Mリーグ2部プレミアリーグ
2022年シーズン第1節結果

Mリーグ2部プレミアリーグの今季2022年シーズンが開幕しました。第1節には3月5日と3月7日に計5試合が予定されていましたが、そのうち4試合が新型コロナ検査で陽性反応者が出たことにより延期されて、結局、今節開催されたのは1試合だけでした。

今季のプレミアリーグはYouTubeで配信されることが決まり、クランタン・ユナイテッドFCには本山雅志選手や深井脩平選手、クチンシティFCには谷川由来選手が所属していることもあり注目を集めていましたが、日本人選手の今季初戦は第2節以降に持ち越しとなってしまいました。

2022年3月5日(土)@タンスリ・ダト・ハジ・ハサン・ユノススタジアム(ジョホール州ジョホールバル)
JDT II 1-2 クランタン
⚽️JDT:ダリル・シャム(75分)
⚽️クランタン:ナタナエル・シリンゴリンゴ(8分)、ジャスミール・メハト(90分)
🟨JDT1:フェルナンド・ロドリゲス
🟨クランタン1:ジャスミール・メハト
MOM:ナタナエル・シリンゴリンゴ
 今季1部昇格有力候補の1つ、クランタンFCが終了間際のゴールで逆転勝ちし、勝点3を挙げています。JDTは昨季リーグ得点王のフェルナンド・ロドリゲスや、昨年末の東南アジアサッカー連盟AFF選手権スズキカップ2020で得点王に輝いた新加入のフィリピン代表FWビエンベニード・マラニョンが不発でした。

3月5日に予定されていたペラFC対クランタン・ユナイテッドFC戦は、ペラFCの選手6名が陽性、14名の選手が有症状の濃厚接触者となったことから延期となっています。

3月5日に予定されていたトレンガヌII対UITM FC戦は、UITM FCの選手12名が陽性、残る選手は濃厚接触者となったことから延期されています。

3月5日に予定されていたスランゴールFC2対FAM-MSNプロジェクトは、FAM-MSNプロジェクトはコーチ2名と選手全員が陽性となったことから延期されています。

3月7日に予定されていたPDRM FC対クチンシティFCは、PDRM FCはコーチ1名と選手14名が新型コロナ検査で陽性反応を示したことから延期されています。

2022年シーズン プレミアリーグ順位表(第1節途中)

チーム得失差勝点
1KEL11002113
2PRK00000000
3TRE00000000
4UITM00000000
5SEL00000000
6FAM00000000
7TRE00000000
8KCH00000000
9PDRM00000000
10JDT100112-10
KEL-クランタン、PRK-ペラ、KLU-クランタン・ユナイテッド、TRE-トレンガヌII、SEL-スランゴール2、FAM-FAM・MSNプロジェクト、KCH-クチンシティ、JDT-JDTII

3月3日のニュース
Mリーグ2部プレミアリーグの全試合がYouTubeで配信
キム新監督の代表メンバーは3月半ばに発表か
サラワク・ユナイテッドの監督に前スランゴール監督のサティアナタンTDが就任

Mリーグ2部プレミアリーグの全試合がYouTubeで配信

Mリーグを運営するマレーシアンフットボールリーグMFLは公式サイト上で、3月5日に開幕する今季2022年シーズンのMリーグ2部プレミアリーグの全試合がYouTubeで配信されることを発表しています。MFLの公式YouTubeチャンネルはこちらです。

今季は10チームで争われるプレミアリーグですが、その中には本山雅志、深井脩平選手と東山晃テクニカルディレクターが在籍するクランタン・ユナイテッドFC、谷川由来選手が所属するクチンシティFCが含まれています。今季のプレミアリーグの日程はこちらです。

開幕戦が行われるプレミアリーグ第1節の日程は以下の通りです(キックオフはマレーシア時間。日本時間はプラス1時間です。)

3月5日(土)キックオフ
ペラFCクランタン・ユナイテッドFC21:00
トレンガヌFC IIUITM FC20:15
スランゴールFC2FAM-MSNプロジェクト21:00
JDT IIクランタンFC20:15
3月7日(月)
PDRM FCクチンシティFC21:00

またMリーグ1部スーパーリーグは昨季同様、リーグの冠スポンサーでもあるマレーシアのマルチメディア企業UnifiのYouTubeチャンネルで配信されることも発表されています。UnifiのYouTubeチャンネルはこちらです。

キム新監督の代表メンバーは3月半ばに発表か

マレーシア代表のキム・パンゴン新監督は今月2月にマレーシア入りして以降は積極的に各クラブの練習に足を運び、JDTとKLシティが対戦した先週末のチャリティーカップもスルタン・イブラヒムスタジアムで観戦したようです。

そのキム監督の初陣となるのは3月23日のフィリピン戦と3月26日のシンガポール戦となることがマレーシアサッカー協会FAMから発表されていますが、これらの試合に向けて、キム監督とコーチ陣は、明日3月4日に開幕する今季のMリーグの第1節6試合と第3節6試合の計12試合をスタジアムと映像とで観戦予定であると、英字紙ニューストレイトタイムズが報じています。

同じ記事の中では、A代表のチームマネージャを務めながらスズキカップでの惨敗後に辞任したFAMのユソフ・マハディ会長代行は、3月16日頃までには代表候補合宿招集メンバーが決まりだろうと話しています。

マレーシア代表は3月の練習試合2試合の後は、6月にクアラルンプールで開催されるAFC選手権アジアカップ2023最終予選で、バーレーン、トルクメニスタン、バングラディシュと対戦します。

サラワク・ユナイテッドの監督に前スランゴール監督のサティアナタンTDが就任

キム・パンゴン代表監督がアシスタントコーチに指名したE・エラヴァラサン監督が退任したサラワク・ユナイテッドFCは、B・サティアナタンTD(テクニカルディレクター)の監督就任を発表しています。

昨日3月2日に監督就任後の初練習を指揮したサティアナタン監督は、3月4日の開幕戦で対戦する昨季2位のクダ・ダルル・アマンFC、3月9日の第2節で対戦するに昨季チャンピオンのJDTの対策については、わずか2日ではできることはないと話し、エラヴァラサン前監督のゲームプラン通りに試合を進めたいと、スタジアムアストロの取材に答えています。

昨年末に給料未払い問題が明らかになり、今季のクラブはその返済を優先し、積極的な補強が叶わなかったものの、サティアナタン監督は今季の目標に1部スーパーリーグ残留を挙げたものの、有名選手不在のチーム状況については、1試合ごとに選手が全力を尽くせるようにしたいと話すにとどまっています。

