10月2日のニュース:JDTは優勝がかかるホーム最終戦でパブリックビューイング開催、クダFA対マラッカUの試合はマラッカUの自宅隔離措置を受け日程変更、スズキカップにベストメンバー招集は困難-タン代表監督、民営化後のクダFAの名称はダルルアマンFCに決定

JDTは優勝がかかるホーム最終戦でパブリックビューイング開催
 Mリーグ1部のジョホール・ダルル・タジムJDTは今節第10節で勝点1を獲得すれば今季2020年シーズンの優勝とリーグ7連覇が決定しますが、本日10月2日にJDTのホーム、スルタン・イブラヒムスタジアムで行われる第10節の対サバFA戦で、ドライブインシアターならぬドライブインパブリックビューイングが開催されることがJDTの公式Facebookで告知されています。
 新型コロナウィルス感染拡大を防ぐため、今季のMリーグ1部と2部の試合は無観客で開催されており、サポーターはスタジアム内で観戦することができません。
 告知ではJDTのシーズンパス保有者650名に加え、一般のサポーター先着1500名に無料のドライブインパブリックビューイング参加用パスが配布されるということです。
 そしてこのパスを持参してスルタン・イブラヒムスタジアムに車で乗りつければ、スタジアム外に設置される大型スクリーンでライブ中継を観戦できるということで、試合後には花火などのアトラクションも用意されているということです。
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 今季ホーム最終戦でもあり、現在、リーグ11位のサバFAとの対戦ということで勝点1どころか圧倒的な勝利を収めてサポーターの前で優勝を決め、一緒にそれを祝いたいというところでしょうか。なおJDTの公式Facebookでは、本日のパブリックビューイングの予想映像も投稿されています。

クダFA対マラッカUの試合はマラッカUの自宅隔離措置を受け日程変更
 Mリーグ1部今節第10節のクダFA対マラッカ・ユナイテッドFCの試合が本日10月2日から10月4日に変更されることが、Mリーグを運営するマレーシアフットボールリーグMFLの公式Facebookで告知されています。
 前節第9節の対サバFA戦を9月27日にサバ州コタキナバルで戦ったマラッカ・ユナイテッドFCは、新型コロナウィルスのクラスターが複数発生したサバ州からの渡航者全員に感染検査と検査結果が出るまでの自宅隔離をマレーシア政府が義務付ける方針を打ち出したことから、遠征から戻った後も練習ができない状況が続いており、MFLに対して日程変更を希望していました。
 MFLはこれを受け、対戦相手のクダFAの同意を得た上で日程変更を決定した経過を報告しています。

スズキカップにベストメンバー招集は困難-タン代表監督
 今年開催予定だった東南アジアサッカー連盟選手権AFFスズキカップは、来年2021年4月11開幕となったことは昨日のこのブログで紹介しましたが、FIFAが定める国際マッチデー期間ではない時期に開催されることから、大会に参加するマレーシア代表にはベストメンバーが招集できない可能性が指摘されています。
 国際マッチーで期間でなければ、Mリーグの各クラブは選手の招集に応じる義務が生じないことから、代表のタン・チェンホー監督は代表チームに有力選手が招集できない可能性を認めた上で、マレーシアサッカー協会FAMやMリーグを運営するマレーシアフットボールリーグMFLと対策を協議したいと、スポーツ専門サイトのアストロアリーナに話しています。
 「Mリーグが開催中であれば、各クラブの監督が主力選手を代表に合流させず、次チームの試合に出場させたいことは理解できるが、その一方で代表はスズキカップに出場して試合をする必要がある。そこで具体的ない方法はまだ決まっていないが、クラブと代表の双方にとって利点があるような方法をFAMと検討していきたい。」とタン監督は話しています。
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 前回2019年大会では決勝に進むもベトナムに敗れて準優勝に終わったマレーシアにとって、次回2021年大会では雪辱を期する大会となりますが、ここ数年ではベストメンバーと言われる布陣で大会に臨みながら、準決勝のタイには辛勝、決勝のベトナムにはスコア以上の差を見せつけられて敗れているだけに、どのようなメンバーで代表が構成されるのかで前回大会を大きく下回る結果にするなる可能性があります。

民営化後のクダFAの名称はダルルアマンFCに決定
 一昨日の9月30日が期限となっていたMリーグ1部と2部のクラブの民営化ですが、民営化ととなれば、州FAが運営しているクラブのうち、州FAの名称をそのまま流用しているクラブは新たな名称を使う必要があります。そんな中、クダFAは新たなクラブ名としてダルルアマンFCを選んだことが、スポーツ専門サイトのスタジアムアストロで報じられています。
 クダ州の正式名称がクダ・ダルル・アマン(ダルル・アマンは「平和な場所」とでも訳せるでしょうか」)であることから、新たなクラブ名がダルルアマンFCとなったようです。
 クダ州首相でもあるクダ州サッカー協会(クダ州FA)のムハマド・サヌシ・ムハマド・ノー会長はこの名前が選ばれた理由として、別に候補として上がっていたクダFCが省略されるとKFCとなり、ケンタッキーフライドチキンKFCと同じ名称となることを避けたかったという冗談とも本気とも取れる理由を披露したということです。

10月1日のニュース:スマレがいよいよタイへ出発、州FA内には信用できない人々がいた-サティアナタン前スランゴールFC監督、今年開催予定だったスズキカップは来年4月11日開幕

スマレがいよいよタイへ出発
 Mリーグ1部のパハンFAを離脱し、タイ1部リーグのポリス・テロFCと契約したムハマドゥ・スマレがいよいよタイ入りしました。
 英字紙ニューストレイトタイムズ電子版によると、スマレ選手は9月29日にクアラルンプール国際空港からバンコク行きの便に搭乗したということです。
 スマレ選手は出国前にメディアと会見し「タイリーグは自分にとっては未知の経験だが、失うものは何もない。タイでプレーをすることでより良い選手になることが自分の目的であり、自分がどこまでやれるかに挑戦したい。」と話し、今回の移籍が期限付き移籍ではなく、フリーエージェントとして移籍することを強調する一方で、前所属のパハンFAに関する質問には答えなかったようです。
 ポリス・テロFCとは6ヶ月契約を結んだことを明かしたスマレ選手は、今季の大リーグが閉幕する来年5月まで対でプレーする可能性もあると話し、移籍先にタイのクラブを選んだ理由として、パハンFAを離脱した時期がMリーグの移籍期間でなかったことを挙げています。
 なおスマレ選手が加入するポリス・テロFCには同じ代表選手のドミニク・タンが在籍していますが、タン選手とは仲が良いということで、タイでは世話になるだろうと話しているということですが、タイ入国後はタイ政府指定の検疫隔離施設で14日間を過ごした後、クラブに合流する予定ということです。

