1月20日のニュース:管轄省庁がW杯予選前の代表合宿開催を許可、FAM-MCO延長ならMリーグ開幕は延期に、サバFCの新外国籍選手候補に元JDTのFWが浮上、ケランタンFCオーナーがMFLに放映権料の督促状送付

代表合宿開催に管轄省庁がゴーサイン
 マレーシアサッカー協会FAMは公式Facebook上で、国内のスポーツを統括する青年スポーツ省により、一時は中止となっていた代表合宿が完全隔離形式を条件とした開催が許可されたことを発表しています。
 この投稿ではFAMのハミディン・アミン会長が青年スポーツ省のリーザル・メリカン大臣に感謝の意を表した上で、Mリーグ各クラブへは招集許可依頼、また合宿会場として予定されているブキジャリルにある施設を管理する国家スポーツ審議会NSCには施設利用の調整などを直ちに行うことが述べられています。
 3月再開予定のFIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選に向けて、当初は今月1月16日から25日までの代表合宿が予定されていましたが、マレーシア国内の新型コロナウィルス感染拡大が続き、今月13日から26日まで代表候補合宿予定されていたFAM本部のあるスランゴール州などに不要不急の外出を禁じる活動制限令が出されたこともあり、合宿は中止とされていました。
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 この発表を受け、国家スポーツ審議会NSCのアフマド・シャパウィ・イスマイル会長は、直ちにFAMと代表チームへの全面協力を約束する声明を発表するなど、事前の根回しも万全だったようです。
(写真はFAM公式Facebookに挙げられたリーザル・メリカン青年スポーツ相に感謝の意を示す投稿)

FAM-MCO延長ならMリーグ開幕も延期に
 代表合宿開催の朗報が出た昨日1月19日には、サラワク州を除くマレーシア全州に活動制限令MCO施行が拡大されました。連邦直轄地クアラルンプールやスランゴール州などでは1月13日より1月26日までの予定で既にMCO施行中ですが、国内の新規感染者数が連日3000名前後とその効果が見られないことから、さらに2週間程度延長される可能性がメディア上で取り沙汰されています。
 この状況についてマレーシアサッカー協会FAMのモハマド・ユソフ・マハディ会長代理は、このMCOが延長された場合、Mリーグの今季開幕戦となる2月26日のJDT対クダ・ダルル・アマンKDA FC戦を予定通り開催しない可能性について言及しています。
 英字紙スター電子版によると、マハディ会長代理はMCOがさらに2週間延長されて2月9日に終了する場合、2月26日の開幕戦に出場するJDTとKDA FCは2週間ほどしか練習期間が取れないことをその理由に挙げ、開幕まで1ヶ月程度の練習期間を与えるためにはリーグ開幕が延期される可能性があると話しています。
 なお、1月13日からMCOが施行されているのは連邦直轄区クアラルンプール、プトラジャヤ、ラブアン及びスランゴール州、マラッカ州、ペナン州、ジョホール州、サバ州で、これに1月16日からMCOが施行されたケランタン州を加えた地域ではスポーツのグループ活動が禁じられており、Mリーグ各クラブはチーム練習ができない状況になっています。
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 急遽、開催可能ととなった代表候補合宿も近々日程が発表になるでしょうが、MCOがさらに2週間延長され、さらに3月のワールドカップ予選が予定通りの日程で開催される場合には、代表候補合宿が優先され、Mリーグの開幕は3月25日のアラブ首長国連邦戦と同30日のベトナム戦後の可能性も出てきました。

サバFCの新外国籍選手候補に元JDTのFWが浮上
 スポーツ専門サイトのスタジアムアストロは、Mリーグ1部のサバFCの新外国籍選手の候補にかつて同じ1部のJDTでもプレーしたアルゼンチン出身のホルヘ・ペレイラ・ディアスの名前が上がっていると報じています。
 サバFCの監督として2年目となるクルニアワン・ドゥイ・ユリアント監督はスタジアム・アストロの取材に対してこの噂を認めた上で、「ディアズ選手のプレースタイルは、サバFCのゲームプランにあっており、できるだけ速やかに契約にこぎつけて、直ちにマレーシアへ来てもらいたい。」と話し、2月末に予定されているMリーグの開幕に間に合うよう、経営陣に速やかに契約して欲しいと話しています。
 ディアズ選手は2014年にJDTに加入し、この年は29試合で15ゴールと活躍したものの翌年2015年には期限付き移籍でアルゼンチン1部のCAインデペンディエンテ、その翌年2016年にはJDTに復帰したのちメキシコ1部のクラブ・レオンへ再び期限付き移籍するなどし、最後にJDTでプレーしたのは2018年でした。

ケランタンFCオーナーがMFLに放映権料の督促状送付
 サポーターが沈静化のために行った提案も届かなかったようです。Mリーグ2部ケランタンFCのノリザム・トゥキマン オーナーが今度はMFLに対して放映権支払いの督促状送付を弁護士に命じたことを自身のFacebookで明らかにしています。
 昨季2020年シーズンのMリーグ2部はMyCujooによる有料オンラインストリーミングで配信されており、ノリザム オーナーはMリーグを運営するマレーシアンフットボールリーグMFLに対し、自身がオーナーとなって以降、ケランタンFCのホームゲームとして開催されたペラII戦(9月12日)、サラワク・ユナイテッド戦(9月25日)そしてヌグリスンビラン戦(10月3日)の3試合分の放映権がクラブに支払われていないと主張しています。
 この記事執筆の時点では、この件に対するMFLからのコメントは出されていません。
(写真はノリザム オーナーのFacebookに掲載された督促状)

