5月4日のニュース:今季終了後の降格と昇格と3部リーグ再開の詳細については6月に決定、給料削減指針は給料未払い問題を抱えていないクラブにのみ適応されることをFAMが強調

今季終了後の降格と昇格と3部リーグ再開の詳細については6月に決定
 Mリーグ1部スーパーリーグ、2部プレミアリーグとも12クラブの1回戦総当たりの11試合という変則日程で今季を行う案を発表したマレーシアフットボールリーグMFLは、シーズン終了後の昇格と降格についての詳細を6月に発表するとしています。なお第4節開催後に中断となっているMリーグは9月1日及び2日再開、9月26日および27日終了とする日程案をMFLは発表しています。
 英字紙スター電子版によると、MFLのアブドル・ガニ・ハサンCEOは、現時点では降格と昇格については何も決定していないと話す一方で、降格と昇格はプロリーグに欠かせないものであり、この仕組みをなくすことによって各クラブ間の競争力が低下することは避けたいとも話し、6月に予定しているMFLの取締役会議で今季の降格と昇格に関する詳細を決定するとしています。
 また9月再開予定のMリーグは、マレーシア政府が求める標準進行手順SOPにより全て無観客試合として行われることになっていますが、入場を制限できる設備のある1部や2部のスタジアムと異なり、観客が集まることが避けられないフィールドも試合会場となるMリーグ3部のM3リーグについては、マレーシア政府のSOPに沿った運営ができない場合には、再開せずにこのまま今季は中止となる可能性があるとも話しています。
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 Mリーグは中断となる前の第4節終了時点で、1部スーパーリーグは、いずれも給料未払い問題により勝点3の剥奪(はくだつ)処分を受けたPDRM FCが12位(勝点-2)、マラッカ・ユナイテッドが11位(同3)、一方2部プレミアリーグは1位からトレンガヌFC II(勝点12)、ケランタン・ユナイテッドFC(同9)、ペナンFA(同8)、クアラルンプールFA(同8)となっています。なお、スーパーリーグ所属のトレンガヌFCのBチームであるトレンガヌFC IIには昇格資格はありません。

給料削減指針は給料未払い問題を抱えていないクラブにのみ適応されることをFAMが強調
 マレーシアサッカー協会FAMは、国内リーグの各クラブの内、選手およびスタッフと給料削減について未だ合意のできていないクラブを対象とした指針を発表していますが、この指針について、未払い給料問題を抱えるクラブを救済する手段ではないことを強調していると、マレー語紙ブリタハリアンが報じています。
 FAMのスチュアート・ラマリンガムは、現時点ではどのMリーグクラブからも3月分の給料未払いが発生しているという報告は受けていないとする一方で、FAMは給料未払い問題を抱えるクラブには発表した指針に沿った給料削減を認めないとしています。
 「FAMの『地位及び法務委員会』への給料未払い問題の報告は上がってきていないが、それがそのまま給料未払い問題が発生していないという意味ではない。新型コロナウィル感染による国内の経済状況悪化によって給料の遅配が起こっている可能性がある。」「その場合、二つの状況が考えられる。一つ目は3月分の未払い給料が発生してはいるが、選手及びスタッフとクラブとの間で、支払い方法や支払い時期についての合意がされている場合で、この場合はFAMの指針を適用して4月以降の給料削減を行なって良い。」「しかし3月の給料が未払いながら、その支払い方法などで選手及びスタッフとクラブが合意していないにも関わらず、4月以降の給料削減を行いたいとするクラブに対しては、FAMは指針に沿った給料削減は認めないだけでなく、そう言った行為を行うクラブに対しては、選手の権利を守るために処罰を行う。」とラマリンガム事務局長は話しています。
 またリーグ再開案として出されている9月の再開に関しては、いつからチーム練習が可能になるのか、またどこで練習や試合を行うのかについては、アジアサッカー連盟AFCからの助言や他国のリーグの状況を見ながらFAMが指針を作成するとしています。

5月3日のニュース:MFLのリーグ再開案に対する各クラブの反応

 マレーシア政府の指示によって9月再開あるいは今季中止のいずれかの可能性まで絞られたマレーシアの国内リーグMリーグ。それぞれ12クラブで構成されるMリーグ1部スーパーリーグと2部プレミアリーグは従来はホームアンドアウェイで22試合を戦う予定でしたが、Mリーグを運営するMFLは9月再開となった場合は各クラブと1度ずつのみの対戦となる全11試合(リーグ中断前に実施済みの4試合を含む)という日程へと変更することを発表しています。
 この新たな日程について、いくつかのチームの反応が当地のメディアに取り上げられています。

スランゴールFC監督は再開予定発表を歓迎も不安要素にも言及
 スランゴールFCのサティアナアン・バスカラン監督は9月に再開を予定するMFLの案を歓迎しながらも、現時点では不透明な要素が多いと語っていると、英字紙ニューストレイトタイムズが報じています。
 「リーグ再開前に練習試合を行うことが許可されるのか、また、再開前の練習の際のソーシャルディスタンスをどうするのかなど、MFLは指針を示す必要がある。」と話すサティアナタン監督は、リーグが11試合で開催される予定となったことはスランゴールFCにとっては不利になったとも話しています。
 「AFCチャンピオンズリーグやAFCカップへの出場権を獲得するためには、現在の5位から最低でも2位にならなければならず、残り試合が7試合しかない状況はクラブにとって大変厳しい」と語っています。
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 リーグ中断前の4試合で1勝2分1敗だったスランゴールFCは、フェルダ・ユナイテッド、サバFAとともに勝点5となっていますが、得失差によりサバFAが4位隣、スランゴールFCは得失差も同じフェルダ・ユナイテッドと5位を分け合う状況になっています。

