8月24日のニュース:Mリーグ再開に向けて1部スーパーリーグ展望Part1

Mリーグ1部スーパーリーグ展望Part1
 英字紙ニューストレイトタイムズはアジトパル・シン記者の署名記事で、8月26日から再開されるMリーグ1部スーパーリーグの展望を掲載していますので、今回はその記事の内容に便乗し、さらにボラセパマレーシアJP視点の(=素人感丸出しの)コメントをつけたものをお届けします。
 新型コロナウィルスの影響によって3月16日に中断して以来、およそ5ヶ月ぶりに再開されるMリーグ。今季2020年シーズンは従来のホームアンドアウェイ方式から1回戦総当たりとなり、無観客試合を条件に8月26日より再開されます。
 観衆がいないことによりホームチーム有利の常識は覆されるのか、リーグ6連覇中のジョホール・ダルル・タジムJDTの牙城を崩すチームは現れるのか、などシーズンは短縮されたとは言え興味は尽きません。それでは、シン記者の展望を見ていきましょう。なお順番はリーグ中断となった3月16日の第4節終了時の順位です。

1位 ジョホール・ダルル・タジムJDT(3勝1分0敗-勝点10)

<残り試合>*Aはアウェイ、Hはホーム
パハンFA(A)、ペラTBG(H)、トレンガヌFC(A)、スランゴールFC(H)、PJシティFC(A)、サバFA(H)、マラッカ・ユナイテッド(A)
<シン記者評>
 リーグ随一のスター軍団が、万が一7連覇を達成できなければ大きな失望となるが、その一方で一回戦総当たり方式とサポーターの不在がチームに影響を与える可能性もある。また、ここまで無敗できているものの、パハンFA、ペラTBG、トレンガヌFC、スランゴールFCなどリーグ上位との対戦が残っている。
 AFCチャンピオンズリーグを控えるJDTは、ベンヤミン・モラ監督が主力選手を中心にいわゆる「ローテーション」を導入して選手を入れ替える可能性もあるが、リーグ連覇のためには選手起用の失敗は許されない。
 Mリーグ自体よりもその価値が大きくなったJDTは国内リーグよりもACLのようなより大きな大会に集中すべきである。
<シン記者の今季順位予測>
 リーグ優勝
<ボラセパマレーシアJP的私見>
 個人的に気になるのは、チーム練習に再開していないハリス・ハルン主将の状況です。膝の手術を受けた後、現在は母国のシンガポールで回復を待ち、チーム合流はリーグ再開直前になるということです。シンガポール代表の主将で、吉田達磨監督も全幅の信頼を寄せているというハリス選手はJDTでもチームの支柱であり、彼の回復が間に合わない場合、その穴はスター軍団といえ埋めるのは容易ではないでしょう。
 また、ここまで3勝1分の結果とは言え、相手は今季1部昇格組のUITM FCやPDRM FC、そして対戦時は明らかになってはいなかったものの、後に選手への給料が未払いであった(その結果モチベーションが低い可能性があった)クダFAにいずれも僅差で勝利しているだけで、リーグ5位のフェルダ・ユナイテッドとは引き分けるなど圧倒的な強さを見せつけたわけではありません。ACL前にチームが消耗しないように気を使いながらの選手起用を行う場合、残り7試合では1つでも取りこぼせば、それを挽回する余裕もないため、気の抜けない試合が続くことになりそうです。

2位 ペラTBG(2勝2分0敗-勝点8)

<残り試合>
マラッカ・ユナイテッド(H)、JDT(A)、UITM FC(H)、PDRM FC(A)、フェルダ・ユナイテッド(H)、パハンFA(A)、クダFA(H)
<シン記者評>
 ここまで無敗のペラTBGは、再開後もその調子を維持できれば打倒JDTの一番手になりうる。メフメト・ドゥラコビッチ監督はリーグが一回戦総当たりとなったことで、JDTの独壇場から各チームが同じ土俵に乗ったと考えており、二人合わせて5ゴールと攻撃陣を引っ張るシャレル・フィクリとギリェルメ・デ・パウラを筆頭に各ポジションに好選手が揃っており、第6節9月4日のJDTとの対戦に注目が集まる。
<シン記者の今季順位予想>
3位
<ボラセパマレーシアJP的私見>
 主力選手のMFブレンダン・ガンとFWノー・ハキム・ハッサンが共にスランゴールへ移籍した一方で、今季からMリーグの他のクラブから加入した外国籍選手のFWデ・パウラとMFチエリー・チャンタ・ビンが機能し、戦力ダウンを感じさせないメンバーで戦えているペラTBG。やはり注目はシン記者が指摘する9月4日のJDT戦です。リーグ中堅どころとの試合はすでに終えているペラTBGが、もしこの試合でJDTに勝利することがあれば、17年ぶりのリーグ優勝も見えてきます。

3位 トレンガヌFC(2勝1分1敗-勝点7)


<残り試合>
サバFA (H)、マラッカ・ユナイテッド (A)、JDT (H)、UITM FC (A)、PDRM FC (H)、フェルダ・ユナイテッド (A)、パハンFA (H)
<シン記者評>
 トレンガヌFCは過去4試合でリーグ最多の10失点と、守備陣の底上げがリーグ再開時の課題となる。攻撃陣は過去4試合で10ゴールを決めており、攻守のバランスが取れれば、今季注目のチームとなりうる。
<シン記者の今季順位予想>
4位
<ボラセパマレーシアJP的私見>
 8月22日のPJシティFC戦に勝利し、3位に浮上したトレンガヌFC。シン記者の指摘通り、得点も失点も多いこのチームは今季ここまで10得点と9失点で得失差+1ですが、過去の記録を見ても1部に昇格した2018年シーズンは得失差+1(32得点、31失点)で5位、2019年は同-2(35得点、37失点)で7位となっています。現在、6ゴールでリーグの得点王のFWドミニク・ダ・シルヴァ、FWリー・タック、MFサンジャル・シャアフメドフの外国籍選手を中心とした攻撃陣による得点は計算できるので、上位を狙うには守備陣が奮起し、このノーガードの打ち合いのような試合をどれだけ減らせるかが鍵になりそうです。 

4位 パハンFA(4試合-2勝0分2敗-勝点6)

<残り試合>
JDT (H), UITM FC (A), PDRM FC (H), フェルダ・ユナイテッド (A), クダFA (H), ペラTBG (H), トレンガヌFC (A)
<シン記者評>
 パハンFAの状況は謎に満ちている。チームは経営状況が厳しく、リーグ再開が決まった際には、今季の残りを辞退するという噂も出たほどで、今季終了後には多くの選手が放出されるという噂もある。選手の給料は支払われたということだが、チーム内のムードは決して良好とは言えず、ドラー・サレー監督がどれだけチームのやる気を引き出せるかがリーグ再開時の課題となる。
 今季の残り日程を見ると、PDRM FC戦以外は苦しい試合になることが予想される。
 Mリーグで最強のストライカーだったディクソン・ヌワカエメはかつての輝きを失っており、イヴァン・カルロスがその代役を務めることが期待される。
<シン記者の今季順位予想>
6位
<ボラセパマレーシアJP的私見>
 過去3シーズンは2位、4位、2位と安定した力を示す一方で、これまでJDTのタイトル争いを脅かすことがなかったパハンFA。モハマドゥ・スマレ、アザム・アジーと代表のレギュラーMF2人を抱えるなど、各ポジションに人材が揃っていますが、このチームは少ない得点を全員で守り切って勝つスタイルなので、リーグ再開後は守備陣の活躍に注目です。
 シン記者が指摘している通り、スマレ選手には来季、JDT移籍の噂もあり、クラブ経営が苦しいのであれば、中途半端に上位を目指さず来季以降を目標にして、思い切った若手の登用に舵を切るのも面白いかも知れません。

