マレーシアカップ グループステージ:第1節の結果まとめ

 マレーシアサッカー界2019年シーズン最後のイベント、マレーシアカップが開幕しました。11月2日(土)の決勝へ向けて、マレーシアフットボールリーグMFL1部スーパーリーグの今シーズン上位11チームと2部プレミアリーグの*上位5チームの計16チームが4つのグループに分かれて行うグループステージの第1節が、8月2日(金)から4日(日)にかけて開催されました。
 *MFL2部プレミアリーグで今シーズン2位となったジョホール・ダルル・タクジムIIと4位となったトレンガヌFC IIは、いずれもMFL1部スーパーリーグのJDTとトレンガヌFCのBチームであるため、マレーシアカップへの出場資格がありません。このためプレミアリーグ6位のヌグリ・スンビランFAと7位のペナンFAが両チームの代わりに繰り上がり出場します。

グループA
クダFA(1部スーパーリーグ4位)、トレンガヌFC(同7位)、PKNS FC(同9位)、ヌグリ・スンビランFA(2部プレミアリーグ6位)
(試合は左側がホーム)

ヌグリ・スンビランFA1-3クダFA
得点者:ヌグリ・スンビランFA-フェリス・ダニアル(78分)、クダFA-ジョナサン・ボーマン2(4分、83分PK)、シャキル・ハムザ(72分)
 ヌグリ・スンビランFAの中武駿介選手はスタメンでフル出場しています。

トレンガヌFC3-1PKNS FC
得点者:トレンガヌFC-サンジャル・シャアフメドフ2(6分、90分)、ナスルラ・ハニフ(38分)、PKNS FC-ジャフリ・フィルダウス・チュウ(30分)
 今季後半は完全に失速したPKNS FCは、この試合でも一旦、追いついたものの突き放されてしまい、マレーシアカップに入っても勢いを取り戻せていません。一方のトレンガヌFCは正GKのスフィアン・アブドル・ラーマンが8月1日(木)の練習中に心臓発作を発症し、欠場しています。

グループB
JDT(1部スーパーリーグ1位)、プタリン・ジャヤ(PJ)シティFC(同8位)、PKNP FC(同11位)、UITM FC(2部プレミアリーグ5位)

JDT3-1UITM FC
得点者:JDT-ジオゴ2(16分、85分)、サファウィ・ラシド(65分PK)、UITM FC-ザルコ・コラチ(90分)
 MFL1部優勝チームのJDTがUITM FCをホームで一蹴しましたが、観客は5,860人と今季最小で、JDTのハリス・ハルン主将がFacebookにメッセージを出してファンにスタジアムに足を運ぶよう懇願する事態になりました。

PJシティFC2-1PKNP FC
得点者:PJシティFC-ペドロ・エンリケ(12分)、エリゼウ(82分)、PKNP FC-ペドロ・サンドヴァル(38分)
 MFL1部チーム同士の試合は、今季の順位どおりの結果でした。

グループC
パハンFA(1部スーパーリーグ2位)、ペラFA(同5位)、サバFA(2部プレミアリーグ1位)、ペナンFA(同7位)

パハンFA3-1ペナンFA
得点者:パハンFA-ディクソン・ヌワカエメ(59分)、モハマドゥ・スマレ(66分)、ムスリム・アーマド(84分)、ペナンFA-ジュリアン・ボッタロ(51分)
 今シーズン後半戦で快進撃を続けてきたペナンFAが先制しましたが、パハンFAがそこから逆転勝ち。

ペラFA3-0サバFA
得点者:ペラFA-ブレンダン・ガン(45分)、カレッカ(51分)、レアンドロ・ドス・サントス(90分)
 昨年2018年のマレーシアカップ優勝チームであるペラFAと、今シーズンのMFL2部優勝し来シーズンは1部に昇格するサバFAの対戦は、ペラFAが貫禄勝ちでした。

グループD
スランゴールFA(1部スーパーリーグ3位)、マラッカ・ユナイテッド(同6位)、フェルダ・ユナイテッド(同10位)、PDRM FC(2部プレミアリーグ3位)

スランゴールFA2−2フェルダ・ユナイテッド
得点者:スランゴールFA-シャズワン・ザイノン(34分)、イフェダヨ・オルセグン(40分)、フェルダ・ユナイテッド-クリスティ・ジャヤシレン(42分)、カイルル・アムリ(86分PK)
 第1節では、MFLで順位が上のチームが順当に勝利を収めましたが、唯一の例外がこの引き分けでした。スランゴールはMFL1部でも今季前半にフェルダUに敗戦したことで勢いに乗ることができなかったので、マレーシアカップでも今後が心配です。
 フェルダ・ユナイテッドの渡邉将基選手はベンチ入りしましたが出場せず、池田圭選手はベンチ入りしていません。

マラッカ・ユナイテッド3-1PDRM FC
得点者:マラッカ・ユナイテッド-ナズリン・ナウィ2(21分、62分)、パトリック・ライヒェルト(55分)、PDRM FC-リ・チャンホン(8分)
 MFL2部のPDRM FCが先制しましたが、MFL1部のマラッカUが逆転ガチしています。

7月29日のニュース:FAカップを終えての話題三つ

クダFA:昨年の失望から今年は頂点へ
 マレーシアFAカップ決勝で唯一のゴールを決めたクダFAのMFファズルル・ダネル・ニザムにとっては、失望に終わった昨年から一気に頂点を極めた年になったと英字紙スター電子版が報じています。
 21歳のファズルル選手は、昨年はサッカーはU23州代表同士が争うマレーシアの国体に当たるマレーシアスポーツ大会Sukma決勝でペラ州代表に敗れ、マレーシアフットボールリーグMFL1部と2部に所属するクラブのU21チームが争うプレジデントカップ決勝ではトレンガヌFCに敗れるなど、もう一歩というところで苦杯を舐めさせられていました。
 延長前半に投入され、アイディル・シャリン監督からボールを前に運んでペラTBGの中盤と守備陣にプレッシャをかけるようにという指示を受けていたというファズルル選手は、投入されるとファーストタッチが決勝ゴールとなる活躍でした。