最下位PDRM FC監督は早くも2部降格を心配
 マレー語紙ブリタハリアン電子版では、Mリーグ1部のPDRM FCが早くも今季終了後の2部降格について心配している、と報じています。
 リーグ中断前の4試合を0勝1分3敗として最下位に位置するPDRM FCのモハマド・イシャク・クンジュ・モハマド監督は、リーグ再開の意思を示したことは、選手およびスタッフの生活が守られると話す一方で、従来通り1部から2クラブが降格、2部から2クラブが昇格というルールが短縮される予定の今季リーグでも適用されるのかどうかに最も関心があると話しています。
 PDRM FCは、未払い給料問題が期限までに解決できなかったことを理由に、今季開幕前に勝点3の剥奪(はくだつ)処分を受けており、現在の勝点は-2となっています。
 「最終的には(Mリーグを運営する)MFLが決定することではあるが、通算で11試合となる今季のリーグ戦に限っては降格と昇格を行わないという方法もあると思う。」と話しています。
 またモハマド・イシャク監督は、サッカーという産業に関わる全ての人間にとって、MFLとマレーシアサッカー協会FAMがリーグ再開方針を示したことは、全員の福利を守るという点で評価できるとも話しています。

ヌグリスンビランFAは来季昇格に向けて全勝を目指す
 2部プレミアリーグに所属するヌグリスンビランFAは、中断前の4試合を1勝0分3敗としていますが、今季のMリーグが1回戦総当たりとなったことについて、サザリ・サイドン監督は、残り試合を全勝するつもりで臨む必要があるとマレー語紙ブリタハリアン電子版に語っています。
 「開幕から4試合の結果が思わしくなかったことにより、チームにはプレッシャーがかかっているが、これまで以上に努力する必要がある。来季、スーパーリーグへ昇格するためには全試合に勝利する必要がある。さもなければ、来季もプレミアリーグに残ることになる。それは(プレミアリーグの上位5クラブに出場権が与えられる)
今季のマレーシアカップ出場についても同様である。」
 「予定されている9月のリーグ再開の前に予定されているチームとしての練習期間は2週間とされているが、その短期間に選手、監督、コーチはチームを準備するのは容易ではなく、しかも再開後の日程はおよそ1ヶ月で7試合をこなすハードスケジュールとなっているため、ヌグリスンビランFAにとっては難題となるだろう」と話しています。
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 MFLは9月1日再開、9月27日リーグ終了、4週間で8節を行う予定を立てています。またリーグ戦で5位以内に入れなければ、マレーシアカップの出場権なく、例年ならマレーシアカップに出場資格がないクラブを対象としたチャレンジカップという大会がありますが、MFLは今季のチャレンジカップの中止を発表しています。

UKM FCはホームゲーム数の公平な分配を求める
 2部プレミアリーグに所属するUKM FCは、9月再開となった場合、第2節が雷雨で中止となっているため、残りは8試合となりますが、その際にはホームとアウェイの試合数配分を公平にすることをMFLに要望していると、マレー語紙ブリタハリアン電子版が報じています。
 UKM FCのモハマド・ファイラス・シャフィ名誉事務局長は、まだMFLからは何も通達がないとした上で、ホームのチームは試合では有利であるとして、各クラブのホームとアウェイの試合数を不公平がないように分配することを求めています。
 UKM FCは中断前の3試合を1勝1分1敗としています。

5月2日のニュース:FAMが給料削減についての指針を発表、活動制限令解除後のM3リーグ再開を希望しないクラブも

 マレーシアサッカー協会FAMは4月22日を期限として選手、監督、コーチと給料削減についての合意を求めていましたが、合意に至らなかったクラブに対して適用されるFAMとしての指針を公式サイト上で発表しています。
 スチュアート・ラマリンガム事務局長名で出された発表の中でFAMは、新型コロナウィルスによるリーグ中断によって各クラブが受ける影響は大きいことは理解しているとする一方で、選手及びスタッフの福利についてもこれを守らなければならいとして、マレーシアのサッカー活動を統括する組織として、今回の指針を発表するに至ったと説明しています。
 さらに4月9日から22日までの交渉期間を第1段階とし、国内リーグを運営するマレーシアフットボールMFLとマレーシアプロサッカー選手会PFAMによる交渉を第2段階、そして第3段階として、今回の指針をMリーグのクラブに適用するとしています。
 以下が発表内容です。
I 今回の指針が適用されるクラブについて
1)4月22日までににクラブと選手及びスタッフと給料削減についての合意に達しているクラブには今回の指針は適用されない。
2)今年2020年3月の時点で未払い給料問題を抱えていたクラブは給料削減を選手に求めることはできない(ただし、クラブと選手及びスタッフとの間で事前合意がある場合は除く)
3)選手及びスタッフに対して今季、給料削減を行わないクラブはこの指針に従う必要はない。
注)例えば既に一律10%の給料削減で選手及びスタッフとの間で合意しているクラブは、今回の指針発表後に給料削減額を変更することはできない。
注2)また例えば既に一律40%の給料削減で選手及びスタッフとの間で合意をしているクラブは、今回の指針発表後に給料削減額を変更することはできない。
いずれも4月9日から22日の間に合意されている場合には、その内容を変更することは認められない。

