2月25日のニュース:クダFAはJDTにチケット割り当て数増を求める、FAカップ2回戦のカードが決定、タイ1部リーグ第2節-代表コンビはともに出場

クダFAはJDTにチケット割り当て数増を求める
 今季のマレーシアフットボールリーグMFLは、今週金曜日2月28日のスンバンシーカップで開幕します。このスンバンシーカップは、英国プレミアリーグのチャリティーシールド(現コミュニティーシールド)を模した試合で、前年のMFL1部スーパーリーグ優勝クラブとマレーシアカップの優勝クラブが対戦する大会です。なお、昨季はスーパーリーグ、マレーシアカップとジョホール・ダルル・タジムJDTが優勝していることから、JDTはマレーシアFAカップ優勝クラブのクダFAと、開場したばかりのJDTの新本拠地スルタン・イブラヒムスタジアムで対戦しますが、このスンバンシーカップのチケットをめぐって、ちょっとした騒動が起こっていると英字紙ニューストレイトタイムズ電子版が伝えています。
 このスンバンシーカップは、MFL1部スーパーリーグの公式戦として、JDTのホームゲームとして開催されますが、アウェイチームのクダFAに割り当てられたチケットが500枚となっていることが騒動の発端です。MFLの規定では、収容人数が2万人未満のスタジアムでは300枚、2万人以上4万人未満のスタジアムでは500枚、4万人以上のスタジアムでは1000枚のチケットをアウェイチームに割り当てることになっており、JDTはスルタン・イブラヒムスタジアムの収容人数が3万5000人であることから、MFLの規定に従って500枚のチケットをクダFAに割り当てましたが、クダFAはMFLを通じて1000枚のチケットを求めています。記事では、JDTは規定通りの対応をしており、MFLもJDTが割り当て増に応じない限り、何もできないとしています。
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 この問題はこのスンバンシーカップが本家のコミュニティーシールとは異なり、リーグ戦の一部となっていること、そして試合が中立地で行われていないことに端を発しています。特にJDTがリーグ6連覇中と言うことで、スンバンシーカップは今回も含め6回連続でJDTのホームでの開催になっています。
 しかしこれをコミュニティーシールドや隣国タイのチャンピオンズカップのように、リーグ開幕前に行い、会場も例えばブキジャリル国立競技場のような中立地とすれば、何の問題も発生しないどころか、MFLの主催試合として収入も得られると思うのですが、そんな発想はMFLにはないのでしょうか。

FAカップ2回戦のカードが決定
 先週末に行われたFAカップ1回戦の結果を受けて、昨日2月24日にFAカップ2回戦の組み合わせ抽選が行われました。なお、このFAカップは3年連続でシンガポールのEコマース(ネットショッピング)サイトShopee「ショッピー」が冠スポンサーとなり、Shopee FAカップと名称が変更になっています。
 以下は3月17日から18日かけて行われるFAカップ2回戦のカードです。注目のカードの下に小ネタを添えてみました。
*(カッコ)内は所属リーグ:(1)はMFL1部スーパーリーグ、(2)はMFL2部プレミアリーグ、(3)はMFL3部M3リーグ、(4)はMFL4部M4リーグ

PJシティFC(1)対イミグレーション(入国管理局)FC(3)
 内紛騒動で揺れるPJシティFCと、給料未払い問題未解決のためM3出場停止になったジョホールFAに代わって急遽参加したイミグレーションFCの対戦。チーム内にゴタゴタがあるとは言え、M3相手では順当にPJシティFCが勝利するでしょう。
サバFA(1)対クアラルンプールFA(2)
 昨季MFL2部優勝クラブと昨季MFL1部最下位クラブの対戦です。来季の1部昇格を目指すクアラルンプールFAにとっては、負けられない相手でしょう。
クダFA(1)対パハンFA(1)
 2回戦でMFL1部同士が対戦するのは少々残念ですが、今季大型補強を行った昨季4位のクダFAが昨季2位のパハンFAと対戦する2回戦屈指の好カードです。
フェルダ・ユナイテッド(1)対ケランタン・ユナイテッド(2)
 昨季MFL3部で圧勝して2部に昇格したケランタン・ユナイテッドと、すんでのところでMFL1部残留を果たしたフェルダ・ユナイテッドの対戦です。フェルダUには、恵龍太郎選手が在籍しています。
ペナンFA(2)対ヌグリスンビランFA(2)
 今季のMFL2部のクラブの中で最も1部昇格に近いクラブ同士の対戦です。ヌグリスンビランFAには中武駿介選手が在籍しています。
スランゴールFC(1)対サラワク・ユナイテッド(2)
 スランゴールFCのサティアナタン監督と反りが合わず退団したアムリ・ヤハヤが加入したのがサラワク・ユナイテッド。「自分が加入するクラブをスランゴールFCは倒せない」という捨て台詞が正しかったのかどうかが見ものです。
UITM FC(1)対クチンFA(2)
 今月上旬のプレシーズンマッチで対戦し、UITM FCが3-2と勝っているカード。ただし、プレシーズンマッチということで、その結果はあてにはならないでしょう。クチンFAには鈴木雄太選手とタニガワユウキ選手が在籍しています。
KLローバーズ(3)対ジョホール・ダルル・タジムJDT(1)
 昨季MFL2部でプレーした外国籍選手2名を補強し、M3では別格のKLローバーズは国内最強のJDTとの対戦です。MFL2部のクラブなら意外に勝てるかとも思いましたが、今回は相手が悪すぎます。
ケランタンFA(2)対プロタップFC(3)
 外国籍選手がなかなか決まらなかったクランタンFAには、昨季フェルダ・ユナイテッドでプレーした渡邉将基選手が加入し、MFL2部でプレーする選手は6名になりました。
マラッカ・ユナイテッド(1)対ランカウィシティFC(3)
クアタグFC(4)対KSRサイエンスFC(3)
SS FC(4)対UKM FC(2)
ノーザンライオンズFCマーサ対PDRM FC
マークレスST(4)対AF(国軍) FC(3)
ペラTBG(1)対KTローバーズ(3)
サラワク・ユナイテッドII(3)対トレンガヌFC(1)
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 なおShopeeがスポンサーとなったことで、FAカップやMFLの試合もShopeeのサイトからオンラインで購入できます。詳しくはこちらをどうぞ。チケット1枚購入につき1枚無料(!)のキャンペーンもやっています。

