12月14日のニュース:来季MFLは2月28日に開幕、スランゴールUが買収されサラワクUに名称変更、KLFAに新監督就任

来季MFLは2月28日に開幕
 マレーシアフットボールリーグMFLのホームページでは、来季のMFLが2月28日に行われる、MFL優勝チームJDTとマレーシアFAカップ優勝チームクダFAが対戦するスンバンシーカップで開幕し、7月19日に閉幕することが発表されています。
 スランゴールFAのバスカラン・サティアナタン監督を筆頭に、キャンプの予定が立てられないと来季の日程を発表しないMFLに対して不満が高まっていましたが、とりあえず開幕日は発表になりました。
 今回の日程発表の遅れについてMFLは、各クラブの経営状況を把握し、それぞれのクラブが予算範囲内で選手と契約し、給料未払い問題の発生を事前に防ぐための経済コントロールプログラムECPが来季2020年シーズンから導入されることによるものとしています。
 このECP導入により、MFL1部と2部所属の全クラブは全ての登録選手との契約予算をMFLに提出、それをもとにMFLが来年2020年1月15日までに各クラブの経営状況審査を行った上で認可することになっています。
 また、新規選手獲得期間となるトランスファーウィンドウは、各クラブの経営状況審査が終了する予定の1月16日から3月15日までに設定されています。

スランゴールUが買収されサラワクUに名称変更
 同じMFLのホームページでは、サラワク州サッカー協会FASによるMFL2部スランゴール・ユナイテッドFCの買収と、それに伴うチーム名変更申請を承認したと発表しています。この結果、来季2020年にはスランゴール・ユナイテッドFCはサラワク・ユナイテッドFCとしてMFL2部に参戦します。
 スランゴール州マレー人サッカー協会SMFAが運営するスランゴール・ユナイテッドFCは、1974にマレーシアマレー人サッカー協会PBMM FCとして創設され、2017年にはスランゴール州マレー人サッカー協会PBMS FCに、そして2018年にはスランゴール・ユナイテッドFCと名称変更しました、その2018年にはMFL3部にあたるFAMカップ(当時、現M3リーグ)で2位となりMFL2部に昇格、今季2019年はMFL2部で11チーム中9位となっていました。
 一方FASが統括するサラワクFAは今季MFL2部で最下位11位となり、M3リーグ2位のクチンFAとの入れ替え戦に臨みましたが1-3で敗れ、M3リーグ降格が決まっていました。
 この変更により、チームの本拠地はスランゴール州スナヤンスタジアムからサラワク州のサラワク州立スタジアムへとなり、
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 スランゴール州サッカー協会が運営資金援助を停止し、資金繰りに苦しむスランゴール・ユナイテッドFCと、州サッカー協会が統括するクラブとしては唯一M3リーグでプレーすることを避けたかったFASの思惑が、両クラブの間に横たわる南シナ海を超えて一致した結果とは言え、結局のところスランゴール・ユナイテッドFCが持っていたMFL2部の座を、M3リーグ降格が決まっていたサラワクFAに金で売り渡した格好になっているのは、個人的にはすっきりしません。

KLFAに新監督就任
 今季2019年はMFL1部で最下位となり、来季2020年はMFL2部に降格するクアラルンプール(KL)FAは、今季マラッカ・ユナイテッドでアシスタントコーチを務めたニザム・アズハ・ユソフが新監督に就任したことを、KLを中心としたスポーツ関連情報のオンラインサイトスポーツタイムズが報じています。
 ニザム新監督は、クダFAでアシスタントコーチを務めていた2017年には、当時のタン・チェンホー監督のフル代表アシスタントコーチ就任に伴い、シーズン半ばで監督に昇格するとチームをマレーシアカップ決勝に導きました。しかし翌年2018年にスペイン人のラモン・マルコートのクダFA監督就任に伴い、再びアシスタントコーチに降格、しかしチームが開幕ダッシュに失敗するとわずか5試合で育成コーチに配置換えされたマルコートに代わって再び監督に復帰しました。今季2018年はマラッカ・ユナイテッドでザイナル・アビディン監督のもと、アシスタントコーチを務めていました。
 ニザム新監督は就任すると直ちに、マラッカ・ユナイテッドで今季主将を務めながら給料未払い問題によって試合出場を拒否していたベテランのシュコル・アダンや、クダFA時代の選手であるアクラム・マヒナン(PKNS FC)などを呼び寄せています。
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 KLFAは、先日の東南アジア競技大会シーゲームズにオーバーエイジ枠で出場した地元出身のイルファン・ザカリアを含めた大量の選手が今季終了後に退団し、今季のチームから残留するのはわずか7名と、大幅な選手交代の最中です。残留する選手の中には2020年には39歳になるインドラ・プトラ・マハユディンもおり、ニザム監督は1部昇格を目指すチームにシュコル・アダン選手やインドラ・プトラ選手といったベテランの力が必要と判断したようです。

11月16日のニュース:年間MVPは2年連続でサファウィ・ラシドが受賞-ナショナルフットボールアウォード各賞発表

年間MVPは2年連続でサファウィ・ラシドが受賞
 11月15日に開催されたナショナルフットボールアウォードABK2019では、MFL1部ジョホール・ダルル・タクジムJDTのMFサファウィ・ラシドが昨年2018年に続き、2年連続で年間最優秀選手賞MVPを受賞しています。
 今季2019年はリーグ戦、カップ戦合計で20ゴールを挙げた22歳のサファウィ選手は、このMVPの他、最優秀フォワード賞、ファン投票で選ばれる最も人気のある選手Most Popular Playerにも選ばれています。
 昨年の初受賞の際には、史上最も若くしてMVPを獲得したサファウィ選手ですが、成功の秘訣を問われると、練習、試合いずれも常に全力で臨んでいることを挙げ、将来的にはオファーがあれば海外のクラブでプレーすることを望んでいると述べる一方で、これまで自分を育ててくれたJDTのオーナーであるジョホール州皇太子トゥンク・イスマイル殿下の意思も尊重したいと述べています。

