8月30日のニュース:クラブ民営化で伝統喪失の危機、イングランド2部のクラブのマレーシア人オーナーが「成功」を厳命、移動制限措置適用地域在住のクダFA主将は無事チームに合流

クラブ民営化で伝統喪失の危機
 9月30日に迫ったMリーグ1部と2部のクラブの民営化の期限を前に、複数のクラブを伝統の喪失に直面していると、英字紙ニューストレイトタイムズ電子版が報じています。
 各クラブは来季以降もMリーグに所属するためには民営化が義務付けられていますが、この民営化によってクラブはより高いプロ意識や安定した持続可能性を持つことが期待される一方で、長年使い続けてきた伝統あるクラブのエンブレムやロゴを放棄し、新しいものを採用せざるを得なくなっているということです。
 例えばスランゴール州サッカー協会(スランゴール州FA)が運営するMリーグ1部のスランゴールFCは、スランゴール州を代表するクラブとして1936年からスランゴール州FAのエンブレムをユニフォームにつけてプレーしてきました。

 「勇気」を象徴する赤と「王権」や「高貴さ」を象徴する黄色を基調とし、スランゴール州の紋章も描かれたエンブレムは、現在、エリートアカデミーの名称にもなっているかつての名選手モクタル・ダハリらも着用したスランゴール州を代表するチームのユニフォームにいつも輝いていましたが、来季からは選手の誇りを象徴するエンブレムが使用できなくなるということです。
 スランゴール州FAは、クラブの民営化を進めるマレーシアサッカー協会FAMに対し、民営化後も州FAエンブレムの継続的な使用許可を求めたとされていますが、エンブレムの変更も民営化の要件の一つであることから、それが認められる可能性は極めて低そうです。現にFAMのハミディン・アミン会長は州FAと民営化されたクラブが同じエンブレムやロゴを使うことを認めておらず、民営化されたクラブは州FAのエンブレムとは異なるものをつかことを義務とするコメントを発表しています。
 なお来月9月30日までに民営化が完了しないクラブは、来季2021年シーズンはMリーグ3部にあたるM3リーグに降格になるとされています。

イングランド2部のクラブのオーナーが「成功」を厳命
 イングランド2部リーグで2019/2020年シーズンは5位に終わったカーディフシティFCは、マレーシアのビジネスマン、ヴィンセント・タン氏が2010年からオーナーです。チームのユニフォームの胸スポンサーでもあるタン氏は、ユニフォームにVisit Malaysiaのスローガンを採用してきました。(写真左)

 英字紙ニューストレイトタイムズ電子版によると、この胸のスローガンが今季2020/2021年シーズンからMalaysia Berjaya(berjaya-ブルジャヤはマレーシア語で「成功」の意味)と変わることが発表されています。(写真右)
 リゾートを含めた不動産投資開発や旅行産業を運営するコングロマリットで財をなしたタン氏は「マレーシアを世界的に売り込む」ことを目的として、Visit Malaysiaのスローガンを使ってきました。その上で「新しいスローガンは自分の愛国心と自らが設立したコングロマリットのブルジャヤグループの二つの意味を持っている。」と話し、スローガンがMalaysia Berjayaと変わっても目的は変わらないと話しています。
 このスローガン変更についてはカーディフシティFCのニール・ハリス監督も「2019/2020年シーズンはプレーオフで敗れてプレミアリーグ昇格を逃したが、マレーシア語の)Berjayaの意味を理解してから、新たなシーズンには「成功」が求められていると思っている。」と話しています。
 なお、ヴィンセント・タン氏はカーディフシティFCの他、19歳のルクマン・ハキム・シャムスディンが加入したことで話題を集めたベルギー1部のKVコルトレイクのオーナーでもあります。

移動制限措置適用地域在住のクダFA主将は無事チームに合流
 Mリーグ1部のクダFAを運営するクダ州サッカー協会(クダ州FA)は、住民の自由な移動が制限されている移動制限措置が発令中のスンガイプタニ在住のバドロル・バクティアルに代わって提出していた適用除外申請が認められたことを発表しています。
 バドロル選手の雇用主であるクダFAによる申請が許可されたことにより、クダFAの主将でもあるバドロル選手はチームと共にPDRM FCとの対戦地であるクアラルンプールへ移動が可能になったと、ニューストレイトタイムズ電子版が報じています。
 新型コロナウィルの新たなクラスターとなる懸念からスンガイプタニに移動制限措置が適用されることが発表され、この措置が適用されている地域の住民は、その地域外に出て活動を行う場合には申請を行うことが標準作業手順SOPにより義務付けられています。定められています。
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 マレーシア国内の移動制限措置が定期用される地域には警察などが検問を設けて、人の出入りを制限しており、上記のような適用除外許可証などの書類がなければ、実際にその地域を離れることは不可能です。

8月4日のニュース:ケランタン州FAに勝点剥奪処分が下る、そのケランタン州FA内部から今季リーグ戦出場辞退すべきの声も上がる、U19代表の第二次合宿開始で将来のエース二人の共演に期待が集まる

ケランタン州FAに勝点剥奪処分が下る
 マレーシアサッカー協会FAMは公式サイト上で、Mリーグ2部のケランタンFAを運営するケランタン州サッカー協会KAFAに対して、未払い給料問題の解決の遅れを理由にケランタンFAの勝点3剥奪(はくだつ)処分を課したことを発表しています。
 FAMのクラブライセンス発給を担当する第一審交付機関FIBの会合で下された処分は、KAFAが期限までにかつて在籍した選手に対して約束された未払い給料の分割支払いを行わなかったことが理由であることも公表されています。本来は4月30日を期限としたいたこの支払いは、3月18日に新型コロナウィルス感染防止に伴う活動制限令MCOが発令され、Mリーグが中断されたことなどを考慮し、FIBはその期限を7月30日まで延期されました。しかし7月30日になっても未払い給料は選手やスタッフに支払われなかったことから、FAMは当初の期限を守らなかったKAFAに対して勝点3の剥奪処分を下したとしています。
 なおKAFAは7月30日付でFAMに対して手紙を送り、支払い期限を今季2020年シーズン終了まで延長することを求めていたということです。
 さらにFIBは新たな未払い給料の支払い期限として8月31日を設定し、この期限が守られない場合には、KAFAに対しては来季2021年シーズンのMリーグに出場するために必要なクラブライセンスは発給されないとしています。
 なおFIBの会合では、KAFAの他、Mリーグ1部マラッカ・ユナイテッドを運営するマラッカ州サッカー協会MUSA、PDRM FCを運営するマレーシア王立警察サッカー協会PDRM FA、サラワク・ユナイテッドを運営するサラワク州サッカー協会FASについても議題に取り上げられ、KAFAを含めた4団体全てが内国歳入庁(日本では国税庁に相当)への滞納金があり、FASを除く3団体は従業員積立基金と従業員社会保障制度にも滞納金があることが明らかになっており、こちらの滞納金も8月31日までに完済されない場合には、来季のクラブライセンス発給に影響が出る可能性があるとしています。
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 ケランタンFAはこの勝点剥奪処分により、Mリーグ2部プレミアリーグの7位(勝点4)から10位(勝点1)に転落し、11位のクチンFA、12位のペラIIとは勝点で並び、得失差のおかげで10位となっています。この現状に加え、昨日のこのブログでも取り上げましたが、未払い給料に愛想を尽かした選手の退団が噂されているケランタンFAは、来季の1部復帰どころから、3部降格の可能性も見えてきました。

