFA対ペラTBGの試合は、2月19日にペラTBGがアジアサッカー連盟AFCチャンピオンズリーグACLプレーオフに出場するため、順延となっています。

2部プレミアリーグ
ヌグリ・スンビランFA(1勝1分1敗)1-4UITM FC(2勝0分1敗)
得点者:ヌグリ・スンビランFA-マテウス・フェルナンデス(45分)、UTIM FC-アズリディン・ロスリ2(25分、62分)、ロベルト・メンディ(58分)、ザルコ・コラチ(90分)
UITM FCは外国人選手を除けば大学(UITMは大学名)の学生が主体のクラブ。ヌグリ・スンビランFAのように各州のサッカー協会FAによるクラブが主流のマレーシアでこの勝利はまさにジャイアントキリングです。この勝利でUITM FCは2位に浮上。

JDT II(3勝0分0敗)2-1プルリスFA(1勝0分2敗)
得点者:JDT II-ブルーノ・ソアレス(73分)、ニコラス・フェルナンデス(90分)、プルリスFA-ケヴィン・オセイ(86分)
JDT IIはプレミアリーグ唯一の全勝をキープ。給料未払い問題で揺れるプルリスFAは勝点3のまま。

スランゴール・ユナイテッド(2勝0分1敗)3-2サラワクFA(1勝0分2敗)
得点者:スランゴール・ユナイテッド-セルジオ・エゼケル(8分)、ハディ・ヤハヤ(78分、PK)、ラスラム・カーン(90分)、サラワクFA-ハドソン・ディアス(16分)、ボビー・ゴンザレス(89分)
今シーズンより3部にあたるMリーグ3(旧FAMカップ)から昇格したばかりのスランゴール・ユナイテッドの快進撃は、第3節までの最大のサプライズです。激しい雷雨の中で行われた試合は前半を終わって1-1。サラワクFAのファルハン・アブドラ監督が選手の安全を案じて一時中断を申し入れるも、主審は後半も試合を続行。しかしスランゴール・ユナイテッドが2点目を入れたところで、一転して主審が一時中断を宣言。サラワクFAの抗議も実らず、スランゴール・ユナイテッドは3位に浮上。

サバFA(1勝1分1敗)3-1トレンガヌFC II(2勝0分1敗)
得点者:サバFA-パク・テス(50分)、ルカ・ミルノヴィッチ(65分)、リコ・ナイジェル(74分)、トレンガヌFC II-ラムジ・スフィアン(40分)
サバFAのピーター・アンソニー会長が打ち出した応援用のドラムなどの楽器やバナーを持ち込む際には事前に審査を受けることを求めた新しい規制に反発した一部ファンが試合前にボイコットを呼びかけるなど、緊張した雰囲気で始まった試合でしたが、ホームのサバFAが今シーズン初勝利を挙げました。

ペナンFA(1勝0分2敗)1-0PDRM FC(0勝1分2敗)
得点者:ペナンFA-アフィク・アズミ(29分)

UKM FC(1勝0分2敗)0-1ケランタンFA(1勝1分1敗)
得点者:ケランタンFA-フラヴィオ・ベック・ジュニア(90分、PK)
カンボジアで開催されているアセアンサッカー連盟AFF U22選手権に出場するマレーシア代表に5名を送り込んでいるケランタンFAは戦力ダウンの予想を覆す今シーズン初勝利を挙げました。


2月17日のニュース:KLFAが外国人選手を解雇、MFLは7クラブに追加の経営状況報告書を要求、ムルデカ大会の出場国が決定

KLFAが外国人選手を解雇
マレーシアフットボールリーグMFLの1部スーパーリーグ第2節を終えて勝点0のKLFAは、インドネシア人DFアクマド・ジュフリヤントと契約解除に合意したことを発表しました。昨シーズンはリーグ戦22試合中、途中出場も含めると17試合に出場したジュフリヤント選手ですが、今シーズンは足首の故障が癒えず、これまでベンチ入りもしていませんでした。ジュフリヤント選手との契約は2019年末までですが、彼を含め3人の外国人選手がケガで出場できていないKLFAは、トランスファーウィンドウが閉じる前に、新たな外国人を探すことになるでしょう。ジュフリヤント選手は2019年シーズンの外国人選手解雇第1号となってしまいました。
 なおジュフリヤント選手に代わる選手として、AFCアジアカップのフィリピン代表でもプレーしたルーク・ウッドランド(ブリーラム・ユナイテッド、タイ)が加入する可能性が高く、このウッドランド選手はメディカルテストのため、明日2月18日にKL入りする予定になっています。

KLFAのチームメートに挨拶するJupeことジュフリヤント選手(中央のボーダーシャツ、KLFAのFacebookより)

