3月24日のニュース:エリートアカデミーに何が起こっているのか、U21とU19チームの給料未払いをケランタン州協会会長が認める、ミャンマー代表監督がマレーシアとの試合を拒否した理由とは

エリートアカデミーに何が起こっているのか
 マレーシアフットボールリーグMFL所属クラブのU19チームが対戦するユースリーグには、マレーシア国内から選手が選抜されている国家サッカー選手養成プログラムNFDPの中核をなすエリートアカデミーのモクター・ダハリアカデミーAMDのU16チームも参加していますが、このAMD U16が出場した試合で撮られた写真が様々な憶測を生んでいます。
 マレー語紙ハリアンメトロ電子版によれば、ロゴが外された古いユニフォームを着た選手たちが写った写真についてコメントしたのはKJことカイリー・ジャマルディン科学・テクノロジー・イノベーション相です。2013年から2018年の総選挙で下野するまでNFDPを統括する青年スポーツ相を務め、在任中はマレーシア人として初めてヨーロッパでプレーし、当時バイエルン・ミュンヘンU19チームのアシスタントコーチを務めていたたリム・テオンキム氏をNFDPへ招聘しました。今年2月末に起こった政権交代により再入閣を果たしたカイリー大臣は、停滞していたユース育成プログラム改善に尽力したこともあり、この「異変」に敏感に反応し、NFDPの公式インスタグラムに「2019年の予算として配分された4500万リンギ(およそ11億2000万円)はどこへいったのか」とこの状況に疑問を呈するコメントを残しました。
(胸部分にあったロゴが外されたユニフォーム-NFPD公式インスタグラムより)

 しかしカイリー大臣のコメントはその後なぜか削除され、その後NFPDがインスタグラムに削除を求めたこと、またその理由としてコメントがAMDの評判を貶めるものであることがその理由であることが公表されました。
 ユニフォームの問題以外にも、各地のNFDP参加のトレーニングセンターの閉鎖、トレーニング用具の供給の遅れ、コーチの給与削減なども起こっているようで、ここ数年間の政治の不安定によってサッカー界の将来を担う貴重なプロジェクトが個人の利益を目論む輩につけ込まれていると記事は結んでいます。

ケランタンFAU21の

U21とU19チームの給料未払いをケランタン州協会会長が認める
 ケランタンFAを運営するケランタン州サッカー協会KAFAがリーグ中断による入場料収入減から所属選手の給料削減を検討している事はこのブログでも取り上げましたが、プレジデントカップに出場するU21チームにも給料未払い問題があることをKAFAのフシン・デラマン事務局長が認めたことをマレー語紙ブリタハリアンが報じています。
 U21チームの29名とU19の22名の合計51名の選手に対し、昨季2019年シーズンの給料4ヶ月分に加えて今季は全く給料が支払われていない他、トレーニングにかかる費用等も選手負担で、過去7ヶ月間に渡ってこの状態が放置されているということです。
******
 このような状況が過去数ヶ月にわたって起こっていることを把握できないまま、ケランタンFAの今季リーグ参加を承認したマレーシアサッカー協会FAMやリーグ主催者のマレーシアフットボールリーグMFLの調査能力の低さ(あるいは問題意識の希薄さ)によって、あらゆるサッカー活動が止まり、収入減に苦しむクラブが出てくることが予想される今後も同様の問題が露呈する可能性が高まってきました。

ミャンマー代表監督がマレーシアとの試合を拒否した理由とは
 新型コロナウィルス感染者が増加する状況下では世界各地でサッカー活動が止まっていますが、今月3月に予定されていたマレーシア代表とミャンマー代表の国際親善試合を中止されています。
 マレーシアサッカー協会FAMがミャンマー代表を招待する形で行われる予定だった試合は、新型コロナウィルスの影響により中止になっていますが、ミャンマーの英字紙ミャンマータイムズ電子版によれば、ミャンマー代表の監督を務めるドイツ人のアントワーヌ・ヘイ氏が直近のFIFAランキングで136位のミャンマーが同154位のマレーシアに敗れた場合、FIFAランキングが下がってしまうことを恐れたことも中止の理由の一つであるというミャンマーサッカー協会MFFのウ・コ・コ・テイン事務局長のコメントを伝えています。
 2018年にミャンマー代表とU23代表の両チームの監督に就任しながら、同年の東南アジアサッカー連盟AFF選手権スズキカップでの敗退で一旦解任されながら、昨季から再びミャンマー代表監督に復帰したヘイ監督は、ミャンマーよりがFIFAランキングが高い国との試合を希望しているというウ・コ・コ・テインMFF事務局長のコメントも記事には併せて掲載されています。

3月21日のニュース:選手会は給料削減を検討しているクラブを非難、リーグ中断が続けばマレーシアカップは中止の可能性も、ルクマンはリーグ再開後はスランゴール2でプレー

