観戦記:6月2日国際親善試合マレーシア代表対ネパール代表@ブキ・ジャリル国立競技場

断食月中ではありますが、今月7日にはFIFAワールドカップ2022年大会のアジア一次予選を控えるマレーシア代表は、ネパール代表をブキ・ジャリル国立競技場に迎え、練習試合を行いましたので、観戦に行ってきました。
 ブキ・ジャリル国立競技場での観戦は数年ぶりです。

オープンスタンドのチケットは20リンギ(約520円)でした。写真右は暗くてわかりにくいですが、窓口上の料金表です。練習試合ということもあってか手書きでした…。なお料金表一番下のKanak-kanakは子どものチケット代です。

人口約3200万人のマレーシアは、2018年時点で外国人労働者の数が180万人おり、非合法の労働者も含めればその数は600万人とも言われています。その内、ネパール人労働者は約50万人いるそうです。ということで、マレーシアに住んでいるであろうネパール人サポーターも大挙観戦に来ていました。またスタジアムの外にはネパール国旗をプリントしたTシャツを売る店もありました。

1998年に建てられたブキ・ジャリル国立競技場は、東南アジアではインドネシアのジャカルタにあるゲロラ・ブン・カルノ競技場に次ぐ87,411名収容のスタジアムです。2017年にはクアラ・ルンプール(KL)が東南アジア競技大会の開催地となったため、大幅な改修工事が行われたのは知っていましたが、久しぶりに足を運んでみると見違えるほど綺麗になっていました。スタンドには車椅子での観戦席も整備されています。

マレーシアの他のスタジアムや公共施設では考えられないほど、トイレが綺麗なのはある意味感激でした。

二日後にある断食明けのお祝いハリラヤは、日本で言えば正月にあたるイベントで、地方出身者にはKLから実家へ帰省する人が多く、この日も試合開始1時間前はスタンドはガラガラでした。さらに2階席へは入れず、売店も閉まっていました…。

そうこうしている内に両チームのスタメンが発表になりました。マレーシアは主力選手で帰化選手のムハマドゥ・スマレ(パハンFA)が、昨年末のアセアンサッカー連盟AFF選手権スズキカップ決勝(の試合後の暴言)で4試合の出場停止処分を受けており、今日の試合には出場できません。以下は両チームの先発メンバーです。発熱で体調不良が報じられていた新キャプテンのファリザル・マリアスもスタメンです。

両国の国旗に続いて選手が入場、そして国歌演奏という流れでインターナショナルマッチの雰囲気が高まりました。

前回のエアマリンカップでは、チケット代が高すぎるとして代表戦ボイコットを宣言したウルトラス・マラヤの皆さんもこの日は三々五々とやってきました。ゴール裏の席は開場されていなかったため、微妙な位置で応援です。

いよいよ試合開始。開始時刻は午後10時でした。

前半はほとんどの時間がネパール側サイドでのプレーでした。開始早々はチャンスが何度かあったものの、その後はネパールはいわゆる「大型バスをゴール前に駐車」し。マレーシアはパス回しはできるものの、ゴールへ向かってシュートを打つことがほとんど来ませんでした。

前半は両チーム無得点で終了。

マレーシアの競技場内は完全禁煙なのですが、ウルトラス・マラヤの皆さんは全く御構い無しの様子で、ハーフタイム中は皆さんの周りは煙が蔓延していました。

後半に入るとマレーシアのタン・チェンホー監督は、アキヤ・ラシド、ドミニク・タン、ファイザル・ハリム、シャマー・クティ・アバら、エアマリンカップと同時期に行われていたアジアサッカー連盟AFCU23選手権予選のため招集できなかったU23組を次々と投入しました。
 そして51分には、アキヤ・ラシド(ジョホール・ダルル・タクジムJDT)がゴール前で倒されPKを獲得。これをサファウイ・ラシド(JDT)が決めてマレーシアが先制します。

さらに82分にはシャールル・サアド(ペラTBG)がヘディングシュートを決めて2点目を奪います。

断食月ということもありコンディショニングが難しかったのだと思いますが、試合には勝ったものの、素人目では全体的に組織的プレーを意識しすぎた結果、クラブでは積極的に攻撃に参加するコービー・オング(JDT)やエースのサファウイ・ラシドが生きず、スピード感に欠ける試合という印象でした。
 またスマレ選手とポジションを争うシャズワン・ザイノン(スランゴールFA)やシャフィク・アーマド(JDT)もインパクトを残せませんでした。そんな中、空回りする場面も多かったのですが、アキヤ・ラシドやファイザル・ハリム(パハンFA)が持ち前のスピードで何度か突破を図ろうとするなど、これまでの代表にはなかった攻撃パターンも生まれそうな印象でした。

6月1日のニュース:FAMはU19代表監督との契約を更新しないことを決定、フル代表候補選手のメンバーに疑問の声も監督は一蹴

FAMはU19監督との契約を更新しないことを決定
マレーシアサッカー協会FAMは、来月7月末に契約が切れるU19代表のボジャン・ホダック監督(48)との契約を更新しないことを執行委員会の全会一致で決定したと、マレー語紙スカン・シナールの電子版が伝えています。
 ホダック監督は2017年にU19代表の監督に就任し、2018年にはアセアンサッカー連盟AFFのU19選手権でマレーシアを初優勝に導いただけでなく、アジアサッカー連盟AFCのU19選手権へも12年ぶりにマレーシアを出場させるなど、実績は申し分ありませんが、歯に衣着せぬ発言がメディアで取り上げられ、その結果FAMと関係が悪くなる、というケースが何度かありました。直近では、今年3月に福岡県の宗像市で行われたサニック杯国際ユースサッカー大会で日本の高校チームなどに敗れ12位となった際には、マレーシアのサッカー選手養成システムを批判し、FAMから警告処分を受けていました。なお、MFLのスチュアート・ラマリンガン事務局長は、この発言と契約を更新しないこととは無関係であるとしています。
 ジョホール・ダルル・タクジム(JDT)やケランタンFAを率いた経験もあるホダック監督はマレーシアの永住権を持っていますが、契約終了後は自国のクロアチアへ帰国してUEFAのプロコーチライセンスコースに参加した後、少し休養を取ってから、次の仕事を決めたいとしています。その際にもお金ではなく、自分が興味を惹かれるような仕事を選ぶだろうと語っています。
 なお、後任にはオーストラリア出身のブラッド・マローニー(47)U23代表アシスタントコーチの名前が挙がっています。取材に対して、FAMのテクニカルダイレクターを務めるオランダ人のピーター・デ・ルーは具体的には後任候補の名前は口にしなかったものの、FAMが挙げる条件としては各年代で同じ指導方針が取れることとしており、外部からの招聘(しょうへい)はなさそうです。

