観戦記:2月9日MFL1部スーパーリーグ第2節PKNS FC対マラッカ・ユナイテッド@シャーアラムスタジアム

2月9日は、ともに1部スーパーリーグの試合となる、MPPJスタジアムでのプタリン・ジャヤ(PJ)シティFC対スランゴールFA、そしてシャーアラムスタジアムでのPKNS FC対マラッカ・ユナイテッドの2試合が観戦可能でしたが、スランゴールFAは2月3日の試合で観戦済みなので、今回は名将ラヤゴパル監督率いるPKNS FC対スターを集めたマラッカ・ユナイテッドの試合を選びました。

第1節のスランゴールFA対フェルダ・ユナイテッド戦に比べると、スタジアム周辺が暗くて静かでした。しかもバックスタンド側の入場券売り場が開いておらず、メインスタンド側まで歩くことになりました。

メインスタンド入口手前で、マラッカ・ユナイテッドのバスを発見。マラッカからスタジアムのあるシャー・アラムまでは高速道路を使えば2時間程度の距離なので、バス移動なのでしょう。

写真が横向きになっちゃいましたが、Grand Stand(メインスタンド)は手書きで25から20マレーシアリンギ(日本円で550円ほど)に直されていました。Terbukaはマレーシア語でオープン、つまり自由席です。

PKNS FCの蛍光オレンジのホーム用ユニフォームを売る屋台

マラッカ・ユナイテッドのホーム用の白色ユニフォームとアウェイ用の緑色ユニフォームも売っていました。

今日の試合はグランドスタンド席を購入して観戦します。

スタジアムに入ってわかったのですが、バックスタンドはやはり開けていないようで、観客がいませんでした。それにしても蛍光オレンジのPKNS FCのユニフォームは目立ちます。

思ったよりも緑色のアウェイユニフォームを着たマラッカ・ユナイテッドのサポーターが多かったのが印象的です。と言うかPKNS FCのサポーターは殆ど見かけませんでした。

盛り上がりがない試合が動いたのは23分。マラッカ・ユナイテッドのフィリピン人MFパトリック・ライヒェルトがゴールエリア内で、PKNS FCのDFロドニー・セルヴィン・アクウェンシヴに倒されてPKを獲得しました。これをMFサフィック・ラヒムが決めてマラッカ・ユナイテッドが先制します。

前半はこのまま1-0で終了しました。

後半に入ると、ロングボールを前線のクパー・シャーマンに集めてみたり、サイドのチャン・ワタナカを使ってみたりするものの、なかなかシュートまで結びつかないPKNS FCとサフィック・ラヒムとリリドン・クラシニキがボールを持ったとき以外はあまり怖くなかったマラッカ・ユナイテッドの試合は、後半は両チームとも無得点に終わり、結局1-0でマラッカ・ユナイテッドが勝利し、2試合連続で勝点3を挙げました。

2月9日のニュース:最新のFIFAランキングでマレーシアは167位、プルリスFAのシンガポール人FWが退団、未払い給料の総額は5000万円以上!

最新のFIFAランキングでマレーシアは変わらず167位
2018年12月の東南アジアサッカー連盟AFF選手権スズキカップで準優勝したマレーシアは、最新のFIFAランキングでは前回発表のときと同じ167位となりました。このランキングは過去48ヶ月間の国際Aマッチで獲得したポイントで決まるそうなので、東南アジアの選手権で1回準優勝したくらいでは変化がないんですね。残念!AFF加盟国では、アジアサッカー連盟AFC選手権AFCカップでベスト8に進出したベトナムが99位でアセアンNo. 1、他のAFCカップ出場国はタイが115位、フィリピンが123位と続きます。その他はインドネシア(159位)、シンガポール(165位)とここまでが、マレーシアよりランキングが高い国々です。その他の国のランキングはカンボジアが172位、ラオスが184位、ブルネイ195位、そして東ティモールが196位となっています。

プルリスFAのシンガポール人FWが退団し母国のチームと契約
給料未払い問題を抱えるプルリスFAのシンガポール人FWファリス・ラムリが、母国のリーグに所属するホーガン・ユナイテッドと契約したことを発表しました。2018年シーズンはスーパーリーグのPKNS FCでプレーしたファリス選手は、この1月にプルリスFAと契約しましたが、第1節の開幕戦UKM FCとの試合ではベンチ入りしていませんでした。

プルリスFA入団を知らせるFacebookのポスト(プルリスFAのFacebookより)

未払い給料の総額は5000万円以上!
2月1日に開かれていたマレーシアサッカー協会FAMの選手地位委員会(Player’s Stattus Comittee)が、給料未払い問題を抱えるチームに対する裁定を発表しましたが、その件数と金額に驚くやら呆れるやら。このブログで何度も取り上げているプルリスFAを含めた6チームが28名の選手やコーチ、スタッフに対して給料を払っておらず、その総額は何と約200万マレーシアリンギ(日本円で約5400万円以上)だそうです。2019年シーズンは1部スーパーリーグでプレーするフェルダ・ユナイテッドが最大の未払い給料を抱えており、現在はマラッカ・ユナイテッドに所属するムハマド・シュコル・アダン選手が約40万マレーシアリンギ(約1100万円)、またスランゴールFAに所属するワン・ザック・ハイカル・ワン・ノー選手は約30万マレーシアリンギ(約800万円)の給料が未払いになっています。この他には2部プレミア・リーグでプレーするプルリスFAやPDRM FC(警察のチーム)、2018年に給料未払い問題から選手が試合をボイコットし、その結果プレミア・リーグから出場停止になり最終的に解散したクアンタンFAや、ハネランFC、トレンガヌシティーFC(スーパーリーグのトレンガヌFCとは別のチームです)が給料を選手やコーチ、スタッフに払っていませんでした。選手地位委員会は、各チームに対して30日間以内にこの問題を解決するための猶予を与え、それが実行されない場合には厳罰をかすることを表明しています。

