スーパーリーグ第22節の6試合が4月10日から12日にかけて行われ、クチンシティが2位に浮上しています。残り試合が4試合で勝点43のクチンシティは、リーグ8位のDPMM FC、今節ジョホールと引き分けた同5位トレンガヌFC、同12位マラッカFC、そしてリーグ最終戦では現在4位のクアラルンプールシティとの対戦が控えています。
勝点でクチンシティに並ぶも得失差で3位のセランゴールは、残り試合が3試合とクチンシティより1試合少なく、リーグ順位11位のケランタン、同9位のペナン、そして最下位13位のPDRMとの対戦が残っていますが、この試合を全勝しても、クチンシティが残り4試合を3勝1分で乗り切れば、3位にとどまります。
また勝点42で4位のKLシティは、残り3試合が王者ジョホール、6位ヌグリスンビラン、そして最終戦がおそらく鍵を握るクチンシティといった強豪との対戦が残っており、チームが2位となる可能性は限りなく低いですが、クチンシティに一泡吹かせることになれば、スランゴールの2位をアシストする可能性もあります。
なお今季のマレーシアスーパーリーグは13チーム編成のため、今節第22節はマラッカの試合はありません。(試合のハイライト映像は、注がない限りマレーシアンフットボールリーグの公式YouTubeより。)
トップ3を目指すクアラルンプールは快勝も監督休養へ
マレーシアカップ準決勝ではジョホール・ダルル・タジム(ジョホール)に2試合で1−8と粉砕されたクアラルンプールシティ(クアラルンプール)。ホームでの1stレグで0−4と破れると、リスト・ヴィダコヴィッチ監督はその試合後会見で、すでにリーグ夕ようを決めているジョホール相手に2ndレグでの逆転は無理と白旗を挙げるとともに、2位争いに残るためにリーグ戦のこのクランタン戦を優先する旨の発言をしていました。
現在リーグ4位のクアラルンプールは同11位のクランタンを相手にサファウィ・ラシドとクパー・シャーマンのゴールで2−0と快勝したものの、そのヴィダコヴィッチ監督の名が試合前に提出されたベンチ入りメンバー表になかったことが注目を集めています。この件を報じた英字紙スターによると、ヴィダコヴィッチ監督はチームと共に試合が行われたクランタン州のコタバルへは遠征したということです。
今季2025/26シーズンが残り3試合の時点で勝点42と、2021シーズン以来の最高成績に到達したクアラルンプールですが、クラブ経営陣はヴィダコヴィッチ監督をシーズン終了まで彼を休養させる決定を下したということです。これまでも歯に衣着せぬ発言を繰り返していたヴィダコヴィッチ監督ですが、前述の「白旗を上げる」発言はさすがにサポーターや経営陣の反感を買ったとみられており、クラブからの正式発表も数日中に出されると予想されています。
なおクアラルンプールは次節第23節は試合がないため、今月はもう試合がありません。残り3節の日程は、第24節では5月2日に再びジョホールと再びアウェイで対戦し、第25節は5月10日にはホームでヌグリ・スンビラン、最終節となる第26節では5月15日にクチンとアウェイで対戦する予定になっています。
マレーシアスーパーリーグ2025/26 第22節
2026年4月10日@スルタン・ムハマド4世スタジアム(クランタン州コタ・バル)
クランタン・ザ・リアル・ウォリアーズ 0-2 クアラルンプールシティ
⚽️クアラルンプール:サファウィ・ラシド(20分)、クパー・シャーマン(54分)
最後は9人となったペナンがイミグレセン相手に引き分け
40分にDFアディブ・ラオプが相手のファウルに反応して蹴り返し1発レッド、そして90分には1対1の得点機でのファウルでDFステファノ・ブルンドがVARの介入後にイエロー取り消しで1発レッドで退場となったペナンが、イミグレセンとの試合を引き分けで終えています。
シーズン途中に本拠地をペナン州バトゥ・カワンのペナン州立スタジアムから、プルリス州カンガーのトゥンク・サイド・プトラ・スタジアムに変更して2試合目となったイミグレセンは、新たな本拠地での勝利を逃しています。
マレーシアスーパーリーグ2025/26 第22節
2026年4月11日@トゥンク・サイド・プトラ・スタジアム(プルリス州カンガー)
イミグレセン 0-0 ペナン
ペナンの鈴木ブルーノ選手はベンチ外でした。
ジョホールの国内リーグ戦連勝記録が27で止まる