ちなみにFAカップのスポンサーとなったShopeeは、インドネシア1部リーグのスポンサーにもなっていますが、あのクリロナにひどいダンスを踊らせたことでも有名です。

https://www.youtube.com/watch?v=fHH3QfBSs7I

タイ1部リーグ第2節-代表コンビはともに出場
 隣国タイリーグ1部の第2節が行われ、ノーシャルル・イドラン・タラハが所属するBGパトゥム・ユナイテッドはアウェイでプラチュワップFCと対戦し0-0の引き分けでした。なおノーシャルル選手は第1節に続いて先発出場し、75分に交代しています。
 またドミニク・タンが所属するポリス・テロFCはアウェイでトラートFCと対戦し3−1と勝利し、開幕2連勝を飾っています。タン選手は73分に途中出場し、試合終了までプレーしました。
 なお明日2月26日に行われる第3節では、2人の所属するクラブが直接対決する「マレーシア選手ダービー」がBGパトゥム・ユナイテッドのホーム、レオスタジアムで開催されます。
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 マレーシア人選手の動向はタイリーグの公式サイトで調べるのですが、タイリーグのサイトは一部が英語になっているので、記事は読めなくとも記録を調べるにはとても便利です。MFLもこれくらいのサイトを作ってくれると、より多くの情報を世界に発信できるのでありがたいのですが…。

2月13日のニュース:Jの壁は高かった-JDTがACLで5失点の完敗

Jの壁は高かった-JDTがACLで5失点の完敗
 ゴールを決めた古橋亨梧もドウグラスでも、またハットトリックを決めた小川慶治朗でもなく、アンドレス・イニエスタ1人にやられた感のある試合はジョホール・ダルル・タジムの完敗でした。
 13分の1点目につながった、自陣ハーフから出されたイニエスタ選手の浮き球のパスを受けた小川選手がJDTのGKファイザル・マーリアスと一対一になった段階で勝負有りでしたが、小川選手がこのボールをノートラップで絶妙なコースにシュートし神戸が先制しました。
 27分にはトーマス・フェルメーレンのハンドの反則で得たPKをサファウイ・ラシドが決めて同点とし、ここから反撃か、と思われたその1分後、今度は古橋選手のノートラップシュートで神戸に勝ち越しを許してしまいました。
 試合開始直後から、神戸が高い位置からプレスをかけ続け、JDTはバックラインから攻撃を組み立てる自分たちのサッカーをさせてもらえませんでした。前方へのフィードも精度が低く、前線にいるエースのジオゴまでボールが渡わらず、ジオゴのポジションがどうしても下がり気味になり、そこからなんとかゴール前まで運んでもサポートがおらず、なかなかシュートまで持っていくことができませんでした。そうするうちに2−1と神戸のリードで前半が終了しました。
 後半に入り、58分にはイニエスタ選手から酒井高徳とつないだボールを小川選手がゴールし、神戸がリードを2点に広げ、65分にはアイディル・ザフアンが上がってきたドゥグラスにあっさり振り切られた上にそのままシュートを決められ4−1、そして72分には「魔術師」というニックネームが伊達ではないことを示すような美しく精度の高いループパスをイニエスタ選手がJDTの守備陣の裏、ファーポストへ上げ、小川選手はフリーヘッダーでゴールを決め、ハットトリックを達成しました。
ACL第1節
JDT 1-5ヴィッセル神戸
得点者:神戸-小川慶治朗3(13分、58分、72分)、古橋亨梧(28分)、ドゥグラス(65分)、JDT-サファウィ・ラシド(27分PK)
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 素人目で見ても、守備ラインの裏にいとも簡単にパスを出すイニエスタ選手は別格でした。正直なところ、JDTはよく5失点で済んだなという印象でした。鹿島と接戦だった昨季のACLは何だったのでしょう…。
 試合の結果は別として、この日のJDTは、昨季の主力メンバーからシャフィク・アーマドに代わりナズミ・ファイズが、アダム・ノー・アズリンに代わりアフィク・ファザイルが先発しました。ナズミ・ファイズはドバイでのプレシーズンマッチでも先発出場を続けていたようですので、JDTのベンヤミン・モラ監督はこの試合を見越してテストしていたのかも知れません。ACLでは、ジオゴ、ゴンザロ・カブレラ、マウリシオの3人が外国籍選手枠を占めることになるでしょうから、MFレアンドロ・ヴァレスケスの代わりとしてこのナズミ・ファイズが今後もスタメンとなる可能性が高いです。
 個人的には、昨季は絶好調だったシャフィク・アーマドの出番が少なかったのが残念ですが、今後のACLに期待したいと思います。
(以下はこの日の試合のダイジェスト-AFCのYoutubeチャンネルより)

