MFL第6節の結果まとめ

マレーシアフットボールリーグMFL第6節
*FIFA国際Aマッチ期間中に開催されるエアマリンカップ(3月20日と23日)とアジアサッカー連盟AFCのU23選手権予選兼東京オリンピック予選(3月22日から26日)開催前のため約3週間、MFLは試合がありません。リーグ戦再開は第7節は3月29日(金)からとなっています。

1部スーパーリーグ
パハンFA(4勝2分0敗)1-0クダFA(3勝2分1敗)
得点者:パハンFA−ズハイル・アイザット(87分)
リーグ2位のパハンFAはFWゼ・ラブことゼ・エドゥアルドが累積警告で、同3位のクダFAもDFレナン・アルヴェスは前節のレッドカードでそれぞれ出場停止となり、攻守の要を欠いたチーム同士の試合は両チーム無得点のまま引き分けかと思われた終盤に、途中出場のズハイル・アイザットが決勝ゴールを決め、ホームのパハンFAが逃げ切りました。今シーズン、ここまで出番のなかったズハイル選手のゴールにより、クダFAは今シーズン初黒星を喫しました。
 なおズハイル選手は、ムハマドゥ・スマレと交代で出場しましたが、ドラー・サレー監督に自ら出場を直訴し、ケガを押して出場したスマレ選手が途中交代したことにより、代表に選出されているエアマリンカップへの出場が危ぶまれています。

ペラTBG(1勝3分1敗)1-0プタリン・ジャヤ(PJ)シティFC(1勝1分4敗)
得点者:ペラTBG-ワンダー・ルイス(39分、PK)
ペラTBGは今シーズン初勝利。ノー・ハキム・ハサンがゴールエリアで倒された得たPKをワンダー・ルイスが決めた1点を守り、PJシティFCの反撃に耐え逃げ切ったペラTBGは勝点6となり、7位に浮上しました。

トレンガヌFC(2勝3分1敗)3-0マラッカ・ユナイテッド(4勝0分2敗)
得点者:トレンガヌFC:ナスルラ・ハニフ(24分)、サンジャル・シャアフメドフ(42分)、シャミン・ヤハヤ(74分)
開幕戦以来、これまでのホームの試合はすべて引き分けだったトレンガヌFCが今シーズン最多の3得点でホーム初勝利。24分にリー・タックのコーナーをマラッカ・ユナイテッド守備陣のマークを外したナスルラ・ハニフが頭で叩き込み先制。調子の上がらないチェチェ・キプレに代わってキャプテンマークを着けたGKモハマド・サフィアン・ラーマンが好セーブを連発してマラッカ・ユナイテッドを無得点に抑えている間に、再びリー・タックからのパスを受けたサンジャル・シャアフメドフがディフェンダーをかわし2点目のゴールを決め、前半を折り返しました。74分にはシャハリ・シャムスディンがディフェンスラインの裏へ絶妙のパス、そこへ走り込んだアーマド・シャミン・ヤハヤが3点目を決め、勝利を決定づけました。

PKNS FC(3勝2分1敗)2-0フェルダ・ユナイテッド(1勝3分2敗)
得点者:PKNS FC-ロメル・モラレス(24分)、タミルラン・コズバエフ(47分)
前半は一方的な試合でPKNS FCがリード。しかし攻撃の勢いが衰えた後半はフェルダ・ユナイテッドが反撃しましたが、開幕戦のトレンガヌFC戦、第2節のマラッカ・ユナイテッド戦でそれぞれ1失点した後は、3試合連続で相手を完封している守備陣がこの試合でも機能しました。キルギスタン代表で今年のAFC選手権にも出場したタミルラン・コズバエフ、マレーシア代表に初選出されたニコラス・スイラッドを中心にロドニー・セルヴィン、モハマド・カユム・マルジョニといった守備陣とGKザリフ・イフラン・ハシムディンの活躍で、第6節を終わってクダFAとともにリーグ最少の2失点で5位につけています。
 フェルダ・ユナイテッドの渡辺将基、池田圭両選手はスタメンフル出場しています。

JDT(5勝1分0敗)3-0PKNP FC(0勝1分5敗)
得点者:レアンドロ・ヴァレスケス(27分)、ジオゴ(36分、PK)、ゴンザロ・カブレラ(42分、PK)
この試合前まで負けなしのJDTと勝ち星のないPKNP FCの対戦は順当にJDTが勝利しました。27分にジオゴのシュートをGKが弾いたボールをレアンドロ・ヴァレスケスが押し込んで先制すると、自らがDFアマニ・アギナルドに倒されて得たPKをジオゴが決めて2点目、さらに42分には再びジオゴがGKに倒されて得たPKをゴンザロ・カブレラがゴールし3点目。カブレラ選手は6試合で5得点と現時点でのリーグ得点王で、ジアゴ選手、ヴァレスケス選手との3人でチーム総得点15点の内の10点をあげています。
 3月12日にはAFCチャンピオンズリーグACL第2戦の慶南FCをホームで戦うJDTにとって、このPKNP FC戦は大一番前のちょうど良い調整だったのかも知れません。
 今シーズン未だ未勝利のPKNP FCは、74分にキャプテンのアーマド・シュクリ・アブドラ・ハミドが退場となり10 人となった後は全くチャンスがありませんでした。4連敗となったPKNP FCは10位のPJシティFCとは勝点3差の11位となっています。