州FA内には信用できない人々がいた-サティアナタン前スランゴールFC監督
 Mリーグ1部スランゴールFCの監督職を9月21日に解任されたサティアナタン・バスカラン前監督は、スランゴールFCを運営するスランゴール州サッカー協会(スランゴール州FA)には信用できない人々がいたと話しています。
 9月19日のMリーグ第8節の対ジョホール・ダルル・タジムJDT戦で6-1と大敗し、その2日後に解任されたサティアナタン前監督が当地の人気サッカー番組「ボラ@ママッ」に出演し、州FA内でも一部の人間しか知り得ない情報が外部に漏れていたと話しています。
 「(スランゴール州FA会長の)スランゴール州皇太子テンク・アミール・シャー 殿下からは契約が切れる4ヶ月前に、契約は更新しないことを伝えられていた。本来ならば1ヶ月前に伝えられるべきだったが、早めに伝えられたので、自分はそれを受け入れる一方で、殿下には他に誰が自分の契約について知っているかをお尋ねした。殿下はスランゴール州FAの数名が知るだけだと仰ったが、実際にはその2日後には選手全員が自分は来季はスランゴールFCno監督ではないことを知っていた。」
 「私の契約が更新されないことを選手に漏らした州FA内の人間は、私をできるだけ早く取り除きたかったのだろう。私が来季の監督でないことを知った選手が私に対してやる気を見せる必要がないのは当然である。いくら私にアピールしても何も得るものはない選手を責めることはできない。」
 またサティアナタン前監督は、スランゴール州FAの経営陣が現場にも介入してきたことを非難しています。
 「(インド系の)DFプラバカラン・カナンダサンが出場するたびに、スランゴールFCサポーターから人種差別的なヤジを受けて萎縮してしまっていたことから、経営陣には彼に代わる左サイドのディフェンダー獲得を依頼したが、監督の私よりもサッカーをよく理解していると自負する経営陣の背広組に拒否された。私は諦めたが、突如その背広組から許可が出たが、獲得したかった選手は既に他のクラブに加入していた。」
 「2019年3月以来、深刻な怪我で苦しんでいたルフィノ・セゴヴィアに代わる選手の獲得を依頼した際も拒絶された際には、サポーターからなぜ代わりのストライカーを獲得しないのかと聞かれ、スランゴール州FAにはその資金がないと答えたが、その発言を経営陣に咎められた。選手としては期待できないので、(Bチームの)スランゴール2でセゴヴィア選手をプレーさせるように頼んだが、セゴヴィア選手をBチームに落とせば、トップチームは代わりのストライカーが必要になるが、その資金がないので、トップチームに置いておくように言われ、結局、ストライカーは(イフェダヨ・オルセグン)一人で戦わねばならなかった。」とこれまで溜まっていたであろう不満をぶちまけています。
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 スランゴール州FAの経営陣に対しては、JDTオーナーでジョホール州皇太子のトゥンク・イスマイル殿下も、自身の売名行為のためにサッカーを利用している輩がいるといった批判を繰り返しています。これまでマレーシアサッカーの盟主として君臨してきたスランゴールFCとスランゴール州FAが今後どこへ向かっているのか、サポーターの1人として注目していきたいと思います。

今年開催予定だったスズキカップは来年4月11日開幕
 東南アジアサッカー連盟AFF選手権スズキカップは隔年で開催されており、今年2020年が第13回大会開催予定の年でしたが、AFFはこの第13回大会が来年2021年4月11日から5月8日の日程で行われることを公式サイトで発表しています。
 今年2020年11月23日から12月31日までの予定で開催が予定されていたスズキカップですが、新型コロナウィルス感染拡大が続く中、新たな日程が発表になっています。
 大会形式は従来通り、一回戦からホームアンドアウェイで行われりということですが、実際には大会開催時の新型コロナウィルスの状況次第となっています。
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 一時は感染者がほとんど出なかったベトナムでの一国開催案も、その後の感染者数急増で立ち消えとなり、大会規模を縮小して年内開催となっていましたが、結局、年内開催は不可能でした。ただしW杯予選やAFC選手権の予選も来年に延期になっており、来年の代表チームの年間予定はかなり過密になりそうですが、そもそも予定されている時期までに新型コロナウィルスの感染状況がどうなっているかで、さらなる日程変更も十分あり得ます。

9月29日のニュース:サバから戻ったマラッカUはチーム全員が自宅隔離、期限まで1日を残し未だに民営化に着手していないクラブ、サバ州議会選挙の結果を受けサバ州FA会長が辞任

サバから戻ったマラッカUはチーム全員が自宅隔離
 新型コロナウィルスの新規感染者数がマレーシア国内では突出して増えているサバ州は、過去2週間で900名近い新規感染者が確認されており、9月28日の時点でもマレーシア国内の新規感染者115名中98名が同州内での感染者であるだけでなく、他の州で感染が確認された11名もサバ州への渡航歴が判明するなど、いわゆるホットスポットになっています。マレーシア政府は9月27日からサバ州から隣接するサラワク州、さらにマレー半島への渡航者全員に対し、空港などで新型コロナウィルス検査の義務化とその検査結果が出るまでの自宅隔離措置を発表しています。
 マレーシアの通信社ブルナマによると、9月27日(日)にMリーグ1部第9節の試合をサバFAの本拠地であるサバ州コタキナバルのリカス・スタジアムで戦ったマラッカ・ユナイテッドFCの選手や関係者も、マレーシア政府によるサバ州からの感染拡大防止措置により自宅隔離となっているようです。
 この自宅隔離は新型コロナウィルス検査の結果が出るまで続くことになっており、万が一呼吸困難などの症状が14日以内に発生して場合には再度の検査も必要になります。
 新型コロナウィルスによる中断からのリーグ再開後の4試合で2勝2分と順位をあげてきたマラッカ・ユナイテッドFCでしたが、コタキナバルでの試合ではサバFAに2-3で敗れ、サバFAに今季2020年シーズン初勝利をプレゼントするなど残念な結果となっています。それに加え試合前日の9月26日に発表されたこの自宅隔離措置により、マラッカ・ユナイテッドFCにとってはまさに踏んだり蹴ったりの東マレーシア遠征となってしまったようです。
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 新型コロナウィルス感染拡大を防ぐため、リーグ再開後は無観客で試合を行なっているMリーグですが、今節第10節にはサバFAは今週末にアウェイのジョホール・ダルル・タジムJDT戦が控えています。クラスターが発生した州内の複数の地域でロックダウンが実施されているサバ州から渡航するサバFAの選手や監督、コーチおよび関係者もジョホール州があるマレー半島へ入る際には検査が必要で、その後はホテルでの隔離も必要となります。ここまで無観客が功を奏して進められてきたMリーグに新規感染者が発生しないことを祈りたいと思います。

