3月5日のニュース(2):JDTのACLデビュー戦は鹿島に敗戦

JDTのACLデビュー戦は鹿島に敗戦
本日、カシマスタジアムで行われたアジアサッカー連盟AFCチャンピオンズリーグACLでACLデビューとなったジョホール・ダルル・タクジムJDTは、鹿島アントラーズに2−1と破れました
 開始早々の3分、マレーシア代表のGKでもあるファリザル・マーリアスがゴールエリア内にも見えた微妙なところで鹿島のFW金森健志を倒してしまうミスもPKとならず命拾いをしたJDTでしたが、同じファリザル選手が14分にはゴールエリア内で手痛いミスを犯してしまいます。鹿島のFW山口一真のシュートを防いだところまでは良かったのですが、そのこぼれ球に詰めていたMFセルジーニョを倒してPKを与えてしまいます。倒されたセルジーニョ選手が自らPKを蹴るも、ファリザル選手がこれを止めてピンチを凌ぎました。このプレー以降、JDTの選手に自信が出てきたのか動きが徐々に良くなり始めました。このまま前半を0−0で折り返せるかと思った43分、左サイドからMF平戸太貴が蹴ったクロスがそのまま誰に触れることもなく直接ゴールインして鹿島が先制しました。
 後半に入ると、俄然動きの良くなった鹿島は56分には、JDTのDFラヴェル・コービン=オングの不用意なパスを奪ったセルジーニョ選手がゴールエリアの外から美しいロングシュートを決めて鹿島が2−0とリードを広げました。ファリザル選手が何もできない、文字通りトップコーナーに突き刺さる素晴らしいシュートでした。
 JDTは79分に19歳のMFアクヤ・ラシッドを投入すると、早速、このアクヤ選手が右サイドでPKを獲得。MFナズミ・ファイズのPKをJDTキャプテンのMFハリス・ハルンがゴール前へ、これを胸でトラップしたFWジオゴがシュートを決めて、JDTがACL初得点!しかし最後はアクヤ選手のシュートがゴールを外れ、試合終了。中継では気温9℃と言っていましたが、現在、熱波に見舞われているマレーシアは気温が40℃近くあり、気温差30℃での試合も言わばACLの洗礼と言えるでしょうか。なおJリーグのマッチレポートはこちら、AFCのマッチレポート(英語)はこちらです。
 ACLデビュー戦としては、JDTは健闘しましたが、MFLでは許されるミスが致命的になるのがACLであることを実感できた試合だったのではないでしょうか。JDTは1週間後の3月12日に慶南FCをホームに迎えて、ACL第2戦を戦います。(写真はすべてJDTのFacebookより。JDTオーナーのジョホール州皇太子、TMJことトゥンク・イスマイル殿下は自家用機で日本へ行ったようですね。)
<3月6日追記と訂正>
報道によると、下の写真にあるトゥンク・イスマイル殿下の自家用機が向かった先は、ACL観戦ではなく、JDTとユベントスとの提携についての会談が行われるイタリアだったようです。今年が最後という噂もあったTMJでしたが、今後もマレーシアサッカー発展のために尽力していただけそうです。

3月5日のニュース(1):JDTは鹿島と本日対戦!

JDTは鹿島と本日対戦!
ジョホール・ダルル・タクジムJDTは、本日3月5日午後6時(マレーシア時間)より、カシマスタジアムでのAFCチャンピオンズリーグACL鹿島アントラーズ戦に臨みます。マレーシアのクラブとしては初となるACL本戦出場を果たしたJDTは、マレーシアフットボールリーグMFL1部スーパーリーグを5連覇中で、マレーシアではNo. 1のクラブです。
 JDTが属するグループDには、昨シーズンのACLチャンピオン鹿島の他に国内リーグ3位の山東魯能(中国)、Kリーグ2位の慶南FC(韓国)がいる厳しいグループですが、昨シーズンのタイ1部リーグの得点王ジオゴをブリーラム・ユナイテッドから獲得するなど、このACLに向けて攻撃陣の補強はできているJDT。その一方で国内リーグでは開幕からの5試合で4勝1分0敗と好調なものの、完封勝ちは1度と守備陣には不安が残ります。特に3月1日に行われたMFL第5節のスランゴールFA戦では今シーズンここまでフル出場してきたDFモハマド・アズリフ・ナスルルハクとDFマウリシオがケガのため途中交代しており、彼らの回復状況が気になります。
 なお試合前の記者会見の映像をJDTがFacebookにアップしています。インタビューに答えているのはJDTのキャプテンでシンガポール代表のハリス・ハルン(写真下右)とメキシコ人コーチのベンジャミン・モラ(写真下左)です。