1月19日のニュース:ケランタンFCサポーターがオーナー対FAM・MFL論争の即時解決を求める、JDTがジョナサン・エレーラを獲得

ケランタンFCサポーターがオーナー対FAM・MFL論争の即時解決を求める
 このブログでも連日、取り上げているケランタンFCのノリザム・トゥキマン オーナーがマレーシアサッカー協会FAM、Mリーグを運営するマレーシアンフットボールリーグMFLと繰り広げている場外バトルについて、ケランタン州のサッカーサポーターによるオンラインサポータークラブのKelet.Netは、不毛な論争を解決するためには三者が直ちに話し合いを持つべきだと提案しています。
 マレーシアの通信社ブルナマは、Kelete. Netのモハマド・ヌルル・モハマド・ユウソー会長は、三者の論争は見苦しく誰にとっても利益がないどころか、状況をより複雑化し、長引かせるものだと指摘し、速やかに話し合いをもつべきだという声明を発表しています。
 勝点剥奪処分から放映権料未払い、そして審判へ給料未払いなどの問題について、三者がそれぞれメディアや自身のソーシャルメディアを使って発言する一方、直接の対話が全く行われていないことを指摘しているモハマド・ヌルル氏は、対立解消のためにはFAMがノリザム オーナーとMFLともに話し合いを持つこと、またノリザム オーナーもFAMやMFLへの不満を安易にソーシャルメディア上で明かすのではなく、正式な方法で不服申し立てを行うべきであることなどを提言しています。

JDTがジョナサン・エレーラを獲得
 Mリーグ1部で7連覇中のジョホール・ダルル・タジムJDTは、新たな外国籍選手としてアルゼンチン出身のFWジョナサン・エレーラの加入をクラブの公式Facebookで発表しています。
 JDTのスポーツディレクターであるマーティン・プレスト氏の名前で投稿されたエレーラ選手加入の発表では、プレースタイルや年齢(29歳)がJDTのサッカースタイルに適していることが獲得の理由に挙げられています。
 隔離期間が終了次第、エレーラ選手はメディアに公開されるということですが、この他、今回の投稿では他に2名の選手が新たにJDTに加わることも明かされています。
 またこれを報じたブルナマの記事では、このエレーラ選手は、昨季はアルゼンチン2部のCDリエストラでプレーしたということです。
 エレーラ選手は昨季いっぱいで退団し、タイ1部のBGパトゥム・ユナイテッドへ移籍したジオゴ・サントスの穴を埋めることが期待されています。

1月17日のニュース:今度はMFLとケランタンFCオーナーの場外バトル勃発か、JDTが新たな医療施設とトレーニング施設を公開、代表監督就任のラジャゴパル氏がブルネイ入り、クチンシティのアシスタントコーチに前UKM FC監督が就任

今度はMFLとケランタンFCオーナーの場外バトル勃発か
 Mリーグ2部ケランタンFCは、昨季までケランタン州サッカー協会(ケランタン州FA)が運営していましたが、このケランタン州FAが抱える給料未払い問題により、今季2021年リーグでケランタンFCの勝点が剥奪される可能性が浮上しました。これに噛み付いたのがケランタンFCの新たなオーナーとなったノリザム・トゥキマン氏でしたが、 マレーシアサッカー協会FAMが勝点剥奪を否定したことで一件落着かと思われました。
 しかし今度はノリザム オーナーの発言がMリーグを運営するマレーシアンフットボールリーグMFLの癇に障った倫理規定に違反した可能性を英字紙ニューストレイトタイムズが報じています。
 ノリザム オーナーはFAMを批判する中で、MFLがMリーグ各クラブに対して放映権料を未だに支払っていないこと、そして審判の給料が未払いになっていることを指摘しました。しかしこれに対してMFLのアブドル・ガニ・ハサンCEOは、MFLがノリザム オーナーに対しその発言内容の説明を求める理由呈示命令書を送ったことを明らかにしています。
 「放映権料については、昨季分は既に全額を支払っており、今季についてはまだ発生していないことから、ノリザム オーナーの批判については特にコメントすることはない。また審判の給料未払いについては、先日Mリーグ各クラブのCEOと行ったミーティングの際に事情を説明し全員から理解を得ているので、なぜノリザム オーナーが改めて話題にしたのかが理解できない。」とアブドル・ガニCEOは話しています。
 「ノリザム オーナーはMリーグのステークホルダー(利害関係者)として、して良いこととするべきではないことを知っておく必要がある。言い換えれば、MFLの方針に相反する内容を公言することは、MFLの方針を否定していることになる。」とも述べて、ノリザム オーナーを非難しています。
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 これまではサッカーについては全くの部外者であったビジネスマンのノリザム オーナーと、国内サッカーの言わば互助会的な関係で運営されてきたMリーグ各クラブ、MFLとFAMとではそれぞれの「常識」が大きく異なっているようです。ただし、FAMが積極的に進める(というよりもアジアサッカー連盟AFCに急かされている)民営化が本格化すれば、ノリザム オーナーのような「身内以外」の人間が国内サッカーに直接関わる機会もますます増え、従来は起こり得なかった今回のようなFAM批判やMFL批判が今後も起こることが想像できます。MFLとFAMはこれを民営化の「産みの苦しみ」として受け入れるのでしょうか、それともこれまで同様に権威主義を貫いて力でねじ伏せようとするのでしょうか。

JDTが新たな医療施設とトレーニング施設を公開
 Mリーグ1部で7連覇中のジョホール・ダルル・タジムJDTが新たに完成した医療施設とトレーニング施設を公開しています。
 これを報じたニューストレイトタイムズは、医師と物理療法士それぞれ複数名が常駐する施設としては東南アジアで初であると報じています。
 JDTのオーナーでジョホール州皇太子のトゥンク・イブラヒム殿下は一人一人の選手のベストパフォーマンスを引き出すため、リハビリや回復のための施設も最高のものを用意していると話しています。
 オンライン上で公開された施設はトレーニング装置や遠赤外線サウナなどが完備されているほか、屋内のランニングトラックなども完備されています。
(私の中途半端な説明より下の映像を見ていただく方が早いです。-JDT TVより)

