今回は外国籍選手関連の話題です。
リーガン「MFLはAリーグよりやりがいがある」
マレーシアフットボールリーグMFL1部のスランゴールFAでプレーするオーストラリア出身のDFテイラー・リーガンが母国のサッカー専門ラジオ「フットボールネイションラジオFNR」のホームページで、マレーシアサッカーとMFLについて語っています。
「多くのオーストラリア人はMFLは(オーストラリアのプロサッカーリーグ)のAリーグより劣ると考えているが、それは選手のレベルが理由ではなく、天候や環境が原因だろう。マレーシアでは試合開始前に4時間連続して雨が降ることがあり、その結果としてピッチの状態は悪くなり、サッカーの試合というよりはただの蹴り合いになってしまうことがある。マレーシア人選手の能力は決して低くない。」
2016年シーズンにAリーグのニューカッスルからMFLのヌグリ・スンビランFAに移籍し、1シーズンでまたAリーグのアデレード・ユナイテッドに復帰した際にはサッカー選手としてレベルアップをしている驚かれたと話すリーガン選手は、その理由として、MFLではAリーグの選手以上の年棒を稼いでいる各チームの外国籍FWを相手に続けたことを挙げています。
「今季のマレーシアカップ準決勝で対戦するJDTのFWはヨーロッパやブラジルのトップクラブでプレーした経験があり、Aリーグの大半のFWよりも対戦しがいがある。」と語るリーガン選手が話題にしているのは、ギリシャのオリンピアコスFC時代にはチェルシー、リバプールと言ったチームからも注目され、その後移籍したタイリーグでは105試合出場で101ゴールを挙げ、今季2019年にJDTへ移籍したジオゴ選手です。
その後、リーガン選手はアデレード・ユナイテッドに2年契約を提示されますが、「自分が求められるのは(高額の移籍金を払える)中東や日本、中国のリーグではなく、東南アジアのリーグであり、東南アジアのクラブは高額の移籍金は払えない」と考え、30万オーストラリアドル(およそ2170万円)に設定された移籍金を、給料を下げることを条件に、5万オーストラリアドル(およそ360万円)に下げてもらうことを申し出たそうです。
しかし契約満了前にスランゴールFAから獲得オファーを受けたリーガン選手は、なんとこの5万オーストラリアドルの移籍金を自ら支払った上で移籍したそうです。
スランゴールFAとの1年契約は11月末に切れるとのことですが、リーガン選手はおそらく来季2020年もMFLでプレーするだろうとFNRに語っています。
ローリー「ブレンダン・ガンのようになりたい」
マレーシアカップ準決勝に進出したクダFAのMFデイヴィッド・ローリーは、マレーシアフットボールMFLのインタビューの中で、同じオーストラリア出身のマレーシア代表MFブレンダン・ガン(ペラTBG)は自分のアイドルであり、彼のような選手になりたいと述べています。
マレーシア人の父親を持つガン選手は、帰化選手としてサバFAやケランタンFAでプレーした後、昨季2018年にペラTBGへ移籍、そして現在は代表チームの主力として活躍していますが、2015年には右足の、2016年には左足の膝前十字靱帯(ひざぜんじゅうじじんたい:ACL)の重傷を負いながら復活した選手です。
ガン選手同様、オーストラリア生まれのローリー選手は、母親がマレーシア人であることから外国籍選手としてではなく、マレーシア人選手として昨季2018年にはPDRM FCとヌグリ・スンビランFAでプレーし、今季2019年はMFL2部のケランタンFAと契約しましたが、トランスファーウインドウ期間にクダFAへ移籍しています。
29歳のローリー選手は、いつかガン選手と代表で一緒にプレーすることが夢だと語り、同じ帰化選手のDFマシュー・デイヴィーズ(パハンFA、オーストラリア出身で母親がマレーシア人)、DFラヴェル・コービン=オング(JDT、ロンドン生まれカナダ育ち、母親がマレーシア人)といった代表選手も尊敬していると話しています。
ドイツやルクセンブルグ、タイなどでもプレー経験のあるローリー選手ですが、今季の開幕を迎えたケランタンFAでは、クラブ財政不安の問題からシーズン途中で外国籍選手全員が契約解除となり、ローリー選手も9試合の出場にとどまりました。
しかしケランタンFA在籍中にマルコ・クラリェヴィッチ監督(当時)にそれまでのFWから守備的MFへの転向を勧められ、退任したクラリェヴィッチ監督を引き継いだユスリ・チェ・ラー監督もそれを支持し、さらに移籍したクダFAのアイディル・シャリン監督自身がかつては守備的MFだったことで才能が開花し、現在はクダFAのマレーシアカップ 準決勝進出に大きく貢献しています。
キプレ「来季の話は聞いていない」
トレンガヌFCのFWチェチェ・キプレは、来月末に満了となる契約について、クラブとは今後についての公式の話し合いを持っていないとする一方で、契約満了前には他クラブへの移籍などについては考えていないと、オンラインサイトのスタジアムアストロに語っています。
2017年にトレンガヌFCに加入したコートジボアール出身のキプレ選手は、リーグ戦、カップ戦合わせて15試合で12ゴールを決め、チームの1部昇格へ貢献しています。さらに昨季2018年は32試合で24ゴールを挙げ、チームをマレーシアカップ 準優勝へ導くなど素晴らしいと活躍しましたが、今季2019年は開幕から極度の不調に苦しみました。MFL21試合で6ゴール、準決勝で敗退したFAカップでは4試合で2ゴール、準々決勝で敗れたマレーシアカップ ではグループステージ6試合で5ゴールを挙げるも、準々決勝のJDT戦では第1戦、第2戦とも不発でした。
トレンガヌFCは5月16日に、チームの成績不振の責任を取ってたイルファン・バクティ監督が辞任しましたが、期待されていたキプレ選手の絶不調もチームの成績不振の一因でした。