9月25日のニュース:FAMとパハン州FAはお互いを非難、スランゴール州FAはスマレとの交渉はFAMの承認済みと主張するもFAMは否定、期限まで1週間となった民営化が完了しているのは現時点で12クラブ

FAMとパハン州FAはお互いを非難
 マレーシアサッカー協会FAMとMリーグ1部パハンFAを運営するパハン州サッカー協会(パハン州FA)はお互いに非難を応酬し合う状況になっています。
 パハン州FAを離れてタイ1部リーグのポリス・テロFC移籍を発表したモハマドゥ・スマレに対して、今月9月11日にパハン州FAはFAMへ不服申し立てを行いましたが、FAMの対応が不十分として、一昨日9月22日にFAMを強い調子で非難する声明を公式Facebookなどで公開しました。
 パハン州FAのノーリア・アブドル・マナフ事務局長は自身の名で出された公式声明で「(対応が遅れていることについて)FAMはFIFAの対応を待っているといることを理由にしているが、パハン州FAはこの理由を受け入れることはできない。マレーシア人選手に関する事例への対応はFAMの管轄であり、アジアサッカー連盟のウインザー・ポール事務局長もメディア向けの声明でこれを肯定している。」と述べ、パハン州FAも含め国内の州FAを統括する立場のFAMは、今回のスマレ選手に関する件についてパハン州FAの申し立てに真剣かつ速やかに対応するべきだとしています。
 さらにパハン州FAのノーリア事務局長は、FAMが早急に対応しない場合、マレーシア国内のスポーツに関する問題を裁定するスポーツコミッショナーにこの件についての裁定を仰ぐことも検討しているとしています。
 「パハンFAを離脱するに至った理由としてスマレ選手が挙げている内容は不正確な上にでっち上げであり、パハン州FAは事実に基づきスマレ選手の主張に異議を申し立てる用意がある。」と話すノーリア事務局長は、スマレ選手が離脱の最大の理由として挙げている契約内容とは異なる給料が過去3年間に渡り支払われていたことについても、これを全面的に否定しています。
 一方のFAMは公式サイトに反論を掲載し、パハン州FAによる非難は根拠がない上に無責任であるとしてこれを糾弾しています。
 FAMはこの件がパハン州FAから報告された当初から、スマレ選手に関する提訴をFIFAへ行うための手順や必要条件などを提示してパハン州FAに協力してきたと主張し、パハン州FAへの反論ではその事実を時間の経緯に沿って説明しています。その上でスマレ選手が契約破棄の根拠としている「給料未払いが発生した際には契約を破棄できる」という条項が使われた事実について自身の責任を理解するべきだと、パハン州FAの非難に応酬しています。

スランゴール州FAはスマレとの交渉はFAMの承認済みと主張するもFAMは否定
 またパハン州FAとFAMの論争の最中に明らかになったのが、Mリーグ1部スランゴールFCを運営するスランゴール州サッカー協会(スランゴール州FA)がスマレ選手に接触する際にFAMがこれを承認していたというニュースです。
 こちらはスランゴール州FAのジョハン・カマル・ハミドン事務局長がFAMに事前に資格紹介を行い、さらにFAMから承認を得た上で獲得交渉を行っていたことを明かし、これがパハン州FAのFAMに対するさらなる非難を産む原因になっています。
 英字紙ニューストレイトタイムズにはパハン州FA関係者の話として、パハン州FAとスマレ選手の「離婚調停」を行なっていたFAMが、その裏ではスランゴールFAとスマレ選手の「結婚」を承認していたと、FAMを非難しているとしています。
 しかもこの話がここで終わらないのがマレーシア。FAMのスチュアート・ラマリンガム事務局長は、FAMにはスランゴール州FAとスマレ選手の交渉を許可する資格も禁止もする資格もないと話し、スランゴール州FAのジョハン事務局長の問い合わせてに対しては、スマレ選手は契約内容に含まれていた「給料未払いが起こった際に契約を破棄できる」という条項を使って契約を破棄したという事実を伝えただけであると話しています。
******
 正式な契約書が交わされていながらこの様な問題が発生すること自体、正直、理解ができませんし、誰かが(あるいは関係者全員が)自身に都合よくその内容を解釈しているのかも知れません。結局はプロサッカーチームの運営を各州の議員や公務員といったアマチュアが運営していることに起因している様に感じます。皇族を協会の会長に置くパハン州FAとスランゴール州FAがこの件に関連しているのは単なる偶然ではなく、そういった権威の下でそれを傘にきた輩が自身の権力闘争にサッカーを利用している図式が見え隠れしている気がします。監督をクビにしてもその任命責任が問われないスランゴール州FAはその際たるものでしょう。そのためにも次の記事で取り上げるクラブの民営化は何としても進めていかなければならない様に思います。

期限まで1週間となった民営化が完了しているのは現時点で12クラブ
 マレーシアサッカー協会FAMが期限を9月30日に設定したクラブの民営化ですが、現時点では12クラブが民営化手続きを完了していることをFAMが公式サイトで発表しています。マレーシアのプロクラブの大半は、各州サッカー協会(州FA)が運営していますが、FAMはアジアサッカー連盟AFCの指導に基づき、各州FAが運営するクラブを州FAから切り離す民営化を求めており、その期限はあと1週間ほどに迫っています。
 今回FAMが発表した民営化手続きが完了しているクラブは、ジョホール・ダルル・タジムJDT、PJシティFC、マラッカ・ユナイテッドFC、トレンガヌFC、サバ、ペラTBG(以上Mリーグ1部)、サラワク・ユナイテッドFC、ヌグリスンビラン、ケランタン・ユナイテッドFC、クチン・シティFC、クアラルンプール(以上Mリーグ2部)そしてMリーグ3部所属のマレーシア国軍FCの12クラブです。
 またこの他、Mリーグ1部のスランゴールFC、フェルダ・ユナイテッドFCと2部ケランタンは手続きの最終段階に入っていること、また1部のパハンとクダ、2部のペナンは手続きの最中であるともされています。
 その一方でマレーシア王立警察を母体とするPDRM FCと国立大学を母体とするUITM FCとUKM FCについては手続きを始めたばかりの段階ということで、FAMは速やかな対応を求める督促状を送ったとしています。
 民営化が完了しないクラブは、AFC主催のAFCチャンピオンズリーグやAFCカップなどの大会にはマレーシア代表として出場できない他、来季2021年以降は国内リーグのMリーグ1部と2部でもプレーするためのクラブライセンスが発給されません。
 なおFAMのプロ委員会のモハマド・フィルダウス・モハマド委員長名で出されたこの発表では、民営化手続きを完了していないクラブに対して9月30日の期限は決して延長されないとする一方で、必要な支援をいつでも行う用意があり、今季の1部と2部の全クラブが民営化手続きを期限までに完了することを望んでいるとも書かれています。

