6月27日のニュース:Mリーグ16クラブに練習再開許可、FAMはプロ契約を逃したエリートアカデミー出身者に大学進学の道を模索、クダFAのアズミール・ユソフが退団を発表、Mリーグクラブの監督が相次いで観客を入れての試合を要望

Mリーグ16クラブに練習再開許可
 マレーシアの通信社ブルナマは、国内リーグのMリーグを主催するマレーシアフットボールリーグMFLが、1部スーパーリーグと2部プレミアリーグのそれぞれ8クラブに第一段階の練習再開許可を与えたことを報じています。
 この16クラブは、綿棒テストの結果や消毒済みの練習場の登録、フィールド上での身体接触プレーの禁止が守れられているかなどを監視する責任者の任命などMFLが設けた練習再開基準を満たした上で、必要書類を全て提出したクラブだということです。
 MFLのアブドル・ガニ・ハサンCEOは「(身体接触プレーが禁じられている)第一段階の練習は、(身体接触プレーが可能になる)第二段階の練習へと進めるかどうかの重要な基準となる。各クラブが練習中も社会的距離(ソーシャルディスタンス)として3mから5mを維持するなど標準作業手順SOPを守っているかを注視したい。Mリーグの全クラブからの協力が得られれば、第二段階の練習への移行も予定より早まる可能性がある。」と述べています。
 なお練習再開許可が出ているMリーグ1部のクラブは、UITM FC、スランゴールFC、ジョホール・ダルル・タジムJDT、トレンガヌFC、ペラTBG、マラッカ・ユナイテッド、フェルダ・ユナイテッドFC、クダFAの8クラブ、Mリーグ2部はヌグリスンビランFA、スランゴール2、JDT II、トレンガヌFC II、ペナンFA、クチン FA、ペラIIとクアラルンプールFAの8クラブです。

FAMはプロ契約を逃したエリートアカデミー出身者に大学進学の道を模索
 マレーシアサッカー協会FAMは、教育省とともに運営するプロサッカー選手養成のエリートアカデミーであるモクタル・ダハリ・アカデミーAMDの卒業生に大学進学の道を開こうとしていると、マレー語紙ブリタハリアン電子版が報じています。
 18歳までの選手を対象としているAMDから1年間に40から50人の選手が卒業しますが、その全員がMリーグクラブと契約できるわけではないことから、プロ契約を逃した卒業生が大学など高等教育機関へ進学して、スポーツ科学などの勉強を続けることができるよう、高等教育省が設けているスポーツ選手優遇プログラムを通じての進学が可能になるようにしたいと、FAMのスチュアート・ラマリンガム事務局長が高等教育省のスポーツ部門のトップを務めるペカン・ラムリ氏との会談の席上で述べています。
 「このルートでの進学が可能になれば、進学先大学のサッカー部でのプレーも可能になり、その後のMリーグクラブ入団などにもつながる可能性もある。この実現に向けて、FAMと高等教育省との間で戦術機協力関係を築くために、近々両者の間で了解覚書MOUを交わす予定もある。」とスチュアート事務局長は述べています。

クダFAのアズミール・ユソフが退団を発表
 クダFAの選手が自ら契約解除を申し出ているという話はここでも取り上げましたが、これまで名前が明かされていなかったこの選手がアズミール・ユソフであることがわかりました。
 アズミール選手が自身のインスタグラムで明らかにしたもので、これまでの報道通り、クダFAを揺らしている給料未払い問題とは無関係で、自らが行っている仕事に専念したいことが理由であるとしています。
 2016年の1シーズンを過ごした後、昨季2019年にクダFAに復帰していたアズミール選手は退団後は、自身が関わっているというクダ州のイスラム教義に基づいた宗教学校の建設に関わっていくとしています。

Mリーグクラブの監督が相次いで観客を入れての試合を要望
 Mリーグ2部クアラルンプールFAのニザム・アズハ・ユソフ監督は、Mリーグ再開時には観客を入れての試合開催を提案していると、マレー語紙ハリアンメトロが報じています。
 マレーシアでは新型コロナウィルス感染拡大を防ぐため営業が禁止されていた映画館や劇場が7月1日から営業再開となりますが、これを例に挙げたニザム監督は、人数を制限し、人が集まる映画館やモスクなど宗教施設などと同様の標準作業手順SOPを守った上での観戦なら可能なのではないかと述べています。
 「従来は5000人収容の施設なら、入場者を1000人に制限するなどすれば、感染も可能なのではないか。サポーターの存在は選手の力を引き出す源になる。」とニザム監督は話しています。
 またMリーグ1部スランゴールFCのサティアナタン・バスカラン監督もサポーターのSOP遵守を信用して、観戦許可をでしても良いのではないかと述べています。
 8万人収容可能なスランゴールFCのホーム、シャーアラムスタジアムでは社会的距離(ソーシャルディスタンス)の確保も可能だと話すサティアナタン監督は、マレーシア政府が発表している感染者数が減少していることもあり、マレーシア政府が観戦許可を出すことを期待していると話しています。
 「サポーターの存在はサッカーの試合では不可欠である。リーグ再開当初は人数制限が必要だとは思うが、たとえ少人数であっても感染の許可が出ることを望んでいる。」とサティアナタン監督は話しています。

6月26日のニュース:クダFA監督はチームへの早期合流を希望、トレンガヌFC監督は8月リーグ再開となった場合の準備不足を懸念、一方マラッカU監督は8月再開に不安なし、スランゴールFCは今季中にBチームから選手の昇格を検討

クダFA監督はチームへの早期合流を希望
 新型コロナウィルス感染者の入国による輸入感染を防ぐため、マレーシア政府は外国人の入国を制限しています。Mリーグ1部クダFAのアイディル・シャリン・サハク監督は、新型コロナウィルス感染拡大に伴ってMリーグが中断した3月以降、自宅のあるシンガポールに戻っていますが、この入国規制により、Mリーグクラブの練習再開が許可された後もマレーシアへ入国できない状況が続いています。
 英字紙ニューストレイトタイムズによれば、現在、アイディル監督は、クダ州サッカー協会KFAを通じてマレーシア入国管理局へ入国申請を行なっているということです。
 「既に(クダ州の州都)アロースターへ移動できるよう荷物も用意してあり、あとは許可が出るの待っている状態である。」と話すアイディル監督は、チームとは3ヶ月以上も離れており、指導者となってからこんなに長く「休んだ」ことはないということで、アロースターに戻ったら直ちに選手のコンディショニング改善に取り組みたいと話しています。
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 最近のメディアの論調では、当初予定されていた9月ではなく8月からMリーグが再開するのでは、といった報道を見かけるようになってきました。もしそうなれば、来月7月からは身体接触が許可される通常練習が始まることになるので、それまでには実戦練習ができるコンディションまで上げておかなければなりません。
 個人的には今季イチオシだったクダFAは、開幕からの4試合で勝点4の7位と不調のままリーグ中断となっており、再開後はわずか7試合しか残り試合がないため、上位進出には文字通り1試合も落とせない状況ですので、チームに合流できないアイディル監督もやきもきしているのではないでしょうか。
 また入国制限についてマレーシアはシンガポールからの入国に特に制限を設けない予定ですが、シンガポールが段階を踏んだ上での国境再開を主張しており、アイディル監督のマレーシア入国にはまだ時間がかかる可能性もあります。

