3月5日のニュース
Mリーグ2部プレミアリーグは本日開幕も新型コロナにより5試合中4試合が延期
ペラFCは今季リーグ開幕前に早くも給料未払いが発覚

昨日開幕したMリーグ1部スーパーリーグは、JDT、クダ、そして昇格組のヌグリスンビランが今季初勝利を飾り、いずれも首都圏に本拠地を持つKLシティとスランゴールの対戦となったクランバリーダービーは3-3の引き分けとなっています。またスーパーリーグでプレーする唯一の日本人選手、サバFCの加賀山泰毅選手は10番をつけて先発し、フル出場でMリーグデビューを飾っています。

その一方で本日予定されていたパハン対トレンガヌは、パハンの選手と監督、コーチ合わせて20名が新型コロナ検査で陽性となったことから延期されています。後述しますが、2部プレミアリーグも4試合延期されるなど、今季のMリーグも新型コロナに振り回されそうな予感です。

Mリーグ2部プレミアリーグは本日開幕も新型コロナにより5試合中4試合が延期

昨日のMリーグ1部スーパーリーグ開幕に続き、本日3月5日には2部プレミアリーグが開幕します。開幕節第1節には5試合が予定されていましたが、複数のチームで新型コロナ検査で陽性者が出たため、延期が決定したのは本山雅志、深井脩平両選手が所属するクランタン・ユナイテッドFCや、谷川由来選手が所属するクチンシティFCのの試合を含めた5試合中4試合が延期されています。

ペラFC対クランタン・ユナイテッドFC戦は、ペラFCの選手6名が陽性、14名の選手が有症状の濃厚接触者となったことから延期となり、さらに3月14日のFAカップ1回戦キジャン・レンジャーズ戦も延期となりました。またトレンガヌII対UITM FC戦は、UITM FCの選手12名が陽性、残る選手は濃厚接触者となったことから延期され、3月22日のFAカップ1回戦クチンシティFC戦も延期されています。

プレミアリーグ第1節は、既報の通り3月5日に予定されていたスランゴール2対FAM-MSNプロジェクトと、3月7日に予定されていたPDRM FC対谷川由来選手所属のクチンシティFCの2試合の延期が決まっています。

3/5(土)キックオフ
ペラクランタン・ユナイテッド延期
トレンガヌIIUITM FC延期
スランゴール2FAM-MSNプロジェクト延期
JDT IIクランタンFC20:15
3/7(月)
PDRM FCクチンシティFC延期
ペラFCは今季リーグ開幕前に早くも給料未払いが発覚

昨季2021年シーズンには給料未払いから主力選手の大半がシーズン途中に退団し、1部スーパーリーグで11位に終わり、今季は2部プレミアリーグに降格したペラFCは、今季開幕直前には未払い給料を理由にFIFAとマレーシアサッカー協会FAMからトランスファーウィンドウ期間中の新規選手獲得禁止処分を受けたことから選手不足に陥り、結局、U19とU21チームの選手をトップチームに昇格させてリーグ出場条件となる20名の選手を登録し、プレミアリーグへの参加が認められました。

しかし、今季開幕を前にさらなる給料未払い問題が明らかになっています。今回は2ヶ月分の給料が未払いとなっているということですが、ペラFCのムハマド・ヤヌス・ザカリアCEOは来週月曜日の3月7日までにまずは1ヶ月分を支払うことを約束していると、マレーシアの通信社ブルナマが報じています。

ペラFCは昨季在籍したいずれもブラジル出身のレアンドロ・ドス・サントスとカレッカ両選手への給料が未払いとなっている他、両選手の代理人への手数料支払いも滞っていることが報じられています。また2020年シーズン開幕前に一旦は契約しながら、その後にケガが発覚したことを理由に契約を解除したジェオン・ヒヨソク(韓国)に対しても同様の未払いがあるとされ、未払い給料と手数料の総額は170万リンギ(およそ4690万円)となっているということですが、こちらについては来月4月末までに支払う予定であるとヤヌスCEOは話しています。


3月4日のニュース
Mリーグ1部スーパーリーグが本日開幕
コーチや選手が新型コロナ検査で陽性反応を示したMリーグ2部の開幕節2試合が延期に
FAMは東南アジア競技大会の男子サッカー参加と女子サッカー不参加を発表-女子選手やサポーターから失望の声が上がる

Mリーグ1部スーパーリーグが本日開幕

Mリーグ1部スーパーリーグの今季2022年シーズンが本日開幕します。第1節のカードは以下の通りです。(カッコ内は昨季の1部スーパーリーグの順位。なおキックオフは全てマレーシア時間。日本時間はこのプラス1時間です。)なお、今季のスーパーリーグは、リーグの冠スポンサーUnifiのYouTubeチャンネルで配信されます。UnifiのYouTubeチャンネルはこちらです。

3/4(金)キックオフ
サラワク(2部2位)クダ(2位)20:15
KLシティ(6位)スランゴール(5位)21:00
JDT(1位)ペナン(3位)21:00
サバ(9位)ヌグリスンビラン(2部1位)19:00
3/5(土)
パハン(10位)トレンガヌ(4位)20:15
PJシティ(7位)マラッカ(8位)21:00
コーチや選手が新型コロナ検査で陽性反応を示したMリーグ2部の開幕節2試合が延期に

Mリーグ2部プレミアリーグは1部スーパーリーグから1日遅れて明日3月5日に開幕しますが、Mリーグを運営するMFLは開幕節第1節に予定されていた2試合の延期を公式サイトで発表しています。

延期となったのは3月5日に予定されていたスランゴール2対FAM-MSNプロジェクトと、3月7日に予定されていたPDRM FC対クチンシティFCの2試合です。MFLの発表では、FAM-MSNプロジェクトはコーチ2名と選手全員が、PDRM FCはコーチ1名と選手14名が新型コロナ検査で陽性反応を示したことから、延期が決まったということです。

