8月28日のニュース:サファウィ・ラシドはMリーグ終了後に移籍、クダ州FA会長はリーグ再開前に未払い給料支払いを明言、ルクマンがベルギー移籍後初ゴール、J2岡山のハディ・ファイヤッドは日本語も調子も上向き

サファウィ・ラシドはMリーグ終了後に移籍
 ポルトガル1部リーグのポルティモネンセSCへの移籍が決まっているサファウィ・ラシドは、所属するMリーグ1部のジョホール・ダルル・タジムJDTがリーグ最終戦を終えてから移籍すると、マレーシア語紙コスモ電子版が伝えています。
 JDTのオーナーであるジョホール州皇太子のトゥンク・イスマイル殿下は、今季最終節となる第11節10月10日のマラッカ・ユナイテッド戦終了後にポルトガルへ立つことを明らかにしています。
 なお、ポルトガル1部リーグは9月20日開幕予定です。
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 サファウィ選手のポルティモネンセSCへの移籍が決まってから1日も経たないうちに、ポルティモネンセSCマレーシアファンクラブができるなど、多くの注目を集める代表エースの移籍ですが、23歳のサファウィ選手が成功すれば、若い選手たちの中からも海外移籍を志す選手が出てくる可能性があります。代表を強くするためにも是非、成功を期待したいですが、せっかくならポルトガルリーグの開幕前にチームに合流する方が、出場機会により恵まれる可能性もあったのではないかとも思いますが、JDTとしてもリーグ7連覇を花道に送り出してあげたかったということでしょうか。

クダ州FA会長はリーグ再開前に未払い給料支払いを明言
 Mリーグ1部クダFAを運営するクダ州サッカー協会(クダ州FA)は、126万リンギ(およそ3200万円)の未払い給料を今週末までに選手に支払うというクダ州FA会長の発言をマレーシア語紙シナル・ハリアン電子版が報じています。
 クダ州州首相でもあるムハマド・サヌシ・モハマド・ノー クダ州FA会長は、従業員積立金EPFを含めた総額を、Mリーグが再開する今週末までに支払うと話しています。
 「当初の約束を守りたい。そのためには(Mリーグ再開後の初戦となる)PDRM FC戦の前までに未払い給料を支払うことが重要であり、その財源を提供するスポンサーがある。」と話しています。
 8月12日にクダ州FAは今年3月から支払われていない未払い給料を支払うことを約束し、今年7月分の給料については全額が支払われたことが明らかになっていますが、3月6月までの給料の支払いについては、具体的な日程を明言していませんでした。

ルクマンがベルギー移籍後初ゴール
 ベルギー1部リーグのKVコルトレイクと契約したU19代表のエース、ルクマン・ハキム・シャムスディンが移籍後初ゴールを記録したようです。
 KVコルトレイクの公式ツイッターでは、U21チームで出場したルクマン選手が、4部のアマチュアチームKRCヘントとの練習試合に出場し、1-4と敗れたチームの中で唯一のゴールを決めたことが伝えられています。
 ツイッターでは映像も添付されており、ゴール前で敵DFからボールを奪うとそのままシュートを放ち、ゴールを決めたシーンも公開されています。

J2岡山のハディ・ファイヤッドは日本語も調子も上向き
 海外移籍と言えば、J2のファジアーノ岡山に所属する元U19代表のエースで20歳のハディ・ファイヤッドは日本で2年目のシーズンを迎えています。そんなハディ選手がチームのYoutubeチャンネルで日本語のインタビューに答えています。
(映像はファジアーノ岡山のYoutubeチャンネルより)

 開始後2分あたりから、中央の阿部海大選手に続いて日本語でインタビューを受けているのですが、日本での生活がまだ2年も経っていないことを考えると、聞き取りもそれなりにできていて、日本の環境に馴染んでいることが窺える映像です。
 ハディ選手は、Aチームのメンバーとして8月23日にはファジアーノ岡山U19との3本変則の練習試合に出場し、PKを含め3ゴールと1アシストを決める活躍を見せ、徐々に調子も上げてきているようです。
(以下はファジアーノ岡山のYoutubeチャンネルより)



 

8月27日のニュース:JDTのエースはポルトガルのクラブに移籍へ、マラッカ・ユナイテッドの新ロゴに盗作疑惑、一方クチンシティFCの新ロゴには好評価が集まる

JDTのエースはポルトガルのクラブに移籍へ
 英字紙ニューストレイトタイムズ電子版はMリーグ1部のジョホール・ダルル・タジムJDTに所属するサファウィ・ラシドが、来季、ポルトガル1部のクラブへ移籍すると報じています。
 ポルトガルのスポーツ紙O Joboが伝える記事として、ポルトガル1部のポルティモネンセSCが買取オプション付きの期限付き移籍でサファウィ選手を獲得する可能性があると伝えた第一報に続き、サファウィ選手が所属するJDTがポルティモネンセSCよりオファーを受けていることを公表し、契約交渉が最終段階にあることからその内容は明かせないとしながらも、JDTとサファウィ選手の両者にとって好ましい内容であることも明らかにしています。
 さらにJDTのスポーティングダイレクターSDを務めるマーティン・プレスト氏は「JDTはサファウィ選手がヨーロッパでさらなるキャリアを積めるよう放出する意思がある。」と言うコメント発表しています。
 国内で最高のフォワードとされる23歳のサファウィ選手は、2017年にT-Team(現トレンガヌFC II)からJDTに移籍し、JDTでは3季連続の1部リーグ優勝や2度のマレーシアカップ優勝に貢献したほか、2018年には34試合で16ゴールを決めて最優秀若手選手、最優秀フォワードとMVPを、昨年2019年は34試合で20ゴールを決めて最優秀フォワードとMVPと2年連続で獲得しています。
 かつては日本代表の中島翔哉選手も所属したポルティモネンセSCは、昨季は1部18チーム中17位の成績ながら、16位のヴィトーリア・デ・セトゥーバルにライセンスに関する問題があったことから、2部降格を免れたと言うことです。
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 この移籍はポルティモネンセSCの主力株主とJDTのオーナーのトゥンク・イスマイル殿下とが近しい関係にあることから、実現の可能性が高いという報道もあります。 
 なおポルトガルリーグでプレーするマレーシア人選手としては、現在、JDTでプレーする・ナズミ・ファイズ(3部のSCベイラ・マル、2013年)、アマド・ファクリ・サアラニ(3部アトレティコSC、2012/13年シーズン)に続く3人目となるということです。
(以下はJDTの公式Facebookに掲載されたプラットSDのコメント)