クアラルンプール(KL)FA2(0勝0分5敗)-3スランゴールFA(1勝3分1敗)
得点者:KLFA−シャウワン・シャーラン(5分)、インドラ・プトラ・マハユディン(38分)、スランゴールFA-サンドロ・ダ・シルヴァ(67分,PK)、モハマド・シャズワン・ザイノン(71分)、モハマド・アムリ・ヤハヤ(76分)
今シーズンともに未勝利チーム同士の対戦は、スランゴールFAが前半2失点のビハインドをひっくり返して逆転勝ちし、今シーズン初勝利を挙げました。しかし30分で交代したルフィノ・セゴヴィアが思いの外、重傷だったようで、スランゴールFAのホームページでは、4ヶ月間チームから離脱する必要があることが伝えられています。昨シーズンは19ゴールでリーグ最多得点を記録し、今シーズンもこの試合前までの5試合で、チーム総得点5点中3得点をあげるなどスランゴールFAの攻撃の中心だけに、この試合で今シーズン初勝利を挙げたスランゴールFAですが、今後も苦しい試合を強いられそうです。
 またこの試合後、開幕から5連敗となったKLFAのユスリ・チェ・ラー監督が辞任しています。開幕5試合の相手が、昨シーズンのFAカップ優勝チームのパハンFA、スーパーリーグ5連覇中のJDT、そしてACLプレーオフ出場のため延期にはなりましたがマレーシアカップ優勝チームのペラTBG、その後も昨シーズン5位のトレンガヌFC、同7位のマラッカ・ユナイテッドと上位相手との連戦が続き、悪い流れを変えることができませんでした。なおKLFAの苅部隆太郎選手はスタメンフル出場しています。
 この試合のGoal.comによるマッチレポートはこちら、またこの試合の観戦記はこちらです。

2部プレミアリーグ
UITM FC(3勝1分1敗)3-3ケランタンFA(1勝1分3敗)
得点者:UITM FC−ザルコ・コラチ(37分、41分、50分)、ケランタンFA-フラヴィオ・ベック・ジュニオール(36分)、ニック・アズリ・ニック・アリアス(79分)、ファウジ・ロスラン(83分)

PDRM FC(0勝1分5敗)0-1UKM FC(3勝1分2敗)
得点者:UKM FC-ミラド・ジナドプール(88分)

ヌグリ・スンビランFA(1勝4分1敗)0-0サバFA(3勝2分1敗)
得点者:なし
ヌグリ・スンビランFAの中武駿介選手はスタメンフル出場しています。

ペナンFA(2勝1分3敗)2-1スランゴール・ユナイテッド(3勝1分2敗)
得点者:ペナンFA-ディヤウルラーマン・ハスリ(55分)、ニキタ・パヴレンコ(64分、OG)、スランゴール・ユナイテッド−リザル・ファミ(17分)

トレンガヌFC II(2勝2分1敗)0−0JDT II(4勝1分0敗)
得点者:なし
トレンガヌFC IIの鈴木ブルーノ選手はスタメンフル出場しています。

3月12日のニュース:ユスリ監督がKLFAの監督を辞任、JDTのACL第2戦はホームで慶南FC戦

ユスリ監督がKLFAの監督を辞任
マレーシアフットボールリーグMFLで唯一勝ち星がなく、開幕から泥沼の5連敗で最下位に沈む1部スーパーリーグ所属のKLFAのユスリ・チェ・ラー監督が辞任しました。今シーズン苅部隆太郎選手が加わったKLFAはMFL第6節を終えて得点4、失点13と攻守ともに精彩を欠いています。
 昨シーズンはケランタンFAの監督を務め、今シーズンKLFAの監督に就任したユスリ監督は、これまでも外国人選手の獲得や出場選手決定に自分の意志が反映されていないことを明言しており、過去2シーズンのKLFAのリーグ戦だけで40ゴール、カップ戦も合わせれば55ゴールをあげているFWギリェルメ・デ・パウラが開幕戦以降、ケガからの回復を遅れを理由にベンチ入りしていないのも、ユスリ監督との確執があるといった噂もあります。実際に辞任会見でも、ユスリ監督は外国人選手との関係について言及しています。
 今シーズンのMFL監督交代第1号となったユスリ監督は、クラブを運営するKLサッカー協会や一部サポーターからの圧力ではなく、あくまでも自らの意思で辞任すると述べており、KLFAのノクマン・ムスタファ事務局長は、ユスリ前監督の後任としてチョン・イーファットアシスタントコーチを暫定監督に任命し、次のトランスファーウインドウが開く5月2日から29日の期間中に新たな選手の獲得を行うとしています。なおMFLはFIFAカレンダー期間中のエアマリンカップ開催のため、2週間試合がありませんので、KLFAはこの期間中を利用して、まずは選手のモラルも含めた立て直しが急務でしょう。

Terima Kasih「ありがとう」とユスリ監督に謝辞を伝えるKLFAのフェイスブック

JDTのACL第2戦はホームで慶南FC戦
アジアサッカー連盟AFCチャンピオンズリーグACLデビュー戦で鹿島アントラーズに惜敗したJDTは、今日、ホームに韓国の慶南FCを迎えてACL第2戦を戦います。
 試合前の記者会見でJDTのベンジャミン・モラ監督は、鹿島戦の様にプレーできれば、ホームのファンの前で良い試合を見せられるだろうとしながらも、2月2日に行われた開幕戦、ペラTBGとのサンバンシーカップでケガをして以来、スーパーリーグに出場していないナチョ・インサが今日の試合に出場できるよう、本人、医療チームと話し合いを続けているとも述べています。欧州サッカー連盟UEFAチャンピオンズリーグ出場経験もあり、昨シーズンもレギュラーとして活躍したインサ選手が戻ることで、攻撃陣に比べると不安の残る守備陣が締まることも期待できます。
 一方の慶南FCのキム・ジョンブ監督は、2017年にはUITM FCで、2018年にはトレンガヌFCとケランタンFAでプレーした経験のあるFWド・ドンヒュンから、JDTの情報は得ていると記者会見で話すなど自信を見せています。(写真は左からJDTのベンジャミン・モラ監督、慶南FCのキム監督、両チームのキャプテンと監督)

観戦記:3月10日MFL1部スーパーリーグ第6節クアラルンプールFA対スランゴールFA@KLFAスタジアム

3月7日のニュースでも取り上げた「クランヴァリーダービー」を観戦してきました。この試合前まで開幕から4連敗中のクアラルンプール(KL)FAと0勝3分2敗のスランゴールFAの対戦は、最後にドラマが待っていました…。