クダFA:キャプテンと副キャプテンは同じチームで4度目のタイトル
 クダFAの主将を務めるバドロル・バクティアルと副将のカイルル・ヘルミ・ジョハリは、同一チームで4度のFAカップ優勝を経験した初の選手となりました。 

クダFA:監督就任から7ヶ月で初タイトル獲得
 シンガポール人のアイディル・シャリン監督が今年1月にクダFAにやってきたとき、主力選手のほぼ半数が退団した後でした。
 シンガポールリーグのホーム・ユナイテッドで監督を務めた後、ジョホール水道を渡ってマレーシアへやってきたアイディル監督はかつてGoal.comで「シンガポールのグアディオラ」と評されたこともあります。しかし、そんなアイディル監督も新天地でこんなに早く結果が出るとは思っていなかったと、英字紙スター電子版に語っています。
 アイディル監督自身は、チームが一丸となって戦った結果の勝利であり、選手が最後まで諦めずに戦ったおかげだとしていますが、スター紙は、アイディル監督が投入したFWアザムディン・アキルとMFファイアド・ズルキフリ・アミンが豊富な運動量で守備陣を翻弄し、上でも取り上げたファズルル・ダネル・ニザムが決勝点を挙げるなど効果的なカードを切った結果だとして、監督の手腕を評価しています。

ペラTBG:失意のGKはマレーシアカップ連覇を目指す
 勝者がいれば、当然敗者もいるわけですが、FAカップ決勝で敗れたペラTBGのGKハフィズル・ハキム・カイルル・ニザム・ジョスィは、ペラTBGのメフメト・ドゥラコビッチ監督が「マンオブザマッチ」であると称えるとも、優勝できなければそんな評価には意味がない、と英字紙スター電子版に語っています。
 ハフィズル選手は、フルタイムの終了間近にアミルル・アズハンが2枚目のイエローカードで退場となったところで、チームは集中力を欠いてしまったとし、次は昨年優勝しているマレーシアカップの連覇に目標を切り替えて、練習を開始したいとしています。

7月28日のニュース(1):マレーシアFAカップはクダFAが優勝

 7月27日(土)にクアラ・ルンプールのブキ・ジャリル国立競技場で行われた2019年マレーシアFAカップは、延長戦の末、クダFAがペラTBGを1−0で破って優勝しました。

2019年マレーシアFAカップ決勝
クダFA1-0ペラTBG
得点者:クダFA-ファズルル・ダネル(105分)
 ブキ・ジャリル国立競技場には8万3000人の観衆が押しかけ、地上波でも放送されたマレーシア国内サッカーの大一番の一つは、試合開始からペラTBGが押し気味に試合を進めますが、前線までボールを運ぶものの、シュートまで至らなかったり、枠を捉えられなかったりと決定機がないまま前半が終了しました。後半に入ると両チームともシュートの精度は上がったものの、今度はGKの好守やゴールポストに阻まれ、試合は0-0のまま延長戦に入りました。
 フルタイム終了直前にペラTBGは、ここまで攻守に活躍していたDFアミルル・アザン・アズナンが2枚目のイエローをもらい退場となり、延長戦ではペラTBGは10名のでの戦いを強いられることになりました。
 そして延長前半の105分、右サイドを上がってきたDFリザル・ガザリへFWジョナサン・ボウマンがペラTBGのバックラインの裏へ絶妙のパス、そしてリザル選手からのグラウンダーのクロスを直前に投入されたばかりのMFファズルル・ダネルがゴール!それまで身体を張ってゴールを守っていたペラTBGの守備陣でしたが、この一瞬だけ、動きが緩慢になってしまいました。
 クダFAのFAカップの優勝は、1996年、2007年、2008年、2017年に続く5度目となり、この勝利によりクダFAはアジアサッカー連盟AFCチャンピオンズリーグの二次予選出場権も獲得しています。
 またこの試合は、マレーシアのサッカー史上初となる、主審と副審2名が外国人となる初の国内試合でしたが、試合を担当した主審は岡部拓人氏は、ペラTBGに4 枚(ナズリ・ナイムとレアンドロ・ドス・サントスがそれぞれ1枚、アミルル・アザン・アズナンは2枚)、クダFAには1枚(バドロル・バクティアル)のイエローカードを出しましたが、素人から見ても疑惑の判定もなく、試合をしっかりとコントロールしていたと思います。また副審の八木あかね氏と野村修氏も仕事をこなし、揃って日本の審判の技術の高さを見せることができたのではないでしょうか。
 以下はこの試合のハイライト映像です。(MFLのFacebookより)

7月26日のニュース:明日はFAカップ決勝、そこでFAカップ関連のニュースを3つ

 明日7月27日(土)は、クアラ・ルンプールのブキ・ジャリル国立競技場を舞台にケダFA対ペラTBGの顔合わせでマレーシアFAカップの決勝戦が行われます。リーグ戦ではそれぞれ4位と5位ながら、首位のジョホール・ダルル・タクジムに対して、クダFAは19点、ペラTBGは20点の勝点差をつけられ、タイトル争いには絡むことができなかった両チームにとって、今シーズンの初タイトルを目指す重要な試合です。また、このFAカップの勝者にはアジアサッカー連盟AFCのアジアチャンピオンズカップ2次予選の出場資格が与えられます。

ニュース1:担当する日本人審判団が決定
 マレーシアサッカー協会FAMのホームページでは、このFAカップ決勝を担当する日本人審判団の顔ぶれが発表されています。主審は岡部拓人氏(38)、副審は八木あかね氏(45)、野村修氏(31)の3氏です。実はこの3氏は、今年6月11日にやはりブキ・ジャリル国立競技場で行われた国際サッカー連盟FIFAワールドカップ2022年大会アジア一次予選のマレーシア対東ティモール戦でも審判を勤めています。(ただしこの時は、荒木友輔氏が主審を務め、岡部氏と野村氏が副審、八木氏が第四審判という構成でした。)
 マレーシアのサッカー史上で初めて、国内戦の決勝を外国人審判が担当することになった背景には、退場者を2名を出した昨年2018年のマレーシアカップ決勝に代表されるようなマレーシア人審判の試合進行のまずさ、その結果としてのマレーシア人審判への信頼度の低さがあります。なお、第四審判はマレーシア人のロズラン・ジョフリ・アリ氏が務めることになっています。(写真はFAMのホームページより)

