9月1日のニュース:問題発言映像の青年スポーツ相が謝罪、2021年のU21とU19リーグの2年連続中止が決定、2位争い渦中のクダはシャーマンとアタヤがW杯予選出場で今季残り試合は全て欠場か、FAMの新事務局長にモハマド・サイフディン氏が就任

問題発言映像の青年スポーツ相が謝罪
 かつてペラ州サッカー協会を務めたことから、今季Mリーグ1部で降格危機に直面するペラFCをリーグのチーム数拡大によって救おうとしていると非難が集まっていたアフマド・ファイザル・アズム青年スポーツ相が謝罪したと、マレーシア語紙ハリアンメトロが報じています。
 新内閣成立後、青年スポーツ省への初登庁となったこの日、記者会見に応じたアフマド・ファイザル青年スポーツ相は、ソーシャルメディア上で拡散した映像の中で発言について全てのマレーシア人に対して謝罪したいと述べています。またマレーシアサッカー協会FAMのハミディン・アミン会長とスチュアート・ラマリンガム事務局長に対しても映像の中で名前を出したことを詫びています。
 『今回の私の発言は誤りであり、この誤りについて全てのマレーシア人に謝罪したい。今回、大臣として自分が言うべきことと言うべきでないことがあることを学んだ。何も良いことをもたらすさないないことについて話すよりも、担当大臣として国内スポーツをより良くするために職務を全うすることをマレーシア人と全てのスポーツファンに約束する。」と述べています。
 アフマド・ファイザル青年スポーツ相はネット上に流出した映像の中で、現在は12チームで構成されているMリーグ1部スーパーリーグのチーム数を16に拡大することで、現在11位で2部降格危機のペラFCが1部に残留できると発言しましたが、その発言内容が現在のMリーグの規則に反し、政治的な介入であると批判を受けていました。さらにアフマド・ファイザル青年スポーツ相はハミディン・アミンFAM会長やスチュアート・ラマリンガム事務局長にもこの内容を提案済みとも述べたことから、FAMやMリーグを運営するMFLがチーム数増に関与しているのではないか疑問の声が上がり、FAMとMFLがそれぞれアフマド・ファイザル氏との会談の事実がないこと、そして今季の1部と2部の入れ替えは従来通りの方式で行うと言う声明を出す事態になっていました。

2021年のU21とU19リーグの2年連続中止が決定
 マレーシアサッカー協会FAMは公式サイトで今季2021年のU21リーグのプレジデントカップとU19リーグのリーグカップの中止を発表しています。両リーグは今季は6月に開幕予定でしたが、新型コロナ感染拡大により9月に延期されていました。
 FAMはマレーシア国内での新型コロナ感染状況が改善されていないことが中止の理由として挙げている他、クラブの選手や関係者、審判、さらには試合開催に直接的、間接的に関わる関係者全員の安全を考慮した結果に基づく決定であるとしています。また今回の決定は、国内のスポーツを統括する青年スポーツ省と新型コロナ対策を担当する国家安全保障委員会のいずれからも現時点で開催許可の承認を得られていないことも理由に挙げられています。
 マレーシア国内では、8月30日には1週間ぶりに国内の1日あたりの新規感染者数が2万人を切り、スランゴール州とクアラルンプールを含む首都圏を中心では新規感染者数が減り始めた一方で、他の地域では新規感染者数が再び増え始めた州もあり、この状況下でのU21リーグとU19リーグの開催までにはまだ時間がかかること、さらにU21とU19の選手は新型コロナワクチン接種を終えたばかりでありこのまま予定通り9月に今季リーグを開幕すれば感染リスクも大きいことも今季中止の判断に繋がったとFAMは説明しています。
 FAMはプレジデントカップとユースカップの2022年シーズンを来年2月に開幕する予定であることも発表しています。
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 新型コロナを理由に挙げられてははどうしようもないですが、2024年パリオリンピック出場を目指すFAMは、長期強化プランの一環としてU20代表をAFC U23アジアカップ予選に派遣する一方で、そのパリオリンピック予選に出場する可能性がある選手たちがプレーするU21リーグとU19リーグを昨年に続き2年連続で中止しています。代表チームの強化にも直結する国内リーグの中止は、U20代表だけでなく、長期的に見ればU23代表やフル代表などの強化にも影響を与えることは必至で、また数年後にはマレーシアサッカーの暗黒の時代がやって来そうでなりません。

2位争い渦中のクダはシャーマンとアタヤがW杯予選出場で今季残り試合は全て欠場か
 Mリーグ1部スーパーリーグで2位のクダ・ダルル・アマンFCは今夜9月1日にスリ・パハンFCと対戦しますが、この試合では今季13ゴールを挙げているエースのFWクパー・シャーマンと司令塔MFラビ・アタヤの両主力選手が自国の代表としてFIFAワールドカップ予選に出場するため欠場します。8月31日から9月9日はFIFA国際マッチデー期間となっており、両選手はこの期間中に開催されるMリーグ1部第21節の9月4日のKLシティFC戦と当初は第16節の7月31日予定されていながら順延されたUITM FC戦も欠場します。
 シャーマン選手はMリーグのサバ、ケランタン、トレンガヌでも監督経験があるピーター・バトラー監督が率いるリベリア代表の選手として、アフリカ2次予選C組で9月3日にはアウェイでナイジェリアと、9月6日にはホームで中央アフリカと対戦します。
 一方のアタヤ選手はマレーシアが突破できなかったアジア2次予選を突破したレバノン代表の選手として、アジア3次予選B組で9月2日にはマレーシアが予選で敗れているアラブ首長国連邦とアウェイで、9月7日はやはりアウェイで韓国と対戦します。
 来季のAFCカップ出場権がかかるスーパーリーグの2位争いでは残り2節となる中、クダ・ダルル・アマンFCが直近の4試合で4連勝するなど勝点38(18試合終了)がリードしているものの、3位のトレンガヌFCと4位のペナンFCがいずれも勝点37(20試合終了)と僅差で迫っています。なお、クダ・ダルル・アマンFCは7月下中の後半戦開幕時に新型コロナ検査で陽性者が出たことから、チーム全員が検疫隔離となり、他のクラブより昇華している試合数が少なく、今夜のスリ・パハンFC戦は第17節の8月4日に予定されていた試合が順延されたものです。
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 気になるのはFIFA国際マッチデー期間以降です。現在、マレーシア政府は全ての渡航者に2週間の検疫隔離を求めており、シャーマン、アタヤ両選手が国際マッチデー期間最終日の9月7日にマレーシアに戻った場合、何か特例がない限り、2週間の隔離期間を経て9月21日からのプレーが可能になります。一方で今季のMリーグ1部は最終第22節が9月12日となっており、両選手は今季のリーグ戦は出場なし、リーグ戦終了後のマレーシアカップから復帰となる可能性があります。

FAMの新事務局長にモハマド・サイフディン氏が就任
 マレーシアサッカー協会FAMは9月1日付でモハマド・サイフディン・アブ・バカル氏が事務局長に就任することを公式Facebookで発表しています。FAMの事務局長は、前任者のスチュアート・ラマリンガム氏がMリーグを運営するMFLのCEOに就任することから空席となっていました。
 60歳になるモハマド・サイフディン氏はスランゴール州サッカー協会で技術部門と育成部門で担当者を務めたのち1991年からはFAMで競技委員会委員長、2004年からはアジアサッカー連盟AFCで競技委員を務め、FAMに戻った2007年から2009年までは副事務局長を務めた後、2009年から2012年まではカタールのスターズリーグの競技委員会の副委員会、2012年からは2019年まではオマーンリーグの競技委員会やライセンス担当者を務めた経歴を持っている他、FIFAとAFCのマッチコミッショナーでもあります。