2月8日のニュース:ペラTBGのホーム初戦は入場無料、第1節のベストXII

ペラTBGのホーム開幕戦は入場無料
第1節にジョホールバルでのJDTとの開幕戦を0-1と落としたペラTBG。ホーム開幕戦となる第2節のクダFA戦は入場無料になることが、ペラ州サッカー協会PAFAのダト・スリ・アーマド・ファイザル・アズミ会長より発表されました。*ペラ州知事でもあるダト・スリ・アーマド会長は、友人、家族とともにできるだけ多くの観衆にペラTBGのホーム開幕戦を観戦して欲しいとしています。開幕戦では2018年シーズンチーム得点王のFWギルマール選手を欠いていたペラTBGですが、第2節よりギルマール選手が復帰するようなので、攻撃力アップが期待されます。
*各州の対抗戦として始まったマレーシアのサッカーリーグの歴史から、マレーシアでは現在でも多くのプロチームがクラブ形式ではなく、州サッカー協会主導で編成されています。(チーム名にFAとついているチームがそういったチームです。)またペラ州のように、州知事が州サッカー協会会長を務める事例はよくありますが、政権交代によって州知事が代わった結果、協会の方針が根底から代わってしまう事例も少なくありません。

第1節のベストイレブン
Foxスポーツのマレーシア版が選ぶスーパーリーグ第1節のベストイレブンがホームページ公開されています。サッカー素人ながらボラセパマレーーシアも一部の選手にはコメントをつけてみました。

GKハイズル・ハキム(ペラTBG)
JDTとの試合は0-1で敗れたものの、強力なJDTの攻撃陣を最小得点に抑えたことが評価されています。彼の好守がなければ、点差はもっと広がっていたとされています。
ボラセパマレーーシア評:対戦相手JDTのGKファリザル・マリラス選手は代表GKを争うライバル。代表チームで控えのGKを務めるハイズル選手にとっては負けられない試合でしたが、攻撃陣の不甲斐なさのため惜敗でした。

DFシャキル・ハムザ(クダFA)
2019年シーズンよりクダFAでプレーする、シンガポールリーグのホーム・ユナイテッドより移籍したシンガポール人DF。クダFAの先制ゴールを挙げただけでなく、本職の守備でもPKNP相手に完封した点が評価されています。

DFジョシュア・ジェイク・ブラン・グロムメン(プタリン・ジャヤ・シティFC)
2部プレミア・リーグから昇格したPJシティFC(旧MIFA)で2019年シーズンよりプレーするフィリピン人DF。フィリピン・リーグのダバオ・アグイラスから移籍したオーストラリア系フィリピン人のグロムメン選手は、マラッカ・ユナイテッドとの試合中に方を脱臼したものの、最後までプレーを続けたことが評価されています。

DFアダム・ノー・アズリン(JDT)
代表経験のある選手を押しのけ、ルチアーノ・フィゲロア監督に大抜擢を受けた23歳のアダム選手は、ブラジル人DFマウリシオ選手とともに、ペラFA相手の無失点勝利に貢献しました。特に後半にペラFAの得点機にFWワンダー・ルイスからボールを奪ったタックルが評価されています。

MFリリドン・クラシニキ(マラッカ・ユナイテッド)
クダFAから移籍したクラシニキ選手は素晴らしいバイシクルシュートを決めたことが評価されています。
ボラセパマレーーシア評:このシュートは私も映像で見ましたが、カサグランデ選手からのクロスをボレーで決めた美しいシュートで、第1節シュートベスト3を選んでもダントツのNo. 1でしょう。

MFサンジャル・シャアフメドフ(トレンガヌFC)
2019年シーズンより加入したウズベキスタン代表経験もあるMF。中盤で攻撃陣にキラーパスを連発したことが評価されていますが、それを攻撃陣、特にFWキプレ・チェチェ(アイボリーコースト)が効果的に得点に結び付けられず、PKNS FCとの試合は1-1の引き分けとなりました。

MFアーロン・ニゲス(JDT)
2019年シーズンより新加入のスペイン人MFは、豊富な運動量でペラTBGとの試合の唯一の得点に絡んだだけでなく、ペラTBGの攻撃陣を機能させなかったことが評価されています。

MFサディル・ラマダニ(パハンFA)
2019年スーパーリーグの最速ゴールを決めた弱冠22歳のインドネシア人は、2019年シーズンからパハンFAでプレーしていますが、FWディクソン・ヌワカエメ、FWジョゼ・エドゥアルド、さらにはMFモハマドゥ・スマレとの攻撃時の連携の良さが評価されています。

