10月2日のニュース:ペラTBG監督は主力選手残留を求める、マラッカUは未払い給料問題を抱えたまま終戦

ペラTBG監督は主力選手残留を求める
 マレーシアカップはベスト4が出揃いましたが、その一方でベスト4に残らなかったクラブは今季2019年の公式戦が全て終了し、来季2020年に向けて選手の残留や移籍と言った話題が出始めています。
 昨季2018年はリーグ2位、マレーシアカップ優勝の好成績を収めながら、今季はFAカップではクダFAに敗れて準優勝に終わったものの、リーグ5位、マレーシアカップはベスト8敗退となったペラTBGもその一つ。ペラTBGのメフメト・ドゥラコビッチ監督は、今季の主力選手たちと、先日行われたU21チームを対象としたプレジデントカップで準優勝したメンバーから選抜する若手を融合させることができれば、来季はより上位を狙えるとしています。
 ペラTBGは現在行われているフル代表候補合宿に6名の選手が招集されており、ドゥラコビッチ監督は特にこれら6選手の残留を経営陣に求めていると述べています。この6名とはGKハフィズル・ハキム、DFシャルル・サアド、DFナジルル・ナイム、MFパルティバン・ジャナセカラン、MFブレンダン・ガン、FWシャレル・フィクリですが、この内シャレル・フィクリを除く5名は今季で契約が切れることから、他のMFLクラブが獲得に乗り出しているという報道もあることから、今回のドゥラコビッチ監督の発言となった可能性もあります。

マラッカUは未払い給料問題を抱えたまま今季終了
 ペラTBG同様に、今季のマレーシアカップではベスト8で終わったマラッカ・ユナイテッドは準々決勝のパハンFAとの試合を通算成績1-6と大敗で終わりましたが、その準々決勝第1戦前にはシュコール・アダン主将がソーシャルメディア上で、過去2ヶ月分の給料が未払いになっていることを公表しただけでなく、準々決勝のチーム帯同を拒否する事態が起こりました。
 今季当初から予算を超える補強を行っていたマラッカ・ユナイテッドは、シーズン中も給料未払いが何度か取り沙汰され、シーズン終盤にかけては選手たちにも身が入らない状況が続いていたとされています。
 また現時点ではマラッカ・ユナイテッドを運営するマラッカ州サッカー協会MUSAは来季に関しては何もコメントを出しておらず、マラッカ・ユナイテッドのザイナル・アビディン監督もフロントからは何も聞いていないと英字紙ニューストレイトタイムズ電子版に語っています。「自分はフロントの決定に全面的に従う準備ができており、チームもパハンFAに敗れたことで今季が終了したことから、MUSAの決定を待って、まずは休養したい」と述べています。
 これに関連して、先日、FAMが発表した来季2020年のクラブライセンス交付に際しては、マラッカ・ユナイテッドは、日本の年金制度にあたる従業員積立基金EPF、同じく労災補償にあたる従業員保証制度SOCSO、同じく国税局にあたる内国歳入庁IRB関連の書類の不備で条件つき交付となり、その不足書類の提出期限が今月10月30日とされていますが、その期限までに必要な書類が全て揃わない場合には、来季の2部に降格させられる可能性があります。

10月1日のニュース:PKNS FC U21がプレジデントカップ優勝、WC予選第3戦へむけてフル代表候補合宿始まる、U19代表は中東遠征を予定

PKNS FCがプレジデントカップ優勝
 先日紹介したユースカップに続いて、U21チームが争うプレジデントカップの決勝第2戦が行われ、PKNS FC U21は0-1でペラTBG U21に敗れたものの、第1戦の結果と合わせて通算2-1で初優勝を遂げています。
 プレジデントカップ(マレーシア語ではPiala Presiden)は、マレーシアサッカーリーグMFL1部の12クラブと、2部のUKM FC、JDT II、トレンガヌFC IIを除く9クラブのU21チームに加え、マレーシアサッカー協会FAMとマレーシア政府の青年スポーツ省が共同運営する国家サッカー選手養成プログラムの中核をなすモクター・ダハリアカデミーAMD U17チームとマレーシア国軍ATM FC U21チームの合計23チームが参加する育成リーグです。
 参加チームはグループA(11チーム)、グループB(12チーム)の二つのグループに別れて、ホームアンドアウェイで対戦し、それぞれのグループの上位4チームが準々決勝に進出し、さらにホームアンドアウェイで準々決勝、準決勝、決勝を戦います。
 今季2019年のプレジデントカップは、2月の開幕直後にプルリスFAが出場停止処分となったため、グループAは10チーム、グループBは12チームとなり、準々決勝にはグループAは1位JDT III、以下プタリンジャヤPJシティU21、スランゴールFA U21、UTIM U21が、グループBは1位ペラTBG U21、PKNS FC U21、トレンガヌFCIII、PKNP FC U21がノックアウトステージに進出しました。
 そこから決勝に進んだのはグループBの第1位ペラTBG U21と同2位のPKNS FC U21でした。PKNS FCのホームで開催された決勝第1戦はDFシヴァン・ピレイ・アソカンとMFアディブ・ハキミ・サブリのゴールでPKNS FC U21が2-0と勝利し、9月30日にペラTBG U21のホームで行われた第2戦はペラTBG U21が、FWムハマド・ユソフ・アブドゥラのゴールで1-0と勝利するも、通算成績を2-1としたPKNS FC U21が初優勝を遂げています。
 来季はスランゴールFAのBチーム化が噂されているPKNS FCですが、U19対象のユースカップ準優勝、そしてU21対象のプレジデントカップ優勝と「育成のPKNS FC」の看板は伊達ではないことを証明しました。(以下は決勝の両チームの先発XIと優勝を祝うPKNS FC U21。いずれもFAMのFacebookより。)

