マレーシアカップ-グループステージ第3節結果

 代表のヨルダン遠征などにより9月30日以来中断していたマレーシアカップのグループステージが再開し、第3節の7試合が10月29日(金)と30日(土)に開催されました。
 なおマレーシアカップ第3節からは一定の制限はあるもののスタジアムでの観戦が可能になっています。(各試合のハイライト映像はMFLの公式YouTubeチャンネルより)

グループステージA組
2021年10月30日@KLフットボールスタジアム(クアラルンプール)
KLシティFC 4-0 サラワク・ユナイテッドFC
得点者:KL-ロメル・モラレス2(9分、12分)、J・パルティバン(55分)、ライアン・ラムバート(59分)
 1部スーパーリーグのKLシティFCがロメル・モラレスの2ゴールなどで2部プレミアリーグのサラワク・ユナイテッドFCに快勝。シーズン後半からストライカーにコンバートされたモラレスが3試合で5ゴールと好調維持しています。
 ここまで1部のペナンFCとスリ・パハンFCを撃破したサラワク・ユナイテッドFCは守備陣が崩壊して完敗。このブログでも取り上げましたが主将で守備陣の要となるテイラー・リガンが中断期間中の練習試合でのケガで今季絶望となったことが響きました。

2021年10月30日@ダルル・マクモルスタジアム(パハン州クアンタン)
スリ・パハンFC 4-0 ペナンFC
得点者:アブドル・マリク・アリフ2(11分、55分)、マヌエル・イダルゴ(47分)、ヤクブ・アブバカル(72分)
 スリ・パハンFCが今季のマレーシアカップ3試合目で初勝利。リーグ戦から数えても8試合勝星のなかったスリ・パハンFCでしたが、リーグ戦でも連敗していたペナンFCを相手に大勝しています。
 どうしたペナンFC!? 今季のMリーグでは3位と大躍進したペナンFCは、エースのFWカサグランデと代表GKサミュエル・サマーヴィルを欠くなど苦しい布陣で臨んだこの試合は自慢の守備陣が崩壊し、良いところなく敗れています。

2021年マレーシアリーグ グループステージA組順位表(第3節終了時)

TeamGWDLGFGAGDP
1KLC32108267
2SWU320145-16
3SRP31025413
4PEN301328-61
項目:G-試合数、W-勝利、D-引き分け、L-敗戦、GF-得点、GA-失点、GD-得失差、P-勝点
クラブ名:PEN-ペナンFC、KLC-KLシティFC、SPP-スリ・パハンFC、SWU-サラワク・ユナイテッドFC、

グループステージB組
2021年10月30日@MBPJスタジアム(スランゴール州プタリンジャヤ)
スランゴールFC 5-1 クチンシティFC
得点者:スランゴール-ハイン・テット・アウン(1分)、ダニアル・アスリ2(59分、80分)、サフアン・バハルディン(66分PK)、シーン・セルヴァラジ(90+4分)、クチン-マイケル・イジェジー(10分)
 1部のスランゴールFCが2部のクチンシティFCに圧勝しています。今季Mリーグ1部得点王のイフェダヨ・オルセングンら主力がベンチ入りせず、若手主体で望んだこの試合ではキックオフからいきなりハイン・テット・アウンのゴールで先制すると、一度は追い付かれたものの、クチンシティFCのミスなどに乗じて勝利しています。
 クチンシティFCは一度は同点に追いつきながら、追加点の好機を悉く生かすことができず、後半はミスなどで失点を重ねて敗れています。
 クチンシティFCの鈴木雄太選手は先発してフル出場しています。

2021年10月30日@ペラスタジアム(ペラ州イポー)
ペラFC 1-4 トレンガヌFC
得点者:ペラ-セルヒオ・アグエロ(24分PK)、トレンガヌ-ファイサル・ハリム(7分)、ダニシュ・ハジク(47分OG)、リー・タック2(54分、83分)
 20年ぶりのマレーシア優勝とAFCカップ出場権獲得を目指すトレンガヌFCは、リーグ戦からの好調を持続する若きエース、ファイサル・ハリムのゴールを皮切り4点を挙げて大勝しています。
 今季11位と低迷し来季の2部降格が決まっているペラFCは、先週、選手外国籍選手4名との契約解除を発表した結果、トレンガヌFCの5名に対して3名の外国籍選手を先発させましたが、戦力差は明らかで太刀打ちできませんでした。