選手会は給料削減を検討しているクラブを非難
 昨日のこのブログでは、マレーシアフットボールリーグMFL2部のケランタンFAがリーグ中断による収入源を理由に選手やスタッフと給料削減についての交渉を行うことを計画していることを取り上げました。
 このような動きに対して、マレーシアプロサッカー選手会PFAMのサフィー・サリー会長は各クラブが直面している窮状は理解できるものの、選手の生活に直結する給料削減には同意できないと表明していることを、英字紙スター電子版が報じています。
 PFAMも加盟している国際プロサッカー選手会FIFProが、選手はリーグ中断に伴う給料削減に従う必要はないとしていることを指摘した上で、サフィー会長は、政府の新型コロナウィルス封じ込め政策に便乗するような形で、選手との契約書に記載されていない不公平で唐突な給料削減をMFLのクラブが選手に求めないことを望んでいると話しています。
 またサフィー会長は、各クラブとも今季開幕前に運営資金を確保しておくべきであり、開幕からわずか2ヶ月しか経っていない現時点で経営難を訴えるべきでないとし、さらに選手の給料を入場料収入に依存する経営方針を非難した上で、選手が被害を被るような経営方法を改めることも各クラブのフロントに求めています。
 この他、自身もMFL1部のPJシティFCでプレーするサフィー会長は、フロントやクラブと問題が生じた場合はPFAMに連絡するよう、選手に呼びかけています。

リーグ中断が続けばマレーシアカップは中止の可能性も
 マレーシア国内の新型コロナウィルス感染者数は東南アジアで最大の1000人超えとなった一方で、未だに活動制限令MCOに従わない外出者がいることがメディアで取り上げられています。マレーシア政府もMCOを徹底するため、明日3月22日からはマレーシア国軍も投入されることが発表されています。
 3月18日より執行されているMCOは3月31日に解除になる予定ですが、状況が改善せず、万が一このMCOが継続して執行される場合、100年近い歴史を誇る国内カップ戦のマレーシアカップの開催時期あるいは開催形式が変更、さらに最悪の場合には中止になる可能性があると、スポーツ専門サイトのスタジアムアストロが報じています。
 なお記事の中でマレーシアフットボールリーグMFLのアブドル・ガニ・ハサンCEOは、組み合わせが決まっているものの順延となっているFAカップ2回戦の予定日として4月1日、5月1日、6月1日が候補に上げています。
 FAカップは、優勝したクラブにAFCカップの出場権が与えられることから、マレーシアカップより優先されることが予想されます。また並行してMFLも再開されること、FIFAワールドカップ予選アジア二次予選なども今年後半にずれ込む可能性が高いことからも、FAカップやリーグ戦の再開が遅れれば、MFLの上位16クラブで争われるマレーシアカップは今季は中止になる可能性が高いと考えられます。
 アジア最古のカップ戦とも言われるマレーシアカップ中止はあくまでも最後の手段と話すアブドル・ガニCEOですが、ペラTBGのメフメト・ドゥラコビッチ監督やスランゴールFCのサティアナタン・バスカラン監督はFAカップとリーグ戦を優先するべきであると記事の中で語っています。

ルクマンはリーグ再開後はスランゴール2でプレー
 マレーシア国内リーグの今年1回目の移籍期間(トランスファーウィンドウ期間)は3月15日に閉じましたが、その3月15日にスランゴール州サッカー協会FASがルクマン・ハキム・シャムスディンをスランゴールFCのBチーム、MFL2部のスランゴール2に登録したことを、スポーツ専門サイトのフォックススポーツが報じています。
 次世代のエースと目される18歳のルクマン選手はマレーシアのエリート選手養成アカデミーであるAMDの出身で、英国の新聞ガーディアンが選ぶ2002年生まれの注目選手60人に選ばれた他、昨年2019年末の東南アジア競技大会、通称シーゲームズではU22代表の主力選手としてプレーしました。
 3月5日生まれのルクマン選手は、18歳となった時点でマレーシアの大富豪ヴィンセント・タン氏が所有するベルギー1部リーグのKVコルトレイクに加入する予定でした。しかし、新型コロナウィルスの影響でヨーロッパへの移動ができなくなったことから、ヨーロッパへの移動前まで練習環境を提供していたスランゴール2と6ヶ月契約を結んだと、マレー語紙ハリアンメトロが報じています。
 KVコルトレイクと5年契約を結んだルクマン選手は、KVコルトレイク合流前に英国に渡り、やはりタン氏が所有する英国2部リーグのカーディフシティFCでの練習に参加する予定になっていましたが、ビザの問題などがあり実現せず、スランゴール2の練習に参加していました。

3月20日のニュース:マラッカUに勝点剥奪処分、ケランタンFAは選手との給料削減交渉を予定、TFC II監督は選手の練習状況をビデオで確認

マラッカUに勝点剥奪処分
 マレーシアサッカー協会FAMの公式サイトでは、マレーシアフットボールリーグMFL1部のマラッカ・ユナイテッドに対し勝点3剥奪(はくだつ)の処分が下されたことが告知されています。
 FAMの公式サイトによると、マラッカ・ユナイテッドは給料が未払いとなっている選手及びスタッフとの間で分割で未払い給料を支払うことが同意されており、1回目の支払い日の1月末には支払われたものの、2回目の支払日となっていた2月末には支払いが行われなかったことから今回の処分となったとしています。なお、マラッカ・ユナイテッドは今回支払われなかった未払い給料について4月末までの猶予を与えられましたが、それでも支払いが行われない場合にはさらに勝点が6が剥奪されることになっています。
 この他、PDRM FC、ケランタンFA、サラワクFAは未払い給料問題とは別に、所得税、従業員積立基金EPF、社会保障制度SOCSOなどに未払いがあり、その支払い期限として4月末が設定されたことも併せて発表されています。
******
 マラッカ・ユナイテッドは開幕から4試合で2勝2敗の勝点6としてリーグ3位でしたが、この処分により順位を11位に下げています。

