トレンガヌFCの監督が辞任
マレーシアフットボールリーグMFL1部スーパーリーグのトレンガヌFCの監督が辞任しました。当地のマレー語紙ウトゥサン・マレーシアのオンライン版によると、イルファン・バクティ・アブ・サリム監督は、チームの不調の責任を取るため、トレンガヌFCの母体であるトレンガヌサッカー協会(トレンガヌFA)に辞表を提出し、受理されたとのことです。トレンガヌサッカーFAのテンク・ファロウク・フシン・テンク・アブドル・ジャリル事務局長が記者会見で発表しました。
これに先立って、5月14日に行われたホームでのプタリン・ジャヤ(PJ)シティFCとの試合で3-0とリードしながら3-5と大逆転で敗戦した結果を受け、数百人のファンが試合会場となったスルタン・イスマイル・ナサルディン・シャースタジアムの外で抗議行動を行い、選手やイルファン監督、トレンガヌサッカー協会(トレンガヌFA)関係者との面会を求めるなどの混乱がありました。
また5月10日には、第1戦で2−1とリードしていたFAカップ準々決勝でも、第2戦でパハンFAに0−4で敗れ、通算成績2-5で敗退しています。
ともにマレー半島東海岸に面して隣接するライバルのパハンFAに逆転負けし、またリーグの順位では明らかに下位のPJシティFCにも逆転で大敗したことで、ファンの不満が爆発したのは、ある意味理解できますが、PJシティFC戦後にはコーチを支持する発言をトレンガヌ州知事でもある、トレンガヌFAのアーマド・サムスリ・モクター会長が行なっていただけに、事態が急転直下した印象も否めません。
退任したイルファン前監督は、2011年には当時のトレンガヌFA(現在のトレンガヌFC)をFAカップ優勝、マレーシアカップとスーパーリーグではそれぞれ準優勝へと導き、年間最優秀監督賞を受賞しています。また、6年ぶりにトレンガヌFCの監督として復帰した2017年には、MFL2部プレミアリーグに降格していたトレンガヌFCをリーグ2位で1部スーパーリーグへ昇格させるなど、トレンガヌ州のサッカー界では功績を残した人物ですので、その分、ファンの期待も高かったのかもしれません。
監督の後任は未定で、モハマド・ナフジ・ザインアシスタントコーチが監督代行となり、残りのリーグ戦9試合とマレーシアカップの指揮をとることになっています。
ワールドカップ一次予選出場の代表候補選手が発表
マレーシアサッカー協会FAMのホームページで、2022年FIFAワールドカップカタール大会予選兼2023年アジアカップ予選に出場するマレーシア代表候補選手26名が発表になっています。
代表候補は5月27日から始まる強化合宿を経て、最終代表メンバーが23名が決定します。マレーシア代表は6月2日にはブキ・ジャリル国立競技場で行われるネパール代表との練習試合を経て、6月7日と11日に同じ会場で行われるワールドカップアジア予選1回戦の東ティモール代表との試合に臨みます。なお、東ティモールの希望により、ホーム、アウェイの試合ともマレーシアで行われることになっています。
今回のメンバーには、今年3月に行われたエアマリンカップの際に、アジアサッカー連盟AFC U23選手権予選と日程が重なっていたために招集できなかったサファウィ・ラシド、アキヤ・ラシド(以上JDT)、シャマー・クティ・アバ、ドミニク・タン・ジュンジン(以上JDT II)、シャミ・サファリ(スランゴールFA)、ファイサル・アブドル・ハリム(パハンFA)といったメンバーも選ばれており、タン・チェンホー監督が現在、望むことができるベストの選手たちと言えるでしょう。
今回の代表候補で個人的に注目したいのは二人、一人は現在はMFL2部プレミアリーグの首位JDT IIでプレーするDFドミニク・タン・ジュンジンです。AFC U23選手権予選でも、そしてJDT IIでもレギュラーとしてプレーしたドミニク選手は183cmとマレーシア人としては大柄なセンターバックで、今回がフル代表初招集です。U23代表では不動のレギュラーだったタン選手がフル代表のDF陣に食い込めるのかどうかに注目したいと思っています。
そしてもう一人はJDTでプレーするやはりDFのラヴェル・コービン=オングです。イギリスのロンドン生まれでカナダのバンクーヴァー育ちのコービン=オング選手は、父親がバルバドス人、母親がマレーシア人ということでイギリス、カナダ、バルバドスそしてマレーシア代表でプレーする資格がありました。ドイツやオランダでプロ選手としてプレーしたコービン=オング選手は、昨年の3月にマレーシア代表に召集されましたが、その時は試合出場がありませんでした。現在は1部スーパーリーグの首位を走るJDTの不動のレフトバックとして活躍し、先日のAFCチャンピオンズリーグ鹿島戦でも存在感を示しました。上記のタン選手がバックラインの最後を固めるタイプなら、コービン=オング選手は184cmと長身ながら積極的な攻撃参加を持ち味とする、これまでの代表にはいなかったタイプの選手ですので、こちらもタン監督がどのように起用していくのかが楽しみです。
ポジション | 氏名 | 年齢 | 所属 |
GK | ファリザル・マーリアス | 33 | JDT |
ハフィズル・ハキム | 26 | ペラTBG | |
イフワン・アクマル | 23 | クダFA | |
DF | アダム・ノー・アズリン | 23 | JDT |
ラヴェル・コービン=オング | 28 | JDT | |
ドミニク・タン・ジュンジン | 22 | JDT II | |
シャズワン・アンディック | 23 | JDT II | |
マシュー・デイヴィズ | 24 | パハンFA | |
シャミ・サファリ | 21 | スランゴールFA | |
シャルル・サアド | 26 | ペラTBG | |
ロドニー・セルヴィン・アクウェンシヴィ | 23 | PKNS FC | |
イルファン・ザカリア | 24 | KLFA | |
MF | アクラム・マヒナン | 26 | PKNS FC |
ケニー・パッラジ・ダバラギ | 26 | ペラTBG | |
ハリム・サアリ | 25 | スランゴールFA | |
ファイズ・ナシル | 27 | スランゴールFA | |
シャマー・クティ・アバ | 22 | JDT II | |
ノー・アザム・アジ | 24 | パハンFA | |
FW | アキヤ・ラシド | 20 | JDT |
サファウィ・ラシド | 22 | JDT | |
シャフィク・アーマド | 24 | JDT | |
モハマドゥ・スマレ | 25 | パハンFA | |
ノーシャルル・イドラン・タラハ | 33 | パハンFA | |
ファイサル・アブドル・ハリム | 21 | パハンFA | |
シャズワン・ザイノン | 30 | スランゴールFA | |
シャーレル・フィクリ | 25 | ペラTBG |
FAMのホームページより