マラッカ・ユナイテッドの新ロゴに盗作疑惑
 Mリーグ1部マラッカ・ユナイテッドFCを運営するマラッカ州サッカー協会MUSAは、クラブの民営化に伴う新たなチームロゴを発表しましたが、これに盗作疑惑がもたれていルト、マレーシアの通信社ブルナマが報じています。
 公募で選ばれた新しいロゴは、マラッカ州の名前の由来でもあるマラッカ(和名は油柑「ゆかん」)の木をモチーフにしたデザインですが、これが8月22日発表されると、まず、これが画像共有サイトのピンタレストで「木」を検索した際に見つかるロゴに似ているという指摘がありました。
 その後、新しいロゴはオーストラリアの食品製造企業のBare Blends社が2015年から使用しているロゴと酷似しているという報道が出ると、MUSAの会長を兼任するマラッカ州のスライマン・モハマド・アリ州首相は新しいロゴの商標登録を申請し、それが承認されてから使用することを発表しています。
(左がBare Blends社、右がマラッカ・ユナイテッドFCの新しいロゴ)

 さらにイギリスのアマチュアサッカークラブのバンステッド・ローバーズや来季からアメリカ1部のメジャーリーグサッカーMSLに参入するオースティンFCのロゴとも酷似ていることが指摘する報道も出ており、公募の際の条件の一つである、国内外を問わず他のロゴと類似ていないことに反しているという声がサポーターから上がっているということです。
(左からオースティンFC、マラッカ・ユナイテッドFC、バンステッド・ローバーズのロゴ)

一方クチンシティFCの新ロゴには好評価が集まる
 Mリーグ2部クチンFAも、クチン市サッカー協会からの独立と民営化に伴い、チーム名をクチンシティFCと変更し、また新しいロゴを発表していますが、これには好評価が集まっていると、サッカー専門サイトのヴォケットFCが報じています。
 鈴木雄太選手と谷川由来選手が所属するクチンFAの本拠地クチンkuchingは、マレーシア語で「ネコ」を意味することから、ロゴ全体の形がネコに見立てられており、緑はチームの勇猛さを、赤は決して諦めない強さ示しているということで、中央にはkuchingのKの文字も描かれています。
 盾やボールをモチーフとしたものが一般的なサッカーチームのロゴの中で、この独創的なネコの形はチームのサポーターからも好感を持って受け入れれられているということです。

8月24日のニュース:Mリーグ再開に向けて1部スーパーリーグ展望Part1

Mリーグ1部スーパーリーグ展望Part1
 英字紙ニューストレイトタイムズはアジトパル・シン記者の署名記事で、8月26日から再開されるMリーグ1部スーパーリーグの展望を掲載していますので、今回はその記事の内容に便乗し、さらにボラセパマレーシアJP視点の(=素人感丸出しの)コメントをつけたものをお届けします。
 新型コロナウィルスの影響によって3月16日に中断して以来、およそ5ヶ月ぶりに再開されるMリーグ。今季2020年シーズンは従来のホームアンドアウェイ方式から1回戦総当たりとなり、無観客試合を条件に8月26日より再開されます。
 観衆がいないことによりホームチーム有利の常識は覆されるのか、リーグ6連覇中のジョホール・ダルル・タジムJDTの牙城を崩すチームは現れるのか、などシーズンは短縮されたとは言え興味は尽きません。それでは、シン記者の展望を見ていきましょう。なお順番はリーグ中断となった3月16日の第4節終了時の順位です。

1位 ジョホール・ダルル・タジムJDT(3勝1分0敗-勝点10)

<残り試合>*Aはアウェイ、Hはホーム
パハンFA(A)、ペラTBG(H)、トレンガヌFC(A)、スランゴールFC(H)、PJシティFC(A)、サバFA(H)、マラッカ・ユナイテッド(A)
<シン記者評>
 リーグ随一のスター軍団が、万が一7連覇を達成できなければ大きな失望となるが、その一方で一回戦総当たり方式とサポーターの不在がチームに影響を与える可能性もある。また、ここまで無敗できているものの、パハンFA、ペラTBG、トレンガヌFC、スランゴールFCなどリーグ上位との対戦が残っている。
 AFCチャンピオンズリーグを控えるJDTは、ベンヤミン・モラ監督が主力選手を中心にいわゆる「ローテーション」を導入して選手を入れ替える可能性もあるが、リーグ連覇のためには選手起用の失敗は許されない。
 Mリーグ自体よりもその価値が大きくなったJDTは国内リーグよりもACLのようなより大きな大会に集中すべきである。
<シン記者の今季順位予測>
 リーグ優勝
<ボラセパマレーシアJP的私見>
 個人的に気になるのは、チーム練習に再開していないハリス・ハルン主将の状況です。膝の手術を受けた後、現在は母国のシンガポールで回復を待ち、チーム合流はリーグ再開直前になるということです。シンガポール代表の主将で、吉田達磨監督も全幅の信頼を寄せているというハリス選手はJDTでもチームの支柱であり、彼の回復が間に合わない場合、その穴はスター軍団といえ埋めるのは容易ではないでしょう。
 また、ここまで3勝1分の結果とは言え、相手は今季1部昇格組のUITM FCやPDRM FC、そして対戦時は明らかになってはいなかったものの、後に選手への給料が未払いであった(その結果モチベーションが低い可能性があった)クダFAにいずれも僅差で勝利しているだけで、リーグ5位のフェルダ・ユナイテッドとは引き分けるなど圧倒的な強さを見せつけたわけではありません。ACL前にチームが消耗しないように気を使いながらの選手起用を行う場合、残り7試合では1つでも取りこぼせば、それを挽回する余裕もないため、気の抜けない試合が続くことになりそうです。

2位 ペラTBG(2勝2分0敗-勝点8)