KLフットボールスタジアムは、KL市内から車で15分から20分の距離にあるチェラスという地区にあり、KLFAのホームです。このスタジアムの前は、最近こちらで流行りのフードトラックパークになっていて、20台ほどのトラックがハンバーガーやパスタの他、タイ料理やマレーシア料理などのトラックもあり賑わっています。ここで飲食物を買ってスタジアムに持ち込むことも可能で、私はここでバーガーと飲み物を購入し、スタジアムへ向かいました。

スタジアム近くでスランゴールFAのバスを発見。

スタジアム周辺では、KLFAのホームにもかかわらず圧倒的にスランゴールFAのユニフォームなどを売る屋台が多く、KLFAのユニフォームを売っている屋台は1つだけでした。ちなみにKLFAの2019年ユニフォームは110マレーシアリンギ(約3000円)、昨年のユニフォームはほぼ半額の50マレーシアリンギ(約1400円)でした。(写真右下の白と赤の縞のユニフォームが昨年のKLホームユニフォームです)

今回は15マレーシアリンギ(約400円)のオープンスタンドのチケットを購入。なおグランドスタンドは30マレーシアリンギでした。Terbukaとはオープンスタンドの意味。

試合前のアップを行うKLFA

試合に先立ち、スランゴール州歌、KL連邦直轄区歌、マレーシア国歌が演奏され、観客も皆、起立します。

国歌演奏が終了し、いよいよ試合開始。

試合はKLFAが5分にFWシャフワン・シャーランがディフェンダー二人に挟まれながらもヘディングを決めて先制しました。さらに38分には、スランゴールDFテイラー・リーガンがトラップミスしたボールを蹴り込んだ37歳のベテランFWインドラ・プトラ・マハユディンのMFL通算100ゴールまであと4と迫る今シーズン初ゴールで、KLFAがまさかの(失礼!)2−0で前半が終了しました。しかもスランゴールFAは今シーズン5得点中3点を挙げているFWルフィノ・セゴヴィアが30分にケガのため交代するなど、窮地に追い込まれました。

エアマリンカップで初の代表入りとなったMFファイズ・ナシルが今日は明らかに機能していないと見ると、スランゴールFAのサティアナタン監督はファイズ選手に代えて38歳のベテランFWモハマド・アムリ・ヤハヤを後半開始から投入しましたが、これが効果的な一手になりました。67分には自らが倒されて得たPKをFWサンドロ・ダ・シルヴァがゴールし、まず1点。71分には大胆なサイドチェンジからMFシャズワン・ザイノンがドリブルで持ち込み同点ゴール。こうなると勢いは明らかにスランゴールFAにあり、76分にはモハマド・アムリ・ヤハヤがゴール前のこぼれ球を頭で叩き込み、スランゴールFAが逆転します。10分足らずの間に3ゴールと怒涛の攻撃を見せたスランゴールFAがそのまま逃げ切り、スランゴールFAは今シーズン初勝利を挙げました。

開幕から泥沼の5連敗となったKLFAは、スタンドのKLFAサポーター集団の元へユスリ・チェ・ラー監督が足を運び話をするなど、最後は大荒れでした。(写真左はここまでの4試合の結果1-3、 1-4、 0-1、 0-2を挙げ、Next?「次はどうなんだ?」と抗議の横断幕を掲げるKLFAのサポーターグループ、写真中央はそのサポーターグループのもとへ向かうユスリ・チェ・ラーKLFA監督、写真右は機動隊員にベンチへ戻るように促されるユスリ監督)

なお、この試合の後、ユスリ・チェ・ラー監督はKLFA監督を辞任しています。

3月7日のニュース:今週末は「クラン・ヴァリーダービー」、エアマリンカップではコーズ・ウェイダービーも

今週末は「クラン・ヴァリーダービー」
マレーシアフットボールリーグMFLは今週が第6節。今節注目のカードの1つが「クラン・ヴァリーダービー(Klang Valley Derby)」と称されるスランゴールFA対クアラルンプールFAの対戦です。
 マレー語では「ドロの交わる場所」という意味のクアラルンプール(KL)は、19世紀にクラン川を上ってきたスランゴールの王族が、クラン川とゴンバク川が合流する地域に豊富な埋蔵量の錫(すず)鉱床を発見したことにより、その歴史が始まります。その後は錫の集散地として、現在もKL市内を流れるクラン川沿いに発展を続けました。1957年のマラヤ連邦(当時)が1957年にイギリスから独立した際には、KLはマラヤ連邦の首都となり、スランゴール州の州都でもありました。しかし1969年の下院選挙の際、スランゴール州で野党が圧勝し、下院でも与党の議席が三分の二を割る事態が起こると、当時の政権は1974年に野党勢力が優勢であったクアラルンプールを連邦直轄区としてスランゴール州から分離させて、野党勢力の弱体化と政権保持を図りました。そういった経緯もあり、スランゴールとKLは強烈なライバル関係にあります。
 クラン川沿いに発展してきたスランゴールとKLは、サッカーでもその対戦が「クラン・ヴァリーダービー」と呼ばれるライバル関係にあります。しかし残念ながら近年は両チームともタイトルを手にする機会はなく、スランゴールFAは2015年のマレーシアカップ、KLFAに至っては1999年のFAカップ優勝以降、大きなタイトルを獲得していません。しかも今シーズンのMFL第6節に組まれたこの試合で、スランゴールFA、KLFAともまだ勝ち星なしで対戦するとは思いもよりませんでしたが、それでも熱くなるのがダービーマッチですよね。