ナショナルフットボールアウォード各賞発表
 上記のサファウィ選手のMVP、最優秀フォワード賞以外も発表になっていますが、大方の予想通りJDTが席巻しています。なお各賞の受賞者は以下の通りです。
 最優秀選手:サファウィ・ラシド(JDT)
 最優秀フォワード:サファウィ・ラシド(JDT)
 最優秀ミッドフィルダー:モハマドゥ・スマレ(パハンFA)
 最優秀ディフェンダー:シャルル・サアド(ペラTBG)
 最優秀ゴールキーパー:ファイザル・マーリアス(JDT)
 最優秀外国籍選手:ジオゴ・ルイス・サント(JDT-ブラジル)
 最優秀外国籍選手(アセアン):ハリス・ハルン(JDT-シンガポール)
 ベストヤングルプレーヤー賞:アキヤ・ラシド(JDT)
 最優秀監督:ドラー・サレー(パハンFA)
 ゴールデンブーツ(最多得点):フェルナンド・ロドリゲズ(クダFA)
 最高人気選手:サファウィ・ラシド(JDT)
 最優秀クラブ:JDT
 最優秀サポーターグループ:ボーイズオブストレイト(JDT)
 最優秀ソーシャルメディア:johorsoutherntigers.com.my(JDT)
 最優秀ホームページ:JDT
 MFL1部スーパーリーグ最多得点(マレーシア人選手):サファウィ・ラシド(JDT-8ゴール)
 MFL1部スーパーリーグリーグ最多得点(外国籍選手):クパー・シャーマン(PKNS FC-14ゴール)
 MFL2部プレミアリーグ最多得点(マレーシア人選手):ボビー・ゴンザレス(サラワクFA-9ゴール)
 MFL2部プレミアリーグリーグ最多得点(外国籍選手):ザルコ・カラチ(UITM FC-13ゴール)
 最優秀M3リーグ選手:ファクルル・ザマン(ケランタン・ユナイテッド)
 ファン投票による2019年ベストチーム
 監督:アイディル・シャリン(クダFA)
 GK:イフワット・アクマル・チェク・カシム(クダFA)
 DF:リザル・ガザリ、シャキル・ハムザ、レナン・アルヴェズ(以上クダFA)、ラヴェル・コービン=オング(JDT)
 MF:リー・タック(トレンガヌFC)、バドロル・バクティアル(クダFA)、ブレンダン・ガン(ペラTBG)
 FW:サファウィ・ラシド、ジオゴ・ルイス・サント、アキヤ・ラシド(以上JDT)
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 リーグ6連覇に加え、今季はマレーシアカップも優勝したJDTが大方の予想通り、受賞者の7割方を占めました。個人的には今季就任し、昨季の6位から今季は4位と順位を引き上げ、FAカップ優勝を果たしたクダFAのアイディル・シャリン監督が最優秀監督を受賞するだろうと思っていました。
 なおナショナルフットボールアウォードの各賞は、マレーシアサッカー協会FAM、マレーシアプロサッカー選手会、マレーシアサッカーコーチ協会、マレーシアスポーツ記者協会などの代表者からなる選考委員会による候補者選定後、MFL1部と2部各クラブの監督と主将、そして23名のメディア関係者による投票で、また最高殊勲選手MVPは、5名からなら選考委員会の投票で決定します。
(写真はファン投票による2019年ベストチーム-MFLのFacebookより)

11月13日のニュース:MFLはPKNS FCとPKNP FCのBチーム化を承認、UITM FCが棚ぼたで1部昇格、TFC IIは鈴木ブルーノと契約更新せず、パハンFAはサファウィ・バハルディンとの契約を解除、マラッカUはロメル・モラレス獲得、MFLは来季からの背番号に関する規則を改定

MFLはPKNS FCとPKNP FCのBチーム化を承認
 マレーシアフットボールリーグMFLはホームページで、スランゴール州サッカー協会FASとペラ州サッカー協会PAFAから出されていたPKNS FCとPKNP FCのそれぞれスランゴールFAとペラTBGのBチーム化申請を承認したこと発表しています。
 規定ではBチーム創設は、書面にて1年前に申請することになっていますが。別の規定ではMFL理事会の承認がある場合はこの限りではないとなっており、今回はそちらの規定により申請から1ヶ月程度で申請承認となっています。

UITM FCが棚ぼたで1部昇格
 上記の記事に関連して、MFL1部のPKNS FCがスランゴールFAのBチームとなることで、PKNS FCは「AチームとBチームは同一リーグでプレーすることができない」というMFLの規定により、MFL2部へ降格になります。これによりMFL1部は11チームになってしまうため、今季2019年MFL2部で5位のUITM FCがその空席を埋めるべく昇格することになったと、MFLのホームページで告知しています。
 スランゴール州の州都シャーアラムにある公立大学UITMを母体とするUITM FCは、高等教育機関のサッカークラブとして初めて国内トップリーグに参加するクラブという歴史を作っています。

TFC IIは鈴木ブルーノと契約更新せず
 マレーシアフットボールリーグMFL2部のトレンガヌFC IIは、今季2019年シーズンに在籍した外国籍選手のうち、コートジボアール出身のMFデチ・マルセル・ングエッサンのみと契約を更新すると発表しています。
 この結果、FW鈴木ブルーノ、FWアカニ・サンデイ・ワシウ(ナイジェリア)、MFセルヒイ・アンドレイエフ(ウクライナ)の各選手は退団となります。
 トレンガヌFC IIを統括するトレンガヌ州サッカー協会のロシャデイ・ワハブ会長は、空席となった3名の外国籍枠は代わりの選手を獲得する予定ではあるが、候補者は決まっていないと話していると、スポーツ専門サイトスタジアムアストロは伝えています。
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 鈴木選手とアンドレイエフ選手は、先日このブログでも取り上げたバングラデシュで開催されたシーク・カマル国際クラブカップに出場したトレンガヌFCに参加し、優勝に貢献しています。しかも鈴木選手は今季のチーム得点王でもあります。
 なお鈴木選手はツイッター上でチームへの感謝を述べるとともに、新チームへの移籍を希望することを表明しています。

パハンFAはサファウィ・バハルディンとの契約を解除
 サッカー専門サイトGoal. comマレーシア版では、MFL1部パハンFAのDFサファウィ・バハルディンが契約解除されたことを報じています。シンガポール代表でもプレーする28歳のサファウィ選手は、2020年まで契約が残っていましたが、契約満了前のリリースとなっています。サファウィ選手は自身のインスタグラムでこの契約解除について告知していますが、その理由については何も述べられておらず、パハンFAのファンやチームメートなどに感謝の意を述べています。
 今季2019年はリーグ戦とカップ戦合わせて23試合に出場した主力選手の退団で、外国籍選手枠の内のアジア選手枠が空くことになり、新たなアジア人選手の獲得につながる可能性があります。