フル代表候補選手のメンバーに疑問の声も監督は一蹴
明日6月2日(日)は国際サッカー連盟FIFAワールドカップのアジア一次予選前の練習試合となるネパール代表との試合が行われますが、この試合に先駆けて選ばれた代表候補選手の中には所属クラブでレギュラーとは言えない選手が複数名含まれていることから、フル代表のタン・チェンホー監督の選手選考に疑問の声が上がっていると、英字紙スターの電子版が伝えています。
 具体的にはファイザル・ハリム(パハンFA)、ケニー・パッラジ・ダバラギ(ペラTBG)、シャズワン・アンディック、シャマル・クティ・アバ(ともにジョホール・ダルル・タクジム、JDT)らが該当しますが、これらの選手たちを選んだことについて、タン監督は各監督にそれぞれの戦略があり、その戦略にあった選手を選択した結果であるとしています。その一方で、タン監督就任以来、代表チームのキャプテンを務めてきたザクアン・アドハ・アブドル・ラザク(クダFA)が今回選ばれなかったことについては、今後も再び先行される可能性がザクアン選手はもちろん、それ以外の選手にもあるとしています。
 ちなみにファイザル・ハリム、シャズワン・アンディック、ジャマル・クティ・アバは、今年3月に行われたアジアサッカー連盟AFCのU23選手権予選に参加したU23代表の主力選手だったので、年齢の割には経験を積んできている選手たちなので、タン監督がフル代表に新しい血を入れたいと考えているのであれば、まさに正しい人選だと思えます。(写真は明日7月2日のネパール代表戦前の記者会見の様子、左からネパール代表ビラジ・マハルジャン主将、同ヨハン・カリン監督(スウェーデン)、マレーシア代表タン・チェンホー監督、同ファリザル・マリアス主将

5月31日のニュース:残念!苅部選手はKLFAを退団、代表の新キャプテンはGKファリザルが就任、チャンタ・ビンはトレンガヌFCに残留

残念!苅部選手はKLFAを退団
マレーシアフットボールリーグMFL1部スーパーリーグに所属するクアラルンプール(KL)FAの公式FacebookページであるKuala Lumpur Hawksは、苅部隆太郎選手が退団し、代わって韓国人DFのノー・ヘンソックが入団すると発表しています。
 Kuala Lumpur HawksのFacebookでは、個人的な事情で退団とされていますが、KLFAについての記事がよく掲載されるオンラインメディアのスポータイムズでは、ご家族の健康不良が理由で帰国を希望し、自ら退団を申し出たと報道しています。リーグ戦とFAカップの予選を合わせると今シーズンは15試合に出場していた苅部選手は、ここ数試合はチームの戦術もあり守備的MFと言うよりもDFとして出場していました。苅部選手、お疲れ様でした。
 前節第15節では、降格を争うPKNP FCを4-1で一蹴して勢いづいているKLFAは、プタリン・ジャヤ(PJ)レンジャーズからDFラフィ・アジザン・マリアペンを、またPKNS FCからシャフィク・シャハルディンも獲得しています。
(左はTerima kasih. Selamat maju jaya.(マレーシア語で「ありがとう。グッドラック」の意)とともに苅部選手退団を伝えるFacebookポスト。右は新入団のノー・ヘンセク選手を紹介するFacebookポスト)

代表の新キャプテンはGKファリザルが就任
マレー語紙ハリアン・メトロのオンライン版によると、マレーシア代表チームの新キャプテンにMFL1部ジョホール・ダルル・タクジムのGKファリザル・マリアスが就任したと、代表チームの練習を訪問したマレーシアサッカー協会FAMのダト・ハミディン・モハマド・アミン会長が発表しています。ファリザル選手は6月2日に行われるネパール代表との親善試合からキャプテンを務めます。
 これまでフル代表のキャプテンを務めてきたMFL1部クダFAのモハマド・ザフアン・アドハ・アブドゥル・ラザクが今回は代表候補合宿のメンバーに選出されていないため、ファリザル選手は6月2日の親善試合だけでなく、6月7日と11日に行われる東ティモール代表とのFIFAワールドカップアジア一次予選でもキャプテンを務めます。(写真は代表候補合宿の様子を伝えるFAMのFacebookポストより。右から二人目が新キャプテンのファリザル・マリアス選手)

チャンタ・ビンはトレンガヌFCに残留
MFL1部トレンガヌFCのカンボジア出身チエリー・チャンタ・ビンは、結局、残留となったことをハリアン・メトロのオンライン版が伝えています。
 先日、イゴール・ゾンジックが退団した際に、チャンタ・ビン選手も続くのではと、このブログでも書きましたが、ハリアン・メトロの記事によると、トレンガヌFCは*アセアン枠を使ってタイU23代表でタイ1部リーグで現在、首位を走るポートFCのMFサンサーン・リムワッタナーの獲得を目指していたようですが実現しなかったようです。それに続いて触手を伸ばしたのが同じMFL1部所属のPKNP FCの同じカンボジア人MFチャン・ワタナカでしたがこちらも実現せず、結果的にチャンタ・ビン選手の残留となったようです。
 チャンタ・ビン選手残留で、トレンガヌFC移籍の噂が出ていたケランタンFAを退団したばかりのブラジル人MFカッシオ・デ・ジーサスは、結局、他のクラブを探すことになりそうです。
 *アセアン枠:MFL1部の各クラブは5名の外国人枠を持っていますが、そのうち三つは無条件ですが、残る二枠のうち、一つはアジア出身の選手対象、もう一つはアセアン(東南アジア諸国連合)出身選手枠となっています。例えばトレンガヌFCであれば、チェチェ・キプレ(コートジボワール)、リー・タック(イングランド)、ルイス・グスタボ・フランシスコ・カミロ(ブラジル)は無条件枠の外国人選手ですが、サンジャル・シャアフメドフ(ウズベキスタン)はアジア選手枠、チエリー・チャンタ・ビンはアセアン枠での契約となっています。

