5月22日のニュース:JDTは今日ACLの最終戦、背番号を変えてスーパーリーグに臨む新外国人選手

JDTは今日ACLの最終戦
今シーズン初めてアジアサッカー連盟AFCチャンピンズリーグACL本戦に出場したジョホール・ダルル・タクジム(JDT)が、今日、韓国の慶南FCのホームでACLグループステージ最終戦を戦います。
 前節5月8日に行われたホームでの対鹿島アントラーズ戦では、歴史に残るACL初勝利を挙げたJDTですが、グループEでの順位は1位山東魯能泰山(3勝2分0敗-勝点11)、2位鹿島アントラーズ(2勝1分2敗-勝点7)、3位慶南FC(1勝2分2敗-勝点5)に続く4位(1勝1分3敗-勝点4)となっています。1位の山東魯能泰山はすでにグループスタージ突破が確定していますが、最下位のJDTを含めた残り3チーム全てに2位になる可能性があり、各グループの上位2チームが進むノックアウトステージ進出の可能性が残っています。
 ノックアウトステージへJDTが進むためには、まず慶南FCに勝ち、さらに鹿島が山東魯能泰山に敗れることが条件です。ACLは勝ち点で並んだ場合の順位決定規定として、
1. 当該チーム同士の対戦における勝ち点の多少(JDTと鹿島の対戦結果は1勝1敗)
2. 当該チーム同士の対戦における得失点差(両チームとも得点2、失点2で得失点差±0)
3. 当該チーム同士の対戦における、ゴール数の多少(両チームとも得点2)
4. 当該チーム同士の対戦における、アウェーゴール数の多少(JDT1、鹿島0)
となっており、JDTが勝ち、鹿島が負ければそのスコアに関わらず、規定4)により、JDTがグループEの2位でノックアウトステージに進みます。
 グループスタージ突破が確定している山東魯能泰山が、アウェイとなる鹿島戦に主力を投入してくるかどうかは疑問ですが、JDTはとにかく目の前の試合に勝って、少しでも可能性を残しておきたいところです。
 マレーシアのメディアの中には、突破の可能性が限りなく低いことから、この日曜日5月26日におこなわれるマレーシアフットボールリーグMFL第15節、3位のクダFA戦にベストメンバーで臨めるよう、主力選手をベンチに置く布陣を進める最初から敗者の発想のなんとも情けない記事を掲載するオンライン版メディアもありますが、大方の予想を覆す勝利を見せてもらいたいものです。

背番号を変えてスーパーリーグに臨む新外国人選手
5月2日から始まっているトランスファーウィンドウ期間中に、シンガポールリーグのタンピネスローバーズからMFL1部スーパーリーグのフェルダ・ユナイテッドへ移籍してきたシンガポール代表のカイルル・アムリ・カマル。3月にクアラルンプールで開催された親善大会エアマリンカップでは、マレーシア代表を倒したシンガポール代表のメンバーでもありました。
 移籍直後のマレーシアFAカップ準々決勝、対クアラルンプール(KL)FA戦に先発スタメン出場したものの、試合中に肩を痛め24分に途中交代しています。その後、ケガの回復が遅れスーパーリーグの試合も2試合に欠場、その間チームはマラッカ・ユナイテッドに0-6と大敗、その翌節もトレンガヌFCと1−1と引き分け、順位は最下位に低迷しています。
 このカイルル選手が背番号を変更したいとしていると、マレーシア語紙ハリアン・メトロのオンライン版が伝えています。
 カイルル選手は2010年にインドネシアリーグのプルシバ・バリクパパンへ移籍した経験があり、その際にはデビュー戦でのゴールを含めて、23試合で9ゴールを挙げるなど活躍しましたが、シーズン中に足の一部筋肉断裂により、7ヶ月ほど試合に出場できない状況が続いた結果、契約期間を終了しないままシーズン途中での対談となりました。そしてプルシバ・バリクパパン時代につけていた背番号が9でした。そして今回フェルダ・ユナイテッドでもKLFAとのデビュー戦では背番号9をつけて出場したカイルル選手は、やはりケガでその後の試合を欠場することになったことから、背番号を9から他の番号へ変えることを決めています。
 なお本人の希望は19だったようですが、これはすでにチームメイトのクリスティ・ジャヤセランがつけているため、まだ新背番号は決まっていないようですが、今週末のMFLでは、新たな背番号をつけてカイルル選手が見られそうです。


 

