マレーシアは2022年ワールドカップ予選は1回戦から出場
最新のFIFAランキングが発表となり、マレーシアは2022年のFIFAワールドカップカタール大会のアジア予選で1回戦からの登場となることが確定したとGoal.comが伝えています。
アジアサッカー連盟AFC所属国のうちFIFAランキング上位34カ国は、アジア予選2回戦から、それより下のランキングの国は予選1回戦から登場することになっていたことから、マレーシアサッカー協会FAMは、今年3月にエアマリンカップを開催し、当時のAFC内でのFIFAランキング34位のシンガポールを破ることで、同35位のマレーシアが入れ替わりで2回戦登場となることを目論んでいましたが、結果は順位逆転どころか、シンガポールに0−1と返り討ちにあってしまいました。エアマリンカップでは、シンガポールよりもFIFAランキングが上のアフガニスタンには勝ちましたが、最新のFIFAランキングでは、シンガポールとの差がそれまでの6ポイントから12ポイントに開いただけでなく、マレーシアのFIFAランキングは1ランク下がって世界168位となってしまいました。
この結果、マレーシアは4月17日に自国の首都クアラルンプールにあるAFC本部で開催される予選1回戦組合せ抽選で、カンボジア、マカオ、ラオス、ブータン、モンゴルといった国と共にポッド1に入り、ポッド2に入ったバングラディシュ、グアム、ブルネイ、東ティモール、パキスタン、スリランカのいずれかの国と6月6日と11日の日程で開催されるホームアンドアウェイ形式のアジア予選1回戦を戦うことになりました。(最新のFIFAランキングを伝えるFAMのポスト)
カテゴリー: マレーシアンフットボールリーグMFL
MFL第7節の結果まとめ
マレーシアフットボールリーグMFL第7節
FIFA国際Aマッチ期間が明けて、MFLが再開しています。
MFL1部スーパーリーグの結果は以下の通りです。
クダFA(3勝3分1敗)1-1JDT(5勝2分0敗)
得点者:クダFA-フェルナンド・ロドリゲス(31分)、JDT-サファウイ・ラシド(10分)
アジアサッカー連盟AFC U23選手権予選でマレーシアU23代表のキャプテンを務めたJDTのサファウイ・ラシドが先制ゴールを決めるも、クダFAが追いつきドロー。
スランゴールFA(2勝3分2敗)1-0トレンガヌFC(2勝3分2敗)
得点者:スランゴールFA-ファイズ・ナシル(56分)
エアマリンカップのアフガニスタン戦で代表デビューし、いきなりゴールを決めたファイズ・ナシルがこの試合でも決勝ゴールを決めています。
マラッカ・ユナイテッド(4勝1分2敗)0−0ペラTBG(1勝4分1敗)
得点者:なし
フェルダ・ユナイテッド(1勝3分3敗)1-3パハンFA(5勝1分1敗)
得点者:フェルダ・ユナイテッド−チアゴ・ジュニオー(49分)、パハンFA-ノーシャルル・イドラン・タラハ(45分)、ゼ・ラヴ(64分)、ファイザル・ハリム(90分)
フェルダ・ユナイテッドの渡邉将基、池田圭両選手はスタメン、フル出場しています。
プタリン・ジャヤ(PJ)シティ・ユナイテッド(2勝1分4敗)1-0PKNS FC(3勝2分2敗)
得点者:PJシティ・ユナイテッド−アイズルリズワン・ラザリ(60分)
PJシティ・ユナイテッドは4試合ぶりの勝ち星です。
PKNP FC(1勝1分5敗)4-0クアラルンプール(KL)FA(0勝0分6敗)
得点者:PKNP FC-ヤシル・ピント(7分)、G・ムゲンティラン(32分)、ジャンカルロ2(63分、90分)
今シーズン勝ち星なしの両チームの対戦は、PKNP FCが快勝し初勝利を上げました。KLFAはレッドカード2枚をもらい開幕からの連敗が6となりました。
KLFAの苅部隆太郎選手は今シーズン初のベンチ外でした。
ケランタンFA(1勝3分2敗)1-1トレンガヌFC II(2勝3分1敗)
得点者:ケランタンFA-ラウル・タラゴナ(19分)、トレンガヌFC II-ズアシャラフ・ズルキフリ(22分)
トレンガヌFC IIの鈴木ブルーノ選手はスタメンでフル出場しています。
MFL2部プレミアリーグの結果は以下の通りです。
UKM FC(2勝1分3敗)0-1ヌグリ・スンビランFA(2勝4分1敗)
得点者:ヌグリ・スンビランFA-リズアン・アブダンロー(31分)
ヌグリ・スンビランFAの中武駿介選手はスタメンでフル出場しています。
ケランタンFA(1勝3分2敗)1-1トレンガヌFC II(2勝3分1敗)
得点者:ラウル・タラゴナ(19分)、トレンガヌFC II-ズアシャラフ・ズルキフリ(22分)
セランゴール・ユナイテッド(3勝1分3敗)1-2UITM FC(4勝1分1敗)
得点者:スランゴール・ユナイテッド−ハディ・ヤハヤ(79分)、UITM FC-ザルコ・コラチ(33分)、アズリディン・ロスリ(45分)
サバFA(4勝2分1敗)2-0ペナンFA(2勝1分4敗)
得点者:サバFA−ルイス・ジュニオール2(3分、54分)
JDT II(4勝2分0敗)1-1サラワクFA(2勝1分4敗)
得点者:JDT II-ルーカス・オンティヴェロ(11分)、サラワクFA-ハドソン・ディアス(72分)
3月29日のニュース:エアマリンカップを振り返って(2)大会回顧編
前回からの続きです。