5月26日のニュース:PKNS FCのGKが代表候補へ追加招集、MFL3部チームの多くがアマチュアリーグ案に同意 、MFL3チームは勝点剥奪なし

PKNS FCのGKが代表候補へ追加招集
マレーシアサッカー協会FAMのFacebookによると、マレーシア代表のタン・チェンホー監督は、5月27日から始まる代表候補合宿へマレーシアフットボールリーグMFL1部スーパーリーグのPKNS FCのGKザリフ・イルファン・ハシムディンを追加招集しました。24歳のザリフ選手は、ケガにより代表候補合宿を辞退したペラTBGのGKハフィズル・ハキム・カイルル・ニザムに代わって招集されています。

MFL3部チームの多くがアマチュアリーグ案に同意
マレー語紙ウトゥサン・ムラユのオンライン版によると、MFLのケヴィン・ラマリンガムCEOがMFL3部のM3リーグの14クラブの代表と会談しました。その席でM3クラブの多くが、MFLが創設するアマチュアフットボールリーグ(AFL)への参加に前向きであるようです。
 M3リーグはMFL3部ながら、MFLからの助成金支給はなく、各チームが全ての費用を負担しています。
 M3リーグがAFLとなることで、M3リーグの優勝チームと2位のチームはMFL2部プレミアリーグへの自動昇格はなくなり、プレミアリーグ最下位2チームとのプレーオフを行うことになりますが、その一方でMFLはM3リーグの試合の審判費用を負担するほか、M3各クラブの遠征に伴う移動や宿泊費用に関する援助を行い各クラブが直面している費用負担の軽減に協力するとしています。
 記事の中ではケランタン・ユナイテッド、トゥン・ラザクFC、クチンFAなどM3リーグのクラブ関係者がMFLのケヴィン・ラマリンガムCEOの詳細な説明を聞いて、MFLによる提案に対して前向きになっていることが紹介されています。

MFL3チームは勝点剥奪なし
MFLのホームページで、マラッカ・ユナイテッド、ケランタンFA、サラワクFAの各クラブは、期限までにMFLが求めていた会計資料を提出期限としていた5月22日までに提出したとして、勝点3の剥奪を行わないとしています。
 またケランタンFAとサラワクFAに課せられていたトランスファーウィンドウ期間中の新たな選手獲得禁止措置についても、新入団する選手の給与が、代わりに退団する選手の給与を超えない、という条件付きで選手1名のみ獲得を許可するとしています。
 MFLは昨年12月31日までに各クラブの経営破綻をさけるため、会計資料を提出するように求め、その期限に間に合わなかった1部スーパーリーグのクアラルンプール(KL)FA、フェルダ・ユナイテッド、マラッカ・ユナイテッド、2部プレミアリーグのケランタンFA、PDRM FC、サラワクFA、ペナンFAについては、スーパーリーグが300万リンギ(約7800万円)、プレミアリーグが100万円(約2600万円)とされるMFLからの年間助成金の50パーセントを削減するとしていました。
 しかし今年4月22日、各クラブが提出した借金返済計画や今後の運営計画などを精査した結果、MFLはKLFA、フェルダ・ユナイテッド、PDRM FC、ペナンFAへの助成金削減は5パーセントとすることと発表しました。
 その一方で、マラッカ・ユナイテッド、サラワクFA、ケランタンFAの各クラブについては、4月22日までに従業員積立基金(EPF、退職時に受け取れる強制積立基金、労働者が給与の12パーセント、雇用者が給与の11パーセントを負担する)、従業員社会保障(SOCSO、労災補償のために雇用者が給与の1.25パーセントを負担する)、国税局による支払いを証明する公式書類が期限までに提出されなかったため10パーセントの削減と提出期限の30日間延長措置をうけ、5月22日の期限までにこれらの公式書類が提出されない場合は勝点3の剥奪を行うことが通知されていました。