9月23日のニュース:低迷するスランゴールFCが監督解任、スマレは来季スランゴールFC入りか、タイ1部リーグ第6節-ポリス・テロFCのドミニク・タンは今季初のフル出場

低迷するスランゴールFCが監督解任
 Mリーグ1部第8節を終えて7位と低迷するスランゴールFCは、9月21日にサティアナタン・バスカラン監督を解任しています。9月19日に行われたMリーグ第8節でジョホール・ダルル・タジムJDTに1-6と粉砕されたスランゴールFCは、その大敗から2日も経たないうちに解任を発表しています。
 新型コロナウィルスにより中断されていたMリーグが8月28日に再開されて以降、スランゴールFCは1勝2分と上位進出のきっかけをつかめませんでした。そんなチーム状態で臨んだJDT戦で大敗したことで解任となった可能性があります。
 スランゴールFCの監督に就任した昨季2019年シーズンはリーグ3位とは言え、首位のJDTとは勝点差16をつけられ、マレーシアカップでは準決勝でJDTに、FAカップでは3回戦でフェルダ・ユナイテッドFCにそれぞれ破れるなど、サティアナタン監督は在任中は目立った結果は残せていませんでした。
 またスランゴールFCのレジェンドプレーヤーのアムリ・ヤハヤ(現サラワク・ユナイテッドFC)と対立して退団を余儀なくさせたことや、ライバルJDTとスランゴールFCの選手の質や選手層の差などを嘆く発言も多かったことから、一部のサポーターからは敗戦に対して自身の責任を認めず、言い訳ばかりが多いと批判されることも少なくありませんでした。
 9月21日の朝に解任が伝えられ、その日の午後に予定されていた練習で選手に挨拶することが許されなかったと話すサティアナタン監督は、マレーシアカップも含めた今季の残り試合で采配を振るえなかったことだけが残念だと話し、残り3試合となったリーグ戦の残り全勝とマレーシアカップでのチームの検討を期待しているとメディアに向けて話しています。
 なおスランゴールFCを運営するスランゴール州サッカー協会FASは、暫定監督としてスランゴールFCのBチームであるMリーグ2部のスランゴール2のマイケル・ファイヒテンバイナー監督が就任することを発表しています。
******
 2017年にはフェルダ・ユナイテッドFCの監督として1部スーパーリーグ3位、翌年にはクラブライセンス問題で2部プレミアリーグに降格になったチームを1年でスーパーリーグ復帰させた後のスランゴールFC監督就任ということもあり、期待されていた分だけサポーターの失望も大きかったかも知れません。歯に衣着せぬ物言いで、選手やサポーターと衝突することも多かったサティアナタン監督ですが、結果が出なかったことで窮地に追い込まれてしまった様です。
 またFASは、例え今季優勝してもサティアナタン監督退任が既定路線だったことを明かしていますが、個人的には、スランゴールFCのBチーム、スランゴール2など若い選手を鍛え上げ、さらに強烈なプロ意識を教えることができる様な環境でまた監督をしてもらいたいですが、さすがにこの状況ではスランゴール復帰はないだろうなぁ。

スマレは来季スランゴールFC入りか
 Mリーグ1部が中断中に所属するパハンFAを離れ、タイ1部リーグのポリス・テロFCとの契約を明らかにしたモハマドゥ・スマレには、今季残りはタイでプレーするものの、来季はJDT入りと噂されていましたが、実際にはスランゴールFC入りが濃厚な様です。
 これが明らかになったのはJDTのオーナーでジョホール州皇太子のトゥンク・イスマイル殿下のインスタグラム投稿からでした。マレーシア語紙ブリタハリアン電子版では、イスマイル殿下が公開した自身のインスタグラムのスクリーンショットを掲載していますが、その中ではスマレ選手とスランゴールFCを運営するスランゴール州サッカー協会FAS幹部(FASのジョハン・カマル・ハミドン事務局長とされています)との生々しいやりとりを公開しています。(以下は公開されているイスマイル殿下のインスタグラム上のスマレ選手とFAS幹部のwhatsappチャットのスクリーンショット)

公開されたやり取りに加えて、イスマイル殿下はFASがスマレ選手に月給1万7000US米ドル(およそ178万円)の3年契約と違約金300万リンギ(およそ7620万円)の契約解除条項を提示したと明かしていますが、公開されたやり取りの中でスマレ選手が2万US米ドル(およそ210万円)を求める様子なども見ることができます。
 さらにこれに関しては続報がブリタハリアン電子版に掲載されており、そこではFASのハミドン事務局長がスマレ選手へのオファーを認めた上で、そのオファーはマレーシアサッカー協会FAMに可否を確認した上で行ったものであり、スランゴールFCによるオファーがスマレ選手のパハンFA離脱を促したものであるという批判に反論しています。
 またJDTオーナーのイスマイル殿下が明らかにした、FASによるスマレ選手へのオファーは月額1万7000米ドルであることも、ハミドン局長は正しいと認めた上で、このオファーを受けるかどうかはスマレ選手次第であると話しています。
******
 このスマレ選手関連では、スマレ選手との契約が2022年まで残っていると主張するパハンFAがFAMの対応の遅さを非難し、この件をマレーシア国内のスポーツ裁判所へ持ち込むともしており、泥仕合が長期化しそうです。