ウルトラス・マラヤのボイコット宣言を受け、マレーシアサッカー協会FAMは、メディアを通じて、事情を説明するとともにファンにボイコットをしないように求めました。またマレーシア代表チームのキャプテンであるモハマド・ザクアン・アドハもボイコットを先導するウルトラス・マラヤを批判し、ファンに来場を求めました。
<3月20日−大会初日>
しかしその説明にも批判にも説得力はなかったようで、ジョホール水道を挟んだマレーシアとシンガポールの試合は、そこにかかる土手道にちなんで「コーズウェイ・ダービー」と呼ばれ、本来ならば両国のファンの注目を集める試合となるはずですが、会場となった90000人収容可能のブキ・ジャリルスタジアムに訪れた観衆は3741人でした。
3月20日の対戦ではシンガポール代表がマレーシア代表を1-0で破り、決勝進出を決めましたが、81分に唯一の得点を入れたのがシンガポールリーグのホウガン・ユナイテッドに所属するファリス・ラムリでした。このファリス選手は、昨シーズンはマレーシアフットボールMFL1部スーパーリーグのPKNS FCでプレーし、今シーズンもMFL2部プレミアリーグのプルリス・ノーザンライオンズ(プルリスFAのチーム)でプレーすることになっていましたが、このブログで何度も取り上げたプルリスFAの給料未払い問題を受けて、シーズン開幕前に契約を解除し、シンガポールリーグへ復帰していました。(下はシンガポール代表戦の先発メンバー)
この日のもう一つの試合では、就任間もないエルウィン・クーマン監督率いるオマーン代表がアフガニスタン代表を5−0で破り、オマーンはシンガポールとエアマリンカップの優勝戦へ、マレーシアとアフガニスタンは3位決定戦へ進みました。
<3月23日−大会最終日>
3月22日(金)にエアマリンカップの会場となったクアラルンプール市内のブキ・ジャリルスタジアムから20数キロ離れたシャー・アラムスタジアムでは、アジアサッカー連盟AFC U23選手権予選第1日が行われました。エアマリンカップをボイコットしたウルトラス・マラヤもこちらは声を枯らして応援していましたが、マレーシアU23代表とフィリピンU23代表との試合には7600人ほどが観戦にやってきました。ちなみに3月24日(日)のラオスU23戦は9700人、3月26日(火)の中国U23代表戦は26000人が観戦しました。
一方、エアマリンカップ初日は平日の水曜日だったこともあり、土曜日開催となった大会最終日には初日を超える観衆が予想されましたが、マレーシア代表とアフガニスタン代表が対戦した3位決定戦の観衆は何と1466人でした。ウルトラス・マラヤの影響力かどうかはわかりませんが、少なくとも今回に関してはチケット代の設定をFAMが間違えていたことが証明されてしまいました。
土砂降りの中で行われた3位決定戦は、マレーシア代表がアフガニスタン代表に2−1で勝利し、3位となりましが、この試合のMOMはこの試合で代表デビューを果たしたファイズ・ナシル(スランゴールFA)でしょう。タン・チェンホー監督はシンガポール戦から大幅にメンバーを入れ替えました。この試合でワントップとなったノーシャルル・イドラン・タラハの後ろで動き回る役割を与えられたファイズ選手は、スランゴールFAでのプレー同様、豊富な運動量と果敢なドリブルでアフガニスタン代表を脅かしました。
先制したのはアフガニスタン代表でした。31分にMFLパハンFAでプレーしたこともある10番ファイサル・シャイエステがゴールエリアの外から左足で放ったシュートはカーブがかかりそのままゴールへ吸い込まれ、アフガニスタン代表が1-0とリードしました。しかしマレーシア代表も44分、同じ様な位置からファイズ・ナシルがやはり左足のシュートを決めて同点に追いつきました。この後もムハマドゥ・スマレ(パハンFA)や久しぶりの代表復帰となったハディン・アズマン(フェルダ・ユナイテッド)がシュートを放ちますが、得点にはつながりませんでした。しかし84分、ノーシャルル・イドラン・タラハと交代で入ったマシュー・デイビーズのクロスをアフガニスタン代表のアバシン・ライキルがOGし、マレーシアが勝ち越し、そのまま逃げ切りました。(下はアフガニスタン代表戦の先発メンバー)
この試合の後に行われた決勝はオマーン代表とシンガポール代表がそれぞれ得点し1-1となるも、90分で決着がつかずPK戦となった結果、オマーンが5−4でシンガポールを破っています。
3月28日のニュース:エアマリンカップを振り返って(1)開催までの騒動編
アジアサッカー連盟AFC U23選手権予選の同時期にひっそり行われたエアマリンカップ。フル代表はいきなりシンガポール代表に破れたものの、最後はアフガニスタン代表に勝って、何とか3位に滑り込みました。今更ながら、このエアマリンカップを、それに関する報道をもとに振り返ってみたいと思います。
そもそもこのエアマリンカップ開催の目的は、今年から始まるFIFAワールドカップ2022年大会のアジア予選と関係があります。FIFAランキングでアジア34位以上のチームは9月の2次予選から登場しますが、35位以下のチームは6月の1次予選からの登場となりますが、現在のマレーシアのFIFAランキングはそのボーダーであるアジア35位(全体では167位)。そこでランキング上位のチームと対戦して勝利し、9月の2次予選からの参加を目論んで企画された大会です。しかしこのエアマリンカップは予定が発表された以来、紆余曲折を経て開催された大会となりました。