8月11日のニュース:来季は複数のMリーグクラブに新たなオーナーが誕生か、ケランタンFA買収に投資家が名乗りを上げる、スランゴールFCとパハンFAは民営化後は共に皇族がクラブのトップに

来季は複数のMリーグクラブに新たなオーナーが誕生か
 マレーシアサッカー協会FAMは、国内リーグMリーグ1部と2部の全てのクラブに対して9月30日までに州サッカー協会(州FA)から独立した民営化クラブとなることを求めていますが、未払い給料問題を抱えるクラブが複数あり、その前途は多難かと思いきや、マレーシア語紙ハリアンメトロ電子版によると、Mリーグクラブ買収に関心がある企業や個人が一定数おり、そういった中から新たなオーナーが誕生する可能性もあるようです。
 Mリーグ1部ではペラTBGの他、クダFAやマラッカ・ユナイテッドといった数百万リンギを超える未払い給料を含めた負債を抱えるクラブや、やはり未払い給料が問題となっているMリーグ2部のケランタンFA、ペナンFAの他、クアラルンプールFAなども買収の対象となっているようです。
 この報道を裏付けるように、ケランタンFAを運営するケランタン州FAのフシン・デラマン事務局長は外国企業による買収の問い合わせを受けたことを明かし、未払い給料問題を抱えるクラブであっても、買収対象として関心を持たれていることに驚いたと話しています。
 またペラTBGを運営するペラ州FAのモハマド・アズリン・モハマド・ナズリ名誉事務局長も同様の問い合わせを受けていると話す一方、クアラルンプールFAのノクマン・ムスタファ事務局長は個人の資産家から調査を受けたことを明かしています。
 なお、イツのサッカー情報サイトトランスファマルクトによると上記の各クラブの資産価値は、Mリーグ1部のクダFAが2000万リンギ(およそ5億500万円)、マラッカ・ユナイテッドが1930万リンギ(およそ4億8700万円)、ペラTBGが1650万リンギ(およそ4億1600万円)、Mリーグ2部のクアラルンプールFAが1090万リンギ(およそ2億7500万円)、ペナンFAが840万リンギ(およそ2億1200万円)そしてケランタンFAが360万リンギ(およそ9080万円)となっています。

ケランタンFA買収に投資家が名乗りを上げる
 上の記事と関連して同じハリアンメトロは、Mリーグ2部ケランタンFAの買収に投資家のノリザム・トゥキマン氏が名乗りを挙げていると報じています。
 U19代表候補のワン・クザインの父親であるアメリカ在住の大学教諭ワン・カマル・ワン・ナピが買収から手を引く一方で、ケランタン州FAはこのノリザム氏と交渉を行い、既に同意書にサインする寸前まで話が進んでいるということです。
 ケランタン州FAのフシン・デラマン事務局長によれば、ノリザム氏はケランタンFAの再生計画なども明かし、ここまでの話し合いは順調に進んでいるということで、今後は詳細を詰めた後に、公式な契約にサインされる予定であると話しています。

スランゴールFCとパハンFAは民営化後は共に皇族がクラブのトップに
 Mリーグクラブ民営化関連では、共にMリーグ1部のスランゴールFCとパハンFAが共に皇族がクラブのトップとなりそうだと、ハリアンメトロが報じています。
 スランゴールFCが民営化される際には、スランゴール州皇太子のトゥンク・アミル・シャア・スルタン・サラフディン・イドリス・シャア殿下を筆頭株主とし、これにスランゴール州FAも一部株式を保有する他、スランゴール州の機関であるスランゴール開発公社PKNSや州首相企業MBIなども株式を持つということです。なお一部の株式はサポーターに対しても売り出される可能性があることを、スランゴール州FAのシャーリル・モクタル副会長は明らかにしています。
 一方パハンFAを運営するパハン州FAはパハン州皇太子のトゥンク・アブドル・ラーマン・スルタン・アーマド・シャア殿下がオーナーを務める企業を中心としたグループが買収する形で民営化が行われる予定だということです。
 Mリーグにはジョホール州皇太子でTMJの愛称で知られるトゥンク・イスマイル殿下がオーナーのジョホール・ダルル・タジムJDTがありますが、JDTはトゥンク・イスマイル殿下が単独オーナーですが、スランゴールFCとパハンFAは皇太子を中心としたグループによる運営となりそうです。
 なおドイツのサッカー情報サイトトランスファマルクトによると、スランゴールFCは1950万リンギ(およそ4億9200万円)、パハンFAは1420万リンギ(およそ3億5800万円)の資産価値があるとなっています。

8月3日のニュース:クダFA選手が未払い給料問題を正式に申し立て、クアラルンプールFAは来季はKLユナイテッドとして民営化、スランゴールFCは来季もMBPJスタジアムをホームとする可能性が浮上、ケランタンFA監督は給料未払いの状況下での選手のモチベーション低下を憂慮

クダFA選手が未払い給料問題を正式に申し立て
 マレーシアサッカー協会は、Mリーグ1部のクダFAの選手からマレーシアプロサッカー選手会PFAMに対して未払い給料に関する正式な申し立てが行われた報告を受けたことを明らかにしています。
 スポーツ専門サイトのスタジアムアストロによると、この報告を受けたFAMはクダFAを運営するクダ州サッカー協会KFAに対して、今月8月31日までに未払い給料の支払いを強く指示し、支払われない場合には来季2021年シーズンのMリーグに出場するライセンスがKFAに発給されない可能性があるとしてます。
 FAMのスチュアート・ラマリンガム事務局長は、2月からの5ヶ月間、給料が支払われていないとするクダFAの選手23名の連記による申し立てがPFAMになされ、PFAMからFAMに正式に報告されたと話しています。
 スチュアート事務局長は、未払い給料問題が8月31日までに解決しない場合には、この問題はPFAMからFAMの案件となり、来季2021年シーズンのMリーグ出場のためのライセンス発給に影響が出ることは必至であると話しています。
 さらにスチュアート事務局長は今季のFAカップが新型コロナウィルスの影響で中止となったことから、昨季のFAカップ優勝チームのクダFAが来季2021年のアジアサッカー連盟AFCチャンピオンズリーグ予選に出場資格を得たことを発表した上で、給料未払い問題の解決が遅れれば、FAMはこのACL予選の出場権剥奪も検討するとしています。
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 これまでメディアでは公然の事実として語られながら、正式な申し立てが行われていないことから対処のしようがないとスチュアート事務局長が繰り返してきたクダFAの未払い給料問題がいよいよ解決に向けて動き出したようです。
 その一方で別のメディアでは、3名の外国籍選手が弁護士を立てて8月14日を期限とした未払い給料の支払いを求め、それが実現しない場合には退団も辞さないという報道もあり、8月31日とされる期限を前に今後の展開が注目されます。