ポリス・テロFCのドミニク・タンは今季初のフル出場
 9月19日に開催されたタイ1部リーグ第6節では、ポリス・テロFCに在籍するドミニク・タンがラーチャブリー・ミトポンFC戦で移籍後初のスタメン出場し、しかもフル出場を果たしています。試合はポリス・テロFCが終了間際にラーチャブリー・ミトポンFCに追いつかれて1-1で引き分けています。
 今季はここまで後半終盤からの途中出場が続いていたタン選手ですが、初のスタメン出場を勝ち取り、韓国出身のクォン・ダエヒーとともにコンビを組みましたがインジャリータイムでの失点を許しています。
(以下はポリス・テロFC対ラーチャブリー・ミトポンFCのハイライト映像-ポリス・テロFCのYoutubeチャンネルより)

 また同じ1部リーグのBGパトゥム・ユナイテッドのノーシャルル・イドラン・タラハはベンチ入りしたものの、出場はありませんでした。
 なおBGパトゥム・ユナイテッドは、来季2021年AFCチャンピオンズリーグ出場に向けて、現在、Jリーグ清水でプレーするティーラシン・デーンダーを12月末に開くトランスファーウインドウ期間中に完全移籍で獲得するという噂が出ています。清水では絶対的なレギュラーポジションが獲得できていないティーラシン選手がBGパトゥム・ユナイテッドに移籍すれば、FWが飽和状態になり、そうでなくとも出場機会が少ないノーシャルル選手は1年契約ということもあり放出される選手の最右翼となりそうです。

Mリーグ1部スーパーリーグ2020年シーズン第8節結果

 9月19日(土)から9月21日(月)の3日間に、1部スーパーリーグ第8節の6試合が行われました。以下結果です。(ホームチームが左側です。)
 *試合のダイジェスト映像は全てMFLの公式Youtubeより。

9月19日(土)
スルタン・イブラヒムスタジアム(ジョホール州イスカンダルプテリ)
ジョホール・ダルル・タジムJDT 6-1 スランゴールFC
得点者:JDT-サファウィ・ラシド2(45+2分、49分PK)、ジオゴ(64分)、ゴンザロ・カブレラ(67分)、ラマダン・サイフラー2(72分、75分)、スランゴール-ルフィアノ・セゴヴィア(81分)
 直接対決でJDTとの勝点差を詰めるどころか粉砕されたスランゴールFCは、累積警告でブレンダン・ガンを欠くなど苦しいメンバーではありましたが、それでもこの惨敗は許容されなかったのか、この試合から数時間後にサティアナタン・バスカラン監督が解任されています。
 JDTはリーグ再開後にBチームから昇格したラマダン・サイフラーが既に3ゴール目を決めており、改めて選手層の厚さを見せつけました。

UITMスタジアム(スランゴール州シャーアラム)
UITM FC 2ー1 トレンガヌFC
得点者:UITM-アリフ・アンワル(5分)。ヴィクター・ニェノルド(61分)、トレンガヌFC-リー・タック(38分PK)
 某新聞の某記者からは予算のない大学生のチームはトップリーグにいるべきでないと辛辣なコメントをされていたUITM FCでしたが、第8節を終わって4位と大健闘どころか着実に勝ち星を重ねています。残り3試合はチームの士気が下がっていそうなスランゴールFC、降格圏内に低迷するPJシティFC、サバFAと続くため、リーグ2位に与えられる来季のAFCカップへの出場権獲得も見えてきました。

9月20日(日)
トゥン・アブドル・ラザクスタジアム(パハン州ジェンカ)
フェルダ・ユナイテッドFC 2-2 パハンFA
得点者:フェルダ-ニコラ・ラスポポヴィッチ(38分)、ハイカル・アズハ(45+2分PK)、パハン-ムスリム・アーマド(14分)、イヴァン・カルロス(79分PK)
 フェルダ・ユナイテッドFCの恵龍太郎選手は先発してフル出場しています。

ハン・ジェバスタジアム(マラッカ州クルボン)
マラッカ・ユナイテッドFC 1-1 PJシティFC
得点者:マラッカ-ロメル・モラレス(72分)、PJ-コギレスワラン・ラジ(90+3分)

クアラルンプールフットボールスタジアム(クアラルンプール)
PDRM FC 0-2 ペラTBG
得点者:ペラ-シャーレル・フィクリ(分)、レアンドロ・ドス・サントス(87分)

9月21日(月)
クアラルンプールフットボールスタジアム(クアラルンプール)
クダFA 3-1 サバFA
得点者:クダ-クパ・シャーマン(26分)、チェチェ・キプレ(71分)、ファイヤッド・ズルキフリ(75分)、サバ-デニス・ブシェニング(28分)
 途中出場ながらファイヤッド・ズルキフリが1アシスト1ゴールと活躍した他、両エースが揃ってゴールを決めたクダFAがサバFAを振り切っています。

マレーシアスーパーリーグ順位表(第8節終了時)

順位クラブ試合得点失点得失差勝点
1JDT87102251722
2クダFA8512159616
2ペラTBG84221112-114
4UiTM FC841398113
5マラッカU8422117411
6トレンガヌFC83141513210
7パハンFA83141212010
8スランゴールFC82421015-510
9フェルダU81431013-37
10PJシティFC8153711-48
11サバFA8134815-76
12PDRM FC8026414-10-1
*5位のマラッカUと12位のPDRM FCはそれぞれ、給料未払い問題により勝点3が剥奪されています。

マレーシアスーパーリーグ ゴールランキング(第8節終了時)

ゴール数選手名所属試合数
7ドミニク・ダ・シルヴァトレンガヌFC8
6チェチェ・キプレクダFA8
5シャーレル・フィクリペラTBG
5ゴンザロ・カブレラJDT8
5イフェダヨ・オルセグンスランゴールFC8
5チェチェ・キプレクダFA8
5イヴァン・カルロスパハンFA8
5クパ・シャーマンクダFA8

9月18日のニュース:ケランタンUの暫定監督に元スランゴールFAのナズルレルワン氏が就任、FAMはスマレとパハンFA間の争議についてFIFAの裁定待ち、前FAM審判委員長はJDT戦の審判の処分を主張