5月16日のニュース:TFCの監督が辞任、ワールドカップ一次予選出場の代表候補選手が発表

トレンガヌFCの監督が辞任
マレーシアフットボールリーグMFL1部スーパーリーグのトレンガヌFCの監督が辞任しました。当地のマレー語紙ウトゥサン・マレーシアのオンライン版によると、イルファン・バクティ・アブ・サリム監督は、チームの不調の責任を取るため、トレンガヌFCの母体であるトレンガヌサッカー協会(トレンガヌFA)に辞表を提出し、受理されたとのことです。トレンガヌサッカーFAのテンク・ファロウク・フシン・テンク・アブドル・ジャリル事務局長が記者会見で発表しました。
 これに先立って、5月14日に行われたホームでのプタリン・ジャヤ(PJ)シティFCとの試合で3-0とリードしながら3-5と大逆転で敗戦した結果を受け、数百人のファンが試合会場となったスルタン・イスマイル・ナサルディン・シャースタジアムの外で抗議行動を行い、選手やイルファン監督、トレンガヌサッカー協会(トレンガヌFA)関係者との面会を求めるなどの混乱がありました。
 また5月10日には、第1戦で2−1とリードしていたFAカップ準々決勝でも、第2戦でパハンFAに0−4で敗れ、通算成績2-5で敗退しています。
 ともにマレー半島東海岸に面して隣接するライバルのパハンFAに逆転負けし、またリーグの順位では明らかに下位のPJシティFCにも逆転で大敗したことで、ファンの不満が爆発したのは、ある意味理解できますが、PJシティFC戦後にはコーチを支持する発言をトレンガヌ州知事でもある、トレンガヌFAのアーマド・サムスリ・モクター会長が行なっていただけに、事態が急転直下した印象も否めません。
 退任したイルファン前監督は、2011年には当時のトレンガヌFA(現在のトレンガヌFC)をFAカップ優勝、マレーシアカップとスーパーリーグではそれぞれ準優勝へと導き、年間最優秀監督賞を受賞しています。また、6年ぶりにトレンガヌFCの監督として復帰した2017年には、MFL2部プレミアリーグに降格していたトレンガヌFCをリーグ2位で1部スーパーリーグへ昇格させるなど、トレンガヌ州のサッカー界では功績を残した人物ですので、その分、ファンの期待も高かったのかもしれません。
 監督の後任は未定で、モハマド・ナフジ・ザインアシスタントコーチが監督代行となり、残りのリーグ戦9試合とマレーシアカップの指揮をとることになっています。

ワールドカップ一次予選出場の代表候補選手が発表
マレーシアサッカー協会FAMのホームページで、2022年FIFAワールドカップカタール大会予選兼2023年アジアカップ予選に出場するマレーシア代表候補選手26名が発表になっています。
 代表候補は5月27日から始まる強化合宿を経て、最終代表メンバーが23名が決定します。マレーシア代表は6月2日にはブキ・ジャリル国立競技場で行われるネパール代表との練習試合を経て、6月7日と11日に同じ会場で行われるワールドカップアジア予選1回戦の東ティモール代表との試合に臨みます。なお、東ティモールの希望により、ホーム、アウェイの試合ともマレーシアで行われることになっています。
 今回のメンバーには、今年3月に行われたエアマリンカップの際に、アジアサッカー連盟AFC U23選手権予選と日程が重なっていたために招集できなかったサファウィ・ラシド、アキヤ・ラシド(以上JDT)、シャマー・クティ・アバ、ドミニク・タン・ジュンジン(以上JDT II)、シャミ・サファリ(スランゴールFA)、ファイサル・アブドル・ハリム(パハンFA)といったメンバーも選ばれており、タン・チェンホー監督が現在、望むことができるベストの選手たちと言えるでしょう。
 今回の代表候補で個人的に注目したいのは二人、一人は現在はMFL2部プレミアリーグの首位JDT IIでプレーするDFドミニク・タン・ジュンジンです。AFC U23選手権予選でも、そしてJDT IIでもレギュラーとしてプレーしたドミニク選手は183cmとマレーシア人としては大柄なセンターバックで、今回がフル代表初招集です。U23代表では不動のレギュラーだったタン選手がフル代表のDF陣に食い込めるのかどうかに注目したいと思っています。
 そしてもう一人はJDTでプレーするやはりDFのラヴェル・コービン=オングです。イギリスのロンドン生まれでカナダのバンクーヴァー育ちのコービン=オング選手は、父親がバルバドス人、母親がマレーシア人ということでイギリス、カナダ、バルバドスそしてマレーシア代表でプレーする資格がありました。ドイツやオランダでプロ選手としてプレーしたコービン=オング選手は、昨年の3月にマレーシア代表に召集されましたが、その時は試合出場がありませんでした。現在は1部スーパーリーグの首位を走るJDTの不動のレフトバックとして活躍し、先日のAFCチャンピオンズリーグ鹿島戦でも存在感を示しました。上記のタン選手がバックラインの最後を固めるタイプなら、コービン=オング選手は184cmと長身ながら積極的な攻撃参加を持ち味とする、これまでの代表にはいなかったタイプの選手ですので、こちらもタン監督がどのように起用していくのかが楽しみです。

ポジション氏名年齢所属
GKファリザル・マーリアス33JDT
ハフィズル・ハキム26ペラTBG
イフワン・アクマル23クダFA
DFアダム・ノー・アズリン23JDT
ラヴェル・コービン=オング28JDT
ドミニク・タン・ジュンジン22JDT II
シャズワン・アンディック23JDT II
マシュー・デイヴィズ24パハンFA
シャミ・サファリ21スランゴールFA
シャルル・サアド26ペラTBG
ロドニー・セルヴィン・アクウェンシヴィ23PKNS FC
イルファン・ザカリア24KLFA
MFアクラム・マヒナン26PKNS FC
ケニー・パッラジ・ダバラギ26ペラTBG
ハリム・サアリ25スランゴールFA
ファイズ・ナシル27スランゴールFA
シャマー・クティ・アバ22JDT II
ノー・アザム・アジ24パハンFA
FWアキヤ・ラシド20JDT
サファウィ・ラシド22JDT
シャフィク・アーマド24JDT
モハマドゥ・スマレ25パハンFA
ノーシャルル・イドラン・タラハ33パハンFA
ファイサル・アブドル・ハリム21パハンFA
シャズワン・ザイノン30スランゴールFA
シャーレル・フィクリ25ペラTBG

3月29日のニュース:エアマリンカップを振り返って(2)大会回顧編

前回からの続きです。
ウルトラス・マラヤのボイコット宣言を受け、マレーシアサッカー協会FAMは、メディアを通じて、事情を説明するとともにファンにボイコットをしないように求めました。またマレーシア代表チームのキャプテンであるモハマド・ザクアン・アドハもボイコットを先導するウルトラス・マラヤを批判し、ファンに来場を求めました。