WC予選第3戦へむけてフル代表候補合宿始まる
 FIFAワールドカップアジア二次予選へ向けて9月30日から始まったフル代表候補合宿ですが、MFL2部のサバFAのMFモハマド・アジザン・ノーディンが追加招集されたとマレー語紙ウトゥサン・マレーシアの電子版が伝えています。マレーシアカップの準々決勝マラッカ・ユナイテッド戦で足首を負傷したパハンFAのMFノー・アザム・アブドゥル・アジーの回復が遅れていることによる追加招集のようで、ノー・アザム選手は代表に帯同するようです。ここまでの予選2試合ではいずれもスタメンでフル出場しているノー・アザム選手の回復が10月15日にハノイで行われるベトナム代表戦に間に合わないとすると、マレーシア代表にとっては痛手になりそうです。
 マレーシア代表のタン・チェンホー監督は、ノー・アザム選手の他にペラTBGのMFパルティバン・ジャナセカラン、MFブレンダン・ガン、DFシャルル・モハマド・サアドとスランゴールFAのMFアブドゥル・ハリム・サアリもケガを負っていると述べており、10月5に予定されているスリランカとの国際親善試合では、代わりとなる選手を含めて数名の選手や、今回追加招集されたJDTのDFモハマド・アイディル・ザフアン・アブドゥル・ラザクやスランゴールFAのGKモハマド・カイルルアズハン・モハマド・カリドをテストしたいと述べています。

U19代表は中東遠征を予定
 11月にアジアサッカー連盟AFC U19選手権予選が控えるU19代表は中東遠征を予定していると英字紙ニューストレイトタイムズ電子版が伝えています。
 今年2019年8月に行われた東南アジアサッカー連盟AFF U19選手権では、決勝でオーストラリアに0-1で敗れて連覇を逃したマレーシアですが、11月2日からカンボジアで開催されるAFC U19選手権への準備として、アラブ首長国連邦UAEでの10から12日間ほどの遠征と現地での練習試合を予定していることが報じられています。
 最近は収まってきてはいるものの、9月の間は隣国インドネシアでの焼畑による煙害が酷く、当地では学校が休校に追い込まれるほどで、サッカーなど屋外で運動する場合には健康に支障を及ぼすとされるレベルでしたので、そういった心配のない地域への遠征は理にかなっていると思われます。
 なお、マレーシアはAFC U19選手権予選ではグループGに入り、開催国カンボジアあのほか、タイ、ブルネイ、北マリアナ諸島と同組となっています。


 

9月30日のニュース:FAMが審判をVリーグに派遣、ユースカップはトレンガヌFC IVが優勝

FAMが審判をVリーグに派遣
 マレーシアサッカー協会FAMのホームページによると、アジアサッカー連盟AFC審判の資格を持つ2名のマレーシア人審判がベトナムリーグ(Vリーグ)に派遣されることが決まったようです。
 派遣されるのはモハマド・アミルル・イズワン・ヤコブ氏とスハイジ・シュクリ氏の両氏審判で、ベトナムリーグ最終日の10月19日の試合をそれぞれ担当するようです。ベトナムサッカー連盟VFFのホームページでは両審判の担当試合の詳細が告知されています。
 FAMとベトナムサッカー協会VFFとの連携に基づくのこの派遣について、FAMのスチュアート・ラマリンガム事務局長は、両氏がVリーグの試合で正確なレフェリングを見せてくれることに自信を示し、彼らが得た経験がマレーシアの他の審判にとっても有益なものになることを期待しているとしています。(以下はFAMのFacebookに掲載された告知です。)