<残り試合>
マラッカ・ユナイテッド(H)、JDT(A)、UITM FC(H)、PDRM FC(A)、フェルダ・ユナイテッド(H)、パハンFA(A)、クダFA(H)
<シン記者評>
 ここまで無敗のペラTBGは、再開後もその調子を維持できれば打倒JDTの一番手になりうる。メフメト・ドゥラコビッチ監督はリーグが一回戦総当たりとなったことで、JDTの独壇場から各チームが同じ土俵に乗ったと考えており、二人合わせて5ゴールと攻撃陣を引っ張るシャレル・フィクリとギリェルメ・デ・パウラを筆頭に各ポジションに好選手が揃っており、第6節9月4日のJDTとの対戦に注目が集まる。
<シン記者の今季順位予想>
3位
<ボラセパマレーシアJP的私見>
 主力選手のMFブレンダン・ガンとFWノー・ハキム・ハッサンが共にスランゴールへ移籍した一方で、今季からMリーグの他のクラブから加入した外国籍選手のFWデ・パウラとMFチエリー・チャンタ・ビンが機能し、戦力ダウンを感じさせないメンバーで戦えているペラTBG。やはり注目はシン記者が指摘する9月4日のJDT戦です。リーグ中堅どころとの試合はすでに終えているペラTBGが、もしこの試合でJDTに勝利することがあれば、17年ぶりのリーグ優勝も見えてきます。

3位 トレンガヌFC(2勝1分1敗-勝点7)


<残り試合>
サバFA (H)、マラッカ・ユナイテッド (A)、JDT (H)、UITM FC (A)、PDRM FC (H)、フェルダ・ユナイテッド (A)、パハンFA (H)
<シン記者評>
 トレンガヌFCは過去4試合でリーグ最多の10失点と、守備陣の底上げがリーグ再開時の課題となる。攻撃陣は過去4試合で10ゴールを決めており、攻守のバランスが取れれば、今季注目のチームとなりうる。
<シン記者の今季順位予想>
4位
<ボラセパマレーシアJP的私見>
 8月22日のPJシティFC戦に勝利し、3位に浮上したトレンガヌFC。シン記者の指摘通り、得点も失点も多いこのチームは今季ここまで10得点と9失点で得失差+1ですが、過去の記録を見ても1部に昇格した2018年シーズンは得失差+1(32得点、31失点)で5位、2019年は同-2(35得点、37失点)で7位となっています。現在、6ゴールでリーグの得点王のFWドミニク・ダ・シルヴァ、FWリー・タック、MFサンジャル・シャアフメドフの外国籍選手を中心とした攻撃陣による得点は計算できるので、上位を狙うには守備陣が奮起し、このノーガードの打ち合いのような試合をどれだけ減らせるかが鍵になりそうです。 

4位 パハンFA(4試合-2勝0分2敗-勝点6)

<残り試合>
JDT (H), UITM FC (A), PDRM FC (H), フェルダ・ユナイテッド (A), クダFA (H), ペラTBG (H), トレンガヌFC (A)
<シン記者評>
 パハンFAの状況は謎に満ちている。チームは経営状況が厳しく、リーグ再開が決まった際には、今季の残りを辞退するという噂も出たほどで、今季終了後には多くの選手が放出されるという噂もある。選手の給料は支払われたということだが、チーム内のムードは決して良好とは言えず、ドラー・サレー監督がどれだけチームのやる気を引き出せるかがリーグ再開時の課題となる。
 今季の残り日程を見ると、PDRM FC戦以外は苦しい試合になることが予想される。
 Mリーグで最強のストライカーだったディクソン・ヌワカエメはかつての輝きを失っており、イヴァン・カルロスがその代役を務めることが期待される。
<シン記者の今季順位予想>
6位
<ボラセパマレーシアJP的私見>
 過去3シーズンは2位、4位、2位と安定した力を示す一方で、これまでJDTのタイトル争いを脅かすことがなかったパハンFA。モハマドゥ・スマレ、アザム・アジーと代表のレギュラーMF2人を抱えるなど、各ポジションに人材が揃っていますが、このチームは少ない得点を全員で守り切って勝つスタイルなので、リーグ再開後は守備陣の活躍に注目です。
 シン記者が指摘している通り、スマレ選手には来季、JDT移籍の噂もあり、クラブ経営が苦しいのであれば、中途半端に上位を目指さず来季以降を目標にして、思い切った若手の登用に舵を切るのも面白いかも知れません。

8月20日のニュース:Mリーグ再開が8月26日から28日へ変更、スランゴール州FA運営のアカデミーもゴールド評価獲得、U19代表はスランゴール2に敗れて2連敗

Mリーグ再開が8月26日から28日へ変更
 国内リーグのMリーグを運営するマレーシアフットボールリーグは公式Facebook上で現在、中断中のMリーグ1部と2部の再開日が当初発表されていた8月26日ではなく8月28日へ変更になったことを告知しています。
 昨日8月19日に開催されたマレーシアフットボールリーグMFLの常務理事会で決定されたということですが、その理由としてFIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選兼AFC選手権アジアカップ2023年大会予選の延長や、昨季のMリーグチャンピオンであるジョホール・ダルル・タジムJDTが出場するAFCチャンピオンズリーグの日程への考慮などが挙げられています。
 当初は8月26日再開で9月23日終了と4週間で7試合を終える強行日程でしたが、新たに発表された日程は8月28日再開でMリーグ1部スーパーリーグは10月10日、2部プレミアリーグは10月9日に終了となっており、各クラブとも週に1試合で週末に行われ、7週間かけて試合を消化します。詳しい日程はこちらからどうぞ。
 MFLのアブドル・ガニ・ハサンCEOは、日程が緩和されたことにより各クラブはより多くの休息日が取れること、また移動日程が柔軟になることなど利点があると述べ、JDTのACL日程(10月17日、26日、29日、11月1日)にも影響が出ないこと、また新型コロナウィルスの影響などで日程が変更になった場合の予備日として11月10日から29日を確保していることなどを明らかにしています。
 この他、新型コロナウィルスの感染状況が改善していないサラワク州に本拠地を持つ2部のクチンFAとサラワク・ユナイテッドFCのホームゲーム会場については、近いうちに発表されるということです。
 またMリーグ3部のM3リーグは既に今季の中止が決定していることから、M3リーグから2部プレミアリーグへの昇格とプレミアリーグからM3リーグへの降格については今季は行わないことも明かされています。なお1部スーパーリーグと2部プレミアリーグ間は通常通り1部の11位と12位が降格し、2部の1位と2位が昇格するということです。
 さらにMリーグの終了予定日が延長になったことで、1部の上位11チームと2部の上位5チームの計16チームが出場するマレーシアカップの日程も変更となり、10月16日空18日に1回戦、24日と25日に準々決勝、30日と31日に準決勝、そして11月7日に決勝が予定されています。