ケランタンFAは選手との給料削減交渉を予定
 新型コロナウイルス感染者拡大を防ぐため、3月18日より国内に活動制限令が出されているマレーシアでは、幼稚園から大学まで全ての学校は閉鎖、大半の企業は休業を求められる一方、薬局や食料品店、スーパーマーケットなどのみが営業を許されており、レストランやファーストフート店でも持ち帰りとデリバリーだけが可能になっています。そんな状況下では多くのビジネスがじわじわとその影響を受け始めていますが、リーグ中断期間中のマレーシアサッカーリーグMFLの各クラブも例外ではないようです。
 英字紙ニューストレイトタイムズは、MFL2部ケランタンFAの経営陣がリーグ中断に伴い、給料削減について選手との交渉を予定していると報じています。
 ケランタンFAを運営するケランタン州サッカー協会KAFAのフスイン・デラマン事務局長は、リーグ中断による入場料収入減により経営が圧迫されていることを認めた上で、選手にも運営資金が不足している状況を理解して欲しいと述べています。
 「試合が1試合中止になるごとに、およそ10万リンギ(およそ250万円)の入場料収入を失うことになり、毎月50万から60万リンギ(およそ1260万から1510万円)かかかるクラブの運営費用の中で、この入場料収入を失うのは大きい」と述べ、リーグ再開までを条件に、給料の25パーセントの削減を求めるとしています。
******
 マレーシアサッカー協会FAMはリーグ中断期間中の給与未払いが発生しないように監視するとしていますが、開幕前には予想できなかった状況下で運営が厳しくなっているクラブはケランタンFAだけではない可能性があり、今後は公にならないケースも含め、経営側と選手、スタッフとの間で給料削減交渉が行われる可能せはありそうです。

TFC II監督は選手の練習状況をビデオで確認
 マレーシアフットボールリーグMFLは、活動制限令が有効となる3月31日までの間は練習を実施ないこと、練習試合を行わないことを各クラブに通達し、また外国籍選手に対しては、いったん出国してしまうと再入国が難しくなる可能性があることからマレーシア国内に留まることを求めています。
 新型コロナウィルスという不測の事態とは言え、練習ができない活動制限令が発令されている最中の選手の体調維持は多くの監督、コーチにとって悩みの種だと思いますが、MFL2部のトレンガヌFC IIは所属選手に対して毎日のトレーニングの様子をビデオ撮影して送ることを求めていると、ニューストレイトタイムズが報じています。
 現在、MFL2部の首位を走るトレンガヌFC IIのロシャディ・ワハブ監督は、スピードとアジリティに特化したトレーニングを(イスラム教の礼拝日がある)金曜日を除く毎日、1日2時間行い、その様子をビデオ撮影してスタッフに送るように指示していると言い、ここまでは全選手がその指示を守っていると話しています。
******
 ツイッターでは、鈴木ブルーノ選手が自主トレーニング中の映像をアップしていましたが、録画してコーチに送る必要があったのですね。

3月17日のニュース:協会はリーグ中断中の給与未払に監視を強化、開幕からの4試合で3勝1分のJDT監督の進退問題?、東南アジア選手権2020年大会もスズキ自動車が冠スポンサーに

協会はリーグ中断中の給与未払いに監視を強化 
 新型コロナウィルスの影響を受け、3月16日から中断期間に入ったマレーシアフットボールリーグMFLですが、この中断期間に給与未払いが発生しないよう、マレーシアサッカー協会FAMは注意の目を光らせるつもりであると、英字紙ニューストレイトタイムズが報じています。
 FAMのスチュアート・ラマリンガムCEOは、選手やスタッフはいずれもクラブと正式に契約を交わしていること、また各クラブともリーグ開幕前にMFLが行った審査で11月までの予算が確保されていることになっているので、財政問題による給料未払いが発生しないと信じていると話しています。同時にFAMは、今後の状況を詳しく監視し、もし給料を支払われない選手やスタッフからFAMに対して報告がされた場合には、それに応じて該当クラブに処分を行うとしています。
****** 
 このブログでも数え切れないほど取り上げた給料未払い問題。特に問題がない場合でも給料未払い問題が普通に発生するマレーシアサッカー界では、今回の新型コロナウィルスによるリーグ中断は、経営者側による給料未払いの良い口実となりかねません。 
 スペインのラリガを参考に、MFLが今季開幕前に新たに導入したECP(経済コントロールプログラム)によって、各クラブの財務状況はMFLが審査済みのはずなので、もしクラブが今回の中断による救済措置などを求めるようであれば、MFLの審査そのものに問題ありとなり、非難がMFLへ向かう可能性もあります。