ユースカップはトレンガヌFC IVが優勝
 ユースカップ(マレーシア語ではPiala Belia)は、マレーシアサッカーリーグMFL1部の12クラブと2部のPDRM FC、UKM FC、JDT II、トレンガヌFC IIを除く8クラブのU19チームに加え、マレーシアサッカー協会FAMとマレーシア政府の青年スポーツ省が共同運営する国家サッカー選手養成プログラムの中核をなすモクター・ダハリアカデミーAMDU16チームとクアラルンプールのスポーツ専門学校ブキ・ジャリルスポーツ学校BJSKU17チームの合計22チームが参加する育成リーグです。
 参加チームはA、B二つのグループに別れて、ホームアンドアウェイで対戦し、それぞれのグループの上位4チームがノックアウトステージとなる準々決勝、準決勝、決勝をホームアンドアウェイの形式で戦います。
 今季2019年のユースカップは、2月の開幕直後にプルリスFAが出場停止処分となったため、グループAは10チーム、グループBは11チームとなり、準々決勝にはグループAは1位PKNS U19、以下プタリンジャヤPJシティU19、UTIM U19、ケランタンFA U19が、グループBは1位トレンガヌFCIV、AMD U16、ペラTBG U19、スランゴールFA U19がノックアウトステージに進出しました。
 そこから決勝に進んだのは両グループの第1位PKNS FC U19とトレンガヌFCのU19チーム、トレンガヌFC IVでした。昨季2018年と同じカードとなった決勝戦はPKNS FCのホームで開催された第1戦は0-0、そして9月28日にトレンガヌFCのホームで行われた第2戦はトレンガヌFC IVが、マレーシアU18代表でもあるMFムハマド・ムスリフディン・アティク・マット・ザイドが63分に挙げたゴールで逃げ切り1−0で勝利、通算成績を1-0としてPKNS FC U19を破り、昨年の雪辱を果たすとともに初優勝を遂げています。(以下は決勝の両チームの先発XIと優勝を祝うトレンガヌFC IV。いずれもFAMのFacebookより。)

9月28日から29日のニュース:スランゴールFAのGKがフル代表に招集、WC予選のベトナム戦のチケット1500枚が販売開始、かつての名選手チャンダラン選手が逝去

スランゴールFAのGKがフル代表に招集
 マレーシアサッカー協会FAMのFacebookでは、9月30日から始まる代表候補合宿に、スランゴールFAのGKカイルルアズハン・カリド(29)が、クダFAのGKイフワット・アクマル・チェ・カシム(23)に代わって招集されたことを告知しています。
 イフワット選手は9月25日に行われたマレーシアカップ 準々決勝第1戦のPKNP FC戦には出場したものの、体調が悪そうなそぶりを見せていたことから、今回の交代となったようです。
 カイルルアズハン選手は、MFL開幕時は控えGKとしてスタートしましたが、5月18日に行われたマレーシアフットボールリーグMFL1部第14節で正GKファリザル・ハルンが対戦相手のPKNP FCの選手を殴り、5試合の出場停止処分となって以降、スランゴールFAの正GKに定着しています。(写真はFAMのFacebookより)

WC予選のベトナム戦のチケット1500枚が販売開始
 同じくFAMのホームページでは、FIFAワールドカップアジア二次予選グループGのマレーシア対ベトナム戦のチケットを販売について告知しています。
 マレーシアにとっては予選3試合目となるこの試合は、10月5日にハノイのミーディン国立競技場で行われますが、マレーシアサポーター向けのチケット1500枚がFAMを通じて販売されるようです。10月2日の午後11時59分まで販売されるチケットは40マレーシアリンギ(約1030円)でマレーシア人サポーターのみ購入可能となっており、10月9日からハノイでの受け取りが可能となりますが、ベトナム人サポーターが購入した場合には引き渡しは行われないことが警告されています。(写真はFAMのFacebookに掲載されたベトナム戦のチケット購入方法の告知)

かつての名選手チャンダラン選手が逝去
 1972年のミュンヘンオリンピックにサッカーマレーシア代表が出場した際に主将を務めたM・チャンダランが9月28日に逝去したことを英字紙スター電子版が伝えています。享年77歳でした。
 アジア予選では日本を破ってミュンヘンオリンピックの出場権を獲得したマレーシア代表で活躍したチャンダラン氏は、1974年のアジア競技大会でのマレーシア代表の銅メダル獲得にも貢献しています。(マレーシア代表は1980年にもアジア予選を勝ち上がってモスクワオリンピックへの出場権を獲得していますが、アフガニスタン侵攻に抗議する形で出場を辞退していますので、実際にオリンピックにサッカーマレーシア代表が出場したのは1972年大会だけです。)
 DF(センターバック)としてマレーシア代表では1968年から1974年まで、やはり主将を務めたスランゴールFAでは1975年までプレーしたチャンダラン氏は、スランゴールFAとマレーシア代表でも監督を務めています。
 チャンダラン氏は15年以上にわたってパーキンソン病を患っていたということですが、故人のご冥福をお祈りします。(写真はFAMのFacebookに掲載されたチャンダラン氏の逝去を伝える告知)