ニュース2:クダFAには痛いアウヴェスの出場停止
 ブラジル出身の長身DFレナン・アウヴェスはクダFA守備陣の要ですが、MFL1部スーパーリーグ最終戦のフェルダ・ユナイテッド戦で2枚のイエローカードをもらい退場になりました。その結果、明日のFAカップ決勝は出場停止処分のため試合に出ることができません。クダFAは、FAカップを主催するマレーシアフットボールリーグMFLに出場停止処分の先送りを求めたようですが、MFLは受け入れなかったようです。
 コーナーキックの時には前線に上がり、今シーズン2得点を挙げるなど攻撃でも貴重なアウヴェス選手ですが、英字紙ニューストレイトタイムズ電子版は、同じ試合でケガをしたカイルル・へルミ・ジョハリとともに、センターバックの二人が同時に出場できないことを想定したシンガポール人のアイディル・シャリン・サハク監督は、アミルル・ヒシャム・アワン・ケチックとシャキル・ハムザを大会前練習でテストしていたと伝えています。

FAカップ決勝会場周辺で交通規制
 FAカップ決勝の会場となるクアラ・ルンプール(KL)のブキ・ジャリル国立競技場周辺は、約8万5000名の観衆が集まることが予想されるため、周辺の一部道路を閉鎖し、迂回路を設置すると、KL市警察本部のダト・スリ・マズラン・ラジム長官が語っていると、ニューストレイトタイムズ電子版が報じています。マズラン長官は、当日の午前8時から1300名を超える警官を競技場内とその周辺に配置し、周辺の違法駐車も厳しく取り締まるとし、試合を観戦しない人や車両は混乱を避けるため、この日はブキ・ジャリル競技場周辺を迂回するよう求めています。

以下はFA決勝へ向けて、マレー語紙ブリタ・ハリアンが作成したインフォグラフィックです。

7月23日から24日のニュース:FAカップ決勝は日本人審判団が担当、マレーシアの富豪がMLSチームの株を売却、ペナン州サッカー協会がCASに仲裁を求める、U15代表がAFF U15選手権へ向けて調子を上げる

FAカップ決勝は日本人審判団が担当
 当地の英字紙スター電子版は、7月27日(土)に開催されるマレーシアFAカップの決勝戦ペラTBG対クダFAの試合は日本人審判団が担当すると伝えています。
 マレーシア人審判に対しての国内の評価は低く、また昨年のもう一つのカップ戦マレーシアカップでは、プレーした選手ではなく審判の判定で注目を浴びたこともあり、外国人審判の採用が噂されてきました。
 FAカップを主催するマレーシアフットボールリーグMFLのケヴィン・ラマリンガムCEOによると、マレーシアサッカー協会FAMとパートナーシップ協定を締結している日本サッカー協会JFAが選抜する審判団は主審1名、副審2名の計3名で構成され、マレーシア人の第4審判がこのチームに加わることを記者会見で明らかにしています。

マレーシアの富豪がMLSチームの株を売却
 マレーシアで不動産から旅行業やホテル経営、セブンイレブンやスターバックスなどの国内フランチャイズ権を持つ企業体ブルジャヤグループの創業者のタン・スリ・ヴィンセント・タン氏がメジャーサッカーリーグMSLのロスアンゼルスFC(LAFC)の株式20%の売却を検討していると、英字紙スター電子版が報じています。
 記事によれば、この株式売却は、タン氏がいずれもオーナーを務めるイングランドフットボールリーグEFLチャンピオンシップ(イングランドプレミアリーグEPLの一つ下のリーグ)のカーディフ・シティFCとベルギー1部リーグのKVコルトレイクの経営に注力するためだとしています。特にタン氏が愛するカーディフ・シティFCはわずか1年でEPLからEFLチャンピオンシップへ降格となったため、LAFCの株式売却で得られる1億米ドルとも1億5000万米ドルとも言われる資金が、カーディフ・シティFCのEPL復帰に向けて使われるだろうとしています。

ペナン州サッカー協会がCASに仲裁を求める
 英字紙スター電子版は、国際サッカー連盟FIFAの裁定によりMFL2部プレミアリーグでの勝点6を剥奪(はくだつ)され、その結果、1部スーパーリーグへの昇格の機会を失ったペナンFAパンサーズを運営するペナン州サッカー協会FAPは、スポーツ仲裁裁判所CASに対してFIFAの裁定に対する不服申し立てを行なったと報じています。
 記者会見の席でFAPのアマル・プリトパル・アブドラ会長は、過去の経営陣による失態によって、今シーズンのリーグ戦での勝点剥奪というFIFAの処分には失望しているとし、アマル会長以下新経営陣は、勝点6剥奪処分が撤回されれば、その代償として罰金を支払う用意があるとしています。
 この記者会見には、ペナン州政府青年スポーツ委員会のスン・リップチー会長も同席し、ペナン州政府が毎年、500万リンギ(約1億3000万円)以上をペナンFAパンサーズに提供してチームを強化してきているとし、選手とコーチ陣の努力の結果である1部昇格が実現することを強く希望していると述べています。

U15代表がAFF U15選手権へ向けて調子を上げる
 タイのチョンブリで開催される東南アジアサッカー連盟AFF U15選手権に出場するマレーシアU15代表が、中国で開催された国際大会で優勝し、好調を維持してタイに出発できそうだと、英字紙スター電子版が伝えています。
 中国のの海口(ハイコウ)で開催され、イラン、中国、北朝鮮が参加して総当たり方式で行われた大会で、マレーシアはイランに2-0で勝利中国とは1-1で引き分け、最終戦の北朝鮮には2-1で勝利し、優勝を果たしています。
 7月27日から8月9日までの期間で開催されるAFF U15選手権で、マニアム・パチャイアパン監督が率いるマレーシアU15代表は、開催国タイ、ラオス、カンボジア、ブルネイ、オーストラリアとともにグループBに入っています。
 なおこのU15代表のメンバーはこちらです。

MFL第22節の結果まとめ

マレーシアフットボールリーグMFLは7月19日(金)から21日(日)までに行われた第22節がいよいよ最終節です。
 1部スーパーリーグはジョホール・ダルル・タクジムJDT、2部プレミアリーグはサバFAと優勝チームがすでに決まっており、最終節では、1部からの降格争いと2部からの昇格争いに注目が集まりました。