未だに民営化に着手していないクラブ
 マレーシアサッカー協会FAMは、9月23日に民営化手続きが完了したMリーグ1部と2部に所属する12クラブを発表しましたが、その際に明日9月30日が期限となっている民営化手続きが遅れているクラブとして1部のUITM FCとPDRM FC、2部のUKM FCの3クラブの名も挙げられました。
 明日9月30日までに民営化手続きが完了しないクラブは、来季2021年シーズンはMリーグ3部にあたるセミプロリーグのM3リーグでプレーすることになっていますが、マレーシア語紙ハリアンメトロ電子版によると、その3クラブのうち1クラブは未だ民営化手続きに着手していないということです。
 FAMのプロサッカー委員会のモハマド・フィルダウス・モハマド委員長は、上記の3クラブの内の2クラブは手続きが進んでおり、期限までに民営化手続きが完了するだろうと話す一方で、残る1クラブについては手続きが進んでおらず、FAMとして支援することができないと話し、期限となる9月30日まで静観するとしています。
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 国立大学を運営母体とするUITM FCとUKM FC、そしてマレーシア王立警察が運営するPDRM FCの中で、UITM FCは大学運営のクラブとしては初めてMリーグ1部でぷれーしていますが、今季のリーグの台風の目になっています。またMリーグ2部のUKM FCも今季2勝を挙げるなど検討しています。となると民営化手続きに遅れが出ているのは給料未払いで今季開幕前に勝点剥奪を受けたPDRM FCの可能性が高そうです。

サバ州議会選挙の結果を受けサバ州FA会長が辞任
 東マレーシア(ボルネオ島)にあるサバ州は上でも取り上げた新型コロナウィルス感染者の急増だけでなく、先週末に投開票が行われた州議会選挙でも国内の関心が集まっていました。これは今回の州議会選挙が今年3月に成立したムヒディン・ヤシン首相率いる政権にとって初の大型選挙であり、総選挙を経ずして成立した現政権の信任選挙とも見られていたことが理由です。
 9 月26日に行われた投開票の結果、ムヒディン首相率いるプリブミ統一党を含む7 党で構成された野党連合の「サバ人民連盟」が、サバ遺産党(ワリサン)を中心とした与党連合「ワリサンプラス」を破り勝利し、いわゆる「ねじれ」が起きていたサバ州議会でも政権交代が実現しました。
 そしてこの州議会選挙の結果を受け、選挙で敗れたサバ遺産党の副党首でサバ州議会議員でもあるサバ州サッカー協会(サバ州FA)のアンソニー・ピーター会長が9月28日辞任しています。また今回の政権交代に伴いサバ州政府関係者が参加しているサバ州FAの経営陣の交代も行われる見通しです。
 辞任前日の9月27日にサバFAの今季2020年シーズン初勝利を見届け、サバ州FA会長在任時代には自身ができる限りのことを行ったとし、サバFAの新たな経営陣がさらに良い結果をもたらしてくれることを望んでいると話しています。
 2018年末に会長に就任したピーター氏の在任中にサバ州FAは、過去数年間で蓄積した数百万リンギ(1リンギはおよそ25.3円)とされる負債を返済した一方、ピッチ上ではサバFAは2019年シーズンにはMリーグ2部で23年ぶりに優勝し、7年ぶりのMリーグ1部昇格を果たしています。
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 これまでこのブログでも取り上げてきたクダ州FAやマラッカ州FA同様、州議会や州政府との関係が密接なサバ州FAも政権交代の直接的な影響を受けました。マレーシアサッカー協会FAMは積極的に州FAと、州FAが運営するMリーグのプロクラブとを切り離して民営化しようとしているのは、今回のような経営陣の突然交代や、州政府に依存した資金による無秩序な運営など、サッカーとは関係のない政治によって州FAが影響を受ける現状を打破する目的もあります。

9月28日のニュース:ケランタンFCの新オーナーが練習施設建設予定を公表、ケランタンFCはTDとコーチを公募、タイ1部リーグ第7節-ドミニク・タンはフル出場も痛恨のハンド

ケランタンFCの新オーナーが練習施設建設予定を公表
 マレーシアの通信社ブルナマによれば、ケランタンFCの新オーナーとなったノリザム・トゥキマン氏はケランタンFCの新たな総合練習施設の建設予定があることを明らかにしています。
 この練習施設には500万から1000万リンギ(およそ1億2600万から2億5300万円)の予算を割り当てるとし、ケランタン州の州都であるコタバル市内も含めた3か所が建設候補地として既に選ばれており、更衣室や休憩室、食堂といった設備を備える他、FIFAが設けた基準に沿った芝を植える予定もあるということです。
 胸スポンサーが更新された新ユニフォーム発表の席で貴社の質問に答えたノリザムオーナーは、ケランタン州のサッカーにかつての栄光を取り戻し、選手の競争力を高めるために、日本のクラブを含めた様々なクラブと練習試合を行いたいとも話しています。
 また今季についてはMリーグ終了後に開催されるマレーシアカップでトップ5に入ることを目指していると話したノリザムオーナーは、2025年までにはMリーグクラブ初のマレーシア証券取引所への上場も目指しているとも話しています。

新ユニフォーム発表に臨んだノリザムオーナー(中央)と新しいユニフォームを着用したケランタンFCの選手たち。胸スポンサーはノリザム氏が経営するZamburgerとなっています。-ケランタンFCの公式Facebookより

ケランタンFCはTDとコーチを公募
 またケランタンFCはこうしきFacebook上でテクニカルディレクターとコーチの公募も行っています。
 9月27日にアップされたポストでは、経験のあるテクニカルディレクターとコーチを求めているとし、その条件が書かれた書類も同時に掲載されています。興味深いのはこれが全て英語で書かれている点です。ケランタンFC公式Facebookの他の投稿はマレーシア語表記のみですが、この告知では英語が使われていることから、その本気度も伝わってきます。
 連絡先なども書かれていますので、海外での指導者を目指す日本人コーチの皆さん、いかがでしょうか。