これについてMFLのスチュアート・ラマリンガムCEOは「マレーシアカップ開始時期はシーズン終盤で試合の延期が不可能な状況であったことから1人でも感染者が出たチームは不戦敗となったが、今季は試合当日のベンチ入りメンバーの半数以上が感染者あるいは濃厚接触者となった場合に限り、該当チームから新型コロナ検査結果とチームドクターの署名入り書類の提出を条件に試合の延期を認めることとなった。」と話し、新型コロナに関するMFLの規則が変更となったことについて言及しています。なお、昨季末のマレーシアカップではチーム内に感染者が出たことにより試合が行えなくなったヌグリスンビランFCが3試合で不戦敗となる扱いを受けていました。、

またスチュアートCEOは、今後も試合延期が繰り返され、リーグ日程に深刻な絵強を与えるような事態になった場合には、対応策がMFLの理事会で協議されることも明らかにしています。

FAMは東南アジア競技大会の男子サッカー参加と女子サッカー不参加を発表-女子選手やサポーターから失望の声が上がる

昨年2021年末の東南アジアサッカー連盟AFF選手権スズキカップではA代表がグループステージで敗退、先月2月に行われたAFF U23選手権ではU23代表がラオスに2連敗してやはりグループステージを突破できずに敗退していますが、マレーシアサッカー協会FAMは今年5月にベトナムで開催される東南アジア競技大会通称シーゲームズにU23代表が出場する一方で、女子代表については大会不参加を発表しています。

FAMのサイフディン・アブ・バカル事務局長は、AFF U23選手権で敗れたU23代表をシーゲームズに出場させることには何ら問題はないと話し、6月にウズベキスタンで開催されるAFC U23選手権の準備となるようなチームを編成すると話しています。またA代表は同じ6月にAFC選手権アジアカップ2023年大会最終予選があることから、選手選考については、A代表のキム・パンゴン監督、U23代表のブラッド・マロニー監督、そしてFAMのスコット・オドネルTD(テクニカルディレクター)らが協議して行うとも話しています。

またサイフディン事務局長はシーゲーム出場に際して、U23代表は女子フットサル代表とともにカテゴリーBとなった一方で、eスポーツのサッカーに出場するサッカーeマレーシア代表はカテゴリーAとなったことも明らかにしています。(注:カテゴリーAは過去の実績から大会の上位3位までに入賞が予想される個人や団体に与えられ、マレーシアオリンピック協会OCMが出場費用を全額負担します。またカテゴリーBは上位6位までに入ることが期待される個人及び団体に与えられ、所属する協議連盟、サッカーではFAM、が出場費用を負担することになっています。)

サイフディン事務局長は、過去5大会連続師弟出場している女子サッカー代表については不参加を発表しましたが、その理由については明言しませんでした。なお女子サッカー代表はこれまでメダル獲得の経験がなく、2019年のシーゲームズ フィリピン大会ではグループステージで敗退しています。(同大会では男子(U23代表)もグループステージで最下位となり敗退しています。)

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女子サッカーについてはFAMのハミディン会長が、自身が会長になって以来、最も活動が盛んになった部門であると自画自賛し、AFCのサルマーン・ビン・イブラーヒーム・アール=ハリーファ会長と会談した際も、女子サッカー、ビーチサッカー、フットサルの発展に注力するとも述べていることから、ソーシャルメディア上ではこの女子サッカー不参加に対して失望や非難の声が上がっています。

3月3日のニュース
Mリーグ2部プレミアリーグの全試合がYouTubeで配信
キム新監督の代表メンバーは3月半ばに発表か
サラワク・ユナイテッドの監督に前スランゴール監督のサティアナタンTDが就任

Mリーグ2部プレミアリーグの全試合がYouTubeで配信

Mリーグを運営するマレーシアンフットボールリーグMFLは公式サイト上で、3月5日に開幕する今季2022年シーズンのMリーグ2部プレミアリーグの全試合がYouTubeで配信されることを発表しています。MFLの公式YouTubeチャンネルはこちらです。

今季は10チームで争われるプレミアリーグですが、その中には本山雅志、深井脩平選手と東山晃テクニカルディレクターが在籍するクランタン・ユナイテッドFC、谷川由来選手が所属するクチンシティFCが含まれています。今季のプレミアリーグの日程はこちらです。

開幕戦が行われるプレミアリーグ第1節の日程は以下の通りです(キックオフはマレーシア時間。日本時間はプラス1時間です。)

3月5日(土)キックオフ
ペラFCクランタン・ユナイテッドFC21:00
トレンガヌFC IIUITM FC20:15
スランゴールFC2FAM-MSNプロジェクト21:00
JDT IIクランタンFC20:15
3月7日(月)
PDRM FCクチンシティFC21:00

またMリーグ1部スーパーリーグは昨季同様、リーグの冠スポンサーでもあるマレーシアのマルチメディア企業UnifiのYouTubeチャンネルで配信されることも発表されています。UnifiのYouTubeチャンネルはこちらです。

キム新監督の代表メンバーは3月半ばに発表か

マレーシア代表のキム・パンゴン新監督は今月2月にマレーシア入りして以降は積極的に各クラブの練習に足を運び、JDTとKLシティが対戦した先週末のチャリティーカップもスルタン・イブラヒムスタジアムで観戦したようです。

そのキム監督の初陣となるのは3月23日のフィリピン戦と3月26日のシンガポール戦となることがマレーシアサッカー協会FAMから発表されていますが、これらの試合に向けて、キム監督とコーチ陣は、明日3月4日に開幕する今季のMリーグの第1節6試合と第3節6試合の計12試合をスタジアムと映像とで観戦予定であると、英字紙ニューストレイトタイムズが報じています。

同じ記事の中では、A代表のチームマネージャを務めながらスズキカップでの惨敗後に辞任したFAMのユソフ・マハディ会長代行は、3月16日頃までには代表候補合宿招集メンバーが決まりだろうと話しています。

マレーシア代表は3月の練習試合2試合の後は、6月にクアラルンプールで開催されるAFC選手権アジアカップ2023最終予選で、バーレーン、トルクメニスタン、バングラディシュと対戦します。

