6月2日のニュース:サファウイ・ラシドに日韓のクラブが関心、FAMの懲戒委員会によりスランゴールFAのGKは5試合出場停止、FAMのステイタス委員会は未払い給料支払いを命令

サファウイ・ラシドに日韓のクラブが関心
英字紙ニューストレイトタイムズの電子版では、AFCチャンピオンズリーグACLにジョホール・ダルル・タクジムJDTのメンバーとして出場したサファウイ・ラシドに日韓のクラブが関心を示していると英字紙ニューストレイトタイムズの電子版が伝えています。
 昨シーズンの国内最優秀選手にも選ばれているサファウイ選手はACL以外にも昨年インドネシアで開催され、韓国を撃破したアジア競技大会や今年3月のアジアサッカー連盟AFC U23選手権予選にも出場してゴールを決めていまが、そういった実績に加えて、現在22歳という若さからJ1のクラブが関心を示していると、記事の中であるエージェントが述べています。しかし同じエージェントがJDTと話したところ、現時点ではJDTはサファウィ選手の移籍を容認しないと語ったようです。
 この記事の中では、別のエージェントは韓国のKリーグ所属クラブにもサファウィ選手に関心を持っているところがあると述べています。2020年より「アセアン枠」での外国人獲得が可能となるKリーグ(詳しくはこちらを参照して下さい。)にはこの「アセアン枠」が開いているチームがあり、サファウィ選手はまさしくその枠にフィットする候補だと述べています。アジア競技大会では、英国プレミアリーグのトットナムで活躍する孫興民(ソン・フンミン)を擁するU23韓国代表相手に2ゴールを挙げ、マレーシアの勝利に貢献しているので、その活躍が注目を集めたのかも知れません。このエージェントはサファウィ選手以外に、帰化選手であるモハマドゥ・スマレやマシュー・デイビーズ(いずれもパハンFA)といったマレーシア代表の選手の他、リー・タック(トレンガヌFC)やロメル・モラレス(PKNS FC)なども国外のクラブの関心を集めていると述べています。
 国内のトップレベルの選手が国外でプレーする話は聞いたことがありませんが、個人的にはサファウィ選手には是非、Jリーグでプレーしてもらいたいです。アセアン出身者のJリーグ成功例としては、水戸のグエン・コン・フオン(現Kリーグインチョン・ユナイテッド)や札幌のチャナティップ・ソングラシンがいます。またファジアーノ岡山にはU23代表のハディ・ファイヤッドも在籍していますが、サファウィ選手も是非、国外のクラブで揉まれてもう一回り大きくなって欲しいと思います。

FAMの懲戒委員会によりスランゴールFAのGKは5試合出場停止
マレーシアサッカー協会FAMの懲戒委員会が開かれ、マレーシアフットボールリーグMFL1部スーパーリーグのスランゴールFAのGKファリザル・ハルンに対し、5試合の出場停止と罰金5000リンギ(約13万円)が課されました。
 5月18日に行われたMFL第14節のスランゴールFA対PKNP FCとの試合中に、ファリザル選手がゴール前の混乱の中、PKNP FCのムハマド・アル・ファテ選手の顔面を殴りました。試合中、審判はこれに気が付きませんでしたが、ビデオ映像にはしっかり残っており、今回の処分につながっています。
 ファリザル選手はMFL第8節、4-3で勝利した対マラッカ・ユナイテッド戦でも自らのミスから失点につながったことをなじったファンに対して中指を立てるなど前科があり、またこのPKNS FC戦の後も彼の行為に対して批判的なファンに対して悪態をつくなど、一部ファンからは「スランゴールFA史上最低の選手」とも呼ばれています。
 MFLが残り7試合という状況下でのFAMによる5試合の出場停止処分に対して、ファリザル選手は裁定が重すぎると述べていますが、その一方で「サッカー選手なら一度や二度はカッとなることはあるはず」と述べるなど、反省の色は見られません。
 スランゴールFAのB・サティアナタン監督はこの裁定に対して不服申し立てを行うかどうかはクラブの上層部に任せるとし、チームにとってレギュラーGKがいなくなるのは非常に大きな痛手であるとコメントし、観客に飛び蹴りを加えたことで有名なエリック・カントナ(!)が出場停止を乗り越えて復帰したことを例に挙げ、ファリザル選手にもカントナ選手を見習って欲しいと述べています。