MFファイズ・ナシル(スランゴールFA)
トレンガヌFCから2019年シーズン前に移籍してきたMFは、フェルダ・ユナイテッドとの試合でスランゴールFAの唯一の得点となったアントニオ・ジャーマンのゴールをアシストしただけでなく、豊富な運動量と効果的なパスでスランゴールFAの攻撃陣を牽引したことが評価されています。
ボラセパマレーーシア評:スランゴールFA対フェルダ・ユナイテッド戦はスタジアムで観戦しましたが、ファイズ選手がボールを持ったときにスタジアム中が最も盛り上がりました。150cmそこそこの身長で、相手をドリブルで交わしていくシーンは見ているこちらワクワクさせてくれしました。ただし、サポートが不十分であったこともありますが、ややボールを持ち過ぎな場面もあり、身体の大きな選手に当たられて倒れる場面が何度か見られました。前線から守備まで運動量も多く、見ていて楽しい選手でした。

第1節の試合でMan of the Matchにも選ばれたファイズ・ナシル選手(スランゴールFAのFacebookより)

FWディクソン・ヌワカエメ(パハンFA)
2015年以来の復帰となった「鉄人」のニックネームを持つナイジェリア人はクアラルンプールFA相手に2ゴールを挙げ、存在感をアピールしたことが評価されています。
ボラセパマレーーシア評:とにかく強く倒れない。2得点以外にもGKがセーブしたシュートも数本ありました。私が個人的に好きだったイタリア代表クリスチアン・ヴィエリの最盛期の彷彿させる体格を活かした大型FWは(褒め過ぎか?)、2018年シーズンに得点力不足に泣いたパハンFAにとっては強力な戦力となりそうです。

FWハディン・アズマン(フェルダ・ユナイテッドFC)
24歳のキャプテンは、スランゴールFAとの試合で、69分に角度がほぼ無いところから放った同点シュートが評価されています。
ボラセパマレーーシア評:上のシュートはちょうど目の前で起こったのですが、確かに見事なシュートでした。特にパスではなくシュートを選択したことが素晴らしかった。試合全体を通して中央にポジションを取っていたFWジェイシー・ジョンが機能しておらず、左サイドで孤立することも多く、かと言って自分から積極的にボールを貰いに行くわけでもなく、存在感が薄かったのですが、一旦ボールを貰うとあっという間にシュートまで持っていくスピードは、まさにFWの選手でした。

2月7日のニュース:シャミ・サファリはAFF U22選手権不参加か、プルリスFA給料未払い関連続報

シャミ・サファリはAFF U22選手権不参加か。
今月カンボジアのプノンペンで開催されるアセアンサッカー連盟AFFのU22選手権大会については、先日、最終候補合宿の開催とそのメンバー発表がありましたが、そのメンバーに選ばれているシャミ・サファリ選手について、所属先のスランゴールFAが招集に応じないことを発表しました。開幕戦のフェルダ・ユナイテッド戦では途中出場でしたが、2018年末のスズキカップ準優勝メンバーでもあるシャミ・サファリ選手はスランゴールFAでも主力選手です。この件に関してスランゴールFAのB・サティアナタン監督は「2019年シーズン開幕間もないチームにとって大事な時期に、FIFAカレンダーの中に含まれていないAFFのU22選手権のための招集には応じられない」とコメントしています。シャミ・サファリ選手以外に、2月1日に開幕したスーパーリーグあるいはプレミア・リーグの第1節に出場したのは、ムハマド・ザーリル・アズリ・ザブリ(フェルダ・ユナイテッド)、ハジック・ナズリ・ドミニク・タン・ジュンジン(以上JDT II)、ニック・アキフ・シャヒラン・ニック・マット(ケランタンFA)など他にもいますので、これらの選手たちも辞退となるとU22代表の最終メンバー選考に大きな影響が出るだけでなく、このAFF U22選手権を今年3月にクアラルンプールで開催される2020年アジアサッカー連盟AFC U23選手権予選兼東京オリンピック予選への準備に使うとしているオン・キムスイU22/23監督のプランにも影響が及びそうです。オン監督は、各チームの状況を理解した上で、対話を重ねながら落とし所を見つけていくとしています。

プルリスFA給料未払い問題関連続報
何度かこのブログでも取り上げているプルリスFAの給料未払い問題。2019年シーズンよりプルリスFAに加入した元マレーシア代表DFアミリズワン・タジ・タジュディンが、契約までの経緯をメディアに語っています。ATM(マレーシア国軍チーム、かつてはスーパーリーグ所属、現在は3部FAMカップ所属)やケランタンFAでプレーした際にも給料未払い問題を経験しているアミリズワン選手は、プルリスFAのダト・アミザル・シャイフィット・アーマド・ラフィ会長から、マレーシアフットボールリーグMFLに向けて1500万マレーシアリンギ(日本円でおよそ4億円)の予算があるという話を聞いたとしています。この話を信じてプルリスFAと契約することにしたというアミリズワン選手は、1,500万マレーシアリンギは2019年のプルリスFAチームの予算だとし、2月の時点で予算を使い果たしているはずがないので、だとしたら自分は嘘をつかれたのだろうともコメントしています。
 給料未払い問題についてプロ選手協会に支援を求めたサフィー・サリと2018年はPKNS FCでプレーし、2019年からプルリスFAでプレーするシャリル・サアリは、既にケランタンFAと契約交渉のための話し合いを行ったと一部で報道されており、これを伝える記事では、2018年4月に起こったクアンタンFA選手による試合放棄(予定されていたプレミア・リーグのPDRM FCとの試合にクアンタンFAの選手が会場に現れず、試合放棄となりました。3ヶ月分の給料が未払いであることに選手が抗議しての行動で、この結果、クアンタンFAはプレミア・リーグから出場停止になりました。)のようなことが繰り返されないよう、プルリスFAに迅速に問題に対処することを求めています。とは言え、選手たちは2月7日(今日!)まではプルリスFAに時間を与えるとしていますが、それまでに回答がない場合には、最悪の事態も起こる可能性があります。
 今回のプルリスFAの給料未払い問題については、実はプレミア・リーグ昇格の時点から問題がありました。プルリスFAは、2018年シーズンは3部にあたるFAMカップでプレーしていましたが、2部プレミア・リーグで2位だったフェルクラFCがチームを解散したことでできた空白を埋める形で3部から昇格しました。当初はクチンFA、ATM、プルリスFAの3チームが昇格候補となり、MFL理事会がサポーターの支持や運営状況などを精査(!)した結果、3チームの中で最も成績が悪かったプルリスFAが選ばれました。しかもこの時点で、既に18名の選手に給料未払いがあることがわかっており、2018年12月28日から60日以内の未払い給料問題を解決するという条件付きで昇格を認められたことから、たびたび「裏口」昇格であるという批判がプルリスFAだけでなくMFL経も批判が出ていました。
 この給料未払い問題については、JDTのオーナーでもあり、MFLチェアマンでもあるTMJことジョホール州皇太子のトゥンク・イスマイル殿下がツイッターを更新し、MFLの多くのチームが給料未払い問題を抱えていること、そしてそういったチームには選手、スタッフに対して迅速に未払い給料の支払いを求め、それが実行されない場合には厳罰に処されることを示唆しています。また、ジョホールバルで行われたMFL各チーム代表者とのミーティングの際に、スランゴールFAから8ヶ月の猶予を提案された際には、各チームがそういった猶予が与えられていても期限を守らないこれまでの事例から、被害者となる選手やスタッフのためにそのような有用は与えられることはないと明言しています。