2021年マレーシアリーグ グループステージB組順位表(第3節終了時)

TeamGWDLGFGAGDP
1TFC33008269
2SEL32017346
3PRK301337-41
4KUC301228-61
項目:G-試合数、W-勝利、D-引き分け、L-敗戦、GF-得点、GA-失点、GD-得失差、P-勝点
クラブ名:TFC-トレンガヌFC、SEL-スランゴールFC、PRK-ペラFC、KUC-クチンシティFC

グループステージC組
2021年10月29日@ハン・ジェバスタジアム(マラッカ州マラッカ)
マラッカ・ユナイテッドFC 2-1 ケランタン・ユナイテッドFC
得点者:マラッカ-ソニー・ノルデ(25分)、アドリアーノ(54分)、ケランタン-深井脩平(43分)
 今季リーグ戦では8位だったマラッカ・ユナイテッドFCが3連勝を飾っています。ゴール前の混戦からソニー・ノルデのゴールで先制すると、一度は追いつかれたもののアドリアーノがペナルティエリアの外からシュートを決めて無傷の3連勝で首位を堅持しています。
 マレーシアカップ初出場のケランタン・ユナイテッドFCは深井脩平選手が記念すべきクラブ史上初となるマレーシアカップ初得点を決めて一度は同点としましたが、反撃はそこまででした。
 ケランタン・ユナイテッドFCの深井脩平、谷川由来の両選手は先発してフル出場し、本山雅志選手はベンチ入りしませんでした。

*10月29日に予定されていたヌグリスンビランFC対クダ・ダルル・アマンFCの試合は、ヌグリスンビランFCの出場辞退により、クダ・ダルル・アマンFCが3-0で不戦勝となっています。

2021年マレーシアリーグ グループステージC組順位表(第3節終了時)

TeamGWDLGFGAGDP
1MLU33007259
2KDA32017346
3*NSE310215-40
4KLU300316-50
項目:G-試合数、W-勝利、D-引き分け、L-敗戦、GF-得点、GA-失点、GD-得失差、P-勝点
クラブ名:KDAークダ・ダルル・アマンFC、MLU-マラッカ・ユナイテッドFC、NSE-ヌグリスンビランFC、KLU-ケランタン・ユナイテッドFC
*ヌグリスンビランFCは新型コロナ感染者が多数発生したため、第3節以降を出場辞退しています。

グループステージD組
2021年10月29日@リカススタジアム(サバ州コタキナバル)
JDT 2-0 サバFC
得点者:JDT-ハズワン・バクリ(5分)、ゴンザロ・カブレラ(13分)
 マレーシアサッカー協会FAMのテクニカルディレクターを辞職し、10月1日付でサバFCの監督に就任したオン・キムスイ監督にとって初采配となったこの試合は、いずれも守備陣のミスから試合早々に2失点したサバFCが敗れ、オン監督の初戦を勝利で飾ることができませんでした。
 一方JDTは3試合連続の完封勝ちでリーグ優勝との2冠に向けて、死角なしといったところです。

2021年10月29日@MBPJスタジアム(スランゴール州プタリンジャヤ)
PJシティFC 3-1 ケランタンFC
得点者:PJ -ダレン・ロック2(11分、81分)、コギレスワラン・ラジ(19分)、ケランタン-クリストス・インツィディス(36分)
 今季リーグ戦の大半をケガで棒に振ったダレン・ロックがこの試合も2ゴールを決め3戦で3発と活躍。現在、ストライカー不足に悩む代表への復帰が見えてきました。

2021年マレーシアリーグ グループステージD組順位表(第3節終了時)

TeamGWDLGFGAGDP
1JDT33005059
2PJC31114314
3SAB302135-22
4KEL301237-41
項目:G-試合数、W-勝利、D-引き分け、L-敗戦、GF-得点、GA-失点、GD-得失差、P-勝点
クラブ名:PJC-PJシティFC、SAB-サバFC、KEL-ケランタンFC

