11月1日のニュース:フェルダUとUKM FCは来季のMリーグ出場不可をFAMが発表、ケランタンFCの新ロゴ発表、パハンFAも新ロゴの最終候補6作品を公開しサポーターに投票を求める

フェルダUとUKM FCは来季のMリーグ出場不可をFAMが発表
 マレーシアサッカー協会FAMは、Mリーグ1部のフェルダ・ユナイテッドFCと同2部のUKM FCの民営化が期限までに承認できなかったとして、来季のMリーグ1部および2部への参加が不可能となったことを公式サイト上で発表しています。
 FAMは10月5日にフェルダ・ユナイテッドFCとUKM FCを含むMリーグ1部と2部の全21クラブの民営化が完了したことを発表していましたが、その後、フェルダ・ユナイテッドFCとUKM FCについては来季の企業スポンサーや運営資金に関して新たな問題が発覚したことから、FAMは両クラブの新たな経営陣から詳しい説明と更なる書類の提出を求めていました。
 フェルダ・ユナイテッドFCについては、民営化自体は完了し、FAMはそれを承認したものの、その後にクラブを運営し、スポンサーでもある連邦土地開発庁FELDA(フェルダ)が来季2021年シーズンには参加しないという発表をメディア向けに行いました。これを受けて、フェルダ・ユナイテッドFCの新たな運営会社として設立されたファイターズ社は、連邦土地開発庁に代わって獲得した新たなスポンサーとその投資内容、さらにクラブの来季の運営計画をFAMに提出していましたが、FAMはこれらを精査した結果、来季のクラブ運営には不十分であると判断したということです。
 またUKM FCについては、今季、クラブを運営したマレーシア国立大学UKMから、来季はUKM FCに関する運営及び選手や監督、コーチの雇用について責任を負わないことがFAMに伝えられていたということです。UKM FCも新たな運営会社ヴァーシティーボーイズ社を設立した上で新たなスポンサーを獲得し、FAMにその投資内容とクラブの来季の運営計画を提出していましたが、UKM FCについても提出された計画では来季のクラブ運営には不十分と判断されました。
 FAMは、スポンサーを失った両クラブに対し、所属する選手や監督、コーチの生活が保証されるように新たなスポンサーを獲得する機会を与えたとする一方で、両クラブが示した財務状況では来季の途中で給料未払いといった問題が発生する可能性があり、そういったクラブがMリーグに参加することは承認できないことが決定の理由であるとしています。
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 この決定により、このままだと来季のMリーグは1部12クラブのままですが、1部から2部に降格するフェルダ・ユナイテッドFCと来季も2部でプレーする予定だったUKM FCの両クラブがリーグ参加不可となり2部は合計10クラブという編成になります。しかもその内の4クラブが1部所属クラブのセカンドチームという構成です。今季は3部リーグ以下は新型コロナウィルス感染拡大の影響で中止となっており、3部からの昇格させるクラブもありません。
 なお、別報道ではこの両クラブの運営会社の内、ファイターズ社は既にFAMに対して再検討を求めたということで、ヴァーシティーボーイズ社も同様の内容を書面でFAMに送るとしており、まだ決着と言うわけではなさそうです。

ケランタンFCの新ロゴ発表
 上の記事でも取り上げたように来季からMリーグの各クラブは民営化されますが、Mリーグ2部のケランタンFC(今季はケランタンFA)は、来季から採用される新たなロゴを公式Facebook上で発表しています。
 ケランタンFCのノリザム・トゥキマン オーナーは、このロゴについてクラブの公募で決まったロゴは、クラブが目指す大志と果たすべき目的を表していると話しています。
 数百の応募の中からノリザムオーナー自身が選んだロゴが発表された当初は、盗作疑惑も含めネット上で様々な批判が出ていましたが、当初のロゴはあくまでも案であるとして、いくつかの修正が加えられたものが正式なロゴとして発表されています。
 ロゴの上の2つの星はサポーターとクラブの強い結束を表し、外側の金色の輪はケランタンFCの価値の高さを、11本のラインはケランタン州内の11の地区を、中央にある厳格で獰猛な表情をした鹿のロゴは、経営陣とチームが常勝クラブを作るという目的に献身的に取り組むことを、そしてロゴ全体に使われている赤色は試合の最後まで全力で戦う勇気を示しているということです。

パハンFAも新ロゴの最終候補6作品を公開しサポーターに投票を求める
 Mリーグ1部のスリパハンFC(今季はパハンFA)を運営するパハン州サッカー協会も公式サイトで来季のチームロゴの最終候補6作品を公開し、サポーターによる投票を求めています。
 10月4日から10日の期間で応募者はパハン州出身者あるいは現在州内に居住している者という条件で行われたコンテストには全部で563の応募があり、その中から選考委員会が厳選した6候補はパハン州愛に溢れたものになっているということです。(ロゴのいくつかが採用している交わった剣はパハン州の紋章で、青色と黄色は現在のパハン州サッカー協会のロゴの色でもあります。また像のモチーフはクラブの愛称”Tok Gajah”-Gajahはマレーシア語で「象」を表しています。)
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 このコンテストで興味深いのは、候補の中のいくつかにはロゴと同時にクラブの名称も書かれていることです。パハン州サッカー協会は既に来季のクラブの名称をスリパハンFCとすることを発表していますが、候補の中には「パハンFC」や「マコタパハンFC」(マコタはマレーシア語で「王冠」の意味)などが書かれており、この記事を執筆している時点で1761票(総投票数の51%)と最も得票数が多い上段中央のロゴは「パハンFC」、次点の1416票(同41%)を集めている上段左のロゴは「マコタパハンFC」となっていることから、パハン州サッカー協会は、スリパハンFCという名には固執していないのかもしれません。

10月31日のニュース:スマレはパハン州FAの処分に当惑、クアラルンプールFAの来季監督候補にAFCカップ優勝監督の名が挙がる、(速報)タイ1部リーグ-スマレがついにデビューもチームは惨敗

スマレはパハン州FAの処分に当惑
 Mリーグ1部のパハンFAを運営するパハン州サッカー協会(パハン州FA)は、今季途中にチームを離脱するなどの契約違反を理由にモハマドゥ・スマレに対し2年間のサッカー活動禁止処分を科すことを発表しましたが、これについてスマレ選手自身は当惑しているようです。
 マレーシア語紙ハリアンメトロ電子版によると、パハン州FAの処分についてスマレ選手は自身とパハン州FAとの契約は既に破棄されており、パハン州FAが支配下選手でもない自分に果たして処分を科すこと自体が可能なのかどうかと疑問を持っていると話しています。
 「FIFAやマレーシアサッカー協会FAMによる処分であれば理解できるが、州サッカー協会が選手のサッカー活動を禁止する処分を下した話は今までに聞いたことがない。」
 給料未払い問題を理由に契約を破棄した上でクラブを離れたとしているスマレ選手は、今回の処分の内容についてはメディアを通じて知ったもので、パハン州FAから正式な通知を受け取るまではさらなるコメントを控えたいとしています。
 今回の処分が言い渡されたパハンFAの規律委員会への出席を求める通知を受け取っていたことは認めたスマレ選手は、自分はタイにいることをパハン州FAは知っていながら、委員会への出席を求められたことも理解できないとし、通知は弁護士に渡して弁護士と連絡を取り合うようパハン州FAに伝えたと話しています。
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 今回のパハン州FAによる処分はパハン州FAが管轄する区域、つまりパハン州内でのみ効力を有するという報道もあり、そうなればスマレ選手が州内リーグでもプレーしようとしない限り何の問題にもならないとも言われています。スマレ選手は既にこの問題をFIFAに持ち込んでいることから、FAMもFIFAによる調査の結果を待つことを表明しており、この問題の解決は長期戦となりそうです。

