9月18日のニュース:PJシティ選手がインフル感染で試合日程変更、MSCはJDT新本拠地の芝を参考にするべき

PJシティ選手がインフル感染で試合日程変更
 マレーシアカップ グループステージ最終節となる第6節は9月17日(火)と18日(水)にすべての試合が行われる予定でしたが、マレーシアフットボールリーグMFLのホームページでは、グループBのPKNP FC対プタリンジャヤPJシティFCの試合がPJシティFCの選手数名がインフルエンザB型に感染したことにより、9月17日から9月20日(金)に延期になったことが発表されています。
 これに関して英字紙スター電子版は、8名の選手がインフルエンザB型に感染しており、その他に4名の選手にも感染の疑いが出ていると報じています。
 マレーシアカップ のグループステージでは各グループの上位2チームがノックアウトステージに進みますが、グループBは既にジョホール・ダルル・タクジムが勝点13でノックアウトステージ進出を決めており、勝点9で2位のPJシティFCと同7で3位のPKNP FCが残る一つの枠を最終戦で争います。
 PJシティFCのデヴァン・クップサミー監督は、監督生活でこのような状況は初めてであるとし、試合が延期されたとはいえ4日間で選手が試合に出場できるだけの体調に回復かどうかは不明であり、これ以上の感染者が出ないことを祈っているとスター電子版に語っています。

MSCはJDT新本拠地の芝を参考にするべき
 FIFAワールドカップアジア二次予選でマレーシアと対戦したアラブ首長国連邦UAE代表のベルト・ファン・マルワイク監督が、試合会場となったブキ・ジャリル国立競技場のピッチの状態が悪く、速い展開のサッカーには不向きであると批判し、それに応える形で管理者のマレーシアスタジアム社MSCが現在、シンガポールや英国から専門家を招き、半年ほどの間でピッチの改修作業を実施中であると発表したことは、このブログでも取り上げました。
 そんな中、マレー語紙ウトゥサン・マレーシア電子版では、サッカー場など設備管理の専門家でもあるマレーシアイスラム科学大学体育局のヌル・エクマル・ブハリ氏の話を紹介しています。ヌル・エクマル氏によると、ブキ・ジャリル国立競技場のピッチに使用されているカウグラス(和名ツルメヒシバ)は気候や土壌、費用などの観点から見てもマレーシアに適した芝であり、国際サッカー連盟FIFAやアジアサッカー連盟AFCの基準に照らしても何の問題はないとし、UAEなど他国ではカウグラスを使わないため、ピッチ上での感覚が違ったための不満だったのではないかと話しています。
 その一方でMSCが速いパス回しを中心としたプレーに適した芝を提供することを考えるのであれば、来季からJDTの本拠地となるべく建設が進んでいるスルタン・イブラヒムスタジアムで使用されているゼオン・ゾイシアと呼ばれる最新の芝の導入を考えても良いのではないかと述べています。ヌル・エクマル氏によるとゼオン・ゾイシアは、JDTのスリ・ゲラム練習場でも採用されているほか、先日のワールドカップ予選でマレーシアとインドネシアが対戦したジャカルタのゲロラ・ブン・カルノスタジアムでも使われているそうです。

9月17日のニュース:FAM会長がMFLの会長に就任、ウブロがJDTとスポンサー契約締結

FAM会長がMFLの会長に就任
 マレーシアフットボールリーグMFLのホームページで、マレーシアサッカー協会FAMのダト・ハミディン・モハマド・アミン会長がMFLの会長職に就任したことが発表されています。ハミディンMFL新会長は2018年よりFAMの会長職についており、初代会長であったマラヤ連邦のトゥンク・アブドゥル・ラーマン初代首相以降続いた政治家あるいは王族によって務められてきたFAM会長職にビジネスマンとして初めて就任した会長でもあります。
 9月15日に開催された総会に参加した23団体による満場一致によって選ばれたハミディンFAM会長が就任するMFL会長職は、昨年2018年3月にジョホール・ダルル・タクジムJDTのオーナーでもあるジョホール州皇太子トゥンク・イスマイル殿下の退任によって空位となっていたチェアマン職に代わって新設された役職です。
 MFLのケヴィン・ラマリンガムCEOは、MFLの定款を改定してMFL会長職の新設と、その候補者はMFL所属クラブ関係者ではなく、MFLの構成委員会のメンバーから選出されることなどが変更され、MFLの独立性がより高まったとしています。またハミディンMFL会長がFAM会長であることから選出されたのでは、という問いに対しては、退任したイスマイル殿下もFAMとMFLの両方に所属していたとして、利害衝突の心配はないとスター電子版に語っています。