マラッカUはロメル・モラレス獲得
 MFL1部のマラッカ・ユナイテッドは、今季はPKNS FCでプレーしたコロンビア出身のMFロメル・モラレスと来季の’1年契約を結んだことを、マレーシアの通信社ベルナマが伝えています。
 マラッカ・ユナイテッドを統括するマラッカ州サッカー協会MUSAの発表によると、MUSAのダミエン・ヨー新会長立ち合いのもとで、契約が交わされたということです。
 攻撃的MFのモラレス選手は、2018年にPKNS FCと契約し、2シーズンで17点を挙げています。

MFLは来季からの背番号に関する規則を改定
 MFLはホームページで、来季2020年シーズンより選手が着用できる背番号を1から99までと改訂することを発表しています。なお、今期まではMFL出場選手は1から30まで、U21のプレジデントカップチームとU19のユースカップチームの選手は31から50を着用することが決められていました。
 また51から60までの番号については、MFLの2度目の移籍期間トランスファーウィンドウ期間中に移籍してきた選手のみが着用可能としています。

11月6日のニュース:FAMは来季クラブライセンス交付追加チームを発表、PKNS FCがスランゴールFAのBチーム化に同意か、MFLはBチーム参入の規定を内密に変更か

FAMは来季クラブライセンス交付追加チームを発表
 マレーシアフットボールリーグMFL1部の2クラブと2部の4クラブが新たに来季2020年シーズンのクラブライセンスの交付を受けたことを、マレーシアの通信社ベルナマが伝えています。
 今回、マレーシアサッカー協会FAMのクラブライセンス交付第一審機関より交付を受けたのは、マラッカ・ユナイテッド、PKNS FC(以上1部)、UKM FC、スランゴール・ユナイテッド、PDRM FC、ペナンFA(以上2部)の6クラブです。
 FAMのスチュアート・ラマリンガム事務局長はこの6クラブの他にケランタンFAとサラワクFAにも、第三者による保証を証明する文書が出されたことにより、未払いの給料があるものの条件付きでライセンスの交付を行ったことも発表しています。ただしFAMはその保証が実行されるかどうかを見守るとしており、実行されない場合には交付されたクラブライセンスが無効になる可能性があることも示唆しています。
 またケランタンFA、サラワクFA、UKM FCについては10月30日の申請締め切り期限を守らなかったことで警告を受けたようです。
 なお来季のライセンス交付は、今年2019年6月30日の時点で未払い給料問題を解決したクラブが対象になっているとし、その後新たに発生した未払い問題については12月15日までにFAMにその解決法と解決時期を報告することを義務付けています。これについてラマリンガム事務局長は、今季の未払い給料等を来季へ持ち越させないための手段であると説明し、FAMのクラブライセンス委員会は未払い給料を抱えるクラブの解決法と解決時期が厳格に守られているかどうかのチェックを行っていくとしています。

PKNS FCがスランゴールFAのBチーム化に同意か
 スポーツ系サイトアストロアリーナによると、PKNS FCのフロントがスランゴールFAとの合併に同意し、PKNS FCがスランゴールFAのBチームとなることが決定したようです。
 スランゴールFAを統括するスランゴール州サッカー協会FASのジョハン・カマル・ハミドン事務局長が明らかにしています。
 Bチーム参入についてはMFLの規定により参入1年前の申請が義務付けられていますが、ハミドン事務局長によれば、FASは既に最初の申請書をMFLに提出しており、PKNS FCからの合併についての同意書があれば、来季からのPKNS FCのBチーム化の実現にはさほど問題にはならないだろうと楽観視しています。
 また、PKNS FCがスランゴールFAのBチームとなった場合のPKNS FCとスランゴールFAのプレジデントカップ(U21)チームの処遇については、まだ未定としながらも、スランゴールFAのプレジデントカップチームが残る可能性が高いとしています。
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 なお「育成のPKNS FC」とも言えるPKNS FCは今季2019年のプレジデントカップで優勝し、U19チームが参加するユースカップでも昨季2018年は優勝、今季は準優勝している一方、スランゴールFAはプレジデントカップ、ユースカップとも今季は準々決勝でPKNS FCに敗れています。

MFLはBチーム参入の規定を内密に変更か
 スポーツ系サイトフォックススポーツは、上記のPKNS FCのBチーム化について義務付けられている1年前の申請をMFLが公にしないまま変更したのではないかという疑惑を取り上げています。
 PKNS FCのBチーム化については、これまでも多くのメディアで報じられる一方、PKNS FCの監督、選手は反対を表明してきたため、正式な申請は今年中には不可能との予測が出ていました。
 しかし上記でも取り上げた通り、スランゴール州サッカー協会FASのジョハン・カマル・ハミドン事務局長は、PKNS FCフロントの同意を得られてことから、来季2020年シーズンには、PKNS FCがスランゴールFAのBチーム、スランゴールFA IIとしてMFLに参加するかのような発言をしています。
 しかしフォックスポーツは、Bチーム参入の条件としてMFLが義務付けている参入1年前の申請という規定をFASが軽視しており、この規定を厳守すれば、今年11月に行われる申請によってBチーム参入が許可されるのは来年2020年11月であるとしています。その上で給料未払いなどの問題では期日を守ることを求めているMFLがこのFASの申請を受理し、来季2020年からスランゴールFAのBチーム、スランゴールFA IIの参入を認めるとなれば、正当な根拠が必要となるだろうとしています。
 特に今回のPKNS FCのBチーム化は、既存のクラブが他のクラブのBチームになるという特殊なケースであり、各クラブを統括するMFLはこの状況について繊細に対応するべきだとした上で、もしこのまま来季からPKNS FCがスランゴールFA IIとなるのであれば、各クラブにもサッカーファンにも公にしないまま内密に規定を変更したと取られても仕方がないと批判的に記事を結んでいます。
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 歴史もあり影響力の大きいFASに対してMFLがなし崩しで屈してしまうとしても、長いものには巻かれることを厭わないマレーシアではありそうなことですが、悪しき前例を一旦、作ってしまうとそれが自らの首をしめかねないので、MFLは威厳を持ってこの問題に対処するべきだと思います。