3月2日のニュース
マレーシアFAカップのプレーオフと1回戦の日程発表
JDTオーナーはアリフ・アイマンの移籍を容認
Mリーグがキックオフ時間変更後の日程を発表

マレーシアFAカップのプレーオフと1回戦の日程発表

Mリーグを運営するマレーシアンフットボールリーグMFLは公式サイトで今季2022年シーズンのマレーシアFAカップの日程を発表しています。

新型コロナ禍により2020年、2021年は開催されなかったFAカップですが、今季は規模を縮小して開催されます。従来はMリーグ4部に当たるM4リーグのクラブも参加したFAカップですが、今季はMリーグ1部スーパーリーグの12チーム、2部プレミアリーグの7チーム(JDT II、トレンガヌII、スランゴール2はスーパーリーグチームのセカンドチームのため出場権なし)、そしてMリーグ3部に当たるM3リーグの15チームの合計34チームが出場します。

3月6日のプレーオフで開幕する今季のFAカップは、ブキット・タンブンFC対イミグレーションFC、BRM FC対トゥン・ラザクシティFCのM3クラブ同士の対戦で始まり、この2試合の勝者が加わる1回戦は3月11日から15日に開催されます。

マレーシアFAカップのプレーオフと1回戦の日程はこちらです。

JDTオーナーはアリフ・アイマンの移籍を容認

Mリーグ1部スーパーリーグのJDTでプレーするアリフ・アイマンは、現在、国内で最も注目されているマレーシア人選手です。昨季2021年シーズンのリーグMVPを史上最年少の19歳で受賞したアリフ選手は、昨年6月のFIFAワールドカップ2022年大会アジア2次予選や昨年12月の東南アジアサッカー連盟AFF選手権スズキカップ2020にも出場するなど代表キャップ数も7となり、国内サポーターの期待を一身に背負う選手でもあります。

そのアリフ選手について、JDTのオーナーでジョホール州皇太子のトゥンク・イスマイル殿下は選手の成長につながるのであれば、海外移籍を容認する自身のインスタグラムに投稿しています。

「(海外移籍する場合に)どの国のリーグでプレーするかは重要ではなく、選手を成長させてくれるシステムを持つクラブでプレーすることがより重要だ。海外でプレーすること自体に意味があるわけではない。(J3の沼津に所属する)ハディ・ファイアッドや(ベルギー1部KVコルトレイクに所属する)ルクマン・ハキムはどうなっている?」と投稿したイスマイル殿下は、海外移籍を容認しながらも慎重に移籍先のクラブを選ぶ方針を明らかにしています。

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イスマイル殿下が海外移籍を容認しながらも、手放しでそれを認めないのは、一昨年にポルトガル1部のポルティモネンセSCへ期限付き移籍しながら、U23で数試合に出場したもののトップチームでは出場機会に恵まれず帰国したサファウィ・ラシドの二の舞を避けたいということがあるかも知れません。JDTどころかマレーシア代表のエースとして嘱望され、2018年、2019年とリーグMVPを2年連続で獲得したサファウィ選手は、アリフ選手に抜かれるまでは最年少リーグMVP記録を持っていました。しかし昨季は不動の右ウィングのポジションをアリフ選手に奪われたサファウィ選手は、先発出場機会も激減しており、ポルティモネンセSC移籍は明らかに失敗でした。

Mリーグがキックオフ時間変更後の日程を発表

これまでマレー半島部で開催されるMリーグの試合は全て9時キックオフで統一されていましたが、Mリーグを運営するMFLは今季から新たにキックオフの時間を主催クラブが決定できる仕組みを導入しています。これにより、複数の試合が午後8時15分キックオフになることが発表されています。

従来はマレー半島部での試合は午後9時キックオフ(ただし照明施設が不十分なスタジアムは午後4時45分キックオフ)、東マレーシア(ボルネオ島)での試合は午後8時15分キックオフ(ただし照明施設が不十分なスタジアムは午後4時15分キックオフ)で統一されていましたが、3月4日に開幕する今季Mリーグでは、スリ・パハンFC対トレンガヌFC(パハン州クアンタン)が午後8時15分キックオフ、サバFC対ヌグリスンビランFC(サバ州コタキナバル)が午後7時30分キックオフとなることが発表されています。

MFLは今回のキックオフ時間変更について、Mリーグの試合の商業価値を高めることと、新型コロナ禍によって客足が遠のいたスタジアムに再び観客を呼び戻すことが目的としています。

今季の1部スーパーリーグの日程はこちらから、また2部プレミアリーグの日程はこちらからどうぞ。

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午後9時キックオフは平日に試合観戦する場合、帰宅が真夜中近くなることもあり、開始時間が早まることは大歓迎ですが、ボラセパマレーシアが観戦可能なKLシティ、PJシティ、スランゴールはいずれも主催試合11試合中、8時15分キックオフは1から2試合程度しかない上、今年は4月初旬から始まるイスラム教の断食月期間は、さらに時間が変更となり午後10時キックオフと深夜12時過ぎての帰宅が必死のスケジュールは変わっていません。

3月1日のニュース
AFCカップアセアン地区の最終組み合わせが決定
タイ1部リーグ第22節-エルドストールはベンチ外もチョンブリーは連敗ストップ

AFCカップアセアン地区の最終組み合わせが決定

アジアサッカー連盟AFCは公式サイト上で今季2022年シーズンのAFCカップアセアン地区の最終組み合わせを発表しています。

いずれもミャンマーのシャン・ユナイテッドFCとハンタワディ・ユナイテッドFCが、1月19日に今季のAFCカップ出場を辞退を表明したことから、確定していなかったAFCカップアセアン地区のグループステージのG、H、I組について、AFCは当初はプレーオフで対戦予定だったビサカFC(カンボジア)とヤングエレファンツFC(ラオス)にそれぞれグループステージ出場権を与え、新たな組み合わせを発表しています。

4月19日開幕するグループステージから、ビサカFCは本来はプレーオフの勝者が参加する予定だったG組に入り、一方のヤングエレファンツFCは、出場辞退したハンタワディ・ユナイテッドFCに代わってI組に入っています。なお、シャン・ユナイテッドFCが出場予定だったH組についてはこのシャン・ユナイテッドFC以外の3クラブのままでグループステージが行われることも併せて発表されています。