3月4日のニュース:JDTはACL鹿島戦に向け日本へ出発、不振のスランゴールFAには監督交代の噂

JDTはACL鹿島戦に向け日本へ出発
明日3月5日の午後6時(マレーシア時間)に行われるアセアンサッカー連盟AFCチャンピオンズリーグACL、鹿島アントラーズ戦に向けて、JDTが日本へ向かいました。(JDTのFacebookに掲載された移動の様子はこちら
 現在のマレーシアフットボールリーグMFLでは1部スーパーリーグを5連覇中で、2015年にはAFCカップ優勝経験もある、マレーシアでダントツの力を持つJDTが昨年のアジア王者とどのような試合をしてくれるのか楽しみです。

鹿島アントラーズ戦を告知するJDTのFacebook

不振のスランゴールFAには監督交代の噂
第5節を終わって0勝3分2敗、勝点3の8位に低迷する名門スランゴールFA。スランゴールFA(クラブ)を運営するスランゴール州サッカー連盟は、B・サティアナタン監督を支持し、続投を明言していますが、ソーシャルメディア上では、早くもサティアナタン監督が更迭された後の後任探しが始まっています。かつてはケランタンFAとJDTでリーグ戦優勝の経験もあるボジャン・ホダックもその候補の一人ですが、2017年からマレーシアU19代表を指揮するホダック監督のもと、2018年にはアセアンサッカー連盟AFFのU19選手権で優勝するなど、マレーシアサッカー協会FAMが手放しそうになく、またホダック監督自身も現在の職務を途中で投げ出すつもりはないとしています。また2015年、2016年とJDTをスーパーリーグ連覇に導きながら、当時のFAM会長だったTMJことトゥンク・イスマイル殿下の逆鱗に触れ、決まっていたマレーシア代表監督の職を解かれたマリオ・ゴメス元JDT監督、2018年のシーズンでクダFAを率いたラモン・マルコテ元クダFA監督の名前が上がっています。

MFL第5節の結果まとめ

マレーシアフットボールリーグMFL第5節の結果
1部スーパーリーグ
トレンガヌFC(1勝3分1敗)1-1ペラTBG(0勝3分1敗)
得点者:トレンガヌFC-リー・タック(90分、PK)、ペラTBG-ワンダー・ルイス(72分)
トレンガヌFCは、90分にリー・タックがペナルティーエリア内で倒されて得たPKを自分で決めて同点に追いつきました。ペラTBGは掴みかけていた今シーズン初勝利を手にすることはできませんでした。

スランゴールFA(0勝3分2敗)2−4JDT(4勝1分0敗)
得点者:レアンドロ・ヴァラスケス(7分、67分)、ジオゴ(13分)、ゴンザロ・カブレラ(41分)、スランゴールFA-エンドリック・サントス(32分)、ルフィノ・セゴヴィア(45分)
前半だけで5点が入った派手な試合は、JDTのレアンドロ・ヴァラスケスがこの日2点目となるゴールを決め、スランゴールFAを突き放しました。この日が34歳の誕生だったルフィノ・セゴヴィアのゴールも実らず、スランゴールFAの今シーズン初勝利はまたもお預けとなりました。