トレンガヌFC監督は8月リーグ再開となった場合の準備不足を懸念
 Mリーグ1部のトレンガヌFCのナフジ・ザイン監督は、Mリーグ再開が予定されている9月ではなく8月に前倒しになった場合、選手たちが試合で全力を出せるコンディショニングまで仕上げる時間が不足していると話していると、マレーシアの通信社ブルナマが報じています。
 なお、トレンガヌFCはPJシティFC主催試合の第4節が延期となっているため、PJシティFCとともに、今季の残り試合数は他のクラブより1試合多い8試合となっています。
 「8月にMリーグが再開されれば、6週間から7週間で選手のコンディションを試合レベルまで仕上げなければならないが、(身体接触が許されていない)現在の練習ではそれは非常に難しい。しかし、プロの指導者としては何とかしてチームがリーグ日程に対応させるつもりである。」と話すナフジ監督は、再開後に予定されている無観客試合について尋ねられると、選手にとってはどの試合も全て勝ちにくという姿勢は変わらないだろうと話しています。
 トレンガヌFCはMリーグ中断までの3試合で1勝1分1敗で9位につけています。

一方マラッカU監督は8月再開に不安なし
 Mリーグ1部マラッカ・ユナイテッドのザイナル・アビディン・ハサン監督は、リーグ再開が8月に前倒しになった場合でも、選手のコンディションには全く不安がないとブルナマに語っています。
 「リーグ再開が8月になったとしても、準備期間は十分あるので心配はしていない。リーグ再開自体がありがたいことだが、8月再開となれば、(9月最下位の場合に比べると)日程に余裕ができるので、チームとしてはむしろありがたい。」と話すザイナル監督は、現在の練習について標準作業手順SOPに従って、選手を10人ごとに3つのグループに分けて行なっていることから、「ニューノーマル」の練習では戦術理解が必要となる練習を行うことが最も難しくなっていると話しています。

スランゴールFCは今季中にBチームから選手の昇格を検討
 Mリーグ2部スランゴール2は同1部スランゴールFCのBチームですが、スランゴールFCのサティアナタン・バスカラン監督は、このスランゴール2からの選手数名について、今季中に1部でプレーする機会がを与える意向を明らかにしています。
 自身は選手の年齢を気にしないと話すサティアナタン監督ですが、選手はまず首脳陣の信用を得て、自分で出場機会を掴み取らなければならないと話しています。
 U19代表の主将を務めるムハマド・ムカイリ・アジマル・マハディらに注目していると話すサティアナタン監督は「これまで(U19やU22代表で)何をしてきたかではなく、今、彼らに何ができるかを見て判断したい。現在は(スランゴール2)のマイケル・ファイヒテンバイナー監督からの報告を待っており、それを参考にしてスランゴール2から5人程度を選びたい。」と話しています。
 またその際に昇格させる条件としては、スランゴール2で際立ったプレーを見せることを挙げており、昇格後は同じポジションの外国籍選手と競わせて、どのくらいの差が出るかを見たいと話しています。
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 リーグ中断前は首位のJDTに勝点5差の5位のスランゴールFCに、AFCカップ出場権となる2位以内を目指しながら新戦力を試す余裕があるかどうかはわかりませんが、そこは百戦錬磨のサティアナタン監督の手腕に期待してみたいところです。

— BERNAMA

6月24日のニュース:Mリーグクラブは完全隔離型練習実施に否定的、カロンダの代表入り議論は時期尚早、ハディ・ファイヤッドが岡山の観光大使に就任

Mリーグクラブは完全隔離型練習実施に否定的
 新型コロナウィルス観戦拡大を防ぐためチーム練習が禁じられていたMリーグの各クラブは、マレーシア政府保健省と国家安全保障委員会の許可により、先週から練習を始めていますが、練習再開にあたり標準作業手順SOPの遵守が条件となっています。
 このSOPでは、選手、監督、コーチらが綿棒検査を受けて陰性であることが証明されることや、身体接触を防ぐために練習中に選手同士が一定の距離を保っているかどうかを監視する担当者の任命、また不特定多数との接触を避けるために開かれたグラウンドではなくスタジアムでの練習を行うことなど様々な条件が課せれています。
 そしてこの次の段階として、選手を一か所に集めた完全隔離型の練習が提案されていますが、Mリーグの各クラブの中にはこの完全隔離型練習について、費用がかかる上に現実的でないと考えているクラブが複数あると英字紙ニューストレイトタイムズ電子版が報じています。
 Mリーグ1部のスランゴールFCと2部のスランゴール2を運営するスランゴール州サッカー協会FASのジョハン・カマル・ハミドン事務局長は、3ヶ月間の自宅トレーニングからの体力増強が中心となる現状では、非接触型の現在の練習で十分であるとし、完全隔離型の練習では選手の移動や宿泊など様々な手配が必要になることから対費用効果を考えると現実的でないと話しています。
 またPDRM FCのイシャク・クンジュ監督も費用面が問題になるとし、他のクラブも完全隔離型の練習を選ばないのではないかと話し、現時点では屋外での練習の感覚を取り戻すことを優先しているとし、通常練習はまだ先で良いとしています。