ワン・クザインの発言が波紋を投ずる
 アメリカ生まれながらマレーシア人の両親を持つワン・クザイン・ワン・カマルの発言が波紋を呼んでいると、マレー語紙ウトゥサンマレーシア電子版が伝えています。
 以前このブログでも紹介したワン・クザイン選手は、現在アメリカのメジャーリーグサッカーMSLスポーティング・カンザスシティに所属する21歳のミッドフィールダーで、U17アメリカ代表に選ばれたこともあり、アメリカ国内では将来が有望な若手選手と目されています。
 このワン・クザイン選手は、以前はマレーシアとアメリカのどちらの国の代表を選ぶか決めかねているという報道があったのですが、先日、今年2019年12月にフィリピンで開催される東南アジア競技大会(通称SEA Games、シーゲームでサッカーはオリンピックと同様にU23代表が参加します)に参加したいと述べたことから、マレーシア国内のサッカーファンはその決断に沸き返りました。
 しかしその後、ワン・クザイン選手の父親が、自分の息子が参加を希望しているのはシーゲームのみであり、それもMLSのシーズンオフであるためと発言、さらにFIFAワールドカップに出場することが自分の息子の夢であり、そのためにはマレーシアのフル代表入りは考えず、アメリカ代表入りを考えていると述べたため、「オフシーズンのトレーニング代わりにU23代表でプレーするのか」「マレーシアの勝利に貢献する気があるかどうか疑わしい」さらには「愛国心にかける」などソーシャルメディア上でワン・クザイン選手が非難される事態になりました。
 これに対してU23代表のオン・キムスイ監督はワン・クザイン選手を「ワールドカップ出場はあらゆるサッカー選手の夢である」として、彼を擁護し、さらに「シーゲームだけでさえ、マレーシアのためにプレーしようという意思を尊重したい」とウトゥサンマレーシアのインタビューに答えています。さらにオン監督は「ワン・クザイン選手はマレーシア人の両親を持つとはいえ、アメリカ生まれ、アメリカ育ちであり、アメリカ代表としてプレーしたいと考えるのは自然なことだ」と述べ、理解を示しています。
 スランゴールFAのバスカラン・サティアナタン監督、MFLのスチュアート・ラマリンガム事務局長も他のメディア上で、オン監督同様にワン・クザイン選手の意思を尊重するべきとコメントしています。

ウブロがJDTとスポンサー契約締結
 シンガポールに本店を持ちアジア各地に店舗展開している高級時計専門店アワーグラスHourglassは同社の公式ホームページで、スイスの高級時計メーカーであるウブロがジョホール・ダルル・タクジムJDTと公式時計メーカーおよび公式計時係としてスポンサー契約を締結したことを発表しています。
 またJDTのFacebookでは、さらにカッコいい映像が提供されています。こんなのを見せられたら、MFLでプレーするマレーシア人選手は皆、JDTでプレーしたいと思うのは無理もないと痛感させられます。
 (下の写真はいずれもアワーグラスのホームページより)

9月16日のニュース:U15代表がAFC選手権予選に出発、シャフィク・アーマドはフル代表のストライカー不足解消となるか、MSC「UAE監督のピッチ批判は甘んじて受け入れる」

U15代表がAFC選手権予選に出発
 アジアサッカー連盟AFC U16選手権予選に参加するマレーシアU15代表が、開催国となるラオスのヴィエンチャンへ出発しました。マニアム・パチャイアパン監督率いる23名の選手たちは、予選グループJで同組となった開催国ラオス、前回の優勝チーム日本、そしてカンボジアと同組となっています。
 30名の選手を招集して9月1日から行われていた候補選手合宿を経て選抜された23名の選手は日本に勝つことが最大の目的ですが、マニアム監督は日本にのみ集中しているとラオスやカンボジアに足元をすくわれかねないので、慢心せず試合に臨みたいと英字紙ニューストレイトタイムズ電子版で語っています。
 今年2019年7月から8月にかけて行われた東南アジアサッカー連盟AFFU15選手権でラオスと引き分け、カンボジアには勝利を挙げて優勝しているマレーシアには、日本戦での勝利への期待が高まっています。予選グループの1位になれば本戦出場となりますが、グループ2位のうち上位5チームまでが本戦出場となりますので、本戦出場へ向けては得失差なども含め3試合全ての結果が重要となります。
 マレーシアは9月18日にカンボジア、22日はラオス、そして22日が日本と対戦となっています。また今回の予選に参加するU15代表23名はこちらです。

シャフィク・アーマドはフル代表のストライカー不足解消となるか
 タイ代表の西野朗監督が抱えているストライカー不足の問題は、国内リーグの得点王ランキングを外国人FWが席巻しているマレーシアでも同じです。タン・チェンホー監督率いる現在のフル代表では、ノーシャルル・イドラン・タラハ(パハンFA)が今年2019年の代表戦8試合中7試合にセンターフォワードとして出場していますが、ここまで1ゴールと期待に応えられていません。キャップ数73、代表通算ゴール13のノーシャルル選手ですが、33歳という年齢から衰えも指摘されています。
 そしてこのノーシャルル選手に代わり、代表ではトップ下、攻撃的MFでプレーするシャフィク・アーマド(ジョホール・ダルル・タクジムJDT)をセンターフォワードにすべき、と提言してきた英字紙ニューストレイトタイムズNST電子版が改めてシャフィク選手を取り上げています。
 今年2019年の代表戦ではトップ下で5試合に出場し、今月9月に行われたFIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選のインドネシア戦、アラブ首長国連邦UAE戦にそれぞれゴールを挙げたシャフィック選手は、9月14日に行われたマレーシアカップ のグループステージ、プタリンジャヤPJシティFC戦では、JDTでそれまでのトップ下から初めてセンターフォワードとしてスタメン出場し、しかも2ゴールを挙げて3−2の勝利に貢献しています。
 JDTでセンターフォワードとしてプレーした感想を問われたシャフィク選手は「ポジションはコーチが決めるものであり、そのポジションで全力を尽くし、チームの勝利に貢献することが自分の役割である」「センターフォワードで先発を伝えられた際に、代表での調子を維持することが必要と自分に言い聞かせた」と答えているとNSTの記事は結んでいます。