代表監督就任のラジャゴパル氏がブルネイ入り
 新型コロナウィルスによる影響がサッカー界でも散見される中、ブルネイ代表監督就任が決まっていたラジャゴパル・クリシュナサミー氏は既にブルネイ入りしており、予定通り指導を始めるとニューストレイトタイムズが報じています。
 元マレーシア代表監督としてU23代表を率いて2009年の東南アジア競技大会通称シーゲームズ優勝、そして翌2010年には東南アジアサッカー連盟AFF選手権スズキカップ優勝などの実績を持つラジャゴパル氏は1月15に日にブルネイ入りしており、現在は入国後に義務付けられている隔離期間中ということです。
 ブルネイサッカー協会と2年契約を結んだラジャゴパル監督は、1996年以来となるアジアサッカー連盟AFC選手権アジアカップの2023年大会本戦出場を目指し、今月1月末には代表候補選手を招集して合宿を開催する予定ということです。

クチンシティのアシスタントコーチに前UKM FC監督が就任
 前トレンガヌFC監督のイルファン・バクティ氏が新監督に就任したMリーグ2部のクチンシティFCのアシスタントコーチに、昨季2020年シーズンは同じMリーグ2部でプレーしたUKM FCで監督を務めたスライマン・フシン氏が就任したことをマレーシア語紙ハリアンメトロ電子版が報じています。
 マレーシア国立大学UKMが運営し、その学生を主体としたクラブだったUKM FCは昨季はMリーグ2部で3勝3分5敗の9位となりましたが、UKMがクラブ運営から撤退を表明し、その後の新たなスポンサーが見つからなかったことから、今季のMリーグには参加しないことが決まっています。
  現役時代はクアラルンプールFA(現クアラルンプール・ユナイテッド)などでプレーしたスライマン氏は、2008年にUKM FCでコーチに就任し、当時3部リーグに所属していたチームで2017年からは監督を務め、その年には3部リーグで優勝し2部昇格を果たし、昇格1年目の2018年、2019年と2年連続で*チャレンジカップ決勝へとチームを導いています。
*チャレンジカップとはマレーシアカップに出場できないMリーグ1部の12位のチームと2部の5位以下のチームが出場する大会で、UKM FCは2018年決勝はトレンガヌFC IIに。2019年決勝はJDT IIにそれぞれ敗れています。

1月8日のニュース:鈴木ブルーノはPDRM FC加入か、昨季TFC得点王はクアラルンプールUとの契約間近か、タイのクラブ退団のスマレはクダFC入り後に期限付き移籍でJDT入りか

今日はソーシャルメディア上の噂を3本集めました。

鈴木ブルーノはPDRM FC加入か
 2017年からMリーグでプレーし、昨季は2部トレンガヌFC IIで主将も務めながら、シーズン終了後に退団となった鈴木ブルーノ選手ですが、その勇姿が今季もMリーグで見られそうです。
 英字紙スターのスポーツ記者でMリーグの移籍情報に詳しいアヴィネシュワラン・タハルマレンガム記者のツイートによれば、鈴木選手は昨季は1部で12位となり今季は2部に降格するPDRM FCとの契約が間近とのことです。
 過去3年間は1部トレンガヌFCのセカンドチームであるトレンガヌFC IIでプレーしながら、シーズン中にはトップチームでプレーすることもあった鈴木選手は、今季も1週間にトップチームとセカンドチームの両方の公式戦に出場するなどタフネスぶりを発揮しただけでなく、トレンガヌFC IIの昨季2位躍進の立役者でもありました。
 昨季は給料未払いを理由に開幕前に勝点3を剥奪されて、短縮されたシーズンとは言え最終的には勝点がマイナス1という屈辱的な成績で降格するPDRM FCは、新たにマット・ザン・マット・アリス新監督の就任を発表していますが、選手の顔ぶれも大きく代わる中、Mリーグ5年目となるブルーノ選手の加入でサンタンの1部復帰が果たせるかどうかに注目が集まります。

昨季TFC得点王はクアラルンプールUとの契約間近か
 昨季2020年シーズンはチーム最多の9ゴール(11試合)を決めながら、トレンガヌFCが契約を延長しなかったドミニク・ダ・シルヴァが今季からMリーグ1部に昇格するクアラルンプール・ユナイテッドFC(旧クアラルンプールFA)との契約間近と、スポーツ専門サイトのスタジアムアストロが報じています。
 トレンガヌFCは2019年シーズンの7位から昨季3位と躍進し、アジアサッカー連盟AFCカップの出場権を獲得しましたが、それに貢献したダ・シルヴァ選手は1年契約終了後に延長オファーを出されることなく退団しています。
 昨季の実績に加え、新型コロナウィルスによる厳格な入国及び出国制限が課せられているマレーシアは国外から外国籍選手獲得が難しいことから、これまでも複数のMリーグクラブが獲得交渉を進めているという噂がありました。
 来季はチリ出身で前東ティモール代表監督を務めたシモン・エリゼッチ氏が就任することが発表になっているクアラルンプール・ユナイテッドFCはクダ・ダルル・アマンFCからハディン・アズマン、PJシティFCからサフィー・サリといった代表経験者を獲得しており、ダ・シルヴァ選手が獲得できれば攻撃陣はほぼ補強完了と言えます。

タイのクラブ退団のスマレはクダFC入り後に期限付き移籍でJDT入りか
 先月12月いっぱいでタイ1部ポリス・テロFCとの契約が切れた代表選手のモハマドゥ・スマレが既にマレーシアに戻っていることはこのブログでも取り上げましたが、そのスマレ選手がMリーグ1部クダ・ダルル・アマンFC(旧クダFA)と既に契約済みという噂があります。
 新型コロナウィルス感染拡大に伴う昨季のMリーグ中断期間中に給料未払いを理由に所属していたパハンFA(現スリ・パハンFC)を離脱しタイに渡ったスマレ選手ですが、タイで所属した1部ポリス・テロFCでは合計で111分間という出場時間が示すように、出場機会には恵まれませんでした。
 そしてそのスマレ選手は既にクダ・ダルル・アマンFC(KDA FC)と契約済みという噂がソーシャルメディア上にありますが、KDA FCは昨季は同じ1部のUITM FCでプレーしたレバノン代表のMFラビ・アタヤを獲得しており、アタヤ選手がこのスマレ選手と同じ右ウィングであることから、スマレ選手が期限付きでJDTへ移籍可能性も取り沙汰されています。
 またこのスマレ選手のJDT移籍と交代する形でリリドン・クラスニキのKDA FCへの期限付き移籍の可能性も噂されています。FIFAの規定によりマレーシアで5シーズンプレーし昨年2月にマレーシアに帰化したコソボ出身のクラスニキ選手ですが、JDTではトップチームのレギュラーどころかベンチ入りすらできず、昨季はセカンドチームのJDT IIでプレーしました。今年再開するFIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選の切り札とされるクラスニキ選手ですが、リーグ出場機会を求めてKDA FCへスマレ選手と入れ替わりの形でKDA FC入りとなるのではという噂です。そもそもクラブチームであるJDTでレギュラーになれない選手がそもそも代表入りできるのか、という疑問も残りますが、噂とはいえ理に叶っていますので、あながち噂だけで済まないかも知れません。