サラワク・ユナイテッドの監督に前スランゴール監督のサティアナタンTDが就任

キム・パンゴン代表監督がアシスタントコーチに指名したE・エラヴァラサン監督が退任したサラワク・ユナイテッドFCは、B・サティアナタンTD(テクニカルディレクター)の監督就任を発表しています。

昨日3月2日に監督就任後の初練習を指揮したサティアナタン監督は、3月4日の開幕戦で対戦する昨季2位のクダ・ダルル・アマンFC、3月9日の第2節で対戦するに昨季チャンピオンのJDTの対策については、わずか2日ではできることはないと話し、エラヴァラサン前監督のゲームプラン通りに試合を進めたいと、スタジアムアストロの取材に答えています。

昨年末に給料未払い問題が明らかになり、今季のクラブはその返済を優先し、積極的な補強が叶わなかったものの、サティアナタン監督は今季の目標に1部スーパーリーグ残留を挙げたものの、有名選手不在のチーム状況については、1試合ごとに選手が全力を尽くせるようにしたいと話すにとどまっています。

3月2日のニュース
マレーシアFAカップのプレーオフと1回戦の日程発表
JDTオーナーはアリフ・アイマンの移籍を容認
Mリーグがキックオフ時間変更後の日程を発表

マレーシアFAカップのプレーオフと1回戦の日程発表

Mリーグを運営するマレーシアンフットボールリーグMFLは公式サイトで今季2022年シーズンのマレーシアFAカップの日程を発表しています。

新型コロナ禍により2020年、2021年は開催されなかったFAカップですが、今季は規模を縮小して開催されます。従来はMリーグ4部に当たるM4リーグのクラブも参加したFAカップですが、今季はMリーグ1部スーパーリーグの12チーム、2部プレミアリーグの7チーム(JDT II、トレンガヌII、スランゴール2はスーパーリーグチームのセカンドチームのため出場権なし)、そしてMリーグ3部に当たるM3リーグの15チームの合計34チームが出場します。

3月6日のプレーオフで開幕する今季のFAカップは、ブキット・タンブンFC対イミグレーションFC、BRM FC対トゥン・ラザクシティFCのM3クラブ同士の対戦で始まり、この2試合の勝者が加わる1回戦は3月11日から15日に開催されます。

マレーシアFAカップのプレーオフと1回戦の日程はこちらです。

JDTオーナーはアリフ・アイマンの移籍を容認

Mリーグ1部スーパーリーグのJDTでプレーするアリフ・アイマンは、現在、国内で最も注目されているマレーシア人選手です。昨季2021年シーズンのリーグMVPを史上最年少の19歳で受賞したアリフ選手は、昨年6月のFIFAワールドカップ2022年大会アジア2次予選や昨年12月の東南アジアサッカー連盟AFF選手権スズキカップ2020にも出場するなど代表キャップ数も7となり、国内サポーターの期待を一身に背負う選手でもあります。

そのアリフ選手について、JDTのオーナーでジョホール州皇太子のトゥンク・イスマイル殿下は選手の成長につながるのであれば、海外移籍を容認する自身のインスタグラムに投稿しています。

「(海外移籍する場合に)どの国のリーグでプレーするかは重要ではなく、選手を成長させてくれるシステムを持つクラブでプレーすることがより重要だ。海外でプレーすること自体に意味があるわけではない。(J3の沼津に所属する)ハディ・ファイアッドや(ベルギー1部KVコルトレイクに所属する)ルクマン・ハキムはどうなっている?」と投稿したイスマイル殿下は、海外移籍を容認しながらも慎重に移籍先のクラブを選ぶ方針を明らかにしています。

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イスマイル殿下が海外移籍を容認しながらも、手放しでそれを認めないのは、一昨年にポルトガル1部のポルティモネンセSCへ期限付き移籍しながら、U23で数試合に出場したもののトップチームでは出場機会に恵まれず帰国したサファウィ・ラシドの二の舞を避けたいということがあるかも知れません。JDTどころかマレーシア代表のエースとして嘱望され、2018年、2019年とリーグMVPを2年連続で獲得したサファウィ選手は、アリフ選手に抜かれるまでは最年少リーグMVP記録を持っていました。しかし昨季は不動の右ウィングのポジションをアリフ選手に奪われたサファウィ選手は、先発出場機会も激減しており、ポルティモネンセSC移籍は明らかに失敗でした。

Mリーグがキックオフ時間変更後の日程を発表

これまでマレー半島部で開催されるMリーグの試合は全て9時キックオフで統一されていましたが、Mリーグを運営するMFLは今季から新たにキックオフの時間を主催クラブが決定できる仕組みを導入しています。これにより、複数の試合が午後8時15分キックオフになることが発表されています。

従来はマレー半島部での試合は午後9時キックオフ(ただし照明施設が不十分なスタジアムは午後4時45分キックオフ)、東マレーシア(ボルネオ島)での試合は午後8時15分キックオフ(ただし照明施設が不十分なスタジアムは午後4時15分キックオフ)で統一されていましたが、3月4日に開幕する今季Mリーグでは、スリ・パハンFC対トレンガヌFC(パハン州クアンタン)が午後8時15分キックオフ、サバFC対ヌグリスンビランFC(サバ州コタキナバル)が午後7時30分キックオフとなることが発表されています。

MFLは今回のキックオフ時間変更について、Mリーグの試合の商業価値を高めることと、新型コロナ禍によって客足が遠のいたスタジアムに再び観客を呼び戻すことが目的としています。

今季の1部スーパーリーグの日程はこちらから、また2部プレミアリーグの日程はこちらからどうぞ。

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午後9時キックオフは平日に試合観戦する場合、帰宅が真夜中近くなることもあり、開始時間が早まることは大歓迎ですが、ボラセパマレーシアが観戦可能なKLシティ、PJシティ、スランゴールはいずれも主催試合11試合中、8時15分キックオフは1から2試合程度しかない上、今年は4月初旬から始まるイスラム教の断食月期間は、さらに時間が変更となり午後10時キックオフと深夜12時過ぎての帰宅が必死のスケジュールは変わっていません。