エアマリンカップではコーズウェイダービーも
研究社の英和中辞典によれば、コーズウェイ(Causeway)とは「(低湿地に土を盛り上げた)土手道、(敷石などによる昔の)舗装道路」とありますが、ジョホール海峡によって隔てられたマレー半島とシンガポール島の間も、1923年に当時この地域を支配していたイギリスによって建設されたコーズウェイによって陸路で繋がり、車や列車が行き来できるようになっています。
 これにちなんでマレーシアとシンガポールがスポーツで対戦する際には「コーズウェイダービー」という名称が使われます。1963年のマレーシア建国の際には、シンガポールもマレーシアの一部でしたが、「(マレー人だけでなく華人やインド系住民なども含めた)マレーシア人のためのマレーシア」を標榜した当時のシンガポール与党のリーダーで、後のシンガポール首相リー・クアンユーと、「マレー人のためのマレーシア」を唱えるマレーシアの初代首相トゥンク・アブドル・ラーマン率いるマレー半島側の与党UMNOの間の対立から、1965年にはシンガポールはマレーシアから独立させられてしまった経緯もあり、このコーズウェイダービーは、国と国とのプライドのぶつかり合いでもあります。
 前置きが長くなりましたが、3月20日にクアラルンプールのブキ・ジャリルスタジアムで開催されるエアマリンカップの準決勝では、抽選の結果、このコーズウェイダービーが実現することになりました。FIFAカレンダーの国際Aマッチとなるこのエアマリンカップは、マレーシア代表にとってはただの国際試合ではありません。今年の6月に行われるFIFAワールドカップ2020年大会の予選1回戦では、AFCランキングで34位以上のチームはシードされ、9月の予選2回戦からの参加となるため、現在35位のマレーシアはこのエアマリンカップで好成績を収めて、何としてもAFCランキング34位に入らねばなりません。しかも現在AFCランキング34位にいるのが今回対戦するシンガポール。2016年10月7日にシンガポールのカラン国立競技場での引き分け以来の対戦となるダービーマッチは従来以上に盛り上がること間違いなしです。

MFL第5節の結果まとめ

マレーシアフットボールリーグMFL第5節の結果
1部スーパーリーグ
トレンガヌFC(1勝3分1敗)1-1ペラTBG(0勝3分1敗)
得点者:トレンガヌFC-リー・タック(90分、PK)、ペラTBG-ワンダー・ルイス(72分)
トレンガヌFCは、90分にリー・タックがペナルティーエリア内で倒されて得たPKを自分で決めて同点に追いつきました。ペラTBGは掴みかけていた今シーズン初勝利を手にすることはできませんでした。

スランゴールFA(0勝3分2敗)2−4JDT(4勝1分0敗)
得点者:レアンドロ・ヴァラスケス(7分、67分)、ジオゴ(13分)、ゴンザロ・カブレラ(41分)、スランゴールFA-エンドリック・サントス(32分)、ルフィノ・セゴヴィア(45分)
前半だけで5点が入った派手な試合は、JDTのレアンドロ・ヴァラスケスがこの日2点目となるゴールを決め、スランゴールFAを突き放しました。この日が34歳の誕生だったルフィノ・セゴヴィアのゴールも実らず、スランゴールFAの今シーズン初勝利はまたもお預けとなりました。

フェルダ・ユナイテッド(1勝3分1敗)1-0プタリン・ジャヤ(PJ)シティFC(1勝1分3敗)
得点者:池田圭(30分、PK)
ゴールエリア内でS・チャントゥルが倒されて得たPKをフェルダ・ユナイテッドの10番、池田圭がゴール。そのまま逃げ切り、フェルダ・ユナイテッドは今シーズン初勝利を挙げました。フェルダ・ユナイテッドのニズマン・ジャミル監督がチームへの貢献を称賛する池田選手、渡邉将基選手はともにスタメンでフル出場しました。

クダFA(3勝2分0敗)0−0PKNS FC(2勝2分1敗)
得点者:なし
両チーム合わせて9枚のカードが出された荒れた試合は、シュート数がクダFA14本に対して、攻撃の要となるFWクパ・シャーマンが第4節のPKNP FCでのレッドカードによる出場停止となっているPKNS FCはわずか2本でしたが、PKNS FCにとってはアウェイでの貴重な勝点1となりました。一方クダFAにとっては、この試合で勝点3を獲得すれば首位の可能性もありましたが、試合終了直前の87分にはクダFAのDFレナン・アルヴェスがボールとは関係ないところで、PKNS FCのFWファイザット・ガザリに頭突きを食らわせ一発退場となりました。MFLの規定では、通常のレッドカードは1試合出場停止が課せられますが、暴力行為に対するレッドカードは最低でも3試合以上の出場停止処分となります。
 第5節を終えて3位のクダFAは、次節の第6節は2位のパハンFAと、第7節は首位のJDTとの対戦が控えているだけに、アルヴェス選手の不用意なレッドカードがクダFAの今シーズンの行方に影響を及ぼす可能性があります。

PKNP FC(0勝1分3敗)0−3パハンFA(3勝2分0敗)
得点者:パハンFA-ゼ・ラヴ(2分)、ディクソン・ヌワカエメ(50分)、ノーシャルル・イドラン・タラハ(73分)
ここ2試合で2引き分けのパハンFAは、前節でレッドカードをもらったDFエラルド・グロンと、イエローカード累積3枚となったDFサフワン・バハルディンが出場停止、さらにはDFムスリム・アーマドが前節のスランゴールFA戦でのケガからの回復が遅れてベンチから外れるなど、前節まで先発してきたディフェンスのレギュラー3名を欠く苦しい試合でしたが、今シーズンまだ勝ち星のないPKNP FC相手に勝点3を獲得し、クダFAを抜いて2位に浮上しています。

マラッカ・ユナイテッド(4勝0分1敗)2−0クアラルンプール(KL)FA(0勝0分4敗)
得点者:マラッカ・ユナイテッド−ダルコ・マルコヴィッチ(14分)、ナズリン・ナウイ(16分)
今シーズン開幕から3連敗中のKLFAは、この試合も前半の早い時間帯に2点を奪われ、FWギリェルメ・デ・パウラをケガで欠く攻撃陣が反撃できないまま試合終了。開幕から泥沼の4連敗となり、MFLでの唯一、勝点0のチームとなっています。
KLFAの苅部隆太郎選手はスタメンでフル出場しています。