9月27日のニュース:FAMはMFL1部9クラブと2部3クラブに2020年シーズンのクラブライセンス交付

MはMFL1部の9クラブに2020年シーズンのクラブライセンス交付
 マレーシアサッカー協会FAMのホームページでは、今季2019年マレーシアフットボールリーグMFL1部に所属する12クラブの内、9クラブに来季2020年のクラブライセンスが交付されたことが告知されています。
 この9クラブは、ジョホール・ダルル・タクジムJDT、パハンFA、スランゴールFA、クダFA、ペラTBG、トレンガヌFC、プタリンジャヤPJシティFC、フェルダ・ユナイテッド、クアラルンプールKLFAの9クラブです。
 FAMによるクラブライセンス制度は、各クラブに対して「競技」「施設」「組織運営・人事体制」「財務」「法務」の5分野において一定の基準により審査を行い、第一審機関 (First Instance Body、FIB) がライセンス交付の決定を行います。
 またマラッカ・ユナイテッドとPKNS FCついては5分野のうち基準に満たない分野があるとして、10月30日の期限までにFAMの基準を満たすことができれば、来季のライセンスを交付するとしていますが、その期限を過ぎた場合は2部への降格処分が課せられます。現に2017年シーズンではMFL1部で3位となったフェルダ・ユナイテッドが、クラブライ選手が取得できずに2部降格となった例もあります。
 この他、PKNP FCは申請が却下されたため、クラブライセンスは交付されず、来季は2部降格が確定しています。(ただしPKNP FCは今季1部で11位となり、下位2チームが降格するMFLの入れ替え規定により、すでに降格が決まっています。)
 また、クラブライセンスが交付された9クラブの内、JDT、スランゴールFA、クダFA、ペラTBG、トレンガヌFC、KLFAの6クラブはアジアサッカー連盟AFCのクラブライセンスも合わせて交付されており、AFCチャンピオンズリーグやAFCカップに出場することになれば、その資格も取得しています。
 なお今回交付されたクラブライセンスは2020年の1年間のみ有効ですが、2020年シーズン中に何か問題発生した場合、FAMが資格停止する権限を持っています。
 個人的には今回ライセンスの交付が受けられなかったクラブも結局、マレー人特有の「ティダアパ」(Tidak apa apa、マレーシア語で「問題なし」)とうやむやになってしまうのではないかと思っていますが、FAMが本当に強固な姿勢を取れるのかどうかに注目してみたいです。

MFL2部は3クラブに2020年シーズンのクラブライセンス交付
 同じくマレーシアサッカー協会FAMのホームページでは、今季2019年マレーシアフットボールリーグMFL2部に所属する9クラブの内、3クラブに来季2020年のクラブライセンスが交付されたことが告知されています。(注:MFL2部は2019年は11クラブで構成されていますが、JDT IIとトレンガヌFC IIはそれぞれ1部のJDTとトレンガヌFCのBチームであるため審査対象外です。)
 この3クラブは、中武駿介選手が所属するヌグリ・スンビランFA、今季MFL2部で優勝し、来季は1部昇格が決まっているサバFA、そしてUITM FCの3クラブです。
 またPDRM FC、ペナンFA、スランゴール・ユナイテッドFCの3クラブについては5分野のうち基準に満たない分野があるとして、10月30日の期限までにFAMの基準を満たすことができれば、来季のライセンスを交付するとしていますが、その期限を過ぎた場合は3部となるM3リーグ(アマチュアリーグ)への降格処分が課せられます。
 さらにケランタンFA、サラワクFA、UKM FCの3クラブについては、今回がMFL2部プレミアリーグのクラブに資格審査を行う初年度ということから、10月30日まで資格審査を一時中断する一方で、やはり期限とする10月30日までに5分野で審査基準を満たすことができなければ、M3リーグ降格となると発表しています。

9月23日から24日のニュース:U16代表は日本と引き分けもAFC選手権本選出場を逃す、AFC U19選手権予選の候補選手発表、フル代表もWC予選の候補選手25名を発表

U16代表は日本と引き分けも本選出場を逃す
 ラオスの首都ヴィエンチャンで開催されていたアジアサッカー連盟AFC U16選手権予選グループJは、最終日となった9月22日の大会3日目にマレーシアは日本と2-2で引き分け、最終成績を3位としています。
 大会2日目に開催国ラオスに痛い敗戦を喫したマレーシアは、本選出場の可能性を残すためにこの試合に勝つことが必要でした。前半を0-0で折り返した試合は、61分にゴール前のロングボールに飛び出したマレーシアGKズルヒルミ・シャラニとMF楢原慶輝(サガン鳥栖U15)が接触、映像を見ても足が出ているのは明らかでしたが、このプレーで楢原選手は負傷退場、ズルヒルミ選手はレッドカードで一発退場となり、しかも日本にはPKが与えられました。このPKを大迫塁(神村学園中)が決めて日本が先制しましたが、10名となったマレーシアは攻め続け、MFムハマド・ダニエル・エズアンが72分のPKに続いて、82分にはヘディングシュートを決めて2-1と逆転します。そこからやや引き気味となったマレーシアは90分を過ぎたアディショナルタイムに内藤大和(ヴァンフォーレ甲府U15)にフリーでヘディングシュートを決められ追いつかれます。シュートにつながったクロスもDFが競ることなく、上げさせてしまっていたので、10名でプレーする疲労が限界に達していたのかも知れません。
 AFCのマッチレポートはこちら、またゲキサカのマッチレポートはこちらです。
マレーシア2-2日本
ラオス1-0カンボジア
 写真は両チームのスターティングXII。(マレーシアサッカー協会FAMのFacebookより)