ケランタンUの暫定監督に元スランゴールFAのナズルレルワン氏が就任
 新型ウィルス感染により5ヶ月近く中断し、先月下旬に再開したMリーグの2部プレミアリーグで、リーグ再開後は3戦全敗したことから監督を「休養」させたケランタン・ユナイテッドFCの暫定監督が決定したと、マレーシア語紙ハリアンメトロ電子版が報じています。
 今季残り4試合で暫定監督を務めることになったのは元スランゴールFAなどでプレー経験のあるモハマド・ナズルレルワン・マクモル氏で、早速、記者会見したナズルレルワン新監督は、今季のプレミアリーグでトップ3入りと、2部プレミアリーグの上位5クラブに出場資格が与えられるマレーシアカップ出場を目指すと話しています。
 「質の高い選手が多いケランタン・ユナイテッドは良いチームであり、自分はチームを大きく変えることはせず、弱点を修正する形でチームを強化したい。」と話すナズルレルワン新監督は、まず今日9月18日のMリーグ公式戦の対サラワク・ユナイテッドFC戦で勝点3を獲得することに集中したいとしています。
 なおナズルレルワン新監督の他、ケランタン・ユナイテッドのプレジデントカップチーム(U21)のハムダン・モハマド監督がコーチとしてナズルレルワン新監督をサポートする他、同じプレジデントカップチームのロジ・ムハマド チームマネージャーがトップチームのチームマネージャーに就任することも併せて発表されています。
******
 個人的にはナズルレルワン監督就任と同時に、チームマネージャーが交代したという点が興味深いと感じました。チームマネージャーがどれくらい経営陣側に近いかはわかりませんが、監督、コーチといった現場の人間にだけ責任を取らせるのではないという意図なのであれば、クラブの本気度も伝わってきます。

FAMはスマレとパハン州FA間の争議についてFIFAの裁定待ち
 給料未払いを理由にチームを離れてタイ1部リーグのクラブと契約したモハマドゥ・スマレと前所属となったパハン州サッカー協会(パハン州FA)との間の争議について、マレーシアサッカー協会FAMは、FIFAによる裁定を待った上で対応するようです。
 マレーシアの通信社ブルナマは、FAMのスチュアート・ラマリンガム事務局長の話として、パハン州FAに対するスマレ選手の不服申し立てに対してFIFAの裁定が出てから行うとしています。
 「FAMはFIFAがスマレ選手の不服申し立てを審理するかどうかを見守っているところであり、場合によってはFIFAがFAMにその裁定を委ねる可能性もある。外国籍選手はMリーグでの不服申し立てをFIFAに行うことはあるが、マレーシア人選手はFAMに裁定を出すことが求められることも多く、帰化選手であるスマレ選手の場合は後者となる可能性がある。」と話すスチュアート事務局長は、それでも給料未払い問題についてはFIFAが審理を行う可能性にも言及しています。またFIFAの裁定を待たずにFAMが審理を始めた場合には、FIFAがこれを特殊な例としてみなして、FAMではなくFIFA自身が審理を行う可能性もあるとしています。

前FAM審判委員長はJDT戦の審判の処分を主張
 前FAM審判委員会で委員長を務めたスブヒディン・サレー氏は、前節第7節のMリーグ1部JDT対トレンガヌFC戦で試合を十分にコントロールできなかったワン・モハマド・タルミジ・ワン・イブラヒム主審について、下部リーグへの降格などの処分を行うべきだと述べています。
 この試合はJDTが1-0でトレンガヌFCを破っていますが、JDTのオーナーであるジョホール州皇太子トゥンク・イスマイル殿下自身がトレンガヌFCは2つのPKを与えられるべきであったと発言するほど、明らかに誤審が複数回観られた試合でした。
 スポーツ専門サイトのスタジアムアストロは、スブヒディン氏の話として、タルミジ主審の審判としての技量を向上させることはもとより、国内リーグの審判のレベルを維持したとFAMが考えるなら、タルミジ主審の下部リーグ降格処分を行うべきと提言したようです。
 またFAMは公式Facebookでは、現在の審判委員会のモハマド・ダリ・ワヒド委員長を中心に、Mリーグでの審判の評価を行なっていることを明らかにしています。Mリーグ再開後は2週間に1度の割合で主審、副審および各試合の審判評価担当者を対象に評価を行っているということで、こちらからもタルミジ主審への処分が発表になるかもしれません。


Mリーグ1部スーパーリーグ2020年シーズン第7節結果

 9月11日(金)と9月12日(土)の両日に、1部スーパーリーグ第6節の6試合が行われました。以下結果です。(ホームチームが左側です。)
 *試合のダイジェスト映像は全てMFLの公式Youtubeより。

9月11日(金)
ペラスタジアム(ペラ州イポー)
ペラTBG 1ー0 UITM FC
得点者:シャレル・フィクリ(4分)
 前節ではJDTに0ー7と大敗したペラTBGでしたが、この試合は開始直後4分のゴールを守り切って勝利しています。
 UITM FCは司令塔ラビ・アタヤを累積警告による出場停止で欠く苦しい布陣ながら善戦するも惜敗し、リーグ戦の連勝が3でストップしました。

スルタン・ミザン・ザイナル・アビディンスタジアム(トレンガヌ州ゴンバダ)
トレンガヌFC 0-1 ジョホール・ダルル・タジムJDT
得点者:JDT-サファウィ・ラシド(5分)
 JDTが3連勝、開幕からも7試合負けなしとなり、リーグ7連覇にまた一歩近づきました。AFCチャンピオンズリーグ過去10年のベストゴールを受賞したサファウイ・ラシドがゴールを決めています。
 下のハイライト映像にはありませんが、トレンガヌFCにとってはPKを与えられても良い場面が少なくと2度あり審判に泣かされた試合でもありました。これにはJDTのオーナーのトゥンク・イスマイル殿下も審判を非難するコメントを出すほどでした。

UITMスタジアム(スランゴール州シャーアラム)
スランゴールFC 1-1 マラッカ・ユナイテッドFC
得点者:スランゴール-サンドロ・ダ・シルヴァ(40分)、マラッカ-ウチェ・アグバ(39分)
 来季のAFCカップ出場を目指すスランゴールFCにとっては上位進出が遠のく引き分けでした。試合終了間際にはブレンダン・ガンが2枚目のイエローで退場となり、次節の注目カード、首位JDT戦に出場できなくなりました。
 一方のマラッカUはリーグ再開後は2勝1分と好調を維持しています。