そのケランタン州FA内部から今季リーグ戦出場辞退すべきの声も上がる
 マレーシア語紙ハリアンメトロ電子版は、未払い給料問題で揺れるケランタン州サッカー協会内KAFAから、8月26日再開予定のMリーグへの出場辞退の声が上がっていると報じています。
 Mリーグの各クラブは4ヶ月以上の中断を経て練習を再開し、リーグ再開に備えて準備を進めていますが、KAFAは上の記事で取り上げた未払い給料問題に加え、マレーシアサッカー協会FAMが9月30日を期限としているクラブの民営化手続きへの着手も遅れているということです。
 この状況下でKAFAのフシン・デラマン事務局長は、KAFA内の役員会の一部メンバーからは・現在抱えている問題の解決に専念し、運営するケランタンFAの今季のMリーグへの出場は辞退した方が良いのではないかという提案が出ていることを明らかにしています。
 「Mリーグに出場すれば、毎試合で移動や宿泊、安全対策などに費用がかかる。さらに今季は無観客試合で行われることから、入場料という貴重な収入を失うことになる。それならば期限が2ヶ月しか残されていないクラブの民営化と未払い給料の支払いに専念するべきだという意見が出ている。」とデラマン事務局長は語っているということです。

U19代表の第二次合宿開始で将来のエース二人の共演に期待が集まる
 8月3日から始まったU19代表候補第二次合宿では、将来の代表を背負う二人の選手の共演にサポーターの期待が高まっています。
 ベルギーのKVコルトレイクと5年契約を結んだ18歳のFWルクマン・ハキム・シャムスディンと、アメリカ育ちでアメリカ2部リーグのセントルイスFC U19でプレーする18歳のワン・クズリ・ワン・アーマドは、今回の代表候補合宿で始めてコンビを組みますが、これは多くのマレーシア人サポーターが楽しみにした共演の実現であるとマレーシア語紙ブリタハリアン電子版が報じています。
 第一次合宿には参加しなかったルクマン選手は、今回招集されたことに喜ぶと同時に、できるだけ早くチームに溶け込みたいと話しています。また、ワン・クズリ選手については、そのプレーは映像で見たことしかないものの、良い選手であることはわかっているので、早く一緒にトレーニングを行いたいとしています。
 「ワン・クアラ選手はU19代表に貢献してくれることは確かだが、自分自身も最終メンバーに残るために練習でも試合でも常に全力で臨みたい。新しい選手が加わることで競争心も生まれるので、そういった選手たちの参加は自分にとっても励みになる。」取るクマン選手は話しています。

8月3日のニュース:クダFA選手が未払い給料問題を正式に申し立て、クアラルンプールFAは来季はKLユナイテッドとして民営化、スランゴールFCは来季もMBPJスタジアムをホームとする可能性が浮上、ケランタンFA監督は給料未払いの状況下での選手のモチベーション低下を憂慮

クダFA選手が未払い給料問題を正式に申し立て
 マレーシアサッカー協会は、Mリーグ1部のクダFAの選手からマレーシアプロサッカー選手会PFAMに対して未払い給料に関する正式な申し立てが行われた報告を受けたことを明らかにしています。
 スポーツ専門サイトのスタジアムアストロによると、この報告を受けたFAMはクダFAを運営するクダ州サッカー協会KFAに対して、今月8月31日までに未払い給料の支払いを強く指示し、支払われない場合には来季2021年シーズンのMリーグに出場するライセンスがKFAに発給されない可能性があるとしてます。
 FAMのスチュアート・ラマリンガム事務局長は、2月からの5ヶ月間、給料が支払われていないとするクダFAの選手23名の連記による申し立てがPFAMになされ、PFAMからFAMに正式に報告されたと話しています。
 スチュアート事務局長は、未払い給料問題が8月31日までに解決しない場合には、この問題はPFAMからFAMの案件となり、来季2021年シーズンのMリーグ出場のためのライセンス発給に影響が出ることは必至であると話しています。
 さらにスチュアート事務局長は今季のFAカップが新型コロナウィルスの影響で中止となったことから、昨季のFAカップ優勝チームのクダFAが来季2021年のアジアサッカー連盟AFCチャンピオンズリーグ予選に出場資格を得たことを発表した上で、給料未払い問題の解決が遅れれば、FAMはこのACL予選の出場権剥奪も検討するとしています。
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 これまでメディアでは公然の事実として語られながら、正式な申し立てが行われていないことから対処のしようがないとスチュアート事務局長が繰り返してきたクダFAの未払い給料問題がいよいよ解決に向けて動き出したようです。
 その一方で別のメディアでは、3名の外国籍選手が弁護士を立てて8月14日を期限とした未払い給料の支払いを求め、それが実現しない場合には退団も辞さないという報道もあり、8月31日とされる期限を前に今後の展開が注目されます。

