5月29日のニュース:MFLの複数クラブがトランスファーウィンドウ最終日に新戦力と契約

5月29日はマレーシアのトランスファーウィンドウ最終日ということで、マレーシアフットボールリーグMFLの複数クラブが新戦力と契約しています。
 5月24日から26日にかけて第15節を終えているMFLは、6月5日に断食月(ラマダン)が明ける(人口約3200万人のうち、60パーセントを超えるイスラム教徒にとって断食明けは一年で最大のイベントです)ことや、6月7日と11日にFIFAワールドカップのアジア一次予選があることから、6月14日からの第16節より再開されます。

パハンFAは元ナミビア代表FWを獲得
MFL1部スーパーリーグ2位のパハンFAは、31歳の元ナミビア代表FWラザラス・カイムビと6ヶ月間の契約したと、マレー語紙ブリタ・ハリアンのオンライン版が伝えています。
 カイムビ選手はバンコク・グラスFC(現BGパトゥム・ユナイテッドFC)、チェンライ・ユナイテッドFCスパンブリーFCでプレー経験があり、パハンFAでは、ディクソン・ヌワカエメととともに攻撃陣を牽引することが期待されています。
 5つの外国人枠が全て埋まっているパハンFAは、カイムビ選手に代わってゼ・ラヴことゼ・エドゥアルドが退団します。他のメディアでは退団の理由としてケガが挙げられていますが、ブリタ・ハリアンの報道では14試合で4得点と期待通りの働きができていないためとしています。

マラッカ・ユナイテッドはマレーシア人MFを補強
MFL1部スーパーリーグ4位のマラッカ・ユナイテッドは、過去2シーズンはMFL2部のヌグリ・スンビランFAでプレーした攻撃的MFのファイザル・アブ・バカルと契約したことをブリタ・ハリアンが伝えています。
 マラッカ・ユナイテッドは、今回のトランスファーウインドウ期間中、既にコートジボワール出身のFWデイヴィ・クロード・アンガン(32)とクロアチア出身のDFドミニク・バリッチ(23)を獲得しています。ペナンFAに期限付き移籍したアンセルモ・カサグランデとクアラルンプール(KL)FAに完全移籍したダルコ・マルコヴィッチに代わって入団したアンガン選手とバリッチ選手は、既に5月25日に行われたMFL第15節のペラTBG戦に出場しています。(下は両選手入団を伝えるマラッカ・ユナイテッドのFacebookポスト)

トレンガヌFCは「タンカー」を獲得
MFL1部スーパーリーグ6位のトレンガヌFCは、ブラジル出身のDFルイス・グスタボ・フランシスコ・カミロを獲得しています。「タンカー」のニックネームを持つカミロ選手は、同じDFのイゴール・ゾンジッチ(モンテネグロ)に代わって登録されます。
 このゾンジッチ選手とカンボジア出身のチエリー・チャンタ・ビンは、イルファン・バクティ監督更迭後の試合には出場していなかったことから、退団の可能性もあると以前このブログでも書きましたが、ゾンジッチ選手はその通りになりました。また、チャンタ・ビン選手についても、過去5ヶ月間の給料が未払いであることをソーシャルメディアで公表してMFL2部プレミアリーグのケランタンFAを退団することが決まったブラジル出身のDFカッシオ・デ・ジーサスがチャンタ・ビン選手に代わってトレンガヌFCに移籍する可能性があることを伝えるメディアもあります。(下はカミロ選手入団を伝えるトレンガヌFCのFacebookポスト)

MFL第15節の結果まとめ

マレーシアフットボールリーグMFLは5月24日(金)から26日(日)にかけて、1部スーパーリーグと2部プレミアリーグで合わせて10試合が行われました。なお、パハンFA対フェルダ・ユナイテッドの試合は、元FAM会長で、パハンFA元会長でもあった故スルタン・アーマド・シャー殿下追悼のため順延になっています。以下、結果です。

1部スーパーリーグ

トレンガヌFA1-0スランゴールFA
得点者:トレンガヌFC-K・サルクナン(90分OG)
 両チームともに決め手を欠く試合は、このまま引き分けかと思われたアディショナルタイムにスランゴールFAのキャプテンK・サルクナンが自陣ゴール前の低いクロスをクリアミスしたOGで決着がつきました。
 前節終了後にイルファン・バクティ監督が辞任したトレンガヌFCは、モハマド・ナフジ・ザイン監督代行がこれまで先発出場していたイゴール・ゾニッチ(モンテネグロ)やチエリー・チャンタ・ビン(カンボジア)をスタメンから外すだけでなくベンチ外にするなど思い切ったメンバー入れ替えを行なって試合に臨みました。ただし一部メディアの報道では、二人の外国人選手のベンチ外はザイン監督代行ではなく、経営陣の指示であるような報道もあり、あと3日で閉じてしまうトランスファーウインドウ期間にトレンガヌFCには外国人獲得など何かしらの動きがあるかもしれません。

PKNS FC3-0プタリン・ジャヤ(PJ)シティFC
得点者:PKNS FC-ゲブリエル・ゲラ(50分)、クパ・シャーマン2(53分、73分)
 3連勝中だったPJシティFCを破ったPKNS FCは、自らの連敗を2で止めています。

ペラTBG2-3マラッカ・ユナイテッド
得点者:ペラTBG-ブレンダン・ガン(18分)、J・パルティバン(57分)、マラッカ・ユナイテッド-ナズリ・ナウィ(23分)、パトリック・ライヒェルト2(45分、74分)
 新戦力加入で過去4試合負けなしだったペラTBGは、マラッカ・ユナイテッドのフィリピン人FWパトリック・ライヒェルトの2ゴールを含む今季3度目の3失点と守備陣が崩壊しました。一方のマラッカ・ユナイテッドは再び4位浮上です。

ジョホール・ダルル・タクジム(JDT)2-0クダFA
得点者:JDT-レアンドロ・ヴァラスケス(33分)、サファウイ・ラシド(86分)
 今節注目の首位JDT対3位のクダFAの対戦でしたが、JDTが順当に勝利し、試合のなかったパハンFAとの勝点差は13と開きました。