8月31日のニュース:今季2試合を残しサバFCのクルニアワン監督が「休養」、クラブ史上初の2部降格危機のペラFCは「政治」の力を使って1部残留を画策か、JDTは優勝賞金でフロントライナーの家族を支援

 今日8月31日はムルデカデーと呼ばれる独立記念日で、マレーシア国民の祝日です。しかしこの8月31日を「マレーシアの独立記念日」とするのは間違いで、この日は1957年にマレー半島の英領マラヤが英国から「マラヤ連邦」として独立を果たした日で、サバやサラワクを含めたマレーシアの建国は1963年9月16日まで待たねばなりません。言い換えれば、サバやサラワクではこの1957年8月31日という日付には何の意味もありません。(1963年8月31日に英国直轄植民地だったサバ(当時の名称は北ボルネオ)が自治政府を樹立し独立していますので、厳密に言えばサバの人々にとってはこの日がサバの「独立記念日」ではあります。ちなみにサラワクも同年7月22日にやはり英国直轄植民地から自治政府を設立して独立し、マラヤ連邦、サバ、サラワクそして当時はシンガポールも含めた地域が合同でマレーシアという国家が設立しました。シンガポールはその翌年1964年にマレーシアから離脱し、独自で独立国家となりました。

今季2試合を残しサバFCのクルニアワン監督が「休養」
 Mリーグ1部のサバFCはクラブの公式Facebook上で、クルニアワン・ドゥイ・ユリアント監督の休養を発表しています。リーグ中断期間を挟み7月24日から始まった後半戦でサバFCは7試合で3分4敗、前半戦の最終戦から数えると3分5敗で5月5日以来白星がありません。
 サバFCは8月28日の第20節で最下位のUITM FCにも0-4で敗れ、現在は4勝7分9敗のリーグ7位となり、11位のペラFCとは勝点差6となっています。今季の残り2試合を1分1敗で終えても得失差に関係なく1部残留が決まりますが、クルニアワン監督ではこの成績すら危ういということなのでしょう。なおサバFCは次節は現在5位のスランゴールFC、そして最終節は降格を争う11位ペラFCとの対戦が残っています。
 なおクルニアワン監督が休養中はブルハン・アジュイ アシスタントコーチが監督代行を務め、ジュリアス・アティンが新たにアシスタントチームマネージャーに就任することも発表されています。いずれもかつてはサバFC(当時はサバFA)でプレーした経験があります。

クラブ史上初の2部降格危機のペラFCは「政治」の力を使って1部残留を画策か
 マレーシアサッカー協会FAMは公式Facebook上にスチュアート・ラマリンガム事務局長名で投稿を行い、自身も、またハミディン・アミンFAM会長もスーパーリーグのチーム数を現行の12から16へ増やすことについて誰とも話し合いを持っていないことを表明しています。さらに投稿では「Mリーグの1部スーパーリーグや2部プレミアムリーグでプレーするチーム数や。2部から1部への昇格および1部から2部への降格チーム数については、Mリーグを運営するMFLとその理事会の管轄下にあり、FAMはこれに関知していない。」とも述べています。
 FAMがこのような声明を発表したのは、ソーシャルメディア上で拡散しているある映像が原因です。この映像では先週の新内閣発足に伴い新たに就任したアフマド・ファイザル・アズム青年スポーツ相が、1部スーパーリーグを16チームとすることで、現在11位と低迷するペラFCが2部に降格せずに済むのではないかと尋ねられたことに対し、青年スポーツ省はそれを指導する権限はないと述べる一方で、ハミディンFAM会長やスチュアート事務局長とはリーグを16チームに拡大についての話し合いを持ったと述べています。
 2018年5月からペラ州首相を務めていたアフマド・ファイザル氏は、昨年2020年3月に連邦政府で起こった政権交代の影響を受け、与野党の力関係が逆転したペラ州議会で不信任案が可決され同年12月にペラ州首相を辞任しましたが、今年1月までペラ州サッカー協会会長も務めていた経緯もあり、連邦政府内で国内スポーツを統括する立場にあるアフマド・ファイザル青年スポーツ相がリーグ拡大という裏技を使って、ペラFCの2部降格を阻止しようとしているといった見方が広まっていました。
 さらにMリーグを運営するMFLも公式サイト上で声明を発表し、今季の1部からの降格と2部からの昇格チーム数については従来通り行うことを発表しており、FAM、MFLともネット上に広まるペラFCの「1部残留工作」の噂の打ち消しに躍起になっています。

JDTは優勝賞金でフロントライナーの家族を支援
 Mリーグ1部で残り2試合を残し第20節に今季の優勝とリーグ8連覇を達成したJDTは、今回のタイトルを新型コロナの感染拡大阻止と戦う全てのフロントライナーに捧げたいとクラブの公式サイトで明らかにしています。
 今回の優勝は自らの命を危険に晒しながら日夜、新型コロナと戦うフロントライナーのおかげだとして、JDTのオーナーでジョホール州皇太子のトゥンク・イスマイル殿下は今季の優勝賞金をフロントライナーの家族の支援のための基金とすると述べています。
 これを取り上げた英字紙スターは、今季の優勝賞金とおよそ50万リンギ(およそ1320万円)だと報じ、これまでにJDTは新型コロナ感染拡大前からJDT基金を通じで同様の社会貢献を行なってきたともしています。
 同じ記事では、Mリーグで外国籍監督として初のリーグ3連覇を達成したベンヤミン・モラ監督は今回の優勝をイスマイル殿下に捧げるとともに、今季唯一の黒星をつけられたトレンガヌFC戦と対戦する次節では、主力を温存することなくベストメンバーで望むと話しています。



Mリーグ1部スーパーリーグ第20節結果

 8月27日から29日にかけて、Mリーグ1部スーパーリーグ第20節が開催されました。今節は首位のJDTがスリ・パハンFCに勝利し、2試合を残しながら今季優勝を決めています。またこの優勝でリーグ8連覇も達成しています。次節からの残り2節はAFCカップ出場権がかかるリーグ2位、3位争いと2部降格をめぐる争いがさらに激化しそうです。
 試合のハイライト映像はMFLの公式YouTubeチャンネルよりお借りしています。

2021年8月27日@スルタン・イブラヒムスタジアム(ジョホール州イスカンダルプテリ)
JDT 3-0 スリ・パハンFC
得点者:ベルグソン・ダ・シルヴァ3(8分、41分、45分)
 前半だけでハットトリックを決めたベルグソン・ダ・シルヴァの活躍でJDTが快勝し、今季優勝とリーグ8連覇を決めています。この試合では、先日このブログでも取り上げた代表FWシャフィク・アフマドも後半戦初めてベンチ入りし、60分からの途中出場ながらシュートを放つなど今季3試合目の出場を果たしています。
 一方のスリ・パハンFCはエラルド・グロンやアダム・ノー・アジーら主力選手6名がケガで出場できず、試合前から困難な試合になることは明らかでしたが、やはりJDTになすすべなく破れ、今季残り2試合は1部残留をかけた戦いが続きます。

