2月13日のニュース
タイ1部リーグ第19節-ディオン・コールズはフル出場、サファウィ・ラシドは前節に続き途中出場
トレンガヌFCがリリドン・クラスニキの加入を発表

タイ1部リーグ第19節-ディオン・コールズはフル出場、サファウィ・ラシドは前節に続き途中出場

タイ1部リーグ第19節が行われ、マレーシア代表のDFディオン・コールズ(ブリーラム・ユナイテッド)とFWサファウィ・ラシドはいずれも出場し、DFジュニオール・エルドストール(PTプラチュワプFC)はベンチ外でした。(試合のハイライト映像はタイリーグ公式サイトのYouTubeより)

タイ1部リーグ第19節
2023年2月11日@サームアーオスタジアム
PTプラチュワプFC 3-1 チョンブリーFC
昨季はチョンブリーFCに在籍したジュニオール・エルドストールにとっては古巣との対決のはずでしたが、この試合ではベンチ外でした。

2023年2月12日@ブンヤジンダースタジアム
ポリス・テロFC 1-0 ラーチャブリーFC
3試合ぶりの敗戦となったラーチャブリーFCですが、サファウィ・ラシドは前節に先発を外れ、64分に交代出場しています。


2023年2月12日@サンダー・ドームスタジアム
ムアントン・ユナイテッド 4-4 ブリーラム・ユナイテッド
両チーム合わせて8ゴールを挙げた試合は、一時はムアントン・ユナイテッドに3点のリードを許したブリーラム・ユナイテッドが、ロスタイムに追いついて引き分けに持ち込んでいます。
ディオン・コールズは先発して、フル出場しています。

タイ1部リーグ順位表(第18節終了時、上位3チームとマレーシア人選手所属チームのみ)

順位チーム勝点
1ブリーラムU19154050173349
2バンコクU1912433492540
3チョンブリー19113534181636
4ラーチャブリー1996424131133
12プラチュワップ195592639-1320
トレンガヌFCがリリドン・クラスニキの加入を発表

トレンガヌFCはクラブ公式サイトでリリドン・クラスニキの加入を発表しています。コソボ出身ながら、マレーシアサッカー協会FAMによる代表チーム強化のための帰化支援プログラムによってマレーシア国籍を取得しているクラスニキ選手は、ジョホール・ダルル・タジム(JDT)から今季末までの期限付き移籍の形で加入し、マレーシア人選手として登録され、背番号は80となることも発表されています。

東南アジアサッカー連盟AFF選手権三菱電機カップによる中断前までタイ1部のコンケーン・ユナイテッドFCに期限付き移籍していたクラスニキ選手は、昨年末でコンケーン・ユナイテッドFCを退団しており、かつて在籍していたクダ・ダルル・アマンFC(在籍当時はクダFA)や、クダFA在籍時の首脳陣だったタン・チェンホー監督とラモン・マルコートコーチがいるスランゴールFCなどが獲得に動いているという噂がありました。

クラスニキ選手は2015年から2018年までクダFA(当時)、2019年にはマラッカ・ユナイテッドFCでプレーし、FIFAが規定する5年間同一国でプレーすればその国の代表選手としてプレーできる規定に基づき、FAMの支援で2020年3月にマレーシア国籍を取得しています。マレーシア国籍取得直前にJDTに移籍したものの、2020年シーズン途中にローストラリア1部のニューカッスル・ジェッツに期限付き移籍すると、2021年にはオディシャFC(インディアンスーパーリーグ)、2022年には前述のコンケーン・ユナイテッドとチームを転々とする一方で、期待された代表戦では2021年に4試合、そしてキム・パンゴン監督が就任した2022年以降は、キム監督就任直後の昨年3月にシンガポールで行われたシンガポール、フィリピンとの3カ国対抗でシンガポール相手にゴールを決めたものの、それ以降は代表に召集されていません。

2月10日のニュース
タイFAカップ ベスト16-マレーシア人選手対決は実現せず
批判の多いマラッカFCとサラワク・ユナイテッドFCのM3リーグ参加は州内サッカー発展のためとアマチュアリーグ会長は説明
キナバル・ジャガーズFCのM3リーグ不参加はAFLのダブルスタンダードが原因?

昨日のニュースではKLシティFCの株式51%が金融コンサルティング企業のリナニ・グループ社に売却された件を取り上げましたが、KLシティFCを運営しているクアラルンプールサッカー協会(KLFA)のサイド・ヤジド副会長は、先日調印式が行われた株式譲渡について確定したわけではないと発言していると、マレーシア語紙ハリアンメトロが報じています。KLFAのカリド・サマド会長も出席した調印式まで開きながら、こんな話が出てくるのは、KLFA内で権力闘争が起こっている可能性があります。「ポリティッキング」と呼ばれる、スポーツ団体内ではよく見られる派閥争いはマレーシアでは珍しくはありませんが、これがKLシティFCの民営化に支障をきたさないよう、見守りたいです。

タイFAカップ ベスト16-マレーシア人選手対決は実現せず

2月8日にタイFAカップベスト16の8試合が行われ、マレーシア代表DFディオン・コールズが所属するタイ1部のブリーラム・ユナイテッドが、元U19代表のFWザフアン・アゼマンが所属するタイ2部のウタイターニーFCと対戦しました。マレーシア人選手対決が期待された試合でしたが、コールズ選手は94分から途中出場したものの、ザフアン選手はベンチ入りせず、実現はしませんでした。試合は延長戦に入りましたが、119分にロンサナ・ドゥンブヤがPKを決めて、ブリーラム・ユナイテッドが準々決勝進出を決めています。

タイFAカップ ベスト16
2023年2月8日@ウタイターニースタジアム
ウタイターニーFC 1-2 ブリーラム・ユナイテッド
ディオン・コールズは94分に交代出場し、試合終了までプレーしています。

試合のハイライト映像はタイリーグ公式YouTubeチャンネルより
批判の多いマラッカFCとサラワク・ユナイテッドFCのM3リーグ参加は州内サッカー発展のためとアマチュアリーグ会長は説明

昨季のスーパーリーグ10位のマラッカ・ユナイテッドFCと同11位のサラワク・ユナイテッドFCは、いずれも選手や監督、コーチへの給料未払い問題が解消されていないことを理由に今季のクラブライセンスが交付されませんでした。このため両クラブはアマチュアリーグのM3リーグへ参戦しますが、多くのサッカーファンは、この両チームが最下部の5部に当たるM5リーグからではなく、M3リーグに無条件で参加を認められた点を疑問視しています。これについてM3リーグ以下を統括するアマチュアフットボールリーグAFLのユソフ・マハディ会長は、マラッカ、サラワク両州のサッカーの発展のためと説明していると、マレーシア語紙のブリタハリアンが報じています。

「(2019年に)プルリス州サッカー協会(プルリス州FA)が外国籍選手への給料未払いを理由にFIFAから活動停止処分を受けて以降、州内のサッカー活動が停滞した。そして現在に至るまで、スーパーリーグにはプルリス州に本拠地を持つクラブがないことからも分かるように、その影響は計り知れない。

「各州のトップクラブがMリーグでプレーすれば、そのトップクラブを頂点とした州内のサッカー活動が停滞する心配がないことから、AFLはサラワク・ユナイテッドFCとマラッカFCにM3リーグへの参戦を許可した。」

さらにユソフAFL会長は、M3リーグに参加するマラッカFCは、昨季のスーパーリーグでプレーしたマラッカ・ユナイテッドFCとは全く別のクラブであると説明した上で、マラッカ・ユナイテッドFCの給料未払い問題は、両クラブのオーナーが異なることから、マラッカFCとは無関係の問題であるとも説明しています。

*****

マラッカFCを運営するマラッカ州サッカー協会は、マラッカ・ユナイテッドFCの主要株主ではなかったものの、一部株式を保有しており、全くの無関係というのは詭弁に聞こえます。またユソフAFL会長はマラッカ州サッカー協会の副会長を務めたこともあり、今回の決定には何の忖度もなかったのかという点には疑問が残ります。さらに言えば、このマラッカFC、そしてサラワク・ユナイテッドFCともに、昨季のスーパーリーグでプレーした選手はだれも残っておらず、果たしてM3リーグで試合ができるレベルのチームなのかどうかも疑問です。なし崩し的に解決しようとするマレーシア的な対応で損をするのは、未払い給料が解決しない昨季のマラッカ・ユナイテッドFCとサラワク・ユナイテッドFCの選手、得をするのはマラッカ州とサラワク州サッカー協会に関わる政治家という図式が透けて見えます。

キナバル・ジャガーズFCのM3リーグ不参加はAFLのダブルスタンダードが原因?