5月21日のニュース:年間助成金支給が8月との報道をMFLは否定、PKNP FCはトマス・アビーとの契約解除

年間助成金支給が8月との報道をMFLは否定
マレーシアフットボールリーグMFLは公式ホームページ上で、リーグからの年間助成金に関するマレー語紙ブリタ・ハリアンの報道(記事はマレーシア語です)について、これを否定しています。
 ブリタ・ハリアン(ブリタはマレーシア語で「ニュース」、ハリアンは「日々の」と言う意味です)の記事では、MFL関係者の話によると本来なら3月に支給されているべきMFLから1部スーパーリーグ、2部プレミアリーグへの助成金の支給時期が8月になるだろうとと伝えています。
 当地の最大テレコミュニケーション企業であるテレコム・マレーシア(TM)との2018年から8年間総額4億8000万マレーシアリンギ(約130億円)の大型スポンサー契約が3月15日に解除され、MFLはそれに代わるスポンサーとして複数の企業と交渉中とされ、その交渉がまとまれば、8月以前の支給の可能性もあるとされています。
 ブリタ・ハリアンの記事では、助成金の支給額も正式には各クラブには正式に告知されていないものの、おそらく昨年同様、スーパーリーグの各クラブは300万リンギ(約7900万円)、プレミアリーグの各クラブは100万リンギ(2600万円)となるだろうとしています。
 この報道に対して、MFLはホームページでこの内容を全面的に否定し、TMに代わるスポンサーとの交渉が最終段階に入っており、今月中には詳細が発表できるとしています。また、各クラブに対しても助成金支給が8月となる、といった連絡をしておらず、ブリタ・ハリアンの記事を全く根拠ない報道としています。またこのような誤った否定的な内容の報道は、MFLのイメージを低下させ、結果としてスポンサー獲得にも悪影響を及ぼすとして、こういった報道を非難する内容も合わせて掲載しています。

PKNP FCはトマス・アビーとの契約解除
MFL1部10位のPKNP FCは、2週間前に中足骨を骨折したMFトマス・アビーとの契約を解除したと、英字紙スターのオンライン版が伝えています。
 ガーナ出身の攻撃的MFアビー選手は完治まで8ヶ月程度かかるとされており、第14節を終えて3勝3分8敗の勝点12と降格圏付近に停滞しているPKNP FCは、その完治まで待つ余裕がないとして、代わりの外国人選手を獲得するとしています。
 昨シーズンスーパーリーグへ昇格し9位に終わったPKNP FCのアブ・バカル・ハジム監督は、今シーズンの目標はMFL1部残留とし、そのためにも14試合で15得点という攻撃力不足解消のためにもプレーできる選手が必要としています。


 


5月20日のニュース:ペラTBGが3人目の新外国人と契約、MFL3部から1部に移りいきなり2ゴールを決めた選手

ペラTBGが3人目の新外国人と契約
第14節を終えて勝分敗でマレーシアフットボールリーグMFL1部プレミアリーグの位に低迷するペラTBGがトランスファーウィンドウ期間中では3人目となる新外国人と契約したことを、当地の英字新聞スターのオンライン版が伝えています。
 ペラTBGと契約したのは、コートジボワール生まれのレバノン人DFフセイン・エル・ドール(25)で、契約期間は6ヶ月です。また、ケガで前節から欠場中だったオーストラリア人のDFザック・アンダーソンが、エル・ドール選手に代わって退団することになりました。モルディヴのニュー・ラディアントFCやインドのチャーチル・ブラザーズFCなどアジアでのプレー経験もある190cmと長身のエル・ドール選手は、登録後は早速、昨日のパハンFAとの試合にも出場しています。
 前節第13節のPKNP FC戦では新外国人のロナウドが2ゴールを決め、そしてFAカップの準々決勝のPKNP FC戦はやはり新外国人のカレッカが2ゴールを決めるなど攻撃陣は新外国人の活躍で勢いづいているペラTBGが、第13節終了時点で17失点という守備陣を立て直すことができれば、上位陣に食い込むこと可能です。

MFL3部から1部に移りいきなり2ゴールを決めた選手
トランスファーウィンドウ期間中に移籍するのは外国人選手だけではありません。
 当地のマレー語紙ブリタ・ハリアンのオンライン版が、MFL1部スーパーリーグのトレンガヌFCと契約したナビル・アーマド・ラトピを取り上げています。ナビル選手は、MFL3部M3リーグのアルティメイトFCから移籍金無しで移籍してきた27歳のFWで、2018年シーズンはPDRM FCでプレーしていましたが、シーズン後に解雇され、今シーズンはアルティメイトFCと契約していました。
 アルティメイトFCは今年の4月2日にマレーシアFAカップの2回戦でトレンガヌFCと対戦し0-5で大敗していますが、ウィングのポジションに人材不足を感じていた前トレンガヌFCのイルファン・バクティ監督がこの試合でのナビル選手の動きを見て、トランスファーウィンドウが開くと同時に獲得に動いたという経緯があります。
 アルティメイトFCではストライカーとしていたプレーしてナビル選手は、トレンガヌFCでは左ウィングとしてプレーしていますが、スーパーリーグデビュー戦となった5月14日のプタリン・ジャヤ(PJ)シティFC戦では先発スタメン出場する早速ゴールを決め、さらに5月18日のフェルダ・ユナイテッド戦では途中出場ながら先制ゴールを決めるなど、2試合で2ゴールと活躍しています。
 トレンガヌFCは、マレーシアFAカップの準々決勝ではパハンFAに敗退し、5月14日のPJシティFC戦後にイルファン・バクティ監督が成績不振の責任を取り辞任するなど暗い話題が続く中で、このラトピ選手がマレーシア版ジェイミー・バーディーとなれるかどうかに注目が集まっています。