II 給料削減の限度と期間
1)選手及びスタッフの給料額に基づき、削減は最大30%までとする。
2)削減の割合は給料額によって以下の通りとする。
カテゴリー1:4999リンギ(およそ12万4000円)以下−10%
カテゴリー2:5000リンギから9999リンギまで(およそ24万8000円)−15%
カテゴリー3:10000リンギから14999リンギまで(およそ37万2000円)−20%
カテゴリー4:15000リンギ以上−30%
3)30%を超える削減を行う場合は、クラブと選手およびスタッフ双方の同意が必要とする。
4)給料削減を行う期間は2020年4月より今季2020年シーズンのMリーグが再開された月までとする。例えばMリーグが8月に再開になった場合、給料削減は8月まで行えるものとする。
5)カテゴリー4の選手については、4月の削減は25%とし、5月から30%とする。

III その他
1)指針で示された給料削減の割合については、FAMはクラブの経営状況など必要に応じて変更する場合がある。
2)今季2020年シーズンの開催時期が延長される場合には、それに伴って選手及びスタッフとの契約も速やかに延長されるものとする。
 この他、今回の指針発表にあたり、FAMは法務部門、クラブライセンス部門、競技部門、スポーツ科学部門の職員からなるプロジェクトチームを作って、各クラブ、選手及びスタッフに対応するとしており、この発表の最後では、クラブ経営陣、選手、スタッフ及びサポーターが、これらの指針の受け入れを望んでいるとしています。

活動制限令解除後のM3リーグ再開を希望しないクラブも
 マレーシア全土に発令中の活動制限令は5月4日より、飲食店での食事が可能になるなど緩和されることが昨日5月1日に発表されました。しかし3月18日から続く活動制限令下では多くの経済活動が制限され、その影響から上の記事でも取り上げた各クラブが選手及びスタッフの給料を削減せざるを得ない状況となっています。
 この状況はMリーグ1部スーパーリーグや2部プレミアリーグのクラブはもとより、3部M3リーグでも同様で、特に小規模のクラブには大きな影響を及ぼしていると、マレー語紙ブリタハリアンが報じています。
 同紙が取り上げているのは、今季から高山龍選手も所属するM3リーグのランカウィシティFCですが、クラブのマネージャーを務めるモハマド・ノー・モハマド・アミンは、現在の状況はクラブにとって厳しいものになっていると述べています。
 「新型コロナウィルス感染は予期できないものではあるが、M3リーグのクラブは大半が小規模クラブであり経営危機に直面していることから、選手及びスタッフの給料支払いに悪影響が出ている」と話すモハマド・ノー氏は、「多くのM3クラブは企業スポンサーに依存しているが、その企業の多くが活動制限例により経営難に陥っている。」とも述べ、活動制限令が解除となった場合でも、今季のM3リーグは中止とするべきだと話しています。
 この他、FAMと国内リーグMリーグを統括するマレーシアフットボールMFLが提案している9月のMリーグ再開については、政府がこれを認めたとしても、ランカウィシティFCのような小規模クラブは綿密な運営計画が必要になるとし、事前に再開に向けた準備をせざるを得ないとしています。
 モハマド・ノー氏はFAMとMFLが6月に発表するとしているM3リーグ再開の可否については、M3リーグに関わる全員にとって最善のものであることを期待していると話しています。

5月1日のニュース(2):Mリーグは変則日程で9月1日再開予定と発表も、政府の認可待ち

 マレーシアの国内リーグMリーグを運営するMFLは公式サイト上で今後の計画を発表しています。7月からの各クラブの練習開始と8月からのリーグ再開というMFLの要請はは却下されたとしており、これにより当初の予定を変更し、新たな案として発表されたのは以下の通りです。くどいようですが、これは決定事項ではなく、あくまでもMFL作成案であり、Mリーグ再開については現在もマレーシア政府の認可待ちであることにご注意下さい。

1)今季2020年シーズンのMリーグ1部スーパーリーグと2部プレミアリーグは9月1日と2日より再開し、第5節から第11節までを行い、9月26日と27日を持って終了する。
2)マレーシアカップは10月17日と18日に開幕し、11月7日に決勝戦を行う。またフォーマットは従来のグループステージ形式、準々決勝と準決勝のホームアンドアウェイ形式も採用せず、他全試合をトーナメント形式とする。マレーシアカップの出場クラブはスーパーリーグ上位11クラブとプレミアリーグの上位5クラブとする(プレミアリーグ所属のBチームには出場資格なし)
3)FAカップとチャレンジカップは中止。
4)各クラブは、FAMとMFLがFIFAやAFCによる指針とマレーシア政府保健省、青年スポーツ省、国家安全保障委員会の指示に従って発表する活動方針に従って8月から練習開始。
5)すべての試合は無観客試合として実施。
6)Mリーグが9月に再開する場合、リーグ開催期間中の選手移籍は禁止
7)9月中のMリーグ再開が許可されない場合、今季2020年シーズンは中止。
8)Mリーグ3部のM3リーグの再開については、多くの試合会場施設の都合上、無観客試合の実施が難しいことから6月に決定する。