MSC「UAE監督のピッチ批判は甘んじて受け入れる」
 9月10日の行われたFIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選のUAE戦後、UAEのベルト・ファン・マルワイク監督は試合会場となったクアラルンプールのブキ・ジャリル国立競技場について、自分が今まで見た中でもトップクラスのスタジアムであると称賛する一方で、そのピッチについては、コンディションが悪すぎて残念ながら早い展開のサッカーをするには適していない」と失望感を持ったコメントしましたが、これに対して管理会社であるマレーシアスタジアム社MSCのニック・ラジーン・ダウドCEOは、その批判を甘んじて受け入れるとしながらも、MSCはただ手を拱いて見ているわけではなく、現在、シンガポールや英国から専門家を招いて、半年ほどかかるピッチ修復プログラムを実施中であるとしています。

マレーシアカップ グループステージ第5節の結果まとめ

今月9月分のFIFAワールドカップ予選が終了し、国内サッカーは中断していたマレーシアカップ のグループステージが再開しました。9月13日から14日にかけて行われた第5節では、早くもノックアウトステージ進出を決めたチームが出てきています。

グループA
トレンガヌFC2-3クダFA
得点者:トレンガヌFA-リー・タック(33分PK)、マリク・マット・アリフ(60分)、クダFA-ジョナサン・バウマン(4分)、エドガー・ベルンハルド(37分)、バドロル・バクティアル(87分)
 マレーシアフットボールリーグMFL1部所属チーム同士の対戦は、クダFAが勝利しました。クダFAはグループAの2位以上が確定し、ノックアウトステージ進出を決めています。次節最終節では、クダFAはホームでヌグリ・スンビランFAと、トレンガヌFCはアウェイでPKNS FCと対戦します。

PKNS FC1-3ヌグリ・スンビランFA
得点者:PKNS FC-クパ・シャーマン(45分)、ヌグリ・スンビランFA-フェリス・ダニアル2(42分、56分)、イゴール・ルイズ(90分)
 MFL2部のヌグリ・スンビランFAがMFL1部のPKNS FCを破り、グループステージ進出の可能性を残しました。

順位チーム得点失点得失差勝点
1クダFA311108210
2トレンガヌFC30212849
3ヌグリ・スンビランFA203911-26
4PKNS FC113711-44

グループB
ジョホール・ダルル・タクジムJDT3−2プタリンジャヤPJシティFC
得点者:PJシティFC-ペ・ボムグン(10分)、ワシントン・ブランダオ(58分)、JDT-サフィク・ラシド(24分)、シャフィク・アーマド2(36分、60分)
 JDTは勝点13でこのグループ首位を確定し、ノックアウトステージ進出を決めています。FIFAワールドカップアジア二次予選でインドネシアとUAE相手にそれぞれゴールを決めたシャフィク・アーマドがこの試合でも2ゴールを挙げ、好調を維持しています。

PKNP FC4-0UITM FC
得点者PKNP FC-ジャンカルロ3(11分、85分、87分)、ハフィズ・ラムダン(65分)
 PKNP FCはこの勝利でグループステージ突破の可能性が残り、最終節第6節ではグループ2位で同じくノックアウトステージ進出を狙うPJシティFCをホームに迎えて直接対決します。

順位チーム得点失点得失差勝点
1JDT4101710713
2PJシティFC3029819
3PKNP FC2129907
4UITM FC005112-110

グループC
ペラTBG3-1パハンFA
得点者:ペラTBG-ロナウド1(45分)、シャレル・フィクリ2(45分、47分)パハンFA-ラザラス・カイムビ(85分)
 すでにグループステージ突破を決めているパハンFAは、ワールドカップアジア二次予選に出場した代表メンバー4名がスタメンで出場しましたが、アジア一次予選後に代表から脱落したシャレル・フィクリの2ゴールなどでペラTBGに敗れています。

サバFA2-0ペナンFA
得点者:サバFA-マクシアス・ムサ(54分)、ロドリュウブ・パウノヴィッチ(82分)
 MFL2部所属チーム同士の対戦となったこのカードは、MFL2部で優勝し来季1部昇格のサバFAがグループステージ初勝利を挙げて、意地を見せました。サバFAはホームでペラTBGと、ペナンFAもホームでパハンFAと次節最終節の対戦が残っています。