スランゴール州FA運営のアカデミーもゴールド評価獲得
 マレーシアサッカー協会FAMは公式サイトで国内にあるアカデミーの評価を発表し、スランゴール州サッカー協会(スランゴール州FA)が運営するFASサッカースクールがゴールド評価を得たことを発表しています。
 スーパリマウ(スーパーとマレーシア語で「虎」を意味するハリマウを組み合わせた造語)と名付けられた、国内の草の根レベルの育成を行うアカデミーの評価プログラムは国内のアカデミーのレベルアップを目標に設けられたもので、リーダーシップ、計画性、設備、教育、草の根レベルでの試合運営の5つの点で審査され、その審査結果に応じて、ゴールド、シルバー、ブロンズの3つの評価が与えられます。8月6日のこのブログでは、JDTが運営するアカデミーがゴールド評価を獲得したことを紹介しましたが、FASサッカースクールはFAMが設定した基準の80%を達成した結果のゴールド評価で、同様の基準の98%を達成しているJDTのアカデミーに続き、国内で2番目にスーパリマウのゴールド評価を受けたアカデミーとなります。FASサッカースクールとJDTアカデミーに対するFAMの審査による具体的な結果はこちらから見ることができます。
 FAMは今後も定期的に国内のアカデミーの審査を行う予定としており、現在も審査を希望するアカデミーを募集しています。審査を受けた各アカデミーはその結果をもとにゴールド、シルバー、ブロンズの評価が与えられますが、この評価は2021年の12月まで有効で、それ以降はFAMによる審査を改めて受ける必要があります。
 なおこのスーパリマウ評価プログラムをの審査を受けたクラブは、FAMが主催するアカデミー対象のリーグ戦への参加や、アカデミー出身者がプロ契約を結んだ場合の褒賞なども提供されるということです。
(下はアカデミーにスパリマウ評価プログラムの審査を受けることを勧めるFAMの告知-FAM公式サイトより)

U19代表はスランゴール2に敗れて練習試合2連敗
 10月にウズベキスタンで開催されるアジアサッカー連盟AFC U19選手権に出場するU19代表は、昨日8月19日にMリーグ2部のスランゴール2と練習試合を行い、0−4で敗れています。
 スランゴール州プタリンジャヤのPKNSグラウンドで行われた試合は、前半を0ー1で折り返したU19代表が後半さらに3失点という展開でした。試合の映像はこちらからご覧になれます。
 U19代表は8月12日にはMリーグ1部のPJシティFCとも練習試合を行なっており、こちらも1-6で敗れています
 現在、第二次代表候補合宿を行なっているU19代表ですが、実は昨日対戦したスランゴール2には、MFムカイリ・アジマルを始め、GKにはフィルダウス・イルマンやシーク・イズハン・ナズレル、DFのハリス・ハイカル、ジクリ・カリリ、アイディル・アズハンなど昨年2019年のアセアンサッカー連盟AFF U19選手権優勝に貢献した主力メンバーを含むU19代表候補選手が在籍していますが、来週8月28日にMリーグの開幕を控えるスランゴール2が所属選手のU19代表合宿合流を認めていないため、U19代表はベストメンバーをそろえることができていません。またベルギー1部KVコルトレイクと契約し、現在はベルギーにいるFWルクマン・ハキム・シャムスディンもこの第二次合宿には不参加となっています。

8月11日のニュース:来季は複数のMリーグクラブに新たなオーナーが誕生か、ケランタンFA買収に投資家が名乗りを上げる、スランゴールFCとパハンFAは民営化後は共に皇族がクラブのトップに

来季は複数のMリーグクラブに新たなオーナーが誕生か
 マレーシアサッカー協会FAMは、国内リーグMリーグ1部と2部の全てのクラブに対して9月30日までに州サッカー協会(州FA)から独立した民営化クラブとなることを求めていますが、未払い給料問題を抱えるクラブが複数あり、その前途は多難かと思いきや、マレーシア語紙ハリアンメトロ電子版によると、Mリーグクラブ買収に関心がある企業や個人が一定数おり、そういった中から新たなオーナーが誕生する可能性もあるようです。
 Mリーグ1部ではペラTBGの他、クダFAやマラッカ・ユナイテッドといった数百万リンギを超える未払い給料を含めた負債を抱えるクラブや、やはり未払い給料が問題となっているMリーグ2部のケランタンFA、ペナンFAの他、クアラルンプールFAなども買収の対象となっているようです。
 この報道を裏付けるように、ケランタンFAを運営するケランタン州FAのフシン・デラマン事務局長は外国企業による買収の問い合わせを受けたことを明かし、未払い給料問題を抱えるクラブであっても、買収対象として関心を持たれていることに驚いたと話しています。
 またペラTBGを運営するペラ州FAのモハマド・アズリン・モハマド・ナズリ名誉事務局長も同様の問い合わせを受けていると話す一方、クアラルンプールFAのノクマン・ムスタファ事務局長は個人の資産家から調査を受けたことを明かしています。
 なお、イツのサッカー情報サイトトランスファマルクトによると上記の各クラブの資産価値は、Mリーグ1部のクダFAが2000万リンギ(およそ5億500万円)、マラッカ・ユナイテッドが1930万リンギ(およそ4億8700万円)、ペラTBGが1650万リンギ(およそ4億1600万円)、Mリーグ2部のクアラルンプールFAが1090万リンギ(およそ2億7500万円)、ペナンFAが840万リンギ(およそ2億1200万円)そしてケランタンFAが360万リンギ(およそ9080万円)となっています。

ケランタンFA買収に投資家が名乗りを上げる
 上の記事と関連して同じハリアンメトロは、Mリーグ2部ケランタンFAの買収に投資家のノリザム・トゥキマン氏が名乗りを挙げていると報じています。
 U19代表候補のワン・クザインの父親であるアメリカ在住の大学教諭ワン・カマル・ワン・ナピが買収から手を引く一方で、ケランタン州FAはこのノリザム氏と交渉を行い、既に同意書にサインする寸前まで話が進んでいるということです。
 ケランタン州FAのフシン・デラマン事務局長によれば、ノリザム氏はケランタンFAの再生計画なども明かし、ここまでの話し合いは順調に進んでいるということで、今後は詳細を詰めた後に、公式な契約にサインされる予定であると話しています。