開幕からの4試合で3勝1分のJDT監督の進退問題?
 ジョホール・ダルル・タジムJDTはマレーシアフットボールリーグMFL1部で6連覇中ですが、今季は開幕戦で昨季FAカップチャンピオンのクダFAに1-0と勝利したものの、その後はいずれも今季1部に昇格したばかりのUITM FCに2-1、PDRM FCに1-0と辛勝、そして4戦目のフェルダ・ユナイテッドとは1-1と引き分けたことから、今季も圧倒的な勝利を予想するメディアの中にはモラ監督の進退について取り上げる新聞も出てきました。
 マレー語紙ブリタハリアンでは、MFLの各クラブがモラ監督の戦術に慣れた現状では、新たな戦術導入が必要とし、このままではモラ監督交代もありうるというマラ工科大学UITMのスポーツ科学科のモハマド・サデック・ムスタファ准教授のコメントを掲載しました。
 これに対し、JDTは公式Facebook上でテクニカル・ディレクターを務めるアリスター・エドワーズ氏が、開幕からの4試合で3勝1分の勝点10でリーグトップであること、他のクラブに比べるとAFCチャンピオンズリーグACLの試合を余分に戦って疲労がたまていることなどを挙げつつ、コーチでも元選手でもないサッカーとは無関係の学識経験者からのコメントを掲載したブリタハリアンに対して、単に現状を扇情的に扱っていると非難し、公平で正確な報道を求めるとしています。
(JDT公式FBに掲載されたエドワーズTDのコメント)

******
 UITM FCやPDRM FCとの1点差勝利、そして昨季は最終節まで2部降格の可能性があったフェルダ・ユナイテッドと引き分けたことで、ソーシャルメディア上でも「今季のJDTは大丈夫か」のようなコメントは散見されました。
 「引分は負けに等しく、負けを大惨事のようにみなすサポーターの気持ちは理解できる一方で、良い日もあれば悪い日もあり、それがサッカーだと理解する必要がある」とJDTのオーナーのジョホール州皇太子トゥンク・イスマイル殿下もモラ監督率いるチームを支持するコメントを出しています。
 4試合を消化して、3勝1分で勝点10を獲得しながら進退問題が話題になる監督は世界中を見回してもそうはいないでしょうが、言い換えれば、JDTに対するマレーシアサッカーファンの期待がどれだけ高いかを示しているとも言えるでしょう。
(JDT公式FBに掲載されたオーナーのトゥンク・イスマイル殿下のコメント)

東南アジア選手権2020年大会もスズキ自動車が冠スポンサーに
 東南アジアチャンピオンを決めるアセアンサッカー連盟AFF選手権は2年ごとに開催され、前回大会の2018年大会ではベトナムが通算スコア3-2でマレーシアを破って優勝しています。
 今年開催予定の第13回大会も予定通りであれば、今年半ばに予選のグループ分けが決定し、10月から11月にかけてグループステージが始まりますが、今年の大会もスズキ自動車がAFF選手権の冠スポンサーに就任したことをGoal. comが伝えています。
 タイガービールが冠スポンサーとして1996年に始まったことから当初はタイガーカップと呼ばれていたAFF選手権は、2004年のタイガービール撤退により単にAFF選手権と呼ばれていた時期を経て、スズキ自動車が冠スポンサーとなった2008年大会からはスズキカップと呼ばれています。
 また試合の開催方法も年とともに変わってきており、2016年の前々回大会までは、それぞれ4カ国が2つのホストカントリーに分かれてグループステージを行う形式でしたが、前回2018年大会からは2つのグループに分けられた5カ国が、ホーム2試合、アウェイ2試合を戦受け意識に変わりました。グループの上位2カ国が準決勝に進出し、またホームアンドアウェイで対戦、さらに決勝もホームアンドアウェイの通算成績で優勝が決まる形式は引き継がれたものの、この2018年大会は75万人を超える観衆を集める大会になりました。
******
 今年、操業100周年、そして東南アジア進出90年を迎えるスズキ自動車の冠スポンサー継続は喜ばしいことですが、気になるのはやはり新型コロナウィルスの影響です。現在、国内リーグ中断中のマレーシア、ベトナム、タイ、インドネシア、また開幕を延期したフィリピンなどが、今後、国内リーグを再開し、さらに予定されている日程全てを消化しようとすれば、その試合日程が10月あるいは11月までずれ込む可能性があり、そうなるとスズキカップのグループステージが予定されている時期と重なる可能性があります。

