4月24日のニュース<br>U23アジアカップ-マレーシアは3戦全敗でグループリーグ敗退

U23アジアカップ2024はグループステージが終了しました。東南アジアから出場した4ヶ国では、ベトナムとインドネシアがいずれもグループ2位でベスト8に進んだ一方で、タイとマレーシアはいずれもグループ最下位で敗退しています。

年始のアジアカップから始まり、2026年W杯予選、そしてこのU23アジアカップまで続いたマレーシア代表の一連の試合はここで一旦終了し、ここから国内サッカーファンの関心は、5月10日に開幕する今季2024/25シーズンのマレーシアスーパーリーグへと移っていきます。

ただし試合後にはマレーシアサッカー協会(FAM)やU23代表を非難する投稿がSNSに散見し、現在の育成方法や外国籍選手枠、さらには帰化選手獲得の是非など、今後のマレーシアサッカーを大きく変える可能性もある様々な意見も飛び交っています。これについては、どこかのタイミングでボラセパマレーシアJPの意見も書いてみたいと思っています。

U23アジアカップ-マレーシアはクウェートにも敗れて3戦全敗でグループステージ敗退

初戦のウズベキスタン戦、2戦目のベトナム戦といずえrも0−2で敗れたマレーシアは、すでにグループステージ敗退が決定しており、第3節はやはここまで2連敗のクウェートとの対戦となりました。

試合前のマレーシアメディアの取材に対して、このクウェート戦ではここまで出場がない選手の起用も考えていると話していたフアン・トーレス監督ですが、ムハマド・カリル(スランゴールFC)は警告累積のため出場停止、サフワン・マズラン(トレンガヌFC)は初戦のウズベキスタン戦でのケガから回復せず、という状況で、この試合では大会初出場となるシーク・イズハン(ペナンFC)をGKに起用するなど5名の選手をベトナム戦から入れ替えています。FWはファーガス・ティエニーと今大会初先発となるダリル・シャムのジョホール・ダルル・タジムFC II(JDT II)コンビが2トップ、中盤は左右のサイドハーフにルクマン・ハキム(J3 Y.S.C.C)とハキミ・アジム(KLシティFC)中央にはシャヒール・バシャーとノーア・レインのスランゴールFCコンビが入っています。DFは左からウマル・ハキーム(JDT II)、ハリス・ハイカル(スランゴールFC)、ウバイドラー・シャムスール(トレンガヌFC)、アイマン・ユスニ(ペラFC)、そしてGKは今大会初先発のシーク・イズハン(ペナンFC)という布陣です。なおファーガス・ティエニー、ノーア・レイン、ハリス・ハイカル、ウバイドラー・シャムスールの4名が3戦連続の先発となっています。

下は試合前に並んだこの日の先発XI
前列左からウマル・ハキーム、アイマン・ユスニ、ダリル・シャム、ルクマン・ハキム、ノーア・レイン
後列左からウバイドラー・シャムスール、シャヒール・バシャー、ハキミ・アジム、ファーガス・ティエニー、シーク・イズハン、ハリス・ハイカル
(写真提供:植田朝日様)

いずれもここまで未勝利ということもあってか、試合開始からよく言えば勝ちに貪欲な、悪く言えばなりふり構わないプレーが見られる両チームでした、最初に見せ場を作ったのはマレーシアでした。3分にはダリル・シャムのシュートが惜しくもGK正面となり、15分には自陣でボールを持ったウマル・ハキームが中央をドリブルで上り、クウェートDFの間を通すパス。これを受けたルクマン・ハキムが放ったシュートが相手ゴールネットを揺らしたものオフサイドの判定でした。逆にクウェートもその2分後にゴールラインに近い左サイドからクロスを上げ、これをタラール・アル=カイシがダイレクトで合わせるもゴールポストの上を超えていきます。

誤算だったのは36分にケガのためダリル・シャムが交代、さらに44分にはGKシーク・イズハンが自陣へのロングボールをペナルティエリアの外でクリアしようとしてサルマン・アル=アワディと交錯した結果、1発レッドとなってしまいます。(シーク・イズハンは担架で退場)1人少なくなったマレーシアはここでルクマン・ハキムに代えてGKフィルダウス・イルマン(ペラFC)を起用し、ルクマンのU23アジアカップ挑戦はここで終わってしまいます。

そして前半ロスタイムにはマレーシアのペナルティエリア内でウマル・ハキームがタラール・アル=カイシを倒してしまいます。VARが入り、これがPKとなると、キャプテンのサルマン・アル=アワディが決めて、クウェートが先制します。前半を0−1で折り返した試合は、後半の60分に左サイドのスルタン・アル=ファラジュのクロスにタラール・アル=カイシが頭で合わせて強烈なヘディングシュートを叩き込み、クウェートはリードを2点と広げます。しかしその3分後にはノーア・レインからのロングボールを受けたハキミ・アジムがクウェートDFをかわして今大会チーム第1号となるゴールを決め、マレーシアは1点差に詰め寄ります。

84分にはクウェートのサルマン・アル=アワディがウマル・ハキームへの危険なタックルはVARによる検証の結果、レッドカードとなりクウェートも10人となったものの、マレーシアはこれを生かせずこのまま1−2で敗れています。

この試合の映像(スタジアム・アストロのYouTubeチャンネルより)

AFC U23アジアカップ2024 グループステージD組第3節
2024年4月23日@アル・ジャヌーブ・スタジアム(アル・ワクラ、カタール)
クウェートU23代表 2-1 マレーシアU23代表
⚽️クウェート:サルマン・アル=アワディ(45+14分PK)、タラール・アル=カイシ(60分)⚽️マレーシア:ハキミ・アジム(63分)
🟨クウェート(2):ファイサル・アル=シャティ、カレド・アル=ファドリ
🟨マレーシア(4):ウバイドラー・シャムスル、ムカイリ・アジマル、ハキミ・アジムアイマン・ユスニ、ハリス・ハイカル
🟥クウェート(1):サルマン・アル=アワディ
🟥マレーシア(1):シーク・イズハン

全勝同士の対戦となったグループ1位D組のもう1試合は優勝候補のウズベキスタンがベトナムを3-0で破っています。この結果、D組を1位で突破したウズベキスタンはC組2位のサウジアラビアと、またD組2位となったベトナムはC組1位のイラクと、それぞれベスト8で対戦し、勝利すれば2024年パリオリンピック出場に王手がかかります。

AFC U23アジアカップ2024 グループステージD組第3節
2024年4月23日@カリファ国際スタジアム(アル・ライヤーン、カタール)
ウズベキスタンU23代表 3-0 ベトナムU23代表
⚽️ウズベキスタン:アリシャ・オディロフ2(4分、40分)、ルスランベク・ジヤノフ(36分)
🟨ウズベキスタン(1):サイダザマト・ミルサイドフ
🟨ベトナム(2):グエン・ドゥック・ヴィエット、グエン・ホン・フク

勝点
1ウズベキスタン3300111109
2ベトナム32015416
3クウェート310249-53
4マレーシア300316-50