1月2日のニュース:サファウィ・ラシドが2020年アジア最優秀選手の候補に、UITM FCはクロアチア出身GKと契約、クダFCはシンガポール代表MFを獲得

サファウィ・ラシドが2020年アジア最優秀選手の候補に
 スポーツ専門サイトのフォックススポーツアジアが選ぶ2020年アジア最優秀選手にノミネートされた24名の選手が発表され、その中にMリーグ1部ジョホール・ダルル・タジムJDTのサファウィ・ラシドが含まれていることが明らかになりました。
 昨季2020年シーズンは国内リーグMリーグでは7試合出場で7ゴールと活躍しただけでなく、アジアサッカー連盟AFCチャンピオンズリーグACLヴィッセル神戸戦ではゴールを決めるなどアジアレベルでも名前を残しています。(ただしJDTは新型コロナウィルスによる中断を挟んで再開されたACLグループステージの出場を辞退したため、正式記録扱いになっていません。)
 ノミネートされた24名中唯一、東南アジア出身のサファウィ選手ですが、残る23選手の中にはこの賞を過去6年間で昨年までの3年連続を含む計5回受賞しているソン・フンミンやファン・ヒチャン(いずれも韓国)や久保建英や遠藤航、冨安健洋らの日本勢、ショジャー・ハリルザデー(イラン)がいる他、ノミネート資格がAFC加盟国の代表チームや国内リーグでプレーする選手であることからJリーグでプレーするアンドレス・イニエスタ(スペイン)や中国リーグでプレーするアレックス・テイシェイラ(ブラジル)もノミネートされています。
(下はフォックススポーツアジアのFacebookに掲載されたノミネート選手のリスト)

UITM FCはクロアチア出身GKと契約
 昨季2020年シーズンに初めてMリーグ1部に昇格したUITM FCは、昇格1年目のシーズンを6位で終える好成績を収めました。しかしその躍進に貢献したラビ・アタヤ(レバノン)ら外国籍選手が他のMリーグクラブに移籍するなどして退団し、戦力ダウンが予想されています。
 そんな中、UTIM FCがクロアチア出身のGKドミニク・ピチャックと契約したとサッカー専門サイトのヴォケットFCが報じています。今回初めてアジアでプレーするというピチャック選手は28歳で、母国クロアチアのNKディナモ・ザグレブを皮切りにドイツでもプレーし、 昨季2020年シーズンはドイツ4部のSVバベルスベルク03に所属していたということです。この他、ピチャック選手はU19やU21代表でもプレー経験もあるということです。

クダFCはシンガポール代表MFを獲得
 Mリーグ1部クダ・ダルル・アマンFC(KDA FC-今季から、昨季まではクダFA)がシンガポール代表MFアヌマンサン・モハン・クマールを獲得しました。
 シンガポールの英字紙ニューペーパー電子版は、昨季2020年シーズンはシンガポールリーグのホウガン・ユナイテッドでプレーした26歳のアヌマンサン選手が1年契約結んだと報じ、その給料はホウガン・ユナイテッドFC時代から倍増したとも伝えています。
 「アヌ」の愛称で知られるアヌマンサン選手は国外でのプレーは初めていうことですが、同じシンガポール出身のアイディル・シャリンKDA FC監督がシンガポールリーグのホーム・ユナイテッドFC(現ライオンシティセイラーズFC)の監督時代にその下でプレーした経験があるそうです。
 そのアイディル監督もアヌマンサン選手に注目しており、現在は選手として成熟しているとし「現在、KDA FCには埋めなければいけないポジションがあるが、アヌはそこにピッタリとはまる選手である。」と話しています。
 KDA FCの他、今季からMリーグ1部に昇格するペナンFC(今季から、昨季まではペナンFA)、さらには国内リーグのタンピネス・ローヴァーズFCやライオン・シティー・セイラーズFCなどからも獲得オファーを受けていたことを明かしたアヌマンサン選手は、「これまでもいつか国外でプレーしたいと思ってきたが、今がその時だと決断した。」と述べています。
 アヌマンサン選手のKDA FC加入で、今季Mリーグでプレーするシンガポール出身選手はハリス・ハルン(JDT)、サフアン・バハルディン(スランゴールFC)、そしてKDA FCからペラFCに移籍したシャキル・ハムザと合わせて4名となります。

1月1日のニュース:2020年フットボールアウォード発表-JDTの独壇場に、クラスニキが代表合宿初招集、FIFAはケランタンFCに対する選手獲得禁止制裁を解除

 明けましておめでとうございます。2021年もどうぞよろしくお願い致します。それでは新年1回目のニュースをお伝えします。

2020年フットボールアウォード発表-JDTの独壇場に
 12月30日に開催された2020年フットボールアウォード(年間表彰)では、大方の予想通りJDTの独壇場となりました。
 新型コロナウィルスの影響により史上初のオンライン開催となった今年の年間表彰では、ファン投票が全体の30%、Mリーグ1部と2部の24チームの監督、主将とメディア関係者の投票が70%として審査され、今季Mリーグ1部で7連覇を果たしたジョホール・ダルル・タジムJDTが審査対象となった6部門中5部門を受賞するなど、リーグ同様に圧勝でした。以下、受賞者です。