<3月20日−大会初日>
しかしその説明にも批判にも説得力はなかったようで、ジョホール水道を挟んだマレーシアとシンガポールの試合は、そこにかかる土手道にちなんで「コーズウェイ・ダービー」と呼ばれ、本来ならば両国のファンの注目を集める試合となるはずですが、会場となった90000人収容可能のブキ・ジャリルスタジアムに訪れた観衆は3741人でした。
 3月20日の対戦ではシンガポール代表がマレーシア代表を1-0で破り、決勝進出を決めましたが、81分に唯一の得点を入れたのがシンガポールリーグのホウガン・ユナイテッドに所属するファリス・ラムリでした。このファリス選手は、昨シーズンはマレーシアフットボールMFL1部スーパーリーグのPKNS FCでプレーし、今シーズンもMFL2部プレミアリーグのプルリス・ノーザンライオンズ(プルリスFAのチーム)でプレーすることになっていましたが、このブログで何度も取り上げたプルリスFAの給料未払い問題を受けて、シーズン開幕前に契約を解除し、シンガポールリーグへ復帰していました。(下はシンガポール代表戦の先発メンバー)

この日のもう一つの試合では、就任間もないエルウィン・クーマン監督率いるオマーン代表がアフガニスタン代表を5−0で破り、オマーンはシンガポールとエアマリンカップの優勝戦へ、マレーシアとアフガニスタンは3位決定戦へ進みました。

<3月23日−大会最終日>
3月22日(金)にエアマリンカップの会場となったクアラルンプール市内のブキ・ジャリルスタジアムから20数キロ離れたシャー・アラムスタジアムでは、アジアサッカー連盟AFC U23選手権予選第1日が行われました。エアマリンカップをボイコットしたウルトラス・マラヤもこちらは声を枯らして応援していましたが、マレーシアU23代表とフィリピンU23代表との試合には7600人ほどが観戦にやってきました。ちなみに3月24日(日)のラオスU23戦は9700人、3月26日(火)の中国U23代表戦は26000人が観戦しました。
 一方、エアマリンカップ初日は平日の水曜日だったこともあり、土曜日開催となった大会最終日には初日を超える観衆が予想されましたが、マレーシア代表とアフガニスタン代表が対戦した3位決定戦の観衆は何と1466人でした。ウルトラス・マラヤの影響力かどうかはわかりませんが、少なくとも今回に関してはチケット代の設定をFAMが間違えていたことが証明されてしまいました。
 土砂降りの中で行われた3位決定戦は、マレーシア代表がアフガニスタン代表に2−1で勝利し、3位となりましが、この試合のMOMはこの試合で代表デビューを果たしたファイズ・ナシル(スランゴールFA)でしょう。タン・チェンホー監督はシンガポール戦から大幅にメンバーを入れ替えました。この試合でワントップとなったノーシャルル・イドラン・タラハの後ろで動き回る役割を与えられたファイズ選手は、スランゴールFAでのプレー同様、豊富な運動量と果敢なドリブルでアフガニスタン代表を脅かしました。
 先制したのはアフガニスタン代表でした。31分にMFLパハンFAでプレーしたこともある10番ファイサル・シャイエステがゴールエリアの外から左足で放ったシュートはカーブがかかりそのままゴールへ吸い込まれ、アフガニスタン代表が1-0とリードしました。しかしマレーシア代表も44分、同じ様な位置からファイズ・ナシルがやはり左足のシュートを決めて同点に追いつきました。この後もムハマドゥ・スマレ(パハンFA)や久しぶりの代表復帰となったハディン・アズマン(フェルダ・ユナイテッド)がシュートを放ちますが、得点にはつながりませんでした。しかし84分、ノーシャルル・イドラン・タラハと交代で入ったマシュー・デイビーズのクロスをアフガニスタン代表のアバシン・ライキルがOGし、マレーシアが勝ち越し、そのまま逃げ切りました。(下はアフガニスタン代表戦の先発メンバー)

この試合の後に行われた決勝はオマーン代表とシンガポール代表がそれぞれ得点し1-1となるも、90分で決着がつかずPK戦となった結果、オマーンが5−4でシンガポールを破っています

3月28日のニュース:エアマリンカップを振り返って(1)開催までの騒動編

アジアサッカー連盟AFC U23選手権予選の同時期にひっそり行われたエアマリンカップ。フル代表はいきなりシンガポール代表に破れたものの、最後はアフガニスタン代表に勝って、何とか3位に滑り込みました。今更ながら、このエアマリンカップを、それに関する報道をもとに振り返ってみたいと思います。
 そもそもこのエアマリンカップ開催の目的は、今年から始まるFIFAワールドカップ2022年大会のアジア予選と関係があります。FIFAランキングでアジア34位以上のチームは9月の2次予選から登場しますが、35位以下のチームは6月の1次予選からの登場となりますが、現在のマレーシアのFIFAランキングはそのボーダーであるアジア35位(全体では167位)。そこでランキング上位のチームと対戦して勝利し、9月の2次予選からの参加を目論んで企画された大会です。しかしこのエアマリンカップは予定が発表された以来、紆余曲折を経て開催された大会となりました。