クアラルンプールFAの来季監督候補にAFCカップ優勝監督の名が挙がる
 来季はMリーグ1部に昇格するクアラルンプールFAの監督候補に元クダFA監督のラモン・マルコート氏が上がっていることをこのブログでも取り上げましたが、スポーツ専門サイトのスタジアムアストロによると、この他にも有力候補がいるようです。
 候補に上がっているのは昨季2019年のAFCカップ優勝監督でレバノン出身のバッセム・マーマー氏で、マーマー氏はアル・アヘドFC(レバノン)を率いて、4.25体育団(北朝鮮)を破り、レバノンのクラブとして初めてAFCカップで優勝しています。
 43歳のマーマー氏は今季はクウェート1部リーグのアル・アラビSCと契約したものの、リーグ戦2試合を終え1分1敗となった時点で解任されています。
 クアラルンプールサッカー協会のカリド・アブドル・サマド会長は「監督がどの国出身かは重要ではないが、できればアジア出身が好ましい。ヨーロッパから監督を招聘しても我々の文化に合わない可能性があるので、これは給料以外にも考慮が必要な点である」と話しています。
 今季2部で3位となり、来季は1部に昇格するクアラルンプールFAは、今季、2部で指揮を取ったニザム・アズハ・ユソフ監督が1部クラブで監督を務めるのに必要なAFCプロフェッショナルコーチングディプロマ(AFCプロディプロマ)を保持していないことから、新たな監督を獲得する必要があります。
 ニザム現監督は外部からの監督招聘について、クアラルンプールサッカー協会にマレーシア人監督を招聘することを希望すると話し、前トレンガヌFCのイルファン・バクティ・アブ・サリム氏や、ペラTBGのセカンドチームのペラIIのアブ・バカル・ファジム監督らの名前を挙げて

(速報)タイ1部リーグ-スマレがついにデビューもチームは惨敗
 タイ1部リーグ第11節の1試合が行われ、マレーシア代表のドミニク・タンとモハマドゥ・スマレが所属するポリス・テロFCは、アウェイでスパンブリーFCと対戦し0-5で敗れています。
 この試合では、タン選手が第7節以来4試合ぶりに先発出場しましたが、45分に昨季はMリーグのマラッカ・ユナイテッドFCでプレーしたフィリピン出身のパトリック・ライヒェルトに先制ゴールを決められ、ポリス・テロFCは0-1をリードを許しました。
 その後は48分、63分、64分と立て続けにゴールを決められると、72分にはついにスマレ選手がDFサンチャイ・ノンタシラに代わって投入され、タイ1部リーグデビューを果たしています。
 試合はその後もスパンブリーFCが1点を追加し、ポリス・テロFCは5失点と守備陣が崩壊して敗れています。タン選手はフル出場、スマレ選手も試合終了まで出場しています。

10月30日のニュース:Mリーグの複数クラブでライセンス申請に遅れ-来季は3部降格も、マレーシアカップにサバFAは出場できず、今季終了後の1部2部間の昇格と降格は通常通り実施

Mリーグの複数クラブでライセンス申請に遅れ-来季は3部降格も
 マレーシア サッカー協会FAMは、来季2021年シーズンのMリーグに参加するためのクラブライセンス申請書類の提出期限を今月10月31日と定めていますが、それが完了していないクラブが3つあるようです。
 Mリーグ1部のパハンFAと2部の今季優勝チームであるペナンFA、そして同じく2部のUKM FCがその3クラブで、この内UKM FCは申請書類を全く提出していないと、スポーツ専門サイトのスタジアムアストロが報じています。
 なお、この3クラブの他、提出された書類に不備があるとされていたクチンFA、マラッカ・ユナイテッドFC、ケランタンFCは数日前に申請書類を全て提出済みであるということです。
 「外部から取り寄せる書類については、活動制限令MCOなども考慮し、提出期限を来年までとしてあるが、クラブ運営者自身が用意できる書類については、期限延長は認めない。規模の大きなクラブは必要書類も多いため、迅速に対応して期限を守ってもらいたい。」と話すFAMのスチュアート・ラマリンガム事務局長は、来季のクラブライセンスを発給されないクラブはMリーグ1部あるいは2部でプレーすることは認められないとしており、申請書類の提出が完了していないクラブは3部降格となる可能性があります。

マレーシアカップにサバFAは出場できず
 マレーシアカップを主催するマレーシアフットボールリーグMFLは公式Facebook上で、サバFAが来月11月6日に開幕するマレーシアカップには出場しないことを発表しています。
 サバFAの本拠地があるサバ州は、マレーシア国内全体の新型コロナウィルス新規感染者数の半分以上を記録するなど感染拡大が続いており、州境を超えた移動などを禁じる活動制限令が11月9日までの期限で全州に施行されています。またボルネオ島からマレー半島へ渡航する場合には14日間の隔離期間を取ることが義務付けられています。
 MFLは現在、サバ州内にいるサバFAがマレー半島へ移動してマレーシアカップへ出場できるよう、国家安全保障委員会NSCなどに特例措置を求めてきたということですが、それが認められなかったことから、10月28日に開かれたMFLの取締役会でサバFAのマレーシアカップ不出場が決定されたことが発表されています。
 このため11月1日に予定されているマレーシアカップの組み合わせ抽選でサバFAとの対戦が組まれたチームは、1回戦は不戦勝となります。
 またMリーグ最終節第11節のサバFAのホームゲームとして予定されていたサバFA対UITM FC戦も、やはり新型コロナウィルスの影響で順延となっており、こちらは10月31日にマラッカ州ハンジェバスタジアムでの開催が発表されていましたが、この試合も中止となり、記録上は3-0 でUTIM FCの勝利となるということです。なお、この結果、Mリーグ1部の最終順位は以下のように決定しました。