 

MFL第14節の結果まとめ

5月17日(金)から5月19日(日)にかけて行われたマレーシアフットボールリーグMFL第14節の結果です。

MFL1部スーパーリーグ

プタリン・ジャヤ(PJ)シティFC1-0クアラ・ルンプール(KL)FA
得点者:PJシテイFC-サフィ・サリー(90分)
 この試合を観戦しましたが、両チームとも決め手を欠き、無得点のまま試合終了かと思ったその時にたった一つのミスで決着がつきました。KLFAの苅部隆太郎選手はレフトバックでスタメンフル出場し、要所では効果的な活躍をしていたのですが、最後にGKとのコミュニュケーションがうまくいかず、途中出場のサフィ・サリーがそのミスを見逃さずPJシティFCの決勝ゴールにつながりました。

ジョホール・ダルル・タクジム(JDT)2−1PKNS FC
得点者:JDT-サファウイ・ラシド(18分)、ジオゴ(61分)、PKNS FC-ロメル・モラレス(30分)
 アジアサッカー連盟AFCチャンピオンズリーグACLのグループステージ最終戦、アウェイでの慶南FCを来週の水曜日に控えるJDTにとっては、勢いをつけるためにも国内では負けるわけにはいかない試合でした。将来の代表のエース(と私が思っている)サファウィ・ラシドの先制ゴールは、帰化選手の候補にも上がっているロメロ・モラレスのゴールで同点にされましたが、ゴール前の混戦からジオゴがヘディングで決勝ゴールを決めています。

クダFA2-1マラッカ・ユナイテッド
得点者:クダFA-バドロル・バクティアル(61分)、ジャン・スクウォン(71分OG)、マラッカ・ユナイテッド-ルカ・ミルノヴィッチ(31分)
 前節第13節では、スランゴールFAの新外国人FWイフェダヨ・オルセグンのハットトリックで大敗したクダFAが、マラッカ・ユナイテッド相手に勝利しリーグ順位を3位と上げました。クダFAは次節第15節はアウェイのJDT戦です。
 一方のマラッカ・ユナイテッドは前節は最下位のフェルダ・ユナイテッド相手にルカ・ミルノヴィッチがハットトリックを決めるなど6-0の圧勝でしたが、この試合はミルノヴィッチが2試合連続ゴールを決めたものの、最後はオウンゴールで逆転負けでした。

フェルダ・ユナイテッド1-1トレンガヌFC
得点者:フェルダ・ユナイテッド-池田圭(88分)、トレンガヌFC-ナビル・ラトピ(83分)
 前節にKLFAと入れ替わりで最下位へ落ちたフェルダ・ユナイテッドは、上位チーム相手に貴重な勝点1を手にしました。
 また、前節の試合後にイルファン・バクティ監督が辞任したトレンガヌFCにとっては、上位進出が遠のく引き分けと言えるでしょう。
 なお、前節第12節はベンチ入りしていなかったフェルダ・ユナイテッドの渡邉将基選手は先発スタメンでフル出場、池田圭選手は72分から出場して、今シーズン3ゴール目となる貴重な同点ゴールを決めています。

PKNP FC1-1スランゴールFA
得点者:PKNP FC-G・ムゲンティラン(48分)、スランゴールFA-イフェダヨ・オルセグン(29分)
 前節は新加入のイフェダヨ・オルセグンのハットトリックで上位のクダFAに快勝しましたが、この試合ではトマス・アビィ、ジャンカルロ・ロペス、アマニ・アギナルドといった外国人選手をケガや累積警告による出場停止で欠く下位のPKNS FC相手に上位進出にとっては手痛い引き分けとなりました。

パハンFA0-0ペラTBG
得点者:なし
 いずれもワールドカップ予選出場の代表候補となっているキャプテンのDFシャルル・サアドを累積警告による出場停止で、GKハフィズル・ハキムをケガで欠いたペラTBGでしたが、後半は明らかに引き分け狙いの戦術で、2位パハンFAを完封し、勝点1を獲得しました。
 一方のパハンFAはFWディクソン・ヌワカエメがケガで欠場して以来3試合連続の無得点の1分2敗と明らかな得点力不足に苦しんでおり、JDTとの勝点差を1つ詰めたものの、その差はまだ10あり、リーグ優勝を狙うには痛恨の引き分けでした。

MFL2部プレミアリーグ

トレンガヌFC II1−0PDRM FC
得点者:トレンガヌFC II-セルヒイ・アンドリエイエフ(43分)
 トレンガヌFC IIの鈴木ブルーノ選手は先発スタメンでフル出場しています。

UKM FC0-1サバFA
得点者:サバFA-アギナルド・ポリカルポ(49分)
 サバFAは、期限付き移籍で獲得していたセルビア人MFルカ・ミルノヴィッチがマラッカ・ユナイテッドへ復帰し、ブラジル人FWルイス・カルロス・ジュニオールとの契約を解除しましたが、同時に二人の新外国人選手をトランスファーウィンドウ期間中に獲得しました。一人はトルクメニスタン出身のMFアフメット・アタエフで、彼は今年1月9日に行われたアジアサッカー連盟AFC選手権での対日本戦でもゴールを決めています。もう一人がこの試合でゴールを決めたアンゴラ出身のFWアギナルド・ポリカルポです。