サバ州のコタキナバルを本拠地とするキナバル・ジャガーズFCは、今季のM3リーグに参加予定でしたが、ホームスタジアムが見つからないことを理由に参加を見送っていますが、その実はM3リーグを運営するアマチュアフットボールリーグAFLのダブルスタンダードが理由ではないかと、スポーツ専門サイトのハリマウマラヤが指摘しています。

キナバル・ジャガーズFCは、当初はコタキナバルにあるリカススタジアムをホームスタジアムとして使用する予定でしたが、Mリーグ1部スーパーリーグを運営するマレーシアンフットボールリーグMFLは、各クラブに対してホームスタジアムを共有する場合には最大2チームまでとする、という規則を新たに発表したことで、リカススタジアムの使用ができなくなってしまいました。

リカススタジアムは、スーパーリーグで昨季3位に終わったサバFCのホームスタジアムとして使われていますが、、今季から発足するMFL各クラブのU23チームのためのリザーブリーグに出場するサバFC U23もこのリカススタジアムをホームとすることから、サバFCとサバFC U23の両チームで、MFLが規定する「スタジアム共有は最大2チームまで」の上限に達してしまうため、キナバル・ジャガーズFCはリカススタジアムの使用ができなくなりました。

と、ここまでなら規則なのでやむを得ない、となるところですが、各クラブのU23チームを「1チーム」とカウントすると、今季のMFLで使用される複数のスタジアムでこの「スタジアム共有は最大2チームまで」が守られていないと、ハリマウマラヤが指摘しています。

その一つがクランタン州のスルタン・ムハマド4世スタジアムです。このスタジアムは昨季もクランタンFCとクランタン・ユナイテッドFCが共用していますが、前述のようにそれぞれのクラブのU23チームも加えれば、一気に4チームが共用することになると指摘しています。またクアラルンプールのKLフットボールスタジアムもKLシティFCとPDRM FCが共用しており、やはりそれぞれのU23チームを勘定に加えると4チームとなります。(注:この記事ではPDRM FCのホームスタジアムが、昨季と同様にKLフットボールスタジアムである前提で書かれていますが、先日発表された今季の日程では、PDRM FCのホームゲームはスランゴール州のMBPJスタジアムで開催するとされています。MBPJスタジアムはスランゴールFCのホームスタジアムなので、こちらで4チーム共用が起こることになります。)なおKLフットボールスタジアムは昨季のM3リーグ準優勝チーム、KLローヴァーズFCもホームスタジアムとする予定とされており、そうなると同じM3リーグに参加予定だったキナバル・ジャガーズFCがリカススタジアムを使えないという決定は文字通りダブルスタンダードということになります。

ハリマウマラヤの記事では、国内サッカーではピッチコンディションの悪さがたびたび話題になることから、良いピッチコンディションでプレーができるよう、MFLが同じスタジアムを共有するチーム数を制限すること自体は良いことだとする一方で、スルタン・モハマド4世スタジアムやKLフットボールスタジアムで許可されていることが、理カススタジアムで許可されていないことについてはその理由が不明であるとしています。

2月8日のニュース
タイ1部リーグ第18節-ディオン・コールズはフル出場、前節負傷退場のサファウィ・ラシドは途中出場
トルコでキャンプ中のクダは地震の被害なし
将来のエース候補ルクマンがアイスランド2部クラブへ期限付き移籍

今季のマレーシアスーパーリーグ開幕までおよそ2週間となりました。各チームとも補強が完了しつつある中、マレーシア語紙マジョリティがジョホール・ダルル・タジム(JDT)でプレーする代表FWアキヤ・ラシドの移籍の噂を取り上げています。マレーシア人には少ないドリブルを使って個の力で勝負するタイプの選手で、私も好きな選手なのですが、選手層の厚いJDTではここ数年は十分な出場時間を得られていません。それにもかかわらず代表に呼ばれるレベルの選手ではあるものの、今季のJDTはかつてのチーム得点王のストライカー、ジオゴ(ブラジル、元タイ1部BGパトゥム・ユナイテッド)が復帰し、右ウィングにはオスカル・アリバス(スペイン、スペイン2部FCカルタヘナから加入)もが加入しており、さらに出場時間が少なくなるのでは、と言われていた矢先でしたので、この噂は実現する可能性が高そうです。移籍先としてはトレンガヌFCが上がっており、エースのファイサル・ハリムが昨季オフにスランゴールFCに移籍しており、その後継者としての獲得は十分あり得ます。

タイ1部リーグ第18節-ディオン・コールズはフル出場、前節負傷退場のサファウィ・ラシドは途中出場

タイ1部リーグ第18節が行われ、いずれもマレーシア代表のDFディオン・コールズ(ブリーラム・ユナイテッド)とFWサファウィ・ラシドはいずれも出場しています。

タイ1部リーグ第18節
2023年2月4日@BGスタジアム
BGパトゥム・ユナイテッド 0-2 ブリーラム・ユナイテッド
先月1月のタイ1部リーグ月間ベストXIに選ばれたコールズ選手は、先発してフル出場しています。

2023年2月4日@レオ・チェンマイスタジアム
レオ・チェンライ・ユナイテッド 3-2 PTプラチュワップFC
ジュニオール・エルドストールはベンチ入りしませんでした。

2023年2月5日@ドラゴン・ソーラー・パークスタジアム
ラーチャブリーFC 2-1 ノーンブワ・ピッチャヤFC
前節ではチャージしてきた相手が一発レッドになるほど激しいタックルを受けて途中退場したサファウィ・ラシドでしたが、この試合では先発は外れたものの、74分から途中出場しています。

タイ1部リーグ順位表(第18節終了時、上位3チームとマレーシア人選手所属チームのみ)

順位チーム勝点
1ブリーラムU18153046133348
2バンコクU1811433192237
3チョンブリー18113433151836
4ラーチャブリー1896324121233
12プラチュワップ184592338-1517
トルコでキャンプ中のクダは地震の被害なし

トルコ南東部からシリア北部にかけての一帯で2月6日未明にマグニチュード7.8を記録する強い地震があり、トルコとシリアと合わせた死者は4300人以上と報道されていますが、現在、トルコでプレシーズンキャンプ中のクダ・ダルル・アマンFCには影響が出ていないと、マレーシアの通信社ブルナマが報じています。