クアラルンプールFAは来季はKLユナイテッドとして民営化
 Mリーグ2部のクアラルンプールFAを運営するクアラルンプールサッカー協会KLFAは、9月30日の期限までにクラブの民営化を完了し、2年後を目処にKLFAから完全に独立したクラブチームとすることを目指していると、マレーシア語紙ハリアンメトロ電子版が報じています。
 KLFAのノクマン・ムスタファ事務局長は、来季のMリーグ1部および2部への出場だけでなく、AFC主催大会に出場するためにはクラブの民営化が条件となっていること挙げ、民営化されたクラブをKLユナイテッドと名付けると発表しています。
 またマレーシアサッカー協会FAMのクラブライセンス担当部署への問い合わせの結果、KLFAから完全に独立したクラブとするための期間としてして2年の猶予が与えられているとして、この間に企業スポンサーなどを獲得し、クラブにおけるKLFAの持ち株を放出すると話しています。
 「クラブの民営化後もKLFAは運営会社を設立するまで、クラブの主要株主として関与するが、同時に新たなクラブへの投資を希望する企業を獲得できるよう努めていく。まずは民営化クラブとして歩き始め、5社から6社のスポンサーを獲得するというのがKLFAが現在考えているプランである。」とノクマン事務局長は述べています。
 またMリーグ1部のペラTBGを運営しているペラ州サッカー協会PAFAのアズリン・ナズリ名誉理事は、「民営化を行わなければ、ペラTBGは(Mリーグ3部の)セミプロリーグでプレーすることになるが、そうするわけにはいかないので、期限の9月30日までには民営化手続きを完了したい。」として、今週に予定されているPAFAの総会で民営化についての計画を発表するとしています。

スランゴールFCは来季もMBPJスタジアムをホームとする可能性が浮上
 マレーシア語紙ブリタハリアン電子版は、Mリーグ1部スランゴールFCが来季のホームゲームをスランゴール州プタリンジャヤにあり、同じ1部のPJシティFCのホームであるMBPJスタジアムで開催する可能性があると報じています。
 スランゴールFCのサティアナタン・バスカラン監督は、スランゴールFCを運営するスランゴール州サッカー協会FASがMBPJスタジアムを来季のホームとすると決定した場合には異論はないと話しています。
 この発言は数日前にFASのジョハン・カマル・ハミドン事務局長が、本来の本拠地であるシャーアラムスタジアムで行われる予定の改修工事の終了時期が定かではないことから、来季のスランゴールFCのホームゲームの開催地としてMBPJスタジアムを候補に挙げた発言を受けてのものです。
 なおスランゴールFCは、Mリーグを運営するマレーシアフットボーリーグMFLが崩落の危険のある天井の修理が終わっていないシャーアラムスタジアムの使用を禁じていることから、8月26日に再開する今季Mリーグの残りのホームゲームを全てMBPJスタジアムで開催することを発表しています。
 サティアナタン監督は(収容観客数が8万人の)シャーアラムスタジアムに比べ、公称2万5000人収容のMBPJスタジアムでは、サポーターが入りきれない可能性があると述べる一方で、来季2021年シーズン開幕時にシャーアラムスタジアムの改修が終わっていない場合の代案を用意しておく必要があると述べています。

ケランタンFA監督は給料未払いの状況下での選手のモチベーション低下を憂慮
 マレーシア語紙コスモ!電子版によれば、Mリーグ2部ケランタンFAのユスリ・チェ・ラー監督は、過去4ヶ月以上に渡って給料を支払われていない選手やスタッフのモチベーション低下を心配していると話しています。
 先週7月31日はイスラム教の重要な祭日であるハリラヤ・アイディルアドハ(ハリラヤ・ハジ)でしたが、ユスリ監督はこの祭日を祝えるよう、せめて半月分の給料を全員に支給してくれるようにとケランタンFAを運営するケランタン州サッカー協会KAFAに掛け合ったということですが、それも聞き入れられず、質素な祝事しかできなかったことを明らかにしています。なおKAFAはユスリ監督の依頼を受けた後で、わずかな金額を支給したということですが、祝辞の準備にすら足りない額だったとユスリ監督は述べています。
 この件については、ケランタンFAのファリシャム・イスマイル主将も自身のインスタグラムでKAFA経営陣への失望をあらわにしていたということで、ユスリ監督は受け取った金額は明らかにできないとしながらも、ファリシャム主将があらわにした失望から推し量れるだろうと話しています。
 ケランタンFAは8月26日のリーグ再開に向けて、7月22日より練習を再開し、ユスリ監督は経営陣に全額ではなくとも一部給料を支払うための話し合いを続けているということですが、選手の精神状態を考えると、リーグ再開後に全員が全力でプレーできるのかどうかが心配であると述べています。
 渡邉将基選手が所属するケランタンFAは、リーグ中断前には3試合で1勝1分1敗の7位につけており、他のチームに先駆けて8月22日に雷雨で中止となった第2節のUKM FCとの試合でリース再開後の初戦に臨みます。
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 ケランタンFAは新型コロナウィルス感染防止のためのリーグ中断中に韓国出身のカン・サンジョ(康承助)選手が退団していますが、カン選手に続いて退団したという複数のマレーシア人選手の名前もネット上で見られます。KAFAはこれを否定していますが、8月22日の対UKM FC戦のメンバーがリーグ中断前とは大きく変わっている可能性もあります。

8月2日のニュース:二度目の検査で陰性反応もクチンFAの今季Mリーグ参加は再開直前まで確定せず、クダFAのエースは月給が300万円超えではないと明言、9月末の期限までに民営化しないクラブは来季は3部降格も

二度目の検査で陰性反応もクチンFAの今季Mリーグ参加は再開直前まで確定せず
 先日このブログでも取り上げたMリーグ2部クチンFAの選手5名が新型コロナウィルスの綿棒検査で陽性となった件ですが、その後、新たな進展があり、改めて行われた血液検査ではこの5名全員が陰性となっています。
 クチンFAのイスワンディ・アリ・ハサン事務局長は、この5名の選手は、3度目の検査を控えて現在は自宅隔離中だと明かした上で、状況が悪化し、Mリーグを運営するマレーシアフットボールリーグMFLがリーグ出場辞退を求めた場合はそれを受け入れる用意があると話していることを、英字紙ニューストレイトタイムズ電子版が報じています。
 自宅隔離中というイスワンディ事務局長は「我々自身でリーグ出場辞退を申し出たくはないが、もしMFLからそのような依頼があれば、他のクラブに問題が及ばないよう、その依頼を受け入れる予定がある。」と話しています。
 なお現在のチームの状況は、8月8日までは選手及びスタッフ全員が自宅隔離となっており、選手は活動制限令MCO発令時と同様に各自が自宅でトレーニングを行なっているということです。
 またMFLのアブドル・ガニ・ハサンCEOはMリーグ再開となる8月26日の1週間前に、再度クチンFAの選手とスタッフの健康状態については検査を行い、その結果を理事会に諮って最終決定を下す予定であることを発表しています。
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 昨日8月1日の時点で678名の感染者が確認されているサラワク州ですが、州政府は現在、マレー半島からボルネオ島にあるサラワク州に入る場合には14日間の隔離措置を課しており、この措置が今後も続くとクチンFAのMリーグ出場の障害になる可能性も浮上しています。8月26日から短縮日程で再開されるMリーグ1部と2部は試合の間隔が詰まっており、最大でも7日間しかなく、クチンFAは再開初戦となる8月26日の第5節はホームゲームですが、第6節9月2日はペラIIとの試合はマレー半島でのアウェイ、そこから4日後の9月6日の第7節はホームでサラワク・ユナイテッドと「サラワクダービー」が控えています。