クアラルンプールFAは来季はKLユナイテッドとして民営化
 Mリーグ2部のクアラルンプールFAを運営するクアラルンプールサッカー協会KLFAは、9月30日の期限までにクラブの民営化を完了し、2年後を目処にKLFAから完全に独立したクラブチームとすることを目指していると、マレーシア語紙ハリアンメトロ電子版が報じています。
 KLFAのノクマン・ムスタファ事務局長は、来季のMリーグ1部および2部への出場だけでなく、AFC主催大会に出場するためにはクラブの民営化が条件となっていること挙げ、民営化されたクラブをKLユナイテッドと名付けると発表しています。
 またマレーシアサッカー協会FAMのクラブライセンス担当部署への問い合わせの結果、KLFAから完全に独立したクラブとするための期間としてして2年の猶予が与えられているとして、この間に企業スポンサーなどを獲得し、クラブにおけるKLFAの持ち株を放出すると話しています。
 「クラブの民営化後もKLFAは運営会社を設立するまで、クラブの主要株主として関与するが、同時に新たなクラブへの投資を希望する企業を獲得できるよう努めていく。まずは民営化クラブとして歩き始め、5社から6社のスポンサーを獲得するというのがKLFAが現在考えているプランである。」とノクマン事務局長は述べています。
 またMリーグ1部のペラTBGを運営しているペラ州サッカー協会PAFAのアズリン・ナズリ名誉理事は、「民営化を行わなければ、ペラTBGは(Mリーグ3部の)セミプロリーグでプレーすることになるが、そうするわけにはいかないので、期限の9月30日までには民営化手続きを完了したい。」として、今週に予定されているPAFAの総会で民営化についての計画を発表するとしています。

スランゴールFCは来季もMBPJスタジアムをホームとする可能性が浮上
 マレーシア語紙ブリタハリアン電子版は、Mリーグ1部スランゴールFCが来季のホームゲームをスランゴール州プタリンジャヤにあり、同じ1部のPJシティFCのホームであるMBPJスタジアムで開催する可能性があると報じています。
 スランゴールFCのサティアナタン・バスカラン監督は、スランゴールFCを運営するスランゴール州サッカー協会FASがMBPJスタジアムを来季のホームとすると決定した場合には異論はないと話しています。
 この発言は数日前にFASのジョハン・カマル・ハミドン事務局長が、本来の本拠地であるシャーアラムスタジアムで行われる予定の改修工事の終了時期が定かではないことから、来季のスランゴールFCのホームゲームの開催地としてMBPJスタジアムを候補に挙げた発言を受けてのものです。
 なおスランゴールFCは、Mリーグを運営するマレーシアフットボーリーグMFLが崩落の危険のある天井の修理が終わっていないシャーアラムスタジアムの使用を禁じていることから、8月26日に再開する今季Mリーグの残りのホームゲームを全てMBPJスタジアムで開催することを発表しています。
 サティアナタン監督は(収容観客数が8万人の)シャーアラムスタジアムに比べ、公称2万5000人収容のMBPJスタジアムでは、サポーターが入りきれない可能性があると述べる一方で、来季2021年シーズン開幕時にシャーアラムスタジアムの改修が終わっていない場合の代案を用意しておく必要があると述べています。

ケランタンFA監督は給料未払いの状況下での選手のモチベーション低下を憂慮
 マレーシア語紙コスモ!電子版によれば、Mリーグ2部ケランタンFAのユスリ・チェ・ラー監督は、過去4ヶ月以上に渡って給料を支払われていない選手やスタッフのモチベーション低下を心配していると話しています。
 先週7月31日はイスラム教の重要な祭日であるハリラヤ・アイディルアドハ(ハリラヤ・ハジ)でしたが、ユスリ監督はこの祭日を祝えるよう、せめて半月分の給料を全員に支給してくれるようにとケランタンFAを運営するケランタン州サッカー協会KAFAに掛け合ったということですが、それも聞き入れられず、質素な祝事しかできなかったことを明らかにしています。なおKAFAはユスリ監督の依頼を受けた後で、わずかな金額を支給したということですが、祝辞の準備にすら足りない額だったとユスリ監督は述べています。
 この件については、ケランタンFAのファリシャム・イスマイル主将も自身のインスタグラムでKAFA経営陣への失望をあらわにしていたということで、ユスリ監督は受け取った金額は明らかにできないとしながらも、ファリシャム主将があらわにした失望から推し量れるだろうと話しています。
 ケランタンFAは8月26日のリーグ再開に向けて、7月22日より練習を再開し、ユスリ監督は経営陣に全額ではなくとも一部給料を支払うための話し合いを続けているということですが、選手の精神状態を考えると、リーグ再開後に全員が全力でプレーできるのかどうかが心配であると述べています。
 渡邉将基選手が所属するケランタンFAは、リーグ中断前には3試合で1勝1分1敗の7位につけており、他のチームに先駆けて8月22日に雷雨で中止となった第2節のUKM FCとの試合でリース再開後の初戦に臨みます。
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 ケランタンFAは新型コロナウィルス感染防止のためのリーグ中断中に韓国出身のカン・サンジョ(康承助)選手が退団していますが、カン選手に続いて退団したという複数のマレーシア人選手の名前もネット上で見られます。KAFAはこれを否定していますが、8月22日の対UKM FC戦のメンバーがリーグ中断前とは大きく変わっている可能性もあります。

6月8日のニュース:クダFA監督は給料未払い選手のモチベーション低下を憂慮、代表復帰を目指すアペックは時間との勝負に挑戦、パハン監督は来季のフットサルリーグの早期開幕を希望

クダFA監督は給料未払い選手のモチベーション低下を懸念
 昨日のマレーシア政府は、サッカーなど接触プレーのあるスポーツの禁止は8月31日まで継続されることを発表し、Mリーグの8月中の再開の可能性が限りなく低くなりましたが、例えMリーグが再開となった場合でも、クダFAのアイディル・シャリン・サハック監督は給料未払い問題が解決していない選手のモチベーション低下を懸念していると英字紙ニュースとレイトタイムズ電子版に語っています。
 一説には総額200万リンギ(およそ5140万円)とされる、クダFAを運営するクダ州サッカー協会KFAによる給料未払い問題について、アイディル監督はクダ州のサヌシ・モハマド・ノー新州首相が解決してくれることを期待しているとしつつも、「選手のモチベーション低下を防ぐためにも、KFAには直ちに問題を解決して欲しい。もし未払い給料問題の解決が遅れるようであれば、たとえシーズンが再開しても、自分だけでは選手のモチベーションを引き出すことは難しいだろう」と話しています。
 現在は自宅のあるシンガポールに戻っているアイディル監督は、チームに合流するため、既にシンガポールのマレーシア大使館に入国許可を申請中ということです