スランゴールFCとパハンFAは民営化後は共に皇族がクラブのトップに
 Mリーグクラブ民営化関連では、共にMリーグ1部のスランゴールFCとパハンFAが共に皇族がクラブのトップとなりそうだと、ハリアンメトロが報じています。
 スランゴールFCが民営化される際には、スランゴール州皇太子のトゥンク・アミル・シャア・スルタン・サラフディン・イドリス・シャア殿下を筆頭株主とし、これにスランゴール州FAも一部株式を保有する他、スランゴール州の機関であるスランゴール開発公社PKNSや州首相企業MBIなども株式を持つということです。なお一部の株式はサポーターに対しても売り出される可能性があることを、スランゴール州FAのシャーリル・モクタル副会長は明らかにしています。
 一方パハンFAを運営するパハン州FAはパハン州皇太子のトゥンク・アブドル・ラーマン・スルタン・アーマド・シャア殿下がオーナーを務める企業を中心としたグループが買収する形で民営化が行われる予定だということです。
 Mリーグにはジョホール州皇太子でTMJの愛称で知られるトゥンク・イスマイル殿下がオーナーのジョホール・ダルル・タジムJDTがありますが、JDTはトゥンク・イスマイル殿下が単独オーナーですが、スランゴールFCとパハンFAは皇太子を中心としたグループによる運営となりそうです。
 なおドイツのサッカー情報サイトトランスファマルクトによると、スランゴールFCは1950万リンギ(およそ4億9200万円)、パハンFAは1420万リンギ(およそ3億5800万円)の資産価値があるとなっています。

8月6日のニュース:シャーアラムスタジアムの改修工事は2022年に完了か、JDTにまた新たな勲章-アカデミーが国内トップの評価を受ける、ケランタン州FAはU19代表選手の父親からのクラブの買収提案を歓迎

シャーアラムスタジアムの改修工事は2022年に完了か
 シャーアラムスタジアムはMリーグ1部スランゴールFCの本拠地ですが、その老朽化により天井の一部が崩落する危険性があり、Mリーグを運営するマレーシアフットボールリーグMFLはその改修が行われるまでMリーグの試合開催を禁じています。
 ホームを失ったスランゴールFCは、今月8月26日から再開予定のMリーグのホームゲームを同じスランゴール州シャーアラムにあるUITMスタジアムで開催することになっています。また、先日のこのブログでは来季2021年はやはりスランゴール州内にあるMBPJスタジアムをホームにする可能性があるという記事を取り上げましたが、それがいよいよ現実となりそうです。
 80000人以上の観衆が収容できるシャーアラムスタジアムは、国内で最大のクラブであるスランゴールFA(当時)のホームとして1994年に開場しました。
 しかし長年の使用による老朽化から、今季の開幕前にはMFLにより改修工事が終了し、観客の安全が確保できるまでは試合での使用が禁じられ、スランゴールFCは今季のホームゲーム初戦はブキジャリル国立競技場で開催しています。
 この現状についてシャーアラムスタジアムを所有するスランゴール州のアミルディン・シャリ州首相は、今年3月から予定していた改修工事が新型コロナウィルスの影響により発令された活動制限令MCOにより実行できなかったとして、改修工事はこれから始まること、そしてその工事期間として18ヶ月を予定し、その間はスタジアムを全面的に閉鎖することを明らかにしています。
 なおアミルディン州首相は、改修工事後に再開する際には収容可能な最大人数に開場できるよう、工事期間中は天井部分の修理だけでなく総合的な補修及び改修を行うと話しています。
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 新型コロナウィルスの影響で3月18日に中断したMリーグで、スランゴールFCが中断前の唯一のホームゲームを行ったブキジャリル国立競技場は、その後、MFLがMリーグのホームゲームの代替会場としての使用を禁じており、その結果、今季の残りホームゲームをUITMスタジアムで行うことになった、という経緯もあります。

JDTにまた新たな勲章-アカデミーが国内トップの評価を受ける
 Mリーグ1部を7連覇中のジョホール・ダルル・タジムJDTに新たな勲章です。JDTの公式Facebookページでは、JDTのアカデミーがマレーシアサッカー協会FAMよりトップの評価にあたるゴールド評価とその証書を受け取ったことを発表しています。
 このゴールド評価を受けたJDTのアリスター・エドワーズTD(テクニカルダイレクター)は、この評価はアカデミーにとって、ここまでの努力がFAMに認められたことへの喜びに加え、さらに高みを目指すためのモチベーションになると話しています。
 またJDTの本社で、このゴールド評価の証書と記念の盾をエドワーズTDに手渡したFAMのスチュアート・ラマリンガム事務局長は 国内の草の根レベルの育成を行うアカデミーを対象にリーダーシップ、計画性、設備、教育、草の根レベルでの試合運営の5つの点で審査した結果、JDTのアカデミーはどの面でも優れた評価を得た結果の表象であると話しています。
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 2000年代までマレーシアのサッカーを長年に渡って牽引してきたのが最初の記事で取り上げたスランゴールFA(現スランゴールFC)だとすれば、直近の10年間で国内に的なしとなったのがこのJDTと言えます。
 ジョホール州皇太子のトゥンク・イスマイル殿下の豊富な財源に基づく投資と積極的な運営は、運営資金が州政府の公的補助頼りである大半のMリーグクラブを凌駕し、その結果が1部リーグ7連覇という結果になって現れています。
 JDTもかつてはジョホール州サッカー協会傘下のクラブでしたが、イスマイル殿下による民営化で成功しており、現在、FAMが各州サッカー協会に求めているクラブの民営化の成功例と言えるでしょう。
(中央左がFAMのスチュアート事務局長、中央右がJDTのエドワーズTD-写真はJDTの公式FBより)

ケランタン州FAはU19代表選手の父親からのクラブの買収提案を歓迎
 ケランタン州サッカー協会KAFAは、運営するMリーグ2部ケランタンFAに対するワン・カマル・ナピ氏の買収提案を歓迎する意思を示していると、マレーシアの通信社ブルナマが報じています。
 現在行われているU19代表候補合宿にアメリカから参加しているワン・カマル・ワン・クズリの父親でもあり、アメリカ在住の大学教授でもあるワン・カマル氏は460万リンギ(およそ1億1600万円)とされるケランタンFAの現在の負債が完済されることを条件に、300万とも言われる所有権を購入したいと話しているということです。
 KAFAのフシン・デラマン事務局長はワン・カマル氏から直接の連絡は受けていないとする一方で、民営化を目指しているケランタンFAにとっては良い話であるとしています。
 「KAFAは現在、民営化後のケランタンFCを運営するTRW社の価値を評価している最中であり、それが決まりTRW社の売却が決まれば、ケランタンFCに関する460万リンギの負債はKAFAが全面的に負担する。」とデラマン事務局長は話しています。
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 別のメディアでは、ケランタンFCの売却後もKAFAが年間100万リンギ(およそ2520万円)のロイヤルティを要求しているという話があり、ワン・カマル氏は、ケランタンFCの所有権購入後もKAFAの影響が残ることを嫌っていることから、買収に躊躇しているという報道もあり、この話は一筋縄ではいかなそうです。