カロンダの代表入り議論は時期尚早
 同じ英字紙ニューストレイトタイムズ電子版は、ソーシャルメディア上で話題になっている帰化選手候補について、現時点ではマレーシア国政取得が可能かどうかが不明であると話しています。
 マレーシアで「帰化選手」という場合、マレーシア国外で生まれてマレーシア国籍を持たなかったものの、父母や祖父母にマレーシア人がいることから国籍取得が可能となったブレンダン・ガン(スランゴールFC)やマシュー・デイヴィーズ、ラヴェル・コービン=オング(いずれもJDT)のようなHeritage Playerと、マレーシアでの継続居住歴5年以上というFIFAの規定を満たした結果、帰化資格を得て国籍取得に至ったNaturalized Playerがいます。なおこのNaturalized Playerは現在、ガンビア出身のモハマドゥ・スマレ(パハンFA)とコソボ出身のリリドン・クラスニキ(JDT)の2人がおり、ブラジル出身ので、だけです.
 近年のマレーシア代表は帰化選手の代表チーム加入によって強化されており、もっと最近の国際試合となるFIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選(2019年11月19日対インドネシア戦)では、上記のブレンダン・ガン、ラヴェル・コービン=オング、モハマドゥ・スマレの3選手が先発するなど、チームにとっては欠かせない存在になっています。そして、そういった帰化選手の活躍が、世界各国でプレーするHeritage Playerの資格がある選手がマレーシア代表に興味を示しているとされています。
 そう言った選手のうち、ここ数ヶ月、ソーシャルメディアで話題になっているのがマルセル・カロンダです。
 コンゴ生まれで22歳のカロンダ選手は現在、ザンビア1部リーグのゼスコ・ユナイテッドでディフェンダーとしてプレーしていますが、自身の祖父が東マレーシアのサバ州出身のマレーシア人であると主張しており、代表入りに興味を示しています。
 このカロンダ選手について、マレーシアサッカー協会FAMのスチュアート・ラマリンガム事務局長は、FAMは現在、カロンダ選手から先週届いたという書類を精査中で、代表入り資格云々のコメントはできないとしています。
 「資格審査は現在はまだ初期段階であり、さらに必要な書類が必要になることもある。そう言った書類が全て揃うまでは何も決定することはできない。」とスチュアート事務局長は話しています。

ハディ・ファイヤッドが岡山の観光大使に就任
 J2のファジアーノ岡山の公式サイトでは、マレーシア出身のハディ・ファイヤッドが「 岡山型ヘルスツーリズム連携協議会アンバサダー」に就任したことを発表しています。
 昨年から岡山に所属する20歳のハディ選手は、「マレーシアからの観光誘客を目的としたプロモーションにファジアーノ岡山とともに協力することとなった」ということ、岡山の観光PRのために動画出演なども行い、マレーシアに向けて岡山の魅力を伝えるだけでなく、ムスリム(イスラム教徒)でも安心して旅行ができる受け入れ環境なども紹介していくということです。
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 観光大使就任が発表される数日前に行われた広島とのトレーニングマッチではゴールを決めるなど、2年目を迎えて飛躍が期待されるハディ選手。将来の代表のエースを目指し、厳しい環境の中で逞しく育ち、国外へチャレンジせず満足している国内組の度肝を抜いて欲しいです。
(写真はファジアーノ岡山の公式サイトより)

6月22日のニュース:PJシティFCは練習場がなく練習再開できず、練習再開許可後もあえて練習を始めないクラブの現状

PJシティFCは練習場がなく練習再開できず
 Mリーグ各クラブは身体接触を伴わない練習再開に向けて、準備を始めていますが、Mリーグ1部のPJシティFCは、選手の準備はできているものの、練習場がないという事態になっていると、英字紙スター電子版が報じています。
 PJシティFCのホームは、スランゴール州プタリンジャヤにあるMBPJスタジアムですが、今年2月の今季開幕前に終了予定だった改修工事は終了したもののMリーグを主催するマレーシアフットボールリーグMFLによる施設検査が終わっていないことから使用できず、また、練習場として使っていたマラヤ大学構内のフィールドも使えなくなっているということです。なおマレーシア政府は新型コロナウィルス感染拡大防止のため、国内の全ての大学に対して年内はキャンパスでの講義を禁止し、オンライン授業に切り替えるよう命じており、これにより大学構内のすべての施設も使用できなくなっているということです。
 また、Mリーグのクラブは関係者以外との接触を避けるため、開かれたグラウンドでの練習を禁止していることから、現在、PJシティFCは、同じスランゴール州内で使用可能なスタジアムを探しているということです。
 PJシティFCのデヴァン・クッパサミー監督は、クラブは先週には綿棒検査を終え、全員が陰性であったことから、選手は練習再開に向けて準備ができていると話し、本日6月22日からの練習再開を望んでいると話しています。
 綿棒検査の際に選手たちと久しぶりに会ったと話すデヴァン監督は、各選手とも体重管理がしっかりできていたとして、練習再開後は、まず身体接触の必要がない体力トレーニング中心の練習から始める予定であるとしています。
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 新型コロナウィルスによる3月18日から中断したMリーグは、第4節まで終了していますが、その第4節にはトレンガヌFCをホームで迎え撃つ予定だったPJシティFCは、その時はまだ改修が終了していなかったMBPJスタジアムが使用できなかったことから、「試合会場の用意ができない」という理由でMリーグ公式戦を延期するという前代未聞の事態を引き起こしています。

練習再開許可後もあえて練習を始めないクラブの現状
 マレーシア政府保健省、青年スポーツ省、そして国家安全保障委員会かによる協議を経て、身体接触を含まない練習許可が出されたMリーグの各クラブについて、英字紙ニューストレイトタイムズ電子版は、直ちに練習を始めないクラブの姿勢を疑問視し、さらに今季リーグの中止を提案する長文の記事を掲載しています。
 練習許可が出て以来、Mリーグ1部と2部合わせて24クラブのうち、MFLに対して練習を再開申請を行ったのはこれまで7クラブにとどまっており、そのうちジョホール・ダルル・タジムJDT、スランゴールFCとそのBチームスランゴール2、UITM FC、そしてヌグリ・スンビランFAの5クラブが実際に練習再開を許可されています。申請を行ったクラブではトレンガヌFCとトレンガヌFC IIは練習再開の条件となっている標準作業手順SOPに沿った準備ができていないとして、練習再開申請はMFLによって却下されたということです。
 また残る17クラブが練習を直ちに再開しない理由についてニューストレイトタイムズは、リーグ中断による収入源を理由に給料未払い問題が起こっている複数のクラブでは、選手や監督、コーチが練習再開へのモチベーションを欠いているのではないかと分析しています。
 MFLが求めている標準作業手順SOPに沿った練習再開申請では、各クラブに綿棒検査の結果提出が求められており、検査だけで1クラブ(選手30名、監督、コーチ5名)あたり9000リンギ(およそ22万5000円)から1万3000リンギ(およそ32万6000円)ほどの費用がかかります。また、開かれたグラウンドでの練習は禁じられていることから、スタジアムを使用する際のの使用料やその消毒費用など多くの経費がかかり、収入源に苦しむクラブには練習再開までの費用が負担になっている可能性も指摘しています。
 さらに選手あたり5000リンギ(およそ12万5000円)の給料が未払いになっているクラブにとって、SOPに従った練習実施にかかる費用の負担が大きいことから、ニューストレイトタイムズは、身体接触を含めた練習が可能になるまでは、選手に自宅でのトレーニングを求めるクラブが出てくるのではないかと予測し、Mリーグ各クラブの経営基盤の脆さを指摘しています。
 またMFLに対しては、今年から導入されたクラブの経営状況を審査する経営コントロールプログラムの審査を通ったクラブで未払い給料が発生していることから、プログラム自体が機能していないのではないかと指摘し、より厳格な適用を求めています。
 その上で、今季に関しては持続可能な経営状況にないクラブが多い点を指摘し、リーグ中止も一つの選択肢ではないかと提案しています。