代表復帰を目指すアペックは時間との勝負に挑む
 Mリーグ1部のマラッカ・ユナイテッドのアペックことGKカイルル・ファミ・チェ・マットは2010年の東南アジアサッカー連盟AFF選手権に優勝し、一気にスターの仲間入りをした選手ですが、タン・チェンホー監督が2017年末に代表監督に就任してからは、出場機会が減少し続け、現在中断中のFIFAワールドカップ2022年大会予選では代表入りしていません。そんなカイルル選手は再び代表入りを目指しているものの、新型コロナウィルスの影響により時間との戦いであると、ニューストレイトタイムズ電子版が伝えています。
 代表に復帰するにはタン監督の目に留まることが必要ですが、現在中断中のMリーグは新型コロナウィルスの影響で日程短縮を余儀なくされ、今季は1回戦総当たり形式になることが発表されています。12クラブで構成されるMリーグ1部と2部はいずれも既に第4節まで終了しており、今季の残り試合は各クラブとも7試合です。
 「2020年の自分の目標は代表復帰だが、今季開幕から4試合全てに先発して、その気持ちがさらに強くなった。しかし新型コロナウィルスの影響で3ヶ月間、試合から遠ざかり、Mリーグの残り7試合で自分の評価を上げていくしかない。最終的にはタン監督が決めることではあるが、自分はできる限りの努力をするつもりだ。」とカイルル選手は話しています。
 ただしカイルル選手が所属するマラッカ・ユナイテッドは、選手への給料未払いによりMFLによって勝点3を剥奪されており、降格権の10位に低迷しています。
 これについてカイルル選手は「未払い給料については、1月から3月分までを受け取っており、4月と5月分の支払いを待っているところである。給料削減についての話し合いも進行中だが、試合に出場するとなれば、自分は全力でプレーする。」と話しています。
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 最後に代表でプレーしたのは昨年2019年3月の国内招待大会エアマリンカップでしたが、31歳と老け込むにはまだ早いカイルル選手。闘志を全面に出してチームを鼓舞するタイプのGKは、若い選手が多い今の代表には貴重な存在だと思います。個人的にも好きな選手なので、代表復帰に向けて頑張って欲しいです。

監督は来季のフットサルリーグの早期開幕を希望
 当初はMリーグとともに9月1日の再会が予定されながら、急転直下で今季の中止が決定したマレーシアプレミアフットサルリーグMPFLに所属するパハンレンジャーズFCのジェラール・カサス監督は、マレーシアサッカー協会FAMに対してより早い時期の開幕を期待したいと述べています。
 パハンレンジャーズFCのFacebookへの投稿の中で、自宅にあるスペインに帰国中のカサス監督は、マレーシア政府による新型コロナウィルスに対する対応を評価しながらも、今季2020年シーズンは強いチームを準備して臨んだ分、リーグ中止にがっかりしていると述べています。
 カサス監督は「初戦(対サラワク戦)は無観客試合で行われながら、9-1と圧勝した際に選手たちが見せた意気込みを思い出すと、リーグ中止には失望している。安全が第一なのでFAMの判断は正しいと思うが、今後、新型コロナウィルスの状況が改善することがあれば来季2021年シーズンは、早めに開幕して欲しい。」と述べ、さらに「国内にはフットサルのレベル向上を目指すクラブがあり、パハンレンジャーズFCはその一つである。FAMにはそういったクラブの努力を理解して欲しい」とも綴っています。

6月1日のニュース:Mリーグは8月に再開の可能性も、「マレーシア人選手はタイリーグを目指すべき」-マットヨー、そこでタイリーグでプレーすべきマレージア人選手7人

Mリーグは8月に再開の可能性も
 6月9日に予定されている条件付き活動制限令CMCOの解除が近づいてきました。これまで何度か延長が繰り返されてきた活動制限令も、今回は解除されることが予想されていますが、そうなれば予定を前倒しにして8月のリーグ再開の可能性があると、英字紙ニューストレイトタイムズ電子版が報じています。
 マレーシア政府の国家安全保障委員会と保険省は今月6月中に、Mリーグ再開時期を決定するとしています。
 マレーシアサッカー協会FAMとMリーグを運営するマレーシアフットボールリーグMFLは4月には、標準業務手順SOPを設けた上で9月のリーグ再開許可をマレーシア政府へ申請しましたが、今月6月9日に予定通りCMCOが解除された場合、7月には通常のチーム練習の再開、そして8月にはリーグが再開される可能性があるとして、各方面と協議に入っているということです。
 また、8月にMリーグが再開となれば日程に余裕ができ、選手のケガや疲労などの不安が解消されるだけでなく、10月に再開予定のFIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選にも選手が万全の状態で臨めるなどの利点もあるとしています。

「マレーシア人選手はタイリーグを目指すべき」-マットヨー
 今季からタイ1部リーグのBGパトゥム・ユナイテッドでプレーするマットヨーことノーシャルル・イドラン・タラハは、マレーシア人選手にタイリーグでのプレーを目指すべきと話していると、スポーツ専門サイトのスタジアムアストロが報じています。
 スタジアムアストロに関連するスポーツニュース番組のナディアリーナに出演したノーシャルル選手は、タイを目指すべき理由として給料の支払いが遅延なく行われることを一番の理由に挙げています。「経営陣も練習施設も充実しているが、給料の支払いはMリーグのクラブよりもはるかに確実に行われている。」と話しています。
 実際にMリーグ1部スーパーリーグの選手数名がノーシャルル選手に現地の状況を問合せ、タイでプレーする可能性を考えて情報収集を行っていることも明らかにしています。
 「タイのクラブと同様の環境が得られるのは、マレーシアではジョホール・ダルル・タジムJDTくらいであり、マレーシア人選手はタイでプレーすることを考えるべきだ。」と話しています。
 タイでのプレーに関心があり、ノーシャルル選手に問い合わせてきた選手の中には代表選手も数名いるということです。
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 マレーシア国内ではケランタンFA、JDT、パハンFAなどでプレーし、代表のキャップ数も80を数えるノーシャルル選手。往年のキレは無くなったものの、タイリーグでプレーしてくれていることで、後進への道筋は付けられたということでしょうか。
 なおタイ1部リーグでは、ノーシャルル選手のほか、ドミニク・タンがポリス・テロFCでプレーしています。