10月22日のニュース:ケランタン州サッカー協会は来季へ向けて1000万リンギが必要、ラーキンでの記憶に残る5試合

ケランタン州サッカー協会は来季へ向けて1000万リンギが必要
 マレーシアの通信社ベルナマのポータルサイトは、ケランタン州サッカー協会KAFAは、KAFAが統括するレッドウォリアーズことケランタンFAの来季2020年のマレーシアフットボールリーグMFL参加に向けて、1000万リンギ(およそ2億5900万円)が不足していると報じています。
 今年7月の会長選で当選したワン・アブドゥル・ラヒム・ワン・アブドラ会長のもと、来季はフロントも一新して臨むことになっているKAFAですが、退任したビビ・ラムジャニ・イリアス・カーン前会長のもとでMFLに参戦した今季は、資金不足による選手への給料未払い問題や、全ての在籍外国籍選手のシーズン途中での解雇などによって、戦力ダウンを強いられ、ケランタンFAは今季MFL2部11チーム中10位となっています。
 その状況からMFL上位進出を目指すための戦力補強、さらにはMFL以外のカップ戦参戦の費用なども含めると、来季に向けて必要な資金として1000万リンギという金額になっているようです。
 KAFAのフセイン・デラマン事務局長は、マレーシアサッカー協会による来季のクラブライセンス交付が決定すれば支援の意思表示をしているスポンサーがあるとして、クラブライセンス獲得に向けて問題解決に取り組んでいるとしています。
 しかし同じベルナマのポータルサイトでは、数日前に54万リンギ(およそ1400万円)の給料未払いでKAFAを告発したかつての在籍選手モルガロ・ゴミス(セネガル)と未払い給料の支払いで交渉中と伝えられ、さらには複数のマレーシア人選手およびスタッフの所得税、従業員積立金EPF(マレーシアの年金にあたる)、従業員社会保障SOCSOなどの支払いをKAFAが今月末までに終える予定であると報道していますが、こういった問題が解決しなければ、各クラブが身の丈に合った経営を行うために来季2020年から導入される経済コントロールプログラムECPの規定に抵触する可能性があり、KAFAにはクラブライセンスを交付されない可能性があります。

ラーキンでの記憶に残る5試合
 マレーシア版Goal. comでは、「ラーキンでの記憶に残る5試合」と題した記事を掲載しています。このラーキンとは、マレーシアフットボールリーグMFL1部スーパーリーグ6連覇中のジョホール・ダルル・タクジムJDTが2013年から今季2019年まで本拠地としていたタン・スリ・ダト・ハジ・ハサン・ユノススタジアム、通称ラーキンスタジアムのことです。なおJDTは来季2020年のシーズン前に建設完了予定のスルタン・イブラヒムスタジアムにホームを移し、ラーキンスタジアムはJDTのBチームでMFL2部プレミアリーグに所属するJDT IIの本拠地となります。
 JDTの現オーナーであるジョホール州皇太子トゥンク・イスマイル殿下が2013年初頭にオーナーに就任した際には、酷い状況だったとされるラーキンスタジアムはその後の改修を経て、マレーシアでもトップクラスのスタジアムとなっています。そんなラーキンでは国内リーグやカップ戦だけでなく、アジアサッカー連盟AFCカップやチャンピオンズリーグなども開催されており、Goal. comはそういった試合の中から5試合を厳選しています。

2013年1月11日 JDT1-0ペラTBG
 前身のジョホールFCからリブランディングされたJDTとして初めてラーキンスタジアムで行われたのがこの試合でした。試合は現在もJDTに在籍するアイディル・ザフアンのゴールで記念すべきホーム初勝利を飾っています。
 当時のクラブにはサフィク・ラヒム(現在はマラッカ・ユナイテッド所属)、ノーシャルル・イドラン・タラハ(同パハンFA)、サフィー・サリー(同プタリンジャヤシティーFC)、ザクアン・アドハ(同クダFA)、アイディル・ザフアンらが在籍し、今に劣らないスター軍団で、このチームを率いたのはシンガポールの英雄ファンディ・アーマド監督(現シンガポールU22監督)でした。
 JDTとなって初めて迎えたこのシーズンでは、リーグ戦は3位、FAカップでは決勝進出という結果を残しました。

2014年6月20日 JDT3-0ケランタンFA
 この試合は、この年のJDTのホーム最終戦でした。MFL首位のJDTは2位のスランゴールFAに勝点1差まで迫られていましたが、この試合をアミルハディ・ザイナル(現在はJDT II所属)、ナズリン・ナウィ(同マラッカ・ユナイテッド)、そして現在はJDTのマネージャーを務めるルシアーノ・フィゲロアのゴールで勝利し、同じ日にサラワクFAを破ったスランゴールFAとの勝点差を守りました。
 最終節となった次戦アウェイのサラワクFA戦でも勝利し、MFL優勝の初タイトルを獲得したJDTは、これがリーグ6連覇の始まりとなりました。

2015年8月2日 JDT1-1サウスチャイナFC(香港)
 JDTとなってから初めての出場となったAFCカップの準々決勝第1戦は、ルシアーノ・フィゲロアがPKを決めて先制するも、追いつかれて引き分けに終わった試合でした。しかしアウェイとなった準々決勝第2戦に3-1と快勝して、JDTは準決勝にコマを進めました。
 しかし同年10月に政府の干渉があったとして、クウェートサッカー協会が国際サッカー連盟FIFAによる資格停止処分を受けたことから、同国のアル・カーディシーヤSCとの準決勝はJDTの不戦勝となり、JDTはAFCカップの決勝に進出しました。そしてイスティクロル・ドゥシャンベ(タジキスタン)との決勝戦ではレアンドロ・ベラスケスの決勝ゴールで1-0と勝利し、AFCカップ初優勝を飾っています。
 余談ですが、この年限りでJDTを退団したレアンドロ・ベラスケスは、今季2019 年にJDTに復帰しています。

2017年10月21日 JDT3-0ペラTBG
 前年までで既にリーグ3連覇を果たし、2016年にはFAカップにも優勝していたJDTにとって、マレーシアカップだけが手にできていない国内タイトルでした。第1戦を敵地で1-1と引き分けてむかえたマレーシアカップ準決勝第2戦のこの試合は、ゴンザロ・カブレラの2ゴールとガブリエル・ゲラ(現在はPKNS FC所属)のゴールでペラTBGを破り、決勝に進出しました。
 決勝ではクダFAを2-0で破り、マレーシアカップ初優勝を遂げています。

2019年5月8日 JDT1−0鹿島アントラーズ
 今季2019年、初めてAFCチャンピオンズリーグACL本選からの出場を果たしてJDT。ラーキンスタジアムでのACL初開催となった3月12日の慶南FC(韓国)戦では1-1の引き分けでACL初の勝点1を挙げました。続く4月24日の山東魯能泰山FC(中国)戦は0ー1で敗れ、迎えたホーム第3戦のこの試合でJDTは前年のACL王者、鹿島アントラーズを現在のフル代表のエースと言っても過言ではないシャフィク・アーマドのゴールで破って嬉しいACL初勝利を記録しています。
 ACL初出場で予選グループGでは1勝1分4敗という結果に終わったJDTですが、サザンタイガーズ(南の虎)の愛称通り、ACLに爪痕は残せたと思います。来季2020年はアウェイでの勝点獲得を目標に頑張ってもらいたいです。