UITM FC2-1サラワクFA
得点者:UITM FC-ザルコ・コラチ(29分)、ナズリン・シャムスル(85分)、サラワクFA-ボビー・ゴンザレス(3分)
 ついにUITM FCが今シーズン初の敗戦で勝利数でもJDT IIを抜き、8勝2分3敗の勝点26で勝点25のJDT IIを抑えて首位に浮上しました。

ヌグリ・スンビランFA3-1ケランタンFA
得点者:ヌグリ・スンビランFA- アルミール(5分)、イゴール・ルイス2(26分、28分)、ケランタンFA-ニック・アキフ・シャヒラン(65分PK)
 新戦力のブラジル出身FWイゴール・ルイスの2ゴールなどでヌグリ・スンビランFAが快勝しています。アルミール選手のゴールをアシストするなどチームの勝利に貢献したヌグリ・スンビランFAの中武駿介選手は先発スタメンでフル出場しています。
 各チームが新外国人を獲得し、その多くが活躍している他チームと比べると、ケガが完治しないまま出場を続けている(しかも途中交代し続けている)ブラジル人DFカッシオ・デ・ジーサスしか外国人がいないケランタンFAは、今シーズンの残り試合もこの体制で臨むようですので、このままだとMFL3部のM3リーグ降格に一番近いチームとなりそうです。

JDT II0-2ペナンFA
得点者:ペナンFA-セルジオ・アグエロ(34分)、カサグランデ(46分)
 ペナンFAは、スランゴール・ユナイテッドから移籍のFWセルジオ・アグエロが2試合連続ゴール、マラッカ・ユナイテッドから期限付き移籍のFWカサグランデが移籍後初ゴールを決め、JDT IIの今シーズン初の黒星をつけました。
 セルジオ・アグエロは元ハイチ代表のMFセバスティアン・テュリエールに代わって、カサグランデはザンビア出身のFWンドゥンバ・マケチェに代わっての入団です。

5月18日のニュース:サフィク・ラヒムの今季移籍はなし、その一方で移籍したい選手も

サフィク・ラヒムの今季移籍はなし
先日取り上げたマラッカ・ユナイテッドのMFサフィク・ラヒムのクダFAへの噂を、マラッカ・ユナイテッドを運営するマラッカ・ユナイテッドFA(MUFA)のファルハン・イブラヒム事務局長が否定していると、当地のマレー語紙ハリアン・メトロのオンライン版が伝えています。
 ファルハン事務局長は、現時点ではどのチームあるいはどのFAともサフィク選手の移籍に関する話し合いをしている事実はないとしています。また、現在試合に出場している選手の期限付き移籍を許容する予定もないとも発言しています。
 現在MUFAが期限付き移籍させている選手は、G・ゴピナタン(PDRM FC)、ワン・シュクリ・ワン・アーマド、アンセルモ・カサグランデ(いずれもペナンFA)、ヌルシャミル・アブドル・ガニ(スランゴール・ユナイテッド)、ダルコ・マルコヴィッチ(KLAF)の5名としています。

その一方で移籍したい選手も
このブログでケランタンFAを取り上げる時には、残念ながらほぼ毎回がネガティブな内容なのですが、今回も契約解除を求める選手についてです。
 マレー語紙ウトゥサン・マレーシアのオンライン版によると、ケランタンFAと契約したピヤことモハマド・バドリ・モハマド・ラジが、給料未払いによる契約解除を求めていると伝えています。
 2012年にはケランタンFAの主将として、ケランタンFAのリーグ優勝、マレーシアカップ優勝、FAカップ優勝のいわゆる「トレブル」を達成したピヤ選手は、今シーズン開幕時は、マレーシアフットボールリーグMFL2部プレミアリーグのプルリスFAに所属していましたが、プルリスFAによる給料未払い問題により退団し、ケランタンFAと契約していました。しかし、今回の報道によると3月16日にケランタンFAと契約して以来、全く給料が支給されていないとして、契約書の8.7項「選手は2ヶ月以上給与が支給されない場合、無条件で契約を解除できる」を使って、ケランタンFAに契約解除と移籍証明書の発行を求めています。
 ピヤ選手については、このブログでも2月と4月に取り上げていますが、4月の記事では、ケランタンFAと契約してから1ヶ月も経たないうちに退団希望の意思表示をしたことを取り上げました。4月の時点では「2ヶ月以上給与が支給されない場合」に該当せず、ケランタンFAの会長から練習参加が命じられていましたが、流石に今は5月中旬ですので、今回はFAに拒否権はないでしょう。