そこでタイリーグでプレーすべきマレージア人選手7人
 上のような記事が出るとすぐに関連記事を掲載するサッカー専門サイトのヴォケットFCが今回も早速、やってくれました。
 現時点では東南アジアでトップといえるタイリーグでプレーすべきマレーシア人選手としてヴォケットFCが選んだのは以下の7人です。僭越ながら、その後に個人的なコメントも書いてみました。
1 シャフィク・アーマド(ジョホール・ダルル・タジム)
現時点では国内のトップストライカーとされるシャフィク選手は、国外で揉まれることより良い選手となれるだろうと、ヴォケットFCは評しています。
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FIFAワールドカップアジア二次予選での2ゴールを含め、昨年は代表では5ゴールを挙げる安定したパフォーマンスを発揮しながら、JDTでは絶対的なエースとはなり切れていないシャフィク選手。25歳という年齢を考えると、JDTでのプレーに拘らず、他のクラブで飛躍をして欲しいという思いは私も同感です。

2 ノー・アザム・アジー(パハンFA)
アザム選手はパハンFAと代表の中盤のキープレーヤー。タイリーグでプレーすることで、その実力が磨かれるだろうとしています。
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代表でもレギュラーとして活躍するアザム選手で気になるのはその線の細さ。選手層があまり厚くない代表では、25歳ながら換えの効かない選手なので、タイリーグでプレーして当たりに強い選手になって欲しいです。

3 シャルル・サアド(ペラTBG)
国内でトップのDF(センターバック)は2018年のマレーシアカップ優勝に貢献するなど実績もあります。さらなるレベルアップを目指して国外でプレーするべきとしています。
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個人的にはポカの多い選手という印象が強いシャルル選手ですが、センターバックに人材不足の代表ではやはり欠かせない選手です。27歳という年齢も国外でのレベルアップには最後のチャンスかも。

4 アダム・ノー・アズリン(JDT)
代表ではアイディル・ザフアンとシャルル・サアドの影に隠れることが多いですがアダム選手ですが、国外でプレーすることでワンランク上の選手になってくれるでしょう。
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シャフィク・アーマド同様、24歳ながら代表で準レギュラーとしてプレーしながら、JDTでは絶対的なレギュラーに慣れていないアダム選手に求めたいのは、確実なプレーです。出場機会が増えるなら、是非、移籍を考えて欲しいです。

5 サファウイ・ラシド(JDT)
誰もが認める現時点でのトッププレーヤーは、国外でプレーするべきときが来ています。
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個人的にはタイよりは日本や韓国、あるいはヨーロッパなどもう一つ上のリーグを目指して欲しい、まさにマレーシアのエースです。23歳ながら2年連続リーグMVPを獲得するなど、もうマレーシアで手に入れられるものは全て手に入れたサファウィ選手には、タイを踏み台にしてさらに上を目指して欲しいです。

6 シャミ・サファリ(スランゴールFC)
代表ではマシュー・デイヴィーズ(JDT)と右サイドバックのポジションを争うシャミ選手。国外でプレーすることで不動のレギュラー獲得に近づくでしょう。
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22歳とは言え過去2年間で既に18キャップを獲得しているシャミ選手。2018年のAFF選手権スズキカップ準決勝のタイ戦でゴールエリアの外から決めた美しいゴールはタイ代表の選手の印象にも残っているはずですので、是非、その印象が残っているうちに挑戦して欲しいです。

7 ハリス・ハイカル・アダム・アフカル(スランゴール2)
次世代の代表DF陣の中心となることが期待されている18歳のハリス・ハイカルは、国外でプレーすることで彼の持つポテンシャルを引き出せるのではないでしょうか。
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今回の7人の中で唯一の10代の選手。このブログでも取り上げているルクマン・ハキム・シャムスディンとともにU22代表でもプレーしています。個人的にはタイリーグから、アセアン枠のある韓国や日本でのプレーを目指して欲しい選手です。

5月31日のニュース:国内リーグ再開についてFAMは安全を最優先することを強調、クダFA選手の苦境は続く、マラッカUにさらに勝点剥奪の危機

国内リーグ再開についてFAMは安全を最優先することを強調
 マレーシアサッカー協会FAMは9月1日に予定している国内リーグMリーグ再開に際して、安全を最優先することを強調しています。
 Mリーグの再開はマレーシア政府の承認待ちの状況ですが、FAMのスチュアート・ラマリンガム事務局長は再開の際には選手、サポーターそして全ての関係者の安全を最優先する形でのみ再開すると英字紙ニューストレイトタイムズ電子版に語っています。
 国内リーグが既に再開している他国の状況を注視していると話すラマリンガム事務局長は、マレーシア政府が発表する予定であるMリーグ開催のための標準業務手順SOPに従うことはもちろん、追加の予防策として協会としての「危機管理システム」を準備する用意があることも明かしています。
 「FAMは韓国やドイツなど国内リーグが再開した国のサッカー協会と連絡を取りあい、情報収集を行っている最中である。またベトナムについてはサポーターを入場させてリーグを再開しており、正直驚いている。FAMとしては、とにかくリスクを最小限にすることに全力を注ぐつもりである。」
 「リーグが再開した国々では人々が好感を持ってそれを受け入れているが、感情論だけで判断することはできない。実際、フランスやスコットランド、オランダ、ベルギーではリーグが中止となっている。」と話すラマリンガム事務局長は「危機管理システムについてもドイツリーグが採用している仕組みはマレーシアでの導入は不可能なほど高額である一方で、韓国リーグの仕組みは現実的で、採用可能なものである」とも話し、マレーシア政府保健省、青年スポーツ省、国家安全保障委員会に来月6月に再提出予定のリーグ再開嘆願の内容を調整していることも明らかにしています。