<大会名称と開催時期の変遷>
1957年に当時のマラヤ連邦(現在のマレーシア)の初代首相であり、当時のマレーシアサッカー協会FAMの会長でもあったトゥンク・アブドル・ラーマンの発案で、マラヤ連邦がイギリスから独立したことを記念して開催されたムルデカ大会(「ムルデカ」とはマレーシア語で「独立」の意)は、アジアで最古の招待大会とされ、かつては世界の強豪が参加する大会でした。日本代表も初代Jリーグチェアマンの川淵三郎氏を始め、現日本サッカー協会JFA会長の田島幸三氏、日本サッカー界のレジェンド釜本邦茂氏、奥寺康彦氏、木村和司氏などが参加した由緒ある大会です。日本代表の最後の出場となった1986年の第30回大会では、マレーシア代表と日本代表が準決勝で対戦し、現在はパハンFAのドラー・サレー監督と、同じくマラッカ・ユナイテッドのザイナル・アビディン・ハサン監督がそれぞれゴールを決めてマレーシアが日本を2-1で破っています(ちなみに日本の得点者は当時「アジアの核弾頭」の異名をとった原博実元FC東京監督)。
前置きが長くなりましたが、このムルデカ大会はマレーシア代表の弱体化と共に以前のような輝きを失っていき、最後に開催されたのは2013年で、その際もマレーシア、タイ、ミャンマー、シンガポールといった東南アジアのチーム同士の大会で、しかも東南アジアのチームにとっては重要な大会である東南アジア競技大会が開催される年でもあったことから、タイを除く3チームはU23代表が参加する地味な大会でした。
5年間行われていなかったこのムルデカ大会を、かつてのような強豪が参加する大会として行いたいと、マレーシアサッカー協会FAMのダト・ハミディン・アミン会長が初めて発言したのが、2018年の12月初旬でした。ハミディン会長は当地の英字紙ニューストレイトタイムズとのインタビューで、FIFAワールドカップ2022年大会の予選が2019年半ばに始まることから、8月31日の独立記念日近辺での開催はワールドカップ予選時期に近く難しいこと、またFIFAカレンダーで国際Aマッチが開催可能な3月は独立記念日と離れすぎていて、大会の趣旨から離れてしまうと発言していました。
それが12月末になると話が一転し、2019年1月にムルデカ大会開催の話が持ち上がりました。しかし国内リーグであるマレーシアフットボールリーグMFLが1月に開幕するため、その開催時期に疑問符が付きました。またこの頃にはムルデカ大会を「リブランディング」するという発言が、FAMのスチュアート・ラマリンガム事務局長が発言し始め、その開催時期も3月という報道が出るようになりました。
これまでムルデカ大会は8月あるいは9月に行われてきたので、3月に開催する大会にムルデカ大会の名称は使えない、ということだったのかも知れませんが、競合を招待しての国際大会が実現するなら、そこは致し方ないと多くのファンも思ったはず。そして2月の下旬には大会の名称がムルデカ大会ではなく、エアマリンカップとなること、またこのエアマリンカップはムルデカ大会のリブランド版でも、代替大会でもないことが正式に発表されました。
<出場国の変遷>
3月の大会がエアマリンカップとなる前から、FAMのラマリンガム事務局長は、この大会にはアセアン以外の西アジアあるいは東アジアからチームを招待したいと発言し、インド、台湾などが候補に上がっているとも報道されました。
しかし今年1月に入ると、ラマリンガム事務局長は、エアマリンカップ参加国の内、1チームはワールドカップ出場経験国で、残る2チームはその頃アラブ首長国連邦で行われていたアジアサッカー連盟AFC選手権アジアカップの出場国であると述べました。ワールドカップ出場経験国については「これまでマレーシアで対戦したことがない国で、2014年のワールドカップに出場し、2018年の大陸間プレーオフで敗退した国」というバレバレのヒント(笑)を出し、この条件に当てはまるホンジュラス(FIFAランキング62位)が参加する可能性が取り沙汰されました。アジアカップ出場国については何も述べていませんが、以前FAMのテクニカルダイレクターを務めたこともあるスイス人フリッツ・シュミット監督が指揮するニュージランド代表も候補ではないかという報道もありました。
その後、参加国はホストのマレーシア(FIFAランキング167位)、オマーン(同ランキング90位、2019年アジアカップ出場国)、ニュージーランド(同122位、当初の噂通り、しかもワールドカップ出場経験国)、そしてシンガポール(同165位、あれ?アセアンからは呼ばないはずでは…)の4カ国となりました。
しかしここで話は終わりませんでした。その後、ニュージーランドが国内リーグなどを理由に参加を辞退し、同じオセアニアサッカー連盟OFCに加盟するソロモン諸島が出場することが2月25日に発表されました。(写真はエアマリンカップ開催記者会見−FAMのFacebookより)