<最優秀GK:ファリザル・マーリアス(JDT)5度目>
 代表でもプレーするファリザル選手が2009年、2015年、2018年、2019年に続く5度目の最優秀GK受賞を果たしています。
<最優秀DF:アイディル・ザフアン・アブドル・ラザク(JDT)5度目>
 最優秀DFはやはり代表の主力でもあるアイディル・ザフアンが受賞。2009年、2010年、2012年、2015年に続く5度目の受賞です。
<最優秀MF:サファウィ・ラシド(JDT)2度目>
 ポルトガルリーグ挑戦では残念な結果に終わったサファウィ・ラシドですが、最優秀MFは一昨年2018年に続く2度目の受賞です。(ちなみに昨年2019年はFW部門でノミネートされて最優秀FWに選出されています。)今回はマレーシアの全サッカーファンに送られる特例となった最優秀選手部門では2018年、2019年と2年連続で選ばれている現在のマレーシアNo. 1選手ですが、来季から復帰するJDTでは、国外のクラブが獲得に乗り出すような活躍を見せて欲しいです。
<最優秀FW:シャーレル・フィクリ(ペラTBG)2度目>
 マレーシア人選手として今季リーグ最多の10ゴール(11試合)を挙げたシャーレル・フィクリが2017年に次ぐ2度目の最優秀FW受賞です。
<最優秀監督:ベンヤミン・モラ(JDT)初受賞>
 リーグ7連覇中のJDTも最優秀監督賞となると2015年のマリオ・ゴメス監督まで遡らなければなりません。メキシコ出身のモラ監督自身は初受賞です。
<最優秀クラブ:JDT 5度目>
 2014年、2016年、2018年、2019年に続く5度目の受賞です。前身のジョホールFC時代を含めると、表彰が始まった2009年から2020年までで7度目の受賞です。
*ここまでが審査員によって決まる表彰部門です。

<ゴールデンブーツ-1部リーグ得点王>
 イフェダヨ・オモスイ(スランゴールFC)12ゴール(11試合)
 チームに優勝の望みが無くなった最後の3試合で7ゴールの荒稼ぎをしたイフェダヨ・オモスイがゴールデンブーツを初受賞しています。
<年間最多ゴール>
 1部スーパーリーグ外国籍選手部門 イフェダヨ・オモスイ(12ゴール)
 1部スーパーリーグマレーシア人選手部門 シャーレル・フィクリ(10ゴール)
 2部プレミアリーグ外国籍選手部門 カサグランデ(ペナンFA-9ゴール)
 2部プレミアリーグマレーシア人選手部門 ダニアル・アサリ(スランゴール2-7ゴール)

クラスニキが代表合宿初招集
 マレーシアの通信社ブルナマはコソボ出身の帰化選手であるリリドン・クラスニキが今月1月15日から予定されている代表合宿に初招集されると報じています。
 Mリーグ1部JDTに所属する28歳のクラスニキ選手は2015年にクダFAに加入し、それ以来Mリーグでプレーし続けていることから、FIFAが規定する帰化選手条件を満たしたことからマレーシアサッカー協会FAMの支援により、昨年2020年2月にマレーシア国籍を獲得しています。
 初招集となったクラスニキ選手ですが、クダFA時代には当時クダFA監督だったタン・チェンホー代表監督のもとで2015年から2017年までプレーした経験もあります。
 ガンビア出身のモハマドゥ・スマレ(ポリス・テロFC)に次ぐ、マレーシア人を血縁者に持たない二人目の帰化選手となったクラスニキ選手ですが、昨季2020年シーズンはJDTでレギュラーを確保できず、出場試合数は3試合でした。

FIFAはケランタンFCに対する選手獲得禁止制裁を解除
 ブルナマは国際サッカー連盟FIFAがMリーグ2部のケランタンFCに課していた選手獲得禁止の制裁措置を解除したことを報じています。
 ケランタンFCはかつて在籍した外国籍選手や監督に対して多額の未払い給料があり、この問題が選手や代理人によってFIFAに持ち込まれたことから、FIFAはこれを完済するまで選手獲得を禁止する制裁をケランタンFCに課していました
 昨年2020年9月にケランタンFCの新たなオーナーとなったノリザム・トゥキマン氏は、2018年から2019年にかけて在籍したブラジル出身のカッシオ・デ・ジェズスに対する未払い給料61万2632リンギ(およそ1570万円)を完済したことでFIFAによる制裁が解除となったことを明かし、この制裁解除によりクラブは可能となった選手の獲得を含め今季のチーム編成に専念できると話しています。
 さらにノリザム オーナーは「オーナー就任後、既に800万リンギ(およそ2億500万円)を費やして、これまでクラブを運営者していたケランタン州サッカー協会の作った未払い給料の支払いを行なってきたが、今回の制裁が解除となったことで外国籍選手も含めた最高の選手を獲得して今季リーグに臨みたい。」とも話しています。

12月19日のニュース:撤退表明のエアアジアが一転して来季Mリーグスポンサーに、代表合宿の1月開催が決定、JDTとユニセフが子供たちの人道支援で協力、サファウィの来季JDT復帰は既定路線

撤退表明のエアアジアが一転して来季Mリーグスポンサーに
 マレーシアの通信社ブルナマは、今季限りでスポンサーから撤退することを発表していた格安航空会社のエアアジアが、一転して来季のMリーグのスポンサーとなることを発表したと報じています。
 Mリーグを運営するマレーシアンフットボールリーグMFLのハミディン・アミン会長の話として伝えられており、最近、行われたエアアジアグループのトニー・フェルナンデスCEOとの会談の席上でトニーCEOから伝えられたということです。
 ハミディン会長は、MFLは来季2021年シーズンに向けてより多くのスポンサー獲得に奔走しているということで、エアアジア同様に撤退を表明したマレーシアの金融グループのCIMBグループもスポンサー復帰の可能性があると明かしています。
 エアアジアは昨季2019年と今季2020年シーズンのMリーグの公式エアラインとして、またCIMBグループは今季のMリーグ1部スーパーリーグの冠スポンサーとなっていましたが、今期終了後、いずれも契約を更新しないことを発表していました。
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 エアアジア・ジャパンは事業を廃止し、またエアアジアグループの中・長距離路線を運行しているエアアジアXは発行済み資本を99.9%減らし、減資で発生した資金を負債返済に充当することを発表するなど、新型コロナウィルスの影響を大きく受けたエアアジアのスポンサー撤退はやむを得ないのかと思いましたが、この発表は意外でした。 