テクニカルディレクターとコーチ募集を伝える告知-ケランタンFC公式Facebook

タイ1部リーグ第7節-ドミニク・タンはフル出場も痛恨のハンド
 タイ1部リーグの第7節が行われ、ポリス・テロFCに所属するマレーシア代表のドミニク・タンは2試合連続で先発し、フル出場しています。
 9月26日(土)に行われた試合はホームのブンヤジンダースタジアムにチョンブリーFCを迎えて行われました。
 2試合連続の先発となったタン選手は、28分に自陣のペナルティーエリア内で相手FWヘリオン・カイオンと競りますが、カイオン選手が蹴ったボールがタン選手の手に当たり痛恨のPKを与えてしまいます。これをカイオン選手自ら決めてチョンブリーFCが先制します。その後、ポリス・テロFCは63分に同点に追いついたものの、チョンブリーFCがその直後の65分に再びゴールを決め、そのまま2-1で逃げ切りました。(詳しくは下のハイライト映像でどうぞ。)
 なおタン選手はPKを与えた後も出場し続け、2試合連続でフル出場しています。
 またBGパトゥム・ユナイテッドに所属する同じ代表選手のノーシャルル・イドラ・タラハは2試合連続でベンチ入りしたものの、前節に続き出場はありませんでした。
 タイ1部リーグは、第7節を終えてBGパトゥム・ユナイテッドが5勝1分の勝点16で首位、ポリス・テロFCは4勝1分2敗の7位となっています。なお、BGパトゥム・ユナイテッドは9月13日に予定されていた第5節のブリーラム・ユナイテッド戦がブリーラム・ユナイテッドの選手にシンガ方コロナウィルス感染者が出たことから延期されています。

ポリス・テロFC対チョンブリーFC戦ハイライト-ポリス・テロの公式Youtubeチャンネルより

Mリーグ1部スーパーリーグ2020年シーズン第9節結果

 9月25日(金)から9月27日(日)の3日間に、1部スーパーリーグ第9節の6試合が行われました。以下結果です。(ホームチームが左側です。)
 *試合のダイジェスト映像は全てMFLの公式Youtubeより。

9月25日(金)
ペラスタジアム(ペラ州イポー)
ペラTBG 5-1 フェルダ・ユナイテッドFC
得点者:ペラ-シャーレル・フィクリ4(17分、48分、69分、86分)、ギリェルメ・デ・パウラ(53分)、フェルダ-ニコラス・ヴェレズ(62分)
 シャーレル・フィクリの4ゴールを含む5ゴールでペラTBGが圧勝。シャーレル選手自身も得点王争いのトップに立っています。ちなみにMリーグ1部でマレーシア人選手が得点王を獲得したのは2011年のアブドル・ハディ・ヤハヤ(当時トレンガヌFA、現在のトレンガヌFC)が最後ですが、Mリーグは2009年から2011年まで外国籍選手の加入を認めていませんでした。このため外国籍選手と競い合って得点王を取ったのは2004年シーズンに15ゴールを挙げたインドラ・プトラ・マハユディン(現クアラルンプールFA、当時はパハンFAに在籍)まで遡らなければなりません。
 フェルダ・ユナイテッドFCの恵龍太郎選手は先発してフル出場しています。

スルタン・ミザン・ザイナル・アビディンスタジアム(トレンガヌ州ゴンバダ)
トレンガヌFC 4-0 PDRM FC
得点者:トレンガヌ-ファリス・ラムリ2(8分、75分)、リー・タック2(26分、45+2分)
 PDRM FCはこの日の敗戦で11位以下が確定し、来季の2部プレミアリーグ降格が決まりました。
 トレンガヌFCのBチームにあたるMリーグ2部トレンガヌFC IIに所属する鈴木ブルーノ選手がこの試合で今季初のトップチームに昇格し、この試合では先発して74分に交代しています。

MBPJスタジアム(スランゴール州プタリンジャヤ)
PJシティFC 2-2 ジョホール・ダルル・タジムJDT
得点者:PJ-クリスティ・ジャヤシーラン(38分)、グルサミー・カンダサミー(45+2分)、JDT-サファウィ・ラシド(36分)、ゴンザロ・カブレラ(45+5分PK)
 この試合に勝てばリーグ7連覇が決まったJDTの前に立ちはだかったのは、PJシティFCのGKカラムラー・アル・ハフィズでした。下のハイライト映像以外でも好セーブを連発し、2部降格の危機にあるPJシティFCに貴重な勝ち点1をもたらしました。
 一方のJDTはAFCチャンピオンズリーグを睨んでか、好調のラマダン・サイフラーをベンチスタートさせるなど選手層の厚さを見せつけての引き分けでした。

9月26日(土)
UITMスタジアム(スランゴール州シャーアラム)
スランゴールFC 3-3 UITM FC
得点者:スランゴール-イフェダヨ・オルセグン2(25分、90+5分)、サンドロ・ダ・シルヴァ(45+5分)、UITM-グスタヴォ・アルメイダ2(49分、59分)、ラビ・アタヤ(62分)
 UITM FCは1点リードのままインジャリータイムに入りながら、試合終了間際にゴール前で痛恨のハンド。これで得たPKをイフェダヨ・オルセグンが決めてスランゴールFCが何とか引き分けに持ち込みました。
 前節第8節JDT戦の大敗後に選手によるサティアナタン・バスカラン前監督に対するサボタージュ疑惑などがネット上で取り沙汰されましたが、その疑いはこの試合で晴れたのではないでしょうか。監督に原因はなくスランゴールFCは単に弱いチームで、選手はボイコットしていたわけではなく単に実力不足だったということでした。

ダルル・マクムールスタジアム(パハン州クアンタン)
パハンFA 2-1 クダFA
得点者:パハン-アダム・リード(41分)、シャリフ・ハッセフィ(46分)、クダ-チェチェ・キプレ(14分)
 この試合で勝てばJDTの残り試合の結果では優勝の可能性も残っていたクダFAでしたが、この敗戦で優勝どころかAFCカップ出場権のかかるリーグ2位もペラTBGとの争いとなり、最終節第11節での直接対決に俄然注目が集まります。
 動きの悪いクダFA相手とは言え快勝したパハンFAは連勝で、遅まきながら調子を上げてきました。

9月27日(日)
リカススタジアム(サバ州コタキナバル)
サバFA 3-2 マラッカ・ユナイテッドFC
得点者:サバ-デニス・ブシェニング2(25分、65分)、ロドリュブ・パウノヴィッチ(72分PK)、マラッカ-ウチェ・アグバ(16分)、ソニー・ノルデ(45+3分)
 サバFAは8月28日のリーグ再開後の初勝利。一方、再開後は2勝2分と順位を上げてきたマラッカ・ユナイテッドはリーグ再開後の初黒星となりました。

マレーシアスーパーリーグ順位表(第9節終了時)

順位クラブ試合得点失点得失差勝点
1JDT97202471723
2ペラTBG95221613317
3クダFA95131611516
4UiTM FC94231211114
5トレンガヌFC94141913613
6パハンFA94141413113
7マラッカU93231210211
8スランゴールFC92521318-511
9PJシティFC9163913-49
10サバFA92341117-69
11フェルダU91441117-67
12PDRM FC9027418-14-1
*7位のマラッカUと12位のPDRM FCはそれぞれ、給料未払い問題により勝点3が剥奪されています。

マレーシアスーパーリーグ ゴールランキング(第9節終了時)