観戦記:5月17日MFL1部スーパーリーグ第14節プタリンジャヤシティFC対クアラ・ルンプールFA@MBPJスタジアム

 この日はシャー・アラムスタジアムでリーグ8位のPKNS FC対1位ジョホール・ダルル・タクジム(JDT)のカードもありましたが、前節に0−3から5-3と大逆転でトレンガヌFCを破った(その結果、トレンガヌFCは監督辞任となりました…。)9位プタリン・ジャヤ(PJ)シテイFCと、PKNS FCに勝って最下位を脱出した11位クアラ・ルンプール(KL)FAを観戦することにしました。会場はPJシティFCのホーム、セランゴール州プタリン・ジャヤにあるMBPJスタジアムです。
 今日も観戦はバックスタンドです。大人の入場料は15リンギ(約400円)です。

入場時には、試合中にスタジアムの外に出ても再入場できるようにスタンプを押してくれます。MBPJスタジアム内は飲食物の販売がほぼないので、スタジアムの外へ出て、周りにある屋台で購入します。

前回、MBPJスタジアムで観戦したMFL2部のスランゴール・ユナイテッド対JDT IIでは使用されていなかったスコアボードも、今日の1部の試合では稼働しています。

しかし、今日も観客は少ないなぁ。ちなみにこの日の観客数は400数十名というアナウンスが、試合後半途中でありました。

両チームがグラウンドに整列しました。赤いユニフォームがKLFA、水色のユニフォームがPJシティFCです。

試合開始です。

KLFAのサポーター。PJシティFCのサポーターのチャントに何度も「黙れ!」と怒鳴ったりするなど、少々ガラが悪かったです。

シュートが決まり、ゴールキーパーがへたり込んでいますが、これはオフサイドでした。

前半は0-0で終了しました。

後半は、席を移動して観戦しました。KLFAの苅部隆太郎選手(背番号7)は左サイドバックでスタメン、フル出場しました。パスのコースを読んで潰したり、ゴールキーパーからボールをもらって攻撃の起点となるなど、KLFAにとっては欠かせない存在になっていました。

PJシティFCのサポーターグループ。Go Westのメロディーに合わせたチャントは、ここでも歌われていました。

試合はこのまま0-0で終了かと思ったその瞬間、途中出場のサフィ・サリがゴールを決めてPJシティFCがリードしました。喜ぶPJシティFCの選手たち。KLFAのDFヒシャムディン・サアリの中途半端なクリアが苅部選手とGKファリズエアン・カマルディンの間に落ち、その僅かな隙をサフィ選手が見逃さずに足を出しました。

電光掲示板の時計は、既に90分になっていました。

KLFAは反撃する時間もほとんどなく、そのまま試合終了となりました。

5月17日のニュース:AFF U19に向けてU19代表の監督が抱負を語る 、サフィク・ラヒムはクダFAへ移籍か

AFF U19に向けてU19代表の監督が抱負を語る
アセアンサッカー連盟AFFのU19選手権は8月5日から18日までベトナムで開催されますが、この大会に向けてU19代表のボジャン・ホダック監督が語った抱負が当地の英字紙スターのオンライン版に掲載されています。
 クロアチア人のホダック監督は、昨年のインドネシアで開催されたこの大会でマレーシアを初優勝に導き、さらにチームもアジアサッカー連盟AFCのU19選手権本大会へ12年ぶりの出場を果たすなど好成績を挙げています。
 しかし今年のU19代表についてホダック監督は、国際試合の経験が不十分であること、また今回の大会での予選グループでの組み合わせから、苦しい試合になるだろうと予想しています。そのため、この大会はAFC U19選手権予選のために強豪との対戦経験を積むためのものとして考えており、そのためにも早めの準備が必要なことを主張しています。
 ベトナムでの大会ではマレーシアは、開催国ベトナムのほか、オーストラリア、タイ、シンガポール、カンボジアと同じグループBに入っており、8月6日のベトナム戦が初戦となります。
 チームはイスラム教の断食月中も練習を続けており、マレーシアフットボールリーグMFLのチームとの練習試合も今月中には予定されているとのことでが、断食明けの練習では選手たちが体重を増やしている可能性があるので、日程を前倒しにして練習を続け、選手のコンディションに目を光らせているとも述べています。
 なお、参考までに付け足しておくと、イスラム教の断食月は今年は5月6日に始まり、6月4日に終わりますが、断食月明けのお祝いはいわば日本の正月のようなものなので、実家に帰省して親兄弟と飲み食いに明け暮れるのが一般的なので、その点を憂慮しての発言でしょう。

サフィク・ラヒムはクダFAへ移籍か
サッカー中継チャンネル、スタジアムアストロのオンライン版は、マレーシアフットボールリーグMFL1部スーパーリーグのマラッカ・ユナイテッドに所属するサフィク・ラヒムがクダFAへ移籍するのでは、という噂が出ていると報じています。
 クダFAのアイディル・シャリン・サハック監督は、スタジアムアストロの取材に対して、自分の仕事はチームを指導することであり、経営陣が何をしているかは知らせれていないとしています。またクダFAの選手の中にはサフィク選手の移籍を歓迎していないという噂についてはキャプテン、バドロル・バクティアルが選手として経営陣の決定に従うと発言し、これを否定しています。
 実は昨年のシーズン終了後にも、サフィク・ラヒム選手のクダFA移籍の噂があり、その際にはサフィク選手自身も移籍希望の意思表示をしていたものの、クダFAに獲得の意思がなかったことがメディアで伝えられていました。
 現在スーパーリーグ5位のクダFAは、今シーズン前に加入したイラク出身のMFアンマル・アルムバラキがケガがちで毎試合に出場できておらず、攻撃、守備のどちらもできるサフィク・ラヒムは現在のクダFAに欠けているピースを埋める人材だとしています。