10月11日のニュース:サバFAは新戦力を求めてトライアウト実施、ルクマンが次世代のトップ60に選ばれる、BBCがマレーシア選手のサクセスストーリーを紹介

サバFAは新戦力を求めてトライアウト実施
 今季2019年にマレーシアフットボールリーグMFL2部プレミアリーグで優勝し、来季2020年はMFL1部スーパーリーグでプレーするサバFAは新戦力を求めてトライアウトを開催しています。
オンラインスポーツサイトのスタジアムアストロが報じる現在開催中のトライアウトにはブラジルとアルゼンチン出身の選手が参加中で、今後はインドネシアや韓国からの選手も参加予定のようです。
 サバ州サッカー協会のピーター・アンソニー会長は、全てのポジションで強化が必要なことから、FW、MF、DFと様々な選手のトライアウトを行うとしています。
 その一方で今季サバFAに在籍する4名の外国籍選手、FWロドルジュブ・パウノヴィッチ(セルビア)、DFパク・タエスー(韓国)、MFアフメット・アタエフ(トルクメニスタン)、FWアギナルド・メンデス・ヴェイガ(アンゴラ)については、今年末に契約が切れるため、近いうちに今後の更新の有無について発表するとしています。

ルクマンが次世代の注目選手60名の一人に選ばれる
 英国の新聞ガーディアンによる「2002年生まれ注目選手60人」2019年版で17歳のFWルクマン・ハキム・シャムスディンがアジア出身の6名の選手として選ばれています。
 2018年にマレーシア開催となったアジアサッカー連盟AFC U16選手権では、チームはグループステージ敗退ながら得点王を分け合ったルクマン選手は、Jリーグのセレッソ大阪なども獲得に動いていたとされますが、今年9月にはマレーシア人のヴィンセント・タン氏がオーナーを務めるベルギー1部リーグに所属するKVコルトレイクと契約し、18歳になるのを待って入団が決定しています。
 マレーシアサッカー協会FAMとマレーシア政府の青年スポーツ省が合同で運営する国家サッカー選手養成プログラムNFDP出身のルクマン選手はこのリストに選ばれた初めてのマレーシア人で、今回、この他のアジアの選手としてはFW西川潤(桐光学園高校)、FWノア・ボティチ(オーストラリア、ドイツ-TSG1899ホッフェンハイム)、FWスファナット・ムエアンタ(タイ、ブリーラム・ユナイテッド)、GKカサノヴァ・ムクリディン(タジキスタン、パルヴォーズ・ボボジョン・ガフロフ)、MFジャスールベク・ジャロリディノフ(ウズベキスタン、FCブニョドコル)がリストに名を連ねています。

BBCがマレーシア選手のサクセスストーリーを紹介
 英国放送協会BBCのニュースポータルでは「一本の電話がセミプロ選手を代表選手に変えた」と題した記事で、今季2019年はマレーシアフットボールリーグMFL2部プレミアリーグのJDT IIでプレーしたFWダレン・ロークを取り上げています。
 ローク選手は3年前までは英国国民保健サービス下の精神科病棟で勤務する一方、英国国内リーグでは最上位であるプレミアリーグから数えて5つ下のディビジョン、実質6部にあたるナショナルリーグ・サウスのイーストボーン・ボロFCでプレーしていました。しかしあるサッカー雑誌に掲載されたローク選手のインタビュー記事を読んだ代理人からかかってきた一本の電話が彼の人生を大きく変えたとしています。
 電話をかけたのは現在、ローク選手の代理人を務めるオーストラリア人のスコット・オルレンショー氏でした。オーストラリア代表としてのプレー経験もあり、またマレーシアリーグのサバFAでも100試合以上に出場したオルレンショー氏は、ローク選手にマレーシアでプレーするつもりはないかどうかを打診したそうです。その後、オルレンショー氏から、父親がマレーシア人(母親は英国人)であることからマレーシアの国籍が取得できること、そしてマレーシア代表でプレーできる可能性があることを告げられたローク選手は、仕事をしながらセミプロとしてプレーしている状況から、サッカーに集中できる環境に移れる機会を逃すべきではないとして、その決断は簡単ではなかったものの、最終的にマレーシア行きを決めたと述べています。
 2016年5月にJDT IIと契約したものの、マレーシアのパスポート取得に手間取り、同年9月にマレーシア人選手としてMFLデビューしたローク選手は、JDT IIでわずか2試合に出場した後の同年10月7日には早速、シンガポール代表との国際親善試合で代表デビュー、また翌年2017年8月22日のシリア戦では代表初ゴールも挙げています。ローク選手は「わずか数ヶ月前はイギリスのセミプロ選手だった自分がマレーシア代表として国際試合に出場するということは素晴らしい経験だったが、マレーシアへ来てからの数ヶ月間でメディアのインタビューをいくつもこなすという、セミプロだった自分にとっては全く初めての経験もした」「シンガポール代表戦では2万人を超える観衆の前でプレーしたが、これも初めてで、英国ではせいぜい500人程度の観客しかいなかった」などと述べています。
 生まれ故郷の英国から離れて暮らすローク選手ですが、サッカーができる限り、JDTでプレーしたいと最後に語っています。
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 今季2019年はJDT IIでも9試合で2ゴールと振るわなかったローク選手ですが、インタビューの中ではJDT愛が溢れています。BBCのインタビューでは、英国人にJDTの凄さを伝えるために、様々な点を挙げていますが、マレーシアのクラブとしては初めてウイイレにも含まれている、と語っている点が良いなと思いました。

10月10日のニュース:MFL2部に3つ目のBチーム誕生は茶番だ、ベトナム戦を前に-練習場で一触即発、ベトナム戦を前に-最近の対戦成績をおさらい、FIFAによるインドネシア連盟への制裁が発表