9月12日(土)
トゥン・アブドル・ラザクスタジアム(パハン州ジェンカ)
フェルダ・ユナイテッドFC 1-2 クダFA
得点者:フェルダ-シャミ・ザムリ(41分)、クダ-チェチェ・キプレ(48分)、ハディン・アズマン(66分)
 クダFAが昨季までフェルダ・ユナイテッドに在籍していたハディン・アズマンの逆転ゴールでリーグ再開後3連勝し、今季最高位の2位に浮上しています。
 一方のフェルダ・ユナイテッドはリーグ再開から1分2敗と勝ち星がありません。
 フェルダ・ユナイテッドの恵龍太郎選手は先発でフル出場しています。

ダルル・マクマルスタジアム(パハン州クアンタン)
パハンFA 2-1 PDRM FC
得点者:パハン-イヴァン・カルロス(37分)、ファイザル・ハリム(74分)、PDRM-アミル・サイフル(83分)
 パハンFAはFWディクソン・ヌワカエメを欠きながらも最下位のPDRM FCに勝利し、連敗を2で止めています。
 PDRM FCは給料未払い問題により勝点3を剥奪されており、このままだと勝点がマイナスでシーズンを終える可能性が出てきました。

MPPJスタジアム(スランゴール州プタリンジャヤ)
PJシティFC 1-1 サバFA
得点者:PJ-エリゼウ・アラウージョ(53分)、サバ-ロドリュブ・パウノヴィッチ(88分)
 ともに降格圏にいる両チームの争いは引き分けに終わっています。

マレーシアスーパーリーグ順位表(第7節終了時)

順位クラブ試合得点失点得失差勝点
1JDT76101641219
2クダFA7412128413
3ペラTBG7322912-311
4マラッカU741264210
5トレンガヌFC73131411310
6スランゴールFC724199010
7UITM FC731377010
8パハンFA7304101009
9フェルダU7133811-36
10PJシティFC7133610-46
11サバFA7133712-56
12PDRM FC7024310-7-1
*4位のマラッカUと12位のPDRM FCはそれぞれ、給料未払い問題により勝点3が剥奪されています。

マレーシアスーパーリーグ ゴールランキング(第7節終了時)

ゴール数選手名所属試合数
7ドミニク・ダ・シルヴァトレンガヌFC7
5イフェダヨ・オルセグンスランゴールFC7
5チェチェ・キプレクダFA7
4サンジャル・シャアフメドフ他6名

9月10日のニュース:ケランタンFA新オーナーはサフィク・ラヒム獲得を否定、スマレはパハン州FAの契約違反が退団の原因と主張、スマレはFIFAによる暫定ITCを持ってポリステロFCと契約

ケランタンFA新オーナーはサフィク・ラヒム獲得を否定
 Mリーグ2部ケランタンFAの新オーナーとなったノリザム・トゥキマン氏は、元代表チームで主将を務め、現在は1部マラッカ・ユナイテッドFCでプレーするMFサフィク・ラヒムや同じ1部のペラTBGのFWシャーレル・フィクリ獲得の噂を否定しているとマレーシア語紙ハリアン・メトロ電子版が報じています。
 ノリザム氏はクラブが抱える負債への対応を最優先とし、その負債については2週間以内に完済したいと話しています。そして負債問題が解決した後には、ケランタンFAの栄光を取り戻すために綿密な計画を立て、それを遂行したいとしています。
 また今季末に契約満了となるケランタンFAのユスリ・チェ・ラー監督の去就については、さらに1年の契約更新を予定していると話す一方で、今季終了時に確定したいとしています。さらに選手との契約更新についても、各選手の今後の試合でのパフォーマンスを見て評価するつもりであるとしています。

スマレはパハン州FAの契約違反が退団の原因と主張
 Mリーグ1部のパハンFAを「無断離脱」し、タイ1部リーグのポリステロFCと契約したとされるモハマドゥ・スマレがついに口を開いたようです。
 英字紙ニューストレイトタイムズ電子版は、26歳のスマレ選手とのインタビューを掲載し、その中でスマレ選手はパハンFAを運営するパハン州サッカー協会(パハン州FA)による発表やそれに基づいたネット上の自分への否定的な意見について容認できないと話しています。
 パハン州FAの会長を務めるトゥンク・アブドル・ラーマン・スルタン・アーマド・シャ殿下や(ガンビア出身の)自分がマレーシア国籍を取得し、代表でプレーする夢を実現させてくれたパハン州FAを尊重し、あえて発言を控えてきたと言うスマレ選手はネット上で自分に向けられた厳しいメッセージに傷ついたとしています。
 「自分とパハン州FAとの間の問題は新型コロナウィルスがきっかけで怒ったと思われているようだが、実際にはそれよりも前から存在している。もし、パハン州FAの誰かが自分が嘘を言っていると思うなら、その人物は公の場で『スマレは嘘を言っている』と言って欲しい。自分は自分の発言に責任を持っており、過去3年間に渡ってパハン州FAが契約義務を果たしていないことを示す証拠もある。」
 「3年間は耐えるにはあまりにも長い期間だった。自分はパハン州FAに手紙やメールを送ったが、話し合いの提案どころか、一度たりと返事をもらったことはなかった。そして今年の6月と7月にも郵送だけでなく、直接、手渡しで話し合いを求める文書を提出したが、パハン州FAの誰一人として返事をよこさず、それを示す証拠もある。」
 「パハン州FAの関係者には本当のことを明かして欲しいと切に願っている。(パハン州FAの会長を務める)トゥンク・アブドル・ラーマン・スルタン・アーマド・シャ殿下は、自分がパハン州FAに手紙を送ったことも、現在の事実も知らされていないと思う。一介の選手である自分が、直接、会長へ直訴することはできなかった。」
 こう話すスマレ選手は8月3日にもパハン州FAを訪れて、退団希望の手紙を手渡したと言うことですが、何の返事ももらえなかったと話しています。
 スマレ選手の問題が明らかになったのは先月、パハンFAのドラー・サレー監督がスマレ選手が1ヶ月近くチーム練習に参加していないことをメディアに明かしたことがきっかけでした。その後、スフィアン・アワン チームマネージャー(TM)がスマレ選手の行動を非紳士的でプロ意識に欠けると非難しました。
 これについてもスマレ選手は、パハンFAを離れた時期は1ヶ月以上前であり、メディアが取り上げるまではパハン州FAは何のコメントも出していないと話し、パハン州FAが自分のことを国際サッカー連盟FIFAに訴えるのであれば、対応する用意はできていると話しています。