<大会名称と開催時期の変遷>
1957年に当時のマラヤ連邦(現在のマレーシア)の初代首相であり、当時のマレーシアサッカー協会FAMの会長でもあったトゥンク・アブドル・ラーマンの発案で、マラヤ連邦がイギリスから独立したことを記念して開催されたムルデカ大会(「ムルデカ」とはマレーシア語で「独立」の意)は、アジアで最古の招待大会とされ、かつては世界の強豪が参加する大会でした。日本代表も初代Jリーグチェアマンの川淵三郎氏を始め、現日本サッカー協会JFA会長の田島幸三氏、日本サッカー界のレジェンド釜本邦茂氏、奥寺康彦氏、木村和司氏などが参加した由緒ある大会です。日本代表の最後の出場となった1986年の第30回大会では、マレーシア代表と日本代表が準決勝で対戦し、現在はパハンFAのドラー・サレー監督と、同じくマラッカ・ユナイテッドのザイナル・アビディン・ハサン監督がそれぞれゴールを決めてマレーシアが日本を2-1で破っています(ちなみに日本の得点者は当時「アジアの核弾頭」の異名をとった原博実元FC東京監督)。
 前置きが長くなりましたが、このムルデカ大会はマレーシア代表の弱体化と共に以前のような輝きを失っていき、最後に開催されたのは2013年で、その際もマレーシア、タイ、ミャンマー、シンガポールといった東南アジアのチーム同士の大会で、しかも東南アジアのチームにとっては重要な大会である東南アジア競技大会が開催される年でもあったことから、タイを除く3チームはU23代表が参加する地味な大会でした。
 5年間行われていなかったこのムルデカ大会を、かつてのような強豪が参加する大会として行いたいと、マレーシアサッカー協会FAMのダト・ハミディン・アミン会長が初めて発言したのが、2018年の12月初旬でした。ハミディン会長は当地の英字紙ニューストレイトタイムズとのインタビューで、FIFAワールドカップ2022年大会の予選が2019年半ばに始まることから、8月31日の独立記念日近辺での開催はワールドカップ予選時期に近く難しいこと、またFIFAカレンダーで国際Aマッチが開催可能な3月は独立記念日と離れすぎていて、大会の趣旨から離れてしまうと発言していました。
 それが12月末になると話が一転し、2019年1月にムルデカ大会開催の話が持ち上がりました。しかし国内リーグであるマレーシアフットボールリーグMFLが1月に開幕するため、その開催時期に疑問符が付きました。またこの頃にはムルデカ大会を「リブランディング」するという発言が、FAMのスチュアート・ラマリンガム事務局長が発言し始め、その開催時期も3月という報道が出るようになりました。
 これまでムルデカ大会は8月あるいは9月に行われてきたので、3月に開催する大会にムルデカ大会の名称は使えない、ということだったのかも知れませんが、競合を招待しての国際大会が実現するなら、そこは致し方ないと多くのファンも思ったはず。そして2月の下旬には大会の名称がムルデカ大会ではなく、エアマリンカップとなること、またこのエアマリンカップはムルデカ大会のリブランド版でも、代替大会でもないことが正式に発表されました。

<出場国の変遷>
3月の大会がエアマリンカップとなる前から、FAMのラマリンガム事務局長は、この大会にはアセアン以外の西アジアあるいは東アジアからチームを招待したいと発言し、インド、台湾などが候補に上がっているとも報道されました。
 しかし今年1月に入ると、ラマリンガム事務局長は、エアマリンカップ参加国の内、1チームはワールドカップ出場経験国で、残る2チームはその頃アラブ首長国連邦で行われていたアジアサッカー連盟AFC選手権アジアカップの出場国であると述べました。ワールドカップ出場経験国については「これまでマレーシアで対戦したことがない国で、2014年のワールドカップに出場し、2018年の大陸間プレーオフで敗退した国」というバレバレのヒント(笑)を出し、この条件に当てはまるホンジュラス(FIFAランキング62位)が参加する可能性が取り沙汰されました。アジアカップ出場国については何も述べていませんが、以前FAMのテクニカルダイレクターを務めたこともあるスイス人フリッツ・シュミット監督が指揮するニュージランド代表も候補ではないかという報道もありました。
 その後、参加国はホストのマレーシア(FIFAランキング167位)、オマーン(同ランキング90位、2019年アジアカップ出場国)、ニュージーランド(同122位、当初の噂通り、しかもワールドカップ出場経験国)、そしてシンガポール(同165位、あれ?アセアンからは呼ばないはずでは…)の4カ国となりました。
 しかしここで話は終わりませんでした。その後、ニュージーランドが国内リーグなどを理由に参加を辞退し、同じオセアニアサッカー連盟OFCに加盟するソロモン諸島が出場することが2月25日に発表されました。(写真はエアマリンカップ開催記者会見−FAMのFacebookより)

 公式記者会見も終わり、さて…となったところでもう一騒動起きました。今度はソロモン諸島がエアマリンカップへの出場を辞退したのです。ソロモン諸島代表は3月24日(エアマリンカップ最終日の翌日)に台湾代表とも国際Aマッチを予定しており、3月18日から26日の国際試合カレンダー期間中の代表同士の試合は最大2試合というFIFAの規定があることから、台湾代表との試合を優先し(エアマリンカップは準決勝、3位決定戦、決勝とどの参加チームも2試合を行うことになっています)、エアマリンカップの出場辞退を決めたと報道されています。中国の圧力により、これまで外交関係のあった国々からている台湾にとって、ソロモン諸島は2019年3月現在、台湾と外交関係のある17国の内の1つですので、この背景には政治的な意図などもあるのかも知れません。
 そして大会まであと数週間と迫った3月1 日に、アフガニスタン代表(FIFAランキング147位)がソロモン諸島に代わり出場することがFAMから発表されました。

<ウルトラスマラヤのボイコット>
参加チームが確定した後も、また新たな騒動が起こりました。マレーシア代表チームの最大サポーターグループである「ウルトラス・マラヤ」がエアマリンカップのボイコットを決めたと報じられたのです。
 ボイコットの理由として挙げられているのが、エアマリンカップのチケットの価格です。エアマリンカップでは、オープンスタンドのチケットが35マレーシアリンギ(約960円)と設定されていますが、これまで代表の試合のチケットの価格20マレーシアリンギ(約550円)から75%も値上げされたことに加え、エアマリンカップの主催者がマレーシアサッカー協会FAMではなく、イベント企画会社であることから、この会社が不当にチケットの価格を釣り上げて、マレーシアのサッカーファンから搾取していることに対する抗議のためのボイコットであるとしています。(ちなみにこのイベント企画会社は、過去に代表チームの年間スケジュールや国内リーグの日程を変更させてまでトットナムやリバプールとマレーシア選抜を対戦させた際、ウルトラス・マラヤの怒りをかった前歴があります。)
 35マレーシアリンギのチケット代には、同日行われるもう一つのカードの観戦料も含まれているので結果として割安であるとのFAMによる発言に対しては、大半のファンは見るつもりもないマレーシア代表以外の試合の分も払わせるような発言は価格差を誤魔化すための言い訳に過ぎず、大会の冠スポンサーであるエアマリン社からのスポンサー費用があるにも関わらず、イベント企画会社に主催させること自体がおかしいと非難しました。(下は大会直前の3月18日にウルトラス・マラヤのFacebookにアップされた「ハリマオ・マラヤ(マレーシア代表の愛称)は売り物ではない」のメッセージ