FAMのステイタス委員会は未払い給料支払いを命令
このブログでは何度も取り上げたマレーシアサッカー界の給料未払い問題ですが、今回はFAMのステイタス委員会が、所属選手から未払い給料請求を受けているクラブへ30日以内の支払い命令を出しています。
 その中でも最大額は昨シーズンのMFL3部(昨年までの名称はFAMリーグ)の優勝チーム、トレンガヌ・シティFCの411,900リンギ(約1070万円)で21名のマレーシア人選手から未払い給料請求が出ています。この他にはサバFAはかつて所属した外国人選手3名の契約上の賠償金と航空券代金362,000リンギを、クアラルンプール(KL)FAは外国人選手の代理人費用260,000リンギを支払うよう命令されています。またケランタンFA、ペナンFA、すでに解散したマルセラ・ユナイテッドFCなどにも選手、コーチ陣への支払い命令が出されています。またフェルダ・ユナイテッドFCは前監督で現スランゴールFA監督のB・サナティアタンに対して契約金と住居手当など未払い分の支払いを命じています。
 イスラム教国マレーシアでは、6月5日に断食月が終わり、日本で言えば正月に当たるこの時期に未払い給料問題の解決が見えてきたことは喜ばしいのですが、この話は支払い命令を出せば終わりというものではないのが、マレーシアサッカーの闇の深いところです。例えば上で取り上げたトレンガヌ・シティFCは、MFL3部の優勝チームとして2部プレミアリーグへ自動昇格の権利を得ていましたが、給料未払い問題により昇格どころか解散しており、現在ではクラブ経営陣も存在していません。このため、FAMが支払いを命じたところで存在しないクラブの責任の所在がはっきりしていません。トレンガヌ・シティFCのモハマド・ノー・デルス前監督は、トレンガヌ・シティFCはトレンガヌ州サッカー協会(トレンガヌ州FA)の加盟団体だったことから、トレンガヌ州FAが仲介しこの問題を解決するべきだとしています。さらにトレンガヌ・シティFCはFAMリーグでトレンガヌ州を代表するクラブで、その優勝はトレンガヌ州サッカーに名誉をもたらしたことへの評価を求めています。またモハマド・ノー前監督は、トレンガヌ州FAが仲介せず、FAMも命令を出す以上の関与を行わないのであれば、FAMは「窓枠に溜まったホコリを吹く」程度で掃除を終えたと言っているようなものであり、時間の無駄以外の何物でもないと非難しています。


 

5月30日のニュース:ペラTBGはPKNP FCに選手貸し出し、ルフィノ・セゴビアの今シーズン復帰はなし、ケランタンFAの外国人は全員退団

ペラTBGはPKNS FCに選手貸し出し
ともにマレーシアフットボールリーグMFL1部スーパーリーグに所属するペラTBGはペラ州サッカー協会が運営するクラブで、PKNP FCはペラ州政府の機関であるペラ州開発公社を母体とするクラブ。ペラ州サッカー協会の会長はペラ州の州知事でもあることから、この2クラブは言わば「兄弟クラブ」です。第15節を終え降格圏の3勝3分9敗の11位と苦しむ「弟」PKNP FCのスーパーリーグ残留のために、「兄」のペラTBGが二人の選手を貸し出すことを決定したと、マレー語紙ウトゥサン・マレーシアのオンライン版が伝えています。
 ペラTBGからPKNP FCへ期限付き移籍するのは、元U23代表のDFモハマド・シャズワン・ザイポル・バハリ(24)と元U19代表のDFナジルル・アフィフ・イブラヒム(22)の両選手です。ペラTBGのメフメト・ドゥラコビッチ監督は、移籍期間は年内いっぱいの6ヶ月間とし、両選手は来シーズン開幕前にはペラTBGに戻るとしています。
 PKNP FCの会長はMFL1部スーパーリーグに残留できなければクラブ解体もありうると発言しており、残留に向けてブラジル出身のFWラモン・ダ・シルヴァ(27)をトランスファーウインドウ期間中に獲得しています。(下はラモン選手獲得を知らせるPKNP FCのFacebookポスト)

ルフィノ・セゴビアの今シーズン復帰はなし
昨シーズンに31ゴールを挙げMFLの得点王となったルフィノ・セゴビアはアキレス腱を痛め欠場が続いていますが、所属先のスランゴールFAは今シーズンは治療と休養に充てるため、セゴビア選手の復帰はないことがスランゴールFAの公式ホームページで告知されています。。
 複数年契約のセゴビア選手は、来シーズンもスランゴールFAとの契約が残っています。これにより、外国人枠の関係から退団も噂されていた23歳のMFエンドリック・ドス・サントスの残留も確定しました。
 スランゴールFAは昨日終了したトランスファーウインドウ期間中にナイジェリア出身のFWイフェダヨ・オルセグンを獲得しており、エンドリック・ドス・サントス、MFサンドロ・ダ・シルヴァ(ブラジル)、DFテイラー・リガン(オーストラリア)、ミハル・グエン(ベトナム)の5人が外国人枠登録の選手です。

ケランタンFAの外国人は全員退団
以前もこのブログで何度か取り上げた給料未払い問題を抱えるMFL2部プレミアリーグ所属のケランタンFAですが、ブラジル人MFカッシオ・デ・ジーサスとアフガニスタン出身のFWムスタファ・ザザイがいずれも給料未払いにより退団を決めたとマレー語紙シナール・ハリアンのオンライン版が伝えています。なお他のメディアではカッシオ選手は5ヶ月、ザザイ選手は3ヶ月分の給料が未払いという報道もあります。
 既にラウル・タラゴナ(ウルグアイ)、フラヴィオ・ベック・ジュニオール(ブラジル)が退団し、今週はデイビット・ロウリー(オーストラリア)がケランタンFAの家賃未払いによって家族と住んでいた住居から退去させれるなどして退団し、クダFAへ移籍しています。
 今シーズン、クアラルンプール(KL)FAの監督を成績不振で退任し、その後ケランタンFAの監督に就任したユスリ・チェ・ラー監督のもと、現在プレミアリーグ最下位のケランタンFAは残る6試合をマレーシア人選手のみで戦うことになりました。2001年には国内リーグと二つのカップ戦全てを制覇し、いわゆる「トレブル」を達成したケランタンFAですが、その凋落は止まりそうにありません。