MFLが厳格であれば、各チームはMFLを非難し、MFLが厳格でなければ、選手やスタッフが未払い給料問題の被害者となることから、各チームは責任を持つべき、と訴えるMFLチェアマンのトゥンク・イスマイル殿下(JDTのFacebookより)


2月6日のニュース:プルリス給料未払い問題の行方

プルリスFAの給料未払い問題の続報です。
2019年シーズン開幕戦ではUKM FCに1-2と破れたプルリスFA。開幕前から給料未払い問題で揺れていましたが、結局開幕戦前には解決していなかったようです。連日の報道にプルリスFAのマンズール・アズウィラ・アブドル・ワヒド監督は、UKM FCとの開幕戦ではチーム全体が集中できていなかったことを認めています。その上でファンやメディアにはこの問題が解決できるようプルリスFAに干渉せずにいて欲しいと訴えています。現場を預かる監督の本音かも知れませんが、メディアに向けて現場の人間にこんなことを言わせてしまうプルリスFAの経営陣こそが問題の現況であることが自覚できていない気がします。

現在のプルリスFAのダト・アミザル・シャフィト・アーマド・ラフィ会長自身も給料未払い問題は解決していないことを認めた上で、近い将来の問題解決が期待できるとしています。また、ソーシャルメディア等で流布している内容とは異なり、チームは結束していることを強調し、ファンに対して問題解決の猶予を求めています。3ヶ月前に就任し、全経営陣の作った給料未払い問題を引き受ける形になった、言わば火中の栗を拾ったとも言えるダト・アミザル会長ですが、この問題が大きく報道されることにより新たなスポンサー獲得も難しくなっているとして、当初の予定が大きく狂っているとも話しています。その結果が自らが会長となった後に契約した選手に対しての給料未払い問題なのだと思います。

契約前には不安を感じながらも、34歳と若いダト・アミザル会長の熱意に押されたとしてプルリスFAと契約した元代表FWのサフィー・サリが先日、プロ選手会に今後の対応について相談したことや、ベテラン選手数名が練習に参加していないことなどネガティブな報道が続いており、このままではシーズン途中でプレミアリーグ撤退という最悪の事態も予想されます。

左からサフィー・サリー選手、ダト・アミザル プルリスFA会長、マンズール・アズウィラ プルリスFA監督

ちなみに給料未払い問題の渦中にいるプルリスFAの選手たちの内、2012年にケランタンFAがスーパーリーグ、マレーシアカップ、FAカップの三冠を達成した際のキャプテンだったピヤことモハマド・バドリ・モハマド・ラジ選手は2015、2016、そして2018年の給料もケランタンFAより未払いになっており、公表されてはいないもののその金額は20万マレーシアリンギ(日本円で540万円ほど)とされています。2019年シーズンから加わったプルリスFAでも同じような問題に悩まされるとは、泣きっ面に蜂とはこのことでしょう。このピヤ選手を含めた他の選手たちも次のプレミアリーグ戦(2月8日のUITM FC戦)の前日、2月7日までプルリスFAに時間を与えることで合意しているようですので、リーグ開幕後に撤退という事態が避けられるようプルリスFA経営陣の努力に期待したいと思います。

2月5日のニュース:AFFU22選手権代表候補メンバー発表

AFFU22選手権代表候補メンバー発表
アセアンサッカー連盟AFFのU22選手権は、2月17日から26日までカンボジアのプノンペンで開催されますが、その代表候補選手26名が発表になりました。1月中旬に行ったバンコク遠征のメンバー23名の内、15名が残り、新たに加わった11名ともにブキット・ジャリルのナショナルトレーニングセンターで2月10日から5日間の予定で行われる合宿に参加し、そこで代表となる23名が決定されます。U22代表のオン・キムスイ監督は、このAFFU22選手権を3月にマレーシアの首都クアラルンプールで開催されるアジアサッカー連盟AFCU23選手権予選兼2020年東京オリンピック予選に出場するU23代表選手選考の場とするとしています。なお、この年代の選手の内、2018年末のAFF選手権スズキカップで準優勝したフル代表でもプレーしたアクヤ・ラシド、サファウィ・ラシド、シャマー・クティ・アッバ(以上JDT)らは、このAFFU22選手権では招集せず、AFCU23選手権予選から参加させる予定であることを既に発表しています。