5月16日のニュース:TFCの監督が辞任、ワールドカップ一次予選出場の代表候補選手が発表

トレンガヌFCの監督が辞任
マレーシアフットボールリーグMFL1部スーパーリーグのトレンガヌFCの監督が辞任しました。当地のマレー語紙ウトゥサン・マレーシアのオンライン版によると、イルファン・バクティ・アブ・サリム監督は、チームの不調の責任を取るため、トレンガヌFCの母体であるトレンガヌサッカー協会(トレンガヌFA)に辞表を提出し、受理されたとのことです。トレンガヌサッカーFAのテンク・ファロウク・フシン・テンク・アブドル・ジャリル事務局長が記者会見で発表しました。
 これに先立って、5月14日に行われたホームでのプタリン・ジャヤ(PJ)シティFCとの試合で3-0とリードしながら3-5と大逆転で敗戦した結果を受け、数百人のファンが試合会場となったスルタン・イスマイル・ナサルディン・シャースタジアムの外で抗議行動を行い、選手やイルファン監督、トレンガヌサッカー協会(トレンガヌFA)関係者との面会を求めるなどの混乱がありました。
 また5月10日には、第1戦で2−1とリードしていたFAカップ準々決勝でも、第2戦でパハンFAに0−4で敗れ、通算成績2-5で敗退しています。
 ともにマレー半島東海岸に面して隣接するライバルのパハンFAに逆転負けし、またリーグの順位では明らかに下位のPJシティFCにも逆転で大敗したことで、ファンの不満が爆発したのは、ある意味理解できますが、PJシティFC戦後にはコーチを支持する発言をトレンガヌ州知事でもある、トレンガヌFAのアーマド・サムスリ・モクター会長が行なっていただけに、事態が急転直下した印象も否めません。
 退任したイルファン前監督は、2011年には当時のトレンガヌFA(現在のトレンガヌFC)をFAカップ優勝、マレーシアカップとスーパーリーグではそれぞれ準優勝へと導き、年間最優秀監督賞を受賞しています。また、6年ぶりにトレンガヌFCの監督として復帰した2017年には、MFL2部プレミアリーグに降格していたトレンガヌFCをリーグ2位で1部スーパーリーグへ昇格させるなど、トレンガヌ州のサッカー界では功績を残した人物ですので、その分、ファンの期待も高かったのかもしれません。
 監督の後任は未定で、モハマド・ナフジ・ザインアシスタントコーチが監督代行となり、残りのリーグ戦9試合とマレーシアカップの指揮をとることになっています。

ワールドカップ一次予選出場の代表候補選手が発表
マレーシアサッカー協会FAMのホームページで、2022年FIFAワールドカップカタール大会予選兼2023年アジアカップ予選に出場するマレーシア代表候補選手26名が発表になっています。
 代表候補は5月27日から始まる強化合宿を経て、最終代表メンバーが23名が決定します。マレーシア代表は6月2日にはブキ・ジャリル国立競技場で行われるネパール代表との練習試合を経て、6月7日と11日に同じ会場で行われるワールドカップアジア予選1回戦の東ティモール代表との試合に臨みます。なお、東ティモールの希望により、ホーム、アウェイの試合ともマレーシアで行われることになっています。
 今回のメンバーには、今年3月に行われたエアマリンカップの際に、アジアサッカー連盟AFC U23選手権予選と日程が重なっていたために招集できなかったサファウィ・ラシド、アキヤ・ラシド(以上JDT)、シャマー・クティ・アバ、ドミニク・タン・ジュンジン(以上JDT II)、シャミ・サファリ(スランゴールFA)、ファイサル・アブドル・ハリム(パハンFA)といったメンバーも選ばれており、タン・チェンホー監督が現在、望むことができるベストの選手たちと言えるでしょう。
 今回の代表候補で個人的に注目したいのは二人、一人は現在はMFL2部プレミアリーグの首位JDT IIでプレーするDFドミニク・タン・ジュンジンです。AFC U23選手権予選でも、そしてJDT IIでもレギュラーとしてプレーしたドミニク選手は183cmとマレーシア人としては大柄なセンターバックで、今回がフル代表初招集です。U23代表では不動のレギュラーだったタン選手がフル代表のDF陣に食い込めるのかどうかに注目したいと思っています。
 そしてもう一人はJDTでプレーするやはりDFのラヴェル・コービン=オングです。イギリスのロンドン生まれでカナダのバンクーヴァー育ちのコービン=オング選手は、父親がバルバドス人、母親がマレーシア人ということでイギリス、カナダ、バルバドスそしてマレーシア代表でプレーする資格がありました。ドイツやオランダでプロ選手としてプレーしたコービン=オング選手は、昨年の3月にマレーシア代表に召集されましたが、その時は試合出場がありませんでした。現在は1部スーパーリーグの首位を走るJDTの不動のレフトバックとして活躍し、先日のAFCチャンピオンズリーグ鹿島戦でも存在感を示しました。上記のタン選手がバックラインの最後を固めるタイプなら、コービン=オング選手は184cmと長身ながら積極的な攻撃参加を持ち味とする、これまでの代表にはいなかったタイプの選手ですので、こちらもタン監督がどのように起用していくのかが楽しみです。