2月1日のニュース:PDRM FCはMFL開幕と同時に勝点3剥奪か、トレンガヌFCのスタジアム改修事業が完了、サラワクUは開幕前に早くも監督を解任

PDRM FCはMFL開幕と同時に勝点3剥奪か
 マレーシアフットボールリーグMFL1部に昇格したマレーシア王立警察が運営するPDRM FCが開幕と同時に勝点3を剥奪(はくだつ)される可能性がでてきました。
 マレーシアサッカー協会FAMは、昨季までの選手への未払い給料の完済、あるいは未払い給料支払い方法についての該当選手との合意を昨日1月31日までに得られない場合には、今季のMFLで勝点3が剥奪される旨をMFL1部のマラッカ・ユナイテッド、PDRM FC、そしてMFL2部のケランタンFAに警告していましたが、PDRM FCは昨季の給料4ヶ月分が未払いとなっている複数の選手に対し、支払いはおろか、支払い方法の交渉を開始したところであると、スポーツ専門サイトのフォックススポーツが報じています。
 PDRM FCと選手の交渉は始まったばかりで、どの選手からも支払い方法についての同意を得ることができておらず、今後も選手との交渉は続くようなので、週末を挟んだ2月3日にはFAMからPDRM FCへの勝点剥奪処分が発表されることが予想されます。
 なおマレーシアプロサッカー選手協会PFAMによれば、マラッカ・ユナイテッドはすでに未払い給料を完済済み、ケランタンFAは給料の支払いは終わっていないものの、支払い方法については該当選手との合意に達しているようです。
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 2016年以来のMFL1部に復帰したものの、今季のPDRM FCは運営資金に制限があることから、現時点ではマレーシア人プロ選手8名に加え、昨季はスランゴールFAでプレーしながら人種差別発言で退団したFWアントニオ・ジャーマン以外は、現職の警察官(つまりアマチュア)という布陣です。この後、外国籍選手の補強はあるかも知れませんが、モハマド・イシャク・クンジュ・モハメド監督は今季22試合で勝点22獲得、MFL1部残留も目標として公言するなど開幕前から弱気な(あるいは現状認識が正しい)発言を繰り返しています。

トレンガヌFCのスタジアム改修事業が完了
 トレンガヌFCは公式ホームページで、今季2020年シーズンのホームとなるスルタン・ミザン・ザイナル・アビディンスタジアム(SSMZA)の改修事業が完了したことを発表しています。
 収容観客数5万人を誇るこのスタジアムはマレー半島東海岸で最大のスタジアムですが、2008年の開場以来、2度に渡る天井崩落事故などがあり、トレンガヌFCがホームとして使うことができたのは2009年シーズンのみでした。
 崩落した天井を含めた改修費用の目処が立たず、いわゆる「ホワイトエレファント」だったスタジアムは、今回、100万リンギ(およそ2650万円)をかけてピッチをバーミューダグラスに交換するなど大規模な改修がおこなわれました。
 またこの後はフィールドの周りの陸上競技用コースを取り除き、人工芝を張る事業も予定されているとホームページでは伝えられています。
 なお、2月29日のMFL開幕日には、このスタジアムでトレンガヌFCがペラTBGを迎えて対戦します。
(以下はトレンガヌFCのホームページより)

サラワクUは開幕前に早くも監督を解任
 サラワク州サッカー協会FASが運営するMFL2部のサラワク・ユナイテッドは、プレシーズンの試合の結果が不調なことから、スペイン人のホアン・カルロス・マグロ監督の解任を発表しています。
 東マレーシアの英字紙ボルネオポスト電子版によると、FASダト・ポサ・マジャイス会長はマグロ監督はFASとは正式契約を結んでおらず、FASによる評価期間中であったとして、解任ではなく、監督職のオファーを行わないことを決めただけであるとしています。
 ここまでのプレーシーズンマッチでクアラルンプールFAに1-2、PDRM FCに0-5、ペラTBGのBチームに1-4と3連敗だったことなどが理由のようですが、後任にはマレーシア人監督が候補に上がっているとボルネオポストは報じています。
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 サラワク・ユナイテッドは昨季のMFL2部所属のスランゴール・ユナイテッドの経営権をサラワクFAが手に入れて再編したクラブで、今季はアムリ・ヤハヤ(スランゴールFAから移籍)、スピア・チャントゥル(フェルダ・ユナイテッドから移籍)、ファウジ・ロスラン(ケランタンFAから移籍)らのベテランを獲得していますが、元のチームが昨季のMFL2部では11チーム中9位でしたので、いきなり期待はできそうもないですが、ペラTBG II(Bチーム)に
 なお後任には昨季途中でMFL2部で降格権にいたPDRM FCの監督に就任し、MFL1昇格を勝ち取りながら、今季の契約を更新しなかったエラヴァラサン・エランゴワン氏の名前などが噂に上がっています。
 この他、サラワク・ユナイテッドは日本人DF岩崎陽平選手獲得の噂などもありますので、その辺りもフォローしていきたいと思います。

1月21日のニュース:スランゴールFCは今季初タイトルを逃す、フェルダUは退場者を出しながらタイトル獲得、M3リーグ改革案が発表される

スランゴールFCは今季初タイトルを逃す
 スランゴール州のシャーアラムスタジアムで開催されていたスランゴールアジアチャレンジSACは、ホストのスランゴールFCとバンコク・ユナイテッド(タイ)がいずれも1勝1分得失差3で並んだ結果、PK戦が行われ、バンコク・ユナイテッドが4−2で勝利し優勝しました。
 スランゴールFCは初戦でプルシブ・バンドン(インドネシア)に3-0、バンコク・ユナイテッドは同じくハノイFC(ベトナム)に3-0と快勝しており、この試合が優勝決定戦でした。なお優勝したバンコク・ユナイテッドは、優勝賞金1万米ドル(およそ110万円)を獲得しています。
 また3位決定戦となったプルシブ・バンドン対ハノイFCの試合は、プルシブ・バンドンが前半2−0とリードしたところで、豪雨のため終了となっています。
(以下はスランゴールFC対バンコク・ユナイテッドの試合のダイジェストです-スランゴール州サッカー協会FASのYouTubeチャンネルより)

