1月17日のニュース:今度はMFLとケランタンFCオーナーの場外バトル勃発か、JDTが新たな医療施設とトレーニング施設を公開、代表監督就任のラジャゴパル氏がブルネイ入り、クチンシティのアシスタントコーチに前UKM FC監督が就任

今度はMFLとケランタンFCオーナーの場外バトル勃発か
 Mリーグ2部ケランタンFCは、昨季までケランタン州サッカー協会(ケランタン州FA)が運営していましたが、このケランタン州FAが抱える給料未払い問題により、今季2021年リーグでケランタンFCの勝点が剥奪される可能性が浮上しました。これに噛み付いたのがケランタンFCの新たなオーナーとなったノリザム・トゥキマン氏でしたが、 マレーシアサッカー協会FAMが勝点剥奪を否定したことで一件落着かと思われました。
 しかし今度はノリザム オーナーの発言がMリーグを運営するマレーシアンフットボールリーグMFLの癇に障った倫理規定に違反した可能性を英字紙ニューストレイトタイムズが報じています。
 ノリザム オーナーはFAMを批判する中で、MFLがMリーグ各クラブに対して放映権料を未だに支払っていないこと、そして審判の給料が未払いになっていることを指摘しました。しかしこれに対してMFLのアブドル・ガニ・ハサンCEOは、MFLがノリザム オーナーに対しその発言内容の説明を求める理由呈示命令書を送ったことを明らかにしています。
 「放映権料については、昨季分は既に全額を支払っており、今季についてはまだ発生していないことから、ノリザム オーナーの批判については特にコメントすることはない。また審判の給料未払いについては、先日Mリーグ各クラブのCEOと行ったミーティングの際に事情を説明し全員から理解を得ているので、なぜノリザム オーナーが改めて話題にしたのかが理解できない。」とアブドル・ガニCEOは話しています。
 「ノリザム オーナーはMリーグのステークホルダー(利害関係者)として、して良いこととするべきではないことを知っておく必要がある。言い換えれば、MFLの方針に相反する内容を公言することは、MFLの方針を否定していることになる。」とも述べて、ノリザム オーナーを非難しています。
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 これまではサッカーについては全くの部外者であったビジネスマンのノリザム オーナーと、国内サッカーの言わば互助会的な関係で運営されてきたMリーグ各クラブ、MFLとFAMとではそれぞれの「常識」が大きく異なっているようです。ただし、FAMが積極的に進める(というよりもアジアサッカー連盟AFCに急かされている)民営化が本格化すれば、ノリザム オーナーのような「身内以外」の人間が国内サッカーに直接関わる機会もますます増え、従来は起こり得なかった今回のようなFAM批判やMFL批判が今後も起こることが想像できます。MFLとFAMはこれを民営化の「産みの苦しみ」として受け入れるのでしょうか、それともこれまで同様に権威主義を貫いて力でねじ伏せようとするのでしょうか。

JDTが新たな医療施設とトレーニング施設を公開
 Mリーグ1部で7連覇中のジョホール・ダルル・タジムJDTが新たに完成した医療施設とトレーニング施設を公開しています。
 これを報じたニューストレイトタイムズは、医師と物理療法士それぞれ複数名が常駐する施設としては東南アジアで初であると報じています。
 JDTのオーナーでジョホール州皇太子のトゥンク・イブラヒム殿下は一人一人の選手のベストパフォーマンスを引き出すため、リハビリや回復のための施設も最高のものを用意していると話しています。
 オンライン上で公開された施設はトレーニング装置や遠赤外線サウナなどが完備されているほか、屋内のランニングトラックなども完備されています。
(私の中途半端な説明より下の映像を見ていただく方が早いです。-JDT TVより)

代表監督就任のラジャゴパル氏がブルネイ入り
 新型コロナウィルスによる影響がサッカー界でも散見される中、ブルネイ代表監督就任が決まっていたラジャゴパル・クリシュナサミー氏は既にブルネイ入りしており、予定通り指導を始めるとニューストレイトタイムズが報じています。
 元マレーシア代表監督としてU23代表を率いて2009年の東南アジア競技大会通称シーゲームズ優勝、そして翌2010年には東南アジアサッカー連盟AFF選手権スズキカップ優勝などの実績を持つラジャゴパル氏は1月15に日にブルネイ入りしており、現在は入国後に義務付けられている隔離期間中ということです。
 ブルネイサッカー協会と2年契約を結んだラジャゴパル監督は、1996年以来となるアジアサッカー連盟AFC選手権アジアカップの2023年大会本戦出場を目指し、今月1月末には代表候補選手を招集して合宿を開催する予定ということです。

クチンシティのアシスタントコーチに前UKM FC監督が就任
 前トレンガヌFC監督のイルファン・バクティ氏が新監督に就任したMリーグ2部のクチンシティFCのアシスタントコーチに、昨季2020年シーズンは同じMリーグ2部でプレーしたUKM FCで監督を務めたスライマン・フシン氏が就任したことをマレーシア語紙ハリアンメトロ電子版が報じています。
 マレーシア国立大学UKMが運営し、その学生を主体としたクラブだったUKM FCは昨季はMリーグ2部で3勝3分5敗の9位となりましたが、UKMがクラブ運営から撤退を表明し、その後の新たなスポンサーが見つからなかったことから、今季のMリーグには参加しないことが決まっています。
  現役時代はクアラルンプールFA(現クアラルンプール・ユナイテッド)などでプレーしたスライマン氏は、2008年にUKM FCでコーチに就任し、当時3部リーグに所属していたチームで2017年からは監督を務め、その年には3部リーグで優勝し2部昇格を果たし、昇格1年目の2018年、2019年と2年連続で*チャレンジカップ決勝へとチームを導いています。
*チャレンジカップとはマレーシアカップに出場できないMリーグ1部の12位のチームと2部の5位以下のチームが出場する大会で、UKM FCは2018年決勝はトレンガヌFC IIに。2019年決勝はJDT IIにそれぞれ敗れています。