クアラ・ルンプール(KL)FA4-1PKNP FC
得点者:KLFA-パウロ・ジョスエ(14分)、ギリェルメ・デ・パウラ3(17分、18分PK、90分)、PKNP FC-ジャンカルロ(83分)
 キャプテンで攻撃の要でもあるインドラ・プトラ・マハユディンを累積警告の出場停止で欠くKLFAでしたが、降格を争うPKNP FCをギリェルメのハットトリックなどで一蹴し、PKNP FCに代わって順位を一つ上げて10位に、負けたPKNP FCは代わって11位となりました。
 KLFAの苅部隆太郎選手はスタメンでフル出場しています。

2部プレミアリーグ

UITM FC3−2スランゴール・ユナイテッド
得点者:UITM FC1-2マイコン・カリジュリ(46分)、スランゴール・ユナイテッド-ダンコ・コヴァチェヴィチ(26分)、フランクリン・アンズィテ(60分PK)
 この試合はネットで観戦しました。前節第14節が終了した時点で今シーズン初めて首位となったUITM FCは、それが影響したのかホームでの試合ながら受け身に回りスランゴール・ユナイテッドに攻め込まれる場面が目立ちました。しかも残り10分でここから反撃、という大事な時間帯に、DFファイザル・アリフが必要のない2枚目のイエローをもらって退場し、10人となったところで万事休すでした。

ヌグリ・スンビランFA0-1UKM FC
得点者:UKM FC-ミラド・ジダドプール(51分)
 ヌグリ・スンビランFAの中武駿介選手はスタメンでフル出場しています。ちなみに中武選手には5月20日にお嬢さんが誕生されたそうです。おめでとうございます。

ペナンFA0-0サバFA
得点者:なし

トレンガヌFC II2-2ケランタンFA
得点者:トレンガヌFC II-アーマド・タキユディン・ロスラン2(10分、68分)、ケランタンFA-ニック・アズリ・ニック・アリアス(4分)、ニック・アキフ・シャヒラン(22分)
 トレンガヌFC IIの鈴木ブルーノ選手はスタメンでフル出場しています。

サラワクFA1−1ジョホール・ダルル・タクジム(JDT)II
得点者:サラワクFA-アリフ・ハサン(26分)、JDT II-ロザイミ・ラーマン(90分PK)
 UITM FCと勝点で並びながら、得失点差で2位のJDT IIは、この試合も最下位のサラワクFAと引き分けるなど、ここ4試合で勝ちなしと、それまでの7勝3分0敗という勢いが嘘のような失速です。

5月20日のニュース:ペラTBGが3人目の新外国人と契約、MFL3部から1部に移りいきなり2ゴールを決めた選手

ペラTBGが3人目の新外国人と契約
第14節を終えて勝分敗でマレーシアフットボールリーグMFL1部プレミアリーグの位に低迷するペラTBGがトランスファーウィンドウ期間中では3人目となる新外国人と契約したことを、当地の英字新聞スターのオンライン版が伝えています。
 ペラTBGと契約したのは、コートジボワール生まれのレバノン人DFフセイン・エル・ドール(25)で、契約期間は6ヶ月です。また、ケガで前節から欠場中だったオーストラリア人のDFザック・アンダーソンが、エル・ドール選手に代わって退団することになりました。モルディヴのニュー・ラディアントFCやインドのチャーチル・ブラザーズFCなどアジアでのプレー経験もある190cmと長身のエル・ドール選手は、登録後は早速、昨日のパハンFAとの試合にも出場しています。
 前節第13節のPKNP FC戦では新外国人のロナウドが2ゴールを決め、そしてFAカップの準々決勝のPKNP FC戦はやはり新外国人のカレッカが2ゴールを決めるなど攻撃陣は新外国人の活躍で勢いづいているペラTBGが、第13節終了時点で17失点という守備陣を立て直すことができれば、上位陣に食い込むこと可能です。

MFL3部から1部に移りいきなり2ゴールを決めた選手
トランスファーウィンドウ期間中に移籍するのは外国人選手だけではありません。
 当地のマレー語紙ブリタ・ハリアンのオンライン版が、MFL1部スーパーリーグのトレンガヌFCと契約したナビル・アーマド・ラトピを取り上げています。ナビル選手は、MFL3部M3リーグのアルティメイトFCから移籍金無しで移籍してきた27歳のFWで、2018年シーズンはPDRM FCでプレーしていましたが、シーズン後に解雇され、今シーズンはアルティメイトFCと契約していました。
 アルティメイトFCは今年の4月2日にマレーシアFAカップの2回戦でトレンガヌFCと対戦し0-5で大敗していますが、ウィングのポジションに人材不足を感じていた前トレンガヌFCのイルファン・バクティ監督がこの試合でのナビル選手の動きを見て、トランスファーウィンドウが開くと同時に獲得に動いたという経緯があります。
 アルティメイトFCではストライカーとしていたプレーしてナビル選手は、トレンガヌFCでは左ウィングとしてプレーしていますが、スーパーリーグデビュー戦となった5月14日のプタリン・ジャヤ(PJ)シティFC戦では先発スタメン出場する早速ゴールを決め、さらに5月18日のフェルダ・ユナイテッド戦では途中出場ながら先制ゴールを決めるなど、2試合で2ゴールと活躍しています。
 トレンガヌFCは、マレーシアFAカップの準々決勝ではパハンFAに敗退し、5月14日のPJシティFC戦後にイルファン・バクティ監督が成績不振の責任を取り辞任するなど暗い話題が続く中で、このラトピ選手がマレーシア版ジェイミー・バーディーとなれるかどうかに注目が集まっています。


 

MFL第14節の結果まとめ

5月17日(金)から5月19日(日)にかけて行われたマレーシアフットボールリーグMFL第14節の結果です。

MFL1部スーパーリーグ

プタリン・ジャヤ(PJ)シティFC1-0クアラ・ルンプール(KL)FA
得点者:PJシテイFC-サフィ・サリー(90分)
 この試合を観戦しましたが、両チームとも決め手を欠き、無得点のまま試合終了かと思ったその時にたった一つのミスで決着がつきました。KLFAの苅部隆太郎選手はレフトバックでスタメンフル出場し、要所では効果的な活躍をしていたのですが、最後にGKとのコミュニュケーションがうまくいかず、途中出場のサフィ・サリーがそのミスを見逃さずPJシティFCの決勝ゴールにつながりました。