5月29日のニュース:MFLの複数クラブがトランスファーウィンドウ最終日に新戦力と契約

5月29日はマレーシアのトランスファーウィンドウ最終日ということで、マレーシアフットボールリーグMFLの複数クラブが新戦力と契約しています。
 5月24日から26日にかけて第15節を終えているMFLは、6月5日に断食月(ラマダン)が明ける(人口約3200万人のうち、60パーセントを超えるイスラム教徒にとって断食明けは一年で最大のイベントです)ことや、6月7日と11日にFIFAワールドカップのアジア一次予選があることから、6月14日からの第16節より再開されます。

パハンFAは元ナミビア代表FWを獲得
MFL1部スーパーリーグ2位のパハンFAは、31歳の元ナミビア代表FWラザラス・カイムビと6ヶ月間の契約したと、マレー語紙ブリタ・ハリアンのオンライン版が伝えています。
 カイムビ選手はバンコク・グラスFC(現BGパトゥム・ユナイテッドFC)、チェンライ・ユナイテッドFCスパンブリーFCでプレー経験があり、パハンFAでは、ディクソン・ヌワカエメととともに攻撃陣を牽引することが期待されています。
 5つの外国人枠が全て埋まっているパハンFAは、カイムビ選手に代わってゼ・ラヴことゼ・エドゥアルドが退団します。他のメディアでは退団の理由としてケガが挙げられていますが、ブリタ・ハリアンの報道では14試合で4得点と期待通りの働きができていないためとしています。

マラッカ・ユナイテッドはマレーシア人MFを補強
MFL1部スーパーリーグ4位のマラッカ・ユナイテッドは、過去2シーズンはMFL2部のヌグリ・スンビランFAでプレーした攻撃的MFのファイザル・アブ・バカルと契約したことをブリタ・ハリアンが伝えています。
 マラッカ・ユナイテッドは、今回のトランスファーウインドウ期間中、既にコートジボワール出身のFWデイヴィ・クロード・アンガン(32)とクロアチア出身のDFドミニク・バリッチ(23)を獲得しています。ペナンFAに期限付き移籍したアンセルモ・カサグランデとクアラルンプール(KL)FAに完全移籍したダルコ・マルコヴィッチに代わって入団したアンガン選手とバリッチ選手は、既に5月25日に行われたMFL第15節のペラTBG戦に出場しています。(下は両選手入団を伝えるマラッカ・ユナイテッドのFacebookポスト)

トレンガヌFCは「タンカー」を獲得
MFL1部スーパーリーグ6位のトレンガヌFCは、ブラジル出身のDFルイス・グスタボ・フランシスコ・カミロを獲得しています。「タンカー」のニックネームを持つカミロ選手は、同じDFのイゴール・ゾンジッチ(モンテネグロ)に代わって登録されます。
 このゾンジッチ選手とカンボジア出身のチエリー・チャンタ・ビンは、イルファン・バクティ監督更迭後の試合には出場していなかったことから、退団の可能性もあると以前このブログでも書きましたが、ゾンジッチ選手はその通りになりました。また、チャンタ・ビン選手についても、過去5ヶ月間の給料が未払いであることをソーシャルメディアで公表してMFL2部プレミアリーグのケランタンFAを退団することが決まったブラジル出身のDFカッシオ・デ・ジーサスがチャンタ・ビン選手に代わってトレンガヌFCに移籍する可能性があることを伝えるメディアもあります。(下はカミロ選手入団を伝えるトレンガヌFCのFacebookポスト)

5月28日のニュース:トランスファーウインドウ期間終了直前の駆け込み契約が続く

トランスファーウインドウ期間終了直前の駆け込み契約が続く
マレーシアのトランスファーウインドウ期間は明日5月29日に終了しますが、直前の駆け込み契約が続いています。

UITM FCは韓国の元U23代表を獲得
マレーシアフットボールリーグMFL2部プレミアリーグ首位のUITM FCは、韓国の元U23代表選手のMFパク・ヨンジュンと契約の見通しであると、マレー語紙ブリタ・ハリアンのオンライン版が伝えています。25歳のパク選手はすでにUITM FCの練習に参加しており、目でカルチェックの結果が出次第、毛役の見込みのようです。パク選手は、やはりこのトランスファーウインドウ期間中に獲得したキルギスタン代表のMFアフリジン・イスライロフに代わって選手登録される予定です。
 わずか3試合で契約解除となるイスライロフ選手について、UITM FCのイスマイル・ザカリア監督はチームの期待に応えられていないため、選手の入れ替えを決めたとしています。
 この記事では述べられていませんが、ウィキペディアではこのパク選手は2016年の7月から2017年まで背番号10を着けてプルリスFAでもプレーしていたようで、ググるとその頃の記事も見つけることができました。