クダFAのエースは月給が300万円超えではないと明言
 マレー語紙ブリタハリアン電子版によると、Mリーグ1部クダFAのエースストライカーでリベリア出身のクパ・シャーマンは、自分の月給が12万5000リンギ(およそ311万円)ではないことを明らかにしています。
 過去5ヶ月間の給料が未払いとなっているクダFAですが、この6月にクダFAを運営するクダ州サッカー協会の新会長に就任したムハマド・サヌシ・ムハマド・ノー州首相が給料未払いは前経営陣の責任であると非難し、その中で月給12万5000リンギの選手と契約するなど予算を遥かに超える放漫経営だったと発言しました。
 これを受けてネット上ではこの高額取りは誰か、という「魔女狩り」が始まり、今季クダFAへ移籍してきた昨季のリーグ得点王のシャーマン選手ではないか、という声が上がっていましたが、これに対してシャーマン選手はこれを否定しています。
 「当初はこの件についてコメントする気はなかったが、自分の月給が12万5000リンギであるという噂が一人歩きし始めたので、これが真実ではないことを明らかにしたい。また、こういった噂を発した人物は、まず真実かどうかを確かめた上で発言するべきだ。」「たとえ実際にこのような金額を受け取っている選手がいるとしても、給料をメディアや大衆に公表することは、職業倫理に反することである。」とシャーマン選手は述べています。
 またシャーマン選手は5ヶ月間続いている給料未払いについて、給料未払いは我々選手だけでなく、その家族にも影響が及ぶことに加え、これ以上クラブが悪く見られることを避けるためにも、責任を負うべきものが直ちにこの問題の解決に取り組むべきだと話しています。

9月末の期限までに民営化しないクラブは来季は3部降格も
 マレーシアサッカー協会FAMは。9月30日に設定されている期限までに民営化されなかったクラブに対して、来季2021年シーズンをMリーグ3部降格処分を下す可能性があると、ニューストレイトタイムズ電子版が報じています。
 FAMの民営化特別委員会のフィルダウス・モハマド委員長は、これまで民営化が完了しているのは6クラブのみであり、現在手続きを行っているのは8クラブであることを明らかにしています。
 民営化が完了しているのは1部のジョホール・ダルル・タジムJDT、PJシティFC、2部のサラワク、ヌグリ・スンビラン、3部のマレーシア国軍FC、現在はリーグに参加していないプルリスの6クラブということです。(注:2019年までMリーグ所属のプルリスFAを運営していたプルリス州サッカー協会は給料未払い問題が未解決のため、その運営クラブのリーグ参加が認められていません。)
 民営化クラブ(FC)の設立は、Mリーグ1部と2部に運営クラブが所属する20団体(1部のJDT、スランゴールFC、ペラTBG、トレンガヌFCの4クラブはBチームが2部に所属)およびマレーシア国軍、プルリス州FAに求められており、各州サッカー協会(州FA)が運営するクラブは民営化に加え、州FAから完全に独立した存在となる必要があります。またJDTやPJシティFCのように既に州FAから独立して運営されているクラブについては民営化が求められています。
 またフィルダウス委員長は民営化手続きを始めていないクラブとしてMリーグ1部ではクダ、ペラ、サバ、マレーシア王立警察PDRM、パハン、UITM FC、2部ではクアラルンプールの名を挙げる一方で、このうちの5つのクラブはFAMが支援を行なっていることも明らかにし、期限までは2ヶ月しかないことを警告した上で、期限内に民営化が完了しないクラブは来季はMリーグ3部のM3リーグからスタートする可能性にも言及しています。
 この民営化促進はアジアサッカー連盟主導のものであること、そしてマレーシアは東南アジアの他国に比べると遅れを取っていることも明らかにしたフィルダウス委員長は「この民営化を実施することにより、負債を抱えた後、それを残したまま運営から手を引く無責任な運営団体を根絶することができ、さらに優良なスポンサーを集めることになる。」として、Mリーグのクラブで拡大している未払い給料の問題の解決にもつながると話しています。

7月11日のニュース:Mリーグは8月15日から再開か、カリド選手のゴールデンブーツに125万円の値が つく、スランゴールFC監督はカリド選手に同情も引退後の準備不足も指摘

Mリーグは8月15日から再開か
 マレーシア政府による新型コロナウィルス関連の定例記者会見の席上で、身体接触を含むスポーツの練習が7月15日より、そしてサッカーなどの試合の実施が8月15日より許可されることが発表されています。
 英字紙スター電子版によると、イスマイル・ヤアコブ上級相は昨日7月10日に行われた定例会見の席上でサッカー、ラグビー、ホッケー、セパタクロー、バスケットボール、スカッシュなどの身体接触を含む球技と空手やテコンドー、シラットなどの格闘系競技の身体接触を含む練習が可能になることを発表しています。これに伴いフットサル場などの商業運動施設も営業が可能になるということです。
 また身体接触を含まないバドミントンなどの競技やモータースポーツはこの7月15日より試合実施が許可される一方、身体接触を含むサッカーやラグビーなどの競技の試合実施については、1ヶ月遅れて8月15日から可能になるということです。
 なお身体接触を含む競技か否かにかかわらず、どの競技も観客を入れた上での試合開催については許可されていません。
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 8月15日からの試合実施許可が出たことで、Mリーグの再開時期も当初予定されていた9月1日から前倒しになりそうです。当初はMリーグを運営するマレーシアフットボールリーグMFLは9月中の4週間に各クラブが毎週2試合を実施してリーグ戦の残り8試合を消化する過密日程を発表していましたが、8月中旬のリーグ再開が可能となれば、日程に余裕が生まれ、各クラブも歓迎することでしょう。

カリド選手のゴールデンブーツに125万円の値がつく
 ペラFA(現ペラTBG)や代表でプレーしたストライカーのカリド・ジャムルスがMリーグ得点王を記念するゴールデンブーツやメダル、ユニフォームなどをオークションにかけたことはマレーシアのサッカーファンに様々な反応を引き起こしましたが、英字紙ニューストレイトタイムズによれば、そのゴールデンブーツに5万リンギ(およそ125万円)の値がつけられたということです。
 2002年のペラFA時代に22ゴールを挙げて獲得した記念の品に対して、サバ州からのオークション参加者によってつけられた5万リンギという値段は、カリド選手が最低落札価格として設定した1万500リンギ(およそ26万2000円)を大きく上回っています。
 カリド選手はゴールデンブーツの状態はとても良いわけではないが、他のクラブの外国籍フォワードと競った結果の品には尊重されるべき価値があるだろうと話しています。
 2児の父ながら過去3年間は無職というカリド選手は、同情は不要だが、今後は人生で意味のある仕事につきたいと話す一方で、支援を申し出たペラ州政府がこの5万リンギより高い値をつけるかどうかを1週間ほど待つと話しています。
 またカリド選手の苦境を知った青年スポーツ省のワン・アーマド・ファイサル・ワン・アーマド・カマル大臣代行とも面会したカリド選手は「自分は貴重な経験を持っているので、これを分かち合いたいと持っているが、コーチの職を与えられなければそれも無理で、(パハンFA監督の)ドラー・サレーや(マラッカ・ユナイテッド監督の)ザイナル・アビディン・ハサンのように選手から指導者へと転身することもできない。自分のような元選手は、そういった機会がなければ消え去るのみである。」と話しています。
 B級コーチライセンスを持っているというカリド選手は、ファイサル大臣代行との面会の内容は明かしていないということですが、ファイサル大臣代行はカリド選手はサッカー界の財産であるとして、青年スポーツ省として支援したいと話しています。
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 かつての名選手ということで同情する声も少ないくないですが、無職だった過去3年間に、Mリーグ1部や2部では無理でも、下部リーグやアマチュアリーグで指導経験を積むくらいの時間も余裕もあったと思うのですが、それもせずに泣きを入れる辺りは今後の指導者としての資質に疑問符がつきそうな気もします。