2021年8月28日@ダルル・アマンスタジアム(クダ州アロースター)
クダ・ダルル・アマンFC 1-0 ペラFC
得点者:クダ-クパー・シャーマン(19分)
 Mリーグを運営するMFLは来季のAFCカップ出場資格はMリーグ1部スーパーリーグ2位とマレーシアカップ優勝チームに与えられることを発表し、各チームは今季2位を目指して争いを激化させています。そんな中、11位のペラFCを相手にクダ・ダルル・アマンFCが勝利し、2位に浮上しています。
 ペラFCはこの試合で引き分けを挟み6連敗とまた一歩、2部降格に近づいています。

2021年8月28日@MBPJスタジアム(スランゴール州プタリンジャヤヤ)
スランゴールFC 1-1 マラッカ・ユナイテッドFC
得点者:スランゴール-ハイン・テット・アウン(18分)、マラッカ-マヌエル・オット(90+4分)
 ハイン・テット・アウンのゴールで先制したスランゴールFCは、28分にDFアシマウィ・ヤキンがいわゆるプロフェッショナルファウルで退場となりますが、10人となってもこの1点を守り切り5連勝目前となったロスタイムに失点して引き分けています。スランゴールFCのカルステン・ナイチェル監督が89分に守備の選手ではなくFWダニアル・アスリとウィングのシーン・シヴァラジを投入した選手交代には疑問も残りますが、この引き分けでスランゴールFCの今季トップ3でのフィニッシュは難しくなりました。
 一方、2部降格争いの中にいるマラッカ・ユナイテッドFCにとっては貴重な引き分けとなりました。

2021年8月28日@UITMスタジアム(スランゴール州シャーアラム)
UTIM FC 4-0 サバFC
得点者:UTIM-クォン・ヨンヒョン(15分PK)、ジョエル・ヴィニシウス(17分)、シーン・ジッネッリ2(59分、66分)
 最下位12位のUITM FCがホームで7位のサバFCに今季最多となる4得点で圧勝し、1部残留の可能性が残りました。KLシティFCから期限付き中のGKザミル・スラマットが移籍後2試合目となるクリーンシートを達成すれば、同じくKLシティFCから期限移籍中のシーン・ジッネッリが2得点を挙げてUITM FCの勝利に貢献しています。
 サバFCは4月17日に自身のホームで行われた同じカードでは4-0と勝利していましたが、この日は同じ得点差で敗れて後半戦はこれで3分4敗となり、この試合後にはクルニアワン・ドゥイ・ユリアント監督の「休養」が発表されています。

2021年8月29日@シティスタジアム(ペナン州ジョージタウン)
ペナンFC 2-1 PJシティFC
得点者:ペナン-カサグランデ(5分)、シェリディン・ボボエフ(45+1分)、PJ-P・ラジェス(64分)
 エースのカサグランデとシェリディン・ボボエフがいずれも2試合連続ゴールを決めたペナンがFCが勝利しています。ペナンFCは今季2部から昇格したチームですが、いきなりトップ3でのフィニッシュの可能性が見えてきました。
 PJシティFCは残り2試合で降格圏の11位まで勝点差5となり、次節第21節の最下位UITM FC戦での勝利が1部残留の条件となります。

2021年8月29日@KLフットボールスタジアム(クアラルンプール)
KLシティFC 1-0 トレンガヌFC
得点者:KL-パウロ・ジョズエ(29分)
 今季2部から昇格したKLシティFCのボジャン・ホダック監督が今季の目標にあげた1部残留が既に確定しており、チームもこの試合の勝利で後半戦は3勝4分と無敗記録を更新しています。
 一方、今季2位とAFCカップ出場権を狙うトレンガヌFCは、下位のクラブ相手に痛すぎる敗戦で3位に後退しています。次節第21節はリーグ覇者のJDTと、そして最終節の第22節では3位を争うペナンFCと好調なチームとの直接対決が控えており、3位を死守できるかどうかに注目です。

2021年シーズンMリーグ1部スーパーリーグ順位(第20節終了時)

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1#JDT2016314783951
2KDA18122433191438
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12UITM1923141237-259
#JDTが2021年シーズンの優勝を果たしAFCチャンピオンズリーグ出場権を獲得しています。
*マラッカ・ユナイテッドは給料未払いのため、勝点3剥奪処分を受けています。
項目:G-試合数、W-勝利、D-引き分け、L-敗戦、GF-得点、GA-失点、GD-得失差、P-勝点
ラブ名:KDA-クダ・ダルル・アマン、TFC-トレンガヌ、PRK-ペラ、SEL-スランゴール、PHG-スリ・パハン、PJ-PJシティ、MU-マラッカ・ユナイテッド、SBH-サバ、PEN-ペナン、KL-KLシティ

2021年シーズンMリーグ1部スーパーリーグ得点ランキング(第20節終了時)

選手(クラブ)ゴール数
1ベルクソン・ダ・シルバ(JDT)23
2イフェダヨ・オルセグン(SEL)22
3クパー・シャーマン(KDH)13
4カサグランデ(PEN)11
5パウロ・ジョズエ(KL)10
クラブ名:KDA-クダ・ダルル・アマン、TFC-トレンガヌ、PRK-ペラ、SEL-スランゴール、PHG-スリ・パハン、PJC-PJシティ、MU-マラッカ・ユナイテッド、SBH-サバ、PEN-ペナン、KL-KLシティ

Mリーグ2部プレミアリーグ第20節結果

 8月27日から29日にかけてMリーグ2部プレミアリーグ第20節が開催されました。

2021年8月27日@スルタン・ムハマド4世スタジアム(ケランタン州コタバル)
ケランタンFC 2-1 ヌグリスンビランFC
得点者:ケランタン-サイド・ソブリ・サイド・モハマド(12分)、ヌルシャミル・アブドル・ガニ(89分)、ヌグリスンビラン-フランシス・コネ(16分)
 この試合前には首位に勝点差2と迫っていた2位のヌグリスンビランFCが7位のケランタンFCに敗れる波乱で、この日勝利した首位サラワク・ユナイテッドFCとの勝点差が5と開きました。

2021年8月27日@KLフットボールスタジアム(クアラルンプール)
PDRM FC 0-3 サラワク・ユナイテッドFC
得点者:サラワク-サンドロ・ダ・シルヴァ2(17分、35分)、ウチェ・アグバ(82分)
 首位のサラワク・ユナイテッドFCが引き分けを挟んで4連勝で首位を堅持、2部プレミアリーグ優勝へまた一歩近づいています。
 一方のPDRM FCは過去7試合で7ゴールと好調だった後半戦のエース、鈴木ブルーノが不発に終わり、チームも4試合ぶりの無得点で無敗記録が7でストップしています。
 PDRM FCの鈴木ブルーノ選手は先発してフル出場しています。

2021年8月28日@MBPGスタジアム(ジョホール州パシルグダン)
クチンシティFC 1-1 スランゴールFC 2
得点者:クチン-ジョセフ・カラン・ティー(62分PK)、スランゴール-ジョージ・アトラム(71分)
 クチンシティFCは3連勝はならなかったものの、後半戦は3試合連続無敗記録を更新しています。
 クチンシティFCの鈴木雄太選手は先発してフル出場しています。