MFL1部スーパーリーグ
優勝:ジョホール・ダルル・タクジムJDT
2部降格:PKNP FC、クアラ・ルンプール(KL)FA

JDT3-3トレンガヌFC
得点者:JDT-レオナルド・ヴァレズケズ(31分)、サファウィ・ラシド(36分)、ゴンザロ・カブレラ(45分)、トレンガヌFC-サンジャル・シャアフメドフ(24分)、セルヒイ・アンドレイエフ(65分)、リー・タック(79分)
 JDT地は、この試合が行われたタン・スリ・ハジ・ハサン・ユノススタジアム、通称ラーキンスタジアムから、新たに建設されたスルタン・イブラヒムスタジアムへと本拠地を移転します。ホームでの無敗記録が止まった前節、そして引き分けに終わった今節と、JDTはラーキンスタジアムでの最後を飾ることはできませんでした。

PKNS FC2-3スランゴールFA
得点者:PKNS FC-ロメル・モラレス(3分)、タミルラン・コズバエフ(79分)、スランゴールFA-サンドロ・ダ・シルヴァ(40分)、イフェダヨ・オルセグン2(44分、52分)
 ともにシャー・アラムスタジアムを本拠地とする両チームは、MFL第3節で対戦し、その際にはPKNS FCが4点を挙げてスランゴールFAに圧勝。スランゴールFAのファンからはサティアナタン監督更迭を求める声が上がりましたが、終わってみればスランゴールFAはリーグ3位でシーズンを終えました。
 スランゴールFAのBチーム化が噂されるPKNS FCは、その噂が出た6月中旬以降は2分5敗の成績で、あわや2部降格というところまで順位を下げました。もし、PKNS FCがスランゴールFAのBチームとなることが決定すれば、JDT II、トレンガヌFC IIといったBチーム同様、2部プレミアリーグでプレーすることになります。

パハンFA4-1マラッカ・ユナイテッド
得点者:パハンFA-ラザラス・カイムビ2(2分、69分)、モハマドゥ・スマレ(41分)、サディル・ラムダニ(90分)、マラッカU-ルカ・ミルノヴィッチ(58分)

フェルダ・ユナイテッド5-1クダFA
得点者:フェルダU-ジョシネル・シャアド(6分)、ファイズ・マズラン(32分)、カイルル・アムリ(85分)、ジャサズリン・ジャマルディン(90分)、池田圭(90分)、クダFA-ジョナタン・ボーマン(78分PK)
 フェルダ・ユナイテッドがクダFA相手にまさかの勝利で1部スーパーリーグ残留を決めています。第20節から降格争いのライバルKLFAに勝利し、PKNP FCとは引き分けたものの、負ければ2部プレミアリーグ降格が決まるこの試合、上位チームのクダFA相手では苦戦が予想されましたが、蓋を開けてみればフェルダ・ユナイテッドの快勝でした。
 一方のクダFAはこの敗戦で、今シーズンの成績が4位となってしまいました。

プタリン・ジャヤ(PJ)シティFC1-0PKNP FC
得点者:PJシティ-ワシントン・ブランダオ(75分PK)
 この試合に勝てば1部残留の可能性が大きかったPKNP FCでしたが、残念ながら2部降格となっています。

ペラTBG2-1クアラ・ルンプール(KL)FA
得点者:ペラTBG-カレッカ2(32分、68分)、KLFA-ルーク・ウッドランド(77分)
 KLFAは2部プレミアリーグ降格です。

順位チーム勝点勝数分け負数得点失点得失差
1JDT531651491930
2パハンFA431273372116
3スランゴールFA37107541356
4クダFA3497837298
5ペラTBG3389536315
6マラッカ・U3396736342
7トレンガヌFC307963537-2
8PJシティFC2682122229-7
9PKNS FC2156113738-1
10フェルダ・U1947112743-16
11PKNP FC1637122240-19
12KLFA1442162449-25

MFL2部プレミアリーグ
優勝:サバFA
1部昇格:サバFA、PDRM FC
3部との入替戦出場:サラワクFA

UITM FC1-1ヌグリ・スンビランFA
得点者:UITM FC-パク・ヨンジュン(24分)、ヌグリ・スンビランFA-中武駿介(63分)
 勝点30のPDRM FCがペナンFAに敗れたため、勝点28で並んでいる両チームは、この試合に勝てば1部昇格でした。UITM FCが先制するも中武駿介選手のゴールでヌグリ・スンビランFAが同点に追いつきますが、試合はそのまま終了。UITM FC、ヌグリ・スンビランFAは1部昇格ならず。
 ヌグリ・スンビランFAの中武駿介選手はスタメンでフル出場しています。

PDRM FC1-2ペナンFA
得点者:PDRM FC-パトリック・ロナルジーニョ(30分)、ペナンFA-カサグランデ(6分)、アル・ハフィズ・ハルン(53分)
 UITM FCとヌグリ・スンビランFAが引き分けたおかげで、最終節に大逆転でペナンFAが1部昇格を勝ち取ったかと思いましたが、最後に大どんでん返しが待っていました。

サラワクFA3-1スランゴール・ユナイテッド
得点者:ボビー・ゴンザレス(32分)、クロヴィス・フランクリン(60分OG)、ハドソン・ディアス(75分)、スランゴール・ユナイテッド-ノーシャミル・ガニ(6分)
 最終戦に勝利したものの、サラワクFAはプレミアリーグ最下位の11位。MFL3部に当たるM3リーグの準優勝チームであるケランタン・ユナイテッドと入れ替え戦を行います。M3リーグの優勝チーム、鈴木雄太選手が所属するクチンFAは自動昇格となり、来シーズンはプレミアリーグ入りしますが、クチンはサラワク州の州都です。例えるなら、東京都サッカー協会のチームが3部との入れ替え戦に出場する一方で、新宿区サッカー協会のチームが2部昇格となるような状況です。

トレンガヌFC II2-1サバFA
得点者:ハイディル・スハイニ(45分)、リズアン・ラザリ(55分)、サバFA-アギナルド・ポリカルポ(64分)
 トレンガヌFC IIの鈴木ブルーノ選手はスタメンでフル出場しています。