公式記者会見も終わり、さて…となったところでもう一騒動起きました。今度はソロモン諸島がエアマリンカップへの出場を辞退したのです。ソロモン諸島代表は3月24日(エアマリンカップ最終日の翌日)に台湾代表とも国際Aマッチを予定しており、3月18日から26日の国際試合カレンダー期間中の代表同士の試合は最大2試合というFIFAの規定があることから、台湾代表との試合を優先し(エアマリンカップは準決勝、3位決定戦、決勝とどの参加チームも2試合を行うことになっています)、エアマリンカップの出場辞退を決めたと報道されています。中国の圧力により、これまで外交関係のあった国々からている台湾にとって、ソロモン諸島は2019年3月現在、台湾と外交関係のある17国の内の1つですので、この背景には政治的な意図などもあるのかも知れません。
そして大会まであと数週間と迫った3月1 日に、アフガニスタン代表(FIFAランキング147位)がソロモン諸島に代わり出場することがFAMから発表されました。
<ウルトラスマラヤのボイコット>
参加チームが確定した後も、また新たな騒動が起こりました。マレーシア代表チームの最大サポーターグループである「ウルトラス・マラヤ」がエアマリンカップのボイコットを決めたと報じられたのです。
ボイコットの理由として挙げられているのが、エアマリンカップのチケットの価格です。エアマリンカップでは、オープンスタンドのチケットが35マレーシアリンギ(約960円)と設定されていますが、これまで代表の試合のチケットの価格20マレーシアリンギ(約550円)から75%も値上げされたことに加え、エアマリンカップの主催者がマレーシアサッカー協会FAMではなく、イベント企画会社であることから、この会社が不当にチケットの価格を釣り上げて、マレーシアのサッカーファンから搾取していることに対する抗議のためのボイコットであるとしています。(ちなみにこのイベント企画会社は、過去に代表チームの年間スケジュールや国内リーグの日程を変更させてまでトットナムやリバプールとマレーシア選抜を対戦させた際、ウルトラス・マラヤの怒りをかった前歴があります。)
35マレーシアリンギのチケット代には、同日行われるもう一つのカードの観戦料も含まれているので結果として割安であるとのFAMによる発言に対しては、大半のファンは見るつもりもないマレーシア代表以外の試合の分も払わせるような発言は価格差を誤魔化すための言い訳に過ぎず、大会の冠スポンサーであるエアマリン社からのスポンサー費用があるにも関わらず、イベント企画会社に主催させること自体がおかしいと非難しました。(下は大会直前の3月18日にウルトラス・マラヤのFacebookにアップされた「ハリマオ・マラヤ(マレーシア代表の愛称)は売り物ではない」のメッセージ
3月19日のニュース:ウルトラスがエアマリンカップのボイコットを示唆、この問題についてFAMはファンの理解を求める
ウルトラスがエアマリンカップのボイコットを示唆
マレーシア代表チームの最大サポーターグループである「ウルトラス・マラヤ」が、3月20日と23日に開催される4カ国対抗のエアマリンカップのボイコットを決めたと、マレーシア語紙ウトゥサン・マレーシアのオンライン版が伝えています。
ボイコットの理由として挙げているのが、エアマリンカップのチケットの価格です。エアマリンカップでは、オープンスタンドのチケットが35マレーシアリンギ(約960円)と設定されていますが、これまで代表の試合のチケットの価格20マレーシアリンギ(約550円)から75%も値上げされたことに加え、エアマリンカップの主催者がマレーシアサッカー協会FAMではなく、イベント企画会社であることから、この会社が不当にチケットの価格を釣り上げて、マレーシアのサッカーファンから搾取していることに対する抗議のためのボイコットであるとしています。
さらにウルトラス・マラヤのFacebookでは、FAMのダト・ウィラ・ユソフ・ハマディ副会長がチケット価格の正当性について述べたことにも反論しています。マレーシア以外の3カ国はいずれもFIFAランキングでマレーシアより上位の国なので、質の高い試合となるとの理由には、昨年末のアセアンサッカー連盟AFF選手権スズキカップで、マレーシアよりFIFAランキングが上のベトナムなどとのグループリーグではチケットは20マレーシアリンギであったと反論し、また、35マレーシアリンギのチケット代には、同日行われるもう一つのカードの観戦料も含まれているので結果として割安であるとの発言には、大半のファンは見るつもりもないマレーシア代表以外の試合の分も払わせるような発言は価格差を誤魔化すための言い訳に過ぎないと非難しています。また大会の冠スポンサーであるエアマリン社からのスポンサー費用があるにも関わらず、イベント企画会社に主催させること自体がおかしいとしています。
ウルトラス・マラヤのFacebookページでは、(エアマリンカップの会場となる)ブキ・ジャリルスタジアムのクルヴァ(ゴール裏のスタンド)ではなく、(アジアサッカー連盟AFC U23選手権予選が行われる)シャー・アラムスタジアムのクルヴァで会おう!と呼びかけています。
ハリマオ・マラヤ(代表チームの愛称_は売り物ではない(ウルトラス・マラヤのFacebookより)
この問題についてFAMはファンの理解を求める
マレーシア語紙ブリタ・ハリアンのオンライン版によると、ウルトラス・マラヤのボイコットについて、FAMのスチュアート・ラマリンガム事務局長は、現在FAMが直面している状況を理解し、できるだけ多くのファンにスタジアムに足を運んで欲しいと発言しています。