ジョホール・ダルル・タクジム(JDT)2−1PKNS FC
得点者:JDT-サファウイ・ラシド(18分)、ジオゴ(61分)、PKNS FC-ロメル・モラレス(30分)
 アジアサッカー連盟AFCチャンピオンズリーグACLのグループステージ最終戦、アウェイでの慶南FCを来週の水曜日に控えるJDTにとっては、勢いをつけるためにも国内では負けるわけにはいかない試合でした。将来の代表のエース(と私が思っている)サファウィ・ラシドの先制ゴールは、帰化選手の候補にも上がっているロメロ・モラレスのゴールで同点にされましたが、ゴール前の混戦からジオゴがヘディングで決勝ゴールを決めています。

クダFA2-1マラッカ・ユナイテッド
得点者:クダFA-バドロル・バクティアル(61分)、ジャン・スクウォン(71分OG)、マラッカ・ユナイテッド-ルカ・ミルノヴィッチ(31分)
 前節第13節では、スランゴールFAの新外国人FWイフェダヨ・オルセグンのハットトリックで大敗したクダFAが、マラッカ・ユナイテッド相手に勝利しリーグ順位を3位と上げました。クダFAは次節第15節はアウェイのJDT戦です。
 一方のマラッカ・ユナイテッドは前節は最下位のフェルダ・ユナイテッド相手にルカ・ミルノヴィッチがハットトリックを決めるなど6-0の圧勝でしたが、この試合はミルノヴィッチが2試合連続ゴールを決めたものの、最後はオウンゴールで逆転負けでした。

フェルダ・ユナイテッド1-1トレンガヌFC
得点者:フェルダ・ユナイテッド-池田圭(88分)、トレンガヌFC-ナビル・ラトピ(83分)
 前節にKLFAと入れ替わりで最下位へ落ちたフェルダ・ユナイテッドは、上位チーム相手に貴重な勝点1を手にしました。
 また、前節の試合後にイルファン・バクティ監督が辞任したトレンガヌFCにとっては、上位進出が遠のく引き分けと言えるでしょう。
 なお、前節第12節はベンチ入りしていなかったフェルダ・ユナイテッドの渡邉将基選手は先発スタメンでフル出場、池田圭選手は72分から出場して、今シーズン3ゴール目となる貴重な同点ゴールを決めています。

PKNP FC1-1スランゴールFA
得点者:PKNP FC-G・ムゲンティラン(48分)、スランゴールFA-イフェダヨ・オルセグン(29分)
 前節は新加入のイフェダヨ・オルセグンのハットトリックで上位のクダFAに快勝しましたが、この試合ではトマス・アビィ、ジャンカルロ・ロペス、アマニ・アギナルドといった外国人選手をケガや累積警告による出場停止で欠く下位のPKNS FC相手に上位進出にとっては手痛い引き分けとなりました。

パハンFA0-0ペラTBG
得点者:なし
 いずれもワールドカップ予選出場の代表候補となっているキャプテンのDFシャルル・サアドを累積警告による出場停止で、GKハフィズル・ハキムをケガで欠いたペラTBGでしたが、後半は明らかに引き分け狙いの戦術で、2位パハンFAを完封し、勝点1を獲得しました。
 一方のパハンFAはFWディクソン・ヌワカエメがケガで欠場して以来3試合連続の無得点の1分2敗と明らかな得点力不足に苦しんでおり、JDTとの勝点差を1つ詰めたものの、その差はまだ10あり、リーグ優勝を狙うには痛恨の引き分けでした。

MFL2部プレミアリーグ

トレンガヌFC II1−0PDRM FC
得点者:トレンガヌFC II-セルヒイ・アンドリエイエフ(43分)
 トレンガヌFC IIの鈴木ブルーノ選手は先発スタメンでフル出場しています。

UKM FC0-1サバFA
得点者:サバFA-アギナルド・ポリカルポ(49分)
 サバFAは、期限付き移籍で獲得していたセルビア人MFルカ・ミルノヴィッチがマラッカ・ユナイテッドへ復帰し、ブラジル人FWルイス・カルロス・ジュニオールとの契約を解除しましたが、同時に二人の新外国人選手をトランスファーウィンドウ期間中に獲得しました。一人はトルクメニスタン出身のMFアフメット・アタエフで、彼は今年1月9日に行われたアジアサッカー連盟AFC選手権での対日本戦でもゴールを決めています。もう一人がこの試合でゴールを決めたアンゴラ出身のFWアギナルド・ポリカルポです。

UITM FC2-1サラワクFA
得点者:UITM FC-ザルコ・コラチ(29分)、ナズリン・シャムスル(85分)、サラワクFA-ボビー・ゴンザレス(3分)
 ついにUITM FCが今シーズン初の敗戦で勝利数でもJDT IIを抜き、8勝2分3敗の勝点26で勝点25のJDT IIを抑えて首位に浮上しました。

ヌグリ・スンビランFA3-1ケランタンFA
得点者:ヌグリ・スンビランFA- アルミール(5分)、イゴール・ルイス2(26分、28分)、ケランタンFA-ニック・アキフ・シャヒラン(65分PK)
 新戦力のブラジル出身FWイゴール・ルイスの2ゴールなどでヌグリ・スンビランFAが快勝しています。アルミール選手のゴールをアシストするなどチームの勝利に貢献したヌグリ・スンビランFAの中武駿介選手は先発スタメンでフル出場しています。
 各チームが新外国人を獲得し、その多くが活躍している他チームと比べると、ケガが完治しないまま出場を続けている(しかも途中交代し続けている)ブラジル人DFカッシオ・デ・ジーサスしか外国人がいないケランタンFAは、今シーズンの残り試合もこの体制で臨むようですので、このままだとMFL3部のM3リーグ降格に一番近いチームとなりそうです。