フェルダUは退場者を出しながらタイトル獲得
 インドネシアのメダンで開催された大会に出場したフェルダ・ユナイテッドFCは、最終戦で退場者を出しながらも、ボーウング・ケット・アンコールFC(カンボジア)を1-0で破って優勝しています。
 メダンで開催されていたエディ・ラーマヤディカップには、ホストのPSMSメダン、フェルダ・ユナイテッド、ボーウング・ケット・アンコールFC、そして同じMFL(2部)のペナンFAが出場していました。
 フェルダ・ユナイテッドFCは、初戦のPSMSメダン戦でもファイズ・マズランが退場になりながらも、新外国籍選手のニコラス・ヴェレズとアクマル・ハイカルのゴールで2−1と勝利しています。
 最終戦となったボーウング・ケット・アンコールFCでは、主将のジャサズリン・ジャマルディンが60分に退場となる展開となりましたが、その直後の65分にニコラス・ヴェレズが初戦に続きゴールを決め、1-0と逃げ切って優勝しています。
 フェルダ・ユナイテッドFCのニザム・ジャミル監督は、英字紙スター電子版のインタビューに対し、カウンター主体となるチーム戦術は改善の余地があるものの、両試合とも退場者を出し10名となりながらも、チーム全員が見せた勝利への執念を評価したいと述べています。
 フェルダ・ユナイテッドFCは、今季、外国籍選手を総入れ替えしましたが、今大会で2得点を挙げたFWニコラス・ヴェレズの他、加入後の初の対外試合となったDFニコラ・ラスポポヴィッチ(セルビア)のピッチ上でのリーダーシップ、右サイドでのMF恵龍太郎の動きなど、外国籍選手とマレーシア人選手の連携が改善したとする一方で、FWフレデリック・ビュロ(ガボン)にはもう少し時間が必要だろうと話し、開幕までのおよそ1ヶ月でその点を改善したいとも話しています。
 なお3位/4位決定戦に回ったペナンFCは、PSMSメダンとフルタイムで1-1となった後、PK戦5−4で3位を獲得しています。
(写真左はフェルダ・ユナイテッドFC、右はペナンFAのFacebookより)

M3リーグ改革案が発表される
 マレーシアフットボールリーグMFL3部にあたるM3リーグは、昨季は14クラブが参加し、プロとアマが混在するアマチュアフットボールリーグAFLという扱いでしたが、これを段階的にセミプロリーグとする案をAFLのダト・モハマド・ユソフ・マハディ最高責任者(チェアマン)が発表しています。
 マレー語紙ブリタハリアン電子版によると、今季2020年シーズンのM3リーグは6クラブを新たに加え総勢20クラブでスタートし、今季終了後、成績上位クラブの内、クラブ運営において経済上の問題がないことが認められた12クラブは、そのまま来季2021年シーズンもM3リーグ所属となり、これ以外の残り8クラブはMFL4部にあたるM4リーグの今季上位4クラブとともに来季のM4リーグを構成するということです。
 この改革案についてモハマド・ユソフAFLチェアマンは、MFL2部プレミアリーグとMFL3部M3リーグとの間で入れ替え戦があることから、M3リーグのレベルアップに加え、両リーグ間のレベル差が離れ過ぎないようすることが目的であるとし、2021年シーズンからはM3リーグはセミプロリーグ、M4リーグ以下がアマチュアリーグという位置づけになるとしています。
 なお今季のMFL2部プレミアリーグには、昨季のM3リーグチャンピオンのケランタン・ユナイテッドが自動昇格、また昨季2位となった鈴木裕太選手が所属するクチンFAがプレミアリーグ最下位のサラワクFAとの入れ替え戦に勝利して、昇格を勝ち取っています。
 また、モハマド・ユソフAFLチェアマンは、チャレンジカップ(MFL1部と2部のクラブの内、マレーシアカップに出場しないクラブが出場するカップ戦)へM3リーグ所属クラブにも出場枠を設けるようチャレンジカップを主催するMFLへAFLから働きかけていることも明かしています。
 この他、モハマド・ユソフAFLチェアマンはM3リーグ所属のクラブに対し、そのリーグ所属権を他のクラブへ譲渡しないよう警告し、所属権譲渡の最終決定権はAFLにある事を強調しています。
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 興味深いのはモハマド・ユソフAFLチェアマンが最後に述べたリーグ所属権の譲渡についてです。上でも書きましたが、昨季MFL2部プレミアリーグで最下位だったサラワクFAは、クチンFAとの入れ替え戦に敗れてM3リーグ降格となりましたが、その後、サラワクFAは、プレミアリーグのスランゴール・ユナイテッドの経営権を買い取り、サラワク・ユナイテッドとチーム名を変えてプレミアリーグに残留するという荒技を駆使しています。
 MFL役員でもあるモハマド・ユソフAFLチェアマンは元記事の中で、リーグ所属権の譲渡を「健全でない文化」budaya tidak sehatと呼んで、この行為を糾弾していますが、下位リーグ降格危機を金銭で解決したサラワク・ユナイテッドの件が念頭にあるのは明らかです。

観戦記:1月18日ハノイFC対バンコク・ユナイテッドFC-セランゴールアジアチャレンジ@シャーアラムスタジアム

18分にはハノイFCがPKを得るも主将のグエン・バン・クエットのシュートはバーの上を超えていきます。
スタジアム内のスタンド下には、この大会を盛り上げるために、SACに参加するクラブの国の食べ物を売る屋台が出ていました。こちらはインドネシア料理を売る屋台です。
こちらはタイ料理の屋台。グリーンカレーなどが売られています。