なおAFCカップアセアン地区のG組はビサカFCの他、バリ・ユナイテッドFC(インドネシア)、クダ・ダルル・アマンFC(マレーシア)、堀越大蔵、藤井亮の両選手が在籍するカヤFCイロイロ(フィリピン)で構成され、インドネシアのバリ島にあるデンパサールで集中開催されます。

またH組はマレーシアのクアラルンプールが集中開催地となり、KLシティFC(マレーシア)、仲村京雅、山下柊哉の両選手が所属するタンピネスローヴァーズ(シンガポール)、PSMマカッサル(インドネシア)の3クラブが対戦します。一方、集中開催地が未定のI組は川上典洋選手が所属するヤングエレファンツFC、ベトテルFC(ベトナム)、山崎海秀選手が所属するホウガンユナイテッド(シンガポール)、小川雄大、小林大介、大瀬貴己選手が所属するプノンペンクラウンFC(カンボジア)で構成されています。

タイ1部リーグ第22節-エルドストールはベンチ外もチョンブリーは連敗ストップ

タイ1部リーグ第22節が2月26日と27日に開催され、マレーシア代表のDFジュニオール・エルドストール(タイでの登録名はプテラ・マデル・アマラン・マデルネル)が所属するチョンプリーFCは、2位のバンコク・ユナイテッドFCに1-1で引き分け、リーグ戦連敗を3で止めています。なお順位は5位のままです。

2022年2月26日@チョンブリースタジアム
チョンブリーFC 1-1 バンコク・ユナイテッド
第20節では、後半途中から出場、前節21節は先発しながら33分に交代したとなったジュニオール・エルドストールがですが、今節ではベンチ外でした。試合は78分にバンコク・ユナイテッドのヘベルチ・フェルナンデス・デ・アンドラーデが今季11点目となるPKを決めて先制しましたが、90+3分にチョンブリーFCのユ・ビョンスが放ったシュートがブロックに入ったバンコク・ユナイテッドのプッティナン・ワンナスリにあたりオウンゴールとなり、土壇場でチョンブリーFCが引き分けに持ち込んでいます。
(試合のハイライト映像はタイリーグの公式YouTubeチャンネルより)

タイ1部リーグ順位表(第22節終了時)

順位チーム得失差勝点
1ブリーラムU2316342551
2BGパトゥムU231184941
3バンコクU2311661439
5チョンブリーFC2310671336
順位は上位3チームとマレーシア人選手が所属するチョンブリーFCのみ表示しています。

2月27日のニュース
チャリティーカップはJDTがKLシティに完勝-オーナーのハッパが効いた!?

2022年2月26日(土)
チャリティーカップ2022@スルタン・イブラヒムスタジアム(ジョホール州イスカンダル・プテリ)
JDT 3-0 KLシティ
得点者:JDT-ナズミ・ファイズ(26分)、フェルナンド・フォレスティエリ(31分)、アフィク・ファザイル(84分)

昨季Mリーグ1部スーパーリーグの優勝チームJDTと昨季マレーシアカップ優勝チームKLシティが対戦するチャリティーカップ2022が開催され、昨季最終戦マレーシアカップの決勝で敗れていたJDTがKLシティを3-0で破り、2018年から続くチャリティーカップの連勝記録を5に伸ばしています。

試合前日には、JDTのオーナーでジョホール州皇太子のトゥンク・イスマイル殿下が「今日の試合で敗れることがあれば、自分はサッカーから完全に手を引く。」と発言し、それを受けたJDTのベンジャミン・モラ監督が「ボスが辞めるなら、自分も辞める。」と述べるなど、試合前からJDTにとっては重圧のかかる試合かと思われました。

本拠地での開催となったJDTは、セリエAのウディネーゼから加入したFWフェルナンド・フォレスティエリや、同じスーパーリーグのトレンガヌから加入したDFカルリ・デ・ムルガの新戦力を含むベストの布陣で臨んだのに対し、KLシティは、やはり新戦力のFWケヴィン・クベンバが先発したものの、マレーシアカップ決勝でもゴールを決めたロメル・モラレスを欠く布陣となりました。

試合は重圧どころか開始から積極的に攻め込んだJDTのレアンドロやフォレスティエリがKLゴールを狙いますが、いずれも枠の外に外れ、KLは難を逃れました。

試合が動いたのは26分。それまでも右サイドから何度もKL守備陣を崩していた19歳の代表FWアリフ・アイマンのクロスに守備のマークを外して走り込んだMFナズミ・ファイズが頭で合わせて先制ゴールを決め、JDTが先制します。

マレーシアカップ決勝では、強固な守備でJDTの攻撃に耐え、カウンターを狙う試合展開が功を奏して勝利したKLはこの日の試合でも同じ戦術で臨みましたが、先制点を許したことで苦しくなってしまいまいた。

さらにその5分後にはフォレスティエリがKLのディフェンダーを見事なドリブルでかわし、ペナルティーボックスの外から放ったシュートが決まり、JDTが2-0とリードを広げ、逆にKLは1本もシュートを打つことができずに前半が終了しました。

後半に入ってもJDTは攻撃の手を緩めず、84分には途中出場のアフィク・ファザイルがダメ押しとなるシュートを決め、2ヶ月前のマレーシアカップでのリベンジを果たして完勝しています。

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前日のイスマイル殿下のハッパが効いたのか、勝つことに徹したJDTの強さだけが目立った一方的な試合でした。今季はスーパーリーグ9連覇を目指すJDTですが、この日の試合を見た限りでは、調整が遅れているKLシティ相手だったとは言え、死角なしの印象を受ける完勝でした。またクラブ史上初となるAFCチャンピオンズリーグACLのグループステージ突破すら期待できそうです。

(試合のハイライト映像はMリーグ公式YouTubeチャンネルより)

<KLシティとJDTの先発XI>

2月26日のニュース
「今日の試合に負けたら、自分はサッカーから手を引く」-JDTオーナーの投稿が波紋
アセアンU23選手権グループステージ敗退のマレーシアに続々と陽性者発覚し未だ数名が帰国できず
クランタン・ユナイテッドが湘南ベルマーレーとパートナーシップを締結

いよいよ今日は2022年シーズンの開幕を告げるチャリティーカップ開催日。昨季の1部スーパーリーグチャンピオンJDTと38年振りにマレーシアカップチャンピオンとなったKLシティが対戦します。昨季まではリーグ公式戦の一環として行われていたチャリティーカップですが、今季はリーグ開幕前の前哨戦として行われます。またチャリティーカップの名の通り、この試合の収益は全てユニセフに寄付されることも発表になっています。なお午後9時(マレーシア時間、日本時間は午後10時)キックオフとなるこの試合はTV OkeySukan RTMでも視聴可能とのことです。