フェルダ・ユナイテッド(1勝3分1敗)1-0プタリン・ジャヤ(PJ)シティFC(1勝1分3敗)
得点者:池田圭(30分、PK)
ゴールエリア内でS・チャントゥルが倒されて得たPKをフェルダ・ユナイテッドの10番、池田圭がゴール。そのまま逃げ切り、フェルダ・ユナイテッドは今シーズン初勝利を挙げました。フェルダ・ユナイテッドのニズマン・ジャミル監督がチームへの貢献を称賛する池田選手、渡邉将基選手はともにスタメンでフル出場しました。

クダFA(3勝2分0敗)0−0PKNS FC(2勝2分1敗)
得点者:なし
両チーム合わせて9枚のカードが出された荒れた試合は、シュート数がクダFA14本に対して、攻撃の要となるFWクパ・シャーマンが第4節のPKNP FCでのレッドカードによる出場停止となっているPKNS FCはわずか2本でしたが、PKNS FCにとってはアウェイでの貴重な勝点1となりました。一方クダFAにとっては、この試合で勝点3を獲得すれば首位の可能性もありましたが、試合終了直前の87分にはクダFAのDFレナン・アルヴェスがボールとは関係ないところで、PKNS FCのFWファイザット・ガザリに頭突きを食らわせ一発退場となりました。MFLの規定では、通常のレッドカードは1試合出場停止が課せられますが、暴力行為に対するレッドカードは最低でも3試合以上の出場停止処分となります。
 第5節を終えて3位のクダFAは、次節の第6節は2位のパハンFAと、第7節は首位のJDTとの対戦が控えているだけに、アルヴェス選手の不用意なレッドカードがクダFAの今シーズンの行方に影響を及ぼす可能性があります。

PKNP FC(0勝1分3敗)0−3パハンFA(3勝2分0敗)
得点者:パハンFA-ゼ・ラヴ(2分)、ディクソン・ヌワカエメ(50分)、ノーシャルル・イドラン・タラハ(73分)
ここ2試合で2引き分けのパハンFAは、前節でレッドカードをもらったDFエラルド・グロンと、イエローカード累積3枚となったDFサフワン・バハルディンが出場停止、さらにはDFムスリム・アーマドが前節のスランゴールFA戦でのケガからの回復が遅れてベンチから外れるなど、前節まで先発してきたディフェンスのレギュラー3名を欠く苦しい試合でしたが、今シーズンまだ勝ち星のないPKNP FC相手に勝点3を獲得し、クダFAを抜いて2位に浮上しています。

マラッカ・ユナイテッド(4勝0分1敗)2−0クアラルンプール(KL)FA(0勝0分4敗)
得点者:マラッカ・ユナイテッド−ダルコ・マルコヴィッチ(14分)、ナズリン・ナウイ(16分)
今シーズン開幕から3連敗中のKLFAは、この試合も前半の早い時間帯に2点を奪われ、FWギリェルメ・デ・パウラをケガで欠く攻撃陣が反撃できないまま試合終了。開幕から泥沼の4連敗となり、MFLでの唯一、勝点0のチームとなっています。
KLFAの苅部隆太郎選手はスタメンでフル出場しています。

2部プレミアリーグ
ペナンFA1(1勝1分2敗)1-2UITM FC(3勝0分け1敗)
得点者:ペナンFA−ザルコ・コラチ、UITM FC-ロベルト・メンディ(39分、85分)

スランゴール・ユナイテッド(3勝1分1敗)0−0ヌグリ・スンビランFA(1勝3分1敗)
得点者:なし
ヌグリ・スンビランFAの中武駿介選手はスタメンでフル出場しています。

サバFA(3勝1分1敗)3−1PDRM FC(0勝1分4敗)
得点者:サバFA-ルイス・ジュニオール(4分、48分)、ロドリュブ・ パウノヴィッチ(43分)、PDRM FC-アルグジム・レゾヴィッチ(53分)

UKM FC(1勝1分2敗)4-0サラワクFA(1勝0分4敗)
得点者:UKM FC-ミカエル・イジェジー(9分、PK)、マテオ・ロスカム(85分、PK)、ハリス・ファズリン(90分)、アクマル・ザヒル(90分)