 MFLのアブドル・ガニ・ハサンCEOは、上記の内容については来月6月に見直しを行うとしており、マレーシア国内の新型コロナウィルス感染拡大の状況によっては、さらに変更も考えられると話しています。
 また上記の日程が実施された場合には、スーパーリーグの優勝クラブが2021年のAFCチャンピオンズリーグへの出場権を、マレーシアカップの優勝クラブとスーパーリーグの準優勝クラブが2021年のAFCカップへの出場権が獲得しますが、万が一、9月にMリーグ再開が果たせず、今季中止となった場合には、2019年のスーパーリーグ優勝クラブジョホール・ダルル・タジムJDTがACLへ、2019年スーパーリーグ準優勝クラブのパハンFAと2019年FAカップ優勝のクダFAがAFCカップへ出場するとしています。

 今回の日程発表では、現在中断中のFIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選兼AFC選手権アジアカップ2023年大会予選や、やはり中断中でJDTが出場中の2020年ACL、そして11月21日から12月15日にかけて予定されているAFF選手権スズキカップを念頭に置いたものだとしています。

5月1日のニュース(1):Mリーグ再開についての政府の閣議決定がFAMとMFLに伝えられる

Mリーグ再開についての政府の閣議決定がFAMとMFLに伝えられる
 マレーシアサッカー協会FAMは国内リーグMリーグの再開について、マレーシア政府による決定を受け入れたようだと、マレーシアの通信社ブルナマが伝えています。
 新型コロナウィルス感染拡大に伴い、3月18日からマレーシア全土に発令中の活動制限令MCOは、国内の新たな感染者数が減少傾向にあることから今月5月中から段階的に解除されるのではという予測があります。
 MCO発令により中断しているMリーグはMCO直後の再開を目指しており、FAMとMリーグを運営するマレーシアフットボールリーグMFLは、国内のスポーツを統括する青年スポーツ省を通じて、マレーシア政府に再開許可を求めていました。
 一昨日4月29日のMCO発令中の定例記者会見の席上で、イスマイル・サブリ・ヤアコブ上級相が青年スポーツ省から許可を求める申請を受け取ったことを明らかしており、昨日4月30日の定例会見でMリーグ再開について何らかの発言があるのではと期待されていましたが、何も起こりませんでした。
 しかし、ブルナマの報道によると、昨日4月30日にリーザル・メリカン・ナイナ・メリカン青年スポーツ相との会合での席上で、FAMのハミディン・アミン会長とMFLのアブドル・ガニ・ハサンCEOに政府の決定が伝えられたということです。なお、FAM、MFLとも決定内容についてはまだ明らかにしていません。
 リーザル・メリカン青年スポーツ相は、防衛大臣でもあるイスマイル・サブリ・ヤアコブ上級相が議長を勤めた閣議による決定に沿うようFAMとMFLに助言したとも報道されており、実際にリーザル・メリカン青年スポーツ相も自身のTwitterでFAMとMFLに対してアドバイスおよび決定事項を伝えたことを明らかにしています。
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 現時点では閣議決定の内容が明らかになっていないため、おそらく本日中に行われるであろうFAMとMFLからの発表を待って、5月1日のニュース(2)として後ほどアップします。

4月30日のニュース:Mリーグ再開が遅れればAFC選手権予選突破に暗雲も、クラブによる一方的な給料削減内容やその交渉を選手が明かす

Mリーグ再開が遅れればAFC選手権予選突破に暗雲も
 新型コロナウィルス感染拡大により中断中のFIFAワールドカップ(W杯)2022年大会アジア二次予選兼AFC選手権アジアカップ2023年大会予選では、マレーシアは5試合を終えてベトナムに次ぐグループ2位につけています。正直なところ、ワールドカップへの道のりは険しそうですが、より現実的な目標となるアジアカップ出場についてはまだ可能性を残しています。
 しかし、マレーシアの通信社ブルナマは、国内リーグMリーグの再開が10月あるいは11月となった場合、その可能性が低下するだろうという記事を配信しています。
 現在中断中のW杯アジア二次予選兼AFC選手権予選について、FIFAは11月の再開を予定しており、ブルナマの記事では、Mリーグ再開の遅れによって代表選手たちがW杯予選に臨むのに十分なコンディションになっているかどうかが心配であるとしています。
 元代表監督でもあるスランゴールFCのサティアナタン・バスカラン監督は「本番の試合の前には数試合は練習試合を行う必要があるが、マレーシア国内でのサッカーの試合解禁が10月以降になれば、練習試合を組むことが難しくなるだろう。」と述べ、さらに「(活動制限令が発令された3月18日から)6ヶ月以上自宅のみで練習してきた選手が、10月からチーム練習を始め、11月にはW杯予選に出場するという日程を想像してみれば、それがどのくらい難しいことなのかがわかるだろう。しかもW杯予選はMリーグよりもはるかに激しい試合になる。そういった試合にコンディションが整った選手を招集するのは至難の技だろう」と話しています。
 現在中断中のW杯予選でマレーシアが所属するグループGでは、ベトナムが3勝2分0敗で首位、マレーシアは3勝0分2敗で2位、以下タイ(2勝2分1敗)、アラブ首長国連邦UAE(2勝0分2敗)、インドネシア(0勝0分4敗)と続いています。なおマレーシア代表は先月3月には予選の残り試合となるアウェイのUAE戦、ホームのタイ戦とベトナム戦が予定されていましたが、いずれも新型コロナウィルス感染拡大のため延期となっています。
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 冒頭にも書きましたが、W杯出場は無理でも2007年以来となるアジアカップへの出場権は手が届くところまで来ているので、何とか出場権を獲得して欲しいです。なお2007年大会は、アセアン4カ国との共催で出場資格を得ましたが、予選を突破しての出場となると、マレーシアが最後に出場したのは1980年のクウェート大会まで遡らなければなりません。