代表合宿の1月開催が決定
 ブルナマは代表合宿が1月15日から26日までの日程で開催されると報じています。
 現在中断されているFIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選件AFC選手権アジアカップ2023年大会予選が3月開催予定の中、当初は3月の大会直前とされていた日程が早まった格好です。
 マレーシアサッカー協会FAMのスチュアート・ラマリンガム事務局長はによれば、タン・チェンホー監督はこの合宿には30名程度を招集する予定で、これまで予選に出場した選手に加え、初招集となる選手も数名いるということです。
 また今後の代表の予定については、3月初旬にバーレーンとアウェイで練習試合を行った後、そのまま3月25日のアブダビでのアラブ首長国(UAE)戦に臨むとスチュアート事務局長は話しています。FIFAの公式サイトによればUAE戦の後は、3月30日のホームでのベトナム戦、そして最終戦は6月15日のアウェイでのタイ戦が組まれています。
 W杯アジア二次予選でG組のマレーシアはここまでの5試合を3勝2敗の勝点9で現在はベトナムに次ぐ2位につけています。

JDTとユニセフが子供たちの人道支援で協力
 こちらもブルナマからですが、Mリーグ1部7連覇中のジョホール・ダルル・タジムJDTは東南アジア初のユニセフ(国連児童基金)公式パートナーとなり、子供たちの人道支援を行うことことが報じられています。
 ジョホール州皇太子でJDTのオーナーでもあるトゥンク・イスマイル殿下は今回の協力関係について、JDTブランドの国際化をさらに進めるための一環であると話しています。「子供たちのための人道支援はJDTが当初から行なっていることであり、ユニセフとの協力関係はJDTの目的とも一致している。ユニセフは200カ国以上にネットワークを持っているので、今回の協力関係を通じて、世界がJDTのことを知るようになるだろう。」
 トゥンク・イスマイル殿下はJDTが単なるサッカークラブではなく、社会に貢献する組織であると話し、1年間と発表されたパートナーシップについて、その後も延長する可能性を否定していないということです。
 またトゥンク・イスマイル殿下は来季のユニフォームの胸にユニセフのロゴが載る可能性があるとも話したということです。

サファウィの来季JDT復帰は既定路線
 ポルトガル1部のポルティモネンセSCに期限付きで移籍中のサファウィ・ラシドについて、所属先JDTのオーナーでジョホール皇太子のトゥンク・イスマイル殿下は、来季2021年シーズンには100%の確率でJDTに復帰すると語っています。
 マレーシア語紙ハリアン・メトロによれば、出演したテレビ番組「ボラ@ママック」の中でトゥンク・イスマイル殿下が明らかにしたもので、2月末に開幕となる2021年シーズンに間に合う様に帰国させると語ったということです。
 2018年、2019年とマレーシアサッカー協会FAMの年間最優秀選手賞を受賞している23歳のサファウイ選手は、これまでベンチ入りして入るもののリーグ戦出場はなく、U23リーグの1試合に出場したのみとなっています。
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 異国でのサッカーにも生活にも慣れてきたであろう時期の帰国をサファウィ選手自身が望んでいるかどうかはわかりませんが、今後のサッカー選手としての成長と23歳という年齢を考えるとあと数年は我慢して残してもと良いと思いますが、JDTオーナーは別の考えなのでしょう。まさか1年で目に見える結果が出ると思ってはいなかったでしょうが、マレーシアのNo.1選手の海外挑戦としては、あっけなかった印象です。

12月1日のニュース:タイ1部第13節-ドミニク・タンは途中出場もスマレとノーシャルルはベンチ入りせず、ポルトガル1部第8節-サファウィはベンチ入りも出場なし、国立エリートアカデミー第2期卒業生の主力はJDTとスランゴールFCへ、PJシティFCとサバFCはいずれもマレーシア人新監督就任

タイ1部第13節ドミニク・タンは途中出場もスマレとノーシャルルはベンチ入りせず
 11月27日から30日にかけてタイ1部リーグ第13節が行われました。11月27日に行われたナコーンラーチャシーマーマツダFC対BGパトゥム・ユナイテッドFCは首位のBGパトゥム・ユナイテッドが2-0で勝利しましたが、マレーシア代表で12月いっぱいでの退団が決まっているノーシャルル・イドラン・タラハはベンチ入りしませんでした。
 また11月30日に行われたトゥルー・バンコク・ユナイテッドFC対ポリステロFCの試合は1-1の引き分けでした。マレーシア代表のドミニク・タンは74分から出場しましたが、同じ代表のモハマドゥ・スマレはやはりベンチ入りしませんでした。(その後、スマレ選手は練習中に負ったケガのため、チームの遠征に帯同しなかったことをポリス・テロFCのラングサン監督が明らかにしています。なお、ケガの具合については深刻なものではないとのことです。)

ポルトガル1部第8節-サファウィはベンチ入りも出場なし
 11月29日(現地時間)にポルトガル1部第8節の数試合が行われ、マレーシア代表のサファウィ・ラシドが所属するポルティモネンセSCがCDナシオナルを1-0で破っています。なお、サファウィ選手は3試合連続でベンチ入りしましたが、この試合も出場機会はなく、ポルトガルリーグデビューは果たせませんでした。
 この試合まで1勝1分5敗のポルティモネンセSCと、同じく2勝4分1敗のCDナシオナルの対戦となったこの試合は、ブラジル出身FWファブリシオのゴールでポルティモネンセSCが10月17日の第4節以来となる今季2勝目を挙げています。