ポジション氏名年齢所属
GKファリザル・マーリアス33JDT
ハフィズル・ハキム26ペラTBG
イフワン・アクマル23クダFA
DFアダム・ノー・アズリン23JDT
ラヴェル・コービン=オング28JDT
ドミニク・タン・ジュンジン22JDT II
シャズワン・アンディック23JDT II
マシュー・デイヴィズ24パハンFA
シャミ・サファリ21スランゴールFA
シャルル・サアド26ペラTBG
ロドニー・セルヴィン・アクウェンシヴィ23PKNS FC
イルファン・ザカリア24KLFA
MFアクラム・マヒナン26PKNS FC
ケニー・パッラジ・ダバラギ26ペラTBG
ハリム・サアリ25スランゴールFA
ファイズ・ナシル27スランゴールFA
シャマー・クティ・アバ22JDT II
ノー・アザム・アジ24パハンFA
FWアキヤ・ラシド20JDT
サファウィ・ラシド22JDT
シャフィク・アーマド24JDT
モハマドゥ・スマレ25パハンFA
ノーシャルル・イドラン・タラハ33パハンFA
ファイサル・アブドル・ハリム21パハンFA
シャズワン・ザイノン30スランゴールFA
シャーレル・フィクリ25ペラTBG

MFL第13節の結果まとめ(2)

マレーシアフットボールリーグの1部スーパーリーグは、第13節が5月14日(火)と5月15日(水)に行われました。その結果まとめです。

ジョホール・ダルル・タクジム(JDT)2-0パハンFA
得点者:JDT-ハリス・ハルン(69分)、アキヤ・ラシド(90分)
 この試合は全国中継されていたので、テレビ観戦しましたが、いやぁーJDTは強い!アジアサッカー連盟AFCチャンピオンズリーグで鹿島に勝ってモチベーションも高かったのでしょうが、素人目で見ても、全員が攻守によく走る。この試合の先制点は、パハンFAのコーナーキックのこぼれ玉を拾っての自陣からのカウンターによるものでした。ゴールを挙げたハリス・ハルンはこれが今シーズン初得点ですが、全員で攻め、全員で守るというJDTの強さを象徴しているのではないでしょうか。
 一方のパハンFAは、エースのディクソン・ヌワカエメが怪我のため、ベンチ入りすらできなかったのが痛かったところでしょう。第11節のJDTとの天王山ではフル出場したものの、前節第12節ではやはりベンチ入りできずプタリン・ジャヤ(PJ)シティFC相手にまさかの敗戦を喫し、今日の試合で痛すぎるリーグ戦2連敗となりました。
 この日のJDTの勝利で首位JDTと2位パハンFAの勝点差は8と広がりました。スーパーリーグではこの日の勝利で73試合負けなし、ホームでは26連勝といずれもリーグ記録を更新中のJDTは、このまま首位の座を譲ることなくシーズンを終える可能性が非常に高くなった、という感じです。

ペラTBG3-1PKNP FC
得点者:カレッカ2(7分、71分)、ロナウド(29分PK)、PKNP FC-ヤシル・ピント(38分)
 先日のFAカップに続き、この試合も新外国人FWが活躍したペラTBG。カレッカことライアンデルソン・モライスの2ゴールとロナウドのゴールでPKNP FCを振り切っています。この勝利でペラTBGは6位に浮上し、遅まきながら調子を上げてきました。FAカップではすでに敗退している上、第13節終了時点で首位と勝点差17 では流石にリーグ戦の優勝は難しいかもしれませんが、残るマレーシアカップに専念すれば、連覇も可能な勢いです。

トレンガヌFC3−5プタリン・ジャヤ(PJ)シティFC
得点者:トレンガヌFC-チェチェ・キプレ(11分)、ナビル・ラトピ(18分)、アシャリ・サムスディン(19分)、PJシティFC-エリゼウ(49分)、ペドロ・エンリケ2(57分、80分)、ワシントン・ブランダオ(58分)、ザミル・ラムリ(77分)
 前半終了時点で3-0とリードしていたトレンガヌFCが、後半に一挙5失点で敗戦という壮絶な試合でした。この試合の後、会場となったトレンガヌFCのホーム、スルタン・イスマイル・ナシルディン・シャースタジアムの外では、試合結果に不満な一部のファンが抗議行動を行うなど、不穏な空気であったと現地メディアは伝えています。