順位チーム得点失点得失差勝点
1パハンFA401105512
2ペラTBG2218628
3ペナンFA12258-35
4サバFA10448-43

グループD
スランゴールFA1-1マラッカ・ユナイテッド
得点者:スランゴールFA-カイリル・フヒミーン(38分)、マラッカU-サイフル・リズワン(49分)
 この試合が引き分けとなったことで、このグループは最終節第6節まで4チーム全てにグループステージ突破のチャンスが残る大混戦となっています。マラッカUは次節最終節でPDRM FCとホームで対戦します。

フェルダ・ユナイテッド1-0PDRM FC
得点者:フェルダU-チャントゥル・スピアー(59分)
 MFL1部11位のフェルダUが来季1部昇格が決まっているMFL2部のPDRM FCに完封勝ち。リーグ戦中から首の皮一枚というところで踏みとどまってきているフェルダUは、最終戦はホームでスランゴールFAとの対戦となっています。
 フェルダUの渡邉将基選手はスタメンでフル出場し、池田圭選手はスタメンで出場したものの90分に2枚目のイエローで退場となっています。

順位チーム得点失点得失差勝点
1マラッカU2128717
2スランゴールFA1407617
3フェルダU212101007
4PDRM FC122810-25

9月10日のニュース:速報マレーシアはUAEに惜敗

国際サッカー連盟FIFAワールドカップWC2022年大会件アジアサッカー連盟AFC選手権2023年大会予選はマレーシアのクアラルンプールにあるブキ・ジャリル国立競技場でマレーシア対アラブ首長国連邦UAEの試合が行われ、マレーシアはUAEに1-2と惜敗しました。
 マレーシアはWCアジア二次予選の初戦となったアウェイでのインドネシア戦を3-2と勝利し、選手の顔つきからもその勢いが感じられる試合でした。マレーシアは、インドネシア戦からはMFハディン・アズマンに代わってMFモハマドゥ・スマレが入った以外は同じメンバーが先発でした。以下がマレーシア代表のスターティングXIです。

 マレーシアがUAEに勝ったのは1980年が最後、しかも2015年にはWC予選で10-0と大敗しているおり、下馬評ではUAE有利で始まった試合でしたが、開始早々の1分に右サイドのマシュー・デイヴィーズからのクロスをシャフィク・アーマドがUAEゴールにヘディングで叩き込み、予想に反してマレーシアが先制しました。シャフィク・アーマドはインドネシア戦に続くゴールでした。その後もマレーシアは守勢に回ることなく、積極的に攻め続け、UAEと互角の戦いを繰り広げました。そしてこのまま前半終了かと思われた43分、インドネシア戦同様、今回も最終ラインの裏にパスを通され、そこからDFモハメド・アルメンハリがクロスを上げ、マシュー・デイヴィーズに競り勝ったFWアリー・マブフートが同点ゴールをヘディングで決め、前半は1-1で終了しました。
 後半に入ってもマレーシアはUAEと一進一退の攻防を続けましたが、終盤での一つのミスが勝敗を分けました。75分にUAEのGKハリド・エイサからセンターライン付近へのキックをマレーシアDFのシャルル・サアドが後逸し、そのボールを奪ったFWアリー・マブフートがそのままドリブルでゴール前まで持ち込み、DFアダム・ノー・アズリンに身体を寄せられながらも、GKファイザル・マーリアスをかわして、この日2点目のゴール!
 しかしリードされても攻め続けたマレーシアでしたが、UAEがそのまま逃げ切って試合終了となりました。この試合のダイジェストは以下からどうぞ。

 この日の勝利でUAEはアウェイでの勝点3を獲得し、敗れたマレーシアは勝点3のまま。また、この日アウェイでインドネシアを3-0と一蹴したタイは勝点4、この日は試合のなかったベトナムが勝点1となっています。
 このグループGの第3節は、10月10日がベトナム対マレーシア(ハノイ)、UAE対インドネシア(ドバイ)となっています。
 なお9月10日の第2節終了時のグループGの順位は以下の通りです。

順位チーム試合得失差勝点
1タイ22113034
2UAE11102113
3マレーシア22104403
4ベトナム11010001
5インドネシア220026-40

9月9日のニュース:ペラTBGは来季は外国人選手と契約しない可能性も、ジャカルタでケガしたファンを選手がお見舞い

ペラTBGは来季は外国人選手と契約しない可能性も
 マレーシアフットボールリーグMFL1部のペラTBGを運営するペラ州サッカー協会PAFAのダト・スリ・アーマド・ファイザル・アズム会長は、来季のペラTBGは外国人選手なしで臨む可能性があることを示唆したと、マレー語紙ウトゥサン・マレーシア電子版が報じています。
 年間3000万リンギ(約7億6700万円)の運営費のうち、外国人選手と契約しないことで数十万リンギが節約できるとし、そこで節約した運営費は15歳以下の有望選手をマンチェスター・ユナイテッド、マンチェスター・シティー、アーセナルといったクラブのアカデミーに派遣できるとしています。
 ペラ州知事でもあるアーマド・ファイザル会長は、ジョホール・ダルル・タクジムJDTのような資金力の豊富なクラブと同じような運営をペラTBGに行うことは無理であるとし、州政府として州民にとってより重要なものに資金を注入することが重要と考えていることから、来季の外国人選手獲得のための資金を州政府が用意できない可能性があると述べています。