マレーシア1部スーパーリーグ2020年シーズン最終順位表

順位クラブ試合得点失点得失差勝点
1JDT119203382526
2クダFA117132013722
3トレンガヌFC1161424141019
4ペラTBG115332119218
5スランゴールFC114522619717
6UITM FC115241715217
7PJシティFC113531716114
8パハンFA114251818014
9マラッカU113251316-3*11
10サバFA112361224-129
11フェルダU111461227-157
12PDRM FC11029529-24*-1
1位のJDTはAFCチャンピオンズリーグ本戦に出場、2位のクダFAはAFCカップ本戦に出場します。
11位のフェルダ・ユナイテッドFCと12位のPDRM FCは、来季の2部降格が決まっています。
*9位のマラッカUと12位のPDRM FCはそれぞれ、給料未払い問題により勝点3が剥奪されています。

今季終了後の1部2部間の昇格と降格は通常通り実施
 またMFLは同じ公式Facebook上で、首都圏に出されている活動制限令を遵守しつつ、マレーシアカップは予定通り開催すること、そして今季終了後の1部リーグからの降格と2部リーグからの昇格については、例年同様に行うことも発表しています。
 MFLのアブドル・ガニ・ハサンCEOは、マレーシアカップは11月1日組み合わせ抽選、11月8日開幕の日程に変更はないとし、活動制限令が出ている首都圏に本拠地を持つスランゴールFC、UITM FC、PJシティFC、クアラルンプールFAの各クラブについては、首都圏の外での試合会場の確保をMFLが行うとしています。
 またMリーグ1部のPDRM FCなど複数のクラブから出されていた、新型コロナウィルスによる変則日程を理由とした今季の降格見送りの提案と来季の1部リーグ14クラブ化を受け入れず、当初の予定通り、1部の11位と12位のクラブは2部へ降格、2部の1位と2位のクラブ(但し1部クラブのセカンドチームは除く)の昇格を行うとしています。この結果、1部からはMリーグ撤退を表明した11位のフェルダ・ユナイテッドFCと12位のPRDRM FCが降格、2部からは1位のペナンFAと3位のクアラルンプールFAが来季は1部に昇格します。
 また2部と3部の間の昇格と降格については、今季、3部のM3リーグがやはり新型コロナウィルスの影響で6月8日に中止となったことから、昇格、降格のいずれも見送りとなったことも発表しています。


 
 
 

10月29日のニュース:クダ・ダルルアマンFCのスポンサー候補が州FAに対して疑念、FAMはスマレとパハン州FA間の争議を静観する構え、Mリーグ新規加盟クラブはフェルダUの選手を獲得すべき

本日10月29日はイスラム教の開祖ムハンマドの誕生日でマレーシア国民の祝日です。

クダ・ダルルアマンFCのスポンサー候補が州FAに対して疑念
 マレーシアサッカー 協会FAMの指導により来季からMリーグ各クラブが民営化される中、クダ州民生活協同組合KAKBは、クダ州サッカー協会(クダ州FA)の手を離れて民営化されるクダFA(民営化後はクダ・ダルルアマンFC、KDA FC)のスポンサー候補に名乗りをあげていました。
 しかし一時は辞職願を提出しながら結局、それを撤回したクダ州FAのムハマド・サヌシ・ムハマド・ノー会長の一連の行動により、KAKBはスポンサーとなるかどうを再検討し始めたとスポーツ専門サイトのスタジアムアストロが報じています。
 このブログでも既報の通り、クダ州首相でもあるムハマド・サヌシクダ州FA会長は、ダルルアマンFCの株式はMBI社が80%、クダ州FAが20%を購入し、MBI社分についてはコンソーシアムを形成して外部から共同参画スポンサーを招き入れることを発表しています。なお、MBI社はクダ州政府が全面出資する州政府系企業です。
 KAKBは来季のKDA FCの運営会社であるダルルアマンFC社の株式51%取得に向けて、1500万リンギ(およそ3億7500万円)を用意し、来季のスポンサーとなることを目指していました。今回のクダ州FA会長の発言についてKAKBのアドバイザーを務めるシャイズワン・カマルザマン氏は以下のように述べています。
 「MBI社のトップはクダ州首相で、そのクダ州首相はクダ州FAの会長である。FAMが求めているクラブの民営化とは本来、州の公金を財源とする州FAからクラブ運営会社へ経営権が譲渡されることを指すが、これでは州FAから州政府系企業への経営権の移行に過ぎない。」と批判しています。
 「これでは『民営化』が実際に行われているようには思えず、従って経営権がクラブ運営会社に完全に移行することは期待できない。」と話しています。
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 クダ州FAで起こっていることは、既得権を手放したくない政治家と、自力では運営資金を集められないため政治家の口利きが必要な連盟の出来レースのように見えます。今季は選手への給料未払い問題を起こしたクダ州FAは、新たに2年契約を結んだアイディル監督が現存選手の大半が来季も残ると話していることから、来季も今季と変わらない運営費用がかかることが予想されます。もし外部から十分なスポンサーを確保できなければ、また選手に負担を強いることになるのでしょうか。

FAMはスマレとパハン州FA間の争議を静観する構え
 昨日のこのブログでは、パハン州サッカー協会(パハン州FA)が契約違反を理由にムハマドゥ・スマレに対して2年間のあらゆるサッカー活動を禁じる懲戒処分を発表したことを取り上げましたが、これについてマレーシアサッカー協会FAMは静観するつもりのようです。
  マレーシア語紙ブリタハリアン電子版によれば、FAMのスチュアート・ラマリンガム事務局長は、両者の争議は既にFIFAの審査対象となっていることから、FAMとしてはこの件についてはコメントを出す予定はなく、FIFAの判断を仰ぐつもりであると話しています。
 スマレ選手はFAMの紛争解決委員会ではなく、FIFAの紛争解決室に直接、この問題を持ち込んだこともパハン州FAによる処分の理由の一つとされています。なお、給料未払いなどの問題について、マレーシア人選手はFAMの紛争解決委員会へ、外国籍選手は直接、FIFAの紛争解決室へ申し立てることができますが、ガンビア出身ながらマレーシア国籍を取得しているスマレ選手はFAMの紛争解決室に申し立てを行うべきにも関わらず、そうしなかったことが処分理由となっています。
 この他、スチュアート事務局長は、パハン州FAからスマレ選手に対する処分内容については正式な通知を受け取っていると話しています。