昨年FAMが主催した国際Aマッチの内、ブキ・ジャリルスタジアムで4月1日に行わえたブータン代表戦は、オープンスタンドのチケットを20マレーシアリンギであったものの、3,187枚のチケット売上の結果、81460マレーシアリンギの収入があったものの、10万マレーシアリンギ(約270万円)を超える赤字となりました。同様に7月5日にKLフットボールスタジアムで行われたフィジー代表戦は、1220枚のチケット売上で7万マレーシアリンギの赤字が、11月3日のモルジブ戦では6173枚のチケット売上に対して2万6千マレーシアリンギの赤字が出ていました。
その上で、今回のエアマリンカップについては、全ての費用をイベント企画会社が負担し、さらにこの会社からはFAMに30万マレーシアリンギ(約820万円)が支払われていることを明らかにしています。なお、この30万マレーシアリンギはマッチボーナスや、U19、U16、女子代表の強化に使われるとのことで、FAM主催でないやり方であっても、代表チームの価値を高める方法があるのであれば、そういった方法を時代にあった形で今後も活用していきたいと、ラマリンガム事務局長は話しています。。
3月15日のニュース:MFLがTMとのスポンサー契約打ち切りを決定、U19代表の遠征2日目の結果
MFLがTMとのスポンサー契約打ち切りを決定
マレーシアフットボールリーグMFLのホームページによると、MFLはマレーシアのテレコミュニケーション企業テレコム・マレーシア(TM)とのスポンサー契約打ち切りを発表しました。
2018年1月に発表された8年間総額4億8000万マレーシアリンギ(約130億円)の大型スポンサー契約はマレーシアのスポーツ史上最大のものでしたが、1年ほどで頓挫してしまいました。
契約打ち切りの理由としてTMが契約に従う財政上の義務を果たしていないことを挙げたMFLのケヴィン・ラマリンガムCEOは、契約不履行による訴訟も検討しているとしています。
MFLチェアマンでジョホール州皇太子のトゥンク・イスマイル殿下は、MFL理事会には出席できなかったもの、理事会の決断の支持を表明しています。殿下は発言の中で、昨年5月を契機としてTMとの関係が急激に変わったとしていますが、マレーシアの昨年の5月と言えば、5月9日に実施された総選挙で、野党連合の希望連盟が113議席を獲得、79議席の獲得となった与党連合の国民戦線に34議席の差をつけて勝利し、1957年のイギリスからの独立以来、マレーシアで初めて政権交代が起こった時期と重なります。
トゥンク・イスマイル殿下は、TMの対応の変化は(政権交代の結果)スポーツが政治化された結果だとし、国民に最も人気のあるサッカーを苦しめるようなTMの対応を非難しています。また、ラマリンガムCEOは、TMとの契約上、多くの企業からのスポンサー契約提案を断っており、MFLは今後、そういった企業と積極的に話をしていく予定であると述べています。
TMとの契約打ち切りを伝えるMFLの告知(MFLのホームページより)
U19代表の遠征2日目の結果
福岡県宗像市のグローバルアリーナで開催中のサニックス杯国際ユースサッカー大会に出場しているマレーシアU19代表は、大会2日目のグループリーグ最終戦で大津高校と対戦するも0−1(前半0−0)で破れました。
マレーシアサッカー協会FAMのFacebookによると、グループリーグ3試合で得点0、失点7となったマレーシアU19代表は、予選リーグの3位、4位チームが参加するグローバルアリーナ杯へ回り、明日はまずV・ファーレン長崎ユースと対戦し、その結果次第で次戦の相手が決まります。
大津高校戦の先発メンバー(FAMのFacebookより)
3月13日のニュース:JDTのACL2試合目は慶南FCとホームで引き分け、スランゴールFAの監督が外国人偏重報道に苦言
JDTのACL2試合目は慶南FCとホームで引き分け
アジアサッカー連盟AFCチャンピオンズリーグACLは、JDTがホームに慶南FCを迎えて第2節が行われ、ACL初出場のJDTが同じくACL初出場となる慶南FCと1-1で引き分け、ACLで初の勝点1を獲得しました。
ACL初のホームでの試合となったJDTは前半から積極的に攻めますが、慶南GKのリ・バムスーの好守もあり、両チーム無得点で前半を折り返します。試合が動いたのは52分、MFリ・ヨンジェのコーナーキックをDFクァク・テフィがJDT守備陣のマークを外しヘディングでゴール!しかし、JDTも63分にゴールエリア内で慶南DFソン・ジュフンが犯したハンドで得たPKをジオゴが決めて同点に追いつきます。そこから怒涛の攻撃を続けますが、サファウイ・ラシドがGKと1対1のチャンスで止められたり、シュートが何度もゴールポストに阻まれるなど好機を生かせず、こちらの新聞でもfrustrating「欲求不満の」と形容詞が付くほど惜しい引き分けで終わりました。
またこの試合は、当初スタメンが発表されていたJDTの不動の守護神で、マレーシダ代表でもゴールを守るファリザル・マーリアスが試合前のウォーミングアップ中にケガをし、今シーズンのマレーシアフットボールリーグMFLでも出場経験のない控えGKのイザム・タルミジと急遽交代するハプニングもありましたが、そんなアクシデントを感じさせない堂々としたプレーも印象的でした。