クダFAはキルギスタン代表のキャプテンを獲得
UITM FCのキルギスタン代表のアフリジン・イスライロフはチームを去りますが、同じキルギスタン出身で今年1月のアジアサッカー連盟AFC選手権アジア杯にも出場したMFアエドガー・ベルンハルトを獲得しました。33歳のベルンハルト選手はキルギスタン代表のキャプテンでもあり、イラク出身のアンマル・アル・ムバラキに代わって登録されます。
 ちなみにMFL1部スーパーリーグの各クラブは、外国人選手を5人まで登録可能です。そのうちの3人枠は特に何の制限もありませんが、残りの2人枠は、1人がアジアサッカー連盟AFC加盟国出身の選手、残りの1人枠はアセアン出身選手が対象となっており、ベルンハルト選手はムバラキ選手が登録されていたAFC出身国枠の選手として登録されます。

MFL第15節の結果まとめ

マレーシアフットボールリーグMFLは5月24日(金)から26日(日)にかけて、1部スーパーリーグと2部プレミアリーグで合わせて10試合が行われました。なお、パハンFA対フェルダ・ユナイテッドの試合は、元FAM会長で、パハンFA元会長でもあった故スルタン・アーマド・シャー殿下追悼のため順延になっています。以下、結果です。

1部スーパーリーグ

トレンガヌFA1-0スランゴールFA
得点者:トレンガヌFC-K・サルクナン(90分OG)
 両チームともに決め手を欠く試合は、このまま引き分けかと思われたアディショナルタイムにスランゴールFAのキャプテンK・サルクナンが自陣ゴール前の低いクロスをクリアミスしたOGで決着がつきました。
 前節終了後にイルファン・バクティ監督が辞任したトレンガヌFCは、モハマド・ナフジ・ザイン監督代行がこれまで先発出場していたイゴール・ゾニッチ(モンテネグロ)やチエリー・チャンタ・ビン(カンボジア)をスタメンから外すだけでなくベンチ外にするなど思い切ったメンバー入れ替えを行なって試合に臨みました。ただし一部メディアの報道では、二人の外国人選手のベンチ外はザイン監督代行ではなく、経営陣の指示であるような報道もあり、あと3日で閉じてしまうトランスファーウインドウ期間にトレンガヌFCには外国人獲得など何かしらの動きがあるかもしれません。

PKNS FC3-0プタリン・ジャヤ(PJ)シティFC
得点者:PKNS FC-ゲブリエル・ゲラ(50分)、クパ・シャーマン2(53分、73分)
 3連勝中だったPJシティFCを破ったPKNS FCは、自らの連敗を2で止めています。

ペラTBG2-3マラッカ・ユナイテッド
得点者:ペラTBG-ブレンダン・ガン(18分)、J・パルティバン(57分)、マラッカ・ユナイテッド-ナズリ・ナウィ(23分)、パトリック・ライヒェルト2(45分、74分)
 新戦力加入で過去4試合負けなしだったペラTBGは、マラッカ・ユナイテッドのフィリピン人FWパトリック・ライヒェルトの2ゴールを含む今季3度目の3失点と守備陣が崩壊しました。一方のマラッカ・ユナイテッドは再び4位浮上です。

ジョホール・ダルル・タクジム(JDT)2-0クダFA
得点者:JDT-レアンドロ・ヴァラスケス(33分)、サファウイ・ラシド(86分)
 今節注目の首位JDT対3位のクダFAの対戦でしたが、JDTが順当に勝利し、試合のなかったパハンFAとの勝点差は13と開きました。

クアラ・ルンプール(KL)FA4-1PKNP FC
得点者:KLFA-パウロ・ジョスエ(14分)、ギリェルメ・デ・パウラ3(17分、18分PK、90分)、PKNP FC-ジャンカルロ(83分)
 キャプテンで攻撃の要でもあるインドラ・プトラ・マハユディンを累積警告の出場停止で欠くKLFAでしたが、降格を争うPKNP FCをギリェルメのハットトリックなどで一蹴し、PKNP FCに代わって順位を一つ上げて10位に、負けたPKNP FCは代わって11位となりました。
 KLFAの苅部隆太郎選手はスタメンでフル出場しています。

2部プレミアリーグ

UITM FC3−2スランゴール・ユナイテッド
得点者:UITM FC1-2マイコン・カリジュリ(46分)、スランゴール・ユナイテッド-ダンコ・コヴァチェヴィチ(26分)、フランクリン・アンズィテ(60分PK)
 この試合はネットで観戦しました。前節第14節が終了した時点で今シーズン初めて首位となったUITM FCは、それが影響したのかホームでの試合ながら受け身に回りスランゴール・ユナイテッドに攻め込まれる場面が目立ちました。しかも残り10分でここから反撃、という大事な時間帯に、DFファイザル・アリフが必要のない2枚目のイエローをもらって退場し、10人となったところで万事休すでした。

ヌグリ・スンビランFA0-1UKM FC
得点者:UKM FC-ミラド・ジダドプール(51分)
 ヌグリ・スンビランFAの中武駿介選手はスタメンでフル出場しています。ちなみに中武選手には5月20日にお嬢さんが誕生されたそうです。おめでとうございます。