一方的な給料削減交渉の現状を選手が明かす
 新型コロナウィルス感染拡大により中断中のMリーグの各クラブに対し、マレーシアサッカー協会FAMは、選手やスタッフとの給料削減交渉を今月4月22日までに終えるように求めていました。その後、FAMは期限を1週間延長し4月29日までとましたが、複数のクラブが交渉をおこったものの合意に至っていないことは、このブログでも取り上げましたが、マレー語紙ブリタハリアン電子版では、給料削減を迫られた選手が置かれた状況を取り上げて記事にしています。
 この記事で取り上げられている選手が所属するのはクランバリー(クアラルンプールとスランゴール州の総称)に本拠地があるクラブということですが、そのクラブは所属する選手に給料削減に関する同意書を渡し、渡されたその日のうちにサインすることを求めたそうです。
 給料削減内容を詳しく確認する時間すら与えられなかったと話すこの選手は「クラブの経営陣は今後の見通しについて選手との話し合いを行わない一方で、選手の受け取っている給料の額に関係なく給料削減を行なっている。給料が5000リンギ(およそ12万4000円)の選手の給料が40%削減されることを想像してみて欲しい。給料削減は段階的に行うと聞かされており、最終的にはどうなるかが不明で、給料未払いという事態も起こるのではないかという心配もある。」と話しています。
 ブリタハリアンの記事では、このような事態はこの記事の選手が所属するクラブを含めて、少なくとも4つのクラブで起こっていると報じ、Mリーグ1部のスーパーリーグに所属する別のクラブでは、クラブが意図的に選手との交渉を期限の前日に行い、選手が同意せざるを得ない状況になったと話しています。
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 FAMは選手とクラブが合意に至らない場合には、仲介する用意があるとしていましたが、そのような話は出ていないので、FAMそのものに選手からの信用がないのかも知れません。

4月29日のニュース:FAMはMリーグ再開が8月中に実現しなければ今季中止の方針、2022年までにMリーグ全クラブを民営化、マラッカUは2月分の遅配給料を支払い開始

FAMはリーグ再開が8月中に実現しなければ今季中止の方針
 マレーシアサッカー協会FAMが現在中断中のMリーグが8月中に再開できない場合には、今季の残り試合を中止することを検討していると、マレー語紙ブリタハリアン電子版が報じています。
 FAMのモハマド・ユソフ・マハディ副会長は、3月18日より中断している国内リーグMリーグについて、10月あるいは11月に再開となった場合には年内に全日程を終了することは不可能だとし、8月中にマレーシア政府よりリーグ戦再開が実現しない場合には全日程を中止せざるを得ないだろうと話しています。
 リーグ再開についてはマレーシア政府による許可を待つしかないと話すユソフ副会長のコメントは、昨日4月28日の定例記者会見でのイスマイル・サブリ・ヤアコブ上級相がMリーグ再開についてのコメントに反応したものです。サブリ上級相は活動制限令が解除となった後でも直ちにMリーグの再開許可は出ないだろうとして、例えば6月中に解除となった場合は、10月からの再開になるだろうとコメントしていました。

Mリーグクラブの民営化
 マレーシアの国内リーグMリーグの大半のクラブは、マレーシア各州サッカー協会(州FA)によって運営されています。このブログでもクラブ名が○○FAとなっているクラブは、その○○州FAがそのクラブを運営していることを表しています。
 国内リーグは元は各州対抗の試合だったという歴史的背景もありますが、州FAがMリーグクラブを運営する最大の利点は、州政府から運営資金が提供されることです。ただし政治家が金だけ出して、口を出さないわけはないので、州FAの会長はサッカーについては全く素人で、他にやるべき仕事を大量に抱える各州の州知事が務めています。
 そういったクラブが大口スポンサーとして州政府を抱えながら給料未払い問題を起こす構造は定かではないですが、1989年のセミプロリーグ化、そして1994年の完全プロリーグ化以降も長年、この運営形態が維持されてきました。
 しかし、新型コロナウィルスの影響によってこれまでの「日常」が大きく変わっている現在、州FAが運営するクラブを民営化する時期に来ているのではないか、という記事をマレー語紙ハリアンメトロ電子版が掲載しています。
 新型コロナウィルス感染拡大の影響で、マレーシア各州政府はその対策に新たな州予算を設けて対応していますが、新たな支出を強いられた州政府が当初予定していた多くの予算をこの新型コロナウィルス対策へと回していることから、スポンサー料として州FAへ回る予定だった予算もそちらへ振り分けられ、その結果とし、Mリーグの多くのクラブが運営資金不足から選手、スタッフの給料削減をせざるを得ない状況になっています。
 マレーシアサッカー協会FAMのクラブライセンスプロジェクトチームのモハマド・フィルダウス・モハメド委員長によると、現在のMリーグ1部スーパーリーグと2部プレミアリーグに所属する24クラブ中、ジョホール・ダルル・タジムJDT、PJシティFC(以上スーパーリーグ)、サラワク・ユナイテッド(プレミアリーグ)の3クラブが完全に民営化されたクラブということです。言い換えれば、これらのクラブは選手、スタッフへの給料支払いが州政府の財政状況に左右されずに運営されるクラブであるということです。(筆者注:州FAが運営するクラブ以外でも、フェルダ・ユナイテッドはマレーシア政府の機関である連邦土地開発庁が、UKM FCとUITM FCはそれぞれ国立大学が、PDRM FCはマレーシア警察が運営するクラブで、州政府同様、公的機関が運営するクラブです。)
 フィルダウス委員長は「新型コロナウィルス感染拡大後に表面化したクダFAの給料未払い問題から明らかなように、州政府が優先するのは州民の福利であり、州FAのクラブへの対応はその後になる」、「もしクラブのオーナーがサッカーを愛し、十分な資金を持つ企業や個人であれば、対応方法は異なるだろう」と話し、Mリーグのクラブを運営する各州FAはクラブのオーナーとなる企業や個人を見つけて民営化を進めるべきであると述べています。また「クラブのオーナーは1人や2人である必要はなく、最大8人で構成する運営委員会によるクラブ所有も可能である」とも話しています。
 FAMのクラブライセンスプロジェクトチームは、2021年シーズン開幕までにMリーグの全てのクラブが州FAから独立した民営化クラブとなることを支援する目的で昨年2019年5月に設立され、各州FAのクラブは今年9月を期限としてクラブ名からFAを外しFCして登録することになっていました。なお、フィルダウス委員長は新型コロナウィルスの影響から、この期限を延長する予定であることを明言し、各クラブの完全民営化は2022年までに完了したいとしています。
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 このブログでもスランゴールFC、トレンガヌFC、マラッカ・ユナイテッド、ペラTBGなどFAがつかないクラブ名を使ってきましたが、実情はこれらのクラブも州政府からの予算で運営されているクラブであり、名称にFAがついたクラブと何ら変わりはないということです。