クダのカマル・イドリス・アリCEOによると、震源とされるトルコ南部の都市ガジアンテップからキャンプ地のアンタルヤまでは800キロ以上離れており、地震報道で心配する選手や関係者の家族には無事が伝えられたということです。また予定されているウズベキスタンやカザフスタンのクラブとの練習試合4試合も予定通り行われることも発表されています。

将来のエース候補ルクマンがアイスランド2部クラブへ期限付き移籍

スポーツ専門サイトのスタジアムアストロは、ルクマン・ハキム・シャムスディンがベルギー1部KVコルトレイクから、アイスランド2部のUMFニャルズヴィークへ期限付き移籍したと報じています。UMFニャルズヴィークのクラブ公式サイトでの発表を引用する形で報じられている記事では、2023年シーズンいっぱいの期限付き移籍となるということです。

来月3月に21歳となるFWのルクマン選手は、国内のエリートアカデミー、モクタル・ダハリ・アカデミー(AMD)を卒業後、2020年にマレーシア人のビジネスマン、ヴィンセント・タン氏がオーナーのKVコルトレイクに加入していますが、ここまでトップチームでの出場は今季の1試合を含めてわずか2試合にとどまっていました。


1月26日のニュース
タイリーグカップベスト16-サファウィ・ラシドとディオン・コールズが揃ってチームの勝利に貢献
サラワク・ユナイテッドFCオーナーが未払い給料を3月までの完済を約束
クランタンFCオーナー所有のインドネシア2部クラブが解散

今季のマレーシアスーパーリーグの日程が発表されました。詳細はこちらから確認できます。注目のカードなどは明日以降に紹介していきたいと思いますが、とりあえず第1節では昨季2部プレミアリーグで優勝を争ったクランタンFC対クチンシティFCがボラセパマレーシアJP的には注目です。

タイリーグカップベスト16-サファウィ・ラシドとディオン・コールズが揃ってチームの勝利に貢献

タイリーグのカップ戦、Revoカップ2023はベスト16が行われ、サファウィ・ラシドが所属するラーチャブリーFCと、ディオン・コールズが所属するブリーラム・ユナイテッドが勝利しています。*試合のハイライト映像は、タイリーグ公式YouTubeチャンネルより)

タイリーグカップ2023 ベスト16
1月25日@ドラゴン・ソーラー・パークスタジアム
ラーチャブリーFC 0-0 ノーンブワ・ピッチャヤFC(PK 5-4)
サファウィ・ラシドは移籍後初となる先発出場し、85分に交代しています。なおリーグ戦に続きこの試合でもイエローカードをもらっています。

1月25日@SCGスタジアム
ムアントン・ユナイテッド 1-2 ブリーラム・ユナイテッド
ディオン・コールズはリーグ戦に続き2戦連続で先発してフル出場しています。

サラワク・ユナイテッドFCオーナーが未払い給料を3月までの完済を約束

昨季の給料未払い問題が未だ解決されてないサラワク・ユナイテッドFCについて、クラブのオーナーで、サラワク州サッカー協会の会長でもあるポサ・マジャイス会長は、今年3月までにこの未払い給料を完済することを「再び」約束したと、東マレーシアのサッカー専門サイト、サラワククロックスが伝えています。

ポサ会長によれば、未払い給料の総額は100万マレーシアリンギ(およそ3000万円)を超えるということですが、サラワク州政府などからクラブに割り当てられた資金から、給料未払いとなっています選手への支払いが認められたと説明しています。

「選手には未払い給料が支払われることは既に通知済みである。クラブが受け取った資金は未払い給料の全てを完済するの十分であり、2月から段階的に支払いを始める予定で、せんしゅにはもうしばらく待っていてもらいたい。」と話したポサ会長ですが、既に一度は未払い完済を約束していましたが、その約束はこれまで守られていませんでした。その後、サラワク・ユナイテッドの選手は未払い給料問題をメディアを通じて明らかにし、マレーシアプロサッカー選手会(PFAM)も、サラワク・ユナイテッドの選手と面談を行っていました。

クランタンFCオーナー所有のインドネシア2部クラブが解散

今季からスーパーリーグに参戦するクランタンFCのオーナー、ザムサハムことノリザム・トゥキマン氏は様々な事業を手がける実業家としても知られていますが、このノリザム氏が所有するインゴネシア2部リーグのPSPSリアウが、公式にクラブの解散を発表しています。なお、ノリザム氏は、2018年に給料未払い問題が起こっていたPSPSリアウを資金援助する形でオーナーとなっていました。

今季のインドネシア2部リーグは昨年2022年8月に開幕したものの、135名が亡くなった10月1日の「カンジュルハンスタジアムの悲劇」以降は中断されており、各クラブとも5試合から7試合を終了しただけでした。3地区に分かれて開催される2部リーグの西地区に所属しているPSPSリアウは、ここまで0勝1分5敗、得点6失点11と9チーム中の最下位となっており、サポーターから不満の声が上がっていましたが、皮肉なことにインドネシアサッカー協会PSSIによる今回の2部リーグ中止に発表は、PSPSリアウサポーターからは3部への降格がなくなった、と好意的に受け止められていました、

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PSSIは1月12日に今季の2部リーグおよび3部リーグの中止を発表しましたが、その際にPSSIのユヌス・ヌシ事務局長は各クラブオーナーとの話し合いの結果、大多数の2部リーグクラブのオーナーが再開を望んでいないことがその理由と説明していますが、実際には2部リーグを運営する新インドネシアリーグ社と2部リーグクラブの双方が互いに信頼を欠いていることが原因という報道もあります。(28クラブ中20クラブが再開を望まなかった、という現地報道もあります。)

またインドネシアでは今年5月にFIFA U20ワールドカップが5月から6月にかけて開催されることから、それまでに今季は28チームが参加している2部リーグを終えることが困難だという点も考慮されたようです。

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という記事を書きましたが、2部リーグ再開の可能性が出てきたという報道がされています。新インドネシアリーグ社のフェリー・ポーラス社長はバブル形式(集中開催方式)で2月24日からの再開を目指しているというものです。

1月24日のニュース
サファウィ・ラシドとディオン・コールズがタイ1部リーグデビュー!-第16節結果とハイライト映像
国内移籍や復帰が目立つ今季のMリーグ外国籍選手
インドFAがムルデカ大会出場を表明⁉︎

2月24日の今季の開幕までおよそ1ヶ月と迫ったマレーシアスーパーリーグ。各チームの戦力も揃いつつある一方で、プレシーズンキャンプも始まっています。国外キャンプ組の筆頭はジョホール・ダルル・タジムJDTは昨年に続き今年もアラブ首長国連邦のドバイでキャンプを行い、いずれもロシア1部のFCロストフ、FCロコモティフ・モスクワ、FCゼニト・サンクトペテルブルク、ブルガリア1部のPFCレフスキ・ソフィアといった強豪との対戦も組まれています。一方、クダ・ダルル・アマンFCはトルコキャンプで地元のクラブやウズベキスタンのクラブと、またスランゴールFCやサバFC、トレンガヌFCとスリ・パハンFCは隣国タイのキャンプを行います。

サファウィ・ラシドとディオン・コールズがタイ1部リーグデビュー!-第16節結果とハイライト映像

タイ1部リーグ 第16節
1月21日(土)@80周年スタジアム(ナコーンラーチャシーマー)
ナコーンラーチャシーマーFC 1-2 プラチュワップFC
プラチュワップFCのジュニオール・エルドストールはベンチ入りしませんでした。