2部プレミアリーグ
ペナンFA1(1勝1分2敗)1-2UITM FC(3勝0分け1敗)
得点者:ペナンFA−ザルコ・コラチ、UITM FC-ロベルト・メンディ(39分、85分)

スランゴール・ユナイテッド(3勝1分1敗)0−0ヌグリ・スンビランFA(1勝3分1敗)
得点者:なし
ヌグリ・スンビランFAの中武駿介選手はスタメンでフル出場しています。

サバFA(3勝1分1敗)3−1PDRM FC(0勝1分4敗)
得点者:サバFA-ルイス・ジュニオール(4分、48分)、ロドリュブ・ パウノヴィッチ(43分)、PDRM FC-アルグジム・レゾヴィッチ(53分)

UKM FC(1勝1分2敗)4-0サラワクFA(1勝0分4敗)
得点者:UKM FC-ミカエル・イジェジー(9分、PK)、マテオ・ロスカム(85分、PK)、ハリス・ファズリン(90分)、アクマル・ザヒル(90分)

JDT II(4勝0分0敗)2-0ケランタンFA(1勝1分2敗)
得点者:JDT II-ロザイミ・ラーマン(40分)、カイルラ・アブドルハリム(59分)

3月1日のニュース:主力選手のコンディションに悩むスランゴールFA、TMJは今年がJDT最後の年か、プルリスFA元監督はM3からの再スタートを提案

主力選手のケガに悩むスランゴールFA
第4節を終えて0勝3分1敗の9位と低迷するスランゴールFA。マレーシアフットボールリーグMFL第5節では、ここまで3勝1分0敗のJDTをホームに迎えますが、その試合を前に主力選手数名がコンディション不良のようです。前節のパハンFA戦で引き分けにつながる同点ゴールを決めた昨シーズンの得点王FWルフィノ・セゴヴィアやプルリスFAより移籍してきたばかりのFWカイリル・ムヒミーン、さらにはDFテイラー・リガンも出場が危ぶまれており、今節も苦しい試合になりそうです。

TMJは今年がJDT最後の年か
TMJことジョホール州皇太子で、JDTのオーナーでもあるトゥンク・イスマイル殿下が自身のFacebookで、今年が自分にとってはJDTでの最後の年になるだろうと発言し、注目を集めています。2013年にそれまでのジョホールFCをリブランディングしたJDTのオーナーとなって以来、JDTはMFL1部スーパーリーグ5連覇を含め、12のタイトルを獲得しています。
 Facebookでは、レアル・マドリードのフロレンティーノ・ペレス会長を引き合いに出し、「多くのファンがレアル・マドリードと言えば、クリスティアーノ・ロナウドを思い出すが、ペレス会長がいなければ、そして彼が獲得した選手がいなければ、ギャラクティコスも多くのタイトルもなかったはずである」と述べています。
 数日前には、開幕直後にアーロン・ニゲスを解雇し、レアンドロ・ヴェラスケスと入れ替えたことについて、サポーターに対して誤り、自らを非難していますので、過度なサポーターの要求に辟易してしまったのかも知れません。
 何れにせよ、王族という地位もあり強烈なリーダーシップでJDTはもちろん、MFLのチェアマンを務めるなど、近年のマレーシアサッカー界を引っ張ってきた一人であることは間違いありません。この発言が果たして本気なのかどうかは、わかりませんが、もし本気だとしたら、非常に残念です。

プルリスFA元監督はM3からの再スタートを提案
MFL2部プレミアリーグからの追放が確定したプルリスFA。2005年から2007年までプルリスFAの監督を務めたアブドル・ラーマン・イブラヒム元マレーシア代表監督は、MFL3部にあたるMリーグ3(M3)から再出発するべきだとしています。アブドル・ラーマン元監督が指揮をとっていた頃は、運営費用が足りなければ州政府からの補助金によって補うことができたが、現在のMFLでのチーム運営費用はさらに巨額になっており、現在の経営状況ではプレミアリーグに残ることは無理であり、「身の丈にあった」運営を行ってM3から再出発することを提案しています。同じような意見はサポーターグループの一部からも出ています。
 なおプルリスFAの役員らは復帰の可能性を模索し、MFLと交渉を続けたいとしていますが、プレミアリーグに残ることができれば集められるとプルリスFAが主張するスポンサーからの資金800万マレーシアリンギ(約2億1000万円)も、MFLが求めたスポンサー企業の弁護士による署名付き書類が提出できない上、プレミアリーグ残留を前提としない資金源という条件すら満たしていません。

MFL第4節の結果まとめ

マレーシアフットボールリーグMFLは第4節。1部スーパーリーグ6試合、2部プレミアリーグは追放処分を受けたプルリスFA対ケランタンFA戦が延期となり、5試合が行われました。
MFL1部スーパーリーグ
クアラルンプール(KL)FA(0勝0分3敗)0-1トレンガヌFC(1勝2分1敗)
得点者:トレンガヌFC-イゴル・ゾニッチ(69分)
前半は苅部隆太郎からのキラーパスでGKと1対1の大チャンスをザフリ・ヤハヤがはずなどチャンスをモノにできなかったKLFAをトレンガヌFCが攻め続ける展開ながら0-0で終了。後半に入ると、トレンガヌFCの攻撃陣のミスとKLFAのGKファリズアン・カマルディンが連発したスーパーセーブで両チーム無得点が続き、迎えた69分にリー・タックの左からのCKにイゴル・ゾニッチが頭で合わせてゴールし、これが決勝点となりました。KLFAは前節のペラTBG戦が延期となったため3試合を消化していますが、勝点0と苦しい状況が続いています。
 KLFAの苅部隆太郎選手はこの試合も含め、全試合に先発、フル出場しています。