1月9日のニュース:フェルダUにはオバメヤンのチームメートが加入、JDT IIに昨季MFL1部の得点王と日本人選手が加入、FIFAはFAMに対して罰金処分

フェルダUにはオバメヤンのチームメートが加入
 英字紙スター電子版は、マレーシアフットボールリーグMFL1部のフェルダ・ユナイテッドにMFフレデリック・ビュロがJ2リーグの岐阜FCから加入したと報じています。
 岐阜FC時代はフレデリックの登録名だったビュロ選手は、フランス、イギリスなどでプレー経験がある現役のガボン代表選手で、英国プレミアリーグ、アーセナル主将で快速FWピエール=エメリク・オバメヤンとはガボン代表でチームメートです。
 わずか1日のトライアウトでその技術に魅了されたというフェルダ・ユナイテッドのニザム・ジャミル監督は、今季のフェルダ・ユナイテッドの攻撃の中心になる選手と評価した上で、様々な国でのプレー経験は若手主体となる今季のチームにとって貴重だとし、またその控えめな姿勢がチームに良い作用を与えてくれるだろうと話しています。
 ビュロ選手の加入により、フェルダ・ユナイテッドは今季の陣容が決まりましたが、昨季在籍した渡邉将基選手、池田圭選手ら外国籍選手だけでなく、ハディン・アズマンらマレーシア人の主力選手の多くが去ったことにより、残留争いの一番手と目されていたチームは、カイルル・アムリ(シンガポール)以外は総入れ替えとなった外国籍選手枠も5人全てが埋まりました。
 シンガポールリーグのタンピネス・ローバーズ時代にはカイルル選手と攻撃陣をリードしたMF恵龍太郎選手、DFニコラ・ラスポポヴィッチ(セルビア、チェコリーグ2部のFKデュクラ・プラハより加入)、FWニコラス・ヴェレズ(アルゼンチン、ポルトガルリーグ1部のベレネンセスより加入)にビュロ選手が加わった布陣は十分な補強ができているように見えます。
 ニザム監督は外国籍選手の若返り(昨年は全員が30歳以上)により、バランスの取れたチーム構成になっていること、そして単なる数合わせといったシーズン前の評判を覆したいと話しています。

JDT IIに昨季MFL1部の得点王と日本人選手が加入
 マレーシアフットボールリーグMFL1部のジョホール・ダルル・タジムJDTはFacebook上で、JDTのBチームでMFL2部所属のJDT IIに昨季のMFL1部の得点王FWフェルナンド・ロドリゲス(前クダFA)とMF廣瀬慧(前インドネシアリーグ1部プルセラ・ラモンガン)両選手の加入を発表しています。
 昨季はクダFAで21ゴールを挙げたスペイン出身のロドリゲス選手は、今季はクダFAとの契約が更新されず、母国のリーグへ戻るのではとされていましたが、何とMFL2部のチームとの契約を選んだようです。とは言え、マレーシアでの実績は申し分ないので、AチームのJDTの外国籍選手の誰かが不調になれば直ちに入れ替えとなる可能性があります。
 また昨季はインドネシアでプレーした24歳の廣瀬選手は、プルセラ・ラモンガン加入1年目ながら34試合に出場し2ゴール、8アシストを記録しています。
 なお英字紙スター電子版によると、両選手とも2年契約を結んだとのことです。
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 今季は国内の試合の他、AFCチャンピオンズリーグなどが控えるJDTは、過密な日程に対処するため、今回獲得し両選手も含めていわゆるローテーション制を導入する可能性もあり、開幕時はMFL2部の両選手を1部で見ることができるかも知れません。
 なお廣瀬選手のJDT II加入により、今季2020年シーズンにMFLでプレーする日本人選手は恵龍太郎選手(フェルダ・ユナイテッド)、廣瀬慧選手(JDT II)、鈴木ブルーノ選手(トレンガヌFC II)、中武駿介選手(ヌグリ・スンビランFA)、鈴木裕太選手(クチンFA)の5名となりました。
(写真左からJDTIIのラファ・ギル監督、フェルナンデス選手、廣瀬選手、アリスター・エドワーズJDTテクニカルダイレクター。JDTのFacebookより)

FIFAはFAMに対して罰金処分
 英字紙ニューストレイトタイムズ電子版は、国際サッカー連盟FIFAがマレーシアサッカー協会に対し、サポーターによるフーリガン行為が発生したことを理由に5万スイスフラン(およそ562万円)の罰金を課したと報じています。
 昨年11月19日にブキジャリル国立競技場で行われたFIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選のマレーシア対インドネシア戦では、41人のサポーターが逮捕された他、暴動鎮圧部隊が出動する事態となっていました。
 また10月10日にハノイで行われたワールドカップ予選ベトナム戦では、試合後に義務付けられている記者会見を頭痛を理由にキャンセルしたマレーシア代表のタン・チェンホー監督がFIFAより警告を受けています。
 なお今回のワールドカップ予選ではマレーシアも属するグループGのインドネシアが、ホームで行われたマレーシア戦とタイ戦でのサポーターによるフーリガン行為のため、24万5000スイスフラン(およそ2750万円)の罰金と1試合の無観客試合という処分を受けています。

1月1日のニュース:新監督就任のヌグリ・スンビランFAは中武駿介選手ら外国籍選手が全員残留決定、フェルダUはプレシーズンマッチでメダンの大会に参加、韓国U23代表はシャーアラムスタジアムでの練習試合をピッチ不良でキャンセル

新監督就任のヌグリ・スンビランFAは中武駿介選手ら外国籍選手が全員残留決定
 昨季2019年シーズン最終戦で、勝点で並ぶUITM FCと引き分け、得失差によりマレーシアンフットボールリーグMFL1部昇格を逃したヌグリ・スンビランFAはサザリ・ザイドン新監督の就任と昨季在籍した4名の外国籍選手全員の残留を発表しています。
 昨季のアシスタントコーチから昇格したサザリ監督は、ヌグリ・スンビランFAのU19チームに当たるプレジデントカップチームやテクニカルダイレクターなども経験していますが、そのサザリ監督は「大量の選手を入れ替えれば、チーム作りはゼロからとなり、時間がかかる」とし、僅差で昇格を逃したチームの全体的な底上げを図ることで、今季2020年シーズンは自動昇格となる2位内を目指すと英字紙スター電子版に語っています。
 チームの状況が安定していなかったことが昨季最大の問題点と考えるサザリ監督は、精神的な強さと冷静なプレーで調子が悪いときでも勝点を確実に積み上げられるようになる必要があると語っています。
 残留する外国籍選手のDFマテウス・フェルナンデス・ビーラ・リアル、FWホセ・アルミール・バロス・ネト、FWイゴール・カルネイロ・ルイス(いずれもブラジル出身)とMF中武駿介選手に加え、スランゴールFCに吸収された昨季のMFL1部クラブPKNS FCの元主将のDFムハマド・シャーロム・アブドル・カラムら6名の選手が加入する他、プレジデントカップチームから昇格する選手らが今季のチームを構成します。
 ベテランを中心に補強を行ったクアラルンプールFA(MFL1部から降格)、ペナンFA、ケランタンFAがMFL2部優勝争いのライバルであるとするサザリ監督は、これらのチームとヌグリ・スンビランFAの間に力の差はないので、シーズンを通して安定した力を出せるかどうかが鍵になると話しています。