ペナンFA0-0サバFA
得点者:なし

トレンガヌFC II2-2ケランタンFA
得点者:トレンガヌFC II-アーマド・タキユディン・ロスラン2(10分、68分)、ケランタンFA-ニック・アズリ・ニック・アリアス(4分)、ニック・アキフ・シャヒラン(22分)
 トレンガヌFC IIの鈴木ブルーノ選手はスタメンでフル出場しています。

サラワクFA1−1ジョホール・ダルル・タクジム(JDT)II
得点者:サラワクFA-アリフ・ハサン(26分)、JDT II-ロザイミ・ラーマン(90分PK)
 UITM FCと勝点で並びながら、得失点差で2位のJDT IIは、この試合も最下位のサラワクFAと引き分けるなど、ここ4試合で勝ちなしと、それまでの7勝3分0敗という勢いが嘘のような失速です。

5月26日のニュース:PKNS FCのGKが代表候補へ追加招集、MFL3部チームの多くがアマチュアリーグ案に同意 、MFL3チームは勝点剥奪なし

PKNS FCのGKが代表候補へ追加招集
マレーシアサッカー協会FAMのFacebookによると、マレーシア代表のタン・チェンホー監督は、5月27日から始まる代表候補合宿へマレーシアフットボールリーグMFL1部スーパーリーグのPKNS FCのGKザリフ・イルファン・ハシムディンを追加招集しました。24歳のザリフ選手は、ケガにより代表候補合宿を辞退したペラTBGのGKハフィズル・ハキム・カイルル・ニザムに代わって招集されています。

MFL3部チームの多くがアマチュアリーグ案に同意
マレー語紙ウトゥサン・ムラユのオンライン版によると、MFLのケヴィン・ラマリンガムCEOがMFL3部のM3リーグの14クラブの代表と会談しました。その席でM3クラブの多くが、MFLが創設するアマチュアフットボールリーグ(AFL)への参加に前向きであるようです。
 M3リーグはMFL3部ながら、MFLからの助成金支給はなく、各チームが全ての費用を負担しています。
 M3リーグがAFLとなることで、M3リーグの優勝チームと2位のチームはMFL2部プレミアリーグへの自動昇格はなくなり、プレミアリーグ最下位2チームとのプレーオフを行うことになりますが、その一方でMFLはM3リーグの試合の審判費用を負担するほか、M3各クラブの遠征に伴う移動や宿泊費用に関する援助を行い各クラブが直面している費用負担の軽減に協力するとしています。
 記事の中ではケランタン・ユナイテッド、トゥン・ラザクFC、クチンFAなどM3リーグのクラブ関係者がMFLのケヴィン・ラマリンガムCEOの詳細な説明を聞いて、MFLによる提案に対して前向きになっていることが紹介されています。

MFL3チームは勝点剥奪なし
MFLのホームページで、マラッカ・ユナイテッド、ケランタンFA、サラワクFAの各クラブは、期限までにMFLが求めていた会計資料を提出期限としていた5月22日までに提出したとして、勝点3の剥奪を行わないとしています。
 またケランタンFAとサラワクFAに課せられていたトランスファーウィンドウ期間中の新たな選手獲得禁止措置についても、新入団する選手の給与が、代わりに退団する選手の給与を超えない、という条件付きで選手1名のみ獲得を許可するとしています。
 MFLは昨年12月31日までに各クラブの経営破綻をさけるため、会計資料を提出するように求め、その期限に間に合わなかった1部スーパーリーグのクアラルンプール(KL)FA、フェルダ・ユナイテッド、マラッカ・ユナイテッド、2部プレミアリーグのケランタンFA、PDRM FC、サラワクFA、ペナンFAについては、スーパーリーグが300万リンギ(約7800万円)、プレミアリーグが100万円(約2600万円)とされるMFLからの年間助成金の50パーセントを削減するとしていました。
 しかし今年4月22日、各クラブが提出した借金返済計画や今後の運営計画などを精査した結果、MFLはKLFA、フェルダ・ユナイテッド、PDRM FC、ペナンFAへの助成金削減は5パーセントとすることと発表しました。
 その一方で、マラッカ・ユナイテッド、サラワクFA、ケランタンFAの各クラブについては、4月22日までに従業員積立基金(EPF、退職時に受け取れる強制積立基金、労働者が給与の12パーセント、雇用者が給与の11パーセントを負担する)、従業員社会保障(SOCSO、労災補償のために雇用者が給与の1.25パーセントを負担する)、国税局による支払いを証明する公式書類が期限までに提出されなかったため10パーセントの削減と提出期限の30日間延長措置をうけ、5月22日の期限までにこれらの公式書類が提出されない場合は勝点3の剥奪を行うことが通知されていました。