AFFU22選手権代表候補メンバー(年齢)
ムハマド・ダニアル・アミール・ノーヒシャムMF(22)
ムハマド・ザーリル・アズリ・ザブリMF(20)
*アーマド・タスニム・フィトリ・モハド・ナシルDF(20)
ムハマド・アズリ・アブ・ガニGK(20)以上フェルダ・ユナイテッド
ニック・アキフ・シャヒラン・ニック・マットMF(20)
ムハマド・ダニアル・ハキム・ドラマンMF(21)
ムハマド・シャールル・ニザム・ロス・ハスニDF(21)
ニック・アズリ・ニック・アリアスMF(22)以上ケランタンFA
ダミエン・リム・チェンカイGK(22)
ムハマド・ジャフリ・ムハマド・フィルダウス・チュウFW(22)
*アリフ・アル=ラシド・アリフィンDF(21)以上PKNS FC
コジレスワラン・ラジMF(21)
*モハド・ファイサル・アブドル・ハリムMF(21)
*R・ディネシュDF(21)以上パハンFA
エヴァン・ウェンスレイ・ウェンセスラウスDF(21)
*アリウスディウス・ジャイスMF(21)以上サバFA
*ムハマド・ハジック・ナズリGK(21)
*ドミニク・タン・ジュンジンDF(22)以上JDT
モハマド・ハリズ・カマルディンDF(22)JDT II
*ムハマド・シャミ・サファリDF(21)スランゴールFA
ムハマド・アミルル・アシュラフ・アリフィンDF(21)UITM FC
モハド・ファズルル・ダネル・モハド・ニザムMF(21)クダFA
ムハマド・ナジルル・アフィフ・イブラヒムDF(22)ペラTBG
*ナビル・ハキム・ボカリDF(20)クアラルンプールFA
*ムハマド・イザン・シャミ・ムスタパFW(22)トレンガヌFC
*ムハマド・ハディ・フェイヤッド・アブドル・ラザクFW(19)ファジアーノ岡山
*は1月のバンコク遠征後に新たに招集された選手

今回新たに招集された11名の内、ムハマド・ハジック・ナズリ、
ドミニク・タン・ジュンジン(以上JDT)、モハド・ファイサル・アブドル・ハリム(パハンFA)、ムハマド・シャミ・サファリ(スランゴールFA)、ムハマド・ハディ・フェイヤッド・アブドル・ラザク(ファジアーノ岡山)の5選手は、グループステージで韓国代表を破りベスト16で日本代表に敗れた2018年アジア競技大会(インドネシア)の出場メンバーで、アリフ・アル=ラシド・アリフィン(PKNS FC)、アリウスディウス・ジャイス(サバFA)、ムハマド・イザン・シャミ・ムスタパ(トレンガヌFC)の3選手は前回1月の代表候補合宿に招集されましたが、ケガのためバンコク遠征には参加しませんでした。

U22代表は2月15日にプノンペンへ出発します。予選グループBのマレーシアは、カンボジア(2月18日)、インドネシア(2月20日)、ミャンマー(2月22日)とそれぞれ対戦し、ここから上位2チームが2月24日に予定されている準決勝に進出します。決勝は2月26日、会場はすべてプノンペンの国立競技場となっています。

今回が2度目の開催となるAFFU22選手権は、2005年にタイのバンコクで第1回大会が開催され、開催国タイがシンガポールを3-0で破って優勝しています。その後2011年に予定されていたインドネシアでの第2回大会は中止となっており、今回14年ぶりに第2回大会が開催されます。今大会はAFF加盟国では、ブルネイ、シンガポール、ラオスが出場しないため、予選A組がベトナムタイフィリピン、東ティモール、予選B組がカンボジア、マレーシア、インドネシア、ミャンマーとなっています。

マレーシア以外のチームについては、既にインドネシアU22代表が、フル代表でキャップ数5を獲得している20歳のサディル・ラムダニ(パハンFA)を招集しないことを発表しています。ラムダニ選手は2019年のスーパーリーグ開幕戦で今シーズン得点第1号となるゴールを決めていますが、この様に所属チームで主力選手となっている場合、AFFU22選手権は国際マッチデーではない時期の開催なので、チームが選手の招集に応じないケースもあります。各チームともチーム編成に苦労していることでしょう。