プタリン・ジャヤ(PJ)(1勝1分2敗)シティFC0-2クダFA(3勝1分0敗)
得点者:クダFA-シャルル・アズワリ(7分)、フェルナンド・オルテガ(41分)
プルリスFAからサフィ・サリ、新外国人としてセルジーニョの二人のFWを獲得して攻撃陣を強化したPJシティFCが、今シーズンここまで無敗のクダFAに挑んだ試合は、7分にシャルル・アズワリがフリーでヘディングシュートを決めてクダFAが先制しました。前半終了間際の41分には、自陣ゴール前でPJシティの不用意なパスを奪ったクダFAが一気にカウンターで攻め込み、オルテガが1対1となったGKを交わしてシュートし前半は2-0で終了。後半もクダFAが攻める時間の方が長かったものの両チームとも無得点で終了しました。

ペラTBG(0勝2分1敗)1-1フェルダ・ユナイテッド(0勝3分1敗)
得点者:ペラTBG-ジウマール・ダ・シルヴァ(71分、PK)、フェルダ・ユナイテッド-ハディン・アズマン(44分)
2月19日にアジアサッカー連盟AFCチャンピオンズリーグACLプレーオフで蔚山現代に1-5と大敗したペラTBG。スーパーリーグ昨シーズン2位ながら、今シーズンはまだ勝ち星がありません。ホームにフェルダ・ユナイテッドを迎えた試合は、44分にフェルダ・ユナイテッドのキャプテン、ハディン・アズマンがFKを直接、ゴールし先制します。ペラTBGもゴール前でワンダー・ルイスが倒されて得たPKをジウマール・ダ・シルヴァが決め、同点に追いついたものの、その後は両チームとも得点できず試合終了となりました。
 フェルダ・ユナイテッドの池田圭選手と、この試合直前にフェルダ・ユナイテッドに加入した元プルリスFAの渡辺将基選手はともに先発し、フル出場しました。

JDT(3勝1分0敗)2-1マラッカ・ユナイテッド(3勝0分1敗)
得点者:JDT-ゴンザロ・カブレラ(35分、PK)、サファウィ・ラシド(43分)、マラッカ・ユナイテッド-パトリック・ライヒェルト(74分)
ここまで無敗同士が対戦する今節最も注目のカードは、35分にマラッカ・ユナイテッドのジャン・スクウォンが自陣ゴールエリアでハンドの反則を犯し、そのPKをゴンザロ・カブレラが決めてJDTが先制しました。43分にはジオゴのヒールパスから抜け出したサファウイ・ラシドがDF二人とGKをかわしてゴール。マラッカ・ユナイテッドも74分、JDT守備陣のパスをダルコ・マルコヴィッチがカット、そこからパトリック・ライヒェルトがゴールしますが、反撃はここまで。マラッカ・ユナイテッドは今シーズンの初黒星を喫しました。
 勝点3は満足だが、試合内容には不満が残るとしているJDTのルシアーノ・フィゲロア監督は、3月5日に控えるアウェイの鹿島アントラーズ戦に向け、選手の奮起を促したいとしています。

PKNS FC(2勝1分1敗)1-0PKNP FC(0勝1分3敗)
得点者:PKNS FC-クパ・シャーマン(2分)
ともに州政府設立の開発公社を母体とするクラブ同士の「公社ダービー」は、前節にスランゴールFAを4-0で破ったPKNS FCがクパ・シャーマンのゴールで先制し、GKザリフ・イルファンの活躍とPKNP FCのシュートが何度もゴールポストに阻まれる幸運のおかげでそのまま逃げ切りました。PKNP FCはシュート数ではPKNS FCを上回ったものの、1点が取れませんでした。
 PKNS FCはここまで4試合で3得点と好調のクパ・シャーマンが、69分にそれまでマンマークされ続けていたPKNP FCのフィリピン人DFアマニ・アギナルドへ肘打ちを食らわせて一発退場となっています。次節は首位クダFAとの対戦が控えており、チームにとっても痛いレッドカードでした。
 3試合で6失点のPKNP FCは、今シーズン初先発のGKカイルル・タキフの中途半端なパスから失点し、PKNS FCが10人となった機会を生かせませんでしたが、上記の新戦力のアマニ・アギナルドが存在感を見せつけ、課題となっていた守備陣の立て直しが期待できる試合でした。

パハンFA(2勝1分1敗)1-1スランゴールFA(0勝3分1敗)
得点者:パハンFA-ワン・ザフルニザム(34分)、スランゴールFA-ルフィノ・セゴヴィア(62分)
この試合前まで3試合で3得点のFWディクソン・ヌワカエメの代わりに、昨年末のアセアンサッカー連盟AFF選手権スズキカップで活躍したFWノーシャルル・イドラン・タラハを起用したパハンFAのドラー・サレー監督の戦略は、34分にムハマドゥ・スマレー、ゼ・ラブとつないだパスをワン・ザフルニザムがゴールし的中したように見えました。しかし、パハンFA攻撃陣が追加点のチャンスを逃していた間に、スランゴールFAが62分にキャプテンのルフィノ・セゴヴィアのゴールで追い付きます。パハンFAにとって誤算だったのはDFエラルド・グロンが2枚めのイエローで73分に退場となったこと。74分にはディクソン・ヌワカエメを投入し、勝点3を取りに行きますが、結局1-1のまま試合終了。上位陣から離されたくないパハンFAでしたが、不調のスランゴールFA相手に手痛い引き分けとなりました。

MFL2部プレミアリーグ
サラワクFA(1勝0分3敗)1-2サバFA(2勝1分1敗)
得点者:サラワクFA-ペドロ・エンリケ(44分)、サバFA- ロドリュブ・ パウノヴィッチ(36分)、サブリ・サハル(39分)
マレーシアはマレー半島部と、東マレーシアと呼ばれるボルネオ島に分かれていますが、そのボルネオ島に本拠地を持つ両チームの「ボルネオダービー」は、両クラブの勢いがそのまま現れた結果になりました。