MFL2部に3つ目のBチーム誕生は茶番だ
 英字紙ニューストレイトタイムズ電子版はアジトパル・シン記者の署名入り記事として、マレーシアフットボールリーグMFL2部に3つ目のBチームが誕生することに警鐘を鳴らしています。
 先日もこのブログで取り上げましたが、MFL1部所属のスランゴールFAを運営するスランゴール州サッカー協会の臨時総会席上で、同じMFL1部所属のPKNS FCをスランゴールFAのBチーム化する案を満場一致で可決しました。PKNS FCからMFLに対しては来季2020年のリーグ戦をBチームと参加することの申請はまだ出ていないようですが、MFLは内諾を与えていると言われています。
 同一クラブが同じリーグでプレーすることができないMFLの規定により、PKNS FCはBチーム化が確定した時点で、今季2019年MFL1部スーパーリーグで9位だったにもかかわらず、MFL2部プレミアリーグへ降格となります。これによりMFL2部は、JDT II、トレンガヌFC II、PKNS FCと昇格権を持たないBチームが3クラブと、予算上の問題から1部昇格を望んでいないとされる大学を母体とするUITM FCとUKM FCの2クラブ、つまりMFL2部12クラブ中の5クラブが1部を目指さない状況となります。
 さらにPKNS FCと同様に州政府関連機関であるペラ州開発公社を母体とするPKNP FCにも、同じペラ州を拠点とするペラTBGのBチーム化の噂もあり、この通りであればMFL2部は所属クラブの半数が1部昇格を目座なしクラブで占められることになります。
 スランゴール州サッカー協会が先日発表した声明では、スランゴール州を拠点とするスランゴールFA、PKNS FC、スランゴール・ユナイテッドを統合する案はこれまでも何度か浮上したものの、様々な障害があり実現しなかったとしています。3つのクラブの運営資金は合計で4400万リンギ(およそ11億3000万円)ながら、結果を出しているのは、MFL1部3位、マレーシアカップ でも準決勝に残っているスランゴールFAだけであるとし、今回の統合では1600万リンギ(およそ4億1000万円)が節約できるだけでなく、スポンサー獲得や入場料収入などでも統合による利点は多いとしています。
 またBチームはスランゴールFAのプレジデントカップチーム(u21チームを対象としたリーグ参加チーム)に所属できなくなる22歳以上の選手がAチーム入りするための育成の場としたいとしています。
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 MFL2部で今季5位だったUITM FCや9位だったスランゴール・ユナイテッド、さらにMFL3部にあたるM3所属のスランゴール州内クラブなど、プレジデントカップを卒業した選手がプレーできるようなBチームとしてスランゴールFAが活用できるクラブは他にあるにもかかわらず、スランゴールFAがPKNS FCのBチーム化にこだわるのは、PKNS FCに提供されている運営資金にあると言われています。個人的にはまずスランゴール・ユナイテッドとの統合を考える方が先だと思うのですが、育成云々よりも単純に運営資金を増やしてJDTに負けない補強したい、と言う考えがあるのだと思います。また、PKNS FCは以下のような意味深な写真をFacebookにアップしています。

ベトナム戦を前に-練習場で一触即発
 本日10月10日はFIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選兼アジアサッカー連盟AFC選手権2023年大会予選のベトナム対マレーシアがハノイのミーディンスタジアムで行われますが、英字紙ニューストレイトタイムズによると、同じ練習会場を割り当てられたマレーシア代表とベトナム代表が一触即発になったと伝えています。
 ベトナムサッカー連盟VFFユーストレーニングセンターを練習会場として割り当てられたマレーシア代表は、練習開始時間とされた午後6時より前の5時45分に到着したところ、練習中だったベトナム代表のパク・ハンソ監督がこれに気づき、マレーシア代表のタン・チェンホー監督とチームに6時までバスから降りずに、フィールドが見えない離れたところでで待つように依頼したそうです。その後マレーシアの選手たちが着替えを行う間、タン監督はベトナム代表の練習を見続けたため、腹を立てたパク監督は練習を終了時間前に切り上げ、別の場所へ移動して続けたとのことです。
 また、試合前日の記者会見では、過去の対戦成績は関係なく当日の試合に集中したいと語ったパク監督は、100%勝利するとは言えないが全力を尽くすと語ったそうです。では、過去の対戦成績とはどうなっているのかを次の記事で紹介します。

ベトナム戦を前に-最近の対戦成績をおさらい
 マレーシアとベトナムは、昨年2018年の東南アジアサッカー連盟AFF選手権スズキカップの決勝で対戦していますが、FIFAワールドカップ予選やAFC選手権アジアカップ予選で対戦するのは、実は今回が初めてです。
 両チームの対戦成績は下のインフォグラフィックの通り、1991年からの19試合ではベトナムの11勝3分5敗で、マレーシアがベトナムを最後に破ったのは2014年12月11日のAFF選手権スズキカップの準決勝まで遡らなければなりません。なおこの試合は今回の試合と同じミーディンスタジアムで開催され、現在の代表チームにも所属するFWノーシャルル・イドラン・タラハのゴールを含めた4-2で快勝しています。しかし、マレーシアがベトナムを敵地で破ったのはこの1度きり。残りの4勝は全てマレーシアのホームゲームでした。
 また昨年末のAFF選手権スズキカップでは、グループステージで0-2で敗れ、マレーシアのホーム、ブキ・ジャリル国立競技場で行われた決勝第1戦は2-2の引き分け、ベトナムのホームゲームとなった決勝第2戦は0-1で敗れています。
 ベトナムと対戦したスズキカップ決勝第2戦のメンバーからは、半数近い選手が入れ替わっています。参考までのスズキカップ決勝第2戦のスターティングXIと、2019年9月10日のワールドカップ予選のスターティングXIを併記しておきます。
<2018年12月15日スズキカップ決勝第2戦の先発メンバー>
*太字はUAE戦にも先発したメンバーです。
GK:ファリザル・マーリアス(JDT)
DF:シャミ・サファリ(スランゴールFA)、アイディル・ザフアン(JDT)、シャルル・サアド(ペラFA)、シャズワン・アンディック(JDT)
MF:モハマドゥ・スマレ(パハンFA)、シャマール・クティ・アッバ(JDT)、アクラム・マヒナン(PKNS FC)、サファウィ・ラシド(JDT)、ザクアン・アドハ(クダFA)
FW:ノーシャルル・イドラン・タラハ(パハンFA)
<2019年9月10日WCアジア二次予選UAE戦の先発メンバー>
GK:ファリザル・マーリアス(JDT)
DF:マシュー・デイヴィーズ(パハンFA)、シャルル・サアド(ペラFA)、アダム・ノー・アズリン(JDT)、ラヴェル・コービン=オング(JDT)
MF:モハマドゥ・スマレ(パハンFA)、ブレンダン・ガン(ペラTBG)、ノー・アザム・アジー(パハンFA)、サファウィ・ラシド(JDT)、シャフィク・アーマド(JDT)
FW:ノーシャルル・イドラン・タラハ(パハンFA)
(下のインフォグラフィックはマレーシアサッカー協会FAMのFacebookより)