FAMのホームページより

2月4日のニュース:MFL第1節結果まとめ

マレーシアフットボールリーグMFLの第1節が終了したので結果をまとめました。
1部スーパーリーグ(左側がホーム)
2月1日(金)
パハンFA 3-1 クアラルンプール(KL)FA
得点者:サディル・ラムダニ(23分)、ディクソン・ヌワカエメ(51分、90分)、KLFA-アフィック・アーマド・ラザリ(48分)
パハンFA攻撃陣のミスとKLFAのGKの奮闘がなければ、もっと得点差がついてただろうという試合でした。試合前の予想通り、KLFAの守備陣はヌワカエメやラムダニ、さらにはゼ・エドゥアルドなどパハンFAに十分に対処できず、最初の2点はゴール前のこぼれ球を押し込まれ、最後の1点は守備陣が完全にヌワカエメに振り切られての失点でした。サディル・ラムダニの2019年スーパーリーグ初ゴールで先制したパハンFAに対し、KLFAはインドラ・プトラのクロスをアフィック・アーマドがボレーで叩き込み、一旦は同点に追いつきましたが、その後は防戦一方でした。私は仕事で観戦できなかったのですが、来週の春節(旧正月)に続く最大6連休の初日ということもあったのかも知れませんが、明らかにパハンFAのサポーターの数がKLFAのサポーターの数を上回っており、ユスリ・チェ・ラー監督のパハンFAのホームでの試合のようだったとこぼしていました。なおKLFA新外国人選手MF苅部隆太郎選手はフル出場しました。

PKNS FC 1-1 トレンガヌFC
得点者:PKNS−ニコラス・スワラッド(65分)、トレンガヌ-アブドゥル・マリク・アリフ(90分)
チャン・ワタナカのコーナーにニコラス・スワラッドが頭で合わせた先制した赤アリ(PKNSのニックネームはレッド・アンツ)のが亀(トレンガヌFCのニックネームはタートルズ)を倒すかと思われましたが、土壇場でホームのトレンガヌが追い付き引き分け。試合後、PKNSのラヤゴパル監督は、前半は守備的な戦術を選択したことを明らかにし、敵地での勝ち点1点をポジティブに評価したいと語っています。

2月2日(土)
JDT 1-0 ペラTBG(スンバンシーカップ)
得点者:JDT-ゴンザロ・カブレラ(40分)
この試合はテレビ観戦しました。前半はゴールどころかシュートを1本も打たせてもらえなかったペラTBG。ボールの支配率もJDT65%に対しペラTBGは35%と防戦一方でした。それでもペラTBGのGKハフィズル・ハキムの攻守とJDTのゆるいフィニッシュもあり、1-0で折り返しました。後半になっても状況は変わらず、結局この試合を通してペラTBGはシュート1本、コーナーキック0と完敗、点差以上にJDTの一方的な試合になりました。試合後のインタビューでは、ペラTBGのメメド・デュラコビッチ監督も選手たちはよく頑張ったといったコメントしていますが、素人目には明らかなチーム力の差を感じました。本来ならペラFAにはギルマールという強力FWがいるのですが、2018年のマレーシアカップ決勝ですったもんだの末レッドカードをもらっており、そのためこの試合は出場停止になっていました。なお、Goal.comによるこの試合の採点はこちらです。(原文はマレーシア語)

マラッカ・ユナイテッド 2-1 プタリン・ジャヤ(PJ)・シティFC
得点者:マラッカ・ユナイテッド−リリドン・クラシニキ(36)、カサグランデ(44分)、PJシティFC−B.バラスクマー(58分)
クダFAから移籍したクラシニキのゴールは、第1節のナンバーワンとも言える、右からのクロスをボレーのバイシクルシュートというスーパーゴールでした。追加点も新外国人のカサグランデ(ブラジル、フェルクラFC−廃部−より移籍)が決めました。2部プレミアリーグから昇格したPJシティFCはスーパーリーグの初戦でしたが、残念ながら敗戦スタートとなりました。

PKNP FC 0-2 クダFA
得点者:クダFA-シャキル・ハムザ(66分)、ジョナサン・ボーマン(86分)
2018年シーズンは一時は3位となったものの、最終的には6位でシーズンを終えたクダFA。外国人選手5人を総入れ替えするなど、チームのメンバーが大きく代わって迎えた2019年初戦は、新外国人のDFシャキル・ハムザ(シンガポール、シンガポールリーグのホーム・ユナイテッドより移籍)とFWジョナサン・ボーマン(アルゼンチン、インドネシアのプルシブ・バンドンより移籍)の二人が得点し快勝しました。

2月3日(日)
スランゴールFA 1-1 フェルダ・ユナイテッド
得点者:スランゴールFA−アントニオ・ジャーマン(41分)、フェルダ・ユナイテッドFC-ハディン・アズマン(69分)
2018年シーズンは8位のスランゴールFAと2部プレミアリーグで優勝し、スーパーリーグへ昇格したフェルダ・ユナイテッドの対戦。観戦記にも書きましたが、前半はお互いに攻めあぐねていましたが、スランゴールFAが個人的には最も存在感を示していたMFファイズ・ナシールからのパスをFWアントニオ・ジャーマンがゴールし先制。後半に入って2019年から新キャプテンとなったFWハディン・アズマンが左サイドを抜け出し、角度のないところから素晴らしいシュートを決めて同点に追いつきました。しかし、フェルダ・ユナイテッドは、結局ゴールの枠内へのシュートはこの他は1本だけで、シュートの精度の低さが目立ちましたが、スランゴールFAも昨年まではチームメイトだったフェルダ・ユナイテッドのGKノラズラン・ラザリの前に13本のシュートの内、枠内は7本とこちらも次節までに修正が必要そうです。フェルダ・ユナイテッドの新外国人選手である元サガン鳥栖の池田圭選手は82分に交代出場しましたが、特に見せ場もなく終わりました。なお、Goal.comによるこの試合の採点はこちらです。