JDT II(4勝0分0敗)2-0ケランタンFA(1勝1分2敗)
得点者:JDT II-ロザイミ・ラーマン(40分)、カイルラ・アブドルハリム(59分)

3月3日のニュース:サニックス杯に向けてU19代表候補合宿開始

サニックス杯に向けてU19代表候補合宿開始
マレーシアサッカー協会FAMは、福岡で開催されるサニックス杯国際ユースサッカー大会へ出場するU19代表の候補選手29名を発表しています。この中から強化合宿を経て選ばれた22名が3月10日に日本へ経ち、3月14日から17日まで福岡県宗像市のグローバルアリーナで開催される大会に参加します。大会公式ページではマレーシアU17代表となっていますが、マレーシアからはU19代表が出場します。
 代表候補メンバーは、FAMのサッカーアカデミーがあるマレーシアパハンスポーツスクール(MPSS)から7名、マラッカFAとスランゴールFA、PKNP FCからそれぞれ3名、トレンガヌFAとPKNS FCからはそれぞれ2名、JDT、フェルダ・ユナイテッド、クアラルンプールFA、クダFA、ケランタンFA、ヌグリ・スンビランFA、ペラFA、ペナンFA、サラワクFAから各1名となっています。
 U19代表のボジャン・ホダック監督は、このサニックス杯を今年7月のアセアンサッカー連盟AFFのU19選手権、そしてアジアサッカー連盟AFCのU19選手権予選のための準備に使いたいとしています。昨年2018年のAFF U19選手権では、このホダック監督が指揮したU19代表が準決勝でインドネシア、決勝ではミャンマーを破り初の優勝を遂げていますが、AFC U19選手権ではグループステージ敗退となっています。

 マレーシアは、昨年もこのサニックス杯に出場しており、一回戦(グループステージ)では同組となった前橋育英高校に2−1で勝利(ダイジェスト映像はこちら)したものの、FC東京ユースには0−3、大津高校には0-2と敗れ、グループ3位となり、順位決定戦では東福岡高校とは0−0(PK戦4−3)、台湾の清水(QING SHUI)高校を6−0、そして13/14位決定戦ではロシアのイジョレツ・インコンユースを3−1で破り、最終順位は参加16チーム中13位でした。
 このチームには今シーズン、J2ファジアーノ岡山に加入したハディ・ファイヤッドが10番を着けキャプテンとして出場し、イジョレツ・インコン戦でのハットトリックを含む4得点を挙げています。

13/14位決定戦イジョレツ・インコン戦のスタメン。後列右端の10番がハディ・ファイヤッド選手

3月2日のニュース:エアマリンカップにはソロモン諸島に代わりアフガニスタンが出場

エアマリンカップにはソロモン諸島に代わりアフガニスタンが出場
3月20日から23日までクアラルンプールで開催されることになったエアマリンカップの出場国が、ソロモン諸島からアフガニスタンへと変更になったことが発表されました。最初に参加国が発表になった際には、そもそも「『ソロモン諸島』って…」などという反応がありましたが、それでもソロモン諸島は国際サッカー連盟FIFAランキングでは143位で、マレーシアの167位よりも上のチームです。当初はこの枠にニュージーランドが入る予定でしたが、結局、ニュージランドは招待を辞退、その代りとして同じオセアニア地区ではニュージーランドに続く高ランクチームとしてソロモン諸島が参加することになった経緯があります。
 しかし、このソロモン諸島代表は3月24日に台湾代表とも国際Aマッチを予定しており、3月18日から26日の国際試合カレンダー期間中の代表同士の試合は最大2試合というFIFAの規定があることから、台湾代表との試合を優先し(エアマリンカップは準決勝、3位決定戦、決勝とどの参加チームも2試合を行うことになっています)、エアマリンカップの出場辞退を決めてと報道されています。中国の圧力により、これまで外交関係のあった国々からている台湾にとって、ソロモン諸島は2019年3月現在、台湾と外交関係のある17国の内の1つですので、この背景には政治的な意図などもあるのかも知れません。
 そしてソロモン諸島に代わって出場することになったのが、これまたビミョーなアフガニスタン代表です。大会まで1ヶ月を切っての参加チーム探しは大変だったとは思いますが、それでもアフガニスタンのFIFAランキングは147位で、こちらもマレーシアよりも高いランキングのチームです。内戦のイメージが強いアフガニスタンよりランクが低いマレーシアって一体どれだけ弱いんだ…。ちなみにマレーシアフットボールリーグMFL2部のクランタンFAには、アフガニスタン代表でもプレーするMFムスタファ・ザザイが在籍しています。
 このエアマリンカップは、このアフガニスタン代表の他、オマーン(FIFAランキング90位)、シンガポール(同165位)といずれもマレーシアよりFIFAランキング上位のチームが参加します。今年後半から始まる2022年のFIFAワールドカップ予選では、アジアサッカー連盟AFC34位以上のチームは1回戦が免除になるため、AFCランキング35位にいるマレーシアにとっては経験を積むだけではなく、勝ってFIFAランキングを上げねばならない大会です。