スランゴールFC監督はカリド選手に同情も引退後の準備不足も指摘
 Mリーグ1部スタンゴールFCの監督でもあるマレーシアサッカーコーチ協会MFCAのサティアナタン・バスカラン会長は、Mリーグ1部と2部を併せて24クラブしかない現状は、マレーシア人指導者にとってプロコーチの職に就くには厳しい環境であると述べています。
 現在のMリーグではある程度の実績を持つ指導者しか監督、コーチになることは難しいとした上で、いったんコーチとしての仕事を失えば、また実績を積むまでは次のクラブを見つけることは難しいと話しています。
 (マンCの)ペップ・グアルディオラや(リバプールFCの)ユルゲン・クロップなら、こちらがクラブを探さずともクラブの方から自分を見つけてくれるが、過去の名選手という程度で指導者としての実績がなければ、他のマレーシア人指導者や外国籍指導者との勝負に勝つ必要があると話しています。
 「マレーシア国内にはA級あるいはB級コーチライセンスを持つ指導者が何千人といる。元代表選手というだけでコーチの職に着けると考えているのであれば、アドバンストA級のコーチライセンスを持ちながら仕事がない元代表選手の名を何名でも挙げることができる。」と述べるサティアナタン会長は、上記のカリド選手の苦境について、自分がケランタンFA監督時代の選手であったこともあり、記念の品を手放さなければならないのは残念だと話しています。
 しかし誰もがコーチになれるわけではないという現実を認識するべきだとも話すサティアナタン会長は、選手の多くが現役引退後の生活についての計画がないことが問題だと指摘しています。その上で、マレーシア国軍が除隊後の生活のための教育プログラムを用意していることを指摘し、サッカー選手にも同様のプログラムを導入するべきかもしれないと述べています。

7月8日のニュース:ペラ州政府がかつての名選手の支援を検討、FAMはアフリカ出身の帰化選手候補の審査を書類不十分により終了、「日本は東南アジアの才能豊かな若い選手に常に注目している」ヤクルト濱田社長

ペラ州政府がかつての名選手の支援を検討
 マレーシアの通信社ブルナマは、かつてペラ州サッカー協会PAFAが運営するペラFA(現ペラTBG)で活躍したストライカーのカリド・ジャムルスへの経済支援をペラ州政府が検討していると報じています。
 ペラ州のアーマド・ファイザル・アズム州首相は、ペラFAや代表で活躍したかつての名選手が苦境を聞くたびに心が痛むと話し、カリド選手に対してどのような支援を行えるかをPAFAと話し合ったことを明かしています。
 カリド選手は先週、現在の経済的困窮状況を明らかにした上で、2002年シーズンに17ゴールを決めて獲得したMリーグ得点王表彰のゴールデンブーツを1万500リンギ(およそ26万4000円)で手放したことを自身のFacebook上で明らかにしていました。このゴールデンブーツの他、現役時代のユニフォームや獲得した様々なメダルなどの記念品も併せてオークションで売却したとして、代表でも2004年の東南アジアサッカー連盟AFF選手権で6ゴールを決めたかつての名選手の現状に同情が集まっていました。
 2012年を最後にMリーグでプレーしていないカリド選手は過去3年間は無職だったとも報じられています。

FAMはアフリカ出身の帰化選手候補の審査を書類不十分により終了
 マレーシアサッカー協会FAMは、コンゴ民主共和国出身のマルセル・カロンダから申請されていた帰化選手審査を終了すると公式サイトで発表しています。
 22歳のカロンダ選手は祖父がサバ州出身であるとしてマレーシア人の血筋を持つHeritage Playerの資格で帰化を申請していました。
 しかしFAMのスチュアート・ラマリンガム事務局長の発表によると、FAMはコンゴ共和国サッカー協会FECOFOOTや当地のコンゴ共和国領事館を取る一方で、カロンダ選手から提出されていた書類をマレーシア法務省下の国家登録局JPNに提出したところ、JPNからは一部の内容が無効であるという連絡を受け取ったということです。
 FAMは既にカロンダ選手に審査終了の連絡を通知したということです。
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 実はこのカロンダ選手については、3月頃から当地のサッカーファンの間では話題になっていました。しかし、その後も何の確証も現れず、単なる噂とカロンダ選手自身の主張のみを根拠に期待だけが大きくなっていったこともあり、このブログでは積極的には扱わないことを決め、取り上げたのも先月の一度だけでした。
 ここ数年は帰化選手の増加によってマレーシア代表の力が底上げされているのは事実ですが、マレーシア国内でプレーもせず、突然、マレーシア人の血筋を引いていると主張する外国籍選手は、所詮、現在居住する国では代表になれない選手たちが機会を求めているだけに過ぎないような気がします。
(下は公式Facebookに掲載されたカロンダ選手の審査終了の告知)

「日本はアセアンの才能豊かな若い選手に常に注目している」ヤクルト濱田社長
 マレーシアの国営テレビRTMにJ2岡山のハディ・ファイヤッド選手とヤクルトマレーシアの濱田浩志社長が出演したと、マレーシアのサッカー専門サイトのヴォケットFCが報じています。
 「国外へ選手派遣は有意義か、時間の無駄か」と題されたこの番組の中で司会者のニニ・イブラヒム氏は岡山からオンラインで出演したファディ選手に対して、現地の気候や文化、日本の新型コロナウィルス対策などサッカー以外の話題なども含めたインタビューを行い、ハディ選手もAチーム入りを目指す強い決意を表明しました。
 続いて番組に登場したの濱田社長は、新型コロナウィルスによって現在は停止しているものの、ヤクルト社がこれまで行ってきたマレーシア国内の草の根レベルのサッカー支援、そして今年後半に予定されている国内大会への支援、そして優勝チームの日本派遣などについて説明しました。
 その後、司会者からハディ選手を支援する理由を尋ねられた際は、ハディ選手の支援は同社の企業の社会的責任活動CSRの一環であると述べています。さらに他のマレーシア人選手を今後日本へ派遣する予定があるかどうかを尋ねられた濱田社長は、同社はサッカー選手の代理人ではないので、日本国内のクラブへの橋渡しはするが、選手を受け入れるかどうかは先方のクラブ次第であると述べた他、もし自ら望んで日本へ行きたい選手がいれば、日本のクラブへ紹介することはできる、と答え、その際には日本はアセアン(東南アジア諸国連合)の才能豊かな若い選手に常に注目していると話しています。
 なお、この番組の映像はこちらからご覧になれます。

6月27日のニュース:Mリーグ16クラブに練習再開許可、FAMはプロ契約を逃したエリートアカデミー出身者に大学進学の道を模索、クダFAのアズミール・ユソフが退団を発表、Mリーグクラブの監督が相次いで観客を入れての試合を要望