ケランタンFA2-0UKM FC
得点者:ケランタンFA-ニック・アズリ・ニック・アリアス(59分)、ニック・アキフ・シャヒラン(90分)

順位チーム勝点勝数分け負数得点失点得失差
1サバFA431343331716
2JDT II33965311912
3PDRM FC3093830273
4トレンガヌFC II308662124-3
5UITM FC2985733258
6ヌグリ・スンビランFA2985729254
7ペナンFA24641032275
8UKM FC2264192832-4
9スランゴール・U2163112437-13
10ケランタンFA174882332-9
11サラワクFA1644122544-19

*ペナンFAとケランタンFAは、過去に在籍した選手、スタッフへの給与未払い問題への対応が不十分だったことから、国際サッカー連盟FIFAの裁定により、それぞれ勝点3と勝点6を剥奪(はくだつ)されています。

MFL第21節の結果まとめ

 7月12日(金)から14日(日)にかけて行われたマレーシアフットボールリーグMFL第21節の結果は以下の通りです。(カッコ)内の成績は、第21節終了時のものです。
 次節第22節はいよいよ最終節。1部スーパーリーグはJDT、2部プレミアリーグはサバFAとすでに優勝チームは決まっていますが、1部の降格争いと2部の昇格争いは最終節までもつれており、最後まで目が離せません。

MFL1部スーパーリーグ

トレンガヌFC(7位:7勝8分6敗 勝点29)1-1パハンFA(2位:10勝7分3敗 勝点37)
得点者:トレンガヌFC-シャミン・ヤハヤ(42分)、パハンFA-モハマドゥ・スマレ(51分)

クダFA4(2位:9勝7分5敗 34)-2ペラTBG(6位:7勝9分5敗 勝点30)
得点者:クダFA-タナバラン・ナダラジャ(40分)、レナン・アルヴェス(45分)、フェルナンド・ロドリゲズ2(89分、90分)、ペラTBG-シャルル・サアド(29分)、ロナウド(79分PK)

PKNP FC1(10位:3勝7分11敗 勝点16)1-1フェルダ・ユナイテッド(11位:3勝7分10敗 勝点16)
得点者:PKNP FC-ヤシル・ピント(81分)、フェルダ・ユナイテッド-チャントゥル・スピアー(53分)
 スーパーリーグ10位と11位の対戦は引き分けに終わり、KLFAを含めた降格争いは最終節まで続きます。残り試合は、PKNP FCが現在リーグ9位のPJシティFC戦、フェルダ・ユナイテッドは2位パハンFA戦、3位クダFA戦となっています。
 またこの日の引き分けで、勝点20の8位PKNS FCと9位のプタリン・ジャヤ(PJ)シティFCは1部残留が確定しました。
 フェルダ・ユナイテッドの池田圭選手、渡邉将基選手はどちらもベンチ入りしませんでした。

スランゴールFA(4位:9勝7分5敗 勝点34)3-0プタリン・ジャヤ(PJ)シティFC(10位:6勝2分12敗 勝点20)
得点者:スランゴールFA-エンドリック(43分)、カイリル・ムヒミーン(57分)、イフェダヨ・オルセグン(61分)
 PJシティFCは、スランゴールFAに大敗したものの、10位のPKNP FCと11位のフェルダ・ユナイテッドが引き分けたため、1部スーパーリーグ残留が決まりました。今シーズンからスーパーリーグでプレーするPJシティFCにとっては、最低限の目標は達成できたシーズンだったのではないでしょうか。
 スランゴールFAはこの日の勝利でリーグ3位のクダFAと勝点で並んだものの、得失点差により4位となっています。

クアラ・ルンプール(KL)FA(12位:4勝2分15敗 勝点14)-ジョホール・ダルル・タクジムJDT(1位:16勝4分0敗 勝点52)
得点者:JDT-ゴンザロ・カブレラ(15分)、ジオゴ2(28分、71分)、ナジム・ファイズ(61分)
 スーパーリーグ最下位のKLFAはこの日の敗戦で6連敗。最終節のペラTBG戦を残して11位のフェルダ・ユナイテッドとは勝点差2となり、自力での降格圏脱出は無くなりました。

なおマラッカ・ユナイテッド対PKNS FCの試合は、PKNS FCにインフルエンザ感染者が出たことから7月16日(火)に延期となっています。

MFL2部プレミアリーグ

UKM FC(8位:6勝4分9敗 勝点22)3-2JDT II(2位:9勝6分5敗 勝点33)
得点者:UKM FC-ミラド・ザニドプール(20分)、マテオ・ロスカム2(23分,52分)、JDT II-イザフィック・ルジ(25分)、ロザイミ・ラーマン(90分PK)

スランゴール・ユナイテッド(9位:6勝3分10敗 勝点21)3-1トレンガヌFC II(7位:7勝6分6敗 勝点27)
得点者:ダンコ・コヴァチェヴィッチ(41分)、ファン・シンヨン2(60分、80分)
 スランゴール州内のプロクラブ再編の渦中にいるスランゴール・ユナイテッドは連敗を5でストップさせています。
 トレンガヌFC IIの鈴木ブルーノ選手はスタメンでフル出場しています。

サバFA(1位:13勝4分2敗 勝点43)1-0ケランタンFA(10位:3勝8分8敗 勝点14)
得点者:サバFA-アフメット・アタエフ(58分)
*ケランタンFAは、国際サッカー連盟FIFAの裁定により、勝点3を剥奪されています。

ヌグリ・スンビランFA(5位:8勝4分7敗 勝点28)2-3PDRM FC(4位:9勝3分7敗 勝点30)
得点者:ヌグリ・スンビランFA-ウチェ・アグバ(4分OG)、ズルファミ・ハディ(70分)、PDRM FC-ウチェ・アグバ(36分)、リ・チャンフン2(85分、90分)
 1部スーパーリーグ昇格を争うチーム同士の直接対決は、PDRM FCが勝利し、次節の最終節第21節ペナンFA戦で勝利すれば、自力での1部昇格が決まります。
 一方のヌグリ・スンビランFAはこの日の敗戦で自力昇格がなくなり、最終節で昇格を争うUITM FCに勝利し、PDRM FCが引き分けあるいは敗れた場合に昇格となります。
 ヌグリ・スンビランFAの中武駿介選手はスタメンでフル出場しています。