JDT II0-2ペナンFA
得点者:ペナンFA-セルジオ・アグエロ(34分)、カサグランデ(46分)
 ペナンFAは、スランゴール・ユナイテッドから移籍のFWセルジオ・アグエロが2試合連続ゴール、マラッカ・ユナイテッドから期限付き移籍のFWカサグランデが移籍後初ゴールを決め、JDT IIの今シーズン初の黒星をつけました。
 セルジオ・アグエロは元ハイチ代表のMFセバスティアン・テュリエールに代わって、カサグランデはザンビア出身のFWンドゥンバ・マケチェに代わっての入団です。

5月16日のニュース:TFCの監督が辞任、ワールドカップ一次予選出場の代表候補選手が発表

トレンガヌFCの監督が辞任
マレーシアフットボールリーグMFL1部スーパーリーグのトレンガヌFCの監督が辞任しました。当地のマレー語紙ウトゥサン・マレーシアのオンライン版によると、イルファン・バクティ・アブ・サリム監督は、チームの不調の責任を取るため、トレンガヌFCの母体であるトレンガヌサッカー協会(トレンガヌFA)に辞表を提出し、受理されたとのことです。トレンガヌサッカーFAのテンク・ファロウク・フシン・テンク・アブドル・ジャリル事務局長が記者会見で発表しました。
 これに先立って、5月14日に行われたホームでのプタリン・ジャヤ(PJ)シティFCとの試合で3-0とリードしながら3-5と大逆転で敗戦した結果を受け、数百人のファンが試合会場となったスルタン・イスマイル・ナサルディン・シャースタジアムの外で抗議行動を行い、選手やイルファン監督、トレンガヌサッカー協会(トレンガヌFA)関係者との面会を求めるなどの混乱がありました。
 また5月10日には、第1戦で2−1とリードしていたFAカップ準々決勝でも、第2戦でパハンFAに0−4で敗れ、通算成績2-5で敗退しています。
 ともにマレー半島東海岸に面して隣接するライバルのパハンFAに逆転負けし、またリーグの順位では明らかに下位のPJシティFCにも逆転で大敗したことで、ファンの不満が爆発したのは、ある意味理解できますが、PJシティFC戦後にはコーチを支持する発言をトレンガヌ州知事でもある、トレンガヌFAのアーマド・サムスリ・モクター会長が行なっていただけに、事態が急転直下した印象も否めません。
 退任したイルファン前監督は、2011年には当時のトレンガヌFA(現在のトレンガヌFC)をFAカップ優勝、マレーシアカップとスーパーリーグではそれぞれ準優勝へと導き、年間最優秀監督賞を受賞しています。また、6年ぶりにトレンガヌFCの監督として復帰した2017年には、MFL2部プレミアリーグに降格していたトレンガヌFCをリーグ2位で1部スーパーリーグへ昇格させるなど、トレンガヌ州のサッカー界では功績を残した人物ですので、その分、ファンの期待も高かったのかもしれません。
 監督の後任は未定で、モハマド・ナフジ・ザインアシスタントコーチが監督代行となり、残りのリーグ戦9試合とマレーシアカップの指揮をとることになっています。

ワールドカップ一次予選出場の代表候補選手が発表
マレーシアサッカー協会FAMのホームページで、2022年FIFAワールドカップカタール大会予選兼2023年アジアカップ予選に出場するマレーシア代表候補選手26名が発表になっています。
 代表候補は5月27日から始まる強化合宿を経て、最終代表メンバーが23名が決定します。マレーシア代表は6月2日にはブキ・ジャリル国立競技場で行われるネパール代表との練習試合を経て、6月7日と11日に同じ会場で行われるワールドカップアジア予選1回戦の東ティモール代表との試合に臨みます。なお、東ティモールの希望により、ホーム、アウェイの試合ともマレーシアで行われることになっています。
 今回のメンバーには、今年3月に行われたエアマリンカップの際に、アジアサッカー連盟AFC U23選手権予選と日程が重なっていたために招集できなかったサファウィ・ラシド、アキヤ・ラシド(以上JDT)、シャマー・クティ・アバ、ドミニク・タン・ジュンジン(以上JDT II)、シャミ・サファリ(スランゴールFA)、ファイサル・アブドル・ハリム(パハンFA)といったメンバーも選ばれており、タン・チェンホー監督が現在、望むことができるベストの選手たちと言えるでしょう。
 今回の代表候補で個人的に注目したいのは二人、一人は現在はMFL2部プレミアリーグの首位JDT IIでプレーするDFドミニク・タン・ジュンジンです。AFC U23選手権予選でも、そしてJDT IIでもレギュラーとしてプレーしたドミニク選手は183cmとマレーシア人としては大柄なセンターバックで、今回がフル代表初招集です。U23代表では不動のレギュラーだったタン選手がフル代表のDF陣に食い込めるのかどうかに注目したいと思っています。
 そしてもう一人はJDTでプレーするやはりDFのラヴェル・コービン=オングです。イギリスのロンドン生まれでカナダのバンクーヴァー育ちのコービン=オング選手は、父親がバルバドス人、母親がマレーシア人ということでイギリス、カナダ、バルバドスそしてマレーシア代表でプレーする資格がありました。ドイツやオランダでプロ選手としてプレーしたコービン=オング選手は、昨年の3月にマレーシア代表に召集されましたが、その時は試合出場がありませんでした。現在は1部スーパーリーグの首位を走るJDTの不動のレフトバックとして活躍し、先日のAFCチャンピオンズリーグ鹿島戦でも存在感を示しました。上記のタン選手がバックラインの最後を固めるタイプなら、コービン=オング選手は184cmと長身ながら積極的な攻撃参加を持ち味とする、これまでの代表にはいなかったタイプの選手ですので、こちらもタン監督がどのように起用していくのかが楽しみです。