以下は予選グループJの最終成績です。1位の日本は本選出場が決定しています。

順位チーム得点失点得失差勝点
1日本210142127
2ラオス20124-26
3マレーシア1119364
4カンボジア003016-160

AFC U19選手権予選の候補選手発表
 マレーシアサッカー協会FAMのホームページでは、10月31日から11月11日にかけてカンボジアの首都プノンペンで開催されるアジアサッカー連盟AFC U19選手権予選に出場するU18代表候補選手32名を発表しています。予選グループGのマレーシアは、開催国カンボジアの他、タイ、ブルネイ、北マリアナ諸島と同組となっています。
 8名の初招集選手を含む、国家サッカー選手養成プログラムNFDPが運営するモクター・ダハリアカデミー在籍の選手と、マレーシアサッカーリーグMFL所属のクラブのユースチームから選抜された選手からなる32名は、オーストラリア人のブラッド・マロニー監督のもと、スランゴール州クラナジャヤにあるFAMのトレーニング施設で今月9月28日から10月30日までの長期合宿に入り、国外での練習試合を経て、そこから最終候補23名が選ばれます。
 U18代表候補合宿参加メンバーはこちらです。

フル代表もWC予選の候補選手25名を発表
 マレーシアサッカー協会FAMのホームページでは、10月10日にベトナムのハノイで行われるFIFAワールドカップアジア二次予選第3戦に向けて、9月30日から始まる代表候補合宿参加メンバー25名を発表しています。
 MFムハマドゥ・スマレのケガからの回復状況が定かではなかったため、過去2試合ではベンチ入り23名プラス1名の計24名を招集しましたが、そこからMFハディン・アズナン(フェルダ・ユナイテッド)が外れ、代わりにDFアイディル・ザフアン・アブドル・ラザク(ジョホール・ダルル・タクジムJDT)とMFアブドル・ハリム・サアリ(スランゴールFA)が招集されています。
 ここまで1勝1敗のマレーシアは、予選の初戦インドネシア戦、そして第2戦となったアラブ首長国連邦UAE戦ともに守備陣に不安が残りましたが、タン・チェンホー監督はそこを修正するためにJDTのセンターバック、アイディル選手を、同じJDTのアダム・ノー・アズリンに代えて起用する可能性があります。また、もう一人のセンターバック、シャルル・サアド(ペラTBG)とは、昨年末に準優勝した東南アジアサッカー連盟AFF選手権スズキカップでコンビを組んでいることから、戦術的にも問題はなさそうです。
 フル代表は10月5日(土)にスリランカ代表とブキ・ジャリル国立競技場で国際親善試合を行った後、10月10日(金)のアウェイ、ベトナム代表戦に臨みます。また、このメンバーは10月15日(火)に香港で行われる予定の香港代表戦までチームに帯同することになっています。
 今回の招集メンバーの詳細はこちらからどうぞ。(写真は

9月6日のニュース:WC予選でマレーシアサポーターにアウェイの洗礼、FAMはKリーグのトレーニングにも若手選手を派遣

WC予選でマレーシアサポーターにアウェイの洗礼
 マレーシアが敵地でインドネシアを3−2で破った国際サッカー連盟FIFAワールカップ2022年大会アジア二次予選では、マレーシアサポーターに強烈なアウェイの洗礼があったようです。
 英字紙ニューストレイトタイムズ電子版によると、安全確保のため試合開始に先立つこと4時間前に地元警察の警護とともにマレーシアサポーターを乗せたバス6台が試合会場となったジャカルタのゲロラ・ブン・カルノスタジアムに到着すると、すでにそこにいたインドネシアサポーターの一部が投石で出迎えたとのこと。幸い怪我人は出なかったようです。
 また試合中はこちらの映像でわかるように、インドネシアサポーターがピッチに乱入して試合が10分に渡って中断し(映像はニューストレイトタイムズ電子版より)、インドネシア代表のサイモン・マクメネミー監督は試合後の記者会見で「ピッチ乱入については自分としては何もできないが、影響がなかったとは言い難く、両チームにとって不都合であった。」と述べ、「インドネシアサポーターは世界一ではあるが、その反面、最悪なサポーターとなるときもある。」とも述べています。
 英字紙スター電子版によれば、試合終了後には、観戦に訪れていたマレーシア政府のサイド・サディック・サイド・アブドル・ラーマン青年スポーツ相を含むマレーシアサポーターに対して、インドネシアサポーターから金属片やビン、発煙筒が投げつけられ、マレーシアサポーターはほとぼりが冷めるまでスタジアム内の安全な場所で待機させられたようです。この後、インドネシア政府のカウンターパートであるイマム・ナーラウィ青年スポーツ相が混乱に対して謝罪し、サイド・サディック大臣もこれを受け入れたようです。
 しかしマレーシアサッカー協会FAMは、インドネシアサッカー協会PSSIの対応が不十分であったとして、国際サッカー連盟FIFAとアジアサッカー連盟AFCに対して報告書を提出することを決めたことが、FAMのホームページで告知されています。