ソロモン諸島に変わりアフガニスタンがエアマリンカップに出場することを知らせるマレーシアサッカー連盟FAMの告知(FAMのホームページより)

3月1日のニュース:主力選手のコンディションに悩むスランゴールFA、TMJは今年がJDT最後の年か、プルリスFA元監督はM3からの再スタートを提案

主力選手のケガに悩むスランゴールFA
第4節を終えて0勝3分1敗の9位と低迷するスランゴールFA。マレーシアフットボールリーグMFL第5節では、ここまで3勝1分0敗のJDTをホームに迎えますが、その試合を前に主力選手数名がコンディション不良のようです。前節のパハンFA戦で引き分けにつながる同点ゴールを決めた昨シーズンの得点王FWルフィノ・セゴヴィアやプルリスFAより移籍してきたばかりのFWカイリル・ムヒミーン、さらにはDFテイラー・リガンも出場が危ぶまれており、今節も苦しい試合になりそうです。

TMJは今年がJDT最後の年か
TMJことジョホール州皇太子で、JDTのオーナーでもあるトゥンク・イスマイル殿下が自身のFacebookで、今年が自分にとってはJDTでの最後の年になるだろうと発言し、注目を集めています。2013年にそれまでのジョホールFCをリブランディングしたJDTのオーナーとなって以来、JDTはMFL1部スーパーリーグ5連覇を含め、12のタイトルを獲得しています。
 Facebookでは、レアル・マドリードのフロレンティーノ・ペレス会長を引き合いに出し、「多くのファンがレアル・マドリードと言えば、クリスティアーノ・ロナウドを思い出すが、ペレス会長がいなければ、そして彼が獲得した選手がいなければ、ギャラクティコスも多くのタイトルもなかったはずである」と述べています。
 数日前には、開幕直後にアーロン・ニゲスを解雇し、レアンドロ・ヴェラスケスと入れ替えたことについて、サポーターに対して誤り、自らを非難していますので、過度なサポーターの要求に辟易してしまったのかも知れません。
 何れにせよ、王族という地位もあり強烈なリーダーシップでJDTはもちろん、MFLのチェアマンを務めるなど、近年のマレーシアサッカー界を引っ張ってきた一人であることは間違いありません。この発言が果たして本気なのかどうかは、わかりませんが、もし本気だとしたら、非常に残念です。