ポジション氏名年齢所属
GKファリザル・マーリアス33JDT
ハフィズル・ハキム26ペラTBG
イフワン・アクマル23クダFA
DFアダム・ノー・アズリン23JDT
ラヴェル・コービン=オング28JDT
ドミニク・タン・ジュンジン22JDT II
シャズワン・アンディック23JDT II
マシュー・デイヴィズ24パハンFA
シャミ・サファリ21スランゴールFA
シャルル・サアド26ペラTBG
ロドニー・セルヴィン・アクウェンシヴィ23PKNS FC
イルファン・ザカリア24KLFA
MFアクラム・マヒナン26PKNS FC
ケニー・パッラジ・ダバラギ26ペラTBG
ハリム・サアリ25スランゴールFA
ファイズ・ナシル27スランゴールFA
シャマー・クティ・アバ22JDT II
ノー・アザム・アジ24パハンFA
FWアキヤ・ラシド20JDT
サファウィ・ラシド22JDT
シャフィク・アーマド24JDT
モハマドゥ・スマレ25パハンFA
ノーシャルル・イドラン・タラハ33パハンFA
ファイサル・アブドル・ハリム21パハンFA
シャズワン・ザイノン30スランゴールFA
シャーレル・フィクリ25ペラTBG

MFL第13節の結果まとめ(2)

マレーシアフットボールリーグの1部スーパーリーグは、第13節が5月14日(火)と5月15日(水)に行われました。その結果まとめです。

ジョホール・ダルル・タクジム(JDT)2-0パハンFA
得点者:JDT-ハリス・ハルン(69分)、アキヤ・ラシド(90分)
 この試合は全国中継されていたので、テレビ観戦しましたが、いやぁーJDTは強い!アジアサッカー連盟AFCチャンピオンズリーグで鹿島に勝ってモチベーションも高かったのでしょうが、素人目で見ても、全員が攻守によく走る。この試合の先制点は、パハンFAのコーナーキックのこぼれ玉を拾っての自陣からのカウンターによるものでした。ゴールを挙げたハリス・ハルンはこれが今シーズン初得点ですが、全員で攻め、全員で守るというJDTの強さを象徴しているのではないでしょうか。
 一方のパハンFAは、エースのディクソン・ヌワカエメが怪我のため、ベンチ入りすらできなかったのが痛かったところでしょう。第11節のJDTとの天王山ではフル出場したものの、前節第12節ではやはりベンチ入りできずプタリン・ジャヤ(PJ)シティFC相手にまさかの敗戦を喫し、今日の試合で痛すぎるリーグ戦2連敗となりました。
 この日のJDTの勝利で首位JDTと2位パハンFAの勝点差は8と広がりました。スーパーリーグではこの日の勝利で73試合負けなし、ホームでは26連勝といずれもリーグ記録を更新中のJDTは、このまま首位の座を譲ることなくシーズンを終える可能性が非常に高くなった、という感じです。

ペラTBG3-1PKNP FC
得点者:カレッカ2(7分、71分)、ロナウド(29分PK)、PKNP FC-ヤシル・ピント(38分)
 先日のFAカップに続き、この試合も新外国人FWが活躍したペラTBG。カレッカことライアンデルソン・モライスの2ゴールとロナウドのゴールでPKNP FCを振り切っています。この勝利でペラTBGは6位に浮上し、遅まきながら調子を上げてきました。FAカップではすでに敗退している上、第13節終了時点で首位と勝点差17 では流石にリーグ戦の優勝は難しいかもしれませんが、残るマレーシアカップに専念すれば、連覇も可能な勢いです。

トレンガヌFC3−5プタリン・ジャヤ(PJ)シティFC
得点者:トレンガヌFC-チェチェ・キプレ(11分)、ナビル・ラトピ(18分)、アシャリ・サムスディン(19分)、PJシティFC-エリゼウ(49分)、ペドロ・エンリケ2(57分、80分)、ワシントン・ブランダオ(58分)、ザミル・ラムリ(77分)
 前半終了時点で3-0とリードしていたトレンガヌFCが、後半に一挙5失点で敗戦という壮絶な試合でした。この試合の後、会場となったトレンガヌFCのホーム、スルタン・イスマイル・ナシルディン・シャースタジアムの外では、試合結果に不満な一部のファンが抗議行動を行うなど、不穏な空気であったと現地メディアは伝えています。

クアラルンプール(KL)FA2−1PKNS FC
得点者:KLFA-インドラ・プトラ・マハユディン(28分)、アズミ・ムスリム(57分)、PKNS FC-ロメル・モラレス(5分)
 KLFAはこの試合の勝利で、最下位を脱出!得失点差では劣るものの勝点は10位のPKNP FCと並んでいます。次節第14節では、勝点差3の9位のPJシティFCとの直接対決が控えています。
 KLFAの苅部隆太郎選手はスタメンでフル出場しています。

スランゴールFA3-1クダFA
得点者:スランゴールFA-イフェダヨ・オルサグン3(35分、44分、57分)、クダFA-フェルナンド・ロドリゲス(65分)
 スランゴールFAの新戦力FWイフェダヨ・オルサグンが初先発の試合でいきなりハットトリックを決め、スランゴールFAがクダFAに快勝しました。
 この勝利でスランゴールFAは今シーズン最高位の3位に浮上し、2位のパハンFAとの勝点差を1としています。イフェダヨ選手にシャミ・サファリ、サンドロ・ダ・シルヴァ、シャズワン・ザイノンで構成する前線はJDTやパハンFAとも十分戦えそうですが、3位のチームながら、リーグでは下から数えて5番目に多い21失点で、得失点差も+2という数字が表すようにこのチームの課題は何と言っても守備陣。今日の試合も後半にクダFAが投入した運動量が豊富なファヤッド・ズルキフリを自由にした結果、ゴールポスト直撃で助かった2本を含む複数のシュートを打たれていましたが、ジオゴやゴンザロ・カブレラ(JDT)やディクソン・ヌワカエム(パハンFA)なら確実に決められていたでしょう。この辺りを次節までにどのように修正してくるかがスランゴールFAの注目ポイントでしょう。
 一方、負けたクダFAは、この日、フェルダ・ユナイテッドに大勝したマラッカ・ユナイテッドにも抜かれて一気に5位へ転落しました。