マラッカUは2月分の遅配給料を支払い開始
 マレー語紙ブリタハリアン電子版によると、Mリーグ1部のマラッカ・ユナイテッドは遅配となっていた2月分の給料を昨日4月28日より支払い始めたようです。
 マラッカ州サッカー協会MUSAのモハマド・ユソフ・マハディ副会長(筆者注:最初の記事に出てくるFAM副会長と同一人物です。念のため)は、60万リンギ(およそ1470万円)を超える未払い給料をマレーシア人選手と外国籍選手に支払ったということです。
 3月末に起こったマレーシア国会での政変でマラッカ州知事も、それまでの国会与党出身者から政変後に与党となった政党出身者へと交代した結果(筆者注:マレーシアでは州知事を選ぶ地方選挙はなく、州議員による選挙で選ばれます)、2月分の給料遅配問題が解決したと話すMUSAのユソフ副会長は、こちらも遅配となっている3月分の給料についても近いうちに支払いが始まると話しています。

4月28日のニュース:Mリーグの今後について各監督の意見は、Mリーグは早ければ10月再開の可能性が浮上

国内リーグの今後について各監督の意見は
 マレーシア国内リーグのMリーグは1部スーパーリーグと2部プレミアリーグは第4節終了時点で、3部M3リーグは第2節終了時点でそれぞれのリーグが中断しています。新型コロナウィルス感染拡大を防ぐためにマレーシア全土に発令中の活動制限令解除後MCO解除のMリーグの早期再開について、マレーシア政府が否定的であることは先日このブログでも取り上げましたが、ここ数日で早期再開どころか年内再開すら怪しくなり、今季2020年シーズンはこのまま終了という気配が濃厚になっています。
 マレーシア政府のイスマイル・サブリ・ヤアコブ上級相が「ピッチ上に22人が集まるサッカーも、集団が形成される活動であり、活動制限令MCOが解除になっても許可されないであろう」と話したことから、検討されていた無観客試合すら実施が難しい状況になっていますが、そんな状況について、英字紙ニューストレイトタイムズ電子版が各クラブの反応を取り上げています。
 スーパーリーグで首位のジョホール・ダルル・タジムJDTを勝点2で追うペラTBGのメフメト・ドゥラコビッチ監督は、リーグ最下位の是非は専門家に任せるべきだと話しています。「マレーシア政府の保健省や国家安全保障委員会が再開許可を出せば、再開すれば良いし、そうでなければ選手やスタッフ、審判など関係者全員の安全を優先するべきだ」「自分たちは専門家の意見を聞く立場であって、リーグ再開の是非を決める立場にない。例えリーグを再開する必要があっても、関係者全員の安全が最優先である」と話しています。
 一方、スランゴールFCのサティアナタン・バスカラン監督は今季のリーグ中止後の影響が心配であるとしています。「リーグが中止となった場合には、クラブは選手やスタッフの契約内容見直しを行う必要があるだろう。また、来季2021年シーズンのアジアサッカー連盟AFCチャンピオンズリーグにマレーシア代表としてどのクラブが出場するべきなのかも疑問である」開幕4試合でスランゴールFCは上位のクラブとの対戦が続いたとは不運であったとも述べて、第4節までの結果でACL出場クラブを決めるべきではないことをほのめかしています。
 また、今季スーパーリーグに昇格したばかりのUITM FCでチームマネージャーを務めるムスタザ・アーマド氏は、第4節で12位のPDRM FCを破って、今季初勝利を飾ったチームの調子が上向いてきたところでの中断だったして、スーパーリーグ12クラブ中11位ながら、UITM FCはリーグ再開を望んでいると話しています。
 フェルダ・ユナイテッドFCのニザム・ジャミル監督は「第4節終了時点で5位という順位には満足しているが、リーグは本来なら22試合あり、現在の各クラブの順位はリーグの状況を正確には反映していない」と述べ、とにかく政府の方針が決定するのを待つしかないと語っています。
 この他、スーパーリーグ最下位12位でリーグ中断となったPDRM FCのイシャク・クンジュ監督はこの中断のおかげで今季の2部降格が猶予されたと考え、このままリーグが中止となれば、来季2021年シーズンもPDRM FCは1部スーパーリーグで戦えると話し、そうなれば評価を覆す可能性はあると話しています。
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 筆者注:突然ですが、今回から国内リーグの表記をこれまでの「MFL」から「Mリーグ」とすることにしました。国内リーグを運営するマレーシアフットボールリーグMFLは組織名であり、記事の中でこの組織を指す場合とリーグそのものを指す場合に同じ表記では曖昧となることからの措置です。