プルリスFA元監督はM3からの再スタートを提案
MFL2部プレミアリーグからの追放が確定したプルリスFA。2005年から2007年までプルリスFAの監督を務めたアブドル・ラーマン・イブラヒム元マレーシア代表監督は、MFL3部にあたるMリーグ3(M3)から再出発するべきだとしています。アブドル・ラーマン元監督が指揮をとっていた頃は、運営費用が足りなければ州政府からの補助金によって補うことができたが、現在のMFLでのチーム運営費用はさらに巨額になっており、現在の経営状況ではプレミアリーグに残ることは無理であり、「身の丈にあった」運営を行ってM3から再出発することを提案しています。同じような意見はサポーターグループの一部からも出ています。
 なおプルリスFAの役員らは復帰の可能性を模索し、MFLと交渉を続けたいとしていますが、プレミアリーグに残ることができれば集められるとプルリスFAが主張するスポンサーからの資金800万マレーシアリンギ(約2億1000万円)も、MFLが求めたスポンサー企業の弁護士による署名付き書類が提出できない上、プレミアリーグ残留を前提としない資金源という条件すら満たしていません。

2月28日のニュース:プルリスFAのプレミアリーグ除名が決定、複数の企業がプルリスFAのスポンサーであることを否定

プルリスFAのプレミアリーグ除名が決定
マレーシアフットボールリーグMFLは、プルリスFAから出されていた異議申し立てを却下し、2部プレミアリーグからプルリスFAのクラブ、プルリスノーザンライオンズ(PNL)を除名することを全会一致で決定したと、MFL理事会のダト・ウィラ・ユソフ・マハディ理事が発表しています。
 しかしMFLからプレミアリーグ参加の各チームに与えられる70万マレーシアリンギ(約1900万円)の補助金については、受け取り資格が無いものの、プルリスFAが未払い分の給料支払に充てるとしており、これについてはMFLとプルリスFAとの間で、さらに協議が必要としています。
 また、この結果、今シーズンのPNLが行ったプレミアリーグ3試合での得点、勝点などは全て無効とするとしています。

複数の企業がプルリスFAのスポンサーであることを否定
今シーズンのPNLのユニフォームの胸にロゴがあるMIBカレッジ(MIB)は、プルリスFAのスポンサーであることを否定しています。MIBカレッジはパハン州にある同校の練習施設をプルリスFAのU22チーム及びユースチームに貸し出していましたが、それ以外に金銭的な支援はしていないとし、プルリスFAとの関係がむしろ同校の評判を貶めることになっている事態に不満を述べています。なおマレーシアサッカー連盟FAMは、現在プルリスFAのU22チーム及びユースチームの登録を認めておらず、U22とユースチームは練習が行われていません。
 またMIB同様、ユニフォームに企業名が書かれえいる航空会社マリンドエアも、同社がプルリスFAのスポンサーであることを否定しています。自称プルリスFAサポーターが同社のFacebookページに書き込んだ内容に返事をする形で、プルリスFAはいわゆるフリークエントフライヤーであることをから、ユニフォームにマリンドエアの企業名が書かれているが、公式スポンサーではないとしています。
 プレミアリーグ除名が確定するまでは、新しくスポンサーになることを望んでいる企業が数社あるとプルリスFA前会長が主張していましたが、この状況で火中の栗を拾う企業がマレーシアにあるかどうかは甚だ疑問です。

今シーズンのPNLのユニフォーム。胸にしっかりロゴがあるにも関わらず、MIB自体はスポンサーであることを否定しているのも妙です…。(PNLのFacebookより)
スポンサーでもないのにこんな告知を許す方も問題はないのかなぁ…。(PNLのFacebookより)

2月27日のニュース:AFF U22選手権はインドネシアが初優勝、まだまだ終わらないプルリスFAの給料未払い問題

AFF U22選手権はインドネシアが初優勝
カンボジアで行われていたアセアンサッカー連盟AFFのU22選手権は、決勝でヤング・ガルーダことインドネシアU22代表が、タイU22代表を2-1で破って初優勝を飾りました。
 インドネシアU22代表は、スーパーリーグのパハンFAでプレーするサディル・ラムダニ(20)やポーランドのへヒア・グダニズクでプレーするエギィ・マウラナ(18)、オランダのRKCヴァールヴァイクでプレーするエズラ・ワリアン(21)などフル代表経験のある選手抜きでの優勝ですので、彼らも加わるであろう3月下旬のアジアサッカー連盟AFC U23選手権予選では、タイとベトナムの一騎打ちかと思われた予選K組ですが、同組のインドネシアにも注目ですね。