マラッカ・ユナイテッド6-0フェルダ・ユナイテッド
得点者:マラッカ・ユナイテッド-パトリック・ライフェルト(5分)、サフィク・ラヒム(25分)、ルカ・ミルノヴィッチ3(36分、53分、89分)、ナズリン・ナウイ(36分)
 今シーズンリーグ最多となる6得点を挙げたマラッカ・ユナイテッドが大勝しました。トランスファー・ウィンドウ期間中にMFL2部サバFAから期限付き移籍を終えて復帰したルカ・ミルノヴィッチがハットトリックの活躍で、マラッカ・ユナイテッドを4位に押し上げています。
 フェルダ・ユナイテッドは、主将でエースのハディ・アワンを欠く苦しい状況が続いていますが、この敗戦で最下位転落です。
 フェルダ・ユナイテッドの池田圭選手はスタメンでフル出場しましたが、渡邉将基選手はベンチ入りしませんでした。

5月12日のニュース:FAカップ準々決勝結果まとめ、ワールドカップ予選会場が決定

マレーシア国内カップ戦の一つFAカップは準々決勝。1部スーパーリーグ所属の8チームが残ったここからは、一発勝負のノックアウト方式からホームアンドアウェイ方式となります。既に第1戦は4月30日と5月1日に行われており、第2戦が5月11日(金)と12日(土)にかけて行われ、準決勝進出チームが決定しました。

5月10日(金)
パハンFA5-2トレンガヌFC(第1戦1-2第2戦4-0)パハンFAが準決勝進出
得点者(第1戦):パハンFA-ゼ・ラヴ(58分)、トレンガヌFC-マリク・マット・アリフ(10分)、チェチェ・キプレ(27分)
得点者(第2戦):パハンFA-ファイサル・ハリム(7分)ディクソン・ヌワカエメ2(48分PK、63分)、モハマドゥ・スマレ(75分)
 リーグ2位のパハンFAがリーグ7位のトレンガヌFCを破って準決勝進出を決めました。第2戦は両チーム合わせてイエロー1枚という「クリーン」な試合でしたが、トレンガヌFCのイルファン・バクティ監督は、その「クリーン」さが結局、パハンFAにスペースを与えすぎた結果、今シーズン最悪のゲームになったとしています。
 一方、パハンFAのドラ・サレー監督は、体調不良のため第1戦に出場できなかったディクソン・ヌワカエメとサフワン・バハルディンの二人の外国人選手が戦列に復帰したことが大きかったとしています。この試合、パハンFAのGKヘルミ・エリザ・エリアスが前半でボールに触ったのはただ1度とパハンFAが怒涛の攻撃でトレンガヌFCを圧倒しました。
 リーグ2位のパハンFAは、休む間も無くリーグ戦が再開する火曜日には首位JDTと敵地ラーキンスタジアムで対戦します。前節は下位のプタリン・ジャヤ・シティFCにまさかの敗戦で勝点差が5となってしまっているので、優勝を目指すには直接対決でその差を詰める必要があります。

クダFA4-2PKNS FC(第1戦3-1第2戦1-1)クダFAが準決勝進出
得点者(第1戦):クダFA-フェルナンド・ロドリゲズ(14分)、ジョナサン・バウマン2(26分PK、45分)、PKNS FC-ガブリエル・ゲラ(64分)
得点者(第2戦):クダFA-ジョナサン・バウマン(17分)、PKNS FC-アズミル・ユソフ(32分、OG)
 第1戦の貯金が効いて、クダFAが準決勝へ進出しました。リーグ4位のクダFAは、休む間も無くリーグ戦が再開する火曜日には勝点差1で3位にいるスランゴールFAとの対戦が控えています。

5月11日(土)
フェルダ・ユナイテッド3-3クアラルンプール(KL)FA(第1戦3-3、第2戦0−0)フェルダ・ユナイテッドは準決勝進出
得点者(第1戦):フェルダ・ユナイテッド-アズミ・ラヒム2(23分、60分)、ジョシネイ・シャド(75分)、KLFA-インドラ・プトラ・マハユディン2(41分、54分)、パオロ・ジョスエ(80分)
得点者(第2戦):なし
 第1戦、第2戦とも引き分けでしたが、第1戦のKLFAのホームで3点を挙げたフェルダ・ユナイテッドがアウェイゴールのアドヴァンテージで準決勝進出を決めています。
 KLFAの苅部隆太郎選手、フェルダ・ユナイテッドの池田圭選手、渡邉将基選手は第1戦、第2戦とも全員スタメンでフル出場しています。

ペラTBG2-1PKNP FC(第1戦0-0、第2戦2−1)
得点者(第1戦):なし
得点者(第2戦):ペラTBG-ロナウド2(23分、88分)、PKNS FC-ジャンカルロ(72分)
 3日前に獲得したばかりの新戦力ロナウドが先制、逆転と2ゴールの活躍で、ペラTBGが準決勝進出を決めました。特に圧巻だったのは88分の2ゴール目。このままではアウェイゴールでPKNP FCが準決勝進出というところで決めたヘディングのゴールは見事でした。ペラTBGは新戦力とこの試合の勝利で、今後のリーグ戦でも俄然楽しみなチームになりました。
 ペラTBGは準決勝ではパハンFAと対戦します。

ワールドカップ予選会場が決定
マレーシアはFIFAワールドカップ2022年カタール大会の予選に1回戦から出場しますが、その相手となる東ティモールがホームの試合開催を自国外で行うことを希望していたことから、試合会場が決まらずにいましたが、結局、東ティモール戦はホーム、アウェイ共にクアラルンプールのブキ・ジャリル国立競技場で行われることがマレーシアサッカー協会FAMのホームページで告知されています。
 東ティモールの首都ディリにあるスタジアムが、アジアサッカー協会AFCの試合開催基準を満たしていないことが理由ですが、マレーシアにとってはホームだけでなくアウェイの試合も慣れ親しんだグラウンドで、多くの自国サポーターの前で行えることは大きな利点でしょう。ちなみに東チモールは、2018年のアセアンサッカー連盟AFF選手権スズキカップのグループマッチのうち、フィリピン戦も自国ではなく、クアラルンプールのKLフットボールスタジアムで開催しています。