「今日の試合に負けたら、自分はサッカーから手を引く」-JDTオーナーの投稿が波紋

上でも書いた通り、本日2月26日にはJDT対KLシティのチャリティーカップが開催されますが、それを前にJDTオーナーで、ジョホール州皇太子のトゥンク・イスマイル殿下のインスタグラム投稿が波紋を読んでいます。「もし明日(2/26)負けたら、自分はサッカーから完全に手を引き、この国のサッカーにはもうこれ以上関わることはないだろう」とJDTの公式インスタグラムに投稿したイスマイル殿下ですが、その真意は不明です。

イスマイル殿下はわずか数日前には「マレーシアカップ決勝で敗れたのはKLシティが強かったからではなく、集中力を欠いていた我々(JDT)の一人一人にミスが多かったからだ。運が我々に味方しなかったという者もいる。KLシティには同じことは2度と起こることはないと伝えてくれ。」とテレビのインタビューに答えており、上記の投稿は自分のチームに対する自信の現れと見る向きもあります。

昨季中には後継に道を譲るような話もしていたイスマイル殿下でしたが、2021年シーズン最終戦となったマレーシアカップで敗れた悔しさは相当だったのか、マレーシアカップ敗戦後には一転、積極的にチームに関わっていることを表明し、シーズンオフには、セリエAのウディネーゼからFWフェルナンド・フォレスティエリを獲得するなど、近年稀に見る大型補強を敢行しています。

アセアンU23選手権グループステージ敗退のマレーシアに続々と陽性者発覚し未だ数名が帰国できず

カンボジアのプノンペンで開催されている東南アジアサッカー連盟AFF U23選手権ではグループステージで敗退したマレーシアU23代表は、予定を1日繰り上げて一昨日の2月24日にが帰国していますが、選手9名と関係者3名がカンボジアでの新型コロナ検査で陽性となり、カンボジアから出国できていないことがマレーシアサッカー協会FAMの公式Facebook上で明らかにされています。なお、この合計12名はカンボジア政府の方針により、プノンペンでの隔離期間が終わり、検査で陽性となるまでは出国が許可されないということです。

FAMの公式航空会社となっているマレーシア航空に搭乗して、昨日2月26日帰国予定だったU23代表ですが、チーム内の感染が拡大していることから、検査で陰性を示したブラッド・マロニー監督を含む19名は、サイドの検査で要請となり足止めされるのを恐れて、急遽帰国したということです。

プノンペンに残った12名の中にはU23代表のチームマネージャー(TM)を務めたサラワク州サッカー協会会長のポサ・マジャイスも含まれており、マレーシア語紙ハリアンメトロの取材に答えたマジャイスTMは、2月11日の入国時の検査で陽性となったファーミ・ダニエル・ザアアイムは、未だに隔離中で既にその隔離期間が2週間を超えているなど、隔離期間がいつまでつづくは不明だと語っています。

クランタン・ユナイテッドが湘南ベルマーレーとパートナーシップを締結

Mリーグ2部プレミアリーグのクランタン・ユナイテッドFCは、クラブ公式Facebook上でJリーグ1部湘南ベルマーレとのパートナーシップを締結したことを発表しています。ベルマーレ・アジア・フットボール・アライアンス、通称BAFAと名付けられたこのアライアンス(提携関係)では、パートナークラブを一つのグループとして相互の交流を深めながら、クラブが発展することを目的としているということです。なおBASEBALLFAの具体的な提携内容としては以下が挙げられています。
1)トップチームの交流:選手移籍、指導者派遣、トレーニングキャンプのサポート
2)アカデミーの交流:選手の練習参加、指導者の研修、相互の大会参加
3)各種情報の共有:選手情報、指導者情報、大会情報、TRメソッド
4)ビジネス部門の協力:スポンサーセールス、チケッティング、グッズ、ファン創出

湘南はBAFAの第1弾としてとして、今年1月にはボンケットFC(カンボジア1部)、武漢スリータウンズ(中国1部)、スデヴァ・デリFC(インド1部)、FCチャンタボリー(ラオス1部)、ダヴァオ・アギラスFC(フィリピン1部)の5クラブとのパートナーシップを締結したことを発表し、タイ、ベトナム、インドネシア、マレーシアのクラブとも提携調整中であることも明らかにしていましたが、マレーシアからは本山雅志、深井脩平両選手が在籍し、ヤクルト、KDDIといった日系企業がスポンサーとなっているクランタン・ユナイテッドがこのアライアンスに加わることになりました。

2月23日のニュース
UITMは資金調達成功で今季リーグ参加へ
ペラは年代別チームがリーグ出場を取り止め-クラブライセンス交付規定抵触の可能性も

昨日2月22日は今季1度目のトランスファーウィンドウ最終日。ここを逃すと次はMリーグ前半戦終了後の5月28日の2度目のトランスファーウィンドウが開くまで選手の入れ替えはできません。この最終日に選手の加入が大量に発表されており、ここ数日掲載してきた1部スーパーリーグチーム紹介にも選手の追加がありますので、そちらも是非、ご覧ください。

UITMは資金調達成功で今季リーグ参加へ

昨季は1部スーパーリーグで最下位となり降格し、今季は2部プレミアリーグに所属するUITM FCは、運営する国立大学のマラ工科大学UITMがチーム予算を50%以上も削減し、今季のリーグ参加が危ぶまれていましたが、Mリーグの今季1度目のトランスファーウィンドウ最終日だった昨日に資金調達に成功し、今季リーグ参加が決まったことを、マレーシア語紙ハリアンメトロが報じています。

ハリアンメトロによれば、総額370万リンギ(およそ1億200万円)の資金が調達できたことで、UITM FCは選手登録最終日となった昨日に選手登録を終えたということです。なおUITM FCは、当初は資金不足から大学生の選手を主体としたチームで今季をスタートし、資金を調達したのちの2度目のトランスファーウィンドウ期間にさらに選手を獲得することを予定していました。ただしこの370万リンギだけではシーズンを通してクラブを運営するには不十分だとして、引き続きスポンサーを探していくということです。