Mリーグ新規加盟クラブはフェルダUの選手を獲得すべき
 Mリーグ撤退を表明したMリーグ1部のフェルダ・ユナイテッドFC。その旧運営会社社員が設立したファイターズ社は、来季Mリーグ参入を目指すクラブの運営会社ですがフェルダ・ユナイテッドFCのモハマド・ニザム・ジャミル監督はこのファイターズ社に対して、フェルダ・ユナイテッドFCの選手を採用するように働きかけているということです。
 マレーシア語紙シナルハリアン電子版はニザム監督の話として、新規加盟クラブがMリーグでプレー経験のある選手を獲得したいのであれば、フェルダ・ユナイテッドFCの選手を獲得するのが最善の方法だとしています。
 「新規加盟クラブがフェルダ・ユナイテッドFCの選手を獲得する予定があるかどうかは承知していないが、もしそのクラブをゼロから作り上げようとしているのならば、強いチームを作ることは非常に困難だろう。しかし、もしフェルダ・ユナイテッドFCの選手を核にし、足りない部分を補強するのであれば、チーム作りの困難さは軽減される。ただし、新規加盟クラブの経営陣やオーナーが、すべての選手を自らで集めてくるつもりなのであれば、自分にできることはない。」とニザム監督は述べています。
 また、ニザム監督は、フェルダ・ユナイテッドのFC選手も監督、コーチもファイターズ社からはこれまでは何の接触もないことも明かしています。

The Fighters’ representative who is also the former Secretary General of Felda United, Afizal Abu Othman in the Sinar Harian report yesterday also could not give confirmation on the fate of Felda United players whether they will be absorbed in the new team later.”Of course we are disappointed after knowing that Felda United will not play again next season. However, after a month we can accept it and there are players who are already thinking about future plans.”For myself, I am not angry because this is football. This kind of thing is normal and it is the right of management if they do not want to play in league competition again. We have to accept it, ”he explained.We’d like to notify you about the latest updatesYou can unsubscribe from notifications anytimePowered by iZooto

10月28日のニュース:スランゴールFCはトップチームの5名と契約解除、パハン州FAはスマレに対する2年間の活動停止処分を発表、未消化のMリーグ最終戦2試合はいずれもマラッカで開催が決定

スランゴールFCはトップチームの5名と契約解除
 今季2020年シーズンの国内サッカーはマレーシアカップを残すのみとなりました。Mリーグ1部の11位までのチームと2部の上位5チーム(ただし、1部リーグにトップチームが出場しているセカンドチームは除く)の計16チームが出場する大会に出場するクラブはその準備に余念がないと思いますが、その中の一つであるスランゴールFCは、マレーシアカップ前に複数の選手と契約を解除し、2部リーグのセカンドチーム、スランゴール2から複数の若手を昇格させてマレーシアカップに臨むようです。
 英字紙ニューストレイトタイムズ電子版によると、スランゴールFCのトップチームから契約を解除されたのは、ニック・スウィラッド(29)、ファリザル・ハルン(33)、キリル・ムヒミーン(33)、アンワル・イブラヒム(21)、そしてザーリル・アズリ・ザブリ(21)の5選手です。この5選手は契約期間満了となる来月11月分の給料も支払われており、クラブの練習施設の使用許可は与えられているものの、既にチーム練習への参加はしていないということです。
 この5選手の契約解除は、スランゴール2から昇格するコソボ共和国出身のバジラム・ネビヒ(32)、クエンティン・チェン(20)、ダニアル・アスリ(19)、アキル・ファドリ(21)、シャルル・ナジーム(21)がマレーシアカップに出場するための登録枠確保が理由とされています。
 しかし、ここでこの記事を書いたファラ・アズハリ記者は、マイケル・ファイヒテンバイナー監督代行に尋ねました。「いずれも元U19代表のアンワル・イブラヒムとザーリル・アズリ・ザブリはなぜ、契約解除なのか。」
 ファイヒテンバイナー監督代行は「その件に関してはコメントしない。私は現在チームに所属する選手とマレーシアカップに集中したいからだ。」と答えたようですが、ファラ・アズハリ記者がこの質問をしたのには理由があります。それはともにアンワル選手とザーリル選手は、サティアナタン・バースカラン監督が直々に契約したからという理由で解雇されたのではないかという噂があるからです。そしてファイヒテンバイナー監督代行は先月9月のシーズン途中に解雇されたサティアナタン監督に代わり、クラブのテクニカルディレクターから監督代行に就任しています。
 またスランゴールFCを運営するスランゴール州サッカー協会は「選手の解雇は世界中どこでもデリケートな問題である。これもサッカービジネスの一部であり、個々のケースについてコメントはしない。」というコメントを発表しています。

パハン州FAはスマレに対する2年間の活動停止処分を発表
 パハン州サッカー協会(パハン州FA)は、元所属選手のモハマドゥ・スマレに対し、契約違反を犯したとして2年間のあらゆるサッカー活動の禁止処分を発表しています。
 マレーシア語紙ブリタハリアン電子版によると、パハン州FAの規律委員会は、現在はタイ1部リーグのポリス・テロFCと契約しているモハマドゥ・スマレに対して懲罰対象となる4件の規律違反があったとし、あらゆるサッカー活動に関わることを2年間禁止するとしています。
 スマレ選手不在のまま開催された規律委員会で、リザル・チェク・ハシム委員長は以下の4件の規律違反を発表しています。
1. パハン州FAに無断でメディアに対して発言を行ったこと。
2. 給料未払い問題についての紛争を、マレーシアサッカー 協会FAMの紛争解決部ヘノ事前通告なしにFIFAへ直接、訴え出たこと。
3. 契約期間中にも関わらず、今年8月3日から8月28日までの練習を無断で欠席したこと。
4. 契約期間中にも関わらず、今年8月28日のMリーグ公式戦のJDT戦に参加しなかったこと。
 なおこの4件についてそれぞれに2年間のあらゆるサッカー活動禁止処分が課されるということですが、4件の処分は同時に執行されるとして計2年間の処分が言い渡されています。
 決定した処分内容はFAMへ通知され、そこから関係各所へ伝達されるということです。
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 パハン州FAによる給料未払いが今年以前からあったことを理由として、パハン州FAが運営するチームを離脱したことをメディアに向けて述べたスマレ選手に対し、パハン州FAは2年間という厳しい処分を下しています。しかし、ここで注目されるのはこの処分の正当性で、パハン州FAからこの処分を通知されたFAMがどのような対応をするのかに関心が集まりそうです。
 これまでも経営が厳しい噂が出ていたパハン州FAが、振り上げた拳の行き場に困って下した処分でないことを祈りたいです。

未消化のMリーグ最終戦2試合はいずれもマラッカで開催が決定
 Mリーグを運営するマレーシアフットボールリーグMFLは公式Facebook上で、順延となっていたMリーグ1部と2部の最終節第11節の2試合をいずれもマラッカ・ユナイテッドFCの本拠地であるハンジェバスタジアムで開催することを発表しています。
 順延となっていたのは1部のサバFA対UITM FC戦と2部のクアラルンプールFA対クチンFA戦の2試合で、試合はいずれも10月31日でクアラルンプールFA対クチンFA戦が午後5時開始、サバFA対UITM FC戦は午後9時開始と発表されています。
 昨日10月27日までスランゴール州、クアラルンプールそしてプトラジャの首都圏には条件付き活動制限令CMCOが施行されていましたが、マレーシア政府はこれをさらに2週間延長することを発表したため、UITM FCの本拠地でスランゴール州シャーアラムにあるUITMスタジアムと、クアラルンプールFAの本拠地のクアラルンプールフットボールスタジアムでの試合開催について危ぶまれていました。
 CMCO施行下でのスポーツの試合は延期が求められていたことから、CMCO施行地域外にあるマラッカでの開催となったようです。
 いずれの試合も新型コロナウィルスの感染拡大の影響により、当初の予定から既に一度、日程と試合会場は変更されており、これが2度目の変更となりました。