1月21日(土)@ドラゴン・ソーラーパーク(ラーチャブリー)
ラーチャブリーFC 0-2 コーンケン・ユナイテッド
ラーチャブリーFCのサファウィ・ラシドは46分に交代出場し、ロスタイムにはあわやデビュー戦初ゴール!という場面がありましたが、VARによる判定で取り消しとなっています。
またサファウィ・ラシドとともにとともにラーチャブリーFCに期限付き移籍しているムサ・シディベは先発して、フル出場しています。
*これまでリリドン・クラスニキがコーンケン・ユナイテッド所属としてきましたが、Transfermarktによると昨年末で期限付き移籍期間が終了していました。

試合のハイライト映像はタイリーグの公式YouTubeチャンネルより

1月22日(日)@タレールアンスタジアム(スコータイ)
スコータイFC 0-3 ブリーラム・ユナイテッド
ディオン・コールズは先発してフル出場しています。

試合のハイライト映像はタイリーグの公式YouTubeチャンネルより
国内移籍や復帰が目立つ今季のMリーグ外国籍選手

2月24日の今季の開幕までおよそ1ヶ月と迫ったマレーシアスーパーリーグ。各チームの戦力も揃いつつありますが、その中で目立つのが、外国籍選手の国内移籍と復帰です。スーパーリーグの外国籍選手枠が昨季の5名から今季は一気に9名と爆増したことで、各チームが国内リーグで実績のある選手の確保に動いたのがその大きな理由だと考えられますが、昨季所属選手の契約延長も含め、今季は見慣れた顔が多いシーズンとなりそうです。

昨季チャンピオンのJDTはトップチームでプレーしたFWベルグソン・ダ・シルヴァ、FWフェルナンド・フォレスティエリ、MFレアンドロ・ヴァレスケス、DFシェーン・ローリー、DFカルリ・デ・ムルガの5名は残留する一方で、2019年・2020年にJDTでプレーしたFWジオゴ(前タイ1部BGパトゥム・ユナイテッド)と、昨季はペナンFCでプレーしたMFエンドリックを獲得しています。なお今季Mリーグ6年目で27歳のエンドリックは、同一国で5年間プレーすることで帰化選手として登録が可能となるFIFAの帰化選手規定を満たしていることから、マレーシア国籍を取得させて、マレーシア人選手登録を視野に入れての獲得です。

トミスラフ・スタインブリュックナー新監督が就任した昨季2位のトレンガヌFCは、MFハビブ・ハルーンや、セカンドチームでプレーしていたDFアルグジム・レゾヴィッチ、KLシティFCに期限付き移籍していたFWジョーダン・ミンターが残留する一方で、昨季まで3季に渡ってマラッカ・ユナイテッドでプレーしたFWソニー・ノルデを獲得しています。

退団した加賀山泰毅選手ら以外の3名が残留した昨季3位のサバFCは、Mリーグ2部プレミアリーグのクランタン・ユナイテッドFCでプレーしたFWジェイコブ・ンジョクを、また6位のKLシティは昨季スランゴールFCでプレーしたFWカイオンとトレンガヌFCプレーしたチェチェ・キプレ、さらに2019年にマラッカ・ユナイテッドでプレーしたパトリック・ライヒェルトを獲得しています。

また7位のスリ・パハンFCはクパー・シャーマン(トレンガヌFCから移籍)、ルーカス・シルヴァ(ペナンFCから移籍)の両FWを、8位のクダ・ダルル・アマンFCはマヌエル・イダルゴ(スリ・パハンから移籍)とマヌエル・オット(トレンガヌFCから移籍)の両MFを獲得、また12位のペナンFCはFWアドリアーノ(マラッカFCから移籍)と2021年にやはりマラッカ・ユナイテッドでプレーしたFWジオバネ・ゴメス、そして2020年にUITM FCでプレーしたMFウスマン・ファネを獲得しています。さらに昨季2部のPDRM FCには昨年前半までプレーした鈴木ブルーノ選手が復帰しています。

インドFAがムルデカ大会出場を表明⁉︎

先日のこのブログでは今年9月に開催予定のムルデカ大会について、マレーシアサッカー協会FAMが10年ぶりに開催するこの招待大会にはマレーシアよりFIFAランクが上位の3チームを招く予定があるという記事を取り上げました。第42回大会となる今年の大会は4チームによる準決勝と決勝、3位決定戦という形式で行われる予定で、FAMは東南アジアのタイやベトナム、中東のシリアやパレスチナを候補に招待交渉を行う予定のようです。そんな中、インドサッカー協会の事務局長がこのムルデカ大会参加を表明しています。。

インドサッカー協会AIFFのシャジ・プラバカラン事務局長は自身のツイッターで、マレーシアサッカー協会のハミディン・アミン会長と「実りのある」話し合いを既に行なったとして、インド代表のムルデカ大会出場を表明しています。なおこの記事の執筆時点では、マレーシアサッカー協会FAMからの正式発表はありませんが、FIFAランキング104位のインドは、FAMが予定しているマレーシアのFIFAランキング154位より上の国を招待したい、という条件を満たしています。

しかしなぜ、インドがこれほどムルデカ大会参加に積極的なのかには疑問が残りますが、実はこの話には伏線があるようです。サッカー専門サイトのスムアニャボラによると、インドサッカー協会AIFFは予定されていた役員選挙が協会内の混乱で延期され、これを受けたインド最高裁が昨年5月にAIFFの解散と、国内サッカーの統括などを行う特別委員会の設置を命令しましたが、FIFAはこれが「第三者による過度の介入」でありFIFAの規約に抵触するとして、8月にAIFFの資格を停止するという処分を下しました。その後、インド最高裁は日常業務の管理を特別委員会からAIFFに戻されると発表し、AIFFの新会長にカリヤーン・チョーベー氏が就任しました。

そしてチョーベーAIFF会長が昨年10月ごろに提案したのが、1950年代から60年代にかけてインド代表が出場していたこのムルデカ大会の復活だったようです。しかしながら、FAMがAIFFからそういった提案を受けていたにもかかわらず、ムルでか大会再開が決まり、その招待国の候補にインドが上がらなかったことから、インド国内のサッカーファンからは不満や批判の声が上がっていたようです。このため、そういった声を鎮静化するため、そしてAIFFの本気度を示すためのプラバカラン事務局長のツイートとなったようです。

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ムルデカ大会の招待国の候補が明らかになった際には、隣国インドネシアからも失望の声が上がっているようです。サッカー専門サイトのハリマウマラヤによると、ベトナムやタイと同様にAFC選手権アジアカップ2023本戦の出場を決めているインドネシアがムルデカ大会が招待国の候補に入っていないことが国内メディアで取り上げられており、1961年、1962年、1969年と3度の優勝を誇るインドネシアは、マレーシアにとっては「強豪」と見なされていないのか、という失望のようです。
 そしてこういった各国の反応を見ると、この歴史ある大会の重みを理解していないのは、実はマレーシアサッカー協会FAMそのものだったのかもしれません。

1月18日のニュース
昨季給料未払いが続くサラワクUの選手らが青年スポーツ相に仲裁を直訴
今年復活のムルデカ大会出場国にシリアとパレスチナが浮上
タイ1部ラーチャブリーFC移籍のサファウィ・ラシドが入団会見

昨季給料未払いが続くサラワクUの選手らが青年スポーツ相に仲裁を直訴

給料未払い問題を理由に今季の国内クラブライセンスが交付されず、Mリーグ1部スーパーリーグに参加できなくなったサラワク・ユナイテッドFCは、今季はMリーグ3部に当たるセミプロリーグのM3リーグで再出発することが発表されていますが、このサラワク・ユナイテッドで昨季プレーした選手や監督、コーチに対し、給料3ヶ月分が未だ未払いになっていると、英字紙スターが報じています。

