10月11日のニュース:サバFAは新戦力を求めてトライアウト実施、ルクマンが次世代のトップ60に選ばれる、BBCがマレーシア選手のサクセスストーリーを紹介

サバFAは新戦力を求めてトライアウト実施
 今季2019年にマレーシアフットボールリーグMFL2部プレミアリーグで優勝し、来季2020年はMFL1部スーパーリーグでプレーするサバFAは新戦力を求めてトライアウトを開催しています。
オンラインスポーツサイトのスタジアムアストロが報じる現在開催中のトライアウトにはブラジルとアルゼンチン出身の選手が参加中で、今後はインドネシアや韓国からの選手も参加予定のようです。
 サバ州サッカー協会のピーター・アンソニー会長は、全てのポジションで強化が必要なことから、FW、MF、DFと様々な選手のトライアウトを行うとしています。
 その一方で今季サバFAに在籍する4名の外国籍選手、FWロドルジュブ・パウノヴィッチ(セルビア)、DFパク・タエスー(韓国)、MFアフメット・アタエフ(トルクメニスタン)、FWアギナルド・メンデス・ヴェイガ(アンゴラ)については、今年末に契約が切れるため、近いうちに今後の更新の有無について発表するとしています。

ルクマンが次世代の注目選手60名の一人に選ばれる
 英国の新聞ガーディアンによる「2002年生まれ注目選手60人」2019年版で17歳のFWルクマン・ハキム・シャムスディンがアジア出身の6名の選手として選ばれています。
 2018年にマレーシア開催となったアジアサッカー連盟AFC U16選手権では、チームはグループステージ敗退ながら得点王を分け合ったルクマン選手は、Jリーグのセレッソ大阪なども獲得に動いていたとされますが、今年9月にはマレーシア人のヴィンセント・タン氏がオーナーを務めるベルギー1部リーグに所属するKVコルトレイクと契約し、18歳になるのを待って入団が決定しています。
 マレーシアサッカー協会FAMとマレーシア政府の青年スポーツ省が合同で運営する国家サッカー選手養成プログラムNFDP出身のルクマン選手はこのリストに選ばれた初めてのマレーシア人で、今回、この他のアジアの選手としてはFW西川潤(桐光学園高校)、FWノア・ボティチ(オーストラリア、ドイツ-TSG1899ホッフェンハイム)、FWスファナット・ムエアンタ(タイ、ブリーラム・ユナイテッド)、GKカサノヴァ・ムクリディン(タジキスタン、パルヴォーズ・ボボジョン・ガフロフ)、MFジャスールベク・ジャロリディノフ(ウズベキスタン、FCブニョドコル)がリストに名を連ねています。

BBCがマレーシア選手のサクセスストーリーを紹介
 英国放送協会BBCのニュースポータルでは「一本の電話がセミプロ選手を代表選手に変えた」と題した記事で、今季2019年はマレーシアフットボールリーグMFL2部プレミアリーグのJDT IIでプレーしたFWダレン・ロークを取り上げています。
 ローク選手は3年前までは英国国民保健サービス下の精神科病棟で勤務する一方、英国国内リーグでは最上位であるプレミアリーグから数えて5つ下のディビジョン、実質6部にあたるナショナルリーグ・サウスのイーストボーン・ボロFCでプレーしていました。しかしあるサッカー雑誌に掲載されたローク選手のインタビュー記事を読んだ代理人からかかってきた一本の電話が彼の人生を大きく変えたとしています。
 電話をかけたのは現在、ローク選手の代理人を務めるオーストラリア人のスコット・オルレンショー氏でした。オーストラリア代表としてのプレー経験もあり、またマレーシアリーグのサバFAでも100試合以上に出場したオルレンショー氏は、ローク選手にマレーシアでプレーするつもりはないかどうかを打診したそうです。その後、オルレンショー氏から、父親がマレーシア人(母親は英国人)であることからマレーシアの国籍が取得できること、そしてマレーシア代表でプレーできる可能性があることを告げられたローク選手は、仕事をしながらセミプロとしてプレーしている状況から、サッカーに集中できる環境に移れる機会を逃すべきではないとして、その決断は簡単ではなかったものの、最終的にマレーシア行きを決めたと述べています。
 2016年5月にJDT IIと契約したものの、マレーシアのパスポート取得に手間取り、同年9月にマレーシア人選手としてMFLデビューしたローク選手は、JDT IIでわずか2試合に出場した後の同年10月7日には早速、シンガポール代表との国際親善試合で代表デビュー、また翌年2017年8月22日のシリア戦では代表初ゴールも挙げています。ローク選手は「わずか数ヶ月前はイギリスのセミプロ選手だった自分がマレーシア代表として国際試合に出場するということは素晴らしい経験だったが、マレーシアへ来てからの数ヶ月間でメディアのインタビューをいくつもこなすという、セミプロだった自分にとっては全く初めての経験もした」「シンガポール代表戦では2万人を超える観衆の前でプレーしたが、これも初めてで、英国ではせいぜい500人程度の観客しかいなかった」などと述べています。
 生まれ故郷の英国から離れて暮らすローク選手ですが、サッカーができる限り、JDTでプレーしたいと最後に語っています。
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 今季2019年はJDT IIでも9試合で2ゴールと振るわなかったローク選手ですが、インタビューの中ではJDT愛が溢れています。BBCのインタビューでは、英国人にJDTの凄さを伝えるために、様々な点を挙げていますが、マレーシアのクラブとしては初めてウイイレにも含まれている、と語っている点が良いなと思いました。