ジャカルタでケガしたファンを代表選手がお見舞い
 このブログでもここ数日取り上げている、9月5日にジャカルタで開催されたFIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選の対インドネシア戦での地元サポーターの暴走ですが、その際にケガをしたマレーシアサポーターを代表チームの数名がお見舞いに訪れたことを、ウトゥサン・マレーシアの電子版が伝えています。
 左手を骨折するほどのケガを負ったモハマド・ズラニ・ヘルミ・ザクリ氏を見舞ったのは、マレーシア代表チームのファリザル・マリザス主将、シャルル・サアド、シャフィク・アーマドの3選手です。ズラニ氏の自宅を訪問した3選手は、ケガの状態や、インドネシア戦当日のケガをした際の状況、マレーシアサポーターが陣取っていた観客席の様子などについて話を聞いたようです。
 3選手とともにズラニ氏を見舞ったマレーシアサッカー協会FAMのスチュアート・ラマリンガム事務局長からは、明日9月10日に行われるFIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選のホーム初戦となるUAE戦のチケットがお見舞いとして送られたと記事は締めくくっています。

9月7日から8日のニュース:マレーシア代表は警察車両でスタジアムから脱出、UAE戦と言えば…2015年の悪夢、タン監督「インドネシア戦勝利に浮かれるな」、UAEは早々とマレーシア入り

マレーシア代表は警察車両でスタジアムから脱出
 9月5日に行われたFIFA国際サッカー連盟ワールドカップWC2022年大会アジア二次予選試合のインドネシア戦はアウェイながらマレーシアが3-2と逆転で勝利を収めましたが、試合終了後、敗戦に不満な一部インドネシアサポーターの暴走によりスタジアム内が混乱し、後にインドネシアサッカー協会PSSIが謝罪したものの、マレーシアサッカー協会FAMはFIFAとアジアサッカー連盟AFCに報告書を提出する事態になりました。その試合後にマレーシア代表選手が警察車両によって宿舎へ戻る映像が、マレーシアサッカー協会FAMの公式YouTubeチャンネルで公開されています。
 会場となったゲロラ・ブン・カルノスタジアムから、バラクーダと呼ばれる装甲兵員輸送車4台に分乗し、ホテルまで約6分ほどの距離を移動したようですが、警察車両での移動ということで、マレーシア代表の選手たちはくつろいだ雰囲気だった様子が見て取れます。映像は下からどうぞ。

UAE戦と言えば…2015年の悪夢
 敵地インドネシアで勝点3を獲得し好発進のマレーシア代表。WCアジア二次予選の第2戦はアラブ首長国連邦UAE戦が9月10日(火)に控えています。
 UAE戦と言えば、2015年9月3日のWC2018年大会アジア予選対UAE戦に触れずにいることはできないでしょう。現在はパハンFAの監督を務めるドラー・サレーが代表監督を務めていた当時のマレーシア代表は、敵地UAEで10-0とマレーシアサッカー史上最大の大敗を喫しました。マレーシアサッカーにとっては悪夢とも言えるこの試合でベンチ入りしていたメンバーで、今回の代表チームにも選ばれている唯一の選手であるマシュー・デイヴィーズ(パハンFA)が、英字紙スター電子版で当時を振り返っています。
 当時は弱冠20歳のデイヴィーズ選手は、このWCアジア予選が代表初招集でしたが、前半終了時点で既に7-0となった試合について、今でもはっきり記憶に残っており、チーム全体が壊滅的な状況であったと述べています。
 しかしその一方で今回の代表チームは、前回とはメンバーが全く違っていること、そして不利と言われたジャカルタでのインドネシア戦でも二度リードされながら逆転勝ちしたことを挙げ、インドネシア戦前同様、過去の歴史を振り返らず、プラス思考でUAEとの試合に臨みたいと語っています。
 なお、この試合のハイライトはこちらから視聴可能です。

タン監督「インドネシア戦勝利に浮かれるな」
 マレーシア代表のタン・チェンホー監督は、インドネシア戦勝利によって良いスタートが切れたのは事実だが、次のUAE戦はさらに厳しい戦いとなるとして、選手たちに浮かれずに気を引き締めることを求めていると、英字紙スター電子版が伝えています。
 前述した2015年の試合でもハットトリックを決めているFWアリー・マブフートや、やはり2015年の試合に出場し、マレーシアのホームゲームとなったシャーアラムスタジでの試合でゴールを決めているMFオマル・アブドゥッラフマーンなど、どのポジションにもタレントが揃っているUAEに対して、タン監督はインドネシア戦とは戦術変更を行うとも語っています。
 最新のFIFAランキングではUAEが65位に対して、マレーシアは159位と明らかに格下であり、しかもUAEとの過去7回の対戦成績は1勝6敗、しかも唯一の勝利は1980年9月20日まで遡らなければならない強豪に対して、マレーシア代表がどのような試合を見せてくれるのか楽しみです。