2部プレミアリーグ
2月1日(金)
UITM FC 3-1 PDRM FC
得点者:UITM−アディ・サイド(1分、36分)、ロベルト・メンディ(84分)、PDRM−リ・チャン・フン(90分)トレンガヌFC 1−1 PKNS FC
UTIMの新戦力FWアディ・サイド(ブルネイ)とFWロベルト・メンディ(セネガル)が期待に応える活躍でUITMが快勝しました。特にサイドはおそらくMFL最速となる開始20秒でいきなり得点したようです。PDRMは、昨シーズンはマラッカ・ユナイテッドでプレーシア新外国人のMFリ・チャンフーン(韓国)が1点を返すにとどまりました。

2月2日(土)
スランゴール・ユナイテッド 1-0 ケランタンFA
得点者:ニキタ・パヴレンコ(23分)
2018年シーズンはMFL3部にあたるFAMカップ(というなのリーグ戦)で2位となりプレミアリーグに昇格を果たしたスランゴール・ユナイテッドが、スーパーリーグで11位に終わりプレミアリーグへ降格したケランタンFAを破る番狂わせで、プレミアリーグ初勝利を挙げました。得点を挙げたのは新戦力のMFニキタ・パヴレンコ(ウズベキスタン)です。なおケランタンFAはマルコ・クラリエヴィッチ新監督が就任してまだ1週間ほどですので、シーズン前の準備不足は否めません。ここからどのようにチームを立て直すのか、クラリエヴィッチ監督の手腕に注目です。

ペナンFA 2-3 トレンガヌFC II
得点者:ペナンFA−セバスティアン・テュリエール(35分)、ジュリアン・ボッタロ(70分)、トレンガヌFC II-ラムジ・サフィアン(23分)、ブルーノ鈴木(46分)、セルヒイ・アンドリエイエフ(79分)
マレーシアでのプレーが3シーズン目に入った鈴木ブルーノ選手が、一事は逆転となるゴールを挙げています。

ヌグリ・スンビランFA 2-1 サラワクFA
得点者:ヌグリ・スンビラン-フェリス・ダニエル・マット・ナシル(10分)、アルミール(52分)、サラワクFA−ペドロ・エンリケ(55分)

サバFA 1-2 JDT II
得点者:サバFA-ルカ・ミルノヴィッチ(13分)、JDT II-モハマド・チャダー(64分)、ロザイミ・アブドラ・ラーマン(83分)

2月3日(日)
UKM FC 2-1 プルリスFA
得点者:UKM FC-ファイズ・ハニフ・アドナン(22分)、ワン・モハマド・ファイズ・ワン・スライマン(56分)、プルリスFA-ヴァルチ・ジュニオール(62分)
給料未払い問題で揺れるプルリスにとっては、開幕前に自ら契約解除を申し出る選手などもいましたので、戦力ダウンは必死でしたが、そんな傷口に塩を塗られるような敗戦でした。まぁこの状況でモチベーションを維持するのも難しいでしょうが…。なお、プルリスFAの新外国人選手の一人、元横浜FCのDF渡邉将基選手はベンチ入りしませんでした。



観戦記:2月3日MFL1部スーパーリーグ第1節スランゴールFA対フェルダ・ユナイテッド@シャーアラムスタジアム

2月3日の試合は1部スーパーリーグのスランゴールFA対フェルダ・ユナイテッドと2部プレミアリーグのUKM FC対プルリスFAの2試合。給与未払い問題で揺れるプルレスFAの試合も気になったのですが、シャーアラムスタジアムでのスーパーリーグの試合を選びました。

シャーアラムスタジアムの隣は長距離バスのターミナルになっています。

そこを抜けるとスタジアムの灯りが見えてきました。

チケット購入の列に並びます。思ったより長い。

周りにはユニフォームを売る屋台がいくつも出ています。売っているのはホンモノなのかな。

ブールの近くまで来て列が動かなくなりました。このブースはチケットがなくなったようです。(汗)

チケットはオンラインで購入できるみたいです。次はそうしよう。

そうこうしているうちに、また列が動き出しました。チケットは、バックスタンド側が大人15マレーシアリンギ (約400円)、6歳から11歳までが5マレーシアリンギ。

チケットを無事購入。

結局、試合開始には間に合わず、スタンドに入ったときは、もう試合が始まっていました。ニックネームがレッドジャイアンツのスランゴールFAは赤、フェルダ・ユナイテッドは青のユニフォーム。

日曜日の午後9時キックオフという試合でしたが、バックスタンドは結構、観客が入っていました。途中でアナウンスが有りましたが、有料入場者は10000人ほど。

前半41分、フェルダ・ユナイテッド守備陣の足が止まった間隙をついてアントニオ・ジャーマンのシュートが、この試合始めて枠を捉えてスランゴールFAが先制しました。その後、前半は両チームともゆるい守備陣にも関わらず、攻撃陣のシュートが枠を捉えることが出来ず1-0で終了。

途中からは激しい豪雨に見舞われました。屋根付きスタンドなのに、その屋根からの雨漏りでスタンドの一部はビショビショです。

後半69分には、右サイドを上ったMFハディン・アズマンが角度のないところから素晴らしいシュートを決めてフェルダ・ユナイテッドは同点に追いつきました。その後は一進一退を繰り返しましたが、豪雨によりグラウンドコンディションも悪くなり、グラウンダーのパスが通りにくくなった結果、最後はただの蹴り合いとなり結局引き分けでした。

2018年シーズン8位のスランゴールFAにとっては痛いホームでの引き分け、2019年シーズンよりスーパーリーグに昇格した2部プレミアリーグのチャンピオン、フェルダ・ユナイテッドにとっては貴重な勝ち点1だったのではないでしょうか。開幕戦ということもあるのでしょうが、素人目線で見ても、攻守ともパッとしない両チームは、次節以降の奮起が必要そうです。