3月1日のニュース
AFCカップアセアン地区の最終組み合わせが決定
タイ1部リーグ第22節-エルドストールはベンチ外もチョンブリーは連敗ストップ

AFCカップアセアン地区の最終組み合わせが決定

アジアサッカー連盟AFCは公式サイト上で今季2022年シーズンのAFCカップアセアン地区の最終組み合わせを発表しています。

いずれもミャンマーのシャン・ユナイテッドFCとハンタワディ・ユナイテッドFCが、1月19日に今季のAFCカップ出場を辞退を表明したことから、確定していなかったAFCカップアセアン地区のグループステージのG、H、I組について、AFCは当初はプレーオフで対戦予定だったビサカFC(カンボジア)とヤングエレファンツFC(ラオス)にそれぞれグループステージ出場権を与え、新たな組み合わせを発表しています。

4月19日開幕するグループステージから、ビサカFCは本来はプレーオフの勝者が参加する予定だったG組に入り、一方のヤングエレファンツFCは、出場辞退したハンタワディ・ユナイテッドFCに代わってI組に入っています。なお、シャン・ユナイテッドFCが出場予定だったH組についてはこのシャン・ユナイテッドFC以外の3クラブのままでグループステージが行われることも併せて発表されています。

なおAFCカップアセアン地区のG組はビサカFCの他、バリ・ユナイテッドFC(インドネシア)、クダ・ダルル・アマンFC(マレーシア)、堀越大蔵、藤井亮の両選手が在籍するカヤFCイロイロ(フィリピン)で構成され、インドネシアのバリ島にあるデンパサールで集中開催されます。

またH組はマレーシアのクアラルンプールが集中開催地となり、KLシティFC(マレーシア)、仲村京雅、山下柊哉の両選手が所属するタンピネスローヴァーズ(シンガポール)、PSMマカッサル(インドネシア)の3クラブが対戦します。一方、集中開催地が未定のI組は川上典洋選手が所属するヤングエレファンツFC、ベトテルFC(ベトナム)、山崎海秀選手が所属するホウガンユナイテッド(シンガポール)、小川雄大、小林大介、大瀬貴己選手が所属するプノンペンクラウンFC(カンボジア)で構成されています。

タイ1部リーグ第22節-エルドストールはベンチ外もチョンブリーは連敗ストップ

タイ1部リーグ第22節が2月26日と27日に開催され、マレーシア代表のDFジュニオール・エルドストール(タイでの登録名はプテラ・マデル・アマラン・マデルネル)が所属するチョンプリーFCは、2位のバンコク・ユナイテッドFCに1-1で引き分け、リーグ戦連敗を3で止めています。なお順位は5位のままです。

2022年2月26日@チョンブリースタジアム
チョンブリーFC 1-1 バンコク・ユナイテッド
第20節では、後半途中から出場、前節21節は先発しながら33分に交代したとなったジュニオール・エルドストールがですが、今節ではベンチ外でした。試合は78分にバンコク・ユナイテッドのヘベルチ・フェルナンデス・デ・アンドラーデが今季11点目となるPKを決めて先制しましたが、90+3分にチョンブリーFCのユ・ビョンスが放ったシュートがブロックに入ったバンコク・ユナイテッドのプッティナン・ワンナスリにあたりオウンゴールとなり、土壇場でチョンブリーFCが引き分けに持ち込んでいます。
(試合のハイライト映像はタイリーグの公式YouTubeチャンネルより)

タイ1部リーグ順位表(第22節終了時)

順位チーム得失差勝点
1ブリーラムU2316342551
2BGパトゥムU231184941
3バンコクU2311661439
5チョンブリーFC2310671336
順位は上位3チームとマレーシア人選手が所属するチョンブリーFCのみ表示しています。

2月27日のニュース
チャリティーカップはJDTがKLシティに完勝-オーナーのハッパが効いた!?

2022年2月26日(土)
チャリティーカップ2022@スルタン・イブラヒムスタジアム(ジョホール州イスカンダル・プテリ)
JDT 3-0 KLシティ
得点者:JDT-ナズミ・ファイズ(26分)、フェルナンド・フォレスティエリ(31分)、アフィク・ファザイル(84分)

昨季Mリーグ1部スーパーリーグの優勝チームJDTと昨季マレーシアカップ優勝チームKLシティが対戦するチャリティーカップ2022が開催され、昨季最終戦マレーシアカップの決勝で敗れていたJDTがKLシティを3-0で破り、2018年から続くチャリティーカップの連勝記録を5に伸ばしています。

試合前日には、JDTのオーナーでジョホール州皇太子のトゥンク・イスマイル殿下が「今日の試合で敗れることがあれば、自分はサッカーから完全に手を引く。」と発言し、それを受けたJDTのベンジャミン・モラ監督が「ボスが辞めるなら、自分も辞める。」と述べるなど、試合前からJDTにとっては重圧のかかる試合かと思われました。

本拠地での開催となったJDTは、セリエAのウディネーゼから加入したFWフェルナンド・フォレスティエリや、同じスーパーリーグのトレンガヌから加入したDFカルリ・デ・ムルガの新戦力を含むベストの布陣で臨んだのに対し、KLシティは、やはり新戦力のFWケヴィン・クベンバが先発したものの、マレーシアカップ決勝でもゴールを決めたロメル・モラレスを欠く布陣となりました。

試合は重圧どころか開始から積極的に攻め込んだJDTのレアンドロやフォレスティエリがKLゴールを狙いますが、いずれも枠の外に外れ、KLは難を逃れました。

試合が動いたのは26分。それまでも右サイドから何度もKL守備陣を崩していた19歳の代表FWアリフ・アイマンのクロスに守備のマークを外して走り込んだMFナズミ・ファイズが頭で合わせて先制ゴールを決め、JDTが先制します。

マレーシアカップ決勝では、強固な守備でJDTの攻撃に耐え、カウンターを狙う試合展開が功を奏して勝利したKLはこの日の試合でも同じ戦術で臨みましたが、先制点を許したことで苦しくなってしまいまいた。