FAMはKリーグのトレーニングにも若手選手を派遣
 U18代表選手6名が今月9月から10月にかけてセレッゾ大阪やFC東京の練習に参加するために日本へ派遣されるという記事を以前とりあげましたが、FAMはKリーグの協力を得て、韓国へも選手を派遣するようです。
 マレーシアの通信社ブルナマによると、大韓サッカー協会KFAのチョン・モンギュ会長と会談したFAMのダト・ハミディン・モハマド・アミン会長は、Jリーグクラブへの派遣と同様に、Kリーグクラブへも1、2名の選手を派遣したいと話しています。
 また2週間という短い期間で日本へ派遣しても、選手にとっては何も良い影響が出ないという批判の声が一部から出ていることについては、FAMとJFAの間で調印された了解覚書(りょうかいおぼえがきMOU)の重要性を理解することが重要だとし、この2週間という期間は若手選手が日本のプロクラブ環境を体験することにあるとし、MOUで規定された内容を実行することが、日本のプロクラブとの関係高地につながるものであると反論しています。


 

8月9日から10日のニュース:AFFU15選手権でマレーシアが優勝、クラブライセンス制度導入により問題のあるクラブは排除される(?)、不況と質の低下が観客減の原因、第二のハディ探しをヤクルトがサポート

AFFU15選手権でマレーシアが優勝
 タイのチョンブリで開催されていたアセアンサッカー連盟AFF U15選手権で、マレーシアは決勝でタイを2-1で破り、2013年以来2度目の優勝を飾っています。
 AFFのホームページによると、準決勝でベトナムを3−1で破ったマレーシアは、地元タイに1-0とリードを許して前半を折り返しました。後半に入るとタイ2名、マレーシア1名が退場となる荒れた試合になりましたが、69分にはMFムハマド・イズリン・イブラヒムが同点ゴールを、そして79分にはこの大会で5得点目となる決勝ゴールをMFムハマド・ナビル・カイユームが決めています。
 なお3位決定戦はインドネシアがベトナムをPK戦の末破っています。
決勝
マレーシア2-1タイ
3位決定戦
インドネシア0-0(PK3-2)ベトナム
(写真はマレーシアサッカー協会FAMのFacebookより)

クラブライセンス制度導入により問題のあるクラブは排除される(?)
 英字紙ニューストレイトタイムズ電子版によると、マレーシアサッカー協会FAMのダト・ハミディン・アミン会長は、2021年から完全施行されるクラブライセンス制度によって、橋梁未払いなどの問題を抱えるクラブが一掃されるだろうと語っています。
 マレーシアフットボールリーグMFLに加盟するすべてのクラブチームは2020年末までにクラブライセンスを獲得することが、2021年シーズン参加のための義務となるため、このライセンス申請の過程でFAMが経営状況を精査し、問題のあるクラブに対して厳しく対処できるとしています。
 この発言はプロ選手協会PFAMが12クラブが給料未払い問題を抱え、その総額が640万リンギ(約1億6300万円)であるという発表に対して行われたものですが、これに対してハミディン会長は、PFAMの発表はFAMが国内サッカーを運営する組織として期待外れであるという印象を与えるものであるとし、給料未払い問題を抱えているのはほんのわずかのクラブとしています。その上で、ライセンス制度導入後は健全系のクラブだけが存在することになるだろうとと述べています。
 ここからは私見ですが、MFLの1部と2部を合わせた12クラブのうち、11クラブ(PFAMが指摘したクラブの1つは3部に所属するマレーシア国軍クラブ)が未払い給料を抱えている現状を「ほんのわずかのクラブ」としてしまっている時点で問題の深刻さを果たして理解しているのだろうかという気がしてしまいます。ライセンス発給についてもマレーシア特有の「寛容さ」が発揮されて、厳格な適用がされるかどうかも正直疑問です。

不況と質の低下が観客減の原因
 現在開催中のマレーシアカップ で、リーグチャンピオンのJDTの試合にわずか6000名弱の観客しか集まらなかったことは先日、このブログでも取り上げましたが、この状況についてマレー語紙ウトゥサン・マレーシア電子版が、かつてマレーシアサッカー界で活躍したレジェンドのコメントを掲載しています。
 1980年のモスクワオリンピック出場権を獲得したマレーシア代表(但しマレーシアは、前年1979年12月に起こったソビエト連邦のアフガニスタン侵攻に対し、同じイスラム教国として抗議のためボイコット)でプレーしたDFダト・ジャマル・ナシル・イスマイル氏は、マレーシア国内経済の不況のため、ファンは自分が応援するチームのすべての試合のチケットを購入する金銭的な余裕がなくなっているのではないかと述べています。特に家族そろって観戦するような場合、観戦の際の飲食なども含めると必然的に観戦する試合を選ぶことになっているのではないかと分析しています。代表通算キャップ数165のジャマル氏は、現在はグループステージのマレーシアカップ がベスト16や準々決勝に進む辺りからは観戦者数も増えていくのではないかと述べています。
 その一方でケランタンFA、そしてオーストラリアでもプレーしたオマル・ダリ氏はマレーシアサッカーの質の低下を指摘しています。例えて言えば日本プロ野球界のご意見番張本勲氏のような存在であるオマル氏は、観戦したいと思わない人々に観戦を強制することは無理なので、そういった人々がスタジアムに足を運ぶようになるためには、まずマレーシアサッカーの質を上げる必要があると述べています。