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なおこの資金370万リンギはマレーシア政府高等教育省から得た、という報道もあり、もしこれが事実であれば、プロサッカークラブの資金を政府が支援、言い換えれば税金が投入されることについての議論が巻き起こる可能性があります。またUITM FCからは昨季所属した選手の半数以上が既に退団、移籍し、多くのコーチ陣もチームを去っていることから、チームは存続したものの2部プレミアリーグでも苦戦を強いられそうです。

ペラは年代別チームがリーグ出場を取り止め-クラブライセンス交付規定抵触の可能性も

上のUITM FCと共に1部から降格し、今季は2部プレミアリーグに所属するペラFCは、170万リンギ(およそ4670万円)におよぶ未解決の給料未払い問題を抱えていることから、今回のトランスファーウィンドウ期間中の新規選手登録禁止処分を受けていました。さらに契約済みの選手数がMリーグが下限として規定する20名以下だったことから、リーグ出場辞退の可能性が取り沙汰されていました。しかしペラはU21やU19といった下部組織から選手を昇格させて、この問題を解決し、リーグ出場に漕ぎ着けましたが、その影響についてハリアンメトロが報じています。

トップチームに選手が昇格したことで、ペラFCはU21チームが参加するプレジデントカップ、そしてU19チームが参加するユースカップに出場できるだけの選手数を揃えることができず、この年代別リーグへの今季出場を辞退しています。過去2年間は新型コロナの影響により開催されなかった両リーグですが、最後に開催された2019年のリーグではペラはプレジデントカップでは準優勝、ユースカップではベスト4に進むなど好成績を上げており、今季の両リーグでも優勝候補の一角とされていました。

なお、ペラの両リーグ出場辞退について、マレーシアサッカー協会FAM競技委員会のフィルダウス・モハマド委員長は、ペラは出場辞退したのではなく、FIFAによる処分に基づき「出場取り消し」となったと説明しています。また既に発表されているリーグの試合日程については、変更が予定されているとし、ペラの対戦相手が不戦勝とはならないことも発表しています。

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U21とU19チームから選手を昇格させてトップチームの人数を補充したペラですが、SNS上ではこの方法によりU21とU19が消滅してしまったことが、Mリーグのクラブライセンス規定に抵触しているとの指摘もあります。Mリーグは1部スーパーリーグと2部プレミアリーグのクラブライセンス交付の条件として年代別チームを複数持つことを義務付けていますが、ペラがU21とU19チームを「取り消した」ことがこの規定に抵触するとの指摘です。クラブのMリーグ存続のために年代別チームを犠牲にするのか、年代別チームを生かすためにMリーグの出場を辞退するのか、どの観点から見るかで判断が分かれますが、いずれにしてもFAMとMリーグを運営するMFLはこの状況についての見解を発表する必要があります。

2022年シーズン開幕直前!
Mリーグ1部スーパーリーグクラブ紹介第6回
ヌグリスンビランFC & サラワク・ユナイテッドFC

Mリーグ2022年シーズンは2月26日のピアラ・スンバンシー(チャリティーカップ)で開幕しますが、今季開幕前に今季のMリーグ1部スーパーリーグの12クラブを紹介する最終回は、いずれも今季スーパーリーグに昇格する昨季Mリーグ2部プレミアリーグ1位のヌグリスンビランFCとプレミアリーグ2位のサラワク・ユナイテッドFCです。この2クラブは昨季は2部プレミアリーグに所属していたため、ボラセパマレーシアJPが情報不足なところもありますので、内容はこれまでの5回に比べると薄くなっている点をご容赦ください。

ヌグリスンビランFC(2021年シーズンプレミアリーグ1位)

本拠地:トゥンク・アブドル・ラーマンスタジアム(ヌグリスンビラン州パロイ)
2021年シーズン成績:2部プレミアリーグ1位(12勝5分3敗)得点33(リーグ4位)失点16(同2位)
過去5シーズンの成績:2017年2部5位-2018年12位-2019年2部6位-2020年2部11位-2021年2部1位
監督:K・ディヴァン(マレーシア)
外国籍選手:
 *DFエラルド・グロン(フランス)
 *FWマテウス・アウヴェス(ブラジル)
 *FWコッシ・アデトゥ(トーゴ)
 *MFデヴィッド・マウーター(タジキスタン/ガーナ-AFC枠)
 *MFオミド・ナザリ(フィリピン/イラン-アセアン枠)

主なマレーシア人選手(*は新加入選手、#は2021年にマレーシア代表に招集された選手):
 *GKシャイハン・ハズミ(PJシティより加入)
 DFザムリ・ピン・アムリ
 DFナスルラー・ハニフ・ジョハン
 *DFアフマド・クザイミ・ピー(UITMより加入)
 *DFチェ・ラシド・チェ・ハリム(マラッカ・ユナイテッドより加入)
 *DFカイル・ジョーンズ(サラワク・ユナイテッドより加入)
 MF K・サルクナン
 MFシーン・セルヴァラジ
 MFサイフル・リズワン
 FWザクアン・アドハ

チーム紹介:
4年振りに1部スーパーリーグに復帰するヌグリスンビランFC(以下ヌグリスンビラン)。外国籍選手を全て入れ替え、マレーシア人選手も昨季のメンバーからは、5ゴールを挙げたMFのR・バラトクマル、その弟のDFのR・アルーン・クマル(いずれもPJシティに移籍)、正GKとして16試合に出場したGKダミアン・リム(サバに移籍)らが退団と、昨季からはメンバーが大きく変わっています。その一方で、新加入のマレーシア人選手はクザイミ・ピー、チェ・ラシドなど実績ある選手を獲得しているだけに、戦力面ではむしろ昨季からはアップしていそうです。となれば外国籍選手の活躍が1部での成績に直結しそうです。

昨季は失点を抑えて勝つというチームカラーからヌグリスンビランですが、同じことが1部スーパーリーグでもできるのか。そして昨季のチーム総得点33点中、退団した選手たちが挙げた21点分の穴をどのように埋めていくのか。この二つの問いの正解が見つけられれば、1部残留、見つけられなければ1シーズンで2部に降格もあり得る、というのが今季のヌグリスンビランです。

ボラセパマレーシアJP的注目選手
・ザクアン・アドハ
昨季は17試合に出場し、マレーシア選手としてはチーム1位の7ゴールを挙げたザフアン・アドハは、主将としてもチームを牽引しました。今年35歳になるベテランは、自身にとっては2季ぶりとなる1部スーパーリーグでも同じような活躍を見せらられるのかに注目です。