優勝したインドネシアU22代表(AFFのホームページより)

まだまだ終わらないプルリスFAの給料未払い問題
その1 プルリスFAの選手が警察に被害届を提出
プルリスFAのクラブであるプルリスノーザンライオンズIIの選手18名が、プルリスFAのダト・アーマド・アミザル・シャフィト・アーマド・ラフィ前会長(プルリスFAがプレミアリーグ追放となった時点で辞職済み)とモハマド・アブドル・カリム・カーン・マンスル・アーマド・カーン副会長を相手とし、契約詐欺行為とマネーロンダリングの被害届を警察に提出しました。
 前キャプテンのエズルル・イカマニザル・アブドル・ラーマンによると、前会長と副会長の不適切な行為により、選手18名の大半が職を失っています。ダト・アーマド・アミザル前会長については、会長の指示で選手たちが契約書にサインしたものの、前会長自身がその契約書にサインしていないことから、この契約を無効と主張していることに対してです。前会長が選手たちに契約無効を告げたのは1月25日とされており、それまでの約2ヶ月間は選手たちはそのことを知らされずに練習していたとしています。
 カリム・カーン副会長については、18名のコーチへの給料支払いの名目で各選手から500マレーシアリンギ(約14,000円)を集めたものの、それがコーチに払われていないことがわかったため、その金を行方を警察に捜査して欲しいと述べています。

その2 プルリスFA副会長もこれに応じて被害届を警察に提出
カリム・カーン副会長は上記の選手による被害届に対して、自身とプルリスFAに対してのイメージを損なうものであるとして、この告発を否定する被害届をやはり警察に提出しています。

選手と経営陣とが泥仕合を演じ続けているプルリスFAに対するマレーシアフットボールリーグMFLのプレミアリーグ参加資格が失効するか否かは、一両日中にMFLより発表される予定です。

2月26日のニュース:エアマリンカップの開催が決定

3月20日に準決勝、3月23日に決勝と3位決定戦という日程で、4カ国の代表チームによるエアマリン・カップ開催の発表がありました。ブキ・ジャリル国立競技場で行われるこの大会に参加するのは、今年のAFC選手権でベスト16のオマーン、ソロモン諸島、シンガポールと開催国マレーシアです。当初出場予定だったニュージーランドがドタキャンし、ソロモン諸島が代わりに出場することになっています。
 今年から始まる2022年FIFAワールドカップアジア地区予選では、AFCランキングの上位34チームは予選1回戦が免除となり、9月に開催される2回戦からの参加となります。一方、それ以下の国は6月に予定されている予選1回戦からの出場となるため、マレーシアはこのエアマリン・カップで良い結果を残し、何としても34位以内にランキングを上げる必要があります。ちなみに参加国のランキングは以下の通りです。

オマーン(90位、アジア13位)
ソロモン諸島(144位、オセアニア2位)
シンガポール(165位、アジア34位)

マレーシアのすぐ上、34位にいるシンガポールに勝利し、あわよくばソロモン諸島にも勝って、2回戦からの予選参加を確定させたいところですが、果たしてどうなるでしょうか。マレーシアにとっては永遠のライバル、シンガポールも当然、34位を死守する覚悟でしょう。
 なお、マレーシアサッカー連盟FAMは、23歳以下代表選手はこのエアマリン・カップには出場させないとしています。これはAFCU23選手権予選兼東京オリンピック予選が3月22日から26日にかけてクアラルンプールで行われるため、該当選手はこちらに集中させるためとしています。
 ところでこのエアマリン・カップの話は、もともとはムルデカ大会をかつてのような華やかな大会にしようという話からスタートしたはずでしたが、いつの間にか実利的な大会へのすり替わってしまった印象です。だったら、最初からそういう方向で話を進めておけば良いのに、「アジアで最も古い招待大会」「アセアンサッカー連盟AFF所属国の代表は呼ばない」など大風呂敷を広げた結果がこれですかぁ、というのが私の正直な感想です。