4月7日のマレーシアカップ準決勝2ndレグではクアラルンプールに圧勝し、通算成績8−1で決勝進出を決めたばかりのジョホール。既に優勝を決めているリーグ戦も開幕20連勝中で、特にホームのスルタン・イブラヒム・スタジアムでは10戦10勝、しかも57得点6失点と圧倒的な成績を残しています。
アルジェリア代表FWリヤド・マフレズの劇的なフリーキックで準々決勝出場を決め、大会2連覇を狙うアル・アハリ・サウジ戦をさらに今週金曜日4月17日に控えるマレーシアの絶対王者にとっては、今節のトレンガヌ戦はいわば重要な試合前の最後の「調整」程度だろうと予測されていました。
対するトレンガヌは、アキヤ・ラシド、バキウディン・シャムスディンの左右両WGをいずれもケガで、また3月31日のアジア杯2027予選でフィリピン代表を破って本大会出場を決めたタジキスタン代表FWシェルヴォニ・マバトショエフは体調不良でベンチ外と、暫定監督のテンク・ハズマン監督代行にとっては主力を欠く苦しい状況での試合でした。
キックオフから自陣内でのプレーが続くトレンガヌは192cmのGKラーディアズリ・ラハリムが採算の好セーブを見せますが、23分にペナルティエリア内の混戦からエースのベルグソン・ダ・シルバがゴールを決めて、ジョホールが先制します。トレンガヌは今季最初の対戦となった10月31日の試合では、ジョホールに0−5と敗れており、またゴールラッシュで大敗の予感が漂う中、次にゴールを挙げたのはトレンガヌでした。
この試合ではベンチ外のシェルヴォニ・マバトショエフとともに3月31日のアジア杯予選フィリピン戦に出場し、タジキスタンの2大会連続アジア杯出場権獲得に貢献したMFエフソニ・パンシャンベがカレッカからのパスを胸でトラップ、そこから反転して放ったシュートはジョホールGKシーハン・ハズミが反応できず、同点弾となります。
その後はGKラーディアズリの好セーブやゴールポストに助けられてジョホールの得点を許さなかったトレンガヌがジョホールの開幕からの連勝記録をストップしています。なおジョホールが国内リーグで勝点3を取れなかったのは、昨季2024/25シーズン7月31日のPDRM戦での引き分け以来27試合ぶりのことです。またトレンガヌは2022年シーズン4月21日にジョホールを1−0で破っており、国内リーグで最後にジョホールに黒星をつけたチームでもあります。
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この試合後、ジョホールのシスコ・ムニョス監督は「時には顔に一撃を受けるのも悪くない。それが目を覚ますきっかけになることもある」と語り、結果には失望し、試合内容も良くなかったことを認めながらも、「ミスから学び、前に進むだけだ。それ以上でもそれ以下でもない。」と気を引き締めていました。一方、試合後にまるで勝利したかのような喜びようを見せていたトレンガヌのテンク・ハズマン監督代行は、この引き分けは幸運だったとし、試合ではJDTの得点力が本来の力を発揮していなかったと語っています。
またジョホールは、1989年から1994年にかけてコートジボワールのクラブ、ASECミモザスが樹立した108試合無敗の世界記録の更新を目指しており、ここまで2022年シーズンからこの試合まで105試合連続無敗のジョホールは、今季のリーグ戦は残り3試合と来季2026/27シーズン開幕戦まで無敗を維持すれば、新記録達成となります。
マレーシアスーパーリーグ2025/26 第22節
2026年4月11日@スルタン・イブラヒム・スタジアム(ジョホール州イスカンダル・プテリ)
ジョホール・ダルル・タジム 1-1 トレンガヌ
⚽️ジョホール:ベルグソン・ダ・シルバ(23分)
⚽️トレンガヌ:エフソニ・パンシャンベ(36分)
スランゴールはサバ相手に痛恨の引き分け
今節前まで2位のスランゴールは勝点42で、3位のクチンシティに勝点差2をつけていますが、そのクチンシティは試合数が1試合少なく、また4位のクアラルンプールシティも勝点39と、来季のACL2や東南アジアクラブ選手権ショピーカップ出場権のかかる2位争いは熾烈を極めています。
そんな三つ巴の争いの中で、スランゴールは10位のサバとホームで対戦して、痛恨の引き分けを喫しています。この結果、セランゴールは残り3試合で勝点9を獲得する必要がある一方で、同時にクチンシティが残り4試合で勝点3を落とすことも期待しなければならなくなりました。
試合は前半31分にエース、ファイサル・ハリムのゴールで先制しましたが、そのわずか3分後にはマレーシアU23代表FWファーガス・ティアニーがスランゴールDF3人をかわす素晴らしいドリブルを見せて同点ゴールを決めると、その後は両チームともゴールを破ることはできませんでした。