2021年8月29日@スルタン・ムハマド4世スタジアム(ケランタン州コタバル)
ケランタン・ユナイテッドFC 0-1 FAM-MSNプロジェクト
得点者:FAM-アズハド・ハラズ・アルマン(77分)
 ケランタン・ユナイテッドが2試合連続の0封負け。後半戦に入って1勝1分5敗、その内、この試合も含めて4試合が無得点負けで、マレーシアカップ出場に向けて残り2試合は攻撃陣の奮起が求められます。
 最下位のFAM-MSNプロジェクトは、AFC U23アジアカップに出場するU20代表候補に選出された18歳のアズハド・ハラズ・アルマンが今季8ゴール目を決めるとともに嬉しい今季初勝利を挙げています。
 ケランタン・ユナイテッドFCの深井脩平、谷川由来両選手は先発してフル出場、本山雅志選手はベンチ入りしませんでした。

2021年8月29日@タンスリ・ダト・ハジ・ハサン・ユノススタジアム(ジョホール州ラーキン)
JDT II 3-2 トレンガヌFC II
得点者:JDT-モハマド・ラフィフィクリ・モハマド・ロスマン(53分)、フェルナンド・ロドリゲス(60分PK)、廣瀬慧(78分)、トレンガヌ-ジョーダン・ミンター(41分)、渡邉将基(90+1分) 
 JDT IIが廣瀬慧選手の今季初ゴールなどでトレンガヌFC IIに勝利し3位に浮上しています。
 トレンガヌFC IIは前半戦無敗でしたが、直近の3試合は1分2敗とリーグ終盤に来て苦しい試合が続いています。
 JDT IIの廣瀬慧選手は先発してフル出場し、今季初ゴールを挙げています。
 トレンガヌFC IIの渡邉将基選手も先発してフル出場し、今季2点目となるゴールを挙げています。

2021年シーズンMリーグ2部プレミアリーグ順位(第20節終了時)

TeamGWDLGFGAGDP
1SU17114236112537
2NS1795326131332
3JDT1886434191530
4TFC1778231161529
5PDRM187472021-125
6SEL185942520524
7KEL187382124-324
8KU1862102127-620
9KCH134541515017
10PRK1835101235-2314
11FAM1813141252-406
項目:G-試合数、W-勝利、D-引き分け、L-敗戦、GF-得点、GA-失点、GD-得失差、P-勝点
クラブ名:NS-ヌグリスンビランFC、SU-サラワク・ユナイテッドFC、TFC-トレンガヌFC II、PRK-ペラFC II、SEL-スランゴールFC 2、KEL-ケランタンFC、KU-ケランタン・ユナイテッドFC、KCH-クチンシティFC、FAM-FAM MSNプロジェクト
*今季の2部プレミアリーグは11チームが参加のため、各節で1チームだけ試合がありません。第20
節はペラFC IIの試合がありませんでした。

2021年シーズンMリーグ2部プレミアリーグ得点ランキング(第20節終了時)

選手名(クラブ)ゴール数
1ジョーダン・ミンター(TFC)15
フェルナンド・ロドリゲス(JDT)15
3ウチェ・アグバ(SU)13
4ガッサマ・アルフセイネイ(KU)10
5ジョージ・アトラム(SEL)9
6アライン・アコノ(NS)8
ヌルシャミル・アブドル・ガニ(KEL)8
アズハド・ハラズ・アルマン(FAM)8
クラブ名:NS-ヌグリスンビランFC、SU-サラワク・ユナイテッドFC、TFC-トレンガヌFC II、PRK-ペラFC II、SEL-スランゴールFC 2、KEL-ケランタンFC、KU-ケランタン・ユナイテッドFC、KCH-クチンシティFC、FAM-FAM MSNプロジェクト

8月28日のニュース:JDTが2試合を残してリーグ8連覇達成、協会が「マラヤの虎」ブランド売り込みに国内大手スポーツ店と販売代理店契約締結、フットサルクラブが地元パハン州企業とスポンサー契約締結で今季初優勝を目指す

JDTが2試合を残してリーグ8連覇達成
 8月27日にMリーグ第20節の1試合が行われ、本拠地のスルタン・イブラヒムスタジアムでスリ・パハンFCと対戦したJDTはこの試合に3-0で勝利し、今季のMリーグ優勝とリーグ8連覇を達成しています。
 エースのベルグソン・ダ・シルヴァが前半でハットトリックを決めるなど、2部降格危機のスリ・パハンFCを相手に危なげなく勝利を挙げたJDTはこの勝利によって今季の勝点が51となり、残り2試合を残し2位のトレンガヌFC以下どのチームもこれに追いつくことができなり、優勝が決まりました。

協会が「マラヤの虎」ブランド売り込みに国内大手スポーツ店と販売代理店契約締結
 マレーシアサッカー協会FAMは公式サイトで国内スポーツ用品大手のアル-イサンと公式販売代理店契約を結んだことを発表しています。
 この発表によると9月16日から国内のアル-イサン全店でマレーシア代表のグッズの販売が開始されるということです。アル-イサンとの公式販売代理店契約今年5月に締結されていたということですが、商品販売開始時期の調整と新型コロナウィルス感染拡大が続いている状況から、この時期になったことが明かされています。
 FAMのハミディン・アミン会長によると、マレー半島部に125店舗を運営するアル-イサンと提携することで、「マラヤの虎」の愛称で知られるマレーシア代表のサポーターがどのような公式グッズを求めているかといった情報をFAMが入手する貴重な経路となるだけでなく、「マラヤの虎」ブランドを国内はもちろん海外へも発信することが可能になるだろうと述べています。
 なおマレーシア代表公式グッズと子供向けブランドの「スーパーリマウ」の新商品が9月16日より年末の東南アジアサッカー連盟AFF選手スズキカップまで順次、発表されるということです。
 アル-イサンはその傘下にサッカーウェア専門ブランド「フットボールリパブリック」を持ち、Mリーグ1部のトレンガヌFCやマラッカ・ユナイテッドFCに練習用や試合用ユニフォームを提供しています。ただし、マレーシア代表はナイキとユニフォーム提供について契約中なので、代表ユニなどはアル-イサンとフットボールリパブリックいずれのブランドでも作成できないでしょう。

フットサルクラブが地元パハン州企業とスポンサー契約締結で今季初優勝を目指す
 マレーシアプレミアフットボールリーグMPFLに所属するパハンレンジャーズはクラブの公式Facebook上で、鉱物探査や採掘を行う企業のSMGB社がの今季2021n年シーズンのスポンサーとなったことを伝えています。
 今回のスポンサー契約によってSMGB社はパハンレンジャーズのMPFL参戦のための運営資金支援する他、クラブが行うフットサル教室やアカデミーの運営、さらには地元パハン州のテメルローの先住民族オランアスリを中心としたフットサル選手発掘などにも支援を行なっていくということです。
 パハンレンジャーズの会長で現マレーシア国王のアブドラ国王の弟君であるファハド・ムアッザム・シャー殿下は今回のSMGB社とのスポンサーシップ契約について、クラブが国内フットサル界で成功を収め、新たな歴史を作るための大きな力になるだろうと述べています。
 パハンレンジャーズはマレーシアプレミアフットサルリーグMPFL初年度となった2019年にはリーグ準優勝した強豪で、フットサル代表にも11名が選出されています。MPFLは昨季2020年シーズンは新型コロナ禍により中止となりましたが、今季2021年シーズンは10月あるいは11月に開幕が予定されており、パハンレンジャーズはリーグ初優勝を目指して参戦します。この他、パハンレンジャーズは2020年にはスペインのレバンテ・ウニオン・デポルティーボやタイのチョンブリーブルーウェイヴといった国外のフットサルクラブとも協力契約を結んでいます。