5月25日のニュース:クダFA、UITM FC、スランゴール・ユナイテッドが新外国人獲得、元FAM会長の死去に伴いパハンFA対フェルダ・ユナイテッドの試合は延期

クダFAが新外国人を獲得
トランスファーウィンドウ期間終了まであと5日となり、マレーシアフットボールリーグMFL各クラブの新戦力獲得の動きが活発化してきました。MFL1部スーパーリーグで第14節を終えて首位ジョホール・ダルル・タクジム(JDT)と勝点14差の3位につけるクダFAは、オーストラリア出身で185cmの攻撃的MFデイヴィッド・ロウリーを獲得したと、マレー語紙ハリアン・メトロのオンライン版が伝えています。
 29歳のロウリー選手はオーストラリア、ドイツ、タイなどでプレー経験があり、昨年はMFL2部プレミアリーグのヌグリ・スンビランFAでプレーし、今シーズン開幕時にはやはりプレミアリーグのケランタンFAと契約し、9試合に出場しましたが、5月21日には契約を解除していました。
 今週末の第15節では、首位JDTとの直接対決を控え、攻撃のキーマンでもある主将のバドロル・バクティアルは累積警告による出場停止で、イラク出身のFWアンマル・アルムバラキ、MFシャハルル・アズワリ・イブラヒム、MFアザムディン・アキルらをケガで欠くクダFAに対しては、サポータークラブも新戦力獲得を求める声を上げており、そう言った中での新戦力補強です。
 オーストラリア人のロウリー選手は、マレーシアの市民権も持っているため、選手登録は外国人としてではなく、マレーシア人選手として登録されます。

UITM FCも新外国人選手と契約
第14節を終えてMFL2部プレミアリーグの首位UITM FCもブラジル出身のFWマイコン・ロジェリオ・シルヴァ・カリジューリと契約したとハリアン・メトロのオンライン版が伝えています。
 33歳のマイコン選手はヨーロッパではポーランドやベラルーシ、アジアではタイやインドネシア、カンボジア、ミャンマーなどでもプレー経験があり、UITM FCでは、現在プレミアリーグで10ゴールを挙げ得点王となっているモンテネグロ出身のザルコ・コラチとともに攻撃陣をリードすることが期待されています。
 UITM FCには第11節までで7ゴールを挙げ、リーグ得点王争いで2位につけていたセネガル出身のロベルト・メンディーがいましたが、完治まで8ヶ月というケガを負ったため、メンディー選手に代わってマイコン選手が登録されることになります。
 UITM FCはキルギスタン出身で今年1月のアジアサッカー連盟AFC選手権アジア杯にも出場したMFアフリジン・イスライロフをすでにトランスファーウィンドウ期間に獲得しており、こちらは既にプレミアリーグで2試合に出場しています。
(下の写真はいずれもUITM FCのFacebookより)

スランゴール・ユナイテッドも新たに2名の外国人選手と契約
8試合で4ゴールを挙げたセルジオ・アグエロがペナンFAへ移籍したスランゴール・ユナイテッドは、モンテネグロ出身のFWダンコ・コヴァチェヴィッチと韓国出身の攻撃的MFファン・シンヨンを獲得しています。
 両選手はMFL第15節のUTIM FC戦から出場の予定です。

元FAM会長の死去に伴いパハンFA対フェルダ・ユナイテッドの試合は延期
5月22日に亡くなられた元FAM会長で前パハン州のスルタン、スルタン・アーマド・シャー殿下を追悼するため、MFL第15節のパハンFA対フェルダ・ユナイテッドの試合を延期することがMFLのホームページで告知されています。
 またその他のMFLのカードでも、試合開始前に1分間の黙祷を捧げるとしています。

MFL第14節の結果まとめ

5月17日(金)から5月19日(日)にかけて行われたマレーシアフットボールリーグMFL第14節の結果です。

MFL1部スーパーリーグ

プタリン・ジャヤ(PJ)シティFC1-0クアラ・ルンプール(KL)FA
得点者:PJシテイFC-サフィ・サリー(90分)
 この試合を観戦しましたが、両チームとも決め手を欠き、無得点のまま試合終了かと思ったその時にたった一つのミスで決着がつきました。KLFAの苅部隆太郎選手はレフトバックでスタメンフル出場し、要所では効果的な活躍をしていたのですが、最後にGKとのコミュニュケーションがうまくいかず、途中出場のサフィ・サリーがそのミスを見逃さずPJシティFCの決勝ゴールにつながりました。

ジョホール・ダルル・タクジム(JDT)2−1PKNS FC
得点者:JDT-サファウイ・ラシド(18分)、ジオゴ(61分)、PKNS FC-ロメル・モラレス(30分)
 アジアサッカー連盟AFCチャンピオンズリーグACLのグループステージ最終戦、アウェイでの慶南FCを来週の水曜日に控えるJDTにとっては、勢いをつけるためにも国内では負けるわけにはいかない試合でした。将来の代表のエース(と私が思っている)サファウィ・ラシドの先制ゴールは、帰化選手の候補にも上がっているロメロ・モラレスのゴールで同点にされましたが、ゴール前の混戦からジオゴがヘディングで決勝ゴールを決めています。