Mリーグ16クラブに練習再開許可
 マレーシアの通信社ブルナマは、国内リーグのMリーグを主催するマレーシアフットボールリーグMFLが、1部スーパーリーグと2部プレミアリーグのそれぞれ8クラブに第一段階の練習再開許可を与えたことを報じています。
 この16クラブは、綿棒テストの結果や消毒済みの練習場の登録、フィールド上での身体接触プレーの禁止が守れられているかなどを監視する責任者の任命などMFLが設けた練習再開基準を満たした上で、必要書類を全て提出したクラブだということです。
 MFLのアブドル・ガニ・ハサンCEOは「(身体接触プレーが禁じられている)第一段階の練習は、(身体接触プレーが可能になる)第二段階の練習へと進めるかどうかの重要な基準となる。各クラブが練習中も社会的距離(ソーシャルディスタンス)として3mから5mを維持するなど標準作業手順SOPを守っているかを注視したい。Mリーグの全クラブからの協力が得られれば、第二段階の練習への移行も予定より早まる可能性がある。」と述べています。
 なお練習再開許可が出ているMリーグ1部のクラブは、UITM FC、スランゴールFC、ジョホール・ダルル・タジムJDT、トレンガヌFC、ペラTBG、マラッカ・ユナイテッド、フェルダ・ユナイテッドFC、クダFAの8クラブ、Mリーグ2部はヌグリスンビランFA、スランゴール2、JDT II、トレンガヌFC II、ペナンFA、クチン FA、ペラIIとクアラルンプールFAの8クラブです。

FAMはプロ契約を逃したエリートアカデミー出身者に大学進学の道を模索
 マレーシアサッカー協会FAMは、教育省とともに運営するプロサッカー選手養成のエリートアカデミーであるモクタル・ダハリ・アカデミーAMDの卒業生に大学進学の道を開こうとしていると、マレー語紙ブリタハリアン電子版が報じています。
 18歳までの選手を対象としているAMDから1年間に40から50人の選手が卒業しますが、その全員がMリーグクラブと契約できるわけではないことから、プロ契約を逃した卒業生が大学など高等教育機関へ進学して、スポーツ科学などの勉強を続けることができるよう、高等教育省が設けているスポーツ選手優遇プログラムを通じての進学が可能になるようにしたいと、FAMのスチュアート・ラマリンガム事務局長が高等教育省のスポーツ部門のトップを務めるペカン・ラムリ氏との会談の席上で述べています。
 「このルートでの進学が可能になれば、進学先大学のサッカー部でのプレーも可能になり、その後のMリーグクラブ入団などにもつながる可能性もある。この実現に向けて、FAMと高等教育省との間で戦術機協力関係を築くために、近々両者の間で了解覚書MOUを交わす予定もある。」とスチュアート事務局長は述べています。

クダFAのアズミール・ユソフが退団を発表
 クダFAの選手が自ら契約解除を申し出ているという話はここでも取り上げましたが、これまで名前が明かされていなかったこの選手がアズミール・ユソフであることがわかりました。
 アズミール選手が自身のインスタグラムで明らかにしたもので、これまでの報道通り、クダFAを揺らしている給料未払い問題とは無関係で、自らが行っている仕事に専念したいことが理由であるとしています。
 2016年の1シーズンを過ごした後、昨季2019年にクダFAに復帰していたアズミール選手は退団後は、自身が関わっているというクダ州のイスラム教義に基づいた宗教学校の建設に関わっていくとしています。

Mリーグクラブの監督が相次いで観客を入れての試合を要望
 Mリーグ2部クアラルンプールFAのニザム・アズハ・ユソフ監督は、Mリーグ再開時には観客を入れての試合開催を提案していると、マレー語紙ハリアンメトロが報じています。
 マレーシアでは新型コロナウィルス感染拡大を防ぐため営業が禁止されていた映画館や劇場が7月1日から営業再開となりますが、これを例に挙げたニザム監督は、人数を制限し、人が集まる映画館やモスクなど宗教施設などと同様の標準作業手順SOPを守った上での観戦なら可能なのではないかと述べています。
 「従来は5000人収容の施設なら、入場者を1000人に制限するなどすれば、感染も可能なのではないか。サポーターの存在は選手の力を引き出す源になる。」とニザム監督は話しています。
 またMリーグ1部スランゴールFCのサティアナタン・バスカラン監督もサポーターのSOP遵守を信用して、観戦許可をでしても良いのではないかと述べています。
 8万人収容可能なスランゴールFCのホーム、シャーアラムスタジアムでは社会的距離(ソーシャルディスタンス)の確保も可能だと話すサティアナタン監督は、マレーシア政府が発表している感染者数が減少していることもあり、マレーシア政府が観戦許可を出すことを期待していると話しています。
 「サポーターの存在はサッカーの試合では不可欠である。リーグ再開当初は人数制限が必要だとは思うが、たとえ少人数であっても感染の許可が出ることを望んでいる。」とサティアナタン監督は話しています。

6月17日のニュース:130億円超のサッカー都市プロジェクトは前FAM会長に捧げる、トレンガヌFCとトレンガヌFCは綿棒検査終了、スランゴールFC監督は来月予定の代表候補合宿への選手派遣に難色

130億円超のサッカー都市プロジェクトは前FAM会長に捧げる
 マレーシア政府がプトラジャヤに建設を計画している予算5億リンギ(およそ130億円)を超えるスポーツ施設について、アヌアル・ムサ連邦直轄地担当大臣は、この施設を元FAM会長の故スルタン・アーマド・シャー殿下に捧げたいと話していると、マレーシアの通信社ブルナマが報じています。
 1984年から2014年までFAMの会長を務めたスルタン・アーマド殿下は、1994年から2002年までAFCの会長を、2011年から2019年まではAFFの会長も務めており、2000年には、クアラルンプールのブキジャリルにAFC本部となるAFCハウスを建設する際にも尽力しています。
 アヌアル連邦直轄地担当相は、かつて自身がFAM副会長を務めた時代に会長であったスルタン・アーマド殿下がFAM、ASEANサッカー連盟AFF、そしてアジアサッカー連盟AFCの本部をプトラジャヤに移すことを発案し、そのための土地の提供を申し出ことを明かした上で、「スルタン・アーマド殿下による貢献を考えると、新たなスポーツ施設は『スルタン・アーマド・シャーサッカー都市』あるいは『スルタン・アーマド・シャーサッカーおよびスポーツ都市』とするのが至極当然である。」と話しています。
 またアヌアル大臣は近々、スルタン・アーマド殿下の子息でもある現在のマレーシア国王のスルタン・アブドラ国王に謁見し、この施設にスルタン・アーマド殿下の名を使う許可を求める予定であると話しています。
 この日、アヌアル大臣はプトラジャヤ開発公社とハミディン・モハマド・アミンFAM会長、ウィンザー・ジョン・ポールAFC事務局長との間での行われた覚書交換式典に参加しています。
 プトラジャヤサッカー都市計画は、連邦直轄地プトラジャヤの42.43エーカー(東京ドームのおよそ3.6倍)の土地にAFCが管理する10000人収容規模のスタジアムとFAM、AFC、AFFの本部、そしてマレーシア代表チーム専用の練習施設が建設される巨大プロジェクトで、AFCはおよそ1億米ドルの建設費用を負担し、マレーシア代表の練習施設はマレーシア政府が負担します。この他、プトラジャヤをスポーツに優しい街とするために、この施設の周辺にも地域住民のためのサッカー場が4面建設されるということです。