スマレはFIFAによる暫定ITCを持ってポリステロFCと契約
 同じニューストレイトタイムズは、上の記事で取り上げたモハマドゥ・スマレがFIFAにより暫定的国際移籍証明書ITCを発給され、タイ1部リーグの残りシーズンはポリステロFCでプレーすると報じています。
 既に背番号が13となることも発表されているスマレ選手は、Mリーグ1部のパハンFAを運営するパハン州サッカー協会(パハン州FA)がITCの発行を拒否したことにより、正式な移籍が不可能とされていました。そこで今回のポリステロFCは、今季残りの期間はパハンFAが期限つき移籍させ、来季はこれまで何度も噂に上がっていた同じMリーグ1部のジョホール・ダルル・タジムJDTへ正式に移籍するのではと言った噂もありましたが、スマレ選手は、FIFAによる暫定的ITCによりフリーエージェントとしてポリステロFCへ移籍したようです。
 スマレ選手自身も「誰が自分がJDTに移籍すると言っているのだろう。そんな話はどこから出たのか。期限付き移籍といった話も全て誤った情報である。ポリステロFCとは完全移籍で契約する。タイでプレーしたいからタイへ行くのであり、タイではサッカーに専念したい」と述べています。
 この状況についてマレーシア国内でサッカー選手の代理人を務めるエフェンディ・ジャガン・アブドラ氏は、選手が所属先がない状態で放置されないよう、FIFAは一定の条件のもとで暫定的ITCを発給することがあると述べています。
 なおマレーシアサッカー協会FAMのユソフ・マハディ会長代理は、FAMがスマレ選手によるパハン州FAに対する不服申し立て審査を完了していないことを理由に、タイサッカー協会から出されていたスマレ選手のITC発給申請を許したことを明らかにしています。その後、タイサッカー協会はこの問題をFIFAに紹介し、FIFAが暫定的ITCをスマレ選手に発給したと話すユソフFAM会長代理は、パハン州FAがスマレ選手に対して法的措置を取ることは可能であるとも話しています。

9月8日のニュース:タイ1部リーグクラブがスマレの入団を発表、前所属のパハンFAはスマレに対し法的措置を検討、クダFA監督は来季はペラTBGを指揮か

タイ1部リーグクラブがスマレの入団を発表
 タイ1部リーグのポリステロFCが昨日9月7日にマレーシア代表ウィングのモハマドゥ・スマレの入団を公式Facebookで発表しました。背番号が13となることも発表されています。なおポリステロFCには同じ代表のセンターバックのドミニク・タンも在籍しており、BGパトゥム・ユナイテッドFC在籍のノーシャルル・イドラン・タラハと合わせ、今週末から再開されるタイ1部リーグでは3人の代表選手がプレーすることになります。
 ガンビア出身の帰化選手であるスマレ選手のポリステロFCの入団発表とともにアップロードされた映像では、スマレ選手がサポーターに向けて「バンコクで会いましょう」と挨拶しています。(以下はポリステロFCの公式Facebookより)

 なおタイ1部リーグはMリーグ同様に第4節を終えた時点でリーグが中断していましたが、今週末の9月12日より再開し、来年5月に終了する秋春制シーズンへと移行することを発表しています。

前所属のパハンFAはスマレに対し法的措置を検討
 英字紙ニューストレイトタイムズ電子版は、スマレ選手が所属していたMリーグのパハンFAが、契約違反として法的措置を検討していると報じています。
 パハンFAのスフィアン・アワン チームマネージャーは、スマレ選手のチームからの無断離脱について、スマレ選手は現在もパハンFAと契約中だとして、クラブが弁護士を雇って法的措置を取る予定であると話しています。
 「詳しいことは言えないが、タイのクラブとの契約は向こうであり、スマレ選手は現在もパハンFAと契約期間中である。」と話しています。
******
 経営不振が伝えられているパハンFAが今年に入り、新型コロナウィルスによるリーグ中断期間中に数回の給料が未払いとなっていたことから、契約書に含まれている条項を盾に退団、ポリステロFC入団に漕ぎ着けたと言われています。
 もしパハンFAが本当に裁判沙汰にするのであれば、それなりの根拠があるのだと思いますが、最初は派手な花火を打ち上げるものの、結局はしりすぼみになってしまうというマレーシアではありがちな対応で終わるような気がしなくもありません。
 もしそうだとしたら、振り上げた拳を下ろすところがないだけでなく、パハンFAの窮状を自ら明らかにすることになりそうです。またそうなれば、スマレ選手以外にもチームを今期中に離れる選手が続出しそうです。

クダFA監督は来季はペラTBGを指揮か
 先週のMリーグ1部第6節ではジョホール・ダルル・タジムJDTの対戦で0-7と惨敗したペラTBGの来季の監督候補に、同じMリーグ1部クダFAのアイディル・シャリン監督の名前が上がっているようです。
 マレーシア語紙ハリアンメトロ電子版は、大敗の責任はペラTBGのメフメト・ドゥラコビッチ監督一人の責任ではないとしながらも、4季を迎えるドゥラコビッチ監督はペラTBGを2018年にはマレーシアカップ優勝に導くなど実績は決して悪くない一方で、新しい戦術などの導入がないことからクラブ内では停滞感が感じられていることから、新監督獲得へ動く可能性が取り沙汰されています。
 今週にはシャリン監督の代理人がペラTBGを運営するペラ州サッカー協会(ペラ州FA)と面会し、契約内容の交渉を行うという話もあり、これが事実ならぺら州FAの本気度が感じられます。