後半はスランゴールのボールポゼッション率が圧倒的に高かったものの、自陣深くに下がり、いわゆる「パーク・ザ・バス」の守備的な試合運びを選んだサバを相手に決定的なチャンスを作ることができませんでした。前節のクアラルンプールシティ戦、そしてマレーシアカップ準決勝のクチンシティ戦と、ここ数試合のスランゴールは組織的に守る相手を崩すことができない試合展開が続いています。
スランゴールのキム・パンゴン監督はこの試合後に「2位で終える可能性は非常に低い。我々はこの試合に勝つべきだったし、最後まで戦い続けなければならない」と述べ、最後まで諦めずに戦うしかないと話す一方で、チームは最善を尽くしたが、失望させるような結果となったことをサポーターに謝罪したいとも述べています。
マレーシアスーパーリーグ2025/26 第22節
2026年4月11日@MBPJスタジアム(スランゴール州プタリン・ジャヤ)
スランゴール 1-1 サバ
⚽️スランゴール:ファイサル・ハリム(31分)
⚽️サバ:ファーガス・ティアニー(34分)
クチンは快勝でスランゴールに代わって2位浮上
クチンシティが最下位のPDRMに快勝し、ついにリーグ2位に浮上しています。
クチンシティのFWラマダン・サイフラーは、下部組織から過ごしたジョホールでは選手層の厚さからトップチームではなかなか出場機会を得られませんでしたが、昨季ローン移籍でクチンシティに加入するとその才能を如何なく発揮し、完全移籍した今季は主力選手の一人として活躍しています。アジア杯2027予選ではついにマレーシア代表デビューも果たした25歳のラマダン選手は、この日のPDRM戦でも後半に2ゴールを上げチームを勝利に導いています。
クチンシティは開始2分で、チーム得点王のFWロナルド・ンガの3試合ぶりのゴールが先制点となる理想的なスタート。しかしPDRMも43分にFWアミルル・ワイエ・ヤコブがこぼれ球を押し込む自身今季初ゴールで試合を振り出しに戻します。
しかし後半に入るとラマダンが2ゴールを決めて、クチンシティが再びリードを奪います。48分のフリーキックはゴール前の谷川由来選手に合わせたものが直接、ゴールイン。さらに63分には狙いすましてゴール右上に見事なフリーキックを決めます。さらにジェローム・ンパコ・エタメが68分に頭で合わせて4点目を追加したクチンシティが完勝し、ついに2位に浮上しています。
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この試合前までは19試合で10失点と、リーグ優勝のジョホール(20試合で7失点)に次ぐ、リーグ2位の失点の少なさが示すように、自慢の守備力で勝ち切ってきたクチンシティですが、アイディル・シャリン監督は決定力不足が依然として課題であり、早急に改善しなければならないと述べています。
チームとして早い時間帯に得点することを狙っており、選手たちは非常に良い立ち上がりを見せた一方で、好機は多く作ったが決めきれなかったことが、今後の改善点になるとアイディル監督は試合後に述べています。
この試合では、代表GKハジク・ナズリや、出場機会が少なかったスランゴールから移籍して今季はレギュラーポジションを掴んだMFダニアル・アスリなど主力を休ませ、次戦となる今週末4月18日のマレーシアカップ準決勝2ndレグのスランゴール戦を見据えた選手起用を行ったアイディル監督ですが、クラブ初のリーグ2位、そしてマレーシアカップ決勝進出に向けて、しっかりと準備ができているようです。
マレーシアスーパーリーグ2025/26 第22節
2026年4月12日@サラワク州立スタジアム(サラワク州クチン)
クチンシティ 4-1 PDRM
⚽️クチンシティ:ロナルド・ンガ(2分)、ラマダン・サイフラー2(48分、62分)、ジェローム・ンパコ・エタメ(68分)
⚽️PDRM:アミルル・ワイエ・ヤアコブ(34分)
クチンシティの谷川由来選手は先発してフル出場しています。
断食明けの祝日ハリラヤやFIFAデイズ、そしてマレーシアカップ準決勝などで1ヶ月ほど試合がなかった両チームの対戦は2-2の引き分けに終わっています。
前節第21節3月13日の最下位PDRM戦こそ6−1と大勝したものの、今年に入ってからは0勝2分4敗と苦しい試合が続いているヌグリスンビラン。ジョホール、スランゴール、クチンシティといった上位との対決が続いたとはいえ、5位のトレンガヌとは勝点差9と話される一方で、9位までのペナンとは勝点差3の間に4チームがひしめいており、1節ごとに順位が変動しています。