クアラルンプール(KL)FA2−1PKNS FC
得点者:KLFA-インドラ・プトラ・マハユディン(28分)、アズミ・ムスリム(57分)、PKNS FC-ロメル・モラレス(5分)
 KLFAはこの試合の勝利で、最下位を脱出!得失点差では劣るものの勝点は10位のPKNP FCと並んでいます。次節第14節では、勝点差3の9位のPJシティFCとの直接対決が控えています。
 KLFAの苅部隆太郎選手はスタメンでフル出場しています。

スランゴールFA3-1クダFA
得点者:スランゴールFA-イフェダヨ・オルサグン3(35分、44分、57分)、クダFA-フェルナンド・ロドリゲス(65分)
 スランゴールFAの新戦力FWイフェダヨ・オルサグンが初先発の試合でいきなりハットトリックを決め、スランゴールFAがクダFAに快勝しました。
 この勝利でスランゴールFAは今シーズン最高位の3位に浮上し、2位のパハンFAとの勝点差を1としています。イフェダヨ選手にシャミ・サファリ、サンドロ・ダ・シルヴァ、シャズワン・ザイノンで構成する前線はJDTやパハンFAとも十分戦えそうですが、3位のチームながら、リーグでは下から数えて5番目に多い21失点で、得失点差も+2という数字が表すようにこのチームの課題は何と言っても守備陣。今日の試合も後半にクダFAが投入した運動量が豊富なファヤッド・ズルキフリを自由にした結果、ゴールポスト直撃で助かった2本を含む複数のシュートを打たれていましたが、ジオゴやゴンザロ・カブレラ(JDT)やディクソン・ヌワカエム(パハンFA)なら確実に決められていたでしょう。この辺りを次節までにどのように修正してくるかがスランゴールFAの注目ポイントでしょう。
 一方、負けたクダFAは、この日、フェルダ・ユナイテッドに大勝したマラッカ・ユナイテッドにも抜かれて一気に5位へ転落しました。

マラッカ・ユナイテッド6-0フェルダ・ユナイテッド
得点者:マラッカ・ユナイテッド-パトリック・ライフェルト(5分)、サフィク・ラヒム(25分)、ルカ・ミルノヴィッチ3(36分、53分、89分)、ナズリン・ナウイ(36分)
 今シーズンリーグ最多となる6得点を挙げたマラッカ・ユナイテッドが大勝しました。トランスファー・ウィンドウ期間中にMFL2部サバFAから期限付き移籍を終えて復帰したルカ・ミルノヴィッチがハットトリックの活躍で、マラッカ・ユナイテッドを4位に押し上げています。
 フェルダ・ユナイテッドは、主将でエースのハディ・アワンを欠く苦しい状況が続いていますが、この敗戦で最下位転落です。
 フェルダ・ユナイテッドの池田圭選手はスタメンでフル出場しましたが、渡邉将基選手はベンチ入りしませんでした。

5月14日のニュース:ケランタンFAの混乱は続く、今回はブラジル人FWとの契約を解除

ケランタンFAはブラジル人FWとの契約を解除
当地のマレー語紙ハリアン・メトロのオンライン版によると、ケランタンFAのブラジル人FWフラヴィオ・ベック・ジュニオールが退団しました。なおフラヴィオ選手はインドネシア1部リーグのバヤンカラFCへ移籍します。
 ケランタンFAは2017年に就任したものの2ヶ月間で退任したウルグアイ人のテクニカルダイレクター、アルフレド・カルロス・ゴンザレズ氏へのおよそ23万リンギ(約600万円)とされる給料未払い問題により、FIFAからリーグ戦の勝点3剥奪の処分を今年の4月に受けています。
 またマレーシアフットボールリーグMFLが2部プレミアリーグに参加する各チームに年間助成金として100万リンギ(約2700万円)を提供しますが、ケランタンFAはシーズン前の選手登録書類提出の遅れから罰則として50%の減額処分を受けていました。しかしこれが今月初旬に10%の減額となったことで、その一部を使ってゴンザレズ氏への給与支払いが可能になったとしています。
 しかし、給与未払い問題を過去にも起こしていたため、ケランタンFAは今月2日から29日までの期間で開いているトランスファーウインドー期間中の新たな選手の獲得をマレーシアサッカー協会より禁止されています。
 このため、今シーズンはこれまでにチームトップの4得点を決めているフラヴィオ選手が退団後、その代わりの選手はマレーシア人、外国人を問わず獲得することはできないため、戦力ダウンは必至です。
 また現在所属する選手の社会保険料や年金などの支払い済みを証明する書類が今月22日までにMFLに提出されない場合、ケランタンFAは、さらに勝点3が剥奪されることになっています。
 ケランタンFAの会長の座を巡っては、現在のビビ・ラムジャニ会長に現在の混乱の責任を取って辞任を求める勢力と現会長との間の権力闘争とも取れる内紛が続いており、山積している問題が収集しなければ、ケランタンFAは1部スーパーリーグへの昇格どころか、2部プレミアリーグからの降格の恐れすらあります。