国立エリートアカデミー第2期卒業生の主力はJDTとスランゴールFCへ
 マレーシア政府青年スポーツ省とFAMが共同で運営する国家サッカー選手養成プログラムNFDPの中核となるモクタル・ダハリ・アカデミーAMDは国立のエリートアカデミーですが、その第2期生となる17歳の選手40名がこの度卒業となりました。
 その40名中、Mリーグ1部7連覇中のジョホール・ダルル・タジムJDTとやはり1部のスランゴールFCが合わせて12名の選手と契約したと、マレーシアの通信社ブルナマが報じています。
 なおこの記事によると、この両クラブはAMDの主力選手12名に卒業生全員に2年から3年の複数年契約をオファーしたということです。
 主力選手の一人MFジアド・アル・バシールや、現在はベルギー1部リーグのKVコルトレイクに所属するルクマン・ハキム・シャムスディンと2016年のAFC U16選手権ではコンビを組んだFWムハマド・ナジムディン・アクマル・カマル・アクマルはJDTと、またDFムハマド・ファイズ・アメル・ルニザルはスランゴルFCとそれぞれ契約しています。なおこの12名の大半は今年2月に鹿児島で開催されたJENESYS2019青少年サッカー交流大会にマレーシアU17代表として出場したということです。
 なお、昨年AMDを卒業した第1期生34名はJDTが6名、スランゴールFCが28名と契約しています。
 以下はJDTとスランゴールFCが契約したAMD第2期生の氏名です。

氏名ポジション契約先
Muhammad Haziq Ridhwan Mohd RosliDFJDT
Muhammad Naqiu Aiman Abdul Hadi DFJDT
Muhammad Najmudin Akmal Kamal AkmalFWJDT
Ziad El Basheer NorhishamMFJDT
Mohammad Marwan Abdul RahmanDFJDT
Muhammad Syukur Fariz JanuriMFJDT
Muhammad Faiz Amer RunnizarDFスランゴール
Syahmi Adib Haikal Mohd ShukriGKスランゴール
Abdul Afiq Hilman Abdul HalimFWスランゴール
Muhammad Haiqal Haqeemi HairiDFスランゴール
Muhammad Khairi Suffian KhaineyusriFWスランゴール
Syed Zaris Irfan Syed Putra Hasdiana Faizal DFスランゴール

PJシティFCとサバFCはいずれもマレーシア人新監督就任
 今季Mリーグ1部で7位に終わったPJシティFCと同10位のサバFC(来季より、今季はサバFA)はそれぞれ新監督の就任を発表しています。
 PJシティFCは、今季アシスタントコーチを務めたマニアム・パチャイアパン氏が監督に昇格します。マレーシアU16、U19、U21代表の監督経験の他、2017年シーズンはスランゴールFA(現スランゴールFC)でも監督を務めたマニアム監督率いるPJシティFCは、来季は外国籍選手なし、全員マレーシア選手という布陣でMリーグ1部に臨むということです。
 これについてマニアム監督は、若い選手により多くの機会を与えて、特に外国籍選手に頼ることの多いストライカーとセンターバックで実力を発揮して欲しいと話し、今季のメンバーの6割が残るチームにはトレンガヌFCから獲得した元代表のダレン・ロックとU21のプレジデントカップチームのメンバーもトップチームに呼ぶことになるだろうとも述べています。
 またサバFC(来季から、今季はサバFA)は、サバ州に隣接するサラワク州出身のルーカス・カラン氏の新監督就任を発表しています。
 今季1部に昇格したサバFAは、昨季監督を務めたジュリアス・アティン氏がMリーグ1部での監督に必要なAFCプロライセンスを保持していなかったことから、インドネシア出身のクルニアワン・ドゥイ・ユリアン監督が就任しましたが、今季終了後に契約が更新され図、事実上の解任となっていました。
 サバFCのヴァードン・バハンダCEOは、AFCプロライセンスを持ち、スポーツ科学の専門家でもあることから、ルーカス氏が複数の候補者から選ばれたと話しています。
 

11月13日のニュース:マレーシアカップの中止が決定-AFCカップ出場権はTFCへ、スランゴールFCの新監督に前ヴィッセル神戸監督が就任か、JDTから移籍のジオゴはタイ1部リーグの最高給取りに

マレーシアカップの中止が決定-AFCカップ出場権はトレンガヌFCへ
 マレーシアカップを主催するマレーシアフットボールリーグMFLは、公式Facebookで今季のマレーシアカップ中止を発表しています。
 MFLは国内のスポーツを監督する青年スポーツ省を通じて、国家安全保障委員会NSCが発表した大会延期の再検討を求めていましたが、これが受け入れられなかったことから、中止を決定したとしています。
 MFLのアブドル・ガニ・ハサンCEOは、今回の中止決定はMFLは選手を含めた関係者全員の健康と安全を優先するNSCの決定を尊重した結果であると話す一方で、大会が延長された場合、選手の契約期間が11月末までであることから、契約延長によって様々な問題が生じる可能性があるとも中止決定の理由に挙げています。
 またマレーシアカップ優勝チームに与えられる予定であった来季2021年シーズンのAFCカップ出場権は、今回のマレーシアカップ中止の決定により今季Mリーグ3位のトレンガヌFCに与えられることも臨時役員会で決定されたしています。