ペナンFA(6位:7勝6分6敗 勝点27)6-3サラワクFA(11位:3勝4分12敗 勝点13)
得点者:ペナンFA-アル・ハフィズ・ハルン2(5分、32分)、セルジオ・アグエロ(8分)、カサグランデ2(14分、28分)、ジュリアン・ボッタロ(52分)、サラワクFA-ボビー・ゴンザレス2(65分、81分)、アリフ・ハッサン(75分)
 この日の勝利でわずからながら1部昇格の可能性が残ったペナンFA。最終節のPDRM FC戦に勝利し、ヌグリ・スンビランFA対UTIM FCの試合が引き分けになった場合にのみ昇格となります。

MFL第20節の結果まとめ

MFL1部スーパーリーグ

12チームで争われるマレーシアフットボールリーグ1部スーパーリーグは今節を含めて残り3試合。既にジョホール・ダルル・タクジムJDTが6シーズン連続となる優勝を決めていますが、JDT以外の各チームの最終順位はまだ決まりません。また熾烈な2部プレミアリーグへの降格争いも注目です。試合結果の左側がホームチーム、(カッコ)内は第20節終了時点での順位と成績です。

パハンFA(2位:10勝6分3敗 勝点36)3−2PKNS FC(8位:10勝5分5敗 勝点20)
得点者:パハンFA-エラルド・グロン(31分)、ムスリム・アーマド(43分)、マシュー・デイヴイズ(89分)、PKNS FC-クパ・シャーマン(61分)、ガブリエル・ゲラ(67分)
 追いすがるPKNS FCを最後に突き放してパハンFAが勝利。得点は全てコーナーキックからで、ゴールを決めたのは全員がDFでした。
 PKNS FCはリーグ得点王のクパ・シャーマンが今シーズン13個目のゴールを決めたものの、スランゴールFAのBチーム化の可能性が取り沙汰されてから、この日の敗戦で過去10試合で1勝という不調が続いています。

マラッカ・ユナイテッド(3位:9勝5分6敗 勝点32)2-1PKNP FC(10位:3勝6分11敗)
得点者:デイヴィー・クロード・アンガン(42分)、パトリック・ライヒェルト(59分)、PKNP FC-ジャンカルロ(14分)

トレンガヌFC(7位:7勝7分6敗 勝点28)2-2クダFA(4位:8勝7分5敗 勝点31)
得点者:サンジャル・シャアフメドフ(33分)、チェチェ・キプレ(90分)、クダFA-シャキル・ハムザ(5分)、バドロル・バクティアル(45分)

ペラTBG(6位:7勝9分4敗 勝点30)3-2スランゴールFA(5位:8勝7分5敗 勝点31)
得点者:ペラTBG-カレッカ2(43分、63分)、レアンドロ・ドス・サントス(45分PK)、スランゴールFA-テイラー・リガン(29分)、エンドリック(45分)

クアラ・ルンプール(KL)FA(12位:4勝2分14敗 勝点14)0−2フェルダ・ユナイテッド(11位:3勝6分10敗 勝点15)
得点者:フェルダ・ユナイテッド-カイルル・アムリ(41分)、ザハリ・アズリ(64分)
 MFL2部降格を争う11位と12位の直接対決。前節のスランゴールFA戦では、その実力もないにも関わらずバルセロナのようなパスサッカーをしようとして負けた、とニザム・ジャミル監督が選手を批判したフェルダ・ユナイテッドがFAカップ準決勝に続いて土壇場での驚異的な粘りを見せ、最下位を脱出しました。次節は勝点で並んでいる10位のPKNP FCとの対戦です。
 フェルダ・ユナイテッドに代わって最下位となったKLFAは、フェルダ・ユナイテッドよりも消化試合数が1試合多く、残りの試合はJDT(ホーム)とペラTBG(アウェイ)と厳しい相手との試合が残っています。
 フェルダ・ユナイテッドの池田圭選手は71分から途中出場し、渡邉将基選手はベンチ入りしませんでした。

また7月10日(水)に予定されていたジョホール・ダルル・タクジムJDCT対プタリン・ジャヤ(PJ)シティFCの試合は、JDTの選手、コーチ、チームスタッフの多くがインフルエンザに感染したため、7月16日へと延期になっています。以下、その他の試合の結果です。(下はMFLのFacebookに掲載されたJDT対PJシティFCの試合延期の告知)

MFL2部プレミアリーグ

スランゴール・ユナイテッド(9位:5勝3分10敗 勝点18)2−6UKM FC(8位:5勝4分9敗 勝点19 )
得点者:スランゴール・ユナイテッド-ファン・シンヨン(50分)、ノーシャミル・ガニ(67分)、UKM FC-ミラド・ザニドプール3(31分、36分、75分)、サイド・ソブリ(45分)、マテオ・ロスカム2(53分、90分)

UITM FC(3位:8勝4分7敗 勝点28)1-2サバFA(1位:12勝4分2敗 勝点40)
得点者:UITM FC-ザルコ・コラチ(32分)、サバFA-ロドリュブ・パウノヴィッチ(58分PK)、アギナルド(67分)
 昇格を争うUITM FCにサバFAが快勝。この日の勝利でサバFAの勝点は40となりました。2位のJDT IIがこの日敗れて勝点33となり、残る1試合に勝利してもサバFAの勝点には追いつかないため、サバFAの優勝が決まりました。(下はMFL2部プレミアリーグ優勝を決めたサバFAの選手たち-サバFAのFacebookより)
 またこの試合はプレミアリーグの得点王を争うUITM FCのザルコ・コラチとサバFAのロドリュブ・パウノヴィッチの争いでもありましたが、両選手がそれぞれ今シーズン13個目と11個目のゴールを決めています。