さらにその5分後にはフォレスティエリがKLのディフェンダーを見事なドリブルでかわし、ペナルティーボックスの外から放ったシュートが決まり、JDTが2-0とリードを広げ、逆にKLは1本もシュートを打つことができずに前半が終了しました。

後半に入ってもJDTは攻撃の手を緩めず、84分には途中出場のアフィク・ファザイルがダメ押しとなるシュートを決め、2ヶ月前のマレーシアカップでのリベンジを果たして完勝しています。

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前日のイスマイル殿下のハッパが効いたのか、勝つことに徹したJDTの強さだけが目立った一方的な試合でした。今季はスーパーリーグ9連覇を目指すJDTですが、この日の試合を見た限りでは、調整が遅れているKLシティ相手だったとは言え、死角なしの印象を受ける完勝でした。またクラブ史上初となるAFCチャンピオンズリーグACLのグループステージ突破すら期待できそうです。

(試合のハイライト映像はMリーグ公式YouTubeチャンネルより)

<KLシティとJDTの先発XI>

2月26日のニュース
「今日の試合に負けたら、自分はサッカーから手を引く」-JDTオーナーの投稿が波紋
アセアンU23選手権グループステージ敗退のマレーシアに続々と陽性者発覚し未だ数名が帰国できず
クランタン・ユナイテッドが湘南ベルマーレーとパートナーシップを締結

いよいよ今日は2022年シーズンの開幕を告げるチャリティーカップ開催日。昨季の1部スーパーリーグチャンピオンJDTと38年振りにマレーシアカップチャンピオンとなったKLシティが対戦します。昨季まではリーグ公式戦の一環として行われていたチャリティーカップですが、今季はリーグ開幕前の前哨戦として行われます。またチャリティーカップの名の通り、この試合の収益は全てユニセフに寄付されることも発表になっています。なお午後9時(マレーシア時間、日本時間は午後10時)キックオフとなるこの試合はTV OkeySukan RTMでも視聴可能とのことです。

「今日の試合に負けたら、自分はサッカーから手を引く」-JDTオーナーの投稿が波紋

上でも書いた通り、本日2月26日にはJDT対KLシティのチャリティーカップが開催されますが、それを前にJDTオーナーで、ジョホール州皇太子のトゥンク・イスマイル殿下のインスタグラム投稿が波紋を読んでいます。「もし明日(2/26)負けたら、自分はサッカーから完全に手を引き、この国のサッカーにはもうこれ以上関わることはないだろう」とJDTの公式インスタグラムに投稿したイスマイル殿下ですが、その真意は不明です。

イスマイル殿下はわずか数日前には「マレーシアカップ決勝で敗れたのはKLシティが強かったからではなく、集中力を欠いていた我々(JDT)の一人一人にミスが多かったからだ。運が我々に味方しなかったという者もいる。KLシティには同じことは2度と起こることはないと伝えてくれ。」とテレビのインタビューに答えており、上記の投稿は自分のチームに対する自信の現れと見る向きもあります。

昨季中には後継に道を譲るような話もしていたイスマイル殿下でしたが、2021年シーズン最終戦となったマレーシアカップで敗れた悔しさは相当だったのか、マレーシアカップ敗戦後には一転、積極的にチームに関わっていることを表明し、シーズンオフには、セリエAのウディネーゼからFWフェルナンド・フォレスティエリを獲得するなど、近年稀に見る大型補強を敢行しています。

アセアンU23選手権グループステージ敗退のマレーシアに続々と陽性者発覚し未だ数名が帰国できず

カンボジアのプノンペンで開催されている東南アジアサッカー連盟AFF U23選手権ではグループステージで敗退したマレーシアU23代表は、予定を1日繰り上げて一昨日の2月24日にが帰国していますが、選手9名と関係者3名がカンボジアでの新型コロナ検査で陽性となり、カンボジアから出国できていないことがマレーシアサッカー協会FAMの公式Facebook上で明らかにされています。なお、この合計12名はカンボジア政府の方針により、プノンペンでの隔離期間が終わり、検査で陽性となるまでは出国が許可されないということです。

FAMの公式航空会社となっているマレーシア航空に搭乗して、昨日2月26日帰国予定だったU23代表ですが、チーム内の感染が拡大していることから、検査で陰性を示したブラッド・マロニー監督を含む19名は、サイドの検査で要請となり足止めされるのを恐れて、急遽帰国したということです。

プノンペンに残った12名の中にはU23代表のチームマネージャー(TM)を務めたサラワク州サッカー協会会長のポサ・マジャイスも含まれており、マレーシア語紙ハリアンメトロの取材に答えたマジャイスTMは、2月11日の入国時の検査で陽性となったファーミ・ダニエル・ザアアイムは、未だに隔離中で既にその隔離期間が2週間を超えているなど、隔離期間がいつまでつづくは不明だと語っています。

クランタン・ユナイテッドが湘南ベルマーレーとパートナーシップを締結

Mリーグ2部プレミアリーグのクランタン・ユナイテッドFCは、クラブ公式Facebook上でJリーグ1部湘南ベルマーレとのパートナーシップを締結したことを発表しています。ベルマーレ・アジア・フットボール・アライアンス、通称BAFAと名付けられたこのアライアンス(提携関係)では、パートナークラブを一つのグループとして相互の交流を深めながら、クラブが発展することを目的としているということです。なおBASEBALLFAの具体的な提携内容としては以下が挙げられています。
1)トップチームの交流:選手移籍、指導者派遣、トレーニングキャンプのサポート
2)アカデミーの交流:選手の練習参加、指導者の研修、相互の大会参加
3)各種情報の共有:選手情報、指導者情報、大会情報、TRメソッド
4)ビジネス部門の協力:スポンサーセールス、チケッティング、グッズ、ファン創出