選手や首脳陣による合同声明によると、クラブは完済を約束したにもかかわらず、3ヶ月分の給料や出場・勝利給を未だ支払っておらず、中には4ヶ月分の給料が未払いとなっていくケースも含まれているということです。なお、クラブは未払い給料を昨年12月末までに完済することを口頭でだけでなく、文書でも確約したにもかかわらず、既に年も明け、未だ何の進展もないことから、この状況を明らかにするとともに、この問題についてハンナ・ヨー青年スポーツ相による仲裁を求めたいとしています。

今年復活のムルデカ大会出場国にシリアとパレスチナが浮上

マレーシアの独立(マレーシア語で「ムルデカ」)を記念して1957年に第1回大会が開催されたムルデカ大会はこれまでに41回開催された、アジアでも最古の国際招待大会の一つで、かつては日本代表も何度も出場しています。今年9月に実に10年ぶりに復活するムルデカ大会について、これを主催するマレーシアサッカー協会FAMは西アジアから1カ国、東南アジアから2カ国を招待し、出場4カ国で開催することを検討していると、マレーシア語紙ブリタハリアンが報じています。

この記事では西アジアの国としてシリア(直近のFIFAランキング90位)とパレスチナ(同93位)、また東南アジアの国としてはベトナム(同96位)とタイ(同111位)が招待国の候補に上がっているとしています。

この記事の中で、FAM競技委員会のフィルダウス・モハメド委員長は、現在FIFAランキング145位のマレーシアは、FIFAの国際マッチデー期間に開催予定のムルデカ大会では格上のチームとの対戦を希望しており、マレーシア代表はこの大会を来年2024年1月にカタールで開催されるAFCアジアカップへ向けての準備の一貫として使用する目的だと述べています。またこのムルデカ大会の試合形式については、4チームによる準決勝の後、準決勝の勝者は決勝を、敗者は3位決定戦を行うことで、各チームが2試合ずつ行える形式になるだろうとも述べています。

タイ1部ラーチャブリーFC移籍のサファウィ・ラシドが入団会見


タイ1部リーグのラーチャブリーFCは、Mリーグ1部スーパーリーグのジョホール・ダルル・タジムJDTからいずれも期限付き移籍したマレーシア代表FWサファウィ・ラシドとマリ代表FWムサ・シディベの入団会見を行っています。

記者会見の席では、15歳で本格的にサッカーを始めた頃からタイリーグでプレーしてみたいと思っていたと話したサファウィ選手はその夢が実現したことを喜んでいると述べています。

ラーチャブリーFCには、いずれも三菱電機カップ2022に出場したミャンマー代表のGKミョー・ミン・ラット、DFハイン・ピョー・ウィン、DFナンダ・チョーが東南アジア(アセアン)枠の選手として在籍しており、サファウィ選手は、まず彼らとの出場権争いに勝利することが目標となります。

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東南アジアサッカー連盟AFF選手権三菱電気カップ2022により11月下旬から中断していたタイ1部リーグは今週末1月21日(土)に再開します、サファウィ選手が加入したラーチャブリーFCは15試合を終えて8勝5分け2敗で、リーグ首位のブリーラム・ユナイテッドFCとは勝点差10の3位につけています。また1月21日の試合で対戦するコーンケン・ユナイテッドFCには、元JDTでマレーシア代表でもプレー経験があるリリドン・クラスニキも在籍しており、サファウィ選手とのマレーシア選手対決がいきなり見られるかもしれません。

なおサファウィ選手は、2020年にポルトガル1部のポルティモネンセSCにやはり期限付き移籍しながら、トップチームはおろか、セカンドチームでもほとんど出場機会を得られず、1年も経たずに退団、帰国した苦い経験もあります。その後はJDTでもレギュラーの座を昨季2年連続リーグMVPを獲得したアリフ・アイマンに奪われ、出場機会が激減し、先日マレーシア代表として出場した三菱電気カップ2022でも、かつてのような輝きは見ることができませんでした。まずは試合出場、そしてクラブで主力となることで、代表でも再びその勇姿が見られるのではないかとボラセパマレーシアJPは期待を寄せています。

1月17日のニュース
大山鳴動して…18チームで開幕予定だった今季のMリーグは結局14チームに
アセアンチャリティーシールド-タイ王者ブリーラム・ユナイテッドがクランタンを一蹴、さらに新加入の代表DFコールズを初披露

東南アジアサッカー連盟AFF選手権は、今回から大会スポンサーがスズキ自動車から三菱電機に変わったことで、大会名称もスズキカップから三菱電機カップとなりました。その第1回(選手権通算では14回目)の優勝を飾ったのはタイでした。FIFA国際マッチデー期間外ということで、Jリーグでプレーするチャナティップ・ソングラシン(川崎)やスパチョーク・サラチャート(札幌)は参加しませんでしたが、それ以上に今回のタイが素晴らしかったのは、準決勝までで6ゴールとチーム最多ゴールを挙げていたティーラシン・デーンダーを決勝2試合とも欠きながら優勝したこと。今大会MVPに輝いたティーラトン・ブンマタンの強烈なキャプテンシーもさることながら、試合終了後のインタビューでも述べていたように今回の優勝はまさにチーム力の勝利でした。
 一方のベトナムは、東南アジアNo. 1に育て上げたパク・ハンソ監督の最終戦でしたが、花道を飾れませんでしたが、タイとともに東南アジアでは図抜けた存在であることを示しました。今大会を最後にパク監督が去り、またインドネシア代表のソン・テヨン監督も去就に注目が集まっており、東南アジアを席巻した「韓流ブーム」も、マレーシア代表のキム・パンゴン監督1人となってしまう可能性もあります。

大山鳴動して…18チームで開幕予定だった今季のMリーグは結局14チームに

Mリーグを運営するマレーシアンフットボールリーグMFLのスチュアート・ラマリンガムCEOは、今季2023年シーズンのMリーグ1部スーパーリーグの参加チームは14となることを発表しています。

MFLは昨年、国内トップリーグの試合数が少ないというFIFAの指摘を受け、Mリーグ1部スーパーリーグと2部プレミアリーグを統合して「真」スーパーリーグとする大規模な改革案を発表しました。スーパーリーグ12チームにプレミアリーグの6チームを加えた18チーム編成とし、リーグ戦での各チームの試合数は現行の年間22試合から34試合へと増える予定でした。

しかし、昨季終了後に次々と問題が明らかになりました。まずは国内のクラブライセンス交付を担う第一審機関FIBが2つのクラブにクラブライセンス不交付を決定しました。昨季スーパーリーグ10位のマラッカ・ユナイテッドFCに対しては、給料未払い問題を抱えており、来季のクラブ運営資金調達に関する書類に不備があるとして不交付を決定、また同11位のサラワク・ユナイテッドFCに対しては、かつてが在籍した外国籍選手への給料未払いに関して、FIFAの紛争解決室の支払い処分に応じていないことを理由に不交付を決定し、両クラブには不服申し立ての期間が与えられましたが、結局、りょうくらぶともFIBの判断を受けいれた結果、今季のスーパーリーグ参加資格を失いました。(その後、両クラブはセミプロリーグのMリーグ3部、M3リーグからの出直しを発表しています。)

マラッカ・ユナイテッド、サラワク・ユナイテッドの両クラブが不参加となったことで今季の参加チームが16になったスーパーリーグですが、問題はこれで終わりませんでした。