PDRM FC(0勝1分3敗)0-1スランゴール・ユナイテッド(3勝0分1敗)
得点者:スランゴール・ユナイテッド-ラスラム・カーン(27分)
MFL3部にあたるFAMカップ(現Mリーグ3)から昇格し、初めてプレミアリーグで戦うスランゴール・ユナイテッドは好調を維持、この勝利で単独2位に浮上しています。

トレンガヌFC II(2勝1分1敗)0-0UKM FC(1勝1分2敗)
得点者:なし
トレンガヌFC IIの鈴木ブルーノ選手は、この試合で4試合連続の先発でフル出場していますが、開幕戦以来のゴールはなりませんでした。

UITM FC(2勝0分2敗)1-2JDT II(4勝0分0敗)
得点者:UITM FC-ムハマド・ラフィ・マット・ヤコブ(12分)、JDT II-ブルーノ・ソアレス(20分)、モハマド・ロザイミ・アブドル・ラーマン(45分)
JDT IIは開幕から4連勝で首位をキープ。

ヌグリ・スンビランFA(1勝2分1敗)1-1ペナンFA(1勝1分2敗)
得点者:ヌグリ・スンビランFA-中武駿介(32分)、ペナンFA-ジュリアン・ボッターロ
ここまで全試合先発でフル出場の中武駿介選手は、この試合も先発でフル出場し、今シーズン2点目を決めています。

2月23日のニュース(2):渡辺将基がプルリスFAからフェルダ・ユナイテッドへ移籍、プルリスFAに7日間の不服申立期間が与えられる、PDRM FCは1ヶ月以内の未払い給料支払いを約束

渡辺将基がプルリスFAからフェルダ・ユナイテッドへ移籍
マレーシアフットボールリーグMFL2部プレミアリーグから給料未払い問題により追放処分を受けたプルリスFAでプレーしていたDF渡辺将基(32)が、1部スーパーリーグのフェルダ・ユナイテッドへ移籍しました。開幕3試合で追放となったプルリスFA(正確には7日間の不服申立期間が与えられており、その間は追放は確定してはいませんが)では、3試合ともフル出場し、モチベーションはわかりませんが、コンディションは悪くないはずです
 フェルダ・ユナイテッドには今シーズンからMF池田圭もサガン鳥栖より加入しており、MFLでは初となる(多分)1クラブに渡辺選手と池田選手の日本人2名が在籍することになります。開幕から2分1敗、得点2失点6で8位に低迷しているフェルダ・ユナイテッドのモハマド・ニザム・ジャミル監督は、渡辺選手に対し開幕3試合で不足していた守備陣のリーダーの役割を期待しているとコメントしています。
 またフェルダ・ユナイテッドは、ケガのためバーレーン人FWジェイシー・ジョンとの契約を解除し、昨シーズンはJ3の鹿児島・ユナイテッドに所属し、Jリーグ通算150試合出場で35得点というブラジル人FWチアゴ・キリノ・ダ・シウヴァ(34)も獲得しています。前節ではクダFAに0-4で敗れたフェルダ・ユナイテッド。攻撃陣と守備陣立て直しのため、渡辺、キリノ両選手は今日のペラTBGとの試合から出場予定です。

プルリスFAに7日間の不服申立期間が与えられる
2018年シーズンにプレーした18名に対して48万マレーシアリンギ(日本円で1300万円ほど)の給料未払い問題があり、また今シーズンも開幕から2ヶ月の給料が所属選手に払えておらず、今後の経営計画が不透明なことにより、MFLからの追放処分を受けたプルリスFAに対し、MFLは7日間の不服申立期間を与えることをMFLのケヴィン・ラムリンガンCEOが述べています。2月20日のMFL理事会では全会一致でプルリスFAの追放が議決されましたが、その議決を覆すだけの十分な条件が提示されれば、MFLは再考するとしています。
 またプルリスFAに代わってプレミアリーグ参加を求めていたトレンガヌ・シティFC(TCFC)については、この要求を却下しています。TCFCは昨シーズン、MFL3部にあたるFAM Cup(現Mリーグ3)でスランゴール・ユナイテッドを破って優勝し、自動昇格の権利を得ていましたが、このチームも給料未払い問題があったため、MFLによって権利を剥奪されていました。このためプレミアリーグには代わってスランゴール・ユナイテッドが昇格しています。
 プルリスFAの追放処分については、プルリスFAのダト・アーマド・アミザル・シャフィト・ラフィ会長が、MFLチェアマンでJDTのオーナーでもあるTMJことトゥンク・イスマイル・スルタン・イブラヒム殿下に直接、クラブの現状を説明したいと訴えたり、前プルリスFA会長のダト・スリ・シャヒダン・カシム前プルリス州知事が州政府が責任を持って、プルリスFAのプレミアリーグ復帰を支援するべきとツイートするなど、まだまだ辞退の行方がわかりません。

PDRM FCは1ヶ月以内の未払い給料支払いを約束
もはやMFLのあるあるネタと言っても良い給料未払い問題関連で、警察が母体のPDRM FCは未払い給料を1ヶ月以内に支払うことを約束しました。手始めとして、12人のマレーシア人選手と4名のスタッフに対して、合計52万2000マレーシアリンギ(約1400万円)をMFLからの補助金からと、スポンサーとなっているカフェ・レストランチェーンのPappaRichの支援で未払い給料を支払ったとしています。
 しかし4名の外国人選手と2名のスタッフに対しては、まだ約70万マレーシアリンギ(約1900万円)の未払い分があるということです…。