フェルダUはプレシーズンマッチでメダンの大会に参加
 MFL開幕まで2ヶ月となり、各クラブが国内外でプレシーズンのトレーニング中です。ジョホール・ダルル・タクジムJDTはアラブ首長国連邦UAEクダFAはカンボジアへ遠征する中、フェルダ・ユナイテッドは、インドネシアのメダンで開催される大会に参加すると、インドネシアのスポーツ専門サイト、インドスポートドットコムが報じています。
 1月17日から19日まで開催される大会はインドネシアサッカー協会PSSIの元会長の名を冠したエディ・ラーマヤディカップで、インドネシア2部リーグのPSMSメダンの本拠地タラダンスタジアムで開催され、PSMSメダン、フェルダ・ユナイテッドの他、ボーウング・ケット・アンコールFC(カンボジア)、ゲイラン・インターナショナルFC(シンガポール)の4チームが参加します。

韓国U23代表はシャーアラムスタジアムでの練習試合をピッチ不良でキャンセル
 今月1月8日からタイで開催されるアジアサッカー連盟AFC U23選手権兼2020年東京オリンピックアジア予選の準備のため、マレーシアで合宿中だった韓国U23代表が、スランゴールFCのホームであるシャーアラムスタジアムで予定されていたサウジアラビアU23代表との練習試合をピッチ不良のためキャンセルしたと、サッカー専門サイトのヴォケットFCが伝えています。
 先月12月28日にマレーシア入りしていた韓国U23代表の試合中止は、試合前に降った大雨でピッチの状態が不良となったためとしていますが、1月3日に予定されているオーストラリアU23代表との練習試合は、現時点では予定通り行うようです。
 オーストラリアU23代表との練習試合後は、韓国U23代表は1月5日にタイ入りし、タイ南部のソンクラで開催される1月9日の中国U23代表との初戦に臨みます。
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 この時期のマレーシア東海岸側は乾季ということにはなっていますが、全く雨が降らないわけではなく、短時間に大雨が降ることも少なくありません。またマレーシアのスタジアムは、降雨量に対してピッチの排水設備が不十分なことが多く、MFL1部の試合でもピッチ上に水たまりがあちこちあるような状況下で試合が行われることもしばしばあります。韓国U223代表はオリンピック出場のかかる大事な試合前に、水が浮くようなピッチでプレーして不用意なケガは避けたいということからの判断なのでしょう。

12月26日のニュース:AMD所属選手に「補償金」制度導入、スランゴールFC監督は「補償金」制度導入に反論、JDTオーナーが意味深なメッセージを公開

AMD所属選手に「補償金」制度導入
 モクター・ダハリアカデミーAMDは、マレーシア政府の青年スポーツ省傘下の国家スポーツ評議会MSNが運営し、国家サッカー選手養成プログラムNFDPの中核をなすエリート選手養成アカデミーです。
 今年11月のアジアサッカー連盟AFC U19選手権2020年大会予選を1位で突破し、本大会出場を決めたマレーシアU19代表は、このAMDの1期生が中心で構成されていました。その中には今月12月にフィリピンで開催された東南アジア競技大会通称シーゲームズに出場したU22代表のメンバーに飛び級で招集されたルクマン・ハキムやウマル・ハキームもいます。
 そのAMDを運営するMSNのトップであるダト・アーマド・シャパウィ・イスマイル委員長が、今後AMDから選手を獲得を希望するクラブに対して「補償金」を請求する制度を発表したと、マレーシアの通信社ベルナマが報じました。
 これを支持する形で、マレーシアサッカー協会FAMのスチュアート・ラマリンガム事務局長は、マレーシア14州のサッカー協会(州FA)やマレーシアフットボールリーグMFLの各クラブが自前のアカデミーを持てば、AMDは必要でなくなるとし、それが実現できていない現状で、AMDの存在はむしろ各クラブの負担を軽くする役割を果たしていることから、「補償金」請求は理にかなっていると述べています。
 さらに国際サッカー連盟FIFAが規定する最低2千米ドル(およそ22万円)という補償金の額についても、ラマリンガム事務局長は、AMDはエリート選手養成アカデミーであるため、利潤追求をしないまでも、育成にかかる費用に見合った金額を補償金額に設定し、それをAMDに還元するとしており、補償金額はFIFAの補償金額よりもはるかに高額になると話しています。

スランゴールFC監督は「補償金」制度に反論
 スランゴールFCのバスカラン・サティアナタン監督は、MSNが導入する「補償金」制度について反論していると、マレー語紙シナールハリアン電子版が伝えています。
 一部では20万マレーシアリンギ(およそ530万円)とされるAMD出身選手獲得の際の「補償金」制度導入について、サティアナタン監督は、設定する金額が高すぎることに選手の出場機会を奪いかねないと反論しています。
 マレーシアプロサッカーコーチ協会の会長でもあるサティアナタン監督は、AMDは国民の税金で運営されていること、またAMD出身の選手はマレーシア代表となってその育成費用や労力を国家に還元する可能性を持っているとし、もしMSNが利益を追求するのであれば、MSNを民営化し、FIFAの規格に合わせたものにするべきだとしています。
 その一方で州FAや各クラブがAMDの選手獲得に何万、何10万と費やす必要があるのであれば、自前のアカデミーを設立するべきだと述べる一方で、自分も税金を払っている国民の一人としてAMDの利益を享受する資格があるとも述べています。
 さらにMSNの言い分がまかり通れば、例えば、企業は自社に優秀な学生を送り込む高等教育機関に「補償金」を払う必要があることになるとし、高等教育機関の役割は国民に教育を提供するの役割であり、MSNはスポーツで同様の役割を果たすべきとしています。