5月11日のニュース:ペラTBG、PKNP FC、KLFAも新外国人選手を獲得、その他の移籍情報

ペラTBGが新外国人選手を獲得
昨シーズンはマレーシアフットボールリーグMFL1部のスーパーリーグで10勝6分6敗の2位で、マレーシアカップの優勝チームでもあるペラTBGは、今シーズンは第12節を終了して2勝7分3敗の8位に低迷していますが、このペラTBGが二人の新外国人選手を獲得したと当地の英字紙スターのオンライン版が伝えています。
 新入団となったのはいずれもブラジル出身のロナルド・エンリケ・シルヴァ(28)と「カレッカ」ことライアンダーソン・ダ・コスタ・モライス(23)の二人で、6ヶ月契約でそれぞれブラジルのECキンゼ・デ・ノヴェンブロとアトレチコ・アクレアーノから移籍しています。2014年には横浜FCでのプレー経験もあるロナルド選手は、ギルマール・ホセ・ダ・シルヴァと、カレッカはワンダー・ルイスに代わって登録されました。ギルマール選手は2017年からペラTBGでプレーしていますが、昨シーズンは11ゴールを決めていたものの、今シーズンは第12節までで4ゴールと不調が続いており、ペラTBGを運営するペラFAが契約解除に踏み切りました。また、ルイス選手はブラジルにいるお子さんが病気療養中ということで自ら契約解除を申し出たということです。
 これまでのメディアの報道では、ペラFAがオーストラリア出身のDFザック・アンダーソンも契約解除となるのではという噂もありましたが、こちらは特に新しいニュースはありません。

KLFAが新外国人FWを獲得
同じスターのオンライン版によると、MFLの最下位チーム、クアラルンプール(KL)FAもモンテネグロ出身のDFダルコ・マルコヴィッチをマラッカ・ユナイテッドから獲得しました。マルコヴィッチ選手は、インドネシア1部リーグアレマFCに移籍したシルヴァーノ・コンヴァリアス選手に代わって登録されます。
 第12節を終えた時点で30失点、しかもFAカップも含めた直近の3試合で11失点と守備が崩壊しているKLFAのチョン・イーファット監督代行は、彼がセンターバックに入ることで、守備陣が強化されるだけでなく、パオロ・ジョスエ、ザハフリ・ヤハヤらMFが積極的に攻撃に参加できるだろうと期待しています。なおマルコヴィッチ選手自身は今シーズンのMFL1部スーパーリーグでは8試合に出場し、DFながら2ゴール(そのうち1ゴールは対KLFA戦)を挙げています。なお、マルコヴィッチ選手は本日のFAカップ準々決勝フェルダ・ユナイテッド戦から出場の予定です。
 またチョン監督代行は別のメディア(原文はマレー語)では苅部隆太郎選手にも触れ、本来のポジションではないものの守備的MFの役割を十分にこなしているとし、この調子が続くのであれば、新たな外国人選手の獲得は不要だろうとしています。

PKNP FCはブラジル人DFを獲得
本日のFAカップ準々決勝で新外国人FWを獲得したペラTBGと対戦する、MFL1部スーパーリーグ10位のPKNP FCはブラジル出身のDFペドロ・ヴィクトルをブラジルのECノロエスチから獲得しています。契約期間は6ヶ月で、今シーズンの残り試合でのパフォーマンス次第では、契約延長もあり得るとしています。また、PKNP FCとペドロ選手との契約により、タジキスタン出身のDFシヨブシュ・アスロロフが退団しています。

その他の移籍情報(Goal.comより)
MFL1部スーパーリーグ
トレンガヌFC
新入団 モハマド・ナビル・アーマド・ラプティ(アルティメイトFC-MFL3部M3)
フェルダ・ユナイテッド
新入団 カイルル・アムリ(タンピネス・ローヴァーズ-シンガポール)

MFL2部プレミアリーグ
スランゴール・ユナイテッド
退団 セルジオ・アグエロ
ペナンFA
シュクル・サイディン(プルリスFA)
ワン・モハマド・シュクリ(マラッカ・ユナイテッド-期限付き移籍)
セルジオ・アグエロ(スランゴール・ユナイテッド)

MFL第12節の結果まとめ

1部スーパーリーグ

PKNS FC(4勝4分4敗)3-3ペラTBG(2勝7分3敗)
得点者:PKNS FC-クパ・シャーマン2(5分、52分)、ニコラス・スウィラッド(43分)、ペラTBG-ブレンダン・ガン(12分)、J・パルティバン(50分)、ナジルル・ナイム(81分)
 上位進出を狙いたいPKNS FCは、ここ6試合で1勝2分3敗と苦しい試合が続きます。一方のペラTBGは12試合で7試合目の引き分けとなり、やはり上位進出のきっかけが掴めません。

ケダFA5-2クアラルンプール(KL)FA
得点者:クダFA-ジョナサン・ボーマン2(22分、90分)、シャキル・ハムザ(42分)、フェルナンド・ロドリゲズ2(67分、81分)、KLFA-インドラ・プトラ・マハユディン(45分)、ギレルメ・デ・パウロ(78分)
 前節のPKNS FC戦で、前人未到のスーパーリーグ通算100ゴールを決めたベテラン、インドラ・プトラ選手がこの試合でもゴールを決めていますが、試合は順位どおりの結果となりました。

プタリン・ジャヤ(PJ)シティFC2-0パハンFA
得点者:PJシティFC-ペドロ・エンリケ(31分)、セルジオ・フィロ(58分)
 降格圏にいるPJシティFCは、前半戦のホームでの試合でも引き分けていただけにパハンFAにとっては要注意の相手でした。パハンFAはこの痛い黒星でJDTとの勝ち点差が6と開きました。

フェルダ・ユナイテッド0−2JDT
得点者:JDT-ジオゴ2(38分、62分PK)
 JDTは下位チーム相手に取りこぼしが少ないのが強みです。やはり降格圏にいるフェルダ・ユナイテッド相手にきっちりと勝点3を手にしています。
 フェルダ・ユナイテッドの池田圭選手と渡邉将基選手はともにスタメンでフル出場しています。