昨季スーパーリーグ9位のPJシティFCは、今季の国内クラブライセンス交付を受けた後、リーグからの撤退を表明しました。2021年、2022年シーズンに渡り、外国籍選手抜きのマレーシア人選手のみでチームを編成してきたPJシティは、その方針が功を奏し、東南アジアサッカー連盟AFF選手権三菱電機カップ2022に出場したマレーシア代表にGKカラムラー・アル=ハフィズ、MF V・ルヴェンティラン、FWダレン・ロックが選出されています。しかし「新」スーパーリーグ発足に伴い、各クラブの外国籍選手枠が9名(ただし試合に出場できるのはこれまで通り5名)となることから、外国籍選手0名という現在のクラブ方針では他のクラブと対等に戦うのは難しいとして、スーパーリーグからの撤退を表明しました。その後の一部報道では、新たなオーナー候補が見つかったといったものもありましたが、結局、徹底の方針は変わりませんでした。

また昨季プレミアリーグ7位のUITM FCも、PJシティ同様に、クラブライセンス交付を受けた後に撤退を決めています。大学が母体のクラブとして初のスーパーリーグクラブとなり、2020年シーズンにはリーグ6位となる躍進を遂げたUITM FCですが、2021年にプレミアリーグへ降格すると、母体となるマラ工科大学(UITM)がクラブ運営資金を削減し、選手の多くは大学生、外国籍選手もシーズン後半になって1名(スランゴールFCからジョージ・アトラム)が期限付き移籍するなど、苦しいメンバーでの戦いを迫られました。また「新」スーパーリーグでは参加クラブに対して、U23、U21、U19といった年代別チームを所有することを義務付けており、複数の年代別チームを持つことによる負担増がクラブ経営を圧迫するとして、リーグ参加表明を先延ばしにしてきましたが、MFLがこれ以上有用は与えないという形で、リーグ参加の道が断たれています。

これにより結局、今季のマレーシア1部スーパーリーグは、ジョホール・ダルル・タジム(JDT)、トレンガヌ、サバ、ヌグリスンビラン、スランゴール、KLシティ、スリ・パハン、クダ・ダルル・アマン、ペナン、クランタン、クチンシティ、クランタン・ユナイテッド、PDRM、ペラの14チーム編成、試合数は各チーム年鑑26試合と試合数は4試合増えるだけとなっています。

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東南アジア諸国のトップリーグのチーム数は、人口2億7000万人越えのインドネシアが18チーム、人口9000万人越えのベトナムは14チーム、人口7000万人越えのタイは16チームといった数字を見ると、人口3500万人にも満たないマレーシアの市場規模から考えてもスーパーリーグの18チームというのはそもそも無理があるように感じ、むしろ14チームに落ち着いて良かったのでは、という印象すらあります。
 さらに言えば、給料未払い問題を抱えるチームはトップリーグではプレーできないというメッセージも明確に伝わり、今後は身の丈にあった運営をするクラブも増えてきそうです。しかし、その反面、2部プレミアリーグが今季と来季は一時的に中止になったことにより、少なくとも2シーズンは下部リーグへの降格や入れ替え戦がありません。全チームが今季どんなに成績が悪くともスーパーリーグに残留が可能になったことで、シーズン終盤になったときに下位のチームがどこまで真剣なプレーを見せてファンを楽しませてくれるのかどうかについて疑問が残ります。

アセアンシールド2023-タイ王者ブリーラム・ユナイテッドがクランタンを一蹴、さらに新加入の代表DFコールズを初披露

昨季はMリーグ2部プレミアリーグ2位に終わったクランタンFCと2020/2021年シーズンのタイ1部リーグチャンピオンのブリーラム・ユナイテッドFCが対戦するアセアンチャリティーシールドがタイ南部のソンクラー県にあるティンスラーノンスタジアムで行われ、石井正忠監督率いるブリーラム・ユナイテッドがクランタンに7-0で圧勝、大会2連勝を果たしています。

マレーシアとも国境を接するソンクラー県で行われたこの試合は、昨年に続く2回目の開催でした。なお昨年は6月にブリーラム・ユナイテッドの本拠地、チャーン・アリーナで開催され、ブリーラム・ユナイテッドがMリーグ1部スーパーリーグのヌグリスンビランを2-1で破っています。この時はブリーラム・ユナイテッドにとってはプレシーズン、ヌグリスンビランにとってはシーズン真っ只中、という時期でしたが、今回はクランタンがプレーシーズン、ブリーラム・ユナイテッドにとっては東南アジアサッカー連盟AFF選手権三菱電機カップ2022開催によるリーグ中断期間中に開催されています。

この試合はクランタンチェ・ムンシク新監督にとって初采配となっただけでなく、新外国籍選手のアンドレアス・エッスヴァイン(フィリピン)のデビュー戦となりました。一方のブリーラム・ユナイテッドは1月3日に加入したばかりのマレーシア代表DFディオン・コールズを披露しています。

試合はスパチャイ・ジャイディードとスファナット・ムエンタの両代表FWを擁し、実力で勝るブリーラム・ユナイテッドが、そのスファナット・ムエンタのゴールで8分に先制すると、13分にはジョナサン・ボリンギ、17分にはスパチャイ・ジャイディード、さらに41分にはスファナット・ムエンタがこの試合2点目となるゴールを決めて、前半はブリーラム・ユナイテッドが4-0とリードして終了します。

後半に入っても49分には元スロベニア代表のFWハリス・ヴチキッチ、54分にはMFゴラン・チャウシッチがそれぞれゴールを決めて6-0とすると、終了間際の90分にはディオン・コールズのコーナーキックからタイ代表DFのナルバディン・ウェーラワトノドムが頭で合わせて7点目を挙げたブリーラム・ユナイテッドがクランタンを一蹴しています。

試合のハイライト映像はブリーラム・ユナイテッドの公式YouTubeチャンネルより

1月14日のニュース
マレーシア人初のKリーガーが誕生-コギレスラワン・ラジがKリーグ2部の忠北清州FCと契約
ハディ・ファイヤッドがマレーシア復帰-ファジアーノ岡山からペラFCへ完全移籍
Mリーグにも韓流ブーム到来か-韓国出身のチェ・ムンシクがクランタンFCの監督に就任
JDTの代表選手コレクションが止まらない-代表GKシーハン・ハズミは噂通りジョホール加入

昨日の東南アジアサッカー連盟AFF選手権三菱電機カップ2022の決勝ファーストレグは、大会2連覇を目指すタイと、今大会終了後に退任するパク・ハンソの花道を飾りたいベトナムが最後までスリリングな試合を見せてくれました。セカンドレグでホームに戻るタイはこの試合で欠場したティーラシン・デーンダーが復帰するのか、そしてこの試合でもゴールを決め、ティーラシン選手と6ゴールで並んだグエン・ティエン・リンとの大会得点王争いにも注目の、来週月曜日のセカンドレグが今から楽しみです。
 一方、準決勝で敗退したマレーシアでは、サポーターの関心は既に来月2月24日に開幕する2023年スーパーリーグへと移っています。各チームの陣容が整いつつある中、移籍、加入のニュースをいくつか紹介します。

マレーシア人初のKリーガーが誕生-コギレスラワン・ラジがKリーグ2部の忠北清州FCと契約

マレーシアの年代別代表やA代表でもプレー経験があるコギレスワラン・ラジがKリーグ2部の忠北清洲FCと契約したことを、マレーシアの通信社ブルナマが報じています。「コギ」の愛称で呼ばれる24歳のコギレスワランは攻撃的MFで、昨季はMリーグ1部スーパーリーグのPJシティでプレーしていましたが、PJシティが今季のスーパーリーグから撤退する方針を発表したため、移籍先を探していました