UAEは早々とマレーシア入り
 そのUAE代表は、マレーシアの気候と時差ぼけ対策として、マレーシアがインドネシアと対戦した前日の9月4日に早々とマレーシア入りしています。
 英字紙ニューストレイトタイムズNST電子版によれば、2015年のAFC最優秀選手FWアーメド・カリル、そして2016年のAFC最優秀選手MFオマル・アブドゥッラフマーンを含む25名のうち、マレーシア入り後にケガをし全治2週間と報道されたFWハルファン・ムバラクを除く24名から、最終ベンチ入りメンバー23名が決まるようです。
 オランダ人のベルト・ファン・マルワイク監督は、2010年大会ではオランダを、2018年大会ではサウジアラビア(ただし大会直前に監督辞任)をそれぞれワールドカップへ導いた名将で、今年2019年3月に就任したばかりですが、アル・アビヤド(アラビア語で「白」)のニックネームを持つUAE代表には才能豊かな選手が多く、その才能を伸ばして、UAE代表を次のWC(2022年カタール大会)に出場できるような競争力のあるチームにしたいとNST電子版の取材に答えています。
 親善試合のヨルダン戦、そしてWC予選のインドネシア戦では、守備陣に不安を残したマレーシア代表ですが、FWのアリー・マブフート、アーメド・カリルやMFオマル・アブドゥッラフマーンをどう抑えるかが、勝利のカギとなりそうです。

9月5日のニュース(2):速報 スマレの2ゴールなどでマレーシアはWC予選を白星発進!

 国際サッカー連盟FIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選がいよいよ開幕し、敵地ジャカルタに乗り込んだマレーシア代表は3-2でインドネシアを破り、初戦を白星で飾る幸先良いスタートを切りました。
 試合は、マレーシアフットボールリーグMFLのパハンFAでプレーするMFサディル・ラムダニからのスルーパスを受けたブラジル出身の帰化選手FWベト・ゴンサウヴェスが12分にゴールを決めインドネシアが先制しました。またも立ち上がりで失点したマレーシアでしたが、マレーシアの帰化選手のFWモハマドゥ・スマレ(パハンFA)が37分にゴールを決め追いつきました。しかしその直後39分にはまた38歳のベト選手がゴールを決め、前半はインドネシアが2-1とリードして終了しました。
 後半66分にはシャフィク・アーマド(JDT)が同点ゴールを決めて、試合を振り出しに戻します。その後は両チーム共一進一退を繰り返し、時計は90分を過ぎ、このまま引き分けかと思われましたが、長めに取られたアディショナルタイム6分に同じパハンFAでプレーするDFマシュー・デイヴィーズからのクロスをスマレ選手がインドネシアゴールに押し込んでマレーシアが3-2年、そのまま試合終了となりました。この試合のアジアサッカー連盟AFCのレポートはこちらです。

マレーシア代表のスターティングXI。先日のヨルダン代表戦からは、ダニアル・アミール(フェルダ・ユナイテッド)に代わってシャフィク・アーマド(JDT)がトップ下に入った以外は変更なしでした。またケガの回復状況が心配されたムハマドゥ・スマレ(パハンFA)はベンチスタート。

そのスマレ選手は、37分にMFハディン・アズマン(フェルダ・ユナイテッド)と交代で出場するといきなり同点ゴールを決めました。

66分に同点ゴールを決めたシャフィク・アーマド。ACLでJDTが鹿島を破った試合でもゴールを決めた大舞台に強い男。

 途中インドネシアファンがピッチに乱入し、試合が数分間中断するなど騒然とした雰囲気の中、マレーシアのタン・チェンホー監督は、21歳のMFシャマル・クティ・アバ、20歳のMFアキヤ・ラシド(いずれもJDT)を投入して攻め続け、敵地での勝点3を取りに行きました。

そして明らかにインドネシアの運動量が落ちた間隙を突き、アディショナルタイム6分にまたしてもスマレ選手がゴール!マレーシアは2004年12月以来となるゲロラ・ブン・カルノスタジアムでの勝利を挙げました。