トレンガヌFCとトレンガヌFCは綿棒検査終了
 Mリーグ1部のトレンガヌFCと、トレンガヌFCのBチームで鈴木ブルーノ選手が在籍するMリーグ2部のトレンガヌFC IIは、これまで禁止されていたチーム練習を再開する条件となる綿棒検査を終了したと、マレー語紙ブリタハリアン電子版が報じています。
 ホームとなるスルタン・ミザン・ザイナル・アビディンスタジアムで行われた綿棒検査は両チームの選手の他、監督、コーチおよび関係者を対象に行われましたが、まだ自国にいるシンガポール出身のファリス・ラムリはマレーシア政府移民局によるシンガポールからの入国許可が出るのを待っているため、検査は受けていないということです。
 この後、査結果をMリーグを運営するマレーシアフットボールリーグMFLに提出し、MFLから練習再開の許可が出れば、ナフジ・ザイン監督率いるトレンガヌFCとロシャディ・ワハブ監督率いるトレンガヌFC IIは晴れて練習再開となります。
 トレンガヌFCのアーマド・シャリザル・ヤハヤ チームマネージャーによれば、検査結果が出るまでには2日ほどかかり、その結果をMFLに送ることから、実際の練習再開までには数日かかるとしています。
 練習再開許可が出た場合は、クラブとして国家安全委員会、マレーシア政府保健省、MFLによる標準作業手順SOPに沿った練習を行うとしています。

Football: Selangor prefer own Super League training

スランゴールFC監督は来月予定の代表候補合宿への選手派遣に難色
 Mリーグ1部スランゴールFCのサティアナタン・バスカラン監督は、来月予定されている代表候補合宿へ選手を派遣するよりも自チームで練習することを望んでいると英字紙ニューストレイトタイムズ電子版に語っています。
 先日、タン・チェンホー監督は10月から再開となるFIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選兼AFC選手権アジアカップ2023年大会予選に向けて、来月7月に短期の代表候補合宿を検討していると話しましたが、これに対してMリーグのクラブの中には難色を示しているとされていました。
 9月に再開予定のMリーグに備えて、今週から来週にかけて各クラブは約3ヶ月ぶりとなるチーム練習を始める予定ですが、多くのクラブが所属選手を試合ができるレベルの状況まで仕上げることを優先したいとしています。また、FIFAの国際マッチデー期間外に行われる7月の代表候補合宿には招集に応じる義務も発生しないことも、各クラブが難色を示している理由の一つとされています。
 スランゴールFCのサティアナタン監督は、スランゴールFCの選手2度のようなトレー人が必要かは自分が一番理解しているとして、代表候補合宿に派遣するよりは自チームで練習を続けることが選手にとっても最善であると話しています。
 自身も元代表監督の経験もあるサティアナタン監督は、5日間ほどの代表候補合宿での練習が身体接触を避けるもののであれば、体力トレーニングが中心となり、それならばわざわざ代表の練習に参加しなくとも、スランゴールFCでの練習で十分であると話しています。
 しかしその一方で、代表候補合宿での練習が身体接触を含んだり、クラブレベルでは現在も禁じられている練習試合などが行われるのであれば、喜んで選手を参加させたいとしており、来月7月に合宿を行うのであれば、各クラブの声も聞くべきではないかとも話しています。
 なお、新型コロナウィルス感染に伴う臨時措置として、FIFAは代表に招集された選手が招集を拒否して、自クラブで練習することも認めています。
 また同じMリーグ1部ペラTBGのメフメト・ドゥラコビッチ監督は、自チームの選手が7月の代表候補合宿に招集されることがあれば、喜んで参加させたいと話しています。
 「我々が選手を育てているのは代表チームのためであり、自分のチームの選手が代表に招集されるのは喜ばしいことである。代表のタン監督がペラTBGの選手が欲しいと言えば、全面的に協力したい。」と話しています。

6月1日のニュース:Mリーグは8月に再開の可能性も、「マレーシア人選手はタイリーグを目指すべき」-マットヨー、そこでタイリーグでプレーすべきマレージア人選手7人

Mリーグは8月に再開の可能性も
 6月9日に予定されている条件付き活動制限令CMCOの解除が近づいてきました。これまで何度か延長が繰り返されてきた活動制限令も、今回は解除されることが予想されていますが、そうなれば予定を前倒しにして8月のリーグ再開の可能性があると、英字紙ニューストレイトタイムズ電子版が報じています。
 マレーシア政府の国家安全保障委員会と保険省は今月6月中に、Mリーグ再開時期を決定するとしています。
 マレーシアサッカー協会FAMとMリーグを運営するマレーシアフットボールリーグMFLは4月には、標準業務手順SOPを設けた上で9月のリーグ再開許可をマレーシア政府へ申請しましたが、今月6月9日に予定通りCMCOが解除された場合、7月には通常のチーム練習の再開、そして8月にはリーグが再開される可能性があるとして、各方面と協議に入っているということです。
 また、8月にMリーグが再開となれば日程に余裕ができ、選手のケガや疲労などの不安が解消されるだけでなく、10月に再開予定のFIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選にも選手が万全の状態で臨めるなどの利点もあるとしています。

「マレーシア人選手はタイリーグを目指すべき」-マットヨー
 今季からタイ1部リーグのBGパトゥム・ユナイテッドでプレーするマットヨーことノーシャルル・イドラン・タラハは、マレーシア人選手にタイリーグでのプレーを目指すべきと話していると、スポーツ専門サイトのスタジアムアストロが報じています。
 スタジアムアストロに関連するスポーツニュース番組のナディアリーナに出演したノーシャルル選手は、タイを目指すべき理由として給料の支払いが遅延なく行われることを一番の理由に挙げています。「経営陣も練習施設も充実しているが、給料の支払いはMリーグのクラブよりもはるかに確実に行われている。」と話しています。
 実際にMリーグ1部スーパーリーグの選手数名がノーシャルル選手に現地の状況を問合せ、タイでプレーする可能性を考えて情報収集を行っていることも明らかにしています。
 「タイのクラブと同様の環境が得られるのは、マレーシアではジョホール・ダルル・タジムJDTくらいであり、マレーシア人選手はタイでプレーすることを考えるべきだ。」と話しています。
 タイでのプレーに関心があり、ノーシャルル選手に問い合わせてきた選手の中には代表選手も数名いるということです。
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 マレーシア国内ではケランタンFA、JDT、パハンFAなどでプレーし、代表のキャップ数も80を数えるノーシャルル選手。往年のキレは無くなったものの、タイリーグでプレーしてくれていることで、後進への道筋は付けられたということでしょうか。
 なおタイ1部リーグでは、ノーシャルル選手のほか、ドミニク・タンがポリス・テロFCでプレーしています。

そこでタイリーグでプレーすべきマレージア人選手7人
 上のような記事が出るとすぐに関連記事を掲載するサッカー専門サイトのヴォケットFCが今回も早速、やってくれました。
 現時点では東南アジアでトップといえるタイリーグでプレーすべきマレーシア人選手としてヴォケットFCが選んだのは以下の7人です。僭越ながら、その後に個人的なコメントも書いてみました。
1 シャフィク・アーマド(ジョホール・ダルル・タジム)
現時点では国内のトップストライカーとされるシャフィク選手は、国外で揉まれることより良い選手となれるだろうと、ヴォケットFCは評しています。
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FIFAワールドカップアジア二次予選での2ゴールを含め、昨年は代表では5ゴールを挙げる安定したパフォーマンスを発揮しながら、JDTでは絶対的なエースとはなり切れていないシャフィク選手。25歳という年齢を考えると、JDTでのプレーに拘らず、他のクラブで飛躍をして欲しいという思いは私も同感です。