8位のDPMMと引き分けた試合後の会見でヌグリスンビランのK・ラジャン監督は攻撃陣は決定力不足が、守備陣は相手の攻撃への対応が遅れたことが引き分けの原因と分析し、ホームで戦うというアドバンテージを活かすことができなかったことを悔いていました。
一方、DPMMのジェイミー・マカリスター監督は、アウェーでの引き分けは良い結果だとのべ、さらに元マレーシア代表FWサフィク・アフマドのパフォーマンス向上が、前線においてチームに良い影響を与えていると残り試合への期待も述べています。
試合では、前半31分に佐々木匠が先制点を決めてヌグリスンビランがリードしましたが、後半の48分にクリスティアン・イロビソ、さらに61分にはハケメ・ヤジドがゴールを決めて、DPMMが逆転しました。すると72分にジョセフ・エッソが同点ゴールを決めてヌグリスンビランが引き分けに持ち込んでいます
マレーシアスーパーリーグ2025/26 第22節
2026年4月12日@トゥンク・アブドル・ラーマン・スタジアム(ヌグリ・スンビラン州パロイ)
ヌグリスンビラン 2-2 DPMM
⚽️ヌグリスンビラン:佐々木匠(31分)、ジョセフ・エッソ(74分)
⚽️DPMM;クリスチャン・イロビソ(49分)、ハケメ・ヤジド(61分)
ヌグリスンビランの佐々木匠、大城蛍、平野佑一の各選手は先発してフル出場、常安澪選手は80分から交代出場し、試合終了までプレーしています。
2025/26マレーシアスーパーリーグ順位表(第22節終了)
| チーム | 試 | 勝 | 分 | 負 | 得 | 失 | 差 | 勝点 | |
| 1 | ジョホール | 21 | 20 | 1 | 0 | 94 | 7 | 86 | 61 |
| 2 | クチンシティ | 20 | 13 | 4 | 3 | 37 | 10 | 27 | 43 |
| 3 | スランゴール | 21 | 13 | 4 | 4 | 43 | 20 | 23 | 43 |
| 4 | クアラルンプール | 21 | 12 | 6 | 3 | 38 | 19 | 19 | 42 |
| 5 | トレンガヌ | 20 | 9 | 5 | 6 | 34 | 27 | 7 | 32 |
| 6 | ヌグリスンビラン | 20 | 5 | 8 | 7 | 33 | 30 | 3 | 23 |
| 7 | イミグレセン | 20 | 6 | 4 | 10 | 26 | 40 | -14 | 22 |
| 8 | DPMM | 20 | 6 | 4 | 10 | 26 | 49 | -23 | 22 |
| 9 | ペナン | 20 | 5 | 5 | 10 | 23 | 35 | -12 | 20 |
| 10 | サバ | 19 | 3 | 7 | 9 | 23 | 41 | -18 | 16 |
| 11 | クランタン | 21 | 4 | 3 | 14 | 15 | 41 | -26 | 15 |
| 12 | マラッカ | 19 | 3 | 5 | 11 | 14 | 39 | -25 | 14 |
| 13 | PDRM | 20 | 2 | 4 | 14 | 15 | 62 | -47 | 10 |
2025/26スーパーリーグ得点トップ10(第22節終了)
| 得点 | 選手名 | 所属 | |
| 1 | 21 | ベルグソン・ダ・シウバ | ジョホール |
| 2 | 19 | クリゴール・モラレス | スランゴール |
| 3 | 14 | ジャイロ・ダ・シウバ | ジョホール |
| 4 | 13 | サファウィ・ラシド | クアラルンプール |
| 5 | 12 | ロナルド・ンガ | クチン |
| 6 | 10 | *アイディン・ムヤギッチ | ジョホール |
| 7 | 7 | ディラン・ウェンゼル=ホールズ | ペナン |
| 7 | 8 | エドゥアルド・ソーサ | イミグレセン |
| 8 | オスカル・アリバス | ジョホール | |
| 9 | 7 | アリフ・アイマン | ジョホール |
| 7 | ジョアン・フィゲイレド | ジョホール | |
| 7 | ラマダン・サイフラー | クチンシティ | |
| 7 | ジョセフ・エッソ | ヌグリスンビラン | |
| 13 | 6 | ヤン・マベラ他6名 | トレンガヌ |