 

10月25日のニュース:U19代表のルクマンがついにベルギ−1部リーグ公式戦デビュー、来季の1部リーグコーチのライセンス特例続報、クアラルンプールFA新監督候補者としてマルコート氏が浮上

U19代表のルクマンがついにベルギ−1部リーグ公式戦デビュー
 U19代表のエース、ルクマン・ハキム・シャムスディンがついにベルギー1部リーグでの公式戦デビューを果たしました。
 ベルギー1部リーグのKVコルトレイクへ移籍した18歳のルクマン選手は、マレーシア時間の10月24日の早朝にホームのグルデンスポーレン・スタディオンで開催されたリーグ第10節のRSCアンデルレヒト戦に74分から出場し、マレーシア出身選手として初めてベルギー1部リーグデビューを果たしています。
 0-3と劣勢の場面でセルビア出身のDFペタル・ゴルボヴィッチと交代で出場したルクマン選手は右サイドのポジションに入り、わずか16分ほどしかプレーしませんでしたが、87分には敵陣ゴールライン付近からペナルティーエリアに走り込んできたMFジュリアン・デ・サールへパスを送ると、相手DFがデ・サール選手を倒してしまい、KVコルトレイクはPKを獲得しました。これをFWイロンベ・ムボヨが決めて、試合は1-3都なりましたが、このままのスコアで終了し、KVコルトレイクは敗れています。
 KVコルトレイクは、10試合を終了して4勝2分4敗、得点12失点13でリーグ暫定順位を9位としています。
 マレーシア人ビジネスマンのヴィンセント・タン氏がオーナーのKVコルトレイクと5年契約を結んだルクマン選手は、今年8月にチームに合流し、先週はKVコルトレイクのU21チームの試合に出場し、ゴールを決めていました。 

来季の1部リーグコーチのライセンス特例続報
 来季Mリーグ2部から1部に昇格するペナンFAのマンズール・アズウィラ監督とクアラルンプールFAのニザム・アズハ・ユソフ監督は、FAMがMリーグ1部クラブの監督に求めるアジアサッカー連盟AFCプロフェッショナルコーチングディプロマ(AFCプロディプロマ)を保持していません。しかし新型コロナウィルス感染拡大による特例措置として、来季に限りAFCプロディプロマなしでの指導が認められる可能性があることを、先日のこのブログで取り上げました。
 この件についてスポール専門サイトのスタジアムアストロは続報として、AFCは「資格のある」コーチに限り、Mリーグ1部での指導を認める特例を適応するということのようです。
 この特例についてAFCと相談中と話すマレーシアサッカー協会FAMのスチュアート・ラマリンガム事務局長によると、この特例措置はAFCプロディプロマを持たない指導者のうち、国内トップリーグのクラブを指導するに値する資格を持つとAFCが判断した指導者にのみ適応されるということです。その判断の基準の一つとして指導期間の長さなどが上がっているということです。
 スタジアムアストロはAFCのウインザー・ジョン事務局長にも確認を取ったということで、この特例対象者はFAMではなくAFCによって決定されるということです。

クアラルンプールFA新監督候補者としてマルコート氏が浮上
 上の記事と関連して、スタジアムアストロではクアラルンプールFAの監督候補者を取り上げています。
 スペイン出身のラモン・マルコート氏がその一人、スタジアムアストロのインタビューに対して、マレーシア人コーチと自らの経験や知識を共有したいと話しています。
 クアラルンプールFAを運営するクアラルンプールサッカー協会は、上の記事で取り上げたように今季の指揮を取るのニザム・アズハ・ユソフ監督がMリーグ1部昇格となる来季も続けて指揮を取る為に必要なAFCプロディプロマを保持していないことから、Mリーグ1部のクダFAでの監督経験がある43歳のマルコート氏を、来季の監督候補の一人としているとされています。
 スタジアムアストロのインタビューに対してマルコート氏は、クアラルンプールサッカー協会からの正式なオファーは受けていないと話す一方で、もしそういったものがあれば話を聞くつもりがあるとしています。
 なおマルコート氏は、2017年シーズンから2018年シーズンにかけて、クダFAがニザム・アズハ・ユソフ監督だった際にはコーチを務め、その後はニザム監督と交代で監督を務めた経験もあります。
 さらにマルコート氏は、外国人指導者が成功するためには、其の国の状況を理解し、現地の指導者と協力して指導することが重要だと話し、ニザム現クアラルンプールFA監督とは当時は関係が良好であり、また今後ともに指導することには何も問題がないと話しています。

10月24日のニュース:来季のMリーグ1部クラブの監督には保持ライセンスの特例適用か、タイメディアがスマレの給料を暴露、フェルダUの新たなオーナーの名前が浮上

来季のMリーグ1部クラブの監督には保持ライセンスの特例適用か
 マレーシアサッカー協会FAMはMリーグ1部の監督就任の条件としてアジアサッカー連盟AFCプロフェッショナルコーチングディプロマ(AFCプロディプロマ)または同等のライセンス保持を求めています。
 AFCからの指示で今季2020年シーズンから適用されたこの条件により、昨季のMリーグ2部で優勝し、1部に昇格したサバFAのジュリアス・アティン監督(当時)はAFCプロディプロマを保持していなかったため、優勝監督ながらコーチに降格し、外部からクルニアワン・ドゥイ・ユリアント現監督を招聘したという経緯があります。
 今季Mリーグ2部で優勝し来季の1部昇格を勝ち取ったペナンFAのマンズール・アズウィラ監督、そして同じく1部昇格を決めているクアラルンプールFAのニザム・アズハ・ユソフ監督はいずれもこのAFCプロディプロマを保持していないため、来季は両クラブとも新監督が指揮を取ることが予想されていましたが、新型コロナウィルス感染拡大の影響を受けて、マンズール監督とニザム・アズハ監督が1部でも指揮を取ることができる特例適用の可能性が報じられています。
 スポーツ専門サイトのアストロアリーナは、FAMが決定権を持つAFCとは現在も協議中であり、最終決定ではないとしながらも、新型コロナウィルスによる影響をもとにAFCが特例を認める可能性があるとしています。
 FAMのスチュアート・ラマリンガム事務局長はこれについて「新型コロナウィルスによって、昨季(のサバFA昇格時)とは大きく異なっており、AFCはマレーシア国内の状況を考慮した上で、AFC主催大会に出場しないペナンFAとクアラルンプールFAに特例を認める可能性がある。」と話し、その理由として以下のような説明をしています。
 「Mリーグの監督、コーチが今年3月に参加を予定していたコーチングライセンス一次コースの最終モジュール(履修単位)は新型コロナウィルスの影響に延期されたままであり、最終モジュールの履修が終わっていないため、来年開催予定の二次コースも開催時期は未定である。」
 なおMリーグ1部の監督に保持が義務付けられているAFCプロディプロマは、2022年シーズン以降ははMリーグ2部の監督にもその保持が義務付けられことになっています。
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 この記事ではAFCプロディプロマの取得費用として6万6000リンギ(およそ167万円)がかかるとも書かれており、これが高いのか安いのかはわかりませんが、マレーシアサッカー協会FAMはAFCのAライセンスのコースまでしか開催できないようです。このためAFCプロディプロマ取得に関してはそのコース開催資格を持つ日本、中国、オーストラリア、カタールのいずれのサッカー協会で研修を受ける形になるようです。そう言えば、昨年のちょうど今頃、FAMが日本サッカー協会JFAによる研修に指導者を派遣していました。