2 ノー・アザム・アジー(パハンFA)
アザム選手はパハンFAと代表の中盤のキープレーヤー。タイリーグでプレーすることで、その実力が磨かれるだろうとしています。
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代表でもレギュラーとして活躍するアザム選手で気になるのはその線の細さ。選手層があまり厚くない代表では、25歳ながら換えの効かない選手なので、タイリーグでプレーして当たりに強い選手になって欲しいです。

3 シャルル・サアド(ペラTBG)
国内でトップのDF(センターバック)は2018年のマレーシアカップ優勝に貢献するなど実績もあります。さらなるレベルアップを目指して国外でプレーするべきとしています。
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個人的にはポカの多い選手という印象が強いシャルル選手ですが、センターバックに人材不足の代表ではやはり欠かせない選手です。27歳という年齢も国外でのレベルアップには最後のチャンスかも。

4 アダム・ノー・アズリン(JDT)
代表ではアイディル・ザフアンとシャルル・サアドの影に隠れることが多いですがアダム選手ですが、国外でプレーすることでワンランク上の選手になってくれるでしょう。
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シャフィク・アーマド同様、24歳ながら代表で準レギュラーとしてプレーしながら、JDTでは絶対的なレギュラーに慣れていないアダム選手に求めたいのは、確実なプレーです。出場機会が増えるなら、是非、移籍を考えて欲しいです。

5 サファウイ・ラシド(JDT)
誰もが認める現時点でのトッププレーヤーは、国外でプレーするべきときが来ています。
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個人的にはタイよりは日本や韓国、あるいはヨーロッパなどもう一つ上のリーグを目指して欲しい、まさにマレーシアのエースです。23歳ながら2年連続リーグMVPを獲得するなど、もうマレーシアで手に入れられるものは全て手に入れたサファウィ選手には、タイを踏み台にしてさらに上を目指して欲しいです。

6 シャミ・サファリ(スランゴールFC)
代表ではマシュー・デイヴィーズ(JDT)と右サイドバックのポジションを争うシャミ選手。国外でプレーすることで不動のレギュラー獲得に近づくでしょう。
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22歳とは言え過去2年間で既に18キャップを獲得しているシャミ選手。2018年のAFF選手権スズキカップ準決勝のタイ戦でゴールエリアの外から決めた美しいゴールはタイ代表の選手の印象にも残っているはずですので、是非、その印象が残っているうちに挑戦して欲しいです。

7 ハリス・ハイカル・アダム・アフカル(スランゴール2)
次世代の代表DF陣の中心となることが期待されている18歳のハリス・ハイカルは、国外でプレーすることで彼の持つポテンシャルを引き出せるのではないでしょうか。
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今回の7人の中で唯一の10代の選手。このブログでも取り上げているルクマン・ハキム・シャムスディンとともにU22代表でもプレーしています。個人的にはタイリーグから、アセアン枠のある韓国や日本でのプレーを目指して欲しい選手です。

5月12日のニュース:ペラFAは今後の給料削減を検討、ケランタン州FAへの寄付は2日間でおよそ10万4000円、「今でも代表でプレーする準備はできている」-サフィー・サリ

ペラFAは今後の給料削減を検討
 新型コロナウィルスの影響で中断中のMリーグでは多くのクラブが給料削減を行っています。そんな中、ペラTBGを運営するペラ州サッカー協会PAFAは、これまで給料削減を行っていなかったものの、今後は給料削減について選手やスタッフと交渉を始める可能性があると、マレーシアの通信社ブルナマが報じています。
 PAFAのモハマド・アズリン・ナズリ名誉事務局長は、ペラTBGの選手は契約通りの給料を支払われていると話す一方で、選手やスタッフにはまだ伝えていないとしながら、今後は給料削減交渉を行う準備を進めていると話しています。
 「クラブと選手およびスタッフの双方にとって納得がいくような交渉を行い、わずかでもPAFAの経済的負担が軽減されるようにしたい」とモハマド・アズリン名誉事務局長は話しています。
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 リーグが中断して間もなく2ヶ月になり、これまでこのブログでも多くのクラブが給料削減を行ったことを取り上げてきましたが、未だに給料削減を行っていないクラブがあったとは正直驚きです。給料削減だけでなく、給料未払い問題を複数のクラブが抱える中、開幕から負けなしの2勝2分、ジョホール・ダルル・タジムJDTに次ぐ2位でリーグ中断期間に入ったペラTBGは運営するPAFAの財務状況が安定していることがその好成績につながっているのかも知れません。

ケランタン州FAへの寄付は2日間でおよそ10万4000円
 ケランタン州サッカー協会KAFAは、かつて在籍した外国籍選手の未払い給料62万9620リンギ(およそ1560万円)を今月末までに支払わうことを国際サッカー連盟FIFAに命じられています。もし支払えなければ、KAFAが運営するMリーグ2部のケランタンFAがリーグ戦の勝点剥奪(はくだつ)などの処分を受ける可能性がありますが、この他にも100万リンギ(およそ2480万円)近い従業員積立基金の雇用主負担分の未払いなどもあるとされ、KAFAの台所は火の車であることから、サポーターに寄付を募る告知を行ったことは先日のブログでも取り上げました。
 そしてこの告知から2日間で4197リンギ(およそ10万4000円)が集まったと、マレー語紙ブリタハリアンが報じています。
 KAFAのアーマド・ムザッキル・ハミド実行委員長によると、およそ2000名のサポーターが一人当たり1リンギ(およそ25円)から10リンギ(およそ248円)の寄付を行ったということです。
 「KAFAは全ての寄贈者に感謝したい。数千人のサポーターが寄付をしたという事実によって、ケランタンFAが多くのサポーターに支持されていることがわかる。寄付はクダFAなど他のクラブのサポーターからも受けており、このまま寄贈者の数が数十万人になるかも知れない。」と夢のようなことを語っています。
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 支払い期限とされる5月30日まであと20日足らずですが、かつてはKAFAの会長も務め、本来ならクアラルンプールFA会長になるべきアヌアル・ムサ現連邦直轄地大臣はKAFAの支援を公言しています。ケランタン州出身でKAFAのアドバイザーを務めるアヌアル大臣の他、ザレッドウォリアーズTRWとして知られるケランタンFAのケランタン州外のサポーターも支援を明言していますが、果たして期限までに支払いできるのかどうかに注目が集まります。

「今でも代表でプレーする準備はできている」-サフィー・サリ
 2010年の東南アジアサッカー連盟AFF選手権スズキカップでは決勝での3ゴールを含めた5ゴールを挙げ大会得点王としてマレーシアの優勝に貢献したサフィー・サリは、現在も代表でプレーしたい気持ちは決して衰えていないようです。
 Mリーグ1部のPJシティFCでプレーするサフィー選手は、現在中断中のFIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選兼AFC選手権アジアカップ2023年大会予選に出場する代表チームに招集されることがあれば、攻撃陣の強化に貢献できる自信があると、マレーシアの通信社ベルナマに話しています。
 .「これまで言い続けてきたように、現役選手としてプレーしている間は代表チームでプレーしたい、という気持ちは少しも衰えていない。招集される用意はいつでもできている。」、「これまでの経験と(自分のポジションが)代表では人材不足のストライカーであることから、きっと代表チームに貢献できる。」と語る36歳のサフィー選手が最後に代表に招集されたのは2017年のフィリピン代表との国際親善試合です。
 代表キャップ数79、代表通算ゴール23を誇るサフィ選手はスランゴールFA、インドネシア1部リーグのペリタ・ジャヤFC、JDT、PKNS FCを経て、昨季2019年シーズン途中からPJシティFCに加入しています。