クダFA2-1マラッカ・ユナイテッド
得点者:クダFA-バドロル・バクティアル(61分)、ジャン・スクウォン(71分OG)、マラッカ・ユナイテッド-ルカ・ミルノヴィッチ(31分)
 前節第13節では、スランゴールFAの新外国人FWイフェダヨ・オルセグンのハットトリックで大敗したクダFAが、マラッカ・ユナイテッド相手に勝利しリーグ順位を3位と上げました。クダFAは次節第15節はアウェイのJDT戦です。
 一方のマラッカ・ユナイテッドは前節は最下位のフェルダ・ユナイテッド相手にルカ・ミルノヴィッチがハットトリックを決めるなど6-0の圧勝でしたが、この試合はミルノヴィッチが2試合連続ゴールを決めたものの、最後はオウンゴールで逆転負けでした。

フェルダ・ユナイテッド1-1トレンガヌFC
得点者:フェルダ・ユナイテッド-池田圭(88分)、トレンガヌFC-ナビル・ラトピ(83分)
 前節にKLFAと入れ替わりで最下位へ落ちたフェルダ・ユナイテッドは、上位チーム相手に貴重な勝点1を手にしました。
 また、前節の試合後にイルファン・バクティ監督が辞任したトレンガヌFCにとっては、上位進出が遠のく引き分けと言えるでしょう。
 なお、前節第12節はベンチ入りしていなかったフェルダ・ユナイテッドの渡邉将基選手は先発スタメンでフル出場、池田圭選手は72分から出場して、今シーズン3ゴール目となる貴重な同点ゴールを決めています。

PKNP FC1-1スランゴールFA
得点者:PKNP FC-G・ムゲンティラン(48分)、スランゴールFA-イフェダヨ・オルセグン(29分)
 前節は新加入のイフェダヨ・オルセグンのハットトリックで上位のクダFAに快勝しましたが、この試合ではトマス・アビィ、ジャンカルロ・ロペス、アマニ・アギナルドといった外国人選手をケガや累積警告による出場停止で欠く下位のPKNS FC相手に上位進出にとっては手痛い引き分けとなりました。

パハンFA0-0ペラTBG
得点者:なし
 いずれもワールドカップ予選出場の代表候補となっているキャプテンのDFシャルル・サアドを累積警告による出場停止で、GKハフィズル・ハキムをケガで欠いたペラTBGでしたが、後半は明らかに引き分け狙いの戦術で、2位パハンFAを完封し、勝点1を獲得しました。
 一方のパハンFAはFWディクソン・ヌワカエメがケガで欠場して以来3試合連続の無得点の1分2敗と明らかな得点力不足に苦しんでおり、JDTとの勝点差を1つ詰めたものの、その差はまだ10あり、リーグ優勝を狙うには痛恨の引き分けでした。

MFL2部プレミアリーグ

トレンガヌFC II1−0PDRM FC
得点者:トレンガヌFC II-セルヒイ・アンドリエイエフ(43分)
 トレンガヌFC IIの鈴木ブルーノ選手は先発スタメンでフル出場しています。

UKM FC0-1サバFA
得点者:サバFA-アギナルド・ポリカルポ(49分)
 サバFAは、期限付き移籍で獲得していたセルビア人MFルカ・ミルノヴィッチがマラッカ・ユナイテッドへ復帰し、ブラジル人FWルイス・カルロス・ジュニオールとの契約を解除しましたが、同時に二人の新外国人選手をトランスファーウィンドウ期間中に獲得しました。一人はトルクメニスタン出身のMFアフメット・アタエフで、彼は今年1月9日に行われたアジアサッカー連盟AFC選手権での対日本戦でもゴールを決めています。もう一人がこの試合でゴールを決めたアンゴラ出身のFWアギナルド・ポリカルポです。

UITM FC2-1サラワクFA
得点者:UITM FC-ザルコ・コラチ(29分)、ナズリン・シャムスル(85分)、サラワクFA-ボビー・ゴンザレス(3分)
 ついにUITM FCが今シーズン初の敗戦で勝利数でもJDT IIを抜き、8勝2分3敗の勝点26で勝点25のJDT IIを抑えて首位に浮上しました。

ヌグリ・スンビランFA3-1ケランタンFA
得点者:ヌグリ・スンビランFA- アルミール(5分)、イゴール・ルイス2(26分、28分)、ケランタンFA-ニック・アキフ・シャヒラン(65分PK)
 新戦力のブラジル出身FWイゴール・ルイスの2ゴールなどでヌグリ・スンビランFAが快勝しています。アルミール選手のゴールをアシストするなどチームの勝利に貢献したヌグリ・スンビランFAの中武駿介選手は先発スタメンでフル出場しています。
 各チームが新外国人を獲得し、その多くが活躍している他チームと比べると、ケガが完治しないまま出場を続けている(しかも途中交代し続けている)ブラジル人DFカッシオ・デ・ジーサスしか外国人がいないケランタンFAは、今シーズンの残り試合もこの体制で臨むようですので、このままだとMFL3部のM3リーグ降格に一番近いチームとなりそうです。