総シュート数を比べてもJDTの21本に対して慶南FCは6本(うちゴール枠内へはそれぞれ7本と2本)と、昨年のKリーグ2位のチームに対して一歩も引かないどころか、堂々とした戦いぶりで、今後、ホームで行われる山東魯能戦(4月24日)や鹿島アントラーズ戦(5月8日)では、勝点3を獲得できるのでは、と期待を持たせてくれるような試合でした。

スランゴールFAの監督が外国人偏重報道に苦言
MFL第6節にKLFAを破って今シーズン初勝利をあげたスランゴールFA。このKLFA戦の前に、B・サティナタン監督がメディアの外国人監督偏重に苦言を呈していたと、当地のマレーシア語紙ウトゥサン・マレーシアのオンライン版が伝えています。
「今日(3月10日のKLFFA戦)の試合で、スランゴールFAが負ければ、前JDT監督のマリオ・ゴメスと交代か、と報道するだろうが、その老人がインドネシアでどうなったか、メディアはチェックしているのか」(筆者注−60歳のサティナタン監督より2歳年上のマリオ・ゴメス前JDT監督は、2018年にインドネシアリーグ1部リガ1のプルシブ・バンドンと2年契約を結びましたが、1年目が4位に終わったことで契約途中で解雇されています。)
「なぜマレーシア人監督でなく外国人監督と交代するような報道ばかりするのか。」「悪口を言うわけではないが、なぜマリオ・ゴメスや(現マレーシアU19代表監督の)ボジャン・ホダック、(前クダFA監督の)ラモン・マルコテの話ばかりなのか。」
そして最後には「JDT以外では、スランゴールFAとペラTBGでタイトルを取った(現ペラTB監督の)メメット・デュラコヴィッチだけではないか」と話すなど、自信の首が危ういプレッシャ−からか、外国人監督偏重報道に対する不満をぶちまけたようです。
MFL第6節の結果まとめ
マレーシアフットボールリーグMFL第6節
*FIFA国際Aマッチ期間中に開催されるエアマリンカップ(3月20日と23日)とアジアサッカー連盟AFCのU23選手権予選兼東京オリンピック予選(3月22日から26日)開催前のため約3週間、MFLは試合がありません。リーグ戦再開は第7節は3月29日(金)からとなっています。
1部スーパーリーグ
パハンFA(4勝2分0敗)1-0クダFA(3勝2分1敗)
得点者:パハンFA−ズハイル・アイザット(87分)
リーグ2位のパハンFAはFWゼ・ラブことゼ・エドゥアルドが累積警告で、同3位のクダFAもDFレナン・アルヴェスは前節のレッドカードでそれぞれ出場停止となり、攻守の要を欠いたチーム同士の試合は両チーム無得点のまま引き分けかと思われた終盤に、途中出場のズハイル・アイザットが決勝ゴールを決め、ホームのパハンFAが逃げ切りました。今シーズン、ここまで出番のなかったズハイル選手のゴールにより、クダFAは今シーズン初黒星を喫しました。
なおズハイル選手は、ムハマドゥ・スマレと交代で出場しましたが、ドラー・サレー監督に自ら出場を直訴し、ケガを押して出場したスマレ選手が途中交代したことにより、代表に選出されているエアマリンカップへの出場が危ぶまれています。
ペラTBG(1勝3分1敗)1-0プタリン・ジャヤ(PJ)シティFC(1勝1分4敗)
得点者:ペラTBG-ワンダー・ルイス(39分、PK)
ペラTBGは今シーズン初勝利。ノー・ハキム・ハサンがゴールエリアで倒された得たPKをワンダー・ルイスが決めた1点を守り、PJシティFCの反撃に耐え逃げ切ったペラTBGは勝点6となり、7位に浮上しました。
トレンガヌFC(2勝3分1敗)3-0マラッカ・ユナイテッド(4勝0分2敗)
得点者:トレンガヌFC:ナスルラ・ハニフ(24分)、サンジャル・シャアフメドフ(42分)、シャミン・ヤハヤ(74分)
開幕戦以来、これまでのホームの試合はすべて引き分けだったトレンガヌFCが今シーズン最多の3得点でホーム初勝利。24分にリー・タックのコーナーをマラッカ・ユナイテッド守備陣のマークを外したナスルラ・ハニフが頭で叩き込み先制。調子の上がらないチェチェ・キプレに代わってキャプテンマークを着けたGKモハマド・サフィアン・ラーマンが好セーブを連発してマラッカ・ユナイテッドを無得点に抑えている間に、再びリー・タックからのパスを受けたサンジャル・シャアフメドフがディフェンダーをかわし2点目のゴールを決め、前半を折り返しました。74分にはシャハリ・シャムスディンがディフェンスラインの裏へ絶妙のパス、そこへ走り込んだアーマド・シャミン・ヤハヤが3点目を決め、勝利を決定づけました。
PKNS FC(3勝2分1敗)2-0フェルダ・ユナイテッド(1勝3分2敗)
得点者:PKNS FC-ロメル・モラレス(24分)、タミルラン・コズバエフ(47分)
前半は一方的な試合でPKNS FCがリード。しかし攻撃の勢いが衰えた後半はフェルダ・ユナイテッドが反撃しましたが、開幕戦のトレンガヌFC戦、第2節のマラッカ・ユナイテッド戦でそれぞれ1失点した後は、3試合連続で相手を完封している守備陣がこの試合でも機能しました。キルギスタン代表で今年のAFC選手権にも出場したタミルラン・コズバエフ、マレーシア代表に初選出されたニコラス・スイラッドを中心にロドニー・セルヴィン、モハマド・カユム・マルジョニといった守備陣とGKザリフ・イフラン・ハシムディンの活躍で、第6節を終わってクダFAとともにリーグ最少の2失点で5位につけています。
フェルダ・ユナイテッドの渡辺将基、池田圭両選手はスタメンフル出場しています。
JDT(5勝1分0敗)3-0PKNP FC(0勝1分5敗)