昨季はセミプロリーグのKリーグ3部で14位だった清洲FCは、クラブ名を忠北清州FCとして今季からKリーグ2部に参加しますが、攻撃的MFのコギレスラワン選手はこの忠北清洲FCと1年契約を結んだということです。

今季のKリーグ2部にはインドネシア代表で今回の東南アジアサッカー連盟AFF選手権三菱電機カップ2022にも出場したDFのアスナウィ・マンクアラムが安山グリナースFCへ加入することも発表されており、コギレスワラン選手が東南アジアからKリーグ2部に参加する今季2人目の選手となります。

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一時はシンガポール1部プレミアリーグのタンピネス・ローヴァーズへの移籍なども噂されていたコギレスワラン選手ですが、居心地良い東南アジアを飛び出した彼のチャレンジを応援するとともに、今後も続く選手が出るよう、まずはポジションを勝ち取って欲しいです。

Kリーグへ移籍したコギレスワラン選手だけでなく、今季は多くのマレーシア人選手がタイリーグへも移籍していることも注目です。1部リーグではディオン・コールズ(ブリーラム・ユナイテッド)、ジュニオール・エルドストール(PTプラチュワップFC)、サファウィ・ラシド(ラーチャブリーFC)、リリドン・クラスニキ(コーンケン・ユナイテッド)、2部リーグではザフアン・アゼマン(ウタイターニーFC)、スチュアート・ウォーク(カセサートFC)の合計6名がプレーします。近年では、タイリーグに移籍したノーシャルル・イドラン・タラハ(元BGパトゥム・ユナイテッド)、ドミニク・タン、モハマドゥ・スマレ(いずれも元ポリス・テロFC)らが全く活躍できなかっただけに、マレーシア人選手の評価を高めるような活躍を期待したいです。

ハディ・ファイヤッドがマレーシア復帰-ファジアーノ岡山からペラFCへ完全移籍

去る者もいれば戻って来る者もいる。

スーパーリーグのペラFCはクラブ公式SNSで、マレーシアの年代別代表でプレー経験があるハディ・ファイヤッドの加入を発表しています。ハディ選手はJDTのセカンドチームJDT IIを退団後、2019年に2月にJ2のファジアーノ岡山へ加入しており、Mリーグ復帰は5年ぶりとなります。

今月22日に23歳となるハディ選手は、マレーシア人選手として初めてJ2のクラブに移籍しましたが、岡山では出場機会を得ることができず、2021年には出場機会を求めてJ3のアスルクラロ沼津に期限付き移籍しました。しかし沼津へ移籍からわずか1ヶ月で右膝前十字靭帯(ACL)断裂の重傷を負い、このシーズンを棒に振りました。このケガから復帰した昨季は4月21日のヴァンラーレ八戸戦に84分から出場し、待望のJリーグデビューを果たしていました。その後も8月21日にはY.S.C.C.横浜で60分から、9月17日にはカターレ富山戦で83分から途中出場し、昨季の出場時間は合計43分、また出場した試合も含めベンチ入りは5試合でした。

ペラ州出身のハディ選手にとっては地元クラブでもあるペラFCは、一昨年に給料未払い問題により主力選手の大半が退団、移籍した結果、クラブ創設100周年となった年にクラブ史上初となる2部降格となっていました。またこの給料未払いの他、かつて在籍した外国籍選手への給料未払いもあったことから、FIFAは昨年1回目のトランスファーウィンドウ期間での新規選手の獲得を禁止する処分を課し、昨季のペラはシーズン前半はU23やU21の選手をやりくりして戦わなければならず、その結果、リーグ10チーム中で5勝2分11敗の9位に終わりました。しかし昨季終了後には携帯電話会社のXOX社がメインスポンサーとなり、元マレーシアU16代表監督で、バイエルン・ミュンヘンのユースチームコーチの経験もあるリム・ティオンキム氏が監督が就任すると、ベテラン選手を放出し、若い選手を多く獲得するなど、クラブの建て直しの過程にあり、その目玉の一つが今回のハディ選手獲得と言えそうです。

Mリーグにも韓流ブーム到来か-韓国出身のチェ・ムンシクがクランタンFCの監督に就任

来週月曜日1月16日に決勝戦セカンドレグが開催されフィナーレを迎える東南アジアサッカー連盟AFF選手権三菱電機カップ2022では、準決勝に進んだ4チームの内、マレーシア、インドネシア、そしてベトナムの各代表チームは韓国人監督が指揮しており、東南アジアの代表チームには「韓流ブーム」がおとづれていますが、今季からスーパーリーグに加わるクランタンFCは、クラブ公式SNSで韓国出身のチェ・ムンシク(崔文植)監督の就任を発表しています。

元韓国代表のチェ氏は52歳で、韓国U16代表監督や、韓国の仁川で開催された2014年のアジア競技大会に出場したU23代表コーチなどを歴任している他、クラブレベルでは大田ハナシチズンFC(韓国)や延辺富徳FC(中国、2019年に解散)で監督経験があります。またMFだった現役選手時代の2001年にはJリーグの大分トリニータでもプレーしています。

なお昨季の監督を務めたザムベリ・ヤハヤはチェ監督のもとでコーチとして残留することも発表されています。

JDTの代表選手コレクションが止まらない-代表GKシーハン・ハズミは噂通りジョホール加入

三菱電機カップ2022準決勝で敗退したマレーシア代表のメンバーは、所属チームへ戻って2月24日に迫った今季の開幕に備えますが、昨季在籍したヌグリスンビランを退団することを表明し、三菱電機カップでは「無所属」となっていたGKシーハン・ハズミが噂通りジョホール・ダルル・タジム(JDT)に加入しています。

JDTのクラブ公式フェイスブックでは、新加入選手が本拠地のスルタン・イブラヒムスタジアムへリムジンで乗りつけるお約束の画像で加入が紹介されたシーハン選手は、背番号が33となることも明らかになっています。JDTオーナーでジョホール州皇太子のトゥンク・イスマイル殿下はこれまでも、マレーシア人選手はトップクラスの選手しか獲得しないと明言していた通り、三菱電機カップでは代表の正GKとして6試合中5試合に出場したシーハン選手が、JDTがこのオフに獲得した唯一のマレーシア人選手です。

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昨季は大ブレークを果たし、Mリーグアウォーズで2022年シーズンの最優秀GK賞を受賞した26歳のシーハン選手は、2021年まで4年連続で同賞を獲得してきた37歳のファイルズ・マーリアスとチームメートとなったことで、昨季リーグ9連覇を達成したJDTには代表GKが2人揃いました。これによりJDT内での正GK争いは激しいものになりそうですが、それと同時にまさかの同一チームから2人のGKが代表に選出、といった事態が起こるかも知れません。

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10月26日のニュース
ベルギーでプレーするルクマン・ハキムが今季リーグ戦初出場
ユースの国際招待大会スーパーモクカップ開幕
MリーグではVAR導入の予定は当面なし

ベルギーでプレーするルクマン・ハキムが今季リーグ戦初出場

ベルギーリーグの第14節が10月22日から24日にかけて行われ、マレーシア代表でもプレーする20歳のルクマン・ハキムが所属するKVコルトレイクは10月22日にホームのKVCウエステルロー対戦し、ルクマン選手がこの試合で今季リーグ戦初出場を果たしています。この試合はベンチスタートとなったルクマン選手は、88分にウルグアイ出身のFWフェリペ・アベナッティと交代出場し、試合終了までプレーしています。