2月21日のニュース:プルリスFAはMFLより追放、各クラブが新外国人加入を発表、2016年のFIFAプスカシュ賞受賞者は現在所属クラブなし

プルリスFAはMFLより追放
マレーシアフットボールMFLのケヴィン・ラムリンガンCEOは、2019年シーズンのプレーを継続するために十分な経営状況にないとして、プルリスFAのMFLよりの即時追放を発表しました。今シーズン開幕前から、いやMFL2部プレミアリーグ昇格前から懸念されていた給料未払い問題で揺れ続けたプルリスFAは、予想されていたとは言え最も残念な形で退場することなりました。
 昨シーズン終了後の1部スーパーリーグと2部プレミアリーグのチーム入れ替えの際、12チームで構成されるプレミアリーグからは1位のフェルダ・ユナイテッドと2位のフェルクラFCが昇格することになっていましたが、経営状況悪化からフェルクラFCが解散となり、3位のMIFA(現在のプタリン・ジャヤ(PJ)シティFC)が繰り上がりで昇格しました。1部スーパーリーグからはケランタンFAとヌグリ・スンビランFAが降格したものの、合計11チームとなり、3部FAMカップ(現Mリーグ3)から追加で昇格チームを選ぶことになりました。その際に候補に上がったのがATM FC(軍隊のクラブチーム)、クチンFAとプルリスFAの3クラブ。MFLが経営状況やファンの支持などを総合的に評価した結果、プルリスFAが選ばれました。実はこの時点で給料未払い問題が既に発覚しており、それにもかかわらず昇格したため「裏口入学」ならぬ「裏口昇格」とも言われました。MFL側は昇格を決定した時点では問題が見られなかったとしていますが、シーズン途中で11チームになってしまうようなプルリスFAを選んだMFLにも責任がある気がします。
 選手の移籍期間が終了していますが、プルリスFAに所属していた選手に対しては、30日間の猶予を与える特別措置が取られ、この間に選手たちは新たな所属先を探すことになります。

プルリスFAのFacebookより。Singa Utaraはチームの愛称Northern Lionsを、Dalam Kenanganは「故人を偲ぶ」という意味のマレーシア語、1963はプルリスFAが創設された年を表しています。

各クラブが新外国人加入を発表
トランスファーウィンドウは昨日、2月20日に閉じました。この期間中にPDRM FCは新外国人選手としてリベリア出身のFWパトリック・ロナウジーニョ・ウレー(27)と契約しました。ウレー選手は2012年から2018年までPKNS FCやスランゴールFAなどでプレー経験もあります。PDRM FCは開幕から3試合で0勝2分1敗、2得点5失点という成績で、12チームで構成されているマレーシアフットボールリーグMFL2部プレミアリーグで最下位です。ウレー選手の加入でPDRM FCの得点力不足の解消が期待されています。
 またPKNP FCもフィリピン出身のDFアマニ・アギナルド(23)を獲得しています。既にフィットネステストは終えており、国際移籍証明書ITCが届けば、今週末の試合に出場できる状態のようです。PKNP FCは今シーズンここまで、MFトマス・アビー(ガーナ)、FWカリドゥ・イエロ(セネガル)、DFシヨブシュ・アスロロフ(タジキスタン)、FWヤーセル・ピント(パレスチナ)4名の外国員で戦っており、アギナルド選手の加入で外国人枠5が全て埋まったことになります。
 プルリスFAからサフィ・サリー選手が移籍したプタリン・ジャヤ(PJ)シティFCにも、ブラジル人MFセルジーニョ(30)が加盟しています。タイや韓国でのプレー経験があるセルジーニョ選手の加入で、既に5人の外国人枠が埋まっていたPJシティFCは、第3節でゴールを上げているFWジャンカルロ・ロドリゲスをPKNP FCへ期限付き移籍させています。

2016年のFIFAプスカシュ賞受賞者は現在所属クラブなし
FIFAが制定するFIFAプスカシュ賞はその年の最も優れたゴールをした選手を対象とした賞ですが、2016年には当時ペナンFAに所属していたモハマド・ファイズ・サブリが、まるで物理の法則に逆らうかのような軌道の素晴らしいフリーキックが、オンライン投票で60%近い票を集め受賞しています。ところがこのサブリ選手は現在、所属クラブがない状態になっています。2018年シーズン終了後にペナンFAとの契約を満了し、その後はペナンFAからセレクション参加を求められるもこれを拒否、家庭の事情で他クラブへの移籍もできず、現在に至っているようです。しかしサブリ選手自身はサッカーを諦めておらず、次のトランスファーウインドウが開く5月にMFL復帰を目指しているようです。

2月19日のニュース:U22代表はカンボジアに敗戦でスタート、KLFAがフィリピン代表獲得を発表

U22代表はカンボジアに敗戦でスタート
カンボジアで開催中のアジアサッカー連盟AFFのU22選手権で、マレーシア代表は初戦のカンボジア戦に0−1で敗れました。前半はカンボジアの攻撃をしのいでなんとか0−0で折り返したものの、60分にムハマド・ダニアル・ハキム・ドラマン(ケランタンFA)が2枚めのイエローで退場となり、マレーシア代表は10人となってしまいました。その後64分にはゴールエリアの外で得たフリーキックをMFサス・ロシブがループシュートで直接、決めて1-0となり、試合はこのまま終了しました。
 予選グループBに属するマレーシア代表は、カンボジアの他、インドネシア、ミャンマーと同組になっており、この日インドネシアとミャンマーは1-1で引き分けています。痛い黒星スタートとなったマレーシア代表は、各グループの上位2チームに出場する準決勝進出を賭けて2月20日にインドネシアと、22日にミャンマーと対戦します。
 この試合のハイライト映像はこちらです。

AFF U22選手権に出場するマレーシア代表メンバー(FAMのホームページより)

KLFAがフィリピン代表獲得を発表
先日、インドネシア人DFアクマド・ジュフリヤントとの契約を解除したクアラルンプール(KL)FAが、アセアン枠の外国人選手としてフィリピン代表のDFルーク・ウッドランドと契約しました。上記のジュフリヤント選手以外にも、ハイル・ジョーンズ選手もケガで出場できていない他、今シーズン開幕直前に代表でもプレーするシャズワン・アンディックがJDTに移籍しており、その結果が開幕からの2試合で7失点とKLFAは守備陣が完全に崩壊中。今後、このウッドランド選手中心にどの様に立て直せるかに注目が集まります。

新入団のルーク・ウッドランド選手(KL HawksのFacebookより)