クダFA選手の苦境は続く
 クダ州政府内での政権交代により、ムクリズ・マハティール前州首相が辞任し、兼任していたクダ州サッカー協会KFA会長の職も辞任しましたが、ムクリズ前州首相が辞任直前にクダ州政府からKFAへ150万リンギ(およそ3720万円)の配分を承認したというニュースが報じられ、この配分により2月以降の給料の一部しか支払われていないMリーグ1部のクダFAの選手およびスタッフの苦境が改善されるはずでした。
 しかし新たに就任したクダ州のモハマド・サヌシ・モハマド・ノー州首相が、この150万リンギについては新州政府の承認が新たに必要であり、その承認がまだ行われていないことを表明したことで、クダFAの選手間には失望が広がっていると、英字紙ニューストレイトタイムズが報じています。
 2月の給料は一部のみが支払われ、3月以降は全く給料を受け取れていないままハリラヤ(イスラム教断食月明け大祭)を迎えた選手たちからは、150万リンギの配分が承認されたニュースに喜んだが、もはや何を言われても信用ができないという声が出ているということです。
 サヌシ州首相は150万リンギの配分について、その額が大きなこと、また旧政権辞任の直前に決定したことを理由に、その配分には現政権の承認が必要であることを強調し、その上で前KFA会長(=前州首相)のもとで選手と巨額の契約を結んだことがKFAの運営資金不足の根本原因であると前政権を批判しています。

マラッカUにさらに勝点剥奪の危機
 マレー語紙ブリタハリアン電子版は、マラッカ州サッカー協会MUSAが来月末までに未払いとなっている給料を支払わない場合、MUSAの運営するマラッカ・ユナイテッドがMリーグからの除名処分となる可能性を伝えています。
 MUSAは、未払い給料総額が80万リンギ(およそ1980万円)とされており、来月6月末までにこの未払い給料を支払わない場合には、マラッカ・ユナイテッドに対して勝点6の剥奪処分が下されることになっています。今季開幕後、同様の給料未払い問題が発覚し、今季既に勝点3を剥奪されているマラッカ・ユナイテッドは、さらに加点を剥奪されることに加え、最悪の場合にはMリーグを運営するマレーシアフットボールリーグMFLよりリーグ除名の処分となる可能性があるということです。
 これについてMUSAのモハマド・アシク・アブドル・サマド副会長は、処分の期限となる来月末前までには支払いを行えるだろうと話しています。「3月分の未払い給料は既に支払い終わっており、今月5月中には4月分の未払い給料も支払い終わる予定である。今季の未払い給料については、マラッカ州首相でもあるスライマン・モハマド・アリMUSA会長がその支払いを確約している。」と話し、前述の80万リンギはあくまでも昨季分の未払い給料であることを強調しています。
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 この前の記事のクダ州同様、マラッカ州も連邦政府での政変による与党再編の影響を受け、旧与党陣営に所属していた前州首相が辞任し、新与党構成政党出身のスライマン・モハマド・アリ州首相が3月9日に就任しています。未払い給料問題を前政権による不始末とするイメージ戦略も含めて、ここでもサッカーが政争の道具になっている可能性があります。

5月28日のニュース:クダ州新首相はクダ州FAの支援を約束、カッシオはケランタン州FAとの再交渉に応じる用意あり、国内フットサルリーグも9月再開の予定

クダ州新首相はクダ州FAの支援を約束
 Mリーグ1部のクダFAの選手およびスタッフには2月以降は給料が支払われておらず、その原因の一つが政変によるクダ州政府内の混乱が挙げられていますが、就任したばかり尾クダ州のムハマド・サヌシ・モハマド・ノー新州首相は、クダFAを運営するクダ州サッカー協会KFAを支援を行うことを表明しています。
 マレーシアの通信社ブルナマによれば、KFAは政府機関ではないものの、クダ州民によって高く評価されているクダ州のサッカーのために、クダ州政府は未払い問題問題解消のためにKFAへの金銭的な支援を行うとしています。
 クダ州政府庁舎で記者会見したサヌシ州首相は、マレーシアサッカー協会FAMにアドバイスを求め、それに従った方法でKFAの立て直しを行いたいと話しています。また5月19日に前州政権がKFAに配分することを承認したとされている150万リンギ(およそ3720万円)についてサヌシ州首相は「前政権が政権交代直前に承認を行ったと聞いているが、その分配については前政権下で審議されたもので、150万リンギは金額も大きいため、現政権のもとで再度審議を行う必要があると考えている。前政権の承認が妥当かどうかを検討したい。またその一方で別の形での未払い給料問題解決も模索したい」と話しています。
 またサヌシ州首相は、ムクリズ・マハティール前州首相に対して、「ムクリズ氏は州首相を辞任したが、兼任していたKFA会長職の辞任はKFAの総会中に行われるべきである。KFA会長辞任によって起こっているKFA内の問題の解決を求めたい。」とも話しています。

カッシオはケランタン州FAとの再交渉に応じる用意あり
 マレー語紙ブリタハリアンによれば、ケランタン州サッカー協会KAFAとカッシオ・フランシスコ・デ・ジーザスとの間で、未払い給料問題解決に向けての再交渉がおこ縄える可能性があるようです。
 先日のこのブログでも取り上げましたが、FIFAによるカッシオ選手への未払い給料62万9620リンギ(およそ1560万円)の支払い命令に関する仲裁をKAFAがスポーツ仲裁裁判所CASへ申し立てた結果、その申し立てが受理されました。そして、その申し立て内容の精査に2週間かかることから、FIFAによる支払命令執行にも2週間の猶予が与えられています。
 その一方で、この再交渉についてカッシオ選手の弁護士であるザフリ・アミヌラシド氏は、カッシオ選手の権利が保障され、再交渉終了後に再び問題が発生しないよう、KAFAとカッシオ選手間の単なる再交渉ではなく、CASの仲介による「調停」とすべきであると主張しています。「両者が再交渉を行い、同意した結果、調停役のCASは文書で示されたその同意内容を承認するという形にすることを望んでいる。」と話すザフリ氏は、そうすることによってKAFAはCASが承認した調停内容に従う義務が発生し、選手の利益が損なわれる危険性がなくなるとしています。

国内フットサルリーグも9月再開の予定
 国内リーグMリーグは9月再開を目指して、マレーシア政府保健省と国家安全保障委員会の承認を待っているところですが、やはり中断中の国内フットサルリーグについても同様に9月1日からの再開を目指すことをマレーシアサッカー協会FAMが発表しています。
 マレー語紙ハリアンメトロによると、12チームが参加する国内のフットサルリーグ、マレーシアプレミアフットサルリーグMPFLは、試合数の変更などは行わず22試合を予定通り行う予定ということです。なお、MPFLは3月15日の第1節終了後にリーグが中断しており、各チームとも21試合が残っています。
 なおMリーグは日程を改編し、Mリーグ1部スーパーリーグ、2部プレミアリーグとも12チームの1回戦総当たり形式となることが決まっており、既に第4節まで終えている両リーグは9月中に全日程を無観客試合で行う予定が発表になっています。