・マテウス・アウヴェス
2017年シーズンにパハンに加入すると、リーグ2位となる18ゴール(21試合)を挙げたマテウス・アウヴェスが5季ぶりにMリーグに戻って来ます。パハン退団後は水原FC(韓国2部)、チョンブリーFC、PTプラチュワップFC、ポリス・テロFC(いずれもタイ1部)そして昨季は忠南牙山FC(韓国2部)と渡り歩いて経験を積んだマテウスは28歳となり、5年前はなかった円熟味も加味されていれば、今季の得点王争いに絡んでくる可能性大の選手です。またそうなれば、チーム自体も1部初年度ながら躍進が期待できます。

サラワク・ユナイテッドFC(2021年シーズンプレミアリーグ2位)

本拠地:サラワク州立スタジアム(サラワク州クチン)
2021年シーズン成績:2部プレミアリーグ2位(11勝5分4敗)得点37(リーグ2位タイ)失点14(同1位)
過去5シーズンの成績:2017年3部6位-2018年3部2位-2019年2部9位-2020年2部10位-2021年2部2位
監督:E・エラヴァラサン(マレーシア)
外国籍選手:
 FWウチェ・アグバ(ナイジェリア)
 *FWフランシス・コネ(トーゴ)
 DFゴンサロ・ソト(アルゼンチン)(2/22追加)
 DFリー・チャンフン(韓国-AFC)
 DFボリス・コック(カンボジア-アセアン枠)

主なマレーシア人選手(*は新加入選手、#は2021年にマレーシア代表に招集された選手):
 GKシャルビニー・アラウィー
 *DFカライハラサン・レチュマナン(PDRM FCより加入)
 DFカイル・ジョーンズ
 DFアメル・サイディン
 *DFアミルル・アシュラフ(ペラFCより加入)
 MFラヒム・ラザク
 MFシャミー・イスズアン
 MFクリスティ・ジャヤシーラン
 MFスチュアート・ウォーク
 *MFカイルル・アヌアル(PJシティFCより加入)
 FWスピアー・チャントゥル
 FWゴピ・リズキ

チーム紹介(2/22一部追記しました):
2月22日のトランスファーウィンドウ最終日にフランシス・コネ、ゴンサロ・ソト、そしてボリス・コックとの契約を発表したサラワクユナイテッドFC(以下サラワク)。Mリーグでプレー経験のあるコネ選手はKL(2020年)、ヌグリスンビラン(2021年)に続いてこのサラワクが3クラブ目で、ソト選手は2016年と2017年の両シーズンにPKNS FC(現スランゴール2)でエラヴァラサン監督の元でのプレー経験もあります。(ちなみにボリス・コックはウィキペディアでは代表キャップ数2となっており、Mリーグではアセアン枠で獲得する選手に『最低キャップ数』といった条件がないことを初めて知りました。)

2部では得点リーグ2位タイ、失点はリーグ1位と圧倒的な強さを見せたサラワクですが、昨季はシーズン中に給料未払い問題が明らかになり、しかもオーナーが未払いではなく遅配であると言い張るなど、運営が不安定なチームという印象が強く、ボラセパマレーシアJP的には今季2部降格の最有力候補です。

ボラセパマレーシアJP的注目選手
・ウチェ・アグバ
昨季はリーグ戦とカップ戦を合わせたチームの全試合26試合に出場し、総得点46点中、19点を挙げたチームの大黒柱。Mリーグでは4季目を迎え、2020年はマラッカでプレーするなど1部スーパーリーグでもプレー経験があるエースですが、1部では当然マークも厳しくなり、昨季同様の活躍は期待できないかも知れません。昨季のチーム2位の得点を挙げたのは退団したサンドロとラヒム・ラザクの5点ですので、アグバ選手が封じられると、チーム全体の得点力も大きく下がりそうです。

2月22日のニュース
アセアンU23選手権-16名のU23代表はラオスに敗れてグループステージ敗退
MFL-UITM FCは今日中に選手登録を終えればリーグ出場に問題なし
タイ1部リーグ第21節-チョンブリーは連敗で5位降格、エルドストールは前半途中で交代

アセアンU23選手権-16名のU23代表はラオスに敗れてグループステージ敗退

カンボジアのプノンペンで開催中の東南アジアサッカー連盟AFF U23選手権に出場中のマレーシアU23代表は、昨日行われたラオスU23代表との第2回戦に0-2で敗れ、2試合の通算スコアが1-4となり、グループステージ敗退が決まりました。

初戦を1-2で敗れていたマレーシアは、この第2回戦では2点差以上をつけての勝利が準決勝進出の条件でしたが、この日の朝に行われた新型コロナ検査で複数の陽性反応者が出たことから、ラオス戦出場可能なのは16名となる逆風の中、試合に臨みました。

先制点が欲しいマレーシアは試合開始から積極性を見せ、ボールを保持する時間はラオスに勝るものの、ペナルティエリア付近では肝心のパスがことごとく繋がらず、ゴールを奪えません。そんな中、前半終了間際の43分に、第1回戦でもゴールを決めているブウンファチャン・ブウンコンのフリーキックが決まり、ラオスが先制。そのまま1-0とラオスのリードで前半を終えます。後半に入ると、まずは同点に追いつきたいマレーシアですが、機会らしい機会も作れない中、逆に86分にはディフェンダーのミスコミュニケーションからさらに失点を許し万事休す。ラオスに2連敗したマレーシアはグループステージ敗退、ラオスは準決勝出場が決定しました。

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5月の東南アジア競技大会シーゲームズ(ベトナム)、そして6月のAFC U23アジアカップ(ウズベキスタン)、そして9月のアジア競技大会(中国)に向けたチームの底上げを目指して、マレーシアは今大会には昨年10月のAFC U23アジアカップ予選出場メンバー以外が中心のチーム編成で臨みました。昨年末のスズキカップに続いて、東南アジアの大会でベスト4に進めなかったことで、SNS上でそれなりの騒ぎになっていますが、目的を持って臨んだ大会なので、結果に一喜一憂する必要はないでしょう。ただしメンバーを落としたチームでは、この年代では東南アジアであっても勝つことができないという現実を突きつけられた格好になりました。

MFL-UITM FCは今日中に選手登録を終えればリーグ出場に問題なし

今日2月22日は、Mリーグ今季1度目のトランスファーウィンドウ最終日ですが、昨季1部スーパーリーグで最下位の12位となり、今季は2部プレミアリーグに降格するUITMは、選手の大半が退団し、コーチングスタッフの多くも他のクラブへ移籍していることから今季リーグ出場辞退の可能性が噂されています。これについてMリーグを運営するMFLのスチュアート・ラマリンガムCEOは、既にクラブからは今季のリーグ出場に必要な書類は全て提出されており、今日までに選手を登録すれば、UITM FCのリーグ出場については何も問題がないと述べていると、マレーシア語紙ハリアンメトロが報じています。