第二のハディ探しをヤクルトがサポート
 マレー語紙コスモ!電子版によると、ヤクルトの現地法人ヤクルトマレーシアの濱田浩志代表取締役社長は、Jリーグのセレッゾ大阪によるアセアンドリームプロジェクトに参加するマレーシアU15代表選手5名の日本行きをサポートし、この中からハディ・ファイヤッドに続くJリーガー誕生を願っていると語っています。
 ハディ・ファイヤッドとは、昨年末にジョホール・ダルル・タクジムJDTからJ2のファジアーノ岡山に移籍したマレーシアU23代表でもプレーする19歳のFWです。
 濱田社長とドリームプロジェクトに参加するラジャ・ハイカル・ラジャ・ザハリ、ダニアル・ハイカル・シャイポル(FAMが国家サッカー選手養成プロジェクトを運営するモクター・ダハリアカデミー出身)、アフィク・ノリザン(マラッカ州スポーツ専門学校)、ファリズディン・アドハム・バッチャ(スランゴール州スポーツ専門学校)、アナス・ナダウィ・シャハルディン(スランゴール州バンダル・バル・バンギ中等学校)の5名は日本到着後、岡山にハディ選手を訪ねたと報じています。

8月8日のニュース:FAMや州サッカー協会の反論に選手会がコメント、AFF U18選手権開幕、FAMはコーチを日本へ派遣

FAMや州サッカー協会の反論に選手会がコメント
 マレーシアプロサッカー選手会PFAMのイズハム・イスマイルCEOが、現在マレーシアサッカーリーグMFL所属の12クラブが総額約640万リンギ(約1億6300万円)の未払い給料があることを発表したことに対して、ヌグリ・スンビラン州サッカー協会を貶めるものだとして事務局長が謝罪を要求したり、マレーシアサッカー協会FAMのスチュアート・ラマリンガム事務局長が内容が不正確で無責任であると応酬した件で、PFAMのイズハムCEOが新たにコメントを発表したことをマレー語紙ウトゥサン・マレーシア電子版が伝えています。
  イズハムCEOは記事の中で、発表内容はFAMやMFLに向けたものではなく、給料未払い問題を抱えるクラブに対して、滞りなくその問題を解決することに意識を向けさせるためのものであるとした上で、給料未払い問題の速やかな解決を求めているFAMのラマリンガム事務局長自身が反論したことに驚いたとも述べています。
 さらに、給料未払い問題は全て解決済みであるとして、いわれのない抽象であるとして選手会に対して公式謝罪を求めたヌグリ・スンビランFAを統括するヌグリ・スンビラン州サッカー協会に対しては、昨シーズン中にパハンFAから期限付き移籍したブラジル人DFアレックス・モラエスの給料はパハンFAとヌグリ・スンビランFAが折半するとしたものの、両クラブとも支払い期限の今年7月31日までに給料を支払っておらず、実際に支払ったのはPFAMによる発表の2日後であったことを指摘し、マラッカ・ユナイテッドについては、MFLから補助金が支給済みにも関わらず、給料未払い状態が継続していること、ケランタンFAでは、一部の選手に対して5年間も給料未払い状態が続いていることを指摘しています。
 給料の未払い問題はプロリーグの根幹に関わる重要な問題であるにも関わらず、「無責任」「事実無根」といった厳しい言葉で反論し、選手会との断絶も示唆するような発言をしたラマリンガム事務局長に対しても失望していると、選手会のイズハムCEOは発言しています。
 この問題についてFAMのダト・ハミディン・モハマド・アミン会長も給料未払い問題が存在することは認識している一方で、給料未払い問題の影響はFAMが推し進める長期プランには影響はほとんどないだろうと、マレー語紙ブリタ・ハリアンに語り、選手会のイズハムCEOの発言は単なる人気取りが目的なのではないか語るなど、選手会側とFAMの間には認識に齟齬(そご)があることが見て取れます。

AFF U18選手権開幕
 U15選手権に続き、アセアンサッカー連盟AFF U18選手権がベトナムのホーチミンで開幕しました。東南アジア諸国連合ASEANの各国とオーストラリアの12カ国が参加するこの大会では、開催国ベトナム、マレーシア、オーストラリア、タイ、シンガポール、そして日本人の行徳浩二監督が率いるカンボジアがグループB、インドネシア、東ティモール、ラオス、ミャンマー、フィリピン、ブルネイがグループAに分かれて予選ラウンドを戦います。
 オーストラリア人のブラドレー・マローニー新監督が率いるマレーシアは、ディフェンディングチャンピオンとして大会に臨みますが、開幕戦でベトナムと対戦し、1−0で敗れています。

FAMはコーチを日本へ派遣
 英字紙スター電子版は、マレーシアサッカー協会FAMと日本サッカー協会JFAの間で今年4月に締結された基本合意書MOUに基づき、マレーシア人コーチが日本へ派遣されることになったと報じています。
 FAMの代表団は8月26日に日本へ向けて出発しますが、マレーシアサッカー指導者協会FCAMの会長で、マレーシアフットボールリーグMFL1部スランゴールFAのサティアナタン・バスカラン監督は、特に若手コーチがJFAとの協力関係をりようして様々な知識を学んで欲しいと語っています
 またこのような機会を設けたFAMに感謝の意を表すとともに、FAMの国内サッカー再生プロジェクトであるマレーシアフットボールDNAプロジェクトのためにFCAMも協会メンバーであるマレーシア人コーチを育てていきたいとしています。