Mリーグ1部スーパーリーグ2020年シーズン第6節結果

 9月4日(金)と9月5日(土)の両日に、1部スーパーリーグ第6節の6試合が行われました。以下結果です。(ホームチームが左側です。)
 *試合のダイジェスト映像は全てMFLの公式Youtubeより

9月4日(金)
ジョホール・ダルル・タジムJDT 7-0 ペラTBG
得点者:アフィク・ファザイル(22分)、ゴンザロ・カブレラ3(36分、45分PK、63分)、ラマダン・サイフラー(45分+2分)、サファウィ・ラシド(79分)、アキヤ・ラシド(84分)
 JDTは、追撃候補の一つペラTBGを全く寄せ付けず、JDTがゴンザロ・カブレラのハットトリックなどを含む今季最多得点で圧勝。2位に勝点差6をつけ、独走態勢に入りつつあります。

リカススタジアム(サバ州コタキナバル)
サバFA 1-2 スランゴールFC
得点者:サバ-ルドリュブ・パウノヴィッチ(65分)、スランゴール-イフェダヨ・オルセグン2(72分、81分)
 スランゴールFCは前節はベンチスタートだったイフェダヨ・オルセグンが先発し、終盤に2ゴールを決めリーグ再開後の初勝利を挙げています。
 一方、サバFAはリーグ再開から2連敗となっています。

ハン・ジェバスタジアム(マラッカ州クルボン)
マラッカ・ユナイテッドFC 1-0 トレンガヌFC
得点者:マラッカ-ウチェ・アグバ(61分)
 マラッカ・ユナイテッドFCが連勝。過去2試合で6得点無失点で2連勝のトレンガヌFCは完封負けしています。

9月5日(土)
ダルル・アマンスタジアム(クダ州アロースター)
クダFA 2-1 PJシティFC
得点者:クダ-クパ・シャーマン(24分)、チェチェ・キプレ(68分)、PJ-ワシントン・ブランダオ(16分)
 5バックで試合に臨んだPJシティが先制し、さらに守備的になった布陣をこじ開けたクダFAが連勝で2位に浮上。
 一方の3試合勝ち星なしのPJシティは11位のサバFAと勝点で並び、次節の直接対決が控えています。

UITMスタジアム(スランゴール州シャーアラム)
UITM FC 1-0 パハンFA
得点者:ラフィ・ヤアコブ(63分)
 昇格組のUITM FCが前節のフェルダ・ユナイテッドFCに続き、昨季2位のパハンFAに勝利する大番狂わせで、順位を一つ上げ4位としています。
 パハンFAはリーグ再開以降2連敗で、モハマドゥ・スマレ不在が響いています。

クアラルンプールフットボールスタジアム(クアラルンプール)
PDRM FC 1-1 フェルダ・ユナイテッドFC
得点者:PDRM-エスカンダル・イスマイル(59分)、フェルダ-カイルル・アムリ(71分PK)
 PDRM FCが今季チーム3ゴール目となるエスカンダル・イスマイルのゴールで先制しましたが、フェルダ・ユナイテッドFCが追いつき引き分けに終わっています。
 フェルダ・ユナイテッドFCは最下位のPDRM FC相手に勝点3を獲得してリーグ順位をあげたいところでしたが、今季未勝利の相手に引き分けが精一杯でした。
 フェルダ・ユナイテッドFCの恵龍太郎選手は先発でフル出場しています。

マレーシアスーパーリーグ順位表(第6節終了時)

順位クラブ試合得点失点得失差勝点
1JDT65101541116
2トレンガヌFC63121410410
3クダFA6312107310
4UITM FC631276110
5マラッカU64029549
6スランゴールFC62318809
7ペラTBG6222812-48
8パハンFA620489-16
9フェルダU613279-26
10PJシティFC612359-45
11サバFA6123611-55
12PDRM FC6024310-7-1
*5位のマラッカUと12位のPDRM FCはそれぞれ、給料未払い問題により勝点3が剥奪されています。

マレーシアスーパーリーグ ゴールランキング(第6節終了時)

ゴール数選手名所属試合数
7ドミニク・ダ・シルヴァトレンガヌFC6
5イフェダヨ・オルセグンスランゴールFC6
4サンジャル・シャアフメドフトレンガヌFC6
4ゴンザロ・カブレラJDT6
4クパ・シャーマンクダFA6
4チェチェ・キプレクダFA6

9月2日のニュース:スマレはタイのクラブへ移籍か、FAMはクラブ民営化期限の遵守を改めて警告

スマレはタイのクラブへ移籍か
 Mリーグ1部パハンFAに所属するモハマドゥ・スマレは、Mリーグ再開となった8月28日の対JDT戦にベンチ入りしなかったどころか、過去1ヶ月ほどチームの練習にも参加していないことはこのブログでも昨日取り上げました。
 そのスマレ選手がタイ1部リーグのクラブの練習参加していると、英字紙ニューストレイトタイムズ電子版が報じています。
 代表でもプレーする26歳のスマレ選手が練習に参加しているのは、マレーシアU23代表やフル代表でのプレー経験もあるドミニク・タンが今年から所属しているタイ1部リーグのポリス・テロFCです。
 26歳のスマレ選手がどのような経緯でパハンFAを離れてポリス・テロFCの練習に参加しているかは不明ですが、タイのメディアによれば、今月9月末に開幕するタイリーグの2020/21シーズンからはタイのクラブでプレーすると報じられています。
 スマレ選手自身も詳細は明らかにしていないものの、今後はバンコクを拠点とすることを明言しているということです。
 ガンビア出身のスマレ選手は2018年にマレーシア国籍を取得し、マレーシア人のちをひかない初めての帰化選手として代表入りを果たした以降は、主力選手として活躍しています。
 なお今回の騒動ではパハンFAを運営するパハン州FAやサポーターからスマレ選手に対する非難が出ていますが、これについてスマレ選手は、現時点では何も話せないが、明らかにで切る時期がきたら全てを話すと述べるに留めています。
******
 JDTへの移籍が取り沙汰せれているスマレ選手ですが、このタイクラブへの移籍が腰掛け的なもので、その後にJDTへ移籍という流れがあるかも知れません。なお、同僚となったタン選手はポリス・テロFCへ移籍する前にはJDTに所属していました。
 また別の報道では、スマレ選手とパハンFA間で交わされた契約書に含まれる「クラブが2回にわたり給料を支払わない場合には、選手は無条件で契約を破棄できる」という条項をもとに契約を破棄し、高額オファーを受けてタイへ渡ったともされています。パハンFAはリーグ再開後には不参加が噂されるほど経営が逼迫(逼迫)していると噂されており、スマレ選手だけが批判されるべきでない可能性もあります。