得点者:レアンドロ・ヴァレスケス(27分)、ジオゴ(36分、PK)、ゴンザロ・カブレラ(42分、PK)
この試合前まで負けなしのJDTと勝ち星のないPKNP FCの対戦は順当にJDTが勝利しました。27分にジオゴのシュートをGKが弾いたボールをレアンドロ・ヴァレスケスが押し込んで先制すると、自らがDFアマニ・アギナルドに倒されて得たPKをジオゴが決めて2点目、さらに42分には再びジオゴがGKに倒されて得たPKをゴンザロ・カブレラがゴールし3点目。カブレラ選手は6試合で5得点と現時点でのリーグ得点王で、ジアゴ選手、ヴァレスケス選手との3人でチーム総得点15点の内の10点をあげています。
3月12日にはAFCチャンピオンズリーグACL第2戦の慶南FCをホームで戦うJDTにとって、このPKNP FC戦は大一番前のちょうど良い調整だったのかも知れません。
今シーズン未だ未勝利のPKNP FCは、74分にキャプテンのアーマド・シュクリ・アブドラ・ハミドが退場となり10 人となった後は全くチャンスがありませんでした。4連敗となったPKNP FCは10位のPJシティFCとは勝点3差の11位となっています。
クアラルンプール(KL)FA2(0勝0分5敗)-3スランゴールFA(1勝3分1敗)
得点者:KLFA−シャウワン・シャーラン(5分)、インドラ・プトラ・マハユディン(38分)、スランゴールFA-サンドロ・ダ・シルヴァ(67分,PK)、モハマド・シャズワン・ザイノン(71分)、モハマド・アムリ・ヤハヤ(76分)
今シーズンともに未勝利チーム同士の対戦は、スランゴールFAが前半2失点のビハインドをひっくり返して逆転勝ちし、今シーズン初勝利を挙げました。しかし30分で交代したルフィノ・セゴヴィアが思いの外、重傷だったようで、スランゴールFAのホームページでは、4ヶ月間チームから離脱する必要があることが伝えられています。昨シーズンは19ゴールでリーグ最多得点を記録し、今シーズンもこの試合前までの5試合で、チーム総得点5点中3得点をあげるなどスランゴールFAの攻撃の中心だけに、この試合で今シーズン初勝利を挙げたスランゴールFAですが、今後も苦しい試合を強いられそうです。
またこの試合後、開幕から5連敗となったKLFAのユスリ・チェ・ラー監督が辞任しています。開幕5試合の相手が、昨シーズンのFAカップ優勝チームのパハンFA、スーパーリーグ5連覇中のJDT、そしてACLプレーオフ出場のため延期にはなりましたがマレーシアカップ優勝チームのペラTBG、その後も昨シーズン5位のトレンガヌFC、同7位のマラッカ・ユナイテッドと上位相手との連戦が続き、悪い流れを変えることができませんでした。なおKLFAの苅部隆太郎選手はスタメンフル出場しています。
この試合のGoal.comによるマッチレポートはこちら、またこの試合の観戦記はこちらです。
2部プレミアリーグ
UITM FC(3勝1分1敗)3-3ケランタンFA(1勝1分3敗)
得点者:UITM FC−ザルコ・コラチ(37分、41分、50分)、ケランタンFA-フラヴィオ・ベック・ジュニオール(36分)、ニック・アズリ・ニック・アリアス(79分)、ファウジ・ロスラン(83分)
PDRM FC(0勝1分5敗)0-1UKM FC(3勝1分2敗)
得点者:UKM FC-ミラド・ジナドプール(88分)
ヌグリ・スンビランFA(1勝4分1敗)0-0サバFA(3勝2分1敗)
得点者:なし
ヌグリ・スンビランFAの中武駿介選手はスタメンフル出場しています。
ペナンFA(2勝1分3敗)2-1スランゴール・ユナイテッド(3勝1分2敗)
得点者:ペナンFA-ディヤウルラーマン・ハスリ(55分)、ニキタ・パヴレンコ(64分、OG)、スランゴール・ユナイテッド−リザル・ファミ(17分)
トレンガヌFC II(2勝2分1敗)0−0JDT II(4勝1分0敗)
得点者:なし
トレンガヌFC IIの鈴木ブルーノ選手はスタメンフル出場しています。
3月12日のニュース:ユスリ監督がKLFAの監督を辞任、JDTのACL第2戦はホームで慶南FC戦
ユスリ監督がKLFAの監督を辞任
マレーシアフットボールリーグMFLで唯一勝ち星がなく、開幕から泥沼の5連敗で最下位に沈む1部スーパーリーグ所属のKLFAのユスリ・チェ・ラー監督が辞任しました。今シーズン苅部隆太郎選手が加わったKLFAはMFL第6節を終えて得点4、失点13と攻守ともに精彩を欠いています。
昨シーズンはケランタンFAの監督を務め、今シーズンKLFAの監督に就任したユスリ監督は、これまでも外国人選手の獲得や出場選手決定に自分の意志が反映されていないことを明言しており、過去2シーズンのKLFAのリーグ戦だけで40ゴール、カップ戦も合わせれば55ゴールをあげているFWギリェルメ・デ・パウラが開幕戦以降、ケガからの回復を遅れを理由にベンチ入りしていないのも、ユスリ監督との確執があるといった噂もあります。実際に辞任会見でも、ユスリ監督は外国人選手との関係について言及しています。
今シーズンのMFL監督交代第1号となったユスリ監督は、クラブを運営するKLサッカー協会や一部サポーターからの圧力ではなく、あくまでも自らの意思で辞任すると述べており、KLFAのノクマン・ムスタファ事務局長は、ユスリ前監督の後任としてチョン・イーファットアシスタントコーチを暫定監督に任命し、次のトランスファーウインドウが開く5月2日から29日の期間中に新たな選手の獲得を行うとしています。なおMFLはFIFAカレンダー期間中のエアマリンカップ開催のため、2週間試合がありませんので、KLFAはこの期間中を利用して、まずは選手のモラルも含めた立て直しが急務でしょう。