6月20日のニュース:元U23代表の主力5名にヨーロッパのクラブが触手、そのうちの一人のシャミ・サファリは国外移籍の意思なし、JDTのテクニカルダイレクターは海外クラブからの問い合わせの噂を否定

元U23代表の主力5名にヨーロッパのクラブが触手
 マレー語紙ブリタハリアン電子版によれば、マレーシアU23代表の主力選手の内、少なくとも5名の選手に対してマレーシア国外のクラブが接触していると報じています。
 希望的憶測も含めたいわゆる「飛ばし記事」が掲載されることもあるブリタハリアンですが、取り上げられているのはサファウィ・ラシド、アキヤ・ラシド、シャマー・クッティ・アッバ(以上ジョホール・ダルル・タジム)、イルファン・ザカリア(クダFA)、シャミ・サファリ(スランゴールFC)の5名です。
 2018年に中国で開催されたAFC U23選手権に出場したマレーシアU23代表は、マレーシアサッカー史上初となるベスト8に進出するも、ノックアウトステージ初戦の韓国戦で一度は同点に追いつきながら、終盤に失点して1-2で破れましたが、このときの主力であったサファウィ選手やシャマー選手、そしてシャミ選手は、同年末のAFF選手権スズキカップではフル代表にも招集され、現在、中断中のFIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選にも代表選手として出場しています。やはりU23選手に出場したイルファン選手、そして彼らよりも若い今年21歳のアキヤ選手らは今後のフル代表の主力選手となる人材です。
 ブリタハリアンはそんな彼らにベルギー、デンマーク、クロアチア、スイス、ブルガリアといったヨーロッパ各国の主に2部リーグのクラブを含めた海外のクラブが関心を示していると報じています。
 記事の中では当地の代理人の話として、スイス1部リーグのFCチューリッヒとチェコ1部のスパルタ・プラハがサファウィ・ラシドに、ベラルーシ1部リーグのBATEボリソフが関心を示していると報じられています。
 この代理人は「ヨーロッパのクラブから問い合わせを受けているのは、現在はフル代表でプレーする2018年のAFC U23選手権ベスト8入りメンバーで、25歳以下の選手についての問い合わせが大半である。アジア出身の選手は豊富な運動力チームに貢献するタイプ、古くはパク・チソン、最近ならばソン・フンミンに代表されるようなウィングができる選手が好まれている。その観点からも特にサファウィ選手やアキヤ選手に関心が集まっているのだろう。」と話しています。
 その一方で、この代理人はMリーグの主力選手の給料は、ヨーロッパの2部リーグでプレーすることで得られる給料よりも高額であることから、国外移籍に興味がない選手がいることも明らかにしています。
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 各年代の代表レベルの選手で現在、マレーシア国外でプレーしているのは、やはり2018年のAFC U23選手権メンバーでもあるドミニク・タンとハディ・ファイアッドがそれぞれタイ1部リーグのポリス・テロFCとJ2のファジアーノ岡山で、またノーシャルル・イドラン・タラハがタイ1部のPGパトゥム・ユナイテッドFCに在籍しています。また、ベルギー1部のKVコルトレイクと5年契約を結んだ18歳のルクマン・ハキム・シャムスディンは今年10月にウズベキスタンで開催されるAFC U19選手権の主力選手です。

そのうちの一人のシャミ・サファリは国外移籍の意思なし
 マレー語紙ハリアンメトロ電子版は、上で取り上げた元U23代表の主力の一人、スランゴールFCでプレーするシャミ・サファリとの一問一答を掲載しています。
 それによれば、シャミ選手は複数のクラブから接触があることを認める一方で、現時点では、Mリーグでプレーしたいと話しています。
 その理由としては、給料が下がることよりも、選手として常に試合に出られるようながあるかどうかに関心があると話しています。
 「(2018年の)U23選手権以降は複数のクラブから連絡を受けた。昨年はスエーデンのクラブから問い合わせを受けたが、マレーシアからの選手に対するヨーロッパのクラブの評価が不明なので、現時点ではヨーロッパでのプレーは考えていない。サファウィ選手やアキヤ選手もおそらく同じ理由を持っているのではないかと思う。」と話すシャミ選手ですが、ベルギー1部リーグのKVコルトレイクと契約したルクマン・ハキム・シャムスディンの動向は気になっていると話し、彼が活躍すれば、マレーシア人選手の評価も上がり、韓国や日本からの選手と同等の評価となるのではないかと話しています。
 海外でプレーしたい気持ちがあると話すシャミ選手は、その時が来れば是非、挑戦したいと話しています。
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 ヨーロッパが不安ならタイでも韓国でも日本でも挑戦する機会はありそうですが、結局のところ給料が下がるのが嫌なんでしょう。競争で勝ってポジションを掴む、という覚悟もなさそうです。マレーシアがアジアで上位を目指すためには、アジアの上位国のリーグに選手を送り込むのは得策だと思うのですが、チャレンジ精神が乏しいですねぇ。日本の様子なら岡山のハディ選手に聞けば概要はわかると思うのですが。