2月2日のニュース:MFLが開幕!、サンバンシーカップではJDTとペラTBGが対戦

MFL2019年シーズンが開幕!
マレーシアフットボールリーグMFLの2019年シーズンが開幕しました。試合の詳細は後日掲載したいと思いますので、結果だけ。(右側がホームチーム)
<1部スーパーリーグ>
パハンFA 3-1 クアラルンプールFA(KLFAスタジアム) 
 得点者:サディル・ラムダニ(23分)、ディクソン・ヌワカエメ(51分、90分)、KLFA-アフィック・アーマド・ラザリ(48分)
PKNS FC 1-1 トレンガヌFC
 得点者:PKNS−ニコラス・スウィラッド(65分)、トレンガヌ-アブドゥル・マリク・アリフ(90分)
<2部プレミアリーグ>
UITM FC 3-1 PDRM FC(スラヤンスタジアム)
 得点者:UITM−アディ・サイド(1分、36分)、ロベルト・ウォリー・ロペス(84分)、PDRM−リ・チャン・フン(90分)

サンバンシーカップでJDTとペラTBGが対戦
前年のスーパーリーグのチャンピオンとマレーシアカップのチャンピオンが対戦するサンバンシーカップは、シーズンの開幕を告げる前哨戦として行われてきました。ところが2019年シーズンは、2月1日に開幕したスーパーリーグの翌日に行われます。しかも対戦するこの試合は、2018年シーズンチャンピオンJDTとマレーシアカップチャンピオンのペラTBGのスーパーリーグの公式戦として行われます。
 プレミアリーグ開幕の1週間前にイングランドFAが開催するかつてのチャリティーシールド、現在のコミュニティーシールドを倣ってはじまったサンバンシーカップは、その存在意義が問われているのかも知れません。コミュニティーシールドが中立の開催地となるウェンブリースタジアムで行われるのに対し、サンバンシーカップはスーパーリーグのチャンピオンチームのホームスタジアムが会場になります。両チームのファンに公平となるには、例えばブキ・ジャリル国立競技場を会場にして、両チームにチケットを等しく分配するなどの措置も取れると思いますが、主催するFAMはその辺りをどう考えているのでしょう。
 それにしてもリーグ戦の一部になってしまっているのは、イベント性も低下してしまい、もったいないなぁ。また、試合の売上を慈善団体に寄付するというシャリティーシールドという本来の目的も果たせなくなってなってしまうのではないでしょうか。だとしたら「寄与・貢献」という意味のサンバンシーという名称を使うのも正しくないですね。

2019年スーパーリーグチーム紹介(5)パハンFA

オフシーズンに最も理想的な補強をした2019年一押しのチーム。個人的には、JDTの連覇にストップをかけるとすれば、このパハンFAと思っています。
 2018年スーパーリーグのシーズン最小失点は優勝したJDTでしたが、パハンFAはそれに次ぐ21失点と1試合平均1点以下におさえる安定した守備陣を要する一方、攻撃陣はリーグ5位タイの35得点と、攻守のバランスの悪さがそのまま2018年の順位に現れた形です。そんなチームに加わったのが、かつて「鉄人」のニックネームで愛されていたFWディクソン・ヌワカエメ(ナイジェリア、フランスのアンジェSCOより移籍)。2014年から15年にかけてはパハンFAでプレーし、2014年にはマレーシアカップとFAカップ2冠獲得の原動力となったことを覚えているファンの期待も高く、もう一人の新FWゼ・エドゥアルド(ブラジル、ブラジルリーグのオエステより移籍)とともに、攻撃力のアップが期待されています。この二人が万が一機能しない場合でも、20歳のFWサディル・ラムダニ(インドネシア、インドネシアリーグのプルセラ・ラモンガンから移籍)や2018年末のアセアンサッカー連盟AFF選手権スズキカップで復活を遂げたFWノーシャルル・イドラン・タラハも控えています。
 MFにはマレーシア史上初となる、父母や祖父母にマレーシア人を持たない帰化選手、ガンビア出身のモハマドゥ・スマレがAFFスズキカップで見せたような活躍をすれば、攻撃のオプションも増えて、ますます得点力が上がりそうです。
 ドラー・サレー監督は現役時代、1980年代から90年台にかけて、マラッカ・ユナイテッドの監督を務めるザイナル・アビディン・ハサンとともにスランゴールFAやパハンFAを数々のリーグ戦やカップ戦に導いた、マレーシアサッカー界のスーパースターでした。指導者となってからも、代表チームの監督も経験しただけでなく、異なる3つのチームでマレーシア最大のカップ戦、マレーシアカップを獲得しています。
 開幕戦となった2月1日のKLFA戦では、ラムダニが1点、ヌワカエメが2点とFW陣が期待通りの仕事を果たしたパハンFA。DF陣に怪我人が続出したKLFA相手とはいえ、2019年シーズンは良いスタートを切ったと思います。

チーム名  :パハンFA
ニックネーム:エレファンツ / Tok Gajah
ホーム   :ダルル・マクマー・スタジアム(パハン州州クアンタン:40000人収容)
2018年成績:スーパーリーグ4位(9勝6敗7分:勝ち点34)
2019年監督:ドラー・サレー(マレーシア)

2月1日開幕戦KLFA戦のスタメン(パハンFAのFacebookより)