FIFAによるインドネシア連盟への制裁が発表
 9月5日にジャカルタで行われたFIFAワールドカップアジア二次予選の対インドネシア戦では、マレーシアサポーターは投石されてケガをした方が出たり、試合後にマレーシア代表は警察の装甲車両でホテルへ戻るなど騒乱状態となり、マレーシアサッカー協会FAMはFIFAとアジアサッカー連盟AFCへ正式に抗議する事態に発展しました。
 マレーシアの通信社ベルナマのポータルサイトによると、FIFAからの裁定が発表され、インドネシアサッカー協会PSSIに対しては4万5000スイスフラン(およそ490万円)の罰金が課せられました。またこれを受けてPSSIのラトゥ・ティシャ・デストリア事務局長はこの裁定を受け入れ、課せられた罰金を支払うことを発表しています。
 また同様の事態を避けるために、10月15日に予定されている同じワールドカップ予選の対ベトナム代表戦の会場はジャカルタからバリへ変更されています。

10月7日のニュース:マラッカU監督の去就は未定、インドネシアはWC予選をバリで開催、チャナティップはケガのためUAE戦回避か

マラッカU監督の去就は未定
 今季2019年のマレーシアフットボールリーグMFLでは6位に終わったマラッカ・ユナイテッドを運営するマラッカ州サッカー協会MUSAが今月10月末に開催する会合の席でザイナル・アビディン監督の去就を決めるようです。
 マレー語紙ブリタハリアン電子版によると、MUSAのファルハン・イブラヒム事務局長の談話として、来月11月末に契約切れとなるザイナル監督の今後については、マラッカ州知事でもあるアドリ・ザハリMUSA会長が決定するとしています。
 ファルハン事務局長は、ザハリ会長が今季6位という結果に満足しているものの、最終的な決定は今月末の会合で下されるとしています。
 またザイナル監督もここまでMUSAとの契約更新に関する話し合いなどは行われていないと話しており、来季については全くの白紙のようです。
 今季は給料未払い問題が何度か浮上し、先日のマレーシアカップ準々決勝では、試合直前にシュコール・アダン主将が、過去数カ月の給料未払いを理由に試合への出場を拒否、またマレーシアサッカー協会も来季2019年のクラブライセンスについて条件付きで交付するなど、チームを取り巻く環境は決して良くはありません。

インドネシアはWC予選をバリで開催
 アジアサッカー連盟AFCのホームページでは、インドネシアサッカー協会PSSIによるFIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選の試合会場変更要請を受けたAFCは、インドネシア代表のホーム次戦をバリ島で開催することを了承したことを告知しています。インドネシアは今回のワールドカップアジア二次予選ではマレーシアと同組になっています。
 この結果、10月15日に予定されているベトナム代表との対戦は、当初予定されていたジャカルタのゲロラ・ブン・カルノGBKスタジアムからバリ島に本拠地を持つバリ・ユナイテッドのホーム、キャプテン・I・ワヤン・ディプタスタジアムへ移されます。
 9月5日にGBKスタジアムで行われたマレーシア代表との対戦では、観客の乱入しで試合が一時中断したほか、訪れたマレーシアサポーターがインドネシアサポーターから投石などでケガをしたほか、試合後にはマレーシア代表が警察の装甲車両に乗車して宿舎へ戻るなどなどの混乱が発生し、マレーシアサッカー協会FAMは国際サッカー連盟FIFAとAFCに公式に文書による告発を行う事態に発展しています。

チャナティップはケガのためUAE戦回避
 タイ代表のチャナティップ・ソングラシンが、10月15日に予定されているFIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選のアラブ首長国UAE戦の招集をケガの辞退したことが所属先のJ1コンサドーレ札幌のホームページで伝えられています。タイは今回のワールドカップアジア二次予選ではマレーシアと同組になっています。
 現在、予選グループGの首位をいくタイは、ここまでベトナムと引き分け、インドネシアに勝利しています。
 タイの英字紙バンコクポスト電子版によると、チームドクターは完治まで2、3週間が必要と述べているとのことで、所属クラブの札幌もタイへの移動による悪化を懸念して、札幌での静養を求めたということです。
 タイ代表は同じく日本でプレーするMFティティパン・プアンチャン(大分トリニータ)、MFピーラドン・チャムラツァミー(サムットプラーカーン・シティFC)の両選手がベトナム代表戦によるケガで招集されず、DFトリスタン・ドゥ(バンコク・ユナイテッドFC)もケガのため招集を辞退しています。
 チームの調子もさることながらが、やはり怖いのは主力選手のケガ。現マレーシア代表で言えば、絶好調のシャフィク・アーマド、サファウィ・ラシド、ブレンダン・ガン、マシュー・デイヴィーズ辺りがケガを負うと代わりがいないので、とにかくケガには気をつけていただきたいです。

9月27日のニュース:FAMはMFL1部9クラブと2部3クラブに2020年シーズンのクラブライセンス交付

MはMFL1部の9クラブに2020年シーズンのクラブライセンス交付
 マレーシアサッカー協会FAMのホームページでは、今季2019年マレーシアフットボールリーグMFL1部に所属する12クラブの内、9クラブに来季2020年のクラブライセンスが交付されたことが告知されています。
 この9クラブは、ジョホール・ダルル・タクジムJDT、パハンFA、スランゴールFA、クダFA、ペラTBG、トレンガヌFC、プタリンジャヤPJシティFC、フェルダ・ユナイテッド、クアラルンプールKLFAの9クラブです。
 FAMによるクラブライセンス制度は、各クラブに対して「競技」「施設」「組織運営・人事体制」「財務」「法務」の5分野において一定の基準により審査を行い、第一審機関 (First Instance Body、FIB) がライセンス交付の決定を行います。
 またマラッカ・ユナイテッドとPKNS FCついては5分野のうち基準に満たない分野があるとして、10月30日の期限までにFAMの基準を満たすことができれば、来季のライセンスを交付するとしていますが、その期限を過ぎた場合は2部への降格処分が課せられます。現に2017年シーズンではMFL1部で3位となったフェルダ・ユナイテッドが、クラブライ選手が取得できずに2部降格となった例もあります。
 この他、PKNP FCは申請が却下されたため、クラブライセンスは交付されず、来季は2部降格が確定しています。(ただしPKNP FCは今季1部で11位となり、下位2チームが降格するMFLの入れ替え規定により、すでに降格が決まっています。)
 また、クラブライセンスが交付された9クラブの内、JDT、スランゴールFA、クダFA、ペラTBG、トレンガヌFC、KLFAの6クラブはアジアサッカー連盟AFCのクラブライセンスも合わせて交付されており、AFCチャンピオンズリーグやAFCカップに出場することになれば、その資格も取得しています。
 なお今回交付されたクラブライセンスは2020年の1年間のみ有効ですが、2020年シーズン中に何か問題発生した場合、FAMが資格停止する権限を持っています。
 個人的には今回ライセンスの交付が受けられなかったクラブも結局、マレー人特有の「ティダアパ」(Tidak apa apa、マレーシア語で「問題なし」)とうやむやになってしまうのではないかと思っていますが、FAMが本当に強固な姿勢を取れるのかどうかに注目してみたいです。