湘南はBAFAの第1弾としてとして、今年1月にはボンケットFC(カンボジア1部)、武漢スリータウンズ(中国1部)、スデヴァ・デリFC(インド1部)、FCチャンタボリー(ラオス1部)、ダヴァオ・アギラスFC(フィリピン1部)の5クラブとのパートナーシップを締結したことを発表し、タイ、ベトナム、インドネシア、マレーシアのクラブとも提携調整中であることも明らかにしていましたが、マレーシアからは本山雅志、深井脩平両選手が在籍し、ヤクルト、KDDIといった日系企業がスポンサーとなっているクランタン・ユナイテッドがこのアライアンスに加わることになりました。

2月25日のニュース
キム代表監督はヌグリスンビラン監督をアシスタントコーチに指名
アジアカップ2023最終予選の組み合わせ決定-マレーシアはバーレーンと同組
クアラルンプールがAFCカップの集中開催地に-KLシティは地の利を活かせるか

キム代表監督はヌグリスンビラン監督をアシスタントコーチに指名

マレーシアサッカー協会FAMは、Mリーグ1部サラワク・ユナイテッドFC(以下SUFC)のE・エラヴァラサン監督がキム・パンゴン代表監督のコーチングスタッフに入閣することを発表しています。先週、就任会見を終えたばかりのキム監督は、自身が求めたマレーシア人コーチ候補と面談した結果、マレーシア人選手について熟知し、国内リーグでは豊富な経験のあるエラヴァラサン氏を7名の候補者の中から指名したということです。

60歳のエラヴァラサンSUFC監督を指名したことについてキム代表監督は「FAMのスコット・オドネル テクニカルディレクターから候補者との面談について話を聞いた後、直接、エラヴァラサン氏に会って話を聞いたが、代表チームについての意見や正確な情報を提供して私を助けてくれる最も適切な候補者だと確信した。エラヴァラサン氏は非常に熱心な指導者であり、マレーシア代表チームをより高いレベルに到達させるために自分に全面的に協力をしてくれる人物だと理解している。」と絶賛しています。

これまでは年代別代表も含め、マレーシア代表チームには全く関わったことがないエラヴァラサン氏は、代表チームに自分が関われることは名誉だと話し、このような機会が与えられたことを新たな挑戦だと捉え、キム監督の考えや方針をできるだけ早く理解して今後の大会に臨みたい。」と話し、またリーグ開幕まで10日を切ったこの状況で、契約を解除してくれたクラブ、そして理解を示してくれた選手やサポーターに感謝したいとも述べています。

エラヴァラサン氏は1962年生まれの60歳でAFCプロライセンスを保持し、2020年からサラワク・ユナイテッドの監督を務めていました。それ以前も2006年と2018年にはマラッカ、2009年から12年まではフェルダ・ユナイテッド、2015年から17年まではPKNS FC(いずれも既に解散)、2019年にはPDRM FCと様々なMリーグクラブで監督の経験があります。なおエラヴァラサン新コーチの初仕事は、3月に予定されているキム監督の初戦となるフィリピン戦、シンガポール戦(いずれもシンガポール)に向けての選手選考の支援となりそうです。

アジアカップ2023最終予選の組み合わせ決定-マレーシアはバーレーンと同組

来年2023年に中国で開催されるAFC選手権アジアカップ2023の最終予選組み合わせ抽選が昨日行われ、既に集中開催地に決まっているマレーシアはE組となり、バーレーン、トルクメニスタン、バングラディシュと同組となりました。

クアラルンプールにあるAFCの本部「AFCハウス」からオンラインで行われた組み合わせ抽選では、集中開催地に決まっているクウェート、モンゴル、ウズベキスタン、インド、マレーシア、キルギスがまずAからFまでの6組に振り分けられた後、各組に加わるチームが決定しました。

E組4カ国は直近のFIFAランキングでは、マレーシアが154位、バーレーンが89位、トルクメニスタンが134位、バングラディシュが186位となっています。今回の最終予選は各組1位6チームと2位チームの内、成績上位の5チームが本戦への出場権を獲得しますが、キム代表監督は初戦となる6月8日のトルクメニスタン戦、そして最終戦となるバングラディシュ戦でそれぞれ勝点3を挙げることが不可欠だと話し、最終的には勝点7を目指すとしています。

アジアカップ2023最終予選組み合わせ
A組:ヨルダン、クウェート(開催国)、インドネシア、ネパール
B組:パレスチナ、フィリピン、イエメン、モンゴル(開催国)
C組:ウズベキスタン(開催国)、タイ、モルディヴ、スリランカ
D組:インド(開催国)、香港、アフガニスタン、カンボジア
E組:バーレーン、トルクメニスタン、マレーシア(開催国)、バングラディシュ
F組:キルギス(開催国)、タジキスタン、ミャンマー、シンガポール

クアラルンプールがAFCカップの集中開催地に-KLシティは地の利を活かせるか

AFCチャンピオンズリーグACLの下部リーグにあたるAFCカップのグループステージの集中開催地が発表され、I組を除く残り9組の集中開催地が決定しています。このAFCカップには昨季のMリーグ1部スーパーリーグ2位のクダ・ダルル・アマンFC(以下クダ)と、38年振りのマレーシアカップ優勝を果たしたKLシティFC(以下KL)が出場しますが、東南アジア地区でKLが入るH組はKLの本拠地クアラルンプールでの開催となりました。またクダが入るG組はインドネシアのバリ島にあるデンパサールでの開催となっています。

6月24日から30日までの予定で開催されるAFCカップのグループステージで、KLはタンピネス・ローヴァーズ(シンガポール)、PSMマカッサル(インドネシア)、そしてプレーオフで決定するもう1チームと同組に、またクダはバリ・ユナイテッド(インドネシア)、カヤFCイロイロ(フィリピン)そしてプレーオフで決定するもう1チームと同組です。

その他の地区では西アジア地区のA組はマスカット(オマーン)、B組はクウェートシティー(クウェート)、C組はマナマ(バーレーン)、南アジア地区のD組はコルカタ(インド)、中央アジア地区のE組はドゥシャンベ(タジキスタン)、F組はビシュケク(キルギス)、そして東アジア地区のJ組は台南(台湾)が集中開催地となっています。なお東南アジア地区でベトテルFC(ベトナム)、ホウガン・ユナイテッド(シンガポール)、プノンペンクラウンFC(カンボジア)が入るI組の手中開催地は後日発表されるということです。