8月2日のニュース:二度目の検査で陰性反応もクチンFAの今季Mリーグ参加は再開直前まで確定せず、クダFAのエースは月給が300万円超えではないと明言、9月末の期限までに民営化しないクラブは来季は3部降格も

二度目の検査で陰性反応もクチンFAの今季Mリーグ参加は再開直前まで確定せず
 先日このブログでも取り上げたMリーグ2部クチンFAの選手5名が新型コロナウィルスの綿棒検査で陽性となった件ですが、その後、新たな進展があり、改めて行われた血液検査ではこの5名全員が陰性となっています。
 クチンFAのイスワンディ・アリ・ハサン事務局長は、この5名の選手は、3度目の検査を控えて現在は自宅隔離中だと明かした上で、状況が悪化し、Mリーグを運営するマレーシアフットボールリーグMFLがリーグ出場辞退を求めた場合はそれを受け入れる用意があると話していることを、英字紙ニューストレイトタイムズ電子版が報じています。
 自宅隔離中というイスワンディ事務局長は「我々自身でリーグ出場辞退を申し出たくはないが、もしMFLからそのような依頼があれば、他のクラブに問題が及ばないよう、その依頼を受け入れる予定がある。」と話しています。
 なお現在のチームの状況は、8月8日までは選手及びスタッフ全員が自宅隔離となっており、選手は活動制限令MCO発令時と同様に各自が自宅でトレーニングを行なっているということです。
 またMFLのアブドル・ガニ・ハサンCEOはMリーグ再開となる8月26日の1週間前に、再度クチンFAの選手とスタッフの健康状態については検査を行い、その結果を理事会に諮って最終決定を下す予定であることを発表しています。
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 昨日8月1日の時点で678名の感染者が確認されているサラワク州ですが、州政府は現在、マレー半島からボルネオ島にあるサラワク州に入る場合には14日間の隔離措置を課しており、この措置が今後も続くとクチンFAのMリーグ出場の障害になる可能性も浮上しています。8月26日から短縮日程で再開されるMリーグ1部と2部は試合の間隔が詰まっており、最大でも7日間しかなく、クチンFAは再開初戦となる8月26日の第5節はホームゲームですが、第6節9月2日はペラIIとの試合はマレー半島でのアウェイ、そこから4日後の9月6日の第7節はホームでサラワク・ユナイテッドと「サラワクダービー」が控えています。

クダFAのエースは月給が300万円超えではないと明言
 マレー語紙ブリタハリアン電子版によると、Mリーグ1部クダFAのエースストライカーでリベリア出身のクパ・シャーマンは、自分の月給が12万5000リンギ(およそ311万円)ではないことを明らかにしています。
 過去5ヶ月間の給料が未払いとなっているクダFAですが、この6月にクダFAを運営するクダ州サッカー協会の新会長に就任したムハマド・サヌシ・ムハマド・ノー州首相が給料未払いは前経営陣の責任であると非難し、その中で月給12万5000リンギの選手と契約するなど予算を遥かに超える放漫経営だったと発言しました。
 これを受けてネット上ではこの高額取りは誰か、という「魔女狩り」が始まり、今季クダFAへ移籍してきた昨季のリーグ得点王のシャーマン選手ではないか、という声が上がっていましたが、これに対してシャーマン選手はこれを否定しています。
 「当初はこの件についてコメントする気はなかったが、自分の月給が12万5000リンギであるという噂が一人歩きし始めたので、これが真実ではないことを明らかにしたい。また、こういった噂を発した人物は、まず真実かどうかを確かめた上で発言するべきだ。」「たとえ実際にこのような金額を受け取っている選手がいるとしても、給料をメディアや大衆に公表することは、職業倫理に反することである。」とシャーマン選手は述べています。
 またシャーマン選手は5ヶ月間続いている給料未払いについて、給料未払いは我々選手だけでなく、その家族にも影響が及ぶことに加え、これ以上クラブが悪く見られることを避けるためにも、責任を負うべきものが直ちにこの問題の解決に取り組むべきだと話しています。

9月末の期限までに民営化しないクラブは来季は3部降格も
 マレーシアサッカー協会FAMは。9月30日に設定されている期限までに民営化されなかったクラブに対して、来季2021年シーズンをMリーグ3部降格処分を下す可能性があると、ニューストレイトタイムズ電子版が報じています。
 FAMの民営化特別委員会のフィルダウス・モハマド委員長は、これまで民営化が完了しているのは6クラブのみであり、現在手続きを行っているのは8クラブであることを明らかにしています。
 民営化が完了しているのは1部のジョホール・ダルル・タジムJDT、PJシティFC、2部のサラワク、ヌグリ・スンビラン、3部のマレーシア国軍FC、現在はリーグに参加していないプルリスの6クラブということです。(注:2019年までMリーグ所属のプルリスFAを運営していたプルリス州サッカー協会は給料未払い問題が未解決のため、その運営クラブのリーグ参加が認められていません。)
 民営化クラブ(FC)の設立は、Mリーグ1部と2部に運営クラブが所属する20団体(1部のJDT、スランゴールFC、ペラTBG、トレンガヌFCの4クラブはBチームが2部に所属)およびマレーシア国軍、プルリス州FAに求められており、各州サッカー協会(州FA)が運営するクラブは民営化に加え、州FAから完全に独立した存在となる必要があります。またJDTやPJシティFCのように既に州FAから独立して運営されているクラブについては民営化が求められています。
 またフィルダウス委員長は民営化手続きを始めていないクラブとしてMリーグ1部ではクダ、ペラ、サバ、マレーシア王立警察PDRM、パハン、UITM FC、2部ではクアラルンプールの名を挙げる一方で、このうちの5つのクラブはFAMが支援を行なっていることも明らかにし、期限までは2ヶ月しかないことを警告した上で、期限内に民営化が完了しないクラブは来季はMリーグ3部のM3リーグからスタートする可能性にも言及しています。
 この民営化促進はアジアサッカー連盟主導のものであること、そしてマレーシアは東南アジアの他国に比べると遅れを取っていることも明らかにしたフィルダウス委員長は「この民営化を実施することにより、負債を抱えた後、それを残したまま運営から手を引く無責任な運営団体を根絶することができ、さらに優良なスポンサーを集めることになる。」として、Mリーグのクラブで拡大している未払い給料の問題の解決にもつながると話しています。