マレーシア対インドネシアのダイジェスト映像(マレーシアのスポーツチャンネルASTROより_

9月5日のニュース:WC予選ホーム初戦のチケット販売日程発表、WC予選は地上波でも放映、元アメリカU17代表がマレーシア代表入りを希望

WC予選ホーム初戦のチケット販売日程発表
 マレーシア代表の国際サッカー連盟FIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選は、本日9月5日のアウェイのインドネシア戦から始まりますが、第二戦となるホームでのアラブ首長国連邦UAE戦のチケット販売日程が、マレーシアサッカー協会FAMのホームページで発表になっています。
 9月10日(火)にブキ・ジャリル国立競技場で開催されるこの試合のチケットは、試合前日の9月9日の午後11時59分まではオンラインで販売され、グランドスタンドが50リンギ(約1270円)、オープンスタンドが30リンギ(730円)、子供は7リンギ(約180円)となっており、この他にグランドスタンド5.52リンギ(約140円)、オープンスタンド5.02リンギ(約130円)の発券手数料がかかります。また9月10日の試合当日午後2時からはブキ・ジャリル競技場のチケットカウンターでも販売され、こちらはグランドスタンドが60リンギ、オープンスタンドが40リンギ、子供料金はオンラインと同じ7リンギとなっています。
 FAMのホームページによると、当初はオンライン販売のみと告知されながら、試合当日に急遽カウンターでもチケットが販売された8月30日のヨルダン代表との国際親善試合では、12, 767枚売れたチケットのうち、5,082枚がカウンターでの購入であったことから、今回はオンラインとカウンター両方での販売となったことを説明しています。
 なお、UAE戦のオンラインチケットの購入はこちらから可能です。なお購入時にはパスポート番号の入力が求められ、試合中も身元確認のためのパスポートの提示が求めめられることがある、とありますが、私が観戦したヨルダン代表戦では入場時にパスポート提示を求められることはありませんでした。

WC予選は地上波でも放映
 上でも取り上げたFIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選のホーム初戦となる9月10日のUAE戦を含めたマレーシア代表のホームゲーム4試合が、マレーシア国営放送RTMによって地上波でも生中継されることが、FAMのホームページで発表になっています。RTMが中継するのは、2019年9月10日のUAE戦、11月14日のタイ戦、11月19日のインドネシア戦、そして来年2022年3月31日のベトナム戦で、会場はいずれもブキ・ジャリル国立競技場です。
 これまでは、マレーシア国内の衛星放送チャンネルASTROがマレーシア代表のホームゲームを放映してきましたが、今回RTMが放映権を獲得したことで、ASTROと契約していないサッカーファンも代表チームの試合がライブ観戦できることから、人種、宗教に関わらず全てのサッカーファンがテレビの前で代表チームを応援して欲しいとFAMのダト・ハジ・ハミディン・ハジ・モハマド・アミン会長も語っています。
 またマレーシア政府の通信マルチメディア省のゴビンド・シン・デオ大臣も、これまで有料放送と契約していないサッカーファンからRTMによる地上波放送を求める声があったとして、FAMの協力により、そういったファンの声が今回の地上波放送実現につながったとしています。

元アメリカU17代表が代表入りを希望
 元アメリカU17代表のMFワン・クザイン・ワン・カマルがマレーシア代表入りを希望していると、英字紙スター電子版が報じています。
 アメリカのイリノイ州生まれながらマレーシア人の両親を持つ20歳のワン・クザイン選手は、アメリカのメジャーリーグサッカーMLSのスポーティング・カンザス・シティに所属し、2017年にはその下部組織に当たるユナイテッドサッカーリーグUSLのスウォープパーク・レンジャーズでデビューし、先発出場9試合を含めて13試合に出場、2018年途中にスポーティング・カンザスシティに昇格すると5月27日にMLS初出場を果たし、6月3日にはMLS初ゴールも挙げています。また、この年にはUSLの最優秀若手選手表彰候補四人のうちの一人にも選ばれるなど、アメリカ国内でも評価が高い選手です。
 FAMのハミディン会長は、ワン・クザイン選手自身がU23代表のオン・キムスイ監督に直接連絡して、マレーシア代表としてプレーしたい意思を伝えたことを明らかにしており、今年12月にフィリピンで行われる東南アジア競技大会に出場するU23代表候補の一人となる可能性を示唆しています。
 昨年の時点では、ワン・クザイン選手はアメリカとマレーシアのどちらの代表チームでプレーするかどうかを決めかねているという報道がありましたが、タレント揃いのU23代表にワン・クザイン選手が加われば、4大会ぶりの金メダルも夢ではないかも知れません。

9月2日から4日までのニュース:FAMとMFLがクラブが抱える未払い給料を支給、WC予選インドネシア戦関連四題

FAMとMFLがクラブが抱える未払い給料を支給
 マレーシアサッカー協会FAMのホームページでは、FAMとマレーシアフットボールリーグMFLが総額約246万リンギ(約6200万円)を給料未払い問題を抱えるMFLの6クラブに支給したことを報告しています。
 MFLの放映権料と対象となるMFL所属クラブから集めた供託金から支給された未払い給料受け取りの対象となったのは、MFL1部のマラッカ・ユナイテッド、フェルダ・ユナイテッド、クアラ・ルンプールFA、MFL2部のPDRM FC、ペナンFA、サラワクFAの6クラブです。各クラブのマレーシア人選手はFAMの、外国人選手は国際サッカー連盟FIFAの選手ステータス(地位)委員会によって未払い給料が確定されたケースを対象としており、今年3月にやはりFAMとMFLによって支給された約252万リンギ(約6360万円)に続く、今年二度目の支給となっています。
 先日紹介した経済管理プログラムECPが来年からMFLに導入されますが、このプログラムに関する説明会が各州サッカー協会やクラブを対象に既に行われているようですので、