MFLは7クラブに追加の経営状況報告書を要求
昨日2月15日は、マレーシアフットボールリーグMFLが給料未払い問題を抱える7つのクラブに対し、現在の経営状況に関する報告書を提出するように求めた期限でしたが、この7クラブは全てが報告書を提出したものの、MFLが精査したところ、全7クラブ全てで情報不足が判明したことから、追加の経済状況報告書の提出を求めています。当初はプルリスFAが書類の提出期限に間に合わなかった、といった報道もありましたが、とりあえずは提出できていたようです。それでも追加資料を求められたということは、この7クラブは安心できないでしょう。
 なおこの7クラブとは1部スーパーリーグのフェルダ・ユナイテッド、クアラルンプールFA、マラッカ・ユナイテッド、2部プレミアリーグのプルリスFA、ケランタンFA、ペナンFA、PDRM FCが上記の7クラブです。

ムルデカ大会の出場国が決定
マレーシアサッカー協会FAMによると、3月に予定されているムルデカ大会の出場国が決定しました。開催国マレーシア(FIFAランキング167位)とオマーン(89位)、ニュージーランド(109位)、シンガポールの4カ国が、FIFAのカレンダーに含まれている3月18日から26日にクアラルンプールで開催するムルデカ大会に出場します。



2月16日のニュース:移籍期間終了間近での噂いろいろ、クチンFAのトライアウトに鈴木雄太選手が参加、プルリスFAのファンが募金活動開始

移籍期間終了間近での噂いろいろ
2018年11月29日から始まっていた選手の移籍や登録期間、いわゆるトランスファーウィンドウが2月20日で終了します。既にマレーシアフットボールリーグMFLは開幕から第2節までを終了し、主力にケガ人が出ているチーム、予想していたような結果を残せていないチームなどが、選手を放出、あるいは駆け込みで新たな戦力と契約をすることが予想されます。
 特に給料未払い問題で注目を浴びている2部プレミアリーグのプルリスFAの選手たちの去就に注目が集まっており、元マレーシア代表FWサフィー・サリがスランゴールFAやプタリン・ジャヤ(PJ)シティFCへ移籍するのではという噂や、元ケランタンFAでキャプテンも務めたモハマド・バドリ・モハマド・ラジはケランタンFAが未払い給料問題を解決するまではケランタンFAに戻ることはないと会見しています。その一方で、そのケランタンFAが3人の「スター」選手を獲得予定と発表するなど周辺がざわついています。
 またここまで0勝2分0敗のスランゴールFAのB・サティアナタン監督が、新戦力のアントニオ・ジャーマンが期待はずれであることを認め、今シーズン、パハンFAに復帰して活躍するディクソン・ヌワカエメと契約直前まで行きながら、獲得資金不足で断念していたことを明かしてみたり、トレンガヌFCのイルファン・バクティ・アブ・サリム監督やPKNP FCのアブ・バカル・ファジム監督が機能していない外国人選手に不満を述べるなど、国内移籍だけでなく、国外からの新戦力獲得を目論むチームもありそうです。

クチンFAに日本人MF鈴木雄太が入団!
トライアウトを受けていた日本人MF鈴木雄太選手がマレーシアフットボールリーグMFLの3部にあたるMリーグ3に所属するクチンFAへの入団が決まりました。おめでとうございます!鈴木選手はMFL開幕前には2部リーグにあたるプレミアリーグに所属するケランタンFAで練習参加していましたが、結局、契約に至りませんでした
 報道では、マレーシアでも展開しているヤクルトがスポンサーになるとのことで、鈴木選手と契約するクチンFAは一銭も払わずに済むようです。
 ちなみにヤクルトはJDT IIからJリーグファジアーノ岡山へ移籍したハディ・ファイヤッド選手のトライアウトの費用も負担したようなので、日本とマレーシアをサッカーで結ぶ役割を今後も果たしていくかも知れません。

クチンFAのファズルディン・ラーマン会長と握手する鈴木選手(クチンFAのFacebookより)

プルリスFAのファンが募金活動開始
給料未払い問題で注目を集めるプルリスFAのファンが募金活動を始めたようです。昨シーズン、プレーした18名の選手への給料未払いと、今シーズンプレーしている選手の1月分と2月分の給料が払われていないとされるプルリスFAは、マレーシアフットボールリーグから受け取ることになっている100万リンギ(日本円で約2700万円)の2019年助成金を使って未払い給料の一部を支払う予定のようですが、優先されるのはあくまでの昨年プレーした選手たちで、100万リンギでは今シーズンの残り期間の給料を賄うことはとうてい無理です。
 そんな窮状を救おうとプルリスFAのファンが募金活動を始めました。プルリスFAのダト・アーマド・アミザル・シャフィト・アーマド・ラフィ会長は、現在いくつかのスポンサーと交渉中としながらも、具体的な問題解決の時期は明言できていません。プルリス州はマレーシア北部の州ですが、プルリスFAは首都クアラルンプールにあるマラヤ大学のグラウンドを練習拠点とし、学内の寮に宿泊している選手もいるようです。しかしここも今後、使用料が払われなければ退去の可能性もあります。プロ選手としては屈辱的な環境で、果たしてプルリスFAの選手たちがいつまでモチベーションを維持できるのか気になります。

マラヤ大学グラウンドで練習するプルリスFA(Facebookより)