3月16日のニュース:MFL第2節と第3節の入場者数

 マレーシアサッカー協会FAMとマレーシアフットボールリーグMFLは、本日3月16日より1部スーパーリーグ、2部プレミアリーグ、3部M3リーグ、4部M4リーグからマレーシアフットサルリーグMFSL、21歳以下のプレジデントカップ、19歳以下のユースカップまで、FAMとMFL管轄のあらゆるサッカー活動の中断を決定しています。
 また無観客試合として行ったMFL第4節以降の日程も発表しておらず、4月2日(金)から4日(日)に予定されている第5節までにこの中断期間が終了するのかどうかも定かではありません。
 なお、マレーシア政府は3月18日(水)から31日(火)まで国内全校の閉鎖や教会やモスクでの集会、スポーツを含むイベントの禁止などを発表しており、再会があるとしても4月以降の話になりそうです。
 そこで今回は、MFL1部と2部の第2節と第3節の入場者数に関するサッカー専門サイトのヴォケットFCの記事をまとめました。なお第1節についてはこちらをご覧下さい。

MFL第2節の入場者数
 マレーシアフットボールリーグMFL第2節は3月6日(金)と7日(土)に行われましたが、この第2節の11試合を観戦したのは7万5563人でした。3月6日(金)のUKM FC対ケランタンFAの試合が雷雨により中止となった、通常より1試合減って11試合が実施されました。
 リーグ別に見ると、1部スーパーリーグはジョホール・ダルル・タジムJDTのホーム、スルタン・イブラヒムスタジアムで開催されたJDT対UITM FC戦が2万2387人と、第2節最大の入場者を記録した一方で、スランゴール州のUITMスタジアムで開催されたPJシティFC対パハンFA戦の2110人が第2節最小入場者数でした。この試合はPJシティFCのホーム、MBPJスタジアムが改修工事中のため、UITMスタジアムでの開催でした。なお、1部スーパーリーグ第2節の1試合あたりの平均入場者数は1万466人で、第1節の1万3680人からおよそ24パーセント減少しています。
 また2部プレミアリーグでは、ペナンFAのホーム、シティスタジアムで開催されたペナンFA対スランゴール2戦が最大の5855人を集めた一方、最小がトレンガヌ州のスルタン・イスマイル・ナシルディン・シャースタジアムでのトレンガヌFC II対ペラII戦の350人となっています。2部プレミアリーグ第2節5試合の1試合あたりの平均入場者数は2130人で、第1節の平均入場者数の3438人からおよそ38パーセント減少しています。

MFL第3節の入場者数
 続く第3節の入場者数は1部スーパーリーグと2部プレミアリーグ合わせて4万8582人と、前節第2節からはおよそ36パーセント減、開幕節の第1節からほぼ半減の52パーセント減となっています。
 その理由として、3月10日(火)、11日(水)と平日開催であったこと、また新型コロナウィルスの患者数が国内でも徐々に増え始め、人が多く集まるイベントへの参加自粛が拡大したことなどが考えられます。
 第3節は1部スーパーリーグの6試合合計で3万3658人が観戦に訪れています。トレンガヌFC対スランゴールFC戦が開催されたトレンガヌ州のスルタン・ミザン・ザイナル・アビディンスタジアムが1万7200人と最大の観衆を集め、最小はスーパーリーグの試合で唯一、観衆が1000人を割ったフェルダ・ユナイテッドのホーム、トゥン・アブドル・ラザクスタジアムでのフェルダ・ユナイテッド対マラッカ・ユナイテッド戦でした。なお、1部スーパーリーグ第3節の1試合あたりの平均入場者数は5909人で、第2節の1万466人からはおよそ44パーセント、第1節の1万3680人からおよそ57パーセント減少しています。
 一方2部プレミアリーグは6試合で1万4914人の入場があり、ケランタン州のクラブ同士のいわゆる「ケランタンダービー」となったケランタンFA対ケランタン・ユナイテッド戦の入場者数が1万315人と最大の観衆を集めた一方で、KLフットボールスタジアムでのスランゴール2対サラワク・ユナイテッド戦、タンスリ・ダト・ハジ・ハサン・ユノススタ自マムでのジョホール・ダルル・タジムII対クアラルンプールFA戦、ヌグリスンビラン州のトゥンク・アブドル・ラーマンスタジアムでのヌグリスンビランFA対UKM FC戦の3試合で観客が1000人以下となっています。2部プレミアリーグ第3節の1試合あたりの平均入場者数は2485人で、第2節の2130人殻は増加したものの、第1節の平均入場者数の3438人からおよそ28パーセント減少しています。

MFL1部スーパーリーグ 2020年シーズン第4節結果

 マレーシアフットボールリーグMFLは、3月14日(土)と3月15日(日)の両日に、1部スーパーリーグMSLの第4節の6試合が行われました。以下結果です。
(ホームチームが左側です。)
 なお、MFLは第5節以降の試合の延期を決定しており、新たな日程は後日発表となります。

3月14日(土)
リカススタジアム(サバ州コタキナバル)
サバFA 2-2 ペラTBG
得点者:サバ-アジザン・ノーディン(5分)、ギー・グナブユ(27分)、ペラ-シャーレル・フィクリ2(17分、80分)
 ペラは開幕から4試合負けなしで中断期間へ、サバはホームでの連勝はなりませんでした。

ハン・ジェバスタジアム(マラッカ州クルボン)
マラッカ・ユナイテッド 0-1 パハンFA
得点者:パハン-ディクソン・ヌワカエメ(67分)
 マラッカは開幕から2連勝の後で2連敗、一方のパハンは開幕から2連敗後の2連勝です。