7月29日のニュース:AFF選手権スズキカップは来年まで延期の可能性が浮上、JDTオーナーはサラリーキャップに否定的

AFF選手権スズキカップは来年まで延期の可能性が浮上
 サッカー専門サイトヴォケットはベトナムからの報道として、今年の開催が予定されているアセアン(東南アジア)サッカー連盟AFF選手権スズキカップが来年まで延期となる可能性を報じています。
 ベトナムのトゥオイチェー電子版による報道では、AFFがオンラインによる臨時会合を開き、議長を務めたAFFのキエフ・サメト会長(カンボジア)が今年11月開催予定のスズキカップ延期についての議題を提案したということです。
 会合では、参加した多くの出席者が、新型コロナウィルスは今後も続く可能性があり、11月にスズキカップを開催すればその影響を受ける可能性があることを懸念していたということです。
 さらに複数の出席者が、新型コロナウィルスの感染が収まることを見越しつつ2021年までの延期を提案したということですが、AFFのトラン・コック・トゥアン副会長(ベトナム)は、2021年は東京オリンピックやインドネシアでのU20W杯など大きな大会が目白押しで、ファンの関心がそういった大会に向いてしまうことを危惧し、今年の開催を主張したということです。
 これについてトラン・コック・トゥアンAFF副会長は、スズキカップが延期されるか否については今後も検討を続けると話しており、7月30日の次回のオンライン会合でも引き続き話し合われるということです。

JDTオーナーはサラリーキャップに否定的
 予算を超えて給与が高額の選手との契約を交わすなど身の丈に合わない経営を行った結果、未払い給料問題を抱えるクラブが複数存在するMリーグでは、各クラブが給与に上限を設けるサラリーキャップ制度の導入がたびたび話題になりますが、Mリーグ1部で6連覇中のジョホール・ダルル・タジムJDTのオーナーは真っ向からこれに反対していると、マレー語紙ブリタハリアン電子版が報じています。
 ジョホール州皇太子のトゥンク・イスマイル殿下は自身のツイッターに投稿し、最も重要なことはサラリーキャップ制度ではなく、クラブを運営する州サッカー協会(州FA)の運営能力であるとしています。
 「選手には給料の上限は必要ない。選手を雇用する州協会が自らの支出を抑制する必要がある。それができない州FAの担当者はクラブ運営に関わるべきではない。」とするイスマイル殿下の投稿は、数日前にスランゴール州FAのジョハン・カマル・ハミドン事務局長がMリーグはサラリーキャップ制度を導入するべきだと対案したことへの反論とみなされています。
 サラリーキャップ制度については、マレーシアサッカー協会FAMのハミディン・モハマド・アミン会長がその導入に対して慎重な姿勢を表明している他、マレーシアプロサッカー選手会PFAMの会長でMリーグ1部のPJシティFCに所属するサフィ・サリーもサラリーキャップ制度導入に反対を表明しています。
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 昨日のブログでは、総額が1060万リンギ(およそ2億6200万円)にわたる未払い給料を昨年から抱えていたクダ州サッカー協会KFAに対して、新たにクダ州の州首相に就任し、KFAの会長にも就任したムハマド・サヌシ・ノーKFA会長が、これまでクダFAが頼りにしてきたクダ州政府の予算を未払い給料問題解決のためには使わないと明言しています。これに似た状況はクダFA以外でも見られることから、Mリーグ各クラブに予算内での選手獲得を促すための措置としてサラリーキャップ制度が検討されています。

7月28日のニュース:マレーシアがACLグループステージの開催地に決定、クダ州協会新会長-未払い給料問題解決のために州政府からの補填は行わない

マレーシアがACLグループステージの開催地に決定
 アジアサッカー連盟AFCの公式サイトでは、AFCチャンピオンズリーグACLのグループGとHの開催地としてマレーシアが決定したことを発表しています。
 新型コロナウィルス感染拡大により日程が大幅に変更となったACLは、各グループの残り試合を一か所で集中的に開催することは既に発表になっていましたが、Mリーグ1部の覇者としてACLに出場中のジョホール・ダルル・タジムJDTが所属するグループGとグループHの残り試合の開催地がマレーシアに決定したということです。
 グループGにはJDTの他、ヴィッセル神戸、広州恒大淘宝FC(中国)、水原三星(韓国)が、またグループHは横浜F・マリノス、上海上港FC(中国)、全北現代モーターズFC(韓国)、シドニーFC(オーストラリア)が所属しています。
 10月17日から11月1日までの予定で開催されるこのグループステージに加え、マレーシアではグループGとHの上位2クラブによるノックアウトステージとなるベスト16の2試合(11月4日)、ベスト8の2試合(11月25日)、ベスト4の1試合(11月28日)も合わせて開催されることが発表になっています。なお、今季のACLではノックアウトステージが従来のホームアンドアウェイ形式から一発勝負となっています。
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 このACL開催については、締め切り直前にマレーシアサッカー協会FAMが開催権獲得に名乗りを上げたことが、AFCの公式サイトでも明らかにされています。現在、マレーシア国内ではJDTのホーム、スルタン・イブラヒムスタジアムが国内では最高のスタジアムですが、JDTがACLに出場していることで、JDTの本拠地での開催はないでしょう。となれば次の候補はクアラルンプールのブキジャリル国立競技場での開催の可能性が高くなります。もしブキジャリル国立競技場で開催され、新型コロナウィルスの観戦が収まり観客を入れての試合となれば、東アジアのトップクラブの試合を是非、観戦したいです。