ヌグリ・スンビランFA(4位:8勝4分6敗 勝点28)3-1ジョホール・ダルル・タクジムJDT II(2位:9勝6分4敗 勝点33)
得点者:ヌグリ・スンビランFA-アルミール(2分)、マテウス・フェルナンデス(63分)、イゴール・ルイズ(87分)、JDT II-ロザイミ・ラーマン(29分PK)
 この日の勝利で1部スーパーリーグ入りを争うUITM FCと勝点では並んだヌグリ・スンビランFA。消化試合はUITM FCより1試合少なく、次節第21節は勝点差1の5位PDRM FCとの対戦が、そして最終節第22節ではそのUITM FCのホームでの直接対決が控えています。
 ヌグリ・スンビランFAの中武駿介選手はスタメンでフル出場しています。
 中武選手といえば、当地の日本語ミニコミ誌Senyum7月号にインタビューが掲載されました。

サラワクFA(11位:3勝4分11敗 勝点13)1-0トレンガヌFC II(6位:7勝6分5敗 勝点27)
得点者:サラワクFA-ハドソン・ディアス(24分)
 トレンガヌFC IIの鈴木ブルーノ選手はスタメンでフル出場しています。

PDRM FC(5位:8勝3分7敗 勝点27)3-1ケランタンFA(10位:3勝8分7敗 勝点14)
得点者:ウチェ・アグバ2(51分、90分)、ファクリ・アイマン(57分)、ケランタンFA-ダニアル・ハキム(86分)
 ケランタンFAは国際サッカー連盟FIFAの裁定により、今シーズンの勝点3を剥奪(はくだつ)されています。

MFL第19節結果のまとめ

マレーシアフットボールリーグMFL第19節が7月5日(金)から7月7日(日)にかけて行われました。以下結果まとめです。左側がホーム、(カッコ)内は第19節終了時点での順位と成績です。

MFL1部スーパーリーグ

クダFA(4位:8勝6分5敗 勝点30)1-1PKNP FC(10位:3勝6分10敗 勝点15)
得点者:クダFA-アザムディン・アキル(52分)、PKNP FC-ジャンカルロ(81分)
 試合前には昨シーズンの6位を上回る成績を上げたいと語っていたクダFAのアイディル・シャリン監督ですが、降格圏のいるPKNP FCとホームで痛い引き分けでした。
 PKNP FCは195cmの長身FWジャンカルロがコーナーキックから得意のヘディングで同点ゴールを挙げ、MFL2部への降格争いで貴重な勝点1をチームにもたらしています。

PKNS FC(8位:5勝5分9敗 勝点20)1-2トレンガヌFC(7位:7勝6分6敗 勝点21)
得点者:PKNS FC-キティポン・プレムジャイ(85分)、トレンガヌFC-サンジャル・シャアフメドフ(35分)、ナスルラ・ハニフ(89分)
 途中出場となったキティポン・プレムジャイの移籍後初ゴールで同点に追いついたPKNS FCでしたが、この日は絶好調だったトレンガヌFCのGKイルハム・アミルラーとゴールポストに何度もチャンスを阻まれて逆転負け。ここ数試合の不調にスランゴールFAのBチーム化の報道が影響していることをラヤゴパル監督は否定していますが、シーズン前半の好調さからは思いもよらなかったMFL2部への降格圏に近づいています。
 トレンガヌFCはこの日の勝利で4位のクダFAとは勝点差が3、2位パハンFAとは勝点差6とトップ5あるいはトップ3が見えてきました。

プタリン・ジャヤ(PJ)シティFC(9位:6勝2分11敗 勝点20)1-2マラッカ・ユナイテッド(5位:8勝5分6敗 勝点29)
得点者:PJシティFC-ペドロ・エンリケ(41分)、マラッカ・ユナイテッド-ルカ・ミルノヴィッチ(37分)、チャン・ソグォン(45分)
 逆転勝ちのマラッカ・ユナイテッドは2位のパハンFAとは勝点差が4となり、昨シーズンの7位から大幅に順位を上げて今シーズンを終えられそうな気配がでてきました。
 今シーズン1部に昇格したPJシティFCは、東ティモール代表のペドロ・エンリケのゴールで先制したものの、逆転負け。勝点はPKNSと並ぶ20ですが、得失点差で9位となっており、1部残留の目標は果たせそうです。

パハンFA(2位:9勝6分3敗 勝点33)2−0クアラ・ルンプール(KL)FA(11位:4勝2分13敗 勝点14)
得点者:パハンFA-エラルド・グロン(57分PK)、アザム・アジー(90分)

ペラTBG(6位:6勝9分4敗 勝点27)0−3ジョホール・ダルル・タクジム(JDT)(1位:15勝4分0敗 勝点49)
得点者:JDT-レアンドロ・ヴァレスケス2(37分、48分)、アキヤ・ラシド(90分)
 前節にスーパーリーグ6連覇を決めているJDTが快勝。残り3試合はPJシティFC、KLFA、トレンガヌFCとの対戦が残っていますが、今シーズン無敗で終える可能性も出てきました。

フェルダ・ユナイテッド(12位:2勝6分10敗 勝点12)1−2セランゴールFA(3位:8勝7分4敗 勝点31)
得点者:フェルダ・ユナイテッド-ジョシネル・シャド(64分)、セランゴールFA-サンドロ・ダ・シルバ(44分)、イフェダヨ・オルセグン(51分)
 フェルダ・ユナイテッドの渡邉将基選手はスタメンでフル出場、池田圭選手は後半途中から出場しています。

2部プレミアリーグ

JDT II(2位:9勝6分3敗 勝点33)0-1サバFA(1位:11勝4分2敗 勝点37)
得点者:サバFA-ロドリュブ・パウノヴィッチ(59分)
 この試合の勝利で、サバFAは今シーズン2部プレミアリーグの上位2位以内が確定し、来シーズンは2012年以来となる1部スーパーリーグへ昇格が決まりました。

ケランタンFA(10位:3勝8分6敗 勝点14*)2-0スランゴール・ユナイテッド(8位:5勝3分9敗 勝点18)
得点者-ケランタンFA:ニック・アキフ・シャヒラン(49分PK)、ニック・アズリ・ニック・アリアス(53分)
 ケランタンFAは8試合ぶりの勝利、スランゴール・ユナイテッドは4連敗となりました。
 *ケランタンFAは国際サッカー連盟FIFAの裁定により、勝点3を剥奪(はくだつ)されています。