8月27日のニュース:AFCU23アジアカップ予選に向けた代表候補発表、AFLチェアマン-M3リーグは10月開幕を目指す、鈴木ブルーノ-後半戦の活躍はポジション変更のおかげ

AFC U23アジアカップ予選に向けた代表候補発表
 マレーシアサッカー協会FAMは公式サイト上で今月8月30日から9月7日まで行われる「U20代表」第1次合宿の招集メンバー27名を発表しています。
 公式サイトの説明では、オーストラリア出身のブラッド・マロニー監督が率い、完全隔離形式で行われるU20代表の第1次合宿は、10月23日から27日にモンゴルのウランバートルで開催されるアジアサッカー連盟AFC U23アジアカップ予選に向けてのものということです。なおこのAFC U23アジアカップではマレーシアは集中開催地となったモンゴルの他、タイ、ラオスとともに東地区予選J組に入っています。
 なお8月30日から9月7日はFIFAの国際マッチデー期間ですが、フル代表の活動がないため、Mリーグ1部はこの期間に試合が組まれており、今回の合宿招集メンバーはこの期間に試合が組まれていないMリーグ2部の選手が27名中22名となっており、その内訳はスランゴールFC 2から10名、トレンガヌFC IIから5名、FAM-MSNプロジェクトから4名、JDT IIから3名となっています。また、この他にMリーグ1部のクダ・ダルル・アマンFCから1名、JDTのU21チームであるJDT IIIから2名、そして英国のセミプロリーグのクラブでプレーする選手2名が招集されています。
 「U20代表」はこの第1次合宿の後、9月12日に終了するMリーグ1部でプレーする選手が加わった上で第2次合宿を9月19日から開催する予定になっています。
 第1次合宿の招集メンバーのリストはこちらです。
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 2024年パリオリンピック出場を目指すという目的で、当初はこのU23アジアカップ予選にU20代表を派遣すると言い続けてきたFAMでしたが、その後は方針転換しこの年代のベストチームで予選に臨むためU22代表を派遣するとFAMのハミディン・アミン会長が発言したことはこのブログでも取り上げました。そんなニュースの後での今回の「U20代表」合宿開催なので、その方針が再び変更されたのか、それともハミディン会長の発言は単なる個人的見解だったのかは不明ですですが、今回は「U20代表」には、21歳以上の選手は27名中5名しか招集されていません。というか、これがU20代表合宿ならそもそもこの21歳以上の選手5名がなぜ招集されているかも不明です。

AFLチェアマン-M3リーグは10月開幕を目指す
 Mリーグ3部にあたるM3リーグは今年3月に開幕する予定でしたが、マレーシア国内の新型コロナ感染拡大が止まらなかったことから一旦は6月に延期されたものの、その後も感染状況が改善せずさらに延期され、8月現在も未だに開幕していません。。
 この状況についてM3リーグを運営するアマチュアフットボールAFLのモハマド・ユソフ・マハディ チェアマンは、最終的な決定は政府の認可次第であるとしながらも、今季のリーグ中止は検討しておらず、10月の開幕を目指すと述べています。
 コロナ禍により昨季は中止となったM3リーグですが、今季も中止となれば2部プレミアリーグとの入れ替え戦も2年で連続中止となることから、AFLはその事態を避けるためにも今季の開催を諦めず10月開幕を模索しているとマレーシアの通信社ブルナマは報じています。
 さらにモハマド・ユソフAFLチェアマンは、今季からM3リーグは新たな方式で開催されることから、来年以降のリーグ運営の参考とするためにも今季の開催を熱望していることに加え、2年連続の中止となれば、今後のM3リーグのスポンサー獲得にも影響が出ることへの懸念なども理由に挙げています。
 セミプロ化を目指すM3リーグは20クラブをA、Bの2グループに分けて対戦する方式へと変更されることが発表されていますが、M3リーグの試合が開催されるのは大半がスタンドがないオープンフィールドで観戦者の制限が難しいことから、10月になっても新型コロナ感染拡大が続く場合には開催方法などの変更もありうると話しています。
 今季のM3リーグは開幕の延期に加え、外国籍選手および外国籍指導者の登録が禁止され、マレーシア人選手と指導者のみで開催されることも決定しています。

鈴木ブルーノ-後半戦の活躍はポジション変更のおかげ
 Mリーグ2部PDRM FCでプレーする鈴木ブルーノ選手をMリーグを運営するMFLの公式サイトが特集記事で取り上げています。
 昨季は同じ2部のトレンガヌFC IIでプレーした鈴木ブルーノ選手は今季開幕直前にPDRM FCに移籍したものの、今季開幕2戦目の3月10日のケランタン・ユナイテッドFCで負傷により途中退場して以降は復帰に1ヶ月ほどを要し、その間にチームはわずか1勝と低迷。その結果、マット・ザン監督は更迭され、後任にはこれまでMリーグで指導経験がないワン・ロハイミ・ワン・イスマル監督が就任しました。
 4月11日のペラFC II戦で5試合ぶりに復帰したブルーノ選手は前半戦最終戦となった5月8日のスランゴールFC 2戦で今季初ゴールを挙げたものの、前半戦は前述のケガもあり11試合で1ゴールという期待を裏切る成績で、1シーズンで1部復帰を目指したチームも3勝2分6敗でした。
 しかし後半戦が7月25日に開幕するとブルーノ選手は6試合で6ゴールを挙げる活躍を見せ、4勝2分0敗というチームの好成績を支える原動力となっています。
 前半戦最終戦も含めれば7試合で7ゴールの驚異的な成績を収めているブルーノ選手ですが、MFL公式サイトの記事では、それまでセカンドストライカーで起用していたブルーノ選手をワン・ロハイミ監督がセンターフォワードへと配置転換したことが大きな転機なったと述べています。
 「前半戦は長期間チームから離脱する原因となったケガをする前から試合にうまく対応できていなかった。しかし、後半戦では、ワン・ロハイミ監督が自分をセンターフォワードとして起用してくれたおかげで、これまで失っていたゴールの感覚をやっと取り戻すことができた。ワン・ロハイミ監督の信用にも応えられて嬉しく思っている。」と話すブルーノ選手は、その信用のおかげでチームも5位に浮上し、マレーシアカップ出場が狙える位置となったことにも貢献できたとも話しています。
 「今季ここまでに上位のサラワク・ユナイテッドFCやトレンガヌFC IIも破っていることから、さらにトップ3入りも狙えると思っている。チーム内の雰囲気も良く、全ての選手が自信を持ってプレーすれば2部のどのチームと戦っても勝つ力が今のチームにはある。」と述べたブルーノ選手は、個人の目標としては今季開幕前に目標としていたシーズン10ゴールまであと3ゴールとなっていることから、今季残り3試合ながらこの目標を達成したいと話しています。

8月26日のニュース:Mリーグ1部-クダが3連勝で4位に浮上、Mリーグ2部-クチンシティが連勝でマレーシアカップ出場権争いが混戦に、Mリーグ運営組織の新CEOはJDT勤務の兄との関連を否定

 チーム内に新型コロナ陽性者が見つかり、複数の試合が延期されていたMリーグ1部のクダ・ダルル・アマンFCと2部のクチンFCが試合を行い、両チームとも勝利しています。