タイメディアがスマレの給料を暴露
 タイ1部リーグのポリス・テロFCに移籍したムハマドゥ・スマレの月給は27万5000バーツ(およそ92万円)であることが明らかにされています。
 マレーシア語紙ブリタハリアンはタイメディアのサイアムスポートの記事を引用し、この金額はタイ1部リーグの外国籍選手としては最低レベルであること、そしてこの金額で契約したポリス・テロFCがラッキーだったと報じているとしています。
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 JDTのキャプテン、ハリス・ハルンは月給3万シンガポールドル超(およそ231万円)と報じられていますので、スマレ選手が代表の主力選手ということを考えると、マレーシア国内でも92万円は決して高額ではなさそうです。なおタイ1部リーグの外国籍選手の月給の相場というものが分かりませんが、この記事を書くために調べた際に、タイ代表DFタナブーン・ケサラットが昨年、ムアントン・ユナイテッドからチェンライ・ユナイテッドへ移籍した際に月給70万バーツ(およそ234万円)という記事を見つけました。

フェルダUの新たなオーナーが判明か
 マレーシア語紙ブリタハリアン電子版は、Mリーグの撤退を発表したフェルダ・ユナイテッドFCの新たなオーナーが判明したと報じています。
 記事の中で新たなオーナーとされているのはタナムラユキャピタル社TMCB社で、このTMCB社が、フェルダ・ユナイテッドFCの旧運営会社社員が設立した新たなクラブの運営会社ファイターズ社の主要株主となるようだと報道されています。
 記事によれば、TMCB社はファイターズ社がマレーシアサッカー協会FAMに提出した書類の審査後、認可が得られた段階で正式な発表を行う予定のようです。
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 TMCB社は今季フェルダ・ユナイテッドFCの今季のユニフォームの胸スポンサーの1社で、これまでもフェルダ・ユナイテッドFCとは無関係ではなかったようです。なお2015年創設のTMCB社は、同社の公式サイトを見る限りでは国外にも東南アジアや中国に支店を持つリース企業のようです。

10月23日のニュース:今度は国軍FCの元選手が給料未払いをFAMに告発、アイディル監督留任決定のクダFAは来季からクダ・ダルル・アマンFCに、UKM FCは給料以外に社会保障費他の納付金も未払いが発覚

今度は国軍FCの元選手が給料未払いを告発
 今季もMリーグの複数のクラブで明らかになった給料未払い問題ですが、今度は現在、M3リーグに所属する国軍FCの元選手が未払いとなっている給料についてマレーシアサッカー協会FAMに告発したようです。
 マレーシア語紙ブリタハリアン電子版によると、FAMのスチュアート・ラマリンガム事務局長はこの告発をもとに元選手と国軍FC経営陣との工廠の仲介を行うとしています。
 「FAMは元選手からの告発を受け取っており、給料未払い問題解決のために双方の話を聞き、国軍FCが元選手との間で同意した予定通りの未払い給料支払いが行われなかった理由を確認した上で、双方が納得する解決方法を模索したい。」とスチュアート事務局長は話しています。
 かつてはMリーグ1部に所属したこともある国軍FCですが、今回の給料未払い問題を告発した選手は身元を明かしてはいませんが、クラブの元主力でマレーシア代表でもプレー経験があるものの、現在は漁師をしているということです。
 この元選手の告発によれば、2015年から毎月分割で支払われていた未払い給料ですが、その支払いが今年の4月から滞っているということです。また、この選手の他にも3名の元選手が合計で28万リンギ(およそ707万円)の未払い給料の支払いを受けていないということです。
 なお、この国軍FCはFAMがMリーグ全クラブに義務付けた民営化をM3リーグ所属ながら申請し認可を受けていますが、国軍FCの民営化認可と来季の国内リーグ参加のためのクラブライセンスについて問われたスチュアート事務局長は、「国軍FCはM3リーグに所属しているため、Mリーグ1部や2部に参加する際に必要とされるクラブライセンスの申請が必要なく、またクラブの民営化とクラブライセンス申請は関係がない。」と答えています。
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 スチュアート事務局長のコメントを読む限りでは、M3リーグ以下のリーグでは参加するクラブにはクラブライセンスが必要ないということのようですが、それでも民営化を申請した国軍FCが未払い給料問題を抱えたいたことを知った上で民営化を認めたとすれば、クラブオーナーが変わることで責任の所在が不明確になり、その結果、給料未払い問題がうやむやにされてしまう危険性に対する認識が不十分な気がします。また、未払い給料問題を把握せずに民営化を認めたとすれば、FAMによる緩い審査とその節穴ぶりがまた露呈した形になります。

アイディル監督留任決定のクダFAは来季からクダ・ダルル・アマンFCに
 アイディル・シャリン・サハク監督は他のクラブとの交渉に断りを入れ、クダFAとの新たな2年契約に同意してことが報じられています。
 マレーシアの通信社ブルナマによれば、アイディル監督の決断は今季Mリーグで2位となり来季のAFCカップの出場権を獲得したことに加え、選手と監督、コーチとの関係が良好であること、またクラブの運営サイドが現状の改善に努力していることが理由であるとしています、また、かつて監督を務めたシンガポールリーグのホーム・ユナイテッド(現ライオンシティセーラーズFC)以来のAFCカップ出場に向けて、主力選手の90%がチームに残るだろうと話しているということです。
 この他、クダFAの来季からの新クラブ名がクダ・ダルル・アマンFCとなったことが発表されています。
 新クラブ名を発表したクダ州サッカー協会(クダ州FA)のムハマド・サヌシ・ムハマド・ノー会長は、このクダ・ダルル・アマンFCの運営会社ダルルアマンFC社の株式の80%をクダ州政府の政策投資会社であるMBI社が購入し、残る20%をクダ州FAが保有することも明らかにしています。またMBI社は購入したダルルアマンFC社の株式を共同事業体を設立して保有していく予定があり、現在、複数の企業と交渉中であることも発表しています。
 またクダ州首相でもあるムハマド・サヌシ会長は、クダ州でのサッカー協会会長という役職の重要性を理解したとして、クダ州FAに提出していた辞職願を取り下げたことも明らかにしています。なおムハマド・サヌシ会長はより適切な人材を会長とすべきとして今月10月15日に辞職願をクダ州FAに提出していましたが、クダ州FAはこの辞職願の受け取りを拒否していました。