試合は26分にハビブ・ゲイがレッドカードで退場し10人となったKVコルトレイクに対して、48分にニコラス・マドセン、83分にネネ・ドルジュレスがそれぞれゴールを挙げ、KVCウエステルローが2-0で勝利しています。なお、この日の敗戦で3勝2分9敗となったKVコルトレイクは、第14節を終えて18チーム中17位となっています。

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2018年のAFC U16選手権(現U17アジアカップ)の得点王となるなど、マレーシアの希望の星と期待されたルクマン選手は、2019年9月にマレーシア人富豪のヴィンセント・タン氏が所有するKVコルトレイクと6年契約を結び、2020年の10月24日にアンデルレヒト戦でベルギーリーグデビューを果たしたものの、それ以降はトップチームでの出場はなく、この日のKVCウエステルロー戦が移籍後2試合目の出場でした。来季から改編されるMリーグ1部スーパーリーグに合わせて、国内クラブへの移籍の噂なども出ていましたが、この試合出場で今季もベルギーに残りそうな気配です。

ユースの国際招待大会スーパーモクカップ開幕

ユース国際招待大会のスーパーモクカップ2022年大会が、マレーシアのパハン州ガンバンにあるモクタル・ダハリアカデミーAMDのユースフットボールセンターで10月25日に開幕しています。U12、U13、U14の3つのカテゴリーで開催される今大会は今回が第6回大会、2019年以来3年ぶりの開催で、世界各地から集まった17チームが熱戦の火蓋を切っています。今大会は10月25日から27日までは一回戦総当たりのグループステージが行われ、休養日の28日を挟んで、29 日と30日に決勝ラウンドが行われます。

マレーシアサッカー協会FAMと、マレーシア政府のスポーツ青年省傘下の国家スポーツ評議会が共同で運営する国家サッカー選手育成プログラムNFDPと、その中核をなすエリートアカデミーのAMDがそれぞれチームを編成して参加する他、パリ・サンジェルマン(フランス)、NKオシエク(クロアチア)、MFKルジョムベロク(スロバキア)らのヨーロッパ勢や、セレッソ大阪、ファジアーノ岡山(いずれも日本)、キム・ヨンフンアカデミー、華城FC(いずれも韓国)、RFヤング・チャンプス(インド)のアジア勢、そしてアショップフットボールアカデミー、アシアナサッカースクール(いずれもインドネシア)、ライオンシティー・セイラーズ(シンガポール)、ブリーラム・ユナイテッドFC、チョンブリーFC(いずれもタイ)、PVFフットボールアカデミー(ベトナム)ら東南アジア勢、そしてマレーシア国内からはトレンガヌ州のイブラヒム・フィクリ校(マレーシア)も参加します。

初めてクアラルンプール以外で開催された前回2019年大会では、U14はAMD、U12はNFDPとマレーシアのチームが優勝しましたが、U13はブリーラム・ユナイテッドU13がAMDを破って優勝し、マレーシア勢のタイトル総なめを阻止しています。ブリーラム・ユナイテッドU13は今大会にも出場しており、3年越しの連覇を狙います。

MリーグではVAR導入の予定は当面なし

Mリーグを運営するマレーシアンフットボールリーグMFLは、Mリーグ1部スーパーリーグでのVAR(Video Assistant Referee「ビデオ・アシスタント・レフェリー」)運用について、その導入前に徹底的な検討を行う必要があるとし、当面の導入の可能性を否定していると、マレーシアの通信社ブルナマが報じています。

10月22日にブキ・ジャリル国立競技場で開催されたAFCカップ決勝、KLシティFC対アル・シーブクラブ戦で、マレーシア国内の試合では初めて導入されたVARですが、スーパーリーグでのVAR導入については様々な問題があると、MFLのスチュアート・ラマリンガムCEOが説明しています。

「スーパーリーグへのVAR導入には時間がかかることを理解して欲しい。VARを担当する審判員の養成だけでなく、スーパーリーグの試合が開催される全てのスタジアムの環境整備や機材設置なども必要になるが、スーパーリーグで使用されるスタジアムの大半はクラブの所有ではなく、公共施設であり、VAR導入に必要な改修が直ちに行えない可能性がある。特定のスタジアムにだけVARを導入することは公正を欠くことになる。」と説明し、VARの当面の導入の可能性を否定しています。

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そもそもですが、VARは国際サッカー評議会(IFAB:サッカーの競技規則を唯一、制定・改定できる組織)の承認を受けた組織、スタジアム、審判員でなければ使用できません。今回のAFCカップ決勝も、当初はKLシティの本拠地であるKLフットボールスタジアムでの開催となっていましたが、AFCがVAR導入を決めると、KLフットボールスタジアムの照明がVAR導入に必要な1800ルクスに達していないことが判明し、試合会場がブキ・ジャリル国立競技場へと変更となった経緯があります。

カップ戦などの試行錯誤を経て2021/2022シーズンからVARを導入したタイリーグ、2023年シーズンからのVAR導入が検討されているシンガポールリーグと、近隣諸国のリーグではVARの導入が進んでいます。そうでなくとも審判への信用が低いマレーシアこそVARの導入は優先事項だと思いますが、スチュアートCEOの発言を聞く限りではまだまだ先の話になりそうです。


9月15日のニュース
AFC U20アジアカップ予選-マレーシアの初戦はモンゴルと引き分け
将来の代表候補リチャード・チンが英国3部リーグデビュー

AFC U20アジアカップ予選-マレーシアの初戦はモンゴルと引き分け

モンゴルのウランバートルで開催中のAFC U20アジアカップ2023年大会の予選E組に出場しているマレーシアは、初戦となるモンゴルとの試合に1-1で引き分け、勝点1を獲得してのスタートとなりました。

24分に相手CKからのゴール前の混戦でマレーシアが与えたPKでモンゴルが先制する展開となった試合は、モンゴルGKの度重なる好守などもあり、前半は0-1とモンゴルがリードして終了しました。後半に入ると54分に右サイドを上がったハイカル・ハキーミ(スランゴール2)からのパスをナジムディン・アクマル・カマル(JDT III)がマイナスのクロス。これをアリフ・イズワン・ユスラン(スランゴール2)がシュートし、これが決まってマレーシアは同点に追いつきます。しかし、その後は両チームとも追加点を奪えず、モンゴルの8本に対し、マレーシアは倍近い15本のシュートを放ちながら、試合は引き分けに終わっています。

予選E組のもう一つの試合は韓国がスリランカを6-0で破り、E組首位となっています。

将来の代表候補リチャード・チンが英国3部リーグデビュー

英国3部リーグにあたるEFLリーグ1のチャールトン・アスレティックFCに所属する19歳のリチャード・チンがリーグデビューを初先発で飾っています。左サイドバックのチン選手は、9月13日にホームのザ・ヴァリースタジアム(ロンドン)で行われた行われた今季第8節のフォレスト・グリーン・ローヴァーズFCに先発してリーグデビューを果たすと、72分に交代するまでプレーしています。チームは1-1で引き分け、今季通算成績を2勝4分2敗として14位(24チーム中)としています。

英国生まれながらマレーシア出身の父親とセイシェル出身の母親を持つチン選手は、マレーシア、セイシェル、英国代表でプレーする資格がありますが、これまでの報道ではマレーシア代表としてプレーすることを望んでいる旨の発言を何度か繰り返しています。チャールトン・アスレティックU18ではキャプテンも務めたチン選手は、昨年2021年7月にチームをプロ契約を結んでおり、昨年11月にはカップ戦でトップチームデビューを果たしています。今回のリーグ戦デビューでチン選手は、マレーシア代表としてプレー資格がある選手としては、最高位となる英国3部デビューを果たしたことになります。