2021年8月25日@MBPJスタジアム(スランゴール州プタリンジャヤ)
PJシティFC 1-4 クダ・ダルル・アマンFC
得点者:PJ-カイリル・ムヒミーン(61分)、クダ-ラビー・アタヤ(4分)、プラバカラン(45+4分OG)クパー・シャーマン(56分)、ファヤッド・ズルキフリ(90+3分)
 クダ・ダルル・アマンFCがエースのクパー・シャーマンらの4ゴールでPJシティFCに圧勝し、3連勝で4位に浮上しています。
 Mリーグ1部で唯一、外国籍選手が一人もいないPJシティFCはここまで8位と大健闘としていますが、残り3試合で降格権となる11位のペラFCとは勝点差5と今後も厳しい状況が続きます。そんな中での朗報は、ケガで長期離脱を余儀なくされていたダレン・ロックがこの試合に途中出場したことでしょう。開幕5試合で2勝2分1敗と快進撃する中、3ゴールを挙げたロック選手は、ケガをした3月21日の第5節スリ・パハンFC戦以来の復帰を果たしており、1部残留がかかる残り3試合に間に合った!といったところでしょうか。

2021年シーズンMリーグ1部スーパーリーグ順位(第19節終了時)

ClubGWDLGFGAGDP
1JDT1915314483648
2TFC19114431161537
3KDA17112433201334
4PEN1910453126534
5SEL1995537271032
6KL196942317627
7SBH194782026-619
8PJ194691225-1318
9MU194872024-417
10PHG184592029-917
11PRK1934121741-2413
12UITM181314837-296
*マラッカ・ユナイテッドは給料未払いのため、勝点3剥奪処分を受けています。
項目:G-試合数、W-勝利、D-引き分け、L-敗戦、GF-得点、GA-失点、GD-得失差、P-勝点
ラブ名:KDA-クダ・ダルル・アマン、TFC-トレンガヌ、PRK-ペラ、SEL-スランゴール、PHG-スリ・パハン、PJ-PJシティ、MU-マラッカ・ユナイテッド、SBH-サバ、PEN-ペナン、KL-KLシティ

2021年8月25日@MBPGスタジアム(ジョホール州パシルグダン)
クチンシティFC 2-1 JDT II
得点者:クチン-イルワン・シャズミン(59分)、アミル・アムリ・サレー(82分)、JDT-フェルナンド・ロドリゲス(18分)
クチンシティFCが2連勝し、8位と勝点差4の9位に浮上しています。消化試合数が他のクラブよりも少ないクチンシティFCは、今後の成績次第でも2年連続となるマレーシアカップ出場も見えてきます。今季の残りのホームゲームはジョホール州のMBPGスタジアムを使用するクチンシティFCからは、移動の負担も少なくなる上、ピッチの状態も本来のサラワク州立スタジアムより良いという話も聞こえてきており、さらに上位を目指す環境は整っているようです。
 この試合ではクチンシティFCの鈴木雄太選手とJDT IIの廣瀬慧選手はいずれも先発してフル出場しています。

2021年シーズンMリーグ2部プレミアリーグ順位(第19節終了時)

TeamGWDLGFGAGDP
1SU16104233112234
1NS1695225111432
3TFC1678129131629
4JDT1776431171427
5PDRM177462018225
6SEL175842419523
7KEL176381923-421
8KU176292126-520
9KCH124441414016
10PRK1835101235-2314
11FAM1703141152-413
項目:G-試合数、W-勝利、D-引き分け、L-敗戦、GF-得点、GA-失点、GD-得失差、P-勝点
クラブ名:NS-ヌグリスンビランFC、SU-サラワク・ユナイテッドFC、TFC-トレンガヌFC II、PRK-ペラFC II、SEL-スランゴールFC 2、KEL-ケランタンFC、KU-ケランタン・ユナイテッドFC、KCH-クチンシティFC、FAM-FAM MSNプロジェクト

MFLの新CEOはJDT勤務の兄との関連を否定
 9月1日付でMリーグを運営するMFLのCEOに就任するスチュアート・ラマリンガム氏は、MFLのCEOが受けるプレッシャーはこれまで以上に厳しくなっていることは理解している上で、自分にはその状況に対処する能力があると話しているとマレーシアの通信社ブルナマが報じています。。
 就任発表後初めてとなる会見で、自身を仕事としてではなくサッカー好きとしてサッカー界に関わっている人間であると評したスチュアート氏は、産業としての国内サッカーが向かう方向性が未だ定まっていないことを問題として挙げ、就任後は直ちにMリーグに変革をもたらしたいと話す一方で、長期的視野に立った改革も同時に行いたいとも話しています。
 前任者のアブドル・ガニ・ハサン氏がMFL会長に就任したことを受け、MFLのCEOが空席となったことにより、2018年7月からマレーシアサッカー協会FAMの事務局長を務めてきたスチュアート氏がMFLの新CEOとなることが今週発表されています。
 またオンラインで行われた会見の席上では、MFLの前身であるFMLLPが2015年に設立された際にCEOを務めた兄のケヴィン・ラマリンガム氏との関連を問われると、自分たちは兄弟ではあるものの、それぞれが異なる能力を持つ別の人間であることを強調し、今回のMFLのCEO就任と現在はMFLが運営するMリーグの1クラブであるJDTで働く兄とは全く関連がないとし、「各州のサッカー協会が運営するMリーグクラブが民営化する先鞭をつけた兄の実績を評価するとともに、自分の役割はそこで作られた仕組みを改善して前進することだと理解している。」と答えています。
 2015年4月にFMLLPのCEOに就任したケヴィン・ラマリンガム氏は、2018年3月に現在のMFLとなった後もCEOを務めた後、2019年11月に健康上の理由で退任しています。そしてその後任としてMFLの第2代CEOに就任したのが今回、MFLの新会長に就任したアブドル・ガニ・ハサン氏でした。



8月25日のニュース:出場機会不足に不満を述べた選手へのJDTオーナーの反応に多くのサポーターが同意、そのJDTオーナーが退任をほのめかす?、代表は10月に国内合宿と海外遠征を開催か、 ペラFCが未払いとなっていた7月分の給料を支給