スルタン・イブラヒムスタジアム
ジョホール・ダルル・タジムJDT 1-1 フェルダ・ユナイテッド
得点者:JDT-シャフィク・アーマド(21分)、フェルダ-フレデリック・ビュロ(52分)
 開幕戦から続いていたJDTの連勝は3でストップしましたが、JDTアカデミー出身の17歳、アリフ・アイマンがAチームデビューを果たしています。一方フェルダ・ユナイテッドは2017年9月28日以来のJDTからの勝点(ただしこの時は3-2で勝利しています)で、開幕からの4試合を1勝2分1敗として中断期間に入ります。
 フェルダ・ユナイテッドの恵龍太郎選手は先発してフル出場しています。

3月15日(日)
ダルル・アマンスタジアム(クダ州アロースター)
クダFA 2-0 スランゴールFC
得点者:クダ-レナン・アウヴェス(25分)、クパ・シャーマン(45分)
 ここまで1分2敗と苦しんでいた昨季のFAカップチャンピオン、クダFAが、クパ・シャーマンの3戦連続ゴールなどでスランゴールFCを下して待望の今季初白星。

UITMスタジアム(スランゴール州シャーアラム)
UITM FC 3-1 PDRM FC
得点者:UITM-ラビ・アタヤ(12分)、グスタヴォ・アルメイダ(45分PK)、ズルキフリ・ザカリア(分)、PDRM-エスカンダー・イスマイル(90+1分)
 11位と12位の対決は、11位のUITM FCが今季初勝利、12位のPDRM FCは今季チーム2ゴール目を挙げるも開幕から4戦で勝利はありません。

なお3月14日(土)に予定されていたPJシティFC対トレンガヌFCの試合は、ホームのPJシティFCが試合会場を用意できなかったため、順延となっています。

マレーシアスーパーリーグ順位表(第4節終了時)
*PDRM FCは給料未払い問題による処分を受け、勝点3が剥奪されています。
*第4節のPJシティFC対トレンガヌFCは、ホームのPJシティFCが試合会場を用意できなかったため順延となっています。

順位クラブ得点失点得失差勝点
1JDT431052310
2PRK42208448
3MLK42207526
4PHG42026516
5SBH41215505
6FEL412167-15
6SEL412167-15
8KDH41126604
9TFC311189-14
10UITM411256-14
11PJC311145-14
12PDRM401327-5-2

順位表のクラブ名称:JDT-ジョホール・ダルル・タジム、PRK-ペラTBG、MLK-マラッカ・ユナイテッド、PHG-パハンFA、SEL-スランゴールFC、SBH-サバFA、FEL-フェルダ・ユナイテッド、TFC-トレンガヌFC、PJC-PJシティFC、KDH-クダFA、UITM-UITM FC、PDRM-PDRM FC

マレーシアスーパーリーグ ゴールランキング(第4節終了時)

ゴール数選手名所属
4ドミニク・シルヴァトレンガヌFC
3イヴァン・カルロスパハンFA
3シャーレル・フィクリペラTBG
3イフェダヨ・オルセグンスランゴールFC
3クパ・シャーマンクダFA
2ブレンダン・ガンら13名

MFL2部プレミアリーグ 2020年シーズン第4節結果

 マレーシアフットボールリーグMFLは、3月13日(金)と3月14日(土)の両日に、2部プレミアリーグMPLの第4節の6試合が行われました。以下結果です。
(ホームチームが左側です。)
 なお、MFLは第5節以降の試合の延期を決定しており、新たな日程は後日発表となります。

3月13日(金)
スルタン・イスマイル・ナシルディン・シャースタジアム(トレンガヌ州クアラトレンガヌ)
トレンガヌFC II 2-1 ケランタンFA
得点者:トレンガヌ-ジョーダン・ミンター(33分)、ズアシャラフ・ズルキフリ(63分)、ケランタン-フェリックス・チディ(32分)
 トレンガヌFC IIは開幕から4連勝、ケランタンFAには今季初の黒星がつきました。
 トレンガヌFC IIの鈴木ブルーノ選手、ケランタンFAの渡邉将基は両選手ともスタメンでフル出場しています。

3月14日(土)
MPSスタジアム(スランゴール州スラヤン)
UKM FC o-0 ジョホール・ダルル・タジムJDT II
得点者:なし
 JDT II移籍後、初先発となった廣瀬慧はフル出場しています。

サラワク州立スタジアム(サラワク州クチン)
サラワク・ユナイテッド 1-2 クアラルンプール
得点者:サラワク-アムリ・ヤハヤ(52分)、クアラルンプール-アジム・ラヒム2(33分、73分)

スルタン・ムハマド4世スタジアム(ケランタン州コタバル)
ケランタン・ユナイテッド 3-0 ヌグリスンビランFA
得点者:ケランタン-カイルル・イズアン(21分)、ガッサマ・アルフサイネイ(53分)、シャズワン・ユソフ(63分)
 ヌグリスンビランの中武駿介選手は先発してフル出場しています。