JDTのテクニカルダイレクターは海外クラブからの問い合わせの噂を否定
 また同じブリタハリアンは、JDTのアリスター・エドワーズTD(テクニカルダイレクター)の(前述の記事のような)海外のクラブからJDTの選手への問い合わせは全くないというコメントを掲載しています。
 エドワーズTDは「JDTの選手に興味があるクラブがまず連絡を取る相手はテクニカルダイレクターである自分か、あるいはスポーツダイレクターのマーティン・プレストのどちらかだが、私もマーティンも何も問い合わせを受けていない。」と話しています。
 さらに「海外のクラブからJDTの選手への問い合わせがあると主張する代理人がいるのであれば、それはその代理人の作り話か、その代理人が相手のクラブから金を騙し取ろうとしているかのどちらかだろう。万が一、JDTの選手に関心があるクラブが本当にあれば、我々に直接連絡をしてくるはずである。」
 「JDTはおそらくマレーシアで唯一の海外のクラブとのビジネス経験があるクラブだといって良いだろう。これまでの例としてFWホアン・マルティン・ルセロをメキシコ1部リーグのクラブ・ティファナに250万米ドル(およそ2億6700万円)で売った経験もある。」と話しています。

6月17日のニュース:130億円超のサッカー都市プロジェクトは前FAM会長に捧げる、トレンガヌFCとトレンガヌFCは綿棒検査終了、スランゴールFC監督は来月予定の代表候補合宿への選手派遣に難色

130億円超のサッカー都市プロジェクトは前FAM会長に捧げる
 マレーシア政府がプトラジャヤに建設を計画している予算5億リンギ(およそ130億円)を超えるスポーツ施設について、アヌアル・ムサ連邦直轄地担当大臣は、この施設を元FAM会長の故スルタン・アーマド・シャー殿下に捧げたいと話していると、マレーシアの通信社ブルナマが報じています。
 1984年から2014年までFAMの会長を務めたスルタン・アーマド殿下は、1994年から2002年までAFCの会長を、2011年から2019年まではAFFの会長も務めており、2000年には、クアラルンプールのブキジャリルにAFC本部となるAFCハウスを建設する際にも尽力しています。
 アヌアル連邦直轄地担当相は、かつて自身がFAM副会長を務めた時代に会長であったスルタン・アーマド殿下がFAM、ASEANサッカー連盟AFF、そしてアジアサッカー連盟AFCの本部をプトラジャヤに移すことを発案し、そのための土地の提供を申し出ことを明かした上で、「スルタン・アーマド殿下による貢献を考えると、新たなスポーツ施設は『スルタン・アーマド・シャーサッカー都市』あるいは『スルタン・アーマド・シャーサッカーおよびスポーツ都市』とするのが至極当然である。」と話しています。
 またアヌアル大臣は近々、スルタン・アーマド殿下の子息でもある現在のマレーシア国王のスルタン・アブドラ国王に謁見し、この施設にスルタン・アーマド殿下の名を使う許可を求める予定であると話しています。
 この日、アヌアル大臣はプトラジャヤ開発公社とハミディン・モハマド・アミンFAM会長、ウィンザー・ジョン・ポールAFC事務局長との間での行われた覚書交換式典に参加しています。
 プトラジャヤサッカー都市計画は、連邦直轄地プトラジャヤの42.43エーカー(東京ドームのおよそ3.6倍)の土地にAFCが管理する10000人収容規模のスタジアムとFAM、AFC、AFFの本部、そしてマレーシア代表チーム専用の練習施設が建設される巨大プロジェクトで、AFCはおよそ1億米ドルの建設費用を負担し、マレーシア代表の練習施設はマレーシア政府が負担します。この他、プトラジャヤをスポーツに優しい街とするために、この施設の周辺にも地域住民のためのサッカー場が4面建設されるということです。

トレンガヌFCとトレンガヌFCは綿棒検査終了
 Mリーグ1部のトレンガヌFCと、トレンガヌFCのBチームで鈴木ブルーノ選手が在籍するMリーグ2部のトレンガヌFC IIは、これまで禁止されていたチーム練習を再開する条件となる綿棒検査を終了したと、マレー語紙ブリタハリアン電子版が報じています。
 ホームとなるスルタン・ミザン・ザイナル・アビディンスタジアムで行われた綿棒検査は両チームの選手の他、監督、コーチおよび関係者を対象に行われましたが、まだ自国にいるシンガポール出身のファリス・ラムリはマレーシア政府移民局によるシンガポールからの入国許可が出るのを待っているため、検査は受けていないということです。
 この後、査結果をMリーグを運営するマレーシアフットボールリーグMFLに提出し、MFLから練習再開の許可が出れば、ナフジ・ザイン監督率いるトレンガヌFCとロシャディ・ワハブ監督率いるトレンガヌFC IIは晴れて練習再開となります。
 トレンガヌFCのアーマド・シャリザル・ヤハヤ チームマネージャーによれば、検査結果が出るまでには2日ほどかかり、その結果をMFLに送ることから、実際の練習再開までには数日かかるとしています。
 練習再開許可が出た場合は、クラブとして国家安全委員会、マレーシア政府保健省、MFLによる標準作業手順SOPに沿った練習を行うとしています。

Football: Selangor prefer own Super League training

スランゴールFC監督は来月予定の代表候補合宿への選手派遣に難色
 Mリーグ1部スランゴールFCのサティアナタン・バスカラン監督は、来月予定されている代表候補合宿へ選手を派遣するよりも自チームで練習することを望んでいると英字紙ニューストレイトタイムズ電子版に語っています。
 先日、タン・チェンホー監督は10月から再開となるFIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選兼AFC選手権アジアカップ2023年大会予選に向けて、来月7月に短期の代表候補合宿を検討していると話しましたが、これに対してMリーグのクラブの中には難色を示しているとされていました。
 9月に再開予定のMリーグに備えて、今週から来週にかけて各クラブは約3ヶ月ぶりとなるチーム練習を始める予定ですが、多くのクラブが所属選手を試合ができるレベルの状況まで仕上げることを優先したいとしています。また、FIFAの国際マッチデー期間外に行われる7月の代表候補合宿には招集に応じる義務も発生しないことも、各クラブが難色を示している理由の一つとされています。
 スランゴールFCのサティアナタン監督は、スランゴールFCの選手2度のようなトレー人が必要かは自分が一番理解しているとして、代表候補合宿に派遣するよりは自チームで練習を続けることが選手にとっても最善であると話しています。
 自身も元代表監督の経験もあるサティアナタン監督は、5日間ほどの代表候補合宿での練習が身体接触を避けるもののであれば、体力トレーニングが中心となり、それならばわざわざ代表の練習に参加しなくとも、スランゴールFCでの練習で十分であると話しています。
 しかしその一方で、代表候補合宿での練習が身体接触を含んだり、クラブレベルでは現在も禁じられている練習試合などが行われるのであれば、喜んで選手を参加させたいとしており、来月7月に合宿を行うのであれば、各クラブの声も聞くべきではないかとも話しています。
 なお、新型コロナウィルス感染に伴う臨時措置として、FIFAは代表に招集された選手が招集を拒否して、自クラブで練習することも認めています。
 また同じMリーグ1部ペラTBGのメフメト・ドゥラコビッチ監督は、自チームの選手が7月の代表候補合宿に招集されることがあれば、喜んで参加させたいと話しています。
 「我々が選手を育てているのは代表チームのためであり、自分のチームの選手が代表に招集されるのは喜ばしいことである。代表のタン監督がペラTBGの選手が欲しいと言えば、全面的に協力したい。」と話しています。