UKM FCは給料以外に社会保障費他の納付金も未払いが発覚
 Mリーグ2部で今季は9位に終わったUKM FCは、所属する選手や監督、コーチに対して6月の給料は半額のみ、7月以降は全く給料を支払っていないと、ブリタハリアンが報じています。
 この7月以降の未払い給料に加えて、クラブが負担する従業員積立基金EPFや労災補償制度SOCSOなどの納付金については今年3月から支払われていないことも明らかになっています。
 この結果、UKM FCの選手の中にはプロサッカー選手にも関わらず、生活のためにアルバイトや配車サービスなどの仕事をせざるを得なくなった者もいるということです。
 クラブの運営側も未払い給料の支払い時期を明言しておらず、UKM FCの選手たちはマレーシアプロサッカー選手会PFAMに問題解決の助けを求め、PMAMはクラブ側に2週間の猶予を与え、問題可決を図るように求めたということです。

10月22日のニュース:JDTのフィゲロアTMが退団、JDTはジオゴの移籍と新外国籍選手の獲得も発表、フェルダUは名称を変更してMリーグ残留か、フェルダUの権利を引き継いだクラブのみがMリーグ参加可能-MFL

JDTのフィゲロア チームマネージャーが退団
 Mリーグ1部で7連覇を達成したジョホール・ダルル・タジムJDTで今季チームマネージャーを務めたルシアーノ・フィゲロア氏の退団がJDTの公式Facebookで報じられています。
 ビジャレアルCF(スペイン)やジェノアCFC(イタリア)などでもプレー経験がある元アルゼンチン代表のフィゲロア氏は2014年にギリシャリーグのパナシナイコスFCからJDTに移籍し、今季まで続くMリーグ1部7連覇の初年度、そして翌年2015年の連続優勝に貢献しただけでなく、東南アジアのクラブとしては初めて優勝を遂げたAFCカップ優勝にも貢献しています。フィゲロア氏は2015年シーズン後には引退し、2017年からはJDTの親善大使に就任しましたが、2018年シーズン開幕前に電撃現役復帰しMリーグ1部の試合に出場しましたが、このシーズン後に再び引退しています。その後、JDTのオーナーであるジョホール州皇太子トゥンク・イスマイル殿下からJDT監督に就任指名を受け、当時JDTのセカンドチーム監督だったベンヤミン・モラ現JDT監督をコーチとして采配を振るい、その後はモラ監督、フィゲロアチームマネージャーのコンビで2019年、2020年と連覇を達成しています。
 なおフィゲロア氏のJDTでの通算成績は71試合に出場し、43ゴールと14アシストとなっています。
 今回、家庭の事情で本国アルゼンチンへ帰国するということですが、JDTの公式Facebookにはオーナーのトゥンク・イスマイル殿下やクラブ、サポーターへの感謝の言葉と、それに応えるトゥンク・イスマイル殿下の言葉が掲載されています。
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 新型コロナウィルスによる今季リーグの中断期間中だった9月には、JDTのホーム、スルタン・イブラヒムスタジアムの一角が「フィゲロアスタンド」と命名されることが発表されるなど、選手として、そして引退後はマネージャーとしてクラブに対する貢献が高く評価されていたフィゲロア氏。今回退団するフィゲロア氏が入団した2014年から始まったリーグ7連覇は来年も続くのでしょうか。

JDTはジオゴの移籍と新外国籍選手の獲得も発表
 JDTの公式Facebookでは、フィゲロア氏の退団以外にも続々と新たな情報が公開されています。
 まずは11月19日から12月4日の予定でカタールで集中開催されるAFCチャンピオンズリーグに出場するJDTは、11月6日に開幕し同22日に決勝が予定されているマレーシアカップの優勝候補チームですが、両大会の日程が重なっていることからその対応が注目されていました。これについてはMリーグ2部でプレーするセカンドチームJDT IIの選手も含めたチーム編成となるようです。
 また、このブログでも取り上げたジオゴの移籍が正式に発表されています。なおタイへの移籍はマレーシアカップ終了後となると発表されています。なおジオゴに代わる外国籍選手としてカミーロ・ダ・シウヴァ・サンヴェッゾの獲得が発表されています。2010年シーズンには韓国1部リーグの慶南FCで短期間ながらプレー経験があり、今季はメキシコ1部リーグのマサトランFCでプレーしていたということです。
 この他、昨日のこのブログでJDT移籍の噂を取り上げた元フェルダ・ユナイテッドFCのダニエル・アミールの獲得も正式に発表された他、ベンヤミン・モラ監督とハリス・ハルン主将の残留も発表されています。
 移籍情報以外では、今季から使用している本拠地のスルタン・イブラヒムスタジアムのピッチ改修工事のため、マレーシアカップでは昨年まで使用したラーキンスタジアムことタン・スリ・ダト・ハジ・ハッサン・ユーヌススタジアムを使用すること、外国企業4社がチームとスタジアムのスポンサーに名乗りを上げていることなども発表されています。
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 発表内容を見れば見るほど、JDTは戦力面だけでなく、クラブの設備、運営の姿勢、高いプロ意識と他のMリーグクラブとはますますその差が開いていくようです。先日も来季に向けて契約更改を始めた記事を取り上げましたが、JDTと他のクラブとの差は実は戦力面での差以上に、クラブ運営トップの姿勢や意識の差が大きいようです。