JDTのACL第2戦はホームで慶南FC戦
アジアサッカー連盟AFCチャンピオンズリーグACLデビュー戦で鹿島アントラーズに惜敗したJDTは、今日、ホームに韓国の慶南FCを迎えてACL第2戦を戦います。
試合前の記者会見でJDTのベンジャミン・モラ監督は、鹿島戦の様にプレーできれば、ホームのファンの前で良い試合を見せられるだろうとしながらも、2月2日に行われた開幕戦、ペラTBGとのサンバンシーカップでケガをして以来、スーパーリーグに出場していないナチョ・インサが今日の試合に出場できるよう、本人、医療チームと話し合いを続けているとも述べています。欧州サッカー連盟UEFAチャンピオンズリーグ出場経験もあり、昨シーズンもレギュラーとして活躍したインサ選手が戻ることで、攻撃陣に比べると不安の残る守備陣が締まることも期待できます。
一方の慶南FCのキム・ジョンブ監督は、2017年にはUITM FCで、2018年にはトレンガヌFCとケランタンFAでプレーした経験のあるFWド・ドンヒュンから、JDTの情報は得ていると記者会見で話すなど自信を見せています。(写真は左からJDTのベンジャミン・モラ監督、慶南FCのキム監督、両チームのキャプテンと監督)
観戦記:3月10日MFL1部スーパーリーグ第6節クアラルンプールFA対スランゴールFA@KLFAスタジアム
3月7日のニュースでも取り上げた「クランヴァリーダービー」を観戦してきました。この試合前まで開幕から4連敗中のクアラルンプール(KL)FAと0勝3分2敗のスランゴールFAの対戦は、最後にドラマが待っていました…。
KLフットボールスタジアムは、KL市内から車で15分から20分の距離にあるチェラスという地区にあり、KLFAのホームです。このスタジアムの前は、最近こちらで流行りのフードトラックパークになっていて、20台ほどのトラックがハンバーガーやパスタの他、タイ料理やマレーシア料理などのトラックもあり賑わっています。ここで飲食物を買ってスタジアムに持ち込むことも可能で、私はここでバーガーと飲み物を購入し、スタジアムへ向かいました。
スタジアム近くでスランゴールFAのバスを発見。
スタジアム周辺では、KLFAのホームにもかかわらず圧倒的にスランゴールFAのユニフォームなどを売る屋台が多く、KLFAのユニフォームを売っている屋台は1つだけでした。ちなみにKLFAの2019年ユニフォームは110マレーシアリンギ(約3000円)、昨年のユニフォームはほぼ半額の50マレーシアリンギ(約1400円)でした。(写真右下の白と赤の縞のユニフォームが昨年のKLホームユニフォームです)
今回は15マレーシアリンギ(約400円)のオープンスタンドのチケットを購入。なおグランドスタンドは30マレーシアリンギでした。Terbukaとはオープンスタンドの意味。

試合前のアップを行うKLFA
試合に先立ち、スランゴール州歌、KL連邦直轄区歌、マレーシア国歌が演奏され、観客も皆、起立します。
国歌演奏が終了し、いよいよ試合開始。

試合はKLFAが5分にFWシャフワン・シャーランがディフェンダー二人に挟まれながらもヘディングを決めて先制しました。さらに38分には、スランゴールDFテイラー・リーガンがトラップミスしたボールを蹴り込んだ37歳のベテランFWインドラ・プトラ・マハユディンのMFL通算100ゴールまであと4と迫る今シーズン初ゴールで、KLFAがまさかの(失礼!)2−0で前半が終了しました。しかもスランゴールFAは今シーズン5得点中3点を挙げているFWルフィノ・セゴヴィアが30分にケガのため交代するなど、窮地に追い込まれました。

エアマリンカップで初の代表入りとなったMFファイズ・ナシルが今日は明らかに機能していないと見ると、スランゴールFAのサティアナタン監督はファイズ選手に代えて38歳のベテランFWモハマド・アムリ・ヤハヤを後半開始から投入しましたが、これが効果的な一手になりました。67分には自らが倒されて得たPKをFWサンドロ・ダ・シルヴァがゴールし、まず1点。71分には大胆なサイドチェンジからMFシャズワン・ザイノンがドリブルで持ち込み同点ゴール。こうなると勢いは明らかにスランゴールFAにあり、76分にはモハマド・アムリ・ヤハヤがゴール前のこぼれ球を頭で叩き込み、スランゴールFAが逆転します。10分足らずの間に3ゴールと怒涛の攻撃を見せたスランゴールFAがそのまま逃げ切り、スランゴールFAは今シーズン初勝利を挙げました。

開幕から泥沼の5連敗となったKLFAは、スタンドのKLFAサポーター集団の元へユスリ・チェ・ラー監督が足を運び話をするなど、最後は大荒れでした。(写真左はここまでの4試合の結果1-3、 1-4、 0-1、 0-2を挙げ、Next?「次はどうなんだ?」と抗議の横断幕を掲げるKLFAのサポーターグループ、写真中央はそのサポーターグループのもとへ向かうユスリ・チェ・ラーKLFA監督、写真右は機動隊員にベンチへ戻るように促されるユスリ監督)
なお、この試合の後、ユスリ・チェ・ラー監督はKLFA監督を辞任しています。