クアラルンプールフットボールスタジアム(クアラルンプール)
スランゴール2 2-1 ペラII
得点者:スランゴール-バジラム・ネビヒ(30分)、ダニアル・アスリ(56分)、ペラ-アディブ・ラオプ(68分)

シティスタジアム(ペナン州ジョージタウン)
ペナンFA 0-0 クチンFA
得点者:なし
 25分に退場者を出し早々と10人になったクチンFAでしたが、ここまでの3試合で9得点のペナンFA相手に、GKイクバル・スハイミの活躍もありゴールを許さず、東山晃監督に初の勝点1をプレゼントしました。一方のペナンFAは8本のCKを得るなど、終始押し気味に試合を進めながら、開幕から3試合で6ゴールのカサグランデら攻撃陣がシュートの正確さを欠き、今季初の無得点でした。
 クチンFAは鈴木雄太選手は先発してフル出場し、谷川由来選手はベンチ入りしましたが出場はありませんでした。

マレーシアプレミアリーグ順位表(第4節終了時)
*第2節のケランタンFA対UKM FCは雷雨のため順延となっています。

順位クラブ試合得点失点得失差勝点
1TFC440072512
2KELU43016339
3PEN42209458
4KUL42207438
5SEL420246-26
6JDT412156-15
7KEL31114314
8UKM311123-14
9SUA410378-13
10N9410349-53
11KCN401336-31
12PRK401326-41

順位表のクラブ名称:TFC-トレンガヌFC II、KELU-ケランタン・ユナイテッド、PEN-ペナンFA、KUL-クアラルンプールFA、SEL-スランゴール2、JDT-ジョホール・ダルル・タジムJDT II、KEL-ケランタンFA、UKM-UKM FC、SUA-サラワク・ユナイテッド、N9-ヌグリスンビランFA、KCN-クチンFA、PRK-ペラII

マレーシアプレミアリーグ ゴールランキング(第4節終了時)

ゴール数選手名所属
6カサグランデペナンFA
3イゴール・ルイスヌグリスンビランFA
3フランシス・コネクアラルンプールFA
3パトリック・ロナウジーニョサラワクU
2エンドリック含め12名

3月14日のニュース:本日予定のPJシティFC対トレンガヌFC戦は試合会場が確保できず延期、予定されていた代表候補合宿も中止

本日予定のPJシティFC対トレンガヌFC戦は試合会場が確保できず延期
 無観客試合として開催されることが決定したマレーシアフットボールリーグMFL第4節ですが、その第4節の1試合、PJシティFC対トレンガヌFC戦が延期されることがMFLから発表されています。その理由は何と試合会場が確保できなかったからのようです。
 このブログでも取り上げましたが、PJシティFCは本拠地として使用するスランゴール州プタリンジャヤにあるMBPJスタジアムが改修工事中のため、ホームゲームとして予定されていた第2節のパハンFA戦を同じスランゴール州のUITMスタジアムで開催しました。
 それでもホーム2戦目となる3月14日の試合までには工事が終了すると、PJシティFC側は主張していましたが、結局、このような羽目になってしまいました。
 しかもこのこと最初に発表されたのがリーグ主催者のMFLでも、試合会場を用意できなかったPJシティFCでもなく、トレンガヌFCの公式Facebookだったこと、さらにはトレンガヌFCが公表したから5時間も経ってからMFLの公式サイトで発表されたことから、トレンガヌFCのサポーターを中心にMFLが責任回避をしているという非難がソーシャルメディア上で起こり、トレンガヌFCの公式ツイッターも「町内のサッカー大会ならまだしも、国内のトップリーグがこのような対応で良いのか」とMFLを酷評し、本来ならPJシティFCのみが罰せられる事態にもかかわらず、試合に向けて準備をしてきたトレンガヌFCも被害を受けるような処置は理解しがたいとコメントする事態になっています。
******
 PJシティFCの試合棄権としてトレンガヌFCに勝点3を与えても良いくらいの失態だと思います。PJシティFCが非難されるのは当然ですあ、それ以上に責任が重いのが、PJシティFCの失態を試合日程延期で済まそうとしているMFLです。そもそも本拠地を用意するというリーグ参加要件を満たしていないPJシティFCのリーグ参加を認めたこと、さらに試合会場の手配をクラブに任せてこのような事態を招いたことで、MFLの国内リーグ運営能力にまた疑問符がついた格好で、仕組みは一流、使う人間は三流と揶揄されることが多いマレーシアを表す形になってしまいました。
(以下はトレンガヌFCが公表したMFLからトレンガヌFC宛に出された試合延期通達の手紙-トレンガヌFCのツイッターより)

予定されていた代表候補合宿も中止
 サッカー専門サイトのヴォケットFCは、マレーシアサッカー協会FAMが予定されていた代表候補合宿の中止を決めたと報じています。
 新型コロナウィルスの影響により、今月3月にFIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選が延期となったこと、また国際親善試合を組むことも現実的ではないこと、さらにはFIFAとアジアサッカー連盟AFCからの指針が出ていることなどから、選手招集を行わないことをFAMのハミディン・モハマド・アミン会長が明らかにしています。