3月19日のニュース:ウルトラスがエアマリンカップのボイコットを示唆、この問題についてFAMはファンの理解を求める

ウルトラスがエアマリンカップのボイコットを示唆
マレーシア代表チームの最大サポーターグループである「ウルトラス・マラヤ」が、3月20日と23日に開催される4カ国対抗のエアマリンカップのボイコットを決めたと、マレーシア語紙ウトゥサン・マレーシアのオンライン版が伝えています。
 ボイコットの理由として挙げているのが、エアマリンカップのチケットの価格です。エアマリンカップでは、オープンスタンドのチケットが35マレーシアリンギ(約960円)と設定されていますが、これまで代表の試合のチケットの価格20マレーシアリンギ(約550円)から75%も値上げされたことに加え、エアマリンカップの主催者がマレーシアサッカー協会FAMではなく、イベント企画会社であることから、この会社が不当にチケットの価格を釣り上げて、マレーシアのサッカーファンから搾取していることに対する抗議のためのボイコットであるとしています。
 さらにウルトラス・マラヤのFacebookでは、FAMのダト・ウィラ・ユソフ・ハマディ副会長がチケット価格の正当性について述べたことにも反論しています。マレーシア以外の3カ国はいずれもFIFAランキングでマレーシアより上位の国なので、質の高い試合となるとの理由には、昨年末のアセアンサッカー連盟AFF選手権スズキカップで、マレーシアよりFIFAランキングが上のベトナムなどとのグループリーグではチケットは20マレーシアリンギであったと反論し、また、35マレーシアリンギのチケット代には、同日行われるもう一つのカードの観戦料も含まれているので結果として割安であるとの発言には、大半のファンは見るつもりもないマレーシア代表以外の試合の分も払わせるような発言は価格差を誤魔化すための言い訳に過ぎないと非難しています。また大会の冠スポンサーであるエアマリン社からのスポンサー費用があるにも関わらず、イベント企画会社に主催させること自体がおかしいとしています。
 ウルトラス・マラヤのFacebookページでは、(エアマリンカップの会場となる)ブキ・ジャリルスタジアムのクルヴァ(ゴール裏のスタンド)ではなく、(アジアサッカー連盟AFC U23選手権予選が行われる)シャー・アラムスタジアムのクルヴァで会おう!と呼びかけています。

この問題についてFAMはファンの理解を求める
マレーシア語紙ブリタ・ハリアンのオンライン版によると、ウルトラス・マラヤのボイコットについて、FAMのスチュアート・ラマリンガム事務局長は、現在FAMが直面している状況を理解し、できるだけ多くのファンにスタジアムに足を運んで欲しいと発言しています。
 昨年FAMが主催した国際Aマッチの内、ブキ・ジャリルスタジアムで4月1日に行わえたブータン代表戦は、オープンスタンドのチケットを20マレーシアリンギであったものの、3,187枚のチケット売上の結果、81460マレーシアリンギの収入があったものの、10万マレーシアリンギ(約270万円)を超える赤字となりました。同様に7月5日にKLフットボールスタジアムで行われたフィジー代表戦は、1220枚のチケット売上で7万マレーシアリンギの赤字が、11月3日のモルジブ戦では6173枚のチケット売上に対して2万6千マレーシアリンギの赤字が出ていました。
 その上で、今回のエアマリンカップについては、全ての費用をイベント企画会社が負担し、さらにこの会社からはFAMに30万マレーシアリンギ(約820万円)が支払われていることを明らかにしています。なお、この30万マレーシアリンギはマッチボーナスや、U19、U16、女子代表の強化に使われるとのことで、FAM主催でないやり方であっても、代表チームの価値を高める方法があるのであれば、そういった方法を時代にあった形で今後も活用していきたいと、ラマリンガム事務局長は話しています。。

3月8日のニュース:FAMが未払い給料を肩代わり、スワラッドは待望の初代表入り、代表のネパール戦は延期

FAMが未払い給料を肩代わり
マレーシアサッカー協会FAMがマレーシアフットボールリーグMFLに所属する5つのクラブの未払い給料約118万マレーシアリンギ(約3200万円)を肩代わりして選手に支払ったことを発表しています。各クラブからの供託金などから支払われたこと発表したスチュアート・ラマリンガムFAM事務局長は、PDRM FC(2部プレミアリーグ所属)、フェルクラFC(既に解散)、MOF FC(マレーシア財務省のクラブ、2019年はMFLでの活動なし)、DBKL FC(クアラルンプール市役所のクラブ、2019年はMFLでの活動なし)、トレンガヌ・シティFC(1部スーパーリーグのトレンガヌFCの下部クラブ、2019年はMFLでの活動なし)の5クラブの未払い給料は既に各選手及びスタッフの口座に払い込まれており、フェルダ・ユナイテッド(1部スーパーリーグ)、ハネランFC、マルセラFC(いずれも既に解散)の選手、スタ風への未払い給料約134万マレーシアリンギ(約3650万円)については、数週間の内に払い込みが完了するとしています。また、ラマリンガム事務局長は、今回の支払いはFAMへの供託金などを使って支払ったものであり、全額が払われたわけではな各選手、スタッフへの残りの未払い給料については、各クラブの責任であることも強調しています。