ゴール数選手名所属試合数
9シャーレル・フィクリペラTBG9
7ドミニク・ダ・シルヴァトレンガヌFC9
7チェチェ・キプレクダFA9
7イフェダヨ・オルセグンスランゴールFC9
5ゴンザロ・カブレラJDT9

Mリーグ2部プレミアリーグ2020年シーズン第9節結果

9月25日(金)から9月27日(日)の3日間に、2部プレミアリーグ第8節の6試合が行われました。以下結果です。(ホームチームが左側です。)

9月25日(金)
クアラルンプールフットボールスタジアム(クアラルンプール)
クアラルンプールFA 5-4 スランゴール2
得点者:クアラルンプール-ファクルル・アイマン(34分)、ニコラス・ドゥル(35分)、フランシス・コネ(42分)、インドラ・プトラ・マハユディン(72分)、イズリーン・イズワンディ(81分)、スランゴール-シャズワン・シャリヒン(5分)、バジラム・ネビヒ2(63分、69分)、ダニアル・アスリ(67分)
 この日の勝利で2位以上が確定したクアラルンプールFAが、1シーズンで来季のMリーグ1部スーパーリーグ復帰を決めています。

(1部復帰を祝うポスト-クアラルンプールFAの公式Facebookより)

スルタン・ムハマド4世スタジアム(ケランタン州コタバル)
ケランタンFA 1-0 サラワク・ユナイテッドFC
得点者:ケランタン-ナズリン・ナウィ(84分PK)
 ケランタンFAの渡邉将基選手は先発してフル出場しましたが、この試合でもイエローをもらっています。

トゥンク・アブドル・ラーマンスタジアム(ヌグリスンビラン州パロイ)
ヌグリスンビランFA 2-4 クチン FA
得点者:ヌグリスンビラン-マテウス・ビーラ2(26分、50分)、クチン -ブライアン・アニゼシオ2(12分、23分)、ハドソン・ディアス( 21分)、ジミー・レイモンド(28分)
 かつて関東大学リーグで対戦経験があったという鈴木雄太選手と中武駿介選手のマレーシアでの再戦は、鈴木選手のクチンFAが今季最多の4ゴールを決め、中武選手のヌグリスンビランFAを破り、前節に続き勝利を収めています。
 ヌグリスンビランFAの中武駿介選手はスタメンでフル出場しています。
 クチンFAの鈴木雄太選手と谷川由来選手もいずれも先発してフル出場しています。

9月26日(土)
MPSスタジアム(スランゴール州スラヤン)
UKM FC 1-2 ペナンFA
得点者:UKM-アカニ・サンディ(17分)、ペナン-カサグランデ(49分)、エンドリック(66分)

タン・スリ・ダト・ハジ・ハサンスタジアム(ジョホール州ラーキン)
JDT II 1-1 ペラII
得点者:JDT-フェルナンド・ロドリゲス(分)、ペラ-サチャ・ペトシ(64分PK)

9月27日(日)
スルタン・ムハマド4世スタジアム(ケランタン州コタバル)
ケランタン・ユナイテッドFC 2-3 トレンガヌFC II
得点者:ケランタン-カイルル・イズワン(17分)、ガッサミー・アルフサイネイ(62分PK)、トレンガヌ-エンク・シャキル(23分)、ジョーダン・ミンタ2(24分、45+1分)
 トレンガヌFC IIの鈴木ブルーノ選手は9月25日(金)の1部スーパーリーグでトレンガヌFCの試合に先発しましたが、2日後のこの試合でも途中11分から出場し、試合終了までプレーする鉄人ぶりを発揮しています。

マレーシアプレミアリーグ順位表(第9節終了時)

順位クラブ試合得点失点得失差勝点
1^ペナンFA97202071323
2^クアラルンプールFA96212112920
3トレンガヌFC II95131514115
4JDT II94321914515
5ケランタンFA94231192*11
6クチン FA93151318-510
7スランゴール293151420-610
8ヌグリスンビランFA9315916-710
9ケランタンU93061114-39
10UKM FC9234814-69
11サラワクU92241214-28
12ペラ II91441011-17
^ペナンFAとクアラルンプールFAは2位以内が確定し、2021年シーズンの1部昇格が決定しています。
*5位のケランタンFAは給料未払い問題により勝点3が剥奪されています。

マレーシアプレミアリーグ ゴールランキング(第9節終了時)

ゴール数選手名所属試合数
8カサグランデペナンFA9
8エンドリックペナンFA9
7フランシス・コネクアラルンプールFA9
7フェルナンド・ロドリゲスJDT II9
6ダニアル・サアリスランゴール29

9月25日のニュース:FAMとパハン州FAはお互いを非難、スランゴール州FAはスマレとの交渉はFAMの承認済みと主張するもFAMは否定、期限まで1週間となった民営化が完了しているのは現時点で12クラブ

FAMとパハン州FAはお互いを非難
 マレーシアサッカー協会FAMとMリーグ1部パハンFAを運営するパハン州サッカー協会(パハン州FA)はお互いに非難を応酬し合う状況になっています。
 パハン州FAを離れてタイ1部リーグのポリス・テロFC移籍を発表したモハマドゥ・スマレに対して、今月9月11日にパハン州FAはFAMへ不服申し立てを行いましたが、FAMの対応が不十分として、一昨日9月22日にFAMを強い調子で非難する声明を公式Facebookなどで公開しました。
 パハン州FAのノーリア・アブドル・マナフ事務局長は自身の名で出された公式声明で「(対応が遅れていることについて)FAMはFIFAの対応を待っているといることを理由にしているが、パハン州FAはこの理由を受け入れることはできない。マレーシア人選手に関する事例への対応はFAMの管轄であり、アジアサッカー連盟のウインザー・ポール事務局長もメディア向けの声明でこれを肯定している。」と述べ、パハン州FAも含め国内の州FAを統括する立場のFAMは、今回のスマレ選手に関する件についてパハン州FAの申し立てに真剣かつ速やかに対応するべきだとしています。
 さらにパハン州FAのノーリア事務局長は、FAMが早急に対応しない場合、マレーシア国内のスポーツに関する問題を裁定するスポーツコミッショナーにこの件についての裁定を仰ぐことも検討しているとしています。
 「パハンFAを離脱するに至った理由としてスマレ選手が挙げている内容は不正確な上にでっち上げであり、パハン州FAは事実に基づきスマレ選手の主張に異議を申し立てる用意がある。」と話すノーリア事務局長は、スマレ選手が離脱の最大の理由として挙げている契約内容とは異なる給料が過去3年間に渡り支払われていたことについても、これを全面的に否定しています。
 一方のFAMは公式サイトに反論を掲載し、パハン州FAによる非難は根拠がない上に無責任であるとしてこれを糾弾しています。
 FAMはこの件がパハン州FAから報告された当初から、スマレ選手に関する提訴をFIFAへ行うための手順や必要条件などを提示してパハン州FAに協力してきたと主張し、パハン州FAへの反論ではその事実を時間の経緯に沿って説明しています。その上でスマレ選手が契約破棄の根拠としている「給料未払いが発生した際には契約を破棄できる」という条項が使われた事実について自身の責任を理解するべきだと、パハン州FAの非難に応酬しています。