 マレーシアの通信社ブルナマによると、活動制限令が解除されてから最大で4ヶ月後にはMリーグが再開される可能性があるということです。
 本日4月28日の定例記者会見の席上で、イスマイル・サブリ・ヤアコブ上級相は、現在中断中のMリーグの再開について、現在発令中の活動制限令が解除となった後、4ヶ月程度の「冷却期間」が必要だと述べたということです。
「マレーシアサッカー協会と国内リーグを統括するマレーシアフットボールMFLがMリーグを7月に再開する希望があることは理解しているが、活動制限令が解除されてから1、2ヶ月での再開は時期尚早である。しかし、活動制限令が6月中に解除となれば、10月あるいは11月のリーグ再開については、無観客試合などの条件付きで、政府が許可する可能性がある」と述べています。
 しかしその一方で、サブリ上級相はMリーグ再開についての最終判断は、保健省の指示や助言を仰ぐことも明言しています。「保健省による助言は必要であり、FAMと(FAMを統括する)スポーツ青年省からのリーグ再会の提案を受けた段階で、マレーシア政府が最終決断を下す」と述べています。
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 マレーシア政府関係者がMリーグ再開の具体的な時期について述べたのは今回が初めてです。これは朗報と言えるのではないでしょうか。ただし10月あるいは11月に再開許可が出た場合、時期的に今季2020年シーズンの再開となるのか、2020/2021シーズンとなるのかは不明です。

4月27日のニュース:FAMは手当未払い問題を抱える審判に報告を求める、全てのクラブで給料削減の合意ができているわけではない、スランゴールFCは給料削減を5月から11月まで実施

FAMは手当未払い問題を抱える審判に報告を求める
 マレーシアの通信社ブルナマは、マレーシアの国内リーグでの審判への手当て未払い問題について、マレーシアサッカー協会FAMは該当する審判に状況を報告するよう求めていると報じています。
 FAMのスチュアート・ラマインガム事務局長は、正確な状況を把握するために書面にて正式な申し立てが必要であり、そういった申し立てがあれば、FAMの審判委員会が対処すると話しています。その一方で、FAMへの申し立てを行わず、メディアに対して不服を述べるだけでは解決のより時間がかかる可能性も指摘しています。
 「FAMの審判委員会に必要な情報を電子メールあるいは書面で提出してもらえれば、FAMとして問題解決のために必要な手段を講じることができるが、それがなければ何試合で手当の支払いが行われていないのか、カップ戦やリーグ戦のどの試合なのかなどが不明のため、FAMとしては何もできない」とラマリンガム事務局長は話しています。
 また一部のサポーターからこの審判手当未払い問題についてFAMの責任を問う声が出ていることについて、ラマリンガム事務局長は「FAMが責任を負うのは試合を担当する審判の指名と、審判の養成のみであり、審判手当の支払いは国内リーグを運営するマレーシアフットボールMFLの役割である」と説明しています。

全てのクラブで給料削減の合意ができているわけではない
 マレーシアサッカー協会FAMは国内リーグ1部と2部の全てのクラブに対して、選手やスタッフとの給料削減交渉の状況やクラブの経営状況の報告を4月22日を期限として求めていました。
 全てのクラブは既に状況を報告済みであることはFAMが発表していますが、給料削減交渉については合意できていないクラブがあるようだと、マレー語紙ブリタハリアン電子版が報じています。
 全てのクラブが選手との交渉を行い、合意に至っているクラブは個々の選手の給料削減額や削減が行われる期間などをFAMに提出済みであるのに対し、複数あるとされる合意に至ってないクラブは、交渉は行われているものの選手側が給料削減額や期間に同意していないということです。
 FAMのスチュアート・ラマリンガム事務局長は、各クラブの報告内容を精査した上で、新型コロナウィルス感染拡大による悪影響がクラブおよび選手、スタッフに及ばないような策を講じたいと話しています。

スランゴールFCは給料削減を5月から11月まで実施
 マレー語紙ブリタハリアン電子版によると、スランゴールFCを運営するスランゴール州サッカー協会FASは、選手およびスタッフとの契約内容を見直し、5月から11月までの給料を削減すると発表しています。
 FASのジョハン・カマル・ハミドン事務局長は、新型コロナウィルスによるリーグ中断による入場料収入が途絶えている以上に、現在、マレーシア全土に発令中の活動制限令によって影響を受けている複数のスポンサーからの広告料の支払いが遅れていることが給料削減実施の主な理由であるとしています。
 既に選手、スタッフには詳細を説明済みということですが、総額で290万リンギ(およそ7150万円)程度の損失が発生していることからクラブの運営が難しくなっており、今回の給料削減に踏み切らざるを得なかったとジョハン事務局長は説明しています。
 給料削減は給料の額や既婚か未婚かなどの条件をもとに3%から33%で実施し、25%以上の給料削減対象となるのは選手、スタッフ全体の5%程度になるとしています。
 しかしその一方で、この条件での給料削減に同意しているのは全体の60%程度ということで、残りの40%の選手、スタッフとは給料削減について合意に達していないということです。