JDTオーナーが意味深なメッセージを公開
 ジョホール・ダルル・タジムJDTのオーナー、ジョホール州皇太子のトゥンク・イスマイル殿下が自身のインスタグラムに意味深なメッセージを掲載したことで様々な憶測を呼んでいます。

 メリークリスマスのメッセージとともに、現在、JDTでプレーしていない5選手の名前を挙げていますが、その中には今季2019年はインドネシア1部リーグのペルセラ・ラモンガンに在籍したMF廣瀬慧(ひろせけい)選手や、今季はクダFAでプレーしたものの契約が更新されなかったスペイン人FWフェルナンド・ロドリゲスの名前が挙がっています。また数日前には来季2020年にはJDT IIに日本人とスペイン人が新加入するとトゥンク・イスマイル殿下自身が告知しており、この2選手がJDT IIの新戦力かも知れません。
 またこの他にはスランゴールFCのエンドリック・サントスやマシュー・デイヴィーズ、モハマドゥ・スマレ(いずれもパハンFA)の名も挙げており、来季ではなく2021年にJDTに加入する選手ではないかという予測も出ています。
 サッカー専門サイトのヴォケットFCでは廣瀬選手はペルセラ・ラモンガンとの契約を既に完了し、来季のJDT II加入の際の障害はないとしています。

12月13日のニュース:デ・パウラはペラTBG加入、フェルダUは大量退団で方針転換、クダFAサポーターの間で浦和の杉本健勇加入が噂に

デ・パウラはペラTBG加入
 マレーシアフットボールリーグMFL1部で今季2019年は最下位となったクアラルンプール(KL)FAでプレーしたギリェルメ・デ・パウラがペラTBGに加入したことを英字紙スター電子版が報じています。
 数日前には、今季マラッカ・ユナイテッドに在籍したリリドン・クラシニキとともにジョホール・ダルル・タジムJDTのグラウンドで練習する姿が報道されていましたが、結局、ペラTBGへの加入に落ち着いたようです。
 KLFAでは、1980年代後半に活躍したファンディ・アーマド(現シンガポールU22監督)の持つチーム最多ゴール67まであと2ゴールと迫っていましたが、先月11月に契約満了に伴い退団していました。
 デ・パウラ選手が加入するペラTBGは、今季終了後にブレンダン・ガン、ノー・ハキム・ハサン(いずれもスランゴールFAへ移籍)、ロナウド・シルヴァ(母国ブラジルのクラブへ移籍)、ナシル・バシャルディン(トレンガヌFCへ移籍)、フセイン・エル・ドールらが退団する一方、来季に向けてのこれまでの補強はPKNPからハフィズ・ラマダンを獲得したのみでした。
 来季2020年はクラブ運営費用が削減されることで、既存の選手とプレジデントカップ(U22)チームからの昇格組とで来季を戦うことになっていましたが、2015年にスランゴールFAの監督を務めた際には一緒にプレーし、マレーシアカップ優勝にも貢献したデ・パウラ選手の獲得にメフメト・ドゥラコビッチ監督も安堵しているとスターは報じています。
 ペラTBGは、残留するレアンドロ・ドス・サントス、カレッカに続く3人目のブラジル人選手となるデ・パウラ選手が加入したことで、残る外国籍選手枠はアジア枠と東南アジア枠それぞれ1名となりました。
 昨季2018年はマレーシアカップで優勝し、MFL1部でも2位となったペラTBGは、マレーシアFAカップ決勝に進出しましたが、リーグ戦は5位、マレーシアカップも準々決勝で敗退するなど、今季は不調なシーズンとなりました。
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 デ・パウラ選手は、クラシニキ選手と共にマレーシアサッカー協会FAMが帰化選手申請を検討している選手で、来季途中にはマレーシア国籍取得、そしてマレーシア代表でのプレーが可能と言われており、そうなるとリーグ戦でもマレーシア人選手扱いとなり、外国籍選手枠が一つ空くため、ペラTBGは(予算があれば)さらに外国籍選手獲得による補強が可能になります。
 別のメディアによると、ペラTBGはアジア枠と東南アジア枠で先日終了した東南アジア競技大会シーゲームズで優勝したベトナムU22の選手獲得を狙っているとも報じられていますが、今季2019年はMFL1部クラブで唯一、東南アジア枠の外国籍選手がいないクラブでした。

フェルダUは大量退団で方針転換
 今季最終戦で、クダFAを破り残留を決めたフェルダ・ユナイテッドは、シーズン終了後、クラブ運営予算の縮小により渡邉将基選手、池田圭選手、また今季フル代表にも招集されたキャプテンのハディン・アズマンに加え、クリスティ・ジャイエシレンやノラズラン・ラザリなど多くの主力選手との契約を延長せず、若手主体のチーム編成を目論んでいましたが、主力として期待していた若手選手までもが他のクラブからのオファーを受け移籍してしまっていることから、来季に向けて外国籍選手獲得へと方針転換を迫られていると、スター電子版が報じています。
 フェルダ・ユナイテッドのニザム・ジャミル監督は、今季フル代表にも招集され、先日の東南アジア大会シーゲームズにも出場したダニアル・アミールとともに来季のチームの核と期待していた、アンワル・イブラヒム(20)、ザハリル・アズリ・ザブリ(20)といったUI19代表でもプレー経験のある若手が移籍してしまったことから外国籍選手の獲得に方針転換せざるを得なくなったと述べています。
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 来季フェルダ・ユナイテッドでプレーすることが決まっている外国籍選手は元シンガポール代表のカイルル・アムリのみなので、残り4つの枠が空いていますが、そもそそ予算縮減により主力が流失したチームに、チームに有用な外国籍選手を獲得する余力があるのかどうかは疑問です。