2月23日のニュース
UITMは資金調達成功で今季リーグ参加へ
ペラは年代別チームがリーグ出場を取り止め-クラブライセンス交付規定抵触の可能性も

昨日2月22日は今季1度目のトランスファーウィンドウ最終日。ここを逃すと次はMリーグ前半戦終了後の5月28日の2度目のトランスファーウィンドウが開くまで選手の入れ替えはできません。この最終日に選手の加入が大量に発表されており、ここ数日掲載してきた1部スーパーリーグチーム紹介にも選手の追加がありますので、そちらも是非、ご覧ください。

UITMは資金調達成功で今季リーグ参加へ

昨季は1部スーパーリーグで最下位となり降格し、今季は2部プレミアリーグに所属するUITM FCは、運営する国立大学のマラ工科大学UITMがチーム予算を50%以上も削減し、今季のリーグ参加が危ぶまれていましたが、Mリーグの今季1度目のトランスファーウィンドウ最終日だった昨日に資金調達に成功し、今季リーグ参加が決まったことを、マレーシア語紙ハリアンメトロが報じています。

ハリアンメトロによれば、総額370万リンギ(およそ1億200万円)の資金が調達できたことで、UITM FCは選手登録最終日となった昨日に選手登録を終えたということです。なおUITM FCは、当初は資金不足から大学生の選手を主体としたチームで今季をスタートし、資金を調達したのちの2度目のトランスファーウィンドウ期間にさらに選手を獲得することを予定していました。ただしこの370万リンギだけではシーズンを通してクラブを運営するには不十分だとして、引き続きスポンサーを探していくということです。

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なおこの資金370万リンギはマレーシア政府高等教育省から得た、という報道もあり、もしこれが事実であれば、プロサッカークラブの資金を政府が支援、言い換えれば税金が投入されることについての議論が巻き起こる可能性があります。またUITM FCからは昨季所属した選手の半数以上が既に退団、移籍し、多くのコーチ陣もチームを去っていることから、チームは存続したものの2部プレミアリーグでも苦戦を強いられそうです。

ペラは年代別チームがリーグ出場を取り止め-クラブライセンス交付規定抵触の可能性も

上のUITM FCと共に1部から降格し、今季は2部プレミアリーグに所属するペラFCは、170万リンギ(およそ4670万円)におよぶ未解決の給料未払い問題を抱えていることから、今回のトランスファーウィンドウ期間中の新規選手登録禁止処分を受けていました。さらに契約済みの選手数がMリーグが下限として規定する20名以下だったことから、リーグ出場辞退の可能性が取り沙汰されていました。しかしペラはU21やU19といった下部組織から選手を昇格させて、この問題を解決し、リーグ出場に漕ぎ着けましたが、その影響についてハリアンメトロが報じています。

トップチームに選手が昇格したことで、ペラFCはU21チームが参加するプレジデントカップ、そしてU19チームが参加するユースカップに出場できるだけの選手数を揃えることができず、この年代別リーグへの今季出場を辞退しています。過去2年間は新型コロナの影響により開催されなかった両リーグですが、最後に開催された2019年のリーグではペラはプレジデントカップでは準優勝、ユースカップではベスト4に進むなど好成績を上げており、今季の両リーグでも優勝候補の一角とされていました。

なお、ペラの両リーグ出場辞退について、マレーシアサッカー協会FAM競技委員会のフィルダウス・モハマド委員長は、ペラは出場辞退したのではなく、FIFAによる処分に基づき「出場取り消し」となったと説明しています。また既に発表されているリーグの試合日程については、変更が予定されているとし、ペラの対戦相手が不戦勝とはならないことも発表しています。

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U21とU19チームから選手を昇格させてトップチームの人数を補充したペラですが、SNS上ではこの方法によりU21とU19が消滅してしまったことが、Mリーグのクラブライセンス規定に抵触しているとの指摘もあります。Mリーグは1部スーパーリーグと2部プレミアリーグのクラブライセンス交付の条件として年代別チームを複数持つことを義務付けていますが、ペラがU21とU19チームを「取り消した」ことがこの規定に抵触するとの指摘です。クラブのMリーグ存続のために年代別チームを犠牲にするのか、年代別チームを生かすためにMリーグの出場を辞退するのか、どの観点から見るかで判断が分かれますが、いずれにしてもFAMとMリーグを運営するMFLはこの状況についての見解を発表する必要があります。

2022年シーズン開幕直前!
Mリーグ1部スーパーリーグクラブ紹介第6回
ヌグリスンビランFC & サラワク・ユナイテッドFC

Mリーグ2022年シーズンは2月26日のピアラ・スンバンシー(チャリティーカップ)で開幕しますが、今季開幕前に今季のMリーグ1部スーパーリーグの12クラブを紹介する最終回は、いずれも今季スーパーリーグに昇格する昨季Mリーグ2部プレミアリーグ1位のヌグリスンビランFCとプレミアリーグ2位のサラワク・ユナイテッドFCです。この2クラブは昨季は2部プレミアリーグに所属していたため、ボラセパマレーシアJPが情報不足なところもありますので、内容はこれまでの5回に比べると薄くなっている点をご容赦ください。

ヌグリスンビランFC(2021年シーズンプレミアリーグ1位)

本拠地:トゥンク・アブドル・ラーマンスタジアム(ヌグリスンビラン州パロイ)
2021年シーズン成績:2部プレミアリーグ1位(12勝5分3敗)得点33(リーグ4位)失点16(同2位)
過去5シーズンの成績:2017年2部5位-2018年12位-2019年2部6位-2020年2部11位-2021年2部1位
監督:K・ディヴァン(マレーシア)
外国籍選手:
 *DFエラルド・グロン(フランス)
 *FWマテウス・アウヴェス(ブラジル)
 *FWコッシ・アデトゥ(トーゴ)
 *MFデヴィッド・マウーター(タジキスタン/ガーナ-AFC枠)
 *MFオミド・ナザリ(フィリピン/イラン-アセアン枠)