WC予選インドネシア戦関連
 いよいよ9月5日(木)に迫った国際サッカー連盟FIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選兼アジアサッカー連盟AFC選手権アジアカップ2023年大会予選の開幕戦となるアウェイの対インドネシア戦を前に、マレーシアの国内メディアではこれまでの対戦やその他の情報をこぞって取り上げていますので、ご紹介します。

その1:相性の悪いスタジアム
 今回の試合会場は、1962年のアジア競技大会のために建設されたゲロラ・ブン・カルノスタジアム(通称GBKスタジアム)。開場当時は10万人以上を収容していたようですが、現在は約7万人収容のスタジアムです。
 英字紙ニューストレイトタイムズ電子版によると、このGBKスタジアムでのマレーシアとインドネシアの対戦は、その1962年を皮切りに(筆者注:マレーシアの成立は1963年9月16日なので、この試合は当時のマラヤ連邦としての対戦と思われます。)過去18回。そしてその対戦成績はマレーシアの4勝2分12敗と、マレーシアにとっては相性の悪いスタジアムです。ちなみに、このGBKスタジアムでのマレーシアの勝利は2004年のアセアンサッカー連盟AFF選手権準決勝での2-1での勝利が最後です。(ちなみにこの年のAFF選手権では、マレーシアもホームでインドネシアに4-1で敗れ、準決勝で敗退しています。)
 この記事の中で、マレーシア代表のタン・チェンホー監督は、攻撃的なサッカーを展開したいと述べ、全員守備のような布陣では臨まないと述べています。

その2:元MFL選手によるマレーシア代表分析
 この試合に出場するインドネシア代表候補にも選ばれているMFアンディック・ヴェルマンサ(マドゥラ・ユナイテッド)は、マレーシアフットボールリーグMFL1部のスランゴールFAで2013年から2017年まで、昨年2018年はクダFAで計6年間に渡りプレーしていました。
 ニューストレイトタイムズ電子版は、このアンディック選手のコメントを掲載しています。それによると、アンディック選手が警戒しているのは、マレーシアのカウンターアタックとのことで、中でも両翼の上がりを警戒したいとしています。「最近のマレーシアのプレースタイルはとても独特で、守備ではできるだけ多くの相手選手を自陣に集めておいて、そこからボールを奪うと一気にカウンターを仕掛けてくるので、それに対処するような戦術を取る必要がある。」とアンディック選手は述べています。
 先日のヨルダン戦でも、ラヴェル・コービン=オング、マシュー・デイヴィーズといった辺りが積極的に攻撃参加をしていましたので、その分析は間違えていなそうですが、課題はカウンターからボールを前線に運んだ後に時間がかかるケースが多いこと。そこから有効なパスを出せぬ内に、相手の選手も戻ってきて数的有利を活かしきれないシーンもヨルダン戦では何度か見られましたので、インドネシア戦までにどのくらい改善されているかが楽しみです。

その3:外国出身の帰化選手
 FIFAによる制裁でワールドカップ2018年大会への予選が許されなかったインドネシアにとっては、2大会ぶりとなるアジア予選出場ですが、今回は4名の帰化選手が代表メンバーに選出されています。
 その4名とはDFヴィクター・イグボネフォ(ナイジェリア出身、タイリーグPTTラヨーンFC)、MFステファノ・リリパリ(オランダ出身、バリ・ユナイテッド)、FWベト・ゴンサウヴェス(ブラジル出身、マデュラ・ユナイテッド)、FWオサス・サハ(ナイジェリア出身、ティラ・プルシカボ)ですが、マレーシア代表のタン監督は、MFLでの既に(自分たちより身体の大きな)外国人選手との対戦経験があるので、インドネシア代表の帰化選手については心配していないと、英字紙スターが伝えています。さらにタン監督は、過去6試合で完封勝ちは1試合しかないことから、試合開始直後の時間帯の失点に注意したいとも述べています。

その4:セキュリティー
 インドネシアの人口2億6000万人に対してマレーシアは3200万人と、国の規模には大きな差がありますが、それでもこの両国には強力なライバル関係があります。ともにマレー系住民が大多数を占め、緩やかな関係を持つ両国(当時はそれぞれ英領マラヤと蘭領東インド)が、1824年にイギリスとオランダの間で締結された英蘭協約により、マラッカ海峡を境とする二つの国に分かれ、その後は政治の分野からスポーツの分野へとライバル関係を展開していきました。
 そんなことから、今回、マレーシアとインドネシアがワールドカップ予選同組となったことで、マレーシア側からは、アウェイでの試合での選手の安全について不安の声が上がっています。
 英字紙ニューストレイトタイムズ電子版によると、不測の時代に備えて、マレーシアサッカー協会FAMとインドネシアサッカー協会PBSIは、地元警察を踏まえた話し合いを既に複数回行っており、インドネシア政府もマレーシアチームとそのサポーターの安全を保障することことを約束しています。
 2010年のAFF選手権や2011年の東南アジア競技大会の際には、マレーシア代表チームは、試合後にバラクーダ装甲兵員輸送車でホテルまで送られた経緯があり、今回もホテル近くに同じバラクーダ装甲兵員輸送車が配備されていると報じています。(写真下はバラクーダ装甲兵員輸送車)