クダFAサポーターの間で浦和の杉本健勇加入が噂に
 浦和レッズの杉本健勇選手のインスタグラムに、MFL1部で今季4位となったクダFAサポーターの書き込みが急増していると、サッカー専門サイトのスムアニャボラが報じています。
 クダFAのアイディル・シャリン監督が来季の新戦力候補を求めて日本へ行っていたことはこのブログでも取り上げましたが、帰国後もアイディル監督は具体的に候補選手の名前などは挙げていませんでした。
 しかしスムアニャボラのサイトでも、それがいつ、どこでどのようにして広まったのかは不明としているものの、アイディル監督が連れてくるのは浦和の杉本健勇選手であるという噂が広まりました。
 そこからはクダFAサポーターが杉本選手のインスタグラムにクダFA加入が本当かどうかを尋ねたり、あるいはクダFA加入歓迎のメッセージを送るなど、ちょっとした混乱も起こっているようです。これに対してアイディル監督はクダFAサポーターの気持ちはわかるとしながらも、まだ加入するかどうかも明らかになっていない選手のソーシャルメディアにサポーターが勝手なメッセージを書き込むのは、当該選手からすればあまり気持ちの良いものではないだろうと話し、冷静になるように求め、新たな獲得選手については公式発表を待って欲しいとも述べています。

11月15日のニュース:MFL2部と3部の入れ替え戦は11月23日実施、フェルダUは渡邉将基、池田圭両選手と契約せず、セレッソ大阪が在馬日系企業をパートナーに決定

MFL2部と3部の入れ替え戦は11月23日実施
 マレーシアフットボールリーグMFLのホームページでは、MFL2部プレミアリーグ11位のサラワクFAとMFL3部M3リーグ2位クチンFAの入れ替え戦が11月23日午後8時15分開始となることを発表しています。
 またサラワクFA、クチンFAとも、ホームとして同じサラワク州立スタジアムを使用していることから、MFL理事会の投票によりホームチームを決定するとしている他、試合に出場する外国籍選手に関しては、リーグの規定ではプレミアリーグは4名、M3リーグは2名の外国籍選手枠があることから、この入れ替え戦ではフィールド上にいられるのは2名までとしています。
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 クチンFAの本拠地クチンはサラワク州の州都で、この入れ替え戦は、例えて言えば東京都代表チームと港区代表チームが入れ替え戦を行うような図式になっており、サラワクFAとしては負けられない試合です。しかしクチンFAには鈴木裕太選手が在籍しており、個人的にはクチンFAに昇格を勝ち取ってもらい、鈴木選手をプレミアリーグの試合で見てみたいです。

フェルダUは渡邉将基、池田圭両選手と契約せず
 英字紙スター電子版は、MFL1部のフェルダ・ユナイテッドがニザム・ジャミル監督と新たに2年契約を結んだことを伝えています。今季2019年のフェルダ・ユナイテッドは、MFL最終節での勝利により10位となり、2部降格を免れるというクルシーズンを送りました。
 しかし来季2020年は今季よりクラブ運営資金が縮小され、連邦土地開発公団下の入植農家出身者をプロサッカー選手として育成しすることなどを目的とした若手主体のクラブに生まれ変わることから、さらに厳しいシーズンとなりそうだとスター電子版は報じています。
 またクラブの方針変更により、今季は代表でも数試合プレーしたMFハディン・アズマン主将、今季30試合に出場した正GKノラズラン・ラザリ、MFクリスティ・ジャイエシレン、 DFアリフ・ファジラー・アブ・バカルら主力選手に加え、外国籍選手の渡邉将基、池田圭両選手やFWチアゴ・アウグスト、MFジョシネイ・シャド(いずれもブラジル)とも新たに契約を更新しないことを発表しており、来季は代表にも招集されているダニアル・アミエルやアンワル・イブラヒム、ザハリル・アズリなどが主力となるだろうとしています。これについてニザム監督はチームの平均年齢を下げるためとしていますが、年齢以上に予算縮小による影響によるものでしょう。
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 フェルダ・ユナイテッドを統括する連邦土地開発公団FELDA(フェルダ)は、換金作物を栽培する小規模農家を組織するために設立されたマレーシア政府機関の一つで、パーム農園(プランテーション)運営フェルダ・グローバル・ベンチャーズ・ホールディングス社や、パーム油生産を行う政府系企業フェルダホールディング社やを傘下に持っています。
 世界のおよそ85%をマレーシアとインドネシアが生産するパーム油はマレーシアを代表する輸出農作物で、マーガリンやチョコレートなどの食料品・シャンプーなど日用品の原材料・発電用燃料などに幅広く使われていますが、健康への悪影響が指摘されているほか、パーム油農園の開拓が森林破壊の元凶だとの批判が根強いことから、主要な買い手である欧州連合(EU)がパーム油の輸入を2030年までに禁止する方針を決めており、その影響がフェルダ・ユナイテッドの運営予算縮小につながっている可能性はあります。

セレッソ大阪が在馬日系企業をパートナーに決定
 セレッソ大阪のホームページでは、在マレーシアの日系企業であるヤクルト・マレーシア社がアセアンアクティブパートナーシップに決定したことを告知しています。
 また、このニュースに合わせて、C大阪が来季のスプリングトレーニングを行いたい意向を表明しているとマレーシアの通信社ベルナマが報じています。マレーシアの国家スポーツ協会(ISN、日本の日本スポーツ協会にあたります)のアーマド・ファエザル・モハマド・ラムリCEOによると、C大阪では「モリシ」の愛称で知られた森島寛晃代表取締役社長がISNのスポーツ科学施設や隣接するブキ・ジャリル国立競技場など周辺のスポーツ施設に対して好印象を持った様子であったそうです。
 最終的な決定は森島代表取締役がクラブに持ち帰ってから行われるとしていますが、従来はタイで春季キャンプを行っているC大阪に対して、上記のアセアンアクティブパートナーとなったヤクルト・マレーシア社がマレーシアでのキャンプを強く働きかけているということです。
 C大阪の森島代表取締役とヤクルト・マレーシア社の浜田社長の訪問を受けたアーマド・ファエザルCEOは、マレーシアでC大阪が春季キャンプを開催することがあれば、それを見ることは我々にとって貴重な機会となると述べています。