6月15日のニュース:今季に限りMリーグは選手が3クラブでの登録が可能に、クダFAはさらに退団希望者が続く可能性も、スランゴールFCは6月22日より練習を再開

今季に限りMリーグは選手が3クラブでの登録が可能に
 マレーシアサッカー協会FAMは国際サッカー連盟FIFAによる臨時の規則変更に伴い、今季に限り、選手がシーズン中に異なる3つのクラブでの出場を認めると発表しています。
 FIFAは各国リーグの中断や早期終了に伴う世界的なサッカー選手の失業問題に取り組むため、今回の暫定的な規則変更を行うとしています。
 この規則変更により、各国のサッカー協会FAは今季終了前に従来のトランスファーウィンドウ移籍期間に加え、新たな移籍期間を設けることが可能になっています。
 FAMのスチュアート・ラマリンガム事務局長は、規則変更がFIFAの理事会で承認されれば、各国FAはそれに従う義務が発生することを認めた上で、6月9日に発表になったこの暫定的な規則変更案をまずは検討し、必要な修正を行いたいと話しています。
 なおマレーシアの今季2度目のトランスファーウィンドウは5月15日から6月11日となっていました。
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 東南アジアではミャンマーが既に今季2度目のトランスファーウィンドウを7月1日から7月25日に変更しています。なお、最新のトランスファーウィンドウ日程はこちらから確認できます。

クダFAはさらに退団希望者が続く可能性も
 Mリーグ1部のクダFAに所属する選手が5月29日付で契約解除を申し入れた話は、先日のこのブログでも取り上げましたが、英字紙ニューストレイトタイムズ電子版は、この選手の契約解除依頼を発端に、今後、さらにクダFAからの退団を希望する選手が出る可能性があることを報じています。
 クダFAを運営するクダ州サッカー協会KFAは選手に対して2月分は一部のみ、3月分以降は全く給料を払っていない状況が続いていることが明らかになっています。
 5月29日に退団を申し出た選手は、退団が承認される前に解決しなければならない問題があるということで、未だ名前を明かしていませんが、KFAが承認すれば名前を明かすとしています。またこの選手は契約解除を希望する理由として、未払い給料問題のみが原因ではないとして、クダFAのサポーターに対して悲観をしないで欲しいと求めているということです。

スランゴールFCは6月22日より練習を再開
 Mリーグ1部のスランゴールFCは、Mリーグを運営するマレーシアフットボールリーグMFLが求める標準作業手順SOPに従って、6月22日から練習を再開することを発表しています。
 スランゴールFCを運営するスランゴール州サッカー協会FASのジョハン・カマル・ハミドン事務局長は、来週にも選手、監督およびコーチが新型コロナウィルスに感染していないかどうかの検査を受けた上で、練習を再開するとニューストレイトタイムズに語っています。
 ハミドン事務局長は、MFLのSOPに従って、スランゴール州シャーアラムにある練習場をマレーシア政府の通商産業省に登録したことも明かし、スランゴールFCは6月22日から、BチームでMリーグ2部に所属するスランゴール2はその翌週から練習を開始するとしています。

6月1日のニュース:Mリーグは8月に再開の可能性も、「マレーシア人選手はタイリーグを目指すべき」-マットヨー、そこでタイリーグでプレーすべきマレージア人選手7人

Mリーグは8月に再開の可能性も
 6月9日に予定されている条件付き活動制限令CMCOの解除が近づいてきました。これまで何度か延長が繰り返されてきた活動制限令も、今回は解除されることが予想されていますが、そうなれば予定を前倒しにして8月のリーグ再開の可能性があると、英字紙ニューストレイトタイムズ電子版が報じています。
 マレーシア政府の国家安全保障委員会と保険省は今月6月中に、Mリーグ再開時期を決定するとしています。
 マレーシアサッカー協会FAMとMリーグを運営するマレーシアフットボールリーグMFLは4月には、標準業務手順SOPを設けた上で9月のリーグ再開許可をマレーシア政府へ申請しましたが、今月6月9日に予定通りCMCOが解除された場合、7月には通常のチーム練習の再開、そして8月にはリーグが再開される可能性があるとして、各方面と協議に入っているということです。
 また、8月にMリーグが再開となれば日程に余裕ができ、選手のケガや疲労などの不安が解消されるだけでなく、10月に再開予定のFIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選にも選手が万全の状態で臨めるなどの利点もあるとしています。

「マレーシア人選手はタイリーグを目指すべき」-マットヨー
 今季からタイ1部リーグのBGパトゥム・ユナイテッドでプレーするマットヨーことノーシャルル・イドラン・タラハは、マレーシア人選手にタイリーグでのプレーを目指すべきと話していると、スポーツ専門サイトのスタジアムアストロが報じています。
 スタジアムアストロに関連するスポーツニュース番組のナディアリーナに出演したノーシャルル選手は、タイを目指すべき理由として給料の支払いが遅延なく行われることを一番の理由に挙げています。「経営陣も練習施設も充実しているが、給料の支払いはMリーグのクラブよりもはるかに確実に行われている。」と話しています。
 実際にMリーグ1部スーパーリーグの選手数名がノーシャルル選手に現地の状況を問合せ、タイでプレーする可能性を考えて情報収集を行っていることも明らかにしています。
 「タイのクラブと同様の環境が得られるのは、マレーシアではジョホール・ダルル・タジムJDTくらいであり、マレーシア人選手はタイでプレーすることを考えるべきだ。」と話しています。
 タイでのプレーに関心があり、ノーシャルル選手に問い合わせてきた選手の中には代表選手も数名いるということです。
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 マレーシア国内ではケランタンFA、JDT、パハンFAなどでプレーし、代表のキャップ数も80を数えるノーシャルル選手。往年のキレは無くなったものの、タイリーグでプレーしてくれていることで、後進への道筋は付けられたということでしょうか。
 なおタイ1部リーグでは、ノーシャルル選手のほか、ドミニク・タンがポリス・テロFCでプレーしています。