5月4日のニュース:今季終了後の降格と昇格と3部リーグ再開の詳細については6月に決定、給料削減指針は給料未払い問題を抱えていないクラブにのみ適応されることをFAMが強調

今季終了後の降格と昇格と3部リーグ再開の詳細については6月に決定
 Mリーグ1部スーパーリーグ、2部プレミアリーグとも12クラブの1回戦総当たりの11試合という変則日程で今季を行う案を発表したマレーシアフットボールリーグMFLは、シーズン終了後の昇格と降格についての詳細を6月に発表するとしています。なお第4節開催後に中断となっているMリーグは9月1日及び2日再開、9月26日および27日終了とする日程案をMFLは発表しています。
 英字紙スター電子版によると、MFLのアブドル・ガニ・ハサンCEOは、現時点では降格と昇格については何も決定していないと話す一方で、降格と昇格はプロリーグに欠かせないものであり、この仕組みをなくすことによって各クラブ間の競争力が低下することは避けたいとも話し、6月に予定しているMFLの取締役会議で今季の降格と昇格に関する詳細を決定するとしています。
 また9月再開予定のMリーグは、マレーシア政府が求める標準進行手順SOPにより全て無観客試合として行われることになっていますが、入場を制限できる設備のある1部や2部のスタジアムと異なり、観客が集まることが避けられないフィールドも試合会場となるMリーグ3部のM3リーグについては、マレーシア政府のSOPに沿った運営ができない場合には、再開せずにこのまま今季は中止となる可能性があるとも話しています。
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 Mリーグは中断となる前の第4節終了時点で、1部スーパーリーグは、いずれも給料未払い問題により勝点3の剥奪(はくだつ)処分を受けたPDRM FCが12位(勝点-2)、マラッカ・ユナイテッドが11位(同3)、一方2部プレミアリーグは1位からトレンガヌFC II(勝点12)、ケランタン・ユナイテッドFC(同9)、ペナンFA(同8)、クアラルンプールFA(同8)となっています。なお、スーパーリーグ所属のトレンガヌFCのBチームであるトレンガヌFC IIには昇格資格はありません。

給料削減指針は給料未払い問題を抱えていないクラブにのみ適応されることをFAMが強調
 マレーシアサッカー協会FAMは、国内リーグの各クラブの内、選手およびスタッフと給料削減について未だ合意のできていないクラブを対象とした指針を発表していますが、この指針について、未払い給料問題を抱えるクラブを救済する手段ではないことを強調していると、マレー語紙ブリタハリアンが報じています。
 FAMのスチュアート・ラマリンガムは、現時点ではどのMリーグクラブからも3月分の給料未払いが発生しているという報告は受けていないとする一方で、FAMは給料未払い問題を抱えるクラブには発表した指針に沿った給料削減を認めないとしています。
 「FAMの『地位及び法務委員会』への給料未払い問題の報告は上がってきていないが、それがそのまま給料未払い問題が発生していないという意味ではない。新型コロナウィル感染による国内の経済状況悪化によって給料の遅配が起こっている可能性がある。」「その場合、二つの状況が考えられる。一つ目は3月分の未払い給料が発生してはいるが、選手及びスタッフとクラブとの間で、支払い方法や支払い時期についての合意がされている場合で、この場合はFAMの指針を適用して4月以降の給料削減を行なって良い。」「しかし3月の給料が未払いながら、その支払い方法などで選手及びスタッフとクラブが合意していないにも関わらず、4月以降の給料削減を行いたいとするクラブに対しては、FAMは指針に沿った給料削減は認めないだけでなく、そう言った行為を行うクラブに対しては、選手の権利を守るために処罰を行う。」とラマリンガム事務局長は話しています。
 またリーグ再開案として出されている9月の再開に関しては、いつからチーム練習が可能になるのか、またどこで練習や試合を行うのかについては、アジアサッカー連盟AFCからの助言や他国のリーグの状況を見ながらFAMが指針を作成するとしています。

4月27日のニュース:FAMは手当未払い問題を抱える審判に報告を求める、全てのクラブで給料削減の合意ができているわけではない、スランゴールFCは給料削減を5月から11月まで実施

FAMは手当未払い問題を抱える審判に報告を求める
 マレーシアの通信社ブルナマは、マレーシアの国内リーグでの審判への手当て未払い問題について、マレーシアサッカー協会FAMは該当する審判に状況を報告するよう求めていると報じています。
 FAMのスチュアート・ラマインガム事務局長は、正確な状況を把握するために書面にて正式な申し立てが必要であり、そういった申し立てがあれば、FAMの審判委員会が対処すると話しています。その一方で、FAMへの申し立てを行わず、メディアに対して不服を述べるだけでは解決のより時間がかかる可能性も指摘しています。
 「FAMの審判委員会に必要な情報を電子メールあるいは書面で提出してもらえれば、FAMとして問題解決のために必要な手段を講じることができるが、それがなければ何試合で手当の支払いが行われていないのか、カップ戦やリーグ戦のどの試合なのかなどが不明のため、FAMとしては何もできない」とラマリンガム事務局長は話しています。
 また一部のサポーターからこの審判手当未払い問題についてFAMの責任を問う声が出ていることについて、ラマリンガム事務局長は「FAMが責任を負うのは試合を担当する審判の指名と、審判の養成のみであり、審判手当の支払いは国内リーグを運営するマレーシアフットボールMFLの役割である」と説明しています。

全てのクラブで給料削減の合意ができているわけではない
 マレーシアサッカー協会FAMは国内リーグ1部と2部の全てのクラブに対して、選手やスタッフとの給料削減交渉の状況やクラブの経営状況の報告を4月22日を期限として求めていました。
 全てのクラブは既に状況を報告済みであることはFAMが発表していますが、給料削減交渉については合意できていないクラブがあるようだと、マレー語紙ブリタハリアン電子版が報じています。
 全てのクラブが選手との交渉を行い、合意に至っているクラブは個々の選手の給料削減額や削減が行われる期間などをFAMに提出済みであるのに対し、複数あるとされる合意に至ってないクラブは、交渉は行われているものの選手側が給料削減額や期間に同意していないということです。
 FAMのスチュアート・ラマリンガム事務局長は、各クラブの報告内容を精査した上で、新型コロナウィルス感染拡大による悪影響がクラブおよび選手、スタッフに及ばないような策を講じたいと話しています。