MFL2部は3クラブに2020年シーズンのクラブライセンス交付
 同じくマレーシアサッカー協会FAMのホームページでは、今季2019年マレーシアフットボールリーグMFL2部に所属する9クラブの内、3クラブに来季2020年のクラブライセンスが交付されたことが告知されています。(注:MFL2部は2019年は11クラブで構成されていますが、JDT IIとトレンガヌFC IIはそれぞれ1部のJDTとトレンガヌFCのBチームであるため審査対象外です。)
 この3クラブは、中武駿介選手が所属するヌグリ・スンビランFA、今季MFL2部で優勝し、来季は1部昇格が決まっているサバFA、そしてUITM FCの3クラブです。
 またPDRM FC、ペナンFA、スランゴール・ユナイテッドFCの3クラブについては5分野のうち基準に満たない分野があるとして、10月30日の期限までにFAMの基準を満たすことができれば、来季のライセンスを交付するとしていますが、その期限を過ぎた場合は3部となるM3リーグ(アマチュアリーグ)への降格処分が課せられます。
 さらにケランタンFA、サラワクFA、UKM FCの3クラブについては、今回がMFL2部プレミアリーグのクラブに資格審査を行う初年度ということから、10月30日まで資格審査を一時中断する一方で、やはり期限とする10月30日までに5分野で審査基準を満たすことができなければ、M3リーグ降格となると発表しています。

9月26日のニュース:MFLは11月をめどに未払い助成金支給、来季の助成金は減額の可能性も、香港での国際親善試合は中止に、ペナンFAのFIFA提訴をCASが仲裁へ

MFLは11月をめどに未払い助成金を支給
 マレーシアの通信社ベルナマによるニュースポータルサイトによると、マレーシアフットボールリーグMFLのダト・モハマド・ユソフ・マハディ役員は、MFLから所属各クラブへ支払う予定の助成金の未払い分について、11月末までには全額払えるだろうと発言しています。
 MFL1部スーパーリーグ所属クラブには300万リンギ(約7700万円)、2部プレミアリーグ所属クラブには100万リンギ(約2600万円)の助成金が支給されることになっていますが、ここまで各クラブに対してはその半額しか支給されていません。7月半ばに支給された際には、残りの助成金は8月末までに支給することを約束していましたが、実現していませんでした。
 今年1月にマレーシア最大の電気通信会社テレコム・マレーシア社がリーグ戦とマレーシアカップ の冠スポンサーとしてMFLと結んでいた8年間で4億8000万リンギ(約123億円)の大型契約を破棄したことから、MFLの財政が厳しくなっていることはこれまでも報じられていましたが、その影響はまだ続いているようです。
 約束された助成金を期限までに支給できないリーグと、選手に対して未払い給料を抱えるクラブ。しかも両者ともその遅れに対して正当な理由があるかのように振る舞っています。ここにマレーシアサッカーの根本的な問題があるのかもしれません。

来季の助成金は減額の可能性も
 上の記事に関連する内容で、MFLのダト・モハマド・ユソフ・マハディ役員は通信社ベルナマの取材に対して、MFL所属クラブへの助成金は、来季以降はスポンサー次第では減額の可能性があると述べています。
 今季はMFL1部クラブへは300万リンギ(約7700万円)、2部プレミアリーグ所属クラブには100万リンギ(約2600万円)が四球さることになっていますが、マレーシアサッカー協会FAM副会長でもあるマハディ役員は、今季の支給額は以前のスポンサー(テレコム・マレーシアを指すと思われます。-筆者注)から受け取るはずであった金額をもとに算定したものだとしています。
 新たなスポンサー探しが難航しているとした上でマハディ役員は、スポンサーから得られる支援に基づいた助成金額を設定する必要があるため、来季以降の助成金については、今年と同額とはならない可能性に言及しています。

香港での国際親善試合は延期に
 マレーシアサッカー協会FAMのFacebookでは、10月15日に予定されていた香港代表との国際親善試合の延期を発表しています。なお、新たな試合予定については発表されていません。
 Facebookでの告知では、香港サッカー協会HKFAに対して、社会不安が顕著な現状では、選手たちの安全上の問題から現在の香港での試合は不可能とし、状況が回復した後の試合を提案したようです。またFAMはHKFAに対して、10月15日の試合をブキ・ジャリル国立競技場で行うことも提案したようですが、これに対してはHKFAより同意が得られなかったとしています。(下は香港代表戦が延期になったことの告知。FAMのFacebookより)

ペナンFAのFIFA提訴をCASが仲裁へ
 国際サッカー連盟FIFAはMFL2部のペナンFAに対して、在籍した外国籍選手への給料支払い遅れから、勝点剥奪の処分をマレーシアサッカー協会FAMに通達しまた。その結果、ペナンFAは来季の1部昇格権を手にしながら、剥奪された勝点によってリーグでの順位が下がり、自動昇格の資格を失っています。
 実際にはペナンFAは、給料未払いをFIFAに訴えていたブラジル出身のレイナルド・ロボに対して、FIFAが規定した30日間の期限を過ぎてはいたものの、未払い給料を全額支払っています。しかしFIFAは勝点剥奪を当初の決定を変えず、勝点剥奪をFAMに命じました。そしてこれを不服としたペナンFAは、スイスのローザンヌにあるスポーツ仲裁裁判所CASに仲裁を求めていました。
 英字紙ニューストレイトタイムズの電子版では、ペナンFAのアマル・プリトパル・アブドラ会長の話として、CASはペナンFAの提訴に基づき仲裁を行うことを決定し、既にペナンFAの聴聞は終了していると述べています。今後、CASはFIFAの聴聞を行い、近いうちに判断が下されるだろうとも述べています。
 ペナンFAはすでに弁護士費用として2万スイスフラン(約220万円)を支払っており、提訴が受け入れられたことによりさらに2万スイスフランの費用が発生するようですが、仮にこの仲裁により勝点剥奪処分が撤回されれば、来季の1部昇格となりますので、4万スイスフランも決して高くはないでしょう。