4月26日のニュース:次代のエースは当面は国内で練習へ、TFC主将は給料削減の追加を申し出る、国内リーグ主催者は未払いの審判手当の支給を約束か

次代のエースは当面は国内で練習へ
 マレーシアU19代表で活躍したルクマン・ハキム・シャムスディンは、昨年2019年の東南アジア競技大会シーゲームズでは飛び級でU23代表でプレーし、今年2月には英国2部のカーディフシティーでの練習に参加した後、ベルギー1部リーグのKVコルトレイクに加入が予定されていました。しかし就労ビザ発給が遅れ、その後は新型コロナウィルス感染がヨーロッパ各地で拡大したことから、現在はマレーシア国内に留まり、当面はMFL2部のスランゴール2でのプレーを検討中であると英字紙スター電子版が報じています。
 ルクマン選手が今年最初の移籍期間にスランゴール2に登録されたことは既にこのブログでも取り上げていますが、ルクマン選手が移籍予定のベルギーリーグはリーグ打ち切りを決めながらも欧州サッカー連盟UEFAの「圧力」で決定を取り消すなど混乱が続いており、ルクマン選手の渡欧はすぐには実現しそうもありません。
 4月23日にさらに2週間の延期が発表された活動制限令下は自宅で練習中というルクマン選手は、今季のリーグ戦ではスランゴール2ではまだプレーしていませんが、リーグ再開に備えて準備を続けたいとしています。
 カーディフシティー、KVコルトレイクともマレーシア人ビジネスマンのヴィンセント・タン氏が所有するクラブで、ルクマン選手はKVコルトレイクと5年契約を結んでいます。
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 2018年のアジアサッカー連盟AFC U16選手権では、マレーシア代表はグループステージで敗退したものの、5ゴールを挙げたルクマン選手は、優勝した日本代表の西川潤選手(セレッソ大阪)らと大会得点王を分け合っています。
 ところで、このルクマン選手は練習以外の時間に、バイクで食べ物などのデリバーを行なっているという報道もあります。今はサッカーのことだけを考えて生活しても良いのではとも思いますが、とにかく、他のデリバリーの方々同様、新型コロナウィルス感染や運転するバイクの事故などには気をつけて欲しいです。

TFC主将は給料削減の追加を申し出る
 トレンガヌFCのリー・タックはイギリス出身の外国籍選手ながらチームの主将を務めていますが、このタック主将がクラブによる給料削減に加え、さらなる削減を自ら申し出たことをタック選手の代理人が明かしています。
 2018年からトレンガヌFCでプレーしているタック選手の代理人を務めるエフェンディ・ジャガン・アブドラ氏は、タック選手に代わってクラブと給料削減についての交渉を行い、その席で決まった削減額を伝え、タック選手もその額に同意したそうです。しかし、その翌日に、タック選手から連絡があり、自分の給料をさらに削減するようクラブに伝えるよう依頼があったそうで、タック選手は最終的には「かなりの額」を削減することになったということです。タック選手の他、シンガポール出身のファリス・ラムリら複数の外国籍選手の代理人も務めるエフェンディ氏は、他の外国籍選手も給料削減の必要性を理解していると話しています。
 これを報じたマレー語紙ハリアンメトロ電子版は、具体的な金額は明らかにしていないものの、この給料削減は4月分の給料から行われ、チーム練習が再開するまで続くというエフェンディ氏のコメントも紹介しています。

国内リーグ主催者は未払いの審判手当の支給を約束か
 マレーの通信社ブルナマは、国内リーグの運営するマレーシアフットボールリーグMFLが、未払いとなっている審判手当について今月中に支払う予定であるようだと報じています。
 昨季2019年シーズンのマレーシアカップ、国内リーグ3部のM3リーグ、そして今季2020年のFAカップでの試合の審判手当が未払いとなっている件について、審判を手配している複数の州サッカー協会審判部にSNSでメッセージが送られ、MFLは5月前にまでには支給するという連絡が届いたとしてます。
 この情報を得て、ブルナマはMFLとマレーシアサッカー協会FAMに審判の手当未払い問題が存在するかどうかを確認しようとしたそうですが、その問い合わせについてはMFL、FAMとも返事をしなかったとも報じています。
 なお審判手当の未払いについては、MFL、FAMともこれまで公式な発表は行っていません。
 この審判手当未払い問題は、4月21日に地元テレビ局が第一報を報じたことに端を発しますが、その際の報道内容は」審判手当の支給をMFLに拒否されたという話がSNS上で国内サッカーファンの関心を集めている」というものでした。
 ブルナマによれば、審判手当の未払いはMFLクラブとは無関係であること、またこの審判手当未払いは、つい最近の問題ではなく、過去にも起こっていたということです。
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 もしこの報道が事実だとすれば、未払い給料問題を抱えるクラブをMFLが罰するという図式に説得録がなくなるどころか、むしろそれが滑稽に見えてしまいます。しかし果たして実際はどうなのかは、MFLおよびFAMからの公式声明もないということですので、続報を待ちたいと思います。