そこでタイリーグでプレーすべきマレージア人選手7人
 上のような記事が出るとすぐに関連記事を掲載するサッカー専門サイトのヴォケットFCが今回も早速、やってくれました。
 現時点では東南アジアでトップといえるタイリーグでプレーすべきマレーシア人選手としてヴォケットFCが選んだのは以下の7人です。僭越ながら、その後に個人的なコメントも書いてみました。
1 シャフィク・アーマド(ジョホール・ダルル・タジム)
現時点では国内のトップストライカーとされるシャフィク選手は、国外で揉まれることより良い選手となれるだろうと、ヴォケットFCは評しています。
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FIFAワールドカップアジア二次予選での2ゴールを含め、昨年は代表では5ゴールを挙げる安定したパフォーマンスを発揮しながら、JDTでは絶対的なエースとはなり切れていないシャフィク選手。25歳という年齢を考えると、JDTでのプレーに拘らず、他のクラブで飛躍をして欲しいという思いは私も同感です。

2 ノー・アザム・アジー(パハンFA)
アザム選手はパハンFAと代表の中盤のキープレーヤー。タイリーグでプレーすることで、その実力が磨かれるだろうとしています。
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代表でもレギュラーとして活躍するアザム選手で気になるのはその線の細さ。選手層があまり厚くない代表では、25歳ながら換えの効かない選手なので、タイリーグでプレーして当たりに強い選手になって欲しいです。

3 シャルル・サアド(ペラTBG)
国内でトップのDF(センターバック)は2018年のマレーシアカップ優勝に貢献するなど実績もあります。さらなるレベルアップを目指して国外でプレーするべきとしています。
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個人的にはポカの多い選手という印象が強いシャルル選手ですが、センターバックに人材不足の代表ではやはり欠かせない選手です。27歳という年齢も国外でのレベルアップには最後のチャンスかも。

4 アダム・ノー・アズリン(JDT)
代表ではアイディル・ザフアンとシャルル・サアドの影に隠れることが多いですがアダム選手ですが、国外でプレーすることでワンランク上の選手になってくれるでしょう。
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シャフィク・アーマド同様、24歳ながら代表で準レギュラーとしてプレーしながら、JDTでは絶対的なレギュラーに慣れていないアダム選手に求めたいのは、確実なプレーです。出場機会が増えるなら、是非、移籍を考えて欲しいです。

5 サファウイ・ラシド(JDT)
誰もが認める現時点でのトッププレーヤーは、国外でプレーするべきときが来ています。
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個人的にはタイよりは日本や韓国、あるいはヨーロッパなどもう一つ上のリーグを目指して欲しい、まさにマレーシアのエースです。23歳ながら2年連続リーグMVPを獲得するなど、もうマレーシアで手に入れられるものは全て手に入れたサファウィ選手には、タイを踏み台にしてさらに上を目指して欲しいです。

6 シャミ・サファリ(スランゴールFC)
代表ではマシュー・デイヴィーズ(JDT)と右サイドバックのポジションを争うシャミ選手。国外でプレーすることで不動のレギュラー獲得に近づくでしょう。
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22歳とは言え過去2年間で既に18キャップを獲得しているシャミ選手。2018年のAFF選手権スズキカップ準決勝のタイ戦でゴールエリアの外から決めた美しいゴールはタイ代表の選手の印象にも残っているはずですので、是非、その印象が残っているうちに挑戦して欲しいです。

7 ハリス・ハイカル・アダム・アフカル(スランゴール2)
次世代の代表DF陣の中心となることが期待されている18歳のハリス・ハイカルは、国外でプレーすることで彼の持つポテンシャルを引き出せるのではないでしょうか。
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今回の7人の中で唯一の10代の選手。このブログでも取り上げているルクマン・ハキム・シャムスディンとともにU22代表でもプレーしています。個人的にはタイリーグから、アセアン枠のある韓国や日本でのプレーを目指して欲しい選手です。

5月27日のニュース:スポーツ仲裁裁判所がケランタン州FAに2週間の猶予を与える、MFLはMリーグ再開前にスタジアムの検査実施を明言、サファウィ・ラシドのポルシェはいくらか

スポーツ仲裁裁判所がケランタン州FAに2週間の猶予を与える
 ケランタン州サッカー協会KAFAがスポーツ仲裁裁判所CASに対して行っていた申し立てが受け入れられ、その内容の精査が行われると、マレー語紙ブリタハリアンが報じています。
 2018年シーズンから2019年シーズン途中までKAFAが運営するMリーグのケランタンFAでプレーしたカッシオ・フランシスコ・デ・ジーザスへの未払い給料62万9620リンギ(およそ1550万円)について、FIFAはKAFAに対してその支払い期限を5月23日としていました。しかしFIFAの支払命令を不服としたKAFAからの申し立てを受けたCASは、その申し立てを受領し、さらにその内容を精査するため、5月22日から2週間の期間を設定したということです。なお、この精査期間の2週間は、KAFAは支払い命令が猶予されるということです。
 KAFAの行動委員会のアーマド・ムザッキル・ハミド委員長は、「CASがKAFAの申し立てを受領し、精査を行うことで時間的な余裕ができたので、カッシオ選手との(未払い給料に関する)再交渉を行うこともでき、また現在もサポーターに募っている寄付を受け付ける時間も延長されたことになる。」と述べています。
 昨年の6月に刷新されたKAFAの現経営陣は、前経営陣による負の遺産を解消するために努力していると話すアーマド・ムザッキル委員長は、ケランタン州のアーマド・ヤコブ州首相に面会して、州政府によるKAFAへの支援を依頼する予定があることも明らかにしています。

MFLはMリーグ再開前にスタジアムの検査実施を明言
 Mリーグを運営するマレーシアフットボールリーグMFLは、新型コロナウィルスの影響によるMリーグ中断前に、安全上の問題からリーグ戦での使用が認められていなかったスランゴールFCのホームであるシャーアラムスタジアムと、PJシティFCのホームであるMBPJスタジアムについて、9月に予定されているMリーグ再開前に再度、施設検査を行うことを明らかにしています。
 MFLのアブドル・ガニ・ハサンCEOは、スランゴール州にある両スタジアムの施設検査はマレーシア政府保健省と国家安全保障委員会によってMリーグ再開が承認されたのちに行うと話しています。
 シャーアラムスタジアムは観客席を覆う屋根の部分が一部崩落する危険が指摘され、PJシティスタジアムはピッチや更衣室などの改修工事がリーグ開幕に間に合わなかったことから、それぞれリーグ戦での使用がMFLにより許可されませんでした。この結果、スランゴールFCはホームゲームをブキジャリル国立競技場で、PJシティFCは同じスランゴール州内にあるUITM FCのホーム、UITMスタジアムでホームゲームを開催しています。さらにPJシティFCはリーグ中断直前の第4節のホームゲームを開催するスタジアムが手配できなかったことを理由に、トレンガヌFCとの試合を延期しています。