スランゴールFA1-1マラッカ・ユナイテッド
得点者:スランゴールFA-シャミ・サファリ(31分)、マラッカ・ユナイテッド-パトリック・ライヒェルト(60分)
 第6節から無敗記録を続けているスランゴールFAがこの試合も負けずに逃げ切りました。一方のマラッカ・ユナイテッドは第6節から1勝2分3敗と調子が上がらず、首位JDTとの勝点差が12と開いてきました。

PKNP FC2-2トレンガヌFC
得点者:PKNP FC-アマリ・アグイナルド(22分)、トマス・アビィ(35分)、トレンガヌFC-チェチェ・キプレ(30分)、サンジャル・シャクメドフ(68分)
 チェチェ・キプレ選手の調子が上向きとなってきたトレンガヌFCにとっては痛い引き分けでしたが、降格圏から脱したいPKNP FCには貴重な勝点1となりました。

2部プレミアリーグ

UKM FC1-1ペナンFA
得点者:UKM FC-マテオ・ロスカム(90分)、ペナンFA-ジュリアン・ボッタロ(47分)

トレンガヌFC II1-0UITM FC
得点者:トレンガヌFC II-鈴木ブルーノ(51分)
 この試合唯一のゴールで自身ではシーズン4点目(直近の5試合では3得点目)となるゴールを挙げたトレンガヌFC IIの鈴木ブルーノ選手はスタメンでフル出場しています。

JDT II0-1PDRM FC
得点者:PDRM FC-リー・チャンフン(90分)

サバFA1-0スランゴール・ユナイテッド
得点者:サバFA-ルドリュブ・パウノヴィッチ(7分)

ケランタンFA0-0サラワクFA
得点者:なし

MFL第11節の結果まとめ

12チームで構成されるマレーシアフットボールリーグMFLの1部スーパーリーグは、4月26日(金)から28日(日)に開催された第11節で前半戦が終了しました。最後には第11節終了時の順位表も載せました。

フェルダ・ユナイテッド1-1マラッカ・ユナイテッド
得点者:フェルダ・ユナイテッド-池田圭(62分、PK)、マラッカ・ユナイテッド-パトリック・ライヒェルト(15分)
 今シーズン2点目を挙げたフェルダ・ユナイテッドの池田圭選手とチームメイトの渡邉将基選手ともスタメンでフル出場しています。

クダFA1-1スランゴールFA
得点者:クダFA-バドロル・バクタール(41分)、スランゴールFA-サンドロ・ダ・シルバ(18分)

PKNP FC0-4ペラTBG
得点者:ペラTBG-ブレンダン・ガン(13分)、ギルマール・ダ・シルヴァ2(30分、90分)、シャルール・サアド(56分)

PKNS FC3-2クアラルンプール(KL)FA
得点者:PKNS FC-ロメル・モラレス(2分)クパ・シャーマン2(31分、79分)、KLFA-インドラ・プトラ・マハユディン(42分)、ギレルメ・ダ・パウラ(82分)
 KLFAの苅部隆太郎選手はベンチ入りしたものの、出場はありませんでした。

プタリン・ジャヤ(PJ)シティFC1-2トレンガヌFC
得点者:PJシティFC-P・ラジェス(36分)、トレンガヌFC-B・ティンガラン(67分)、チェチェ・キプレ(79分)

パハンFA1−1JDT
得点者:パハンFA-エラルド・グロン(35分)、JDT-ゴンザロ・カブレラ(5分)
 前半戦の天王山となった1位と2位の対決は引き分けとなっています。

MFL1部スーパーリーグ順位表(第11節終了時点)

順位チーム名得点失点勝点
 1JDT(ジョホール・ダルル・タクジム)251027
 2パハンFA20 924
 3スランゴールFA181819
 4マラッカ・ユナイテッド131217
 5クダFA151716
 6PKNS FC171415
 7トレンガヌFC131515
 8ペラTBG141312
 9PKNP FC112010
10PJ(ペタリン・ジャヤ)シティFC 814 8
11フェルダ・ユナイテッド 919 8
12KL(クアラルンプール)FA
1325 8

MFL2部プレミアリーグは今シーズン開幕後にプルリスFAが選手への給料未払い問題によって除名処分を受けたため、11チームとなっていますが、やはりこの第11節で前半戦が終了しました。こちらも最後に第11節終了時の順位表を載せました。

ケランタンFA2−1ペナンFA
得点者:ケランタンFA-ニック・アキフ・シャヒラン(30分)、アズワン・アリピン(42分)、ペナンFA-ンドゥムバ・マケチェ(48分)

JDT II2-0スランゴール・ユナイテッド
得点者:JDT II-S・クマーラン(67分)、ダレン・ロック(79分)

サラワクFA0-1PDRM FC
得点者:PDRM FC-リー・チェンフン(51分)

UKM FC0-5UITM FC
得点者:ザルコ・コラチ3(14分、54分PK、55分)、サイド・アリフ(22分)、ロベルト・メンディ(50分)

トレンガヌFC II1−0ヌグリ・スンビランFA
得点者:鈴木ブルーノ(2分)
トレンガヌFC IIの鈴木ブルーノ選手は今シーズン3点目のゴールを決めています。
 鈴木ブルーノ選手、ヌグリ・スンビランFAの中武駿介選手ともスタメンでフル出場しています。

MFL2部プレミリーグ順位表(第11節終了時点)
*プルリスFA除名処分により各チームとも10試合となっています。除名処分前にプルリスFAと対戦した際の記録は公式記録に含まれていません。
*ケランタンFAは給与未払い問題によりマレーシアサッカー協会FAMより勝点3剥奪の処分を受けています。

順位チーム名得点失点勝点
 1JDT II17 524
 2UITM FC231120
 3サバFA191218
 4トレンガヌFC II10 916
 5スランゴール・ユナイテッド111214
 6ヌグリ・スンビランFA111313
 7UKM FC101610
 8PDRM FC
 712 9
 9サラワクFA1017 8
10ペナンFA 916 8
11ケランタンFA1318 7