JDT II0-2ペナンFA
得点者:ペナンFA-セルジオ・アグエロ(34分)、カサグランデ(46分)
 ペナンFAは、スランゴール・ユナイテッドから移籍のFWセルジオ・アグエロが2試合連続ゴール、マラッカ・ユナイテッドから期限付き移籍のFWカサグランデが移籍後初ゴールを決め、JDT IIの今シーズン初の黒星をつけました。
 セルジオ・アグエロは元ハイチ代表のMFセバスティアン・テュリエールに代わって、カサグランデはザンビア出身のFWンドゥンバ・マケチェに代わっての入団です。

5月18日のニュース:サフィク・ラヒムの今季移籍はなし、その一方で移籍したい選手も

サフィク・ラヒムの今季移籍はなし
先日取り上げたマラッカ・ユナイテッドのMFサフィク・ラヒムのクダFAへの噂を、マラッカ・ユナイテッドを運営するマラッカ・ユナイテッドFA(MUFA)のファルハン・イブラヒム事務局長が否定していると、当地のマレー語紙ハリアン・メトロのオンライン版が伝えています。
 ファルハン事務局長は、現時点ではどのチームあるいはどのFAともサフィク選手の移籍に関する話し合いをしている事実はないとしています。また、現在試合に出場している選手の期限付き移籍を許容する予定もないとも発言しています。
 現在MUFAが期限付き移籍させている選手は、G・ゴピナタン(PDRM FC)、ワン・シュクリ・ワン・アーマド、アンセルモ・カサグランデ(いずれもペナンFA)、ヌルシャミル・アブドル・ガニ(スランゴール・ユナイテッド)、ダルコ・マルコヴィッチ(KLAF)の5名としています。

その一方で移籍したい選手も
このブログでケランタンFAを取り上げる時には、残念ながらほぼ毎回がネガティブな内容なのですが、今回も契約解除を求める選手についてです。
 マレー語紙ウトゥサン・マレーシアのオンライン版によると、ケランタンFAと契約したピヤことモハマド・バドリ・モハマド・ラジが、給料未払いによる契約解除を求めていると伝えています。
 2012年にはケランタンFAの主将として、ケランタンFAのリーグ優勝、マレーシアカップ優勝、FAカップ優勝のいわゆる「トレブル」を達成したピヤ選手は、今シーズン開幕時は、マレーシアフットボールリーグMFL2部プレミアリーグのプルリスFAに所属していましたが、プルリスFAによる給料未払い問題により退団し、ケランタンFAと契約していました。しかし、今回の報道によると3月16日にケランタンFAと契約して以来、全く給料が支給されていないとして、契約書の8.7項「選手は2ヶ月以上給与が支給されない場合、無条件で契約を解除できる」を使って、ケランタンFAに契約解除と移籍証明書の発行を求めています。
 ピヤ選手については、このブログでも2月と4月に取り上げていますが、4月の記事では、ケランタンFAと契約してから1ヶ月も経たないうちに退団希望の意思表示をしたことを取り上げました。4月の時点では「2ヶ月以上給与が支給されない場合」に該当せず、ケランタンFAの会長から練習参加が命じられていましたが、流石に今は5月中旬ですので、今回はFAに拒否権はないでしょう。

5月14日のニュース:ケランタンFAの混乱は続く、今回はブラジル人FWとの契約を解除

ケランタンFAはブラジル人FWとの契約を解除
当地のマレー語紙ハリアン・メトロのオンライン版によると、ケランタンFAのブラジル人FWフラヴィオ・ベック・ジュニオールが退団しました。なおフラヴィオ選手はインドネシア1部リーグのバヤンカラFCへ移籍します。
 ケランタンFAは2017年に就任したものの2ヶ月間で退任したウルグアイ人のテクニカルダイレクター、アルフレド・カルロス・ゴンザレズ氏へのおよそ23万リンギ(約600万円)とされる給料未払い問題により、FIFAからリーグ戦の勝点3剥奪の処分を今年の4月に受けています。
 またマレーシアフットボールリーグMFLが2部プレミアリーグに参加する各チームに年間助成金として100万リンギ(約2700万円)を提供しますが、ケランタンFAはシーズン前の選手登録書類提出の遅れから罰則として50%の減額処分を受けていました。しかしこれが今月初旬に10%の減額となったことで、その一部を使ってゴンザレズ氏への給与支払いが可能になったとしています。
 しかし、給与未払い問題を過去にも起こしていたため、ケランタンFAは今月2日から29日までの期間で開いているトランスファーウインドー期間中の新たな選手の獲得をマレーシアサッカー協会より禁止されています。
 このため、今シーズンはこれまでにチームトップの4得点を決めているフラヴィオ選手が退団後、その代わりの選手はマレーシア人、外国人を問わず獲得することはできないため、戦力ダウンは必至です。
 また現在所属する選手の社会保険料や年金などの支払い済みを証明する書類が今月22日までにMFLに提出されない場合、ケランタンFAは、さらに勝点3が剥奪されることになっています。
 ケランタンFAの会長の座を巡っては、現在のビビ・ラムジャニ会長に現在の混乱の責任を取って辞任を求める勢力と現会長との間の権力闘争とも取れる内紛が続いており、山積している問題が収集しなければ、ケランタンFAは1部スーパーリーグへの昇格どころか、2部プレミアリーグからの降格の恐れすらあります。