スランゴール州FAはスマレとの交渉はFAMの承認済みと主張するもFAMは否定
 またパハン州FAとFAMの論争の最中に明らかになったのが、Mリーグ1部スランゴールFCを運営するスランゴール州サッカー協会(スランゴール州FA)がスマレ選手に接触する際にFAMがこれを承認していたというニュースです。
 こちらはスランゴール州FAのジョハン・カマル・ハミドン事務局長がFAMに事前に資格紹介を行い、さらにFAMから承認を得た上で獲得交渉を行っていたことを明かし、これがパハン州FAのFAMに対するさらなる非難を産む原因になっています。
 英字紙ニューストレイトタイムズにはパハン州FA関係者の話として、パハン州FAとスマレ選手の「離婚調停」を行なっていたFAMが、その裏ではスランゴールFAとスマレ選手の「結婚」を承認していたと、FAMを非難しているとしています。
 しかもこの話がここで終わらないのがマレーシア。FAMのスチュアート・ラマリンガム事務局長は、FAMにはスランゴール州FAとスマレ選手の交渉を許可する資格も禁止もする資格もないと話し、スランゴール州FAのジョハン事務局長の問い合わせてに対しては、スマレ選手は契約内容に含まれていた「給料未払いが起こった際に契約を破棄できる」という条項を使って契約を破棄したという事実を伝えただけであると話しています。
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 正式な契約書が交わされていながらこの様な問題が発生すること自体、正直、理解ができませんし、誰かが(あるいは関係者全員が)自身に都合よくその内容を解釈しているのかも知れません。結局はプロサッカーチームの運営を各州の議員や公務員といったアマチュアが運営していることに起因している様に感じます。皇族を協会の会長に置くパハン州FAとスランゴール州FAがこの件に関連しているのは単なる偶然ではなく、そういった権威の下でそれを傘にきた輩が自身の権力闘争にサッカーを利用している図式が見え隠れしている気がします。監督をクビにしてもその任命責任が問われないスランゴール州FAはその際たるものでしょう。そのためにも次の記事で取り上げるクラブの民営化は何としても進めていかなければならない様に思います。

期限まで1週間となった民営化が完了しているのは現時点で12クラブ
 マレーシアサッカー協会FAMが期限を9月30日に設定したクラブの民営化ですが、現時点では12クラブが民営化手続きを完了していることをFAMが公式サイトで発表しています。マレーシアのプロクラブの大半は、各州サッカー協会(州FA)が運営していますが、FAMはアジアサッカー連盟AFCの指導に基づき、各州FAが運営するクラブを州FAから切り離す民営化を求めており、その期限はあと1週間ほどに迫っています。
 今回FAMが発表した民営化手続きが完了しているクラブは、ジョホール・ダルル・タジムJDT、PJシティFC、マラッカ・ユナイテッドFC、トレンガヌFC、サバ、ペラTBG(以上Mリーグ1部)、サラワク・ユナイテッドFC、ヌグリスンビラン、ケランタン・ユナイテッドFC、クチン・シティFC、クアラルンプール(以上Mリーグ2部)そしてMリーグ3部所属のマレーシア国軍FCの12クラブです。
 またこの他、Mリーグ1部のスランゴールFC、フェルダ・ユナイテッドFCと2部ケランタンは手続きの最終段階に入っていること、また1部のパハンとクダ、2部のペナンは手続きの最中であるともされています。
 その一方でマレーシア王立警察を母体とするPDRM FCと国立大学を母体とするUITM FCとUKM FCについては手続きを始めたばかりの段階ということで、FAMは速やかな対応を求める督促状を送ったとしています。
 民営化が完了しないクラブは、AFC主催のAFCチャンピオンズリーグやAFCカップなどの大会にはマレーシア代表として出場できない他、来季2021年以降は国内リーグのMリーグ1部と2部でもプレーするためのクラブライセンスが発給されません。
 なおFAMのプロ委員会のモハマド・フィルダウス・モハマド委員長名で出されたこの発表では、民営化手続きを完了していないクラブに対して9月30日の期限は決して延長されないとする一方で、必要な支援をいつでも行う用意があり、今季の1部と2部の全クラブが民営化手続きを期限までに完了することを望んでいるとも書かれています。

9月23日のニュース:低迷するスランゴールFCが監督解任、スマレは来季スランゴールFC入りか、タイ1部リーグ第6節-ポリス・テロFCのドミニク・タンは今季初のフル出場

低迷するスランゴールFCが監督解任
 Mリーグ1部第8節を終えて7位と低迷するスランゴールFCは、9月21日にサティアナタン・バスカラン監督を解任しています。9月19日に行われたMリーグ第8節でジョホール・ダルル・タジムJDTに1-6と粉砕されたスランゴールFCは、その大敗から2日も経たないうちに解任を発表しています。
 新型コロナウィルスにより中断されていたMリーグが8月28日に再開されて以降、スランゴールFCは1勝2分と上位進出のきっかけをつかめませんでした。そんなチーム状態で臨んだJDT戦で大敗したことで解任となった可能性があります。
 スランゴールFCの監督に就任した昨季2019年シーズンはリーグ3位とは言え、首位のJDTとは勝点差16をつけられ、マレーシアカップでは準決勝でJDTに、FAカップでは3回戦でフェルダ・ユナイテッドFCにそれぞれ破れるなど、サティアナタン監督は在任中は目立った結果は残せていませんでした。
 またスランゴールFCのレジェンドプレーヤーのアムリ・ヤハヤ(現サラワク・ユナイテッドFC)と対立して退団を余儀なくさせたことや、ライバルJDTとスランゴールFCの選手の質や選手層の差などを嘆く発言も多かったことから、一部のサポーターからは敗戦に対して自身の責任を認めず、言い訳ばかりが多いと批判されることも少なくありませんでした。
 9月21日の朝に解任が伝えられ、その日の午後に予定されていた練習で選手に挨拶することが許されなかったと話すサティアナタン監督は、マレーシアカップも含めた今季の残り試合で采配を振るえなかったことだけが残念だと話し、残り3試合となったリーグ戦の残り全勝とマレーシアカップでのチームの検討を期待しているとメディアに向けて話しています。
 なおスランゴールFCを運営するスランゴール州サッカー協会FASは、暫定監督としてスランゴールFCのBチームであるMリーグ2部のスランゴール2のマイケル・ファイヒテンバイナー監督が就任することを発表しています。
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 2017年にはフェルダ・ユナイテッドFCの監督として1部スーパーリーグ3位、翌年にはクラブライセンス問題で2部プレミアリーグに降格になったチームを1年でスーパーリーグ復帰させた後のスランゴールFC監督就任ということもあり、期待されていた分だけサポーターの失望も大きかったかも知れません。歯に衣着せぬ物言いで、選手やサポーターと衝突することも多かったサティアナタン監督ですが、結果が出なかったことで窮地に追い込まれてしまった様です。
 またFASは、例え今季優勝してもサティアナタン監督退任が既定路線だったことを明かしていますが、個人的には、スランゴールFCのBチーム、スランゴール2など若い選手を鍛え上げ、さらに強烈なプロ意識を教えることができる様な環境でまた監督をしてもらいたいですが、さすがにこの状況ではスランゴール復帰はないだろうなぁ。