3月13日のニュース:速報-MFL第4節は無観客試合として開催、FAカップは延期、日程も変更に

MFL第4節は無観客試合として開催
 マレーシアサッカー協会FAMとマレーシアフットボールリーグMFLは、新型コロナウィルス感染者がマレーシア国内でも増加しつつあることを受け、本日3月13日午前11時から臨時会合を開いていましたが、FAM公式ツイッター上で、今期第4節のMFL1部スーパーリーグ、2部プレミアリーグ、3部M3リーグ、4部M4リーグの全ての試合を無観客試合として開催すると発表しています。
 なお昨日3月12日付で、マレーシアのスポーツを監督するスポーツコミッショナー事務局からもスポーツイベントの主催者に対して、イベントの延期を求める通達が出されていました。


 MFLの日程を見ると第4節終了後は、FIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選兼2023年AFC選手権アジアカップ予選となる3月26日のアウェイのアラブ首藤国連邦戦、3月31日のホームのベトナム戦が予定されていたこともあり、第5節は4月3日(金)と4日(土)となっています。第4節を無観客でも試合を実施することでリーグ戦延期を避けようとしたのかも知れません。
 なお、隣国タイの国内リーグは既に3月3日より4月17日まで延期、シンガポールリーグもリーグに参加しているブルネイのDPMM対アルビレックス新潟シンガポール戦(3月14日)が延期となっています。

FAカップは延期、日程も変更に
 本日の会合の結果、MFL第4節は無観客試合ながら開催となりましたが、FAMとMFLが主催する試合は3月16日(月)以降は全て延期となることも併せて発表されており、3月17日(火)と18日(水)に予定されていたマレーシアFAカップの2回戦全試合、各クラブのU21チームが参加するプレジデントカップ、同じくU19チームが参加するユースカップの全ての試合も延期が決定しています。

3月12日のニュース:速報-協会とリーグが明日午前に緊急会合開催、サファウィ・ラシドが2戦連続でベンチを外れ憶測を呼ぶもケガによるものと判明、スランゴール監督はテロ組織と関連づけられ法的措置を検討

速報-協会とリーグが明日午前に緊急会合開催
 マレーシアサッカー協会FAMは、明日3月13日(金)午前11時よりマレーシアフットボールリーグMFLとの会合を開催することを公式ツイッターで発表しています。
 これを受けてJDTが今週末3月14日(土)MFL第4節フェルダ・ユナイテッド戦のチケット販売を一時取り止めており、明日の会合の内容次第では、今週末のMFL第4節とその後の日程が延期あるいは変更になる可能性があります。
(下はチケット販売を一時取り止めを伝えるJDTのFacebookポスト)

サファウィ・ラシドが2戦連続でベンチを外れ憶測を呼ぶもケガによるものと判明
 2018年、2019年と2年連続で国内リーグMVPを受賞しているジョホール・ダルル・タジムJDTのエース、サファウィ・ラシドは、マレーシアフットボールリーグMFLの第2節、第3節と続けてベンチ外でした。
 今季最初の試合となったAFCチャンピオンズリーグACLの水原三星戦、そしてリーグ開幕戦のクダFA戦とも精彩を欠いていたことに加え、JDTのオーナーであるジョホール州皇太子のトゥンク・イスマイル殿下からも、彼女から結婚を迫られていることが試合に集中できていない理由であると指摘され、このままでチームに居場所がなくなると言われていたサファウィ選手でしたが、そんなこともあり、2戦連続の欠場理由について様々な憶測が飛び交っていました。
 これについて、第3節のPDRM FC戦後の記者会見でJDTのベンヤミン・モラ監督は、サファウィ選手の欠場はケガによるものであると明かしたことをサッカー専門サイトのヴォケットFCが報じています。
 なおモラ監督は、サファウィ選手のケガが回復するまでにどのくらいかかるのかは不明であるとしています。

スランゴール監督はテロ組織と関連づけられ法的措置を検討
 先日、ソーシャルメディア上で自分自身とクラブの選手に対する人種差別発言がなされていることを公表したスランゴールFCのサティアナタン・バスカラン監督は、その後も自身をテロリストグループのLTTE(タミル・イーラム解放のトラ)と関連づける内容がソーシャルメディア上に投稿されたとして、法的措置を検討していることをスポーツ専門サイトのスタジアムアストロが報じています。
 自身はソーシャルメディアを使わないというサティアナタン監督は、かつてスランゴールFCでプレー経験のある元選手によりソーシャルメディアで自分を中傷する投稿が行なわれていることを知らされ、現在は弁護士と相談中であると話しています。
 LTTEとは、シンハラ人が大多数を占めるスリランカで武力闘争を行なっていた少数派タミル人のテロ組織で、現在も西側諸国の大半はテロ組織として認定し、マレーシアもこのLTTEをテロ組織として認定しています。また、インド系マレーシア人のサティアナタン監督はタミル系インド人の血を引いています。
 このような投稿を放置しておけば(マレーシア国内で少数民族の)中華系やインド系マレーシア人がスポーツをやることを躊躇(ちゅうちょ)するようになることを危惧していると話すサティアナタン監督は、弁護士だけでなく警察にも相談しているとも述べています。