11月1日のニュース:U22代表がAFCU23アジアカップ予選を首位で通過し本選出場決定

U22代表がAFCU23アジアカップ予選を首位で通過し本選出場決定
 アジアサッカー連盟AFC U23アジアカップ(旧U23選手権)予選J組の最終第3節が行われ、第2節を終えて首位のマレーシアと同2位のタイが対戦し0-0で引き分けています。この結果、マレーシアが予選J組の首位が確定するとともに、来年2022年6月にウズベキスタンで開催されるAFC U23アジアカップ本選への出場を決めています。
 この試合で勝つか引き分けで本選出場が決まるマレーシアU22代表のブラッド・マロニー監督は、この予選初出場となるFWアズハド・ハラズ・アルマンを先発に起用、また中盤にはMFアザム・アズミ・ムラドを先発起用とモンゴル戦からは2選手を入れ替えた布陣で臨みました。試合開始時の気温は2度と東南アジアのチームにとっては過酷な状況の中、タイ、マレーシアとも試合開始から積極的に攻め込むも得点機をものにできず前半は0-0で終了しました。
後半に入っても拮抗したまま試合は進み、引き分けでもこの予選J組を首位突破となるマレーシアに対し、どうしても勝利が必要なタイはギアを上げ、マレーシアゴールに迫ります。一方、前掛かり気味になったタイに対してマレーシアもカウンターで対抗するもののシュートがゴールポストにあたるなど無得点のまま試合はのロスタイムに入ります。このまま引き分けかという雰囲気の中、マレーシア守備陣のマークをかわしてタイのエース、タナワット・スエンチッタウォンがシュートを放つもこれをGKアズリ・アブドル・ガニがスーパーセーブで防ぎ、両チーム無得点のまま試合は引き分けに終わっています。

AFC U23アジアカップ予選J組
2021年10月31日@MFFスタジアム(モンゴル、ウランバートル)
マレーシア 0-0 タイ
得点者:なし
 この結果、マレーシアは3試合で2勝1分0敗で勝点7、タイは1勝2分0敗で勝点5となり、マレーシアが予選J組の首位となり、中国で開催された2018年大会以来となる2度目のAFC U23アジアカップ出場を決めています。(下はタイ戦の先発XI。FAMの公式Facebookより。)


 マレーシアU22代表は、大会前にはモンゴルの気温に適応するため中央アジアでの合宿と競合との練習試合を予定するも新型コロナの影響から実現せず、直前まで国内合宿を行ってこの予選に臨むなど、準備不足が不安視される声もありましたが、いずれもこの予選にフル出場したGKアズリ・アブドル・ガニ(ペラFC)とDFハリス・ハイカル、DFジクリ・カリリ、DFアズリン・アフィクのスランゴールFCトリオで構成した守備陣が3試合全てで相手を完封するなど予選突破に大いに貢献した一方で、FWルクマン・ハキム・シャムスディン(ベルギー1部KVコルトレイク)が牽引した攻撃陣はルクマン自身が相手の厳しいマークにあう中、予選開始のわずか2週間前に追加召集となったMFアズファル・フィクリ(トレンガヌFC II)がラオス、モンゴル相手に貴重なゴールを挙げるラッキーボーイとなる幸運もありました。
 予選J組では首位突破とはいえ、イラク、ヨルダン、サウジアラビアと同組ながらこの組を2位で突破したものの、ベスト16で韓国に1-2と敗れた2018年大会以上の結果を出すためにはフル代表同様、攻撃陣の底上げが必要です。今回は所属クラブの召集拒否によって出場できなかったFWアリフ・アイマン(JDT)などもおそらく本選に出場するでしょうが、既存選手のレベルアップと新たな選手の発掘のいずれもが急務です。

 なお予選J組のもう1試合ではラオスがモンゴルを破って3位、開催国となったモンゴルは4位を確定させています。
AFC U23アジアカップ予選J組
2021年10月31日@MFFスタジアム(モンゴル、ウランバートル)
モンゴル 2-4 ラオス
得点者:モンゴル-フォーサヴォン・サンヴィライ(22分OG)、オユンボルド・オユントゥヤ(23分)、ラオス-ブウンファチャン・ブウンコン2(6分PK、74分)、バトオルギル・ゲレルトオド(46分OG)
(下は予選J組の最終順位)