出場機会不足に不満を述べた選手へのJDTオーナーの反応に多くのサポーターが同意
 「チームメートがサッカーをしているのを見るのは楽しいな。」と間接的に自身の出場機会がないことをツイートしたJDTのFWシャフィク・アフマドが、オーナーからクラブは仲良しグループではなく、不満があるなら他のクラブへ移籍することを止めない、と反応されたニュースは先日このブログでも取り上げましたが、このトゥンク・イスマイル ジョホール州皇太子の反応については様々な意見が出ていることを、マレーシア語紙ウトゥサンマレーシアが報じています。
 このイスマイル殿下によるクラブ公式Facebookへの投稿にはこの執筆時点で1万7000件の「いいね」と2900件近いコメントがついていますが、その多くがイスマイル殿下に同意すると同時に、JDTでは出場機会が得られないシャフィク選手に移籍を勧める内容です。「JDTヘ移籍する前にプレーしていたクダ・ダルル・アマンFC(当時はクダFA)に戻るべき」といったものから「シャフィク選手自身は努力はしているのだろうが、これまでにリーグ2位の20ゴール(17試合)を挙げているブラジル出身のFWベルグソン・ダ・シルヴァにポジション争いで勝つのは難しい。」、「スランゴールFCに来い。JDTを除けばスランゴールFCは給料もいいぞ。」まであり、さらには「(高給とされるJDTでプレーすることで)銀行口座に金がたくさんあるなら、それで十分ではないか。出場機会が少ないことなど気にするな。」といった皮肉混じりのものもあります。
 そんな中で「我々マレーシアサポーターはシャフィク選手が代表でプレーするところを見たいが、JDTに残り控えのままでは次の代表に招集されることも難しくなる。6月のW杯予選では役立たずだったギリェルメ・デ・パウラが代表に招集されたのも彼がペラFCの主力選手だったからだ。」といった意見に代表されるように、FWに人材不足の現在の代表には、新型コロナ禍による中断前に行われた一昨年のW杯予選でアラブ首長国連邦やインドネシア相手にゴールを挙げたシャフィク選手は必要な選手なのは明らかです。
 なおイスマイル殿下は既にシャフィク選手と直接話し、JDTでは試合出場の用意ができているとチームが判断すれば試合に出ることができ、シャフィク選手も同様であると伝えたことを明かすとともにこの件に関してはこれで解決したとも述べています。
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 ボラセパマレーシアJPでは、今季開幕前にJDTの注目選手としてこのシャフィク選手を取り上げました。U23代表から順調に成長し26歳となる今年は同じJDTのサファウィ・ラシドとともに代表を引っ張る存在として期待したからでした。しかし、今季はトップチームでの先発出場どころかベンチ入りしたのがわずか3試合、試合出場は1試合でそれも90分からの出場でした。また、7月24日から始まった後半戦ではこれまで1試合もベンチ入りしていません。昨年2020年12月には自らが運転していた自動車の事故で生後1年未満の息子を失うなど悲惨な出来事も経験したシャフィク選手が、イスマイル殿下が指摘しているようにその事故を境に別人になってしまったのかどうかは外部からはわかりませんが、自身の選手としてのキャリア、特に代表選手としてのキャリアを考えるのであれば、国外も含めて他のクラブへ移籍を考えてみるのも悪くないのでは、とファンの一人として思ってしまいます。

JDTオーナーが退任をほのめかす?
 JDTのオーナーでジョホール州皇太子のトゥンク・イスマイル殿下が退任をほのめかすような投稿を自身のインスタグラムに行ったと、マレーシア語紙のブリタハリアンが報じています。
 イスマイル殿下がオーナーを務めるJDTは昨季までMリーグ7連覇を達成し、今季も次節に勝利すれば8連覇が決まる状況ですが、そんな中で以下のような投稿を行なっています。
 「これまでJDTがピッチ内外で成功を収めるよう尽力してきた結果、JDTは立派なブランドになった。最高の設備のもと、過去8年間でトップチームはリーグ戦やカップ戦などで18回の優勝を、ユースレベルでは10回の優勝を達成した。」という投稿はさておき、多くのサポーターに衝撃を与えたのは、その投稿の最後に書かれた「これが私からクラブへの最後の贈り物だ。」という部分でした。10月から建設が始まる本拠地スルタン・イブラヒムスタジアムに隣接する巨大なトレーニング施設の写真が添えられたこの投稿に対し、多くのサポーターやメディアはイスマイル殿下がJDTオーナーを退任するのではと色めき立っています。
 イスマイル殿下の真意は現時点では不明ですが、今週末の第20節にもJDTのリーグ8連覇が決まる可能性があり、その後には何か重大な発表があるかも知れません。

代表は10月に国内合宿と海外遠征を開催か
 マレーシアサッカー協会FAMが10月に代表合宿と練習試合を企画しているとマレーシア語紙ハリアンメトロが報じています。
 代表チームは今年12月には昨年から延期された東南アジア(アセアン)サッカー連盟AFF選手権スズキカップ2020年大会が、そして来年2月にはアジアサッカー連盟AFC選手権アジアカップ2023年大会3次予選が控えていますが、FIFAの国際マッチカレンダー期間の今月8月30日から9月7日までは、新型コロナ禍により終了が遅れたリーグ戦中期間である上、マレーシア政府が全ての渡航者に求めている14日間の検疫隔離期間によって、代表チームは他国の代表チームを招いて練習試合を行うことも、他国へ遠征に行くこともできず予定されていた代表合宿が中止に追い込まれています。
 Mリーグを運営するMFLの新たなCEO就任が決まったマレーシアサッカー協会FAMのスチュアート・ラマリンガム事務局長は、代表チームの予定として10月には国内での代表合宿と国外での練習試合開催を検討中であることをハリアンメトロによる取材で明らかにしています。

ペラFCが未払いとなっていた7月分の給料を支給
 給料未払いが明らかになり主力選手が大量退団した結果、Mリーグ1部で11位と低迷するペラFCの選手らに対し、今週末に予定されているMリーグ第20節の前に未払いとなっている7月分の給料が支払われることをウトゥサンマレーシアが報じています。
 今季は残り3試合となり、現在11位と2部降格危機にある中で、未払い給料を支払うことで選手の士気を高めたいとペラFCのアズマン・ノーGM(ゼネラルマネージャー)は話しています。
 8月1日付で就任したアズマンGMは、2部降格を食い止めるため最終戦までできる限りの泥苦を続けたいとも話し、ペラFCのサポーターにも12番目の選手として最後までチームへの応援を続けて欲しいと訴えています。
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 このように未払い給料支払いをメディアに公表しながら、その裏では全額ではなく一部のみを支払っていた、といった他のクラブの事例もあるので、ここは選手らには支払いを事前に伝えても、メディアには支払ってからそれを公表すれば良いのではないか、とも思ったりもします。今回のメディアへの公表はアズマンGMによる自チームのサポーターを含めた対外的なアピールなのかもしれませんが、アズマンGM就任以降のペラFCは3試合で最下位のUITM FCでの敗戦も含め0勝3敗、3得点10失点と、いまさら未払い給料を支払っても焼け石に水といった印象です。

8月24日のニュース:スチュアートFAM事務局長がMリーグのCEOに就任、インドスーパーリーグのクラブがクラスニキの期限付き移籍を正式に発表、現在改修中のシャーアラムスタジアムが来季開場へ

スチュアートFAM事務局長がMリーグのCEOに就任
 マレーシアサッカー協会FAMのスチュアート・ラマリンガム事務局長がMリーグを運営するMFLの新たなCEOに就任したことがMFLの公式サイトで発表されています。
 MFL前会長のハミディン・アミン氏が兼任していたマレーシアサッカー協会の会長職に専念するために辞任し、トコロテン式に前CEOのアブドル・ガニ・ハサン氏が8月12日にMFLの会長に就任したことで空席になったMFLのCEO職は当初は東南アジア最大の格安航空会社エアアジアグループCEOのトニー・フェルナンデス氏の名前なども上がっていましたが、このブログでも予想記事を取り上げた通り、15年以上に渡り国内外のサッカー事業に関わってきた44歳のスチュアート氏がMFL理事会の満場一致を経て順当にCEOに就任しています。なおスチュアート氏は9月1日付けてCEOに就任するということです。

インドスーパーリーグのクラブがクラスニキの期限付き移籍を正式に発表
 インドスーパーリーグのオディシャFCはクラブの公式サイトで、Mリーグ1部のJDTからMFリリドン・クラスニキが期限付きで移籍することを正式に発表しています。
 インド南東部のオディシャ州の州都ブバネーシュワルを本拠地とするオディシャFCは、クラスニキ選手がアルバニアU21代表、コソボ代表、そして帰化したマレーシアでも代表でプレーと3ヶ国の代表でプレーした経歴などを紹介している他、インドでのシーズン開幕を楽しみにしており、早くキコ・ラミレス監督やチームメートに合流し、試合ではファンを喜ばせたいというクラスニキ選手のコメント、そして優れた体躯と技術を持ち合わせたいわゆる「ボックストゥボックス」MFのクラスに貴選手には攻撃と守備の両面で期待しているというラミレス監督のコメントなども発表しています。