スマレは来季スランゴールFC入りか
 Mリーグ1部が中断中に所属するパハンFAを離れ、タイ1部リーグのポリス・テロFCとの契約を明らかにしたモハマドゥ・スマレには、今季残りはタイでプレーするものの、来季はJDT入りと噂されていましたが、実際にはスランゴールFC入りが濃厚な様です。
 これが明らかになったのはJDTのオーナーでジョホール州皇太子のトゥンク・イスマイル殿下のインスタグラム投稿からでした。マレーシア語紙ブリタハリアン電子版では、イスマイル殿下が公開した自身のインスタグラムのスクリーンショットを掲載していますが、その中ではスマレ選手とスランゴールFCを運営するスランゴール州サッカー協会FAS幹部(FASのジョハン・カマル・ハミドン事務局長とされています)との生々しいやりとりを公開しています。(以下は公開されているイスマイル殿下のインスタグラム上のスマレ選手とFAS幹部のwhatsappチャットのスクリーンショット)

公開されたやり取りに加えて、イスマイル殿下はFASがスマレ選手に月給1万7000US米ドル(およそ178万円)の3年契約と違約金300万リンギ(およそ7620万円)の契約解除条項を提示したと明かしていますが、公開されたやり取りの中でスマレ選手が2万US米ドル(およそ210万円)を求める様子なども見ることができます。
 さらにこれに関しては続報がブリタハリアン電子版に掲載されており、そこではFASのハミドン事務局長がスマレ選手へのオファーを認めた上で、そのオファーはマレーシアサッカー協会FAMに可否を確認した上で行ったものであり、スランゴールFCによるオファーがスマレ選手のパハンFA離脱を促したものであるという批判に反論しています。
 またJDTオーナーのイスマイル殿下が明らかにした、FASによるスマレ選手へのオファーは月額1万7000米ドルであることも、ハミドン局長は正しいと認めた上で、このオファーを受けるかどうかはスマレ選手次第であると話しています。
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 このスマレ選手関連では、スマレ選手との契約が2022年まで残っていると主張するパハンFAがFAMの対応の遅さを非難し、この件をマレーシア国内のスポーツ裁判所へ持ち込むともしており、泥仕合が長期化しそうです。

ポリス・テロFCのドミニク・タンは今季初のフル出場
 9月19日に開催されたタイ1部リーグ第6節では、ポリス・テロFCに在籍するドミニク・タンがラーチャブリー・ミトポンFC戦で移籍後初のスタメン出場し、しかもフル出場を果たしています。試合はポリス・テロFCが終了間際にラーチャブリー・ミトポンFCに追いつかれて1-1で引き分けています。
 今季はここまで後半終盤からの途中出場が続いていたタン選手ですが、初のスタメン出場を勝ち取り、韓国出身のクォン・ダエヒーとともにコンビを組みましたがインジャリータイムでの失点を許しています。
(以下はポリス・テロFC対ラーチャブリー・ミトポンFCのハイライト映像-ポリス・テロFCのYoutubeチャンネルより)

 また同じ1部リーグのBGパトゥム・ユナイテッドのノーシャルル・イドラン・タラハはベンチ入りしたものの、出場はありませんでした。
 なおBGパトゥム・ユナイテッドは、来季2021年AFCチャンピオンズリーグ出場に向けて、現在、Jリーグ清水でプレーするティーラシン・デーンダーを12月末に開くトランスファーウインドウ期間中に完全移籍で獲得するという噂が出ています。清水では絶対的なレギュラーポジションが獲得できていないティーラシン選手がBGパトゥム・ユナイテッドに移籍すれば、FWが飽和状態になり、そうでなくとも出場機会が少ないノーシャルル選手は1年契約ということもあり放出される選手の最右翼となりそうです。

Mリーグ1部スーパーリーグ2020年シーズン第8節結果

 9月19日(土)から9月21日(月)の3日間に、1部スーパーリーグ第8節の6試合が行われました。以下結果です。(ホームチームが左側です。)
 *試合のダイジェスト映像は全てMFLの公式Youtubeより。

9月19日(土)
スルタン・イブラヒムスタジアム(ジョホール州イスカンダルプテリ)
ジョホール・ダルル・タジムJDT 6-1 スランゴールFC
得点者:JDT-サファウィ・ラシド2(45+2分、49分PK)、ジオゴ(64分)、ゴンザロ・カブレラ(67分)、ラマダン・サイフラー2(72分、75分)、スランゴール-ルフィアノ・セゴヴィア(81分)
 直接対決でJDTとの勝点差を詰めるどころか粉砕されたスランゴールFCは、累積警告でブレンダン・ガンを欠くなど苦しいメンバーではありましたが、それでもこの惨敗は許容されなかったのか、この試合から数時間後にサティアナタン・バスカラン監督が解任されています。
 JDTはリーグ再開後にBチームから昇格したラマダン・サイフラーが既に3ゴール目を決めており、改めて選手層の厚さを見せつけました。

UITMスタジアム(スランゴール州シャーアラム)
UITM FC 2ー1 トレンガヌFC
得点者:UITM-アリフ・アンワル(5分)。ヴィクター・ニェノルド(61分)、トレンガヌFC-リー・タック(38分PK)
 某新聞の某記者からは予算のない大学生のチームはトップリーグにいるべきでないと辛辣なコメントをされていたUITM FCでしたが、第8節を終わって4位と大健闘どころか着実に勝ち星を重ねています。残り3試合はチームの士気が下がっていそうなスランゴールFC、降格圏内に低迷するPJシティFC、サバFAと続くため、リーグ2位に与えられる来季のAFCカップへの出場権獲得も見えてきました。