スランゴールFCは給料削減を5月から11月まで実施
 マレー語紙ブリタハリアン電子版によると、スランゴールFCを運営するスランゴール州サッカー協会FASは、選手およびスタッフとの契約内容を見直し、5月から11月までの給料を削減すると発表しています。
 FASのジョハン・カマル・ハミドン事務局長は、新型コロナウィルスによるリーグ中断による入場料収入が途絶えている以上に、現在、マレーシア全土に発令中の活動制限令によって影響を受けている複数のスポンサーからの広告料の支払いが遅れていることが給料削減実施の主な理由であるとしています。
 既に選手、スタッフには詳細を説明済みということですが、総額で290万リンギ(およそ7150万円)程度の損失が発生していることからクラブの運営が難しくなっており、今回の給料削減に踏み切らざるを得なかったとジョハン事務局長は説明しています。
 給料削減は給料の額や既婚か未婚かなどの条件をもとに3%から33%で実施し、25%以上の給料削減対象となるのは選手、スタッフ全体の5%程度になるとしています。
 しかしその一方で、この条件での給料削減に同意しているのは全体の60%程度ということで、残りの40%の選手、スタッフとは給料削減について合意に達していないということです。

4月26日のニュース:次代のエースは当面は国内で練習へ、TFC主将は給料削減の追加を申し出る、国内リーグ主催者は未払いの審判手当の支給を約束か

次代のエースは当面は国内で練習へ
 マレーシアU19代表で活躍したルクマン・ハキム・シャムスディンは、昨年2019年の東南アジア競技大会シーゲームズでは飛び級でU23代表でプレーし、今年2月には英国2部のカーディフシティーでの練習に参加した後、ベルギー1部リーグのKVコルトレイクに加入が予定されていました。しかし就労ビザ発給が遅れ、その後は新型コロナウィルス感染がヨーロッパ各地で拡大したことから、現在はマレーシア国内に留まり、当面はMFL2部のスランゴール2でのプレーを検討中であると英字紙スター電子版が報じています。
 ルクマン選手が今年最初の移籍期間にスランゴール2に登録されたことは既にこのブログでも取り上げていますが、ルクマン選手が移籍予定のベルギーリーグはリーグ打ち切りを決めながらも欧州サッカー連盟UEFAの「圧力」で決定を取り消すなど混乱が続いており、ルクマン選手の渡欧はすぐには実現しそうもありません。
 4月23日にさらに2週間の延期が発表された活動制限令下は自宅で練習中というルクマン選手は、今季のリーグ戦ではスランゴール2ではまだプレーしていませんが、リーグ再開に備えて準備を続けたいとしています。
 カーディフシティー、KVコルトレイクともマレーシア人ビジネスマンのヴィンセント・タン氏が所有するクラブで、ルクマン選手はKVコルトレイクと5年契約を結んでいます。
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 2018年のアジアサッカー連盟AFC U16選手権では、マレーシア代表はグループステージで敗退したものの、5ゴールを挙げたルクマン選手は、優勝した日本代表の西川潤選手(セレッソ大阪)らと大会得点王を分け合っています。
 ところで、このルクマン選手は練習以外の時間に、バイクで食べ物などのデリバーを行なっているという報道もあります。今はサッカーのことだけを考えて生活しても良いのではとも思いますが、とにかく、他のデリバリーの方々同様、新型コロナウィルス感染や運転するバイクの事故などには気をつけて欲しいです。

TFC主将は給料削減の追加を申し出る
 トレンガヌFCのリー・タックはイギリス出身の外国籍選手ながらチームの主将を務めていますが、このタック主将がクラブによる給料削減に加え、さらなる削減を自ら申し出たことをタック選手の代理人が明かしています。
 2018年からトレンガヌFCでプレーしているタック選手の代理人を務めるエフェンディ・ジャガン・アブドラ氏は、タック選手に代わってクラブと給料削減についての交渉を行い、その席で決まった削減額を伝え、タック選手もその額に同意したそうです。しかし、その翌日に、タック選手から連絡があり、自分の給料をさらに削減するようクラブに伝えるよう依頼があったそうで、タック選手は最終的には「かなりの額」を削減することになったということです。タック選手の他、シンガポール出身のファリス・ラムリら複数の外国籍選手の代理人も務めるエフェンディ氏は、他の外国籍選手も給料削減の必要性を理解していると話しています。
 これを報じたマレー語紙ハリアンメトロ電子版は、具体的な金額は明らかにしていないものの、この給料削減は4月分の給料から行われ、チーム練習が再開するまで続くというエフェンディ氏のコメントも紹介しています。

国内リーグ主催者は未払いの審判手当の支給を約束か
 マレーの通信社ブルナマは、国内リーグの運営するマレーシアフットボールリーグMFLが、未払いとなっている審判手当について今月中に支払う予定であるようだと報じています。
 昨季2019年シーズンのマレーシアカップ、国内リーグ3部のM3リーグ、そして今季2020年のFAカップでの試合の審判手当が未払いとなっている件について、審判を手配している複数の州サッカー協会審判部にSNSでメッセージが送られ、MFLは5月前にまでには支給するという連絡が届いたとしてます。
 この情報を得て、ブルナマはMFLとマレーシアサッカー協会FAMに審判の手当未払い問題が存在するかどうかを確認しようとしたそうですが、その問い合わせについてはMFL、FAMとも返事をしなかったとも報じています。
 なお審判手当の未払いについては、MFL、FAMともこれまで公式な発表は行っていません。
 この審判手当未払い問題は、4月21日に地元テレビ局が第一報を報じたことに端を発しますが、その際の報道内容は」審判手当の支給をMFLに拒否されたという話がSNS上で国内サッカーファンの関心を集めている」というものでした。
 ブルナマによれば、審判手当の未払いはMFLクラブとは無関係であること、またこの審判手当未払いは、つい最近の問題ではなく、過去にも起こっていたということです。
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 もしこの報道が事実だとすれば、未払い給料問題を抱えるクラブをMFLが罰するという図式に説得録がなくなるどころか、むしろそれが滑稽に見えてしまいます。しかし果たして実際はどうなのかは、MFLおよびFAMからの公式声明もないということですので、続報を待ちたいと思います。