サラワクFA(11位:2勝4分11敗 勝点10)2-4ヌグリ・スンビランFA(5位:7勝4分6敗 勝点25)
得点者:サラワクFA-アリフ・ハサニ(17分)、ハドソン・ディアス(45分)、ヌグリ・スンビランFA-アルミール2(5分、79分)、イゴール・ルイス2(25分、62分)
 この試合で再び昇格争いに加わったヌグリ・スンビランFAの次節は昇格を争うPDRM FCとの対戦です。
 ヌグリ・スンビランFAの中武駿介選手はスタメンでフル出場しています。

トレンガヌFC II(4位:7勝6分4敗 勝点27)0−0ペナンFA(6位:6勝6分6敗 勝点24)
得点者:なし
 ペナンFAはこの試合を含め8試合負けなしで順位を6位まで上げ、昇格争いに加わってきました。一方1部スーパーリーグのトレンガヌFCのBチームであるトレンガヌFC IIはJDT IIとともにMFLの規定により1部昇格はできません。
 トレンガヌFC IIの鈴木ブルーノ選手はスタメンでフル出場しています。

UITM FC(3位:8勝4分6敗 勝点28)1-2PDRM FC(7位:7勝3分7敗 勝点24)
得点者:UITM FC-シルヴァ・マイコン(17分)、PDRM FC-ウチェ・アグバ2(44分、52分)
 一時はプレミアリーグ首位となったUITM FCはその後、成績が急降下。この試合も含めて5試合で勝ち星がありません。
 一方のPDRM FCは2連勝で昇格争いに加わってきました。


7月1日から3日のニュース:FAカップの決勝はクダFA対ペラTBG、オーストラリアとインドネシアもWC共催を検討、U19代表監督交代は吉と出るか凶と出るか。

FAカップの決勝はクダFA対ペラTBG
6月29日(土)と6月30日(日)の両日に行われたマレーシア FAカップ準決勝の第2戦は以下の結果となりました。(左側のチームがホーム、カッコ内は第1戦と第2戦の通算成績)
ペラTBG3-0パハンFA(4-3)
得点者:ペラTBG-ブレンダン・ガン(35分)、パルティバン・ジャネセカラン(42分)、ファイサル・ロスリ(44分OG)
 ホームゲームとなった6月22日の第1戦を3-1と勝利したパハンFAは、この準決勝第2戦に備え、6月25日に行われたマレーシアフットボールリーグMFL1部スーパーリーグのスランゴールFA戦には主力の一部を休ませる布陣で臨みました。(結果はスランゴールFAに2-5で惨敗)そこまで準備周到に用意したドラー・サレー監督でしたが、その策略は功を奏さず、FAカップ連覇もかかっていたパハンFAは準決勝敗退となりました。
フェルダ・ユナイテッド3-2クダFA(3-3)
得点者:フェルダ・ユナイテッド-チアゴ・ジュニオール(65分)、チャントゥル・スピア(72分)、ハディン・アズマン(90分)、クダFA-フェナンド・ロドリゲズ(26分PK)、ファルハン・ロスラン(38分)
 スーパーリーグでは最下位のフェルダ・ユナイテッドですが、チームの愛称「ファイターズ」の名に恥じない奮闘を見せ、第1戦と第2戦の通算成績を3-3としたものの、アウェイゴールルールでクダFAが勝ち抜けました。
 フェルダ・ユナイテッドの渡邉将基選手はスタメンでフル出場、池田圭選手は途中出場となっています。
 この結果、7月27日にクアラ・ルンプールのブキ・ジャリルスタジアムで行われるマレーシアFAカップの決勝は、2004年以来3度目の優勝を目指すペラTBGと、2年ぶり5度目の優勝を目指すクダFAの対戦となりました。

オーストラリアとインドネシアもWC共催を検討
6月23日に閉幕した東南アジア諸国連合ASEANの首脳会談サミットの際に、タイのプラユット・チャンオチャ首相が国際サッカー連盟FIFAワールドカップの2034年大会の立候補をアセアン各国と合同で行うことを表明しましたが、そのASEANにも加盟しているインドネシアが隣国オーストラリアと2034年ワールドカップ共催を検討しているとAFP通信が伝えています。
 記事の中でインドネシアサッカー協会のスポークスマンは、当初はタイとの共催を模索したものの話がまとまらなかったため、オーストラリアとの共催を検討したとし、既に両サッカー協会は具体的な話し合いを始めているし、また両サッカー協会は2021年のFIFA U20ワールドカップの共催も検討しているとしています。アセアンによる共催の検討が発表されたわずか数日後のこの発表について、オーストラリアサッカー協会からはコメントが取れていないようですが、インドネシアサッカー協会はアセアン10カ国による共催とオーストラリアとの共催を天秤にかけているのでしょうか。
 アセアン10カ国による共催については、マレーシアサッカー協会FAMのダト・ハミディン・モハマド・アミン会長も実現が難しいとし、現実的には3から4カ国による共催案がより現実的ではないかと述べています。

U19代表監督交代は吉と出るか凶と出るか
英字紙ニューストレイトタイムズの電子版が、FAMがボジャン・ホダックU19代表監督との契約の更新を行わなかったことを懸念する記事を掲載しています。
 昨年2018年のアセアンサッカー連盟AFFU19選手権で初優勝、さらにアジアサッカー連盟AFCU19選手権本戦に12年ぶりの出場を果たすなど、FAMが求めた結果を全て残してきたホダック元監督の契約更新が行われなかった理由は謎のままですが、歯に衣着せぬ言動でFAMと衝突することも度々あったことから、その辺りが理由ではないかとしています。
 後任にはオーストラリア出身のブラッド・マロニーU23代表コーチが監督代行に指名されています。マロニー監督代行はU23代表のコーチとしてオン・キムスイU23代表監督を支えながら、U19代表の監督代行を務めることになっています。U19代表は8月5日から18日までベトナムで行われるAFF U19選手権には連覇がかかり、11月5日から18日までカンボジアで行われるAFCU19選手権予選が控えている一方、U23代表は12月にフィリピンで行われる東南アジア競技大会(オリンピックの東南アジア版)に参加します。これらの大会で好成績を残せない場合、ホダック監督を「解任」したFAMに対するファンの信頼が失われる可能性があります。