FAMはクラブ民営化期限の遵守を改めて警告
 マレーシアサッカー協会FAMは9月30日を期限として、各州のサッカー協会(州FA)が運営するクラブを民営化することを義務付けています。その期限まで1ヶ月を切ったことでFAMは改めて警告を発し、民営化が達成されないクラブが3部リーグに降格となることを強調しています。
 来季2021年シーズン以降に国内リーグMリーグ1部と2部のプロリーグに参加するためのクラブライセンスを取得するためには、アジアサッカー連盟AFCが設けた規定によりクラブの民営化が義務付けられています。
 今年2020年には、マレーシアはMリーグ1部優勝チームに与えられているAFCチャンピオンズリーグの本戦出場枠に加えて、AFCカップの出場枠を2枠与えられています。AFCの規定に沿わないクラブが国内トップリーグでプレーすることをFAMが許可すれば、このAFC主催大会への参加枠が減少する可能性もあることから、今回の民営化についてFAMは妥協しないことをスチュアート・ラマリンガムFAM事務局長も強調しています。
 スチュアート事務局長は現在、既に5クラブが民営化を完了し、12クラブがその手続きを行なっているとする一方で、3クラブは手続きに着手すらしていないことを明らかにしています。
 「民営化手続きが遅れていたり、着手できていないクラブには、現在の運営組織の規約により民営化後にクラブを運営する運営会社の設立ができなかったり、経営会議の総意が必要であったりなど様々な理由があることは理解しているが、期限までに民営化ができないクラブは3部へ降格となる。これにより1部と2部に参加するクラブ数が減少することを受け入れることについてはMFLとFAMは意見が一致している。」とスチュアート事務局長は話しています。

9月1日のニュース:パハン州FAはスマレに対して懲戒を検討、ケランタン州FAはクラブの民営化手続き書類の提出完了

パハン州FAはスマレに対して懲戒を検討
 Mリーグ第5節の結果のところでも取り上げた通り、Mリーグ1部のパハンFAに所属するムハマドゥ・スマレは過去1ヶ月練習に参加してないことをドラー・サレー監督が明らかにしていますが、マレーシアの通信社ブルナマはスマレ選手とパハンFAとの関係がこじれてしまっているようだと報じています。
 マレーシア人の血を引かない初めての帰化選手となったガンビア出身のスマレ選手は、2017年シーズンからパハンFAでプレーしています。代表でも主力選手であるスマレ選手とパハンFAとの契約は2022年まで残っているということですが、パハンFAのチームマネージャーを務めるモハマド・スフィアン・アワン氏は「スマレ選手の職業倫理に反する行動を見る限りでは、既にパハンFAでプレーする気持ちがないのだろう。パハンFAを運営するパハン州サッカー協会(パハン州FA)はスマレ選手の行動を重く見え、契約違反に対する懲戒処分を科す予定である。」と話しています。
 さらにモハメド・スフィアン チームマネージャーは、スマレ選手の獲得についてどのチームからも正式な獲得交渉を持ちかけられていないことも明らかにし、チームの知らないところで交渉が行われている場合には、チームとしては何もできないと話しています。
 一方スマレ選手は自身のインスタグラムを更新し、パハンFAのサポーターに謝罪をすると同時に、現時点では明らかにできることがないとも述べています。
******
 これまでもJDTへの移籍が噂されてきたスマレ選手ですが、昨季同じようにパハンFAからJDTへ移籍したマシュー・デイヴィーズのようにスムーズな移籍とはならなそうな様相です。財政的に苦しいとされるパハン州FAは、JDTが違約金を払えばスマレ選手を放出する用意はありそうですが、JDTが正式なオファーをしない理由があるのかも知れません。いずれにせよ、代表でも主力のスマレ選手が飼い殺しになってしまうような環境はできるだけ早く解消するよう関係者の皆さんの尽力に期待しましょう。

ケランタン州FAはクラブの民営化手続き書類の提出完了
 Mリーグ2部のケランタンFAを運営するケランタン州サッカー協会(ケランタン州FA)は、民営化手続きに必要なすべての書類をマレーシアサッカー協会FAMに提出したことを公式Facebook上で発表しています。
 この手続きが完了すれば、新たに設立される民営化クラブのケランタンフットボールクラブ(ケランタンFC)はケランタン州FAから独立した団体となります。
 ケランタン州FAは、クラブ運営会社のチームレッドウォリアーズ社(TRW社)をすでに設立済みで、来季からはケランタン州FAに代わってTRW社がケランタンFCを運営します。またケランタンFCは、これまでこのブログでも取り上げてきたかつての在籍選手に対する未払い給料などの負債についてもその責任を負わないとされています。
 またケランタン州FAは今後は州内のサッカー振興に注力することを中心に、州内リーグの開催や年代別大会、さらにはサッカークリニックの開催などが主な事業となる一方、TRW社はケランタンFCの経営を行い、選手や監督、コーチの獲得や給料支払いやMリーグの試合運営などが業務となります。
 このためケランタンFCのオーナーとなることを希望する場合にはこのTRW社の株式購入という形で経営に参画することになり、ケランタン州FAの干渉を受けずに経営が可能になるとこの記事は結んでいます。
******
 来季2021年シーズン以降のケランタンFCについては様子がわかりますが、これまでの未払い給料の支払いについては、何も言及されていません。ケランタン州FAとしても巨大な財源である入場料収入を失って、果たしてどのように未払い給料問題を解決するのかは不明ですが、いずれにしても早く解決して選手が不安なくプレーできるような環境になって欲しいです。(以下の写真はケランタンFAのFacebookより)