クラブを運営するマラ工科大学UITMからの予算が50%以上削減されたことにより、新たな選手の獲得ができていないUITM FCは、開幕前に経営権譲渡が実現しなかったにより、プレシーズンの活動がほとんど行われていません。これに端を発するリーグ不参加の噂についてラマリンガムCEOは、UITM FCとは頻繁に連絡をとっていると話し、少なくとも現時点でのリーグ不参加の意思表示はされていないと話しています。「プレシーズンマッチをほとんど行っていないことは知っているが、それだけでUITM FCがリーグ出場を辞退するということにはならない。もし、今日中に選手登録を終えなければ、その時点でMFLはUITM FCは出場辞退したと判断する。」と述べたスチュアートCEOはSNS上でささやかれている出場辞退の噂を否定しています。

タイ1部リーグ第21節-チョンブリーは連敗で5位降格、エルドストールは前半途中で交代

タイ1部リーグ第21節が2月19日と20日に開催され、マレーシア代表のDFジュニオール・エルドストール(タイでの登録名はプテラ・マデル・アマラン・マデルネル)が所属するチョンプリーFCは、スパンブリーFCに1-2で敗れ、リーグ戦3連敗となり、順位も4位から5位に転落しています。

2022年2月13日@スパンブリー県立スタジアム
スパンブリーFC 2-1 チョンブリーFC
前節第20節では、後半途中から出場となったジュニオール・エルドストールですが、今節では33分に交代しています。試合は開始5分チョンブリーFCのGKチャニン・サエイアがペナルティエリア外のハンドで一発退場となり、スパンブリーFCが終始リードする展開となったものの前半は0-0で折り返しました。後半に入るとダニーロ・アルメイダ・アウヴェスが先制ゴールをヘディングで決めるなど2-0としてスパンブリーFCは、ダニーロ選手がオウンゴールでチョンブリーに1点を与えたものの、そのまま2−1で逃げ切っています。
(試合のハイライト映像はタイリーグの公式YouTubeチャンネルより)

タイ1部リーグ順位表(第21節終了時)

順位チーム得失差勝点
1ブリーラムU2215342248
2バンコクU2111561438
3BGパトゥムU221084738
5チョンブリーFC2210571335
順位は上位3チームとマレーシア人選手が所属するチョンブリーFCのみ表示しています。

2022年シーズン開幕直前!
Mリーグ1部スーパーリーグクラブ紹介第5回
サバFC & スリ・パハンFC

Mリーグ2022年シーズンは2月26日のピアラ・スンバンシー(チャリティーカップ)で開幕しますが、今季開幕前に今季のMリーグ1部スーパーリーグの12クラブを紹介する第4回は、昨季Mリーグ7位のPJシティFCと同8位のマラッカ・ユナイテッドFCです。

サバFC(2021年シーズンスーパーリーグ9位)

本拠地:リカススタジアム(サバ州コタキナバル)
2021年シーズン成績:9位(4勝7分11敗)得点21(リーグ9位)失点38(同10位)
過去5シーズンの成績:2017年2部7位-2018年2部6位-2019年2部1位-2020年10位-2021年9位
監督:オン・キムスイ(マレーシア)
外国籍選手:
 DFパク・タエス(韓国-AFC枠)
 *DFジャクソン・デ・ソウザ(ブラジル)
 *FWネト・ペソア(ブラジル)
 *FW加賀山泰毅(日本-AFC枠)
 FWサディル・ラムダニ(インドネシア-アセアン枠)

主なマレーシア人選手(*は新加入選手、#は2021年にマレーシア代表に招集された選手):
 *#GKカイルル・ファーミ・チェ・マット(マラッカ・ユナイテッドFCより加入)
 *GKダミアン・リム(ヌグリスンビランFCより加入)
 DFロウィルソン・バタイル
 *#DFリザル・ガザリ(クダ・ダルル・アマンFCより加入)
 *#DFドミニク・タン(タイ1部ポリス・テロFCより加入)
 *DFバドルル・アフェンディ(サラワク・ユナイテッドFCより加入)
 *DFトミー・マワト(サラワク・ユナイテッドFCより加入)
 *DFナジルル・ナイム(ペラFCから期限付き移籍で加入)
 MFアルト・リナス
 *#MFバドロル・バクティアル(クダ・ダルル・アマンFCより加入)
 *MFイルファン・ファザイル(JDT IIより期限付き移籍で加入)
 *MFスチュアート・ウィルキン(JDT IIより期限付き移籍で加入)
 *MFゲイリー・スティーヴン・ラバト(JDTより期限付き移籍で加入)
 *MFアフィク・ユヌス(キナバルジャガーズ-M3リーグ-より加入)
 *FWアズハド・ハラズ(FAM-MSNプロジェクトより加入)
 *FWディルガ・スルギ(UITM FCより加入)
 FWアムリ・ヤハヤ
 FW N・タナバラン

チーム紹介:
降格圏から勝点差3の9位で1部スーパーリーグ残留を決めたサバFC(以下サバ)ですが、昨年10月にマレーシアサッカー協会FAMのテクニカルディレクターを務めていたオン・キムスイ氏が就任すると、元U23代表監督時代に培った人脈を通じて選手が集まっています。2011年の東南アジア競技大会通称シーゲーム優勝のU23代表からはバドロル・バクティアルやカイルル・ファーミ・チェ・マット、2017年シーゲーム準優勝のU23代表からはドミニク・タンらいずれも昨年末のスズキカップ2020に出場したA代表の選手たちが加入している他、FAMのテクニカルディレクターとして関わったFAM-MSNプロジェクトからは、昨季のプレミアリーグでマレーシア人選手として最多ゴールを挙げた地元サバ州出身で19歳のアズハド・ハラズを獲得するなど、今季のサバは新たな外国籍選手も含めると20名を超える新戦力を補強しています。

1996年には選手としてサバでの優勝を経験しているオン監督ですが、今季のスーパーリーグではトップ5入りを目標に上げています。メンバーを見る限りでは十分達成可能な目標ですが、今季のサバは言わば寄せ集め集団でもあり、選手間の理解や連携をどれだけ高められるかが今季の成績を決める鍵になりそうです。