現在改修中のシャーアラムスタジアムが来季開場へ
 Mリーグ1部スランゴールFCの本拠地シャーアラムスタジアム(スランゴール州)は1994年開場の8万人収容の巨大スタジアムですが、老朽化による施設の劣化によりMリーグの公式戦では使用が禁止され、2020年より改修工事が始まっています。
 総額3億5000万リンギ(およそ91億円)とされるその膨大な費用により、長期化が予想されていた改修工事ですが、これが遅くとも来年初めには終了するだろうとマレーシア語紙ハリアンメトロが報じています。
 シャーアラムスタジアムを管理するスランゴール州のアミルディン・シャリ州首相は改修費用をスランゴールFCの会長でスランゴール州皇太子のテンク・アミル・シャー殿下がその一部を負担することとなったということです。
 シャーアラムスタジアムが使えないスランゴールFCは、昨季はUITMスタジアムをUITM FCと、今季はMBPJスタジアムをPJシティFCと共用しています。
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 シャーアラムスタジアムでは2020年1月にプレシーズンマッチとして開催されたスランゴール・アジアチャレンジ2020で、この時には当時細貝萌が所属していたバンコク・ユナイテッドFC(タイ)、ハノイFC、プルシブ・バンドンFCが参加しましたが、この大会を最後にスタジアムの使用が禁止され、また新型コロナウィルス感染が拡大や改修費用工面の問題などから、来季2022年もスランゴールFCはMBPJスタジアムを本拠地とするのではとも言われていました。
 拙宅から車で30分以上がかかるシャーアラムスタジアムより、15分程度で行けるMBPJスタジアムでホームゲームを開催してくれる方が、スランゴールFCサポーターとしては嬉しいのですが…。そもそも近年は8万人どころかその半分の観衆も入ることがなくなったシャーアラムスタジアムを来季に間に合うように急いで改修するよりも、サッカー観戦だけでなく試合のない日も足を運びたくなるような総合娯楽施設化なども視野に入れるなどして「ホワイトエレファント」とはならないようにしてもらいたいです。

8月23日のニュース:ペラFCは「休養」明けのチョン監督が今季最終戦まで指揮、Mリーグの新CEOにサッカー協会事務局長が就任か、JDTオーナー-クラブは仲良しグループでもなければ監獄でもない

ペラFCは「休養」明けのチョン監督が今季最終戦まで指揮
 Mリーグ1部ペラFCは8月2日にから「休養」していたチョン・イーファット監督の復帰を発表しています。なおチョン監督は今季Mリーグの残り3試合の指揮を取るということです。
 マレーシアの通信社ブルナマはペラFCのアズマン・ノーGM(ゼネラルマネージャー)の話として、チョン監督に代わるAライセンス保持者を見つけられなかったことを理由に挙げており、チョン監督の2週間の「休養」期間を8月16日付で終了したとしてます。なおMリーグ1部ではこのAライセンスの保持が監督就任の条件となっています。
 チョン監督が「休養」中はシャーリル・ニザム アシスタントコーチが監督代行を務めましたが、この間の3試合は0勝3敗で3得点10失点という成績でした。
 開幕直前にメフメト・ドゥラコビッチ前監督の辞任を受けて就任した地元ペラ州イポー出身のチョン監督の契約は2022年11月までとなっていますが、アズマンGMはチョン監督が来季もペラFCの指揮を取るかどうかは今季終了後に決定するということです。
 給料未払い問題が発覚し、シーズン半ばには今季開幕戦の先発XIの半数以上が退団したペラFCは第19節を終えて3勝4分12敗の11位とクラブ史上初の2部降格が目前に迫っています。
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 成績不振の原因をチョウ監督一人に押し付ける形になっていますが、開幕直前のドゥラコビッチ前監督辞任と主力選手の大量退団の責任は現場ではなく給料未払い問題を起こしたフロントの責任なのは明らかです。前任者のリザル・アリ・アイザリCEOが引責辞任し、それを引き継いだ自身には責任がないという立場からなのか前CEOが獲得した選手を非難する声明を度々出しているアズマンGMですが、その姿勢がチームの士気低下に影響しているという自覚はなさそうです。

Mリーグの新CEOにサッカー協会事務局長が就任か
 Mリーグを運営するMFLの新会長にアブドル・ガニ・ハサン氏が就任したことで、アブドル・ガニ氏の前職であったMFLのCEO職が空席になっていますが、その空席を埋めるのはマレーシアサッカー協会FAMのスチュアート・ラマリンガム事務局長となる可能性が高いと、マレーシア語紙ハリアンメトロが報じています。
 44歳のスチュアート氏は、2008年にFIFAのプロリーグ化コンサルタントとなり、2010年から2011年まではCEOを務め、2012年にはAFCに加わるとクラブコンペティション責任者などの要職を2年間務めた後、4年間務めた電通スポーツアジアの副社長職を経て2018年7月から現職となるFAMの事務局長に就任しています。
 またこれに伴いFAMの新たな事務局長には現副事務局長で、AFCやカタールリーグやオマーンリーグでの勤務経験もあるモハマド・サイフディン・アブ・バカル氏が最有力候補とされています。.

JDTオーナー-クラブは仲良しグループでもなければ監獄でもない
 Mリーグ1部で7連覇中のJDTのオーナーでジョホール州皇太子のトゥンク・イスマイル殿下が所属選手の批判とも取れるソーシャルメディア投稿に対して示した反応が注目を集めています。
 事の発端はJDTに所属するシャフィク・アフマドが「仲間の選手がプレーするのを見るのは楽しいな。」とツイートしたことでした。
 6月にアラブ首長国連邦で行われたFIFAワールカップ2022年大会アジア2次予選では先発1試合を含む全3試合に出場しながら、JDTでは後半戦に入ってからは出場どころかベンチ入りすらしていないシャフィク選手のこの投稿に対して、イスマイル殿下はクラブは仲良しグループではなく、プロ意識を持つ選手の集団であり、常に全力で練習に臨み、常に全力で試合に臨む選手にのみ出場機会が与えられると即座にツイートで反応しています。
 さらにイスマイル殿下は、クラブの方針に不満を持つ選手はいつでもクラブを去ることができるとし、クラブは選手を拘束する監獄でもないとして、単に出場機会を求めるのであれば他のクラブへ移籍することを止めるつもりはないともツイートしています。
 さらに選手はJDTに移籍する際にはそういった条件を理解しているはずだとして、不満があるのであればソーシャルメディアでそれを明らかにするのではなく、直接話し合いをもつべきだとシャフィク選手を諭しています。
 これをツイートの直後にシャフィク選手は当初のツイートを削除した上で、イスマイル殿下やクラブ、チームメイトに対して謝罪のコメントを投稿しています。
*****
 シャフィク選手は昨年12月に自身が運転していた車による事故で生後22日の息子と同乗していた義理の母を亡くし、夫人も重傷を負っていました。イスマイル殿下はこの事故の後、その傷を癒す時間も支援も十分に行なってきたことも明らかにし、その一方でシャフィク選手は以前とは変わってしまったとして、もう一度、真摯にサッカーに向き合うことを求めたいともしています。