9月20日(日)
トゥン・アブドル・ラザクスタジアム(パハン州ジェンカ)
フェルダ・ユナイテッドFC 2-2 パハンFA
得点者:フェルダ-ニコラ・ラスポポヴィッチ(38分)、ハイカル・アズハ(45+2分PK)、パハン-ムスリム・アーマド(14分)、イヴァン・カルロス(79分PK)
 フェルダ・ユナイテッドFCの恵龍太郎選手は先発してフル出場しています。

ハン・ジェバスタジアム(マラッカ州クルボン)
マラッカ・ユナイテッドFC 1-1 PJシティFC
得点者:マラッカ-ロメル・モラレス(72分)、PJ-コギレスワラン・ラジ(90+3分)

クアラルンプールフットボールスタジアム(クアラルンプール)
PDRM FC 0-2 ペラTBG
得点者:ペラ-シャーレル・フィクリ(分)、レアンドロ・ドス・サントス(87分)

9月21日(月)
クアラルンプールフットボールスタジアム(クアラルンプール)
クダFA 3-1 サバFA
得点者:クダ-クパ・シャーマン(26分)、チェチェ・キプレ(71分)、ファイヤッド・ズルキフリ(75分)、サバ-デニス・ブシェニング(28分)
 途中出場ながらファイヤッド・ズルキフリが1アシスト1ゴールと活躍した他、両エースが揃ってゴールを決めたクダFAがサバFAを振り切っています。

マレーシアスーパーリーグ順位表(第8節終了時)

順位クラブ試合得点失点得失差勝点
1JDT87102251722
2クダFA8512159616
2ペラTBG84221112-114
4UiTM FC841398113
5マラッカU8422117411
6トレンガヌFC83141513210
7パハンFA83141212010
8スランゴールFC82421015-510
9フェルダU81431013-37
10PJシティFC8153711-48
11サバFA8134815-76
12PDRM FC8026414-10-1
*5位のマラッカUと12位のPDRM FCはそれぞれ、給料未払い問題により勝点3が剥奪されています。

マレーシアスーパーリーグ ゴールランキング(第8節終了時)

ゴール数選手名所属試合数
7ドミニク・ダ・シルヴァトレンガヌFC8
6チェチェ・キプレクダFA8
5シャーレル・フィクリペラTBG
5ゴンザロ・カブレラJDT8
5イフェダヨ・オルセグンスランゴールFC8
5チェチェ・キプレクダFA8
5イヴァン・カルロスパハンFA8
5クパ・シャーマンクダFA8

Mリーグ2部プレミアリーグ2020年シーズン第8節結果

9月18日(金)から9月20日(日)の3日間に、2部プレミアリーグ第8節の6試合が行われました。以下結果です。(ホームチームが左側です。)

9月18日(金)
サラワク州立スタジアム(サラワク州クチン)
サラワク・ユナイテッドFC 2−1 ケランタン・ユナイテッドFC
得点者:サラワク-アムリ・ヤハヤ(7分)、パトリック・ウレー(18分)、ケランタン-アルフサイネイ・カッサーマ(79分PK)
 ザハスミ・イスマイル監督を「休養」させたケランタン・ユナイテッドFCは、モハマド・ナズルレルワン・マクモル新監督も連敗が止められず4連敗となっています。

9月19日(土)
シティスタジアム(ペナン州ジョージタウン)
ペナンFA 2-1 クアラルンプールFA
得点者:エンドリック(45分)、ラファエル・ヴィトール(90+2分)、クアラルンプール-インドラ・プトラ・マハユディン(71分)
 1位と2位の対決となったこのカードは、ペナンFAが勝利しています。この勝利によって昇格資格を持つ他のクラブを含めても上位2位に入ることが決まり、来季1部スーパーリーグへの自動昇格権を獲得しています。

MPMスタジアム(ペラ州マンジュン)
ペラII 0-0 ヌグリスンビランFA
得点者:なし
 ヌグリスンビランFAの中武駿介選手はスタメンでフル出場しています。

9月20日(日)
サラワク州立スタジアム(サラワク州クチン)
クチンFA 2-0 ケランタンFA
得点者:クチン-鈴木雄太(67分)、谷川由来(77分)
 クチンFAは日本人コンビの2ゴールに加え今季初完封勝利を挙げ、これで2連勝。今季初めて最下位を脱出しています。
 クチンFAの鈴木雄太選手と谷川由来選手はいずれも先発してフル出場し、それぞれ今季初ゴールも決めています。
 ケランタンFAの渡邉将基選手は先発してフル出場しましたが、この試合でイエローをもらっています。

(ゴールを挙げた鈴木選手に駆け寄る谷川選手-クチンFAのFacebookより)

スルタン・イスマイル・ナシルディン・シャースタジアム(トレンガヌ州クアラトレンガヌ)
トレンガヌFC II 2-2 UKM FC
得点者:トレンガヌ-チェ・アリフ・チェ・カマルディン(18分)、鈴木ブルーノ(20分)、UKM-バキウディン・シャムスディン2(47分、85分)
 トレンガヌFCIIはこの引き分けでリーグ再開からの連敗を4で止めています。
 トレンガヌFC IIの鈴木ブルーノ選手は先発でフル出場し、今季2度目のゴールを決めています。

(ゴールを挙げた鈴木選手-トレンガヌFC IIのFacebookより)

MPPJスタジアム(スランゴール州プタリンジャヤ)
スランゴール2 1-6 JDT II
得点者:スランゴール-ダニアル・アスリ(57分)、JDT-ニコラス・フェルナンデス2(21分、33分)
フェルナンド・ロドリゲス2(25分、49分)、チェ・ラシド・チェ・ハリム(69分)、シャズワン・アンディック(71分)
 トップチームがスランゴールFCを6-1と粉砕した翌日に、JDTのBチームがスランゴールFCのBチームを同じスコアで撃破するという作り話の様な試合でした。
 JDT IIの廣瀬慧選手は先発して、今季初のフル出場を果たしています。

マレーシアプレミアリーグ順位表(第8節終了時)

順位クラブ試合得点失点得失差勝点
1ペナンFA86201861220
2クアラルンプールFA8521168817
3JDT II84221813514
4トレンガヌFC II84131212013
5スランゴール283141015-510
6ヌグリスンビランFA8314712-510
7ケランタンU8305911-29
8UKM FC8232712-59
9ケランタンFA832310918
10サラワクU82231213-18
11クチンFA8215916-77
12ペラ II8134910-16
*9位のケランタンFAは給料未払い問題により勝点3が剥奪されています。

マレーシアプレミアリーグ ゴールランキング(第8節終了時)

ゴール数選手名所属試合数
7カサグランデペナンFA8
7エンドリックペナンFA8
6フランシス・コネクアラルンプールFA8
6フェルナンド・ロドリゲスJDT II8
5ダニアル・サアリスランゴール28
5パトリック・ウエーサラワク・ユナイテッド8