スランゴールFCの新監督に前ヴィッセル神戸監督が就任か
 Mリーグ1部で5位となったスランゴールFCはリーグ戦中にサティアナタン・バスカラン監督を解任し、残りの試合はマイケル・ファイヒテンバイナーTD(テクニカルダイレクター)が代行監督を務めましたが、既に新監督が決まっているようです。
 その新監督とは今季、Jリーグのヴィッセル神戸で指揮をとりながら、家庭の事情を理由に9月に辞任していたトルステン・フィンク氏だとスポーツ専門サイトのスタジアムアストロが報じています。
 スタジアムアストロによれば、ドイツ出身のフィンク監督は既にマレーシア国内におり、渡航者全員に義務付けられている入国後2週間の隔離期間を過ごして最中であるとも報じています。
 昨年2019年にヴィッセル神戸の監督に就任したフィンク氏は同年の天皇杯、今年2月の富士ゼロックススーパーカップで優勝するなどの実績を残していました。
 なおフィンク氏が率いていたヴィッセル神戸は、今季のアジアサッカー連盟AFCチャンピオンズリーグでMリーグ覇者のジョホール・ダルル・タジムJDTと同じG組に入り、監督在任中だった今年2月12日のグループステージ開幕戦ではJDTを5-1と一蹴しています。
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 Mリーグ7連覇の覇者JDTとの今季の対戦では1-6と惨敗し、昨年までの過去5シーズンでもリーグ戦では10試合で1勝4分5敗とJDTには劣勢のスランゴールFCですが、フィンク監督が新監督に就任することになれば、スランゴールFC対JDTは俄然注目のカードとなります。
 Mリーグ1部では9勝2分0敗と今季無敗だったJDTが2020年に喫した唯一の黒星がACLのヴィッセル神戸戦だったことを考えると、JDTによる一強多弱状況を打破したいかつての王者スランゴールFCが探していたのは、まさに「JDTを破った経験のある監督」だったということかも知れません。

JDTから移籍のジオゴはタイ1部リーグの最高給取りに
 サッカー専門サイトのヴォケットFCは、Mリーグ1部チャンピオンのJDTからタイ1部リーグのBGパトゥム・ユナイテッドに移籍するジオゴがタイ1部リーグで最高の年棒が払われる選手となる可能性を報じています。
 ヴォケットFCはタイ国内メディアのサイアムスポーツの記事を引用し、JDTでプレーしていた際に支払われていた給料金額が高かったことから、BGパトゥム・ユナイテッドもそれに見合った金額を用意した結果、対1部リーグの最高級取りとなりそうだとしています。
 ジオゴ選手のBGパトゥム・ユナイテッドでの月給は330万バーツ(およそ1150万円)ということですが、このジオゴ選手の他のBGパトゥム・ユナイテッドの選手の給料は、チーム内2位のヴィクトル・カルドゾは月給100万バーツ(およそ348万円)、3位の清水エスパルスから移籍するとされているティーラシン・デーンダーは月給72万5000バーツ(およそ252万円)となっていますが、このチームでプレーするマレーシア代表のノーシャルル・イドラ・タラハは、チームの給料ランキングではトップ8に入っていないということです。

11月12日のニュース:JDTは政府の出国禁止措置によりACL出場取り止めに、政府はマレーシアカップ延期の決定を再検討せず、AFCは中断中のW杯予選日程の概要を発表

JDTは政府の出国禁止措置によりACL出場取り止めに
 今季のMリーグ1部で7連覇を達成したジョホール・ダルル・タジムJDTは、昨季2019年のMリーグ優勝チームとしてアジアサッカー連盟AFCチャンピオンズリーグACLに出場しています。ヴィッセル神戸(日本)、広州恒大(中国)、水原三星(韓国)と同じG組に入り、ここまで1勝0分1敗のグループ2位につけています。
 このACLのG組は11月19日からカタールのドーハでの集中開催が決まっていますが、マレーシア政府の国家安全保障委員会NSCは新型コロナウィルス感染拡大防止のため自国民の国外渡航を禁じており、これによりJDTにも出国の許可が下りず、JDTはACLへの出場を取り止めことが、JDIの公式Facebookで発表されています。
 アリスター・エドワーズTD(テクニカルディレクター)名で出された発表では、アジア最高峰の大会に参加できなくなったことには失望しているとしながらも、マレーシア政府の決定を尊重し、またドーハへ渡航する予定だったJDTの選手や監督、コーチの安全は最優先されるべきであり、新型コロナウィルス感染が拡大する中ではこのような安全措置は理解していると述べています。

政府はマレーシアカップ延期の決定を再検討せず
 マレーシア政府は今季のマレーシアカップ延期の決定について、マレーシアフットボールリーグMFLが求めている再検討をする予定がないようです。
 マレーシアの通信社ブルナマは、新型コロナウィルス関連を担当するスマイル・サブリ・ヤアコブ上級相(兼国防相)の話として、MFLからの再検討依頼があったとしながらも、選手を含めた関係者の間で感染が発生するリスクを避けるために決定を変更する予定はないとしています。
 「国家安全保障委員会の席上では、ピッチ上での選手同士の接触は避けられないことから感染のリスクが指摘されている。また選手や監督、コーチなど試合に関わる人間の数は多い上、大半が同じバスで移動し、同じ更衣室を使えば厳格な標準作業手順SOPを遵守することは難しい。また演劇のような娯楽では無観客の上、出演者全員がマスクをした上で社会的距離ソーシャルディスタンスを維持するなどのSOPの遵守は難しくないが、サッカーではそのようなわけにはいかない。」と一部から出ていた批判についてもサブリ上級相は答えています。
 しかしその一方で、新規感染者数に減少傾向が見られるようになれば、数週間でマレーシアカップを再開することは可能であるとも話しています。

AFCは中断中のW杯予選日程の概要を発表
 アジアサッカー連盟AFCは公式サイト上で、現在中断されているFIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選兼AFC選手権アジアカップ2023年大会予選の日程が理事会で承認されたと発表しています。
 これによるとアジア二次予選は来年2021年6月15日までに完了するしている必要があるとし、第7節と第8節は来年3月に、第9節と第10節は来年6月にそれぞれ開催し、アジア最終予選を来年9月に開催するとしています。
 またアジア最終予選は2022年3月末までに終了し、大陸間プレーオフはFIFAの国際試合カレンダー期間の2022年5月または6月に行うこと、またアジア最終予選A組とB組の3位動詞が対戦するアジア枠のプレーオフは従来のホームアンドアウェイ式ではなく1試合で決着をつけることも提案されています。
 また中国が開催を辞退したAFC U23選手権2022年大会とその次回大会となる2024年大会、さらにはAFC選手権2027年大会も西アジア諸国を対象に開催希望国を改めて募ることについても理事会で同意されたということです。
 この他、マレーシアも出場予定ながら延期となっているU19選手権は来年3月3日から20日まで当初の予定どおりウズベキスタンで、またU16選手権は日程は未定ながらバーレーンで開催されることも明らかにされています。