フェルダ・ユナイテッドは名称を変更してMリーグ残留か
 マレーシア語紙ブリタハリアン電子版は、Mリーグ撤退が発表されたフェルダ・ユナイテッドFCの旧運営会社が新たなオーナーを既に獲得し、来季もMリーグ残留の可能性が高まっていることを報じています。
 フェルダ・ユナイテッドFCの旧運営会社のアフィザル・アブ・オスマン元事務局長は、新たな運営会社として立ち上げたThe Fighters社(ファイターズ社)を通じて、来季のMリーグ参加をFAMに申請中ということです。
 ファイターズ社の代表も務めるアフィザル氏は、新たなオーナーと来季のクラブ運営に関する経営計画をすでにマレーシアサッカー協会FAMに提出済みということで、現在はFAMによる認可を待っている状態だということです。
 「新たなオーナーやスポンサーについては、ファイターズ社が提出したクラブ民営化に関する経営計画をFAMが承認してから明らかにしたい。またFAMが承認した場合でもクラブの名称はフェルダ・ユナイテッドFCとはならないだろう。」とアフィザル氏は話しています。
 (旧運営会社から運営を引き継いだ)フェルダ連邦土地開発庁が運営から手を引区ことを表明したことから、今後はどこからクラブの運営資金が出るのかをFAMに説明したことを明らかにしたアフィザル氏は、ここ数日メディアで取り上げられているラヤット・ユナイテッド(Rakyat United)というクラブに名称が変更されるのではという問いには答えませんでした。
 また先日、プトラジャヤに新たなMリーグクラブの創設を明らかにしたアヌアル・ムサ連邦直轄地相との面会について問われたアフィザル氏は、アヌアル大臣がファイターズ社と協力して、新たなクラブがプトラジャヤを本拠地とすることが可能かどうかについて話し合ったことは明かしています。
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 フェルダ・ユナイテッドFCがラヤット・ユナイテッドとなるかどうかはわかりませんが、アヌアル大臣が明らかにした「プトラジャヤを本拠とするクラブ」の最有力候補となったことは、この記事から明らかなようです。

フェルダ・ユナイテッドの権利を引き継いだクラブのみがMリーグ参加可能-MFL
 Mリーグを運営するマレーシアフットボールリーグMFLは、新たなクラブが来季2021年シーズンからMリーグ1部あるいは2部に参加する場合は、Mリーグ撤退を表明したフェルダ・ユナイテッドFCの権利を引き継いだクラブのみが可能であるとしています。
 ブリタハリアン電子版は、MFLのアブドル・オスマン・ガニCEOの話として、Mリーグに参加するクラブはMリーグ3部にあたるM3リーグからスタートするのが原則であるが、今回の場合はフェルダ・ユナイテッドがMFLに対して正式にリーグからの撤退を申請した場合に限り、その権利を引き継ぐクラブにのみMリーグ1部あるいは2部からの参加を認める可能性があるとしています。
 その一方でオスマン・ガニCEOは、フェルダ・ユナイテッドFCはMリーグからの撤退について未だ文書による正式な報告をしておらず、同クラブが撤退を確定していない現状では、同クラブに代わってのMリーグ参加は認められないとも話しています。またフェルダ・ユナイテッドFC自身が代わりのクラブを指名する場合には、具体的なクラブ名を上げる必要もあるとしています。
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 何か歯切れの悪い記事になってしまいましたが、ここにも前述のラヤット・ユナイテッドが関連しています。ラヤット・ユナイテッドがフェルダ・ユナイテッドFCに代わってMリーグに参加するという噂がここ数日取り上げられていますが、双方とも何も正式なコメントを出していません。状況から判断すると、フェルダ・ユナイテッドFCがラヤット・ユナイテッドとして再出発するのだろうという予想は立ちますが、確定するまでにはまだ時間がかかりそうです。

10月21日のニュース:JDTは早くも来季へ向けて主力選手と契約更改開始、リーグ撤退のフェルダUの若きエースはJDTからのオファーを認める、ポリス・テロFCのスマレがタイリーグデビューに前進

JDTは早くも来季へ向けて主力選手と契約更改開始
 Mリーグ1部で7連覇を達成したジョホール・ダルル・タジムJDTが早くも主力選手と来季の契約を結んだことを公式Facebookで告知しています。
 契約期間などの詳細は明らかになっていませんが、「JDTが選手との契約更新」のタイトルで、クラブオーナーのジョホール州皇太子トゥンク・イスマイル殿下と各選手が契約書にサインをしている写真がFacebookに挙がっています。
 サインをしているのは、クナラン・スブラマニアム、ゲイリー・スティーヴン・ラバット、モハマド・ファリザル・マーリアス、モハマド・アイディル・ザフアン・アブドル・ラザク、アーマド・ハズワン・バクリ、アダム・ノー・アズリン、モハマド・ラマダン・サイフラー・ウスマン、ムハマド・ナズミ・ファイズ・マンソール、そしてムハマド・アキヤ・アブドル・ラシドら、いずれも代表経験があったり、現在も代表でプレーする主力選手です。
 この他、顔がわからなかった選手が数名写っていましたが、他のメディアの報道ではJDT IIのムハマド・アイマン・ダニシュ・アズリ・アブドル・アジムとムハマド・フェロズ・バハルディンということです。

リーグ撤退のフェルダ・ユナイテッドの若きエースはJDTからのオファーを認める
 Mリーグ徹底が発表になった1部リーグのフェルダ・ユナイテッドのダニエル・アミール・ノーヒシャムは、Mリーグ1部チャンピオンのJDTからオファーを受けていることを認める発言をしています。
 「ボーイ」の愛称を持つダニエル選手は、スポーツ専門チャンネルのアストロ・アリーナとのインタビューで、JDTからのオファーを受けていることを認めつつも、契約解除違約金が高額なことから、契約には至っていないと話しています。
 「自分はJDTでプレーをしたいと思っている。JDTが提供してくれる物、つまり(オーナーの)トゥンク・イスマイル殿下が与えてくれるものは、サッカー選手なら誰でも欲しいと思う物であり、自分がプロサッカー選手であることが実感できる物である。」とダニエル選手はインタービューで話しています。
 U23でもプレーしたダニエル選手はインタビューの最後に。来季はどのチームでプレーするかを決める前に、まずはマレーシアカップに集中したいと話しています。
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 リーグを撤退するクラブが選手の保有権を首長することができるのかどうかはわかりませんが、契約解除違約金を支払う対象はフェルダ・ユナイテッドFCの運営会社なのでしょう。昨年もJDTがオファーを持ちかけたという話が出た際には、契約解除違約金として100万リンギ(およそ2540万円)を設定したことをこのブログでも取りあげましたが、その額が現在も設定されているのかも知れません。
 タイトルには「若きエース」と書きましたが、ダニエル選手が若い割にはケガが多い印象で、その辺りもJDTがダニエル選手に設定された違約金が高いと感じている点かも知れません

ポリス・テロFCのスマレがタイリーグデビューに前進
 タイ1部リーグのポリス・テロFCに加入したマレーシア代表のムハマドゥ・スマレが練習試合でゴールを決めたことが、マレーシア後紙ハリアン・メトロ電子版で報じられています。
 タイ2部リーグのウタニ・タイFCとの練習試合に出場したスマレ選手はポリス・テロFCが4-3で勝利したこの試合で4点目のゴールを決めたということです。14日におよぶ検疫隔離期間をチームと離れて過ごし、先週、チームに合流したばかりのスマレ選手ですが、この試合がタイ入国後、初の実戦経験となりました。
 ポリス・テロFCは今週末の10月25日(日)にホームでのムアントン・ユナイテッド戦が控えていますが、この試合がスマレ選手のタイデビュー戦となるかに注目が集まります。
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 数日前のコンディションが不十分という報道から一転しての練習試合出場により、いよいよ大リーグデビューが近づいてきたということかも知れません。