ボラセパマレーシアJP的注目選手
・加賀山泰毅
隣国タイやシンガポールのリーグに比べると日本人選手の数が少ないマレーシアリーグ。1部スーパーリーグで日本人選手がプレーするのは2020年の鈴木ブルーノ(当時トレンガヌFC)以来2年振り、サバで言えば2017年に地頭薗雅弥選手(現世田谷ユナイテッド代表)が在籍して以来5年振りの日本人選手となる加賀山選手ですが、気候も文化も異なるヨーロッパ(フィンランド1部FCインテル・トゥルク)から東南アジアへの移籍となる中で、どのようなプレーを披露してくれるのか期待が高まります。

・ドミニク・タン
U23代表では主将も務めたタン選手は、JDTから移籍したタイ1部ポリス・テロFCではレギュラーポジションを掴めず、リーグでの試合出場時間の短さが影響し、代表に招集されるものの活躍はできていません。代表のセンターバックはアイディル・ザフアン(JDT)が務めていますが、世代交代となればその一番手候補となるためにもまずはサバで試合出場時間を増やすとともに試合感を取り戻して欲しいです。

・アズハド・ハラズ
18歳ながらAFC U23選手権予選に出場したU22代表にも招集されたのは、昨季所属した2部プレミアリーグでプレーしたFAM-MSNプロジェクトでの活躍があったから。ライバルがいなかったFAM-MSNプロジェクトとは違い、今季のアズハド選手はチーム内での競争に勝って出場機会を得るところがスタートラインとなります。その才能に期待したサバが異例の4年契約を結んだアズハド選手がその競走に勝って1部スーパーリーグで出場機会を得られれば、サバにとってだけでなくU19代表やU23代表の強化にもつながります。

スリ・パハンFC(2021年シーズンスーパーリーグ10位)

本拠地:ダルル・マクモルスタジアム(パハン州クアンタン)
2021年シーズン成績:10位(4勝6分12敗)得点23(リーグ8位)失点37(同9位)
過去5シーズンの成績:2017年2位-2018年4位-2019年2位-2020年8位-2021年10位
監督:クリストフ・ギャメル(フランス)
外国籍選手:
 *GKママドゥ・サマサ(マリ/フランス)
 *DFジョアン・マルシアル (フランス)
 MFマヌエル・イダルゴ(アルゼンチン)
 *FWマフムード・ザアタラ(ヨルダン-AFC枠)
 *FWビリー・ケトケオポムポン(ラオス/フランス-アセアン枠)

主なマレーシア人選手(*は新加入選手、#は2021年にマレーシア代表に招集された選手):
 GKヘルミ・エリザ
 GKザリフ・イルファン
 DFムスリム・アフマド
 DFアシャル・アル=アフィズ
 DFニコラス・スウィラッド 
 *DFアズワン・アリピン(ペナンFCより加入)
 *DFファイサル・ロスリ(クダ・ダルル・アマンFCより加入)
 DFファンディ・オスマン
 #MFアザム・アジー
 MFリー・タック
 *MFデヴィッド・ローリー(クダ・ダルル・アマンFCより加入)
 FWマリック・アリフ
 FWバキュディン・シャムスディン
 FWエセキエル・アグエロ 
 *FWシーン・ジャネッリ(KLシティFCより加入)

チーム紹介:
昨季は元アメリカ代表主将でフィリピン代表監督の経験もあるトーマス・ドゥリー新監督を迎えながら開幕からわずか2試合で「休養」させるなど、迷走したスリ・パハンFC(以下パハン)は、ドゥリー前監督と共に休養させたフランス出身のクリストフ・ギャメル コーチを今夏は監督に据える人事を敢行し、さらに昨季在籍した外国籍選手5名とマレーシア人選手14名との契約を更新せず、大幅なチームメンバーの入れ替えを敢行しています。昨季はトップチームでのコーチ「休養」後はU19チームを指導したギャメル新監督就任にあわせ、今季は若手を積極的に起用するのかと思いきや、クラブはMリーグでのプレー経験が5年を超えたリー・タック(イギリス)、エセキエル・アグエロ(アルゼンチン)両選手の帰化を進めマレーシア人選手として登録する方針を発表しています。パハンにはこの他にもニコラス・スウィラッド、デヴィッド・ローリー、シーン・ジャネッリらマレーシア人の血を引くハイブリッド帰化選手もおり、帰化選手だけで1チームができてしまうほどで、昨季主将を務めたムスリム・アフマッドらまで退団させた目的が、外国籍と外国生まれの選手に頼ったチーム再建なのか、という声が上がると、今度はムスリム・アフマッドと再契約するなど、経営陣の方針が全く不明な補強を行なっています。個々の選手の顔ぶれは上位のクラブとは引けを取らないものの、昨季のように経営陣が介入すれば、今季も降格争いに加わる可能性は十分あります。
 
 

ボラセパマレーシアJP的注目選手
・アザム・アジー
コロナ前の2019年予選も含めてほぼレギュラーポジションをつかんでいたにもかかわらず、昨年6月に再開されたFIFAワールドカップ2022年大会アジア2次予選以降は代表招集がなかったアザム選手。スーパーリーグでも22試合中19試合に出場するなど不調だったわけではありませんが、スズキカップ2020では自身のポジションである守備的ミッドフィルダーに、当時のタン・チェンホー監督が攻撃的ミッドフィルダーのバドロル・バクティアルを起用するなど不可解な起用で代表招集はありませんでした。代表だけでなく、所属するパハンも突然の監督交代などでゴタゴタしたことから、シーズン終了後には他クラブへの移籍も噂されましたが、結局残留したのは、地元出身でユースからパハン一筋でプレーしてきたからかも知れません。ボラセパマレーシアJP的にはマレーシアでトップ3に入るデッドボール・スペシャリストだと思っているので、アザム選手には代表復帰のためにも、今季はクラブでの活躍を期待したいところです。

・マヌエル・イダルゴ
昨季2度目のトランスファーウィンドウ期間に加入すると、選手登録された最初の試合でゴールを挙げ、それまで2勝2分7敗と不調のクラブの雰囲気を一変させたイダルゴ選手は、加入直後の6試合を2勝4分で終える原動力となりました。その後は他クラブのマークなども厳しくなり、入団当初ほどの劇的な活躍は無くなりましたが、今季新加入のFWコンビの実力次第では攻撃的ミッドフィルダーとしてではなく、司令塔としてより多くのゴールを引き出す可能性もあります。