サファウィ・ラシドのポルシェはいくらか
 2年連続で国内リーグMVPを獲得しているジョホール・ダルル・タジムJDTのサファウィ・ラシドが自身のインスタグラムに、5月25日にイスラム教の断食月明け大祭ハリラヤを祝うメッセージとともに、最近購入したというポルシェの写真をアップし、これについて連日、マレー語メディアが報じています。
 マレー語紙ブリタハリアンは、写真に写っているモデルを2世代前のポルシェケイマン987と分析した上で、2009年にマレーシアで販売が始まった頃の価格が51万5000リンギから61万2000リンギ(およそ1270万円から1510万円)であり、現在の中古車価格が10万3000リンギから32万リンギ(およそ254万円から789万円)だろうと見積もっています。
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 JDTでも、また代表でも主力として活躍するサファウィ選手は、Mリーグのスーパースターの1人です。大卒の初任給が2500リンギから3000リンギ(およそ6万1700円から7万4000円)のマレーシアで23歳にしてポルシェに乗るとは大したものです。
 ファンとして、若いサファウィ選手には是非、より高いレベルの国外リーグでプレーをして欲しいと思っているのですが、隣国インドネシアやタイに比べると、国内リーグのトップレベルの選手の給料が高いと言われるMリーグで、しかもポルシェが買えるくらい稼げるのであれば、国外でプレーしようという意欲は出ないかも知れません…。

5月16日のニュース:クダFA選手への給料未払いは混乱する州政府が原因、タイリーグの代表コンビも給料削減に同意、トレンガヌFCがこのタイミングで?限定版ユニフォーム発表、一方スランゴールFCはチャリティーTシャツを発表

クダFA選手への給料未払いは混乱する州政府が原因
 スポーツ専門サイトのスタジアムアストロは、Mリーグ1部のクダFAで起こっている給料未払い問題は、クダ州政府内の権力闘争によってさらに複雑化していると報じています。
 以前の報道では、クダFAの選手は30%しか支払われていない2月の給料の残りを先週末に、全く支払われていない3月と4月の給料をイスラム教の断食明けの祝日ハリラヤ前に支払うと約束されていましたが、クダ州議会で起こっている権力闘争によって、その約束が守られておらず、本来ならば1年で最も賑やかに祝われるハリラヤが、今年はそうならないだろうとスタジアムアストロが報じています。
 ことの発端は今年2月にマレーシアで起こった政変による与党連合の再編でした。これにより旧与党連合が政権を握っていた多くの州政府では州首相の交代が起こっています。日本でも有名なマハティール・モハマド前首相の三男、ムクリズ・マハティール氏が州首相を務めるクダ州でも与党連合から複数の議員が離党したことで、与党勢が過半数を割り込み、これまで議会工作などによって政権にしがみついていたムクリズ氏の失脚、そして政権交代が今週中にも起こるだろうと言われています。
 そして州政府が最大のスポンサーであり、州首相が会長を兼任するクダ州サッカー協会KFAは。ここ数ヶ月続いているこの政治的混乱の影響を受けているとされています。
 現在は自宅のあるシンガポールに帰国しているアイディル・シャリン監督は「この給料未払いにより選手のモラルが低下しているのではないかと心配している。政権を担当するのが誰であれ、クラブの福利を考えてくれる人物を支持したい。」と話し、PKNS FCから今期、クダFAに加入したクパ・シャーマンは「この3ヶ月間は非常に苦しかった。クラブの全員が状況を理解してはいるものの、我々にも家族があり給料が必要だ。この状況を改善するために誰かが何かをしてくれるのを祈りながら待つしかできない。」と話しています。
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 同じような状況はマラッカ州でも起きており、マラッカ・ユナイテッドで起こっている給料未払い問題も、州首相の就任による政権交代が原因にあるのは明らかです。旧与党連合が政権を握っていたのはこの他にスランゴール州、ヌグリスンビラン州などがあり、こういった州のサッカー協会が運営するクラブでも、今後同様の問題が発生する可能性はあります。

タイリーグの代表コンビも給料削減に同意
 スポーツ専門サイトのスタジアムアストロは、タイ1部リーグでプレーするマレーシア代表のドミニク・タンとノーシャルル・イドラン・タラハがいずれも所属するクラブからの給料削減に応じたと報じています。
 ポリス・テロFCでプレーするタン選手は「新型コロナウィルスによって世界中で引き起こされていることを理解し、タイサッカー協会FATによって発表された50%の給料削減を受け入れた」と話しています。
 またBGパトゥム・ユナイテッドでプレーするノーシャルル選手は先月から、給料が30%削減されていることを明かしています。さらに「クラブと自分との間で、3ヶ月間は給料を30%削減することで同意している。また、クラブがトップ3でリーグを終了すれば、削減された分の給料も支払われることになっている。」とも話しています。
 タン選手とノーシャルル選手は、リーグが再開した時点で契約通りの給料を受け取ることになっていることもスタジアムアストロは報じています。

トレンガヌFCがこのタイミングで?限定版ユニフォーム発表
 Mリーグ1部のトレンガヌFCは公式Facebook上で、新しいユニフォームの販売を告知しています。今季のトレンガヌFCのユニフォームサプライヤーのAl-Ikhsan Sports社製で1000着限定で発売されるこのユニフォームはblackout版と名づけられ、クラブのロゴも含めて全てが鉱物のオニキスに因んだ黒色のユニフォームで、速乾性のスマートドライという生地が使われています。
 本日5月16日より販売となり、価格は149リンギ(およそ3670円)でトレンガヌ州のスポーツショップのほか、クアラルンプール市内でも販売されることになっています。
 写真はトレンガヌFCの公式サイトより。鈴木ブルーノ選手とリータック選手がモデルになっています。
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 Blackoutとは停電ですが、漆黒の闇くらい黒いということでしょうか…。 

一方スランゴールFCはチャリティーTシャツを発表
 一方スランゴールFCは公式Facebook上で、Never give upの文字と、スランゴールFCの選手の顔がデザインされたTシャツの販売を発表しています。
 値段は35リンギで(およそ860円)で、このTシャツの売り上げの一部は、新型コロナウィルスの影響を受けている方々への支援に使われるということです。