主なマレーシア人選手(*は新加入選手、#は2021年にマレーシア代表に招集された選手):
 *GKシャイハン・ハズミ(PJシティより加入)
 DFザムリ・ピン・アムリ
 DFナスルラー・ハニフ・ジョハン
 *DFアフマド・クザイミ・ピー(UITMより加入)
 *DFチェ・ラシド・チェ・ハリム(マラッカ・ユナイテッドより加入)
 *DFカイル・ジョーンズ(サラワク・ユナイテッドより加入)
 MF K・サルクナン
 MFシーン・セルヴァラジ
 MFサイフル・リズワン
 FWザクアン・アドハ

チーム紹介:
4年振りに1部スーパーリーグに復帰するヌグリスンビランFC(以下ヌグリスンビラン)。外国籍選手を全て入れ替え、マレーシア人選手も昨季のメンバーからは、5ゴールを挙げたMFのR・バラトクマル、その弟のDFのR・アルーン・クマル(いずれもPJシティに移籍)、正GKとして16試合に出場したGKダミアン・リム(サバに移籍)らが退団と、昨季からはメンバーが大きく変わっています。その一方で、新加入のマレーシア人選手はクザイミ・ピー、チェ・ラシドなど実績ある選手を獲得しているだけに、戦力面ではむしろ昨季からはアップしていそうです。となれば外国籍選手の活躍が1部での成績に直結しそうです。

昨季は失点を抑えて勝つというチームカラーからヌグリスンビランですが、同じことが1部スーパーリーグでもできるのか。そして昨季のチーム総得点33点中、退団した選手たちが挙げた21点分の穴をどのように埋めていくのか。この二つの問いの正解が見つけられれば、1部残留、見つけられなければ1シーズンで2部に降格もあり得る、というのが今季のヌグリスンビランです。

ボラセパマレーシアJP的注目選手
・ザクアン・アドハ
昨季は17試合に出場し、マレーシア選手としてはチーム1位の7ゴールを挙げたザフアン・アドハは、主将としてもチームを牽引しました。今年35歳になるベテランは、自身にとっては2季ぶりとなる1部スーパーリーグでも同じような活躍を見せらられるのかに注目です。

・マテウス・アウヴェス
2017年シーズンにパハンに加入すると、リーグ2位となる18ゴール(21試合)を挙げたマテウス・アウヴェスが5季ぶりにMリーグに戻って来ます。パハン退団後は水原FC(韓国2部)、チョンブリーFC、PTプラチュワップFC、ポリス・テロFC(いずれもタイ1部)そして昨季は忠南牙山FC(韓国2部)と渡り歩いて経験を積んだマテウスは28歳となり、5年前はなかった円熟味も加味されていれば、今季の得点王争いに絡んでくる可能性大の選手です。またそうなれば、チーム自体も1部初年度ながら躍進が期待できます。

サラワク・ユナイテッドFC(2021年シーズンプレミアリーグ2位)

本拠地:サラワク州立スタジアム(サラワク州クチン)
2021年シーズン成績:2部プレミアリーグ2位(11勝5分4敗)得点37(リーグ2位タイ)失点14(同1位)
過去5シーズンの成績:2017年3部6位-2018年3部2位-2019年2部9位-2020年2部10位-2021年2部2位
監督:E・エラヴァラサン(マレーシア)
外国籍選手:
 FWウチェ・アグバ(ナイジェリア)
 *FWフランシス・コネ(トーゴ)
 DFゴンサロ・ソト(アルゼンチン)(2/22追加)
 DFリー・チャンフン(韓国-AFC)
 DFボリス・コック(カンボジア-アセアン枠)

主なマレーシア人選手(*は新加入選手、#は2021年にマレーシア代表に招集された選手):
 GKシャルビニー・アラウィー
 *DFカライハラサン・レチュマナン(PDRM FCより加入)
 DFカイル・ジョーンズ
 DFアメル・サイディン
 *DFアミルル・アシュラフ(ペラFCより加入)
 MFラヒム・ラザク
 MFシャミー・イスズアン
 MFクリスティ・ジャヤシーラン
 MFスチュアート・ウォーク
 *MFカイルル・アヌアル(PJシティFCより加入)
 FWスピアー・チャントゥル
 FWゴピ・リズキ

チーム紹介(2/22一部追記しました):
2月22日のトランスファーウィンドウ最終日にフランシス・コネ、ゴンサロ・ソト、そしてボリス・コックとの契約を発表したサラワクユナイテッドFC(以下サラワク)。Mリーグでプレー経験のあるコネ選手はKL(2020年)、ヌグリスンビラン(2021年)に続いてこのサラワクが3クラブ目で、ソト選手は2016年と2017年の両シーズンにPKNS FC(現スランゴール2)でエラヴァラサン監督の元でのプレー経験もあります。(ちなみにボリス・コックはウィキペディアでは代表キャップ数2となっており、Mリーグではアセアン枠で獲得する選手に『最低キャップ数』といった条件がないことを初めて知りました。)

2部では得点リーグ2位タイ、失点はリーグ1位と圧倒的な強さを見せたサラワクですが、昨季はシーズン中に給料未払い問題が明らかになり、しかもオーナーが未払いではなく遅配であると言い張るなど、運営が不安定なチームという印象が強く、ボラセパマレーシアJP的には今季2部降格の最有力候補です。

ボラセパマレーシアJP的注目選手
・ウチェ・アグバ
昨季はリーグ戦とカップ戦を合わせたチームの全試合26試合に出場し、総得点46点中、19点を挙げたチームの大黒柱。Mリーグでは4季目を迎え、2020年はマラッカでプレーするなど1部スーパーリーグでもプレー経験があるエースですが、1部では当然マークも厳しくなり、昨季同様の活躍は期待できないかも知れません。昨季のチーム2位の得点を挙げたのは退団したサンドロとラヒム・ラザクの5点ですので、アグバ選手が封じられると、チーム全体の得点力も大きく下がりそうです。