8月7日のニュース:U15代表はAFF選手権準決勝進出、FAMやチームは選手会の発表に反論、デ・パウラは帰化選手として代表でプレーすることを希望

U15代表はAFF選手権準決勝進出
 タイのチョンブリで開催中のアセアンサッカー連盟AFFU15選手権で、マレーシアU15代表は、グループステージ最終戦でタイと1-1で引き分け、グループBの首位で準決勝へ進出を決めました。開幕から3試合連続の完封勝ちと好調だったマレーシアは、4試合目のラオス戦にも快勝して準決勝進出を決めるかと思いきや、80分を過ぎたアディショナルタイムに相手のオウンゴールで辛くも1-1の引き分け。しかも最終戦のタイ戦も同様にアディショナルタイムに相手のオウンゴールで2試合続けて1-1の引き分けでした。
 選手の資格問題なども含め、今大会台風の目となった東ティモールとの最終戦1-0で辛勝したベトナム(グループA2位)との準決勝に勝利すれば、もう1試合の準決勝インドネシア(グループA1位)対タイ(グループB2位)の勝者と決勝戦で対戦します。(以下はグループステージの結果-マレーシアサッカー協会FAMのFacebookより)

FAMやチームは選手会の発表に反論
 マレーシアフットボールリーグMFL所属の12クラブが総額およそ640万リンギ(約1億6300万円)の未払い給料を抱えていることをプロサッカー選手会PFAM(以下「選手会」)のイズハン・イスマイルCEOが行なった記者会見で明らかにしましたが、これに対して、マレーシアサッカー協会FAMや記者会見で具体的に名前を挙げらたクラブから反論が上がっていると、英字紙スター電子版が伝えています。
 FAMのスチュアート・ラマリンガム事務局長はの発表は不正確であり、かつ職業倫理に反するものであると非難しています。ラマリンガム事務局長は反論の中で、ヌグリ・スンビランFAについては、係争中の未払い給料問題はFAM、国際サッカー連盟FIFAのいずれにも報告されていないとし、パハンFAについては同様の問題がFIFAに報告されていたもののの既に解決済みであるとしています。また、マラッカ・ユナイテッドは1件の給料未払い問題がFAMに、2件がFIFAに報告されているもののの資格委員会の最終的な判断を待っており、プルリスFAやケランタンFAは新たな経営陣が経営状況を安定させるために努力をしている状況下で、選手会による発表は問題解決の役に立たないどころか、状況を悪化させかねないと選手会を非難すらする逆ギレに近いコメントを出しています。
 さらに既に解散したクラブに関してはFAMの管轄外であると責任放棄の発言し、個々の選手に訴訟を起こすように促しています。
 また選手会に名前を挙げて非難されたヌグリ・スンビランFAのサトワント・シン事務局長は、先月末には未払い給料問題は解決したとし、選手会の発表を無責任な発表であると非難しています。
 とは言え、そもそもプロ選手に対して給料未払い問題が存在すること自体が問題であり、たかだか数週間前にやっと解決したくらいで選手会に謝罪を要求する州サッカー協会の姿勢や、そういった状態をこれまで放置してきながら、選手会との関係断絶をちらつかせるFAMの危機感のなさこそが、この問題の根源のように思えます。選手会のイズハンCEOの「選手は奴隷ではない。」という言葉の重みをどれだけのFAMやMFL、そして国内クラブの経営者が理解しているかは疑問です。

デ・パウラは帰化選手として代表でプレーすることを希望
 クアラ・ルンプール(KL)FAでプレーするブラジル出身のFWギリェルメ・デ・パウラは、マラッカ・ユナイテッドのコソボ出身MFリリドン・クラシニキとともに帰化選手としてマレーシア代表でプレーできるよう、FAMがマレーシア市民権取得申請書類を内務省に提出した最終候補です。
 マレー語紙ウトゥサン・マレーシア電子版の記事で、このデ・パウラ選手は今年9月から始まるFIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選までに帰化申請が完了し、代表に招集されることがあれば、最高のパフォーマンスを見せたいと語っています。母国ブラジルでは代表経験のない33歳のデ・パウラ選手は、マレーシア人となってマレーシア代表としてプレーすることができれば名誉なことだと語り、その可能性を与えてくれたFAMに感謝するとともに、代表のユニフォームを着られるように努力したいと述べています。
 今年11月31日にKLFAとの契約が切れるデ・パウロ選手について、FAMの帰化プログラム委員会のダト・モハマド・ユソフ・マハディ委員長は、デ・パウロ選手とクラシニキ選手は、まず市民権付与に値する選手であることを証明する必要があり、さらに帰化申請中のフィットネスレベルと試合でのパフォーマンスが代表招集の際の参考になるだろうと述べています。