クダ州協会新会長-未払い給料問題解決のために州政府からの補填は行わない
 Mリーグ1部のクダFAを運営するクダ州サッカー協会KFAの会長に就任したムハマド・サヌシ・モハメド・ノー州首相は総額が1060万リンギ(およそ2億6200万円)とされる未払い給料やその他の負債について、その返済のために州政府は補填は行わないと話しています。
 7月に就任したサヌシKFA会長は、KFAは新たなスポンサーを獲得のための交渉を行なっており、州民のために使われるべき州政府の予算を未払い給料支払いに充てるつもりはないと話していますが、具体的に交渉中とされる企業の名前は明かしていないということです。
 クダFAの選手矢監督、コーチは過去5ヶ月間の給料が未払いになっている他、国民年金にあたる従業員積立基金やクラブが負担する所得税の支払いも滞っているということです。
 サヌシKFA会長は未払い給料問題は、実際には昨年から続いており、前クダ州知事でもあるムクリズ・マハティール前KFA会長率いる経営陣による収支を無視した運営が原因だと指摘し、現状改善のための会合を8月3日に開くとしています。
 「KFAに抜本的な改革が必要となれば、改革を行い、選手の給料を削減する必要があるとなれば、削減案を提示するつもりである。KFAの前経営陣はなぜ月給12万5000リンギ(およそ310万円)を払って選手と契約したのが理解できない。身の丈にあった経営が全くできていなかったということだ。」と話すサヌシKFA会長は、昨年から続いた未払い給料問題が、自身の就任に合わせるように表面化した野には何か理由があるのだろうと語っています。
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 中央政府での政変の影響を受け、今年の5月にクダ州首相に就任したサヌシ氏は、これまでの州首相と同様にKFA会長にも就任しましたが、最初に直面したのがこの未払い給料問題でした。そのためこの未払い給料が単なるサッカーの問題ではなく、クダ州議会でもそれまでの野党が選挙も経ずに一夜のうちに与党になってしまったことから、前経営陣(前政権)を叩くのには好都合な政治的な攻撃の材料になっているのかも知れません

7月21日のニュース:Mリーグは感染者急増のサラワク州の状況を憂慮、ACL出場のJDTには試合日程の配慮も-MFL、ワン・クザリも他の選手もU19代表メンバー入りは実力次第

Mリーグは感染者急増のサラワク州の状況を憂慮
 英字紙ニューストレイトタイムズ電子版は、サラワク州での新型コロナウィルス感染者が急増した事態を受け、国内リーグのMリーグを運営するマレーシアフットボールリーグMFLは今後の状況を監視していく予定であると伝えています。
 3月半ばから中断中のMリーグは8月26日の再開が発表されていますが、Mリーグには2部プレミアリーグにサラワク州に本拠地を持つクチン FAとサラワク・ユナイテッドがあることから、サラワク州政府が今後、感染拡大を防ぐ処置を発動するかどうかを注視していくと、MFLのアブドル・ガニ・ハサンCEOは話しています。
 「クチンFAとサラワク・ユナイテッドはいずれも綿棒テストの結果をMFLに提出しており、再開後のリーグ参加は許可されているが、万が一、サラワク州の観戦状況が悪化することがあれば、MFLは両クラブのホームゲームを共有しているサラワクスタジアムではなく中立地で行うことも検討している。」と話しています。
 またガニ・ハサンCEOは、MFLがリーグ再開後の標準作業手順SOPのマニュアルを作成中で、1週間程度で完成し、Mリーグの各クラブに配布される予定であることも明かしています。これにはボールボーイからメディア関係者まで無観客試合で再開されるスタジアムに入場を許可されている全員を対象とした物となっていると言うことです。
 この他、観客の入場については、少なくとも最初の2試合は無観客で開催することは決定しているものの、その後は青年スポーツ省や保健省、国家安全保障委員会から許可が出れば、可能になると話しています。しかしその場合でもスタジアムの収容人数の1割程度の入場者受け入れとなるだろうとガニ・ハサンCEOは話しています。

ACL出場のJDTには試合日程の配慮も-MFL
 Mリーグの再開が、マレーシア政府がサッカーの試合実施許可日とする8月15日ではなく8月26日と決まったことで、Mリーグで暫定の首位となっているジョホール・ダルル・タジムJDTは、ACLを控えていることから過密日程の心配が出ていると、ニューストレイトタイムズ電子版が報じています。
 現在国内リーグ7連覇中で、今季2020年シーズンも4試合を終えた時点で勝点10と2位のペラTBGに勝点差2をつけて首位のJDTですが、8月26日に再開するリーグは9月中に終了する予定ですが、その後はこちらも連覇がかかるマレーシアカップが10月17日から開幕する一方で、再開されるアジアサッカー連盟AFCチャンピオンズリーグも10月17日に広州恒大淘宝FCとの試合が組まれています。
 この過密日程について、マレーシアカップを運営するMFLのガニ・ハサンCEOは「マレーシアを代表してACLに出場するJDTが不利にならないよう、マレーシアカップの試合日程については考慮したい。」と述べ、MFLとしてサポートする姿勢を明らかにしています。
 今季のACLは新型コロナウィルスによる大幅な日程変更を迫られた上、試合も各予選グループごとの1ヶ所開催で行うことが発表されています。JDTは初戦の広州恒大淘宝FC戦後は、10月23日の水原三星戦、10月29日のヴィッセル神戸戦、そして11月1日には再び広州恒大淘宝FCの予定が組まれており、11月4日に決勝が予定されているマレーシアカップとほぼ同時期の試合となっています。

ワン・クザリも他の選手もU19代表メンバー入りは実力次第
 現在行われているU19代表候補合宿に参加しているアメリカ出身のワン・クズリ・ワン・アーマド・カマルは、アメリカ2部リーグにあたるUSLチャンピオンシップUSLCのセントルイスFCのアカデミー所属ということや、実の兄がマレーシア国内のサッカーを統括するマレーシアサッカー協会を監督する青年スポーツ省の大臣代理であることなどから注目を浴びています。
 このワン・クズリ選手についてU19代表のブラッド・マロニー監督は、チームにとって有用な戦力だが、23名のメンバー入りが保証されているわけではないとマレーシアの通信社ブルナマとのインタビューに答えています。
 国外からの入国者に義務付けられている14日の隔離措置が終了し、先週から10月のAFC U19選手権に出場するU19代表候補合宿に合流したワン・クザリ選手は、合宿合流前から多くのファンの期待や注目を集めている一方で、一部のファンからはその前評判ほどの選手ではないのではないかという疑念が出ています。
 これらの意見についてマロニー監督は、ワン・クズリ選手の代表合宿合流後の進捗状況には満足していると話しています。
 「外国出身ということを踏まえずとも、一人の選手が周りと違っているのは全く普通のことである。またこれまで数日間見た限りでは、ワン・クズリ選手はとても良い選手であり、チームにとって戦力となりうる。」と話しています。しかしその一方で、代表候補合宿に参加しているどの選手もメンバー入りを確約されている選手はおらず、誰もが実力でメンバー入りを勝ち取らなければならないと話しています。
 さらに今週土曜日7月25日に合宿が終了する前に練習試合を組みたいと話すマロニー監督は、実戦の中でワン・クザリ選手だけでなく、現在のチームの実力を見てみたいと話しています。
 なお、招集された35名から既に31名まで絞り込まれているチームは、次回の合宿を8月3日から行うということです。