スワラッドは待望の初代表入り
MFL1部スーパーリーグに所属するPKNS FCのDFニコラス・スワラッドが、3月20日と23日に行われるエアマリンカップに出場するのマレーシア代表選手に選ばれました。イギリス人の父親とマレーシア人の母親を持つマンチェスター出身の28歳は、2016年シーズン前にJDT IIと契約し、翌年途中ににはマラッカ・ユナイテッドへ期限付き移籍し、今年からPKNS FCでプレーしている帰化選手の一人で、マレーシアへやってきてから4年目で待望の代表入りです。彼が所属するPKNS FCは、今シーズンここまで5位と検討していますが、その理由は5試合で2失点という盤石な守備陣で、その中心にいるのがスワラッド選手です。このスワラッド選手は、豊富な運動量で知られており、PKNS FC守備陣をコントロールするだけでなく、今シーズン既に2得点を決める攻撃力も兼ね備えています。
 今回のエアマリンカップのマレーシア代表には、帰化選手としてはこのスワラッド選手のほか、オーストラリア生まれながら母親がサバ州出身のDFマシュー・デイヴィーズ(24歳、パハンFA)とマレーシアに5年住んだことで国籍を取得したガンビア出身のMFムハマドゥ・スマレ(25歳、パハンFA)も選ばれています。

代表のネパール戦は延期
上記のエアマリンカップ後の3月26日にブキ・ジャリルスタジアムで開催予定だったマレーシア代表対ネパール代表の国際Aマッチが延期になりました。FIFAカレンダーの国際マッチ期間中は、国際Aマッチは2試合まで行うことができますが、マレーシアは既にエアマリンカップで2試合行うことになっており、ネパール代表戦が3試合目となるため、FIFAが許可しなかったということです。会見でラマリンガムFAM事務局長は、アジアサッカー連盟AFCからは許可が出たものの、国際サッカー連盟FIFAからは許可が出なかったとしています。
 マレーシアは今年6月から始まるFIFAワールドカップ予選の1回戦シードとなるために、FIFAランキングを上げるのに必至なようですが、そもそも今回のエアマリンカップに出場予定だったソロモン諸島が同じ理由で出場辞退をしたはずだったにも関わらず、なぜマレーシアは3試合ができると思ったのか、正直なところ理解に苦しみます。

3月7日のニュース:今週末は「クラン・ヴァリーダービー」、エアマリンカップではコーズ・ウェイダービーも

今週末は「クラン・ヴァリーダービー」
マレーシアフットボールリーグMFLは今週が第6節。今節注目のカードの1つが「クラン・ヴァリーダービー(Klang Valley Derby)」と称されるスランゴールFA対クアラルンプールFAの対戦です。
 マレー語では「ドロの交わる場所」という意味のクアラルンプール(KL)は、19世紀にクラン川を上ってきたスランゴールの王族が、クラン川とゴンバク川が合流する地域に豊富な埋蔵量の錫(すず)鉱床を発見したことにより、その歴史が始まります。その後は錫の集散地として、現在もKL市内を流れるクラン川沿いに発展を続けました。1957年のマラヤ連邦(当時)が1957年にイギリスから独立した際には、KLはマラヤ連邦の首都となり、スランゴール州の州都でもありました。しかし1969年の下院選挙の際、スランゴール州で野党が圧勝し、下院でも与党の議席が三分の二を割る事態が起こると、当時の政権は1974年に野党勢力が優勢であったクアラルンプールを連邦直轄区としてスランゴール州から分離させて、野党勢力の弱体化と政権保持を図りました。そういった経緯もあり、スランゴールとKLは強烈なライバル関係にあります。
 クラン川沿いに発展してきたスランゴールとKLは、サッカーでもその対戦が「クラン・ヴァリーダービー」と呼ばれるライバル関係にあります。しかし残念ながら近年は両チームともタイトルを手にする機会はなく、スランゴールFAは2015年のマレーシアカップ、KLFAに至っては1999年のFAカップ優勝以降、大きなタイトルを獲得していません。しかも今シーズンのMFL第6節に組まれたこの試合で、スランゴールFA、KLFAともまだ勝ち星なしで対戦するとは思いもよりませんでしたが、それでも熱くなるのがダービーマッチですよね。

エアマリンカップではコーズウェイダービーも
研究社の英和中辞典によれば、コーズウェイ(Causeway)とは「(低湿地に土を盛り上げた)土手道、(敷石などによる昔の)舗装道路」とありますが、ジョホール海峡によって隔てられたマレー半島とシンガポール島の間も、1923年に当時この地域を支配していたイギリスによって建設されたコーズウェイによって陸路で繋がり、車や列車が行き来できるようになっています。
 これにちなんでマレーシアとシンガポールがスポーツで対戦する際には「コーズウェイダービー」という名称が使われます。1963年のマレーシア建国の際には、シンガポールもマレーシアの一部でしたが、「(マレー人だけでなく華人やインド系住民なども含めた)マレーシア人のためのマレーシア」を標榜した当時のシンガポール与党のリーダーで、後のシンガポール首相リー・クアンユーと、「マレー人のためのマレーシア」を唱えるマレーシアの初代首相トゥンク・アブドル・ラーマン率いるマレー半島側の与党UMNOの間の対立から、1965年にはシンガポールはマレーシアから独立させられてしまった経緯もあり、このコーズウェイダービーは、国と国とのプライドのぶつかり合いでもあります。
 前置きが長くなりましたが、3月20日にクアラルンプールのブキ・ジャリルスタジアムで開催されるエアマリンカップの準決勝では、抽選の結果、このコーズウェイダービーが実現することになりました。FIFAカレンダーの国際Aマッチとなるこのエアマリンカップは、マレーシア代表にとってはただの国際試合ではありません。今年の6月に行われるFIFAワールドカップ2020年大会の予選1回戦では、AFCランキングで34位以上のチームはシードされ、9月の予選2回戦からの参加となるため、現在35位のマレーシアはこのエアマリンカップで好成績を収めて、何としてもAFCランキング34位に入らねばなりません。しかも現在AFCランキング34位にいるのが今回対戦するシンガポール。2016年10月7日にシンガポールのカラン国立競技場での引き分け以来の対戦となるダービーマッチは従来以上に盛り上がること間違いなしです。